JP2004231912A - 活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物、帯電防止性成形体、及び帯電防止性塗装品 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物、帯電防止性成形体、及び帯電防止性塗装品 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な帯電防止性を有する活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物、帯電防止効果の持続性、耐久性等が良好な帯電防止性成形体及び帯電防止性塗装品を提供する。
【解決手段】本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物は、ポリエチレングリコールジアクリレート(重合性化合物A3)と、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホルニル)イミド(金属塩B1)と、ウレタンアクリレート1とを含む活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物、これを硬化させた帯電防止性成形体、及び活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を硬化させた塗膜を有する帯電防止性塗装品に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プラスチック素材は電気絶縁性に優れており、例えば、PETフィルムでは表面固有抵抗値が1×1014〜1017(Ω/cm)となる。このように、プラスチック素材は、電気絶縁性に優れている反面、表面抵抗値が高いために、静電気によるトラブルが生じ、製品の表面等にゴミや塵などが付着して品質低下等の問題が生じてしまう。この問題を解決すべく、従来より、様々な帯電防止のための手法が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平09−3358号公報
【特許文献2】
特開平09−241337号公報
【特許文献3】
特開2002−309097号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1では、一般式がC17SOX(Xはアルカリ金属またはアンモニウム基)で示されるフッ素系界面活性剤を含有する帯電防止剤(帯電防止組成物)を提案している。しかし、表面配向性の大きい(CFの影響で、表面抵抗値を十分に低下させることができなかった。さらに、界面活性剤がブリードアウトしてしまい、帯電防止効果の持続性にも問題があった。
また、特許文献2では、帯電防止剤に含まれる金属がイオンとして存在するのではなく、アルコキシドとして存在している。このため、帯電防止剤中に存在する金属イオンが少なく、十分な帯電防止効果が得られなかった。
また、特許文献3では、帯電防止剤を樹脂中に練り込む手法のため、帯電防止剤が樹脂骨格内に取り込まれていない。このため、帯電防止剤のブリードアウトや脱落が生じ、帯電防止効果の持続性に問題があった。
【0005】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、良好な帯電防止性を有する活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物、帯電防止効果の持続性、耐久性等が良好な帯電防止性成形体及び帯電防止性塗装品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
その解決手段は、(A)非共有電子対を有する骨格及び活性エネルギー線硬化性官能基を備える重合性化合物と、(B)アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の少なくともいずれかからなる金属塩と、を含む活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物である。
【0007】
本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物は、非共有電子対を有する骨格を備える重合性化合物(A)と、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の少なくともいずれかからなる金属塩(B)とを含んでいる。このような活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物は、金属塩(B)に含まれる金属イオンが非共有電子対の間を移動することで、電気伝導性が良好となり、帯電防止性が良好となる。
【0008】
なお、非共有電子対を有する骨格としては、ポリエーテル骨格、ポリウレタン骨格、ポリエステル骨格、ポリアミン骨格等が挙げられる。
また、活性エネルギー線硬化性官能基としては、アクリレート基、メタクリレート基、ビニル基等が挙げられる。
また、金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等が挙げられる。具体的には、例えば、Li(CFSON、Li(CFSOC、LiCFSO、Mg{(CFSON}、LiBF、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiB(C、Mg{(CFSOC}、Mg{CFSO等が挙げられる。
【0009】
また、本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物は、溶剤、レベリング剤、活性エネルギー線吸収剤(紫外線吸収剤)等を含有しても良い。なお、溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤や、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤や、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤や、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は、単独で、あるいは混合して用いることができる。また、レベリング剤としては、アクリル共重合体、あるいはシリコン系、フッ素系のものが挙げられる。また、活性エネルギー線吸収剤(紫外線吸収剤)としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シュウ酸アニリド系、トリアジン系、ヒンダードアミン系のものなどが挙げられる。
【0010】
さらに、上記の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、前記非共有電子対を有する骨格は、ポリエーテル骨格である活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物とすると良い。
【0011】
本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物は、重合性化合物(A)の非共有電子対を有する骨格をポリエーテル骨格としている。このように、重合性化合物(A)をポリエーテル骨格とすることで、好適に活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を形成することができる。
なお、ポリエーテル骨格及び活性エネルギー線硬化性官能基を備える本発明の組成物としては、例えば、以下のものが挙げられる。
化学式(1)CH=CHCOO(CHCHO)COCH=CHで表されるトリエチレングリコールジアクリレート。
化学式(2)CH=CHCOO(CHCHO)COCH=CHで表されるポリエチレングリコールジアクリレート。
化学式(3)CH=CHCOO(CHCHO)14COCH=CHで表されるポリエチレングリコールジアクリレート。
化学式(4)CH=CHCOO(CHCHO)23COCH=CHで表されるポリエチレングリコールジアクリレート。
化学式(5)CH=CHCOO(CO)12COCH=CHで表されるポリプロピレングリコールジアクリレート。
化学式(6){CH=CHCO(OCHCHOCHCCHCHで表されるトリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート。
【0012】
さらに、上記の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、前記ポリエーテル骨格は、ポリアルキレン骨格である活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物とすると良い。
重合性化合物(A)をポリアルキレン骨格とすることで、さらに好適に活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を形成することができる。
【0013】
さらに、上記の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、前記ポリアルキレン骨格は、エチレングリコール骨格及びプロピレングリコール骨格の少なくもいずれかである活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物とすると良い。
【0014】
本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物は、エチレングリコール骨格及びプロピレングリコール骨格の少なくもいずれかを有する。重合性化合物(A)をエチレングリコール骨格及びプロピレングリコール骨格とすることで非共有電子対間の距離が短くなり、金属塩(B)に含まれている金属イオンが非共有電子対間を移動し易くなる。このため、本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物は、帯電防止性がさらに良好となる。
【0015】
さらに、上記の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、前記エチレングリコール骨格及び前記プロピレングリコール骨格の繰り返し単位数nは、9以上40以下である活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物とすると良い。
【0016】
活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物では、重合性化合物(A)のエチレングリコール骨格及びプロピレングリコール骨格の繰り返し単位nが大きくなるにしたがって、非共有電子対間を移動するアルカリ金属の移動可能範囲が大きくなり、電気伝導性が良好となる傾向がある。しかし、nが大きくなり過ぎると、活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物に結晶性が生じ、電気伝導性が低下してしまう虞がある。
【0017】
これに対し、本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物では、nを9以上とすることで電気伝導性を良好とすると共に、nを40以下とすることで活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物に結晶性が生じないようにしている。このようにすることで、本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物は、帯電防止性をさらに良好とすることができる。また、nを40以下とすることで、活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を硬化させたときの架橋密度を比較的大きくすることもでき、耐擦傷性を比較的良好とすることができる。
【0018】
さらに、上記の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、前記エチレングリコール骨格及び前記プロピレングリコール骨格の繰り返し単位数nは、14以上20以下である活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物とすると良い。
本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物は、nを14以上20以下とすることで、電気伝導性を良好とすると共に、架橋密度も大きくすることができる。このため、本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物は、優れた帯電防止性及び耐擦傷性を発揮できる。
【0019】
さらに、上記いずれかの活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、(C)活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物を有する活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物とすると良い。
【0020】
本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物は、活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)を有している。このように、活性エネルギー線硬化性官能基を有する活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)を加えることで、活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を硬化させたときの架橋密度が大きくなり、耐擦傷性が良好となる。
【0021】
なお、活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)のうち、モノマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、スチレン等の単官能性のもの。
【0022】
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能性のもの。
【0023】
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンの3モルプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンの6モルエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能性のもの。
【0024】
また、活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)のうち、オリゴマーとしては、不飽和ポリエステル、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0025】
さらに、上記の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、前記活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)は、活性エネルギー線硬化性官能基を4つ以上有する活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物とすると良い。
【0026】
本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物は、活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)が、活性エネルギー線硬化性官能基を4つ以上有している。このため、活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を硬化させたときの架橋密度がさらに大きくなり、耐擦傷性がさらに良好となる。
なお、活性エネルギー線硬化性官能基を4つ以上有する活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)としては、ウレタン(メタ)アクリレート(4官能、6官能)、具体的には、例えば、ジイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物が挙げられる。
【0027】
このうち、ジイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートメチル等のジイソシアネートが挙げられる。
また、水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の単官能のものや、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の3官能以上のものが挙げられる。
【0028】
さらに、上記いずれかの活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、前記活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)は、ウレタン結合を有する活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物とすると良い。
ウレタン結合を有する活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)を加えることで、活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物の電気伝導性が良好となり、帯電防止性がさらに良好となる。
【0029】
さらに、上記いずれかの活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、前記金属塩(B)は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩、マグネシウム塩、及びカルシウム塩の少なくともいずれかである活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物とすると良い。
上記金属塩の少なくともいずれかを用いることで、好適に活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を形成することができる。
【0030】
さらに、上記の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、前記金属塩(B)は、前記リチウム塩である活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物とすると良い。
【0031】
本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物は、金属塩(B)としてリチウム塩を含んでいる。リチウムイオンは、イオンの径が極めて小さく、陽イオン性も極めて高い。このため、本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物では、非共有電子対間を移動する金属イオン(リチウムイオン)の移動性が極めて良好となる。従って、本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物は、電気伝導性が良好となり、帯電防止性が良好となる。
【0032】
さらに、上記の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、前記重合性化合物(A)及び前記金属塩(B)の合計重量、あるいは上記重合性化合物(A)、上記金属塩(B)、及び前記活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)の合計重量に対するリチウムイオンの重量比率をリチウムイオン濃度とすると、上記リチウムイオン濃度は、0.05wt%以上1wt%以下である活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物とすると良い。
【0033】
活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物は、リチウムイオン濃度が高くなるにしたがって電気伝導性が良好となり、帯電防止性が良好になる。しかし、リチウムイオン濃度が高くなり過ぎると、活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を硬化させたときの耐擦傷性が低下してしまう。これに対し、本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物では、リチウムイオン濃度を0.05%以上1%以下としている。リチウムイオン濃度を0.05%以上とすることで活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物の電気伝導性を良好とし、1%以下とすることで硬化させたときの耐擦傷性を良好とすることができる。従って、本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物は、良好な帯電防止性及び耐擦傷性を発揮できる。
【0034】
なお、本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物では、リチウムイオン濃度を次のように規定する。活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物中に、活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)が含まれていない場合には、重合性化合物(A)及び金属塩(B)の合計重量に対するリチウムイオンのwt%濃度とする。一方、活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)が含まれている場合には、重合性化合物(A)、金属塩(B)、及び活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)の合計重量に対するリチウムイオンのwt%濃度とする。
【0035】
さらに、上記の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、前記リチウムイオン濃度は、0.5%wt以上0.7wt%以下である活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物とすると良い。
リチウムイオン濃度を0.5wt%以上0.7%wt以下とすることで、さらに良好な帯電防止性及び耐擦傷性を発揮できる。
【0036】
さらに、上記いずれかの活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、前記金属塩(B)をなす陰イオンは、BF 、ClO 、PF 、AsF 、SbF 、CFSO 、(CFSO、(CFSO、及びB(C の少なくともいずれかである活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物とすると良い。
【0037】
本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物では、金属塩(B)をなす陰イオンを、BF 、ClO 、PF 、AsF 、SbF 、CFSO 、(CFSO、(CFSO、及びB(C の少なくともいずれかとしている。これらの陰イオンを選択することで、活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を硬化させた成形物中で、金属塩(B)の金属がイオン化することができ、帯電防止性を得ることができる。さらに、上記陰イオンはアルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオンに比してイオンサイズが極めて大きいため、金属のイオン化が良好となり、優れた帯電防止性を得ることができる。
【0038】
また、陰イオン中にCFの繰り返し単位を含む金属塩を用いると、活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を硬化させたとき、その表面抵抗値が大きくなりやすく、帯電防止性の低下が生じる。これに対し、上記陰イオン中には、CFの繰り返し単位が含まれていないため、本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物では、陰イオンの影響による帯電防止性の低下が生じることはない。
【0039】
さらに、上記いずれかの活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、前記重合性化合物(A)は、前記活性エネルギー線硬化性官能基を2つ以上有する活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物とすると良い。
【0040】
本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物は、重合性化合物(A)が活性エネルギー線硬化性官能基を2つ以上有している。このため、活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を硬化させたときの架橋密度が大きくなり、耐擦傷性が良好となる。
なお、活性エネルギー線硬化性官能基を2つ以上有する重合性化合物(A)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
化学式(1)CH=CHCOO(CHCHO)COCH=CHで表されるトリエチレングリコールジアクリレート。
化学式(2)CH=CHCOO(CHCHO)COCH=CHで表されるポリエチレングリコールジアクリレート。
化学式(3)CH=CHCOO(CHCHO)14COCH=CHで表されるポリエチレングリコールジアクリレート。
化学式(4)CH=CHCOO(CHCHO)23COCH=CHで表されるポリエチレングリコールジアクリレート。
化学式(5)CH=CHCOO(CO)12COCH=CHで表されるポリプロピレングリコールジアクリレート。
化学式(6){CH=CHCO(OCHCHOCHCCHCHで表されるトリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート。
【0041】
他の解決手段は、上記いずれかの活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を活性エネルギー線によって硬化させてなる帯電防止性成形体である。
【0042】
本発明の帯電防止性成形体は、非共有電子対を有する骨格及び活性エネルギー線硬化性官能基を備える重合性化合物(A)と、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の少なくともいずれかからなる金属塩(B)とを含んだ活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を硬化させたものである。このため、金属塩(B)に含まれている金属イオンが共有電子対の間を移動することで、電気伝導性が良好となり、帯電防止性が良好となる。
なお、硬化させる活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物は、溶剤、レベリング剤、活性エネルギー線吸収剤(紫外線吸収剤)等を含んでいても良い。また、照射する活性エネルギー線は、紫外線、α線、β線、γ線、電子ビーム等、公知のいずれの活性エネルギー線でも良い。
【0043】
他の解決手段は、電気絶縁性を有する基体と、この表面に塗布した上記いずれかの活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を活性エネルギー線によって硬化させた塗膜と、を備える帯電防止性塗装品である。
【0044】
本発明の帯電防止性塗装品は、非共有電子対を有する骨格及び活性エネルギー線硬化性官能基を備える重合性化合物(A)と、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の少なくともいずれかからなる金属塩(B)とを含んだ活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を硬化させた塗膜を有している。この塗膜は、金属塩(B)に含まれている金属イオンが非共有電子対の間を移動するため、電気伝導性が良好である。従って、本発明の帯電防止性塗装品は、帯電防止性が良好となる。
【0045】
なお、電気絶縁性を有する基体としては、塗膜によって帯電防止性を付与したいものであればいずれのものでも良いが、例えば、PMMA、PET、PC、ABS、TAC等の各種合成樹脂の成形体が挙げられる。
本発明の帯電防止性塗装品としては、電気絶縁性を有する基体の表面に、上記の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を硬化させた塗膜が形成されたものであれば、いずれのものでも良い。具体的には、例えば、制電性の光ディスク、制電性の反射防止膜、制電性の光拡散フィルム等が挙げられる。
また、基体に塗布する活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物は、溶剤、レベリング剤、活性エネルギー線吸収剤(紫外線吸収剤)等を含んでいても良い。
【0046】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態では、5種類の重合性化合物(A)と3種類の金属塩(B)と6種類の活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)とを用いて、計16種類の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物(実施例1〜16,図1,図2参照)を用意した。
【0047】
まず、重合性化合物(A)として、次の6種類の化合物を用意した。
(重合性化合物A1)
化学式(1)CH=CHCOO(CHCHO)COCH=CHで表されるトリエチレングリコールジアクリレート(共栄社化学株式会社製、ライトアクリレート3EG−A)。これを重合性化合物A1とする。
(重合性化合物A2)
化学式(2)CH=CHCOO(CHCHO)COCH=CHで表されるポリエチレングリコールジアクリレート(共栄社化学株式会社製、ライトアクリレート9EG−A)。これを重合性化合物A2とする。
(重合性化合物A3)
化学式(3)CH=CHCOO(CHCHO)14COCH=CHで表されるポリエチレングリコールジアクリレート(共栄社化学株式会社製、ライトアクリレート14EG−A)。これを重合性化合物A3とする。
(重合性化合物A4)
化学式(4)CH=CHCOO(CHCHO)23COCH=CHで表されるポリエチレングリコールジアクリレート(共栄社化学株式会社製、ライトアクリレート23EG−A)。これを重合性化合物A4とする。
(重合性化合物A5)
化学式(5)CH=CHCOO(CO)12COCH=CHで表されるポリプロピレングリコールジアクリレート(東亜合成株式会社製、M−270)。これを重合性化合物A5とする。
(重合性化合物A6)
化学式(6){CH=CHCO(OCHCHOCHCCHCHで表されるトリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート(東亜合成株式会社製、M−360)。これを重合性化合物A6とする。
【0048】
金属塩(B)としては、次の3種類の金属塩を用意した。
(金属塩B1)
化学式(7)Li(CFSONで表されるリチウムビス(トリフルオロメタンスルホルニル)イミド。これを金属塩B1とする。
(金属塩B2)
化学式(8)Li(CFSOCで表されるリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホルニル)メタン。これを金属塩B2とする。
(金属塩B3)
化学式(9)LiCFSOで表されるトリフルオロメタンスルホン酸リチウム。これを金属塩B3とする。
【0049】
さらに、これらの重合性化合物A1〜A6のいずれかと金属塩B1〜B3のいずれかとを混合して、次の8種類の混合物を生成した。
(混合物1)
重合性化合物A1の60重量部(以下、単に部ともいう)に金属塩B1の40部を混合し、40℃に加熱して溶解させた。これを混合物1とする。
(混合物2)
重合性化合物A3の60部に金属塩B1の40部を混合し、40℃に加熱して溶解させた。これを混合物2とする。
(混合物3)
重合性化合物A5の60部に金属塩B1の40部を混合し、40℃に加熱して溶解させた。これを混合物3とする。
(混合物4)
重合性化合物A6の60部に金属塩B1の40部を混合し、40℃に加熱して溶解させた。これを混合物4とする。
(混合物5)
重合性化合物A3の60部に金属塩B2の40部を混合し、40℃に加熱して溶解させた。これを混合物5とする。
(混合物6)
重合性化合物A3の60部に金属塩B3の40部を混合し、40℃に加熱して溶解させた。これを混合物6とする。
(混合物7)
重合性化合物A2の60部に金属塩B1の40部を混合し、40℃に加熱して溶解させた。これを混合物7とする。
(混合物8)
重合性化合物A4の60部に金属塩B1の40部を混合し、40℃に加熱して溶解させた。これを混合物8とする。
【0050】
また、活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)としては、次の3種類のオリゴマーと3種類のウレタンアクリレートとの計6種類の化合物を用意した。
(オリゴマー1)
ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート(以下、DPHAともいう)(東亜合成株式会社製、M−402)(6官能のオリゴマー)。
(オリゴマー2)
ペンタエリスルトールテトラアクリレート(以下、PETAともいう)(ダイセル・ユーシービー株式会社製、PETA−K)(4官能のオリゴマー)。
(オリゴマー3)
1,6ヘキサジオールジアクリレート(以下、HDDAともいう)(ダイセル・ユーシービー株式会社製、HDODA)(2官能のオリゴマー)
【0051】
(ウレタンアクリレート1)
攪拌機、温度計、及びコンデンサを備えたフラスコ内にイソホロンジイソシアネート50部を仕込み、そこにペンタエリスルトールトリアクリレート250部(東亜合成株式会社製、M−305)、ジブチル錫ラウレート0.01部を添加し、70℃にて8時間反応させた。この反応生成物を赤外分光光度計で測定したところ、イソシアネートのピークが消失していた。このようにして、6官能のウレタンアクリレート1を得た。
(ウレタンアクリレート2)
攪拌機、温度計、及びコンデンサを備えたフラスコ内にイソホロンジイソシアネート50部を仕込み、そこに2−ヒドロキシエチルアクリレート26.2部、ペンタエリスルトールトリアクリレート125部を添加し、70℃にて8時間反応させた。この反応生成物を赤外分光光度計で測定したところ、イソシアネートのピークが消失していた。このようにして、4官能のウレタンアクリレート2を得た。
(ウレタンアクリレート3)
攪拌機、温度計、及びコンデンサを備えたフラスコ内にイソホロンジイソシアネート100部を仕込み、そこに2−ヒドロキシエチルアクリレート114部を添加し、70℃にて8時間反応させた。この反応生成物を赤外分光光度計で測定したところ、イソシアネートのピークが消失していた。このようにして、2官能のウレタンアクリレート3を得た。
【0052】
(実施例と比較例)
本発明の実施例1〜17の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物、及び比較例1〜3の比較組成物の含有成分表を図1及び図2に示すと共に、これらの生成方法について以下に説明する。
(実施例1)
混合物2(n=14)の55部とウレタンアクリレート1の45部とを混合し、光開始剤としてIrg184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)を3部添加して、活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を生成した。この活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物では、リチウムイオン濃度が0.54wt%となった。なお、本実施例1におけるリチウムイオン濃度は、混合物2の55部とウレタンアクリレート1の45部との混合物中に含まれるリチウムイオンのwt%濃度である。
【0053】
このような活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を、バーコータを用いて板厚100μmの易接着処理PET(東洋紡株式会社製、A4300)の表面に塗布し、水銀ランプを用いて積算光量300mj/cmの紫外線で硬化させ、塗膜を有する帯電防止性塗装品を形成した。
なお、実施例1〜17及び比較例1〜3では、いずれも、上記方法によって、上記易接着処理PETの表面に、活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を塗布・硬化させ、乾燥時の塗膜の厚さが5μmとなるようにしている。
【0054】
(実施例2)
本実施例2は、実施例1と比較すると、ウレタンアクリレート1に代えてウレタンアクリレート2を添加したものであり、その他については同様である(図1参照)。
(実施例3)
本実施例3は、実施例1と比較すると、ウレタンアクリレート1に代えてウレタンアクリレート3を添加したものであり、その他については同様である(図1参照)。
【0055】
(実施例4)
本実施例4は、実施例1と比較すると、混合物2とウレタンアクリレート1との混合比が異なり、その他については同様である(図1参照)。なお、本実施例4では、リチウムイオン濃度が0.29wt%となった。
(実施例5)
本実施例5も、実施例1と比較すると、混合物2とウレタンアクリレート1との混合比が異なり、その他については同様である(図1参照)。なお、本実施例5では、リチウムイオン濃度が0.68wt%となった。
(実施例6)
本実施例6は、実施例1と比較すると、混合物2とウレタンアクリレート1との混合比が異なり(ウレタンアクリレート1を含まない)、その他については同様である(図1参照)。なお、本実施例4では、リチウムイオン濃度が0.98wt%となった。
【0056】
(実施例7)
本実施例7は、実施例1と比較すると、ウレタンアクリレート1に代えてオリゴマー1を添加したものであり、その他については同様である(図1参照)。
(実施例8)
本実施例8も、実施例1と比較すると、ウレタンアクリレート1に代えてオリゴマー2を添加したものであり、その他については同様である(図1参照)。
(実施例9)
本実施例9も、実施例1と比較すると、ウレタンアクリレート1に代えてオリゴマー3を添加したものであり、その他については同様である(図1参照)。
【0057】
(実施例10)
本実施例10は、実施例1と比較すると、混合物2(n=14)に代えて混合物7(n=9)を添加したものであり、その他については同様である(図1参照)。
(実施例11)
本実施例11も、実施例1と比較すると、混合物2(n=14)に代えて混合物1(n=3)を添加したものであり、その他については同様である(図1参照)。
(実施例12)
本実施例12も、実施例1と比較すると、混合物2(n=14)に代えて混合物3(n=12)を添加したものであり、その他については同様である(図1参照)。
(実施例13)
本実施例13も、実施例1と比較すると、混合物2(n=14)に代えて混合物8(n=23)を添加したものであり、その他については同様である(図1参照)。
【0058】
(実施例14)
本実施例14は、実施例1と比較すると、混合物2(n=14)に代えて混合物4(n=6)を添加したもので、さらに、混合物とウレタンアクリレート1との混合比も変更している(図1参照)。なお、本実施例14では、リチウムイオン濃度が0.68wt%となった。
(実施例15)
本実施例15も、実施例1と比較すると、混合物2(n=14)に代えて混合物5(n=14)を添加したもので、さらに、混合物とウレタンアクリレート1との混合比も変更している(図1参照)。なお、本実施例15では、リチウムイオン濃度が0.40wt%となった。
(実施例16)
本実施例16も、実施例1と比較すると、混合物2(n=14)に代えて混合物6(n=14)を添加したもので、さらに、混合物とウレタンアクリレート1との混合比も変更している(図1参照)。なお、本実施例16のリチウムイオン濃度では、0.54wt%となった。
【0059】
(実施例17)
実施例1の帯電防止性塗装品の塗膜上に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10部、二酸化チタン分散液(15%トルエン溶液)100部、及び光開始剤Irg184の0.3部が配合されたコーティング剤を塗布し、水銀ランプを用いて積算光量600mj/cmで硬化させ、厚さ0.1μmの中屈折層を形成した。さらに、この中屈折層上に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10部、二酸化チタン分散液(15%トルエン溶液)200部、及び光開始剤Irg184の0.3部が配合されたコーティング剤を塗布し、水銀ランプを用いて積算光量600mj/cmで硬化させ、厚さ0.1μmの高屈折層を形成した。さらに、この高屈折層上に、オプスターJM5010(JSR株式会社製)100部、及び光開始剤Irg184の3部が配合されたコーティング剤を塗布し、水銀ランプを用いて積算光量400mj/cmで硬化させ、厚さ0.1μmの低屈折層を形成した。このような本実施例17の帯電防止性塗装品は、反射防止性を有し、分光光度計にて測定した450〜650nmにおける平均反射率が0.76となった。
【0060】
(比較例1)
本比較例1は、実施例1と比較すると、混合物2(n=14)に代えて重合性化合物A3(n=14)を添加したものである。すなわち、実施例1と比較すると、金属塩(B)が含まれていない点が異なる。このため、本比較例1は、リチウムイオン濃度が0.00wt%である。
(比較例2)
本比較例2は、実施例1と比較すると、混合物2とウレタンアクリレート1との混合比が異なり、その他については同様である(図1参照)。なお、本比較例2では、リチウムイオン濃度が0.049wt%となった。
(比較例3)
本比較例3は、実施例1と比較すると、混合物2(n=14)に代えてカチオン系界面活性剤(日本油脂株式会社製、カチオンB−4)を添加したもので、さらに、ウレタンアクリレート1との混合比も変更している。なお、本比較例3は、リチウムイオン濃度が0.00wt%である。
【0061】
以上のようにして、実施例1〜17及び比較例1〜3で作成した、帯電防止性塗装品及び比較塗装品について、次のような試験を行った。
(初期表面抵抗値測定)
帯電防止性塗装品及び比較塗装品を作成後、1日常温で放置し、アドバンテスト製ハイレジスタンスメータを用いて、それぞれの塗装品の初期表面抵抗値を測定した。
(耐水性試験)
帯電防止性塗装品及び比較塗装品を作成後、1日常温で放置し、水道水をしみ込ませたウエスにて塗装品の表面を拭いてから、それぞれの塗装品の表面抵抗値を測定した。
【0062】
(耐溶剤性試験)
帯電防止性塗装品及び比較塗装品を作成後、1日常温で放置し、イソプロパノールをしみ込ませたウエスにて塗装品の表面を拭いてから、それぞれの塗装品の表面抵抗値を測定した。
(耐熱性試験)
帯電防止性塗装品及び比較塗装品を作成後、1日常温で放置し、さらに60℃にて250時間加温した後、乾いたウエスにて塗装品の表面を拭いてから、それぞれの塗装品の表面抵抗値を測定した。
【0063】
(耐光性試験)
帯電防止性塗装品及び比較塗装品を作成後、1日常温で放置し、サンシャインウエザオメータ(紫外線照射装置)を用いて100時間紫外線を照射した後、それぞれの塗装品の表面抵抗値を測定した。
(耐擦傷性試験)
帯電防止性塗装品及び比較塗装品を作成後、1日常温で放置し、粗さ#0000のスチールウールで約2.94N(300g重)の荷重をかけながら、塗装品の表面を20往復及び30往復擦動させた。その後、それぞれの塗装品の表面についてHaze測定((散乱光/全透過光)×100)を行った。
【0064】
これらの試験結果を図3の表に示すと共に、試験結果について考察する。
まず、比較例1と実施例1〜17とを比較する。比較例1では、金属塩(B)、すなわち金属イオンが含まれていない(図2参照)ために、初期表面抵抗値が1×1016(Ω/cm)以上と極めて高い表面抵抗値を示し、帯電防止効果が得られなかった。これに対し、実施例1〜17では、いずれも金属塩(B)、すなわち金属イオンを含有させたため、初期表面抵抗値が2×10〜2×1012(Ω/cm)となり、比較例1に比して初期表面抵抗値を極めて低くすることができた。
【0065】
次いで、比較例2と実施例1〜17とを比較する。比較例2は、金属塩(B)としてリチウム塩を含んでいるが、Liイオン濃度が0.049%と低い。このため、初期表面抵抗値が4×1014(Ω/cm)と大きくなり、十分な帯電防止効果が得られなかった。これに対し、実施例1〜17では、いずれもLiイオン濃度を0.05%以上となっている。このような実施例1〜17では、前述のように初期表面抵抗値が2×10〜2×1012(Ω/cm)となり、比較例2に比して初期表面抵抗値を極めて低くすることができた。
【0066】
次いで、比較例3と実施例1〜17とを比較する。比較例3は、表面抵抗値を低下させるために界面活性剤(カチオンB−4)を用いている。このため、初期表面抵抗値は5×1011(Ω/cm)と良好であるが、耐水性試験での表面抵抗値が4×1015(Ω/cm)、耐溶剤性試験での表面抵抗値が6×1015(Ω/cm)、耐熱性試験での表面抵抗値が8×1015(Ω/cm)、耐光性試験での表面抵抗値が5×1015(Ω/cm)と大きく上昇してしまった。これは、界面活性剤がブリードアウトし、このブリードアウトした界面活性剤が、各試験において脱落してしまったためと考えられる。
【0067】
これに対し、実施例1〜17では、表面抵抗値を低下させるために界面活性剤を用いていない。このため、耐水性試験での表面抵抗値が6×10〜3×1012(Ω/cm)、耐溶剤性試験での表面抵抗値が5×10〜4×1012(Ω/cm)、耐熱性試験での表面抵抗値が3×10〜9×1011(Ω/cm)、耐光性試験での表面抵抗値が5×10〜6×1012(Ω/cm)と、低い表面抵抗値を維持することができた。この結果から、実施例1〜17は、帯電防止効果の耐久性、持続性等が良好であるといえる。
【0068】
次に、実施例1〜3と実施例7〜9とを比較する。
実施例1〜3は、活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)としてウレタンアクリレート1,2,3を用いている。すなわち、活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)がウレタン結合を有している。このような実施例1〜3では、初期表面抵抗値がそれぞれ、1×1010(Ω/cm)、8×10(Ω/cm)、5×10(Ω/cm)となった。
【0069】
これに対し、実施例7〜9は、活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)としてオリゴマー1,2,3を用いている。すなわち、活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)がウレタン結合を有していない。このような実施例7〜9では、初期表面抵抗値がそれぞれ、8×1010(Ω/cm)、6×1010(Ω/cm)、4×1010(Ω/cm)となり、実施例1〜3に比して、初期表面抵抗値が大きくなった。同様に、耐水性試験等の各試験での表面抵抗値も、実施例1〜3に比して大きくなった(図3参照)。
この結果から、活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)がウレタン結合を有することで、帯電防止性が良好となるといえる。
【0070】
次に、実施例1,2,3のそれぞれについて検討する。
実施例1は、活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)として6官能のウレタンアクリレート1を用いている。すなわち、活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)は、活性エネルギー線硬化性官能基を6つ有している。このような実施例1では、耐擦傷性試験でのHaze測定値((散乱光/全透過光)×100)が、20往復,30往復のいずれにおいても1未満となった。
【0071】
実施例2は、活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)として4官能のウレタンアクリレート2を用いている。すなわち、活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)は、活性エネルギー線硬化性官能基を4つ有している。このような実施例2では、耐擦傷性試験でのHaze測定値が、20往復では1未満、30往復では1.4と実施例1に比して大きくなった。
実施例3は、活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)として2官能のウレタンアクリレート1を用いている。すなわち、活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)は、活性エネルギー線硬化性官能基を2つ有している。このような実施例3では、耐擦傷性試験でのHaze測定値が、20往復では3.1、30往復では5.7と実施例1,2に比して大きくなった。
【0072】
このような、実施例1,2,3の検討結果から、活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)の活性エネルギー線硬化性官能基数が多くなるにしたがって、耐擦傷性が良好となることがわかる。特に、活性エネルギー線硬化性官能基を4つ以上有するものを用いることで、耐擦傷性に優れた帯電防止性塗装品とすることができる。
【0073】
次に、実施例1,4,5,6について検討する。これらは、重合性化合物(A)及び金属塩(B)と活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)との成分比が異なっており、このため、Liイオン濃度が異なる関係にある(図1参照)。
実施例1では、Liイオン濃度を0.54wt%としている。このような実施例1では、初期表面抵抗値が1×1010(Ω/cm)となった。また、耐擦傷性試験でのHaze測定値は、前述のように、20往復,30往復のいずれにおいても1未満となった。
【0074】
実施例4では、Liイオン濃度を0.29wt%としている。このような実施例2では、初期表面抵抗値が2×1012(Ω/cm)となり、実施例1に比して大きくなった。また、耐擦傷性試験でのHaze測定値は、実施例1と同様に、20往復,30往復のいずれにおいても1未満となった。
実施例5では、Liイオン濃度を0.68wt%としている。このような実施例2では、初期表面抵抗値が1×1012(Ω/cm)となり、実施例1と同じ値となった。また、耐擦傷性試験でのHaze測定値は、20往復では4.0、30往復では7.5と実施例1に比して大きくなった。
実施例6では、Liイオン濃度を0.98wt%としている。このような実施例2では、初期表面抵抗値が2×10(Ω/cm)となり、実施例1に比して小さくなった。また、耐擦傷性試験でのHaze測定値は、20往復では7,2、30往復では11.4と実施例1に比して大きくなった。
【0075】
このような、実施例1,4,5,6の検討結果から、Liイオン濃度を高くするにしたがって、帯電防止性を良好にできることがわかる。
特に、Liイオン濃度を0.5wt%以上とした実施例1,5,6では、初期表面抵抗値が1×1010(Ω/cm)以下となり、極めて低い表面抵抗値とすることができた。従って、Liイオン濃度を0.5wt%以上とすることで、帯電防止性に優れた帯電防止性塗装品とすることができる。
【0076】
反対に、Liイオン濃度が低くなるにしたがって、耐擦傷性が良好となることがわかる。特に、Liイオン濃度を0.7wt%以下とした実施例1,4,5では、耐擦傷性試験でのHaze測定値が30往復でも7.5以下となり、耐擦傷性を良好にすることができた。従って、Liイオン濃度を0.7wt%以下とすることで、耐擦傷性に優れた帯電防止性塗装品とすることができる。
以上から、Liイオン濃度を0.5wt%以上0.7wt%以下とすることで、帯電防止性及び耐擦傷性に優れた帯電防止性塗装品とすることができる。
【0077】
次に、実施例1,10,11,12,13について検討する。これらは、エチレングリコール骨格またはプロピレングリコール骨格を有しており、その繰り返し単位数nが異なる関係にある(図3参照)。
実施例1はn=14であり、初期表面抵抗値が1×1010(Ω/cm)となった。また、耐擦傷性試験でのHaze測定値は、前述のように、20往復,30往復のいずれにおいても1未満となった。
実施例10はn=9であり、初期表面抵抗値が7×1010(Ω/cm)となり、実施例1に比して大きくなった。また、耐擦傷性試験でのHaze測定値は、実施例1と同様に、20往復,30往復のいずれにおいても1未満となった。
【0078】
実施例11はn=3であり、初期表面抵抗値が1×1011(Ω/cm)となり、実施例1、10に比して大きくなった。また、耐擦傷性試験でのHaze測定値は、実施例1と同様に、20往復,30往復のいずれにおいても1未満となった。
実施例12はn=12であり、初期表面抵抗値が3×1010(Ω/cm)となり、実施例1に比して大きく、実施例10,11に比して小さくなった。また、耐擦傷性試験でのHaze測定値は、実施例1と同様に、20往復,30往復のいずれにおいても1未満となった。
実施例13はn=23であり、初期表面抵抗値が9×10(Ω/cm)となり、実施例1,10,11,12に比して小さくなった。また、耐擦傷性試験でのHaze測定値は、20往復で1.6、30往復で3.6となり、実施例1,10,11,12に比して大きくなった。
【0079】
これらの検討結果から、エチレングリコール骨格またはプロピレングリコール骨格を有する活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物では、繰り返し単位数nが大きくなるにしたがって、帯電防止性塗装品の表面抵抗値が低下し、帯電防止性が良好となることがわかる。このうち、nが9以上の実施例1,10,12,13では、初期表面抵抗値が7×1010(Ω/cm)以下と低くなり、特に、nが14以上の実施例1,13では、初期表面抵抗値が1×1010(Ω/cm)以下と極めて低い表面抵抗値となった。従って、nを9以上、さらに好ましくは14以上とすることで、帯電防止性に優れた帯電防止性塗装品とすることができる。
【0080】
しかし、nが20を超える実施例13(n=23)では、耐擦傷性試験でのHaze測定値は、20往復で1.6、30往復で3.6と大きくなってしまった。この結果から、エチレングリコール骨格の繰り返し単位数nが大きくなりすぎると、具体的にはnが20を超えると、耐擦傷性が低下してしまうことがわかった。
以上から、繰り返し単位数nを14以上20以下とすることで、帯電防止性及び耐擦傷性に優れた帯電防止性塗装品とすることができる。
【0081】
次に、実施例1と実施例17とを比較する。両者は、同一の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物で塗膜を形成しているが、実施例17のみ、この塗膜上に、さらに、中屈折層、高屈折層、低屈折層を形成している。両者の比較から、塗膜上に、さらに、中屈折層、高屈折層、低屈折層を形成しても、表面抵抗値がほとんど低下しないことがわかる。従って、本発明の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物で塗膜を形成すれば、その塗膜上に、さらに反射防止膜等を形成しても、表面抵抗値がほとんど上昇することなく、帯電防止性及びその耐久性等に優れた帯電防止性塗装品とすることができる。
【0082】
次に、実施例5と実施例14とを比較する。両者は、重合性化合物(A)の活性エネルギー線硬化性官能基数が異なる関係にある(図2参照)。
実施例5の重合性化合物(A)は、活性エネルギー線硬化性官能基を2つ有している。このような実施例5では、耐擦傷性試験でのHaze測定値が、20往復で4.0、30往復で7.5となり、耐擦傷性が比較的良好であった。
これに対し、実施例14の重合性化合物(A)は、活性エネルギー線硬化性官能基を3つ有している。このような実施例14では、耐擦傷性試験でのHaze測定値が、20往復で2.7、30往復で4.1となり、実施例5に比して耐擦傷性が良好となった。
この結果から、重合性化合物(A)の活性エネルギー線硬化性官能基数が多いほど耐擦傷性が良好となり、具体的には、官能基数を2以上とすることで耐擦傷性が良好となるといえる。これは、官能基数を2以上とすることで、硬化させたときに架橋密度が大きくなるためと考えられる。
【0083】
最後に、実施例1〜17の金属塩(B)の陰イオン(Liイオンの対イオン)について検討する。
実施例1〜14,17では、金属塩(B)の陰イオンとして、(CFSOを用いている。このような実施例1〜14,17では、初期表面抵抗値が2×10(Ω/cm)〜2×1012(Ω/cm)となった。
実施例15では、金属塩(B)の陰イオンとして、(CFSOを用いている。このような実施例15では、初期表面抵抗値が9×1010(Ω/cm)となり、実施例1〜14,17と比較して、大きな差はなかった。
実施例16では、金属塩(B)の陰イオンとして、CFSO を用いている。このような実施例16では、初期表面抵抗値が5×1010(Ω/cm)となり、実施例1〜14,17と比較して、大きな差はなかった。
【0084】
このような結果から、Liイオンの対イオンとして、(CFSO,(CFSO,CFSO のいずれの陰イオンを用いても、Liのイオン化が良好になり、表面抵抗値を低下させることができるといえる。
【0085】
以上において、本発明を実施形態(実施例1〜17)に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物1〜17を硬化させるための活性エネルギー線として紫外線を用いたが、α線、β線、γ線、電子ビーム等を用いても良い。また、紫外線発生源として、水銀ランプを用いたが、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を用いるようにしても良い。
【0086】
また、本実施形態では、金属塩(B)としてリチウム塩を用いたが、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等の他のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩を用いるようにしても良い。
また、本実施形態では、リチウム塩として、Li(CFSON、Li(CFSOC、LiCFSOを用いたが、Mg{(CFSON}、LiBF、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiB(C、Mg{(CFSOC}、Mg{CFSO等を用いるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜17の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物1〜17、及び比較例1〜3の比較組成物の含有成分表である。
【図2】実施例1〜17の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物1〜17、及び比較例1〜3の比較組成物の含有成分表である。
【図3】実施例1〜17の帯電防止性塗装品1〜17、及び比較例1〜3の比較塗装品の試験結果を表す表である。

Claims (17)

  1. (A)非共有電子対を有する骨格及び活性エネルギー線硬化性官能基を備える重合性化合物と、
    (B)アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の少なくともいずれかからなる金属塩と、
    を含む活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物。
  2. 請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、
    前記非共有電子対を有する骨格は、ポリエーテル骨格である
    活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物。
  3. 請求項2に記載の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、
    前記ポリエーテル骨格は、ポリアルキレン骨格である
    活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物。
  4. 請求項3に記載の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、
    前記ポリアルキレン骨格は、エチレングリコール骨格及びプロピレングリコール骨格の少なくもいずれかである
    活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物。
  5. 請求項4に記載の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、
    前記エチレングリコール骨格及び前記プロピレングリコール骨格の繰り返し単位数nは、9以上40以下である
    活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物。
  6. 請求項5に記載の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、
    前記エチレングリコール骨格及び前記プロピレングリコール骨格の繰り返し単位数nは、14以上20以下である
    活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、
    (C)活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物を有する
    活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物。
  8. 請求項7に記載の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、
    前記活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)は、活性エネルギー線硬化性官能基を4つ以上有する
    活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物。
  9. 請求項7または請求項8に記載の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、
    前記活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)は、ウレタン結合を有する
    活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、
    前記金属塩(B)は、
    リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩、マグネシウム塩、及びカルシウム塩の少なくともいずれかである
    活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物。
  11. 請求項10に記載の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、
    前記金属塩(B)は、前記リチウム塩である
    活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物。
  12. 請求項11に記載の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、
    前記重合性化合物(A)及び前記金属塩(B)の合計重量、あるいは上記重合性化合物(A)、上記金属塩(B)、及び前記活性エネルギー線硬化性官能基含有化合物(C)の合計重量に対するリチウムイオンの重量比率をリチウムイオン濃度とすると、
    上記リチウムイオン濃度は、0.05wt%以上1wt%以下である活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物。
  13. 請求項12に記載の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、
    前記リチウムイオン濃度は、0.5%wt以上0.7wt%以下である活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物。
  14. 請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、
    前記金属塩(B)をなす陰イオンは、BF 、ClO 、PF 、AsF 、SbF 、CFSO 、(CFSO、(CFSO、及びB(C の少なくともいずれかである活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物。
  15. 請求項1〜請求項14のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物であって、
    前記重合性化合物(A)は、前記活性エネルギー線硬化性官能基を2つ以上有する活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物。
  16. 請求項1〜請求項15のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を活性エネルギー線によって硬化させてなる帯電防止性成形体。
  17. 電気絶縁性を有する基体と、
    この表面に塗布した請求項1〜請求項15のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性帯電防止組成物を活性エネルギー線によって硬化させた塗膜と、
    を備える帯電防止性塗装品。
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