JP4835841B2 - トリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサン - Google Patents

トリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサン Download PDF

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本発明は、トリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサン、特にポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミドの製造に好適に用いられるかご状構造を多く有するトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサンに関するものである。
シルセスキオキサンは、通常RSiX3(R=水素原子、アルキル基、シロキシ基、ハロゲン原子又はアルコキシル基、X=ハロゲン原子、アルコキシル基)型化合物の加水分解・縮合で合成され、一般式[RSiO3/2nで表される。その分子配列の形状として、無定形構造、ラダー構造、かご状構造等が知られている。
シルセスキオキサンの合成法は、フェニルトリクロロシランを加水分解し、その後、KOHを用いて平衡化反応させる方法(非特許文献1:J.Am.Chem.Soc.,1960,82,6194)をはじめ、多くの方法が知られている。アミノ基を有するシルセスキオキサンの合成方法は、γ−アミノプロピルトリエトキシシランを加水分解縮合する方法が米国特許第5047492号明細書(特許文献1)、Chem.Commun.,1998,323(非特許文献2)に掲載されている。
しかしながら、米国特許第5047492号明細書(特許文献1)では、請求されているのみで具体的に実施されておらず、更に請求の製造法ではγ−アミノプロピル基を有するシルセスキオキサンは製造できず、Chem.Commun.,1998,323(非特許文献2)では、γ−アミノプロピル基の塩酸塩としてシルセスキオキサンを単離しているものの、そのままでは有機溶媒への溶解性に乏しく、また脱塩酸する際に非常に煩雑な操作を必要とし、収率も低い。更に最も重要な問題として、脱塩酸した後のγ−アミノプロピル基を有するシルセスキオキサンは安定性が非常に悪く、溶液状態でさえ室温で1〜2日程度しか構造を保てず、単離しようとすると構造が分解してしまうという問題があり、現実的にポリアミック酸等の原料としての使用は困難であった。
また、特表2004−529984号公報(特許文献2)では、オクタフェニルシルセスキオキサンを原料として、ニトロ化反応、還元反応をへて、オクタ(アミノフェニル)シルセスキオキサンの合成が報告されているが、原料のオクタフェニルシルセスキオキサンの工業的入手の困難性や2段階反応を行うことによる収率の低下や煩雑な操作を必要とするという問題があった。
米国特許第5047492号明細書 特表2004−529984号公報 J.Am.Chem.Soc.,1960,82,6194 Chem.Commun.,1998,323
従って、本発明の目的は、上記の問題点を解決し得る、非常に安定性の高いアミノ基を有するシルセスオキサンを提供することにある。また、前記シルセスキオキサンを収率よく効率的に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、トリオルガノシリル基で保護したアミノ基を有するトリアルコキシシランを溶媒及び塩基性触媒存在下で加水分解縮合させることにより、構造が安定なアミノ基含有シルセスキオキサンとなることを見い出し、また、簡単な操作で収率よく効率的に上記シルセスキオキサンを製造できる方法を見い出し、本発明を完成させるに至った。
従って、本発明は、下記のトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサン、及びトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサンの製造方法を提供する。
請求項1:
下記一般式(1)
Figure 0004835841
(但し、R1は炭素原子数1〜10の一価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよい。kは1〜10の整数、m、nはそれぞれ0〜14の整数であり、かつm+nは8〜14の整数である。)
で表されるかご状構造を有するトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサン。
請求項2:
下記一般式(1)
Figure 0004835841
(但し、R 1 は炭素原子数1〜10の一価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよい。kは1〜10の整数、m、nはそれぞれ0〜14の整数であり、かつm+nは8〜14の整数である。)
で表されるトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサン中、かご状構造を有するトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサンが50質量%以上であることを特徴とするトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサン。
請求項3:
下記一般式(2)
Figure 0004835841
(但し、R1は炭素原子数1〜10の一価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよく、OR2は炭素原子数1〜6のアルコキシル基である。kは1〜10の整数である。)
のトリオルガノシリルアミノ基含有トリアルコキシシラン及び/又は下記一般式(3)
Figure 0004835841
(但し、R1は炭素原子数1〜10の一価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよく、OR2は炭素原子数1〜6のアルコキシル基である。kは1〜10の整数である。)
のビス(トリオルガノシリル)アミノ基含有トリアルコキシシランを溶媒及び塩基性触媒存在下で加水分解縮合させることを特徴とする請求項1記載のトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサンの製造方法。
請求項4:
極性溶媒と非極性溶媒の混合溶媒存在下で加水分解縮合することを特徴とする請求項3記載のトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサンの製造方法。
請求項5:
極性溶媒が、非極性溶媒に対して低沸点であることを特徴とする請求項4記載のトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサンの製造方法。
本発明によれば、トリアルキルシリル基保護アミノ基を有するトリアルコキシシランを溶媒及び塩基性触媒存在下で加水分解縮合させることにより、構造が安定なトリアルキルシリル基保護アミノ基を有するシルセスキオキサンを簡単な操作で収率よく製造できる。この場合、本発明の製造方法に従えば、かご状構造を有するトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサンが通常50質量%以上の割合で得られる。また、本発明で製造したトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサンは、新規なポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド及びこれらのワニス製造の原料として極めて有用である。
本発明のトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサンは、下記一般式(1)で表されるものである。
Figure 0004835841
上記一般式(1)において、R1は炭素原子数1〜10の一価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよい。R1の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、t−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基等の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基といった非環状又は環状脂肪族一価炭化水素基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキセニルエチル基、ノルボルネニルエチル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、スチレニル基等の非環状及び環状アルケニル基、ベンジル基、フェネチル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基等のアラルキル基、アラアルケニル基、フェニル基、トリル基あるいはキシリル基のようなアリール基、4−アミノフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ビニルフェニル基のような置換アリール基等が挙げられる。
また、kは1〜10、特に1〜3の整数、m、nはそれぞれ0〜14、特に8〜14の整数であり、かつm+nは8〜14の整数である。
上記一般式(1)中の分子配列の形状として、無定形構造、ラダー構造、かご状構造等が含まれるが、後述する製造方法によれば、通常かご状構造が50質量%以上、特に80質量%以上のものが得られる。かご状構造は下記一般式(4)〜(9)に代表される構造の単体又は混合物であってよい。
Figure 0004835841
Figure 0004835841
上記一般式(4)〜(9)において、R4は下記一般式(10)及び/又は(11)で表されるトリアルキルシリル基保護アミノ基を有する炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である。
Figure 0004835841
上記一般式(10),(11)において、R1は炭素原子数1〜10の一価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよい。kは1〜10の整数である。
上記一般式(1)で示されるトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサンの製造方法は、出発物質として、下記一般式(2)及び/又は下記一般式(3)で示されるアルコキシシランを用いる。
Figure 0004835841
上記一般式(2)中、R1は炭素原子数1〜10、好ましくは炭素原子数1〜3の一価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよく、OR2は炭素原子数1〜6のアルコキシル基である。kは1〜10、好ましくは1〜3の整数である。
Figure 0004835841
上記一般式(3)中、R1は炭素原子数1〜10、好ましくは炭素原子数1〜3の一価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよく、OR2は炭素原子数1〜6のアルコキシル基である。kは1〜10、好ましくは1〜3の整数である。
上記一般式(2),(3)中のR1の具体例としては、一般式(1)と同様のものが挙げられる。
本発明においては、上記一般式(2)及び/又は上記一般式(3)のアルコキシシランを塩基性触媒存在下、溶媒中で水と反応させる。
塩基性触媒の例としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド等の水酸化アンモニウム塩、テトラブチルアンモニウムフルオリド等のフッ化アンモニウム塩が挙げられ、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドの触媒活性が高いために好ましい。また、塩基は水溶液やアルコール溶液等として用いることができるが、加水分解の水として水溶液で用いるのが好ましい。
この場合、塩基性触媒の使用量は、特に制限はないが、多すぎるとコストが高くなったり、除去が困難になり、少なすぎると反応が遅くなってしまうおそれがあるため、アルコキシシラン1モルに対して0.001〜10モル、特に0.01〜0.1モルが好ましい。
アルコキシシランと水の量比は、アルコキシシラン1モルに対し、水0.1〜100モル、特に1.5〜3モルの割合であることが好ましい。水の量が少なすぎると、反応が遅くなり、目的とするトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサンの収率が低くなるおそれがあり、水の量が多すぎると高分子量化し、かご状構造の生成物が減少するおそれがある。また、使用する水は塩基の水溶液として用いてもよいし、別途水を加えてもよい。
溶媒としては、極性溶媒、非極性溶媒を単独又は混合物として用いることができる。極性溶媒としてはメタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル類が用いられるが、特にアセトン、テトラヒドロフランは沸点が低く、系が均一になり反応性が向上するために好ましい。
非極性溶媒としては、炭化水素系溶媒が好ましく、トルエン、キシレン等の水よりも沸点が高い溶媒が好ましく、特にトルエン等の水と共沸する溶媒は系内から水を効率よく除去できるため好ましい。特に、極性溶媒と非極性溶媒を混合することで、前述したそれぞれの利点が得られるため混合溶媒として用いることが好ましい。
この場合、極性溶媒は、後に脱水工程を行うため、先に系中から除去するほうが効率がよいことから、非極性溶媒に対して低沸点、特に10℃以上低沸点であることが好ましい。極性溶媒と非極性溶媒との混合割合は特に制限はないが、系が均一な場合、反応が進行しやすいため、系が均一になる範囲で任意に決めることができる。
なお、溶媒の総使用量は、特に制限されないが、多すぎるとコストが高くなったり、反応速度が小さくなり、少なすぎるとかご状構造の割合が下がるおそれがあるため、アルコキシシラン1モルに対して10〜100,000ml、特に100〜1,000mlが好ましい。
反応温度としては0〜200℃、特に20〜200℃の範囲で実施される。更に好ましくは20〜120℃の範囲で実施する。また、この反応は常圧下、即ち約0.1MPaで実施することができるが、これより高い圧力又は低い圧力で実施してもよい。好ましくは圧力0.02〜0.2MPa、特に0.08〜0.15MPaである。
反応雰囲気としては、窒素等の不活性雰囲気であることが好ましい。また、反応方法は特に限定されないが、アルコキシシランを水及び有機溶媒に溶解した溶液に塩基性触媒を添加し、熟成する方法が好ましく用いられる。
本反応の加水分解反応では、加水分解と共に縮合反応が進行し、上記一般式(2)及び/又は(3)中のOR2の大部分、好ましくはほとんどがOH基に加水分解され、更にOH基の大部分、好ましくは95質量%以上が縮合されているとよい。
なお、本発明の製造方法によれば、上述したように、トリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサン中、かご状構造を有するトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサンが通常50質量%以上、特に80質量%以上のものが得られる。
本発明の製造方法による反応混合液からは、溶媒や反応で生成したアルコール、触媒を除去し、高純度の目的物を得ることができる。なお、触媒は、その目的品質に応じて、洗浄、カラム分離、固体吸着剤等の各種の精製法によって更に精製して使用することもできるが、水洗により触媒を除去することが好ましく、溶媒や生成したアルコールは圧力にかかわらず留去することができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例でMeはメチル基を示す。
[実施例1]
ジムロート式冷却凝縮器、ディーンスターク、撹拌機、温度計を備えた100mlの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン10g、トルエン44ml、アセトン22mlを仕込み、10%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液1.0gをゆっくりと添加した。室温で2時間熟成した後、還流下で2時間熟成した。熟成後、常圧で徐々に溶媒を抜き出し、釜温が109℃に達した所で加熱を止め、冷却した。得られた溶液が中性になるまで飽和食塩水で水洗し、硫酸マグネシウムを加え、脱水した。ろ過により固体を除去した後、濃縮、乾燥することで、透明なオイル状生成物が7.1g得られた。得られたオイルをGPCで分析した結果を図1に示す。目的物以外の不純物は確認できず、分子量はポリスチレン換算でMw2,056、Mn2,032であり、分子量分布(Mw/Mn)は、1.01であった。
また、MALDI−TOFMS(Positive、Matrix:NPOE)で測定すると、m/z=2,059、2,569、3,079[Mw+Na+]が得られ、それぞれケイ素数が8、10、12のN,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノプロピル基を有するかご状構造に対応した化合物のスペクトルが確認された。
1H−NMRスペクトル(重クロロホルム中/内部標準テトラメチルシラン)は図2に示す通りであり、トリメチルシリル基とアミノプロピル基の比が18:2であった。29Si−NMRスペクトル(重クロロホルム中/内部標準テトラメチルシラン)は図3に示す通りであり、トリメチルシリル基を示すスペクトルと−65〜−72ppmにN,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノプロピル基を有するT構造を示すスペクトルが大きいもので3種類存在することが確認された。また、GPC、NMRの結果から、かご状構造の割合は99質量%以上であった。
更に、IRスペクトルを測定すると(図4)、1,200〜1,000cm-1にSi−O−Siの伸縮振動が確認された。以上の結果より、かご状構造である[(Me3Si)2−N−(CH23−SiO3/2n(n=8〜12)を主生成物とするトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサンであることがわかる。
生成物を室温で1ヶ月放置したが、同様の分析結果が得られ、外観も変化がないことから、本生成物が安定な生成物であることが確認された。
[実施例2]
ジムロート式冷却凝縮器、ディーンスターク、撹拌機、温度計を備えた100mlの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン10g、トルエン44ml、アセトン22mlを仕込み、10%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液1.0gをゆっくりと添加した。室温で2時間熟成した後、還流下で2時間熟成した。熟成後、常圧で徐々に溶媒を抜き出し、釜温が109℃に達した所で加熱を止め、冷却した。得られた溶液が中性になるまで飽和食塩水で水洗し、硫酸マグネシウムを加え、脱水した。ろ過により固体を除去した後、濃縮、乾燥することで透明なオイル状生成物が7.1g得られた。GPC、MALDI−TOFMS、1H−NMRスペクトル、29Si−NMRスペクトル、IRの結果は実施例1と同様であり、かご状構造である[(Me3Si)2−N−(CH23−SiO3/2n(n=8〜12)を主生成物とするトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサンであることがわかる。また、GPC、NMRの結果からかご状構造の割合は99質量%以上であった。
生成物を室温で1ヶ月放置したが、同様の分析結果が得られ、外観も変化がないことから本生成物が安定な生成物であることが確認された。
実施例1の縮合生成物のGPCチャートを示す。 実施例1の縮合生成物の重クロロホルム溶液(内部標準:テトラメチルシラン)にて測定した1H−NMRスペクトルを示す。 実施例1の縮合生成物の重クロロホルム溶液(内部標準:テトラメチルシラン)にて測定した29Si−NMRスペクトルを示す。 実施例1の縮合生成物のIRスペクトルを示す。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0004835841
    (但し、R1は炭素原子数1〜10の一価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよい。kは1〜10の整数、m、nはそれぞれ0〜14の整数であり、かつm+nは8〜14の整数である。)
    で表されるかご状構造を有するトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサン。
  2. 下記一般式(1)
    Figure 0004835841
    (但し、R 1 は炭素原子数1〜10の一価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよい。kは1〜10の整数、m、nはそれぞれ0〜14の整数であり、かつm+nは8〜14の整数である。)
    で表されるトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサン中、かご状構造を有するトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサンが50質量%以上であることを特徴とするトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサン。
  3. 下記一般式(2)
    Figure 0004835841
    (但し、R1は炭素原子数1〜10の一価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよく、OR2は炭素原子数1〜6のアルコキシル基である。kは1〜10の整数である。)
    のトリオルガノシリルアミノ基含有トリアルコキシシラン及び/又は下記一般式(3)
    Figure 0004835841
    (但し、R1は炭素原子数1〜10の一価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよく、OR2は炭素原子数1〜6のアルコキシル基である。kは1〜10の整数である。)
    のビス(トリオルガノシリル)アミノ基含有トリアルコキシシランを溶媒及び塩基性触媒存在下で加水分解縮合させることを特徴とする請求項1記載のトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサンの製造方法。
  4. 極性溶媒と非極性溶媒の混合溶媒存在下で加水分解縮合することを特徴とする請求項3記載のトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサンの製造方法。
  5. 極性溶媒が、非極性溶媒に対して低沸点であることを特徴とする請求項4記載のトリオルガノシリル基で保護したアミノ基含有シルセスキオキサンの製造方法。
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