JP2005272582A - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物および硬化塗膜の形成方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型樹脂組成物および硬化塗膜の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 広い膜厚範囲で硬化塗膜に優れた防眩性を付与でき、しかも透明性や基材との密着性の低下が少ない活性エネルギー線硬化型樹脂組成物と、これを用いる硬化塗膜の形成方法を提供すること。
【解決手段】 水と水より低沸点の水溶性有機溶剤(a)を含む溶媒(A)と、界面活性剤(B)と、水に不溶で水溶性有機溶剤(a)に可溶な活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)と、水、前記水溶性有機溶剤(a)および前記活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)のいずれにも不溶で、前記活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)よりも水に対する親和性が高い有機微粒子(D)を必須成分として含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、および、これを基材上に膜厚が有機微粒子の平均粒径以上となるように塗工した後、乾燥で行い、次いで活性エネルギー線を照射する硬化塗膜の形成方法。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、活性エネルギー線照射による硬化反応を応用した意匠性、防眩性などに優れた硬化塗膜を得ることができる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物とこれを用いた硬化塗膜の形成方法に関する。
近年、平均粒径がミクロンサイズの粒子を活性エネルギー線硬化型樹脂中に配合させた樹脂組成物を用いて、硬化後に得られる塗膜表面に適度な凹凸を形成させることにより、艶消し状の独特の表面外観や傷つき防止機能を付与した塗膜、あるいは基材上に該樹脂組成物の硬化層を有する微細で複雑な凹凸表面形状を有する形状付き光学物品やプラスチック物品などの必要性が高まっている。
この硬化樹脂層に分散されている微粒子としては、例えばシリカなどの無機微粒子が用いられる場合があるが、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に対する分散性に優れること、光硬化後の硬化樹脂層と微粒子界面との親和性に優れること、無色微粒子から着色微粒子までの選択が容易なこと、あるいは材質の屈折率自由度が高いことなどから有機微粒子が注目されている。
特にディスプレイ用途に代表される光学部品分野においては、ディスプレイ表面の光沢性が高いと製品表面での光の反射が大きすぎ、不具合を生じる場合がある。そこで、上記した有機微粒子の特長を生かした技術として、有機微粒子を添加した活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いて硬化塗膜を形成する手法が応用されている。すなわち、硬化塗膜の表面に微粒子によって凹凸を生じさせることによって光を散乱させ、防眩性を付与する技術が知られている。
このような技術としては、(メタ)アクリロイル基を分子中に有する化合物(A)と、4級アンモニウム塩基及び(メタ)アクリロイル基を分子中に有する化合物(B)と、トリシクロデカン骨格及び(メタ)アクリロイル基を分子中に有する化合物(C)と、平均粒径1〜20μmの球状粒子(D)とからなる、帯電防止性能と防眩性とを兼ね備え、かつ表面硬度、密着性、透明性、耐擦傷性、耐光性などが優れたハードコート膜を得ることができる防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物が知らている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、前記特許文献1に記載された防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物では、防眩性と透明性を両立させることは非常に困難であった。すなわち、硬化塗膜の膜厚よりも平均粒径が大きい有機微粒子を用いて微粒子上部が塗膜表面に出るようにする場合では、微粒子が粒径分布を有するため、塗膜の膜厚より粒径の小さい粒子は塗膜表面に凹凸を生じさせることができず透明性を大きく低下させることとなり、透明性の低下を少なくするために微粒子の添加量を少なくすると十分な防眩性が実現できないという問題がある上に、有機微粒子の平均粒子径よりもわずかに薄い膜厚を塗工面の全面に亘って維持した均一な硬化塗膜を形成させるという高度な塗工技術が必要であった。この場合、粒径分布の狭い微粒子を用いれば透明性の低下を少なくすることが可能であるが、粒径分布の狭い微粒子を得るには高度の分級が必要であり、コストアップとなるという別の問題が生じる。しかも、膜厚に合わせて異なる平均粒子径の微粒子を含有させた組成物を用意する必要があった。また、硬化塗膜の膜厚よりも平均粒径が小さい有機微粒子を多量に用いて硬化塗膜の表面に析出するようにする場合では、多量の微粒子を添加するため、硬化塗膜自身が白くなり透明性が低下してしまうと共に、硬化塗膜の表面硬度、基材との密着性などの他の性能が低下するという問題があった。
特開2001−323206号公報
本発明が解決しようとする課題は、有機微粒子を含有し、この有機微粒子の平均粒径よりも膜厚の厚い硬化塗膜であれば広い膜厚範囲で硬化塗膜に優れた防眩性を付与することができ、しかも透明性や基材との密着性の低下が少ない活性エネルギー線硬化型樹脂組成物と、この組成物を用いる硬化塗膜の形成方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、水と水より低沸点の水溶性有機溶剤(a)を含む溶媒(A)と、界面活性剤(B)と、水に不溶で前記水溶性有機溶剤(a)に可溶の活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)と、水、前記水溶性有機溶剤(a)および前記活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)のいずれにも不溶で、前記活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)よりも水に対する親和性が高い有機微粒子(D)を必須成分として含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用い、基材上に硬化後の塗膜膜厚が有機微粒子(D)の平均粒径以上となるように塗工した後、得られた塗膜の乾燥を水溶性有機溶剤(a)が揮発する温度以上100℃未満で行い、次いで活性エネルギー線を照射して硬化塗膜とすると、広い膜厚範囲で硬化塗膜に防眩性を付与でき、しかも透明性や基材との密着性の低下も少ないことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、水と水より低沸点の水溶性有機溶剤(a)を含む溶媒(A)と、界面活性剤(B)と、水に不溶で前記水溶性有機溶剤(a)に可溶の活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)と、水、前記水溶性有機溶剤(a)および前記活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)のいずれにも不溶で、前記活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)よりも水に対する親和性が高い有機微粒子(D)を必須成分として含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、基材上に硬化後の塗膜膜厚が有機微粒子(D)の平均粒径以上となるように塗工した後、得られた塗膜の乾燥を水溶性有機溶剤(a)が揮発する温度以上100℃未満で行い、次いで活性エネルギー線を照射して硬化塗膜とすることを特徴とする硬化塗膜の形成方法提供するものである。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いた本発明の硬化塗膜の形成方法ににより、優れた防眩性を示すが、透明性や基材との良好な密着性の低下が少ない硬化塗膜が広い膜厚範囲で容易に得られる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物では、水と水より低沸点の水溶性有機溶剤(a)を含む溶媒(A)によって、水には不溶である活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)を均一に溶解させているが、塗工後の塗膜の乾燥を水溶性有機溶剤(a)が揮発する温度以上100℃未満、例えば冬季の室温以上100℃未満で行うと、沸点の低い水溶性有機溶剤(a)が水より容易に比較的多量に揮発して、塗膜内において、「水溶性有機溶剤(a)の量が少なくなり、相対的に水の量が多くなる状態」から「水溶性有機溶剤(a)がほとんどなくなり、水が残っている状態」を経由するため、水との親和性が高い有機微粒子(D)は活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)中で水と共に凝集して相分離し、活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)を海とし、水と有機微粒子(D)の凝集体を島とする海/島構造をとるようになる。ただし、水溶性有機溶剤(a)がほとんどなくなり相分離した水は、混在する界面活性剤(B)により活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)中で安定化される。その後の乾燥により最終的に水も揮発してしまうために、有機微粒子(D)が凝集してなる粒子径のより大きい2次粒子の状態で活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)中に無駄なく効果的に分散され、その後の活性エネルギー線の照射による硬化で固定されるため、有機微粒子(D)を従来より少量用いても硬化塗膜に優れた防眩性を付与すること可能となるが、透明性や基材との密着性の低下が少ないと考えられる。
本発明で用いる溶媒(A)としては、水と水より低沸点の水溶性有機溶剤(a)を含む溶媒であればよい。ここで用いる水溶性有機溶剤(a)としては、水より低沸点で、かつ活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)を溶解可能な水溶性有機溶剤であることが必要であり、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられ、なかでも水との混和性が高く、沸点が低く、揮発速度が速いことから沸点50〜85℃の水溶性有機溶剤が好ましく、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトンが特に好ましい。
本発明で用いる界面活性剤(B)は、前記した活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)からの水の相分離の際に相分離構造を安定に保つ機能を有するものであり、各種の界面活性剤が使用でき、特に限定されないが、有機微粒子(D)の2次粒子への凝集を安定的に起こさせるため、なかでも4級アンモニウム塩化合物が好ましい。
前記4級アンモニウム塩化合物としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、ギ酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルカルボン酸塩、塩化メチルで4級化された塩、臭化メチルなどで4級化された塩等があり、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム塩などの芳香族4級アンモニウム塩;アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩;アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモルホリニウム塩などの複素環4級アンモニウム塩;メチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルベタインなどのベタイン化合物等を挙げることができる。
このような4級アンモニウム塩の具体例としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド、ココナットトリメチルアンモニウムクロリド、ココナットトリメチルアンモニウムブロミド、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルベタイン(アルキル基の炭素原子数14〜18)等が挙げられる、
更に前記4級アンモニウム塩化合物としては、不飽和2重結合を分子内に有するアンモニウム塩として、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、ギ酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルカルボン酸塩、塩化メチルで4級化された塩、臭化メチルで4級化された塩などの反応性4級アンモニウム塩も挙げられる。
このような反応性4級アンモニウム塩の具体例としては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩化メチル4級塩、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの臭化メチル4級塩、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの硫酸ジメチル4級塩、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートの塩化メチル4級塩、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートの臭化メチル4級塩、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートの硫酸ジメチル4級塩、N,N−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの塩化メチル4級塩、N,N−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの臭化メチル4級塩、N,N−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの硫酸ジメチル4級塩、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドの塩化メチル4級塩、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドの臭化メチル4級塩、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドの硫酸ジメチル4級塩、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの塩化メチル4級塩、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの臭化メチル4級塩、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの硫酸ジメチル4級塩などが挙げられる。
これら界面活性剤(B)は、適宜に選択して、その一種を単独で使用することができるし、またその二種以上を併用することもできる。これらの中でも、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドから誘導される反応性4級アンモニウム塩は、後述するエネルギー線の硬化反応により架橋構造中に取り込まれるため、硬化樹脂層の高い硬度を損なわないず好適に用いることができる。
本発明で用いる活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)としては、水に不溶で前記水溶性有機溶剤(a)に可溶な活性エネルギー線硬化型樹脂成分であればよく、特に限定されないが、例えば、下記のような単官能や多官能の(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。なお、本発明において活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)が水に不溶であるとは、活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)の25℃における水への溶解度が10重量%以下でことをいう。また、活性エネルギー線硬化型樹脂成分(c)が水溶性有機溶剤(a)に可溶であるとは、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物と同様の重量比で水溶性有機溶剤(a)と活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)を水溶性有機溶剤(a)が揮発する温度、例えば10℃以上で混合した場合に、活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)の全量が溶解することをいう。
前記単官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ベンゾイルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−フェニル−2−(4−アクリロイルオキシフェニル)プロパン;下記一般式(1)
Figure 2005272582
(式中、R1は炭素原子数1〜5の炭化水素基、R2は水素又はメチル基を表し、nは0〜3の整数を表す);
で表される2−フェニル−2−(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2−フェニル−2−(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2−フェニル−2−(4−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン等;
クロロフェニル(メタ)アクリレート、ブロモフェニル(メタ)アクリレート、クロロベンジル(メタ)アクリレート、ブロモベンジル(メタ)アクリレート、クロロフェニルエチル(メタ)アクリレート、ブロモフェニルエチル(メタ)アクリレート、クロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリクロロフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリクロロベンジル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモベンジル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート等の芳香環を有する単官能(メタ)アクリレート;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジルシクロカーボネート(メタ)アクリレート等の脂環式のアルキル基を有する(メタ)アクリレート;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの炭素原子数1〜22のアルキル基を持つ(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレンなどのスチレン系化合物などが挙げられる。
前記多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及び、これらに1〜20モルのアルキレンオキシドやε−カプロラクトンを開環付加させた水酸基含有化合物などの水酸基を3つ以上有する化合物に(メタ)アクリル酸が3分子以上エステル結合した化合物;トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ[(メタ)アクリロイルオキシエトキシ]フォスフェート;
ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物及びこれらのハロゲン化物、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物及びそのハロゲン化物、ビスフェノールFのエチレンオキシド付加物及びそのハロゲン化物、ビスフェノールFのプロピレンオキシド付加物及びそのハロゲン化物、ビスフェノールSのエチレンオキシド付加物及びそのハロゲン化物、ビスフェノールSのプロピレンオキシド付加物及びそのハロゲン化物、2,2′−ジ(ヒドロキシプロポキシフェニル)プロパン及びそのハロゲン化物、2,2′−ジ(ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン及びそのハロゲン化物などの水酸基を二つ有する芳香族化合物に(メタ)アクリル酸が2分子エステル結合した化合物;1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールにカプロラクトン付加した化合物のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸が2分子エステル結合した化合物;トリシクロデカンジメタノールなどの水酸基を二つ有する脂環族化合物に(メタ)アクリル酸が2分子エステル結合した化合物等が挙げられる。
更に前記多官能(メタ)アクリレート化合物としては、下記のようなウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、アルキルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオールなどのポリオール化合物と、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、水添MDIなどのポリイソシアネート化合物と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物などが挙げられる。
前記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、二つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応で得られる二つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。その具体例としては、脂肪族エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、ビスフェノール型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、水素添加ビスフェノール型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、ナフタレン骨格エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートなどや、これらの混合物などが挙げられる。
前記ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、例えば、前記ポリオール化合物と(メタ)アクリル酸の縮合物などが挙げられる。
なお、有機微粒子(D)としてポリウレタン系微粒子を用いる場合、前記活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)としては、なかでもウレタン系微粒子の凝集状態が均一となるため、ウレタン(メタ)アクリレートを含む活性エネルギー線硬化型樹脂成分であること好ましい。
また、本発明で用いる活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)としては、少量、例えば活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)中の10重量%以下であれば水に溶解性を示す活性エネルギー線硬化型樹脂成分も併用することができる。水に溶解性を示す活性エネルギー線硬化型樹脂成分としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクトン、N,N−ジメチルアミノ(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリンなどの含窒素モノマー;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート;ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート;、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール基を有する(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘプタエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート;プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘプタプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
本発明で用いる有機微粒子(D)は、硬化塗膜の表面に凹凸を生じさせて防眩性を付与するためにもちいるものであり、水、前記水溶性有機溶剤(a)および前記活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)のいずれにも不溶で、前記活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)よりも水に対する親和性が高い有機微粒子であればよく、特に限定されないが、なかでも、分散剤、安定剤、乳化剤等の界面活性剤が存在する水中で重合して得られる重合樹脂微粒子分散液やこの分散液から分離乾燥して得られる粒子表面に界面活性剤が付着した重合樹脂微粒子が、前記活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)と水のいずれにも親和性が高く、活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)中に重合樹脂微粒子の凝集物が均一に分散することから好ましい。これらの方法にて得られる重合樹脂微粒子は、一般的には界面活性剤を洗浄し除去するが、完全に洗浄除去できず粒子表面に残存するため、前記活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)よりも水に対する親和性が高い。
前記有機微粒子(D)としては、例えば、ポリウレタン系微粒子、(メタ)アクリル樹脂系微粒子、スチレン樹脂系微粒子、ベンゾグアニン樹脂系微粒子、メラミン樹脂系微粒子、ホルムアルデヒド樹脂系微粒子などの架橋重合体による球状微粒子などを使用することができ、なかでも、ポリウレタン系微粒子が、水と水より低沸点の水溶性有機溶剤(a)を含む溶媒(A)が揮発する工程において生じる有機微粒子の凝集状態の制御に適しているため好ましい。
本発明においては、有機微粒子(D)が2次粒子へと凝集して凸凹表面を形成するため、その平均粒径は、活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)からなる硬化塗膜の膜厚以下であればよく、特に限定されないが、特に硬化膜厚の厚い場合まで考慮すると0.5〜30μmであるが、通常の硬化膜厚、例えば5〜30μm程度の硬化膜厚を想定した場合では1〜15μmが好ましく、より好ましくは1〜12μm、最も好ましくは2〜10μmである。なお、有機微粒子(D)は、必要に応じて、透明なもの、白濁したもの、着色されたもの等を使用することができる。なお、活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)からなる硬化塗膜の膜厚が、有機微粒子(D)の平均粒径よりも薄い場合においても、硬化塗膜の膜厚よりも粒径の小さい有機微粒子が凝集して2次粒子となった塗膜表面に出るようになるため、塗膜表面に凹凸を生じさせる効果が向上するとともに透明性の低下も少なくすることができる。
本発明において有機微粒子(D)の平均粒径は、レーザ解析散乱法を用いたレーザー回折式粒度分布測定装置により測定した平均粒径をいう。
本発明で用いる溶媒(A)としては、水と水より低沸点の水溶性有機溶剤(a)を含む溶媒であればよく、その使用量は通常本発明の活性エネルギー先硬化型樹脂組成物の固形分濃度が5〜90重量%となる範囲である。
本発明の活性エネルギー先硬化型樹脂組成物において、水と界面活性剤(B)と活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)の使用割合は、これらを混合した場合に、前記活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)を海とし、水を島とする海島構造をとる使用割合であればよく、この範囲内で硬化塗膜の厚さや他の成分の使用量等を考慮して適宜選択することができる。例えば、活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)100重量部に対して、水が1〜20重量部、好ましくは3〜15重量部で、界面活性剤(B)が0.05〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
また、水溶性有機溶剤(a)の使用割合は、活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)を均一に溶解できる量以上であればよく、この範囲内で硬化塗膜の厚さや他の成分の使用量等を考慮して適宜選択することができる。例えば、例えば活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)100重量部に対して10重量部以上、好ましくは15〜1000重量部、より好ましくは20〜500重量部である。
更に、有機微粒子(D)の使用割合は、活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)中に水と共に分散可能で、硬化塗膜に防眩性を付与できる割合であればよく、例えば活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)100重量部に対して0.5〜15重量部であるが、なかでも透明性に優れる硬化塗膜が得られることから0.5〜10重量部が好ましく、1〜8重量部がより好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、活性エネルギー線を照射することにより硬化することができるものである。活性エネルギー線とは、電磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合、架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、例えば、可視光線、紫外線、X線等の電磁波、または電子線等の荷電粒子線が挙げられる。これらの内で実用上よく用いられるのは、可視光線、紫外線または電子線である。
紫外線で硬化させる場合は、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハライドランプなどの光源を用いることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、可視光線または紫外線により硬化させる場合には、紫外線または可視光線の照射によって解離し、ラジカルを発生するような光重合開始剤を通常含有させる。
かかる光重合開始剤としては、光の照射により解離してラジカルを発生するような各種の光重合開始剤が使用でき、例えば、ベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;キサントン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなどのキサントン、チオキサントン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのアシロインエーテル類;ベンジル、ジアセチルなどのα−ジケトン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、p−トリルジスルフィドなどのスルフィド類;4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸類;
3,3′−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2,2′−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4′−メチルジメチルスルフィド、2,2′−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタ−ル、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−[ジ−(エトキシカルボニルメチル)アミノ]フェニル−S−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(4−エトキシ)フェニル−S−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−エトキシ)フェニル−S−トリアジンアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノンなどが挙げられる。
また、光重合開始剤の市販品としては、例えば、Irgacure−184、同149、同261、同369、同500、同651、同754、同784、同819、同907、同1116、同1300、同1664、同1700、同1800、同1850、同2959、同4043、Darocur−1173(以上、チバスペシャルティーケミカルズ社製)、ルシリンTPO(BASF社製)、KAYACURE−DETX、同MBP、同DMBI、同EPA、同OA〔以上、日本化薬(株)製〕、VICURE−10、同55(以上、STAUFFER Co.LTD製)、TRIGONALP1(AKZO Co.LTD製)、SANDORY 1000(SANDOZ Co.LTD製)、DEAP(APJOHN Co.LTD製)、QUANTACURE−PDO、同ITX、同EPD(以上、WARD BLEKINSOP Co.LTD製)等が挙げられる。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物では、光重合開始剤に各種の光増感剤を併用することができる。光増感剤としては、例えば、アミン類、尿素類、含硫黄化合物、含燐化合物、含塩素化合物、ニトリル類もしくはその他の含窒素化合物等が挙げられる。
前記光増感剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、2,2′−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オンの群から選ばれる1種または2種類以上の混合系が、高い硬化性が得られるため特に好ましい。
これら光増感剤は、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。その使用量は特に制限はないが、感度を良好に保ち、結晶の析出、塗膜物性の劣化等を防止するため、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物100重量部に対して0.05〜20重量部用いることが好ましく、なかでも0.1〜10重量部が特に好ましい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いて、凹凸表面形状を有する形状付きシート等の光学物品やプラスチック物品を製造する際に、紫外線等の活性エネルギー線は、支持体となるプラスチック基材を通して照射される場合がある。その場合、光重合開始剤は、長波長領域に吸光能力を有する開始剤が好ましく、例えば、波長が360〜450nmの範囲において光重合開始能力を発揮する光重合開始剤の使用が望ましい。450nmを越える光でも強い吸収を有するものは安定性に劣るため、完全に遮光した環境での製造が必要となり、その取扱いが困難となる。なお、電子線を用いる場合は、これら光重合開始剤や光増感剤は不要である。
電子線で硬化させる場合は、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧器型絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器等の照射源を備えた装置をいずれも用いることができ、100〜1,000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを持つ電子を通常照射する。照射線量としては、通常0.5〜30Mrad程度が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、基材上に形成された硬化塗膜に耐光性が要求される場合等、必要に応じて、紫外線吸収剤を添加することができる。さらに、塗膜の改質や塗装適性を改善させる場合には、シリコン系添加剤、フッ素系添加剤、酸化防止剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、防曇剤等を添加することも可能である。
前記シリコン系添加剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロゲンポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、フッ素変性ジメチルポリシロキサン共重合体、アミノ変性ジメチルポリシロキサン共重合体などのアルキル基やフェニル基を有するポリオルガノシロキサン類が挙げられる。中でも、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合体が樹脂組成物への相溶性に優れることから好ましい。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン誘導体;2−(2′−キサンテンカルボキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−o−ニトロベンジロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール誘導体;2−キサンテンカルボキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−o−ニトロベンジロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体などが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、有機硫黄系酸化防止剤、リン酸エステル系酸化防止剤等が挙げられる。
前記帯電防止剤としては、例えば、カチオン系帯電防止剤、ノニオン系帯電防止剤、アニオン系帯電防止剤;過塩素酸リチウム、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムトリ(トリフルオロメタンスルホニル)メタントリフルオロメタンスルホン酸リチウムなどのアルカリ金属塩、およびこれらとポリエーテル化合物の混合物などが挙げられる。
上記した如き種々の添加剤の使用量としては、その効果を十分発揮し、また、紫外線硬化を阻害しない範囲であることから、活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)100重量部に対して、それぞれ0.01〜20重量部の範囲であることが好ましい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、粘度や透明基板への接着性改良等を目的として、その他の樹脂を併用することができる。
前記その他の樹脂としては、例えば、メチルメタクリレート樹脂、メチルメタクリレート系共重合物等のアクリル樹脂;ポリスチレン、メチルメタクリレート−スチレン系共重合物;ポリエステル樹脂、ポリブタジエンやブタジエン−アクリロニトリル系共重合物などのポリブタジエン樹脂;ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂などが挙げられる。
本発明の活性エネルギー先硬化型樹脂組成物は、水と水より低沸点の水溶性有機溶剤(a)を含む溶媒(A)以外にも、粘度調節のためにその他の有機溶剤を使用することができる。前記その他の有機溶剤としては、通常、沸点が50〜150℃のものが塗工時の作業性、硬化前後の乾燥性に優れることから好ましく、例えば、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、またはこれらの混合物類等が挙げられる。
本発明で用いる溶媒(A)および前記したその他の有機溶剤を含めた溶媒使用量は、特に限定されないが、通常は本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の固形分濃度が5〜90重量%となる範囲である。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、必要に応じて前記したその他の有機溶剤等により適当な塗装粘度に調整され、基材上に塗装され、活性エネルギー線を照射することにより硬化せしめて、凹凸表面形状を有する、艶消し状の独特の表面外観や傷つき防止機能を付与した塗膜、あるいは基材上に該樹脂組成物の硬化層を有する微細で複雑な凹凸表面形状を有する形状付き光学物品やプラスチック物品を製造することができる。なお、硬化塗膜の膜厚は通常1〜50μm、好ましくは5〜30μmである。
本発明で用いる基材としては、特に限定されないが、ガラス、金属、プラスチックなどからなる基材が挙げられる。特に、プラスチック基材としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニルからなる基材が挙げられる。また、予めプラスチック基材の表面改質のために、コロナ放電、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理等の表面酸化を行ったり、サンドブラストや溶剤処理等の表面の凹凸化を行った後に、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いて塗工しても良い。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、光学部品やディスプレイなどを基材として適用すると好適である。具体的には、例えば、レンズ、ミラー、ゴーグル、窓ガラスや、液晶表示装置、CRT表示装置、プラズマ表示装置、エレクトロクロミック表示装置、発光ダイオード表示装置、EL表示装置などの各種ディスプレイの画面保護などに適用すると好ましい。
本発明の硬化塗膜の形成方法は、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、基材上に硬化後の塗膜膜厚が有機微粒子の平均粒径以上となるように塗工した後、得られた塗膜の乾燥を水溶性有機溶剤(a)が揮発する温度以上100℃未満で行い、次いで活性エネルギー線を照射して硬化塗膜とする方法である。本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の基材への塗工方法は、特に限定されないが、スピンコーター、ロールコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷などを用いる塗工方法の他、グラビア塗工、マイクログラビア塗工法、バー塗工法、スライドダイ塗工法、スロットダイ塗工法、デイップコート法などが挙げられる。
本発明の硬化塗膜の形成方法では、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、まず上記したような方法にて、基材上に硬化後の塗膜膜厚が有機微粒子の平均粒径以上となるように塗工する。次いで、得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗膜から溶媒(A)を除去するため塗膜の乾燥を行うが、本発明の方法では、この乾燥の際に塗膜内の水溶性有機溶剤(a)を水より多量に揮発させて、水溶性有機溶剤(a)がほとんどなくなり、水と界面活性剤(B)が残っている状態を経由させることが、塗膜の活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)中で有機微粒子(D)を水と共に凝集させると共に相分離させ、活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)を海とし、水と有機微粒子(D)の凝集体を島とする海/島構造をとるようするために重要である。本発明では、塗膜内で活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)と、水と有機微粒子(D)の凝集体とが海/島構造をとるようにするため、水溶性有機溶剤(a)が揮発する温度以上で100℃未満で乾燥することを必須としており、好ましくは10℃以上100℃未満の温度で乾燥することであり、より好ましくは10〜40℃で0.1〜10分間放置後、より高温でかつ100℃未満で加熱乾燥することである。その後、乾燥後の塗膜に活性エネルギー線を照射し、硬化塗膜とすればよい。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。尚、例中の部及び%は、グロス値、ヘイズ値および全光線透過率を除き、すべて重量基準である。
なお、実施例および比較例で得られた硬化塗膜を有する塗工板を用いた各種の測定・評価は、下記の方法にて行った。
(1)塗膜外観:塗工板の硬化塗膜外観を下記評価基準で目視にて評価した。
◎:硬化塗膜表面全体が均一な凸凹状態である。
○:硬化塗膜表面の凸凹状態に一部不均一な部分があるが、ほぼ良好な塗膜状態である。
△:微粒子が塗膜表面にほとんど出ておらず、塗膜表面がほぼ平坦である。
×:微粒子が塗膜表面に出ておらず、塗膜表面が平坦である。
(2)防眩性:塗工板の硬化塗膜に蛍光灯を映し、その反射像のボケの程度を下記評価基準で目視にて評価した。
◎:蛍光灯の輪郭が全くわからない。
○:蛍光灯の輪郭がわずかにわかる。
△:蛍光灯はぼけているが、輪郭は識別できる。
×:蛍光灯がほとんどぼけない。
(3)20°グロス:塗工板の硬化塗膜の20°グロス値をグロスメーター〔日本電色工業(株)製VG2000〕を用いて測定した。防眩性の点から20°グロス値が90%未満であることが望ましい。
◎:20°グロス値が80%未満。
○:20°グロス値が80%以上90%未満。
△:20°グロス値が90%以上98%未満。
×:20°グロス値が98%以上。
(4)ヘイズ値:塗工板の硬化塗膜のヘイズ値を直読ヘーズコンピューター〔スガ試験機(株)製HGM−2DP〕を用いて測定した。透明性の点からヘイズ値が1.0〜15.0%の範囲であることが望ましい。
(5)全光線透過率:塗工板の全光線透過率を直読ヘーズコンピューター〔スガ試験機(株)製HGM−2DP〕を用いて測定した。透明性の点から全光線透過率が90%以上であることが望ましい。
(6)密着性:塗工板の透明基材と硬化塗膜の密着性をJIS K−5600−5−6に準拠して測定し、下記評価基準で目視にて評価した。
◎:全升目が残存する。
○:(95〜99)/100の升目が残存する。
△:(60〜94)/100の升目が残存する。
×:残存する升目が59/100以下。
(7)鉛筆硬度:JISK−5600−5−4に準拠して、塗工板の硬化塗膜の表面硬度を評価した。
実施例1〜6および比較例1〜3
第1表および第2表に示す配合組成で各成分を配合することにより、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製した。得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、厚さ2.0mmのポリメチルメタクリレート製透明基板に、乾燥膜厚が15μmになるように選定したバーコーターにて塗工して表面光沢のある透明な塗膜とした後、25℃で1分間放置したところ、塗膜表面の光沢が次第に低下して艶消し状に変化した。次いで、熱風乾燥機にて70℃で5分間乾燥させた後、超高圧水銀灯により500mJ/cm の紫外線を照射して硬化させ、硬化塗膜を有する塗工板を作製した。得られた塗工板を用い、各種の測定・評価を行った。結果を第1表および第2表に示す。
第1表および第2表に示した通り、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いた実施例1〜7では、得られた塗工板の硬化塗膜は防眩性と透明性に優れ、基板との密着性も良好であった。しかしながら、第2表に示した通り、水を含まない溶媒(A)を用い、かつ有機微粒子(D)の添加量が少ない比較用の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いた比較例1では、得られた塗工板の硬化塗膜は透明性(ヘイズ、全光線透過率)は発現できるものの、防眩性は劣っていた。また、水を含まない溶媒(A)を用い、かつ有機微粒子(D)の添加量が多い比較用の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いた比較例2では、粒子の平均粒径が塗膜の膜厚よりも小さいため、得られた塗工板の硬化塗膜は防眩性が不十分な上に透明性(ヘイズ、全光線透過率)に劣っていた。更に、界面活性剤(B)を含まない比較用の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いた比較例3では、粒子の凝集がうまく起こらず、得られた塗工板の硬化塗膜は透明性(ヘイズ、全光線透過率)は良好であるが、防眩性は劣っていた。
Figure 2005272582
Figure 2005272582
<第1表および第2表の脚注>(以下も同様である。)
・ウレタンアクリレートA:ユニデイック17−806〔大日本インキ化学工業(株)製ウレタンアクリレート、1分子中のアクリロイル基数:5、不揮発分80%の酢酸ブチル溶液〕
・ウレタンアクリレートB:ユニデイックV4260〔大日本インキ化学工業(株)製ウレタンアクリレート、1分子中のアクリロイル基数:3、不揮発分100%〕
・光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン
実施例8〜10および比較例4〜6
第3表に示す配合組成で各成分を配合することにより、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製した。得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、厚さ2.0mmのポリメチルメタクリレート製透明基板に、乾燥後の膜厚が6μm、12μmおよび20μmになるようにそれぞれ選定したバーコーターにて塗工して表面光沢のある透明な塗膜とした後、25℃で1分間放置したところ、塗膜表面の光沢が次第に低下して艶消し状に変化した。次いで、熱風乾燥機にて70℃で5分間乾燥させた後、超高圧水銀灯により500mJ/cmの紫外線を照射して硬化させ、硬化塗膜を有する塗工板を作製した。得られた塗工板を用い、各種の測定・評価を行った。結果を第3表に示す。
第3表に示した通り、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いた実施例8〜10では、膜厚に比べて粒径の小さい平均粒径6μmの有機微粒子(D)を用いているにもかかわらず、得られた塗工板の硬化塗膜は平均粒径以上の幅広い膜厚で防眩性と透明性に優れ、基板との密着性も良好であった。しかしながら、従来技術である水を含まない溶媒(A)を用い、かつ平均粒径が14μmの有機微粒子(D)を含有させた比較用の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いた比較例4〜6では、平均粒径と膜厚のバランスが取れている比較例5では良好な結果を示したが、膜厚が平均粒径よりも小さい比較例4では防眩性は発現できるものの、透明性(ヘイズ、全光線透過率)に劣り、また膜厚が平均粒径より極端に大きい比較例6では透明性(ヘイズ、全光線透過率)は発現できるものの、防眩性は劣っていた。
Figure 2005272582
実施例11〜13
第4表に示す配合組成で各成分を配合することにより、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製した。得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、厚さ2.0mmのポリメチルメタクリレート製透明基板に、乾燥膜厚が15μmになるように選定したバーコーターにて塗工して表面光沢のある塗膜とした後、25℃で1分間放置したところ、塗膜表面の光沢が次第に低下して艶消し状に変化した。次いで、熱風乾燥機にて70℃で5分間乾燥させた後、超高圧水銀灯により500mJ/cmの紫外線を照射して硬化させ、硬化塗膜を有する塗工板を作製した。得られた塗工板を用い、各種の測定・評価を行った。結果を第3表に示す。
Figure 2005272582
実施例14
第5表に示す配合組成で各成分を配合することにより、帯電防止剤を含有する本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製した。得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、厚さ125μmの表面易接着処理ポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥膜厚が15μmになるように選定したバーコーターにて塗工して表面光沢のある塗膜とした後、25℃で1分間放置したところ、塗膜表面の光沢が次第に低下して艶消し状に変化した。次いで、熱風乾燥機にて60℃で5分間乾燥させた後、超高圧水銀灯により500mJ/cm の紫外線を照射して硬化させ、硬化塗膜を有する塗工板を作製した。得られた塗工フィルムを用い、各種の測定・評価を行った。結果を第4表に示す。
なお、得られた塗工フィルムの硬化塗膜外観を目視で確認したところ、塗膜表面に微粒子凝集の不均一な部分もなく、表面形状が凸凹である良好な塗工フィルムであった。また表面抵抗値を、High Resistance Meter Model 4329A(Agilent Technologies製)によって測定したところ、この塗工フィルムの表面固有抵抗値は、○×1010Ω/sq.であり、良好な帯電防止性能を有する塗工フィルムであった。
実施例15
第5表に示す配合組成で各成分を配合することにより、着色されたポリウレタン系微粒子を含有する本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製した。得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、厚さ125μmの表面易接着処理ポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥膜厚が15μmになるように選定したバーコーターにて塗工して表面光沢のある塗膜とした後、25℃で1分間放置したところ、塗膜表面の光沢が次第に低下して艶消し状に変化した。次いで、熱風乾燥機にて60℃で5分間乾燥させた後、超高圧水銀灯により500mJ/cm の紫外線を照射して硬化させ、硬化塗膜を有する塗工フィルムを作製した。得られた塗工板を用い、各種の測定・評価を行った。結果を第5表に示す。
なお、得られた塗工フィルムの硬化塗膜外観を目視で確認したところ、塗膜表面に微粒子凝集の不均一な部分もなく、塗膜表面が凸凹であり良好な艶消し状態であった。
Figure 2005272582

Claims (12)

  1. 水と水より低沸点の水溶性有機溶剤(a)を含む溶媒(A)と、界面活性剤(B)と、水に不溶で前記水溶性有機溶剤(a)に可溶な活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)と、水、前記水溶性有機溶剤(a)および前記活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)のいずれにも不溶で、前記活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)よりも水に対する親和性が高い有機微粒子(D)を必須成分として含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  2. 活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)100重量部に対して平均粒子径が1〜15μmの有機微粒子を0.5〜10重量部含有する請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  3. 活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)100重量部に対して、水を1〜20重量部含有し、かつ水溶性有機溶剤(a)を10重量部以上含有する請求項2に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  4. 有機微粒子(D)が平均粒子径2〜10μmの有機微粒子である請求項2に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  5. 活性エネルギー線硬化型樹脂成分(C)がウレタン(メタ)アクリレートを含む活性エネルギー線硬化型樹脂成分でり、かつ有機微粒子(D)がポリウレタン系微粒子である請求項2に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  6. 有機微粒子(D)が、界面活性剤が存在する水中で重合して得られる重合樹脂微粒子である請求項2または5に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  7. 有機微粒子(D)が、界面活性剤の存在する水中で重合して得られる重合樹脂微粒子分散液から分離乾燥して得られる粒子表面に界面活性剤が付着した有機微粒子である請求項2または5に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  8. 水溶性有機溶剤(a)が沸点50〜85℃の水溶性有機溶剤である請求項1〜7のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  9. 沸点50〜85℃の水溶性有機溶剤(a)がメタノール、エタノール、アセトンおよびメチルエチルケトンから選ばれる少なくとも一種の有機溶剤である請求項8に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  10. 界面活性剤(B)が4級アンモニウム塩化合物である請求項8に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、基材上に硬化後の塗膜膜厚が有機微粒子(D)の平均粒径以上となるように塗工した後、得られた塗膜の乾燥を水溶性有機溶剤(a)が揮発する温度以上100℃未満で行い、次いで活性エネルギー線を照射して硬化塗膜とすることを特徴とする硬化塗膜の形成方法。
  12. 塗膜の乾燥を10〜40℃で0.1〜10分間放置後、より高温でかつ100℃未満で加熱乾燥することにより行う請求項12に記載の硬化塗膜の形成方法。
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