JP4524602B2 - かご状オリゴシロキサンの製造方法 - Google Patents
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請求項1:
酸存在下、極性溶媒を含む溶媒中で、下記一般式(1)で表されるアルコキシシランと水を反応させることによって下記一般式(2)で表されるかご状オリゴシロキサンを製造する方法であって、酸の添加量がアルコキシル基1モルに対し0.1〜1モルであり、水の添加量がアルコキシル基1モルに対し1〜100モルであることを特徴とするかご状オリゴシロキサンの製造方法。
R1Si(OR2)3 (1)
(R1SiO3/2)n(R1SiO2H)3 (2)
(一般式(1)及び(2)において、R1 は炭素原子数3〜20の置換又は非置換の環状アルキル基、環状アルケニル基、アラルキル基、アリール基から選ばれる。OR2は炭素原子数1〜6のアルコキシル基である。nは2〜10の整数である。)
請求項2:
極性溶媒としてアセトニトリルを用いることを特徴とする請求項1記載のかご状オリゴシロキサンの製造方法。
請求項3:
一般式(1)において、R1がシクロアルキル基であることを特徴とする請求項1又は2記載のかご状オリゴシロキサンの製造方法。
R1Si(OR2)3 (1)
上記式中、R1 は炭素原子数3〜20、好ましくは3〜10、更に好ましくは3〜6の置換又は非置換の環状アルキル基、環状アルケニル基、アラルキル基、アリール基から選ばれる。OR2は炭素原子数1〜6のアルコキシル基である。
この場合、アルコキシシランと水の量比は、アルコキシシラン1モルに対し、水0.1〜1,000モル、特に1〜100モルの割合であることが好ましい。水の量が少なすぎると、反応が遅くなり、目的とするかご状オリゴシロキサンの収率が低くなるおそれがあり、水の量が多すぎると、生成したかご状オリゴシロキサンから更に縮合が進んでしまう等の高分子量化するおそれがある。
反応温度としては0℃〜200℃、特に20℃〜200℃の範囲で実施される。更に好ましくは、20℃〜120℃の範囲で実施する。また、この反応は常圧下、即ち約0.1MPaで実施することができるが、これより高い圧力又は低い圧力で実施してもよい。好ましくは圧力0.02〜0.2MPa、特に0.08〜0.15MPaである。
(R1SiO3/2)n(R1SiO2H)3 (2)
(式中、R1は上記の通り。nは2〜10の整数である。)
滴下漏斗、ジムロート式冷却凝縮器、撹拌機、温度計を備えた200mlの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、アセトニトリル110ml、シクロペンチルトリメトキシシラン5.2g(0.027mol)を仕込み、予め混合しておいた濃塩酸5mlと純水25mlをゆっくりと添加した。凝縮器の通気口に窒素通気をしつつ、還流下30時間撹拌を行った。その後、室温まで冷却し、1晩放置後、デキャンテーションにより上澄み液を除去し、残った固体を濾過し、アセトンで洗浄した後、減圧乾燥を行うことで、白色固体1.9gが得られた。GPCで分析した結果、純度99質量%以上であることが確認された。1H−NMR及び29Si−NMR分析により特有のピーク(溶剤:THF、基準:TMS、1H:6.18ppm、1.76ppm、1.53ppm、0.98ppm、29Si:−57.8ppm、−65.7ppm、−67.2ppm(強度比3:1:3))が得られた。また、得られたかご状オリゴシロキサンをESI−MS(Positive)で測定し、m/z=897.4[M+Na]+(メタノール100%)が得られ、目的物である((c−C5H9)SiO3/2)4((c−C5H9)SiO2H)3であることが確認できた。なお、c−C5H9はシクロペンチル基を表す(以下、同じ)。
滴下漏斗、ジムロート式冷却凝縮器、撹拌機、温度計を備えた200mlの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、アセトニトリル110ml、シクロペンチルトリメトキシシラン5.2g(0.027mol)を仕込み、予め混合しておいたメタンスルホン酸3.0g(0.031mol)と純水30mlをゆっくりと添加した。凝縮器の通気口に窒素通気をしつつ、還流下18時間撹拌を行った。その後、室温まで冷却し、デキャンテーションにより上澄み液を除去し、残った固体を濾過し、アセトンで洗浄した後、減圧乾燥を行うことで、白色固体1.5gが得られた。GPC、1H−NMR及び29Si−NMR、ESI−MS(Positive)で分析したところ、実施例1と同様の結果が得られ、目的物である((c−C5H9)SiO3/2)4((c−C5H9)SiO2H)3であることが確認できた。
滴下漏斗、ジムロート式冷却凝縮器、撹拌機、温度計を備えた200mlの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、アセトニトリル110ml、イソブチルトリメトキシシラン4.9g(0.028mol)を仕込み、予め混合しておいた濃塩酸5mlと純水25mlをゆっくりと添加した。凝縮器の通気口に窒素通気をしつつ、室温で8日間放置した。析出した白色固体をアセトニトリルで洗浄した後、減圧乾燥を行うことで、白色固体を得た。得られた白色固体をTHF、メタノール、アセトニトリルにより精製することで白色固体0.90gが得られた。得られた白色固体をGPCで分析したところ、純度99質量%以上であることが確認された。また1H−NMR及び29Si−NMRで分析したところ、特有のピーク(溶剤:CDCl3、基準:TMS、1H:0.58ppm、0.96ppm、1.84ppm、6.77ppm、29Si:−59.0ppm、−67.5ppm、−68.7ppm(強度比3:1:3))が得られた。また、得られたかご状オリゴシロキサンをESI−MS(Positive)で測定し、m/z=813.6[M+Na]+(メタノール100%)が得られ、目的物である(((CH3)2CHCH2)SiO3/2)4(((CH3)2CHCH2)SiO2H)3であることが確認できた。
滴下漏斗、ジムロート式冷却凝縮器、撹拌機、温度計を備えた200mlの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、水酸化リチウム一水和物2.1g(0.091mol)、アセトン176mlとメタノール24mlを加えた。還流下、シクロペンチルトリメトキシシラン38g(0.20mol)を滴下し、その後還流下撹拌を行った。1NのHClを200g加え、室温で2時間撹拌後、濾過を行うことで白色固体が得られた。得られた白色固体をGPC、1H−NMR及び29Si−NMRで分析したところ、複雑な混合物であり、目的とするかご状オリゴシロキサンはほとんど含まれていなかった。
イソブチルトリメトキシシランに代えて、イソブチルトリクロロシランを使用した以外は、参考例1に準拠した方法で合成を行った。GPC、1H−NMR及び29Si−NMRで分析したところ、対応する目的物から更に縮合が進行した((CH3)2CHCH2)SiO3/2)8を多く含んだ混合物として、白色固体が得られた。
Claims (3)
- 酸存在下、極性溶媒を含む溶媒中で、下記一般式(1)で表されるアルコキシシランと水を反応させることによって下記一般式(2)で表されるかご状オリゴシロキサンを製造する方法であって、酸の添加量がアルコキシル基1モルに対し0.1〜1モルであり、水の添加量がアルコキシル基1モルに対し1〜100モルであることを特徴とするかご状オリゴシロキサンの製造方法。
R1Si(OR2)3 (1)
(R1SiO3/2)n(R1SiO2H)3 (2)
(一般式(1)及び(2)において、R1 は炭素原子数3〜20の置換又は非置換の環状アルキル基、環状アルケニル基、アラルキル基、アリール基から選ばれる。OR2は炭素原子数1〜6のアルコキシル基である。nは2〜10の整数である。) - 極性溶媒としてアセトニトリルを用いることを特徴とする請求項1記載のかご状オリゴシロキサンの製造方法。
- 一般式(1)において、R1がシクロアルキル基であることを特徴とする請求項1又は2記載のかご状オリゴシロキサンの製造方法。
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JPH08113648A (ja) * | 1994-10-18 | 1996-05-07 | Showa Denko Kk | 末端シリル化ポリシルセスキオキサンの製造法 |
JP2002363287A (ja) * | 2001-06-01 | 2002-12-18 | Toagosei Co Ltd | 保護されたカテコール基を有する新規なシルセスキオキサンの製造方法 |
WO2004076534A1 (ja) * | 2003-02-27 | 2004-09-10 | Toagosei Co., Ltd | カチオン硬化性含ケイ素化合物の製造方法 |
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