JP2012001578A - 硬化性樹脂組成物および積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属や金属酸化物などの各種基材への密着性に優れ、活性エネルギー線硬化が可能であり、さらに、硬化後であってもトップコートとなる多官能(メタ)アクリレートを主成分とする硬化性樹脂組成物との密着性に優れる硬化性樹脂組成物、および該硬化性樹脂組成物を基材に塗布した積層体を提供する。
【解決手段】ベンジル基含有(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、および2〜3個のメタクリロイル基を有するメタクリレート化合物(B)を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物である。また、基材に前記硬化性樹脂組成物を塗布し、活性エネルギー線の照射によって硬化させた後、前記樹脂硬化物層にさらに別の硬化性樹脂組成物を塗布し、活性エネルギー線の照射によって硬化させたことを特徴とする積層体である。
【選択図】 なし

Description

本発明は各種基材への密着性に優れ、さらに、硬化後であっても他の硬化性樹脂組成物との密着性に優れる硬化性樹脂組成物、および該硬化性樹脂組成物を基材に塗布した積層体に関する。
近年、携帯電話や家電製品あるいは光学フィルムなどに、従来の熱硬化型塗料に代わり活性エネルギー線硬化型塗料が使用されている。活性エネルギー線硬化型塗料は熱硬化型塗料と比較して速硬化性のため生産性向上、省エネルギー化が可能であり、また、硬化皮膜の硬度、耐擦傷性に優れる点が評価されている。
一方、活性エネルギー線硬化型塗料は表面処理金属や合金に対する密着性に劣っているため、これらの基材に対しては密着性に優れたフェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化型塗料が用いられていた。しかしながら、熱硬化プロセスで10分間以上の硬化時間を必要とするため生産性が悪くなり、硬度も十分でなかった。
本発明者らは、プラスチック、金属や金属酸化物に対する密着性に優れるベンジル基含有アクリレートオリゴマーを主成分とした活性エネルギー線硬化型樹脂組成物活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(引用文献1)や、多官能(メタ)アクリレートとリン酸エステル基を有する(メタ)アクリレートを併用した、金属や金属酸化物に対する密着性に優れる活性エネルギー線硬化型ハードコート樹脂組成物(引用文献2)を提案している。
特開2009−57525号公報 特開2008−222848号公報
しかし、これらの樹脂は金属や金属酸化物に対する密着性に優れているが、従来の多官能(メタ)アクリレートを主成分とする活性エネルギー線硬化型塗料と比較すると、硬化皮膜の硬度、耐擦傷性が十分ではなかった。また、該樹脂の硬化皮膜上にさらに従来の多官能(メタ)アクリレートを主成分とする活性エネルギー線硬化型塗料を塗布、硬化しても十分な層間密着性が得られないため、金属や金属酸化物のプライマーとしては適さなかった。
したがって、金属や金属酸化物上に硬度、耐擦傷性に優れた皮膜を形成しようとした場合、熱硬化型樹脂からなるプライマーを塗布、硬化後に、さらに多官能(メタ)アクリレートを主成分とする活性エネルギー線硬化型塗料を塗布、硬化させる必要があり、前述のように生産性を低下させる熱硬化プロセスを省略することができなかった。
本発明の課題は、金属や金属酸化物などの各種基材への密着性に優れ、活性エネルギー線硬化が可能であり、さらに、硬化後であっても多官能(メタ)アクリレートを主成分とする他の硬化性樹脂組成物との密着性に優れる硬化性樹脂組成物、および該硬化性樹脂組成物を基材に塗布した積層体を提供することである。
本発明は、ベンジル基含有(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、および2〜3個のメタクリロイル基を有するメタクリレート化合物(B)を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物である。また、基材に前記硬化性樹脂組成物を塗布し、活性エネルギー線の照射によって硬化させた後、前記樹脂硬化物層にさらに別の硬化性樹脂組成物を塗布し、活性エネルギー線の照射によって硬化させたことを特徴とする積層体である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、金属や金属酸化物などの各種基材への密着性に優れ、活性エネルギー線硬化が可能であり、さらに、硬化後であっても多官能(メタ)アクリレートを主成分とする他の硬化性樹脂組成物との密着性に優れる。したがって、本発明の硬化性樹脂組成物を基材に塗布、硬化させ、該樹脂硬化物層にさらに別の活性エネルギー線硬化型塗料を塗布、硬化させることにより、熱硬化プロセスを経ることなく、金属や金属酸化物などの基材上に十分な硬度、耐擦傷性を有する皮膜を形成できる。すなわち、本発明によって携帯電話などの各種電子機器の外装材を短時間で製造できるようになる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明に用いるベンジル基含有(メタ)アクリレートオリゴマー(A)は、ベンジル基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。その製造方法の一例として、ベンジル基含有ポリオール(a1)、イソシアネート化合物(a2)、および水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(a3)とを無溶剤下または有機溶剤下で反応させて合成する方法が挙げられる。
ベンジル基含有ポリオール(a1)としては、ベンジル基を含有したアクリルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類などが挙げられる。市販品としては、三井化学社製Q182(商品名)などが挙げられる。2種以上のベンジル基含有ポリオールを組み合わせて用いても良い。
イソシアネート化合物(a2)はイソシアネート基を2以上有する化合物である。イソシアネートモノマーとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。有機ポリイソシアネートはイソシアネートモノマーから合成されるアダクトタイプ、イソシアヌレートタイプ、ビュレットタイプのポリイソシアネートが挙げられる。2種以上のイソシアネート化合物を組み合わせて用いても良い。
水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(a3)は水酸基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。具体的には、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどが挙げられる。2種以上の水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を組み合わせて用いても良い。
前記ベンジル基含有ポリオール(a1)、イソシアネート化合物(a2)、および水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(a3)からベンジル基含有(メタ)アクリレートオリゴマーを合成する方法の具体例としては、イソシアネート化合物(a2)および水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(a3)を無溶剤下または有機溶剤下において、赤外吸収分析でイソシアネート基のピークが半分になるまで反応させ、次いでベンジル基含有ポリオール(a1)を添加してイソシアネート基のピークが消失するまで反応させる方法が挙げられる。
2〜3個のメタクリロイル基を有するメタクリレート化合物(B)の具体例として、2官能であるエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1.4−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1.6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1.9−ノナンジオールジメタクリレート、1.10−デカンジオールジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジメタクリレート、3官能であるトリメチロールプロパントリメタクリレートやエトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。
これらのメタクリレート化合物の中でも特に3官能のメタクリレートを用いることにより、硬化後における他の硬化性樹脂組成物との密着性がより優れるため好ましい。また、これらを単独あるいは2種以上を混合して使用しても良い。2〜3個のメタクリロイル基を有するメタクリレート化合物(B)の配合量は、固形分を基準として前記ベンジル基含有(メタ)アクリレートオリゴマー(A)100重量部に対して0.5〜50重量部が好ましく、1〜30重量部がより好ましい。0.5重量部以上配合することにより、硬化後における他の硬化性樹脂組成物との密着性が顕著に向上する。また、50重量部以下とすることにより、硬化後にタックが残りにくくなる。
本発明の硬化性樹脂組成物に対して、リン酸エステル基含有(メタ)アクリレート化合物(C)を配合することにより、金属や金属酸化物などへの密着性をより向上させることができる。具体例としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−ジヒドロホスフェート、ジ−(2−(メタ)アクリロイルオキシ)ヒドロゲンホスフェート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリロイルオキシジヒドロゲンホスフェートなどが挙げられる。
リン酸エステル基含有(メタ)アクリレート化合物(C)の配合量は、固形分を基準として前記ベンジル基含有(メタ)アクリレートオリゴマー(A)100重量部に対して1〜30重量部が好ましく、3〜20重量部がより好ましい。1重量部以上添加することにより、金属や金属酸化物などへの密着性が顕著に向上する。また、30重量部以下とすることで、硬化後の耐水性が低下しにくい。
本発明の硬化性樹脂組成物には前記各成分の他、必要に応じてアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂などの各種樹脂、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛、珪砂、クレー、タルク、シリカ化合物、二酸化チタンなどの無機充填剤、シラン系やチタネート系などのカップリング剤、殺菌剤、防腐剤、可塑剤、流動調整剤、帯電防止剤、増粘剤、pH調整剤、界面活性剤、レベリング調整剤、消泡剤、着色顔料、防錆顔料などの配合材料を添加してもよい。また、耐光性向上を目的に酸化防止剤や紫外線吸収剤を添加しても良い。
本発明の硬化性樹脂組成物は活性エネルギー線の照射などにより硬化させることができるが、光重合開始剤を配合することによって感度良く硬化可能となる。光重合開始剤は、例えば、アセトフェノン、2、2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのカルボニル化合物、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物などを用いることができる。
これらの光重合開始剤の市販品としてはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のIrgacure184(商品名)、Irgacure369(商品名)、Irgacure651(商品名)、Irgacure500(商品名)、Darocure1116(商品名)、Darocure1173(商品名)、BASF社製のLucirinLR8728(商品名)、UCB社製のユベクリルP36(商品名)などが挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は各種基材への密着性に優れているため、硬度や耐擦傷性を向上させたい各種基材に用いることができる。基材の例として、プラスチックとしては、ABS、PC、アクリル、PS、MS、PBT、PPS、PET、TACなどを単独あるいは2種以上をアロイ化したものが挙げられる。金属としては鉄鋼板、亜鉛めっき鋼板、ステンレス鋼板、マグネシウム合金、アルミニウム、アルミニウム合金などを用いることができる。さらに前記金属を各種表面処理、酸化処理を施したものも用いることができる。一例としてアルミニウムをアルマイト処理、リン酸塩処理、クロメート処理、ノンクロメート処理などの方法で酸化処理を施した基材を用いることができる。また蒸着やスパッタ、メッキ法などで各種プラスチック基材(3次元の構造を持つ筐体およびフィルムなど)上に金属薄膜および金属酸化物薄膜を成膜した基材も用いることができる。金属薄膜としてはアルミニウム、錫、亜鉛、金、銀、白金、ニッケルなどが挙げられる。金属酸化物としては錫ドープ酸化インジウム、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどが挙げられる。
これらの基材の中でも、通常の活性エネルギー線硬化型塗料では密着性が悪い金属や金属酸化物に対しても、本発明の硬化性樹脂組成物は良好な密着性を有する。
本発明の硬化性樹脂組成物を基材上に塗布する方法は特に制限はなく、公知のスプレーコート、ディッピング、ロールコート、ダイコート、エアナイフコート、ブレードコート、スピンコート、リバースコート、グラビアコート、ワイヤーバーなどの塗工法またはグラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷などの印刷法により形成できる。ハードコート層の厚さは、1μm〜20μmが好ましい。ハードコート層の厚みが1μm未満であると、十分な硬度が発生せず、20μmを越えるとクラックが発生するため好ましくない。硬化性樹脂組成物の溶媒を乾燥させた後、紫外線などの活性エネルギー線を照射することによって、基材上に本発明の硬化性樹脂組成物の硬化皮膜を形成することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化後であっても多官能(メタ)アクリレートを主成分とする硬化性樹脂組成物との密着性に優れるため、前記基材上に形成した本発明の硬化性樹脂組成物の硬化皮膜上に、トップコートとなる硬化性樹脂組成物を塗布、硬化させることができる。例えば、トップコートとして、多官能アクリレートを主成分とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いることにより、生産性を低下させる熱硬化プロセスを経ることなく、優れた硬度や耐擦傷性を基材上に形成することが可能となる。
本発明の硬化性樹脂組成物が硬化後であっても多官能(メタ)アクリレートを主成分とする硬化性樹脂組成物との密着性に優れる理由は明らかではないが、2〜3個のメタクリロイル基を有するメタクリレート化合物のメタクリロイル基の反応が遅く、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化時には未硬化のままメタクリロイル基が残存し、多官能(メタ)アクリレートを主成分とする硬化性樹脂組成物の硬化時に共重合しているためと推測される。
なお、本発明の硬化性樹脂組成物以外の活性エネルギー線硬化型塗料において、照射する紫外線の強度を調整することによって反応性基を残存させようとした場合、紫外線強度の僅かな差によって残存する反応性基がばらついてしまうため、樹脂全体が未硬化となったり、反応性基がほとんど残存しないこととなり、再現性の点から工業的に適さない。
以下、本発明について実施例、比較例を挙げてより詳細に説明するが、具体例を示すものであって特にこれらに限定するものではない。
ベンジル基含有(メタ)アクリレートオリゴマー1の合成
ペンタエリスリトールトリアクリレート及びペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合体であるNKエステル A−TMM−3LM−N(新中村化学工業社製、固形分100%、商品名)100重量部とイソシアネートモノマーであるタケネート700(三井化学ポリウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネート、固形分100%)32.7重量部をトルエン溶剤下、25℃で10時間攪拌・反応させて、赤外吸収分析でイソシアネート基のピークが半分になった時点でアクリル変性イソシアネートとして得た。次に、速やかに前記アクリル変性イソシアネート100重量部とベンジル基含有アクリルポリオールであるQ182(三井化学社製、固形分50%、商品名)740重量部をトルエン溶剤下、25℃で10時間攪拌・反応させ、赤外吸収分析でイソシアネート基のピークが無くなるまで反応させることによって、ベンジル基含有アクリレートオリゴマー1(固形分50%)を得た。
実施例1
上記のようにして調製したベンジル基含有アクリレートオリゴマー1(固形分50%)200重量部に対し、トリメチロールプロパントリメタクリレート(新中村化学工業社製、固形分100%、商品名TMPT)を1重量部加えた。さらに開始剤としてIrgacure184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)を前記硬化性成分の樹脂固形分100重量部に対して5重量部となるよう加え、溶媒としてトルエンを添加することによって実施例1の硬化性樹脂組成物(固形分30%)を得た。
実施例2、3、比較例1
実施例1において、トリメチロールプロパントリメタクリレートの配合量を表1記載の値に代えた他は実施例1と同様に行い、各硬化性樹脂組成物(固形分30%)を得た。
実施例4
ベンジル基含有アクリレートオリゴマー1(固形分50%)200重量部に対し、トリメチロールプロパントリメタクリレートを10重量部、リン酸エステルメタクリレート(日本化薬株式会社製、固形分100%、商品名PM−2)を3重量部加えた。さらに開始剤としてIrgacure184を前記硬化性成分の樹脂固形分100重量部に対し5重量部となるよう加え、溶媒としてトルエンを添加することによって実施例4の硬化性樹脂組成物(固形分30%)を得た。
実施例5、6
実施例4において、リン酸エステルメタクリレートの配合量を表1記載の値に代えた他は実施例4と同様に行い、各硬化性樹脂組成物(固形分30%)を得た。
ベンジル基非含有(メタ)アクリレートオリゴマー2の合成
ペンタエリスリトールトリアクリレート及びペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合体であるNKエステル A−TMM−3LM−N(新中村化学工業社製、固形分100%、商品名)100重量部とイソシアネートモノマーであるタケネート700(三井化学ポリウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネート、固形分100%)32.7重量部をトルエン溶剤下、25℃で10時間攪拌・反応させて、赤外吸収分析でイソシアネート基のピークが半分になった時点でアクリル変性イソシアネートとして得た。次に、速やかに前記アクリル変性イソシアネート100重量部とベンジル基非含有アクリルポリオール(三井化学社製、固形分45%、商品名Q164)1235重量部をトルエン溶剤下、25℃で10時間攪拌・反応させ、赤外吸収分析でイソシアネート基のピークが無くなるまで反応させることによって、ベンジル基非含有アクリレートオリゴマー2(固形分50%)を得た。
比較例2
上記のようにして作成したベンジル基非含有アクリレートオリゴマー2(固形分50%)200重量部に対し、トリメチロールプロパントリメタクリレート(新中村化学工業社製、固形分100%、商品名TMPT)を1重量部加えた。さらに開始剤としてIrgacure184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)を前記硬化性成分の樹脂固形分100重量部に対し5重量部となるよう加え、溶媒としてトルエンを添加することによって比較例2の硬化性樹脂組成物(固形分30%)を得た。
比較例3
比較例2において、トリメチロールプロパントリメタクリレートの配合量を30重量部とした他は比較例2と同様に行い、比較例5の硬化性樹脂組成物(固形分30%)を得た。
実施例、比較例の各硬化性樹脂組成物をABS板(新神戸電機社製、2mm厚、商品名コウベポリシートABS)、PC板(タキロン株式会社製、商品名1600、2mm厚)、アクリル板(株式会社クラレ製、商品名コモグラス、2mm厚)、アルミA5052P板(JIS H4000、1mm厚)、アルマイト板(A5052Pをアルマイト処理、1mm厚)、SUS304板(JIS G4304、2mm厚)、錫蒸着膜(PET(東洋紡株式会社製、商品名A4300、100μm厚)上に0.5μm厚で成膜)の各基材上にエアスプレーにて塗装し、80℃1分間乾燥させ、有電極高圧水銀ランプ(アイグラフィックス社製)を用いて、波長365nmにおける強度が100mW/cm、積算光量が800mJ/cmとなるように照射することによって硬化させ、乾燥膜厚10ミクロンの硬化物層を得た。次に、得られた硬化物層上にトップハードコート樹脂組成物として多官能(メタ)アクリレートを主成分とするアイカアイトロンZ−700K(アイカ工業株式会社製)をエアスプレーにて塗装し、同条件で硬化させ、乾燥膜厚10ミクロンの硬化物層を形成し、積層体を得た。
試験・評価方法
各基材上に形成した硬化物層について、JIS K 5600−5−6(1999年版)に基づく碁盤目試験に基づき、塗膜面に10×10にマス目を作成し、セロハンテープ(ニチバン社製、商品名CT−24)を貼り、上方に引っ張り剥離状況を確認する。剥がれなかったマス目数を記録し、評価基準は下記のとおりとした。また、トップハードコート樹脂組成物を塗布、硬化した積層体についても同様の試験を行い、トップハードコートとの密着性を確認した。さらに、各試験体について高温高湿条件(80℃、95%RH)に72時間放置した後に同様の試験を行い、密着性を確認した。
100/100・・・◎
80/100〜99/100・・・○
50/100〜79/100・・・△
0〜49/100・・・×
Figure 2012001578
表1に示されるように、ベンジル基含有(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、および2〜3個のメタクリロイル基を有するメタクリレート化合物(B)を含有する各実施例の硬化性樹脂組成物においては、各種基材への密着性およびトップハードコートとの密着性に優れていた。さらに、リン酸エステル基含有(メタ)アクリレート化合物(C)を含有する実施例4〜6の硬化性樹脂組成物においては、高温高湿条件後においても金属や金属酸化物に対してより優れた密着性を維持していた。一方、2〜3個のメタクリロイル基を有するメタクリレート化合物(B)を含有しない比較例1は、トップハードコートとの密着性が悪かった。また、ベンジル基含有(メタ)アクリレートオリゴマー(A)を含有しない比較例2、3の硬化性樹脂組成物においては、各種基材への密着性が悪かった。

Claims (7)

  1. ベンジル基含有アクリレートオリゴマー(A)、および2〜3個のメタクリロイル基を有するメタクリレート化合物(B)を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 前記ベンジル基含有アクリレートオリゴマー(A)が、ベンジル基含有ポリオール(a1)、イソシアネート化合物(a2)、および水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(a3)を反応させることによって合成されたものであることを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  3. さらに、リン酸エステル基含有(メタ)アクリレート化合物(C)を含有することを特徴とする請求項1または2記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記ベンジル基含有アクリレートオリゴマー(A)100重量部に対して、前記リン酸エステル基含有(メタ)アクリレート化合物(C)が1〜30重量部配合されていることを特徴とする請求項3記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記ベンジル基含有アクリレートオリゴマー(A)および前記リン酸エステル基含有(メタ)アクリレート化合物(C)の合計100重量部に対して、前記2〜3個のメタクリロイル基を有するメタクリレート化合物(B)が0.5〜50重量部配合されていることを特徴とする請求項4記載の硬化性樹脂組成物。
  6. さらに光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 基材に請求項1〜6いずれかに記載の硬化性樹脂組成物を塗布し、活性エネルギー線の照射によって硬化させた後、前記樹脂硬化物層にさらに別の硬化性樹脂組成物を塗布し、活性エネルギー線の照射によって硬化させたことを特徴とする積層体。
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