JP6388122B2 - 硬化型組成物 - Google Patents
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Description
尚、本明細書においては、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基、アクリレート及び/又はメタクリレートを(メタ)アクリレート、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と呼ぶ。
ハードコート剤としては、表面硬度が高く、傷が付きにくいという特長から、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート〔以下、「多官能ウレタン(メタ)アクリレート」という〕を含む硬化型組成物、さらには活性エネルギー線の照射により硬化する活性エネルギー線硬化型組成物が広く用いられている。
しかしながら、当該組成物の硬化膜は、耐擦傷性及びカール性に優れるものの、非常に高粘度であり、ハンドリング性に問題があった。この問題を解決するため、薄膜で塗工しやいように有機溶剤で希釈して低粘度化する方法があるが、組成物の塗工後に有機溶剤を蒸発させる乾燥工程が必要となったり、加熱による基材への影響があったり、余分な工程や熱エネルギーを必要とするため経済的な問題もあった。
特許文献2においては、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有しアルキレンオキサイド鎖を有する化合物(A)及び3個より多い(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B)を含み、(B)成分が(メタ)アクリロイル基を有するペンタエリスリトール誘導体(B1)及び前記ペンタエリスリトール誘導体とは異なる6個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレート(B2)とを特定の比率で含有する活性エネルギー線硬化性組成物が開示されている。
同文献の実施例では、(A)成分として、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレートやエチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートを用いることで、硬化膜の屈曲性を改善している。
以下、本発明を詳細に説明する。
(A)成分:ペンタエリスリトールジ及び/又はトリ(メタ)アクリレートとポリイソシアネートの付加反応で得られるウレタン(メタ)アクリレート(a1)とペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート(a2)を含む混合物
(B)成分:4価以上の脂肪族多価アルコールのエチレンオキサイド4〜6モル付加物から誘導される(メタ)アクリレートであって、水酸基価が10〜50mgKOH/gであるポリ(メタ)アクリレート混合物
以下、(A)及び(B)成分、その他の成分及び使用方法について説明する。
(A)成分は、ペンタエリスリトールジ及び/又はトリ(メタ)アクリレートとポリイソシアネートの付加反応で得られるウレタン(メタ)アクリレート(a1)(以下、「(a1)成分」という)とペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート(a2)(以下、「(a2)成分」という)の混合物である。
水酸基含有多官能(メタ)アクリレートは、ペンタエリスリトールと(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物が好ましく、ペンタエリスリトールと(メタ)アクリル酸のエステル化反応物が好ましい。
この場合、原料化合物の割合や反応条件等に応じて、水酸基を2個有するペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート(以下、「PEDi」という)及び水酸基を1個有するペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(以下、「PETr」という)を種々の割合で含む混合物として得られ、その結果、種々の水酸基価を有する反応混合物として得られる。
水酸基含有多官能(メタ)アクリレートの水酸基価としては、種々の水酸基価を有するものを使用でき、具体的には、80〜290mgKOH/gが好ましい。
尚、水酸基価は、JIS K0070−1992に定められた方法に準じて測定した値を意味する。
又、ポリイソシアネートとしては、耐光性に優れるという理由で、脂肪族ポリイソシアネート又は環状骨格を有するポリイソシアネート(以下、「環状ポリイソシアネート」という)が好ましい。
好ましい脂肪族ポリイソシアネートの例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
好ましい環状ポリイソシアネートの例としては、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、水素化4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体等が挙げられる。
これらの中でも、硬化膜の屈曲性に優れる点で、ヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
この付加反応は無触媒でも可能であるが、反応を効率的に進めるために、ジブチルスズジラウレート等の錫系触媒や、トリエチルアミン等のアミン系触媒等を添加しても良い。
(a1)成分の原料化合物である水酸基含有多官能(メタ)アクリレートは、PEDi及びPETrの他、水酸基を有しない(a2)成分〔ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート〕を含む混合物として得られることが多い。
この場合、(a1)成分の製造において、(a1)成分と(a2)成分の混合物として得られるが、本発明においては、当該反応混合物をそのまま使用することができる。
(a1)と(a2)の重量比をこの範囲とすることで、硬化膜の耐擦傷性と屈曲性のバランスに優れた組成物を得ることができる。
本発明におけるMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)法により測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
(a2)成分の面積%をこの範囲とすることで、硬化膜の耐擦傷性と屈曲性のバランスに優れた組成物を得ることができる。
尚、本発明におけるGPCにより測定した分子量は、以下の条件で測定した値を意味する。
・検出器:示差屈折計(RI検出器)
・カラムの種類:架橋ポリスチレン系カラム
・カラムの温度:25〜50℃の範囲内
・溶離液:テトラヒドロフラン(以下、「THF」という)
(B)成分は、4価以上の脂肪族多価アルコール(以下、「4価以上アルコール」という)のエチレンオキサイド(以下、「EO」ともいう)4〜6モル付加物(以下、「4価以上アルコールEO付加物」という)から誘導される(メタ)アクリレートであって、水酸基価が10〜50mgKOH/gであるポリ(メタ)アクリレート混合物である。
4価以上アルコールEO付加物が、4価未満の脂肪族多価アルコールのEO4〜6モル付加物である場合、耐擦傷性が低下するという問題がある。
4価以上アルコールEO付加物は、EOを4〜6モル付加した化合物である。
EO以外のアルキレンオキサイド付加物の場合、例えばプロピレンオキサイド付加物の場合には表面硬化性が低下するという問題がある。
EOの付加モル数が4モル未満の化合物の場合、硬化膜の屈曲性が不充分であり、6モルを超えると硬化膜の耐擦傷性が低下し、コーティングとしての性能が不充分となる。
水酸基価が10mgKOH/gに満たない場合、表面硬化性が低下するという問題があり、水酸基価が50mgKOH/gを超えると硬度が低下するという問題がある。
当該反応に用いられる(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸のいずれかを使用してもよいし、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を使用してもよいが、アクリル酸のみを使用することが好ましい。
又、(B)成分の製造には、(メタ)アクリル酸の代わりに、(メタ)アクリル酸等価体として、(メタ)アクリル酸ハライドや(メタ)アクリル酸無水物等を使用してもよい。
(b1)成分:ペンタエリスリトールのEO4〜6モル付加物から得られるトリ(メタ)アクリレート及びテトラ(メタ)アクリレートの混合物
(b2)成分:ジペンタエリスリトールのEO4〜6モル付加物から得られるペンタ(メタ)アクリレート及びヘキサ(メタ)アクリレートの混合物
(b3)成分:ジグリセリンのEOを4〜6モル付加物から得られるトリ(メタ)アクリレート及びテトラ(メタ)アクリレートの混合物
(A)成分の含有割合が55重量%に満たないか、又は(B)成分の含有割合が45重量部を超えると、得られる硬化物の耐擦傷性(耐スチールウール性)が低下してしまい、(A)成分の含有割合が90重量%を超えるか、又は(B)成分の含有割合が10重量%に満たないと、高粘度となってしまい、取扱い難くなるというハンドリング性に問題がある。
本発明は、前記(A)及び(B)成分を必須成分とする硬化型組成物に関する。
組成物の製造方法としては、常法に従えば良く、例えば、(A)及び(B)成分、必要に応じてその他の成分を撹拌混合して製造することができる。
この場合、必要に応じて加熱することもできる。加熱温度としては、使用する組成物が含む成分、組成物をコーティングする基材及び使用目的等に応じて適宜設定すればよいが、30℃〜80℃が好ましい。
尚、本発明において粘度とは、E型粘度計を使用して25℃で測定した値を意味する。
その他成分としては、具体的には、光重合開始剤〔以下、「(C)成分」という〕、熱重合開始剤〔以下、「(D)成分」という〕、前記(A)及び(B)成分以外のエチレン性不飽和化合物〔以下、「(E)成分」という〕、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料・染料、レベリング剤、シランカップリング剤、表面改質剤及びポリマー等が挙げられる。
以下、これらの成分について説明する。
尚、後記するその他の成分は、例示した化合物の1種のみを使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
本発明の組成物を活性エネルギー線硬化型組成物として使用し、さらに電子線硬化型組成物として使用する場合は、(C)成分(光重合開始剤)を含有させず、電子線により硬化させることも可能である。
本発明の組成物を活性エネルギー線硬化型組成物として使用する場合は、特に、活性エネルギー線として紫外線及び可視光線を用いた場合には、硬化の容易性やコストの観点から、(C)成分を更に含有することが好ましい。
活性エネルギー線として電子線を使用する場合には、必ずしも配合する必要はないが、硬化性を改善させるため必要に応じて少量配合することもできる。
ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−(メチルフェニルチオ)フェニルフェニルメタン、メチル−2−ベンゾフェノン、1−[4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフォニル)プロパン−1−オン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン及び4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィネート及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物;
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントン、3−[3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イル−オキシ]−2−ヒドロキシプロピル−N,N,N―トリメチルアンモニウムクロライド及びフルオロチオキサントン等のチオキサントン系化合物等が挙げられる。
又、硬化膜の膜厚を厚くする必要がある場合、例えば50μm以上とする必要がある場合は、硬化膜内部の硬化性を向上させる目的や、紫外線吸収剤や顔料を併用する場合は、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィネート及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物や、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)]フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタンー1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン等を併用することが好ましい。
尚、硬化性成分とは、熱又は活性エネルギー線により硬化する成分であり、(A)及び(B)成分を意味し、後記する(E)成分を配合する場合は、(A)、(B)及び(E)成分を意味する。
組成物を熱硬化型組成物として使用する場合には、熱重合開始剤を配合することができる。
本発明の組成物は、熱重合開始剤を配合し、加熱硬化させることもできる。
熱重合開始剤としては、種々の化合物を使用することができ、有機過酸化物及びアゾ系開始剤が好ましい。
有機過酸化物の具体例としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジーメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α、α‘−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
アゾ系化合物の具体例としては、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾジ−t−オクタン、アゾジ−t−ブタン等が挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。又、有機過酸化物は還元剤と組み合わせることによりレドックス反応とすることも可能である。
熱重合開始剤を単独で用いる場合は、通常のラジカル熱重合の常套手段にしたがって行えばよく、場合によっては光重合開始剤と併用し、光硬化させた後にさらに反応率を向上させる目的で熱硬化を行うこともできる。
(E)成分は、前記(A)及び(B)成分以外のエチレン性不飽和化合物であり、組成物の硬化物に種々の物性を付与する目的で配合する。
(E)成分におけるエチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基及び(メタ)アリル基等が挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
尚、下記において、「単官能」とは、エチレン性不飽和基を1個有する化合物を意味し、「○官能」とはエチレン性不飽和基を○個有する化合物を意味し、「多官能」とはエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を意味する。
ジトリメチロールプロパンアルキレンオキサイド付加物のトリ又はテトラ(メタ)アクリレート等のポリオールアルキレンオキサイド付加物のポリ(メタ)アクリレート;
イソシアヌル酸アルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート;並びに
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の水酸基を有し3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物と有機ポリイソシアネートとの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート等
を挙げることができる。
前記における、アルキレンオキサイド付加物の例としては、エチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、並びに、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
又、前記有機ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート3量体、水素化トリレンジイソシアネート、水素化4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート2量体、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート相互付加物、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリス(トリレンジイソシアネート)付加物及びイソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。
3官能以上(メタ)アクリレート化合物としては、前記した化合物の中でも、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレートが好ましい。
(E)成分の含有割合が60重量%を超えると、特に多官能エチレン性不飽和化合物の場合には、硬化膜が脆くなってしまうことがある。
酸化防止剤は、硬化膜の耐熱性、耐候性等の耐久性を向上させる目的で配合する。
酸化防止剤としては、たとえばフェノール系酸化防止剤やリン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、たとえば、ジt−ブチルヒドロキシトルエン等のヒンダードフェノール類を挙げることができる。市販されているものとしては、(株)アデカ製のAO−20、AO−30、AO−40、AO−50、AO−60、AO−70、AO−80等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン等のホスフィン類や、亜リン酸トリアルキルや亜リン酸トリアリール等が挙げられる。これらの誘導体で市販品としては、たとえば(株)アデカ製、アデカスタブPEP−4C、PEP−8、PEP−24G、PEP−36、HP−10、260、522A、329K、1178、1500、135A、3010等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、チオエーテル系化合物が挙げられ、市販品としては(株)アデカ製AO−23、AO−412S、AO−503A等が挙げられる。
これらは1種を用いても2種類以上を用いてもよい。これら酸化防止剤の好ましい組合せとしては、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との併用、及びフェノール系酸化防止剤と硫黄系酸化防止剤の併用が挙げられる。
配合割合を0.1重量部以上とすることで、組成物の耐久性を向上させることができ、一方、5重量部以下とすることで、硬化性や密着性を良好にすることができる。
紫外線吸収剤は、硬化膜の耐光性を向上させる目的で配合する。
紫外線吸収剤としては、BASF社製TINUVIN400、TINUVIN405、TINUVIN460、TINUVIN479等のトリアジン系紫外線吸収剤や、TINUVIN900、TINUVIN928、TINUVIN1130等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を挙げることができる。
紫外線吸収剤の含有割合としては、目的に応じて適宜設定すれば良く、硬化性成分合計量100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜1重量部である。配合割合を0.01重量%以上とすることで、硬化膜の耐光性を良好なものとすることができ、一方、5重量%以下とすることで、組成物の硬化性に優れるものとすることができる。
顔料としては、有機顔料及び無機顔料等が挙げられる。
有機顔料の具体例としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー及びピラゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料;リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット及びパーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料;アリザリン、インダントロン及びチオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体;フタロシアニンブルー及びフタロシアニングリーン等のフタロシアニン系有機顔料;キナクリドンレッド及びキナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系有機顔料、ペリレンレッド及びペリレンスカーレット等のペリレン系有機顔料;イソインドリノンエロー及びイソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系有機顔料;ピランスロンレッド及びピランスロンオレンジ等のピランスロン系有機顔料;チオインジゴ系有機顔料;縮合アゾ系有機顔料;ベンズイミダゾロン系有機顔料;キノフタロンエロー等のキノフタロン系有機顔料、イソインドリンエロー等のイソインドリン系有機顔料;並びにその他の顔料として、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド及びジオキサジンバイオレット等が挙げられる。
又、前記無機顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック及び合成鉄黒等を挙げることができる。尚、前記フィラーで例示したカーボンブラックは、無機顔料としても使用することができる。
染料としては、従来から知られた種々の化合物を使用することができる。
シランカップリング剤は、硬化膜と基材との界面接着強度を改善する目的で配合する。
シランカップリング剤としては、基材との接着性向上に寄与できるものであれば特に限
配合割合を0.1重量部以上にすることで、組成物の接着力を向上させることができ、一方、10重量部以下とすることで、接着力の経時変化を防止することができる。
本発明の組成物は、塗布時のレベリング性を高める目的や、硬化膜の滑り性を高めて耐擦傷性を高める目的等のため、表面改質剤を添加してもよい。
表面改質剤としては、表面調整剤、界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、スベリ性付与剤、防汚性付与剤等が挙げられ、これら公知の表面改質剤を使用することができる。
それらのうち、シリコーン系表面改質剤及びフッ素系表面改質剤が好適に挙げられる。具体例としては、シリコーン鎖とポリアルキレンオキサイド鎖とを有するシリコーン系ポリマー及びオリゴマー、シリコーン鎖とポリエステル鎖とを有するシリコーン系ポリマー及びオリゴマー、パーフルオロアルキル基とポリアルキレンオキサイド鎖とを有するフッ素系ポリマー及びオリゴマー、並びに、パーフルオロアルキルエーテル鎖とポリアルキレンオキサイド鎖とを有するフッ素系ポリマー及びオリゴマー等が挙げられる。
又、滑り性の持続力を高めるなどの目的で、分子中にエチレン性不飽和基、好ましくは(メタ)アクリロイル基を有する表面改質剤を使用してもよい。
本発明の組成物は、得られる硬化膜の耐カール性をより改良する目的等で、ポリマーをさらに含有していてもよい。
好適なポリマーとしては、(メタ)アクリル系ポリマーが挙げられ、好適な構成モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、N−(2−(メタ)アクリロキシエチル)テトラヒドロフタルイミド等が挙げられる。(メタ)アクリル酸を共重合したポリマーの場合、グリシジル(メタ)アクリレートを付加させて(メタ)アクリロイル基をポリマー鎖に導入してもよい。
ポリマーの含有割合は、硬化性成分の合計量100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましい。上記範囲であると、得られる硬化膜の耐カール性により優れる。
本発明の組成物は、前記以外にもインキ、コーティング及びレジストとして使用される種々の成分を配合することが可能である。
例えば、本発明の組成物は、好ましくは無溶剤型の組成物として使用するが、必要に応じて有機溶剤を配合することもできる。
好ましい溶剤の具体例としては、エタノール及びイソプロパノール等のアルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノエーテル;ダイアセトンアルコール等のアセトンアルコール;トルエン及びキシレン等の芳香族化合物;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン;ジブチルエーテル等のエーテル;並びにN−メチルピロリドン等が挙げられる。
本発明の組成物の使用方法としては、常法に従えば良い。
例えば、基材に組成物を塗布した後、活性エネルギー線を照射するか又は加熱することにより硬化させて硬化させる方法等が挙げられる。
具体的には、コーティング剤及び接着剤等の用途の場合には、適用される基材に組成物を通常の塗装方法により塗布した後、活性エネルギー線硬化型組成物の場合には活性エネルギー線を照射して硬化させる方法、又熱硬化型組成物の場合は加熱して硬化させる方法等が挙げられる。成形材料等の用途の場合には、所定の型枠に組成物を注入した後、活性エネルギー線硬化型組成物の場合には活性エネルギー線を照射することにより硬化させる方法、又熱硬化型組成物の場合は加熱して硬化させる方法等が挙げられる。
活性エネルギー線の照射方法や加熱方法は、従来の硬化方法として知られている一般的
な方法を採用すれば良い。
又、組成物に(C)成分(光重合開始剤)及び(D)成分(熱重合開始剤)を併用し、これを活性エネルギー線照射した後、加熱硬化させることにより、基材との密着性を向上させる方法も採用することができる。
プラスチックの具体例としては、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース及びジアセチルセルロース等のセルロースアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルサルホン、ノルボルネン等の環状オレフィンをモノマーとする環状ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂及びポリウレタン樹脂等が挙げられる。
木材としては、自然の木材及び合成木材等が挙げられる。
金属としては、鋼板、アルミ及びクロム等の金属、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化インジウムスズ(ITO)等の金属酸化物等が挙げられる。
無機材料としては、ガラス、モルタル、コンクリート及び石材等が挙げられる。
これらの中でも、プラスチック基材が特に好ましい。
紫外線照射装置としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線(UV)無電極ランプ、発光ダイオード(LED)等が挙げられる。
照射エネルギーは、活性エネルギー線の種類や配合組成に応じて適宜設定すべきものであるが、一例として高圧水銀ランプを使用する場合を挙げると、UV−A領域の照射エネルギーで100〜1,000mJ/cm2が好ましく、200〜500mJ/cm2がより好ましい。
本発明の組成物は、種々の用途に使用することができ、具体的には、ハードコート等のコーティング用途、オフセット印刷等のインキ用途、カラーレジスト等のレジスト用途、ナノインプリント及びレンズシート等の賦型樹脂、樹脂フィルム、並びに、接着剤等が挙げられる。
本発明の組成物は、好ましくは活性エネルギー線硬化型組成物として使用することができる。
例えば、表示板用前面板、建材用途、照明器具、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末のディスプレイや筐体、家電製品の筐体、眼鏡等の各種レンズが挙げられる。
表示板用前面板の具体例としては、電光掲示板、ディスプレイ、看板、広告及び標識等が挙げられる。
基材として木材使用した例としては、階段、床及び家具等の木工製品が挙げられる。基材として金属を使用した例としては、台所用キッチンパネル及びステンレスシンク等の金属製品等が挙げられる。
本発明の組成物から形成される光学フィルムは、種々の光学用途に使用できるものである。より具体的には、偏光板の偏光子保護フィルム、プリズムシート用支持フィルム及び導光フィルム等の液晶表示装置やタッチパネル一体型液晶表示装置に使用されるフィルム、各種機能性フィルム(例えば、ハードコートフィルム、加飾フィルム、透明導電性フィルム)及び表面形状を付したフィルム(例えば、モスアイ型反射防止フィルムや太陽電池用テクスチャー構造付きフィルム)のベースフィルム、太陽電池等屋外用の耐光性(耐候性)フィルム、LED照明・有機EL照明用フィルム、フレキシブルエレクトロニクス用透明耐熱フィルム等の用途が挙げられる。
さらに、透明導電性フィルムとしては、タッチパネルのカバーガラスにITO等のタッチセンサを直接形成するカバー一体型タッチパネルにおいて、カバーの材料としてガラスに代えプラスチックを使用し、プラスチックにITO等のタッチセンサを直接形成する、いわゆるOPS(One Plastic Solution)にも使用することができる。
尚、以下においては、「部」とは重量部を意味する。
又、以下においては、エチレンオキサイドを「EO」と略する。
1)原料製造例1(水酸基含有多官能アクリレートの製造)
温度計、撹拌機、及び還流管、酸素を5容量%含有する窒素ガス(以下、「含酸素ガス」という)吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、ペンタエリスリトール〔広栄化学(株)製〕167g、アクリル酸301g、硫酸7g、ハイドロキノンモノメチルエーテル(以下、「MEHQ」という)0.14g、トルエン224gを投入した。
含酸素ガスをフラスコ内に吹き込みながら、反応液温度約80℃及び370Torr(絶対圧)の条件で加熱攪拌した。反応の進行に伴って生成する水をディーンスターク管で系外に取出しながら、ペンタエリスリトール中の全水酸基の45%がエステル化されるまで反応させた。
発生した縮合水は28gであり、未反応のペンタエリスリトールを42g回収した。反応終了後に、トルエン870gを追加した。
このトルエンを追加した反応液の酸分に対して1倍モル量に相当する20重量%水酸化ナトリウム水溶液を攪拌下に添加して中和処理を実施し、過剰なアクリル酸及び硫酸を除去した。有機層を分離し、攪拌下で有機層100gに対して水10gを添加し水洗処理を行った。有機層を分離し、減圧下に加熱してトルエンを留去した。
得られた反応物〔以下、「PEA−1」という〕はペンタエリスリトールジアクリレート(PEDi)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETr)及びペンタエリスリトールテトラアクリレート〔(a2)成分〕の混合物であり、水酸基価は204mgKOH/gであった。
温度計、撹拌機、及び還流管、含酸素ガス吹き込み口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、水酸基価100mgKOH/gのペンタエリスリトールのポリアクリレート(PETr及び(a2)成分の混合物)〔東亞合成(株)製アロニックスM−305〕159.2g、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール(以下、「DTBC」という)0.092g、ジブチルスズジラウレート(以下、「DBTL」という)0.055gを投入した。
含酸素ガスをフラスコ内に吹き込みながら、液温を70〜75℃で攪拌し、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」という)25.2gを30分で滴下した。
滴下終了後、80℃で3時間攪拌し、反応生成物のIR(赤外吸収)分析でイソシアネート基が消失していることを確認して反応を終了した。
滴下終了後、80℃で6時間反撹拌し、反応生成物のIR(赤外吸収)分析でイソシアネート基が消失していることを確認して反応を終了した。以下、この反応生成物をUA−1という。
得られたUA−1について、下記条件でGPC測定した分子量をポリスチレン換算したMwは1,350であり、25℃での粘度は29,900mPa・sであった。
UA−1は、PETrとHDIのウレタンアクリレート〔(a1)成分〕と(a2)成分を含み、下記条件でGPC測定により得られた値として、(a2)成分は26面積%で含有する混合物であった。
・装置:Waters(株)製 GPC システム名 1515 2414 717P RI
・検出器:RI検出器
・カラム:ガードカラム 昭和電工(株)製 Shodex KFG(8μm 4.6×10mm)、本カラム2種類 Waters(株)製 styragel HR 4E THF(7.8×300mm)+styragel HR 1THF(7.8×300mm)
・カラムの温度:40℃
・溶離液組成:THF(内部標準として硫黄を0.03%含むもの)、流量0.75mL/分
尚、製造例2においても、同様の条件でGPC測定を行った。
温度計、撹拌機、及び還流管を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、原料製造例1で得られたPEA−1(水酸基価204mgKOH/g。PEDi、PETr及びPETetの混合物)100g、DTBCの0.07部、DBTLの0.07gを投入した。
含酸素ガスをフラスコ内に吹き込みながら、液温を70〜75℃で攪拌し、HDIの29gを30分で滴下した。
滴下終了後、80℃で6時間反撹拌し、反応生成物のIR(赤外吸収)分析でイソシアネート基が消失していることを確認して反応を終了した。以下、この反応生成物をUA−2という。
得られたUA−2のMwは2,026であり、50℃での粘度は13,800mPa・sであった。
UA−2は、PEDi及びPETrとHDIのウレタンアクリレート〔(a1)成分〕と(a2)を含み、GPC測定により得られた値として、(a2)成分は14面積%で含有する混合物であった。
温度計、撹拌機及び還流管を備えた2Lの側管付き4口フラスコに、ペンタエリスリトールのEO4モル付加物〔青木油脂工業(株)製、ブラウノンPE−240N、水酸基価717mgKOH/g〕520g、アクリル酸570g、70%メタンスルホン酸(以下、「MSA」という)25g、塩化第二銅2g、MEHQ0.2g及びトルエン480gを投入した。
含酸素ガスをフラスコ内に吹き込みながら、反応液温度82〜97℃で加熱攪拌した。反応の進行に伴って生成する水をディーンスターク管で系外に取出しながら、6時間の脱水エステル化反応を行った。
反応終了後に、トルエン1050gを加えて希釈した。更に蒸留水250gを加えて撹拌し、静置した後に下層を除去した。次に、20%水酸化ナトリウム水溶液360gを攪拌下に添加して十分に撹拌し、静置した後に下相を除去した。続いて、撹拌下で有機相に蒸留水250gを添加して撹拌し、静置した後に下層を除去した。上層の有機相を減圧下に加熱してトルエンを留去した。
得られた反応物はトリアクリレート及びテトラアクリレートを含む混合物であり、粘度は144mPa・s(25℃)、水酸基価20mgKOH/gであった(以下、「アクリレートb1」という)。
製造例3と同じフラスコに、ジペンタエリスリトールのEO6モル付加物〔青木油脂工業(株)製、ブラウノンDPE−E6、水酸基価643mgKOH/g〕600g、アクリル酸575g(アルコール中の全水酸基1モルに対して1.16モルの割合)、MSA24g、塩化第二銅1.9g及びトルエン520gを投入した。
含酸素ガスをフラスコ内に吹き込みながら、反応液温度85〜95℃で加熱攪拌した。反応の進行に伴って生成する水をディーンスターク管で系外に取出しながら、6時間の脱水エステル化反応を行った。
反応終了後に、トルエン1250gを加えて希釈した。更に蒸留水300gを加えて撹拌し、静置した後に下層を除去した。次に、20%水酸化ナトリウム水溶液490gを攪拌下に添加して十分に撹拌し、静置した後に下相を除去した。続いて、撹拌下で有機相に蒸留水280gを添加して撹拌し、静置した後に下層を除去した。上層の有機相を減圧下に加熱してトルエンを留去した。
得られた反応物はペンタアクリレート及びヘキサアクリレートを含む混合物であり、粘度490mPa・s(25℃)、水酸基価38mgKOH/gであった(以下、「アクリレートb2」という)。
製造例3と同じフラスコに、ジグリセリンのEO4モル付加物〔花王(株)、エマルゲンG2E−4、625mgKOH/g〕500g、アクリル酸518g、パラトルエンスルホン酸一水和物41g、塩化第二銅1.59g、MEHQ1.59g及びトルエン550gを投入した。
含酸素ガスをフラスコ内に吹き込みながら、反応液温度80〜100℃、反応系圧力400〜760Torrの条件で加熱攪拌した。反応の進行に伴って生成する水をディーンスターク管にて系外に除去しながら7時間の脱水エステル化反応を行った。
反応終了後に、得られた反応液を、分液ロートに添加して、純水で洗浄・分液した後、有機層をさらに水酸化ナトリウム水溶液で洗浄・分液し、有機層をさらに純水で洗浄・分液し、静置した後に下層を除去した。上層の有機相を減圧下に加熱してトルエンを留去した。
得られた反応物はトリアクリレート及びテトラアクリレートを含む混合物であり、粘度340mPa・s(25℃)、水酸基価15mgKOH/gであった(以下、「アクリレートb3」という)。
1)活性エネルギー線硬化型組成物の製造
下記表1に示す化合物を表1に示す割合で撹拌・混合し、活性エネルギー線硬化型組成物を製造した。
得られた組成物を使用し、後記する評価を行った。それらの結果を表2に示す。
又、表1における略号は下記を意味する。
・M309:トリメチロールプロパントリアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスM−309
・M350:トリメチロールプロパンのEO3モル付加物のトリアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスM−350
・HCPK:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF社製IRGACURE184
(1)粘度
得られた組成物の粘度をE型粘度計(25℃)で測定した。
得られた組成物を、膜厚5μmとなるようポリエチレンテレフタレートフィルム〔東洋紡(株)製、コスモシャインA4300(厚み100μm)〕にバーコーターで塗布し、アイグラフィックス(株)製高圧水銀ランプを用い、365nmを中心とする紫外線領域(UV−A)強度500mW/cm2にて、1パスあたり200mJ/cm2の照射エネルギーとなるよう調整したコンベアにて、空気雰囲気下で、搬送を行って、組成物を硬化させたサンプルを用いた。
なお、実施例8及び同9、比較例1及び同5は70℃に加温して塗布した後、常温まで空冷後にUV照射を行った。
JISK5600−5−4に従い、750g荷重にて評価を行った。
スチールウール#0000を用いて荷重500gで100往復後、以下の2水準で評価を行った。
○:硬化膜に傷が見られない、×:硬化膜に傷が見られる
マンドレル試験(JIS K5600−5−1)に従い、直径3mmの芯棒に硬化膜を形成したPETフィルムを巻き付け、以下の2水準で評価を行った。
○:硬化膜の割れや剥がれがない、×:硬化膜の割れや剥がれが見られた
サンプルを10cm×10cmに切り出し、その四隅の浮き上った高さを測定し平均値で評価した。値が小さいほど変形が少ないことを示す。
これに対して、比較例1及び同5は、(A)成分が本発明の上限90重量%を超える組成物であるが、薄膜硬化性、硬度、耐擦傷性及びカール性には優れるものの、屈曲性が劣った。
又、比較例2〜同4及び比較例6〜同8は、(A)成分が本発明の下限55重量%に満たない組成物であり、薄膜塗工可能な粘度であるが、その硬化膜は、200mJ/cm2という低UV照射量では硬度、屈曲性及びカール性は優れるものの、耐擦傷性に劣った。
又、比較例9は、(B)成分と異なる3価の脂肪族多価アルコールでEOを含まないアルコールから誘導されるアクリレートを含む組成物で、又、比較例10は、(B)成分と異なる3価の脂肪族多価アルコールのEO付加物から誘導されるアクリレートを含む組成物であり、いずれの場合も、薄膜塗工可能な粘度であるが、その硬化膜は、200mJ/cm2という低UV照射量では硬度及び耐擦傷性は優れるものの、屈曲性及びカール性に劣った。
Claims (7)
- 下記(A)成分及び(B)成分を必須成分として含み、(A)成分及び(B)成分の合計量を基準として(A)成分55〜90重量%及び(B)成分10〜45重量%を含む硬化型組成物。
(A)成分:ペンタエリスリトールジ及び/又はトリ(メタ)アクリレートとポリイソシアネートの付加反応で得られるウレタン(メタ)アクリレート(a1)とペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート(a2)を含む混合物
(B)成分:4価以上の脂肪族多価アルコールのエチレンオキサイド4〜6モル付加物から誘導される(メタ)アクリレートであって、水酸基価が10〜50mgKOH/gであるポリ(メタ)アクリレート混合物 - 前記(A)成分原料のポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネート又は環状ポリイソシアネートである請求項1記載の硬化型組成物。
- 前記(a2)成分が、前記(A)成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定により得られた値として、10〜30面積%含む請求項1又は請求項2に記載の硬化型組成物。
- 前記(B)成分が、下記(b1)〜(b3)成分から選ばれる少なくとも一種を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
(b1)成分:ペンタエリスリトールのエチレンオキサイドを4〜6モル付加物から得られるトリ(メタ)アクリレート及びテトラ(メタ)アクリレートの混合物
(b2)成分:ジペンタエリスリトールのエチレンオキサイドを4〜6モル付加物から得られるペンタ(メタ)アクリレート及びヘキサ(メタ)アクリレートの混合物
(b3)成分:ジグリセリンのエチレンオキサイドを4〜6モル付加物から得られるトリ(メタ)アクリレート及びテトラ(メタ)アクリレートの混合物 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の組成物を含む活性エネルギー線硬化型組成物。
- さらに、光重合開始剤を、(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部に対して0.1〜10重量部含む請求項5に記載の活性エネルギー線硬化型硬化型組成物。
- 請求項5又は請求項6に記載の組成物を含む活性エネルギー線硬化型コーティング剤組成物。
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