JP6740609B2 - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及びコーティング剤 - Google Patents
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アクリレート系化合物(x)、および多価イソシアネート系化合物(y)を反応させてな
るウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)およびリン酸基含有エチレン性不飽和化
合物(B)を含有してなり、多価イソシアネート系化合物(y)の平均イソシアネート基数が3.8以上であり、多価イソシアネート系化合物(y)が、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型多量体またはヌレート型多量体である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関するものである。
また、本発明においては、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなるコー
ティング剤も提供するものである。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)は、ε−カプロラクトン由来の構造部位を含む水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)、および多価イソシアネート系化合物(y)を反応させてなるものである。
かかるnの値が大きすぎると耐ブロッキング性が低下する傾向がある。
かかるエチレン性不飽和基数が多すぎると復元性が得られにくい傾向がある。
かかる重量平均分子量が高すぎると耐ブロッキング性が低下する傾向があり、低すぎると復元性が得られにくい傾向がある。
トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンジイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート;
ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等の非環式脂肪族系ジイソシアネート;
水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環式系ジイソシアネート;
等のジイソシアネートを用いて、アロファネート構造、ヌレート構造、ビウレット構造等を有する多量体化した多価イソシアネート系化合物が挙げられる。
尚、粘度の測定法はE型粘度計による。
本発明で用いるリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B)は、金属基材との密着性を向上させるために含有させるものであり、具体例としては、例えば、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート(例えば、共栄社化学製の「ライトエステルP−1M」、「ライトアクリレートP−1A」等)、リン酸メチレン(メタ)アクリレート、リン酸エチレン(メタ)アクリレート、リン酸プロピレン(メタ)アクリレート、リン酸テトラメチレン(メタ)アクリレート等のリン酸アルキレン(メタ)アクリレート、リン酸1−クロロメチルエチレン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製の「Sipomer PAM100」、「Sipomer PAM4000」等)、ポリエチレングリコールモノアクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製の「Sipomer PAM5000」等)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製の「Sipomer PAM200」等)、ポリプロピレングリコールモノアクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製の「Sipomer PAM300」等)のようなポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートのリン酸エステル等のエチレン性不飽和基を1個有するリン酸基含有エチレン性不飽和化合物;
ビス(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)ホスフェート(例えば、共栄社化学製の「ライトエステルP−2M」、「ライトアクリレートP−2A」等)、エチレンオキサイド変性リン酸ジアクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を2個以上有するリン酸基含有エチレン性不飽和化合物;
トリアクリロイルオキシエチルホスフェート(例えば、大阪有機化学工業社製のビスコート#3PA)等のエチレン性不飽和基を3個以上有するリン酸基含有エチレン性不飽和化合物等が挙げられる。
これらリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B)は単独で用いてもよいし、2種以上
を併用してもよい。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。
<ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−1)>
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、平均イソシアネート基数が4.1のヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型多量体(y)342g(0.46モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン2モル付加物(x)658g(1.91モル)、重合禁止剤としてハイドロキノンメチルエーテル0.02g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、60℃で6時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−1)(重量平均分子量(Mw)3,600;エチレン性不飽和基含有量1.91mmol/g)を得た。
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、平均イソシアネート基数が4.9のヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型多量体(y)353g(0.37モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン2モル付加物(x)647g(1.88モル)、重合禁止剤としてハイドロキノンメチルエーテル0.02g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、60℃で6時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−2)(重量平均分子量(Mw)4,000;エチレン性不飽和基含有量1.88mmol/g)を得た。
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、平均イソシアネート基数が4.2のヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型多量体(y)330.6g(0.40モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン1モル付加物(x)669.4g(1.95モル)、重合禁止剤としてハイドロキノンメチルエーテル0.02g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、60℃で6時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−3)(重量平均分子量(Mw)4,930;エチレン性不飽和基含有量1.95mmol/g)を得た。
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、平均イソシアネート基数が3.4のヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型多量体(y)400.6g(0.65モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン1モル付加物(x)599.4g(2.60モル)、重合禁止剤としてハイドロキノンメチルエーテル0.02g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、60℃で6時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−4)(重量平均分子量(Mw)2,920;エチレン性不飽和基含有量2.60mmol/g)を得た。
<リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B−1)>
2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート(共栄社化学社製:商品名「ライトエステルP−1M」)
<リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B−2)>
ビス(2−メタクリロイロキシエチル)アシッドフォスフェート(共栄社化学社製:商品名「ライトエステルP−2M」)
<リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B−3)>
トリアクリロイルオキシエチルフォスフェート(大阪有機化学工業社製:商品名「ビスコート♯3PA」)
上記のウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)及び上記のリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B)を表1に示す配合組成とし、光重合開始剤(イルガキュア184、「ビー・エー・エス・エフ社製」)4部、メチルイソブチルケトンを固形分濃度40%となるように配合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物について、下記の通り復元性、金属基材密着性、透明性(ヘイズ)を評価した。その評価結果を表1に示した。
上記で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、アプリケーターにて硬化塗膜が40μm厚となるように黒色ポリカーボネート基材(日本テストパネル株式会社製、2×70×150mm)に塗工し、90℃で5分間乾燥した後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから3.4m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量800mJ/cm2)を行い、硬化塗膜を得た。
上記で得られた硬化塗膜を用い、23℃、50%Rhの条件下で、真鍮製2桁ブラシを用い、5往復して塗膜に傷を付け、傷が目視にて確認できなくなる時間を測定し、下記評価基準で評価した。その結果を下記表1に示した。
◎:1分以内で傷が確認できなくなった
○:1分を超え5分以内で傷が確認できなくなった
△:5分を超え10分以内で傷が確認できなくなった
×:10分を超えても傷が確認できた
上記で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、バーコーターにて硬化塗膜が10μm厚となるように、アルミニウム基材(日本テストパネル株式会社社製;「A1050P」;1.0×70×150mm)に塗工し、90℃で5分間乾燥した後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから3.4m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量800mJ/cm2)を行い、硬化塗膜を得た。
得られた硬化塗膜について、JIS K 5400(1990年版)に準じて碁盤目テープ法により下記評価基準で金属基材密着性を評価した。
○:碁盤目テープ試験後も80%以上の塗膜が基材に残存している(50/100以上)
△:碁盤目テープ試験後も50%以上、80%未満の塗膜が基材に存在している(50/100以上、80/100未満)
×:碁盤目テープ試験後に50%未満の塗膜が基材に残存している(50/100未満)
上記で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、アプリケーターにて硬化塗膜が40μm厚となるように125μm易接着PETフィルム(東洋紡A4300)に塗工し、90℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから3.4m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量800mJ/cm2)を行い、硬化塗膜を得た。
上記で得られた硬化塗膜に対して、ヘイズメータ(日本電色工業株式会社製「NDH 2000」)を用いて、PETフィルムと硬化塗膜を合わせたヘイズ値を測定した。なお、PETフィルム自身のヘイズ値は0.52であった。
評価基準は以下の通りである。
○:ヘイズ値が1.0未満
△:ヘイズ値が1.0以上、3.0未満
×:ヘイズ値が3.0以上
Claims (8)
- ε−カプロラクトン由来の構造部位を含む水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)、および多価イソシアネート系化合物(y)を反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)およびリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B)を含有してなり、
多価イソシアネート系化合物(y)の平均イソシアネート基数が3.8以上であり、
多価イソシアネート系化合物(y)が、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型多量体またはヌレート型多量体であ
ることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。 - 水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)が、エチレン性不飽和基を1つ含有する水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 多価イソシアネート系化合物(y)の数平均分子量が500〜5,000であることを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)のエチレン性不飽和基含有量が、0.1〜10mmol/gであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の重量平均分子量が1,000〜50,000であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(B)の含有量が、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜6いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなることを特徴とするコーティング剤。
- 金属表面用コーティング剤として用いることを特徴とする請求項7記載のコーティング剤。
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