JP3878282B2 - 低分子量(メタ)アクリル重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、低分子量(メタ)アクリル重合体の製造方法に関する。更に詳しくは、大量のラジカル重合開始剤や連鎖移動剤の残渣などの不純物を含まない高純度の低分子量(メタ)アクリル重合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、(メタ)アクリル酸(塩)、(メタ)アクリレート、無置換(メタ)アクリルアミド、N−置換またはN,N−置換(メタ)アクリルアミドの低分子量重合体を得ようとする場合、目的物を生成する(メタ)アクリルモノマーを大量のラジカル重合開始剤や連鎖移動剤の存在下重合したり、非常な低濃度で重合する必要がある。
【0003】
しかしながら、大量のラジカル重合開始剤や連鎖移動剤、溶媒などの副原料を使用することは不経済であるばかりでなく、所望の重合体が大量の不純物を含有するものとなり、好ましくない。
【0004】
ところで、(メタ)アクリルモノマー、特に(メタ)アクリルアミド誘導体の合成方法として、(メタ)アクリレートの不飽和基をアルコールやアミンで保護した後、エステル部分をアミド化する等の変性を行い、その後保護基であるアルコキシ基やアミノ基を脱離、蒸留する方法(特開平2−88567、特開平6−199752など)が知られている。
【0005】
この場合、保護基を脱離して生成した(メタ)アクリルモノマーが蒸留釜内で重合することにより収率が著しく低下することがない様、蒸留釜には、原料と共に大量の重合禁止剤が添加され、酸素濃度が高い状態で蒸留操作が行われる。しかしながら、このような方策を講じても、蒸留釜内でのモノマーの重合を完全に防止することは困難であり、大量のタール状物が蒸留釜内に残存することになる。
【0006】
このタール状物(蒸留残渣)は、蒸留の際の加熱により、原料、重合禁止剤、生成した(メタ)アクリルモノマー、脱離した保護基などが複雑に反応したり、酸化されたりしたものであり、全く商品価値はないものである。
【0007】
従って、当業者にとって、このような蒸留残渣を製品化しようとすることは全く考えられないことであり、蒸留釜内で(メタ)アクリルモノマーを意図的に重合させ、(メタ)アクリル重合体を製造する方法は全く知られていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の問題点を解決するためになされたものであり、低分子量(メタ)アクリル重合体の製造方法を提供することを目的とする。更に詳しくは、大量のラジカル重合開始剤や連鎖移動剤、溶媒等の副原料を使用することなく、効率よく低分子量(メタ)アクリル重合体を製造する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、一般式1で示されるプロピオン酸誘導体を特定の条件下、特定の温度範囲に加熱する事により、大量のラジカル重合開始剤や連鎖移動剤、溶媒などの副原料を使用することなく、効率よく高純度の低分子量(メタ)アクリル重合体が得られる事を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、一般式1
【0011】
【化12】
【0012】
(式中、R1は水素又はメチル基、Xは、下記一般式2〜4
一般式2
【0013】
【化13】
【0014】
(R2は炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシエチル基又はフェニル基である。)
一般式3
【0015】
【化14】
【0016】
(R3は炭素数1〜8のアルキル基又はヒドロキシエチル基である。)
一般式4
【0017】
【化15】
【0018】
(R4、R5は、それぞれ独立に水素又は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はR4とR5が直接或いは窒素、酸素、硫黄からなる群より選ばれる元素を介して結合した3〜7員環の環状官能基である。)
で示されるエーテル基、チオエーテル基、アミノ基であり、
Yは、下記一般式5〜7
一般式5
【0019】
【化16】
【0020】
(R6は炭素数1〜24のアルキル基、ヒドロキシエチル基、シクロヘキシル基、アミノエチル基、N,N−ジメチルアミノエチル基、N,N−ジエチルアミノエチル基、N,N−ジブチルアミノエチル基である。)
一般式6
【0021】
【化17】
【0022】
(R7は炭素数1〜24のアルキル基又はヒドロキシエチル基である。)
一般式7
【0023】
【化18】
【0024】
(R8、R9は、それぞれ独立に水素又は炭素数1〜24のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、又はR8とR9が直接或いは窒素、酸素、硫黄からなる群より選ばれる元素を介して結合した3〜7員環の環状官能基である。)で示されるアルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基である。)で示されるプロピオン酸誘導体を溶存酸素濃度2ppm以下、100〜250℃に加熱することを特徴とする分子量20,000以下の(メタ)アクリル重合体の製造方法を提供する。
【0025】
本発明の低分子量(メタ)アクリル重合体とは、前記一般式1で示されるプロピオン酸誘導体を溶存酸素濃度2ppm以下、100〜250℃に加熱することにより得られるものである。
【0026】
本発明の低分子量(メタ)アクリル重合体の製造方法は、分子量は20,000以下、特に分子量10,000以下の低分子量(メタ)アクリル重合体を製造する際に特に有用である。
【0027】
本発明において、前記一般式1で示されるβ−置換プロピオン酸誘導体としては、例えばβ−置換プロピオン酸エステル、β−置換プロピオン酸チオエステル、β−置換プロピオン酸アミド、β−置換イソ酪酸エステル、β−置換イソ酪酸チオエステル、β−置換イソ酪酸アミド等を挙げることができ、またこれらを加水分解して得られるβ−置換プロピオン酸やβ−置換イソ酪酸、β−置換プロピオン酸塩、β−置換イソ酪酸塩であってもよい。
【0028】
β位の置換基、すなわち前記一般式1中、Xとしては、反応により生成するX−Hの大気圧下での沸点が200℃以下であるものが好ましく、具体的には、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシエチルオキシ基、フェノキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、ヒドロキシエチルチオ基、無置換アミノ基、窒素上の水素のどちらか一方あるいは両方が炭素数1〜4のアルキル基で置換されたアミノ基、アニリノ基、ピロリジノ基やヘキサメチレンイミノ基等の環状アミノ基、ピペラジノ基やモルホリノ基等のヘテロ原子含有環状アミノ基等を挙げることができる。
【0029】
本発明において、溶存酸素濃度は2ppm以下、好ましくは0.5ppm以下、さらに好ましくは0.1ppm以下である。溶存酸素濃度が2ppmより高い場合には、酸化反応により不純物の増加したり、生成物が激しく着色するといった問題があるほか、場合によってはほとんど重合体が得られない場合もある。
【0030】
本発明において、反応温度は100〜250℃、好ましくは120〜240℃である。250℃より高い場合には、熱分解により重合体が全く得られない場合があったり、生成物が激しく着色するといった問題がある。
【0031】
本発明において、一般式8
【0032】
【化19】
【0033】
(式中、Xは、下記一般式9〜11
一般式9
【0034】
【化20】
【0035】
(R2は炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシエチル基又はフェニル基である。)
一般式10
【0036】
【化21】
【0037】
(R3は炭素数1〜8のアルキル基又はヒドロキシエチル基である。)
一般式11
【0038】
【化22】
【0039】
(R4、R5は、それぞれ独立に水素又は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はR4とR5が直接或いは窒素、酸素、硫黄からなる群より選ばれる元素を介して結合した3〜7員環の環状官能基である。)
で示されるエーテル基、チオエーテル基、アミノ基である。)
で示される反応生成物の生成速度が0.1〜100モル/L/分以上、好ましくは1〜50モル/L/分であることが好ましい。
【0040】
反応生成物は、反応系内にそのまま留めても良いし、生成すると同時に系外に除去したり、系内で捕捉剤等を用いて不活性化しても良い。反応生成物の生成速度が0.1モル/L/分未満の場合には、反応時間が極端に長くなり、生産性が著しく低下したり、重合物がほとんど得られない場合がある。また、100モル/L/分以上の場合には、激しい発熱により反応系の温度制御が困難となる場合がある。
【0041】
本発明では、必要によりラジカル重合開始剤を添加しても良い。好ましく使用されるラジカル重合開始剤は、10時間半減期が50℃以上、更に好ましくは60〜200℃のものであり、具体的には、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシー2ーエチルヘキサノエート、ジt−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチル−バレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアゾ化合物、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0042】
ラジカル重合開始剤は、必要により溶媒で希釈して添加することが出来る。使用する溶媒としては、例えば水;食塩水、海水等の水溶液;ヘキサン等の脂肪族系炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール;フェノール;ジエチルエーテル等のエーテル類;ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン等の含ハロゲン系有機溶媒等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0043】
ラジカル重合開始剤を溶解する際の濃度にも特に制限はないが、著しく大量の溶液を添加する必要がないという点で0.1重量%以上が好ましく、ラジカル重合開始剤の添加速度の制御が容易であるという点で20重量%以下であることが好ましい。
【0044】
本発明において、ラジカル重合開始剤の添加速度は、一般式1で示されるプロピオン酸誘導体の反応初期仕込み量1モルに対して0.01〜1ミリモル/分、好ましくは0.1〜0.5ミリモル/分の速度である。1ミリモル/分より多い場合には、著しい発熱により反応系の温度制御が困難となる場合や、重合体がほとんど得られない場合がある。一方、0.01ミリモル/分以下の場合には、反応時間が著しく長くなる場合がある。
【0045】
本発明に於いて、ラジカル重合開始剤を添加する主たる目的は、反応系内に絶えずラジカルを発生させておくことであり、この観点からすれば、添加されるラジカル重合開始剤の総量には特に制限はない。しかしながら、あまりに多量のラジカル重合開始剤を使用することで、生成した重合体を劣化させる等の問題があることから、ラジカル重合開始剤の総添加量は一般式1で示されるプロピオン酸誘導体の反応初期仕込み量に対して10モル%以下であることが好ましい。
【0046】
本発明では、必要により周期律表1A、2A、3A、4A、1B、2B、8B族及びランタノイドからなる群より選ばれる1種以上の金属を含んでなる金属水酸化物、酸化物、アルコラート、アミンからなる群より選ばれる化合物の1種又は2種以上を一般式1で示される化合物100重量部に対して10重量部以下添加してもよい。特に、アミンの場合には、大気圧下での沸点が70℃以上のものが好ましく用いられる。添加量が10%より多い場合には、最終製品に含まれるこれら添加物の残渣が多くなり、本発明の目的である高純度の(メタ)アクリル重合体を得ることができない場合がある。好ましく用いられる前記化合物としては、具体的には、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化亜鉛、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、リチウムメチラート等のアルコラート、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセンなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0047】
本発明では、2種以上のβ−プロピオン酸誘導体を使用することにより、通常の(メタ)アクリルモノマーの重合と同様に、共重合体を製造することもできる。また、他のラジカル重合性モノマーを反応中に随時添加する事により、通常の(メタ)アクリルモノマーの重合と同様に、共重合体を製造することもできる。添加するモノマーにも特に制限はなく、例えば、エチレン、プロピレンなどのオレフィン;スチレン、スチレンスルホン酸などのスチレン誘導体;アリルアミン、アリルアルコール、エポキシブテン等のアリル化合物;ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム等のビニルラクタム;イソプロペニルオキサゾリン、ビニルオキサゾリドン等のヘテロ環含有ビニルモノマー;N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどのN−ビニルアミド; (メタ)アクリル酸及びその塩、エステルなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0048】
本発明の反応は、無溶媒で行うことができるが、系の粘度や反応温度、一般式2で示される反応生成物の留去速度の調整、反応機内の液深調整等を目的として、溶媒を用いることができる。この際、使用される溶媒にも特に制限はなく、水;食塩水、海水等の水溶液;ヘキサン等の脂肪族系炭化水素;シクロヘキサン等の脂環系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ブタノール、オクタノール等のアルコール;エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等の多価アルコール:フェノール;ジエチルエーテル等のエーテル類;ジオキサン等の環状エーテル;酢酸ブチル等のエステル類;メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;クロロベンゼン、クロロフェーノール等の含ハロゲン系有機溶媒等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0049】
本発明の(メタ)アクリル重合体は、重合後に加水分解等によりポリ(メタ)アクリル酸(塩)としたり、エステル交換反応、アミド交換反応等により変成することもできる。
【0050】
さらに、得られた(メタ)アクリル重合体に溶媒を添加したり、溶媒を置換することにより、所望の溶媒の溶液あるいは分散体とすることも可能である。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0052】
<実施例1>
撹拌機、捕水管、窒素導入用焼結管、滴下ロート2本を備えた100mlのフラスコに1−ピロリジノカルボニル−2−メトキシエタン40.00g、トルエン40.00g、リチウムメトキサイド0.40gを仕込んだ。撹拌下、液面下に浸漬された焼結管より200ml/minの流量で窒素を吹き込み、液相中の溶存酸素を5ppmから0.1ppm以下にした。更に、同じ流量で窒素を吹き込みながらフラスコを120℃のオイルバスで加熱した。加熱開始から35分後に、捕水管に留出物が捕集され始めたので、滴下ロートより、留出物の容積と同容量となるようにトルエンの滴下を開始した。留出開始から29分間で、4.02gの留出物が捕集された。留出物をNMRで分析した結果、トルエンとメタノールとの混合物であることが分かり、ピークの比から捕集された留出物中にはメタノールが0.03g含まれていることが分かった。
【0053】
留出開始55分後から、トルエン滴下用とは別の滴下ロートからV−40(和光純薬株式会社製 アゾ系開始剤)の1%トルエン溶液を0.29ml/分(V−40添加速度:0.04ミリモル/分/1モル仕込み原料)の速度で連続的に滴下した。これに伴い、トルエンの滴下量を、留出物の容積からV−40のトルエン溶液の容積を減じた量となるように調整した。
【0054】
反応中のメタノール流出速度は、留出開始〜62分までは0.35mol/L/min、留出開始62分後から急激に増え始め、62〜140分は28mol/L/minであった。その後、留出開始140分後にメタノールの留出はほぼ無くなり、140〜505分の留出速度は0.2mol/L/minであった。
【0055】
留出物の捕集開始より505分後に、予定量の77%のメタノールが回収された時点で反応を終了した。
【0056】
フラスコ中の内容物をテフロンコーティングされた八つ切りバットに移し、減圧乾燥器を用いて、10mmHgの減圧下、120℃で18時間乾燥する事により、本発明のポリアクリロイルピロリジン(1)26.2gを得た(収率:84.4%)。
【0057】
得られたポリアクリロイルピロリジン(1)の分子量をゲルパーミエイションクロマトグラフィーで測定した結果、スチレン標準試料換算数平均分子量は5,000であった。
【0058】
得られたポリアクリロイルピロリジン(1)のFT−IRスペクトルを図1に示した。
【0059】
<比較例1>
撹拌機、冷却管、窒素導入用焼結管を備えた100mlのフラスコにアクリロイルピロリジン30.00g、2−ブタノン30.00gを仕込んだ。撹拌下、液面下に浸漬された焼結管より200ml/minの流量で窒素を吹き込み、液相中の溶存酸素を7ppmから0.1ppm以下にした。更に、同じ流量で窒素を吹き込みながらフラスコを65℃のオイルバスで加熱した。
【0060】
フラスコ内の温度が63℃で安定したところで、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルの10重量%−トルエン溶液0.2mlを添加した。
【0061】
重合開始剤投入後2時間、65℃で反応を続けた。
【0062】
フラスコ中の内容物をテフロンコーティングされた八つ切りバットに移し、減圧乾燥器を用いて、10mmHgの減圧下、120℃で18時間乾燥する事により、本発明の比較例ポリアクリロイルピロリジン(1)23.5gを得た(収率:78.3%)。
【0063】
得られた比較例ポリアクリロイルピロリジン(1)の分子量をゲルパーミエイションクロマトグラフィーで測定した結果、スチレン標準試料換算数平均分子量は40,000であった。
【0064】
得られた比較例ポリアクリロイルピロリジン(1)のFT−IRスペクトルを図2に示した。
【0065】
【発明の効果】
本発明は、低分子量(メタ)アクリル重合体の製造方法を提供する。
【0066】
本発明によれば、低分子量(メタ)アクリル重合体を大量のラジカル重合開始剤や連鎖移動剤を使用することなく、効率的に高純度で得ることができる。
【0067】
また、本発明の高純度低分子量(メタ)アクリル重合体は、架橋剤、水処理剤、食品添加剤、パップ剤用粘着剤、ガスハイドレートインヒビター等の各種添加剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
図1と図2との比較から、本発明により得られた低分子量のポリ(アクリロイルピロリジン)が、原料としてモノマーを用い、通常の製造方法で合成された高分子量のポリ(アクリロイルピロリジン)と同一の構造を有していることが分かる。
従って、本発明によれば、従来では得られなかった連鎖移動剤の残渣などの不純物をほとんど含まない高純度の低分子量ポリ(アクリロイルピロリジン)が得られることは明らかである。
【図1】 実施例1で得られた数平均分子量5,000のポリ(アクリロルピロリジン)のFT−IRスペクトルである。
【図2】 比較例1で得られた数平均分子量40,000万の比較例ポリ(アクリロルピロリジン)のFT−IRスペクトルである。
Claims (5)
- 一般式1
一般式2
一般式3
一般式4
一般式5
一般式6
一般式7
- 一般式8
一般式9
一般式10
一般式11
- ラジカル重合開始剤を一般式1で示されるプロピオン酸誘導体の反応初期仕込み量1モルに対して0.01〜1ミリモル/分の速度で添加することを特徴とする請求項1または2に記載の分子量20,000以下の(メタ)アクリル重合体の製造方法。
- ラジカル重合開始剤の10時間半減期が60〜200℃であることを特徴とする請求項3に記載の分子量20,000以下の(メタ)アクリル重合体の製造方法。
- 周期律表1A,2A,3A,4A,1B,2B,8B族及びランタノイドからなる群より選ばれる1種以上の金属を含んでなる金属水酸化物、酸化物、アルコラート、アミンからなる群より選ばれる化合物の1種または2種以上を一般式1で示される化合物100重量部に対して10重量部以下添加することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の分子量20,000以下の(メタ)アクリル重合体の製造方法。
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