JP2015224254A - 硬化型組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機溶剤を用いなくとも低粘度でハンドリング性に優れ、又硬化性にも優れ、得られる硬化膜が、表面硬度、柔軟性及び低カール性を同時に満足することができる硬化型組成物の提供、好ましくは活性エネルギー線硬化型組成物の提供。
【解決手段】ジペンタエリスリトールにエチレンオキサイドを3〜6モル付加したポリオールから得られるペンタ(メタ)アクリレート(ペンタ体)及びヘキサ(メタ)アクリレート(ヘキサ体)の混合物(A)と、
ペンタ体のヒドロキシル基がヘキサ体の少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基にマイケル付加した化合物(B)
を必須成分として含有する硬化型組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化型組成物に関し、好ましくは活性エネルギー線硬化型組成物に関するものであり、本発明の組成物はインキ、コーティング及びレジスト等のパターン形成用組成物の種々の用途に使用可能であり、特に低粘度で速硬化性を有し、得られる硬化膜が表面硬度及び柔軟性を両立できるため、コーティング用組成物として好ましく使用でき、これら技術分野に属する。
尚、本明細書においては、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基、アクリレート及び/又はメタクリレートを(メタ)アクリレート、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と呼ぶ。
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(以下、「DPHA」という)は、硬化型組成物の原料として種々の用途に使用されている。
特に、DPHAは、活性エネルギー線硬化型組成物の成分として好ましく使用されており、当該組成物から得られる硬化膜は、表面硬度が高く、傷がつきにくいという特長から、ハードコート用途に広く用いられ、特許文献1にもDPHAを主成分とする活性エネルギー線硬化型組成物が開示されている。
しかしながら、当該組成物の硬化膜は、硬化時の反りが大きくフィルムが変形しやすいという問題があるうえ、割れやすく、ハードコートを施したフィルム基材を曲げると割れや剥離が起こりやすいという問題を有するものである。
又、当該組成物は、原料のDPHA自体が高粘度のため、コーティング剤として用いる場合は、有機溶剤で希釈しなければならない。この場合、組成物に含まれる有機溶剤が、プラスチックフィルムに塗工したときに基材を浸食したり、有機溶剤の乾燥に時間やコストがかかるという問題がある。
この問題を解決するために、DPHA等の多官能(メタ)アクリレートを、低粘度である単官能(メタ)アクリレートや2官能(メタ)アクリレートで希釈する組成物が知られている(特許文献2)。この組成物は、組成物を低粘度化するためには単官能(メタ)アクリレートや2官能(メタ)アクリレートを30重量部以上用いる必要があり、プラスチックフィルム上に形成した硬化膜の硬度が低すぎるという問題がある。
硬化膜の反りや割れやすさを改善する方法としては、水酸基を有する多官能(メタ)アクリレートを多価イソシアネートと反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートを主成分とするコーティング剤組成物がある(特許文献3)。
しかし、このような組成物は粘度が高いため、塗工時のハンドリングを向上させる目的で有機溶剤が希釈剤として用いなければならず、この場合、前記と同様の問題がある。
特開平6−248008号公報 特開2009−287017号公報 特開2012−229412号公報
本発明者らは、有機溶剤を用いなくとも低粘度でハンドリング性に優れ、又硬化性にも優れ、得られる硬化膜が、表面硬度、柔軟性及び低カール性を同時に満足することができる硬化型組成物、好ましくは活性エネルギー線硬化型組成物を見出すため鋭意検討を行ったのである。
本発明者らは、前記課題を解決するためには、ジペンタエリスリトールにエチレンオキサイドを3〜6モル付加したポリオールから得られるペンタ及びヘキサ(メタ)アクリレート混合物と、前記ペンタ(メタ)アクリレートのヒドロキシル基が前記ヘキサ(メタ)アクリレートの少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基にマイケル付加した化合物を必須成分として含有する硬化型組成物が、有機溶剤を用いなくとも十分に低粘度であり、硬化性も良好であり、硬化膜の硬度や柔軟性等の物性に優れることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の組成物によれば、低粘度で速硬化性であり、得られる硬化膜は表面硬度、柔軟性及び低カール性を同時に満足することができる。
本発明は、ジペンタエリスリトールにエチレンオキサイドを3〜6モル付加したポリオールから得られるペンタ(メタ)アクリレート(以下、「ペンタ体」という)及びヘキサ(メタ)アクリレート(以下、「ヘキサ体」という)の混合物(A)〔以下、「(A)成分」という〕と、
ペンタ体のヒドロキシル基がヘキサ体の少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基にマイケル付加した化合物(B)〔以下、「(B)成分」という〕
を必須成分として含有する硬化型組成物に関する。
さらに、(A)及び(B)成分としては、有機溶剤中でメタンスルホン酸の存在下、ジペンタエリスリトールにエチレンオキサイドを3〜6モル付加したポリオールと(メタ)アクリル酸を加熱・撹拌しエステル化反応して得られたものが、得られる反応物が着色することなく、又酸価上昇を抑制でき、変異原生がないものとすることができる点で好ましい。酸価上昇とは、アルコールと(メタ)アクリル酸を使用して得られたエステル化反応物が、経時的に酸価が上昇してしまう現象をいい、貯蔵安定性や熱安定性の原因となる現象をいう。
以下、(A)及び(B)成分、その他の成分及び使用方法について説明する。
1.(A)成分
(A)成分は、ジペンタエリスリトールにエチレンオキサイドを3〜6モル付加したポリオール(以下、単に「ポリオール」という)から得られるペンタ(メタ)アクリレート(ペンタ体)及びヘキサ(メタ)アクリレート(ヘキサ体)の混合物である。
(A)成分における原料化合物であるポリオールは、1分子中に6個の水酸基を有する化合物で、ジペンタエリスリトールにエチレンオキサイドを3〜6モル付加した化合物であり、4〜6モル付加した化合物が好ましい。
エチレンオキサイドの付加モル数が2以下の化合物では、硬化膜の性能や粘度がDPHAと変わらなくなり、高粘度でハンドリング性に問題があり、硬化膜の柔軟性に問題がある。一方、エチレンオキサイドの付加モル数が7以上の化合物では、硬化膜の硬度が低下し、コーティングとしての性能が不充分となる。
又、エチレンオキサイド以外のアルキレンオキサイド付加物では、硬化速度が遅いために硬化膜表面にタックが残りやすくなってしまう。
ポリオールの水酸基価としては、600〜900mg/KOHが好ましく、より好ましくは600〜800mg/KOHである。
(A)成分としては、ポリオールから得られるペンタ及びヘキサアクリレートの混合物が硬化性と硬化膜の表面硬度に優れる点で好ましい。
(A)成分は、ペンタ体とヘキサ体の混合物であり、(A)成分中のペンタ体とヘキサ体の割合としては、目的に応じて適宜設定すれば良い。
(A)成分中のペンタ体とヘキサ体の割合としては、後記する超高速液体クロマト分析によって得られた値として、ペンタ体及びヘキサ体の合計量100面積%中にペンタ体を1〜30面積%及びヘキサ体を70〜99面積%含むものが、硬化性と硬化膜の表面硬度に優れる点で好ましく、より好ましくはペンタ体を1〜20面積%及びヘキサ体を80〜99面積%含むものである。
(A)成分は、常法に従い製造されたものを使用することができ、具体的には、ポリオールと(メタ)アクリル酸をエステル化反応する製造方法、及びポリオールをエステル交換反応する製造方法等が挙げられる。
後記する通り、(A)成分と(B)成分の両方を同時に、しかも容易に製造できる点で、エステル化反応が好ましい。
以下、それぞれの製造方法について説明する。
1)エステル化反応
エステル化反応としては、常法に従えば良く、酸触媒の存在下にポリオール及び(メタ)アクリル酸を加熱・攪拌して方法が挙げられる、
(メタ)アクリル酸の使用割合は、目的とする(メタ)アクリレートとなるように、ポリオールの全水酸基1モルに対して調整され、好ましくは0.8〜2.0モルであり、より好ましくは1.0〜1.5モルである。
酸触媒としては種々の化合物が使用でき、無機酸及び有機酸のいずれも使用することができる。
有機酸としては、具体的にはメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、及びトリフルオロメタンスルホン酸等の有機スルホン酸等が挙げられる。
無機酸としては、硫酸等の鉱酸、並びにタングストリン酸、タングストケイ酸、モリブドリン酸、モリブドケイ酸、三フッ化ホウ素エーテラート及び四塩化スズ等が挙げられる。
これらの中でも触媒活性が高く、水存在下でも失活せず、副反応が少ないという理由で、メタンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸が好ましい。
さらに、酸触媒としては、前記化合物の中でも、得られる(A)成分、又は(A)成分及び(B)成分が、着色することなく、さらに酸価上昇を抑制でき、変異原生がないものとすることができる点で、メタンスルホン酸を使用することが好ましい。
酸触媒の使用割合としては、ポリオールの全水酸基1モルに対して0.05モル〜10モルが好ましく、より好ましくは0.1〜8モルである。
エステル化反応は、常法に従い実施すれば良い。
反応温度は、使用する原料及び目的に応じて適宜設定すればよいが、反応時間の短縮と重合防止の観点から65〜140℃が好ましく、75〜120℃がより好ましい。反応温度を65℃以上とすることでエステル化反応を迅速に行い、収率の低下を防止することができ、一方反応温度を140℃以下とすることで、(メタ)アクリル酸又は生成した(メタ)アクリレートの熱重合を防止することができる。
エステル化反応に際しては、エステル化反応で生成する水を有機溶媒と共沸させながら脱水を促進することが好ましい。
好ましい有機溶媒としては、例えばトルエン、ベンゼン及びキシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素、並びにメチルエチルケトン等のケトン等が挙げられる。
有機溶媒の使用量は、ポリオールと(メタ)アクリル酸の合計量に対して10〜75重量%となる割合、より好ましくは15〜55重量%となる割合が好ましい。
エステル化反応の進行度は、エステル化反応により生成する水の量、すなわち脱水量を監視したり、反応液中の酸分濃度を分析したり、生成物(メタ)アクリレートの組成を分析し、目的とする組成であるのかを確認して判断する。
エステル化反応では、原料(メタ)アクリル酸や得られた(メタ)アクリレートの重合を抑制するために、重合禁止剤を使用することが好ましい。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、ベンゾキノン、フェノチアジン等の有機系重合禁止剤、塩化銅及び硫酸銅等の無機系重合禁止剤、並びにジブチルジチオカルバミン酸銅等の有機塩系重合禁止剤等が挙げられる。重合禁止剤は、1種を単独で使用しても又は2種以上を任意に組み合わせて使用しても良い。
重合禁止剤の割合としては、(メタ)アクリル酸量に対して50〜20,000ppmが好ましい。
又、重合を抑制する他の効果的な方法として、酸素含有気体の雰囲気下で反応したり、酸素含有気体を反応液中に導入しながら反応する方法がある。
含酸素ガスとしては、例えば空気、酸素と窒素の混合ガス、酸素とヘリウムの混合ガス等が挙げられる。
得られた反応液は、常法に従い精製すれば良い。
具体的には、反応液を中和・水洗し、有機溶媒を使用する場合は有機溶媒を蒸留して最終製品とする。
2)エステル交換反応
エステル交換反応は、常法に従えばよく、ポリオール及びアルキル(メタ)アクリレートを、触媒の存在下に加熱・攪拌する方法等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、アルキル基の炭素数が8以下のものが好ましく、4以下のものが更に好ましく使用される。
具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
触媒としては、エステル交換反応で通常用されるものであれば良く、例えばチタン系触媒、スズ系触媒及び硫酸等が挙げられる。
触媒の使用割合としては、アルコール性水酸基のモル数に対して0.05mol% 〜20mol%が好ましい。
エステル交換反応では、ラジカル重合性の高いアルキル(メタ)アクリレートを原料に使用することからも、エステル交換反応時の重合を抑制するために重合禁止剤を使用することが好ましい。重合禁止剤としては、前記と同様の化合物を挙げることができ、アルキル(メタ)アクリレート量に対して50〜20,000ppmが好ましい。
又、重合を抑制する他の効果的な方法として、酸素含有気体の雰囲気下で反応したり、酸素含有気体を反応液中に導入しながら反応する方法がある。
エステル交換反応では、原料であるアルキル(メタ)アクリレートを過剰に使用することによって、反応溶媒を使用しないで行うことができる。
しかし、生成アルコールを効率的に系外に除去するため、又は原料や生成物を均一溶解する等の目的で溶媒を使用してもよい。この場合、生成アルコールと共沸可能で、生成物である多官能(メタ)アクリレートを溶解する反応溶媒を使用するのが好ましい。反応溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環族の炭化水素、n−ヘキサン及びn−ヘプタン等の脂肪族炭化水素、並びにメチルエチルエトン及びメチルイソブチルケトン等のケトンが挙げられる。
エステル交換反応は、還流状態で生成アルコールを系外に留去しながら行う方法が好ましい。
反応温度は生成アルコールや原料アルキル(メタ)アクリレート、反応溶媒等に依存するが、生成アルコールの沸点以上に調節するのが好ましい。反応温度は原料であるアルキル(メタ)アクリレートや反応溶媒の選定、圧力の制御(加圧又は減圧)によってある程度は調節できる。好ましい反応温度は60〜160℃であり、80〜150℃が更に好ましい。反応温度が60℃未満では反応速度が遅く、160℃を越えると着色やゲル化が起こりやすい。
3)その他
(A)成分中のペンタ体とヘキサ体の割合は、前記した反応条件、より具体的には、反応温度、反応時間、又はエステル化反応で(A)成分を製造する場合はポリオールと(メタ)アクリル酸の仕込み割合により任意に調整することができる。
エステル化反応で(A)成分を製造する場合、ポリオール中のヒドロキシル基の転化率を上げるためには、即ちヘキサ体の割合を多くする場合には、ポリオールの全水酸基1モルに対して(メタ)アクリル酸を1.5モル以上仕込むことが好ましい。
後記する通り、(A)成分の製造において(B)成分を同時に生成させる場合には、ポリオールの全水酸基1モルに対して、(メタ)アクリル酸の仕込み量は、好ましくは1.3モル以下、より好ましくは1.2モル以下、特に好ましくは1.0〜1.2モルである。
2.(B)成分
(B)成分は、ペンタ体のヒドロキシル基がヘキサ体の少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基に、マイケル付加した化合物である。
(B)成分の一例を、下記式(1)に示す。下記式(1)の化合物は、ペンタ体のヒドロキシル基がヘキサ体の1個の(メタ)アクリロイル基にマイケル付加した化合物である。
(B)成分は、式(1)の化合物以外にも、2分子のペンタ体のヒドロキシル基がヘキサ体の2個の(メタ)アクリロイル基にマイケル付加した化合物、同様に3個の(メタ)アクリロイル基にマイケル付加した化合物、及び同様に4個の(メタ)アクリロイル基にマイケル付加した化合物等の混合物であるが、式(1)の化合物を主成分とするものであり、好ましくは(B)成分中に式(1)の化合物を90〜100面積%有するものである。
Figure 2015224254
上記式(1)において、Rは水素原子又はメチル基を意味し、Aは(メタ)アクリロイルオキシ基〔CH2=C(R)COO−〕を意味し、EOはオキシエチレン基を意味する。n1〜n12は、0〜6の数を意味する。但し、n1+n2+n3+n4+n5+n6=3〜6の数であり、n7+n8+n9+n10+n11+n12=3〜6の数である。
(B)成分としては、ペンタ体及びヘキサ体がいずれもアクリロイル基を有する化合物で、ペンタ体のヒドロキシル基がヘキサ体の少なくとも1個のアクリロイル基にマイケル付加した化合物が硬化膜の表面硬度と柔軟性のバランスに優れるという理由で好ましい。
(B)成分としては、種々の製造法で得られたものが使用できるが、簡便な製造法としては(A)成分の製造において副生させる方法が挙げられる。
(A)成分の製造において(B)成分を副生させる場合、反応系内で生成する(B)成分の割合は、反応温度、反応時間、又はエステル化反応で(A)成分を製造する場合はポリオールと(メタ)アクリル酸の仕込み割合により任意に調整することができる。
エステル化反応で(A)成分を製造する場合において、(B)成分を同時に生成させるときは、ポリオールの全水酸基1モルに対して、(メタ)アクリル酸の仕込み量は、好ましくは1.3モル以下、より好ましくは1.2モル以下であり、特に好ましくは1.0〜1.2モルである。
又、エステル化反応及びエステル交換反応で(A)成分を製造するいずれの場合においても、反応温度を通常より高く設定したり、反応時間を長くすることでも反応を促進することができる。
この場合の反応温度としては90℃以上が好ましく、より好ましくは100℃以上である。
最も好ましい(A)及び(B)成分の製造方法としては、有機溶剤中でメタンスルホン酸の存在下、ジペンタエリスリトールにエチレンオキサイドを3〜6モル付加したポリオールと(メタ)アクリル酸を加熱・撹拌しエステル化反応する方法である。
これにより、(A)及び(B)成分を同時に製造することができ、得られる反応物が着色することなく、又酸価上昇を抑制でき、変異原生がないものとすることができる点で好ましい。
本発明において、(B)成分の割合としては、逆相シリカカラムを用い且つ酢酸アンモニウム/メタノール系の溶離液を用いた超高速液体クロマトグラフ分析による(A)成分100面積%に対して、1〜40面積%が好ましく、より好ましくは1〜30面積%である。(B)成分の割合が1面積%に満たない場合には屈曲性が不足し、40面積%を超える場合には硬度が不足することがある。
ここで、(A)及び(B)成分は、超高速液体クロマトグラフ/質量分析器を使用し、以下の条件で、超高速液体クロマトグラフで分離したフラクションを、UV検出器を使用して定量(面積%)し、質量分析器を使用して定性を行う。
(A)及び(B)成分の割合を測定する場合のより詳細な定義としては、超高速液体クロマトグラフを使用して、以下の条件に従い測定された値を意味する。
・装置:超高速液体クロマトグラフ(UPLC)
・検出器:UV検出器(波長210nm)
・カラムの種類:UPLC用逆相シリカカラム(炭素数18のアルキル基で修飾されたシリカゲル)、(粒子経:1.7μm)、2.1mm×50mm)
・カラムの温度:40℃、
・溶離液組成:10mM酢酸アンモニウム/メタノール=50/50(初期)→0/100(4−6分)
3.硬化型組成物
本発明は、前記(A)及び(B)成分を必須成分とする硬化型組成物に関する。
組成物の製造方法としては、常法に従えば良く、例えば、(A)及び(B)成分、必要に応じてその他の成分を撹拌混合して製造することができる。
組成物の粘度は目的に応じて適宜設定すれば良く、200〜3,000mPa・sが好ましい。
尚、本発明において粘度とは、E型粘度計を使用して25℃で測定した値を意味する。
本発明の組成物は、活性エネルギー線硬化型組成物及び熱硬化型組成物として使用する
ことができ、活性エネルギー線硬化型組成物として好ましく使用できる。
本発明の組成物は、前記(A)及び(B)成分を必須成分とするものであるが、目的に応じて種々の成分を配合することができる。
その他成分としては、具体的には、(A)及び(B)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物〔以下、「(C)成分」という〕、光重合開始剤〔以下、「(D)成分」という〕、(A)及び、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料・染料、レベリング剤及びシランカップリング剤等が挙げられる。
以下、これらの成分について説明する。
1)(C)成分
(C)成分は、(A)及び(B)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物である。
(C)成分としては、(メタ)アクリレート、ビニル系単量体及びビニルエーテル等が挙げられ、(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリレートとしては、1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、「単官能(メタ)アクリレート)という)及び2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、「多官能(メタ)アクリレート」という〕を挙げることができる。
単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート及び2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸又は(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸のマイケル付加反応生成物である2量体以上のオリゴマー;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びコハク酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート;アルコキシシリル基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、モノマー及びオリゴマーのものが挙げられる。
モノマーとしては、例えば、エチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート及びトリプロピレングリコールのジ(メタ)アクリレート等のグリコールのジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールの(メタ)アクリレート、並びにこれらポリオールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート〔除く(A)成分〕等が挙げられる。
オリゴマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート及びエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸との脱水縮合物が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール及びトリメチロールプロパン等の低分子量ポリオール、並びにこれらのアルキレンオキシド付加物等のポリオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその無水物等の酸成分とからの反応物等が挙げられる。
エポキシアクリレートは、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を付加反応させたもので、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、フェノール又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート及びポリエーテルのジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付物等が挙げられる。
ビニル系単量体の例としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム及び(メタ)アクリロイルモルホリン等のアミド化合物等が挙げられる。
ビニルエーテルとしては、例えば、ジビニルエーテルが挙げられ、具体例として、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル及びヒドロキシエチルビニルエーテル等が挙げられる。
(C)成分としては、組成物をコーティング用組成物として使用した場合、硬化性と硬化膜の表面硬度に優れるという理由で、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(A)及び(B)成分以外の化合物が好ましい。
当該化合物の具体例としては、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば種々の化合物が挙げられ、例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンのトリ又はテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールのトリ、テトラ、ペンタ又はヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールポリ(メタ)アクリレート;
グリセロールアルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールアルキレンオキサイド付加物のトリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンアルキレンオキサイド付加物のトリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールアルキレンオキサイド付加物のトリ、テトラ、ペンタ又はヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールアルキレンオキサイド付加物のポリ(メタ)アクリレート〔除く(A)成分〕;
イソシアヌル酸アルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート;並びに
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の水酸基を有し3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物と有機ポリイソシアネートとの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート等
を挙げることができる。
前記における、アルキレンオキサイド付加物の例としては、エチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、並びに、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
又、前記有機ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート3量体、水素化トリレンジイソシアネート、水素化4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート2量体、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート相互付加物、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリス(トリレンジイソシアネート)付加物及びイソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。
これら化合物の中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと有機ポリイソシアネートとの反応物であるウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
(C)成分の含有割合は、硬化性成分の合計量100重量部に対して0〜60重量部であり、好ましくは0〜30重量部である。
(C)成分の含有割合が60重量部を超えると、硬化膜が脆くなってしまう。
2)(D)成分
本発明の組成物は、活性エネルギー線硬化型組成物として好ましく使用できる。この場合において、可視光や紫外線により硬化させる場合には、必要に応じて(D)成分である光重合開始剤を配合することもできる。尚、本発明の組成物を電子線で硬化させる場合には、必ずしも配合する必要はないが、硬化性を改善させるため必要に応じて少量配合することもできる。
(D)成分の具体例としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−1−(メチルビニル)フェニル]プロパノン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチループロピオニル)ベンジル]フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)]フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−オクチルカルバゾール、フェニルグリオキシ酸メチル、エチルアントラキノン及びフェナントレンキノン等の芳香族ケトン化合物;
ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−(メチルフェニルチオ)フェニルフェニルメタン、メチル−2−ベンゾフェノン、1−[4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフォニル)プロパン−1−オン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン及び4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィネート及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物;
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントン、3−[3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イル−オキシ]−2−ヒドロキシプロピル−N,N,N―トリメチルアンモニウムクロライド及びフルオロチオキサントン等のチオキサントン系化合物等が挙げられる。
これら化合物の中でも、α−ヒドロキシフェニルケトン類が、大気下において、薄膜のコーティングであっても表面硬化性が良好で好ましく、具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンがより好ましい。
又、硬化膜の膜厚を厚くする必要がある場合、例えば50μm以上とする必要がある場合は、硬化膜内部の硬化性を向上させる目的や、紫外線吸収剤や顔料を併用する場合は、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィネート及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物や、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)]フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタンー1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン等を併用することが好ましい。
(D)成分の含有割合は、硬化性成分合計量100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜8重量部である。(D)成分の割合を0.1重量部以上にすることで、組成物の光硬化性を良好にし、密着性に優れるものとすることができ、20重量部以下とすることで、硬化膜の内部硬化性が良好にすることができ、基材との密着性を良好にすることができる。
尚、硬化性成分とは、活性エネルギー線により硬化する成分であり、(A)及び(B)成分を意味し、前記した(C)成分を配合する場合は、(A)、(B)及び(C)成分を意味する。
3)熱重合開始剤
組成物を熱硬化型組成物として使用する場合には、熱重合開始剤を配合することができる。
本発明の組成物は、熱重合開始剤を配合し、加熱硬化させることもできる。
熱重合開始剤としては、種々の化合物を使用することができ、有機過酸化物及びアゾ系開始剤が好ましい。
有機過酸化物の具体例としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジーメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α、α‘−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
アゾ系化合物の具体例としては、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾジ−t−オクタン、アゾジ−t−ブタン等が挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。又、有機過酸化物は還元剤と組み合わせることによりレドックス反応とすることも可能である。
これら熱重合開始剤の使用量としては、硬化性成分合計量100重量部に対して、10重量部を超えないことが好ましい。
熱重合開始剤を単独で用いる場合は、通常のラジカル熱重合の常套手段にしたがって行えばよく、場合によっては光重合開始剤と併用し、光硬化させた後にさらに反応率を向上させる目的で熱硬化を行うこともできる。
4)酸化防止剤
酸化防止剤は、硬化膜の耐熱性、耐候性等の耐久性を向上させる目的で配合する。
酸化防止剤としては、たとえばフェノール系酸化防止剤やリン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、たとえば、ジt−ブチルヒドロキシトルエン等のヒンダードフェノール類を挙げることができる。市販されているものとしては、(株)アデカ製のAO−20、AO−30、AO−40、AO−50、AO−60、AO−70、AO−80等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン等のホスフィン類や、亜リン酸トリアルキルや亜リン酸トリアリール等が挙げられる。これらの誘導体で市販品としては、たとえば(株)アデカ製、アデカスタブPEP−4C、PEP−8、PEP−24G、PEP−36、HP−10、260、522A、329K、1178、1500、135A、3010等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、チオエーテル系化合物が挙げられ、市販品としては(株)アデカ製AO−23、AO−412S、AO−503A等が挙げられる。
これらは1種を用いても2種類以上を用いてもよい。これら酸化防止剤の好ましい組合せとしては、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との併用、及びフェノール系酸化防止剤と硫黄系酸化防止剤の併用が挙げられる。
酸化防止剤の配合割合としては、目的に応じて適宜設定すれば良く、硬化性成分合計量100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜1重量部である。
配合割合を0.1重量部以上とすることで、組成物の耐久性を向上させることができ、一方、5重量部以下とすることで、硬化性や密着性を良好にすることができる。
5)紫外線吸収剤
紫外線吸収剤は、硬化膜の耐光性を向上させる目的で配合する。
紫外線吸収剤としては、BASF社製TINUVIN400、TINUVIN405、TINUVIN460、TINUVIN479等のトリアジン系紫外線吸収剤や、TINUVIN900、TINUVIN928、TINUVIN1130等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を挙げることができる。
紫外線吸収剤の配合割合としては、目的に応じて適宜設定すれば良く、硬化性成分合計量100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜1重量部である。配合割合を0.01重量%以上とすることで、硬化膜の耐光性を良好なものとすることができ、一方、5重量%以下とすることで、組成物の硬化性に優れるものとすることができる。
6)顔料・染料
顔料としては、有機顔料及び無機顔料等が挙げられる。
有機顔料の具体例としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー及びピラゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料;リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット及びパーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料;アリザリン、インダントロン及びチオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体;フタロシアニンブルー及びフタロシアニングリーン等のフタロシアニン系有機顔料;キナクリドンレッド及びキナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系有機顔料、ペリレンレッド及びペリレンスカーレット等のペリレン系有機顔料;イソインドリノンエロー及びイソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系有機顔料;ピランスロンレッド及びピランスロンオレンジ等のピランスロン系有機顔料;チオインジゴ系有機顔料;縮合アゾ系有機顔料;ベンズイミダゾロン系有機顔料;キノフタロンエロー等のキノフタロン系有機顔料、イソインドリンエロー等のイソインドリン系有機顔料;並びにその他の顔料として、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド及びジオキサジンバイオレット等が挙げられる。
又、前記無機顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック及び合成鉄黒等を挙げることができる。尚、前記フィラーで例示したカーボンブラックは、無機顔料としても使用することができる。
染料としては、従来から知られた種々の化合物を使用することができる。
7)レベリング剤
シリコーン系レベリング剤及び、フッ素系レベリング剤等が挙げられ、市販されている各種レベリング剤を使用することができる。
8)シランカップリング剤
シランカップリング剤は、硬化膜と基材との界面接着強度を改善する目的で配合する。
シランカップリング剤としては、基材との接着性向上に寄与できるものであれば特に限
シランカップリング剤としては、具体的には、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル-N-(1,3−ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤の配合割合は、目的に応じて適宜設定すれば良く、硬化性成分合計量100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは1〜5重量部である。
配合割合を0.1重量部以上にすることで、組成物の接着力を向上させることができ、一方、10重量部以下とすることで、接着力の経時変化を防止することができる。
9)前記以外のその他の成分
本発明の組成物は、前記以外にもインキ、コーティング及びレジストとして使用される種々の成分を配合することが可能である。
例えば、本発明の組成物は、好ましくは無溶剤型の組成物として使用するが、必要に応じて有機溶剤を配合することもできる。
好ましい溶剤の具体例としては、エタノール及びイソプロパノール等のアルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノエーテル;ダイアセトンアルコール等のアセトンアルコール;トルエン及びキシレン等の芳香族化合物;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン;ジブチルエーテル等のエーテル;並びにN−メチルピロリドン等が挙げられる。
4.使用方法
本発明の組成物の使用方法としては、常法に従えば良い。
例えば、組成物に、活性エネルギー線を照射するか又は加熱することにより硬化させて硬化物を得ることができる。
具体的には、コーティング剤及び接着剤等の用途の場合には、適用される基材に組成物を通常の塗装方法により塗布した後、活性エネルギー線硬化型組成物の場合には活性エネルギー線を照射して硬化させる方法、又熱硬化型組成物の場合は加熱して硬化させる方法等が挙げられる。成形材料等の用途の場合には、所定の型枠に組成物を注入した後、活性エネルギー線硬化型組成物の場合には活性エネルギー線を照射することにより硬化させる方法、又熱硬化型組成物の場合は加熱して硬化させる方法等が挙げられる。
活性エネルギー線の照射方法や加熱方法は、従来の硬化方法として知られている一般的
な方法を採用すれば良い。
又、組成物に(D)成分(光重合開始剤)及び熱重合開始剤を併用し、これを活性エネルギー線照射した後、加熱硬化させることにより、基材との密着性を向上させる方法も採用することができる。
本発明の組成物が適用できる基材としては、種々の材料に適用でき、プラスチック、木材、金属、無機材料及び紙等が挙げられる。
プラスチックの具体例としては、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース及びジアセチルセルロース等のセルロースアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルサルホン、ノルボルネン等の環状オレフィンをモノマーとする環状ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂及びポリウレタン樹脂等が挙げられる。
木材としては、自然の木材及び合成木材等が挙げられる。
金属としては、鋼板、アルミ及びクロム等の金属、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化インジウムスズ(ITO)等の金属酸化物等が挙げられる。
無機材料としては、ガラス、モルタル、コンクリート及び石材等が挙げられる。
本発明の組成物の基材への塗工方法としては、目的に応じて適宜設定すれば良く、バーコーター、アプリケーター、ドクターブレード、ディップコーター、ロールコーター、スピンコーター、フローコーター、ナイフコーター、コンマコーター、リバースロールコーター、ダイコーター、リップコーター、グラビアコーター及びマイクログラビアコーター等で塗工する方法が挙げられる。
本発明の組成物を硬化させるための活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線及び電子線等が挙げられるが、紫外線が好ましい。
紫外線照射装置としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、UV無電極ランプ、LED等が挙げられる。
照射エネルギーは、活性エネルギー線の種類や配合組成に応じて適宜設定すべきものであるが、一例として高圧水銀ランプを使用する場合を挙げると、UV−A領域の照射エネルギーで100〜5,000mJ/cm2が好ましく、200〜1,000mJ/cm2がより好ましい。
本発明の組成物は種々の用途に使用可能であり、オフセットやインクジェット印刷等のインキ用途、ハードコート等のコーティング用途、カラーレジスト等のレジスト用途が挙げられる。
特に本願明細書の組成物は、得られる硬化膜が表面硬度、柔軟性及び低カール性に優れるという特性を生かし、コーティング剤として好ましく使用することができる。
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。
尚、以下においては、「部」とは重量部を意味する。
又、以下においては、エチレンオキサイドを「EO」と略する。
1.製造例
1)製造例1(ジペンタエリスリトールEO6モル付加物のアクリレートの製造)
還流管を設置した3Lの側管付き四口フラスコに、ジペンタエリスリトールのEO6モル付加物600g〔青木油脂工業(株)製、ブラウノンDPE−E6、水酸基価643mgKOH/g〕、アクリル酸575g(アルコール中の全水酸基1モルに対して1.16モルの割合)、70%メタンスルホン酸(以下、「MSA」という)24g、塩化第二銅1.9g及びトルエン520gを投入した。
含酸素ガス(酸素5容量%、窒素95容量%)をフラスコ内に吹き込みながら、反応液温度85〜95℃で加熱攪拌した。反応の進行に伴って、生成する水をディーンスターク管で系外に取出しながら、6時間の脱水エステル化反応を行った。
反応終了後に、トルエン1250gを加えて希釈した。更に蒸留水300gを加えて撹拌し、静置した後に下層を除去した。次に、20%水酸化ナトリウム水溶液490gを攪拌下に添加して十分に撹拌し、静置した後に下相を除去した。続いて、撹拌下で有機相に蒸留水280gを添加して撹拌し、静置した後に下層を除去した。上層の有機相を減圧下に加熱してトルエンを留去した。
得られた反応物は904g(収率93%)であり、粘度は490mPa・s(25℃)、水酸基価38mgKOH/gであった(以下、「アクリレート6EO」という)。
下記装置を使用し、下記条件に従いアクリレート6EOをLC/MSで分析した。
その結果、MS分析により、(A)成分であるペンタ体及びヘキサ体の混合物、並びに(B)成分であるペンタ体がヘキサ体へマイケル付加した化合物を含むことが確認された。
又、LC分析により、(A)成分100面積%に対して、(B)成分は12面積%であり、(A)成分中にペンタ体を4面積%及びヘキサ体を96面積%を含むものであった。尚、得られた反応物中には、ポリオールに1個のアクリル酸がエステル化したモノアクリレートを含んでいなかった。
・ペンタ体のピーク保持時間:1.6〜2.1分、ヘキサ体のピーク保持時間:2.2〜2.9分、(B)成分のピーク保持時間:3.1〜3.7分
※ペンタ体及びヘキサ体の混合物のピーク面積を100として、(B)成分のピークの相対面積値を算出した。
◆LC/MS測定条件
・LC/MS装置:Quattro Premier〔日本ウオーターズ(株)製〕及びAcQuity UPLC〔日本ウオーターズ(株)製〕
・カラム:UPLC用逆相シリカカラム〔日本ウオーターズ(株)製BEH C18、粒子経1.7μm、2.1mm×50mm〕
・試料前処理:メタノールにて1000ppm溶液に調整
・注入量:1μl
・溶離液流速:0.30ml/min
・溶離液組成:10mM酢酸アンモニウム/メタノール=50/50(初期)→0/100(4−6分)
・UV検出器:波長210nm
・キャピラリー電圧:3.0kV
・コーン電圧:10V〜25V
・ソース温度:120℃
・脱溶媒温度:400℃
・脱溶媒ガス量:800l/h
・コーンガス量:50l/h
・質量分析範囲:m/z=190〜2,000(SCANモード)
・イオン化モード:ESI+
2)製造例2(ジペンタエリスリトールEO3モル付加物のアクリレートの製造)
還流管を設置した3Lの側管付き四口フラスコに、ジペンタエリスリトールのEO3モル付加物600g〔青木油脂工業(株)製、ブラウノンDPE−E3SN、水酸基価886mgKOH/g〕、アクリル酸792g(アルコール中の全水酸基1モルに対して1.16モルの割合)、MSA32g、塩化第二銅2.6g及びトルエン610gを投入した。
実施例1と同様の含酸素ガスを吹き込みながら反応液温度85〜95℃で加熱攪拌し、製造例1と同様の方法で生成する水を系外に除去しながら6時間の脱水エステル化反応を行った。
反応終了後、実施例1と同様に処理して有機相を分離し、減圧下に加熱してトルエンを留去した。
得られた反応物は1043g(収率94%)であり、粘度は900mPa・s(25℃)、水酸基価37mgKOH/gであった(以下、「アクリレート3EO」という)。
アクリレート3EOを前記と同様の方法でLC/MSで分析したところ、MS分析により、(A)成分であるペンタ体及びヘキサ体の混合物、並びに(B)成分である
ペンタ体がヘキサ体へマイケル付加した化合物を含むことが確認された。
又、LC分析により、(A)成分100面積%に対して、(B)成分は9面積%であり、(A)成分100面積%に対して、(B)成分は12面積%であり、(A)成分中にペンタ体を10面積%及びヘキサ体を90面積%を含むものであった。尚、得られた反応物中には、ポリオールに1個のアクリル酸がエステル化したモノアクリレートを含んでいなかった。
・ペンタ体のピーク保持時間:1.6〜2.1分、ヘキサ体のピーク保持時間:2.2〜2.9分、(B)成分のピーク保持時間:3.1〜3.7分
3)比較製造例1((B)成分を含まないジペンタエリスリトールEO6モル付加物のアクリレートの製造)
製造例1で製造したアクリレート6EOを、展開液であるヘキサン/酢酸エチルの混合割合を9/1%から6/4%へ変化させてシリカゲルカラムに供給し、ペンタ体及びヘキサ体をそれぞれ分取した。
得られたフラクションを混合した後に濃縮し、(B)成分を含まないペンタ体を4面積%及びヘキサ体を96面積%含む混合物(以下、「アクリレート6EO’」)を得た。粘度は350mPa・s(25℃)であった。
4)比較製造例2((B)成分を含まないジペンタエリスリトールEO3モル付加物のアクリレートの製造)
製造例2で製造したアクリレート3EOを、展開液であるヘキサン/酢酸エチルの混合割合を9/1%から6/4%へ変化させてシリカゲルカラムに供給し、ペンタ体及びヘキサ体をそれぞれ分取した。
得られたフラクションを混合した後に濃縮し、(B)成分を含まないペンタ体を10面積%及びヘキサ体を90面積%含む混合物(以下、「アクリレート3EO’」)を得た。粘度は780mPa・s(25℃)であった。
2.実施例及び比較例
1)活性エネルギー線硬化型組成物の製造
下記表1に示す化合物を表1に示す割合で撹拌・混合し、活性エネルギー線硬化型組成物を製造した。
得られた組成物を使用し、後記する評価を行った。それらの結果を表2に示す。
Figure 2015224254
尚、表1における括弧書は重量部を意味する。
又、表1における略号は下記を意味する。
・HCPK:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF社製IRGACURE184
2)評価方法
(1)硬化性
得られた組成物を、膜厚5μmとなるようポリエチレンテレフタレートフィルム〔東洋紡(株)製、コスモシャインA4300(厚み100μm)〕にバーコーターで塗布し、アイグラフィックス(株)製高圧水銀ランプを用い、365nmを中心とする紫外線領域(UV−A)強度500mW/cm2にて、1パスあたり200mJ/cm2の照射エネルギーとなるよう調整したコンベアにて搬送を行った。
硬化性の評価方法としては、表面のタックがなくなるまでのパス数を求めた。
(2)硬化膜物性
以下の評価においては、硬化性試験と同じ条件において、4パス紫外線照射(800mJ/cm2)を行って組成物を硬化させたサンプルを用いた。
(ア)鉛筆硬度
JISK5600−5−4に従い、750g荷重にて評価を行った。
(イ)柔軟性
マンドレル試験(JIS K5600−5−1)に従い、直径2mm又は3mmの芯棒に硬化膜を形成したPETフィルムを巻き付け、以下の2水準で評価を行った。
○:硬化膜の割れや剥がれがない、×:硬化膜の割れや剥がれが見られた
(ウ)カール性
サンプルを10cm×10cmに切り出し、その四隅の浮き上った高さを測定し平均値で評価した。値が小さいほど変形が少ないことを示す。
Figure 2015224254
3)評価結果
実施例1及び同2の結果から明らかなように、本発明の組成物は硬化性に優れるものであり、硬化膜は、硬度、柔軟性及びカール性のいずれにも優れ、良好な表面硬度を維持しながら柔軟性を両立しているものであった。
これに対して、比較例1及び同2は、(B)成分を含まないため、硬化性及び硬度は優れるものの、柔軟性及びカール性に劣り、表面硬度と柔軟性を両立できなかった。
本発明の組成物は、インキ、コーティング及びレジスト等のパターン形成用組成物の種々の用途に使用可能であり、特に低粘度で速硬化性を有し、得られる硬化膜が表面硬度及び柔軟性を両立できるため、コーティング剤組成物として好ましく使用できる。

Claims (7)

  1. ジペンタエリスリトールにエチレンオキサイドを3〜6モル付加したポリオールから得られるペンタ(メタ)アクリレート(以下、「ペンタ体」という)及びヘキサ(メタ)アクリレート(以下、「ヘキサ体」という)の混合物(A)と、
    ペンタ体のヒドロキシル基がヘキサ体の少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基にマイケル付加した化合物(B)
    を必須成分として含有する硬化型組成物。
  2. 前記(A)成分と(B)成分の含有割合が、逆相シリカカラムを用い且つ酢酸アンモニウム/メタノール系の溶離液を用いた超高速液体クロマト分析により得られた値として、(A)成分100面積%に対して(B)成分が1〜40面積%である請求項1記載の硬化型組成物。
  3. 前記(A)成分中に、前記と同様の超高速液体クロマト分析によって得られた値として、ペンタ体及びヘキサ体の合計量100面積%中にペンタ体を1〜30面積%及びヘキサ体70〜99面積%含む請求項1又は請求項2記載の硬化型組成物。
  4. 前記(A)及び(B)成分が、有機溶剤中でメタンスルホン酸の存在下、ジペンタエリスリトールにエチレンオキサイドを3〜6モル付加したポリオールと(メタ)アクリル酸を加熱・撹拌しエステル化反応して得られたものである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
  5. 前記(A)及び(B)成分が、ジペンタエリスリトールにエチレンオキサイドを3〜6モル付加したポリオールの全水酸基1モルに対して、(メタ)アクリル酸を1.3モル以下とし、メタンスルホン酸を0.05〜10モル使用してエステル化反応して得られたものである請求項4に記載の硬化型組成物。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の組成物を含む活性エネルギー線硬化型組成物。
  7. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の組成物を含む活性エネルギー線硬化型コーティング剤組成物。
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