JP2009114302A - 帯電防止性放射線硬化型組成物及び光拡散性シート - Google Patents

帯電防止性放射線硬化型組成物及び光拡散性シート Download PDF

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Abstract

【課題】
高温・高湿下でも白化しない{光透過性(全光線透過率)が低下しない}塗膜を容易に得られる帯電防止性放射線硬化型組成物を提供することである。
【解決手段】
体積平均粒子径が1〜30μmである有機フィラー(a)、アルカリ金属塩(b)及び放射線硬化型樹脂(c)を含有してなることを特徴とする帯電防止性放射線硬化型組成物を用いる。アルカリ金属塩(b)はリチウム塩が好ましい。放射線硬化型樹脂(c)の少なくとも一部が、1分子中に脂環構造又はイソシアヌレート構造を有する(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマーであることが好ましい。有機フィラー(a)、アルカリ金属塩(b)及び放射線硬化型樹脂(c)の重量に基づいて、有機フィラー(a)の含有量が5〜85重量%、アルカリ金属塩(b)の含有量が0.01〜10重量%、放射線硬化型樹脂(c)の含有量が14〜94重量%が好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、帯電防止性放射線硬化型組成物に関する。さらに詳しくは光拡散性シートに好適な帯電防止性放射線硬化型組成物に関する。
4級アンモニウム塩基、(メタ)アクリロイル基及びオルガノポリシロキサン単位を有する重合体と、分子内に(メタ)アクリロイル基を3個以上有する多官能(メタ)アクリレートとを含有する光拡散性シート用電離放射線硬化組成物が知られている(特許文献1)。
特開2002−98809号公報
しかし、従来の電離放射線硬化組成物を用いた塗膜は、高温・高湿下(例えば、60℃、80RH%)で白化(白く濁る現象)し、光透過性(全光線透過率)が低下するという問題がある。すなわち、本発明の目的は、高温・高湿下でも白化しない塗膜を容易に得られる帯電防止性放射線硬化型組成物を提供することである。
本発明の帯電防止性放射線硬化型組成物の特徴は、光拡散剤(a)、アルカリ金属塩(b)及び放射線硬化型樹脂(c)を含有してなる点を要旨とする。
また、本発明の光拡散性シートの特徴は、透明シートに上記の帯電防止性放射線硬化型組成物を塗布・硬化して得る点を要旨とする。
本発明の帯電防止性放射線硬化型組成物は、耐湿熱性に著しく優れている。したがって、本発明の帯電防止性放射線硬化型組成物を用いて得られる塗膜は、高温・高湿下においても白化する問題は生じない。
また、本発明の光拡散性シートは、耐湿熱性に著しく優れた帯電防止性放射線硬化型組成物を塗布・硬化して得るため、白化する問題が生じない他、長期にわたって優れた透明性を維持できる。
体積平均粒子径が1〜30μmの有機フィラーは(a)は、光線を拡散させる性質を有する粒子であれば特に限定されるものではなく、公知の光拡散剤{たとえば、特開2004−252257号}等が使用できる。これらのうち、アクリル樹脂フィラー、ポリウレタンフィラー及びシリコーン樹脂フィラーが好ましく、さらに好ましくはアクリル樹脂フィラーである。
有機フィラー(a)の形状は特に限定されるものではないが、球状、立方状、針状、棒状、紡錘形状、板状、鱗片状及び繊維状等が挙げられる。これらのうち、球状が好ましい。
有機フィラー(a)の体積平均粒子径(μm)としては、1〜30であり、好ましくは2〜20、さらに好ましくは5〜15である。この範囲であると、光拡散効果がさらに良好となる。なお、体積平均粒子径とは、レーザー回折散乱法{粒度分布計(例えば、日機装製MT3300EX)}により測定される累積平均50%粒子径を意味する。
有機フィラー(a)は市場から容易に入手でき、たとえば、以下の商品が例示できる。なお、かっこ内は体積平均粒子径(μm)である。
<アクリル樹脂フィラー>
MBX−3(3)、MBX−5(5)、MBX−8(8)、MBX−12(12)、MBX−15(15)、MBX−20(20)、MBX−30(30)、MBX−Sシリーズ及びMBX−SSシリーズ(積水化学工業株式会社);MX−150(1.5)、MX−180(1.8)、MX−300(3)、MX−500(5)、MX−1000(10)、MX−1500H(15)、MX−2000(20)、MR−2G(2)、MR−7G(6)、MR−10G(9)、MR−20G(20)、MR−30G(30)、MR−2HG(2)、MR−7HG(6)及びMR−10HG(10)(綜研化学株式会社);GM−0401S(4)、GM−0801(8)、GM−1001(10)、GM−2001(20)、GM−2801(28)、GM−5003(50)、GM−0630H(5)、GM−0806S(8)、GM−1261(12)、GM−0459S−6(4)、GM−0407S(4)、GM−1407S(14)、GM−2007S(20)、GM−05S(5)、GB−05S(5)、GB−08S(8)、GB−10S(10)、GB−15S(15)、GB−22S2(22)及びGB−8(8)(ガンツ化成株式会社);並びにハイパールMD−240(3)及びMD−270(7)(根上工業株式会社)等。
<シリコーン樹脂フィラー>
トレフィルE−500(3)及びトレフィルE−600(2)(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、「トレフィル」は同社の登録商標である。);KMP−597(5)、KMP−598(13)、KMP−590(2)、KMP−701(3.5)、X−52−1621(5)、KMP−600(5)、KMP−601(12)、KMP−602(30)、KSP−100(5)、KSP−101(12)及びKSP−102(30)(信越化学工業株式会社);並びにトスパール120(2)、トスパール130(3)、トスパール145(4.5)、トスパール240(4)及びトスパール3120(12)(ジーイー東芝シリコーン株式会社、「トスパール」はモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社の登録商標である。)等。
<ウレタン樹脂フィラー>
アートパールC−200(30)、アートパールC−300(21)、アートパールC−400(14)及びアートパールC−800(6)(根上工業株式会社「アートパール」は同社の登録商標である。)等。
<ポリスチレン樹脂フィラー>
SX−130H(1.3)、SX−350H(3.5)、SX−500H(5)、SGP−50C(10)、SGP−70C(20)及びSGP−100C(25)(綜研化学株式会社);SBX−6(6)、SBX−8(8)、SBX−12(12)及びSBX−17(17)(積水化成品工業株式会社);並びにハイパールST−60(6)(根上工業株式会社)等。
アルカリ金属塩(b)としては、BF 、PF 、CFSO 、ClO 、N(CFSO 、C(CFSO 、C(CH)(CFSO 、CH(CFSO 、CH(CFSO、CSO 、N(CSO 、Cl、Br、I、F、B(CFSO 、SbF 、SCN又はAsF で表される陰イオンと、アルカリ金属イオンとからなる塩等が含まれる。アルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオン、リチウムイオン及びカリウムイオン等が挙げられる。
これらのアルカリ金属塩(b)のうち、帯電防止性の観点等から、上記の陰イオンとリチウムイオンとからなる塩が好ましく、さらに好ましくはPF 、BF 、CFSO 、C(CFSO 、ClO 又はN(CFSO で表される陰イオンとリチウムイオンとからなる塩{LiCFSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiPF、LiClO及びLiBF}、次に好ましくはBF 、CFSO 、C(CFSO 、ClO 又はN(CFSO で表される陰イオンとリチウムイオンとからなる塩{LiCFSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiClO及びLiBF}、特に好ましくはBF 、CFSO 、ClO 又はN(CFSO で表される陰イオンとリチウムイオンとからなる塩{LiCFSO、LiN(CFSO、LiClO及びLiBF}、最も好ましくはBF 、ClO 又はN(CFSO で表される陰イオンとリチウムイオンとからなる塩{LiN(CFSO、LiClO及びLiBF}である。これらのリチウム塩は、塩の解離度が高いためイオン電導度が高く、高い帯電防止性を与えることができる。これらのアルカリ金属塩(b)は単独で用いてもよいし、また2種類以上を併用してもよく、2種以上併用する場合、上記の好ましい塩を含むことが好ましい。2種以上併用する場合、上記の好ましい塩の含有量(重量%)は、アルカリ金属塩(b)の合計重量に基づいて、50〜95が好ましく、さらに好ましくは60〜90、特に好ましくは70〜85である。この範囲であると、帯電防止性がさらに良好となる。
放射線硬化型樹脂(c)とは、放射線(好ましくは紫外線及び電子線、特に好ましくは紫外線)により硬化する組成物であれば特に制限をされるものではないが、好ましくは重合性二重結合を有する化合物及び放射線により活性種を発生する化合物からなる組成物、さらに好ましくは(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c1)及び/又は(メタ)アクリレート(c2)並びに紫外線ラジカル重合開始剤(c3)からなる組成物である。
なお、「(メタ)アクリロイル」とは、「アクリロイル」又は「メタクリロイル」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」又は「メタクリレート」を意味する。
(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c1)及び(メタ)アクリレート(c2)は特に限定されるものではなく、公知の(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(例えば、特開2005−154609号公報、及び特開2007−46047号公報公報等)及び公知の(メタ)アクリレート等(例えば、特開2005−154609号公報、及び特開2006−45549号公報等)が使用できる。
公知の(メタ)アクリロイル基含有オリゴマーのうち、(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマーが好ましく、さらに好ましくは1分子中に脂環構造又はイソシアヌレート構造を有する(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマーが好ましく、特に好ましくは1分子中1分子中に脂環構造又はイソシアヌレート構造を有し、(メタ)アクロイル基を2〜6個含有しているウレタンオリゴマーである。
(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマーは市場から容易に入手でき、たとえば、NKエステルU−4HA、NKエステルU−6HA、NKエステルU−15HA及びNKエステルU−324A(新中村化学株式会社製);フォトマー6008(コグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング製、「フォトマー」は同社の登録商標である);EB220、EB210、EB6700、EB230、EB270、EB2000、EB4858、EB8402及びEB8804(ダイセル・サイテック株式会社製);アートレジンUN−3320HA、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−3320HC、アートレジンUN−3320HS、アートレジンUN−330及びアートレジンUN−901T(根上工業株式会社製);並びに紫光UV−1400B、紫光UV−1700B、紫光UV−2000B、紫光UV−2750B、紫光UV−3000B、紫光UV−3200B、紫光UV−3520TL、紫光UV−3700、紫光UV−6100、紫光UV−6300B、紫光UV−7510B、紫光UV−7550B、紫光UV−7000B及び紫光UV−7210B(日本合成化学工業株式会社製)等が挙げられる。
公知の(メタ)アクリレートのうち、脂環式(メタ)アクリレートを含有することが好ましく、さらに好ましくは脂環式(メタ)アクリレートと1分子中に3〜8個(メタ)アクリロイル基を有する脂肪族(メタ)アクリレートとの混合物、特に好ましくはジシクロペンチル基を有する脂環式(メタ)アクリレートと1分子中に3〜8個(メタ)アクリロイル基を有する脂肪族(メタ)アクリレートとの混合物である。
紫外線ラジカル重合開始剤(c3)としては、紫外線(波長200〜400nm程度)を受けることによりラジカルを発生する化合物であれば制限なく使用でき、ベンゾイル基含有ラジカル開始剤、モルフォニル基含有ラジカル開始剤、リン原子含有ラジカル開始剤及びイオウ原子含有ラジカル開始剤等が使用できる。
ベンゾイル基含有ラジカル開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパンー1−オン及びベンゾフェノン等が挙げられる。
モルフォニル基含有ラジカル開始剤としては、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン及び2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]ブタン−1−オン等が挙げられる。
リン原子含有ラジカル開始剤としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
イオウ原子含有ラジカル開始剤としては、2,4−ジエチルチオキサントン及びイソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
これらの紫外線ラジカル重合開始剤のうち、ベンゾイル基含有ラジカル開始剤、リン原子含有ラジカル開始剤及びこれらの混合物が好ましく、さらに好ましくはベンゾイル基含有ラジカル開始剤及びベンゾイル基含有開始剤とリン原子含有ラジカル開始剤との混合物である。
放射線硬化型樹脂(c)が(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c1)及び/又は(メタ)アクリレート(c2)並びに紫外線ラジカル重合開始剤(c3)からなる組成物である場合、(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c1)の含有量(重量%)は、(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c1)及び(メタ)アクリレート(c2)の重量に基づいて、1〜95が好ましく、さらに好ましくは3〜90、特に好ましくは5〜85である。
またこの場合、(メタ)アクリレート(c2)の含有量(重量%)は、5〜99が好ましく、さらに好ましくは10〜97、特に好ましくは15〜95である。
またこの場合、紫外線ラジカル重合開始剤(c3)の含有量(重量%)は、(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c1)及び(メタ)アクリレート(c2)の重量に基づいて、0.1〜15が好ましく、さらに好ましくは0.5〜12、特に好ましくは1〜10である。
これらの範囲であると、帯電防止性放射線硬化型組成物の耐衝撃性及び硬化性がさらに良好となる。
有機フィラー(a)の含有量(重量%)は、有機フィラー(a)、アルカリ金属塩(b)及び放射線硬化型樹脂(c)の重量に基づいて、5〜85が好ましく、さらに好ましくは10〜83、特に好ましくは15〜80である。この範囲であると、帯電防止性放射線硬化型組成物の光拡散性が更に良好となる。
アルカリ金属塩(b)の含有量(重量%)は、有機フィラー(a)、アルカリ金属塩(b)及び放射線硬化型樹脂(c)の重量に基づいて、0.01〜10が好ましく、さらに好ましくは0.03〜5、特に好ましくは0.05〜3である。この範囲であると帯電防止性放射線硬化型組成物の帯電防止性がさらに良好となる。
放射線硬化型樹脂(c)の含有量(重量%)は、有機フィラー(a)、アルカリ金属塩(b)及び放射線硬化型樹脂(c)の重量に基づいて、14〜94が好ましく、さらに好ましくは16〜89、特に好ましくは19〜84.9である。この範囲であると帯電防止性放射線硬化型組成物の耐湿熱性がさらに良好となる。
本発明の帯電防止性放射線硬化型組成物には、帯電防止性をさらに向上させる目的で、さらにポリエーテル変性シリコーン(d)を含有できる。
ポリエーテル変性シリコーン(d)としては、公知のシリコーン(例えば、特開2006−45549号公報等)等が使用できる。
ポリエーテル変性シリコーンのうち、次式で表される分岐型ポリエーテル変性シリコーンが好ましい。
Figure 2009114302


(式中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子、メチル基又はエチル基を表し、R10及びR11は炭素数1〜8のアルキレン基を表し、R12は、水素原子又は1価の有機基{たとえば、炭素数1〜24のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、ドデシル及びオクタデシル等)、炭素数2〜18のアルケニル基(ビニル、アリル、1−プロペニル及びオクタデセニル等)、炭素数6〜15のアリール基(ベンジル、フェニル、トリイル及びノニルフェニル等)、炭素数5〜6のシクロアルキル基(シクロヘキシル及びシクロペンチル等)等}を表し、Oは酸素原子、Siはシリコン原子を表す。kは0〜25000の整数、mは1〜100の整数、nは1〜100の整数を表す。m≧2の場合、複数個のR11は同じであっても異なっていてもよく、k≠0のとき、{Si(R)(R)O}単位と{Si(R)(R10O−(R11O)m−R12))単位との配列順序には制限がなく、ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せでもよい。)
上式で表される分岐型ポリエーテル変性シリコーンは市場から容易に入手でき、たとえば、SH3746、SH8428、SH3771、BY16−036、BY16−027、SH8400、SH3749、SH3748、SF8410、L−77、L−7001、L−7002、L−7604、Y−7006、FZ−2101、FZ−2104、FZ−2105、FZ−2110、FZ−2118、FZ−2120、FZ−2123、FZ−2130、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164、FZ−2166及びFZ−2191(東レ・ダウコーニング株式会社製);KF−351、KF−352、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−618、KF−6011及びKF−6015(信越化学工業株式会社製);TSF4440、TSF4445、TSF4446、TSF4452、TSF4453及びTSF4460(ジーイー東芝シリコーン株式会社製);並びにTEGOPREN5000シリーズ(degussa社製、「TEGOPREN」はゴルトシュミット ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの登録商標である)等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーン(d)を含有する場合、この含有量(重量%)は、アルカリ金属塩(b)の重量に基づいて、1〜300が好ましく、さらに好ましくは10〜250、特に好ましくは20〜200である。この範囲であると帯電防止性放射線硬化型組成物の帯電防止性がさらに良好となる。
本発明の帯電防止性放射線硬化型組成物には、耐衝撃性をさらに向上させる目的で、さらにポリマー(e)を含有できる。
ポリマー(e)の重量平均分子量は、10,000〜2,000,000が好ましく、さらに好ましくは12,000〜1,500,000、特に好ましくは150,00〜1,200,000である。この範囲であると、帯電防止性放射線硬化型組成物の耐衝撃性がさらに良好となる。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより、分子量既知のポリスチレンを標準物質として測定される。
ポリマー(e)としては、ビニルポリマー(e1)、ポリエステル(e2)及びポリウレタン(e3)等が含まれる。
ビニルポリマー(e1)としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを必須構成単量体とするポリマー、及びこのポリマーにウレタンオリゴマー、ポリエステルオリゴマー又はエポキシオリゴマー等をグラフトさせたグラフトポリマー等が含まれる。
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとしては、スチレン骨格を有するモノマー、(メタ)アクリレート、アクリルアミド及びその他のモノマーが含まれる。
スチレン骨格を有するモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エトキシスチレン、p−クロロスチレン及びp−ブロモスチレン等が挙げられる。
(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル及び(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
アクリルアミドとしては、(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジルメチル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジルブチル(メタ)アクリルアミド、N−(メトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−(ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−(ブトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド及びジアセトン(メタ)アクリルアミド{CH=CH(CONHC(CHCHCOCH}等が挙げられる。
その他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、アクリロニトリル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸及びクロトン酸等が挙げられる。
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを必須構成単量体とするポリマーに、ウレタンオリゴマー、ポリエステルオリゴマー又はエポキシオリゴマー等をグラフトさせたグラフトポリマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーと、ウレタンオリゴマー、ポリエステルオリゴマー又はエポキシオリゴマーのモノ(メタ)アクリレート{たとえば、特開2006−45549号公報等}とのグラフトポリマー{共重合体};ヒドロキシ基含有モノマー{ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びN−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等}を必須構成単量体とするポリマーに、イソシアナト基含有ウレタンオリゴマー、カルボキシ基含有ポリエステルオリゴマー又はエポキシ基含有エポキシオリゴマーをグラフトさせたグラフトポリマー;並びにカルボキシル基含有モノマー{(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸及びクロトン酸等}を必須構成単量体とするポリマーに、イソシアナト基含有ウレタンオリゴマー、ヒドロキシ基含有ポリエステルオリゴマー又はエポキシ基含有エポキシオリゴマーをグラフトさせたグラフトポリマー等が含まれる。
これらのビニルポリマーのうち、(メタ)アクリレートを必須構成単量体とする{50〜100重量%}ポリマー又はスチレン骨格を有するモノマーを必須構成単量体とする{50〜100重量%}ポリマーが好ましく、さらに好ましくは(メタ)アクリレートを必須構成単量体とするポリマー、特に好ましくはメチルメタクリレート又はブチルアクリレートを必須構成単量体とするポリマーである。
ビニルポリマー(e1)は市場から容易に入手でき、たとえば、アロンタックS−1511K、アロンタックS−3403、アロンS−1017、アロンS−2060、レゼダGP−310S、ARUFON UH−2000、ARUFON UH−2170、ARUFON UC−3000及びARUFON UF−200(東亞合成株式会社製、「アロンタック」、「アロン」及び「レゼタ」は同社の登録商標である);M−1002B、M−2000、UME−2005、UMB−2005B、UMM−4005及びASM−4001(綜研化学株式会社製);ポリメントNK−350及びポリメントNK−380(日本触媒株式会社製、「ポリメント」は同社の登録商標である);パラクロンSN−50、パラクロンSS−2500、パラクロンAM−200T、パラクロンAS−3000E、パラクロンME−2000、W−197C及びパラクロン プレコート200(根上工業株式会社製、「パラクロン」は同社の登録商標である);及びアクリットシリーズ(大成ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。
ポリエステル(e2)としては、ジカルボン酸及びグリコールを必須構成単量体としてなるポリマーが含まれる。
ジリカルボン酸としては、炭素数2〜10(カルボキシ基の炭素は含まない)のカルボン酸等が用いられ、シュウ酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸及びアゼライン酸等が挙げられる。
グリコールとしては、炭素数2〜10のジオール{エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメチロール等}、アルキレンオキシド(炭素数2〜3)付加ジオール(付加数1〜50){エチレンオキシド変性ビスフェノールA及びプロピレンオキシド変性ビスフェノールA等}等が挙げられる。
ポリエステル(e2)としては、この他に、末端ヒドロキシル基ポリエステルオリゴマーとポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)とを反応させて製造され得るポリエステル等も使用できる。
ポリエステル(e2)は市場から容易に入手でき、たとえば、バイロン103、200、240、270、300、500、550、GK140、GK330、GK640、GK880及びBX1001(東洋紡績株式会社製);並びにポリエスターSP185、SP180、TP220、TP−235、TP290、LP050、LP011及びLP022(日本合成化学工業株式会社製、「ポリエスター」は同社の登録商標である。 )等が挙げられる。
ポリウレタン(e3)としては、ジイソシアネートとグリコール又はポリオールとを必須構成単量体とするポリマーが含まれる。
ジイソシアネート、グリコール及びポリオールは、公知のもの{たとえば、特開平9−40732号公報}等が使用できる。
ポリウレタン(e3)は市場から容易に入手でき、たとえば、バイロンUR−1350、UR−1400、UR−2300、UR−3200、UR−3210、UR−3500、UR−4125、UR−5537、UR−8200、UR−8300、UR−8700及びUR−9500(東洋紡績株式会社製);並びにKL−422、KL−424、KL−449、KL−494、KL−560、ポリウレタン2053及び75(荒川化学工業株式会社製)等が挙げられる。
ポリマーのうち、ビニルポリマー(e1)、ポリウレタン(e3)及びこれらの混合物が好ましく、さらに好ましくはビニルポリマー(e1)及びビニルポリマー(e1)とポリウレタン(e3)との混合物、特に好ましくはビニルポリマー(e1)である。
ポリマーを(e)を含有する場合、この含有量(重量%)は、放射線硬化型樹脂(c)の重量に基づいて、1〜300が好ましく、さらに好ましくは2〜200、特に好ましくは5〜100である。この範囲であると帯電防止性放射線硬化型組成物の耐衝撃性性がさらに良好となる。
本発明の帯電防止性放射線硬化型組成物には、硬化性をさらに向上させる目的で、さらに光増感剤(f)を含有できる。
光増感剤(f)としては、公知の光増感剤等が使用でき、アルキルアミノ光増感剤(f1)及びジアルキルアミノフェニル光増感剤(f2)等が含まれる。
アルキルアミノ光増感剤(f1)としては、モノアルキルアミン(n−ブチルアミン及び2−エチルヘキシルアミン等)、ジアルキルアミン(ジn−ブチルアミン、ジエタノールアミン及びメチルデシルアミン等)、トリアルキルアミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン及び2−ジメチルアミノエチル安息香酸等)等が挙げられる。
ジアルキルアミノフェニル光増感剤(f2)としては、4,4'−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチルアミノ安息香酸2−(n−ブトキシ)エチル及びジメチルアミノ安息香酸イソアシル等が挙げられる。
これらの他に、トリn−ブチルホスフィン等のりん化合物も使用できる。
これらの光増感剤のうち、トリアルキリアミン及びジアルキルアミノフェニル光増感剤(f2)が好ましく、さらに好ましくはジアルキルアミノフェニル増感剤、特に好ましくは4,4'−ジアルキルアミノベンゾフェノンである。
光増感剤(f)を含有する場合、この含有量(重量%)は、放射線硬化型樹脂(c)の重量に基づいて、0.01〜15が好ましく、さらに好ましくは0.05〜10、特に好ましくは0.1〜5である。
本発明の帯電防止性放射線硬化型組成物には、耐候性を向上させる目的で、紫外線吸収剤(光安定剤を含む)(g)を含有することができる。紫外線吸収剤(g)としては、ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤(g1)、ヒンダードアミン紫外線吸収剤(g2)、ベンゾフェノン紫外線吸収剤(g3)、サリチル酸紫外線吸収剤(g4)及びトリアジン紫外線吸収剤(g5)等が含まれる。
ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤(g1)としては、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
ヒンダードアミン紫外線吸収剤(g2)としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート及びビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等が挙げられる。
ベンゾフェノン紫外線吸収剤(g3)としては、2,4−ジヒドロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン及び2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
サリチル酸紫外線吸収剤(g4)としては、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート及びp−オクチルフェニルサリシレート等が挙げられる。
トリアジン紫外線吸収剤(g5)としては、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン及び2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシフェニル−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤は単独で用いてもよいし、また2種類以上を併用してもよく、2種以上併用する場合、ヒンダードアミン紫外線吸収剤(g2)とトリアジン紫外線吸収剤(g5)との併用が好ましい。これらの紫外線吸収剤(g)のうち、ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤(g1)、ヒンダードアミン紫外線吸収剤(g2)及びトリアジン紫外線吸収剤(g5)が好ましく、さらに好ましくはヒンダードアミン紫外線吸収剤(g2)及びトリアジン紫外線吸収剤(g5)である。
紫外線吸収剤(g)を含有する場合、この含有量(重量%)は、放射線硬化型樹脂(c)の重量に基づいて、0.1〜10が好ましく、さらに好ましくは0.3〜8、特に好ましくは0.5〜5である。
本発明の帯電防止性放射線硬化型組成物には、帯電防止性をさらに向上させる目的で、さらに帯電防止剤(h)を含有することができる。帯電防止剤(h)としては、無機帯電防止剤(h1)及び有機帯電防止剤(h2)等が含まれる。
無機帯電防止剤(h1)としては、ニ酸化スズ、五酸化アンチモン、スズドープ酸化インジウム、アンチモンドープニ酸化スズ及びアンチモン酸亜鉛等が挙げられる。
無機帯電防止剤(h1)は、1〜100nmの1次粒子径(体積平均粒子径)を持つことが好ましい。なお、1次粒子径は、動的光散乱式粒度分布計(例えば、堀場製作所製LB−550)により測定さる。
有機帯電防止剤(h2)としては、ポリエチレングリコール(数平均分子量:200〜600)、グリセリンモノ脂肪酸エステル、スルホン酸塩、燐酸塩及びアンモニウム塩等が挙げられる。なお、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより、分子既知のポリエチレングリコールを標準物質として測定される。
これらの帯電防止剤(h)は単独で用いてもよいし、また2種類以上を併用してもよい。これらの帯電防止剤(h)のうち、無機帯電防止剤(h1)が好ましく、さらに好ましくは五酸化アンチモン及びアンチモン酸亜鉛である。
帯電防止剤(h)を含有する場合、この含有量(重量%)は、有機フィラー(a)、アルカリ金属塩(b)及び放射線硬化型樹脂(c)の重量に基づいて、0.5〜20が好ましく、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは3〜8である。
本発明の帯電防止性放射線硬化型組成物には、塗工適性を向上させる目的で、さらに溶剤(i)を含有することができる。溶剤(i)としては、アルコール(i1)、ケトン(i2)、エステル(i3)、エーテル(i4)、芳香族炭化水素(i5)、脂環式炭化水素(i6)及び脂肪族炭化水素(i7)等が含まれる。
アルコール(i1)としては、炭素数1〜10のアルコール等が使用でき、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル及びプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
ケトン(i2)としては、炭素数3〜6のケトン等が使用でき、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等が挙げられる。
エステル(i3)としては、炭素数4〜10のエステル等が使用でき、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
エーテル(i4)としては、炭素数4〜10のエーテル等が使用でき、エチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル及び1,4−ジオキサン等が挙げられる。
芳香族炭化水素(i5)としては、炭素数6〜9の芳香族炭化水素等が使用でき、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン及びトリメチルベンゼン等が挙げられる。
脂環式炭化水素(i6)としては、炭素数5〜10の脂環式炭化水素等が使用でき、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロペプタン、シクロオクタン、シクロノナン及びシクロデカン等が挙げられる。
脂肪族炭化水素(i7)としては、炭素数5〜10の脂肪族炭化水素等が使用でき、ペンタン、ヘキサン、ペプタン、オクタン、ノナン及びデカン等が挙げられる。
以上の他に、石油エーテル及び石油ナフサ等も使用できる。これらの溶剤(i)のうち、アルコール(i1)、ケトン(i2)及びエーテル(i4)が好ましく、さらに好ましくはアルコール(i1)及びケトン(i2)、特に好ましくはケトン(i2)である。
これらの溶剤は単独で用いてもよいし、また2種類以上を併用してもよい。併用する場合はアルコール(i1)とケトン(i2)との併用が好ましい。なお、溶剤(i)を含有する場合、この含有量は帯電防止性放射線硬化型組成物の粘度等によって適宜決定される。
本発明の帯電防止性放射線硬化型組成物には、さらに添加剤(j){消泡剤、保存安定化剤、着色剤、抗菌剤、増粘剤及び/又は粘弾性調整剤等}を添加し、これらの機能を付与することができる。消泡剤を添加する場合、この含有量(重量%)は、有機フィラー(a)、アルカリ金属塩(b)及び放射線硬化型樹脂(c)の重量に基づいて、0.005〜5が好ましく、さらに好ましくは0.01〜2、特に好ましくは0.05〜1である。保存安定化剤を添加する場合、この含有量(重量%)は、放射線硬化型樹脂(c)の重量に基づいて、0.005〜1が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5、特に好ましくは0.03〜0.1である。着色剤を添加する場合、この含有量(重量%)は、有機フィラー(a)、アルカリ金属塩(b)及び放射線硬化型樹脂(c)の重量に基づいて、0.01〜5が好ましく、さらに好ましくは0.03〜2、特に好ましくは0.05〜1である。抗菌剤を添加する場合、この含有量(重量%)は、有機フィラー(a)、アルカリ金属塩(b)及び放射線硬化型樹脂(c)の重量に基づいて、0.1〜15が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10、特に好ましくは1〜5である。増粘剤及び/又は粘弾性調整剤を添加する場合、これらの含有量は帯電防止性放射線硬化型組成物の粘度等によって適宜決定される。
本発明の帯電防止性放射線硬化型組成物は、たとえば、アルカリ金属塩(b)、放射線硬化型樹脂(c)、並びに必要によりポリエーテル変性シリコーン(d)、ポリマー(e)、光増感剤(f)、紫外線吸収剤(g)、帯電防止剤(h)、溶剤(i)及び/又は添加剤(j)を撹拌混合した後、有機フィラー(a)を分散混合することにより得ることができる。
なお、ポリマー(e)を含有する場合、(b)〜(j)の混合する前に、ポリマー(e)と溶剤(i)とを均一溶解させてから、(b)〜(j)と混合することが好ましい。
有機フィラー(a)を分散混合するための分散機としては均一に分散できれば特に制限はないが、たとえば、ディゾルバー、2軸ミキサー、3軸ミキサー、プラネタリーミキサー、3軸プラネタリーミキサー、3本ロール、ボールミル及びビーズミル等が挙げられる。これらのうち、ディゾルバー、2軸ミキサー、3軸ミキサー及び3軸プラネタリーミキサーが好ましく、さらに好ましくはディゾルバー、3軸ミキサー及び3軸プラネタリーミキサー、特に好ましくはディゾルバー及び3軸プラネタリーミキサーである。
分散混合温度(℃)としては均一分散できれば特に制限はないが、10〜60が好ましく、さらに好ましくは15〜50、特に好ましくは20〜40である。
本発明の帯電防止性放射線硬化型組成物は、成型・硬化して成型体としてもよく、耐電防止性を要求する物体にコーティング・硬化してコーティング体としてもよい{コーティング剤として使用}。これらのうち、コーティング剤として使用することが好ましく、さらに好ましくは透明シートにコーティング・硬化すること、特に好ましくは透明シートにコーティング・硬化して光拡散性シートとすることである。
透明シートとは特に制限されるものではなく、通常のプラスチック透明シート{アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、スチレン−メタクリル樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリサルホン及びポリアクリロニトリル等}等が使用できる。これらのうち、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート及びトリアセチルセルロース樹脂が好ましく、さらに好ましくは、ポリエチレンテレフタレート及びトリアセチルセルロース樹脂、特に好ましくはポリエチレンテレフタレートである。なお、シートとは板及びフィルムを含む意味である。
コーティング方法は特に制限されるものではなく、公知の方法{フローコート、ディップコート、スプレーコート、バーコーターコート、ロールコーターコート、メイヤーバーコート、エアナイフコート、グラビアコート、リバースグラビアコート又はスピンコーターコート等によりよる方法等}でコーティングできる。
コーティング層の厚さは、2〜100μm程度が好ましい。なお、溶剤(i)を用いた場合は、乾燥後にこの厚さになることが好ましい。
本発明の帯電防止性放射線硬化型組成物は、放射線により容易に硬化できる。放射線としては、電子線、紫外線(200〜400nmの波長が好ましい。)、遠赤外線(4〜1000μmの波長が好ましい。)等が含まれる。これらのうち、簡便性の観点等から、紫外線が好ましい。
光拡散性シートは、液晶ディプレイ用シートとして適している。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。
イソシアネート基含有率はJIS K1556:2006の付属書1に準拠して測定した。
水酸基価はJIS K1557−1:2007のA法に準拠して測定した。
加熱残分はJIS K5601−1−2:1999に準拠して、105℃、1時間の条件で測定した。
(メタ)アクロイル基含有ウレタンオリゴマーを合成する際、イソシアネートの分子量は次式のようにイソシアネート含有率より、また、グリコールの分子量は次式のように水酸基価より、算出した。
(イソシアネートの分子量)=42÷(イソシアネート含有率÷100)
(グリコールの分子量)=56100×2÷(水酸基価)
<製造例1>
1,6ヘキサンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名:デュラネートTPA−100、旭化成株式会社製)182部(1mol)、1−ヒドロキシエチルアクリレート(商品名:ライトエステルHOA、共栄社化学株式会社製)345部(3mol)、ヒドロキノンモノメチルエーテル(重合禁止剤)0.02部、ジブチルスズジラウレート(反応触媒)0.02部及びメチルエチルケトン131部を環流させて、イソシアネート基含有率が0.2%となるまで環流を継続した。その後40℃以下まで冷却し、加熱残分を測定し、80%となるようメチルエチルケトンで調整した後、ステンレス製300メッシュでろ過して、アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(C111)のメチルエチルケトン溶液を得た。
<製造例2>
「1,6ヘキサンジイソシアネートのイソシアヌレート体182部(1mol)」を「水添MDI(商品名:VESTANAT H12MDI、デグサ製)262部(1mol)」に変更したこと、「1−ヒドロキシエチルアクリレート345部(3mol)」を「1−ヒドロキシエチルアクリレート230部(2mol)」に変更したこと、及び「メチルエチルケトン131部」を「メチルエチルケトン123部」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(C112)のメチルエチルケトン溶液を得た。
<製造例3>
「1,6ヘキサンジイソシアネートのイソシアヌレート体182部(1mol)」を「水添MDI(商品名:VESTANAT H12MDI、デグサ製)262部(1mol)」に変更したこと、「1−ヒドロキシエチルアクリレート345部(3mol)」を「ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ライトアクリレートPE−3A、共栄社化学株式会社製)412部(1mol)」に変更したこと、及び「及びメチルエチルケトン131部を環流させて、イソシアネート基含有率が0.2%となるまで環流を継続した。」を「、メチルエチルケトン193部及びポリエチレングリコール(商品名:PEG200、ライオン株式会社製)99部(0.5mol)を環流させて、イソシアネート基含有率が0.2%となるまで環流を継続した。」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(C113)のメチルエチルケトン溶液を得た。
<製造例4>
「1,6ヘキサンジイソシアネートのイソシアヌレート体182部(1mol)」を「ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(商品名:タケネート NBDI、三井化学ポリウレタン製)206部(1mol)」に変更したこと、「1−ヒドロキシエチルアクリレート345部(3mol)」を「1−ヒドロキシエチルアクリレート230部(2mol)」に変更したこと、及び「メチルエチルケトン131部」を「メチルエチルケトン109部」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(C114)のメチルエチルケトン溶液を得た。
<実施例1>
アルカリ金属塩(b1){過塩素酸リチウム}0.3部、アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(C111)のメチルエチルケトン溶液21.1部(加熱残分として、16.9部)、(メタ)アクリレート(c211){新中村化学工業株式会社製、A−DCP、トリシクロ[5.2.1.0(2,7)]ドデカン−4,8−ジメタノールジアクリレートとトリシクロ[5.2.1.0(2,7)]ドデカン−3,8−ジメタノールジアクリレートとの混合物}12.7部、(メタ)アクリレート(c221){三洋化成工業株式会社製、ネオマーDA600、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート}50.0部、紫外線ラジカル重合開始剤(c31){1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン}5.1部、及びポリエーテル変性シリコーン(d1){東レ・ダウコーニング株式会社製、Fz−2110}0.3部を、40℃で1時間攪拌混合して混合物を作成した後、この混合物を25℃に温調し、有機フィラー(a1){綜研化学株式会社製、MR−10HG、粒子径10μm、アクリルフィラー}15.0部を加えて、ディゾルバーにて15分間混合分散して分散液を得た。その後、分散液の加熱残分を測定し、加熱残分が30%となるようメチルエチルケトンで調整して、本発明の帯電防止性放射線硬化型組成物(1)を得た。
<実施例2〜8>
アルカリ金属塩(b1)0.3部、アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(C111)のメチルエチルケトン溶液21.1部、(メタ)アクリレート(c211)12.7部、(メタ)アクリレート(c221)50.0部、紫外線ラジカル重合開始剤(c31)5.1部、ポリエーテル変性シリコーン(d1)0.3部及び有機フィラー(a1)15.0部を、下表に示したもの及び量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の帯電防止性放射線硬化型組成物(2)〜(8)を得た。ただし、下表において、アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(C111)〜(C116)は加熱残分としての値を示した。
<実施例9〜17>
アルカリ金属塩(b1)0.3部、アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(C111)のメチルエチルケトン溶液21.1部、(メタ)アクリレート(c211)12.7部、(メタ)アクリレート(c221)50.0部、紫外線ラジカル重合開始剤(c31)5.1部、ポリエーテル変性シリコーン(d1)0.3部を、下表に示したもの及び量に変更したこと、及びこれらを40℃で1時間攪拌混合する際に、下表に示した量(加熱残分として)のポリマー(e11)、(e12)又は(e31)も一緒に攪拌混合したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の帯電防止性放射線硬化型組成物(9)〜(17)を得た。ただし、下表において、アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(C113)〜(C116)及びポリマー(e11)〜(e31)は加熱残分としての値を示した。
<比較例1>
電離放射線硬化型組成物(k1){三菱化学株式会社製、ユピマーUV H6000DS;4級アンモニオ基及びオルガノシロキサン構造を有する重合体と、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する多官能(メタ)アクリレートとを含有する組成物}266.9部(加熱残分として、93.4部)及び紫外線ラジカル重合開始剤(c34){2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン}2.8部を、40℃で1時間攪拌混合して混合物を作成した後、この混合物を25℃に温調し、有機フィラー(a2){積水化学工業株式会社製、MBX−5、体積平均粒子径5μm、アクリルフィラー}3.8部を加えて、ディゾルバーにて15分間混合分散して分散液を得た。その後、分散液の加熱残分を測定し、加熱残分が30%となるようメチルエチルケトンで調整して、比較用の帯電防止性放射線硬化型組成物(H1)を得た。
<比較例2〜4>
電離放射線硬化型組成物(k1)266.9部及び紫外線ラジカル重合開始剤(c34)2.8部を、下表に示したもの及び量に変更したこと以外、比較例1と同様にして、比較用の帯電防止性放射線硬化型組成物(H2)〜(H4)を得た。
Figure 2009114302


Figure 2009114302


Figure 2009114302


a1:綜研化学株式会社製、MR−10HG{体積平均粒子径10μm、アクリルフィラー}
a2:積水化学工業株式会社製、MBX−5{体積平均粒子径5μm、アクリルフィラー}
a3:綜研化学株式会社製、MX−1500H{体積平均粒子径15μm、アクリルフィラー}
a4:綜研化学株式会社製、SX−500H{体積平均粒子径5μm、ポリスチレンフィラー}
b1:LiClO4{ナカライテスク株式会社製、過塩素酸リチウム}
b2:LiN(CF3SO2)2{シグマアルドリッチジャパン株式会社製、リチウム・ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド)}
c111:製造例1で得たアクリロイル基含有ウレタンオリゴマー
c112:製造例2で得たアクリロイル基含有ウレタンオリゴマー
c113:製造例3で得たアクリロイル基含有ウレタンオリゴマー
c114:製造例4で得たアクリロイル基含有ウレタンオリゴマー
c115:新中村化学工業株式会社製、NKエステルU−15HA{イソシアヌレート構造を有する(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー}
c116:コグニス社製、フォトマー6008{脂環構造を有する(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー}
c211:新中村化学工業株式会社製、A−DCP{トリシクロ[5.2.1.0(2,7)]ドデカン−4,8−ジメタノールジアクリレートと、トリシクロ[5.2.1.0(2,7)]ドデカン−3,8−ジメタノールジアクリレートとの混合物、脂環式(メタ)アクリレート}
c212:日立化成工業株式会社製、FA−513AS{ジシクロペンタニルアクリレート、脂環式(メタ)アクリレート}
c221:三洋化成工業株式会社製、ネオマーDA600{ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1分子中に3〜8個(メタ)アクリロイル基を有する脂肪族(メタ)アクリレートとの混合物}
c222:共栄社化学株式会社製、PE−3A{ペンタエリスリトールトリアクリレート、1分子中に3〜8個(メタ)アクリロイル基を有する脂肪族(メタ)アクリレートとの混合物}
c31:チバ・ジャパン株式会社製、イルガキュア184{「イルガキュア」はチバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド社の商標である。1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン}
c32:チバ・ジャパン株式会社製、ダロキュアTPO{「ダロキュア」はチバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド社の商標である。2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド}
c33:チバ・ジャパン株式会社製、イルガキュア2959{1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン}
c34:チバ・ジャパン株式会社製、イルガキュア651{2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン}
d11:東レ・ダウコーニング株式会社製、Fz−2110{ポリエーテル変性シリコーン}
d12:東レ・ダウコーニング株式会社製、L−7604{ポリエーテル変性シリコーン}
e11:綜研化学株式会社製、M−1002B{加熱残分10%、メチルメタクリレートを必須構成単量体とするポリマー}
e12:根上工業株式会社製、パラクロン プレコート200{加熱残分20%、メチルメタクリレートを必須構成単量体とするポリマー}
e31:東洋紡株式会社製、バイロンUR8700{加熱残分30%、ポリウレタン}
k1:三菱化学株式会社製、ユピマーUV H6000DS{4級アンモニオ基及びオルガノシロキサン構造を有する重合体と、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する多官能(メタ)アクリレートとを含有する電離放射線硬化型組成物、加熱残分35%}
本発明の帯電防止性放射線硬化型組成物(実施例1〜17)及び比較用の帯電防止性放射線硬化型組成物(比較例1〜4)について、評価1<初期の光透過性>、評価2<初期の光拡散性>、評価3<初期の帯電防止性>、及び評価4<高温高湿環境下に置いた前後の全光線透過率差>について評価し、これらの評価結果を下表に示した。なお、評価用試料は、次のように調製した。
<評価用試料の調製>
PETフィルム(東洋紡株式会社製コスモシャインA4300、厚み188μm)を20cm(縦)×15cm(横)角に切り出し、塗工面をイソプロピルアルコールで脱脂して被塗工フィルムを用意した。次いで、JIS K5101−2−1(2004)、4.11に記載されたバーコーターと同等のバーコーター(No12)を用いて、23℃±2℃、相対湿度50±5%環境下で、帯電防止性放射線硬化型組成物を、テスター産業製自動塗工装置PI−1210を用い、100mm/秒の塗工速度で、PETフィルムに縦方向に塗工し、そのまま5分間放置し、さらに水平を保ったまま50℃の乾燥機内で5分間放置した後、塗工面に紫外線(高圧水銀灯,300mJ/cm2)を塗工面に対して垂直に照射した。その後、10cm×10cm角に切り出し、評価用試料を調製した。
<評価1:初期の光透過性>
JIS K7105(1981)5.5に準処した装置(日本電色製NDH2000)を用い、23±2℃、相対湿度50±5%環境下、全光線透過率(%)を測定した。なお、全光線透過率が90%以上であると、良好な光透過性を有するといえる。
<評価2:初期の光拡散性>
JIS K7105(1981)5.5に準処した装置(日本電色製NDH2000)を用い、23±2℃、相対湿度50±5%環境下、光拡散性の指標としてヘイズ(%)を測定した。なお、ヘイズが20%以上であると、良好な光拡散性を有するといえる。
<評価3:初期の帯電防止性>
JIS C2151−1990「電気用プラスチックフィルム試験方法」10.表面抵抗に準じて評価した。すなわち、評価用試料を23±2℃、相対湿度50±5%に空調した部屋に24時間静置した後、TAO Electronics Ltd.製 ULTRA MEGOHMMETER SM-8220及び電極SME-8301を用いて、試験電圧100Vの条件で表面抵抗率を測定した。
なお、下表の数値の単位は、1011Ω/□である。また、表面抵抗率が1×1012Ω/□未満であると、良好な帯電防止性を有するといえる。
<評価4:耐湿熱性>
評価用試料を60±2℃、相対湿度95±2%に温調した恒温恒湿器に7日間放置した後、評価用試料を23±2℃、相対湿度50±5%に空調した部屋に12時間静置した。そして、この評価用試料を評価1と同様の方法で全光線透過率を測定し、得られる全光線透過率と評価1で得た全光線透過率との差を耐湿熱性とした。なお、全光線透過率差が1.0%未満であると、良好な耐湿熱性を有するといえる。
Figure 2009114302


Figure 2009114302


Figure 2009114302


本発明の帯電防止性放射線硬化組成物(実施例1〜17)は、評価1<初期の光透過性>、評価2<初期の光拡散性>において光拡散フィルムとしての機能を満足し、評価4<高温高湿環境下に置いた前後の全光線透過率差>と評価3<初期の帯電防止性>とが両立した。また、特に評価4に著しく優れていた。一方、比較用の帯電防止性放射線硬化組成物(比較例1〜4)は、評価4<高温高湿環境下に置いた前後の全光線透過率差>と評価3<初期の帯電防止性>とが両立しなかった。

Claims (9)

  1. 体積平均粒子径が1〜30μmである有機フィラー(a)、アルカリ金属塩(b)及び放射線硬化型樹脂(c)を含有してなることを特徴とする帯電防止性放射線硬化型組成物。
  2. アルカリ金属塩(b)がリチウム塩である請求項1に記載された帯電防止性放射線硬化型組成物。
  3. 放射線硬化型樹脂(c)の少なくとも一部が、1分子中に脂環構造又はイソシアヌレート構造を有する(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマーである請求項1又は2に記載された帯電防止性放射線硬化型組成物。
  4. 有機フィラー(a)、アルカリ金属塩(b)及び放射線硬化型樹脂(c)の重量に基づいて、有機フィラー(a)の含有量が5〜85重量%、アルカリ金属塩(b)の含有量が0.01〜10重量%、放射線硬化型樹脂(c)の含有量が14〜94重量%である請求項1〜3のいずれかに記載された帯電防止性放射線硬化型組成物。
  5. さらに、ポリエーテル変性シリコーン(d)を含有する請求項1〜4のいずれかに記載された帯電防止性放射線硬化型組成物。
  6. ポリエーテル変性シリコーン(d)の含有量が、アルカリ金属塩(b)の重量に基づいて、1〜300重量%である請求項5に記載された帯電防止性放射線硬化型組成物。
  7. さらに、ビニルポリマー(e1)、ポリエステル(e2)及びポリウレタン(e3)からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマー(e)を含有する請求項1〜6のいずれかに記載された帯電防止性放射線硬化型組成物。
  8. ポリマー(e)の含有量が、放射線硬化型樹脂(c)の重量に基づいて、1〜300重量%ある請求項7に記載された帯電防止性放射線硬化型組成物。
  9. 透明シートに請求項1〜8のいずれかに記載された帯電防止性放射線硬化型組成物を塗布・硬化して得ることを特徴とする光拡散性シート。
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