JP7446093B2 - 光硬化性樹脂組成物、硬化被膜、硬化被膜付基材および硬化被膜付基材の製造方法 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物、硬化被膜、硬化被膜付基材および硬化被膜付基材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光硬化性樹脂組成物、硬化被膜、硬化被膜付基材および硬化被膜付基材の製造方法に関する。
通常、各種基材には、汚れや傷等から基材を保護することを目的として、塗膜(保護層、硬化被膜)が設けられている。
このような塗膜には、意匠性も求められ、この意匠性には、例えば、光沢感が求められる場合と、塗装感のない低光沢が求められる場合とがある。例えば、フローリング等に用いられる木質基材等には、近年、塗装感のない低光沢(低グロス)が求められる場合が多くなっている。通常、この低光沢は、塗膜面の垂直方向から60°の角度で入射した光に対する光沢度で評価される。
低光沢の塗膜を形成する組成物として、特許文献1には、光重合性アクリレートモノマーと平均粒径が異なる2種類の樹脂ビーズとを含む活性エネルギー線硬化型コーティングニスが開示され、特許文献2には、単官能(メタ)アクリレートモノマーと、光硬化性オリゴマーと、球状フィラーとを含む光硬化性樹脂組成物が開示されている。
特開2010-241954号公報 特開2019-065245号公報
近年、木質基材等の基材に形成される塗膜に求められる低光沢の度合いが強まっており、具体的には、塗膜面の垂直方向から高角度(例:85°)で入射した光に対する光沢度(以下「斜光グロス」ともいう。)の低い塗膜が求められている。
しかしながら、塗膜面に入射する光の、塗膜面の垂直方向からの角度が大きくなるほど光沢度の値が大きくなることが一般的であり、前記特許文献に記載の組成物などの従来の組成物から形成される塗膜には、斜光グロスの低減の点で改善の余地があった。
また、基材に形成される塗膜には、汚れ難い、汚れ等の跡が残り難いなどの耐汚染性に優れることも求められているが、低光沢および低斜光グロスであることと、耐汚染性に優れることの両者にバランスよく優れる塗膜は従来知られていなかった。
本発明は、以上のことに鑑みてなされたものであり、低光沢および低斜光グロス、かつ、耐汚染性に優れる塗膜を形成することができる光硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、下記構成例によれば、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の構成例は、以下の通りである。
[1] 光硬化性オリゴマーおよび/または光硬化性樹脂(A)、(メタ)アクリレートモノマー(B)、光重合開始剤(C)、および、平均粒径が1~30μmの範囲にあるウレタン樹脂粒子(D)を含有し、
前記ウレタン樹脂粒子(D)が、平均粒径の異なる2種以上の粒子を含む、
光硬化性樹脂組成物。
[2] 前記ウレタン樹脂粒子(D)が、平均粒径が1μm以上、6μm未満の範囲にあるウレタン樹脂粒子(D1)と、平均粒径が6~30μmの範囲にあるウレタン樹脂粒子(D2)とを含む、[1]に記載の光硬化性樹脂組成物。
[3] さらにシリカ(E)を含む、[1]または[2]に記載の光硬化性樹脂組成物。
[4] 前記光硬化性オリゴマーおよび/または光硬化性樹脂(A)が、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーである、[1]~[3]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
[5] 前記(メタ)アクリレートモノマー(B)が、2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを含む、[1]~[4]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
[6] 木質基材用である、[1]~[5]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物から形成された硬化被膜。
[8] 85度光沢度が45以下である、[7]に記載の硬化被膜。
[9] 60度光沢度が10以下である、[7]または[8]に記載の硬化被膜。
[10] 基材と、[7]~[9]のいずれかに記載の硬化被膜とを有する、硬化被膜付基材。
[11] 基材表面の少なくとも一部に、[1]~[6]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を塗装する塗装工程と、当該塗装面を光照射して該組成物を硬化させる光照射工程とを含む、硬化被膜付基材の製造方法。
本発明に係る光硬化性樹脂組成物によれば、低光沢および低斜光グロス、かつ、耐汚染性に優れる硬化被膜を容易に形成することができる。従って、このような光硬化性樹脂組成物を基材に塗装することで、耐汚染性等の機能面に加え、低光沢であり、基材の素材感や風合い感(無塗装感)や、落ち着いた見た目(しっとり感)などの美観面にも優れ、耐擦傷性を有する硬化被膜付基材を容易に得ることができる。
また、本発明に係る光硬化性樹脂組成物によれば、有機溶剤を用いず、無溶剤型の光硬化性塗料とすることも可能となる。
≪光硬化性樹脂組成物≫
本発明に係る光硬化性樹脂組成物(以下「本組成物」ともいう。)は、光硬化性オリゴマーおよび/または光硬化性樹脂(A)[以下「成分(A)」ともいう。他の成分についても同様。]、(メタ)アクリレートモノマー(B)、光重合開始剤(C)、および、平均粒径が1~30μmの範囲にあるウレタン樹脂粒子(D)を含有し、該ウレタン樹脂粒子(D)が、平均粒径の異なる2種以上の粒子を含む。
なお、本発明における「(メタ)アクリレート」は、アクリレート、メタクリレート、または、アクリレートとメタクリレートとの両方を包括する概念であり、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル、メタクリロイル、または、アクリロイルとメタクリロイルとの両方を包括する概念である。
<光硬化性オリゴマーおよび/または光硬化性樹脂(A)>
前記成分(A)としては、光硬化性基を有するオリゴマーおよび/または樹脂であれば特に制限されないが、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性(メタ)アクリレートモノマーを用いて得られるオリゴマーまたは樹脂が好ましい。
成分(A)を用いることで、硬質の被膜を形成することができ、被膜付基材に必要な耐汚染性および耐薬品性を効果的に付与することができる。
本組成物に用いる成分(A)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
前記光硬化性(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、アクリル酸エステル共重合体の側鎖にアクリロイル基またはメタクリロイル基を導入した共重合系(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記成分(A)としては、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマー等の(メタ)アクリレート系オリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート系樹脂、ポリエーテル(メタ)アクリレート系樹脂等の(メタ)アクリレート系樹脂が挙げられ、好ましくは、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーである。
該ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、耐黄変性に優れる硬化被膜を容易に得ることができる等の点から、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーであることが好ましい。
前記ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーまたは樹脂としては、例えば、イソシアネート化合物と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物と、任意にポリオール化合物とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーまたは樹脂が挙げられる。
耐黄変性に優れる硬化被膜を容易に得ることができる等の点から、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーまたは樹脂の原料として用いる化合物は、脂肪族(脂環式も含む)系の化合物であることが好ましい。
成分(A)は、分子中に官能基として任意の数の(メタ)アクリロイル基と、任意の数のウレタン結合とを有することが好ましく、成分(A)としては、基材への密着性に優れ、柔軟性、耐衝撃性、硬度および耐汚染性により優れる硬化被膜を得ることができる等の点から、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する2官能以上のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーまたは樹脂を用いることが好ましい。このような2官能以上のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーまたは樹脂の好適例としては、2官能、3官能、6官能のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーまたは樹脂が挙げられる。これらの中でも、柔軟性、耐衝撃性により優れる硬化被膜を得ることができる等の点から、2官能および/または3官能のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーまたは樹脂を用いることが好ましく、硬度、耐汚染性により優れる硬化被膜を得ることができる点から、6官能のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーまたは樹脂を用いることが好ましい。これらの効果にバランスよく優れる、特に、柔軟性と硬度にバランスよく優れる硬化被膜を容易に得ることができる等の点から、2官能および/または3官能のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーまたは樹脂と、6官能のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーまたは樹脂とを併用することが好ましい。
前記イソシアネート化合物としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、例えば、直鎖状または分岐状のイソシアネート基含有炭化水素、イソシアネート基含有環状炭化水素、イソシアネート基含有芳香族炭化水素を用いることができる。
このようなイソシアネート化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記イソシアネート化合物としては、例えば、ポリイソシアネートが挙げられ、具体的には、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート[HDI]等のイソシアネート基含有直鎖状炭化水素、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート[TMHMDI]等のイソシアネート基含有分岐状炭化水素、イソホロンジイソシアネート[IPDI]、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添トルエンジイソシアネート等のイソシアネート基含有環状炭化水素、p-フェニレンジイソシアネート[PPDI]、3,3'-ジメチルジフェニル-4,4'-ジイソシアネート[TODI]、1,3-キシレンジイソシアネート[XDI]、ジアニシジンジイソシアネート[DADI]、テトラメチルキシレンジイソシアネート[TMXDI]、1,5-ナフタレンジイソシアネート[NDI]、トリレンジイソシアネート[TDI]、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート[MDI]等のジイソシアネート基含有芳香族炭化水素;前述のイソシアネートの2量体または3量体(ビウレット変性体、イソシアヌレート変性体)などが挙げられる。
これらの中でも、イソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート[HDI]、イソホロンジイソシアネート[IPDI]が好ましい。
前記ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物としては、ヒドロキシ基を1個以上有する(メタ)アクリレートを用いることができ、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-クロロプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有単官能(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジまたはトリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンジまたはトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジまたはトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ、トリ、テトラまたはペンタ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、前記以外にも、ポリカプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の変性体を用いてもよい。
前記ポリオール化合物としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリオレフィンポリオール等の公知のポリオールを用いることができ、具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAとエチレンオキサイドとの付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ポリカプロラクトンジオール、アルキレンポリオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
このようなポリオールは、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーまたは樹脂としては、例えば、エポキシ系オリゴマーまたは樹脂に、アクリル酸を付加させて得られる(メタ)アクリル酸変性エポキシ系オリゴマーまたは樹脂が挙げられる。変性に供される前記エポキシ系オリゴマーまたは樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSまたはフェノールノボラックとエピクロルヒドリンとを反応させて得られるオリゴマーまたは樹脂、シクロペンタジエンオキシドまたはシクロヘキセンオキシドと、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるオリゴマーまたは樹脂が挙げられる。
前記ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーまたは樹脂としては、例えば、多塩基酸またはその無水物と多価アルコールとから合成されるポリエステル系オリゴマーまたは樹脂に、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーまたは樹脂が挙げられる。
前記多塩基酸としては、例えば、フタル酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、セバシン酸、イソセバシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ピメリン酸、アゼライン酸が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールが挙げられる。
前記ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーまたは樹脂としては、例えば、ポリーテルとエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応によって得られるポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーまたは樹脂が挙げられる。
前記ポリエーテルとしては、例えば、トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールなどをエトキシ化やプロポキシ化などすることにより得られたポリエーテル、1,4-ブタンジオールなどをポリエーテル化することにより得られたポリエーテルが挙げられる。
成分(A)は、基材への密着性に優れ、柔軟性、耐衝撃性、硬度および耐汚染性により優れる硬化被膜を得ることができる等の点から、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであることが好ましく、このようなオリゴマーとしては、GPCにより測定される重量平均分子量が、好ましくは1,000~10,000、より好ましくは1,500~8,000であるオリゴマーが挙げられる。
本組成物100質量%中の成分(A)の含有量は、基材への密着性に優れ、柔軟性、耐衝撃性、硬度および耐汚染性により優れる硬化被膜を容易に得ることができる等の点から、好ましくは10~70質量%、より好ましくは15~60質量%、特に好ましくは20~50質量%である。
<(メタ)アクリレートモノマー(B)>
成分(B)は特に制限されず、(メタ)アクリロイル基を1つ有する単官能(メタ)アクリレート化合物であってもよく、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する2官能以上の(メタ)アクリレート化合物であってもよい。
なお、成分(B)は、光硬化性の化合物である。
本組成物に用いる成分(B)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
成分(B)としては、硬度および耐汚染性に優れ、耐擦傷性を有する硬化被膜を容易に得ることができる等の点から、2官能以上の(メタ)アクリレート化合物を用いることが好ましく、2官能(メタ)アクリレート化合物と、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物とを併用することがより好ましい。
・単官能(メタ)アクリレート化合物
単官能(メタ)アクリレート化合物を用いることで、本組成物の粘度を下げ、塗装作業性を向上させることができる。
単官能(メタ)アクリレート化合物を用いる場合、用いる単官能(メタ)アクリレート化合物は1種でもよく、2種以上でもよい。
単官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート(C12~C13、炭素数12のものと炭素数13のものの混合物を含む)、セチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ-ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ-トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ-ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(n≒9)、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル-ジグリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ-ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO付加物(メタ)アクリレート(n≒1)、ノニルフェノールEO付加物(メタ)アクリレート(n≒2)、ノニルフェノールEO付加物(メタ)アクリレート(n≒4)、ノニルフェノールEO付加物(メタ)アクリレート(n≒8)、ノニルフェノールEO付加物(メタ)アクリレート(n≒16~17)、ノニルフェノールPO変性(メタ)アクリレート(n≒2.5)、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-コハク酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-フタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンテレフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンテレフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-ヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシエチル-フタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタルフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトン(n≒2)モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー(n≒1.4)、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、(2-メチル-2-イソブチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、単官能(メタ)アクリレート化合物としては、皮膚刺激性の低さによる安全性や、希釈性に優れる等の点から、トリメチルシクロヘキシルアクリレートまたは(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチルアクリレートが好ましい。
・2官能(メタ)アクリレート化合物
2官能(メタ)アクリレート化合物を用いることで、本組成物の粘度を下げ、塗装作業性を向上させることができ、また、硬度、耐汚染性、耐擦傷性を有する硬化被膜を容易に得ることができる。
2官能(メタ)アクリレート化合物を用いる場合、用いる2官能の(メタ)アクリレート化合物は1種でもよく、2種以上でもよい。
2官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、PEG#200ジ(メタ)アクリレート(EO部がn≒4)、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、PEG#300ジ(メタ)アクリレート(EO部がn≒6)、PEG#400ジ(メタ)アクリレート(EO部がn≒9)、PEG#600ジ(メタ)アクリレート(EO部がn≒13~14)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのEO変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、ジンクジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリル酸安息香酸エステルが挙げられる。
これらの中でも、2官能(メタ)アクリレート化合物としては、皮膚刺激性の低さによる安全性や、希釈性に優れる等の点から、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
・3官能以上の(メタ)アクリレート化合物
3官能以上の(メタ)アクリレート化合物を他の成分とともに用いることで、硬化性に優れる組成物を得ることができ、特に、架橋密度が高く、タックの少ない、塗膜欠陥が抑制された硬化被膜を容易に得ることができる。
3官能以上の(メタ)アクリレート化合物を用いる場合、用いる3官能以上の(メタ)アクリレート化合物は1種でもよく、2種以上でもよい。
3官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(PO部がn=2または3)、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンPO付加トリ(メタ)アクリレート、PO付加グリコールトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、EO付加ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、EO付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、皮膚刺激性の低さによる安全性や、希釈性に優れる等の点から、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが好ましい。
本組成物100質量%中の成分(B)の含有量は、硬度および耐汚染性に優れ、耐擦傷性を有する硬化被膜を容易に得ることができる等の点から、好ましくは20~80質量%、より好ましくは30~70質量%、特に好ましくは40~60質量%である。
<光重合開始剤(C)>
光重合開始剤(C)は、本組成物を硬化可能な化合物であれば特に制限されないが、光照射によりラジカルまたはカチオンを発生し、成分(A)や(B)等を反応させることができる化合物であることが好ましい。このような成分(C)としては、例えば、アルキルフェノン系開始剤、アシルホスフィンオキサイド系開始剤、水素引抜型開始剤が挙げられる。
本組成物に用いる成分(C)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
アルキルフェノン系開始剤としては、例えば、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルフォリニル)フェニル]-1-ブタノンが挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系開始剤としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイドが挙げられる。
水素引抜型開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-エチルアントラキノン、カンファーキノン、オキシ-フェニル-アセチックアシッド 2-[2-オキソ-2-フェニル-アセトキシ-エトキシ]-エチルエステル、オキシ-フェニル-アセチックアシッド 2-[2-ヒドロキシ-エトキシ]-エチルエステル、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステルが挙げられる。
これらの中でも、成分(C)としては、耐汚染性に優れる硬化被膜を容易に得ることができる等の点から、オキシ-フェエル-アセチックアシッド 2-[2-オキソ-2-フェニル-アセトキシ-エトキシ]-エチルエステルとオキシ-フェニル-アセチックアシッド 2-[2-ヒドロキシ-エトキシ]-エチルエステルとの混合物が好ましく、低光沢性に優れる硬化被膜を容易に得ることができる等の点から、4-メチルベンゾフェノンが好ましく、これら効果にバランスよく優れる等の点から、これらの併用がより好ましい。
本組成物100質量%中の成分(C)の含有量は、本組成物の硬化を十分に行うことができ、耐汚染性および低光沢性に優れる硬化被膜を容易に得ることができる等の点から、好ましくは1~10質量%、より好ましくは2~8質量%、特に好ましくは3~6質量%である。
<ウレタン樹脂粒子(D)>
成分(D)は、ウレタン樹脂製の粒子であることと、平均粒径が1~30μmの範囲にある粒子であることを特徴とし、さらに、平均粒径の異なる2種以上の粒子を含むことを特徴とする。
このような成分(D)を用いることで、低光沢および低斜光グロス、かつ、耐汚染性に優れ、基材の素材感や風合い感(無塗装感)や、落ち着いた見た目(しっとり感)などの美観面にも優れる硬化被膜を容易に形成することができる。
本組成物に用いる成分(D)は、2種でもよく、3種以上でもよい。前者の場合、平均粒径が異なっていれば特に制限されず、樹脂の種類や平均粒径以外の形状等は同一でも異なっていてもよい。後者の場合、平均粒径が異なる粒子を2種以上含めば特に制限されず、樹脂の種類や形状等のうちいずれか1つが異なる粒子を3種以上含むことが挙げられる。
成分(D)の平均粒径は、本組成物の用途に応じて形成される硬化被膜の膜厚にもよるが、好ましくは1~30μm、より好ましくは2~20μm、特に好ましくは3~10μmであり、成分(D)は、平均粒径がこの範囲にあり、かつ、平均粒径の異なる2種以上の粒子を含むことが好ましい。
なお、前記成分(D)の平均粒径は、本組成物を調製する際の原料である成分(D)の平均粒径が前記範囲にあればよい。
なお、本明細書における「平均粒径」とは、JIS Z 8825:2013で規定されている「粒子径解析-レーザ回折・散乱法」に基づいて測定された、体積基準の積算粒子径分布の50%に対応した粒子径(メジアン径、d50)のことをいう。
成分(D)は、低光沢および低斜光グロス、かつ、耐汚染性に優れ、基材の素材感や風合い感(無塗装感)や、落ち着いた見た目(しっとり感)などの美観面にも優れる硬化被膜を容易に形成することができる等の点から、平均粒径が1μm以上、6μm未満の範囲にあるウレタン樹脂粒子(D1)と、平均粒径が6~30μmの範囲にあるウレタン樹脂粒子(D2)とを含むことが好ましい。
粒子(D1)の平均粒径は、好ましくは2~5.5μm、より好ましくは3~4μmである。
木質基材等の基材に形成される硬化被膜には、用途や要求に応じて、ザラツキを感じない(つるつるした)手触り感が求められる場合と、ザラザラ感が求められる場合とがある。成分(D)が前記粒子(D1)と(D2)とを含む場合、この求められる手触り感に応じて、前記粒子(D2)として、平均粒径が異なる粒子を用いることが好ましい。
具体的には、形成される硬化被膜にザラツキを感じない(つるつるした)手触り感が求められる場合、粒子(D2)の平均粒径は、好ましくは6~10μm、より好ましくは6~8μmであり、形成される硬化被膜にザラザラ感が求められる場合、粒子(D2)の平均粒径は、好ましくは10~30μm、より好ましくは20~30μmである。
成分(D)の形状は、平均粒径が前記範囲にあれば特に制限されない。成分(D)は、一般には、球状であり、真球状であることが好ましいが、その真球度等については特に制限されない。
前記ウレタン樹脂は、ウレタン構造を有していれば特に制限されず、従来公知のウレタン樹脂であればよい。また、架橋ウレタン樹脂であってもよい。ウレタン樹脂は、例えば、ポリオール成分とイソシアネート成分とを水等の分散媒中で直接反応させる方法、ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させて得た末端イソシアネートプレポリマーを水中で反応させる方法など広く知られている方法で製造することができる。
成分(D)は、前記従来公知の方法等で合成したウレタン樹脂を粒子状にしたものでもよく、前記従来公知の方法等でウレタン樹脂を合成する際に粒子状にしたものでもよく、根上工業(株)製のアートパール等の市販品を用いてもよい。
前記市販品としては、例えば、アートパールCE-1000T、アートパールC-800透明、アートパールC-600透明、アートパールC-400透明、アートパールC-300透明、アートパールC-200透明、アートパールP-800T、アートパールP-400T、アートパールJB-800T、アートパールJB-600T、アートパールJB-400T、アートパールU-600T、アートパールAK-800TR、アートパールAK-400TR、アートパールAK-300TR、アートパールAK-200TR、アートパールMM-120T、アートパールTK-600T、アートパールC-600THが挙げられる。
本組成物100質量%中の成分(D)の含有量は、低光沢および低斜光グロス、かつ、耐汚染性に優れる硬化被膜を容易に形成することができる等の点から、好ましくは3~12質量%、より好ましくは5~10質量%、特に好ましくは6~8質量%である。
本組成物100質量%中の成分(D1)の含有量は、前記効果、特に耐汚染性に優れる硬化被膜を容易に得ることができる等の点から、好ましくは1~6質量%、より好ましくは1.5~5質量%、特に好ましくは2~4質量%である。
本組成物100質量%中の成分(D2)の含有量は、前記効果、特に斜光グロスが低い硬化被膜を容易に得ることができる等の点から、好ましくは1~6質量%、より好ましくは2~5.5質量%、特に好ましくは3~5質量%である。
<シリカ(E)>
本組成物は、粘度の増大および粒子の沈降が抑制された組成物を容易に得ることができ、また、低光沢の硬化被膜を容易に得ることができる等の点から、必要により、成分(E)を含有していてもよく、成分(E)を含有することが好ましい。
なお、成分(D)を用いず、成分(E)を用いる場合、低光沢の硬化被膜を形成できる傾向にはあるが、基材の素材感や風合い感(無塗装感)や、落ち着いた見た目(しっとり感)などの美観面に優れる硬化被膜を得ることができないことが分かった。
本組成物に用いる成分(E)は、1種でもよく、2種以上でもよい。2種以上の成分(E)を用いる場合、シリカの種類が異なる2種以上であってもよく、平均粒径や形状等の異なる2種以上であってもよい。
成分(E)としては特に制限されないが、安全性の高い組成物を得やすい傾向にあり、粒子の沈降が抑制され、低光沢の硬化被膜を容易に得ることができる等の点から非晶質シリカであることが好ましい。
成分(E)が非晶質シリカであることは、例えば、従来公知のX線回折装置によって得られるX線回折パターンにおいて、結晶性シリカのピークが現れないことから確認することができる。
成分(E)としては、化学合成などにより合成したシリカそのものを用いてもよいが、得られる組成物の粘度の増大を抑制するため、また、得られる硬化被膜の耐薬品性、耐汚染性を向上させるため、表面処理されたシリカを用いることが好ましい。
なお、前記表面処理方法は特に制限されず、例えば、有機ケイ素化合物やワックスなどの有機化合物を用いた処理、シランカップリング剤など化合物を用いた処理が挙げられる。得られる組成物の粘度の増大を抑制できる等の点からは、前記有機化合物を用いた処理を行うことが好ましい。
成分(E)としては、シリカ粒子であることが好ましく、該シリカ粒子としては特に制限されないが、球状や楕円形状等の定形のシリカ粒子であってもよく、不定形のシリカ粒子であってもよい。前記効果に優れる等の点から、定形のシリカ粒子と、不定形のシリカ粒子とを併用することが好ましい。
なお、「不定形」とは、球状や楕円形状のような規則的形状ではなく、不規則な多数の角部または面を有する形状を意味する。
成分(E)としてシリカ粒子を用いる場合、該粒子が定形であっても、不定形であっても、その平均粒径は特に限定されないが、好ましくは1~15μm、より好ましくは2~10μm、特に好ましくは3~8μmである。
本組成物100質量%中の成分(E)の含有量は、粘度の増大および粒子の沈降が抑制された組成物を容易に得ることができ、また、低光沢の硬化被膜を容易に得ることができる等の点から、好ましくは1~20質量%、より好ましくは3~15質量%、特に好ましくは5~10質量%である。
なお、成分(E)は、添加量によって得られる組成物の粘度に影響を及ぼす傾向にあるため、添加量は前記範囲に制限されやすい傾向にある。
<その他の成分>
本組成物は、必要に応じて、前述した成分以外のその他の成分を含有してもよい。
該その他の成分としては、本発明の分野等で通常用いられてきた従来公知の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で用いることができ、例えば、レベリング剤、消泡剤、分散剤、有機溶剤、重合禁止剤、非反応性希釈剤、艶消し剤、沈降防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、成分(C)以外の光増感剤、成分(A)や(B)以外の光硬化性化合物、アクリル樹脂ビーズ、ポリエチレン粒子、アルミナ粒子、アルミノシリケート粒子等の成分(D)や(E)以外の粒子が挙げられる。
前記その他の成分はそれぞれ、1種単独で用いてもよく、また、2種以上を用いてもよい。
本組成物には、該組成物を塗装した際の塗膜のハジキを改善して、基材面への濡れ性を向上させ、膜厚の均一な硬化被膜を容易に形成できる等の点から、レベリング剤を配合してもよい。該レベリング剤としては特に制限されないが、例えば、フッ素系、アクリル系、シリコーン系等の各種レベリング剤が挙げられる。
レベリング剤を用いる場合、本組成物100質量%に対するレベリング剤の配合量は、好ましくは0.005~1.5質量%、より好ましくは0.01~1.0質量%である。
本組成物には、該組成物における気泡の発生を抑制し、外観が良好な硬化被膜を容易に形成できる等の点から、消泡剤を配合してもよい。該消泡剤としては特に制限されないが、例えば、アクリル系、シリコーン系等の各種消泡剤が挙げられる。
消泡剤を用いる場合、本組成物100質量%に対する消泡剤の配合量は、好ましくは0.0001~1.0質量%である。
本組成物には、該組成物における成分(D)や(E)の分散性を向上し、外観が良好な硬化被膜を容易に形成できる等の点から、分散剤を配合してもよい。該分散剤としては特に制限されないが、例えば、カルボン酸基、リン酸基、アミノ基等の顔料吸着基を有し、脂肪酸鎖、ポリアミノ鎖、ポリエーテル鎖、ポリエステル鎖、ポリウレタン鎖、ポリアクリレート鎖等の相溶性鎖を有するコポリマーや共重合体等の各種分散剤が挙げられる。
分散剤を用いる場合、本組成物100質量%に対する分散剤の配合量は、好ましくは0.1~10質量%である。
本組成物には、粘度を所定の範囲に調整する等の点から、有機溶剤を配合してもよい。
該有機溶剤としては、従来公知の溶剤を用いることができる。例えば、芳香族炭化水素類(例:キシレン、トルエン)、ケトン類(例:メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル類(例:酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル)、アルコール類(例:イソプロピルアルコール、ブタノール)、グリコールエーテル類(例:プロピレングリコールモノメチルエーテル)が挙げられる。
また、本組成物は、溶剤で希釈しない無溶剤組成物とすることが可能である。塗装作業者の健康や環境面、揮発性溶剤が残留する危険等を考慮すると、本組成物は無溶剤組成物であることが望ましい。なお、無溶剤組成物の場合、作業性に優れる観点から、紫外線(UV)照射により硬化する組成物であることが好ましい。UV照射は、大気、窒素雰囲気、炭酸ガス雰囲気等の環境下で行うことができる。
本組成物100質量%中の有機溶剤の含有量は、好ましくは0~50質量%、より好ましくは0~20質量%である。
<本組成物>
本組成物は、前記各成分を公知の手段で混合することで調製することができる。
本組成物の粘度(KU値、25℃)は、塗装作業性に優れる組成物を容易に得ることができる等の点から、好ましくは50~110であり、より好ましくは55~100である。
該KU値は、JIS K 5600-2-2:1999の規定に従い、ストーマー粘度計を用いて測定することができる。
本組成物の用途は特に限定されないが、壁、床、天井、ドア、階段、家具、窓枠等の住宅、学校、体育館、病院、事務所、工場など用の部材(建築資材)に用いることが好ましく、より好ましくは、これらの中でも木質基材やシート基材、特に木質基材、さらには木質基材を用いた床材の塗装に好適である。
また、本組成物は、光硬化性塗料として適している。
≪硬化被膜、硬化被膜付基材≫
本発明に係る硬化被膜は、前記本組成物から形成された膜であり、具体的には、本組成物を光照射により硬化させる工程(光照射工程)を含むことで製造することができる。
また、該硬化被膜は、通常、基材上に形成され、つまり、基材と該硬化被膜とを含む硬化被膜付基材として形成される。具体的には、基材の少なくとも一部に本組成物を塗装する塗装工程と、当該塗装面を光照射して本組成物を硬化させる光照射工程とを含むことで硬化被膜付基材を製造することができる。
前記硬化被膜の膜厚は、所望の機能を発揮できる程度の厚みであれば特に制限されないが、汚れや傷等から基材を容易に保護することができる等の点から、通常5~50μm、好ましくは5~20μmである。また、膜厚がこの範囲にあると、耐汚染性、および、素材感や風合い感等の意匠性(美観)に優れる硬化被膜付基材を容易に得ることができる。
なお、このような膜厚の硬化被膜を形成する際は、1回の塗装で所望の厚みの被膜を形成してもよいし、特に所望とする効果に応じ、2回(必要によりそれ以上)の塗装で、所望の厚みの硬化被膜を形成してもよい。
前記硬化被膜(面)は、低光沢の膜であることが好ましい。膜が低光沢であるか否かは、通常、60度光沢度で判断する。本発明における「低光沢」も、60度光沢度の値が低いこと、具体的には、60度光沢度の値が以下の範囲にあることをいう。
前記硬化被膜の60度光沢度の値は、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、特に好ましくは8以下である。なお、該60度光沢度の値は小さければ小さい方が好ましいため、その下限は特に限定されない。
なお、60度光沢は、グロスメーターを用い、硬化被膜面に対し、垂直方向から60°の角度から入射した光を、硬化被膜面に対し、垂直方向から60°の角度で受光することによって測定した時の値である。
前記硬化被膜(面)は、低斜光グロスの膜であることが好ましい。本発明において、「低斜光グロス」であるとは、85度光沢度の値が低いこと、具体的には、85度光沢度の値が以下の範囲にあることをいう。
前記硬化被膜の85度光沢度の値は、好ましくは45以下、より好ましくは43以下、特に好ましくは41以下である。なお、該85度光沢度の値は小さければ小さい方が好ましいため、その下限は特に限定されない。
なお、85度光沢は、グロスメーターを用い、硬化被膜面に対し、垂直方向から85°の角度から入射した光を、硬化被膜面に対し、垂直方向から85°の角度で受光することによって測定した時の値である。
前記基材としては特に制限されず、前記硬化被膜を形成したい被塗物であればよく、例えば、木材(木質基材)、プラスチック、紙、金属、ガラス、セラミックス、コンクリートが挙げられる。
プラスチックとしては、例えば、各種プラスチック基材(例:トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエーテルサルホン、ポリアクリル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、(メタ)アクリルニトリル等から形成されるフィルムや成形体)が挙げられる。
前記基材としては、本発明の効果がより発揮される等の点から、木質基材が好ましい。
該木質基材は、突き板貼りや紙貼り、シート貼り基材であってもよく、無垢材であってもよい。また、木質基材は、素材感や風合い感等を損なわない範囲内で、必要に応じて従来公知の目止処理、着色処理等を予め表面に施した基材、従来公知の下塗り塗料、さらには中塗り塗料等を塗布した基材であってもよい。
なお、当該下塗り塗料および当該中塗り塗料は、一般に塗料を塗布する際に適用されている手段により塗布することができる。下塗り塗料、中塗り塗料としては、例えば、紫外線硬化型塗料が使用され、無溶剤型の紫外線硬化型塗料がより好ましい。
前記塗装工程における塗装(コーティング)方法としては、用いる本組成物の組成および基材の種類等に応じて適時選択すればよいが、例えば、ロールコート法、スプレーコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法が挙げられる。
基材に対する本組成物の塗装量は特に制限されないが、汚れや傷等から基材を容易に保護することができる等の点から、得られる硬化被膜の厚みが前記範囲となるように塗装することが好ましく、具体的には、5~20g/m2が好ましい。
本組成物の塗装量がこの範囲にあると、耐汚染性、および、素材感や風合い感等の意匠性(美観)に優れる硬化被膜付基材を容易に得ることができる。
前記塗装工程の後、前記光照射工程の前に、塗装された本組成物を乾燥させる乾燥工程等を設けてもよい。この乾燥工程は、乾燥時間を短縮させるため、5~120℃程度の加熱下で行ってもよい。
前記光照射工程において照射される光としては、活性エネルギー線が好ましく、該活性エネルギー線としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線などの電磁波、電子線、プロトン線、中性子線が挙げられ、これらの中でも、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格などの点から、紫外線が好ましい。
紫外線を照射する光源としては、例えば、200~500nmの波長域の光を発する高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極ランプ、LEDランプ等が挙げられる。
紫外線照射の条件としては、照射強度は、好ましくは50~500mW/cm2、より好ましくは100~350mW/cm2である。積算光量は、通常50~3,000mJ/cm2、好ましくは100~500mJ/cm2である。
前記光照射工程では、光を照射した後、または、光を照射する際に、硬化時間を短縮させるために、5~120℃程度の加熱を行ってもよい。
なお、前記工程以外に、必要に応じて、硬化被膜付基材を製造する際に公知の工程を行っても構わない。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(メタ)アクリレートモノマー1 46.8質量部、(メタ)アクリレートモノマー2 7.3質量部、光重合開始剤1 1.6質量部、および、光重合開始剤2 1.6質量部を混合した。得られた溶液に、ウレタンアクリレート1 22.0質量部、ウレタンアクリレート2 4.4質量部、シリカ1 2.3質量部、シリカ2 7.0質量部、ウレタン樹脂ビーズ(3μm) 3.5質量部、および、ウレタン樹脂ビーズ(6μm) 3.5質量部を添加し、十分に攪拌することで光硬化性樹脂組成物を調製した。
[実施例2~6および比較例1~4]
実施例1において用いた各原材料の代わりに、表1に示す原材料を表1に示す配合量で用いた以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を調製した。
なお、表1における各原材料の詳細は表2に示すとおりである。
<硬化被膜の作製>
(株)水金製のポリ化粧合板(シナ合板に黒紙を貼り付け、その上にウレタンサンディングシーラーを130g/m2となるように塗装し、乾燥させた後、#500サンドペーパーで研磨した板)に、調製した光硬化性樹脂組成物をロールコーターにて約0.8g/尺2(1尺:約30.3cm)となるように塗布し、高圧水銀ランプにて紫外線を照射(積算光量:400mJ/cm2)し、組成物を硬化させることで、硬化被膜付基材を得た。
<光沢度>
グロスメーター(micro-TRI-gloss[BYK-Gardner社製])を使用して、得られた硬化被膜付基材における硬化被膜面の60度光沢および85度光沢を測定した。結果を表1に示す。
なお、60度光沢および85度光沢はそれぞれ、硬化被膜面に対し、垂直方向から60°または85°の角度から入射した光を、硬化被膜面に対し、垂直方向から60°または85°の角度で受光することによって測定した時の値である。
<耐汚染性試験>
容器に青インク((株)パイロットコーポレーション製、インキ/ブルーブラック)を入れ、該容器に蓋をするように、該容器の上に、得られた硬化被膜付基材を、硬化被膜側が容器側(下側)を向くように載せた。次いで、青インクが漏れないように、硬化被膜付基材を押さえながら、硬化被膜に青インクが接するように、容器および硬化被膜付基材を上下反転させ、その状態で1時間放置した。その後、容器および硬化被膜付基材を再度上下反転させた後、硬化被膜付基材を青インク入りの容器から取り外し、該硬化被膜付基材に水を十分に流し当てることで洗浄した。洗浄後の硬化被膜付基材を目視で確認し、硬化被膜面に、青インクの跡が認められなかった場合を○とし、青インクのうすい跡が確認できた場合を△とし、青インクの濃い跡が確認できた場合を×として評価した。結果を表1に示す。
<官能試験(手触り)>
前記で得られた硬化被膜付基材の硬化被膜面の手触りを10人の試験者により評価した。具体的には、ザラツキを感じない場合を「1」とし、ほとんどザラツキを感じない場合を「2」とし、ザラツキを感じた場合を「3」とし、強くザラツキを感じた場合を「4」とし、10人の試験者のうち、最も多い結果を表1に示す。

Claims (10)

  1. 光硬化性オリゴマーおよび/または光硬化性樹脂(A)、(メタ)アクリレートモノマー(B)、光重合開始剤(C)、および、平均粒径が1~30μmの範囲にあるウレタン樹脂粒子(D)を含有する光硬化性樹脂組成物であって、
    前記光硬化性オリゴマーおよび/または光硬化性樹脂(A)が、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有するウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーおよび/またはウレタン(メタ)アクリレート系樹脂であり、
    前記(メタ)アクリレートモノマー(B)が、光硬化性の(メタ)アクリレート化合物であり、
    前記ウレタン樹脂粒子(D)は球状であり、平均粒径が1μm以上、6μm未満の範囲にあるウレタン樹脂粒子(D1)と、平均粒径が6~30μmの範囲にあるウレタン樹脂粒子(D2)とを含み、
    前記光硬化性樹脂組成物100質量%中の前記光硬化性オリゴマーおよび/または光硬化性樹脂(A)の含有量は10~70質量%であり、
    前記光硬化性樹脂組成物100質量%中の前記(メタ)アクリレートモノマー(B)の含有量は20~80質量%であり、
    前記光硬化性樹脂組成物100質量%中の前記光重合開始剤(C)の含有量は1~10質量%である、
    光硬化性樹脂組成物。
  2. さらにシリカ(E)を含む、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 前記光硬化性オリゴマーおよび/または光硬化性樹脂(A)が、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有するウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーである、請求項1または2に記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(メタ)アクリレートモノマー(B)が、2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  5. 木質基材用である、請求項1~のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1~のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物から形成された硬化被膜。
  7. 85度光沢度が45以下である、請求項に記載の硬化被膜。
  8. 60度光沢度が10以下である、請求項またはに記載の硬化被膜。
  9. 基材と、請求項のいずれか1項に記載の硬化被膜とを有する、硬化被膜付基材。
  10. 基材表面の少なくとも一部に、請求項1~のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物を塗装する塗装工程と、当該塗装面を光照射して該組成物を硬化させる光照射工程とを含む、硬化被膜付基材の製造方法。
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