JP6458379B2 - 活性エネルギー線硬化型組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物に関し、本発明の組成物は、オフセットやインクジェット印刷等のインキ用途、ハードコート等のコーティング用途、カラーレジスト等のレジスト用途の種々の用途に使用可能であり、特に薄膜で速硬化性を有し、得られる硬化膜の表面硬度、耐擦傷性、屈曲性及びカール性を同時に満足することができるため、コーティング剤組成物として好ましく使用でき、これら技術分野に属する。
尚、本明細書においては、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基、アクリレート及び/又はメタクリレートを(メタ)アクリレート、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と呼ぶ。
活性エネルギー線硬化型組成物として、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(以下、「DPHA」という)を主成分とする組成物が知られている(特許文献1)。当該組成物から得られる硬化膜は、表面硬度が高く、傷がつきにくいという特長から、ハードコート用途に広く用いられている。
しかしながら、当該組成物の硬化膜は、硬化時の反りが大きくフィルムが変形しやすいという問題があるうえ、割れやすく、ハードコートを施したフィルム基材を曲げると割れや剥離が起こりやすいという問題を有するものである。
この問題を解決するために、ポリグリセリン(平均重合度2〜12)とアルキレンオキサイド(炭素数2〜4)との反応物において、ポリグリセリンの水酸基1当量に対しアルキレンオキサイドを0.5〜3.5モル付加反応させて得られるポリグリセリンアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート及びポリアルキレングリコール(炭素数2〜4のアルキレングリコール)のジ(メタ)アクリレートを含有する組成物が知られている(特許文献2)。
当該組成物は、硬化時の反りが小さいものの、薄膜での硬化性及び硬化膜の耐擦傷性がDPHAに劣り不充分という問題があった。
特開平6−248008号公報 特開2010−6913号公報
本発明者らは、薄膜での硬化性に優れ、得られる硬化膜が、表面硬度、耐擦傷性、屈曲性及びカール性を同時に満足することができる活性エネルギー線硬化型組成物を見出すため鋭意検討を行ったのである。
本発明者らは、前記課題を解決するためには、グリセリンにエチレンオキサイドを4〜8モル付加したポリオールから得られるテトラ(メタ)アクリレート(A)と、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサ(メタ)アクリレート(B)を必須成分として含有する活性エネルギー線硬化型組成物が、薄膜で速硬化性であり、硬化膜の硬度、耐擦傷性、屈曲性及びカール性の物性に優れることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の組成物によれば、薄膜で速硬化性であり、得られる硬化膜は表面硬度、耐擦傷性、屈曲性及びカール性を同時に満足することができる。
本発明は、下記(A)成分及び(B)成分を必須成分とする組成物であって、(A)成分及び(B)成分の合計量を基準として(A)成分45〜95重量%、(B)成分5〜55重量%を含む活性エネルギー線硬化型組成物に関する。
(A)成分:ジグリセリンにエチレンオキサイドを4〜8モル付加したポリオールから得られるテトラ(メタ)アクリレート
(B)成分:ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの混合物であって、これらの合計量を基準として、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートを20〜60重量%及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを40〜80重量%含むもの
以下、(A)及び(B)成分、その他の成分及び使用方法について説明する。
1.(A)成分
(A)成分は、ジグリセリンにエチレンオキサイドを4〜8モル付加したポリオール(以下、単に「ポリオール」という)から得られるテトラ(メタ)アクリレートである。
(A)成分は、モノ、ジ及びトリ(メタ)アクリレートを含んでいても良い。
(A)成分の原料化合物であるポリオールは、1分子中に4個の水酸基を有する化合物で、ジグリセリンにエチレンオキサイドを4〜8モル付加した化合物である。
ジグリセリンとしては、常法により得られたものを使用でき、グリセリン2モルの縮合反応により得られる化合物等が挙げられる。
エチレンオキサイドの付加モル数が4モル未満の化合物では、硬化膜の屈曲性が不充分であり、8モルを超えると硬化膜の硬度が低下し、コーティングとしての性能が不充分となる。
(A)成分は、常法に従い製造されたものを使用することができ、具体的には、ポリオールと(メタ)アクリル酸をエステル化反応する製造方法、及びポリオールをエステル交換反応する製造方法等が挙げられる。
(1)エステル化反応
エステル化反応としては、常法に従えば良く、酸触媒の存在下にポリオール及び(メタ)アクリル酸を加熱・攪拌する方法が挙げられる、
(メタ)アクリル酸の使用割合は、目的とする(メタ)アクリレートとなるように、ポリオールの全水酸基1モルに対して調整され、好ましくは0.8〜2.0モルであり、より好ましくは1.0〜1.5モルである。
酸触媒としては種々の化合物が使用でき、無機酸及び有機酸のいずれも使用することができる。
有機酸としては、具体的にはメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、及びトリフルオロメタンスルホン酸等の有機スルホン酸等が挙げられる。
無機酸としては、硫酸等の鉱酸、並びにタングストリン酸、タングストケイ酸、モリブドリン酸、モリブドケイ酸、三フッ化ホウ素エーテラート及び四塩化スズ等が挙げられる。
これらの中でも触媒活性が高く、水存在下でも失活せず、副反応が少ないという理由で、メタンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸が好ましい。
酸触媒の使用割合としては、ポリオールの全水酸基1モルに対して0.05モル〜10モルが好ましく、より好ましくは0.1〜8モルである。
エステル化反応は、常法に従い実施すれば良い。
反応温度は、使用する原料及び目的に応じて適宜設定すればよいが、反応時間の短縮と重合防止の観点から65〜140℃が好ましく、75〜120℃がより好ましい。反応温度を65℃以上とすることでエステル化反応を迅速に行い、収率の低下を防止することができ、一方反応温度を140℃以下とすることで、(メタ)アクリル酸又は生成した(メタ)アクリレートの熱重合を防止することができる。
エステル化反応に際しては、エステル化反応で生成する水を有機溶媒と共沸させながら脱水を促進することが好ましい。
好ましい有機溶媒としては、例えばトルエン、ベンゼン及びキシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素、並びにメチルエチルケトン等のケトン等が挙げられる。
有機溶媒の使用量は、ポリオールと(メタ)アクリル酸の合計量に対して10〜75重量%となる割合、より好ましくは15〜55重量%となる割合が好ましい。
エステル化反応の進行度は、エステル化反応により生成する水の量、すなわち脱水量を監視したり、反応液中の酸分濃度を分析したり、生成物(メタ)アクリレートの組成を分析し、目的とする組成であるのかを確認して判断する。
エステル化反応では、原料(メタ)アクリル酸や得られた(メタ)アクリレートの重合を抑制するために、重合禁止剤を使用することが好ましい。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、ベンゾキノン、フェノチアジン等の有機系重合禁止剤、塩化銅及び硫酸銅等の無機系重合禁止剤、並びにジブチルジチオカルバミン酸銅等の有機塩系重合禁止剤等が挙げられる。重合禁止剤は、1種を単独で使用しても又は2種以上を任意に組み合わせて使用しても良い。特許第4650116号に開示されているように、(A)成分の製造には、特に、銅化合物とフェノール系化合物からなるものが好ましい。銅化合物としては無水物であっても水和物であってもよく、塩化第二銅及び臭化第二銅等のハロゲン化第二銅又は硫酸銅を使用する。これらの中でも、塩化第二銅及び硫酸銅が、重合禁止作用が強く、かつ安価であることからが好ましい。
重合禁止剤の割合としては、(メタ)アクリル酸量に対して5〜20,000ppmが好ましい。
又、重合を抑制する他の効果的な方法として、酸素含有気体の雰囲気下で反応したり、酸素含有気体を反応液中に導入しながら反応する方法がある。
含酸素ガスとしては、例えば空気、酸素と窒素の混合ガス、酸素とヘリウムの混合ガス等が挙げられる。
得られた反応液は、常法に従い精製すれば良い。
具体的には、反応液を中和・水洗し、有機溶媒を使用する場合は有機溶媒を蒸留して最終製品とする。
(2)エステル交換反応
エステル交換反応は、常法に従えばよく、ポリオール及びアルキル(メタ)アクリレートを、触媒の存在下に加熱・攪拌する方法等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、アルキル基の炭素数が8以下のものが好ましく、4以下のものが更に好ましく使用される。
具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
触媒としては、エステル交換反応で通常用されるものであれば良く、例えばチタン系触媒、スズ系触媒及び硫酸等が挙げられる。
触媒の使用割合としては、ポリオールの全水酸基1モルに対して0.05モル〜20モルが好ましい。
エステル交換反応では、ラジカル重合性の高いアルキル(メタ)アクリレートを原料に使用することからも、エステル交換反応時の重合を抑制するために重合禁止剤を使用することが好ましく、前記と同様の化合物が挙げられる。
又、重合を抑制する他の効果的な方法として、酸素含有気体の雰囲気下で反応したり、酸素含有気体を反応液中に導入しながら反応する方法がある。
エステル交換反応では、原料であるアルキル(メタ)アクリレートを過剰に使用することによって、反応溶媒を使用しないで行うことができる。
しかし、生成アルコールを効率的に系外に除去するため、又は原料や生成物を均一溶解する等の目的で溶媒を使用してもよい。この場合、生成アルコールと共沸可能で、生成物である多官能(メタ)アクリレートを溶解する反応溶媒を使用するのが好ましい。反応溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環族の炭化水素、n−ヘキサン及びn−ヘプタン等の脂肪族炭化水素、並びにメチルエチルエトン及びメチルイソブチルケトン等のケトンが挙げられる。
エステル交換反応は、還流状態で生成アルコールを系外に留去しながら行う方法が好ましい。
反応温度は生成アルコールや原料アルキル(メタ)アクリレート、反応溶媒等に依存するが、生成アルコールの沸点以上に調節するのが好ましい。反応温度は原料であるアルキル(メタ)アクリレートや反応溶媒の選定、圧力の制御(加圧又は減圧)によってある程度は調節できる。好ましい反応温度は60〜160℃であり、80〜150℃が更に好ましい。反応温度が60℃未満では反応速度が遅く、160℃を越えると着色やゲル化が起こりやすい。
2.(B)成分
(B)成分は、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(以下、「DPPM」という)及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(以下、「DPHM」という)の混合物である。
(B)成分における、DPPMとDPHMの割合、DPPM及びDPHMの合計量を基準として、DPPMが20〜60重量%及びDPHMが40〜80重量%でありましくは、DPPMが20〜50重量%及びDPHMが50〜80重量%である。この割合とすることで、硬化物の硬度と屈曲性のバランスを取ることができる。
(A)成分及び(B)の含有割合は、(A)成分及び(B)成分の合計量を基準として、(A)成分45〜95重量%及び(B)成分5〜55重量%であり、好ましくは(A)成分50〜95重量%及び(B)成分5〜50重量%であり
(A)成分の含有割合が45重量%に満たないか、又は(B)成分の含有割合が55重量%を超えると、得られる硬化物の屈曲性及びカール性が低下してしまい、(A)成分の含有割合が95重量%を超えるか、又は(B)成分の含有割合が5重量%に満たないと、耐擦傷性(耐スチールウール性)が低下してしまう。
3.その他の成分
本発明の組成物は、前記(A)及び(B)成分を必須成分とするものであるが、目的に応じて種々の成分を配合することができる。
その他成分としては、具体的には、光重合開始剤〔以下、「(C)成分」という〕、エチレン性不飽和基を有する(A)及び(B)成分以外の化合物〔以下、「(D)成分」という〕、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料・染料、レベリング剤及びシランカップリング剤等が挙げられる。
以下、これらの成分について説明する。
1)(C)成分
(C)成分は、光重合開始剤である。
(C)成分は、活性エネルギー線として紫外線及び可視光線を用いた場合に配合する成分である。活性エネルギー線として電子線を使用する場合には、必ずしも配合する必要はないが、硬化性を改善させるため必要に応じて少量配合することもできる。
(C)成分の具体例としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−1−(メチルビニル)フェニル]プロパノン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチループロピオニル)ベンジル]フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)]フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−オクチルカルバゾール、フェニルグリオキシ酸メチル、エチルアントラキノン及びフェナントレンキノン等の芳香族ケトン化合物;
ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−(メチルフェニルチオ)フェニルフェニルメタン、メチル−2−ベンゾフェノン、1−[4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフォニル)プロパン−1−オン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン及び4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィネート及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物;
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントン、3−[3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イル−オキシ]−2−ヒドロキシプロピル−N,N,N―トリメチルアンモニウムクロライド及びフルオロチオキサントン等のチオキサントン系化合物等が挙げられる。
これら化合物の中でも、α−ヒドロキシフェニルケトン類が、大気下において、薄膜のコーティングであっても表面硬化性が良好で好ましく、具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンがより好ましい。
又、硬化膜の膜厚を厚くする必要がある場合、例えば50μm以上とする必要がある場合は、硬化膜内部の硬化性を向上させる目的や、紫外線吸収剤や顔料を併用する場合は、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィネート及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物や、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)]フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタンー1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン等を併用することが好ましい。
(C)成分の含有割合は、(A)及び(B)成分、又は後記(D)成分を配合する場合は、(A)、(B)及び(D)成分(以下、これらをまとめて「硬化性成分」という)合計量100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜8重量部である。(C)成分の割合を0.1重量部以上にすることで、組成物の光硬化性を良好にし、密着性に優れるものとすることができ、10重量部以下とすることで、硬化膜の内部硬化性が良好にすることができ、基材との密着性を良好にすることができる。
2)(D)成分
(D)成分は、エチレン性不飽和基を有する化合物を有する(A)及び(B)成分以外の化合物である。
(D)成分におけるエチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基及び(メタ)アリル基等が挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
尚、下記において、「単官能」とは、エチレン性不飽和基を1個有する化合物を意味し、「○官能」とはエチレン性不飽和基を○個有する化合物を意味し、「多官能」とはエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を意味する。
(D)成分において、単官能エチレン性不飽和化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸、アクリル酸のマイケル付加型のダイマー、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ブチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、アルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、パラクミルフェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、オルトフェニルフェノール(メタ)アクリレート、オルトフェニルフェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンメチロール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、N−(2−(メタ)アクリロキシエチル)ヘキサヒドロフタルイミド、N−(2−(メタ)アクリロキシエチル)テトラヒドロフタルイミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレート化合物としては、具体的には、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート及びノナンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。このほかに、ビスフェノール骨格や、ポリエーテル骨格、ポリアルキレン骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル骨格、ポリエーテル骨格又はポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート、及びポリエステル(メタ)アクリレート等も用いることができる。
3官能以上(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンのトリ又はテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールのトリ又はテトラ(メタ)アクリレート等のポリオールポリ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールアルキレンオキサイド付加物のトリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンアルキレンオキサイド付加物のトリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールアルキレンオキサイド付加物のトリ、テトラ、ペンタ又はヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールアルキレンオキサイド付加物のポリ(メタ)アクリレート;
イソシアヌル酸アルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート;並びに
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の水酸基を有し3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物と有機ポリイソシアネートとの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート等
を挙げることができる。
前記における、アルキレンオキサイド付加物の例としては、エチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、並びに、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
又、前記有機ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート3量体、水素化トリレンジイソシアネート、水素化4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート2量体、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート相互付加物、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリス(トリレンジイソシアネート)付加物及びイソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。
(D)成分としては、これら化合物の中でも多官能(メタ)アクリレートが好ましく、より好ましくは3官能以上(メタ)アクリレートである。
3官能以上(メタ)アクリレートの好ましい具体例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと有機ポリイソシアネートとの反応物であるウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
(D)成分の含有割合は、硬化性成分の合計量100重量部に対して0〜60重量部であり、好ましくは0〜30重量部である。
(D)成分の含有割合が60重量部を超えると、硬化膜が脆くなってしまう。
3)酸化防止剤
酸化防止剤は、硬化膜の耐熱性、耐候性等の耐久性を向上させる目的で配合する。
酸化防止剤としては、たとえばフェノール系酸化防止剤やリン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、たとえば、ジt−ブチルヒドロキシトルエン等のヒンダードフェノール類を挙げることができる。市販されているものとしては、(株)アデカ製のAO−20、AO−30、AO−40、AO−50、AO−60、AO−70、AO−80等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン等のホスフィン類や、亜リン酸トリアルキルや亜リン酸トリアリール等が挙げられる。これらの誘導体で市販品としては、たとえば(株)アデカ製、アデカスタブPEP−4C、PEP−8、PEP−24G、PEP−36、HP−10、260、522A、329K、1178、1500、135A、3010等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、チオエーテル系化合物が挙げられ、市販品としては(株)アデカ製AO−23、AO−412S、AO−503A等が挙げられる。
これらは1種を用いても2種類以上を用いてもよい。これら酸化防止剤の好ましい組合せとしては、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との併用、及びフェノール系酸化防止剤と硫黄系酸化防止剤の併用が挙げられる。
酸化防止剤の配合割合としては、目的に応じて適宜設定すれば良く、硬化性成分合計量100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜1重量部である。
配合割合を0.01重量部以上とすることで、組成物の耐久性を向上させることができ、一方、5重量部以下とすることで、硬化性や密着性を良好にすることができる。
4)紫外線吸収剤
紫外線吸収剤は、硬化膜の耐光性を向上させる目的で配合する。
紫外線吸収剤としては、BASF社製TINUVIN400、TINUVIN405、TINUVIN460、TINUVIN479等のトリアジン系紫外線吸収剤や、TINUVIN900、TINUVIN928、TINUVIN1130等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を挙げることができる。
紫外線吸収剤の配合割合としては、目的に応じて適宜設定すれば良く、硬化性成分合計量100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜1重量部である。配合割合を0.01重量部以上とすることで、硬化膜の耐光性を良好なものとすることができ、一方、5重量部以下とすることで、組成物の硬化性に優れるものとすることができる。
5)顔料・染料
顔料としては、有機顔料及び無機顔料等が挙げられる。
有機顔料の具体例としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー及びピラゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料;リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット及びパーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料;アリザリン、インダントロン及びチオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体;フタロシアニンブルー及びフタロシアニングリーン等のフタロシアニン系有機顔料;キナクリドンレッド及びキナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系有機顔料、ペリレンレッド及びペリレンスカーレット等のペリレン系有機顔料;イソインドリノンエロー及びイソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系有機顔料;ピランスロンレッド及びピランスロンオレンジ等のピランスロン系有機顔料;チオインジゴ系有機顔料;縮合アゾ系有機顔料;ベンズイミダゾロン系有機顔料;キノフタロンエロー等のキノフタロン系有機顔料、イソインドリンエロー等のイソインドリン系有機顔料;並びにその他の顔料として、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド及びジオキサジンバイオレット等が挙げられる。
又、前記無機顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック及び合成鉄黒等を挙げることができる。尚、前記フィラーで例示したカーボンブラックは、無機顔料としても使用することができる。
染料としては、従来から知られた種々の化合物を使用することができる。
6)レベリング剤
シリコーン系レベリング剤及び、フッ素系レベリング剤等が挙げられ、市販されている各種レベリング剤を使用することができる。
7)シランカップリング剤
シランカップリング剤は、硬化膜と基材との界面接着強度を改善する目的で配合する。
シランカップリング剤としては、基材との接着性向上に寄与できるものであれば特に限
シランカップリング剤としては、具体的には、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル-N-(1,3−ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤の配合割合は、目的に応じて適宜設定すれば良く、硬化性成分合計量100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは1〜5重量部である。
配合割合を0.1重量部以上にすることで、組成物の接着力を向上させることができ、一方、10重量部以下とすることで、接着力の経時変化を防止することができる。
8)前記以外のその他の成分
本発明の組成物は、前記以外にもインキ、コーティング及びレジストとして使用される種々の成分を配合することが可能である。
例えば、本発明の組成物は、好ましくは無溶剤型の組成物として使用するが、必要に応じて有機溶剤を配合することもできる。
好ましい溶剤の具体例としては、エタノール及びイソプロパノール等のアルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノエーテル;ダイアセトンアルコール等のアセトンアルコール;トルエン及びキシレン等の芳香族化合物;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン;ジブチルエーテル等のエーテル;並びにN−メチルピロリドン等が挙げられる。
4.活性エネルギー線硬化型組成物
本発明は、前記(A)及び(B)成分を必須成分とする活性エネルギー線硬化型組成物に関する。
組成物の製造方法としては、常法に従えば良く、例えば、(A)及び(B)成分、必要に応じてその他の成分を撹拌混合して製造することができる。
5.使用方法
本発明の組成物の使用方法としては、常法に従えば良い。
例えば、基材に組成物を塗布した後、活性エネルギー線を照射する方法等が挙げられる。
又、組成物に光重合開始剤及び熱重合開始剤を併用し、これを活性エネルギー線照射した後、加熱硬化させることにより、基材との密着性を向上させる方法も採用することができる。
本発明の組成物が適用できる基材としては、種々の材料に適用でき、プラスチック、木材、金属、無機材料及び紙等が挙げられる。
プラスチックの具体例としては、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース及びジアセチルセルロース等のセルロースアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルサルホン、ノルボルネン等の環状オレフィンをモノマーとする環状ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂及びポリウレタン樹脂等が挙げられる。
木材としては、自然の木材及び合成木材等が挙げられる。
金属としては、鋼板、アルミ及びクロム等の金属、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化インジウムスズ(ITO)等の金属酸化物等が挙げられる。
無機材料としては、ガラス、モルタル、コンクリート及び石材等が挙げられる。
本発明の組成物の基材への塗工方法としては、目的に応じて適宜設定すれば良く、バーコーター、アプリケーター、ドクターブレード、ディップコーター、ロールコーター、スピンコーター、フローコーター、ナイフコーター、コンマコーター、リバースロールコーター、ダイコーター、リップコーター、グラビアコーター及びマイクログラビアコーター等で塗工する方法が挙げられる。
本発明の組成物を硬化させるための活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線及び電子線等が挙げられるが、紫外線が好ましい。
紫外線照射装置としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、UV無電極ランプ、LED等が挙げられる。
照射エネルギーは、活性エネルギー線の種類や配合組成に応じて適宜設定すべきものであるが、一例として高圧水銀ランプを使用する場合を挙げると、UV−A領域の照射エネルギーで100〜5,000mJ/cm2が好ましく、200〜1,000mJ/cm2がより好ましい。
本発明の組成物は種々の用途に使用可能であり、オフセットやインクジェット印刷等のインキ用途、ハードコート等のコーティング用途、カラーレジスト等のレジスト用途が挙げられる。
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。
尚、以下においては、「部」とは重量部を意味し、「%」は重量%を意味する。
又、以下においては、エチレンオキサイドを「EO」と略する。
1.製造例
1)製造例1(ジグリセリンEO4モル付加物のアクリレートの製造)
還流管を設置した2Lの側管付き4口フラスコに、ジグリセリンのEO4モル付加物500g、アクリル酸518g、トルエン550g、パラトルエンスルホン
酸一水和物(以下、「PTS」という)41g、重合禁止剤として塩化第二銅1.59g〔反応液総量に対して1000wtppm(以下単にppmと記載する)〕及びハイドロキノンモノメチルエ−テル(以下、「MQ」という)1.59g(反応液総量に対して1000ppm)を投入し、酸素を含む窒素ガスを吹き込みながら反応液温度80〜100℃、反応系圧力400〜760mmHgに調整した。生成する水をディーンスターク管にて系外に除去しながら7時間の脱水エステル化反応を行った。
得られた反応液を、分液ロートに添加して、純水で洗浄・分液した後、有機層をさらに
水酸化ナトリウム水溶液で洗浄・分液し、有機層をさらに純水で洗浄・分液した。
その後、得られた有機層にMQを0.4g添加し、酸素を含む窒素ガスを吹き込みなが
ら80℃減圧下にてトルエンを除去することで目的物であるジグリセリンEO4モル付加物のテトラアクリレートを得た(以下、「アクリレート4EO」という)。
2)製造例2(ジグリセリンEO8モル付加物のアクリレートの製造)
還流管を設置した2Lの側管付き4口フラスコに、ジグリセリンのEO8モル付加物500g、アクリル酸306g、トルエン550g、PTS25.7g、重合禁止剤として塩化第二銅1.57g及びMQ1.57gを投入し、酸素を含む窒素ガスを吹き込みながら反応液温度80〜100℃、反応系圧力400〜760mmHgに調整した。生成する水をディーンスターク管にて系外に除去しながら7時間の脱水エステル化反応を行った。
反応終了後、実施例1と同様に処理して有機相を分離し、減圧下に加熱してトルエンを留去し。目的物であるジグリセリンEO8モル付加物のテトラアクリレートを得た(以下、「アクリレート8EO」という)。
2.実施例及び比較例
1)活性エネルギー線硬化型組成物の製造
下記表1に示す化合物を表1に示す割合で撹拌・混合し、活性エネルギー線硬化型組成物を製造した。
得られた組成物を使用し、後記する評価を行った。それらの結果を表2に示す。
Figure 0006458379
尚、表1における数字は部数を意味する。
又、表1における略号は下記を意味する。
・DPHA:ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート混合物、東亞合成製アロニックスM−402(DPPM:DPHM=30重量%:70重量%)
・HCPK:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF社製IRGACURE184
2)評価方法
(1)薄膜硬化性
得られた組成物を、膜厚5μmとなるようポリエチレンテレフタレートフィルム〔東洋紡(株)製、コスモシャインA4300(厚み100μm)〕にバーコーターで塗布し、アイグラフィックス(株)製高圧水銀ランプを用い、365nmを中心とする紫外線領域(UV−A)強度500mW/cm2にて、1パスあたり200mJ/cm2の照射エネルギーとなるよう調整したコンベアにて、空気雰囲気下で、搬送を行った。
硬化性の評価方法としては、表面のタックがなくなるまでのパス数を求めた。
(2)硬化膜物性
以下の評価においては、硬化性試験と同じ条件において、4パス紫外線照射(800mJ/cm2)を行って組成物を硬化させたサンプルを用いた。
(ア)鉛筆硬度
JISK5600−5−4に従い、750g荷重にて評価を行った。
(イ)耐擦傷性
スチールウール#0000を用いて荷重500gで100往復後、以下の2水準で評価を行った。
○:硬化膜に傷が見られない、×:硬化膜に傷が見られる
(ウ)屈曲性
マンドレル試験(JIS K5600−5−1)に従い、直径2mm又は4mmの芯棒に硬化膜を形成したPETフィルムを巻き付け、以下の2水準で評価を行った。
○:硬化膜の割れや剥がれがない、×:硬化膜の割れや剥がれが見られた
(エ)カール性
サンプルを6cm×6cmに切り出し、その四隅の浮き上った高さを測定し平均値で評価した。値が小さいほど変形が少ないことを示す。
3)評価結果
Figure 0006458379
実施例1〜6の結果から明らかなように、本発明の組成物は薄膜での硬化性に優れるものであり、硬化膜は、硬度、耐擦傷性、屈曲性及びカール性のいずれにも優れるものであった。
これに対して、比較例1及び同3は、(A)成分のみを含み(B)成分を含まない組成物であるが、薄膜硬化性、屈曲性及びカール性には優れるものの、耐擦傷性が劣った。また、比較例2及び同4は、(A)成分が本発明の下限45%に満たない組成物であるが、薄膜硬化性、硬度及び耐擦傷性は優れるものの、屈曲性及びカール性に劣った。
本発明の組成物はオフセットやインクジェット印刷等のインキ用途、ハードコート等のコーティング用途、カラーレジスト等のレジスト用途の種々の用途に使用可能であり、特に薄膜で速硬化性を有し、得られる硬化膜が硬度、耐擦傷性、屈曲性及びカール性を同時に満足することができるため、コーティング剤組成物として好ましく使用できる。

Claims (2)

  1. 下記(A)成分及び(B)成分を必須成分とする組成物であって、(A)成分及び(B)成分の合計量を基準として(A)成分45〜95重量%、(B)成分5〜55重量%を含む活性エネルギー線硬化型組成物。
    (A)成分:ジグリセリンにエチレンオキサイドを4〜8モル付加したポリオールから得られるテトラ(メタ)アクリレート
    (B)成分:ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの混合物であって、これらの合計量を基準として、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートを20〜60重量%及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを40〜80重量%含むもの
  2. 請求項記載の組成物を含む活性エネルギー線硬化型コーティング剤組成物。
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