JP2017115028A - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及びこれを含有してなるコーティング剤 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートを、(メタ)アクリロイロキシはアクリロイロキシあるいはメタクリロイロキシを、それぞれ意味するものであり、アクリル系樹脂とは、(メタ)アクリレート系モノマーを1種以上含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、水酸基価が60mgKOH/g以上であるジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(a1)、多価イソシアネート系化合物(a2)及びポリオール系化合物(a3)を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A)を含有するものである。
かかる水酸基価が小さすぎると、低分子量でエチレン性不飽和基数が多く、イソシアネートと反応しないジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの含有量が多くなるため、硬化時の硬化収縮が大きくなり、カールしやすくなり、更には屈曲性が低下する傾向がある。なお、上記水酸基価が大きくなりすぎると、分子量の増加に伴い、粘度が増大するため、取り扱いにくくなる傾向がある。
ジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(a1)としては、その成分中に、ジペンタエリスリトールに対して(メタ)アクリル酸が一つ付加したもの、二つ付加したもの、三つ付加したもの、四つ付加したもの、五つ付加したもの、六つ付加したものが含まれ、全体として上記の水酸基価を満足するものである。
水酸基価の調整は、例えば、(メタ)アクリル酸が一つから六つ付加したものまでの付加物の混合比率を調整することにより行われる。
これらの中でも、芳香環を含まない脂環式あるいはヌレート変性体が好ましく、例えば、イソホロンジイソシアネートが好ましい。
上記多価アルコールとしては、前記の低分子量ジオール等が挙げられる。
上記多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
上記環状エステルとしては、例えば、プロピオラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。
上記多価アルコールとしては、前記の低分子量ジオール等が挙げられ、上記アルキレンカーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート及びジフェニルカーボネートなどが挙げられる。
なお、ポリカーボネート系ポリオールは、分子内にカーボネート結合を有し、末端がヒドロキシル基である化合物であればよく、カーボネート結合とともにエステル結合を有していてもよい。
ポリブタジエン系ポリオールは、その構造中に含まれるエチレン性不飽和基の全部または一部が水素化された水添化ポリブタジエン系ポリオールであってもよい。
ポリオール系化合物(a3)は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
かかる重量平均分子量が高すぎると粘度が高くなり取り扱いが困難となる傾向があり、かかる重量平均分子量が低すぎると得られる硬化塗膜の屈曲性と硬度のバランスが低下する傾向がある。
この反応生成物とジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(a1)との付加反応においては、反応系の残存イソシアネート基含有率が0.5重量%以下になる時点で反応を終了させることにより、ウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A)が得られる。
かかる触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、トリメチル錫ヒドロキシド、テトラ−n−ブチル錫、ビスアセチルアセトナート亜鉛、ジルコニウムトリス(アセチルアセトネート)エチルアセトアセテート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等の有機金属化合物、オクテン酸錫、ヘキサン酸亜鉛、オクテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、塩化第1錫、塩化第2錫、酢酸カリウム等の金属塩、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等のアミン系触媒、硝酸ビスマス、臭化ビスマス、ヨウ化ビスマス、硫化ビスマス等の他、ジブチルビスマスジラウレート、ジオクチルビスマスジラウレート等の有機ビスマス化合物や、2−エチルヘキサン酸ビスマス塩、ナフテン酸ビスマス塩、イソデカン酸ビスマス塩、ネオデカン酸ビスマス塩、ラウリル酸ビスマス塩、マレイン酸ビスマス塩、ステアリン酸ビスマス塩、オレイン酸ビスマス塩、リノール酸ビスマス塩、酢酸ビスマス塩、ビスマスリビスネオデカノエート、ジサリチル酸ビスマス塩、ジ没食子酸ビスマス塩等の有機酸ビスマス塩等のビスマス系触媒等が挙げられ、中でも、ジブチル錫ジラウレート、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセンが好適である。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
かかる重量平均分子量が高すぎると粘度が高く取り扱いが困難になる傾向があり、かかる重量平均分子量が低すぎると得られる硬化塗膜の屈曲性が低下する傾向がある。
なお、上記の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、上記と同様の方法により測定することができる。
なお、粘度の測定法はE型粘度計による。
かかるウレタン(メタ)アクリレートの含有量が少なすぎると本願発明の効果が十分に得られない傾向がある。
なお、光重合開始剤は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
光重合開始剤の含有量が少なすぎると、硬化不良となり膜形成がなされ難い傾向があり、多すぎると硬化塗膜の黄変の原因となり、着色の問題が生じ易くなる傾向がある。
なお、粘度の測定法はE型粘度計による。
以下、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなるコーティング剤について説明する。
本発明のコーティング剤は、基材に塗工した後(有機溶剤で希釈した組成物を塗工した場合には、さらに乾燥させた後)、活性エネルギー線を照射することにより硬化させることができる。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。
<製造例1>
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー及び窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート150g(0.67モル)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(水酸基価165mgKOH/g;水酸基価から計算される分子量680)150g(0.22モル)、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、80℃で反応させた。残存イソシアネート基が12.7%以下となった時点で、水酸基価98mgKOH/gのジペンタエリスリトールのアクリル酸付加物700g(1.21モル)、重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.4g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.05gを仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A−1)を得た。
得られたウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A−1)の重量平均分子量は7,000、60℃での粘度は15,000mPa・sであった。
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー及び窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート100g(0.45モル)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(水酸基価165mgKOH/g;水酸基価から計算される分子量680)100g(0.15モル)、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、80℃で反応させた。残存イソシアネート基が12.7%以下となった時点で、水酸基価98mgKOH/gのジペンタエリスリトールのアクリル酸付加物800g(1.40モル)、重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.4g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.05gを仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A−2)を得た。
得られたウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A−2)の重量平均分子量は12,000、60℃での粘度は5,000mPa・sであった。
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー及び窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート100g(0.45モル)、ポリカーボネートジオール(水酸基価145mgKOH/g;水酸基価から計算される分子量774)100g(0.13モル)、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、80℃で反応させた。残存イソシアネート基が12.7%以下となった時点で、水酸基価98mgKOH/gのジペンタエリスリトールのアクリル酸付加物800g(1.40モル)、重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.4g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.05gを仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A−3)を得た。
得られたウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A−3)の重量平均分子量は5,000、60℃での粘度は6,400mPa・sであった。
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー及び窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート100g(0.45モル)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(水酸基価165mgKOH/g;水酸基価から計算される分子量680)100g(0.15モル)、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、80℃で反応させた。残存イソシアネート基が12.7%以下となった時点で、水酸基価50mgKOH/gのジペンタエリスリトールのアクリル酸付加物800g(0.71モル)、重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.4g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.05gを仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A’−1)を得た。
得られたウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A’−1)の重量平均分子量は4,300、60℃での粘度は3,800mPa・sであった。
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー及び窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート159.5g(0.72モル)、水酸基価98mgKOH/gのジペンタエリスリトールのアクリル酸付加物840.5g(1.48モル)、重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.6g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.05gを仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A’−2)を得た。
得られたウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A’−2)の重量平均分子量は4,700、60℃での粘度は65,000mPa・sであった。
上記製造例1で得られたウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A−1)100部に、酢酸エチル100部、光重合開始剤としてα−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤(BASF社製、「イルガキュア184」)を4部配合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
上記製造例2で得られたウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A−2)100部に、酢酸エチル100部、光重合開始剤としてα−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤(BASF社製、「イルガキュア184」)を4部配合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
上記製造例3で得られたウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A−3)100部に、酢酸エチル100部、光重合開始剤としてα−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤(BASF社製、「イルガキュア184」)を4部配合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
上記比較製造例1で得られたウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A’−1)100部に、酢酸エチル100部、光重合開始剤としてα−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤(BASF社製、「イルガキュア184」)を4部配合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
上記比較製造例2で得られたウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A’−2)100部に、酢酸エチル100部、光重合開始剤としてα−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤(BASF社製、「イルガキュア184」)を4部配合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
水酸基価98mgKOH/gのジペンタエリスリトールのアクリル酸付加物100部に、酢酸エチル100部、光重合開始剤としてα−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤(BASF社製、「イルガキュア184」)を4部配合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
上記の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、易接着層を設けたPETフィルム上にバーコーターを用いて、乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗工し、60℃で3分間乾燥させた。その後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから5.1m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量500mJ/cm2)を行い、硬化塗膜を製造した。
得られた硬化塗膜について下記の評価を行なった。
上記硬化塗膜について、JIS K 5600−5−4に準じて鉛筆硬度を測定した。
上記硬化塗膜について、100gの荷重をかけたスチールウール#0000を、硬化塗膜表面で10往復させた後の表面の傷付き度合いを目視により観察し、以下の評価基準により評価した。
(評価基準)
○・・・傷がつかなかったもの
△・・・多少傷が付いたもの
×・・・塗膜が傷つきにより白化したもの
上記硬化塗膜について、円筒形マンドレル屈曲試験機を用いて耐屈曲性の評価を行った。評価用硬化塗膜を試験棒に巻き付けた際に割れ又は剥がれが生じる最大の径に基づいて下記の評価基準により評価した。
(評価基準)
○・・・5mm以下で割れ又は剥がれが生じたもの
△・・・5mmを超えて10mm以下で割れ又は剥がれが生じたもの
×・・・10mmを超えて割れ又は剥がれが生じたもの
上記硬化塗膜について、10cm×10cm四方にサンプルを切り出して水平な面に置き、四隅の浮き上がりの平均値を測定し、下記の評価基準により評価した。
(評価基準)
○・・・浮きが2mm以下であったもの
△・・・2mmを超えて5mm以下の浮きがあったもの
×・・・5mmを超える浮きがあったもの
Claims (6)
- 水酸基価が60mgKOH/g以上であるジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物(a1)、多価イソシアネート系化合物(a2)及びポリオール系化合物(a3)を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- ポリオール系化合物(a3)の重量平均分子量が、200〜10,000であることを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- ウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A)の重量平均分子量が、3,000〜100,000であることを特徴とする請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- ウレタン(メタ)アクリレート系組成物(A)の60℃における粘度が、2,000〜200,000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の60℃における粘度が、500〜200,000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなることを特徴とするコーティング剤。
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