JP2015021089A - 活性エネルギー線硬化型組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】得られる硬化膜が硬度、基材との密着性、基材の変形に対する追従性及び耐カール性に優れた活性エネルギー線硬化型組成物を提供すること。
【解決手段】(A)3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物であって水酸基価が140mgKOH/g以上である(メタ)アクリル酸付加物と、多価イソシアネート化合物若しくは多価カルボン酸とを反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート又はポリエステル(メタ)アクリレート含有反応生成物、及び、(B)(A)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物、を含有し、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、(A)成分の含有量が、40〜97重量部であり、(B)成分の含有量が、3〜60重量部であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物に関し、コーティング剤や塗料の技術分野に好適に属する。
従来、金属、ガラス及びプラスチック等の種々の基材に対しては、基材表面を保護したり、美観や意匠性を付与する目的で、塗料組成物を使用して基材上に保護膜を形成する手法が用いられる。特に、プラスチック基材は、軽量であり、耐衝撃性及び易成形性等に優れているが、表面が傷つきやすく硬度が低いため、そのまま使用すると外観を著しく損なうという欠点がある。このため、プラスチック基材の表面を塗料組成物で塗装し、いわゆるハードコート処理を施して、耐擦傷性を付与し表面硬度を向上することが求められる。
従来、プラスチック基材の表面硬度を改善する方法として、硬化塗膜の硬度に優れる脂環式骨格を有する(メタ)アクリレートからなる活性エネルギー線硬化型組成物が知られている(特許文献1及び2)。
また、コーティング剤として、環状エーテルの光カチオン重合を利用したものが知られている(特許文献3)。
さらに、コーティング剤として、4−(メタ)アクリロイルモルホリンと水酸基を1つ以上有する3官能以上の(メタ)アクリレートを組み合わせる方法が知られている(特許文献4)。
特開2003−268263号公報 特開2013−49802号公報 特開2007−284613号公報 特開2012−111943号公報
特許文献1及び2に記載されているような脂環式骨格を有する(メタ)アクリレートは、ガラス転移点(Tg)が高く、硬度良好であることが多いが、活性エネルギー線硬化時の応力が大きいため基材に対する密着性が得られにくい傾向がある。特許文献1及び2では、プラスチック基材に対する密着性は実施例において開示されていない。また、特許文献2に記載された方法では、あらかじめ熱開始剤を用いて反応性高分子を製造するが、この時に用いる熱開始剤が残存していると、活性エネルギー線硬化型組成物の保存中に重合により硬化してしまうおそれがあり、十分な安定性を有しているとは言えない。
特許文献3に記載された方法では、(メタ)アクリレートの光ラジカル重合を用いたコーティング剤と比べ、密着性や耐カール性が良好であることが実施例において開示されている。ところが、カチオン重合は作業雰囲気下の湿度が硬化性に大きく影響することが知られている。特にハードコートでは薄膜で塗工することが多いため、湿度の影響が出やすく、梅雨や夏場には所望の硬化性やコーティングとしての性能が得られないおそれがある。
特許文献4に記載された方法では、4−(メタ)アクリロイルモルホリンを用いることで良好な密着性が得られているが、この方法では硬化時の収縮が大きく、耐カール性良好なものとすることはできない。
本発明が解決しようとする課題は、得られる硬化膜が硬度、基材との密着性、基材の変形に対する追従性及び耐カール性に優れた活性エネルギー線硬化型組成物を提供することである。
上記目的は、下記<1>に記載の手段により達成された。好ましい実施態様である<2>〜<10>と共に以下に示す。
<1>(A)下記(A−1)成分又は下記(A−2)成分、及び、(B)(A)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物、を含有し、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、(A)成分の含有量が、40〜97重量部であり、(B)成分の含有量が、3〜60重量部であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物、
(A−1)3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物であって水酸基価が140mgKOH/g以上である(メタ)アクリル酸付加物の水酸基と、多価イソシアネート化合物のイソシアナト基とを反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート含有反応生成物
(A−2)3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物であって水酸基価が140mgKOH/g以上である(メタ)アクリル酸付加物の水酸基と、多価カルボン酸化合物のカルボキシル基とを反応させてなるポリエステル(メタ)アクリレート含有反応生成物
<2>(A−1)成分及び(A−2)成分における前記3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物の水酸基価が、160〜220mgKOH/gである、<1>に記載の活性エネルギー線硬化型組成物、
<3>(A−1)成分及び(A−2)成分における前記3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物が、3〜6価の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物である、<1>又は<2>に記載の活性エネルギー線硬化型組成物、
<4>(A−1)成分及び(A−2)成分における前記3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物が、ペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物である、<3>に記載の活性エネルギー線硬化型組成物、
<5>(A)成分が、(A−2)成分である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、
<6>(C)光重合開始剤をさらに含有する、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、
<7>(C)成分の含有量が、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、0.01〜10重量部である、<6>に記載の活性エネルギー線硬化型組成物、
<8>(D)有機溶剤をさらに含有する、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、
<9>(D)成分の含有量が、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、10〜1,000重量部である、<8>に記載の活性エネルギー線硬化型組成物、
<10>コーティング剤用である、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
本発明によれば、得られる硬化膜が硬度、基材との密着性、基材の変形に対する追従性及び耐カール性に優れた活性エネルギー線硬化型組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書においては、アクリレート及び/又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸とも表す。
また、本発明において、数値範囲を表す「下限〜上限」の記載は、「下限以上、上限以下」を表し、「上限〜下限」の記載は、「上限以下、下限以上」を表す。すなわち、上限及び下限を含む数値範囲を表す。
また、本発明において、「(A)(A−1)成分又は(A−2)成分」等を単に「(A)成分」等ともいい、また、「(A−1)3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物であって水酸基価が140mgKOH/g以上である(メタ)アクリル酸付加物の水酸基と、多価イソシアネート化合物のイソシアナト基とを反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート含有反応生成物」等を単に「(A−1)成分」等ともいう。
(活性エネルギー線硬化型組成物)
以下、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物(以下、単に、「本発明の組成物」ともいう。)について詳細に説明する。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、(A)下記(A−1)成分又は下記(A−2)成分、及び、(B)(A)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物、を含有し、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、(A)成分の含有量が、40〜97重量部であり、(B)成分の含有量が、3〜60重量部であることを特徴とする。
(A−1)3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物であって水酸基価が140mgKOH/g以上である(メタ)アクリル酸付加物の水酸基と、多価イソシアネート化合物のイソシアナト基とを反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート含有反応生成物
(A−2)3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物であって水酸基価が140mgKOH/g以上である(メタ)アクリル酸付加物の水酸基と、多価カルボン酸化合物のカルボキシル基とを反応させてなるポリエステル(メタ)アクリレート含有反応生成物
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、後述する塗料等のコーティング剤、インキ、ナノインプリント及びレンズシート等の賦型樹脂、並びに接着剤等のような様々な用途に使用することができ、コーティング剤に好適に用いることができる。
以下、本発明の組成物が含有する、必須成分である(A)成分及び(B)成分、並びに、任意成分である(C)成分〜(E)成分やその他の成分について順次説明する。
(A)(A−1)成分又は(A−2)成分
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、(A)下記(A−1)成分又は下記(A−2)成分を含有し、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、(A)成分の含有量が、40〜97重量部である。
(A−1)3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物であって水酸基価が140mgKOH/g以上である(メタ)アクリル酸付加物の水酸基と、多価イソシアネート化合物のイソシアナト基とを反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート含有反応生成物
(A−2)3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物であって水酸基価が140mgKOH/g以上である(メタ)アクリル酸付加物の水酸基と、多価カルボン酸化合物のカルボキシル基とを反応させてなるポリエステル(メタ)アクリレート含有反応生成物
なお、(A−1)成分及び(A−2)成分において、「(メタ)アクリル酸付加物」とは、「(メタ)アクリル酸エステル化物」と同義である。
(A)成分は、得られる硬化膜の密着性の観点からは、(A−1)成分であることが好ましく、また、コストや物性調製の容易性の観点からは、(A−2)成分であることが好ましい。
<3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物であって水酸基価が140mgKOH/g以上である(メタ)アクリル酸付加物>
(A−1)成分及び(A−2)成分の製造に用いられる3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物であって水酸基価が140mgKOH/g以上である(メタ)アクリル酸付加物(以下、「化合物(A0)」ともいう。)は、3価以上の脂肪族多価アルコール化合物に(メタ)アクリル酸をエステル化反応させた反応生成物であり、当該反応生成物の水酸基価が140mgKOH/g以上のものである。
化合物(A0)の製造に用いられる3価以上の脂肪族多価アルコール化合物としては、芳香環を有していない3価以上のアルコール化合物であればよいが、3〜6価の脂肪族多価アルコール化合物であることが好ましく、4〜6価の脂肪族多価アルコール化合物であることがより好ましく、4価の脂肪族多価アルコール化合物であることが特に好ましい。上記態様であると、得られる硬化膜が硬度、基材との密着性、基材の変形に対する追従性及び耐カール性により優れる。
3価以上の脂肪族多価アルコール化合物として具体的には、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物、ジトリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物、ジペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物、トリペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物、及び、イソシアヌレートのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。前記アルキレンオキサイド付加物のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイト及び/又はプロピレオキサイドを好適に挙げることができる。
これらの中でも、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物、ジトリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物、ジペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物が好ましく、ペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物、ジトリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物、ジペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物がより好ましく、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン及びジペンタエリスリトールがさらに好ましく、ペンタエリスリトールが特に好ましい。
また、3価以上の脂肪族多価アルコール化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよいが、1種単独で使用することが好ましい。
化合物(A0)の製造に用いられる(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸のいずれかを使用してもよいし、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を使用してもよいが、アクリル酸のみを使用することが好ましい。
また、化合物(A0)の製造には、(メタ)アクリル酸の代わりに、(メタ)アクリル酸等価体として、(メタ)アクリル酸ハライドや、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸エステル化合物等を使用してもよい。
化合物(A0)の製造時における(メタ)アクリル酸の使用量は、得られる(メタ)アクリル酸付加物の水酸基価が140mgKOH/g以上となる量であれば、特に制限はない。また、(メタ)アクリル酸の使用モル量は、使用する3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の水酸基のモル量より少ないことが好ましい。
化合物(A0)の水酸基価は、140mgKOH/g以上であり、160mgKOH/g以上であることが好ましく、160〜220mgKOH/gであることがより好ましく、170〜220mgKOH/gであることがさらに好ましい。上記態様であると、得られる硬化膜が硬度、基材との密着性、基材の変形に対する追従性及び耐カール性により優れる。
なお、水酸基価は、JIS K0070−1992に定められた方法に準じて測定した値を採用する。
化合物(A0)は、水酸基を有しない3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物、及び、水酸基を1つのみ有する3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物を少なくとも含むことが好ましく、水酸基を有しない3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物、水酸基を1つのみ有する3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物、及び、水酸基を2つのみ有する3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物を少なくとも含むことがより好ましい。
また、化合物(A0)中における、水酸基を有しない3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物、及び、水酸基を1つのみ有する3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物の総含有量が、50重量%以上であることが好ましく、65重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることがさらに好ましい。
さらに、化合物(A0)中における、水酸基を有しない3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物、水酸基を1つのみ有する3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物、及び、水酸基を2つのみ有する3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物の総含有量が、65重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましい。
化合物(A0)の製造方法としては、特に制限はなく、公知のエステル化反応を用いることができるが、触媒や安定剤を使用することが好ましい。触媒としては、酸触媒を好適に挙げることができる。また、安定剤としては、ハイドロキノンモノメチルエーテル等の公知の重合禁止剤を好適に挙げることができる。また、安定剤、特に重合禁止剤として、酸素を用いることも好ましい。例えば、酸素含有雰囲気中において、化合物(A0)の製造を行うことにより、不必要な(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止することができる。また、雰囲気中の酸素の含有量は、1〜20体積%であることが好ましく、1〜10体積%であることがより好ましい。
また、化合物(A0)の製造方法は、液液抽出(分液)を少なくとも行い精製する方法を含むことが好ましい。上記態様であると、水酸基価が140mgKOH/g以上である付加物を容易に製造することができる。
<(A−1)成分>
(A−1)成分は、化合物(A0)中の水酸基と、多価イソシアネート化合物のイソシアナト基とを反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート含有反応生成物である。
(A−1)成分における化合物(A0)の好ましい態様は、前述した通りである。
多価イソシアネート化合物としては、種々の化合物が使用可能である。
また、多価イソシアネート化合物としては、2価イソシアネート化合物であることが好ましく、また、多価脂肪族イソシアネート化合物であることが好ましい。
好ましい多価イソシアネート化合物の具体例としては、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート及びこれらのヌレート型三量体等が挙げられる。
また、多価イソシアネート化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよいが、1種単独で使用することが好ましい。
(A−1)成分の重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう。)は、800〜100,000であることが好ましく、1,000〜10,000であることがより好ましく、1,200〜5,000であることがさらに好ましく、1,500〜3,000であることが特に好ましい。
本発明におけるMwは、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)法により測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
(A−1)成分は、ウレタン(メタ)アクリレート、及び、水酸基を有しない3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物、すなわち、3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の水酸基が全て(メタ)アクリル化された化合物を少なくとも含むことが好ましく、
水酸基を1つのみ有する3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物と多価イソシアネート化合物とが反応したウレタン(メタ)アクリレート、及び、水酸基を有しない3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物を少なくとも含むことがより好ましく、
水酸基を2つのみ有する3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物と水酸基を1つのみ有する3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物と多価イソシアネート化合物とが反応したウレタン(メタ)アクリレート、水酸基を1つのみ有する3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物と多価イソシアネート化合物とが反応したウレタン(メタ)アクリレート、及び、水酸基を有しない3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物を少なくとも含むことがさらに好ましい。
また、(A−1)成分は、下記式(A−1−1)で表される構成単位を有するウレタン(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
Figure 2015021089
(式(A−1−1)中、Lはn価の脂肪族連結基を表し、Rはそれぞれ独立に、アクリル基又はメタクリル基を表し、nは3以上の整数を表す。)
Lは、n価の脂肪族多価アルコール化合物からn個の水酸基を除いた残基であることが好ましく、炭素数4〜20のn価の脂肪族多価アルコール化合物からn個の水酸基を除いた残基であることがより好ましく、炭素数5〜10のn価の脂肪族多価アルコール化合物からn個の水酸基を除いた残基であることがさらに好ましい。
Rは、全てアクリル基であるか、又は、全てメタクリル基であることが好ましい。
nは、3〜6の整数であることが好ましく、4〜6の整数であることがより好ましい。
さらに、(A−1)成分は、前記式(A−1−1)で表される構成単位と下記式(A−1−2)で表される構成単位とを有するウレタン(メタ)アクリレートを含むことが好ましく、前記式(A−1−1)で表される構成単位と下記式(A−1−2)で表される構成単位とを有するウレタン(メタ)アクリレート、及び、下記式(A−1−2)で表される構成単位を有さず、かつ前記式(A−1−1)で表される構成単位を有するウレタン(メタ)アクリレートとを含むことがより好ましい。
Figure 2015021089
(式(A−1−2)中、Lはn価の脂肪族連結基を表し、Rはそれぞれ独立に、アクリル基又はメタクリル基を表し、nは3以上の整数を表す。)
式(A−1−2)におけるL、R及びnは、前記式(A−1−1)におけるL、R及びnとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
また、(A−1)成分が、前記式(A−1−1)で表される構成単位と下記式(A−1−2)で表される構成単位とを有するウレタン(メタ)アクリレートを含む場合、式(A−1−1)におけるL、R及びnと、式(A−1−2)におけるL、R及びnとはそれぞれ同じであることが好ましい。
また、(A−1)成分は、下記式(A−1−3)で表される化合物を含むことが好ましい。
Figure 2015021089
(式(A−1−3)中、Lはn価の脂肪族連結基を表し、Rはそれぞれ独立に、アクリル基又はメタクリル基を表し、nは3以上の整数を表す。)
式(A−1−3)におけるL、R及びnは、前記式(A−1−1)におけるL、R及びnとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
また、(A−1)成分が、前記式(A−1−1)で表される構成単位を有するウレタン(メタ)アクリレートや、前記式(A−1−1)で表される構成単位と前記式(A−1−2)で表される構成単位とを有するウレタン(メタ)アクリレートを含む場合、式(A−1−1)におけるL、R及びnと、式(A−1−2)におけるL、R及びnと、式(A−1−3)におけるL、R及びnとはそれぞれ同じであることが好ましい。
(A−1)成分の製造時における、化合物(A0)中の水酸基と、多価イソシアネート化合物のイソシアナト基との反応比率(モル比)は、水酸基:イソシアナト基=1:0.6〜1:1であることが好ましく、水酸基:イソシアナト基=1:0.8〜1:1であることがより好ましく、水酸基:イソシアナト基=1:0.9〜1:1であることがさらに好ましい。上記態様であると、得られる硬化膜の硬度がより優れる。
(A−1)成分は、ウレタン(メタ)アクリレートと3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の水酸基が全て(メタ)アクリル化された化合物との混合物であることが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートと3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の水酸基が全て(メタ)アクリル化された化合物との割合としては、目的に応じて適宜設定すればよいが、(A−1)成分は、ウレタン(メタ)アクリレート:3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の水酸基が全て(メタ)アクリル化された化合物=30:70〜98:2の重量比で含むことが好ましく、ウレタン(メタ)アクリレート:3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の水酸基が全て(メタ)アクリル化された化合物=30:70〜95:5の重量比で含むことがより好ましい。上記範囲であると、得られる硬化膜の硬度及び密着性がより優れる。
(A−1)成分の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、水酸基とイソシアナト基との付加反応は、無触媒でも可能であるが、反応を効率的に進めるために、ジブチルスズジラウレート等の錫系触媒や、トリエチルアミン等のアミン系触媒等を添加してもよい。
また、イソシアナト基が残留している場合、(A−1)成分はイソシアナト基を有していない又はイソシアナト基が少ないことが硬度や安定性の観点から好ましいため、イソシアナト基の封止剤として、水酸基及び2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、「水酸基含有多官能(メタ)アクリレート」ともいう。)を添加してもよい。
水酸基含有多官能(メタ)アクリレートとしては、種々の化合物が使用でき、3価以上の多価アルコールから誘導される(メタ)アクリレートであって、(メタ)アクリロイル基を2個以上有し、水酸基を1個以上有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。
水酸基含有多官能(メタ)アクリレートとして具体的には、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物のジ又はトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物のジ又はトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのジ、トリ、テトラ又はペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物のジ、トリ、テトラ又はペンタ(メタ)アクリレート及びイソシアヌレートのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールのジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、又はヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物のジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ又はヘプタ(メタ)アクリレート及びイソシアヌレートのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
この場合、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
中でも、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンのジ又はトリ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールのジ、トリ、テトラ又はペンタ(メタ)アクリレートが好ましく挙げられる。
<(A−2)成分>
(A−2)成分は、化合物(A0)中の水酸基と、多価カルボン酸化合物のカルボキシル基とを反応させてなるポリエステル(メタ)アクリレート含有反応生成物である。
(A−2)成分における化合物(A0)の好ましい態様は、前述した通りである。
多価カルボン酸化合物としては、種々の化合物が使用可能である。
また、多価カルボン酸化合物としては、2価カルボン酸化合物であることが好ましく、また、多価脂肪族カルボン酸化合物であることが好ましい。
多価カルボン酸化合物としては、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、o−フタル酸、m−フタル酸、p−フタル酸、セバシン酸、トリメリット酸、イソシアヌル酸等が挙げられる。これらの中でも、コハク酸、アジピン酸、o−フタル酸、m−フタル酸、p−フタル酸、セバシン酸が挙げられる。
また、多価カルボン酸化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよいが、1種単独で使用することが好ましい。
(A−2)成分のMwは、800〜100,000であることが好ましく、1,000〜10,000であることがより好ましく、1,200〜5,000であることがさらに好ましく、1,500〜3,000であることが特に好ましい。
(A−2)成分は、ポリエステル(メタ)アクリレート、及び、水酸基を有しない3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物を少なくとも含むことが好ましく、水酸基を1つのみ有する3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物と多価カルボン酸化合物とが反応したポリエステル(メタ)アクリレート、及び、水酸基を有しない3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物を少なくとも含むことがより好ましく、水酸基を2つのみ有する3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物と水酸基を1つのみ有する3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物と多価カルボン酸化合物とが反応したポリエステル(メタ)アクリレート、水酸基を1つのみ有する3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物と多価カルボン酸化合物とが反応したポリエステル(メタ)アクリレート、及び、水酸基を有しない3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物を少なくとも含むことがさらに好ましい。
また、(A−2)成分は、下記式(A−2−1)で表される構成単位を有するポリエステル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
Figure 2015021089
(式(A−2−1)中、Lはn価の脂肪族連結基を表し、Rはそれぞれ独立に、アクリル基又はメタクリル基を表し、nは3以上の整数を表す。)
Lは、n価の脂肪族多価アルコール化合物からn個の水酸基を除いた残基であることが好ましく、炭素数4〜20のn価の脂肪族多価アルコール化合物からn個の水酸基を除いた残基であることがより好ましく、炭素数5〜10のn価の脂肪族多価アルコール化合物からn個の水酸基を除いた残基であることがさらに好ましい。
Rは、全てアクリル基であるか、又は、全てメタクリル基であることが好ましい。
nは、3〜6の整数であることが好ましく、4〜6の整数であることがより好ましい。
さらに、(A−2)成分は、前記式(A−2−1)で表される構成単位と下記式(A−2−2)で表される構成単位とを有するポリエステル(メタ)アクリレートを含むことが好ましく、前記式(A−2−1)で表される構成単位と下記式(A−2−2)で表される構成単位とを有するポリエステル(メタ)アクリレート、及び、下記式(A−2−2)で表される構成単位を有さず、かつ前記式(A−2−1)で表される構成単位を有するポリエステル(メタ)アクリレートとを含むことがより好ましい。
Figure 2015021089
(式(A−2−2)中、Lはn価の脂肪族連結基を表し、Rはそれぞれ独立に、アクリル基又はメタクリル基を表し、nは3以上の整数を表す。)
式(A−2−2)におけるL、R及びnは、前記式(A−2−1)におけるL、R及びnとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
また、(A−2)成分が、前記式(A−2−1)で表される構成単位と下記式(A−2−2)で表される構成単位とを有するポリエステル(メタ)アクリレートを含む場合、式(A−2−1)におけるL、R及びnと、式(A−2−2)におけるL、R及びnとはそれぞれ同じであることが好ましい。
また、(A−2)成分は、下記式(A−2−3)で表される化合物を含むことが好ましい。
Figure 2015021089
(式(A−2−3)中、Lはn価の脂肪族連結基を表し、Rはそれぞれ独立に、アクリル基又はメタクリル基を表し、nは3以上の整数を表す。)
式(A−2−3)におけるL、R及びnは、前記式(A−2−1)におけるL、R及びnとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
また、(A−2)成分が、前記式(A−2−1)で表される構成単位を有するポリエステル(メタ)アクリレートや、前記式(A−2−1)で表される構成単位と前記式(A−2−2)で表される構成単位とを有するポリエステル(メタ)アクリレートを含む場合、式(A−2−1)におけるL、R及びnと、式(A−2−2)におけるL、R及びnと、式(A−2−3)におけるL、R及びnとはそれぞれ同じであることが好ましい。
(A−2)成分の製造時における、化合物(A0)中の水酸基と、多価カルボン酸化合物のカルボキシル基との反応比率(モル比)は、水酸基:カルボキシル基=1:0.6〜1:1であることが好ましく、水酸基:カルボキシル基=1:0.8〜1:1であることがより好ましく、水酸基:カルボキシル基=1:0.9〜1:1であることがさらに好ましい。上記態様であると、得られる硬化膜の硬度がより優れる。
(A−2)成分は、ポリエステル(メタ)アクリレートと3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の水酸基が全て(メタ)アクリル化された化合物との混合物であることが好ましい。
ポリエステル(メタ)アクリレートと3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の水酸基が全て(メタ)アクリル化された化合物との割合としては、目的に応じて適宜設定すればよいが、(A−2)成分は、ポリエステル(メタ)アクリレート:3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の水酸基が全て(メタ)アクリル化された化合物=30:70〜98:2の重量比で含むことが好ましく、ポリエステル(メタ)アクリレート:3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の水酸基が全て(メタ)アクリル化された化合物=30:70〜95:5の重量比で含むことがより好ましい。上記範囲であると、得られる硬化膜の硬度及び密着性がより優れる。
(A−2)成分の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、エステル化反応により合成されるが、反応を効率的に進めるためには触媒を添加することが好ましく、酸触媒を添加することがより好ましい。
酸触媒としては、硫酸、硝酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等が挙げられる。
また、カルボキシル基が残留している場合、(A−2)成分はカルボキシル基を有していない又はカルボキシル基が少ないことが硬度や安定性の観点から好ましいため、カルボキシル基の封止剤として、水酸基含有多官能(メタ)アクリレートを添加してもよい。
水酸基含有多官能(メタ)アクリレートとしては、種々の化合物が使用でき、前述した化合物が好ましく挙げられる。
(A)成分の50℃における粘度は、500〜500,000mPa・sであることが好ましく、1,000〜200,000mPa・sであることがより好ましく、4,000〜150,000mPa・sであることがさらに好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物における(A)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、40〜97重量部であり、55〜96重量部であることが好ましく、70〜95重量部であることがより好ましく、80〜90重量部であることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる硬化膜の耐カール性及び硬度により優れる。
(B)(A)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、(B)(A)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物を含有し、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、(B)成分の含有量が、3〜60重量部である。
(B)成分は、(A)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物である。
エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基及び(メタ)アリル基等が挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
なお、下記において、「単官能エチレン性不飽和化合物」とは、エチレン性不飽和基を1個有する化合物を意味し、「○官能エチレン性不飽和化合物」とはエチレン性不飽和基を○個有する化合物を意味し、「多官能エチレン性不飽和化合物」とはエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を意味する。また、例えば、「単官能(メタ)アクリレート化合物」とは、(メタ)アクリロキシ基を1個有する化合物を意味する。
(B)成分において、単官能エチレン性不飽和化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸、アクリル酸のマイケル付加型のダイマー、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ブチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、アルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、パラクミルフェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、オルトフェニルフェノール(メタ)アクリレート、オルトフェニルフェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンメチロール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、N−(2−(メタ)アクリロキシエチル)ヘキサヒドロフタルイミド、N−(2−(メタ)アクリロキシエチル)テトラヒドロフタルイミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレート化合物としては、具体的には、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート及びノナンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。このほかに、ビスフェノール骨格や、ポリエーテル骨格、ポリアルキレン骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル骨格、ポリエーテル骨格又はポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート、及びポリエステル(メタ)アクリレート等も用いることができる。
3官能以上の(メタ)アクリレート化合物として、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びトリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
このほかに、水酸基含有多官能(メタ)アクリレートとポリイソシアネートとをウレタン化させることで得られる、(A−1)成分以外の多官能ウレタン(メタ)アクリレート、ノボラック骨格を有する多官能エポキシ(メタ)アクリレート等、多官能ポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(B)成分としては、得られる硬化膜の硬度の観点から、多官能エチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、多官能(メタ)アクリレート化合物を含むことがより好ましいい。
また、(B)成分としては、得られる硬化膜の基材への密着性及び耐カール性の観点から、水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物を含むことがより好ましく、水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物がさらに好ましい。
水酸基を有するエチレン性不飽和化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましく例示でき、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートが特に好ましく例示できる。
また、(B)成分は、単官能エチレン性不飽和化合物及び/又は2官能エチレン性不飽和化合物であることが好ましい。
(B)成分は、1種単独で含有していても、2種以上を含有していてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、3〜60重量部であり、4〜45重量部であることが好ましく、5〜30重量部であることがより好ましく、10〜20重量部であることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる硬化膜の耐カール性及び硬度により優れる。
(C)光重合開始剤
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、例えば、(C)光重合開始剤を含有せず、電子線により硬化させることも可能であるが、硬化の容易性やコストの観点から、(C)光重合開始剤をさらに含有することが好ましい。
本発明における光重合開始剤としては、種々の公知の光重合開始剤を使用することができる。
また、光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
(C)成分の具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン}及び2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン及び4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルファイド等のベンゾフェノン系化合物;メチルベンゾイルフォルメート、オキシフェニル酢酸の2−(2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ)エチルエステル及びオキシフェニル酢酸の2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステル等のα−ケトエステル系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル及びベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系化合物;チタノセン系化合物;1−〔4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル〕−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフィニル)プロパン−1−オン等のアセトフェノン/ベンゾフェノンハイブリッド系光開始剤;2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−〔4−(フェニルチオ)〕−1,2−オクタンジオン等のオキシムエステル系光重合開始剤;並びにカンファーキノン等が挙げられる。
これらの中でも、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、及び、フォスフィンオキサイド系化合物が好ましく挙げられ、アセトフェノン系化合物が特に好ましく挙げられる。
(C)成分は、1種のみを使用しても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物における(C)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.5〜7重量部であることがより好ましく、1〜5重量部であることが特に好ましい。上記範囲であると、組成物の硬化性に優れ、また、得られる硬化膜の耐擦傷性に優れる。
(D)有機溶剤
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、組成物の塗布性や取扱い性の観点から、(D)有機溶剤をさらに含有することが好ましい。
本発明における有機溶剤としては、種々の公知の有機溶剤を使用することができる。
(D)成分としては、(A)成分及び(B)成分を溶解するものが好ましく、(C)成分を含有する場合は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を溶解するものがより好ましい。
(D)成分の好ましい具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びブタノール等のアルコール化合物;エチレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノエーテル化合物;ダイアセトンアルコール等のアセトンアルコール;ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族化合物;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン化合物;ジブチルエーテル等のエーテル化合物;並びにN−メチルピロリドン等が挙げられる。
これらの中でも、アルキレングリコールモノエーテル化合物、ケトン化合物が好ましく、アルキレングリコールモノエーテル化合物がより好ましい。
(D)成分は、1種のみを使用しても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物における(D)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、10〜1,000重量部であることが好ましく、50〜500重量部であることがより好ましく、50〜300重量部であることがさらに好ましい。上記範囲であると、組成物を塗工に適当な粘度とすることができ、後記する公知の塗布方法で組成物を容易に塗布することができる。
(E)その他の成分
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、(A)成分〜(D)成分以外のその他の成分をさらに含有していてもよい。
その他の成分としては、公知の添加剤を用いることができるが、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸性物質、無機粒子、酸化防止剤、シランカップリング剤、表面改質剤、ポリマー、酸発生剤、顔料、染料、粘着性付与剤、重合禁止剤等が挙げられる。
<紫外線吸収剤>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、紫外線吸収剤をさらに含有していてもよい。
紫外線吸収剤の具体例としては、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシロキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシロキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシロキシ)プロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチロキシフェニル)−6−(2,4−ビスブチロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチロキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン系紫外線吸収剤;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化錫粒子等の紫外線を吸収する無機粒子等が挙げられる。
紫外線吸収剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物における紫外線吸収剤の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.05〜5重量部であることがより好ましく、0.1〜2重量部であることがさらに好ましい。
<光安定剤>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、光安定剤をさらに含有していてもよい。
光安定剤としては、公知の光安定剤を用いることができるが、中でも、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)が好ましく挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチロキシ)−4−ピペリジニル)エステル等が挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤の市販品としては、BASF社製、TINUVIN 111FDL、TINUVIN123、TINUVIN 144、TINUVIN 152、TINUVIN 292、TINUVIN 5100等が挙げられる。
光安定剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物における紫外線吸収剤の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましく、0.05〜2重量部であることがより好ましく、0.1〜1重量部であることがさらに好ましい。
<酸性物質>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、プラスチック等の基材への密着材に優れるものであるが、酸性物質を添加することでさらに密着性を向上させることができる。
酸性物質としては、活性エネルギー線の照射により酸を発生する光酸発生剤や、硫酸、硝酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、リン酸等が挙げられる。
これらの中でも、無機酸又は有機酸が好ましく、有機スルホン酸化合物がより好ましく、芳香族スルホン酸化合物がさらに好ましく、p−トルエンスルホン酸が特に好ましい。
酸性物質は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物における酸性物質の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、0.0001〜5重量部であることが好ましく、0.0001〜1重量部であることがより好ましく、0.0005〜0.5重量部であることがさらに好ましい。上記範囲であると、基材との密着性により優れ、基材の腐蝕や他の成分の分解といった問題の発生を防ぐことができる。
<無機粒子>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、無機粒子をさらに含有していてもよい。
無機粒子としては、金属酸化物粒子が好ましい。
金属酸化物粒子としては、珪素、ジルコニウム、チタン、アンチモン、スズ、セリウム、アルミニウム、亜鉛及びインジウムよりなる群から選ばれた1種以上の金属からなる金属酸化物粒子又は複合金属酸化物粒子が好ましく挙げられる。
無機粒子の平均粒子径は、用途に応じて選択すればよいが、1〜1,000nmが好ましく、5〜500nmがさらに好ましく、10〜100nmが特に好ましい。上記範囲であると、硬化膜の透明性や外観が良好である。
なお、本発明において、無機粒子の平均粒子径は、BET法によって得られる試料の比表面積から真球状粒子と仮定したときの粒子径を意味する。
無機粒子は、表面修飾された粒子であってもよい。
表面修飾剤としては、公知のものを用いることができるが、シランカップリング剤やチタンカップリング剤等が好適に挙げられる。
中でも、シランカップリング剤がより好ましく、エチレン性不飽和基及びアルコキシシリル基を有する化合物が特に好ましい。上記態様であると、得られる硬化膜の硬度及び耐カール性により優れる。シランカップリング剤の具体例としては、後記する化合物と同様の化合物が挙げられる。
また、無機粒子の表面修飾量としては、特に制限はないが、無機粒子に対し表面修飾剤を、表面修飾剤及び無機粒子の全重量に対して、1.0〜45.0重量%の割合で反応させたものであることが好ましい。
表面処理剤としては、1種のみを使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
無機粒子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物における無機粒子の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、25〜400重量部であることが好ましく、30〜200重量部であることがより好ましく、50〜150重量部であることがさらに好ましい。上記態様であると、得られる硬化膜の透明性、密着性、耐擦傷性及び耐カール性により優れる。
<酸化防止剤>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、硬化膜の耐熱性や耐候性を良好にする目的で、酸化防止剤をさらに含有していてもよい。
本発明に用いられる酸化防止剤としては、例えばフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、又は、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン等のヒンダードフェノール類を好ましく挙げることができる。市販されているものとしては、(株)アデカ製のAO−20、AO−30、AO−40、AO−50、AO−60、AO−70、AO−80等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン等のホスフィン類や、亜リン酸トリアルキルや亜リン酸トリアリール等が好ましく挙げられる。これらの誘導体で市販品としては、例えば(株)アデカ製、アデカスタブPEP−4C、PEP−8、PEP−24G、PEP−36、HP−10、260、522A、329K、1178、1500、135A、3010等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、チオエーテル系化合物が挙げられ、市販品としては(株)アデカ製AO−23、AO−412S、AO−503A等が挙げられる。
酸化防止剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物における酸化防止剤の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましく、0.1〜1重量部であることがより好ましい。上記態様であると、組成物の安定性に優れ、また、硬化性及び接着力が良好である。
<シランカップリング剤>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、基材との密着性をより良好にする目的で、シランカップリング剤をさらに含有していてもよい。
本発明に用いられるシランカップリング剤は、特に限定はなく、公知のものを用いる事ができる。
シランカップリング剤の好ましい具体例としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、前述したエチレン性不飽和基及びアルコキシシリル基を有する化合物を用いることもできる。
シランカップリング剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物におけるシランカップリング剤の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、1〜5重量部であることがより好ましい。上記範囲であると、基材との密着性により優れる。
<表面改質剤>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、塗布時のレベリング性を高める目的や、硬化膜の滑り性を高めて耐擦傷性を高める目的等のため、表面改質剤を添加してもよい。
表面改質剤としては、表面調整剤、界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、スベリ性付与剤、防汚性付与剤等が挙げられ、これら公知の表面改質剤を使用することができる。
それらのうち、シリコーン系表面改質剤及びフッ素系表面改質剤が好適に挙げられる。具体例としては、シリコーン鎖とポリアルキレンオキサイド鎖とを有するシリコーン系ポリマー及びオリゴマー、シリコーン鎖とポリエステル鎖とを有するシリコーン系ポリマー及びオリゴマー、パーフルオロアルキル基とポリアルキレンオキサイド鎖とを有するフッ素系ポリマー及びオリゴマー、並びに、パーフルオロアルキルエーテル鎖とポリアルキレンオキサイド鎖とを有するフッ素系ポリマー及びオリゴマー等が挙げられる。
また、滑り性の持続力を高めるなどの目的で、分子中にエチレン性不飽和基、好ましくは(メタ)アクリロイル基を有する表面改質剤を使用してもよい。
表面改質剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物における表面改質剤の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、0.01〜1.0重量部であることが好ましい。上記範囲であると、塗膜の表面平滑性に優れる。
<ポリマー>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、得られる硬化膜の耐カール性をより改良する目的等で、(A)成分以外のポリマーをさらに含有していてもよい。
好適なポリマーとしては、(メタ)アクリル系ポリマーが挙げられ、好適な構成モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、N−(2−(メタ)アクリロキシエチル)テトラヒドロフタルイミド等が挙げられる。(メタ)アクリル酸を共重合したポリマーの場合、グリシジル(メタ)アクリレートを付加させて(メタ)アクリロイル基をポリマー鎖に導入してもよい。
ポリマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物におけるポリマーの含有量は、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましい。上記範囲であると、得られる硬化膜の耐カール性により優れる。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の製造方法としては、常法に従えばよく、前記必須成分、並びに、必要に応じて(C)成分、(D)成分及び/又はその他の成分を、撹拌・混合して製造することができる。
この場合、必要に応じて加熱することもできる。加熱温度としては、使用する組成物が含む成分、組成物をコーティングする基材及び使用目的等に応じて適宜設定すればよいが、30℃〜80℃が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、種々の用途に使用することができ、具体的には、塗料等のコーティング剤、インキ、ナノインプリント及びレンズシート等の賦型樹脂、並びに、接着剤等が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化した硬化物、特に硬化膜は、硬度、基材との密着性、基材の変形に対する追従性及び耐カール性に優れるものであり、この特性を生かしてコーティング剤として好ましく使用することができる。さらに、コーティング剤としては、プラスチックを基材とする、いわゆるハードコート用コーティング剤により好ましく使用することができる。
(硬化物及びその製造方法)
本発明の硬化物は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化した硬化物である。
本発明の硬化物の製造方法は、特に制限はないが、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を基材上に塗布する塗布工程、及び、塗布した前記活性エネルギー線硬化型組成物に活性エネルギー線を照射し硬化する硬化工程を含むことが好ましい。
また、本発明の効果をより発揮するため、前記硬化物は、硬化膜であることが好ましい。前記硬化膜の厚さとしては、使用する基材や製造した硬化膜を有する基材の用途に応じて選択すればよいが、1〜100μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましい。
本発明の組成物が適用できる基材としては、種々の材料に適用でき、木材、金属、無機材料及びプラスチック等が挙げられる。
無機材料としては、モルタル、コンクリート及びガラス等が挙げられる。
プラスチックの具体例としては、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂及びポリウレタン樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、プラスチック基材が特に好ましい。
本発明の組成物の塗装方法としては、常法に従えばよい。
具体的には、組成物を基材に塗布した後乾燥し、紫外線等の活性エネルギー線を照射する方法等が好適に挙げられる。
本発明の組成物の基材への塗布方法としては、常法に従えばよく、バーコート、ロールコート、スピンコート、ディップコート、グラビアコート、フローコート及びスプレーコート等が挙げられる。
基材に対する組成物の塗装方法及び乾燥後の膜厚は、目的に応じて適宜設定すればよい。乾燥温度は、適用する基材が変形等の問題を生じない温度以下であれば特に限定されるものではない。
本発明の組成物を硬化させるための活性エネルギー線としては、電子線、紫外線及び可視光線が挙げられるが、紫外線又は可視光線が好ましく、紫外線が特に好ましい。紫外線照射装置としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線(UV)無電極ランプ、発光ダイオード(LED)等が挙げられる。
照射エネルギーは、活性エネルギー線の種類や配合組成に応じて適宜設定すべきものであるが、一例として高圧水銀ランプを使用する場合を挙げると、UV−A領域の照射エネルギーで100〜5,000mJ/cm2が好ましく、200〜2,000mJ/cm2がより好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化した硬化物、特に硬化膜は、硬度、基材との密着性、基材の変形に対する追従性及び耐カール性に優れるものであり、当該硬化物を有する材料は、この特性を生かして種々の用途に使用することができる。特に、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物をコーティング剤として使用した材料が好ましい。
例えば、表示板用前面板、建材用途、照明器具、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末のディスプレイや筐体、家電製品の筐体、眼鏡等の各種レンズが挙げられる。
表示板用前面板の具体例としては、電光掲示板、ディスプレイ、看板、広告及び標識等が挙げられる。
基材として木材使用した例としては、階段、床及び家具等の木工製品が挙げられる。基材として金属を使用した例としては、台所用キッチンパネル及びステンレスシンク等の金属製品等が挙げられる。
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
また、以下において、特に断りのない限り、「部」とは重量部を意味し、「%」とは重量%を意味する。
合成例1(ペンタエリスリトールのアクリル酸エステル)
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、5体積%酸素含有窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、アクリル酸1,000部(13.89モル)、ペンタエリスリトール〔広栄化学工業(株)製〕555部(4.08モル)、硫酸23部、ハイドロキノンモノメチルエーテル(以下、「MEHQ」ともいう。)0.4部、トルエン744部を混合し、反応温度約80℃及び370Torr(絶対圧)の条件で縮合水を除去しながら、ペンタエリスリトール中の全水酸基の59%がエステル化されるまで反応させた。
発生した縮合水は173部であった。反応終了後に、トルエン690部を追加した。
このトルエンを追加した反応液の酸分に対して1.1倍モル量に相当する20重量%水酸化ナトリウム水溶液を撹拌下に添加して中和処理を実施し、過剰なアクリル酸及び硫酸を除去した。有機層を分離し、撹拌下で有機層100部に対して水10部を添加し水洗処理を行った。有機層を分離し、減圧下に加熱してトルエンを留去した。
得られたアクリル酸エステルは837部であり、水酸基価は173mgKOH/gであった。
なお、水酸基価は、無水酢酸/ピリジン(15.6g/250mL)にサンプルを溶解させ、92℃で1時間反応させ、少量の水を加えてさらに10分反応させた後に室温まで冷却した。指示薬としてフェノールフタレインを加え、0.5mol/L水酸化カリウム(KOH)エタノール溶液で滴定して求めた。
合成例2(ペンタエリスリトールのアクリル酸エステル)
合成例1と同様の条件で、ペンタエリスリトール中の全水酸基の63%がエステル化されるまで反応させた。
発生した縮合水は185部であった。反応終了後に、トルエン690部を追加した。
このトルエンを追加した反応液の酸分に対して1.1倍モル量に相当する20重量%水酸化ナトリウム水溶液を撹拌下に添加して中和処理を実施し、過剰なアクリル酸及び硫酸を除去した。有機層を分離し、撹拌下で有機層100部に対して水10部を添加し水洗処理を行った。有機層を分離し、減圧下に加熱してトルエンを留去した。
得られたアクリル酸エステルは865部であり、水酸基価は163mgKOH/gであった。
製造例1(ウレタンアクリレート)
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、5体積%酸素含有窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、合成例1で得られた水酸基価173mgKOH/gのペンタエリスリトールのアクリル酸エステル200部、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.13部、ジブチルスズジラウレート0.065部を仕込み、70℃でイソホロンジイソシアネート61.4部を約1時間で滴下し、80℃で6時間反応させ、イソシアネート基の割合をIRスペクトルにより測定し、残存イソシアネート基が0.25%以下となったことを確認して反応を終了した。
得られたウレタンアクリレート含有反応生成物(UA−1)のMwは1,762であり、50℃での粘度は124,700mPa・sであった。
なお、Mwは、ポリスチレンカラムを備えたWaters GPCを用い、カラム温度40℃、テトラヒドロフラン(THF)を溶離液として用い流速0.75mL/min、検出器としてRIを用いて分析した。また、粘度はE型粘度計を用いて測定した。
製造例2(ウレタンアクリレート)
イソホロンジイソシアネートの代わりに、ヘキサメチレンジイソシアネート48.5部を使用した以外は、製造例1と同様にウレタン化反応を行った。
得られたウレタンアクリレート含有反応生成物(UA−2)のMwは1,778であり、50℃での粘度は7,000mPa・sであった。
製造例3(ウレタンアクリレート)
合成例2で得られた水酸基価163mgKOH/gのペンタエリスリトールのアクリル酸エステル200部を用い、イソホロンジイソシアネート64.1部を約1時間で滴下した以外は、製造例1と同様にウレタン化反応を行った。
得られたウレタンアクリレート含有反応生成物(UA−3)のMwは1,675であり、50℃での粘度は86,900mPa・sであった。
製造例4(ポリエステルアクリレート)
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、5体積%酸素含有窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、トルエン200部を加え、合成例1で得られた水酸基価173mgKOH/gのペンタエリスリトールのアクリル酸エステル200部、4−メトキシフェノール0.1部、メタンスルホン酸4部を仕込み、80℃でセバシン酸50部を約1時間で滴下し、トルエン還流化で6時間反応させ、ディーンスターク管に水が流出しなくなったことを確認して反応を終了した。
得られたポリエステルアクリレート含有反応生成物(PEA)のMwは1,534であり、50℃での粘度は4,600mPa・sであった。
製造例5(ウレタンアクリレート)
撹拌装置及び空気の吹き込み管を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETri)とペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETet)との混合物〔東亞合成(株)製アロニックスM−305:水酸基価100mgKOH/g。以下、「M−305」ともいう。〕159.2g(PETri0.3モルとPETet0.2モルとを含有)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(以下、「BHT」ともいう。)0.092g、ジブチルスズジラウレート(以下、「DBTL」ともいう。)0.055gを仕込み、液温を70℃〜75℃で撹拌しながら、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」ともいう。)25.2g(0.15モル)を滴下した。
滴下終了後、80℃で3時間撹拌し、反応生成物のIR(赤外吸収)分析でイソシアネート基が消失していることを確認して反応を終了し、ウレタンアクリレート含有反応生成物(UA−5)を得た。
○実施例1〜7及び比較例1〜4
表1又は表2に示す成分を常法に従い混合し、(D)成分を含む組成物は室温(25℃)で30分撹拌した。(D)成分を含まない組成物は、あらかじめ40℃に保った乾燥機中で、固体状の光重合開始剤を15分かけて加熱溶解させ、紫外線硬化型組成物を得た。得られた組成物を使用して、以下に示す評価を行った。評価結果を表3にまとめて示す。
得られた組成物を、(D)成分を含まない場合はバーコーター#4、(D)成分を含む場合は#10を用い、東レ(株)製ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムU−35(膜厚:125μm)に乾燥後の膜厚が5μmとなるよう塗工し、80℃の乾燥機にて5分乾燥させた。
なお、実施例2の組成物は、80℃に加熱した後、室温で塗工した。
乾燥後に、コンベアを備えた高圧水銀ランプ(アイグラフィックス(株)製H06−L41)を用いて、UV−A照度200mW/cm2、1パスあたりの照射エネルギー200mJ/cm2で紫外線を2パス照射した。
○硬度評価
硬化性試験において、バーコーター#10を用いて、上記と同一の塗工・乾燥工程の後に、コンベアを備えた高圧水銀ランプを用いて、UV−A照度200mW/cm2、1パスあたりの照射エネルギー200mJ/cm2で紫外線を照射した。
得られた硬化膜について、JIS K5600−5−4に準じ、鉛筆硬度を測定した。
○密着性評価
硬化塗膜にカッターナイフで縦横各11本の1mm間隔の切り込みを入れて100升の碁盤目を形成し、この碁盤目上にニチバン(株)製#405のセロハンテープを貼り付け、JIS K5400に準じてセロハンテープを剥離した。セロハンテープ剥離後の残存膜が90以上のものを◎、70〜89のものを○、69以下のものを×とした。
○耐カール性評価
PETフィルム上に形成した塗膜を100mm×100mmに切り出し、四隅の浮き上がった高さを測定し、その平均値を求めた。数値がより小さいものの方が、耐カール性が良好であることを示す。
○基材変形に対する追従性(基材追従性)評価
PETフィルム上に形成した塗膜にカッターでクロスカットを行い、この塗膜を直径5mmの鉄製の棒に巻き付け、クロスカット部分からの剥がれの有無を評価した。クロスカット端部に全く浮きや剥がれが見られないものを○、剥がれたものを×とした。
Figure 2015021089
Figure 2015021089
表1及び表2に記載の各成分の下に記載の括弧内の数値は、含有量を示し、その単位は重量部である。
表1又は表2に記載の各成分のうち、前述した以外の成分の詳細を以下に示す。
MT−2506:トリエチレングリコールジアクリレート〔東亞合成(株)製 アロニックスMT−2506〕
4−HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート〔大阪有機化学工業(株)製 4−HBA〕
THF−MA:テトラヒドロフルフリルメタクリレート〔共栄社化学(株)製 ライトエステルTHF〕
P−2M:2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート〔共栄社化学(株)製 ライトエステルP−2M〕
OT−2501:ビスフェノールA型エポキシジアクリレート〔東亞合成(株)製 アロニックスOT−2501〕
M−5700:2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート〔東亞合成(株)製 アロニックスM−5700〕
M−140:N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド〔東亞合成(株)製 アロニックスM−140〕
ACMO:アクリロイルモルホリン〔興人ホールディングス(株)製 ACMO〕
M−305:ペンタエリスリトールテトラアクリレート〔東亞合成(株)製 アロニックスM−305〕
HCPK:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン〔BASF社製 IRGACURE 184〕
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド〔BASF社製 DAROCUR TPO〕
HMPO:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン〔BASF社製 DAROCUR 1173〕
PGM:プロピレングリコールモノメチルエーテル
MEK:メチルエチルケトン
T−900:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤〔BASF社製 TINUVIN 900〕
T−144:ヒンダードアミン系光安定剤〔BASF社製 TINUVIN 144〕
PTS:p−トルエンスルホン酸
Figure 2015021089
実施例に示すように、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、硬度に優れ、基材への密着性が高く、基材が変形しても十分な追従性を発現する。また、フィルムに塗工した場合もカールが少なく、プラスチック塗料として好適なものである。一方、比較例1の組成物のように、水酸基価が低いアクリレートを原料としたウレタンアクリレートを用いた組成物は、得られる硬度は高いものの、十分な密着性が得られず、基材変形に対する追従性も不十分であり、所望の特性を得るためには、(A)成分の原料として用いる特定の(メタ)アクリレートの水酸基価が重要であることが明らかである。また、比較例2から明らかなように、(A)成分を含有する組成物は、基材への密着性が優れるものであるが、(B)成分を含まない場合、基材変形に対する追従性が得られない。また、比較例3及び4の組成物のように、(A)成分を含まない組成物では所望の特性を満たすことができない。

Claims (10)

  1. (A)下記(A−1)成分又は下記(A−2)成分、及び、
    (B)(A)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物、を含有し、
    (A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、
    (A)成分の含有量が、40〜97重量部であり、
    (B)成分の含有量が、3〜60重量部であることを特徴とする
    活性エネルギー線硬化型組成物。
    (A−1)3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物であって水酸基価が140mgKOH/g以上である(メタ)アクリル酸付加物の水酸基と、多価イソシアネート化合物のイソシアナト基とを反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート含有反応生成物
    (A−2)3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物であって水酸基価が140mgKOH/g以上である(メタ)アクリル酸付加物の水酸基と、多価カルボン酸化合物のカルボキシル基とを反応させてなるポリエステル(メタ)アクリレート含有反応生成物
  2. (A−1)成分及び(A−2)成分における前記3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物の水酸基価が、160〜220mgKOH/gである、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  3. (A−1)成分及び(A−2)成分における前記3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物が、3〜6価の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物である、請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  4. (A−1)成分及び(A−2)成分における前記3価以上の脂肪族多価アルコール化合物の(メタ)アクリル酸付加物が、ペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物である、請求項3に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  5. (A)成分が、(A−2)成分である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  6. (C)光重合開始剤をさらに含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  7. (C)成分の含有量が、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、0.01〜10重量部である、請求項6に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  8. (D)有機溶剤をさらに含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  9. (D)成分の含有量が、(A)成分及び(B)成分の総含有量100重量部に対して、10〜1,000重量部である、請求項8に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  10. コーティング剤用である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
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