JP6740609B2 - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及びコーティング剤 - Google Patents

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本発明は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及びコーティング剤に関し、更に詳しくは、傷に対する復元性、金属基材密着性及び透明性に優れた硬化塗膜を形成するための活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、及びそれを用いてなるコーティング剤に関するものである。
従来、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、ごく短時間の放射線等の活性エネルギー線の照射により硬化が完了するので、各種基材へのコーティング剤や接着剤、又はアンカーコート剤等として幅広く用いられている。
中でも、コーティング剤としては、プラスチック基材の表面に硬化被膜を形成し、基材の最表面を保護するコーティング剤として、傷に対する復元性を有する硬化塗膜を形成し得る活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の開発が望まれており、例えば、ポリカプロラクトン含有多官能アルコールとイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタンアクリレートオリゴマーを用いた紫外線硬化性コーティング組成物(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
特開2004−35599号公報
しかしながら、上記特許文献1の開示技術では、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物の構成原料としてカプロラクトン含有多官能アルコールを用いることで、硬化塗膜とした際に多少の復元性を示すものであるが、傷の復元、回復を図るには、比較的高分子量で高分子ゴム様の弾性が必要とされるにも関わらず、上記特許文献1のウレタン(メタ)アクリレート系化合物は、設計構造上分子量が比較的小さく設計されており、実用的には十分なレベルの復元性は得られないものであった。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物をコーティング剤として使用する場合には、あらゆる被着体に対する密着性が求められるところ、特に密着性が得られにくい金属基材の表面や、金属蒸着された基材の表面に対する高い密着性が要求されており、種々の検討も行なわれている。
そこで、本発明は、このような背景下において、硬化塗膜とした際に、実用性に耐え得るレベルの復元性を示し、かつ金属表面に対する密着性にも優れる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及びそれを用いたコーティング剤の提供を目的とするものである。
しかるに本発明者等は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、ε−カプロラクトン由来の構造部位を含む水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物、および多価イソシアネート系化合物を反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物と、リン酸基含有エチレン性不飽和化合物とを併用することにより、傷に対する復元性、金属基材密着性及び透明性に優れる硬化塗膜を形成することができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、ε−カプロラクトン由来の構造部位を含む水酸基含有(メタ)
アクリレート系化合物(x)、および多価イソシアネート系化合物(y)を反応させてな
るウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)およびリン酸基含有エチレン性不飽和化
合物(B)を含有してなり、多価イソシアネート系化合物(y)の平均イソシアネート基数が3.8以上であり、多価イソシアネート系化合物(y)が、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型多量体またはヌレート型多量体である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関するものである。
また、本発明においては、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなるコー
ティング剤も提供するものである。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いると、硬化塗膜とした際に、傷に対する復元性、金属基材密着性に優れ、更に透明性にも優れた効果を有するものであり、とりわけコーティング剤として有用である。
以下に本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、ε−カプロラクトン由来の構造部位を含む水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)、および多価イソシアネート系化合物(y)を反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)およびリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B)を含有してなるものである。
<ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)>
本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)は、ε−カプロラクトン由来の構造部位を含む水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)、および多価イソシアネート系化合物(y)を反応させてなるものである。
上記ε−カプロラクトン由来の構造部位を含む水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)(以下、「水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)」と記すことがある。)としては、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物にε−カプロラクトンを開環重合させて得られる化合物であることが好ましく、例えば、下記一般式(1)で示す化合物が挙げられる。
[化1]
Figure 0006740609
(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、nは1〜25の整数である。)
上記一般式(1)中のnの値は、1〜25であり、好ましくは1〜15、特に好ましくは1〜10、更に好ましくは2〜5である。
かかるnの値が大きすぎると耐ブロッキング性が低下する傾向がある。
上記一般式(1)で示される化合物として具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン付加物、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのカプロラクトン付加物等があげられ、商品名としては、例えば、ダイセル社製「プラクセルFA1」、「プラクセルFA1DDM」、「プラクセルFA2D」、「プラクセルFA5」、「プラクセルFA10L」、「プラクセルFM1」、「プラクセルFM1D」、「プラクセルFM2D」、「プラクセルFM3」、「プラクセルFM4」、「プラクセルFM5」等が挙げられる。
これらに中でも、復元性と耐ブロッキング性のバランスに優れる点で、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン1モル付加物、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン2モル付加物、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン5モル付加物が好ましく、特に好ましくは2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン2モル付加物である。
ε−カプロラクトン由来の構造部位を含む水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)のエチレン性不飽和基数としては、1〜5個であることが好ましく、特に好ましくは1〜3個、更に好ましくは1個である。
かかるエチレン性不飽和基数が多すぎると復元性が得られにくい傾向がある。
ε−カプロラクトン由来の構造部位を含む水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)の重量平均分子量としては、100〜2,500であることが好ましく、特に好ましくは200〜1,000、更に好ましくは300〜500である。
かかる重量平均分子量が高すぎると耐ブロッキング性が低下する傾向があり、低すぎると復元性が得られにくい傾向がある。
本発明で用いられる多価イソシアネート系化合物(y)としては、下記式(1)で計算される平均イソシアネート基数が3.2以上であることが好ましい。
[式1]
Figure 0006740609
式中のイソシアネート基濃度(%)は、JIS K1603−1:2007記載の方法により測定される値である。
式中の数平均分子量(Mn)は、標準ポリスチレン分子量換算による数平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(日本ウォーターズ社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100〜2×107、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定される値である。
上記多価イソシアネート系化合物(y)の平均イソシアネート基数としては、3.8以上であることが必要であり、更に好ましくは4以上、殊に好ましくは4.5以上である。なお、平均イソシアネート基数の上限としては、通常10、好ましくは6である。かかる多価イソシアネート系化合物(y)の平均イソシアネート基数が少なすぎると復元性が低下する傾向にある。
上記多価イソシアネート系化合物(y)の平均イソシアネート基数は、例えば、2つのイソシアネート基を有するジイソシアネート系化合物を多量体化し、イソシアネート基数の異なるイソシアネート系化合物の分布をもたせることで調整することができる。
上記多価イソシアネート系化合物(y)としては、例えば、
トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンジイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート;
ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等の非環式脂肪族系ジイソシアネート;
水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環式系ジイソシアネート;
等のジイソシアネートを用いて、アロファネート構造、ヌレート構造、ビウレット構造等を有する多量体化した多価イソシアネート系化合物が挙げられる。
これらの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型多量体またはヌレート型多量体であることが必要であり、殊に好ましくはヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型多量体である。

上記多価イソシアネート系化合物(y)の数平均分子量としては、500〜5,000であることが好ましく、特に好ましくは600〜2,000、更に好ましくは700〜1,000である。かかる数平均分子量が高すぎると復元性が得られにくい傾向があり、低すぎるとイソシアネート化合物が多量化しにくい傾向がある。
本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)は、上記水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)と多価イソシアネート系化合物(y)を反応させてなるものであるが、その製造方法は、公知一般のウレタン(メタ)アクリレート系化合物の製造方法に準じて製造すればよい。例えば、上記水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)、多価イソシアネート系化合物(y)を反応器に一括又は別々に仕込み反応させればよい。
上記水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)と多価イソシアネート系化合物(y)との反応モル比は、例えば、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)の水酸基が1個で、多価イソシアネート系化合物(y)の平均イソシアネート基が3.5個である場合は、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x):多価イソシアネート系化合物(y)が3.5:1程度であり、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)の水酸基が1個で、多価イソシアネート系化合物(y)の平均イソシアネート基が4.5個である場合は、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x):多価イソシアネート系化合物(y)が4.5:1程度である。
上記水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)と多価イソシアネート系化合物(y)との付加反応においては、反応系の残存イソシアネート基含有率が0.5重量%以下になる時点で反応を終了させることにより、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)が得られる。
上記水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)と多価イソシアネート系化合物(y)との反応においては、反応を促進する目的で触媒を用いることも好ましく、かかる触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、トリメチル錫ヒドロキシド、テトラ−n−ブチル錫、ビス(アセチルアセトナート)亜鉛、ビス(テトラフルオロアセチルアセトナート)亜鉛、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリス(アセチルアセトネート)エチルアセトアセテート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等の有機金属化合物、オクテン酸錫、ヘキサン酸亜鉛、オクテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、塩化第1錫、塩化第2錫、酢酸カリウム等の金属塩、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等のアミン系触媒、硝酸ビスマス、臭化ビスマス、ヨウ化ビスマス、硫化ビスマス等の他、ジブチルビスマスジラウレート、ジオクチルビスマスジラウレート等の有機ビスマス化合物や、2−エチルヘキサン酸ビスマス塩、ナフテン酸ビスマス塩、イソデカン酸ビスマス塩、ネオデカン酸ビスマス塩、ラウリル酸ビスマス塩、マレイン酸ビスマス塩、ステアリン酸ビスマス塩、オレイン酸ビスマス塩、リノール酸ビスマス塩、酢酸ビスマス塩、ビスマスリビスネオデカノエート、ジサリチル酸ビスマス塩、ジ没食子酸ビスマス塩等の有機酸ビスマス塩等のビスマス系触媒等が挙げられ、中でも、ジブチル錫ジラウレート、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセンが好適である。これらは1種を単独で、または2種以上を併せて用いることができる。
上記水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)と多価イソシアネート系化合物(y)との反応においては、イソシアネート基に対して反応する官能基を有しない有機溶剤、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸2−エトキシエチル、酢酸2−メトキシ−1−メチルエチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族類等の有機溶剤を用いることができる。
反応温度は、通常30〜100℃、好ましくは40〜90℃であり、反応時間は、通常2〜10時間、好ましくは3〜8時間である。
上記で得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)中に含まれるエチレン性不飽和基の個数としては、1〜10個であることが好ましく、特に好ましくは3〜8個、更に好ましくは4〜6個である。エチレン性不飽和基の個数が少なすぎると塗膜の硬度が低くなる傾向があり、多すぎると塗膜の硬度が高すぎて復元性が得られにくい傾向がある。
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)のエチレン性不飽和基含有量(mmol/g)としては、0.1〜10mmol/gであることが好ましく、特に好ましくは1〜5mmol/g、更に好ましくは1〜3mmol/gである。かかるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)のエチレン性不飽和基含有量(mmol/g)が少なすぎると活性エネルギー線照射後の造膜性が低下する傾向があり、多すぎると塗膜の硬度が高すぎて復元性が低下する傾向がある。
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の重量平均分子量は、1,000〜50,000であることが好ましく、特に好ましくは2,000〜10,000、更に好ましくは3,000〜5,000である。かかる重量平均分子量が小さすぎると十分な復元性が得られにくい傾向があり、重量平均分子量が大きすぎるとコーティング剤の粘度が高くなり塗装が困難になる傾向がある。
上記重量平均分子量(Mw)は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(日本ウォーターズ社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100〜2×107、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定される値である。
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の60℃における粘度は、100〜10,000mPa・sであることが好ましく、特には300〜8,000mPa・s、更には500〜5,000mPa・sであることが好ましい。かかる粘度が上記範囲外では塗工性が低下する傾向がある。
尚、粘度の測定法はE型粘度計による。
かくして本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)を製造することができる。
<リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B)>
本発明で用いるリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B)は、金属基材との密着性を向上させるために含有させるものであり、具体例としては、例えば、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート(例えば、共栄社化学製の「ライトエステルP−1M」、「ライトアクリレートP−1A」等)、リン酸メチレン(メタ)アクリレート、リン酸エチレン(メタ)アクリレート、リン酸プロピレン(メタ)アクリレート、リン酸テトラメチレン(メタ)アクリレート等のリン酸アルキレン(メタ)アクリレート、リン酸1−クロロメチルエチレン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製の「Sipomer PAM100」、「Sipomer PAM4000」等)、ポリエチレングリコールモノアクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製の「Sipomer PAM5000」等)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製の「Sipomer PAM200」等)、ポリプロピレングリコールモノアクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製の「Sipomer PAM300」等)のようなポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートのリン酸エステル等のエチレン性不飽和基を1個有するリン酸基含有エチレン性不飽和化合物;
ビス(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)ホスフェート(例えば、共栄社化学製の「ライトエステルP−2M」、「ライトアクリレートP−2A」等)、エチレンオキサイド変性リン酸ジアクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を2個以上有するリン酸基含有エチレン性不飽和化合物;
トリアクリロイルオキシエチルホスフェート(例えば、大阪有機化学工業社製のビスコート#3PA)等のエチレン性不飽和基を3個以上有するリン酸基含有エチレン性不飽和化合物等が挙げられる。
これらリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B)は単独で用いてもよいし、2種以上
を併用してもよい。
これらの中でも、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、ビス(2−メタクリロイロキシエチル)ホスフェートを用いることが優れた金属表面への密着性が得られやすい点で好ましい。
リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B)の含有量は、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.05〜8重量部、更に好ましくは0.1〜5重量部、殊に好ましくは0.2〜3重量部である。かかるリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B)の含有量が少なすぎると、金属表面への密着性が低下する傾向があり、多すぎると金属表面を腐食したり、硬度等の機械的物性を低下させる傾向がある。
かくして本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)及びリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B)を含有してなるものである。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、光重合開始剤、上記(A)及び(B)以外のエチレン性不飽和モノマー及びエチレン性不飽和オリゴマー、アクリル樹脂、表面調整剤、レベリング剤、重合禁止剤等を配合することができ、更には油、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、安定剤、補強剤、艶消し剤、研削剤、有機微粒子、無機粒子等を配合することも可能である。
上記光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフォンオキサイド類;等があげられる。なお、これら光重合開始剤は、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、これらの助剤として、例えば、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等を併用することも可能である。
これらの中でも、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインイソプロピルエーテル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを用いることが好ましい。
光重合開始剤の含有量としては、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.5〜10重量部、さらに好ましくは1〜10重量部である。光重合開始剤の含有量が少なすぎると、硬化不良となり膜形成がなされにくい傾向があり、多すぎると硬化塗膜の黄変の原因となり、着色の問題が起こりやすい傾向がある。
上記(A)及び(B)以外のエチレン性不飽和モノマー及びエチレン性不飽和オリゴマーとしては、単官能モノマー、2官能モノマー、3官能以上のモノマー、エポキシ(メタ)アクリレート系化合物、ポリエステル(メタ)アクリレート系化合物、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(但し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)を除く。)等のオリゴマーが挙げられる。
かかる単官能モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリルレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンスピロ−2−(1,3−ジオキソラン−4−イル)−メチル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、3−エチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、γ−ブチロラクトン(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(n=2)(メタ)アクリレート、ノニルフェノールプロピレンオキサイド変性(n=2.5)(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート等のフタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、ポリオキシエチレン第2級アルキルエーテルアクリレート等の(メタ)アクリレート系モノマー、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、酢酸ビニル等が挙げられる。
かかる2官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート等が挙げられる。
かかる3官能以上のモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート等が挙げられる。
また、アクリル酸のマイケル付加物あるいは2−アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルも併用可能であり、かかるアクリル酸のミカエル付加物としては、アクリル酸ダイマー、メタクリル酸ダイマー、アクリル酸トリマー、メタクリル酸トリマー、アクリル酸テトラマー、メタクリル酸テトラマー等が挙げられる。
上記2−アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルとしては、特定の置換基をもつカルボン酸であり、例えば2−アクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル等が挙げられる。更に、その他オリゴエステルアクリレートも挙げられる。
上記表面調整剤としては、例えば、セルロース樹脂やアルキッド樹脂等を挙げることができる。かかる、セルロース樹脂は、塗膜の表面平滑性を向上させる作用があり、アルキッド樹脂は、塗布時の造膜性を付与する作用を有する。
上記レベリング剤としては、塗液の基材への濡れ性付与作用、表面張力の低下作用を有するものであれば、公知一般のレベリング剤を用いることができ、例えば、シリコーン変性樹脂、フッ素変性樹脂、アルキル変性樹脂等を用いることができる。
上記重合禁止剤としては、例えば、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、トルキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、ハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノ−t−ブチルハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール等を挙げることができる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、塗工時の粘度を適正なものにするために、希釈のための有機溶剤を使用することも好ましい。かかる有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、トルエン、キシレン等の芳香族類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、ジアセトンアルコール等が挙げられる。これら上記の有機溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記2種以上を併用する場合は、グリコールエーテル類、ケトン類、アルコール類の中から2種以上を選択して組み合わせることが塗膜外観の点で好ましい。
なお、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を製造するにあたり、上記各成分(A)及び(B)およびその他成分の混合方法については、特に限定されるものではなく、種々の方法により混合することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、各種基材へのトップコート剤やアンカーコート剤など、塗膜形成用の硬化性樹脂組成物として有効に用いられるものであり、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を基材に塗工した後(有機溶剤で希釈した組成物を塗工した場合には、さらに乾燥させた後)、活性エネルギー線を照射することにより硬化される。
上記本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗工する対象である基材としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン系樹脂等やそれらの成型品(フィルム、シート、カップ、等)等のプラスチック基材、それらの複合基材、またはガラス繊維や無機物を混合した前記材料の複合基材等、金属(アルミニウム、銅、鉄、SUS、亜鉛、マグネシウム、これらの合金等、蒸着やスパッタリング、メッキによる金属蒸着膜等)や、ガラス等の基材上にプライマー層を設けた基材等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の塗工方法としては、例えば、スプレー、シャワー、ディッピング、ディスペンサー、ロール、スピン、スクリーン印刷、インクジェット印刷等のようなウェットコーティング法が挙げられ、通常は常温の条件化で、基材に塗工すればよい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、上記有機溶剤を用いて、固形分濃度が、通常3〜90重量%、好ましくは5〜60重量%になるように希釈して、塗工することが好ましい。
上記有機溶剤による希釈を行なった際の乾燥条件としては、温度が、通常40〜120℃、好ましくは50〜100℃で、乾燥時間が、通常1〜20分、好ましくは2〜10分であればよい。
基材上に塗工された活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させる際に使用する活性エネルギー線としては、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線照射による硬化が有利である。尚、電子線照射を行う場合は、光重合開始剤を用いなくても硬化し得る。
紫外線照射により硬化させる際には、150〜450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極放電ランプ、LED等を用いて、通常30〜3000mJ/cm2(好ましくは100〜1500mJ/cm2)の紫外線を照射すればよい。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。
塗工膜厚(硬化後の膜厚)としては、傷に対する復元性として想定する傷の深さに関連するため、傷の深さが塗膜の膜厚を超えないような任意の膜厚にすればよく、通常、紫外線硬化型の塗膜として光重合開始剤が均一に反応するべく光線透過を鑑みると3〜1000μmであればよく、好ましくは5〜500μmであり、特に好ましくは10〜200μmである。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、ε−カプロラクトン由来の構造部位を含む水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)、および多価イソシアネート系化合物(y)を反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)およびリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B)を含有してなる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であり、これを用いて、硬化塗膜とすることにより、傷に対する復元性と金属基材密着性に優れ、更に透明性にも優れたものとなるため、塗料、インク、コーティング剤に有用であり、とりわけ最表面用コーティング剤や金属表面用コーティング剤として特に有用である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)として、以下のものを調製した。
<ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−1)>
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、平均イソシアネート基数が4.1のヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型多量体(y)342g(0.46モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン2モル付加物(x)658g(1.91モル)、重合禁止剤としてハイドロキノンメチルエーテル0.02g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、60℃で6時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−1)(重量平均分子量(Mw)3,600;エチレン性不飽和基含有量1.91mmol/g)を得た。
<ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−2)>
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、平均イソシアネート基数が4.9のヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型多量体(y)353g(0.37モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン2モル付加物(x)647g(1.88モル)、重合禁止剤としてハイドロキノンメチルエーテル0.02g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、60℃で6時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−2)(重量平均分子量(Mw)4,000;エチレン性不飽和基含有量1.88mmol/g)を得た。
<ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−3)>
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、平均イソシアネート基数が4.2のヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型多量体(y)330.6g(0.40モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン1モル付加物(x)669.4g(1.95モル)、重合禁止剤としてハイドロキノンメチルエーテル0.02g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、60℃で6時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−3)(重量平均分子量(Mw)4,930;エチレン性不飽和基含有量1.95mmol/g)を得た。
<ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−4)>
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、平均イソシアネート基数が3.4のヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型多量体(y)400.6g(0.65モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン1モル付加物(x)599.4g(2.60モル)、重合禁止剤としてハイドロキノンメチルエーテル0.02g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、60℃で6時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−4)(重量平均分子量(Mw)2,920;エチレン性不飽和基含有量2.60mmol/g)を得た。
リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B)として、以下のものを調製した。
<リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B−1)>
2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート(共栄社化学社製:商品名「ライトエステルP−1M」)
<リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B−2)>
ビス(2−メタクリロイロキシエチル)アシッドフォスフェート(共栄社化学社製:商品名「ライトエステルP−2M」)
<リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B−3)>
トリアクリロイルオキシエチルフォスフェート(大阪有機化学工業社製:商品名「ビスコート♯3PA」)
〔実施例1〜18、参考例1〜4〕
上記のウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)及び上記のリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B)を表1に示す配合組成とし、光重合開始剤(イルガキュア184、「ビー・エー・エス・エフ社製」)4部、メチルイソブチルケトンを固形分濃度40%となるように配合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物について、下記の通り復元性、金属基材密着性、透明性(ヘイズ)を評価した。その評価結果を表1に示した。
<復元性>
上記で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、アプリケーターにて硬化塗膜が40μm厚となるように黒色ポリカーボネート基材(日本テストパネル株式会社製、2×70×150mm)に塗工し、90℃で5分間乾燥した後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから3.4m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量800mJ/cm2)を行い、硬化塗膜を得た。
上記で得られた硬化塗膜を用い、23℃、50%Rhの条件下で、真鍮製2桁ブラシを用い、5往復して塗膜に傷を付け、傷が目視にて確認できなくなる時間を測定し、下記評価基準で評価した。その結果を下記表1に示した。
(評価基準)
◎:1分以内で傷が確認できなくなった
○:1分を超え5分以内で傷が確認できなくなった
△:5分を超え10分以内で傷が確認できなくなった
×:10分を超えても傷が確認できた
<金属基材密着性>
上記で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、バーコーターにて硬化塗膜が10μm厚となるように、アルミニウム基材(日本テストパネル株式会社社製;「A1050P」;1.0×70×150mm)に塗工し、90℃で5分間乾燥した後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから3.4m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量800mJ/cm2)を行い、硬化塗膜を得た。
得られた硬化塗膜について、JIS K 5400(1990年版)に準じて碁盤目テープ法により下記評価基準で金属基材密着性を評価した。
(評価基準)
○:碁盤目テープ試験後も80%以上の塗膜が基材に残存している(50/100以上)
△:碁盤目テープ試験後も50%以上、80%未満の塗膜が基材に存在している(50/100以上、80/100未満)
×:碁盤目テープ試験後に50%未満の塗膜が基材に残存している(50/100未満)
<透明性>
上記で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、アプリケーターにて硬化塗膜が40μm厚となるように125μm易接着PETフィルム(東洋紡A4300)に塗工し、90℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから3.4m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量800mJ/cm2)を行い、硬化塗膜を得た。
上記で得られた硬化塗膜に対して、ヘイズメータ(日本電色工業株式会社製「NDH 2000」)を用いて、PETフィルムと硬化塗膜を合わせたヘイズ値を測定した。なお、PETフィルム自身のヘイズ値は0.52であった。
評価基準は以下の通りである。
(評価)
○:ヘイズ値が1.0未満
△:ヘイズ値が1.0以上、3.0未満
×:ヘイズ値が3.0以上
Figure 0006740609
上記評価結果より、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)とリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B)を併用している実施例1〜18の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から得られる硬化塗膜は、復元性、金属基材密着性、透明性に優れることがわかる。また、金属基材密着性においては、リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B)を含有しない参考例1〜4の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から得られる硬化塗膜よりも優れるものである。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、硬化塗膜とした場合に、傷に対する復元性及び金属基材密着性に優れ、更に透明性にも優れるため、塗料、インク、コーティング剤等に有用である。とりわけ、最表面用コーティング剤、金属表面用コーティング剤、インクジェット用インクとして有用である。

Claims (8)

  1. ε−カプロラクトン由来の構造部位を含む水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)、および多価イソシアネート系化合物(y)を反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)およびリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B)を含有してなり、
    多価イソシアネート系化合物(y)の平均イソシアネート基数が3.8以上であり、
    多価イソシアネート系化合物(y)が、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型多量体またはヌレート型多量体であ
    ることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  2. 水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)が、エチレン性不飽和基を1つ含有する水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  3. 多価イソシアネート系化合物(y)の数平均分子量が500〜5,000であることを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  4. ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)のエチレン性不飽和基含有量が、0.1〜10mmol/gであることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  5. ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の重量平均分子量が1,000〜50,000であることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  6. リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B)の含有量が、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部であることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなることを特徴とするコーティング剤。
  8. 金属表面用コーティング剤として用いることを特徴とする請求項記載のコーティング剤。
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