JP2000327775A - 耐熱性樹脂組成物の処理方法 - Google Patents

耐熱性樹脂組成物の処理方法

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JP2000327775A
JP2000327775A JP13715599A JP13715599A JP2000327775A JP 2000327775 A JP2000327775 A JP 2000327775A JP 13715599 A JP13715599 A JP 13715599A JP 13715599 A JP13715599 A JP 13715599A JP 2000327775 A JP2000327775 A JP 2000327775A
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heat
resistant resin
polymer
resin composition
pattern
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JP13715599A
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Ryoji Okuda
良治 奥田
Masao Tomikawa
真佐夫 富川
Yoji Fujita
陽二 藤田
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性樹脂組成物のパターン断面のエッジ部が
だれることなく、より矩形になるような処理方法を提供
する。 【解決手段】一般式(1)で表される構造単位を主成分
とするポリマーによって基板上に形成したパターンを、
(T±10)℃で10分間以上熱処理する工程を含有す
ることを特徴とする耐熱性樹脂組成物の処理方法。(た
だしTは該ポリマーに含まれる溶媒の1気圧における沸
点(℃)である。) 【化1】 (R1は少なくとも2個以上の炭素原子を有する3価か
ら8価の有機基、R2は、少なくとも2個以上の炭素原
子を有する2価から6価の有機基、R3は水素、アルカ
リ金属イオン、アンモニウムイオンまたは炭素数1から
20までの有機基を示す。mは3から100000まで
の整数、nは0から2までの整数であり、nが2の場合
のR3は同じでも異なっていてもよい。p、qは0から
4までの整数であり、n+q>0である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体分野におい
て層間絶縁膜、表面保護層などに用いられる耐熱性樹脂
の熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】耐熱性樹脂組成物は半導体分野におい
て、層間絶縁膜、表面保護膜(バッファーコート膜、ア
ルファー線遮蔽膜)などの形成に利用されている。耐熱
性樹脂組成物をこれらの用途に用いる場合、スルーホー
ル形成の目的などから、微細加工をする必要がある。耐
熱性樹脂前駆体組成物のパターンを形成した後に、通常
は加熱処理(キュア)をすることによって耐熱性樹脂に
変換する。
【0003】従来、耐熱性樹脂組成物のパターン加工は
耐熱性樹脂組成物被膜の上にフォトレジストを塗布後、
露光、現像をおこないパターンを形成し、これをマスク
にして耐熱性樹脂被膜をエッチングすることによって行
ってきた。しかし、この方法はフォトレジストの塗布や
剥離などの工程があるためにプロセスが複雑である。さ
らに、サイドエッチによってパターン精度が低下すると
いう問題があった。
【0004】このような問題は耐熱性樹脂組成物自身に
感光性を付与することで克服できると考えられ、感光性
耐熱性樹脂組成物の開発が精力的に行われた。その結
果、現在感光性耐熱性樹脂組成物は半導体分野をはじめ
として多くの分野で活発に使用され始めている。
【0005】一方、耐熱性樹脂組成物のキュアの方法と
しては、通常イナートオーブンや炉を用いる方法と、ホ
ットプレートで行われる方法が知られている。温度条件
については、例えば、350℃で1時間という1段の
み、140℃で30分の後350℃で1時間という2段
のもの、さらには3段以上のものなどさまざまであり、
温度もポリマー系によって異なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】耐熱性樹脂組成物のキ
ュア後のパターン形状はできるだけ矩形であることが望
ましく、パターンのエッジ部がだれないことが求められ
る。パターンエッジ部がだれると、以下のような問題が
生じる。上記一括開孔法ではパッシベーション膜のドラ
イエッチの際にポリイミドも多少削られる。このため、
パターンエッジ部がだれると膜厚の薄いエッジ下端部が
ドライエッチによって消失し、パターンが拡がってしま
う。耐熱性樹脂のパターンが拡がると、本来ドライエッ
チされると好ましくない領域のパッシベーション膜もド
ライエッチされてしまい、デバイスの性能を低下させる
原因となる。したがって、パターンエッジ部がだれるこ
となく、より矩形になるようなポリマー組成や処理条件
が求められている。
【0007】本発明はかかる従来技術の諸欠点に鑑み創
案されたもので、本発明の目的は、耐熱性樹脂組成物の
パターンを熱処理する際に、該耐熱性樹脂組成物に含ま
れる溶媒の沸点付近の温度で熱処理するステップをキュ
ア条件に導入することによって、良好なパターンプロフ
ァイルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
で表される構造単位を主成分とするポリマーによって基
板上に形成したパターンを、(T±10)℃で10分間
以上熱処理する工程を含有することを特徴とする耐熱性
樹脂組成物の処理方法。(ただしTは該ポリマーに含ま
れる溶媒の1気圧における沸点(℃)である。)
【0009】
【化3】
【0010】(R1は少なくとも2個以上の炭素原子を
有する3価から8価の有機基、R2は、少なくとも2個
以上の炭素原子を有する2価から6価の有機基、R3
水素、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまたは
炭素数1から20までの有機基を示す。mは3から10
0000までの整数、nは0から2までの整数であり、
nが2の場合のR3は同じでも異なっていてもよい。
p、qは0から4までの整数であり、n+q>0であ
る。)
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明において、一般式(1)で表される
ポリマーは、加熱あるいは適当な触媒により、イミド
環、オキサゾール環、その他の環状構造を有するポリマ
ーとなり得るものである。環構造となることで、耐熱
性、耐溶剤性が飛躍的に向上する。 一般式(1)中、
1を構成する残基は酸の構造成分を表しており、少な
くとも2個以上の炭素原子を有する3価から8価の有機
基である。本発明におけるポリマーの耐熱性の点から、
1は芳香環または芳香族複素環を含有し、かつ炭素数
6〜30の3価から8価の有機基が好ましい。
【0013】一般式(1)中、R2を構成する残基はジ
アミンの構造成分を表しており、少なくとも2個以上の
炭素原子を有する2価から6価の有機基である。本発明
におけるポリマーの耐熱性の点から、R2は芳香環また
は芳香族複素環を含有し、かつ炭素数6〜30の2価か
ら6価の有機基が好ましい。
【0014】基板との接着性を向上させる目的で、耐熱
性を低下させない範囲でシロキサン構造を有するジアミ
ン化合物を使用することもできる。シロキサン構造を有
するジアミン化合物としては、例えば、ビス(3−アミ
ノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(3−ア
ミノプロピル)テトラフェニルジシロキサン、ビス(4
−アミノフェニル)テトラメチルジシロキサン等が使用
される。
【0015】本発明の耐熱性樹脂組成物は、一般式
(1)で表される構造単位のみからなるものであっても
良いし、他の構造単位との共重合体あるいはブレンド体
であってもよい。その際、一般式(1)で表される構造
単位を90モル%以上含有していることが好ましい。共
重合あるいはブレンドに用いられる構造単位の種類およ
び量は、最終加熱処理によって得られるポリマーの耐熱
性を損なわない範囲で選択することが好ましい。
【0016】一般式(1)で表される構造単位を主成分
とするポリマーは公知の方法によって合成される。すな
わち、R3が水素である場合は、テトラカルボン酸二無
水物とジアミンとを選択的に組み合わせ、これらをN−
メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、ヘキサメチルホスホロトリアミドなどを主成分と
する極性溶媒や、γ−ブチロラクトンを主成分とする溶
媒中で反応させるなど、公知の方法によって合成され
る。
【0017】R3がアルキル基である場合は、テトラカ
ルボン酸二無水物とアルコール化合物を反応させた後、
塩化チオニル等を用いて酸塩化物を合成した後に適当な
ジアミンと選択的に組み合わせるか、またはジシクロへ
キシルカルボジイミド等の適当な脱水剤を用いてジアミ
ンと選択的に組み合わせ、これらをN−メチル−2−ピ
ロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメ
チルホスホロトリアミド等を主成分とする極性溶媒や、
γ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒中で反応させる
など、公知の方法によって合成される。
【0018】R3は水素、アルカリ金属イオン、アンモ
ニウムイオンまたは炭素数1から20までの有機基を示
す。このときnが2の場合、R3は各々同じでも異なっ
ていてもよい。
【0019】また本発明の処理方法は、一般式(1)に
該当するポリマーであれば、いずれにも使用し、その効
果を得ることができるが、なかでも下記に示すようなポ
リマーが好ましい。
【0020】
【化4】
【0021】(R7は少なくとも2個以上の炭素原子を
有する4価の有機基、R8は少なくとも2個以上の炭素
原子を有する2価の有機基、R9およびR10は水素、ア
ルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、または、炭素
数1〜30の有機基を表す。R9、R10は同じでも異な
っていても良い。)
【0022】
【化5】
【0023】(R11は少なくとも2個以上の炭素原子を
有する3価から8価の有機基、R12は、少なくとも2個
以上の炭素原子を有する2価から6価の有機基、R13
水素、または炭素数1から10までの有機基を示す。m
は3から100000までの整数、tは1または2、
r、sは0から4までの整数、かつr+s>0であ
る。)
【0024】
【化6】
【0025】(R14は少なくとも2個以上の炭素原子を
有する2価の有機基、R15は少なくとも2個以上の炭素
原子を有する4価の有機基を示す。mは3から1000
00までの整数を示す。) 上記一般式(3)において、R7は少なくとも2個以上
の炭素原子を有する4価の有機基を示す。本発明におけ
るポリマーの耐熱性から、R7は芳香族または芳香族複
素環を含有し、かつ炭素数6〜30の4価の有機基が好
ましい。R7の好ましい具体例としては、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,
4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,
3’,4,4’−ジフェニルヘキサフルオロプロパンテ
トラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルス
ルホンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、ブタンテト
ラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸などの
残基が挙げられるが、これらに限定されない。また、R
7はこれらのうち1種から構成されていても良いし、2
種以上から構成される共重合体であっても構わない。
【0026】一般式(3)において、R8は少なくとも
2個以上の炭素原子を有する2価の有機基である。本発
明におけるポリマーの耐熱性から、R8は芳香族または
芳香族複素環を含有し、かつ炭素数6〜30の2価の有
機基が好ましい。R8の好ましい具体例としては、パラ
フェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、メチル
パラフェニレンジアミン、メチルメタフェニレンジアミ
ン、ジメチルパラフェニレンジアミン、ジメチルメタフ
ェニレンジアミン、トリメチルパラフェニレンジアミ
ン、トリメチルメタフェニレンジアミン、テトラメチル
パラフェニレンジアミン、テトラメチルメタフェニレン
ジアミン、トリフルオロメチルパラフェニレンジアミ
ン、トリフルオロメチルメタフェニレンジアミン、ビス
(トリフルオロ)メチルパラフェニレンジアミン、ビス
(トリフルオロ)メチルメタフェニレンジアミン、メト
キシパラフェニレンジアミン、メトキシメタフェニレン
ジアミン、トリフルオロメトキシパラフェニレンジアミ
ン、トリフルオロメトキシメタフェニレンジアミン、フ
ルオロパラフェニレンジアミン、フルオロメタフェニレ
ンジアミン、クロロパラフェニレンジアミン、クロロメ
タフェニレンジアミン、ブロモパラフェニレンジアミ
ン、ブロモメタフェニレンジアミン、カルボキシパラフ
ェニレンジアミン、カルボキシメタフェニレンジアミ
ン、メトキシカルボニルパラフェニレンジアミン、メト
キシカルボニルメタフェニレンジアミン、ジアミノジフ
ェニルメタン、ビス(アミノメチルフェニル)メタン、
ビス(アミノトリフルオロメチルフェニル)メタン、ビ
ス(アミノエチルフェニル)メタン、ビス(アミノクロ
ロフェニル)メタン、ビス(アミノジメチルフェニル)
メタン、ビス(アミノジエチルフェニル)メタン、ジア
ミノジフェニルプロパン、ビス(アミノメチルフェニ
ル)プロパン、ビス(アミノトリフルオロメチルフェニ
ル)プロパン、ビス(アミノエチルフェニル)プロパ
ン、ビス(アミノクロロフェニル)プロパン、ビス(ア
ミノジメチルフェニル)プロパン、ビス(アミノジエチ
ルフェニル)プロパン、ジアミノジフェニルヘキサフル
オロプロパン、ビス(アミノメチルフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、ビス(アミノトリフルオロメチルフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(アミノエチルフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(アミノクロロ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(アミノジメ
チルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(アミノ
ジエチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ジアミノ
ジフェニルスルホン、ビス(アミノメチルフェニル)ス
ルホン、ビス(アミノエチルフェニル)スルホン、ビス
(アミノトリフルオロメチルフェニル)スルホン、ビス
(アミノジメチルフェニル)スルホン、ビス(アミノジ
エチルフェニル)スルホン、ジアミノジフェニルエーテ
ル、ビス(アミノメチルフェニル)エーテル、ビス(ア
ミノトリフルオロメチルフェニル)エーテル、ビス(ア
ミノエチルフェニル)エーテル、ビス(アミノジメチル
フェニル)エーテル、ビス(アミノジエチルフェニル)
エーテル、ジメチルベンジジン、ビス(トリフルオロメ
チル)ベンジジン、ジクロロベンジジン、ビス(アミノ
フェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシフェニ
ル)プロパン、ビス(アミノフェノキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、ビス(アミノフェノキシフェニ
ル)エーテル、ビス(アミノフェノキシフェニル)メタ
ン、ビス(アミノフェノキシフェニル)スルホンなどの
化合物の残基及びその水添加化合物の残基などが挙げら
れるが、これらに限定されない。また、R8はこれらの
うち1種から構成されていても良いし、2種以上から構
成される共重合体であっても構わない。
【0027】上記一般式(3)において、R9およびR
10は水素、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、
または、炭素数1〜30の有機基を表す。炭素数1〜3
0の有機基としては脂肪族有機基が好ましく、含有され
る有機基としては、炭化水素基、水酸基、カルボニル
基、カルボキシル基、ウレタン基、ウレア基、アミド基
などが挙げられるがこれらに限定されない。好ましい具
体例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、
ブチル基、t−ブチル基、メタクリル酸エチル基、アク
リル酸エチル基、メタクリル酸プロピル基、アクリル酸
プロピル基、エチルメタクリルアミド基、プロピルメタ
クリルアミド基、エチルアクリルアミド基、プロピルア
クリルアミド基などが挙げられるがこれらに限定されな
い。また、脱離が容易でポリイミドへの転化が速やかで
ある点で、R9およびR10は水素、アルカリ金属イオ
ン、アンモニウムイオンであることがより好ましく、水
素が最も好ましい。
【0028】上記R9およびR10は単独種であってもよ
いし、2種以上の混合であってもよい。さらにR9およ
びR10は同じであっても、異なっても良い。
【0029】一般式(3)で表される構造単位を主成分
とするポリマーに感光性を付与するために、R9および
10成分にメタクリル酸エチル基、アクリル酸エチル
基、メタクリル酸プロピル基、アクリル酸プロピル基、
エチルメタクリルアミド基、プロピルメタクリルアミド
基、エチルアクリルアミド基、プロピルアクリルアミド
基などを用いる、および/または、新たにエチレン性不
飽和二重結合及びアミノ基を含む一般式(2)で表され
る化合物を含有することも可能である。
【0030】また、上記一般式(2)中、R4、R5、R
6は炭素数1〜30の有機基を表す。有機基としては脂
肪族有機基が好ましく、含有される有機基としては、炭
化水素基、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基、ウ
レタン基、ウレア基、アミド基などが挙げられるが、こ
れらに限定されない。さらに、感光性能向上のため、R
4、R5、R6のうち少なくとも1つはエチレン性不飽和
二重結合を含んでいることが好ましい。
【0031】一般式(2)の好ましい具体例として、ジ
メチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエ
チルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミ
ノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピル
メタクリレート、ジエチルアミノプロピルメタクリレー
ト、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルア
ミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルメ
タクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミ
ド、ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチル
アミノエチルメタクリルアミド、ジエチルアミノエチル
メタクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミ
ド、ジエチルアミノエチルアクリルアミドなどが挙げら
れるがこれらに限定されない。また、一般式(2)で表
される化合物は単独種であってもよいし、2種以上の混
合であってもよい。
【0032】さらに、一般式(1)、一般式(3)、一
般式(4)、一般式(5)で表される構造単位を主成分
とするポリマーは、光開始剤または光増感剤、さらに光
開始剤と光増感剤を併用することも可能である。
【0033】本発明に適した光開始剤としては、N−フ
ェニルジエタノールアミン、N−フェニルグリシンなど
の芳香族アミン類、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケト
ン類、3−フェニル−5−イソオキサゾロンに代表され
る環状オキシム化合物、1−フェニルプロパンジオン−
2−(o−エトキシカルボニル)オキシムに代表される
鎖状オキシム化合物、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル
安息香酸メチル、ジベンジルケトン、フルオレノンなど
のベンゾフェノン誘導体、チオキサントン、2−メチル
チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなど
のチオキサントン誘導体などが挙げられるがこれらに限
定されない。
【0034】本発明に適した増感剤としては、アジドア
ントラキノン、アジドベンザルアセトフェノンなどの芳
香族モノアジド、7−ジエチルアミノベンゾイルクマリ
ン、3,3’−カルボニルビス(ジエチルアミノクマリ
ン)などのアミノクマリン類、ベンズアントロン、フェ
ナントレンキノンなどの芳香族ケトン類など、一般に光
硬化性樹脂に使用されるようなもの、その他電子写真感
光体の電荷移動剤として使用されるものであれば好まし
く使用できることもある。
【0035】光開始剤や増感剤は本発明におけるポリマ
ーに対して0.01〜30重量%、さらに好ましくは
0.1〜20重量%添加するのが好ましい。この範囲を
外れると感光性が低下したり、ポリマーの機械特性が低
下したりするので注意を要する。これらの光開始剤や増
感剤は、単独で、あるいは2種以上混合して用いること
ができる。
【0036】本発明組成物の感光性能を上げるために、
適宜、光反応性モノマーを用いることもできる。光反応
性モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレートエチレングリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレートトリエチレングリコールジメタクリレート、テ
トラエチレングリコールジメタクリレート、プロピレン
グリコールジメタクリレート、メチレンビスメタクリル
アミド、メチレンビスアクリルアミドなどが挙げられる
が、これらに限定されない 光反応性モノマーはポリマ
ーに対して1〜30重量%の範囲で添加するのが好まし
い。この範囲を外れると感光性が低下したり、ポリマー
の機械特性が低下したりするので注意を要する。これら
の光反応性モノマーは、単独であるいは2種以上混合し
て用いることができる。
【0037】一般式(4)で表される構造単位を主成分
とするポリマーは、水酸基を有していても有していなく
ても良いが、水酸基を有していることが好ましい。水酸
基を有する場合、水酸基の存在のために、アルカリ水溶
液に対する溶解性が水酸基を有さないポリアミド酸より
も良好になる。特に、水酸基の中でもフェノール性の水
酸基がアルカリ水溶液に対する溶解性の観点より好まし
い。
【0038】一般式(4)中、R11を構成する残基は酸
の構造成分を表しており、この酸成分は芳香族環を含有
し、かつ、水酸基を1個から4個有した、炭素数2〜6
0の3価から8価の有機基が好ましい。R11が水酸基を
含まない場合、R12成分が水酸基を1個から4個含むこ
とが望ましい。さらに、水酸基はアミド結合と隣り合っ
た位置にあることが好ましい。このような例として、下
記に示すような構造のものがあげられるが、本発明はこ
れに限定されない。
【0039】
【化7】
【0040】また、R11を含む残基として、水酸基を有
していないテトラカルボン酸、トリカルボン酸、ジカル
ボン酸を使用することもできる。これらの例としては、
ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビ
フェニルテトラカルボン酸、ジフェニルエーテルテトラ
カルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸など
の芳香族テトラカルボン酸やそのカルボキシル基2個を
メチル基やエチル基にしたジエステル化合物、ブタンテ
トラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸など
の脂肪族のテトラカルボン酸やそのカルボキシル基2個
をメチル基やエチル基にしたジエステル化合物、トリメ
リット酸、トリメシン酸、ナフタレントリカルボン酸な
どの芳香族トリカルボン酸などを挙げることができる。
【0041】一般式(4)中、R12を構成する残基はジ
アミンの構造成分を表しており、少なくとも2個以上の
炭素原子を有する2価から6価の有機基を示している。
この中で、R12の好ましい例としては、得られるポリマ
ーの耐熱性より芳香族を有し、かつ、水酸基を1個から
4個有するものが好ましい。R12が水酸基を含まない場
合、R11成分が水酸基を1個から4個含むことが望まし
い。さらに、水酸基はアミド結合と隣り合った位置にあ
ることが好ましい。
【0042】具体的な例としてはビス(アミノヒドロキ
シフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ジアミノジヒド
ロキシピリミジン、ジアミノジヒドロキシピリジン、ヒ
ドロキシジアミノピリミジン、ジアミノフェノール、ジ
ヒドロキシベンゼンなどの化合物や下記に示すような構
造のものがあげられる。
【0043】
【化8】
【0044】また、一般式(4)のR12を含む残基とし
て水酸基を含まないジアミンを使用することもできる。
このような例として、フェニレンジアミン、ジアミノジ
フェニルエーテル、アミノフェノキシベンゼン、ジアミ
ノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ビ
ス(トリフルオロメチル)ベンチジン、ビス(アミノフ
ェノキシフェニル)プロパン、ビス(アミノフェノキシ
フェニル)スルホンあるいはこれらの芳香族環にアルキ
ル基やハロゲン原子で置換した化合物など、脂肪族のシ
クロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルア
ミンなどが挙げられる。これらのジアミン化合物は、単
独又は2種以上を組み合わせて使用される。これらは、
ジアミン成分の40モル%以下の使用が好ましい。40
モル%以上共重合すると得られるポリマーの耐熱性が低
下する。
【0045】一般式(4)のR13は水素、あるいは炭素
数1〜10の有機基を表している。R13の炭素数が20
を越えるとアルカリ水溶液に溶解しなくなる。得られる
感光性樹脂溶液の安定性からR13は有機基が好ましい
が、アルカリ水溶液の溶解性よりみると水素が好まし
い。つまり、R13はすべて水素であることや、すべて有
機基であることは好ましくない。このR13の水素と有機
基の量を制御することで、アルカリ水溶液に対する溶解
速度が変化するので、この調整により適度な溶解速度を
有した感光性樹脂組成物を得ることができる。mは3か
ら100000までの整数であり、tは1または2、
r、sは0から4までの整数であり、かつr+s>0で
ある。rが5以上になると、得られる耐熱性樹脂被膜の
特性が低下する。
【0046】また、カルボキシル基の一部をイミド化す
ることによって、残存カルボキシル基の量を調節するこ
とも可能である。イミド化の方法としては、イミド化で
きれば公知の方法を用いても構わない。このときのイミ
ド化の割合は1%以上50%以下が好ましい。イミド化
率が50%を超えると露光に使用する化学線に対するポ
リマーの吸収が大きくなり、感度が低下する。
【0047】一般式(4)で表されるポリマーは露光す
る化学線に対してできるだけ透明であることが望まし
い。そのため、365nmにおけるポリマーの吸光度は
1μmあたり0.1以下であることが好ましい。より好
ましくは0.08以下である。0.1を超えると365
nmの化学線での露光に対する感度が低下する。
【0048】本発明の耐熱性樹脂組成物は、一般式
(4)で表される構造単位のみからなるものであっても
良いし、他の構造単位との共重合体あるいはブレンド体
であってもよい。その際、一般式(4)で表される構造
単位を90モル%以上含有していることが好ましい。共
重合あるいはブレンドに用いられる構造単位の種類およ
び量は、最終加熱処理膜によって得られるポリマーの耐
熱性を損なわない範囲で選択することが好ましい。
【0049】一般式(5)において、R14は少なくとも
2個以上の炭素原子を有する2価の有機基を示す。本発
明におけるポリマーの耐熱性から、R14は芳香族または
芳香族複素環を含有し、かつ炭素数6〜30の2価の有
機基であることが好ましい。R14の好ましい具体例とし
ては、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸、
ジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、イソフタル
酸、ベンゾフェノン−3,3’−ジカルボン酸、ベンゾ
フェノン−3,4’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−
4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,
3’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,4’−
ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカル
ボン酸などの残基が挙げられるが、これらに限定されな
い。また、R14はこれらのうち1種から構成されていて
も良いし、2種以上から構成される共重合体であっても
構わない。
【0050】一般式(5)において、R15は少なくとも
2個以上の炭素原子を有する4価の有機基を示す。本発
明におけるポリマーの耐熱性から、R15は芳香族または
芳香族複素環を含有し、かつ炭素数6〜30の4価の有
機基であることが好ましい。R15の好ましい具体例とし
ては、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジ
ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノ−
3,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルなどの残基
が挙げられるが、これらに限定されない。また、R15
これらのうち1種から構成されていても良いし、2種以
上から構成される共重合体であっても構わない。
【0051】一般式(5)で表されるポリベンゾオキサ
ゾール前駆体は公知の方法によって合成される(例え
ば、特開平8−22118号公報)。すなわち、ジヒド
ロキシジアミンとハロゲン化ジカルボン酸との縮合、あ
るいはジヒドロキシジアミンとジカルボン酸をジシクロ
ヘキシルカルボジイミドなどの脱水縮合剤の存在下での
縮合などの方法によって得ることができる。
【0052】一般式(1)で表される構造単位を主成分
とするポリマーは、光酸発生剤を添加することで感光性
を付与することができる。とくに、一般式(4)、一般
式(5)で表される構造単位を主成分とするポリマーに
おいて好ましく用いられる。本発明で用いる光酸発生剤
としては、ジアゾニウム塩、ジアゾキノンスルホン酸ア
ミド、ジアゾキノンスルホン酸エステル、ジアゾキノン
スルホン酸塩、ニトロベンジルエステル、オニウム塩、
ハロゲン化物、ハロゲン化イソシアネート、ハロゲン化
トリアジン、ビスアリールスルホニルジアゾメタン、ジ
スルホン等の光照射により分解し酸を発生する化合物が
あげられる。特にo−キノンジアジド化合物は未露光部
の水溶性を抑制する効果を有するために望ましい。この
ような化合物としては、1,2−ベンゾキノン−2−ア
ジド−4−スルホン酸エステル又はスルホン酸アミド、
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸
エステル又はスルホン酸アミド、1,2−ナフトキノン
−2−ジアジド−4−スルホン酸エステル又はスルホン
酸アミド等がある。これらは、例えば、1,2−ベンゾ
キノン−2−アジド−4−スルホニルクロリド、1,2
−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリ
ド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホ
ニルクロリド等のo−キノンジアジドスルホニルクロリ
ド類とポリヒドロキシ化合物又はポリアミノ化合物を脱
塩酸触媒の存在下で縮合反応することによって得ること
ができる。
【0053】ポリヒドロキシ化合物としては、ヒドロキ
ノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノール
A、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,
3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,
2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、ト
リス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−
トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1−[1−
(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−
[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベ
ンゼン、没食子酸メチル、没食子酸エチル等が挙げられ
る。
【0054】ポリアミノ化合物としては、1,4−フェ
ニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルス
ルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド等が
挙げられる。
【0055】また、ポリヒドロキシポリアミノ化合物と
しては、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジヒドロ
キシベンジジン等が挙げられる。
【0056】o−キノンジアジド化合物は、一般式
(1)で表されるポリマー100重量部に対して好まし
くは5から100重量部、より好ましくは5から40重
量部の範囲で配合される。配合量が5重量部未満では十
分な感度が得られず、また、100重量部を超えると樹
脂組成物の耐熱性が低下する可能性がある。
【0057】本発明で用いるo−キノンジアジド化合物
は、一般式(1)で表されるポリマーに添加したとき
に、400nmにおける吸光度が膜厚1μmあたり0.
25〜0.35であることが好ましい。この値が0.2
5よりも小さいと、感度が低下してしまう。0.35よ
りも大きいと、パターン底部に露光する化学線が充分に
届かず、パターン端に溶け残りが生じる。また、o−キ
ノンジアジド化合物を過剰に加えると膜の機械特性が低
下する。したがって、o−キノンジアジド化合物の添加
量は必要最小限であることが好ましい。
【0058】また、o−キノンジアジド化合物が、ポリ
ヒドロキシ化合物とポリヒドロキシ化合物の水酸基に対
して80mol%以上のナフトキノンジアジドスルホン
酸クロリドとを反応させて得られた化合物であることが
好ましい。より好ましくは、85mol%以上である。
80mol%よりも小さいときは、キュア後のパターン
断面形状がだれてしまう問題が生じる。
【0059】本発明の耐熱性樹脂組成物に含まれる溶媒
とは、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクト
ン、N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの極性の非
プロトン性溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど
のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソ
ブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル
などのエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素類などの溶剤を単独、または混合して使用するこ
とができる。
【0060】本発明組成物の塗膜または加熱処理後の耐
熱性樹脂被膜と支持体との接着性を向上させるために適
宜接着助剤を用いることもできる。
【0061】接着助剤としては、オキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビス
(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビ
ス(3−アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサ
ン、ビス(4−アミノフェニル)テトラメチルジシロキ
サンなどの有機珪素化合物、あるいはアルミニウムモノ
エチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニ
ウムトリス(アセチルアセトネート)などのアルミニウ
ムキレート化合物あるいはチタニウムビス(アセチルア
セトネート)などのチタニウムキレート化合物などが好
ましく用いられる。
【0062】また、必要に応じて本発明組成物と基板と
の塗れ性を向上させる目的で界面活性剤、乳酸エチルや
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートな
どのエステル類、エタノールなどのアルコール類、シク
ロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン
類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類
を混合してもよい。また、二酸化ケイ素、二酸化チタン
などの無機粒子、あるいはポリイミドの粉末などを添加
することもできる。
【0063】さらにシリコンウエハなどの下地基板との
接着性を高めるために、シランカップリング剤、チタン
キレート剤などを感光性樹脂組成物のワニスに0.5か
ら10重量部添加したり、下地基板をこのような薬液で
前処理したりすることもできる。
【0064】ワニスに添加する場合、メチルメタクリロ
キシジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキ
シシランなどのシランカップリング剤、チタンキレート
剤、アルミキレート剤をワニス中のポリマーに対して
0.5から10重量部添加する。
【0065】基板を処理する場合、上記で述べたカップ
リング剤をイソプロパノール、エタノール、メタノー
ル、水、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、乳酸エチル、アジピン酸ジエチルな
どの溶媒に0.5から20重量部溶解させた溶液をスピ
ンコート、浸漬、スプレー塗布、蒸気処理などで表面処
理をする。場合によっては、その後50℃から300℃
までの温度をかけることで、基板と上記カップリング剤
との反応を進行させる。
【0066】本発明における基板の材質は、例えば、金
属、ガラス、半導体、金属酸化絶縁膜、窒化ケイ素など
が挙げられる。好ましくは、シリコンウエハが用いられ
るつぎに、本発明の方法を用いての耐熱性樹脂組成物の
処理方法について説明する。本発明で示しているT
(℃)は耐熱性樹脂組成物に含まれる溶媒の1気圧にお
ける沸点である。該溶媒が混合溶媒のときの1気圧にお
ける沸点とは、溶媒の中に主に含まれる溶媒の沸点のこ
とで、さらに詳しくは30wt%以上含まれる溶媒の沸
点の中で最も高い値のことである。また、混合溶媒が共
沸を示し、該共沸点がその他含まれる溶媒の沸点よりも
高いときは、該共沸点を沸点とする。
【0067】処理をする際は、(T±15)℃で5分間
以上というステップを含んでいることが好ましい。より
好ましくは、(T±10)℃で10分間以上である。
【0068】また本発明の熱処理後のパターンを電子顕
微鏡で観察したときに、20μmライン&スペースの断
面凸部分エッジ角度θを、tanθ=2h/(b−a)
と表したときに、θが45度よりも大きいことが好まし
い。θの値が90度に近いほどエッジ部がより矩形であ
り、良好なパターン断面であるといえる。
【0069】本発明における耐熱性樹脂前駆体を基板に
塗布する。塗布方法としては、スピンナを用いた回転塗
布、スプレー塗布、ロールコーティングなどの方法があ
る。また塗布膜厚は、塗布方法、組成物の固形分濃度、
粘度によって調整することができるが、通常乾燥後の膜
厚が0.1〜150μmになるように塗布される。
【0070】つぎに耐熱性樹脂前駆体を塗布した基板を
乾燥して、耐熱性樹脂前駆体皮膜を得る。乾燥はオーブ
ン、ホットプレート、赤外線などを使用し、50℃〜1
80℃の範囲で行うのが好ましく、60℃〜150℃の
範囲で行うのがより好ましい。乾燥時間は1分〜数時間
行うのが好ましい。
【0071】次に、所望のパターンを有するマスクを通
して化学線を照射し、露光する。露光に用いられる化学
線としては紫外線、可視光線、電子線、X線などがある
が、本発明では水銀灯のi線(365nm)、h線(4
05nm)、g線(436nm)を用いるのが好まし
い。露光量としては50〜1000mJ/cm2の範囲
が好ましい。特に好ましい範囲は100〜600mJ/
cm2である。
【0072】現像時のパターンの解像度が向上したり、
現像条件の許容幅が増大する場合には、現像前にベーク
処理をする工程を取り入れても差し支えない。この温度
としては50〜180℃の範囲が好ましく、特に60〜
150℃の範囲がより好ましい。時間は10秒〜数時間
が好ましい。この範囲を外れると、反応が進行しなかっ
たり、全ての領域が溶解しなくなるなどの恐れがあるの
で注意を要する。
【0073】耐熱性樹脂組成物のパターンを形成するに
は、現像処理を行う。該耐熱性樹脂組成物がネガ型感光
性の場合、未露光部を現像液で除去することにより、ポ
ジ型感光性の場合、露光部を現像液で除去することによ
りレリーフ・パターンが得られる。
【0074】現像液はポリマーの構造に合わせて適当な
ものを選択することができるが、アンモニア、テトラメ
チルアンモニウムの水溶液、ジエタノールアミン、ジエ
チルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミ
ン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、
酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノー
ル、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキ
シルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ンなどのアルカリ性を示す化合物の水溶液を好ましく使
用することができる。
【0075】また、現像液として本組成物の溶媒である
N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロ
リドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチ
ルホスホルトリアミドなどを単独あるいはメタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール、水、メチルカル
ビトール、エチルカルビトール、トルエン、キシレン、
乳酸エチル、ピルビン酸エチル、プロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシ
プロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネー
ト、2−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサ
ノン、酢酸エチルなど、組成物の貧溶媒との混合液も好
ましく使用することができる。
【0076】現像は上記の現像液を塗膜面にそのまま、
あるいは、霧状にして放射する、現像液中に浸漬する、
あるいは浸漬しながら超音波をかけるなどの方法によっ
て行うことができる。
【0077】ついでリンス液により、現像によって形成
したレリーフ・パターンを洗浄することが好ましい。リ
ンス液としては、現像液にアルカリ水溶液を用いた場
合、水を好ましく使用できる。このとき、エタノール、
イソプロピルアルコール類、プロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテートなどのエステル類、炭酸ガ
ス、塩酸、酢酸などの酸などを水に加えてリンス処理を
しても良い。
【0078】有機溶媒でリンスをする場合、現像液との
混和性の良いメタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、メチル−3
−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロ
ピオネート、2−ヘプタノン、酢酸エチルなどが好まし
く用いられる。
【0079】現像後、200℃から500℃の温度を加
えて耐熱性樹脂皮膜に変換する。この加熱処理は温度を
選び、段階的に昇温するか、ある温度範囲を選び連続的
に昇温しながら5分から5時間実施する。一例として
は、130℃、200℃、350℃で各30分づつ熱処
理する。あるいは室温より400℃まで2時間かけて直
線的に昇温するなどの方法が挙げられる。本発明では、
使用する溶媒の1気圧における沸点が(T±10)℃で
10分間以上熱処理する工程を加えることが最も特徴で
あり、重要である。
【0080】本発明による感光性樹脂組成物により形成
した耐熱性樹脂皮膜は、半導体のパッシベーション膜、
半導体素子の保護膜、高密度実装用多層配線の層間絶縁
膜などの用途に用いられる。
【0081】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明するために、実施
例で説明する。 <パターン断面の評価>熱処理後の耐熱性樹脂皮膜のパ
ターン断面を電子顕微鏡(日立製作所製S−2300)
で観察し、20μmのライン&スペースの断面凸部分に
おけるエッジ部の角度θをtanθ=2h/(b−a)
を満たす値として求め、評価した。図1において、1は
パターンの上辺部(a)、2は底辺部(b)、3はパタ
ーンの高さ(h)を示している。4のθの値が90度に
近いほどエッジ部がより矩形であり、良好なパターン断
面であるといえる。
【0082】合成例1 乾燥窒素気流下、1lの4つ口フラスコに4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル19.0g(0.095モ
ル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチ
ルジシロキサン1.2g(0.005モル)をN−メチ
ル−2−ピロリドン(NMP;1気圧での沸点は202
℃)100gに入れ溶解させた。ここに、無水ピロメリ
ット酸10.8g(0.05モル)と3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物15.
0g(0.047モル)を加え、室温で6時間反応を行
いポリアミド酸を得た。ここに、N,N−ジメチルアミ
ノエチルメタクリルアミド26g(0.18モル)、N
−フェニルグリシン2.5g、エチレングリコールジメ
タクリレート5g、3,3’−カルボニルビス(7−ジ
エチルアミノクマリン)0.2gを加え、感光性耐熱性
樹脂前駆体のワニスAを得た。
【0083】合成例2 乾燥空気気流下、500mlの4つ口フラスコに無水ピ
ロメリット酸10.9g(0.05モル)をγ−ブチロ
ラクトン(GBL:1気圧における沸点は206℃)1
00gに分散させた。ここに、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート13g(0.1モル)、ピリジン7gを加
えて50℃で2時間反応を行った。この溶液を氷冷し、
ジシクロヘキシルカルボジイミド21g(0.1モル)
をγ−ブチロラクトン25gに溶解した溶液を15分か
けて滴下した。さらに、4,4’−ジアミノジフェニル
エーテル10g(0.05モル)をγ−ブチロラクトン
25gに分散させた溶液を10分かけて滴下した。この
溶液を氷冷下、3時間反応させ、ついで50℃で1時間
反応させた。反応終了後、析出した尿素化合物をろ過で
除いた。ろ液を3lの水に投入してポリアミド酸エステ
ルの沈殿を生成した。この沈殿を集めて、水とメタノー
ルで洗浄の後に真空乾燥機で50℃、24時間乾燥し
た。このポリアミド酸エステルの粉体15gとメルカプ
トベンズイミダゾール0.75g、トリメチロールプロ
パントリアクリレート1g、エチレングリコールジメタ
クリレート2g、p−t−ブチルカテコール0.5g、
ミヒラーケトン0.5g、3−メタクリロキシプロピル
ジメトキシシラン0.5g、1−フェニル−1,2−プ
ロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム0.5
gを加えた感光性耐熱性樹脂前駆体のワニスBを得た。
【0084】合成例3 合成例1の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルのか
わりに3,5−ジアミノ安息香酸−2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートエステル(川崎化研製 BEM−S)
25.5g(0.095モル)を用い、さらに合成例1
の無水ピロメリット酸9.0g(0.099モル)を用
いて、ポリアミド酸を得た。この溶液にN−フェニルジ
エタノールアミン1.25g、N−フェニルグリシン
1.25g、エチレングリコールジメタクリレート10
gを加え感光性耐熱性樹脂前駆体のワニスCを得た。
【0085】合成例4 合成例1の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルのか
わりに2,2−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン
30.4g(0.095モル)を用い、NMP150g
を用いて溶解させた。上記以外は合成例1と同様に作製
した。ここに、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物29.4g(0.1モル)を加え、
室温で6時間反応を行い、ポリイミド前駆体を得た。こ
の溶液にニフェジピン30gとNMP50gをともに加
え、室温で2時間攪拌し、感光性耐熱性樹脂前駆体ワニ
スDを得た。
【0086】合成例5 合成例1のNMPのかわりにジメチルアセトアミド(D
MAc;1気圧での沸点は166℃)を用いて溶解させ
た以外は、合成例1と同様に作製し、感光性耐熱性樹脂
前駆体ワニスEを得た。
【0087】合成例6 ヒドロキシル基含有酸無水物の
合成 乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒド
ロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF)
18.3g(0.05モル)とアリルグリシジルエーテ
ル34.2g(0.3モル)を酢酸エチル100gに溶
解させ、−15℃に冷却した。ここに酢酸エチル50g
に溶解させた無水トリメリット酸クロリド22.1g
(0.11モル)を反応液の温度が0℃を越えないよう
に滴下した。滴下終了後、0℃で4時間反応させた。
【0088】この溶液をロータリーエバポレーターで濃
縮して、トルエン1lに投入して酸無水物を得た。これ
を下記に示す。得られた物質は350℃までに明確な融
点が見られなかった。
【0089】
【化9】
【0090】合成例7 ヒドロキシル基含有ジアミン化
合物の合成 BAHF18.3g(0.05モル)をアセトン100
ml、プロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に
溶解させ、−15℃に冷却した。ここに3−ニトロベン
ゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン
100mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、
−15℃で4時間反応させ、その後室温に戻した。溶液
をロータリーエバポレーターで濃縮し、得られた固体を
テトラヒドロフランとエタノールの溶液で再結晶した。
【0091】再結晶して集めた固体をエタノール100
mlとテトラヒドロフラン300mlに溶解させて、5
%パラジウム−炭素を2g加えて、激しく攪拌させた。
ここに水素を風船で導入して、還元反応を室温で行っ
た。約4時間後、風船がこれ以上しぼまないことを確認
して反応を終了させた。反応終了後、ろ過して触媒であ
るパラジウム化合物を除き、ロータリーエバポレーター
で濃縮し、ジアミン化合物を得た。これを下記に示す。
得られた固体をそのまま反応に使用した。
【0092】
【化10】
【0093】合成例8 乾燥窒素気流下、BAHF18.3g(0.05モル)
をN,N−ジメチルアセトアミド100ml中に溶解さ
せ、−5℃に冷却した。ここに、グリシジルメチルエー
テル26.4g(0.3モル)を加えて、無水トリメリ
ット酸クロリド21.1g(0.1モル)をアセトン5
0gに溶解させた溶液を反応溶液の温度が0℃を越えな
いように滴下した。滴下終了後、10℃まで溶液の温度
を上げて1時間攪拌を続け、その後、20℃で1時間攪
拌させた。この後、ジアミノジフェニルエーテル9.0
1g(0.04モル)と1,3−ビス(3−アミノプロ
ピル)テトラメチルジシロキサン2.5g(0.01モ
ル)を加えて、20℃で6時間攪拌を続けた。攪拌終了
後、溶液を10lの水に投入してポリヒドロキシアミド
アミド酸の沈殿を得た。この沈殿をろ過で集め、その後
60℃の真空乾燥機で20時間乾燥させた。この乾燥さ
せたポリヒドロキシアミドアミド酸(ポリイミドオキサ
ゾール前駆体)の固体10gとオルトナフトキノンジア
ジドスルホン酸エステルとして4NT−300(2,
3,4,4’−テトラヒドロキシビンゾフェノン1モル
に対して1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−ス
ルホニルクロリド3モルを反応させて得られたエステ
ル:東洋合成工業(株)製)2gをGBL(1気圧にお
ける沸点は206℃)20gに溶解させ、感光性耐熱性
樹脂前駆体のワニスFを得た。ワニスFの400nmに
おける吸光度は1μmあたり0.28であった。
【0094】合成例9 合成例8のGBLのかわりにジメチルアセトアミド(D
MAc)を用いて溶解させた以外は、合成例8と同様に
作製し、感光性耐熱性樹脂前駆体ワニスGを得た。ワニ
スGの400nmにおける吸光度は1μmあたり0.2
9であった。
【0095】合成例10 BAHF18.3g(0.05モル)をエタノール15
0ml中に溶解させ5℃に冷却した。ここに、カリウム
−t−ブトキシド11.2g(0.1モル)を徐々に加
えた。さらに、二炭酸−t−ブチル21.8g(0.1
モル)を徐々に加えて2時間攪拌を続け、BAHFの水
酸基がt−ブトキシカルボニル基で保護されたジアミン
化合物を得た。この溶液を水1lに投入して、沈殿を得
た。この沈殿をろ過で集め、30℃の真空乾燥機で20
時間乾燥した。
【0096】乾燥窒素気流下、BAHF27.5g
(0.075モル)と上記で合成したBAHFの水酸基
をt−ブトキシカルボニル基で保護したジアミン13.
4g(0.25モル)をN,N−ジメチルアセトアミド
150ml中に溶解させ、−5℃に冷却した。ここに、
グリシジルメチルエーテル52.8g(0.6モル)を
加えて、イソフタル酸ジクロリド20.3g(0.1モ
ル)をアセトン100gに溶解させた溶液を反応溶液の
温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、1
0℃にまで溶液の温度を上げて1時間攪拌を続け、その
後、20℃で6時間攪拌させた。攪拌終了後、溶液を1
0lの水に投入してポリヒドロキシアミドアミド酸の沈
殿を得た。この沈殿をろ過で集め、その後60℃の真空
乾燥機で20時間乾燥させた。この乾燥させたポリヒド
ロキシアミド酸(ポリベンゾオキサゾール前駆体)の固
体10gと光酸発生剤としてNAI−105(みどり化
学(株)製)1gをGBL20gに溶解させ、感光性耐
熱性樹脂前駆体のワニスHを得た。ワニスHの400n
mにおける吸光度は1μmあたり0.28であった。
【0097】合成例11 乾燥窒素気流下、1lの4つ口フラスコに4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル20.0g(100mmo
l)をGBL350gに溶解させた。ここに、合成例5
で合成した酸無水物71.4g(100mmol)をG
BL40gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、
次いで50℃で4時間反応させた。さらにN,N−ジメ
チルホルムアミドジメチルアセタール23.8g(20
0mmol)を加え、50℃で5時間撹拌し、部分エス
テル化したポリマー溶液を得た。このポリマー1g中の
カルボキシル基は0.07mmol、イミド化率は10
%であり、365nmの吸光度は1μmあたり0.08
5であった。
【0098】得られた溶液100gにo−キノンジアジ
ド化合物4NT−300(東洋合成工業(株)製)5.
5gを加えて感光性耐熱性樹脂前駆体のワニスIを得
た。ワニスIの400nmにおける吸光度は1μmあた
り0.3であった。
【0099】合成例12 合成例11のGBLのかわりにジメチルアセトアミド
(DMAc)を用いて溶解させた以外は、合成例11と
同様に作製し、感光性耐熱性樹脂前駆体ワニスJを得
た。ワニスJの400nmにおける吸光度は1μmあた
り0.29であった。
【0100】合成例13 乾燥窒素気流下、1lの4つ口フラスコに合成例6で合
成したジアミン化合物24.2g(40mmol)をN
MP100gに溶解させ、3,3’,4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物11.8g(40mmo
l)を加えて80℃で3時間撹拌した。さらにN,N−
ジメチルホルムアミドジエチルアセタール8.8g(6
0mmol)を加え、80℃で2時間撹拌し、部分エス
テル化したポリマー溶液を得た。このポリマー1g中の
カルボキシル基は0.55mmol、イミド化率は35
%であり、365nmの吸光度は1μmあたり0.06
6であった。
【0101】このポリマー溶液100gと合成例9で用
いたo−キノンジアジド化合物4NT−300を3.5
g混合して感光性耐熱性樹脂前駆体のワニスKを得た。
ワニスKの400nmにおける吸光度は1μmあたり
0.29であった。
【0102】合成例14 合成例13のGBLのかわりにジメチルアセトアミド
(DMAc)を用いて溶解させた以外は、合成例13と
同様に作製し、感光性耐熱性樹脂前駆体ワニスLを得
た。ワニスLの400nmにおける吸光度は1μmあた
り0.3であった。
【0103】実施例および比較例 4インチのシリコンウエハ上に、ワニスAを、プリベー
ク後の膜厚が10μmとなるように、コーターディベロ
ッパーSKW−636(大日本スクリーン(株)製)を
用いて、スピンコートした。ついで、SKW−636の
真空吸着式ホットプレートを用いて、95℃で2分、1
00℃で2分乾燥を行った。つぎに、塗膜を露光機(キ
ャノン(株)製PLA−501F)にセットし、グレー
スケール(コダック社 Photographic step tablet No2
21 steps)を介して露光を行った。このときの紫外線の
強度は480mJ/cm2(365nm)であった。
【0104】ホットプレートで80℃、1分間のベーク
を行った後、N−メチル−2−ピロリドン(70部)と
キシレン(30部)の混合溶媒を用い、浸透現像を行っ
た。現像はSKW−636の現像装置を用いた。つい
で、イソプロピルアルコールで20秒間リンスし、スピ
ンナーで回転乾燥した。光学顕微鏡を用いてパターンを
観察したところ、所望のパターンが良好に得られた。得
られた露光・現像済みのウエハをイナートオーブン(西
山製作所製)を用いてキュアを行った。キュア条件は2
00℃を30分間、350℃を1時間とした(実施
例)。ここで、ワニスAの溶媒であるNMPの1気圧に
おける沸点は202℃である。比較として、140℃を
30分間、350℃を1時間についてもおこなった(比
較例)。キュア膜の断面を電子顕微鏡(日立製作所製S
−2300)で観察し、20μmのライン&スペースの
断面凸部分におけるエッジ部の角度θを求めた。
【0105】キュア条件が200℃で30分間、350
℃で1時間の場合、実施例1のθは50゜であったが、
キュア条件が140℃で30分間、350℃で1時間の
場合の比較例1のθは40゜であった。したがって、ワ
ニスの溶媒の沸点近傍の温度でキュアすることで、より
矩形なパターン断面が得られることがわかった。
【0106】実施例2〜12、比較例2〜12について
はそれぞれ表1、表2に示した。なお、表中、PLA:
露光機PLA−501F(キャノン製)、g線:g線ス
テッパーNSR−1506−g6E(ニコン製)、NM
P/Xylene(7/3):N−メチル−2−ピロリ
ドン(70部)とキシレン(30部)の混合溶媒、DV
−605:現像液(東レ製)、TMAH:テトラメチル
アンモニウムの水溶液、IPA:イソプロピルアルコー
ルを示している。
【0107】
【表1】
【0108】
【表2】
【0109】
【発明の効果】本発明によれば、熱処理条件を選ぶこと
でより矩形な耐熱性樹脂組成物のパターンを得ることが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】パターンの断面図
【符号の説明】
1 パターンの上底部a 2 パターンの底辺部b 3 パターンの高さh 4 パターンの角度θ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/11 501 G03F 7/11 501 H01L 21/027 H01L 21/30 502R Fターム(参考) 2H025 AA00 AA10 AB16 AC01 AD01 AD03 BC13 BC87 BE00 BE01 CB25 CB26 FA03 FA17 FA29 4F073 AA12 BA29 BA30 BB11 GA01 4J001 DA01 DB02 DD04 DD05 DD08 EB69 EC46 EC47 EC66 EC67 EC70 FB03 FB05 FC03 FC05 GA11 JA07 JA17 JB18 JB45 4J002 BG07X BG13X CL03W EQ036 FD200 FD206 GQ05 4J043 QB16 QB21 RA05 SA06 TA03 TA04 TA23 TA47 TA75 UB221 ZA31 ZA46 ZB03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)で表される構造単位を主成分
    とするポリマーによって基板上に形成したパターンを、
    (T±10)℃で10分間以上熱処理する工程を含有す
    ることを特徴とする耐熱性樹脂組成物の処理方法。(た
    だしTは該ポリマーに含まれる溶媒の1気圧における沸
    点(℃)である。) 【化1】 (R1は少なくとも2個以上の炭素原子を有する3価か
    ら8価の有機基、R2は、少なくとも2個以上の炭素原
    子を有する2価から6価の有機基、R3は水素、アルカ
    リ金属イオン、アンモニウムイオンまたは炭素数1から
    20までの有機基を示す。mは3から100000まで
    の整数、nは0から2までの整数であり、nが2の場合
    のR3は同じでも異なっていてもよい。p、qは0から
    4までの整数であり、n+q>0である。)
  2. 【請求項2】上記一般式(1)で表される構造単位を主
    成分とするポリマーを含有しており、光照射およびそれ
    につづく現像によってパターン形成が可能であり、熱処
    理後の該パターンの断面凸部分におけるエッジ部の角度
    θを、tanθ=2h/(b−a)の関係で表すとき、
    θが45度から90度であることを特徴とする請求項1
    記載の耐熱性樹脂組成物。(aはパターンの上底の平坦
    部分の長さ、bは下底の長さ、hは上底の平坦部分と下
    底の最短距離である。)
  3. 【請求項3】上記ポリマーがエチレン性不飽和二重結合
    及びアミノ基を含む一般式(2)で表される化合物を含
    有することを特徴とする請求項1記載の耐熱性樹脂組成
    物の処理方法。 【化2】 (R4、R5、R6は炭素数1〜30の有機基であり、う
    ち、少なくとも1つはエチレン性不飽和二重結合を含
    む。)
  4. 【請求項4】一般式(1)で表されるポリマーが光酸発
    生剤を含有することを特徴とする請求項1記載の感光性
    耐熱性樹脂組成物
  5. 【請求項5】上記光酸発生剤がo−キノンジアジド化合
    物であることを特徴とする請求項4記載の感光性耐熱性
    樹脂組成物
  6. 【請求項6】o−キノンジアジド化合物を含有している
    一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマ
    ーの400nmにおける吸光度が、1μmあたり0.2
    5〜0.35であることを特徴とする請求項1記載の感
    光性耐熱性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】請求項6記載のo−キノンジアジド化合物
    が、ポリヒドロキシ化合物とポリヒドロキシ化合物の水
    酸基に対して85mol%以上のナフトキノンジアジド
    スルホン酸クロリドとを反応させて得られた化合物であ
    ることを特徴とする感光性耐熱性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000109694A (ja) * 1998-08-04 2000-04-18 Jsr Corp 光硬化性樹脂組成物および硬化膜
JP2014210404A (ja) * 2013-04-19 2014-11-13 株式会社日本触媒 含フッ素ポリイミド構造体および含フッ素ポリイミド構造体の製造方法

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