JP7243162B2 - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及びコーティング剤 - Google Patents
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Description
また、上記第1の要旨の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなるコーティング剤を第2の要旨とするものである。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とはアクリルあるいはメタクリルを、「(メタ)アクリロイル」とはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート系組成物[I]、フッ素含有(メタ)アクリレート系化合物[II]及び重合禁止剤[III]を含むものである。以下にその詳細を説明する。
本発明で用いるウレタン(メタ)アクリレート系組成物[I]は、ペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)中の水酸基と、ポリイソシアネート系化合物(B)のイソシアネート基とを反応させることにより、ウレタン結合が形成され得られるものである。
一般的に、ペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物とは、その成分中に、ペンタエリスリトールが有する4個の水酸基のうち、4個全てに(メタ)アクリル酸が付加されたペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、3個に(メタ)アクリル酸が付加されたペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートモノオール、2個に(メタ)アクリル酸が付加されたペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートジオール、1個のみに(メタ)アクリル酸が付加されたペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレートトリオールを含む混合物である。
本発明で用いるペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)は、ペンタエリスリトールと(メタ)アクリル酸を公知一般の方法で反応させたものであればよい。
かかる水酸基価が小さすぎると、低分子量でエチレン性不飽和基数が多く、イソシアネートと反応しないペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートの含有量が多くなるため、硬化時の硬化収縮が大きくなり、カールしやすくなる傾向がある。また、上記水酸基価が大きくなりすぎると、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートジオールやペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレートトリオール等のポリオール成分の含有量が増えるために、得られるウレタンアクリレートの分子量が大きくなり、粘度が上昇し、取り扱いにくくなる傾向がある。
また、上記水酸基価は、JIS K 1557-1に準じた方法で求めることができる。
上記ペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)の水酸基と反応するポリイソシアネート系化合物(B)としては、通常、ウレタン(メタ)アクリレート系組成物の製造に使用されている、公知一般のポリイソシアネート系化合物を用いることができる。
本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレート系組成物[I]は、ペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)中の水酸基と、ポリイソシアネート系化合物(B)のイソシアネート基とを反応させて得られるものである。
また、上記反応においては、更に重合禁止剤[III’]を用いることが好ましい。なお、上記反応で重合禁止剤[III’]を用いる場合は、後述する重合禁止剤[III]の含有量に含めるものとする。
上記ウレタン(メタ)アクリレート系組成物[I]は、複数種のウレタン(メタ)アクリレートを含有し、また、ポリイソシアネート系化合物(B)と未反応のペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)であるペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレートトリオール、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートジオール、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートモノオール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、更にはペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)の重合体であるポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート等を含有することがある。
かかる重量平均分子量が小さすぎると硬化塗膜が脆くなる傾向があり、大きすぎると高粘度となり取り扱いにくくなる傾向がある。
なお、粘度の測定法はE型粘度計による。
本発明で用いられるフッ素含有(メタ)アクリレート系化合物[II]とは、(メタ)アクリロイル基及びフッ素原子を有する化合物である。また、(メタ)アクリロイル基及びフッ素原子以外の構造は特に限定されず、更には酸素、窒素、ケイ素、硫黄等のヘテロ原子を有していてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、一般的な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物よりも多く重合禁止剤[III]を含有するものである。通常、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物においては、重合禁止剤[III]を多く含有させることにより活性エネルギー線硬化性を低下させてしまったり、着色してしまったりする等の理由から、必要以上に重合禁止剤[III]を含有させないものであり、重合禁止剤[III]の含有量は、前述のウレタン(メタ)アクリレート系組成物[I]の製造時に通常用いられる程度の量である。しかし、本発明は、特定のウレタン(メタ)アクリレート系組成物[I]とフッ素含有(メタ)アクリレート系化合物[II]を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物において、通常、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に用いられる量よりも多く重合禁止剤[III]を含有させることで、活性エネルギー線硬化性の低下及び着色の問題もなく、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の液安定性が向上し、保存中のゲル化を抑制する効果を奏するものである。
本発明においては、ウレタン(メタ)アクリレート系組成物[I]の着色を防止し、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の液の保存安定をより優れたものとするために、更に着色防止剤[IV]を含有することが好ましい。
上記着色防止剤[IV]としては、例えば、トリフェニルホスフィン等のアリールホスフィン化合物、1,1,3,3-テトラメチルジシラザン、1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン等のシラザン化合物、フェニルヒドラジン、ベンゾフェニルヒドロラジン、ジアセチルヒドラジン等のヒドラジン化合物等が挙げられる。これら着色防止剤は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。これらの中でも、ウレタン(メタ)アクリレート系組成物[I]の着色をより防止できる点で、アリールホスフィン化合物が好ましく、トリフェニルホスフィンが特に好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、更に光重合開始剤を含有することが好ましい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、ウレタン(メタ)アクリレート以外のエチレン性不飽和モノマー、アクリル系樹脂、表面調整剤、レベリング剤等を配合することができ、更にはフィラー、染顔料、油、可塑剤、ワックス類、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、ゲル化剤、安定剤、消泡剤、界面活性剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、補強剤、艶消し剤、架橋剤、シリカ、水分散または溶剤分散されたシリカ、ジルコニウム化合物、防腐剤等を配合することも可能である。これらは単独でもしくは2種以上を併せて用いてもよい。
なお、これら光重合開始剤は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
光重合開始剤の含有量が少なすぎると、硬化不良となり膜形成がなされにくい傾向があり、多すぎると硬化塗膜の黄変の原因となり、着色の問題が起こりやすい傾向がある。
なお、粘度の測定法はE型粘度計による。
なお、電子線の照射により硬化を行う場合は、光重合開始剤を用いなくても硬化し得る。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。
〔ウレタンアクリレート系組成物[I-1]の製造〕
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(B-1)184.6部とペンタエリスリトールのアクリル酸付加物(A-1)〔水酸基価:120mgKOH/g〕815.4部、重合禁止剤[III’-1]として2,6-ジ-t-ブチルクレゾール0.8部、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.05部を仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.1%となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系組成物[I-1]を得た(樹脂分濃度100%)。
得られたウレタンアクリレート系組成物[I-1]の重量平均分子量は1,400であり、60℃での粘度は3,000mPa・sであった。
〔ウレタンアクリレート系組成物[I-2]の製造〕
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート(B-2)219.1部とペンタエリスリトールのアクリル酸付加物(A-1)〔水酸基価:120mgKOH/g〕780.9部、重合禁止剤[III’-1]として2,6-ジ-t-ブチルクレゾール0.4部、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1部を仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.1%となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系組成物[I-2]を得た(樹脂分濃度100%)。
得られたウレタンアクリレート系組成物[I-2]の重量平均分子量は2,200であり、60℃での粘度は5,000mPa・sであった。
<実施例1>
上記で得られたウレタンアクリレート系組成物[I-1]100部を1-メトキシ-2-プロパノール(沸点120℃)100部に溶解させた溶液を撹拌しながら、フッ素含有アクリレート系化合物[II-1]として「KY-1203」(有効成分20%、信越化学工業社製、重量平均分子量(実測値)27,000)を有効成分で0.2部(溶剤成分込みで1部)、重合禁止剤[III-1]として2,6-ジ-t-ブチルクレゾールを0.3部(ウレタンアクリレート系組成物[I-1]、フッ素含有アクリレート系化合物[II-1]及び重合禁止剤[III-1]の合計に対して2,990ppm)、着色防止剤[IV-1]としてCSP(精工化学社製)を0.05部を配合し、活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
更に光重合開始剤として、α-ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤(IGM社製、「オムニラッド184」)を4部配合し、光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
上記において、重合禁止剤[III]の含有量(ウレタンアクリレート系組成物[I]の製造で用いた重合禁止剤[III’]を含む)は、ウレタンアクリレート系組成物[I]、フッ素含有アクリレート系化合物[II]及び重合禁止剤[III]の合計に対して、3,780ppmであった。
実施例1において、ウレタンアクリレート系組成物[I-1]に代えてウレタンアクリレート系組成物[I-2]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及び光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
上記において、重合禁止剤[III]の含有量(ウレタンアクリレート系組成物[I]の製造で用いた重合禁止剤[III’]を含む)は、ウレタンアクリレート系組成物[I]、フッ素含有アクリレート系化合物[II]及び重合禁止剤[III]の合計に対して、3,380ppmであった。
実施例1において、フッ素含有アクリレート系化合物[II-1]の配合量を有効成分で0.05部(溶剤成分込みで0.25部)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及び光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
上記において、重合禁止剤[III]の含有量(ウレタンアクリレート系組成物[I]の製造で用いた重合禁止剤[III’]を含む)は、ウレタンアクリレート系組成物[I]、フッ素含有アクリレート系化合物[II]及び重合禁止剤[III]の合計に対して、3,790ppmであった。
実施例1において、フッ素含有アクリレート系化合物[II-1]の配合量を有効成分で1部(溶剤成分込みで5部)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及び光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
上記において、重合禁止剤[III]の含有量(ウレタンアクリレート系組成物[I]の製造で用いた重合禁止剤[III’]を含む)は、ウレタンアクリレート系組成物[I]、フッ素含有アクリレート系化合物[II]及び重合禁止剤[III]の合計に対して、3,750ppmであった。
実施例1において、フッ素含有アクリレート系化合物[II-1]に代えてフッ素含有アクリレート系化合物[II-2]として「オプツールDAC-HP」(有効成分20%、ダイキン工業社製、重量平均分子量(実測値)2,300)を有効成分で0.2部(溶剤成分込みで1部)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及び光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
上記において、重合禁止剤[III]の含有量(ウレタンアクリレート系組成物[I]の製造で用いた重合禁止剤[III’]を含む)は、ウレタンアクリレート系組成物[I]、フッ素含有アクリレート系化合物[II]及び重合禁止剤[III]の合計に対して、3,780ppmであった。
実施例1において、フッ素含有アクリレート系化合物[II-1]に代えてフッ素含有アクリレート系化合物[II-3]として「IRX-380」(有効成分10%、AGC社製、重量平均分子量(実測値)1,300)を有効成分で0.2部(溶剤成分込みで2部)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及び光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
上記において、重合禁止剤[III]の含有量(ウレタンアクリレート系組成物[I]の製造で用いた重合禁止剤[III’]を含む)は、ウレタンアクリレート系組成物[I]、フッ素含有アクリレート系化合物[II]及び重合禁止剤[III]の合計に対して、3,780ppmであった。
実施例1において、重合禁止剤[III-1]の配合量を0.9部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及び光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
上記において、重合禁止剤[III]の含有量(ウレタンアクリレート系組成物[I]の製造で用いた重合禁止剤[III’]を含む)は、ウレタンアクリレート系組成物[I]、フッ素含有アクリレート系化合物[II]及び重合禁止剤[III]の合計に対して、9,690ppmであった。
実施例1において、重合禁止剤[III-1]に代えて重合禁止剤[III-2]として4-メトキシフェノールを用いたこと以外は、実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及び光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
上記において、重合禁止剤[III]の含有量(ウレタンアクリレート系組成物[I]の製造で用いた重合禁止剤[III’]を含む)は、ウレタンアクリレート系組成物[I]、フッ素含有アクリレート系化合物[II]及び重合禁止剤[III]の合計に対して、3,780ppmであった。
実施例1において、フッ素含有アクリレート系化合物[II-1]を用いないこと以外は、実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及び光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
上記において、重合禁止剤[III]の含有量(ウレタンアクリレート系組成物[I]の製造で用いた重合禁止剤[III’]を含む)は、ウレタンアクリレート系組成物[I]、フッ素含有アクリレート系化合物[II]及び重合禁止剤[III]の合計に対して、3,790ppmであった。
実施例1において、ウレタンアクリレート系組成物[I-1]に代えてトリメチロールプロパントリアクリレート(東亜合成社製、「アロニックスM-309」、重合禁止剤100ppm含有)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及び光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
上記において、重合禁止剤[III]の含有量(トリメチロールプロパントリアクリレートに含まれる重合禁止剤を含む)は、トリメチロールプロパントリアクリレート、フッ素含有アクリレート系化合物[II]及び重合禁止剤[III]の合計に対して、3,090ppmであった。
実施例1において、重合禁止剤[III-1]を用いないこと以外は、実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及び光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
上記において、重合禁止剤[III]の含有量(ウレタンアクリレート系組成物[I]の製造で用いた重合禁止剤[III’]を含む)は、ウレタンアクリレート系組成物[I]、フッ素含有アクリレート系化合物[II]及び重合禁止剤[III]の合計に対して、800ppmであった。
[液保存安定性]
上記の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物について、ハーゼン色数(APHA)を、分光色差計「SE6000:日本電色工業社製)」を用いて測定した。さらに、該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を密閉式のガラス試験容器に入れ、耐熱条件(60℃環境下で4週間保管)で耐熱試験を行い、耐熱試験後のAPHAの値を測定した。結果を後記表1に示す。
上記で得られた光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、易接着PETフィルム(東洋紡社製、「コスモシャインA4300」、厚み125μm)基材上にバーコーターを用いて、乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗工し、90℃で3分間乾燥した後、80Wの高圧水銀灯、1灯を用いて、18cmの高さから5.1m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量450mJ/cm2)を行い、硬化塗膜を形成した。
易接着PETフィルム上に塗工した上記硬化塗膜について、JIS K 5600に準じて試験を行い、鉛筆硬度を測定した。
易接着PETフィルム上に塗工した上記硬化塗膜について、スチールウール(日本スチールウール社製、ボンスター#0000)を用い、1kgの荷重をかけながら硬化塗膜表面を往復させた後、目視で表面に傷が発生するまでの往復回数を測定し、下記の基準で評価した。
(評価)
○・・・1,000回往復しても傷が無かった
△・・・600回以上1,000回未満で傷が発生した
×・・・600回未満で傷が発生した
硬化塗膜面に、黒マジックインキで1往復で線を引いて、24時間放置した後、ウエスにより、拭き取った後の塗膜を観察し、以下のように評価した。また、上記の耐擦傷性試験後(1,000回往復後)の塗膜についても同様に、マジックインキ拭き取り性を評価した。
(評価)
○・・・きれいに拭き取れる
△・・・ある程度拭き取れるが跡が残る
×・・・全く拭き取れない
硬化塗膜面に対する水及びオレイン酸の接触角を接触角測定装置(協和界面化学社製;DropMaster600)で測定した。また、上記の耐擦傷性試験後の塗膜についても同様に、水及びオレイン酸接触角を測定した。
一方、フッ素含有(メタ)アクリレート系化合物[II]を含有しない比較例1では、防汚性能や耐擦傷性に劣るものであり、ウレタン(メタ)アクリレート系組成物[I]を用いなかった比較例2では硬化性が不充分なものとなった。また、ウレタン(メタ)アクリレート系組成物[I]の製造時以外に、更なる重合禁止剤[III]の配合を行わなかった比較例3では、液の保存安定性に劣るものであり、比較例1~3のいずれも本発明の目的を満足しないものであった。
Claims (10)
- ペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)中の水酸基と、ポリイソシアネート系化合物(B)のイソシアネート基とが反応したウレタン(メタ)アクリレート系組成物[I]、フッ素含有(メタ)アクリレート系化合物[II]及び重合禁止剤[III]を含有してなり、上記ポリイソシアネート系化合物(B)と上記ペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)との仕込みの反応モル比〔(B):(A)〕が1:2~1:5であり、重合禁止剤[III]の含有量が、ウレタン(メタ)アクリレート系組成物[I]、フッ素含有(メタ)アクリレート系化合物[II]及び重合禁止剤[III]の合計に対して、重量基準で1,000~10,000ppmであることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 上記フッ素含有(メタ)アクリレート系化合物[II]が、シロキサン結合を有することを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 上記フッ素含有(メタ)アクリレート系化合物[II]の重量平均分子量が1,000~100,000であることを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 上記ペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(A)の水酸基価が50~300mgKOH/gであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 上記ウレタン(メタ)アクリレート系組成物[I]の重量平均分子量が1,000~30,000であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 更に着色防止剤[IV]を含有することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 更に沸点が80℃以上の有機溶剤を含有することを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなることを特徴とするコーティング剤。
- ハードコート用コーティング剤として用いることを特徴とする請求項8記載のコーティング剤。
- 光学フィルム用コーティング剤として用いることを特徴とする請求項8記載のコーティング剤。
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