JP2018197283A - 硬化型組成物 - Google Patents

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Yasuyuki Sanai
康之 佐内
橋本 直樹
Naoki Hashimoto
直樹 橋本
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Abstract

【課題】低照度の活性エネルギー線でも硬化性に優れ、得られる硬化膜が基材に対する密着性、特にプラスチック基材に対する密着性に優れ、表面硬度が良好でハードコート剤として好ましく使用可能であり、さらに高湿度下においても良好な防曇性を有し、さらに硬化膜表面を払拭しても防曇性が十分に持続する硬化性組成物の提供。
【解決手段】下記(A)〜(D)成分及び水を含む硬化型組成物。
(A)成分:エチレン性不飽和基、及びカチオン性単位とアニオン性単位を含むイオン性基を有する化合物
(B)成分:エチレン性不飽和基と水酸基を有する化合物
(C)成分:エチレン性不飽和基と酸性基を有する化合物
(D)成分:エチレン性不飽和基と塩基性基を有する化合物
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化型組成物に関し、好ましくは活性エネルギー線硬化型組成物に関する。本発明の組成物の硬化膜は、プラスチック基材への密着性に優れ、プラスチック表面の曇り止め(防曇コーティング剤)やプラスチックへの埃等の付着防止を目的としたコーティング剤として好ましく使用することができ、これら技術分野に属する。
尚、本明細書においては、アクリレート及び/又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと表し、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と表し、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と表す。
活性エネルギー線硬化型組成物は、紫外線、可視光線及び電子線等の活性エネルギー線をごく短時間照射することで硬化可能であり、生産性が高いことから各種基材向けインキやコーティングとして幅広く用いられている。
プラスチック板やプラスチックフィルム等のプラスチック基材は、表面の傷付き等を防止する目的でハードコート剤で表面を保護されるが、当該用途にも活性エネルギー線硬化型組成物が使用されている。
プラスチック基材は透明性が高いため、保護眼鏡、ゴーグル、浴室の内壁、自動車やオートバイ等のヘッドランプカバー及びリアランプカバー等に使用されるが、高温多湿の場所又は温度差や湿度差が大きい場所で使用された場合においては、その表面に結露が生じるため曇り、透明性が失われることがある。
これらの問題を解決するために、従来より、非反応性の界面活性剤からなる防曇性組成物を基材表面に塗工する方法が行われているが、この方法は、塗工後の初期においては防曇効果が発揮されるものの、一旦処理面を払拭すると防曇性が低下してしまう、すなわち防曇持続性に欠けるものであった。
又、有機溶剤で希釈された親水性のポリマーからなる防曇性組成物を、基材表面に塗工する方法もあるが、その硬化膜硬度が不十分であり、耐溶剤性が不十分である上、防曇性も満足がいくものではなかった。
上記問題を解決するため、近年、紫外線及び電子線等の活性エネルギー線により硬化する防曇性組成物が提案されている。具体的には、親水性基含有紫外線硬化型樹脂と親水性基非含有紫外線硬化型硬化性樹脂からなる防曇組成物(特許文献1)や、親水性のポリマーと各種親水性(メタ)アクリレートからなる防曇性組成物が提案されている(特許文献2)。
しかしながら、これらの組成物では、高湿度下の環境においては、防曇性が発現しないという問題があった。
又、親水性モノマーと非反応性界面活性剤からなる防曇性組成物も提案されているが(特許文献3)、当該組成物は、硬化膜表面を払拭すれば防曇性が低下してしまい、防曇持続性に欠けるものであった。
さらに、特定の(メタ)アクリレートと当該(メタ)アクリレートと反応性を有する界面活性剤とを組み合わせた組成物が、表面硬度に優れ、防曇持続性に優れると提案されている(特許文献4)。
しかしながら、当該組成物で使用される(メタ)アクリレートは比較的分子量が大きいオリゴマーであるため、相対的に分子全体に占める(メタ)アクリロイル基のモル分率が低いために、表面硬度は不十分であり、又(メタ)アクリレートの親水性も不十分であり、防曇性の改善が必要であった。又、当該組成物で良好な防曇性を得るためには、界面活性剤の配合量を多くせざるを得ず、ハードコート性との両立が困難であった。
本発明者らは、得られる硬化膜が基材に対する密着性、特にプラスチック基材に対する密着性に優れ、表面硬度が良好でハードコート剤として好ましく使用可能であり、さらに高湿度下においても良好な防曇性を有し、さらに硬化膜表面を払拭しても防曇性が十分に持続する硬化性組成物を見出すため鋭意検討を行った結果、特定の(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和基とイオン性基を有する化合物を含む組成物(特許文献5)、及びエチレン性不飽和基とイオン性基を有する化合物と親水性のエチレン性不飽和基を有する化合物を含み、アルコール系溶剤等のエチレン性不飽和基を有しない水酸基含有化合物をほとんど含まない組成物(特許文献6)を見出した。
特開昭55−69678号公報 特開平3−31369号公報 特開平3−215589号公報 特開平11−140109号公報 特願2017−045766号明細書 特願2017−093559号明細書
本発明者らが見出した前記組成物は、前記した各種性能に優れるものの、薄膜で塗工された場合において、空気中の酸素による硬化阻害等の影響等により硬化性が不十分となることがあったり、又、紫外線照射ランプを低照度で硬化させる必要がある用途や紫外線の光源としてUV−LEDを使用する場合においては、硬化性が不十分となる場合があった。
本発明者らは、低照度の活性エネルギー線でも硬化性に優れ、得られる硬化膜が基材に対する密着性、特にプラスチック基材に対する密着性に優れ、表面硬度が良好でハードコート剤として好ましく使用可能であり、さらに高湿度下においても良好な防曇性を有し、さらに硬化膜表面を払拭しても防曇性が十分に持続する硬化性組成物を見出すため鋭意検討を行った。
本発明者らは、上記課題を解決するためには、エチレン性不飽和基とイオン性基を有する化合物、エチレン性不飽和基を有する親水性の化合物、エチレン性不飽和基と酸性基を有する化合物、エチレン性不飽和基と塩基性基を含む化合物及び水を含む組成物が、低照度においても酸素による硬化阻害が少なく硬化性に優れるうえ、表面硬度に優れ、防曇性及びその持続性に優れる硬化膜を形成することを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の組成物によれば、低照度の活性エネルギー線でも硬化性に優れるため、低照度で硬化させる必要がある用途やUV−LEDのような光源を用いたとしても、空気下、薄膜でもコーティングとして十分な性能を有する硬化膜が得られる。さらに、形成される硬化膜はプラスチック基材への密着性が良好で表面硬度が高く、良好な防曇持続性を発現する。
このため、本発明の組成物は、硬化膜にこれらの性能が要求される保護眼鏡、ゴーグル等のコーティング、自動車やオートバイ等のヘッドランプやリアランプカバーのコーティング剤等に好ましく適用することができる。
本発明は、下記(A)〜(D)成分及び水を含む硬化型組成物に関する。
(A)成分:エチレン性不飽和基、及びカチオン性単位とアニオン性単位を含むイオン性基を有する化合物
(B)成分:エチレン性不飽和基と水酸基を有する化合物
(C)成分:エチレン性不飽和基と酸性基を有する化合物
(D)成分:エチレン性不飽和基と塩基性基を有する化合物
以下、必須成分である(A)〜(D)成分、水、その他の成分、及び使用方法等について説明する。
1.(A)成分
(A)成分は、エチレン性不飽和基、及びカチオン性単位とアニオン性単位を含むイオン性基を有する化合物である。
(A)成分は、組成物を硬化させることで、硬化膜に良好な防曇性や埃付着防止に必要な低い表面抵抗を与える成分である。
(A)成分は、エチレン性不飽和基が反応して硬化膜中にイオン性基を化学的に結合することで、硬化膜表面を濡らしたり払拭したりしても優れた防曇性を維持することができ、繰り返し防曇性に優れるものとすることができる。
(A)成分は、エチレン性不飽和基、及びカチオン性単位とアニオン性単位を含むイオン性基を有する化合物であれば、種々の化合物を使用することができる。
エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アリル基、ビニル基、スチリル基等を挙げることができる。
(A)成分のエチレン性不飽和基としては、後記する(B)〜(D)成分、並びに(A)〜(D)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(E)〔以下、「(E)成分」という〕との反応性が良好であり、かつ硬化性に優れることから、(メタ)アクリロイル基が好ましく、アクリロイル基がより好ましい。
(A)成分はイオン性基を有していることにより、組成物の硬化膜が本来有するハードコート性を損なうことなく防曇性や低い表面抵抗を得ることができるうえ、より少量の含有割合で当該効果を奏することができる。
(A)成分において、イオン性基としては強酸の塩が挙げられ、具体的にはスルホン酸アンモニウム、スルホン酸ナトリウム及びスルホン酸カリウム等のスルホン酸塩、アルキル硫酸アンモニウム、アルキル硫酸ナトリウム及びアルキル硫酸カリウム等のアルキル硫酸塩、並びにカルボン酸アンモニウム、カルボン酸ナトリウム及びカルボン酸カリウム等のカルボン酸塩等を挙げることができる。
(A)成分のイオン性基としては、より少量の配合量で所望の効果が得られることからアニオン性単位としてスルホン酸基及びアルキル硫酸基を有するスルホン酸基の塩及びアルキル硫酸基の塩が好ましい。
さらに、スルホン酸塩を構成するカチオン性単位である対カチオンとしては、第2級アンモニウムイオン、第3級アンモニウムイオン及び第4級アンモニウムイオンを挙げることができる。
具体的には、第2級アンモニウムイオンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−1−プロピルアミン、ジ−2−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−2−ブチルアミン、ジ−1−ペンチルアミン、ジ−2−ペンチルアミン、ジ−3−ペンチルアミン、ジネオペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジ−1−ヘキシルアミン、ジ−2−ヘキシルアミン、ジ−3−ヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、メチルエタノールアミン及びエチルエタノールアミンがプロトン化されたイオン等が挙げられる。
第3級アンモニウムイオンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−1−プロピルアミン、トリ−2−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−2−ブチルアミン、トリ−1−ペンチルアミン、トリ−2−ペンチルアミン、トリ−3−ペンチルアミン、トリネオペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリ−1−ヘキシルアミン、トリ−2−ヘキシルアミン、トリ−3−ヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、ジメチルエタノールアミン、エチルメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ラウリルジエタノールアミン及びビス(2−メトキシエチル)メチルアミンがプロトン化されたイオン等が挙げられる。
これらの中でも、メチルエタノールアミン、エチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、又はラウリルジエタノールアミンがプロトン化されたイオンであることが好ましく、メチルエタノールアミン、エチルエタノールアミン、又はラウリルジエタノールアミンがプロトン化されたイオンであることがより好ましく、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン又はエチルエタノールアミンがプロトン化されたイオンであることが好ましく、エチルエタノールアミンがプロトン化されたイオンであることが特に好ましい。
(A)成分のイオン性基は、アルキル基、アルキルベンゼン基及びアルキレンオキサイド基等を介してエチレン性不飽和基に結合する化合物が好ましい。
(A)成分としては、下記(A−1)及び(A−2)成分が例示でき、いずれも使用可能である。
(A−1)成分:1分子中にエチレン性不飽和基及びカチオン性基を有する化合物と、対イオンとしてアニオン性化合物とからなる化合物
(A−2)成分:1分子中にエチレン性不飽和基及びアニオン性基を有する化合物と、対イオンとしてカチオン性化合物とからなる化合物
(A−1)成分は、1分子中にエチレン性不飽和基及びカチオン性基を有する化合物と、対イオンとしてアニオン性化合物とからなる化合物である。
1分子中にエチレン性不飽和基及びカチオン性基を有する化合物におけるカチオン性基としては、例えばアンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピロリニウムイオン、ピペリジニウムイオン、ピラジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、トリアゾリウムイオン、トリアジニウムイオン、キノリニウムイオン、イソキノリニウムイオン、インドリニウムイオン、キノキサリニウムイオン、ピペラジニウムイオン、オキサゾリニウムイオン、チアゾリニウムイオン、及びモルホリニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種が例示できる。
1分子中にエチレン性不飽和基及びカチオン性基を有する化合物の具体例としては、ジメチルモノ(メタ)アクリル酸エチルアンモニウムイオン〔ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級アンモニウムイオン〕、及びジエチルモノ(メタ)アクリル酸エチルアンモニウムイオン〔ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級アンモニウムイオン〕等のジアルキルモノ(メタ)アクリル酸アルキルアンモニウムイオン、並びに1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−(メタ)アクリレートピペリジニウムイオン等を好適なものとして挙げることができる。
尚、上記のアンモニウムイオンにおいて、N上の置換基であることを示す「N−」や「N,N−」等の記載は省略する。
対イオンとしてアニオン性化合物としては、スルホン酸誘導体、臭化物イオン及びトリフラート等のハロゲン系アニオン性化合物、テトラフェニルボレート等のホウ素系アニオン性化合物、並びにヘキサフルオロホスフェート等のリン系アニオン性化合物等が挙げられる。
前記アニオン性化合物としては、スルホン酸誘導体が好ましく、具体例としては、アルコキシポリエチレングリコールスルホン酸等のポリオキシアルキレン単位を有するスルホン酸、及びイソプロピルベンゼンスルホン酸等のアルキル基含有芳香族スルホン酸等が挙げられる。
(A−1)成分としては、ジアルキルモノ(メタ)アクリル酸アルキルアンモニウムイオンと、スルホン酸の塩が好ましい。さらに、スルホン酸の塩としては、ポリオキシアルキレン単位を有するスルホン酸の塩が好ましい。
当該化合物としては、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2018197283
〔前記式(1)において、R1は、水素又はメチル基を表し、R2は、分岐していても良い炭素数が1〜12のアルキレン基を表し、R3及びR4は、それぞれ独立して、分岐していても良い炭素数1〜10のアルキル基を表し、X-は、アルキル硫酸イオン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸イオン、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸イオン、アルキルスルホン酸イオン及びアルキルベンゼンスルホン酸イオンを表す。〕
3及びR4は、分岐していても良い炭素数が1〜12のアルキレン基である。その具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基及びブチレン基等が挙げられる。
3及びR4は、それぞれ独立して、分岐していても良い炭素数1〜10のアルキル基である。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等が挙げられる。
-は、アルキル硫酸イオン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸イオン、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸イオン、アルキルスルホン酸イオン及びアルキルベンゼンスルホン酸イオンである。
良好な防曇性を発現するためには、(A)成分は硬化膜表面近傍に存在する必要があるが、一般的に組成物塗工後の塗膜表面には疎水性が強い成分が配向しやすい。よって、これらの基におけるアルキル基としては、疎水性が高くなるように炭素数が6以上のアルキル基が好ましく、炭素数6〜20のアルキル基が好ましい。
これらの基におけるポリオキシアルキレン単位の例としては、ポリオキシエチレン単位、ポリオキシプロピレン単位、及びポリオキシテトラメチレン単位等が挙げられる。
(A−1)成分は、市販品を使用することができる。
例えば、分子中に(メタ)アクリロイル基とアンモニウムイオンを有し、対イオンを有する化合物としては、広栄化学工業(株)製商品名「IL−MA1」、「IL−MA2」及び「IL−MA3」;
アクリロイル基とアンモニウムイオンを有し、対イオンを有する化合物としては、日本乳化剤(株)製商品名「JI−62C01」及び「JI−63F01」;並びに
メタクリロイル基とアンモニウムイオンを有し、対イオンとしてアルキル硫酸を有する化合物としては、日本乳化剤(株)製商品名「JNA−04006」等が挙げられる。
(A−2)成分は、1分子中にエチレン性不飽和基及びアニオン性基を有する化合物と、対イオンとしてカチオン性化合物とからなる化合物である。
(A−2)成分の具体例としては、アニオン性基がスルホン酸基の例としては以下の例が挙げられる。
即ち、カチオン性化合物がアンモニウムイオンの例である、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム塩、α−スルホ−ω−(1−(アルコキシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ)−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)アンモニウム塩、ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート硫酸エステルアンモニウム塩、
カチオン性化合物がナトリウムイオンである、2−ソディウムスルホエチルメタクリレート、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩、(メタ)クリロイルポリオキシアルキレン硫酸ナトリウム塩、及びビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート硫酸エステルナトリウム塩等を挙げることができる。
(A−2)成分としては、市販品を使用することができる。
その具体例としては、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩としては、第一工業製薬(株)製の商品名「アクアロンKH−10」及び「アクアロンKH−1025」、「アクアロンKH−05」;
ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム塩としては、第一工業製薬(株)製の商品名「アクアロンHS−10」、「アクアロンHS−1025」、「アクアロンBC−0515」、「アクアロンBC−10」、「アクアロンBC−1025」及び「アクアロンBC−20」及び「アクアロンBC−2020」;
α−スルホ−ω−(1−(アルコキシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ)−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)アンモニウム塩としては、(株)ADEKA社製の商品名「アデカリアソープSR−10」、「アデカリアソープSR−20」「アデカリアソープSR−1025」及び「アデカリアソープSR−3025」;
ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート硫酸エステル塩としては、日本乳化剤(株)製の商品名「アントックス MS−60」;
アルキル・アリルサクシネートスルホン酸ナトリウム塩としては、日本乳化剤(株)製の商品名「アントックス SAD」;、
2−ソディウムスルホエチルメタクリレートとしては、日本乳化剤(株)製の商品名「アントックス MS−2N」;
アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩としては、三洋化成工業社(株)製の商品名「エレミノールJS−20」;並びに
メタクリロイルポリオキシアルキレン硫酸ナトリウム塩としては、三洋化成工業(株)製の商品名「エレミノールRS−3000」等が挙げられる。
(A)成分において、(A−1)と(A−2)成分を目的に応じて選択すれば良い。
(A)成分としては、(A−1)成分が、(A−2)成分と比較して防曇持続性により優れるため好ましい。
(A−1)成分の防曇持続性により優れる理由の詳細は不明であるが、おそらく(A−2)成分の対イオンがナトリウム及びカリウム等の金属塩の場合は、親水性が極めて高いために水と接触するとこれらが容易に硬化膜から溶出し、防曇性が持続しにくいものと考えられる。アンモニウム塩等非金属の対イオンを用いれば親水性は若干低くなり防曇持続性の向上が期待されるものの、一般的に入手可能な化合物は比較的低分子量のものに限られるため、経時での溶出を十分に防ぐことができず防曇持続性が不十分になるものと考えられる。これに対して、(A−1)成分の対イオンであるアニオン性化合物、具体的にはアルキルスルホン酸塩やアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸のようなやや疎水性を有する対イオンの方が、硬化膜表面の水分による溶出が少なくなるものと推測している。又、これらのアニオン性化合物がポリオキシアルキレンエーテル構造を有すると、ラジカル重合過程においてエーテル基上に生成したラジカルの作用により硬化膜と化学結合が形成されるため、防曇持続性が一層向上するものと考えられる。
さらに、紫外線照射量が上昇した場合においては、(A−1)と(A−2)成分を併用することが好ましい。これは、紫外線照射量が上昇すると硬化膜表面の架橋密度が高くなることで、防曇性能を発現する成分の運動性が低下し、防曇性能が低下する恐れがある。安定した防曇性を発現するためには、(B)〜(E)成分と共重合性が大きく異なり、(A)成分の濃度を局所的に高くする設計とすることが好ましく、具体的には(A−1)と(A−2)成分を併用することで、この目的を達成することができる。
(A)成分は、常温では固体であることが多く、組成物への配合し易さ等の取り扱い上の問題から、有機溶剤や反応性希釈剤で希釈したものが好ましい。
有機溶剤としては、水酸基を有する化合物であって、エチレン性不飽和基を有しない化合物〔以下、「(F)成分」という〕以外の化合物を使用することが好ましい。(F)成分以外の有機溶剤としては、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、並びに酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。
反応性希釈剤の例としては、後記する(B)及び(E)成分等が挙げられる。
(A)成分の含有割合としては目的に応じて適宜設定すれば良く、(A)及び(B)成分合計100重量%中に(A)成分を2〜60重量%含むことが好ましく、より好ましくはより好ましくは4〜20重量%である。
(A)成分の割合を2重量%以上含むことにより、硬化膜の防曇性が優れるものとなり、60重量%以下とすることより、防曇性を付与するために十分な親水性と、長時間高温・高湿度下にさらされても吸水による膨潤剥離のない耐水性とを両立した硬化膜となる。
又、後記(E)成分を含む場合は、(A)、(B)及び(E)成分の合計100重量%中に1〜30重量%含むことが好ましく、より好ましくは3〜20重量%であり、この範囲とすることで前記と同様の効果を奏する。
2.(B)成分
(B)成分は、エチレン性不飽和基と水酸基を有する化合物であり、硬化膜の密着性及び硬度を向上させるための成分である。
又、(A)成分を製造する工程においては、アルキル硫酸アンモニウムやスルホン酸アンモニウムを原料として用いるが、製造工程においてこれらから発生するアンモニアが(A)成分のエチレン性不飽和結合に付加する反応も起こり、エチレン性不飽和基がアミノ基に変換されてしまう(以下、「副生成物A−AM」という)。よって、前記と同様に、副生成物A−AMは組成物の硬化膜中に化学結合しておらず、硬化膜表面の水分により洗い流され、硬化膜中に(A)成分に由来するイオン性基が消失してしまい、防曇性持続性が低下してしまう。
(B)成分のエチレン性不飽和基は、副生成物A−AMのアミノ基と反応することができる。さらに、(B)成分は副生成物A−AMと反応したとしても、(B)成分に由来するエチレン性不飽和基を有するために、硬化膜中に(A)成分に由来するイオン性基を取り込むことができる。
(B)成分のエチレン性不飽和基としては、組成物の硬化性に優れることから、(メタ)アクリロイル基が好ましく、アクリロイル基がさらに好ましい。
(B)成分の好ましい例としては、水酸基と1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物〔以下、「水酸基含有単官能(メタ)アクリレート」という〕、及び水酸基と2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物〔以下、「水酸基含有多官能(メタ)アクリレート」という〕
水酸基含有単官能(メタ)アクリレートの例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのモノ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート等のポリオールのモノ(メタ)アクリレート;並びに
これらポリオールアルキレンオキサイド付加物のモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水酸基含有多官能(メタ)アクリレートの例としては、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンのジ又はトリ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールのジ、トリ、テトラ又はペンタ(メタ)アクリレートのポリオールのポリ(メタ)アクリレート;
これらポリオールアルキレンオキサイド付加物のポリ(メタ)アクリレート;
イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート;並びに
イソシアヌル酸アルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
この場合アルキレンオキサイド付加物におけるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びテトラメチレンオキサイド等を挙げることができる。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物以外の例としては、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
これら化合物の中でも、水酸基含有多官能(メタ)アクリレートが、硬化膜が繰り返し防曇性に優れるうえ、表面硬度に優れるとのとなる点で好ましい。その具体例は前記した通りである。
(B)成分の含有割合としては目的に応じて適宜設定すれば良く、(A)及び(B)成分の合計100重量%中に、(B)成分を40〜98重量%を含むことが好ましく、より好ましくは80〜97重量%である。
(B)成分の割合を40重量%以上含むことにより、プラスチックへの密着性に優れたものとなり、98重量%以下とすることより、防曇性に優れたものとなる。
又、後記(E)成分を含む場合は、(A)、(B)及び(E)成分の合計100重量%中に20〜97重量%含むことが好ましく、より好ましくは40〜80重量%であり、この範囲とすることで前記と同様の効果を奏する。
3.(C)成分
(C)成分は、分子中にエチレン性不飽和基と酸性基を有する化合物である。
(C)成分は、組成物の硬化性を向上させる成分である。又、(D)成分が塩基性基としてアミノ基を有する場合は臭気や揮発性が問題となる場合があるが、(C)成分で中和することでこれらの問題を解決する成分でもある。
(C)成分のエチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アリル基、ビニル基及びスチリル基等を挙げることができ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
(C)成分としては、エチレン性不飽和基を1個有する化合物が好ましくい、(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物がより好ましい。
(C)成分の酸性基としては、酸性度が高い酸性基が好ましく、スルホン酸基、アルキル硫酸基及びリン酸基等が挙げられる。(C)成分としては、酸性基を1個有する化合物が好ましい。
(C)成分の具体例としては、スルホン酸基を有する化合物として、例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−〔(メタ)アクロイルオキシ〕エタンスルホン酸等のスルホアルキル(メタ)アクリレート、ビニルスルホン酸、及びアリルスルホン酸等が挙げられる。
アルキル硫酸基を有する化合物としては、(メタ)アクリロイルオキシプロピレン硫酸、ポリオキシエチレン−1−((メタ)アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸アルキル(メタ)アリルスルホコハク酸、及び({α−[2−(メタ)アリルオキシ)−1−({[アルキル(C=10〜14)]オキシ}メチル)エチル]−ω−ヒドロキシポリ(n=1〜100)(オキシエチレン)}を主成分とする、{アルカノール(C=10〜14、分岐型)と1−((メタ)アリルオキシ)−2,3−エポキシプロパンの反応生成物}のオキシラン重付加物)の硫酸エステル化物等が挙げられる。
リン酸基を有する化合物としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等が挙げられる。
これら化合物の中でも、組成物が硬化性により優れるものとなるため2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が好ましく、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸がより好ましい。
(C)成分は、固体状である場合は、あらかじめ水に溶解させて使用することが好ましい。
(C)成分としては、前記した化合物の1種類のみを使用しても、2種類以上を組み合わせ使用しても良い。
(C)成分の含有割合としては目的に応じて適宜設定すれば良く、(A)及び(B)成分合計100重量部に対して、後記(E)成分を含む場合は、(A)、(B)及び(E)成分の合計100重量部に対して1〜30重量部含むことが好ましく、より好ましくは3〜15重量部である。
(C)成分の割合を1重量部以上含むことにより、組成物の硬化を向上させることができ、30重量部以下とすることより、組成物の長期安定性を良好なものとすることができる。
尚、以下において、(A)及び(B)成分又は(A)、(B)及び(E)成分を「硬化膜形成成分」という。
4.(D)成分
(D)成分は、エチレン性不飽和基と塩基性基を有する化合物である。
一般に、(C)成分は親水性が強く、(メタ)アクリレートとの相溶性が悪い。(D)成分は、(C)成分を中和することで、(C)成分に(メタ)アクリレートとの相溶性を付与し、組成物の設計の自由度を向上させることができる。
(D)成分の塩基性基としては、アミノ基及びイミノ基等が挙げられ、(B)成分及び後記する(E)成分との相溶性に優れることからアミノ基が好ましく、3級アミノ基がより好ましい。又、アミノ基を有する化合物は、組成物を薄膜で塗工し空気中で活性エネルギー線照射して硬化させる場合、アミノ基の作用により酸素阻害の影響を低減させることができる。
(D)成分としては、塩基性基を1個有する化合物が好ましい。
(D)成分のエチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アリル基、ビニル基及びスチリル基等を挙げることができ、(A)〜(C)成分及び(E)成分との反応性が良好であり、かつ硬化性に優れることから、(メタ)アクリロイル基が好ましく、アクリロイル基がより好ましい。
(D)成分としては、エチレン性不飽和基を1個有する化合物が好ましくい、(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物がより好ましい。
(D)成分の好ましい具体例としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート及び1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリルアミド化合物(以下、「単官能(メタ)アクリルアミド」という)等が挙げられる。
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びN,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリルアミドとしては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
(D)成分としては、前記した化合物の中でもジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートがより好ましい。
(D)成分としては、前記した化合物の1種類のみを使用しても、2種類以上を組み合わせ使用しても良い。
(D)成分の含有割合としては、(C)成分1モルに対して、0.6〜1.5モルが好ましく、0.8〜1.2モルがより好ましい。
(D)成分の割合を0.6モル以上とすることで、(C)成分の経時安定性を良好なものとすることができ、1.5モル以下とすることで、組成物の臭気や過剰な(D)成分が揮発することで発生する硬化膜の外観不良(ゆず肌等)を防ぎ、作業性を向上させ、外観に優れた硬化膜とすることができる。
5.水
本発明の組成物は、水を含む。これにより、(C)及び(D)成分を組成物に溶解させることができる。
水の含有割合としては、(C)成分の合計100重量部に対して、10〜1000重量部が好ましく、より好ましくは20〜500重量部である。水の割合を10重量部以上とすることで(C)成分を水に溶解させることができ、又1000重量部以下とすることで塗工後に水を揮発するための乾燥温度を低くしたり、乾燥時間を短くすることができ、基材が熱に弱いプラスチックである場合も基材の変形や劣化を防ぐことができる。
6.硬化型組成物
本発明は、前記(A)〜(D)成分及び水を含む硬化型組成物である。
本発明の組成物の製造方法としては、必須成分である(A)〜(D)成分及び水、並びに必要に応じて後記するその他の成分を撹拌・混合すれば良い。
組成物の製造方法としては、(C)成分は固体状や固体粉末状である場合が多いため、あらかじめ(C)成分を水に溶解させ水溶液とした後に、(A)、(B)及び(D)成分、並びにその他の成分を撹拌・混合する方法、並びに(C)成分を水に溶解させ水溶液とした後に、(D)成分を添加して水溶液とし、当該水溶液と(A)及び(B)成分、並びにその他の成分を撹拌・混合する方法が好ましい。
このときに加える水の量は前記した好ましい範囲とするが、(B)成分が溶解可能な水分量、及び後記する(E)成分を用いる場合は、(B)及び(E)成分が相溶可能な水分量とする必要がある。この場合の水のより好ましい割合としては、(C)成分と当量(重量部)である。
(A)〜(D)成分及び水、並びに必要に応じて後記するその他の成分を混合する場合、必要に応じて加熱して撹拌しても良い。加熱して撹拌・混合する場合の温度としては、40〜90℃の範囲であることが好ましい。但し、後記熱重合開始剤を配合する場合は、組成物製造時に重合することを防ぐために、30℃以下で行うことが好ましい。
組成物の粘度としては、使用する用途及び目的等に応じて適宜設定すれば良い。好ましい粘度としては、5〜10,000mPa・sであり、より好ましくは10〜1,000mPa・sである。粘度が高くなると薄膜で表面平滑性に優れる硬化膜を得られにくいため、適宜溶剤で所望の粘度に調整すればよい。
本発明において粘度とは、E型粘度計により25℃で測定した値を意味する。
本発明の組成物は、活性エネルギー線硬化型組成物として使用することも、熱硬化型組成物として使用することもできるが、活性エネルギー線硬化型組成物として好ましく使用することができる。
本発明の組成物は、前記(A)〜(D)成分及び水を必須成分とするものであるが、目的に応じて種々の成分を配合することができる。
その他成分としては、具体的には、(E)成分〔(A)〜(D)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物〕、光重合開始剤〔以下、「(G)成分」という〕、及び熱重合開始剤〔以下、「(H)成分」という〕等が挙げられる。
又、本発明の組成物は、水酸基を有する化合物であって、エチレン性不飽和基を有しない化合物〔以下、「(F)成分」という〕を含まないか、又は含む場合も少量であることが好ましい。
以下、これらの成分について説明する。
尚、後記するその他の成分は、例示した化合物の1種のみを使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
1)(E)成分
(E)成分は、前記(A)〜(D)以外のエチレン性不飽和基を有する化合物である。
(E)成分としては、1個のエチレン性不飽和基を有する化合物〔以下、「(E−1)成分」という〕及び2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物〔以下、「(E−2)成分」という〕等が挙げられる。
(E)成分としては、組成物の硬化性及び硬化物の表面硬度を向上させることができるため(E−2)成分が好ましい。
(1)(E−1)成分
(E−1)成分は、前記(A)〜(D)成分以外の1個のエチレン性不飽和基を有する化合物である。
(E−1)成分は、組成物の粘度やその他の物性を調整するために用いられる任意の成分であり、種々のものを使用することができる。
(E−1)成分の例としては、1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート〔以下、「単官能(メタ)アクリレート」という〕、及び1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリルアミド化合物〔以下、「単官能(メタ)アクリルアミド」という〕等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の脂環式基を有する単官能(メタ)アクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンスピロ−2−(1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、3−エチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基を有する単官能(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノキシ(メタ)アクリレート及びp−クミルフェノールエチレン(メタ)アクリレート等の芳香族単官能(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリロリルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等のマレイミド基を有する単官能(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリロイルモルホリン;
エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート等のアルキルカルビトール(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル基を有する単官能(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
単官能(メタ)アクリルアミドとしては、具体的には、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−sec−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド及びN−n−ヘキシル(メタ)アクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
(E−2)成分は、組成物の硬化性や表面硬度を良好なものとすることができる。
加えて、前記した通り、(A)成分には副生成物A−AMを含む。
(E−2)成分のエチレン性不飽和結合は、副生成物A−AMのアミノ基と反応し、当該反応物はエチレン性不飽和基を有するために、硬化膜中に(A)成分に由来するイオン性基を取り込むことができる。
(E−2)成分のエチレン性不飽和基としては、組成物の硬化性に優れることから、(メタ)アクリロイル基が好ましく、アクリロイル基がさらに好ましい。
(E−2)成分としては、2個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、「2官能(メタ)アクリレート」という)、及び3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、「3官能以上(メタ)アクリレート」という)等を挙げることができる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、具体的には、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート及びノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のジオールジ(メタ)アクリレート;
これらポリオールアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート
等を挙げることができる。
この場合アルキレンオキサイド付加物におけるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びテトラメチレンオキサイド等を挙げることができる。
3官能以上の(メタ)アクリレートとして、具体的には、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールのポリ(メタ)アクリレート;
これらポリオールアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート;
トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等;並びに
イソシアヌル酸アルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
この場合アルキレンオキサイド付加物におけるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びテトラメチレンオキサイド等を挙げることができる。
(3)含有割合
(E)成分の含有割合は、目的に応じて適宜設定すれば良く、硬化膜形成成分の合計量100重量%中に、60重量%以下が好ましく、より好ましくは2〜60重量%であり、特に好ましくは2〜50重量%である。
(E−1)成分の含有割合は、硬化膜形成成分の合計量100重量%中に、30重量%以下が好ましく、より好ましくは1〜30重量%であり、さらに好ましくは5〜25重量%であり、特に好ましくは10〜20重量%である。上記範囲であると、本発明の組成物の特徴である優れた基材密着性を損なうことなく物性の調節ができる。
(E−2)成分の含有割合としては、硬化膜形成成分合計100重量%中に2〜60重量%含むことが好ましく、より好ましくは10〜40重量%である。
(E−2)成分の割合を2重量%以上含むことにより、硬化膜のハードコート性に優れたものとなり、40重量%以下とすることより、防曇性に優れたものとなる。
2)(F)成分
本発明の組成物は、(F)成分である水酸基を有する化合物であって、エチレン性不飽和基を有しない化合物を含まないか、含む場合であっても少量含むものが好ましい。
具体的には、(A)成分の合計100重量部に対して(F)成分を5重量部以下の割合で含むものが好ましく、より好ましくは3重量部以下の割合で含むものであり、特に好ましく(F)成分を含まないものである。
(F)成分の含有割合を5重量部以下とすることで、組成物の硬化膜の繰り返し防曇性を向上させることができる。
(A)成分は、前記した通り、固体状の化合物であることが多いため、通常は、配合や混合の取り扱いを容易にするため(F)成分を有機溶剤として含むことが多い。
本発明者らの検討によれば、組成物中に(A)成分と(F)成分を含む場合、硬化膜の防曇性能が長期に維持しないとの問題があることを見出した。本発明者らは、この原因について鋭意検討した結果、以下の通りであると推測した。
即ち、(A)成分のイオン性基を構成する酸成分は、酸性度が高いために(A)成分の平衡は酸性側に偏っている。
(A)成分のイオン性基が、例えばアルキル硫酸やスルホン酸である場合、(A)成分から発生するアルキル硫酸やスルホン酸が酸性触媒となり、(A)成分のエチレン性不飽和基と(F)成分の水酸基との付加反応(マイケル付加反応)が促進される。そのため、(A)成分の有機溶剤としてアルコール系溶剤等の(F)成分を用いると、(A)成分はほとんどエチレン性不飽和結合を持たない化合物となってしまう(以下、「副生成物A−F」という)。
そのため、組成物を硬化させると、副生成物A−Fは硬化膜中に化学結合しておらず、硬化膜形成直後の防曇性は良好であるものの、硬化膜表面に付着した水分の影響により副生成物A−Fは洗い流され、硬化膜中に(A)成分由来のイオン性基が消失してしまうため、防曇持続性に問題があることが明らかとなった。
これに対して、(A)成分の合計100重量部に対して(F)成分を5重量部以下の割合とすることで、この問題を解消することができる。
前記の通り、組成物中に(A)成分と(F)成分を含む場合、(A)成分中のエチレン性不飽和基と(F)成分中の親水性基とが付加反応して副反応物A−Fを生成し、(A)成分中のエチレン性不飽和基が消失してしまう。
本発明においては(B)成分を含むことにより、(A)成分中のエチレン性不飽和基と(B)成分の水酸基が副反応して副反応物(以下、「副反応物A−B」という)を生成し、(A)成分中のエチレン性不飽和基が副反応により消失したとしても、副反応物A−B中には(B)成分に由来するエチレン性不飽和基を有し、これにより硬化膜中に(A)成分に由来するイオン性基が化学結合により取り込まれ、防曇性能の長期持続性に効果をもたらす。
(F)成分の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びブタノール等のアルコール化合物;エチレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノエーテル化合物;ダイアセトンアルコール等のアセトンアルコール等が挙げられる。
3)(G)成分
本発明の組成物を活性エネルギー線硬化型組成物として使用し、さらに電子線硬化型組成物として使用する場合は、(G)成分(光重合開始剤)を含有させず、電子線により硬化させることも可能である。
本発明の組成物を活性エネルギー線硬化型組成物として使用する場合において、特に、活性エネルギー線として紫外線及び可視光線を用いたときには、硬化の容易性やコストの観点から、(G)成分を更に含有することが好ましい。
電子線硬化型組成物として使用する場合は、必ずしも(G)成分を含有させる必要はないが、硬化性を改善させるため必要に応じて少量配合することもできる。
本発明における(G)成分としては、種々の公知の光重合開始剤を使用することができる。又、(G)成分としては、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
(G)成分の具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン}及び2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;
ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン及び4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルファイド等のベンゾフェノン系化合物;
メチルベンゾイルフォルメート、オキシフェニル酢酸の2−(2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ)エチルエステル及びオキシフェニル酢酸の2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステル等のα−ケトエステル系化合物;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド系化合物;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル及びベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系化合物;チタノセン系化合物;1−〔4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル〕−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフィニル)プロパン−1−オン等のアセトフェノン/ベンゾフェノンハイブリッド系光開始剤;
2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−〔4−(フェニルチオ)〕−1,2−オクタンジオン等のオキシムエステル系光重合開始剤;並びに
カンファーキノン等が挙げられる。
これらの中でも、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、及び、フォスフィンオキサイド系化合物が好ましく挙げられ、硬化膜を数μm以下の薄膜で塗工したときでも空気下で良好な硬化性を容易に得ることができることから、アセトフェノン系化合物が特に好ましく挙げられる。
(G)成分の含有割合は、硬化膜形成成分の合計量100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.5〜7重量部であることがより好ましく、1〜5重量部であることが特に好ましい。上記範囲であると、組成物の硬化性に優れ、又、得られる硬化膜の耐擦傷性に優れる。
4)(H)成分
(H)成分は熱重合開始剤であり、組成物を熱硬化型組成物として使用する場合には、(H)成分を配合することができる。
本発明の組成物は、熱重合開始剤を配合し、加熱硬化させることもできる。
熱重合開始剤としては、種々の化合物を使用することができ、有機過酸化物及びアゾ系開始剤が好ましい。
有機過酸化物の具体例としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジーメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
アゾ系化合物の具体例としては、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾジ−t−オクタン、アゾジ−t−ブタン等が挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。又、有機過酸化物は還元剤と組み合わせることによりレドックス反応とすることも可能である。
(H)成分の含有割合としては、硬化膜形成成分合計量100重量部に対して、10重量部以下が好ましい。
熱重合開始剤を単独で用いる場合は、通常のラジカル熱重合の常套手段にしたがって行えばよく、場合によっては(G)成分(光重合開始剤)と併用し、光硬化させた後にさらに反応率を向上させる目的で熱硬化を行うこともできる。
5)前記以外のその他の成分
前記以外のその他の成分としては、公知の添加剤を用いることができるが、例えば、有機溶剤、(A)成分以外の反応性界面活性剤、防曇改質剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸性物質、無機粒子、酸化防止剤、シランカップリング剤、表面改質剤、ポリマー、酸発生剤、顔料、染料、粘着性付与剤及び重合禁止剤等が挙げられる。
<有機溶剤>
本発明の組成物は無溶剤で使用することが可能であるが、塗工粘度や膜厚調整等の目的で種々の有機溶剤を用いることができる。
有機溶剤を使用する場合は、(F)成分に該当しない化合物が好ましく、具体的には、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族化合物;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン化合物;ジブチルエーテル等のエーテル化合物;並びにN−メチルピロリドン等が挙げられる。
尚、組成物の塗工直前であれば(F)成分を配合することもできる。
この場合の具体例としては、前記した化合物を挙げることができる。
有機溶剤の含有割合は、硬化膜形成成分合計量100重量部に対して、0.01〜200重量部であることであることが好ましく、10〜150重量部であることがより好ましく、20〜100重量部であることがさらに好ましい。
<(A)成分以外の反応性界面活性剤>
本発明の組成物には、高湿度下で硬化膜表面が吸湿したときなどに、硬化膜表面に虹模様の干渉縞が発生するのを防ぐ等の目的で、(A)成分以外の反応性界面活性剤〔以下、「(I)成分」という〕、即ち、エチレン性不飽和基を有し、イオン性基を有しないノニオン性の界面活性剤を配合することができる。
(I)成分としてはプロペニル基を有する反応性界面活性剤(I-1)〔以下、「(I-1)成分」という〕、(メタ)アリル基を有する反応性界面活性剤(I-2)〔以下、「(I-2)成分」という〕等が挙げられる。
(I-1)成分の具体例としては、プロペニルフェニル基とオキシアルキレン基を有する化合物であって、オキシアルキレン基の末端に水素原子又は硫酸塩を有する化合物〔以下、化合物I-1-1〕を例示することができる。
化合物I-1-1においては、プロペニルフェニル基が炭素数6〜30を有するアルキル基で置換されていても良い。アルキル基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基及びエイコシル基等が挙げられる。
オキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基等が挙げられ、オキシエチレン基が好ましい。オキシアルキレン基単位の繰り返し数としては、1〜50が好ましい。
硫酸塩としては、アルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアルカノールアミン残基等が挙げられる。
化合物I-1-1の好ましい例としては、下記式(2)で表される化合物がある。
Figure 2018197283
式(2)において、aは1〜50の数であり、好ましくは1〜20である。X1は水素原子又は硫酸塩〔−SO3L、Lとしては、アルカリ金属、NH4及びアルカノールアミン残基〕であり、水素原子であることが、硬化膜の防曇持続性に優れるため好ましい。
当該化合物は市販されており、例えば、(株)第一工業製薬のアクアロンRN−20、アクアロンRN−2025、アクアロンRN−30、アクアロンRN−50、アクアロンHS−5、アクアロンHS−10等が挙げられる。
(I-2)成分の具体例としては、アルキルフェニル基、(メタ)アリル基及びオキシアルキレン基を有する化合物であって、オキシアルキレン基の末端に水素原子又は硫酸塩を有する化合物〔以下、化合物I-2-1〕を例示することができる。
化合物I-2-1においては、アルキルフェニル基におけるアルキル基としては、炭素数6〜30を有するアルキル基が好ましい。当該アルキル基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基及びエイコシル基等が挙げられる。
オキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基等が挙げられ、オキシエチレン基が好ましい。オキシアルキレン基単位の繰り返し数としては、1〜50が好ましい。
硫酸塩としては、アルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアルカノールアミン残基等が挙げられる。
化合物I-2-1の好ましい例としては、下記式(3)で表される化合物がある。
Figure 2018197283
式(3)において、cは1〜50の数であり、好ましくは1〜20である。X2は水素原子又は硫酸塩〔−SO3L、Lとしては、アルカリ金属、NH4及びアルカノールアミン残基〕であり、水素原子であることが、硬化膜の防曇持続性に優れるため好ましい。
当該化合物は市販されており、例えば、(株)ADEKAのアデカリアソープNE−5、アデカリアソープNE−10、アデカリアソープNE−40P、アデカリアソープSE−10等が挙げられる。
(I)成分を配合する場合、(I)成分の含有割合は、硬化膜形成成分100重量部に対し、0.1〜40重量部であることが好ましく、1〜30重量部であることがより好ましい。(I)成分が0.1重量部以上とすることで、、硬化膜の防曇持続性を向上させることができ、30重量部以下とすることで硬化膜の硬度低下を防止することができる。
<防曇改質剤>
本発明の組成物は、硬化膜が繰り返し防曇性に優れるものであるが、初期防曇性をさらに改良する目的で、本発明の繰り返し防曇性に悪影響を与えない範囲内で防曇改質剤を添加することができる。
防曇改質剤としては、エチレン性不飽和基を有しないイオン性界面活性剤を挙げることができる。
エチレン性不飽和基を有しないイオン性界面活性剤としては、公知のものを使用することができ、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤及び両性イオン系界面活性剤等が挙げられる。
陰イオン系界面活性剤としては、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩及びスルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)アンモニウム塩等のジアルキルスルホコハク酸塩;オレイン酸ナトリウム及びオレイン酸カリウム等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム及びラウリル硫酸アンモニウム等の高級アルコール硫酸エステル;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムのアルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;ジアルキルホスフェート塩;並びにポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンサルフェート塩等が使用される。
これら化合物の中でも、初期防曇性により優れる点で、ジアルキルスルホコハク酸塩が好ましい。
ジアルキルスルホコハク酸塩は市販されており、市販品を使用することができる。スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩としては、新日本理化(株)製リカサーフP−10(同化合物の溶液)、M−30(同化合物の溶液)及びG−30(同化合物のプロピレングリコール/水混合溶液)、並びに日油(株)製ラピゾールA30、同A70、同A80、同A90が挙げられる。スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)アンモニウム塩としては、新日本理化(株)製リカサーフG−600〔同化合物のプロピレングリコール/水混合溶液〕等が挙げられる。
陽イオン系界面活性剤としては、エタノールアミン類、ラウリルアミンアセテート、トリエタノールアミンモノ蟻酸塩、ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩等のアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド及びステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性イオン系界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリルベタイン及びジメチルアルキルステアリルベタイン等の脂肪酸型両性イオン系界面活性剤、ジメチルアルキルスルホベタイン等のスルホン酸型両性イオン系界面活性剤、並びにアルキルグリシン等が挙げられる。
これらエチレン性不飽和基を有しないイオン性界面活性剤の中でも、初期防曇性により優れる点で陰イオン系界面活性剤が好まし、前記した通りジアルキルスルホコハク酸塩がより好ましい。
防曇改質剤の含有割合としては、本発明の組成物の合計量100重量%中に0.1〜10重量%含まれることが好ましい。上記範囲であると、硬化膜の繰り返し防曇性を損なうことなく初期防曇性に優れるものとすることができる。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤の具体例としては、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシロキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシロキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシロキシ)プロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチロキシフェニル)−6−(2,4−ビスブチロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチロキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン系紫外線吸収剤;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化錫粒子等の紫外線を吸収する無機粒子等が挙げられる。
前記化合物の中でも、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。これら紫外線吸収剤は、活性エネルギー線の照射により黄変しやすいプラスチック基材の変色を抑える目的で使用されるほか、硬化塗膜が形成された物品を屋外で使用する際に、太陽光による物品の劣化を防ぐ目的で使用される。
紫外線吸収剤の含有割合は、硬化膜形成成分の合計量100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.05〜5重量部であることがより好ましく、0.1〜2重量部であることがさらに好ましい。
<光安定剤>
光安定剤としては、公知の光安定剤を用いることができるが、中でも、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)が好ましく挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチロキシ)−4−ピペリジニル)エステル等が挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤の市販品としては、BASF社製、TINUVIN 111FDL、TINUVIN123、TINUVIN 144、TINUVIN 152、TINUVIN 292、TINUVIN 5100等が挙げられる。
光安定剤の含有割合は、硬化膜形成成分の合計量100重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましく、0.05〜2重量部であることがより好ましく、0.1〜1重量部であることがさらに好ましい。
<酸性物質>
本発明の組成物は、プラスチック等の基材への密着材に優れるものであるが、酸性物質を添加することでさらに密着性を向上させることができる。
酸性物質としては、活性エネルギー線の照射により酸を発生する光酸発生剤や、硫酸、硝酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、リン酸等が挙げられる。
これらの中でも、無機酸又は有機酸が好ましく、有機スルホン酸化合物がより好ましく、芳香族スルホン酸化合物がさらに好ましく、p−トルエンスルホン酸が特に好ましい。
酸性物質の含有割合は、硬化膜形成成分の合計量100重量部に対して、0.0001〜5重量部であることが好ましく、0.0001〜1重量部であることがより好ましく、0.0005〜0.5重量部であることがさらに好ましい。上記範囲であると、基材との密着性により優れ、基材の腐蝕や他の成分の分解といった問題の発生を防ぐことができる。
<酸化防止剤>
本発明の組成物は、硬化膜の耐熱性や耐候性を良好にする目的で、酸化防止剤をさらに含有していてもよい。
本発明に用いられる酸化防止剤としては、例えばフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、又は、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン等のヒンダードフェノール類を好ましく挙げることができる。市販されているものとしては、(株)アデカ製のAO−20、AO−30、AO−40、AO−50、AO−60、AO−70、AO−80等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン等のホスフィン類や、亜リン酸トリアルキルや亜リン酸トリアリール等が好ましく挙げられる。これらの誘導体で市販品としては、例えば(株)アデカ製、アデカスタブPEP−4C、PEP−8、PEP−24G、PEP−36、HP−10、260、522A、329K、1178、1500、135A、3010等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、チオエーテル系化合物が挙げられ、市販品としては(株)アデカ製AO−23、AO−412S、AO−503A等が挙げられる。
酸化防止剤の含有割合は、本発明の組成物合計量100重量%中に、0.01〜5重量%含まれることが好ましく、0.1〜1重量%含まれることがより好ましい。上記態様であると、組成物の安定性に優れ、又、硬化性及び接着力が良好である。
<表面改質剤>
本発明の組成物は、塗布時のレベリング性を高める目的や、硬化膜の滑り性を高めて耐擦傷性を高める目的等のため、表面改質剤を添加してもよい。
表面改質剤としては、表面調整剤、前記以外の界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、スベリ性付与剤及び防汚性付与剤等が挙げられ、公知の表面改質剤を使用することができる。
それらのうち、シリコーン系表面改質剤及びフッ素系表面改質剤が好適に挙げられる。具体例としては、シリコーン鎖とポリアルキレンオキサイド鎖とを有するシリコーン系ポリマー及びオリゴマー、シリコーン鎖とポリエステル鎖とを有するシリコーン系ポリマー及びオリゴマー、パーフルオロアルキル基とポリアルキレンオキサイド鎖とを有するフッ素系ポリマー及びオリゴマー、並びに、パーフルオロアルキルエーテル鎖とポリアルキレンオキサイド鎖とを有するフッ素系ポリマー及びオリゴマー等が挙げられる。
又、滑り性の持続力を高めるなどの目的で、分子中にエチレン性不飽和基、好ましくは(メタ)アクリロイル基を有する表面改質剤を使用してもよい。
表面改質剤の含有割合は、本発明の組成物の合計量100重量%中に、0.01〜1.0重量%含まれることが好ましい。上記範囲であると、硬化膜の表面平滑性に優れる。
6.使用方法
本発明の組成物の使用方法としては、常法に従えば良い。
例えば、適用される基材に組成物を通常の塗装方法により塗布した後、活性エネルギー線を照射するか又は加熱して硬化させる方法が挙げられる。
活性エネルギー線の照射方法は、従来の硬化方法として知られている一般的な方法を採用すれば良い。
又、組成物に(G)成分(光重合開始剤)及び(H)成分(熱重合開始剤)を併用し、これを活性エネルギー線照射した後、加熱硬化させることにより、基材との密着性を向上させる方法も採用することができる。
本発明の組成物が適用できる基材としては、種々の材料に適用でき、無機材料、プラスチック、及び紙等が挙げられる。
無機材料としては、ガラス、金属、モルタル、コンクリート及び石材等が挙げられる
金属としては、鋼板、アルミ及びクロム等の金属、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化インジウムスズ(ITO)等の金属酸化物等が挙げられる。
プラスチックの具体例としては、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ABS樹脂、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース及びジアセチルセルロース等のセルロースアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルサルホン、ノルボルネン等の環状オレフィンをモノマーとする環状ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂及びポリウレタン樹脂等が挙げられる。
本発明の組成物は、これら基材の中でもプラスチックへの密着性に優れるため、プラスチックに好ましく適用することができる。さらに無機材料としては、ガラス及び金属に好ましく適用することができ、プラスチックとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ(メチル)メタクリレート及びこれを主成分とする共重合体に好ましく適用することができる。
本発明の組成物の基材への塗工方法としては、目的に応じて適宜設定すれば良く、バーコーター、アプリケーター、ドクターブレード、ディップコーター、ロールコーター、スピンコーター、フローコーター、ナイフコーター、コンマコーター、リバースロールコーター、ダイコーター、リップコーター、スプレーコーター、グラビアコーター及びマイクログラビアコーター等で塗工する方法が挙げられる。
基材に対する組成物硬化膜の膜厚は、目的に応じて適宜設定すればよい。硬化膜の厚さとしては、使用する基材や製造した硬化膜を有する基材の用途に応じて選択すればよいが、1〜100μmであることが好ましく、2〜40μmであることがより好ましい。
組成物が有機溶剤を含む場合は、基材に塗工した後、加熱・乾燥させ、有機溶剤を蒸発させることが好ましい。
乾燥温度は、適用する基材が変形等の問題を生じない温度以下であれば特に限定されるものではない。好ましい加熱温度としては、40〜100℃である。乾燥時間は適用する基材及び加熱温度によって適宜設定すれば良く、好ましくは0.5〜20分である。
本発明の組成物を活性エネルギー線硬化型組成物として使用する場合において、硬化させるための活性エネルギー線としては、電子線、紫外線及び可視光線が挙げられるが、紫外線又は可視光線が好ましく、紫外線が特に好ましい。紫外線照射装置としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線(UV)無電極ランプ、発光ダイオード(LED)等が挙げられる。
照射エネルギーは、活性エネルギー線の種類や配合組成に応じて適宜設定すべきものであるが、一例として高圧水銀ランプを使用する場合を挙げると、UV−A領域の照射エネルギーで100〜8,000mJ/cm2が好ましく、200〜3,000mJ/cm2がより好ましい。
本発明の組成物を熱硬化型組成物として使用する場合は、加熱可能な乾燥機等に硬化膜を静置することで硬化膜を得ることができる。
加熱温度としては、使用する基材や目的に応じて適宜設定すれば良く、40〜180℃が好ましい。基材がプラスチックの場合は、温度が高すぎると基材が変形するおそれがあるため、120℃以下であることが好ましい。
加熱時間は適用する基材及び加熱温度によって適宜設定すれば良く、好ましくは0.5〜60分である。
7.用途
本発明の組成物は種々の用途に使用可能であり、具体的には、防曇コーティング剤、プラスチック基材や床の埃付着防止コーティング剤が挙げられる。
コーティング剤の具体例としては、保護眼鏡、ゴーグル、浴室の内壁、キッチン周りの部材、自動車やオートバイ等のヘッドランプカバー、リアランプカバー等ガラス及びプラスチックの防曇コーティング剤、プラスチック基材や床面の埃付着を防ぐための埃付着防止コーティング剤等が挙げられる。
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
又、以下において、特に断りのない限り、「部」とは重量部を意味し、「%」とは重量%を意味する。
1.製造例
1−1)製造例1〔(B)及び(E)成分を含むアクリレートの製造〕
撹拌機、温度計、ガス導入管、精留塔及び冷却管を取付けた3リットルのフラスコに、グリセリン〔阪本薬品工業(株)製精製グリセリン(商品名)。以下、「GLY」という。〕を302.75部(3.29モル)、2−メトキシエチルアクリレート(以下、「MCA」という)を2312.84部(17.77モル)、触媒XとしてDABCO(トリエチレンジアミン)を6.51部(0.06モル)、触媒Yとしてアクリル酸亜鉛を24.07部(0.12モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテル(以下、「MEHQ」という)を1.19部(0.01モル)、フェノチアジンを0.21部(0.002モル)仕込み、含酸素ガス(酸素を5容量%、窒素を95容量%)を液中にバブリングさせた。
反応液温度100〜130℃の範囲で加熱撹拌させながら、反応系内の圧力を110〜760mmHgの範囲で調整し、エステル交換反応の進行に伴い副生した2−メトキシエタノール(以下、「MEL」という)とMCAの混合液を精留塔及び冷却管を介して反応系から抜出した。又、該抜出液と同重量部のMCAを反応系に随時追加した。加熱撹拌開始から18時間後に反応系内の圧力を常圧に戻して抜出を終了した。
GLYの水酸基のアクリレート化率を、MELの生成量から求めた結果、58モル%であった。
反応液を室温まで冷却して沈殿物をろ過分離した後、ろ液に含まれる触媒X及び触媒Yを吸着除去するために珪酸アルミニウム〔協和化学工業(株)製キョーワード700(商品名)〕を58.7部投入して撹拌し、さらに70〜100℃の範囲で1時間加熱撹拌した。吸着処理後の珪酸アルミニウムをろ過分離した後、ろ液を攪拌機、温度計、ガス導入管、留出用の冷却管、及び減圧用の管を接続したフラスコに入れ、温度70〜100℃、圧力0.001〜100mmHgの範囲で、乾燥空気をバブリングさせながら10時間の減圧蒸留を行い、未反応のMCAを含む留出液を分離した。釜液に珪藻土〔昭和化学工業(株)製ラヂオライト(商品名)〕を5.0部添加して加圧ろ過を行い、得られたろ液を実施例で使用した。収量は651部であった。これをBC−1という。
仕込んだGLY302.75部が全てグリセリンジアクリレートに変換された場合の収量は658部であるが、これを基準に算出した上記BC−1の収率は99%であった。
UV検出器を備えたHPLCを用いて、BE−1に含まれるグリセリンジアクリレート(異性体混合物。以下、「GLY−DA」という。)の純度を下記式(1)より算出した結果、62%、グリセリントリアクリレート(以下、「GLY−TA」という)33%、グリセリンモノアクリレート(以下、「GLY−MA」という)5%であった。
得られたBE−1は、粘度:43mPa・s(25℃)、水酸基価:238mgKOH/gであった。GPC測定によるMw:314であった。
尚、HPLC、粘度、水酸基価、GPC及びGCは、下記の条件で測定した。
◆HPLC測定条件
・装置:Waters(株)製 ACQUITY UPLC
・検出器:UV検出器
・検出波長:210nm
・カラム:Waters(株)製 ACQUITY UPLC BEH C18(Part No.186002350、カラム内径2.1mm、カラム長さ50mm)
・カラムの温度:40℃
・溶離液の組成:0.03重量%トリフルオロ酢酸水溶液とメタノールの混合溶液
・溶離液の流量:0.3mL/分
◆BE−1に含まれGLY−DAの純度算出方法
GLY−DAの純度(%)
=〔(D×1.27)/(M×1.74+D×1.27+T)〕×100 …(1)
計算式(1)におけるD、M、Tは、紫外線(UV)検出器を備えたHPLCを用いて、BE−1を分析して得られる下記の値を意味する。
・D:GLY−DAの210nmにおけるピーク面積
・M:GLY−MAの210nmにおけるピーク面積
・T:GLY−TAの210nmにおけるピーク面積
◆粘度測定条件
E型粘度計を使用し、25℃での粘度を測定した。
◆水酸基価測定条件
試料にアセチル化試薬を加えて92℃の温浴槽中で1時間加熱処理する。放冷後、少量の水を添加して92℃の温浴槽中で10分間加熱処理する。放冷後、フェノールフタレイン溶液を指示薬として水酸化カリウムエタノール溶液で酸を滴定して水酸基価を求めた。
◆GPC測定条件
・装置:Waters(株)製 GPC システム名 1515 2414 717P RI
・検出器:RI検出器
・カラム:ガードカラム 昭和電工(株)製 Shodex KFG(8μm 4.6×10mm)、本カラム2種類 Waters(株)製 styragel HR 4E THF(7.8×300mm)+styragel HR 1THF(7.8×300mm)
・カラムの温度:40℃
・溶離液組成:THF(内部標準として硫黄を0.03%含むもの)、流量0.75mL/分
・検量線:標準ポリスチレンを使って較正曲線を作成した。
・BE−1に由来する検出ピークのうち、単官能(メタ)アクリレート、溶媒に由来する検出ピーク、及び水に由来するピークよりもリテンションタイムが遅い検出ピークは、Mwの算出に考慮せず、その他複数本の検出ピークを一つのピークとみなしてMwを算出した。
1.実施例1〜同3及び比較例1〜同3(組成物の調製)
(C)成分である2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸〔東亞合成(株)製ATBS。以下、「ATBS」という〕10部(0.048モル)を水10部に溶解させATBSの水溶液とした。
得られたATBSの水溶液と、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート〔東亞合成(株)製 アロンDA〕5部(0.035モル)、製造例1で得られたBE−1及び後記表1に示す残り残りの各成分を使用し、表1に示す割合で40℃にて撹拌・混合して、組成物を得た。
得られた組成物について、E型粘度計により25℃における粘度を測定した。
表2には、組成物中に含まれる(A)〜(G)成分に分けまとめた。
2.プラスチック基材に対する評価
得られた実施例1〜同3及び比較例1〜同3の組成物をバーコーターを用い、裁断した三菱エンジニアリングプラスチック社製ポリカーボネート、ユーピロンNF2000(150mm×70mm×1mm)に膜厚が10μmとなるよう塗工し、試験体とした。
次いで、コンベアを備えた高圧水銀ランプ〔アイグラフィックス(株)製H06−L41〕を用いて、UV−A照度80W/cm、1パスあたりの照射エネルギーが200mJ/cm2の条件で試験体に紫外線を照射した。活性エネルギー線硬化製の指標として、硬化膜表面のタックがなくなるまでのパス数を評価した。パス数が少ないものほど硬化性が良好であることを表す。
得られた硬化膜を使用し、以下の方法に従い評価した。それらの結果を表3に示す。
1)密着性
得られた硬化膜に、カッターナイフで縦横1mm間隔の切り込みを入れて、1mm×1mmの大きさの升目100個を形成し、この碁盤目上にニチバン(株)製#405のセロハンテープを貼り付けた後に強く剥がした。剥離後の残膜数を評価した。残膜数が多いほど密着性が良好であることを示す。
2)鉛筆硬度
得られた硬化膜について、JIS K5600−5−4に準じ、750g荷重にて鉛筆硬度を測定した。
3)吐息による防曇性
硬化膜に対して吐息を吹きかけ、目視にて塗膜表面の曇り有無を評価した。尚、表3における○、△、及び×は以下の意味を表す。
○:曇らない、△:やや曇る、×:曇る
4)防曇持続性
硬化膜を80℃の蒸気に1分間さらし、硬化膜が曇るか否かを目視で評価した。又、防曇持続性は、当該評価の後に、硬化膜表面に付着した水分を紙で拭き取った後、さらに硬化膜を80℃の蒸気に1分間さらす操作を計8回繰り返して評価した。尚、表3における○、△、及び×は以下の意味を表す。
○:曇らない、△:やや曇る、×:曇る
Figure 2018197283
表1の略号は、下記を意味する。
又、表1の欄における括弧書きは、各成分の部数を意味する。
・JI−62C01:アクリロイル基とアンモニウムイオンからなり対イオンを有する化合物(以下、「A−1−1」という)のプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、「PGME」という)50%溶液〔日本乳化剤社製 JI−62C01〕
・JI−64C02:A−1とBE−1の50%溶液〔日本乳化剤社製 JI−64C01〕。JI−62C01のPGMEの全量を製造例1で得られたBE−1で置き換えた溶液。
・SR−10:ポリエチレングリコール(付加モル数10)片末端にSO3NH4基(アニオン性)を有し、もう一方の末端にアルキル基とアリル基を有する化合物〔ADEKA(株)製 アデカリアソープSR−10〕
・RN−20:アルキルフェノール骨格にポリエチレングリコールとイソプロペニル基を有する化合物〔第一工業製薬(株)製 アクアロンRN−20〕
・ATBS:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸〔東亞合成(株)製 ATBS〕
・DA:N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート〔東亞合成(株)製 アロンDA〕
・MT−3545:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(以下、「DPET−PA」という)70部とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(以下、「DPET−HA」という)30部の混合物製品〔東亞合成(株)製 アロニックスMT−3545〕
・HCPK:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン〔BASF社製 IRGACURE184〕
Figure 2018197283
表2における組成物の欄には、配合成分として使用したBE−1に含まれる(B)及び(E)成分、並びにJI−64C02に含まれる(A)、(B)及び(E)成分を分けて記載している。
Figure 2018197283
4.評価結果
表3における実施例1〜同3の結果から明らかなように、本発明の組成物は硬化性に優れ、プラスチック基材への密着性、表面硬度、硬化膜表面の防曇性とその持続性に優れるものであった。
これに対して、(C)及び(D)成分を含まない比較例1及び同2の組成物は、硬化膜物性に優れるものの、硬化性が低下してしまった。
(A)成分を含まない比較例3の組成物は、硬化性に優れるものの、防曇性が大きく低下してしまった。
本発明の硬型組成物は、活性エネルギー線硬型組成物として好ましく使用できるものであり、得られる硬化膜は、各種基材に対して、密着性、耐擦傷性に優れ、防曇性や埃付着防止性能にも優れるものである。保護眼鏡、ゴーグル、浴室の内壁、自動車やオートバイ等のヘッドランプカバー、リアランプカバー、防犯カメラレンズ等の防曇塗料、又プラスチックフィルムの埃付着防止コーティング剤として好ましく使用できる。

Claims (24)

  1. 下記(A)〜(D)成分及び水を含む硬化型組成物。
    (A)成分:エチレン性不飽和基、及びカチオン性単位とアニオン性単位を含むイオン性基を有する化合物
    (B)成分:エチレン性不飽和基と水酸基を有する化合物
    (C)成分:エチレン性不飽和基と酸性基を有する化合物
    (D)成分:エチレン性不飽和基と塩基性基を有する化合物
  2. 前記(A)成分が、下記(A−1)成分を含む請求項1項に記載の硬化型組成物。
    (A−1)成分:1分子中にエチレン性不飽和基及びカチオン性基を有する化合物と、対イオンとしてアニオン性化合物とからなる化合物
  3. 前記(A−1)成分が、下記式(1)で表される化合物である請求項2に記載の硬化型組成物
    Figure 2018197283
    〔前記式(1)において、R1は、水素又はメチル基を表し、R2は、分岐していても良い炭素数が1〜12のアルキレン基を表し、R3及びR4は、それぞれ独立して、分岐していても良い炭素数1〜10のアルキル基を表し、X-は、アルキル硫酸イオン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸イオン、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸イオン、アルキルスルホン酸イオン及びアルキルベンゼンスルホン酸イオンを表す。〕
  4. 前記(A)成分が、前記(A−1)成分と下記(A−2)成分を含む請求項2又は請求項3に記載の硬化型組成物。
    (A−2)成分:1分子中にエチレン性不飽和基及びアニオン性基を有する化合物と、対イオンとしてカチオン性化合物とからなる化合物
  5. 前記(B)成分が水酸基と2個以上のエチレン性不飽和基とを有する化合物である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
  6. 前記(B)成分が、エチレン性不飽和基として(メタ)アクリロイル基を有する化合物である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
  7. 前記(C)成分が、酸性基として1個のスルホン酸基又は1個のアルキル硫酸基を有する化合物である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
  8. 前記(C)成分が、エチレン性不飽和基として(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
  9. 前記(C)成分が、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である請求項8に記載の硬化型組成物。
  10. 前記(D)成分が、エチレン性不飽和基として(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
  11. 前記(D)成分が、塩基性基としてアミノ基を1個有する化合物である請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
  12. 前記(A)及び(B)成分の合計100重量%中に、(A)成分を2〜60重量%、(B)成分を40〜98重量%含む請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
  13. (C)成分1モルに対して、(D)成分を0.6〜1.5モルの割合で含む請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
  14. (C)成分の合計100重量部に対して、水を10〜1000重量部含む請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
  15. さらに、前記(A)〜(D)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(E)を含む請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
  16. 前記(E)成分が、2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物を含む請求項15に記載の硬化型組成物。
  17. 前記(A)、(B)及び(E)成分の合計100重量%中に、(A)成分を1〜30重量%、(B)成分を20〜97重量%、及び(E)成分を2〜60重量%含む請求項15又は請求項16に記載の硬化型組成物。
  18. (A)成分の合計100重量部に対して、下記(F)成分を5重量部以下の割合で含む請求項1〜請求項17のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
    (F)成分:水酸基を有する化合物であって、エチレン性不飽和基を有しない化合物
  19. さらに、光ラジカル重合開始剤(G)を含有する請求項1〜請求項18のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
  20. さらに、熱ラジカル重合開始剤(H)を含有する請求項1〜請求項19のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
  21. 請求項19記載の組成物を含む活性エネルギー線硬化型コーティング組成物。
  22. 請求項19記載の組成物を含む活性エネルギー線硬化型防曇コーティング組成物。
  23. 請求項20記載の組成物を含む熱硬化型コーティング組成物。
  24. 請求項20記載の組成物を含む熱硬化型防曇コーティング剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020218365A1 (ja) * 2019-04-23 2020-10-29 東亞合成株式会社 硬化型組成物

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