JPWO2004076534A1 - カチオン硬化性含ケイ素化合物の製造方法 - Google Patents

カチオン硬化性含ケイ素化合物の製造方法 Download PDF

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誠太郎 田島
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Abstract

本発明は、下記(A)と下記(B)とを、pKa≦5(25℃)、沸点≦150℃(大気圧下)の酸性触媒存在下で加水分解共縮合する、オキセタニル基含有カチオン硬化性含ケイ素化合物の製造方法、好ましくは、下記(A)と下記(B)と下記(C)とを酸性触媒存在下で加水分解縮合する、オキセタニル基含有カチオン硬化性含ケイ素化合物の製造方法である。Roはオキセタニル基含有有機官能基、Xはシロキサン結合生成基、R2はアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基、n=0〜2、Yは水酸基又はシロキサン結合生成基

Description

本発明は、加水分解縮合反応を利用してオキセタニル基を有するカチオン硬化性含ケイ素化合物を製造する方法に関する。
本発明により得られるカチオン硬化性含ケイ素化合物は、硬化性及び高硬度の皮膜を形成する能力に優れているので、ハードコート剤や各種基材の保護膜用原料として有用であり、また高度に無機分の比率を上げることができるため、レジストの原料としても有用である。また保存安定性が高いので冷蔵庫保管をする必要が無く取扱いやすい。
ラジカル重合は、空気中の酸素によって阻害されるため、ラジカル重合性モノマーを速やかに且つ完全に重合させるためには、不活性雰囲気下で重合を行う必要がある。
これに対してカチオン重合性モノマーは、酸素による重合阻害を受けないため、空気中においても完全に重合させることができる。
カチオン重合性モノマーとしては、エポキシ基、ビニルエーテル基、オキセタニル基を有する化合物が知られている。
エポキシ基を有するカチオン重合性モノマーは、耐熱性が良く、接着力に優れ、且つ耐薬品性の良好な硬化物を得ることが可能であるが、カチオン硬化性が比較的低いため、近年のように生産性の向上が叫ばれる環境にあっては使用しにくい材料となっている。
また、ビニルエーテル基を有するカチオン重合性モノマーは、カチオン硬化性が比較的高く生産性の面では十分なパフォーマンスを有するのであるが、その硬化物は柔らかく、本発明の目的とするようなハードコート剤や各種基材の保護膜としては使用することができない。
上記の材料に対して、オキセタニル基を有する化合物は、カチオン硬化性が高く、その硬化物は物理的な強度に優れていることから、オキセタニル基を有するハードコート剤の検討が多くなされ、特に剛性の高いシロキサン骨格へいかに導入するかという検討がなされている。
オキセタニル基をシロキサン骨格へ導入する方法には、大きく2通りある。一方は特開平6−16804号公報にあるようなヒドロシリル化反応を利用する方法で、Si−H結合を有する原料とヒドロシリル化触媒を使用するのであるが、この原料が比較的高価であり、かつヒドロシリル化触媒の除去が困難であるという問題点を有している。
他方は加水分解縮合反応を利用する方法で、安価な原料を利用でき、触媒の除去が容易であるため、工業的には有利な方法と考えられる。
米国特許第3,338,867号明細書において、下式(4)で表される化合物の加水分解縮合生成物について繰り返し単位の化学構造式が記載されているが、加水分解縮合工程及びその後の生成物取得工程については一切記載がない。
Figure 2004076534
特開平11−29640号公報において、オキセタニル基をもつシルセスキオキサン化合物からなるカチオン硬化性組成物の製造方法であって、下記式(5)に示す構造式で表される化合物をpH7以上の雰囲気下で加水分解するカチオン硬化性組成物の製造方法が開示されている。
Figure 2004076534
(但し、Rはオキセタニル基を持つ有機官能基であり、Xは加水分解性基である。)
特開平11−199673号公報において、下記式(6)に示す構造式で表される化合物と、一分子中に一つ以上の加水分解性基を有する反応性シリコーンと、の混合物を加水分解して得られる加水分解物からなるカチオン硬化性樹脂組成物の製造方法が開示されている。
Figure 2004076534
(但し、Rはエポキシ基またはオキセタニル基を持つ有機官能基であり、Xは加水分解性基である。)
特開平11−29640号公報や特開平11−199673号公報に開示されたカチオン硬化性樹脂組成物の製造方法は、何れもアンモニア等のアルカリ性触媒の存在下で加水分解縮合反応を行うものであり、加水分解縮合反応後の工程において、アルカリ性触媒を除去するために、非常に煩雑な操作が必要であった。
一方、特開平10−59984号公報において、縮合されたアルキルアルコキシシランのオリゴマー混合物が開示されている。この混合物の製造方法は、使用シランが3〜18個の炭素原子を有するアルキル基およびアルコキシ基としてのメトキシ及び/又はエトキシ基を有するアルキルトリアルコキシシランを、Si1モル当たり1モルを上回る水の使用下に、かつ触媒としてのHClの使用下に加水分解及び縮合し、かつ得られた反応混合物を、減圧下、95℃未満の缶温度で蒸留により後処理することを特徴とする方法である。
特開平10−59984号公報における酸触媒の使用理由は、本質的な説明は無いものの、ほぼ定量的に除去することができる加水分解触媒として、HClを使用するのが有利とされている。
特開平10−59984号公報におけるオリゴマーの製法では、酸触媒と接触させる原料アルコキシシランとしてオキセタニル基のような反応性の高い官能基を有する化合物は存在せず、酸触媒がオキセタニル基を有するカチオン硬化性樹脂組成物の製造に適用できることについては全く開示も示唆もない。
また、特開平8−113648号公報においては、ビニルトリアルコキシシランまたはビニル基を置換基として有するオルガノトリアルコキシシラン、およびそれ以外のオルガノトリアルコキシシランを混合し酸触媒の存在下で水と反応させ、該トリアルコキシシランを加水分解・重縮合させた後、得られた重合体を単離することなくシリル化剤と反応させその重合体の末端基のシリル化を行なうことを特徴とする末端シリル化ポリシルセスキオキサンの製造法が開示されている。当該公報における酸触媒の使用理由は、ポリシルセスキオキサン製造工程とシリル化工程をワン−ポットの一連の工程で実施できることにある。当該公報における末端シリル化ポリシルセスキオキサンの製法では、酸触媒と接触させる原料アルコキシシランにオキセタニル基のようなカチオン重合性の高い官能基を有する化合物は存在せず、酸触媒がオキセタニル基を有するカチオン硬化性含ケイ素化合物の製造に適用できることについては全く開示も示唆もない。
さらに、特開2001−31767号公報においては、エポキシ官能性オルガノポリシロキサン樹脂が開示されている。当該公報においては、エポキシ基含有トリアルコキシシランおよび特定のシラン類を加水分解・縮重合し、アミン硬化可能なエポキシ官能性オルガノポリシロキサン樹脂を提供することを目的の1つにしている。当該公報では加水分解・縮重合する工程において酸触媒も許容されることを開示しているが、オキセタン化合物に関する記述は全く無く、酸触媒がオキセタニル基を有するカチオン硬化性含ケイ素化合物の製造に適用できることについては全く開示も示唆もない。
本発明は、オキセタニル基を有するカチオン硬化性含ケイ素化合物を加水分解縮合反応により製造する際、加水分解縮合後に触媒や溶媒を除去する工程において煩雑な操作が不要であり、生産性の高いカチオン硬化性含ケイ素化合物の製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明者らは上記の課題を解決すべく、中和処理工程による精製工程の必要なアルカリ性条件下での検討を避け、中性乃至酸性条件下での製造方法を検討した。その結果、特定のオキセタニル基およびシロキサン結合生成基を有する含ケイ素化合物と、特定のオキセタニル基を有せずシロキサン結合生成基を有する含ケイ素化合物の、酸性触媒存在下における加水分解縮合反応においては、中和処理工程が無くても保存安定性および硬化性に優れたカチオン硬化性含ケイ素化合物が得られることを見出して本発明を完成した。
即ち、本発明は、下記式(1)で示される有機ケイ素化合物(A)と、下記式(2)で示される有機ケイ素化合物(B)を、25℃におけるpKaが5以下であり、且つ大気圧下の沸点が150℃以下である酸性触媒の存在下で加水分解共縮合することを特徴とするカチオン硬化性含ケイ素化合物の製造方法である。
Figure 2004076534
(上式において、Rはオキセタニル基を持つ有機官能基であり、Xはシロキサン結合生成基であり、Xは互いに同一であっても異なっていても良い。)
Figure 2004076534
(但し、Xはシロキサン結合生成基であり、Rはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、nは0〜2の整数である。)
また、本発明は、下記式(1)で示される有機ケイ素化合物(A)と、下記式(2)で示されるシロキサン結合生成基を有しオキセタニル基を有しない有機ケイ素化合物(B)、下記式(3)で示される有機ケイ素化合物(C)とを、酸性触媒の存在下で加水分解縮合することを特徴とするカチオン硬化性含ケイ素化合物の製造方法である。
Figure 2004076534
(上式において、Rはオキセタニル基を持つ有機官能基であり、Xはシロキサン結合生成基であり、Xは互いに同一であっても異なっていても良い。)
Figure 2004076534
(但し、Xはシロキサン結合生成基であり、Rはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、nは0〜2の整数である。)
Figure 2004076534
(但し、Yは水酸基又はシロキサン結合生成基であり、Rはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である。)
以下、本発明を詳細に説明する。
[1]原料
本発明における原料は、下記有機ケイ素化合物である。
[1−1]有機ケイ素化合物(A)
本発明における有機ケイ素化合物(A)は、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 2004076534
(上式において、Rはオキセタニル基を持つ有機官能基であり、Xはシロキサン結合生成基であり、Xは互いに同一であっても異なっていても良い。)
上記式(1)におけるシロキサン結合生成基Xは、加水分解性を有する基であれば特に限定されない。好ましいXは、ハロゲン原子、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはアリールオキシ基等であり、より好ましいXは、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはアリールオキシ基である。これは、Xがハロゲン原子である場合には加水分解によりハロゲン化水素が生じるので反応系が強酸性雰囲気となりやすく、このためオキセタニル基が開環する恐れがあるためである。
上記「アルコキシ基」としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−およびi−プロポキシ基、n−、i−およびt−ブトキシ基等が挙げられる。また、「シクロアルコキシ基」の例としてはシクロヘキシルオキシ基等が、「アリールオキシ基」の例としてはフェニルオキシ基等が挙げられる。これらのうち、アルコキシ基の加水分解性が良好であることから、好ましいXは炭素数1〜3のアルコキシ基である。また、原料の入手が容易であることや、加水分解反応が制御しやすいことから、特に好ましいXはエトキシ基である。
上記式(1)におけるRは、オキセタニル基をもつ有機官能基である。
本発明において好ましいRは、炭素数が20個以下のものであり、特に好ましいRは、下記式(4)に示す構造式で表される有機官能基である。
Figure 2004076534
(但し、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは炭素数2〜6のアルキレン基である。)
この式(4)において、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、エチル基が好ましい。また、R7は炭素数2〜6のアルキレン基であり、プロピレン基が好ましい。これは、このような有機官能基を形成するオキセタン化合物の入手あるいは合成が容易なためである。また、式(3)におけるRまたはRの炭素数が7以上であると、硬化物の表面硬度が不足しやすいので好ましくない。
[1−2]有機ケイ素化合物(B)
本発明における有機ケイ素化合物(B)は、シロキサン結合生成基を有しオキセタニル基を有しない有機ケイ素化合物であり、好ましい例は、下記式(2)で表される化合物である。
Figure 2004076534
(但し、Xはシロキサン結合生成基であり、Rはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、nは0〜2の整数である。)
上記式(2)において、X「シロキサン結合生成基」は、加水分解により上記式(1)に示す構造式で表される化合物のケイ素原子との間にシロキサン結合を生成し得る基をいい、例えば水素原子、水酸基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子などである。これらの内、ハロゲン原子以外のものが好ましい。X’がハロゲン原子である場合には、加水分解によりハロゲン化水素が生じるので反応系が強酸性雰囲気となりやすく、このためオキセタニル基等が開環する恐れがあるためである。
上記式(2)におけるRはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基から選択される置換基である。好ましいアルキル基の炭素数は1〜6であり、より好ましくは炭素数1〜4である。アルキル基の好ましい例として、例えばメチル基、エチル基、n−およびi−プロピル基、n−、i−およびt−ブチル基等が挙げられる。また、「シクロアルキル基」の例としてはシクロヘキシル基等があり、「アリール基」の例としてはフェニル基等がある。
上記式(2)で表される化合物を以下に例示する。
即ち、nが0の場合、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランである。
即ち、nが1の場合、具体的にはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン及びフェニルトリエトキシシランである。
nが2の場合、具体的にはジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン及びメチルフェニルジエトキシシランである。
上記式(2)に示す化合物は、カチオン硬化性含ケイ素化合物中のオキセタニル基濃度を低減させ、シルセスキオキサン化合物の分子量を下げずに粘度を低くしたり、架橋密度を下げることにより硬化収縮率をさげる目的で導入され、とりわけ好ましい例としてはメチルトリメトキシシランおよびメチルトリエトキシシランが挙げられる。
[1−3]有機ケイ素化合物(C)
本発明における有機ケイ素化合物(C)は、下記式(3)で表され、本発明における加水分解縮合過程で発生する末端シラノール基と結合し、本発明により得られるカチオン硬化性組成物の保存安定性を高める作用を有する成分である。
Figure 2004076534
(但し、Yは水酸基又はシロキサン結合生成基であり、Rはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である。)
上記式(3)におけるRはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基から選択される置換基である。好ましいアルキル基の炭素数は1〜6であり、より好ましくは炭素数1〜4である。アルキル基の好ましい例として、例えばメチル基、エチル基、n−およびi−プロピル基、n−、i−およびt−ブチル基等が挙げられる。また、「シクロアルキル基」の例としてはシクロヘキシル基等があり、「アリール基」の例としてはフェニル基等がある。
上記式(3)で表される有機ケイ素化合物を以下に例示する。
即ち、具体的には、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、トリプロピルシラノール、トリブチルシラノール、トリフェニルシラノール、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリメチルシリルアセテート、トリメチルシリルベンゾエート、トリエチルシリルアセテート、トリエチルシリルベンゾエート、ベンジルジメチルメトキシシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、ジフェニルメトキシメチルシラン、ジフェニルエトキシメチルシラン、アセチルトリフェニルシラン、エトキシトリフェニルシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、ヘキサプロピルジシロキサン、1,3−ジブチル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサンである。
[2]製造工程
本発明の製造方法は、上記の原料に対して、25℃におけるpKaが5以下であり、且つ大気圧下の沸点が150℃以下である酸性触媒の存在下で加水分解共縮合することを特徴とするものであり、通常、加水分解共縮合工程の後、加水分解縮合反応工程で使用した有機溶媒の除去工程を実施するものである。
上記3種類の原料化合物を仕込む方法として、有機ケイ素化合物(A)、有機ケイ素化合物(B)及び有機ケイ素化合物(C)を一括で仕込む方法(以下一括仕込み法と呼ぶ)、及び有機ケイ素化合物(A)および有機ケイ素化合物(B)を加水分解共縮合した後、反応系へ有機ケイ素化合物(C)を添加する方法(以下分割仕込み法と呼ぶ)がある。
[2−1]原料の仕込み割合
本発明において、少なくとも有機化合物Aと有機化合物Bを併用すること以外に、原料化合物である有機化合物A〜Cの仕込み割合について、特に制限はない。
有機化合物Bの好ましい仕込み割合は、原料化合物A1モル当たり、0.01〜99モル、より好ましくは0.1〜90モルである。
有機化合物(C)の好ましい仕込割合は、有機化合物(A)及び有機化合物(B)におけるシロキサン結合生成基(X)の合計量より少なくすることが好ましい。例えば、有機化合物(A)をaモル、有機化合物(B)をbモル仕込んだ場合、有機化合物(C)は[3a+(4−n)b]モル未満とすることが好ましい。
[2−2]加水分解縮合
[2−2−1]水
加水分解共縮合工程で使用する水は、有機ケイ素化合物(A)および(B)中のシロキサン結合生成基を完全に加水分解するのに必要な水の量を1当量とすると、0.5〜10当量を使用するのが好ましく、とりわけ1.5〜5当量を使用するのが好ましい。
[2−2−2]pH
加水分解縮合工程では、上記式(1)に示す化合物を共加水分解する際、系をpH0.5〜4.5の酸性雰囲気とすることが好適である。pHが0.5以下であると大部分のオキセタニル基が開環してしまい、光硬化性が著しく低下してしまう。pHが5〜6の弱酸性下では加水分解および縮合反応の速度が低下し、製造に長時間を要する。pHが7の中性下では有機ケイ素化合物(A)の加水分解が完全には進行しないため、所望のカチオン硬化性含ケイ素化合物が得られない。また、本発明における有機ケイ素化合物(A)と有機ケイ素化合物(B)、又はこれらと有機ケイ素化合物(C)の共縮合は、組み合わせによってはpH7以上のアルカリ性雰囲気下ではゲル化が起こり、全く製造できない。
[2−2−3]触媒
上記のように加水分解時の雰囲気をpH0.5〜4.5とする場合、酸性触媒としては、25℃におけるpKaが5以下であり、且つ大気圧下の沸点が150℃以下であるものを用いる。好ましい酸性触媒として、弗化水素酸、沃化水素酸、臭化水素酸、塩化水素酸、亜硫酸、シアノ酢酸、蟻酸、アクリル酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、乳酸等が使用可能であり、なかでも入手が容易な塩化水素酸が好ましい。
[2−2−4]有機溶媒
加水分解時に用いる有機溶媒は特に限定されず、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、トルエン、1,4−ジオキサン、ヘキサン、リグロイン等を用いることができる。このうち1種類もしくは2種類以上の混合溶媒を用いて、反応系を均一な溶液にすることが好ましい。
[2−2−5]反応温度と反応時間
加水分解時における好ましい反応温度は、原料化合物の種類に係わらず、また、一括仕込み法及び分割仕込み法に共通して10〜120℃であり、より好ましくは20〜80℃である。加水分解のための好適な反応時間は2〜30時間であり、より好ましくは4〜24時間である。
[2−2−6]生成物
有機ケイ素化合物(A)および(B)の加水分解共縮合によって生成したカチオン硬化性含ケイ素化合物(以下共縮合物と略す)は、上記式(1)及び(2)における加水分解性基Xが加水分解して形成された三次元の(Si−O−Si)結合からなり、且つオキセタニル基を有するシルセスキオキサン化合物を含む。
有機ケイ素化合物(A)〜(C)の加水分解共縮合によって生成したカチオン硬化性含ケイ素化合物(以下共縮合物と略す)は、一括仕込み法及び分割仕込み法に共通して、上記式(1)及び(2)におけるシロキサン結合生成基Xが加水分解して形成された一次元から三次元の(Si−O−Si)結合からなり、その末端に上記式(3)の化合物が縮合した構造を有する。
共縮合物は、線状のシリコーン化合物を含んでいても良い。また共縮合物はハシゴ状、カゴ状又はランダム状の構造を有するシルセスキオキサン化合物を含んでいても良い。共縮合物は、一種類のシルセスキオキサン化合物のみを含有してもよいし、構造又は分子量の異なった二種以上のシルセスキオキサン化合物を含んでもよい。共縮合物は、有機ケイ素化合物(A)〜(C)の種類と組成比によって大きく異なるが、一括仕込み法で製造した場合には線状シリコーン化合物を含んでいることが多く、分割仕込み法で製造した場合には三次元のシルセスキオキサン化合物を含んでいることが多い。
尚、共縮合物は、有機ケイ素化合物(A)および(B)における加水分解性基のうち90%以上が縮合されていることが好ましく、加水分解性基の実質的に全てが縮合されていることが更に好ましい。残存する加水分解性基の割合が10%を超えると、シルセスキオキサン構造が十分に形成されないため皮膜の硬度が低下したり、組成物の貯蔵安定性が低下したりする恐れがある。ここで「加水分解性基の実質的に全てが縮合されている」ことは、例えば、得られたシルセスキオキサン化合物のNMRチャートにおいて加水分解性基に基づくピークが観察されないことにより確認できる。
共縮合物は、オキセタニル基当量が低減されたシルセスキオキサン化合物からなる。この化合物は、粘度が低く取り扱いやすく、硬化収縮率を低減化したものとして有用である。
共縮合物は、一括仕込み法においては共縮合物自体の分子量を低くすることができるため、粘度を低くでき、取り扱いやすい。分割仕込み法においては、得られる共縮合物は高分子量であるにも関わらず、生成物中のシラノール基が有機ケイ素化合物(C)によってエンドキャッピングされているために、シラノール同士の水素結合が無く、粘度を低くでき、取り扱いやすい。さらに生成物中のシラノール基がエンドキャッピングされているため、経時変化が著しく少ない、保存安定性の高い生成物を得ることができる。
本発明により得られる共縮合物は、その数平均分子量が600〜5,000であることが好ましく、1,000〜3,000であることが更に好ましい。数平均分子量が600未満であると、この組成物から形成される皮膜において十分な硬度が得られない場合がある。また、組成物の粘度が低くなるので、この組成物をハードコード剤組成物として用いる場合において塗布面にハジキを生じやすい。一方、数平均分子量が5,000を超えると組成物の粘度が高くなり過ぎて、取り扱い性が困難であるとともにこの組成物をハードコード剤組成物として用いる場合において塗工性が低下する。特に、この組成物をハードコート剤組成物として用いる場合には、共縮合物全体の50重量%以上が、数平均分子量1,000〜3,000のシルセスキオキサン化合物から構成されていることが好ましく、70重量%以上であることが更に好ましい。尚、本明細書中における数平均分子量は、ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の分子量である。
[2−3]有機溶媒の除去
加水分解縮合後は、加水分解で消費されなかった水が存在する場合にはその水と加水分解縮合反応工程で使用した有機溶媒の除去を行うが、この工程は常圧ないし減圧下で通常の蒸留操作を行えばよい。
本発明を実施例により更に具体的に説明する。
攪拌機および温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール200g、下記式(7)で示される3−エチル−3−[[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル]オキセタン(以下、「Oxe−TRIES」と表す)80.13g(0.25mol)とメチルトリエトキシシラン126.59g(0.71mol)を仕込んだ後、1%塩酸52.32g(HO;2.87mol、HCl;14.3mmol)を徐々に加えて、25℃で攪拌した。反応の進行をゲルパーミエーションクロマトグラフィにより追跡し、Oxe−TRIESがほぼ消失した時点(混合物の添加開始から20時間後)で反応完結とした。引き続き、減圧下に溶媒を留去し、無色透明な、粘度32000mPa・sの製品を得た。
上記の製品を25℃の暗所に3ヶ月保管し、THFへの可溶性と粘度測定を行ったところ、THFへの可溶性は良好で、粘度は52000mPa・s(粘度上昇率163%)であった。
Figure 2004076534
攪拌機および温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール167g、Oxe−TRIES95.15g(0.3mol)とフェニルトリエトキシシラン72.11g(0.3mol)を仕込んだ後、1%塩酸32.7g(HO;1.8mol、HCl;9mmol)を徐々に加えて、25℃で攪拌した。反応の進行をゲルパーミエーションクロマトグラフィにより追跡し、Oxe−TRIESがほぼ消失した時点(混合物の添加開始から20時間後)で反応完結とした。
引き続き、減圧下に溶媒を留去し、無色透明な、粘度21000mPa・sの製品を得た。上記の製品を25℃の暗所に3ヶ月保管し、THFへの可溶性と粘度測定を行ったところ、THFへの可溶性は良好で、粘度は36000mPa・s(粘度上昇率171%)であった。
攪拌機および温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール50g、Oxe−TRIES32.05g(0.1mol)とテトラエトキシシラン10.42g(0.05mol)を仕込んだ後、1%塩酸7.28g(HO;0.40mol、HCl;2mmol)を徐々に加えて、25℃で攪拌した。反応の進行をゲルパーミエーションクロマトグラフィにより追跡し、Oxe−TRIESがほぼ消失した時点(混合物の添加開始から20時間後)で反応完結とした。引き続き、減圧下に溶媒を留去し、無色透明な、粘度25000mPa・sの製品を得た。上記の製品を25℃の暗所に3ヶ月保管し、THFへの可溶性と粘度測定を行ったところ、THFへの可溶性は良好で、粘度は39000mPa・s(粘度上昇率156%)であった。
1.6%酢酸52.58g(HO;2.87mol、酢酸;14.3mmol)を用いた以外は実施例1と同じようにして、無色透明な、粘度31000mPa・sの製品を得た。
上記の製品を25℃の暗所に3ヶ月保管し、THFへの可溶性と粘度測定を行ったところ、THFへの可溶性は良好で、粘度は49000mPa・s(粘度上昇率158%)であった。
メチルエチルケトン200gを用いた以外は実施例1と同じようにして、無色透明な、粘度33000mPa・sの製品を得た。
上記の製品を25℃の暗所に3ヶ月保管し、THFへの可溶性と粘度測定を行ったところ、THFへの可溶性は良好で、粘度は53000mPa・s(粘度上昇率161%)であった。
(比較例1)
攪拌機および温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール200g、Oxe−TRIES80.13g(0.25mol)とメチルトリエトキシシラン126.59g(0.71mol)を仕込んだ後、2.45%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液53.01g(HO;2.87mol、HCl;14.3mmol)を徐々に加えて、25℃で攪拌した。反応の進行をゲルパーミエーションクロマトグラフィにより追跡したが、Oxe−TRIESがほぼ消失した時点(混合物の添加開始から20時間後)では反応器内容物がゲル化しており、製品を得ることができなかった。
(比較例2)
攪拌機および温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール200g、Oxe−TRIES80.13g(0.25mol)とメチルトリエトキシシラン126.59g(0.71mol)を仕込んだ後、純水51.71g(HO;2.87mol)を徐々に加えて、65℃で攪拌した。反応の進行をゲルパーミエーションクロマトグラフィにより追跡したが、混合物の添加開始から20時間後もOxe−TRIESのピークが消失しておらず、製品を得ることができなかった。
攪拌機および温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール60g、Oxe−TRIES115.38g(360mmol)とメチルトリエトキシシラン32.09g(180mmol)、ヘキサメチルジシロキサン14.62g(90mmol)を仕込んだ後、1%塩酸29.2gを徐々に加えて、25℃で攪拌した。反応の進行をゲルパーミエーションクロマトグラフィにより追跡し、Oxe−TRIESがほぼ消失した時点(混合物の添加開始から20時間後)で反応完結とした。引き続き、減圧下に溶媒を留去し、無色透明な、粘度6600mPa・sの製品を得た。
上記の製品を25℃の暗所に3ヶ月保管し、THFへの溶解性と粘度測定を行ったところ、THFへの溶解性は良好で、粘度は6700mPa・s(粘度上昇率102%)であった。
攪拌機および温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール50g、Oxe−TRIES32.05g(100mmol)とメチルトリエトキシシラン17.83g(100mmol)を仕込んだ後、1%塩酸11gを徐々に加えて、25℃で攪拌した。反応の進行をゲルパーミエーションクロマトグラフィにより追跡し、Oxe−TRIESがほぼ消失した時点(混合物の添加開始から20時間後)で、ヘキサメチルジシロキサン0.65g(4mmol)を滴下し、50℃で1時間加熱攪拌した。引き続き、減圧下に溶媒を留去し、無色透明な、粘度20000mPa・sの製品を得た。上記の製品を25℃の暗所に3ヶ月保管し、THFへの溶解性と粘度測定を行ったところ、THFへの溶解性は良好で、粘度は21600mPa・s(粘度上昇率108%)であった。
攪拌機および温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール40g、Oxe−TRIES32.05g(100mmol)とテトラエトキシシラン10.42g(50mmol)、ヘキサメチルジシロキサン4.06g(25mmol)を仕込んだ後、1%塩酸10gを徐々に加えて、25℃で攪拌した。反応の進行をゲルパーミエーションクロマトグラフィにより追跡し、Oxe−TRIESがほぼ消失した時点(混合物の添加開始から20時間後)で反応完結とした。引き続き、減圧下に溶媒を留去し、無色透明な、粘度13000mPa・sの製品を得た。上記の製品を25℃の暗所に3ヶ月保管し、THFへの溶解性と粘度測定を行ったところ、THFへの溶解性は良好で、粘度は17000mPa・s(粘度上昇率131%)であった。
上記実施例1〜8で得られた化合物100重量部に対し、カチオン性光重合開始剤としてのビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート3重量部を加え、さらに粘度低下のためにトルエン10重量部を加えて、カチオン硬化性樹脂組成物A〜Hを調製した。
各組成物A〜Hで用いられた化合物の種類は下記表1の通りである。
Figure 2004076534
[カチオン硬化性樹脂組成物の評価]
カチオン硬化性樹脂組成物A〜Hにつき、下記の方法により硬化性、鉛筆硬度を評価した。その結果を下記に示す。
(1)硬化性
組成物を、バーコーターを用いてガラス基板上に約20μmの厚さに塗布し、下記の条件により紫外線照射を行い、表面のタックがなくなるまでの照射回数を測定した。
[UV照射条件]
ランプ:80W/cm高圧水銀ランプ
ランプ高さ:10cmコンベアスピード:10m/min照射
雰囲気:大気中
(2)鉛筆硬度各組成物を、バーコーターを用いて鋼板上およびガラス基板上に約20μmの厚さに塗布し、上記照射条件で紫外線照射を行って硬化膜を得た。
この硬化膜を温度25℃、湿度60%の恒温室内に24時間放置した後、JIS K5400に準じて表面の鉛筆硬度を測定し、下記表2にその結果を示した。この表からわかるように、本発明の製造方法により得られた生成物はオキセタニル基を有するため、優れたカチオン硬化性を発現し、得られる硬化膜は、シルセスキオキサン化合物の膜であることに起因して、非常に硬い。
Figure 2004076534
本発明のカチオン硬化性樹脂組成物の製造方法は、加水分解縮合反応後の中和工程が不要であり、有機溶媒を通常の蒸留操作で除去するだけで、容易に精製できるため、従来の製造方法と比較して加水分解縮合後の工程数が少なく、カチオン硬化性樹脂組成物の生産性の高い製法として有用である。
また、本発明の製造方法は、廃棄物も少量ですむため、環境への負荷が小さい。
本発明の製造方法にて得られる組成物は、保存安定性が高いので、冷蔵庫保管をする必要が無く取扱いやすい。

Claims (4)

  1. 下記式(1)で示される有機ケイ素化合物(A)と、下記式(2)で示される有機ケイ素化合物(B)を、25℃におけるpKaが5以下であり、且つ大気圧下の沸点が150℃以下である酸性触媒の存在下で加水分解共縮合することを特徴とするカチオン硬化性含ケイ素化合物の製造方法。
    Figure 2004076534
    (上式において、Rはオキセタニル基を持つ有機官能基であり、Xは加水分解性基であり、Xは互いに同一であっても異なっていても良い。)
    Figure 2004076534
    (但し、Xはシロキサン結合生成基であり、Rはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、nは0〜2の整数である。)
  2. 下記式(1)で示される有機ケイ素化合物(A)と、下記式(2)で示されるシロキサン結合生成基を有しオキセタニル基を有しない有機ケイ素化合物(B)、下記式(3)で示される有機ケイ素化合物(C)とを、酸性触媒の存在下で加水分解縮合することを特徴とするカチオン硬化性含ケイ素化合物の製造方法。
    Figure 2004076534
    (上式において、Rはオキセタニル基を持つ有機官能基であり、Xはシロキサン結合生成基であり、Xは互いに同一であっても異なっていても良い。)
    Figure 2004076534
    (但し、Xはシロキサン結合生成基であり、Rはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、nは0〜2の整数である。)
    Figure 2004076534
    (但し、Yは水酸基又はシロキサン結合生成基であり、Rはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である。)
  3. 上記式(1)におけるRが下記式(4)に示す構造式で表される有機官能基である、請求項1又は請求項2に記載のカチオン硬化性含ケイ素化合物の製造方法。
    Figure 2004076534
    (但し、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは炭素数2〜6のアルキレン基である。)
  4. 酸性触媒の仕込量が、有機ケイ素化合物(A)及び有機ケイ素化合物(B)の合計に対し、1/50モル〜1/200モルである請求項1又は請求項2の何れかに記載のカチオン硬化性含ケイ素化合物の製造方法。
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