JP7035396B2 - 床材用活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents

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本発明は、主に階段や床などの建材用途に用いられる床材用活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
活性エネルギー線硬化型組成物は従来のイソシアネートを硬化剤とする二液反応型ポリウレタン系組成物、アクリルポリオール系組成物、ポリエステル系組成物等に比べて、活性エネルギー線の照射により瞬時に硬化して塗膜性能も良好なことから、階段や床などの建材や家具や建具に使用される化粧シート用の塗料やコーティング剤として多く使用されている。
建材用途として求められる耐汚染性や耐摩耗性等の塗膜物性を向上させる目的とする光硬化性塗料組成物の硬化方法や製造方法の提案が成されている(例えば、特許文献1~4)。また、耐汚染性や耐摩耗性等の塗膜物性の向上を目的とする活性エネルギー線硬化型組成物やそれを用いた化粧シートに関する提案も成されている(例えば、特許文献5、6)。
活性エネルギー線硬化型組成物の良好な塗膜性能の一つとして、高光沢の塗膜が得られることがメリットとして挙げられるが、反対に低光沢の塗膜が得られ難いというデメリットがある。屋内建材の光沢は用途や意匠性により様々で、高光沢(グロス値で約60以上)の仕上げは木目や印刷柄の透明感を強調するのに適しているが、昨今の床材を始めとする屋内建材は、照明器具の光が直接反射して質感が低下する事を抑制し、木質表面の適度な低光沢を持たせたマット調のものが好まれる傾向にある。
低光沢を実現して意匠性を向上させるために特定の艶消しシリカを用いた活性エネルギー線硬化型組成物が提案されてはいるが、その効果は決して十分であるとは言えない(例えば、特許文献7、8)。
また、低光沢化を目的とする艶消し剤を用いる事は有効であるが、配合できる量には限界があり、過度に艶消し剤を使用した場合は塗料の流動性や硬化塗膜の透明性が低下したり、塗膜表面がざらざらして手触りが悪くなるという問題が生じ易い。
特開2005-246299号公報 特開2007-237022号公報 特開2007-209869号公報 特開2007-224084号公報 特開2007-016139号公報 特開2007-276464号公報 特開2004-148632号公報 特開2004-167779号公報
本発明の課題は、過度に艶消し剤を使用せずとも所望の低光沢化を図る事ができる床材用活性エネルギー線硬化性組成物を提供する事にある。
本発明者らは、活性エネルギー線重合性化合物(A)、微粒子(B)、及び光重合開始剤(C)を含有する床材用活性エネルギー線硬化性組成物であって、(A)である活性エネルギー線重合性基を1つ有する化合物(A-1)と微粒子(B)が特定比率で含有する事で、微粒子(B)を過剰に使用することなく上記課題を解決するに至った。
即ち本発明は、活性エネルギー線重合性化合物(A)、微粒子(B)、及び光重合開始剤(C)を含有する床材用活性エネルギー線硬化性組成物であって、前記活性エネルギー線重合性化合物(A)として活性エネルギー線重合性基を1つ有する化合物(A-1)を前記組成物全量の25~40質量%含有し、前記微粒子(B)を前記組成物全量の10~35質量%含有し、且つ、式(1)で算出される値が20~55であることを特徴とする床材用活性エネルギー線硬化性組成物を提供する。
Figure 0007035396000001
但し、(b)は前記組成物全量に対する微粒子(B)の質量%であり、
(a-1)は前記組成物全量に対する活性エネルギー線重合性基を1つ有する化合物(A-1)の質量%である。
また本発明は、活性エネルギー線重合性化合物(A)として、(メタ)アクリロイル基を有するアクリル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、及び多官能(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる活性エネルギー線重合性基を2つ以上有する化合物(A-2)を含有する床材用活性エネルギー線硬化性組成物を提供する。
また本発明は、前記微粒子(B)が、シリカ、タルク、ネフェリン閃長岩、マイカ、ベントナイト、珪藻土、炭酸カルシウム、アルミナ白、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、アクリルビーズ顔料、又はウレタンビーズ顔料である床材用活性エネルギー線硬化性組成物を提供する。
また本発明は、前期光重合開始剤(C)が、ベンゾフェノン類、アントラキノン類、チオキサントン類、アセトフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類、及びメチルフェニルグリオキシエステル類からなる群から選ばれる少なくとも1種以上である床材用活性エネルギー線硬化性組成物を提供する。
更に本発明は、床材用活性エネルギー線硬化性組成物を表面に被覆し硬化してなる床材をも提供する。
本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物は、過度に艶消し剤を使用せずとも所望の低光沢化を図る事ができる。
本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物は、活性エネルギー線重合性化合物(A)、微粒子(B)、及び光重合開始剤(C)を含有し、前記活性エネルギー線重合性化合物(A)として活性エネルギー線重合性基を1つ有する化合物(A-1)を前記組成物全量の25~40質量%含有し、前記微粒子(B)を前記組成物全量の10~35質量%含有し、且つ、式(1)で算出される値が20~55であることを必須とする。
Figure 0007035396000002
但し、(b)は前記組成物全量に対する微粒子(B)の質量%であり、
(a-1)は前記組成物全量に対する活性エネルギー線重合性基を1つ有する化合物(A-1)の質量%である。
前記活性エネルギー線重合性基を1つ有する化合物(A-1)としては、通常活性エネルギー線硬化性組成物に使用される公知の(メタ)アクリルモノマーや、アリルモノマー、ビニルエーテルモノマー等から任意に選んで用いることができる。なお本発明において「(メタ)アクリル」とはアクリルとメタクリルとを総称したものである。
例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、ハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アミノアルキル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ-(メタ)アクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール基等を有する単官能(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換された(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’-アルキレンビス(メタ)アクリルアミドなど、アリル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
(メタ)アクリルモノマーの他の例としては、エチレングリコール単位(以下(EO)と総称)を分子内にもつポリエチレングリコール(nはポリエチレングリコールの繰り返し単位数でnが3以上であり、およそ14以下)ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(nは3以上であり、およそ14以下)トリ(メタ)アクリレート、フェノールEO変性(nは2以上であり、およそ14以下)(メタ)アクリレートや、水酸基を分子内にもつ2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
例えばフェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、β-カルボキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、エポキシ樹脂ハーフアクリレート等が挙げられる。中でもフェノールEO変性アクリレートが硬化性や床材用途としての物性が良好で低臭気であるといった点で好ましい。
これらの(メタ)アクリルモノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物に使用する活性エネルギー線重合性化合物(A)として、前記活性エネルギー線重合性基を1つ有する化合物(A-1)の他に、
活性エネルギー線重合性基を2つ以上有する化合物(A-2)として、例えば(メタ)アクリロイル基を有するアクリル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのごとき多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル;アリル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレエート、トリアリルシアヌレートなどのアリル化合物;ジオールジビニルエーテル類;ブタジエン、イソプレン等のジエン類など及びこれらのオリゴマー類を併用してもよい。
本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物に使用する微粒子(B)として、は有機粒子及び/又は無機粒子を添加することにより、その硬化塗膜は低光沢で、より耐擦り傷性に優れるものとすることができる。前記微粒子(B)の内、無機粒子としては、シリカ、タルク、ネフェリン閃長岩、マイカ、ベントナイト、珪藻土、炭酸カルシウム、アルミナ白等が好ましく、また有機粒子としてはポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、アクリルビーズ顔料、又はウレタンビーズ顔料が好ましく、また無機・有機の分け隔てなく複数混合し用いてもよい。
前記活性エネルギー線重合性化合物(A)として活性エネルギー線重合性基を1つ有する化合物(A-1)を前記組成物全量の25~40質量%含有し、前記微粒子(B)を前記組成物全量の10~35質量%含有し、且つ、式(1)で算出される値が20~55であることを必須とする。
Figure 0007035396000003
但し、(b)は前記組成物全量に対する微粒子(B)の質量%であり、
(a-1)は前記組成物全量に対する活性エネルギー線重合性基を1つ有する化合物(A-1)の質量%である。
(1)式で示す比率が、20~55の範囲であれば該組成物が硬化してなる塗工皮膜は十分な硬化性を保ちつつ効率的に低光沢性を兼備する事ができる。(1)式で示す比率が20を下回ると低光沢性が低下する傾向にあり、また55を上回るとコーティング剤としての流動性、転移性が損なわれる傾向となり易い。
前記微粒子(B)の平均粒子径は1~10μmが好ましく、その添加量の総計は組成物全量の15~25質量%の範囲が好ましい。平均粒子サイズが1μm以上であれば十分は艶消し効果を発現でき、平均粒子サイズが10μm以下であれば、表面の凹凸に汚れが入り込むことによる汚染性の悪化や、粒子の脱落・埋没による艶変化・傷付が発生が抑制できる。
一方で、添加量が15質量%以上であれば低光沢性の効果が保持できる傾向となり、また25質量%以下であれば、コーティング剤としての流動性、転移性が損なわれることなく好ましい。
本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物は、基材に塗布後、活性エネルギー線を照射することで硬化皮膜とすることができる。この活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線が挙げられる。これらのなかでも特に、硬化性および利便性の点から紫外線(UV)が好ましい。
本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させる活性エネルギー線としては、上記の通り、紫外線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線であるが、具体的なエネルギー源又は硬化装置としては、例えば、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、紫外線発光ダイオード(UV-LED)、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧又は高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等を光源とする紫外線、又は走査型、カーテン型電子線加速器による電子線等が挙げられる。
本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させる活性エネルギー線として紫外線を用いる場合には、硬化性組成物の硬化剤として公知公用の光重合開始剤(C)を利用することが可能であり、前記光重合開始剤(C)が、ベンゾフェノン類、アントラキノン類、チオキサントン類、アセトフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類、又はメチルフェニルグリオキシエステル類からなる群から選ばれる少なくとも1種以上である事が好ましい。
前記ベンゾフェノン類としては、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド等が挙げられる。
前記アントラキノン類としては、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-アミルアントラキノン、2-アミノアントラキノン等が挙げられる。
前記チオキサントン類としては、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
前記アセトフェノン類としては、アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1-ジクロロアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1-フェニル-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-(4-i-プロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-1-プロパノン、N,N-ジメチルアミノアセトフェノン等が挙げられる。
前記アシルフォスフィンオキサイド類としては、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,6-ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキサイド、エチル-2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネイト、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、(2,5-ジヒドロキシフェニル)ジフェニルホスフィンオキサイド、(p-ヒドロキシフェニル)ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(p-ヒドロキシフェニル)フェニルホスフィンオキサイド、及びトリス(p-ヒドロキシフェニル)ホスフィンオキサイド等が挙げられる。
前記2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキサイドは、385nmや395nmに発光波長を有するUV-LEDの発光波長領域に合致するUV吸収波長を有することで、好適な硬化性が得られ、且つ、硬化皮膜の黄変が少ない点でより好ましい。
前記メチルフェニルグリオキシエステル類としては、オキシフェニル酢酸、2-[2-オキソ-2-フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物が市販品として入手できる。
中でも、活性エネルギー線硬化性化合物溶解時に溶解液の着色が無く、経時による黄変の少ない、アセトフェノン類である1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンがより好ましい。
前記した光重合開始剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記光重合開始剤の総計の含有率は、床材用活性エネルギー線硬化性組成物全量に対し0.1~10質量%の範囲にあることが好ましい。0.1質量%未満の添加量では良好な硬化性を得ることが困難であり、また10質量%を超える添加量では、開始剤量が過剰となり、組成物塗工時の流動性を損ない加工性、作業性が低下することから好ましくない。
更に、脂肪族アミン誘導体及び/又は安息香酸アミン誘導体から選ばれる3級アミン化合物を増感剤として添加することによって、硬化速度を速めることもできる。3級アミン化合物は、反応性を高め、酸素による反応阻害を阻止することで知られている。好適な3級アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの遊離アルキルアミン、2-エチルヘキシル-4-ジメチルアミノベンゾエート、エチル-4-ジメチルアミノベンゾエートなどの芳香族アミン、およびポリアリルアミンとその誘導体としての高分子アミンなどが挙げられる。エチレン2重結合性不飽和アミン(例えば、(メタ)アクリレート化アミン類)などの活性エネルギー線重合性化合物は、低臭気性、低揮発性、および硬化によってポリマーマトリックス中に組み込むことができる能力によって黄ばみが抑制される性質があることから、好ましいとされる。
前記3級アミン化合物は、床材用活性エネルギー線硬化性組成物全量に対して、好ましくは、0.1~10質量%、より好ましくは、0.3~3質量%の量で用いる事ができる。
更に任意の成分として、ワックス、可塑剤、レベリング剤、界面活性剤、分散剤、泡消剤等を含有させることが出来る。
本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物では、必用に応じて有機溶剤を使用してもよい。前記溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n-ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルを挙げることができる。
本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物は、木質基材に塗工した際の光沢がグロス値で10以上~30以下の低光沢に伴うマット効果により、高級感ある床材を再現できる組成物である。グロス値が30超~60以下の中程度の光沢よりも、より高級感が得られる。
また、グロス値が10未満の場合、建材用途としては光の反射が著しく低下し、塗装が施されていないかの様な質感となる上、耐汚染性が低下する傾向にあるからである。尚、前記グロス値の測定条件は、入射角60°反射角60°としたものである。
本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物は、木質基材上に、予め、シーラー塗膜、下塗り塗膜、中塗り塗膜のいずれかが施されてから塗工してもよい。これらシーラー塗膜、下塗り塗膜および、中塗り塗膜のすべてを塗設する場合には、その積層順序が、「木質基材/シーラー塗膜/下塗り塗膜/中塗り塗膜/床材用活性エネルギー線硬化性組成物からなる塗膜」となるように積層すればよい。なお、何れかの塗膜例えば、下塗塗膜を除外・省略する場合には、この順序を保持しつつ、「木質基材/シーラー塗膜/中塗り塗膜/床材用活性エネルギー線硬化性組成物からなる塗膜」の順序で積層すればよい。
このように木質基材上に、予め、シーラー塗膜、下塗り塗膜、中塗り塗膜のいずれか1種以上が塗布される場合には、これら各塗膜の塗布後に前記の如く活性エネルギー線、好ましくは紫外線等の光照射を行うことができる。その光源としては、通常UV硬化性コーティング剤に使用する光源、例えばメタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等であれば問題なく硬化させることができる。例えばFusion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等の市販されているものを用いて行うことができる。
そして、それらの塗膜の最後の塗膜(層)上、例えば、中塗り塗膜上に、表面層(最外層、上塗層などとも言う。)となる上記を床材用活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し、上記のように高圧水銀灯、メタルハライドランプなどでのセミキュア(半硬化)工程を実施したのち、無電極UVランプを照射し完全硬化させることが好ましい。
また、木質床材の形状により単板の継ぎ目に溝加工が施されていたり、表面に1mm以上の厚みがある単板を使用して角の形状が加工された床材は、表面層が塗布されずに、溝の部分や角の形状にシーラー塗膜、下塗り塗膜、中塗り塗膜のいずれかが表層となることがあり、この場合も上記床材用活性エネルギー線硬化性組成物を用いることができる。
尚、本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物の塗布・印刷方式の具体的な例としては、コーティング方法としては、たとえばロールコーター、グラビアコーター、フレキソコーター、エアドクターコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、トランスファロールコーター、キスコーター、カーテンコーター、キャストコーター、スプレイコーター、ダイコーター、オフセット印刷機、スクリーン印刷機等を適宜採用することができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。尚、以下実施例中にある部とは、質量部を表す。
微粒子(B)の平均粒子径は日機装株式会社製ナノ粒子粒度分布測定器Nanotrac UPA EX-150を使って測定した。
〔床材用活性エネルギー線硬化性組成物の調整〕
〔実施例1〕
DIC社製ウレタンアクリレート「ユニディックV-4260」30部、MIWON社製トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート「MIRAMER M3130」10部、MIWON社製1,6-ヘキサンジオールEO変性ジアクリレート「MIRAMER M202」5部、MIWON社製2-エトキシフェノキシアクリレート「MIRAMER M142」40部、BASF社製1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部、富士シリシア化学社製シリカ「サイリシア-350(平均粒子径1.8μm)」5部、根上工業社製アクリルビーズ「アートパール J-4P(平均粒子径2.2μm)」5部を添加し、攪拌機で10分間撹拌混合して組成物1を作製した。
〔実施例2〕
DIC社製ウレタンアクリレート「ユニディックV-4260」30部、MIWON社製トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート「MIRAMER M3130」10部、MIWON社製1,6-ヘキサンジオールEO変性ジアクリレート「MIRAMER M202」10部、MIWON社製2-エトキシフェノキシアクリレート「MIRAMER M142」25部、BASF社製1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部、東ソー・シリカ社製シリカ「ニップジェルAY-460(平均粒子径3.0μm)」5部、根上工業社製アクリルビーズ「アートパール J-4P」5部、UNIMIN社製ネフェリン閃長岩「MINEX10(平均粒子径2.1μm)」10部を添加し、攪拌機で10分間撹拌混合して組成物2を作製した。
〔実施例3〕
DIC社製ウレタンアクリレート「ユニディックV-4260」25部、MIWON社製トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート「MIRAMER M3130」5部、MIWON社製1,6-ヘキサンジオールEO変性ジアクリレート「MIRAMER M202」5部、MIWON社製2-エトキシフェノキシアクリレート「MIRAMER M142」40部、BASF社製1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部、東ソー・シリカ社製シリカ「ニップジェルAY-460」5部、根上工業社製アクリルビーズ「アートパール J-4P」5部、UNIMIN社製ネフェリン閃長岩「MINEX10」10部を添加し、攪拌機で10分間撹拌混合して組成物3を作製した。
〔実施例4〕
DIC社製ウレタンアクリレート「ユニディックV-4260」30部、MIWON社製トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート「MIRAMER M3130」10部、MIWON社製1,6-ヘキサンジオールEO変性ジアクリレート「MIRAMER M202」10部、興人社製アクリロイルモルフォリン「ACMO」25部、BASF社製1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部、東ソー・シリカ社製シリカ「ニップジェルAY-460」5部、根上工業社製アクリルビーズ「アートパール J-4P」5部、UNIMIN社製ネフェリン閃長岩「MINEX10」10部を添加し、攪拌機で10分間撹拌混合して組成物4を作製した。
〔実施例5〕
DIC社製ウレタンアクリレート「ユニディックV-4260」25部、MIWON社製トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート「MIRAMER M3130」5部、MIWON社製1,6-ヘキサンジオールEO変性ジアクリレート「MIRAMER M202」5部、興人社製アクリロイルモルフォリン「ACMO」40部、BASF社製1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部、東ソー・シリカ社製シリカ「ニップジェルAY-460」5部、根上工業社製アクリルビーズ「アートパール J-4P」5部、UNIMIN社製ネフェリン閃長岩「MINEX10」10部を添加し、攪拌機で10分間撹拌混合して組成物5を作製した。
〔実施例6〕
DIC社製ウレタンアクリレート「ユニディックV-4260」30部、MIWON社製トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート「MIRAMER M3130」10部、MIWON社製トリプロピレングリコールジアクリレート「MIRAMER M220」10部、MIWON社製1,6-ヘキサンジオールEO変性ジアクリレート「MIRAMER M202」5部、東亜合成社製「2-エチルヘキシルアクリレート」25部、BASF社製1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部、東ソー・シリカ社製シリカ「ニップジェルAY-460」5部、根上工業社製アクリルビーズ「アートパール J-4P」5部、UNIMIN社製ネフェリン閃長岩「MINEX10」5部を添加し、攪拌機で10分間撹拌混合して組成物6を作製した。
〔実施例7〕
DIC社製ウレタンアクリレート「ユニディックV-4260」20部、MIWON社製トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート「MIRAMER M3130」10部、MIWON社製トリプロピレングリコールジアクリレート「MIRAMER M220」5部、MIWON社製1,6-ヘキサンジオールEO変性ジアクリレート「MIRAMER M202」5部、東亜合成社製「2-エチルヘキシルアクリレート」40部、BASF社製1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部、東ソー・シリカ社製シリカ「ニップジェルAY-460」5部、根上工業社製アクリルビーズ「アートパール J-4P」5部、UNIMIN社製ネフェリン閃長岩「MINEX10」5部を添加し、攪拌機で10分間撹拌混合して組成物7を作製した。
〔実施例8〕
DIC社製ウレタンアクリレート「ユニディックV-4260」25部、、MIWON社製トリプロピレングリコールジアクリレート「MIRAMER M220」15部、MIWON社製1,6-ヘキサンジオールEO変性ジアクリレート「MIRAMER M202」5部、MIWON社製2-エトキシフェノキシアクリレート「MIRAMER M142」25部、BASF社製1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部、根上工業社製アクリルビーズ「アートパール J-4P」5部、UNIMIN社製ネフェリン閃長岩「MINEX10」20部を添加し、攪拌機で10分間撹拌混合して組成物8を作製した。
〔実施例9〕
DIC社製ウレタンアクリレート「ユニディックV-4260」20部、MIWON社製トリプロピレングリコールジアクリレート「MIRAMER M220」5部、MIWON社製1,6-ヘキサンジオールEO変性ジアクリレート「MIRAMER M202」5部、MIWON社製2-エトキシフェノキシアクリレート「MIRAMER M142」40部、BASF社製1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部、根上工業社製アクリルビーズ「アートパール J-4P」5部、UNIMIN社製ネフェリン閃長岩「MINEX10」20部を添加し、攪拌機で10分間撹拌混合して組成物9を作製した。
〔実施例10〕
DIC社製ウレタンアクリレート「ユニディックV-4260」20部、MIWON社製トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート「MIRAMER M3130」10部、MIWON社製2-エトキシフェノキシアクリレート「MIRAMER M142」30部、BASF社製1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部、UNIMIN社製ネフェリン閃長岩「MINEX10」35部を添加し、攪拌機で10分間撹拌混合して組成物10を作製した。
〔比較例1〕
DIC社製ウレタンアクリレート「ユニディックV-4260」30部、MIWON社製トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート「MIRAMER M3130」10部、MIWON社製トリプロピレングリコールジアクリレート「MIRAMER M220」20部、MIWON社製1,6-ヘキサンジオールEO変性ジアクリレート「MIRAMER M202」10部、MIWON社製2-エトキシフェノキシアクリレート「MIRAMER M142」25部、BASF社製1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部を添加し、攪拌機で10分間撹拌混合して組成物11を作製した。
〔比較例2〕
DIC社製ウレタンアクリレート「ユニディックV-4260」30部、MIWON社製トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート「MIRAMER M3130」15部、MIWON社製トリプロピレングリコールジアクリレート「MIRAMER M220」10部、MIWON社製2-エトキシフェノキシアクリレート「MIRAMER M142」40部、BASF社製1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部を添加し、攪拌機で10分間撹拌混合して組成物12を作製した。
〔比較例3〕
DIC社製ウレタンアクリレート「ユニディックV-4260」40部、MIWON社製トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート「MIRAMER M3130」10部、MIWON社製1,6-ヘキサンジオールEO変性ジアクリレート「MIRAMER M202」15部、MIWON社製2-エトキシフェノキシアクリレート「MIRAMER M142」25部、BASF社製1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部、東ソー・シリカ社製シリカ「ニップジェルAY-460」2.5部、根上工業社製アクリルビーズ「アートパール J-4P」2.5部を添加し、攪拌機で10分間撹拌混合して組成物13を作製した。
〔比較例4〕
DIC社製ウレタンアクリレート「ユニディックV-4260」40部、MIWON社製トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート「MIRAMER M3130」5部、MIWON社製1,6-ヘキサンジオールEO変性ジアクリレート「MIRAMER M202」5部、MIWON社製2-エトキシフェノキシアクリレート「MIRAMER M142」40部、BASF社製1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部、東ソー・シリカ社製シリカ「ニップジェルAY-460」2.5部、根上工業社製アクリルビーズ「アートパール J-4P」2.5部を添加し、攪拌機で10分間撹拌混合して組成物14を作製した。
〔比較例5〕
DIC社製ウレタンアクリレート「ユニディックV-4260」30部、MIWON社製トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート「MIRAMER M3130」10部、MIWON社製トリプロピレングリコールジアクリレート「MIRAMER M220」20部、BASF社製1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部、UNIMIN社製ネフェリン閃長岩「MINEX10」35部を添加し、攪拌機で10分間撹拌混合して組成物15を作製した。
〔比較例6〕
DIC社製ウレタンアクリレート「ユニディックV-4260」17部、MIWON社製2-エトキシフェノキシアクリレート「MIRAMER M142」43部、BASF社製1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部、UNIMIN社製ネフェリン閃長岩「MINEX10」35部を添加し、攪拌機で10分間撹拌混合して組成物16を作製した。
〔比較例7〕
DIC社製ウレタンアクリレート「ユニディックV-4260」17部、MIWON社製2-エトキシフェノキシアクリレート「MIRAMER M142」40部、BASF社製1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部、UNIMIN社製ネフェリン閃長岩「MINEX10」38部を添加し、攪拌機で10分間撹拌混合して組成物17を作製した。
〔比較例8〕
DIC社製ウレタンアクリレート「ユニディックV-4260」30部、MIWON社製トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート「MIRAMER M3130」10部、MIWON社製トリプロピレングリコールジアクリレート「MIRAMER M220」15部、MIWON社製1,6-ヘキサンジオールEO変性ジアクリレート「MIRAMER M202」10部、MIWON社製2-エトキシフェノキシアクリレート「MIRAMER M142」10部、BASF社製1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部、東ソー・シリカ社製シリカ「ニップジェルAY-460」5部、根上工業社製アクリルビーズ「アートパール J-4P」5部、UNIMIN社製ネフェリン閃長岩「MINEX10」10部を添加し、攪拌機で10分間撹拌混合して組成物18を作製した。
〔床材の作製〕
厚さ12mmの突き板合板上に、シーラーとして「ポリメディックSKS-547LV」(DIC(株)製、紫外線硬化性組成物)をロールコーターで塗布し高圧水銀灯で硬化させた。次に下塗りとして「ポリメディック SKS-018」(DIC(株)製、紫外線硬化性組成物)100部に対して研磨剤WA-500を30部混合した組成物をロールコーターで塗布し高圧水銀灯で硬化させた。その後中塗りとして「ポリメディック SKS-018」をロールコーターで塗布して高圧水銀灯で硬化させた。その塗装板を320番のサンドペーパーで研磨した後に、前記で調整した組成物をロールコーターで塗布して高圧水銀灯で積算光量500mJ/cmの照射量で硬化させて床材評価用サンプルを作製した。
〔評価方法〕
本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物の実施例及び比較例の評価方法を示す。
〔光沢〕
前記光沢評価用塗工紙サンプル、床材評価用サンプルの表面の光沢は株式会社堀場製作所社製グロスチェッカIG-320を使用し、光沢の測定条件は入射角60°反射角60°とした。測定前に標準校正板(校正値91)を用いて校正されていることを確認して測定したグロス値を光沢とし、10以上~30以下を合格値とした。
〔密着性〕
前記床材評価用サンプル表面の塗膜にカッターガイドに従い、縦横に2mm間隔で碁盤目状の切り傷を入れて100個の升目を作る。そこにセロハンテープ(ニチバン エルパック LP-24)を貼り付けでセロハンテープを密着させた後にセロハンテープを瞬間的に引っ張り、床材に残っている塗膜の升目を数えて評価した。全部残っている場合は100/100とした。
〔耐薬品性〕
前記床材評価用サンプル表面の耐薬品性についてJAS耐薬品性に従い、作製した床材サンプルを水平に置いた後、サンプルの表面に5%酢酸水溶液、1%炭酸ナトリウム水溶液、JISラッカーシンナーを滴下して時計皿をかぶせて、6時間放置した後、溶剤を布に含ませてふき取る。その汚染痕を次の3段階で目視評価した。

○:塗膜に変化なし、塗膜の割れやふくれなどのわずかな変化が見られる。
△:塗膜のふくれや光沢に明らかな変化が見られる。
×:塗膜のふくれや光沢に著しい変化が見られる。
〔耐汚染性〕
前記床材評価用サンプル表面の耐汚染性についてJAS汚染性Aに従い、作製した床材サンプルを水平に置いた後、サンプルの表面に一般市販品事務用青色インキ、黒色油性インキ及び赤色クレヨンで幅10mmの線を引き、6時間放置した後、溶剤を布に含ませてふき取る。その汚染痕を次の3段階で目視評価した。

○:塗膜に変化なし、またはわずかに汚れが残っている。
△:ほとんど汚れが残っている。
×:まったく汚れが落ちない。
〔耐摩耗性〕
前記床材評価用サンプル表面の耐磨耗性について摩耗試験機でJAS摩耗A試験に従い、作製した床材サンプルの耐摩耗性について評価した。
試験片の質量を測定した後、当該試験片を試験装置の回転盤に水平に固定し、研磨紙(JIS K 6902(熱硬化性樹脂高圧化粧板試験方法)に定める検定に合格するものをいう。)を巻き付けたゴム製円板(JIS K 6902(熱硬化性樹脂高圧化粧板試験方法)に定める検定に合格するものをいう。)2個を取り付けて試験片を100回転させ、その後当該試験片の質量を測定し、摩耗量を算出する。この場合、試験片面上に加わる総質量は、ゴム製円板の質量を含め500gとする。

○:化粧面の模様又は化粧材料の50%以上が残っており、摩耗量が0.1g未満。
△:化粧面の模様又は化粧材料の50%未満が残っており、摩耗量が0.1g以上。
×:化粧面の模様又は化粧材料が残っていない。
〔耐干割れ性〕
前記床材評価用サンプル表面の温度変化に対する耐候性についてJAS寒熱繰返しA試験に従って、作製した床材サンプルの温度変化に対する耐候性について評価した。
床材サンプルを80℃±3℃の恒温器中に2時間放置した後、-20℃±3℃の恒温器中に2時間放置する工程を2回繰り返し、室温に達するまで放置する。

○:塗膜に変化なし、塗膜の割れやふくれなどのわずかな変化が見られる。
△:塗膜のふくれや光沢に明らかな変化が見られる。
×:塗膜のふくれや光沢に著しい変化が見られる。
床材用活性エネルギー線硬化性組成物の各配合、及びこれを用いた床材の評価結果を、実施例については表1、2に、比較例については表3、4に示す。
Figure 0007035396000004
Figure 0007035396000005
Figure 0007035396000006
Figure 0007035396000007
実施例に示す本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物を用いた床材では、無機/有機の微粒子の含有量を過剰にすることなくモノマーとの配合の最適化により、突き板合板への密着性、耐薬品性、耐汚染性、耐摩耗性、及び耐千割れ性を兼備しつつ、効率的に低光沢化を図る事ができる。

Claims (4)

  1. 活性エネルギー線重合性化合物(A)、微粒子(B)、及び光重合開始剤(C)を含有する床材用活性エネルギー線硬化性組成物であって、
    前記活性エネルギー線重合性化合物(A)として活性エネルギー線重合性基を1つ有する化合物(A-1)を前記組成物全量の25~40
    質量%含有し、
    前記微粒子(B)を前記組成物全量の10~35質量%含有し、且つ、
    式(1)で算出される値が20~55であることを特徴とする床材用活性エネルギー線硬化性組成物。

    Figure 0007035396000008
    但し、(b)は前記組成物全量に対する微粒子(B)の質量%であり、
    (a-1)は前記組成物全量に対する活性エネルギー線重合性基を1つ有する化合物(A-1)の質量%であり、
    前記化合物(A-1)が2-エトキシフェノキシアクリレート、又は2-エチルヘキシルアクリレートであり、
    更に、活性エネルギー線重合性化合物(A)として、(メタ)アクリロイル基を有するアクリル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、及び多官能(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる活性エネルギー線重合性基を2つ以上有する化合物(A-2)を含有する。
  2. 前記微粒子(B)が、シリカ、タルク、ネフェリン閃長岩、マイカ、ベントナイト、珪藻土、炭酸カルシウム、アルミナ白、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、アクリルビーズ顔料、又はウレタンビーズ顔料である請求項1に記載の床材用活性エネルギー線硬化性組成物。
  3. 前期光重合開始剤(C)が、ベンゾフェノン類、アントラキノン類、チオキサントン類、アセトフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類、及びメチルフェニルグリオキシエステル類からなる群から選ばれる少なくとも1種以上である請求項1又は2に記載の床材用活性エネルギー線硬化性組成物。
  4. 請求項1~3の何れか1つに記載の床材用活性エネルギー線硬化性組成物を表面に被覆し硬化してなる床材。
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