JP2000026730A - 硬化性組成物、硬化性金属酸化物粒子および硬化性金属酸化物粒子の製造方法 - Google Patents

硬化性組成物、硬化性金属酸化物粒子および硬化性金属酸化物粒子の製造方法

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JP2000026730A JP19481798A JP19481798A JP2000026730A JP 2000026730 A JP2000026730 A JP 2000026730A JP 19481798 A JP19481798 A JP 19481798A JP 19481798 A JP19481798 A JP 19481798A JP 2000026730 A JP2000026730 A JP 2000026730A
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直樹 杉山
Hozumi Sato
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化性(光硬化性または熱硬化性)や保存安
定性に優れた硬化性組成物、硬化性金属酸化物粒子およ
び硬化性金属酸化物粒子を効率的に製造することができ
る製造方法を提供する。 【解決手段】 金属酸化物粒子と、加水分解性基を有す
るオキセタン化合物およびその加水分解物あるいはいず
れか一方とを含有してなる硬化性組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性組成物、硬
化性金属酸化物粒子および硬化性金属酸化物粒子の製造
方法に関する。より詳細には、各種形状のプラスチッ
ク、金属、セラミックス、ガラス、木材、紙等の表面に
形成される被覆材料に使用される、優れた硬化性(光硬
化性や熱硬化性、以下、同様である。)や保存安定性を
有する硬化性組成物に関する。また、硬化性組成物中に
おける金属酸化物粒子と、加水分解性基を有するオキセ
タン化合物およびその加水分解物あるいはいずれか一方
とを反応させてなる、優れた硬化性や保存安定性を有す
る硬化性金属酸化物粒子に関し、さらには、このような
硬化性金属酸化物粒子が効率的に得られる硬化性金属酸
化物粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、密着性や硬化性等に優れ、しかも
光学特性を制御できる被覆材料(コ−ティング材料)あ
るいはその材料に使用される各種の硬化性金属酸化物粒
子が提案されている。例えば、米国特許3,451,83
8号明細書および米国特許2,404,357号明細書に
は、アルコキシシランの加水分解物とコロイダルシリカ
とを主成分とした硬化性金属酸化物粒子が開示されてお
り、当該硬化性金属酸化物粒子を、熱硬化型のコ−ティ
ング材料に用いることを提案している。しかしながら、
かかる硬化性金属酸化物粒子は、コ−ティング材料中で
の反応性に乏しい一方、保存安定性に乏しく、アルコキ
シシランの加水分解物が自身で反応してしまうという問
題が見られた。
【0003】また、特公昭62−21815号公報に
は、コロイダルシリカの表面をメタクリロキシシランで
修飾した硬化性金属酸化物粒子が開示されており、当該
硬化性金属酸化物粒子を、アクリレ−ト樹脂と混合し、
光硬化型のコ−ティング材料として用いることを提案し
ている。しかしながら、かかる硬化性金属酸化物粒子
は、コ−ティング材料中での反応性に乏しい一方、得ら
れたコ−ティング材料は光硬化性に乏しく、硬化不良が
生じやすいという問題が見られた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の発明
者らは鋭意検討した結果、金属酸化物粒子と、加水分解
性基を有するオキセタン化合物およびその加水分解物あ
るいはいずれか一方(以下、単にオキセタン化合物と称
する場合がある。)とを組み合わせることにより、上述
した問題を解決できることを見出した。よって、本発明
は、光硬化性、熱硬化性あるいは保存安定性に優れた硬
化性組成物、および金属酸化物粒子と、加水分解性基を
有するオキセタン化合物とを反応させてなる、優れた硬
化性や保存安定性を有する硬化性金属酸化物粒子、並び
に当該硬化性金属酸化物粒子を効率的に製造することが
できる製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属酸化物粒
子と、加水分解性基を有するオキセタン化合物(加水分
解物を含む。)とを含有してなる硬化性組成物に関す
る。このようにカチオン重合性のオキセタン基のみなら
ず、カチオン重合性および熱重合性の加水分解性基を有
するオキセタン化合物を、金属酸化物粒子と組み合わせ
て用いることにより、硬化性や保存安定性に優れた硬化
性組成物とすることができる。なお、加水分解性基を有
するオキセタン化合物は、一部が加水分解して、シラノ
ール基等となっているものでも良い。すなわち、本発明
における加水分解性基を有するオキセタン化合物とは、
加水分解性基を有するオキセタン化合物およびその加水
分解物、あるいはいずれか一方を意味している(以下、
同様である。)。また、加水分解性基を有するオキセタ
ン化合物は、硬化性組成物中において、金属酸化物粒子
と独立に存在していても良く、あるいは一部反応してい
ても良い。
【0006】また、本発明の硬化性組成物を構成するに
あたり、加水分解性基を有するオキセタン化合物が、下
記一般式(1)で表される化合物および下記一般式
(2)で表される化合物あるいはいずれか一方の化合物
であることが好ましい。
【0007】
【化1】
【0008】[一般式(1)中、置換基R1 は、水素原
子、アルキル基、フッ素原子、フルオロアルキル基、ア
リル基、アリール基、フリル基またはチエニル基であ
り、置換基R2 、R3 、R4 は、それぞれ加水分解性基
であり、mおよびnは、それぞれ1〜10の整数であ
る。]
【0009】
【化2】
【0010】[一般式(2)中、置換基R1 、R2 、R
3 、R4 、mおよびnは、それぞれ一般式(1)の内容
と同様であり、vは1〜10の整数である。]
【0011】このようなオキセタン化合物は、分子の一
端に3官能の加水分解性シリル基を有し、他端にオキセ
タン基を有している。したがって、金属酸化物粒子と十
分に反応して、強固なシロキサン結合を形成することが
できる。また、もう一方のオキセタン基も自由度が高
く、カチオン反応性を阻害するおそれも少ない。
【0012】また、本発明の硬化性組成物を構成するに
あたり、脱水剤をさらに含有することが好ましい。この
ように脱水剤を添加することにより、金属酸化物粒子に
対するオキセタン化合物の反応性が向上し、オキセタン
化合物の固定化率が高まる。また、脱水剤を添加するこ
とにより、硬化性組成物の保存安定性もより向上する。
【0013】また、本発明の硬化性組成物を構成するに
あたり、脱水剤が、カルボン酸エステル、アセタール類
(ケタール類を含む。)、カルボン酸無水物および加水
分解性シラン化合物からなる群から選択される少なくと
も一つの化合物であることが好ましい。これらの脱水剤
は、適度な脱水効果を有しており、オキセタン化合物の
固定化率がより高められる。また、これらの脱水剤を使
用することにより、硬化性組成物の保存安定性をより向
上させることもできる。
【0014】また、本発明の硬化性組成物を構成するに
あたり、カルボン酸エステルが、カルボン酸オルトエス
テルであることが好ましい。カルボン酸オルトエステル
は、脱水効果に優れており、オキセタン化合物の固定化
率がより高められる。また、カルボン酸オルトエステル
は、分解生成物が中性であるため、硬化性組成物におけ
るオキセタン基の硬化性(光硬化性)を阻害することが
ない。また、カルボン酸オルトエステルを使用すること
により、硬化性組成物の保存安定性をより向上させるこ
ともできる。さらに、カルボン酸オルトエステルは常温
で液体であり、使い勝手が良い上に、容易に揮発させる
ことができるため、硬化性組成物を硬化させた後に、除
去することも容易である。
【0015】また、本発明の硬化性組成物を構成するに
あたり、脱水剤の添加量を、加水分解性基を有するオキ
セタン化合物100重量部当たり、0.1〜100重量
部の範囲内の値とすることが好ましい。
【0016】また、本発明の別の態様は、金属酸化物粒
子と、加水分解性基を有するオキセタン化合物(加水分
解物を含む。)とを反応させてなる硬化性金属酸化物粒
子に関する。すなわち、金属酸化物粒子表面の水酸基
と、オキセタン化合物における加水分解性基(シラノー
ル基等)とを反応させて、オキセタン化合物を金属酸化
物粒子に対して固定することが好ましい。このようにオ
キセタン化合物を固定することにより、硬化性金属酸化
物粒子における硬化性をより高めることができる。
【0017】また、本発明の別の態様は、金属酸化物粒
子と、加水分解性基を有するオキセタン化合物とを、脱
水剤の存在下に、加熱反応させることを特徴とする硬化
性金属酸化物粒子の製造方法に関する。このように脱水
剤の存在下に、加熱反応させることにより、金属酸化物
粒子に対するオキセタン化合物の反応性が向上し、オキ
セタン化合物の固定化率が高まる。また、脱水剤を添加
することにより、得られた硬化性金属酸化物粒子の保存
安定性も向上する。
【0018】また、本発明における硬化性金属酸化物粒
子の製造方法を実施するにあたり、下記第1工程および
第2工程を含むことが好ましい。 (a)第1工程として、金属酸化物粒子と、加水分解性
基を有するオキセタン化合物と、水とからなる混合液
を、加熱する工程。 (b)第2工程として、第1工程で得られた混合液に、
さらに脱水剤を添加した後、加熱する工程。
【0019】また、本発明の硬化性金属酸化物粒子の製
造方法を実施するにあたり、加水分解性基を有するオキ
セタン化合物として、上述した一般式(1)で表される
化合物および下記一般式(2)で表される化合物あるい
はいずれか一方の化合物を使用することが好ましい。
【0020】また、本発明の硬化性金属酸化物粒子の製
造方法を実施するにあたり、脱水剤としてカルボン酸エ
ステル、アセタール類(ケタール類を含む。)、カルボ
ン酸無水物および加水分解性シラン化合物からなる群か
ら選択される少なくとも一つの化合物を使用することが
好ましい。
【0021】また、本発明の硬化性金属酸化物粒子の製
造方法を実施するにあたり、脱水剤の使用量を、加水分
解性基を有するオキセタン化合物100重量部当たり、
0.1〜100重量部の範囲内の値とすることが好まし
い。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態(第1〜第4の
実施形態)を、構成成分や製造条件等の観点から、以下
のように具体的に説明する。
【0023】[第1の実施形態]本発明の第1の実施形
態は、金属酸化物粒子と、加水分解性基を有するオキセ
タン化合物と、脱水剤とを含有してなる硬化性組成物で
ある。
【0024】(1)金属酸化物粒子 種類 第1の実施形態に用いられる金属酸化物粒子(以下、単
に粒子と称する場合がある。)の種類は、特に制限され
るものではないが、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニ
ウム、酸化ジルコニア、酸化亜鉛、酸化セリウム、アン
チモンドープ酸化スズなどの粒子が挙げられる。これら
の粒子は、1種単独で使用することもできるし、あるい
は2種以上を組み合わせて使用することもできる。ま
た、これらの粒子表面を、加水分解性シラン化合物で予
め表面処理したものも好ましい。このように表面処理し
た粒子を使用することにより、加水分解性基を有するオ
キセタン化合物に対して、さらに優れた反応性を得るこ
とができる。
【0025】なお、オキセタン化合物との反応性がより
良好な観点から、金属酸化物粒子の種類として、シリカ
粒子を使用することがより好ましい。シリカ粒子は、シ
リカを主成分とする粒子であれば良く、シリカ以外の他
の成分を含んでいても良い。このようなシリカ以外の成
分としてはアルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、
酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニア、酸化
亜鉛、酸化セリウム、酸化硼素、酸化スズ、酸化リン等
を挙げることができる。また、上述したように、粒子表
面を、加水分解性シラン化合物で予め表面処理したもの
も好ましい。
【0026】また、粒子の平均粒子径を、0.001〜
20μmの範囲内の値とするのが好ましい。粒子の平均
粒子径が0.001μmとなると、取り扱いや混合分散
が困難となる傾向があり、一方、20μmを超えると、
樹脂に混合分散させた場合に、沈降しやすくなったり、
樹脂の透明性が低下しやすい傾向がある。したがって、
粒子の平均粒子径を0.001〜0.2μmの範囲内の
値とするのがより好ましく、0.001〜0.01μmの
範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0027】また、粒子の比表面積を、0.1〜300
0m2 /gの範囲内の値とするのが好ましい。粒子の比
表面積が0.1m2 /g未満となるとオキセタン化合物
との反応性が低下したり、あるいは樹脂に混合分散させ
た場合に、沈降しやすくなったり、樹脂の透明性が低下
しやすい傾向がある。一方、粒子の比表面積が3000
2 /gを超えると、取り扱いや混合分散が困難となる
傾向がある。したがって、より好ましくは、粒子の比表
面積を10〜1500m2 /gの範囲内の値とすること
である。
【0028】また、粒子を光硬化性組成物に使用した場
合、粒子の屈折率と、光硬化性組成物の屈折率との差
を、0.02(−)以下とするように、粒子の種類を選
択することが好ましい。屈折率差をこのような範囲の値
とすることにより、光硬化性組成物から得られる硬化膜
の透明性をより高めることができる。
【0029】さらに、粒子の形状も特に制限されるもの
ではないが、球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、繊
維状もしくは不定形状の群から選ばれる少なくとも一つ
の形状であることが好ましい。但し、分散性がより良好
な観点から、球状のシリカ粒子を使用することがより好
ましい。
【0030】分散安定化剤 また、粒子を使用する場合、粒子の凝集、沈降を抑制す
る目的で、分散安定化剤を添加することが好ましい。こ
のような分散安定化剤としては、加水分解性シラン化合
物を使用することが好ましい。かかる加水分解性シラン
化合物は、予め加水分解したものを使用することも好ま
しいし、あるいは、加水分解性シラン化合物と粒子とを
混合後、水を加えて、加水分解および縮合する方法を採
ることも好ましい。
【0031】但し、分散安定化剤はこれに限られるもの
ではなく、例えば、アミノシランやメルカプトシランと
アクリルシラン類とのマイケル反応付加体、メルカプト
シランと、ポリイソシアネートと、水酸基含有有機化合
物とからなるウレタン化物、イソシアネートシランと水
酸基含有有機化合物とのウレタン化物等を挙げることが
できる。さらに、分散安定化剤として、塗料分野におい
て公知のオリゴマーや高分子の有機分散剤を挙げること
もできる。
【0032】また、分散安定化剤の添加量も特に制限さ
れるものではないが、例えば、粒子100重量部に対し
て、1重量部以上の値とするのが好ましい。さらに、分
散安定化剤が高分子の有機分散剤である場合には、粒子
100重量部に対して0.1〜100重量部の範囲内で
配合することが好ましい。
【0033】粒子の使用状態 また、粒子の使用状態は特に制限されるものではない
が、例えば、乾燥状態で使用することができるし、ある
いは水もしくは有機溶剤に分散した状態で使用すること
もできる。また、分散溶媒を用いて、微粒子状のシリカ
粒子を分散させた状態の液(コロイダルシリカ)を用い
ることもできる。そして、特に透明性を追求する目的に
おいてはかかるコロイダルシリカの使用が好ましい。
【0034】ここで、コロイダルシリカの分散溶媒が水
の場合、その水素イオン濃度はpH値として2〜10の
範囲内の値とすることが好ましく、3〜7の範囲内の値
とすることがより好ましい。また、コロイダルシリカの
分散溶媒が有機溶剤の場合、メタノ−ル、イソプロピル
アルコ−ル、エチレングリコ−ル、ブタノ−ル、エチレ
ングリコ−ルモノプロピルエ−テル、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、ジ
メチルホルムアミド等を使用することができる。なお、
より好ましい分散溶剤としてはメタノ−ル、イソプロピ
ルアルコ−ル、メチルエチルケトン、キシレン等であ
る。また、これらの有機溶剤と相溶するこれら以外の有
機溶剤または水との混合物として用いてもよい。
【0035】(2)加水分解性基を有するオキセタン化
合物 種類 加水分解性基を有するオキセタン化合物としては、分子
内に加水分解性基およびオキセタン基をそれぞれ有する
化合物であれば良いが、一般式(1)で表される化合物
および下記一般式(2)で表される化合物あるいはいず
れか一方の化合物であることが好ましい。
【0036】
【化5】
【0037】[一般式(1)中、置換基R1 は、水素原
子、アルキル基、フッ素原子、フルオロアルキル基、ア
リル基、アリール基、フリル基またはチエニル基であ
り、置換基R2 、R3 、R4 は、それぞれ加水分解性基
であり、mおよびnは、それぞれ1〜10の整数であ
る。]
【0038】
【化6】
【0039】[一般式(2)中、置換基R1 、R2 、R
3 、R4 、mおよびnは、それぞれ一般式(1)の内容
と同様であり、vは1〜10の整数である。]
【0040】また、一般式(1)で表される、より具体
的な加水分解性基を有するオキセタン化合物としては、
[(3−メチルオキセタンー3−イル)−メチロキシプ
ロピル]−トリエトキシシラン、[(3−メチルオキセ
タンー3−イル)−メチロキシプロピル]−トリメトキ
シシラン、[(3−メチルオキセタンー3−イル)−メ
チロキシプロピル]−メチルジエトキシシラン、[(3
−メチルオキセタンー3−イル)−メチロキシプロピ
ル]−メチルジメトキシシラン、[(3−メチルオキセ
タンー3−イル)−メチロキシプロピル]−エチルジエ
トキシシラン、[(3−メチルオキセタンー3−イル)
−メチロキシプロピル]−エチルジメトキシシラン、
[(3−エチルオキセタンー3−イル)−メチロキシプ
ロピル]−トリエトキシシラン、[(3−エチルオキセ
タンー3−イル)−メチロキシプロピル]−トリメトキ
シシラン、[(3−エチルオキセタンー3−イル)−メ
チロキシプロピル]−メチルジエトキシシラン、[(3
−エチルオキセタンー3−イル)−メチロキシプロピ
ル]−メチルジメトキシシラン、[(3−エチルオキセ
タンー3−イル)−メチロキシプロピル]−エチルジエ
トキシシラン、[(3−エチルオキセタンー3−イル)
−メチロキシプロピル]−エチルジメトキシシラン、
[(3−メチルオキセタンー3−イル)−メチロキシブ
チル]−トリエトキシシラン、[(3−メチルオキセタ
ンー3−イル)−メチロキシブチル]−トリメトキシシ
ラン、[(3−メチルオキセタンー3−イル)−メチロ
キシブチル]−メチルジエトキシシラン、[(3−メチ
ルオキセタンー3−イル)−メチロキシブチル]−メチ
ルジメトキシシラン、[(3−メチルオキセタンー3−
イル)−メチロキシブチル]−エチルジエトキシシラ
ン、[(3−メチルオキセタンー3−イル)−メチロキ
シブチル]−エチルジメトキシシラン、[(3−エチル
オキセタンー3−イル)−プロピロキシプロピル]−ト
リエトキシシラン、[(3−エチルオキセタンー3−イ
ル)−プロピロキシプロピル]−トリメトキシシラン、
[(3−エチルオキセタンー3−イル)−プロピロキシ
プロピル]−メチルジエトキシシラン、[(3−エチル
オキセタンー3−イル)−プロピロキシプロピル]−メ
チルジメトキシシラン、[(3−エチルオキセタンー3
−イル)−プロピロキシプロピル]−エチルジエトキシ
シラン、[(3−エチルオキセタンー3−イル)−プロ
ピロキシプロピル]−エチルジメトキシシラン等が挙げ
られる。
【0041】さらに、一般式(2)で表される、より具
体的な加水分解性基を有するオキセタン化合物として
は、2−[(3−メチルオキセタンー3−イル)−メチ
ロキシプロピル]−エトキシエチルトリメトキシシラ
ン、2−[(3−メチルオキセタンー3−イル)−メチ
ロキシプロピル]−エトキシエチルトリエトキシシラ
ン、2−[(3−メチルオキセタンー3−イル)−メチ
ロキシプロピル]−エトキシエチルメチルジメトキシシ
ラン、2−[(3−メチルオキセタンー3−イル)−メ
チロキシプロピル]−エトキシエチルメチルジエトキシ
シラン等が挙げられる。
【0042】オキセタン化合物におけるオキセタン基 オキセタン基(構造単位)としては、下記一般式(3)
で表される構造単位を示すことができる。
【0043】
【化7】
【0044】[一般式(3)中、置換基R1 は、水素原
子、アルキル基、フッ素原子、フルオロアルキル基、ア
リル基、アリール基、フリル基またはチエニル基であ
り、mは1〜10の整数である。]
【0045】オキセタン化合物における加水分解性基 オキセタン化合物における加水分解性基は、特に限定さ
れるものではないが、例えば加水分解によりシラノール
基(−SiOH)等を生成する基であることが好まし
い。したがって、オキセタン化合物は、シラノール基等
を生成可能な加水分解性基を有する基、すなわち、加水
分解性シリル基を有することが好ましい。よって、オキ
セタン化合物が加水分解性シリル基を有する場合、加水
分解性基(一般式(1)および一般式(2)における置
換基R2 、R3 、R4 )は、水と反応して、あるいは
酸、塩基もしくはそれ以外の触媒を併用した条件で水と
反応してシラノール基を形成することができる。
【0046】オキセタン化合物における加水分解性基と
しては、例えば、アルコキシ基、アセトキシ基等のカル
ボキシレート基;クロロ基等のハロゲン基;アミノシリ
ル基;オキシム基;;ヒドリド基等を挙げることができ
る。これらの中で特に好ましいのはアルコキシ基であ
り,さらに好ましいのは炭素数1〜6のアルコキシ基で
ある。なお、一般式(1)における置換基R2 、R3
4 はそれぞれ独立であり、同一でも、あるいは異なっ
ていても良い。
【0047】オキセタン化合物の添加量 第1の実施形態におけるオキセタン化合物の添加量は、
特に制限されるものではないが、金属酸化物粒子100
重量部に対して、1〜250重量部の範囲内の値とする
のが好ましい。オキセタン化合物の添加量が1重量部未
満となると、添加効果が発現しない傾向があり、一方、
250重量部を超えると保存安定性や塗装性が低下する
傾向がある。したがって、確実に添加効果が得られ、よ
り保存安定性が優れている観点から、オキセタン化合物
の添加量を、金属酸化物粒子100重量部に対して、5
〜200重量部の範囲内の値とするのがより好ましく、
10〜100重量部の範囲内の値とするのがさらに好ま
しい。
【0048】(3)脱水剤 定義 次に、第1の実施形態における脱水剤について説明す
る。脱水剤は、化学反応により水以外の物質に変換する
化合物、物理吸着または包接により、光硬化性および保
存安定性に影響を与えなくする化合物と定義される。こ
のような脱水剤を含有することにより、金属酸化物粒子
に対するオキセタン化合物の固定化率を高めることがで
きる。すなわち、脱水剤が金属酸化物粒子表面の水酸基
と、オキセタン化合物における加水分解性基(シラノー
ル基等)との脱水縮合反応を促進させて、オキセタン化
合物を十分に固定化することができる。また、このよう
に脱水剤を含有することにより、外部から侵入してくる
水を、有効に吸収して、硬化性組成物の保存安定性を向
上させることができる。
【0049】脱水剤の種類 次に、第1の実施形態に使用する脱水剤の種類を説明す
る。かかる脱水剤の種類は特に制限されるものでない
が、有機化合物として、カルボン酸エステル、アセター
ル類(ケタール類を含む。)、カルボン酸無水物および
加水分解性シラン化合物からなる群から選択される少な
くとも一つの化合物であることが好ましい。また、無機
化合物として、脱水機能を有するセラミック粉体の使用
も好ましい。これらの脱水剤は、優れた脱水効果を示
し、少量の添加で脱水剤の機能を効率的に発揮すること
ができる。
【0050】また、脱水剤としてのカルボン酸エステル
は、カルボン酸オルトエステルやカルボン酸シリルエス
テル等の中から選ばれる。ここで、好ましいカルボン酸
オルトエステルとしては、オルト蟻酸メチル、オルト蟻
酸エチル、オルト蟻酸プロピル、オルト蟻酸ブチル、オ
ルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルト酢酸プロピ
ル、オルト酢酸ブチル、オルトプロピオン酸メチルおよ
びオルトプロピオン酸エチル等が挙げられる。また、こ
れらのカルボン酸オルトエステルのうち、より優れた脱
水効果を示し、保存安定性や光硬化性をより向上させる
ことができる観点から、オルト蟻酸エステルが、本発明
における脱水剤として特に好ましい。また、好ましいカ
ルボン酸シリルエステルとしては、酢酸トリメチルシリ
ル、酢酸トリブチルシリル、蟻酸トリメチルシリル、シ
ュウ酸トリメチルシリル等が挙げられる。
【0051】なお、カルボン酸エステルのうち、カルボ
ン酸オルトエステルを使用することがより好ましい。カ
ルボン酸オルトエステルは、効率的に水を吸収し、自身
で加水分解することができる。また、カルボン酸オルト
エステルは加水分解して生成する化合物は中性であるた
め、硬化性金属酸化物粒子におけるオキセタン基の硬化
性(光硬化性)を阻害することがない。さらに、カルボ
ン酸オルトエステルは常温で液体であり、使い勝手が良
い上に、容易に揮発させることができるため、硬化性金
属酸化物粒子を反応させた後に、除去することも容易で
ある。
【0052】また、好ましいアセタール類としては、例
えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセ
トアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒ
ド等のケトン類と、1価アルコールとの反応物であるジ
メチルアセタール、ジエチルアセタールおよびジプロピ
ルアセタール、あるいは、エチレングリコール等の2価
アルコールとケトン類とからなるアセタールおよびカル
ボン酸エステルのシリル化反応により製造されるケテン
シリルアセタール類を挙げることができる。
【0053】そして、これらのアセタール類のうち、ア
セトンジメチルアセタール、アセトンジエチルアセター
ル、メチルエチルケトンジメチルアセタール、メチルエ
チルケトンジメチルアセタール、シクロヘキサノンジメ
チルアセタールおよびシクロヘキサノンジエチルアセタ
ールは、特に優れた脱水効果を示し、保存安定性や光硬
化性をより向上させることができる観点から本発明にお
ける脱水剤としての使用に好ましい。
【0054】また、好ましいカルボン酸無水物として
は、例えば、蟻酸無水物、無水酢酸、無水コハク酸、無
水マレイン酸、無水フタル酸、安息香酸無水物、酢酸安
息香酸無水物等が挙げられる。特に、無水酢酸および無
水コハク酸は、脱水効果に特に優れており好ましい。
【0055】また、好ましい加水分解性シラン化合物と
しては、例えば、加水分解性基が4官能であるテトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン等;加水分解性基
が3官能であるメチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルト
リメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチル
イソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ブ
チルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、γ−トリメトキシプロピルイソシアネート、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−トリエトキシプロピル
イソシアネート、γ−メタクリロキシプロピルトリエト
キシシラン等;加水分解性基が2官能であるジメチルジ
メトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等を挙げ
ることができる。
【0056】また、好ましい脱水機能を有するセラミッ
ク粉体としては、シリカゲル粒子、アルミナ粒子、シリ
カアルミナ粒子、活性白土、ゼオライト等が挙げられ
る。これらのセラミック粉体は、水に対して、強い親和
力を有しており、優れた脱水効果を発揮することができ
る。
【0057】脱水剤の性状 次に、脱水剤の性状について説明する。まず、脱水剤
は、常温、常圧条件において、固体もしくは液体であ
り、硬化性金属酸化物において均一に溶解して、優れた
脱水効果を発揮する化合物から選ばれる。また、脱水剤
の沸点(常圧条件下)を、40〜200℃の範囲内の値
とすることが好ましい。沸点がこのような範囲内の値で
あれば、室温(25℃)〜200℃の乾燥条件で効率的
に揮発させることができる。したがって、脱水剤を硬化
膜から除去することが容易である。
【0058】脱水剤の添加量 次に、脱水剤の添加量について説明する。脱水剤の添加
量は特に制限されるものではないが、オキセタン化合物
100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部の範
囲内の値とするのが好ましい。脱水剤の添加量が0.1
重量部未満となると、保存安定性や固定化率の向上効果
が発現しない傾向がある。一方、脱水剤の添加量が20
重量部を越えると、保存安定性や固定化率の向上効果が
飽和する傾向がある。したがって、より好ましくは、脱
水剤の添加量をオキセタン化合物100重量部に対し
て、0.5〜10重量部の範囲内の値とすることであ
る。
【0059】[第2の実施形態]本発明の第2の実施形
態は、(a)金属酸化物粒子と、加水分解性基を有する
オキセタン化合物と、水とからなる混合液を加熱する第
1工程と、(b)第1工程で得られた混合液に、さらに
脱水剤を添加して加熱する第2工程とを含むことを特徴
とする。このように第1工程のみならず、第2工程を設
けて脱水剤の存在下、加熱することにより、第1工程で
作成された金属酸化物粒子と加水分解性基を有するオキ
セタン化合物との混合物を、より効率的に脱水縮合反応
させることができる。すなわち、はじめから脱水剤を添
加すると、オキセタン化合物同士が反応してしまうおそ
れがある。したがって、このように脱水剤の有り無しの
二段階に分けて加熱することにより、金属酸化物粒子に
対するオキセタン化合物の固定化率をより高めることが
できる。なお、第2の実施形態における金属酸化物粒
子、加水分解性基を有するオキセタン化合物、脱水剤に
ついては、第1の実施形態で説明したのと同様のものが
使用できるため、ここでの説明は省略する。
【0060】(1)第1工程 まず、第2の実施形態における第1工程としては、一例
として、以下に示す1)〜3)の工程を含んで実施する
のが好ましい。 1)金属酸化物粒子と、加水分解性基を有するオキセタ
ン化合物と、水とを、撹拌機付の容器内に収容する。 2)次いで、容器内の溶液粘度を調節しながら、有機溶
媒をさらに収容し、混合溶液とする。 3)得られた混合溶液を、空気雰囲気中、0℃から構成
成分の沸点以下の温度で、1〜24時間の間加熱撹拌す
る。なお、加熱撹拌中、必要に応じて蒸留によって混合
溶液を濃縮したり、あるいは溶剤を置換することも好ま
しい。
【0061】ここで、オキセタン化合物の加水分解に用
いられる水(精製水)は、逆浸透膜処理、イオン交換処
理、蒸留等の方法により精製された水を使用することが
好ましい。具体的には電気伝導率が1×10-2S・cm
-1以下の値である水を使用することが好ましい。加水分
解に用いられる水の電気伝導率が1×10-2S・cm-1
を超えると、硬化性金属酸化物粒子の保存安定性が低下
する傾向がある。したがって、保存安定性がより良好な
観点から、加水分解に用いられる水の電気伝導率を1.
0×10-4S・cm-1以下の値とするのがより好まし
い。
【0062】また、オキセタン化合物の加水分解に使用
する水の量は、水のモル数をyとし、全加水分解性シラ
ン化合物中の加水分解性基(アルコキシ基等)の全モル
数をxとした場合に、通常y/xの値を0.3〜1.0
の範囲内とするのが好ましい。y/xの値が0.3未満
となると、シラノール基の生成量が少なくなる傾向があ
り、一方、y/xの値が1.0を超えると、残留する水
の量が多くなり、硬化性金属酸化物粒子の保存安定性が
低下する傾向がある。したがって、より好ましくはy/
xの値を0.4〜0.6の範囲内とすることである。
【0063】また、第2の実施形態においては、オキセ
タン化合物の加水分解および縮合反応は通常、触媒を使
用せずに実施されるが、必要に応じて触媒を用いても良
い。このような触媒としては、有機酸、鉱酸、金属塩、
金属アルコキシド、金属キレート化物等の酸性触媒、ア
ルカリ金属水酸化物、アミン類、4級アンモニウム水酸
化物等の塩基性触媒を挙げることができる。そして、特
に好ましい触媒としては、蟻酸、酢酸、蓚酸、酒石酸、
クエン酸等の有機カルボン酸類、ジブチル錫ジラウレー
ト、オクチル錫トリラウレートの錫カルボン酸類、ジブ
チル錫ジブトキシド、ブチル錫トリイソプロポキシド、
オクチル錫トリメトキシド等の錫アルコキシド類、及び
これら錫カルボン酸類、錫アルコキシド類とアセト酢酸
エチル、アセチルアセトン、乳酸エチル、サリチル酸、
ヒドロキシキノリンとからなるキレート性化合物との反
応物等が挙げられる。これらは、1種単独または2種以
上を組合わせて使用することができる。
【0064】また、触媒の添加量についても特に制限さ
れるものではないが、加水分解性シラン化合物中のアル
コキシ基(加水分解性基)の全モル数を1としたとき
に、触媒の添加量を1/100〜1/1000モルの範
囲内の値とすることが好ましい。
【0065】次に、第1工程において必要に応じて使用
する有機溶媒について説明する。かかる有機溶剤として
は、大気圧下での沸点が250℃以下の液体であり、水
を一部溶解し、さらには、オキセタン化合物の硬化性を
阻害しないように、非塩基性であることが好ましい。こ
のような有機溶媒の例を挙げると、メタノール、エタノ
ール、プロパノールおよびブタノール等のアルコール
類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレング
リコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノン等
のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルおよ
びγ−ブチロラクトン等のエステル類、ベンゼン、トル
エンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類、の1種単独
あるいは2種以上の組み合わせが挙げられる。また、こ
れらの有機溶媒の中で、より好ましくは、アルコール
類、エーテル類、ケトン類であり、さらに好ましくは、
アルコール類、ケトン類を挙げることができる。
【0066】次に、第1工程における加熱条件について
説明する。具体的に、0〜150℃の範囲内の加熱温度
で加熱するのが好ましく、より好ましは50〜100℃
の範囲内の温度である。但し、前述したとおり、温度制
御が容易な観点から、加熱温度を、構成成分の沸点以下
の温度とすることが好ましい。また、加熱時間は、加熱
温度にもよるが、具体的に1〜24時間の範囲内とする
のが好ましく、より好ましは2〜12時間の範囲内であ
る。
【0067】(2)第2工程 また、第2工程は、第1工程で得られた混合液に、さら
に脱水剤を添加して、加熱することを特徴とする。ここ
で、第2工程における加熱条件についても特に制限され
るものではないが、具体的に、0〜150℃の範囲内の
加熱温度で加熱するのが好ましく、より好ましくは50
〜100℃の範囲内の温度である。すなわち、第1工程
の温度と同等の温度で加熱することが好ましい。また、
加熱時間についても特に制限されるものではないが、具
体的に0.1〜10時間の範囲内とするのが好ましく、
より好ましは0.5〜5時間の範囲内である。このよう
に第1工程の加熱時間よりも第2工程における加熱時間
の範囲が短かいのは、第2工程においては、第1工程に
おいて未反応であった加水分解性基(シラノール基等)
を反応させれば良いためである。
【0068】[第3の実施形態]本発明の第3の実施形
態は、硬化性金属酸化物と、光酸発生剤と、脱水剤とか
らなる光硬化性樹脂組成物である。すなわち、第3の実
施形態では、光酸発生剤からの酸性活性種により、硬化
性金属酸化物に結合した、あるいは混合したオキセタン
化合物におけるオキセタン基を光硬化させることを特徴
とする。
【0069】(1)光酸発生剤 定義 第3の実施形態である光硬化性組成物に使用する光酸発
生剤は、光等のエネルギー線を照射することにより、オ
キセタン基を光硬化(架橋)可能な酸性活性物質を放出
することができる化合物と定義される。
【0070】なお、光酸発生剤を分解し、カチオンを発
生するするために照射する光エネルギー線としては、可
視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を挙
げることができる。但し、一定のエネルギーレベルを有
し、速硬化が可能で、しかも照射装置が比較的安価で、
小型な観点から、紫外線を使用することが好ましい。
【0071】光酸発生剤の種類 次に、第3の実施形態に使用する光酸発生剤の種類を説
明する。かかる光酸発生剤としては、一般式(4)で表
される構造を有するオニウム塩(第1群の化合物)や一
般式(5)で表される構造を有するスルフォン酸誘導体
(第2群の化合物)を挙げることができる。
【0072】 (R5 a6 b7 c8 dW)+m(MZn+m -m (4) [一般式(4)中、カチオンはオニウムイオンであり、
WはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O,I、
Br、Clまたは−N≡Nであり、R5、R6、R7およ
びR8は同一または異なる有機基であり、a、b、cお
よびdはそれぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c
+d)はWの価数に等しい。また、Mはハロゲン化物錯
体[MXn+m]の中心原子を構成する金属またはメタロイ
ドであり、例えばB、P、As、Sb、Fe、Sn、B
i、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、
Mn、Coである。Zは、例えばF、Cl、Br等のハ
ロゲン原子であり、mはハロゲン化物錯体イオンの正味
の電荷であり、nはMの原子価である。]
【0073】Qs−(S(=O)2−R9t (5) [一般式(5)中、Qは1価もしくは2価の有機基、R
9は炭素数1〜12の1価の有機基、添え字sは0又は
1、添え字tは1又は2である。]
【0074】まず、第1群の化合物であるオニウム塩
は、光を受けることによりルイス酸を放出することがで
きる化合物である。ここで、一般式(4)におけるアニ
オン(MZn+m)の具体例としては、テトラフルオロボ
レート(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェート(PF
6 -)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6 -)、ヘ
キサフルオロアルセネート(AsF6 -)、ヘキサクロル
アンチモネート(SbCl6 -)等が挙げられる。
【0075】また、一般式(4)におけるアニオン(M
n+m )の代わりに、一般式(MZn OH)- で表され
るアニオンを使用することも好ましい。さらに、過塩素
酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメタンスルフォン
酸イオン(CFsSO3 - )、フルオロスルフォン酸イオ
ン(FSO3 -)、トルエンスルフォン酸イオン、トリニ
トロベンゼンスルフォン酸アニオン、トリニトロトルエ
ンスルフォン酸アニオン等の他のアニオンを有するオニ
ウム塩を使用することもできる。
【0076】また、上述した第1群の化合物のうち、よ
り有効なオニウム塩は芳香族オニウム塩であり、特に好
ましくは下記一般式(6)で表されるジアリールヨード
ニウム塩およびトリアリールヨードニウム塩である。 (R10−Ar1 −I+ −Ar2 −R11)(Y- ) (6) [一般式(6)中、R10およびR11は、それぞれ1価の
有機基であり、同一でも異なっていてもよく、R10およ
びR11の少なくとも一方は炭素数が4以上のアルキル基
を有しており、Ar2 およびAr2 はそれぞれ芳香族基
であり、同一でも異なっていてもよく、Y- は1価の陰
イオンであり、周期律表3族、5族のフッ化物陰イオン
もしくは、ClO4 -、CF3−SO3 -から選ばれる陰イ
オンである。]
【0077】このようなジアリールヨードニウム塩とし
ては、具体的に、(4−n−デシロキシフェニル)フェ
ニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェ
ニル〕フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネ
ート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキ
シ)フェニル〕フェニルヨードニウム トリフルオロス
ルホネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシ
ロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウム ヘキサフル
オロホスフェート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テト
ラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウム テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(4
−t−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロ
アンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨー
ドニウム ヘキサフルオロフォスフェート、ビス(4−
t−ブチルフェニル)ヨードニウム トリフルオロスル
ホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウ
ム テトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニ
ル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ビ
ス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロ
ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘ
キサフルオロフォスフェート、ビス(ドデシルフェニ
ル)ヨードニウム トリフルオロメチルスルフォネート
等の1種または2種以上の組み合わせを挙げることがで
きる。
【0078】次に、第2群の化合物について説明する。
一般式(5)で表されるスルフォン酸誘導体の例を示す
と、ジスルホン類、ジスルホニルジアゾメタン類、ジス
ルホニルメタン類、スルホニルベンゾイルメタン類、イ
ミドスルホネート類、ベンゾインスルホネート類、1−
オキシ−2−ヒドロキシ−3−プロピルアルコールのス
ルホネート類、ピロガロールトリスルホネート類、ベン
ジルスルホネート類を挙げることができる。また、一般
式(5)の中でより好ましくはイミドスルホネート類で
あり、さらに好ましくはイミドスルホネートのうち、ト
リフルオロメチルスルホネート誘導体である。
【0079】また、このようなスルホネート類の具体例
を挙げると、ジフェニルジスルホン、ジトシルジスルホ
ン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス
(クロルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キ
シリルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル
ベンゾイルジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホ
ニル)メタン、1、8−ナフタレンジカルボン酸イミド
メチルスルホネート、1、8−ナフタレンジカルボン
酸イミド トシルスルホネート、1、8−ナフタレンジ
カルボン酸イミド トリフルオロメチルスルホネート、
1、8−ナフタレンジカルボン酸イミド カンファース
ルホネート、コハク酸イミド フェニルスルホネート、
コハク酸イミド トシルスルホネート、コハク酸イミド
トリフルオロメチルスルホネート、コハク酸イミド
カンファースルフォネート、フタル酸イミド トリフル
オロスルホネート、シス−5−ノルボルネン−エンド−
2,3−ジカルボン酸イミド トリフルオロメチルスル
ホネート、ベンゾイントシラート、1、2−ジフェニル
−2−ヒドロキシプロピル トシラート、1、2−ジ
(4−メチルメルカプトフェニル)−2−ヒドロキシプ
ロピル トシラート、ピロガロール メチルスルホネー
ト、ピロガロール エチルスルホネート、2,6−ジニ
トロフェニルメチル トシラート、オルト−ニトロフェ
ニルメチル トシラート、パラ−ニトロフェニル トシ
ラートを挙げることができる。
【0080】光酸発生剤の添加量 次に、第3の実施形態に使用する光酸発生剤の添加量
(含有割合)について説明する。かかる光酸発生剤の添
加量は特に制限されるものではないが、硬化性金属酸化
物100重量部に対して、通常0.1〜15重量部の範
囲内の値とするのが好ましい。光酸発生剤の添加量が
0.1重量部未満となると、光硬化性が低下し、十分な
硬化速度が得られない傾向がある。一方、光酸発生剤の
添加量が15重量部を超えると、得られる硬化物の耐候
性や耐熱性が低下する傾向がある。したがって、光硬化
性と得られる硬化物の耐候性等とのバランスがより良好
な観点から、光酸発生剤の添加量を、硬化性金属酸化物
100重量部に対して1〜10重量部の範囲内の値とす
ることがより好ましい。
【0081】(2)その他の添加成分 第3の実施形態である光硬化性組成物には、本発明の目
的や効果を損なわない範囲において、光増感剤、有機溶
剤等をさらに含有させることができる。
【0082】光増感剤 第3の実施形態である光硬化性組成物において、光酸発
生剤と併用して光増感剤を配合してもよい。光増感剤
は、光等のエネルギー線を吸収し、光酸発生剤の感度を
向上させる化合物である。このような光増感剤として
は、チオキサントン、ジエチルチオキサントン等、チオ
キサントンの誘導体、アントラキノン、ブロモアントラ
キノン等アントラキノンの誘導体、アントラセン、ブロ
モアントラセン等のアントラセン誘導体、ペリレン、ペ
リレンの誘導体、ベンゾフェノン、ベンゾフェノンの誘
導体を挙げることができる。これらの中で好ましくは、
ジエチルチオキサントンやブロモアントラセン等が挙げ
られる。
【0083】また、増感剤の添加量は特に制限されるも
のではないが、(B)成分である光酸発生剤100重量
部に対して、0.1〜50重量部の範囲内の値とするこ
とが好ましい。増感剤の添加量が0.1重量部未満とな
ると、添加効果が発現しない傾向があり、一方、50重
量部を超えると、耐候性等を低下させる傾向がある。し
たがって、添加効果の発現性と、耐候性等とのバランス
がより良好な観点から、増感剤の添加量を(B)成分で
ある光酸発生剤100重量部に対して、0.5〜20重
量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1.0〜
10重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0084】有機溶媒 第3の実施形態である光硬化性組成物において、必要に
応じて有機溶媒を配合することができる。このような有
機溶媒としては、本発明の目的、効果を損なわない範囲
で選ぶことができるが、通常、大気圧下での沸点が50
〜200℃の範囲内の値を有する有機化合物であり、各
成分を均一に溶解させる有機化合物が好ましい。好まし
い有機溶媒を示すと、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール等のアルコール類、ジブチルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ア
ミル、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられ
る。これらは1種単独または2種以上を組み合わせて用
いることが可能である。
【0085】これらの中で、より好ましい有機溶媒を示
すと、アルコール類、エーテル類、ケトン類をあげるこ
とができる。さらに好ましくは、アルコール類、ケトン
類である。これら有機溶媒中の水分量は、通常、1重量
%以下、好ましくは0.1重量%以下の値である。水分
量が1重量%を超えると、光硬化性組成物の保存安定性
や光硬化性が低下する傾向がある。
【0086】その他の添加物 第3の実施形態である光硬化性組成物において、さらに
必要に応じて各種の樹脂等を配合することができる。こ
のような樹脂等としては、エポキシ樹脂、ポリアミド、
ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポ
リクロロプレン、ポリエーテル、ポリエステル、スチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン
樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、フッ素系ポリマ
ー、シリコーン系ポリマー、ポリスルフィド系ポリマー
等のポリマーあるいはオリゴマーを挙げられる。また、
好ましい添加物として、フェノチアジン、2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェノール等の重合禁止剤;重
合開始助剤;レベリング剤;濡れ性改良剤;界面活性
剤;可塑剤;紫外線吸収剤、酸化防止剤;シランカップ
リング剤;無機充填剤;顔料;染料等を挙げることもで
きる。
【0087】(5)製造方法 第3の実施形態である光硬化性樹脂組成物は、硬化性金
属酸化物粒子や光酸発生剤等を、常法にしたがって混合
撹拌することにより、製造することができる。例えば、
プロペラミキサー、プラネタリーミキサー、Vブレン
ダ、三本ロール、ハイシェアミキサー等の混合機を使用
することが好ましい。
【0088】(6)光硬化性樹脂組成物 性状 第3の実施形態である光硬化性樹脂組成物の粘度を、1
〜10000cps(25℃)の範囲内の値とするのが
好ましい。粘度がこれらの範囲を超えると、均一な塗膜
を形成することが困難となる傾向がある。なお、かかる
粘度は、反応性希釈剤や有機溶媒の配合量によって、適
宜調製することができる。また、光硬化性組成物の架橋
成分と非揮発成分(有機溶媒等)とを合わせた総固形分
は、特に限定されないが、通常、80%以下の値でであ
り、より好ましくは50%以下の値で用いられる。
【0089】コーティング方法 第3の実施形態である光硬化性組成物を使用する場合、
まず、基材(適用部材)にコーティングする方法が一般
に採られる。ここで、光硬化性組成物のコーテイング方
法としては、ディッピング法、スプレー法、バーコート
法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート
法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、またはイン
クジェット法等の方法を用いることができる。また、各
種コーテイング方法に適したレオロジー特性に調製する
ため、必要に応じて、各種レベリング剤、チクソ付与
剤、フィラー、有機溶媒、界面活性剤等を配合すること
も好ましい。
【0090】光照射 第3の実施形態を硬化するのに光照射手段としては、特
に制限されるものではなく、種々の手段を採用すること
ができる。例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、
メタルハライドランプ、エキシマーランプ等の光源を用
いて、塗膜全面に光照射することができる。また、レー
ザ光、あるいはレンズ、ミラー等を用いて得られた収束
光等を走査させながら光硬化性組成物に照射することも
できる。さらに、所定のパターンの光透過部を有するマ
スクを用い、このマスクを介して非収束光を組成物に照
射したり、あるいは、多数の光ファイバーを束ねてなる
導光部材を用い、この導光部材における所定のパターン
に対応する光ファイバーを介して光を組成物に照射する
こともできる。
【0091】また、マスクを用いる場合においては、マ
スクとして、液晶表示装置と同様の原理により、所定の
パターンに従って、光透過領域と光不透過領域とよりな
るマスク像を電気光学的に形成するものを用いることも
できる。これら選択的に硬化させた材料においては、硬
化部分と未硬化部分との溶解性の差異を利用して適切な
有機溶媒で未硬化部分を除去(現像)することが可能で
ある。したがって、このような工程を経ることにより微
細にパターン化された硬化物を形成することができる。
また、レーザー光を利用した直接的光立体造形方法を利
用することにより、複雑な立体形状を作成することも可
能である。
【0092】また、光硬化させて得られた硬化膜は必要
に応じて、さらに加熱することができる。その場合、通
常、室温から基材もしくは塗膜の分解開始温度以下で、
5分〜72時間、加熱する。このように光硬化後に、さ
らに加熱することにより、より耐熱性や耐光性に優れた
硬化膜を得ることができる。
【0093】[第4の実施形態]本発明の第4の実施形
態は、硬化性金属酸化物粒子、光酸発生剤、脱水剤およ
び反応性希釈剤を含有する光硬化性組成物である。この
ように反応性希釈剤を添加(配合)することにより、得
られる硬化膜の硬化収縮を低減したり、硬化膜の機械的
強度を制御することができる。さらに、ラジカル重合性
の反応性希釈剤を用いた場合には、さらにラジカル発生
剤を添加することにより、光硬化性組成物の光硬化性を
調節することができる。また、カチオン重合性の反応性
希釈剤を用いた場合には、光硬化性や機械的特性をより
容易に調節することができる。
【0094】以下、第4の実施形態における反応性希釈
剤の詳細について説明する。但し、硬化性金属酸化物粒
子、光酸発生剤、脱水剤、光酸発生剤等については、第
4の実施形態においても第1〜3の実施形態で説明した
ものと同様のものが使用できるため、ここでの説明は省
略する。
【0095】(1)反応性希釈剤の配合量 第4の実施形態において、反応性希釈剤の配合量(添加
量)は特に制限されるものではないが、例えば、硬化性
金属酸化物粒子100重量部に対して、0.1〜50重
量部の範囲内の値とするのが好ましい。反応性希釈剤の
配合量が1重量部未満となると、添加効果が発現しない
傾向があり、一方、50重量部を超えると、得られた硬
化物の耐候性が低下する傾向がある。したがって、反応
性希釈剤の配合量を1〜30重量部の範囲内の値とする
のがより好ましく、2〜20重量部の範囲内の値とする
のがさらに好ましい。
【0096】但し、反応性希釈剤がカチオン重合性モノ
マーの場合には、好ましい配合量の範囲が若干異なる。
具体的に、カチオン重合性モノマーの配合量を、反応性
希釈剤の全量を100重量%としたときに、20〜85
重量%の範囲内の値とするのが好ましく、より好ましく
は30〜80重量%の範囲内の値であり、更に好ましく
は40〜75重量%の範囲内の値である。
【0097】(2)カチオン重合性モノマー 次に、第4の実施形態に使用する反応性希釈剤の種類に
ついて説明する。かかる反応性希釈剤としてカチオン重
合性モノマーおよびエチレン性不飽和モノマーあるいは
いずれか一方のモノマーを配合することが好ましい。こ
こで、カチオン重合性モノマーは、光酸開始剤の存在下
で光照射することにより重合反応や架橋反応を起こす有
機化合物と定義される。したがって、例えば、エポキシ
化合物、オキセタン化合物、オキソラン化合物、環状ア
セタール化合物、環状ラクトン化合物、チイラン化合
物、チエタン化合物、ビニルエーテル化合物、エポキシ
化合部とラクトンとの反応生成物であるスピロオルソエ
ステル化合物、エチレン性不飽和化合物、環状エーテル
化合物、環状チオエーテル化合物、ビニル化合物等を挙
げることができる。これらのカチオン重合性モノマー
は、1種を単独で使用することもできるし、あるいは2
種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0098】また、上述したカチオン重合性モノマーと
してのエポキシ化合物は、例えばビスフェノールAジグ
リシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエー
テル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフ
ェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノー
ルSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、
水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビス
フェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノー
ルSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカル
ボキシルレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサ
ン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオ
キサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス
(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチ
ル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロ
ヘキシル−3',4'−エポキシ−6'−メチルシクロヘ
キサンカルボキシルレート、メチレンビス(3,4−エ
ポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポ
キサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,
4−エポキシシクロヘキサンカルボキシルレート)、エ
ポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキ
サヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブ
タンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサン
ジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシ
ジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジル
エーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリ
セリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上
のアルキレンオキサイドを付加することにより得られる
ポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;
脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;脂肪族
高級アルコールのモノグリシジルエーテル類;フェノー
ル、クレゾール、ブチルフェノールまたはこれらにアル
キレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルアル
コールのモノグリシジルエーテル類;高級脂肪酸のグリ
シジルエステル類;エポキシ化大豆油;エポキシステア
リン酸ブチル;エポキシステアリン酸オクチル;エポキ
シ化アマニ油;エポキシ化ポリブタジエン等を例示する
ことができる。
【0099】また、他のカチオン重合性モノマーとして
は、トリメチレンオキシド、3,3−ジメチルオキセタ
ン、3,3−ジクロルメチルオキセタン、3−エチル−
3−フェノキシメチルオキセタン、ビス(3−エチル−
3−メチルオキシ)ブタン等のオキセタン類;テトラヒ
ドロフラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフラン等の
オキソラン類;トリオキサン、1,3−ジオキソラン、
1,3,6−トリオキサンシクロオクタン等の環状アセ
タール類;β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン
等の環状ラクトン類;エチレンスルフィド、1,2−プ
ロピレンスルフィド、チオエピクロロヒドリン等のチイ
ラン類;3,3−ジメチルチエタン等のチエタン類;エ
チレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリ
コールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリ
ビニルエーテル等のビニルエーテル類;エポキシ化合物
とラクトンとの反応によって得られるスピロオルソエス
テル類;ビニルシクロヘキサン、イソブチレン、ポリブ
タジエン等のエチレン性不飽和化合物類;上記の各化合
物の誘導体等を例示することができる。
【0100】また、上述したカチオン重合性モノマーの
うち、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水
添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシク
ロヘキサンカルボキシルレート、ビス(3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチル)アジペート、1,4−ブタン
ジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオ
ールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジル
エーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエー
テル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプ
ロピレングリコールジグリシジルエーテルが好ましい。
【0101】また、特に好ましいカチオン重合性モノマ
ーは、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',
4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシルレート、ビ
ス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペー
ト等、1分子中に2個以上の脂環式エポキシ基を有する
エポキシ化合物である。反応性希釈剤の全体量を100
重量%としたときに、これらのエポキシ化合物を50重
量%以上の割合で含むことにより、カチオン重合反応速
度(硬化速度)がより速くなり、硬化時間の短縮化を図
ることができる。
【0102】(3)エチレン性不飽和モノマー 次に、反応性希釈剤としてのエチレン性不飽和モノマー
を説明する。ここで、エチレン性不飽和モノマーは、エ
チレン性不飽和結合(C=C)を分子中に有する化合物
であり、1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有す
る単官能モノマー、および1分子中に2個以上のエチレ
ン性不飽和結合を有する多官能モノマーと定義すること
ができる。
【0103】したがって、エチレン性不飽和モノマーで
ある単官能性モノマーとしては、例えば(メタ)アクリ
ロイルモルホリン、7−アミノ−3,7−ジメチルオク
チル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、イソボルニルオキシエチル(メ
タ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチル
ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、t−オク
チル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アク
リルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド
テトラクロロフェニル(メタ)アクリレート、2−テト
ラクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テト
ラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラブロ
モフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラブロモフ
ェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−トリクロロ
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフ
ェニル(メタ)アクリレート、2−トリブロモフェノキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、N−ビニル
ピロリドン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、
ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタクロロフ
ェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレー
ト、メチルトリエチレンジグリコール(メタ)アクリレ
ートを例示することができる。
【0104】また、これらのアクリレートのうちで、光
硬化性を低下させない観点からアミドやアミン構造を含
まないアクリレートが好ましく、さらには、耐候性を確
保する目的で芳香環を含有しないアクリレートが好まし
い。これらのアクリレートとしては、例えば、イソボル
ニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ
ート、ブトキシエチル(メタ)アクリレートポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ボルニル(メ
タ)アクリレート、メチルトリエチレンジグリコール
(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0105】また、エチレン性不飽和モノマーである多
官能性モノマーとしては、例えばエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)
アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アク
リレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキ
シエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレー
ト、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレ
ンオキシド(以下「EO」という。)変性トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキ
シド(以下「PO」という。)変性トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加物、1,4
−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)
アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、
ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレー
ト、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレー
ト、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレー
ト、EO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレ
ート、PO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリ
レート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレ
ート、フェノールノボラックポリグリシジルエーテルの
(メタ)アクリレート等を例示することができる。
【0106】これらのアクリレート等の中でも、光硬化
性を低下させない観点からアミドやアミン構造を含まな
いアクリレートが好ましく、また、耐候性を確保する目
的で芳香環を含有しないアクリレートが好ましい。した
がって、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカ
ンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスリトールテトラ(メタ)アクリレート等を挙げるこ
とができる。
【0107】また、エチレン性不飽和モノマーである単
官能モノマーおよび多官能モノマーは、各々1種単独で
または2種以上組み合わせるか、あるいは単官能モノマ
ーの少なくとも1種と多官能モノマーの少なくとも1種
とを組み合わせて構成することが好ましい。このような
重合性基が3官能以上の多官能モノマーとしては、上記
に例示されたトリ(メタ)アクリレート化合物、テトラ
(メタ)アクリレート化合物、ペンタ(メタ)アクリレ
ート化合物、ヘキサ(メタ)アクリレート化合物の中か
ら選択することができる。これらのうち、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメ
チロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが特に好
ましい。
【0108】ラジカル発生剤 次に、エチレン性不飽和モノマーを反応性希釈剤として
用いた場合に、かかるモノマーを重合するために、ラジ
カル発生剤を配合する必要がある。このようにラジカル
発生剤を配合して、光等のエネルギー線を照射すると、
ラジカルを発生させることができる。したがって、発生
したラジカルにより、ビニルモノマー類を重合反応させ
ることができる。このようなラジカル発生剤としては、
ラジカル性光重合開始剤およびラジカル性熱重合開始剤
等を使用することができる。
【0109】ラジカル性光重合開始剤 ラジカル性光重合開始剤は、光等のエネルギー線を受け
ることにより分解してラジカルを発生させる化合物であ
る。このようなラジカル性光重合開始剤としては、アセ
トフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、アント
ラキノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒ
ドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾー
ル、キサントン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'
−ジアミノベンゾフェノン、1,1−ジメトキシデオキ
シベンゾイン、3,3'−ジメチル−4−メトキシベン
ゾフェノン、チオキサントン系化合物、2−メチル−1
−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ
−プロパン−2−オン、2−ベンジル−2−ジメチルア
ミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1
−オン、トリフェニルアミン、2,4,6−トリメチル
ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ
−メチルペンチルフォスフィンオキサイド、ベンジルジ
メチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
プロパン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベン
ズアルデヒド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン
プロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、
3−メチルアセトフェノン、3,3',4,4'−テトラ
(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等
を挙げることができる。
【0110】ラジカル性熱重合開始剤 ラジカル性熱重合開始剤は、分解温度以上に加熱するこ
とにより、ラジカルを発生させる化合物である。このよ
うなラジカル性熱重合開始剤(後述するヨウ素含有フッ
素化合物およびアゾ基含有ポリシロキサン化合物を除
く。)としては、例えば、アセチルパーオキサイド、ベ
ンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノン
パーオキサイド等のケトンパーオキサイド、過酸化水
素、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメン
パーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;ジ−te
rt−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、ジラウロイルパーオキサイド等のジアルキルパーオ
キサイド;tert−ブチルパーオキシアセテート、t
ert−ブチルパーオキシピバレート等のパーオキシエ
ステル類;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソ
バレロニトリル等のアゾ系化合物;過硫酸アンモニウ
ム、 過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩
類が挙げられる。このようなラジカル性熱重合開始剤
は、1種を単独で使用することもできるし、あるいは2
種以上を組み合わせて使用することができる。
【0111】ヨウ素含有フッ素化合物 また、ラジカル性熱重合開始剤の1種として、ヨウ素含
有フッ素化合物を使用することも好ましい。このような
ヨウ素含有フッ素化合物としては、パーフルオロエチル
アイオダイド、パーフルオロプロピルアイオダイド、パ
ーフルオロブチルアイオダイド、(パーフルオロブチ
ル)エチルアイオダイド、パーフルオロヘキシルアイオ
ダイド、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアイオダ
イド、パーフルオロヘプチルアイオダイド、パーフルオ
ロクチルアイオダイド、2−(パーフルオロクチル)エ
チルアイオダイド、パーフルオロデシルアイオダイド、
2−(パーフルオロデシル)エチルアイオダイド、ヘプ
タフルオロ2−ヨードプロパン、パーフルオロ3−メチ
ルブチルアイオダイド、パーフルオロ5−メチルヘキシ
ルアイオダイド、2−(パーフルオロ5−メチルヘキシ
ル)エチルアイオダイド、パーフルオロ7−メチルオク
チルアイオダイド、2−(パーフルオロ7−メチルオク
チル)エチルアイオダイド、パーフルオロ9−メチルデ
シルアイオダイド、2−(パーフルオロ9−メチルデシ
ル)エチルアイオダイド、2,2,3,3−テトラフル
オロプロピルアイオダイド、1H,1H,5H−オクタ
フルオロペンチルアイオダイド、1H,1H,7H−ド
デカフルオロヘプチルアイオダイド、テトラフルオロ
1,2−ジヨードエタン、オクタフルオロ1,4−ジヨ
ードブタン、ドデカフルオロ1,6−ジヨードヘキサン
等が挙げられる。これらのヨウ素含有フッ素化合物は1
種を単独で使用することもできるし、あるいは2種以上
を組み合わせて使用することができる。また、上述した
有機過酸化物、アゾ系化合物あるいは過硫酸塩と併用す
ることも好ましい。
【0112】アゾ基含有ポリシロキサン化合物 また、ラジカル性熱重合開始剤の1種として、アゾ基含
有ポリシロキサン化合物を使用することも好ましい。ア
ゾ基含有ポリシロキサンは、ラジカル性熱重合開始剤の
一種であり、分解温度以上に加熱することにより、アゾ
基がラジカルを発生させるとともに、分子内にシロキサ
ン構造を有している化合物である。このような化合物と
しては、下記式(7)で表される化合物である。かかる
化合物は、数平均分子量が10000〜100000の
範囲内の高分子材料である。このようなアゾ基含有ポリ
シロキサンをラジカル発生剤として使用することによ
り、反応性希釈剤をラジカル重合させるとともに、硬化
物中に、シロキサンセグメント(構造)を容易に導入す
ることができる。したがって、優れた潤滑性や耐擦傷性
を付与することができる。
【0113】
【化9】
【0114】[式(7)中、yおよびzはそれぞれ繰り
返し数であり、yは1〜200の整数であり、zは5〜
10の整数である。]
【0115】なお、オキセタン共重合体中におけるシロ
キサンセグメント量が、0.1〜20モル%の範囲内の
値となるように、ラジカル発生剤量を定めて使用するこ
とが好ましい。シロキサンセグメント量が、0.1モル
%未満となると、導入効果が発現しない傾向があり、一
方、20モル%を超えると、硬化物の透明性が低下する
傾向がある。したがって、シロキサンセグメント量が
0.1〜15モル%の範囲内の値となるように、ラジカ
ル発生剤量を定めることがより好ましく、さらに好まし
いのは、0.1〜10モル%の範囲内の値である。
【0116】ラジカル発生剤の添加量 また、ラジカル発生剤の添加量は特に制限されるもので
はないが、例えば、オキセタン化合物とフッ化化合物と
の合計量を100重量部としたときに、0.01〜10
重量部の範囲内の値とするのが好ましい。ラジカル発生
剤の添加量が0.01重量部未満では、未反応モノマー
(反応性希釈剤)の残留量が多くなる傾向があり、一
方、10重量部を超えると、分子量が極端に低下した
り、硬化物の耐熱性が低下する傾向がある。したがっ
て、ラジカル発生剤の添加量を、より好ましくは0.1
〜5重量部の範囲内の値とすることである。また、ラジ
カル発生剤として、アゾ基含有ポリシロキサンを使用し
た場合には、上述したような添加量とするのが良い。
【0117】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれら実施例の記載に限定されるものではない。ま
た、実施例中、各成分の配合量は特に記載のない限り重
量部を意味している。
【0118】[参考例1]加水分解性シリル基を有する
オキセタン化合物を、以下のようにして得た。まず、撹
拌機付きの容積3リットルのセパラブルフラスコに、3
−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタン153g
(1.5モル)と、臭化テトラブチルアンモニウム30
g(0.09モル)と、臭化アリル726g(6モル)
と、50重量%水酸化カリウム水溶液0.5リットルと
をそれぞれ収容し、反応液(以後、反応液1と称す
る。)とした。次いで、セパラブルフラスコ内の温度を
42℃に保ち、反応液1を激しく攪拌しながら4時間反
応させた。反応終了後、反応液1をセパラブルフラスコ
から取り出し、ヘキサンを抽出剤として用いて抽出し
た。得られた抽出物をさらに蒸留精製し、3−アリロキ
シメチル−3−メチルオキセタン183g(1.29モ
ル)を得た。
【0119】得られた3−アリロキシメチル−3−メチ
ルオキセタン171g(1.2モル)と、脱水トルエン
0.34リットルと、塩化白金酸/イソプロピルアルコ
ール混合物(重量比1/10)0.15ミリリットルと
を、2リットルのセパラブルフラスコに収容し、反応液
(以後、反応液2と称する。)とした。次いで、セパラ
ブルフラスコ内の温度を70℃に保ち、反応液2を攪拌
しながら、トリエトキシシラン197g(1.2モル)
/脱水トルエン0.16リットルをそれぞれ滴下した。
滴下終了後、温度を70℃に保ちつつ、反応液2を撹拌
しながら4時間反応させた。反応終了後、反応液2をセ
パラブルフラスコから取り出し、蒸留精製して、[(3
−メチルオキセタン−3−イル)−メチロキシプロピ
ル]−トリエトキシシラン307g(1.0モル)を得
た(以後、シラン化合物Aと称する。)。
【0120】[参考例2]上記シラン化合物A 81g
と、イオン交換水7gとを、それぞれ0.5リットルセ
パラブルフラスコに収容した。次いで、撹拌しながら、
温度60℃、6時間の条件でシラン化合物Aを加水分解
し、さらに、メチルイソブチルケトン112gを添加し
て、固形分22重量%のポリシロキサン溶液Aを得た。
【0121】[参考例3]メチルトリメトキシシラン
(以下、シラン化合物B)80gと、イオン交換水18
gとを、それぞれ0.5リットルセパラブルフラスコに
収容した。次いで、撹拌しながら、温度60℃、6時間
の条件でシラン化合物Bを加水分解し、メチルイソブチ
ルケトン93gを添加して、固形分22重量%のポリシ
ロキサン溶液Bを得た。
【0122】[参考例4]γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン(以下、シラン化合物C)62gと、
イオン交換水7gとを、それぞれ0.5リットルセパラ
ブルフラスコに収容した。次いで、撹拌しながら、温度
60℃、6時間の条件でシラン化合物Cを加水分解し、
さらにメチルイソブチルケトン130gを添加して、固
形分22重量%のポリシロキサン溶液Cを得た。
【0123】[実施例1] (光硬化性組成物の作成)容器内に、参考例1で作製し
たポリシロキサン溶液A 272.7gと、金属酸化物
粒子MEK−ST(日産化学(株)製、メチルエチルケ
トン分散コロイダルシリカ、平均粒子径0.01〜0.0
15μm、シリカ濃度30重量%)133.3重量部
と、メチルイソブチルケトン87.9gとを順次に収容
し、さらに撹拌機を用いて撹拌し、均一な混合物とし
た。次いで、この混合物に、光酸開始剤であるSP17
0(旭電化(株)製)6.0gを添加し、光硬化性組成
物とした。表1に配合組成を示す。
【0124】(光硬化性組成物の評価) (1)光硬化性(紫外線硬化性) 得られた光硬化性組成物を、大気条件下、バーコーター
を用いて、石英板上に厚さが3μmとなるように塗布し
て、塗膜を形成した。この塗膜に対して、それぞれ露光
量が100mJ/cm2(照射時間1秒)、200mJ
/cm2(照射時間2秒)および300mJ/cm2(照
射時間3秒)となるように、オーク製作所(株)製のコ
ンベア式高圧水銀ランプ(2kW)を用いて紫外線を照
射した。そして、指触で以て塗膜における表面タックを
測定し、以下の基準で光硬化性(紫外線硬化性)を評価
した。結果を表2に示す。 ◎:100mJ/cm2露光において、硬化膜の表面タ
ックがない。 〇:200mJ/cm2露光において、硬化膜の表面タ
ックがない。 △:300mJ/cm2露光において、硬化膜の表面タ
ックがない。 ×:300mJ/cm2露光において、硬化膜の表面タ
ックがある。
【0125】(2)密着性 得られた光硬化性組成物をシリコンウエファー、PET
フィルム、アクリル板および石英ガラスにそれぞれ回転
塗布した後、前記コンベア式高圧水銀ランプを用いて、
露光量が200mJ/cm2 となるように紫外線を照射
し、厚さ10μmの硬化膜を形成した。次いで、JIS
K5400に準拠した碁盤目試験により、各基板への
密着性を、以下の基準に基づいて評価した。得られた結
果を表2に示す。 ○:碁盤目100個中、全く剥がれが観察されなかっ
た。 △:碁盤目100個中、1〜10個の剥がれが観察され
た。 ×:碁盤目100個中、10個超の剥がれが観察され
た。
【0126】(3)透明性 得られた光硬化性組成物を石英板上に回転塗布した後、
前記コンベア式高圧水銀ランプを用いて、露光量が20
0mJ/cm2 となるように紫外線を照射し、厚さ10
μmの硬化膜を形成した。次いで、分光光度計を用い
て、波長400nmにおける光透過率(T/%)を測定
し、得られた光透過率から以下の基準で透明性を評価し
た。得られた結果を表2に示す。 ○:光透過率が95%以上の値である。 △:光透過率が80〜95%未満の値である。 ×:光透過率が80%未満の値である。
【0127】(4)硬度 得られた光硬化性組成物を石英板上に回転塗布した後、
前記コンベア式高圧水銀ランプを用いて、露光量が20
0mJ/cm2 となるように紫外線を照射し、厚さ10
μmの硬化膜を形成した。次いで、JIS K5400
に準拠して鉛筆硬度を測定した。得られた結果を表2に
示す。
【0128】(5)保存安定性 得られた光硬化性組成物を温度40℃で1ヶ月間および
3ヶ月間保管した後、目視で外観変化(粘度増加)を測
定し、さらに上記(1)の光硬化性を測定して、以下の
基準で保存安定性を評価した。得られた結果を表2に示
す。 ◎:3ヶ月経過後も、外観変化や光硬化性の変化は観察
されない。 〇:1ヶ月経過後も、外観変化や光硬化性の変化は観察
されない。 ×:1ヶ月経過後に、外観変化あるいは光硬化性の変化
が観察される。
【0129】[実施例2〜5]実施例1と同様に、表1
に示すような配合で以て光硬化性組成物を製造した。な
お、実施例2〜5では、ポリシロキサン溶液Aの代わり
に、2種類のポリシロキサン溶液の混合物を用い、ま
た、実施例3〜5では脱水剤としてのオルト蟻酸メチル
を使用し、さらに、実施例4〜5では金属酸化物粒子の
種類を変えて光硬化性組成物を製造した。それぞれの配
合組成を表1に示す。また、得られた光硬化性組成物に
つき、実施例1と同様に、光硬化性、密着性、透明性、
硬度および保存安定性をそれぞれ評価した。得られた結
果を表2に示す。
【0130】なお、実施例4においては、メタノール分
散酸化チタン粒子ST−01(石原テクノ(株)製、平
均粒子径0.005〜0.5μmの粒子を、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテルを分散剤としてビーズ
ミルにて分散したもの、酸化チタン濃度30重量%)を
使用した。また、実施例5においては、イソプロピルア
ルコール分散酸化亜鉛(住友大阪セメント(株)製、固
形分30重量%)を使用した。
【0131】[実施例6〜7] (熱硬化性組成物の作成)実施例6においては、容器内
に、参考例1で作製したポリシロキサン溶液A272.
7gと、金属酸化物粒子MEK−ST(日産化学(株)
製)133.3gと、メチルイソブチルケトン87.9
gとを順次に収容し、さらに撹拌機を用いて撹拌し、均
一な混合物とした。次いで、この混合物に、熱酸開始剤
であるSI−80L(三新化学(株)製)6.0gを添
加し、熱硬化性組成物とした。また、実施例7において
は、ポリシロキサン溶液Aの代わりに、参考例3で作製
したポリシロキサン溶液C 272.7gを使用した以
外は、実施例6と同様に、熱硬化性組成物を作成した。
それぞれの配合組成を表1に示す。
【0132】(熱硬化性組成物の評価)得られた熱硬化
性組成物を、バーコーターを用いて、石英板上に厚さが
3μmとなるように塗膜を形成した。次いで、オーブン
を用いて、塗膜を温度100℃、1時間の条件で加熱
し、以下の基準で以て熱硬化性組成物の熱硬化性を評価
した。得られた結果を表2に示す。 〇:硬化膜が得られ、指触による表面タックなし。 △:硬化膜が得られるが、指触による表面タックあり。 ×:硬化膜が得られない。
【0133】[実施例8]実施例3において、光酸開始
剤を添加しなかったほかは、実施例3と同様に、組成物
を作成した。但し、得られた組成物は、光硬化も熱硬化
もさせることができなかった。したがって、その後の密
着性等の評価は行わなかった。
【0134】
【表1】
【0135】
【表2】
【0136】[実施例9] (硬化性金属酸化物粒子を含む分散液の製造)容積0.
5リットルのセパラブルフラスコ内に、シラン化合物A
7.8重量部と、MEK−ST(日産化学(株)製、
メチルエチルケトン分散コロイダルシリカ(平均粒子径
0.01〜0.015μm、シリカ濃度30重量%)8
6.7重量部と、イオン交換水1.4重量部とを収容
し、混合液とした。この混合液を、温度80℃、6時間
の条件で撹拌しながら反応させ、さらにオルト蟻酸メチ
ルエステル2.8重量部を添加した。その後、温度80
℃、1時間の条件でさらに加熱撹拌して、硬化性金属酸
化物粒子が分散された、固形分濃度が33.5重量%で
ある無色透明の分散液を得た(表3中、硬化性金属酸化
物粒子aと称する。)。
【0137】(硬化性金属酸化物粒子の評価) (1)固定化率 硬化性金属酸化物粒子を含む分散液5gを、イソプロピ
ルアルコール10gにより希釈後、遠心分離機を用い
て、回転数10000rpm、時間60分の条件で、遠
心分離処理を行った。その後、遠心分離機から固相部分
を取り出し、メチルエチルケトン15gで再希釈し、遠
心分離機を用いて、再度回転数10000rpm、時間
60分の条件で、遠心分離処理を行った。次いで、遠心
分離機から取り出した固相部分を、温度60℃、12時
間の条件で真空乾燥して、硬化性金属酸化物粒子を得
た。
【0138】得られた硬化性金属酸化物粒子を、TGA
装置SSC−5200(セイコー電子(株)製)を用い
て、100〜600℃の温度で昇温加熱(昇温速度10
℃/分)した。図1に、加熱減量チャートを示す。横軸
に加熱時間(分)を採って示してあり、縦軸に重量%を
示してある。そして、得られた加熱減量チャートから、
加熱減量分を算出し、硬化性金属酸化物粒子におけるシ
ラン化合物Aの固定化率を測定した。その結果、7.1
4重量%という値が得られた。
【0139】(2)光硬化性 容器内に、硬化性金属酸化物粒子a 153.7gと、
反応性希釈剤としてのエポキシモノマーKRM2110
(旭電化(株)製)48.5gと、メチルイソブチルケ
トン291.8gとを順次に収容し、さらに撹拌機を用
いて均一に混合した。次いで、光酸開始剤であるSP1
70(旭電化(株)製)6.0gを添加し、硬化性金属
酸化物粒子を用いた光硬化性組成物とした。配合組成を
表3に示す。また、得られた光硬化性組成物について、
実施例1と同様に光硬化性を測定した。得られた結果を
表4に示す。
【0140】(3)密着性、透明性、硬度および保存安
定性 (2)で得られた光硬化性組成物について、実施例1と
同様に密着性、透明性、硬度および保存安定性をそれぞ
れ測定した。得られた結果を表4に示す。
【0141】[実施例10〜11] (光硬化性組成物の製造)容器内に、実施例9で得られ
た硬化性金属酸化物粒子a 153.7gと、上記ポリ
シロキサン溶液B 220.5gとを順次に収容し、撹
拌機を用いて均一に混合した。次いで、実施例10で
は、光開始剤であるSP170(旭電化(株)製)6.
0gと、メチルイソブチルケトン119.8gとを添加
し光硬化性組成物とした。また、実施例11では、光開
始剤であるSP170(旭電化(株)製)6.0gと、
脱水剤としてのオルト蟻酸メチル25gと、メチルイソ
ブチルケトン94.8gとを添加し、光硬化性組成物と
した。それぞれの配合組成を表3に示す。
【0142】(光硬化性組成物の評価)実施例9と同様
に、光硬化性組成物における光硬化性、密着性、透明
性、硬度および保存安定性を評価した。それぞれの結果
を表4に示す。
【0143】[実施例12] (硬化性金属酸化物粒子の製造)容積0.5リットルの
セパラブルフラスコ内に、シラン化合物A 10.5重
量部と、シラン化合物B 49.5重量部と、MEK−
ST(日産化学(株)製)66.7重量部と、イオン交
換水21.4重量部とを収容し、混合液とした。この混
合液を、温度80℃、6時間の条件で撹拌しながら反応
させ、さらにオルト蟻酸メチルエステル43.0重量部
を添加した。その後、温度80℃、1時間の条件でさら
に加熱撹拌後、ロータリーエバポレーターで低沸点溶剤
を除き、硬化性金属酸化物粒子が分散された、固形分濃
度が33.5重量%である無色透明の分散液を得た(表
3中、硬化性金属酸化物粒子bと称する。)
【0144】(硬化性金属酸化物粒子の評価)実施例9
と同様に、得られた硬化性金属酸化物粒子bにおける光
硬化性、密着性、透明性、硬度および保存安定性を評価
した。それぞれの結果を表4に示す。
【0145】[実施例13] (硬化性金属酸化物粒子の製造)容積0.5リットルの
セパラブルフラスコ内に、シラン化合物A 7.8重量
部と、メタノール分散酸化チタン粒子ST−01(石原
テクノ(株)製、平均粒子径0.005〜0.02μmの
酸化チタン粒子を、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテルを分散剤として用い、ビーズミルにて分散させ
たもの。酸化チタン濃度30重量%)86.7重量部
と、イオン交換水1.4重量部とからなる混合液を、実
施例9と同様に、温度80℃、6時間の条件で加熱撹拌
した。次いで、オルト蟻酸メチルエステル2.8重量部
を添加し、温度80℃、1時間の条件でさらに加熱撹拌
して、硬化性金属酸化物粒子が分散された、無色透明の
分散液を得た(表3中、硬化性金属酸化物粒子cと称す
る。)。
【0146】(硬化性金属酸化物粒子の評価)実施例9
と同様に、得られた硬化性金属酸化物粒子cにおける光
硬化性、密着性、透明性、硬度および保存安定性を評価
した。それぞれの結果を表4に示す。
【0147】[実施例14] (硬化性金属酸化物粒子の製造)容積0.5リットルの
セパラブルフラスコ内に、シラン化合物A 7.8重量
部と、イソプロピルアルコール分散酸化亜鉛粒子(住友
大阪セメント(株)製、固形分30重量%)86.7重
量部と、イオン交換水1.4重量部とからなる混合液
を、実施例9と同様に、温度80℃、6時間の条件で加
熱撹拌した。次いで、オルト蟻酸メチルエステル2.8
重量部を添加し、温度80℃、1時間の条件でさらに加
熱撹拌して、硬化性金属酸化物粒子が分散された、無色
透明の分散液を得た(表3中、硬化性金属酸化物粒子d
と称する。)。
【0148】(硬化性金属酸化物粒子の評価)実施例9
と同様に、得られた硬化性金属酸化物粒子dにおける光
硬化性、密着性、透明性、硬度および保存安定性を評価
した。それぞれの結果を表4に示す。
【0149】[実施例15] (硬化性金属酸化物粒子を用いた熱硬化性組成物の製
造)容器内に、実施例12で得られた硬化性金属酸化物
粒子b 298.5gと、メチルイソブチルケトン19
5.5gとを順次に収容し、撹拌機を用いて均一に混合
した。次いで、熱酸開始剤であるSI−80L(三新化
学(株)製)6.0gを添加し、硬化性金属酸化物粒子
を用いた熱硬化性組成物とした。
【0150】(硬化性金属酸化物粒子の評価)得られた
熱硬化性組成物の熱硬化性、密着性、透明性、硬度およ
び保存安定性を評価した。それぞれの結果を表4に示
す。
【0151】
【表3】
【0152】
【表4】
【0153】
【発明の効果】金属酸化物粒子と、特定のオキセタン化
合物とを含むことにより、優れた硬化性(光硬化性また
は熱硬化性)や保存安定性を有する硬化性組成物が得ら
れるようになった。
【0154】また、金属酸化物粒子と、特定のオキセタ
ン化合物と、脱水剤とを含むことにより、金属酸化物粒
子に対するオキセタン化合物の固定率が向上し、しかも
優れた硬化性(光硬化性または熱硬化性)や保存安定性
を有する硬化性組成物が得られるようになった。
【0155】また、金属酸化物粒子と、特定のオキセタ
ン化合物とを、脱水剤存在下に、加熱反応させることに
より、金属酸化物粒子に対するオキセタン化合物の固定
率が高く、しかも優れた硬化性(光硬化性または熱硬化
性)や保存安定性を有する硬化性金属酸化物粒子が効率
的に得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】硬化性金属酸化物粒子におけるTGAチャート
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 穂積 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4C048 TT02 TT03 UU05 XX01 4J002 CH031 CP181 DE096 DE106 DE136 DE146 DE147 DJ016 DJ017 DJ037 DM007 ED087 EF127 EH037 EL137 EX037 FD140 GH00 4J005 AA07 AA11 BD08 4J038 DL031 DN011 GA15 HA216 JA68 JC30 KA20 PC02 PC03 PC08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物粒子と、加水分解性基を有す
    るオキセタン化合物とを含有してなる硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 前記加水分解性基を有するオキセタン化
    合物が、下記一般式(1)で表される化合物および下記
    一般式(2)で表される化合物あるいはいずれか一方の
    化合物である請求項1に記載の硬化性組成物。 【化1】 [一般式(1)中、置換基R1 は、水素原子、アルキル
    基、フッ素原子、フルオロアルキル基、アリル基、アリ
    ール基、フリル基またはチエニル基であり、置換基
    2 、R3 、R4 は、それぞれ加水分解性基であり、m
    およびnは、それぞれ1〜10の整数である。] 【化2】 [一般式(2)中、置換基R1 、R2 、R3 、R4
    m、nは、それぞれ一般式(1)の内容と同様であり、
    vは1〜10の整数である。]
  3. 【請求項3】 脱水剤をさらに含有してなる請求項1ま
    たは2に記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 金属酸化物粒子と、加水分解性基を有す
    るオキセタン化合物とを反応させてなる硬化性金属酸化
    物粒子。
  5. 【請求項5】 金属酸化物粒子と、加水分解性基を有す
    るオキセタン化合物とを、脱水剤の存在下に、加熱反応
    させることを特徴とする硬化性金属酸化物粒子の製造方
    法。
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