JP2006111556A - かご状オリゴシロキサンの製造方法 - Google Patents

かご状オリゴシロキサンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 酸存在下、極性溶媒を含む溶媒中で、下記一般式(1)で表されるアルコキシシランと水を反応させることを特徴とする下記一般式(2)で表されるかご状オリゴシロキサンを製造する方法。
1Si(OR23 (1)
(R1SiO3/2n(R1SiO2H)3 (2)
(一般式(1)及び(2)において、R1は水素原子、炭素原子数1〜20の置換又は非置換の炭化水素基又はケイ素原子数1〜10のケイ素原子含有基から選ばれる。OR2は炭素原子1〜6のアルコキシル基である。nは2〜10の整数である。)
【効果】 本発明によれば、酸存在下極性溶媒を含む溶媒中でアルコキシシランを水と反応させることで、高純度かつ容易に目的とするシラノール基を有するかご状オリゴシロキサンを製造できる。また、本発明で製造したかご状オリゴシロキサンは、新規な電子材料、光学材料、電子光学材料、触媒担体、又は樹脂改質剤の反応中間原料として極めて有用である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子材料、光学材料、電子光学材料、触媒担体又は樹脂改質剤として用いられる官能基化されたかご状オリゴシロキサンの中間体であるシラノール基を有するかご状オリゴシロキサンの製造方法に関するものである。
シラノール基を有するかご状オリゴシロキサンは、3官能のクロロシラン又はアルコキシシランを加水分解し、縮合させることにより合成できる。例えば、Frank J.Feherらによりシクロペンチルトリクロロシラン又はシクロヘキシルトリクロロシランを水−アセトン混合溶媒中で熟成させる方法が開示されている(非特許文献1:Organometallics,1991,10,2526参照)。また、特表2003−510337号公報(特許文献1)には、水酸化リチウム一水和物を用いイソブチルトリメトキシシランをアセトン−メタノール混合溶媒中で水と反応させることでシラノール基を有するかご状オリゴシロキサンを合成する方法が開示されている。
特表2003−510337号公報 Organometallics,1991,10,2526
しかしながら、前者の方法では、シクロペンチルトリクロロシラン又はシクロヘキシルトリクロロシラン等の二級アルキル置換基を有する場合、対応するシラノール基を有するかご状オリゴシロキサンを合成しようとすると、トリクロロシラン部の反応性の高さから多くの不純物が発生し、低収率であり、更に同様に反応性が高いため、取扱いに多くの注意を払う必要があるなどの問題点があった。また、イソブチルトリクロロシラン等の一級アルキル置換基を有する場合、反応性が高いため多くの不純物が発生し、かつシラノール基を有するかご状オリゴシロキサンから更に縮合が進んでしまい、目的物がほとんど得られないといった問題もあった。一方、後者の方法では、シクロペンチルトリメトキシシラン等の二級アルキル置換基を有する場合、塩基を用いて合成を行うと反応性が低く、多くの副生成物が生成し、純度の高い目的物を得られず、更に生成したかご状オリゴシロキサンの塩から対応するシラノール基を有するかご状オリゴシロキサンを得る際に過剰の酸を用いて中和する工程を必要とするなど操作が煩雑になり、同様に一級アルキル置換基を有する場合も中和により操作が煩雑になり、また中和する際に縮合が更に進んだ副生物が生成しやすいなどの問題点もあった。
従って、本発明の目的は、上記の問題点を解決し得るシラノール基を有するかご状オリゴシロキサンの新規な製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、酸存在下、極性溶媒を含む溶媒中でアルコキシシランと水を反応させることにより、簡単な操作で、高純度なシラノール基を有するかご状オリゴシロキサンを製造できる方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
従って、本発明は、下記のシラノール基を有するかご状オリゴシロキサンの製造方法を提供する。
請求項1:
酸存在下極性溶媒を含む溶媒中で、下記一般式(1)で表されるアルコキシシランと水を反応させることを特徴とする下記一般式(2)で表されるかご状オリゴシロキサンの製造方法。
1Si(OR23 (1)
(R1SiO3/2n(R1SiO2H)3 (2)
(一般式(1)及び(2)において、R1は水素原子、炭素原子数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基、又はケイ素原子数1〜10の1価のケイ素原子含有基から選ばれる。OR2は炭素原子数1〜6のアルコキシル基である。nは2〜10の整数である。)
請求項2:
極性溶媒としてアセトニトリルを用いることを特徴とする請求項1記載のかご状オリゴシロキサンの製造方法。
請求項3:
アルコキシル基に対して触媒量の酸存在下で反応することを特徴とする請求項1又は2記載のかご状オリゴシロキサンの製造方法。
請求項4:
一般式(1)において、R1がシクロアルキル基であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のかご状オリゴシロキサンの製造方法。
本発明によれば、酸存在下極性溶媒を含む溶媒中でアルコキシシランを水と反応させることで、高純度かつ容易に目的とするシラノール基を有するかご状オリゴシロキサンを製造できる。また、本発明で製造したかご状オリゴシロキサンは、新規な電子材料、光学材料、電子光学材料、触媒担体、又は樹脂改質剤の反応中間原料として極めて有用である。
本発明のかご状オリゴシロキサンの製造方法において、出発物質として用いるアルコキシシランは、下記一般式(1)で示されるものである。
1Si(OR23 (1)
上記式中、R1は水素原子、炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10、更に好ましくは2〜6の置換又は非置換の1価炭化水素基、又はケイ素原子数1〜10の1価のケイ素原子含有基から選ばれる。OR2は炭素原子数1〜6のアルコキシル基である。
1の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、t−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、イソウンデシル基、n−ドデシル基、イソドデシル基等の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基といった非環状又は環状脂肪族1価炭化水素基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキセニルエチル基、ノルボルネニルエチル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、スチレニル基等の非環状及び環状アルケニル基、ベンジル基、フェネチル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基等のアラルキル基、アラアルケニル基、フェニル基、トリル基あるいはキシリル基のようなアリール基、4−アミノフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ビニルフェニル基のような置換アリール基等が挙げられる。
また、本発明におけるR1としては、これらの各種の炭化水素基の水素原子又は主鎖骨格の一部又は全部がエーテル結合、エステル基、エステル結合、水酸基、チオール基、チオエーテル基、チオエーテル結合、カルボニル基、カルボキシル基、カルボン酸無水物結合、スルホン酸基、アルデヒド基、エポキシ基、アミノ基、アルキル基又はアリール置換アミノ基、アミド基、アミド結合、イミド基、イミド結合、イミノ基、ウレア基、ウレア結合、ウレタン基、ウレタン結合、イソシアネート基、シアノ基等の極性基、極性結合、あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等から選ばれる置換基で部分置換されたものでもよい。
1として用いられるケイ素原子数1〜10の1価のケイ素原子含有基としては、広範な構造のものが採用されるが、例えば下記一般式(3)あるいは下記一般式(4)の構造の置換基が挙げられる。
Figure 2006111556
上記一般式(3)中のpは、通常は1〜10の範囲の整数であるが、好ましくは1〜3の範囲である。また、上記一般式(3)中の置換基R3及びR4は、水素原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、塩素原子、又は炭素原子数1〜10、好ましくは1〜6の置換又は非置換の1価炭化水素基である。
アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
炭素原子数1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基としては、上述したR1の置換又は非置換1価炭化水素基と同様のものが例示され、特には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基等の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基といった1価の脂肪族飽和炭化水素基、ビニル基、プロペニル基等のアルケニル基といった脂肪族不飽和1価炭化水素基、フェニル基、ベンジル基やフェネチル基等のアリール基、アラルキル基といった芳香族炭化水素基、あるいは3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル基等の含フッ素アルキル基、アミノアルキル基等の極性基置換アルキル基等が挙げられる。
上記一般式(3)中のR5は水素原子又は炭素原子数1〜20、好ましくは炭素原子数1〜8の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、上記R1と同様のものが例示される。典型的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシル−エチル基、オクチル基、ドデシル基等の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基といった脂肪族飽和1価炭化水素基、ビニル基、エチニル基、アリル基、2−シクロヘキセニル−エチル基等のアルケニル基、アルキニル基といった脂肪族不飽和1価炭化水素基、フェニル基、ベンジル基やフェネチル基等のアリール基、アラルキル基といった芳香族1価炭化水素基、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル基等の含フッ素アルキル基や含フッ素エーテル基のようなフッ素原子含有アルキル基、アミノプロピル基、アミノエチルアミノプロピル基、アミノエチルアミノフェネチル基、アクリロキシプロピル基、シアノプロピル基等の極性置換基による部分置換炭化水素基が挙げられる。なお、上記一般式(3)において、同一のケイ素原子に2個以上の水素原子が同時に結合することがない。
上記一般式(3)で表されるケイ素原子含有基の具体例としては、例えば、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ジフェニルメチルシロキシ基、フェネチルジメチルシロキシ基、ジメチル−n−ヘキシルシロキシ基、ジメチルシクロヘキシルシロキシ基、ジメチルオクチルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、3−グリシジルプロピルジメチルシロキシ基、3−アミノプロピルジメチルシロキシ基、3−(2−アミノエチル−アミノ)プロピルジメチルシロキシ基等が挙げられる。
Figure 2006111556
上記一般式(4)において、R6は炭素原子数1〜10の2価の炭化水素基であり、炭素原子数としては、好ましくは2又は3である。R6の具体例としては、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−(CH2m−(m=4〜10)等のアルキレン基が挙げられる。
上記一般式(4)におけるR3、R4、R5の定義は、それぞれ上記一般式(3)中のR3、R4、R5と同じである。また、R7、R8の定義は、R3、R4と同じである。qは0又は1〜9の範囲の整数であるが、好ましくは0〜2である。
なお、R1としては、特にシクロアルキル基であることが好ましい。
一般式(1)中のOR2は炭素原子1〜6のアルコキシル基である。その具体的な例としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
本発明においては、上記一般式(1)のアルコキシシランを酸存在下、極性溶媒を含む溶媒中で水と反応させる。
この場合、アルコキシシランと水の量比は、アルコキシシラン1モルに対し、水0.1〜1,000モル、特に1〜100モルの割合であることが好ましい。水の量が少なすぎると、反応が遅くなり、目的とするかご状オリゴシロキサンの収率が低くなるおそれがあり、水の量が多すぎると、生成したかご状オリゴシロキサンから更に縮合が進んでしまう等の高分子量化するおそれがある。
酸の例としては、BF3、AlCl3、TiCl4、SnCl4、SO3、PCl5、POCl3、FeCl3及びその水和物及びZnCl2、塩化燐ニトリル等のルイス酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、オルト−燐酸、メタ−燐酸、ポリ燐酸、硝酸、酢酸、プロピオン酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸等のハロゲン酢酸、p−トルエンスルホン酸、弗化水素、塩化水素等のブレンステッド酸、酸性イオン交換体、酸性沸石、酸活性化カーボンブラックが挙げられる。特に塩酸又はメタンスルホン酸を用いると反応が迅速に進行するため、好ましい。また、水と反応して酸を発生する化合物を用いることも出来る。例えば、クロロシラン、金属塩化物、酸クロライド、酸無水物等である。酸の配合比は特に限定されないが、触媒量であり、アルコキシル基1モルに対し、酸を0.000001〜1,000モルの範囲で使用できる。好ましくは0.001〜10モルの範囲で使用でき、更に好ましくは0.1〜1モルの範囲で使用できる。
本発明方法の実施に当たり、通常容器中で内容物を撹拌しながら反応させる。
反応温度としては0℃〜200℃、特に20℃〜200℃の範囲で実施される。更に好ましくは、20℃〜120℃の範囲で実施する。また、この反応は常圧下、即ち約0.1MPaで実施することができるが、これより高い圧力又は低い圧力で実施してもよい。好ましくは圧力0.02〜0.2MPa、特に0.08〜0.15MPaである。
通常、反応は極性溶媒の存在下で実施することができる。好ましくは、アルコール、エーテル、アセトン、アセトニトリルが溶媒として使用される。特に、アセトニトリルは生成したシラノール基を有するかご状オリゴシロキサンの溶解性が低いためこの生成物が反応系から析出し、目的物からの逐次反応が進行しにくいことから高純度の目的物が得られる点で好ましい。また、上記極性溶媒は非極性溶媒との混合溶媒として使用できる。非極性溶媒としては、アセトン以外のケトン、アルデヒド、エステル、酸無水物、アルカン、芳香族化合物もしくはアセトニトリル以外のニトリル等が挙げられる。
本発明の製造方法による反応混合液からは、溶媒や反応で生成したアルコール、酸性物質を濾過により除去し、反応溶媒で洗浄することで、高純度の目的物を得ることができる。なお、更に高純度の目的物が必要な場合には、その目的品質に応じて、洗浄、再結晶、カラム分離等の各種の精製法によって更に精製して使用することもできる。
このように、一般式(1)のアルコキシシランと水を反応させることにより、下記一般式(2)で表されるかご状オリゴシロキサンが得られる。
(R1SiO3/2n(R1SiO2H)3 (2)
(式中、R1は上記の通り。nは2〜10の整数である。)
かご状オリゴシロキサンとは、かご状構造を有するシロキサンのオリゴマーである。オリゴシロキサンは、通常RSiX3(R=水素原子、アルキル基、シロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシル基、X=ハロゲン原子、アルコキシル基)型化合物の加水分解・重縮合で合成されるポリシロキサンであり、分子配列の形状として、無定形構造、ラダー構造、かご状構造などが知られている。
本発明のかご状オリゴシロキサンの例としては、(R1SiO3/22(R1SiO2H)3の化学式で表される化合物(下記一般式(5))、(R1SiO3/24(R1SiO2H)3の化学式で表される化合物(下記一般式(6))、(R1SiO3/26(R1SiO2H)3の化学式で表される化合物(下記一般式(7))、(R1SiO3/28(R1SiO2H)3の化学式で表される化合物(下記一般式(8))が挙げられる。
Figure 2006111556
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
滴下漏斗、ジムロート式冷却凝縮器、撹拌機、温度計を備えた200mlの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、アセトニトリル110ml、シクロペンチルトリメトキシシラン5.2g(0.027mol)を仕込み、予め混合しておいた濃塩酸5mlと純水25mlをゆっくりと添加した。凝縮器の通気口に窒素通気をしつつ、還流下30時間撹拌を行った。その後、室温まで冷却し、1晩放置後、デキャンテーションにより上澄み液を除去し、残った固体を濾過し、アセトンで洗浄した後、減圧乾燥を行うことで、白色固体1.9gが得られた。GPCで分析した結果、純度99質量%以上であることが確認された。1H−NMR及び29Si−NMR分析により特有のピーク(溶剤:THF、基準:TMS、1H:6.18ppm、1.76ppm、1.53ppm、0.98ppm、29Si:−57.8ppm、−65.7ppm、−67.2ppm(強度比3:1:3))が得られた。また、得られたかご状オリゴシロキサンをESI−MS(Positive)で測定し、m/z=897.4[M+Na]+(メタノール100%)が得られ、目的物である((c−C59)SiO3/24((c−C59)SiO2H)3であることが確認できた。なお、c−C59はシクロペンチル基を表す(以下、同じ)。
[実施例2]
滴下漏斗、ジムロート式冷却凝縮器、撹拌機、温度計を備えた200mlの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、アセトニトリル110ml、シクロペンチルトリメトキシシラン5.2g(0.027mol)を仕込み、予め混合しておいたメタンスルホン酸3.0g(0.031mol)と純水30mlをゆっくりと添加した。凝縮器の通気口に窒素通気をしつつ、還流下18時間撹拌を行った。その後、室温まで冷却し、デキャンテーションにより上澄み液を除去し、残った固体を濾過し、アセトンで洗浄した後、減圧乾燥を行うことで、白色固体1.5gが得られた。GPC、1H−NMR及び29Si−NMR、ESI−MS(Positive)で分析したところ、実施例1と同様の結果が得られ、目的物である((c−C59)SiO3/24((c−C59)SiO2H)3であることが確認できた。
[実施例3]
滴下漏斗、ジムロート式冷却凝縮器、撹拌機、温度計を備えた200mlの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、アセトニトリル110ml、イソブチルトリメトキシシラン4.9g(0.028mol)を仕込み、予め混合しておいた濃塩酸5mlと純水25mlをゆっくりと添加した。凝縮器の通気口に窒素通気をしつつ、室温で8日間放置した。析出した白色固体をアセトニトリルで洗浄した後、減圧乾燥を行うことで、白色固体を得た。得られた白色固体をTHF、メタノール、アセトニトリルにより精製することで白色固体0.90gが得られた。得られた白色固体をGPCで分析したところ、純度99質量%以上であることが確認された。また1H−NMR及び29Si−NMRで分析したところ、特有のピーク(溶剤:CDCl3、基準:TMS、1H:0.58ppm、0.96ppm、1.84ppm、6.77ppm、29Si:−59.0ppm、−67.5ppm、−68.7ppm(強度比3:1:3))が得られた。また、得られたかご状オリゴシロキサンをESI−MS(Positive)で測定し、m/z=813.6[M+Na]+(メタノール100%)が得られ、目的物である(((CH32CHCH2)SiO3/24(((CH32CHCH2)SiO2H)3であることが確認できた。
[比較例1]
滴下漏斗、ジムロート式冷却凝縮器、撹拌機、温度計を備えた200mlの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、水酸化リチウム一水和物2.1g(0.091mol)、アセトン176mlとメタノール24mlを加えた。還流下、シクロペンチルトリメトキシシラン38g(0.20mol)を滴下し、その後還流下撹拌を行った。1NのHClを200g加え、室温で2時間撹拌後、濾過を行うことで白色固体が得られた。得られた白色固体をGPC、1H−NMR及び29Si−NMRで分析したところ、複雑な混合物であり、目的とするかご状オリゴシロキサンはほとんど含まれていなかった。
[比較例2]
イソブチルトリメトキシシランに代えて、イソブチルトリクロロシランを使用した以外は、実施例3に準拠した方法で合成を行った。GPC、1H−NMR及び29Si−NMRで分析したところ、対応する目的物から更に縮合が進行した((CH32CHCH2)SiO3/28を多く含んだ混合物として、白色固体が得られた。

Claims (4)

  1. 酸存在下、極性溶媒を含む溶媒中で、下記一般式(1)で表されるアルコキシシランと水を反応させることを特徴とする下記一般式(2)で表されるかご状オリゴシロキサンの製造方法。
    1Si(OR23 (1)
    (R1SiO3/2n(R1SiO2H)3 (2)
    (一般式(1)及び(2)において、R1は水素原子、炭素原子数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基、又はケイ素原子数1〜10の1価のケイ素原子含有基から選ばれる。OR2は炭素原子数1〜6のアルコキシル基である。nは2〜10の整数である。)
  2. 極性溶媒としてアセトニトリルを用いることを特徴とする請求項1記載のかご状オリゴシロキサンの製造方法。
  3. アルコキシル基に対して触媒量の酸存在下で反応することを特徴とする請求項1又は2記載のかご状オリゴシロキサンの製造方法。
  4. 一般式(1)において、R1がシクロアルキル基であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のかご状オリゴシロキサンの製造方法。
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