JP5684444B2 - 帯電防止ハードコート用組成物及び帯電防止ハードコート層が形成された成形品 - Google Patents
帯電防止ハードコート用組成物及び帯電防止ハードコート層が形成された成形品 Download PDFInfo
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Description
そのため、プラスチック成形品の表面にハードコーティングを施したり、帯電防止剤をプラスチックに練り込むか又は被膜として表面に塗布する方法が採用されている(特許文献1〜3等参照)。
このようなことから、成形品、特にプラスチック成形品に帯電防止性を十分に付与することができるとともに、透明性、耐擦傷性及び耐久性を確保することができるコーティング組成物が求められている。
本発明は、上記課題を解決するためなされたものであって、プラスチック等からなる成形品に、長期間安定的に帯電防止性を十分に付与することができるとともに、透明性、耐擦傷性及び耐久性を確保することができる帯電防止ハードコート用組成物及び成形品を提供することを目的とする。
(B)リチウム塩系導電剤及びイオン性液体からなる群から選択される1種以上の導電剤と、
(C)多官能(メタ)アクリレート樹脂と、
(D)オルガノシリカゾルとを含むことを特徴とする。
(A)親水性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂が、イソシアネート化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物と、ポリエーテルポリオールを主鎖とする化合物との反応によって得られる樹脂であるか、
さらに、(A)親水性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂が、下記式(1)
(R1O−CONH−)m−R2−(−NHCO−OR3)n (1)
(式中、R1O−はポリエーテルポリオールを主鎖とする化合物の脱水素残基、−R2−はイソシアネート化合物の脱イソシアネート基残基、R3O−は水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の脱水素残基、m、n=1〜50の整数)
で表されるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含むことが好ましい。
さらに、ポリエーテルポリオールを主鎖とする化合物が、片末端水酸基含有ポリアルキレングリコール化合物又は(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加化合物であるか、片末端水酸基含有ポリアルキレングリコール化合物が、アルコキシポリアルキレングリコール類であるか、(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加化合物が、(メタ)アクリル酸をアルキレンオキサイド付加又はポリアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリレート化されたものであることが好ましい。
また、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物が、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ポリオール(メタ)アクリレート類又はアルキレンオキサイド付加ポリオール(メタ)アクリレート類であることが好ましい。
多官能(メタ)アクリレート樹脂が、1分子中に(メタ)アクリロイル基を少なくとも2個有する化合物であることが好ましい。
また、このような組成物により帯電防止ハードコート層が形成された成形品は、長期間にわたって、安定して帯電防止効果を奏するとともに、耐久性に優れたものとすることができる。
(A)親水性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と、
(B)リチウム塩系導電剤及びイオン性液体からなる群から選択される1種以上の導電剤と、
(C)多官能(メタ)アクリレート樹脂と、
(D)オルガノシリカゾルとを含んでなる。
なお、本明細書においては、(メタ)アクリル酸はメタクリル酸又はアクリル酸のことを表す。
(R1O−CONH−)m−R2−(−NHCO−OR3)n (1)
(式中、R1O−はポリエーテルポリオールを主鎖とする化合物の脱水素残基、−R2−はイソシアネート化合物の脱イソシアネート基残基、R3O−は水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の脱水素残基、m、n=1〜50の整数)
で表される化合物が挙げられる。
R2を構成する置換基の分子量は、150〜5,000程度であることが適しており、500〜3,000程度であることが好ましい。この分子量が大きくなりすぎると硬度が低下するからである。
R3を構成する置換基の分子量は、150〜2,000程度であることが適しており、200〜1,000程度であることが好ましい。この分子量が大きくなりすぎると硬度が低下し、小さくなりすぎると帯電防止効果が低下するからである。
アルコキシポリアルキレングリコール類は、例えば、炭素数1〜6程度のアルコキシ基を含有するポリアルキレングリコール類(アルキレンの炭素数は、例えば、1〜6程度)、具体的には、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール、メトキシポリテトラメチレングリコールが挙げられる。アルコキシポリアルキレングリコール類の分子量は任意に選択できるが、100〜2,000が好ましい。
(メタ)アクリロキシポリアルキレングリコール類は、例えば、(メタ)アクリロキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリロキシポリプロピレングリコールが挙げられる。
ポリアルキレンとポリテトラメチレングリコールとの反応物は、例えば、ポリエチレンとポリテトラメチレングリコールとの反応物、メトキシポリエチレンとポリテトラメチレングリコールとの反応物、(メタ)アクリロキシポリエチレンとポリテトラメチレングリコールとの反応物が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基含有ポリエーテルポリオール類は、ヒドロキシ基が置換された炭素数1〜6程度のアルキル基を含有するアクリレート、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートのエチレンオキサイド付加体(例えば、付加モル数は、1〜20程度)が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加化合物は、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドに代表されるアルキレンオキサイド(例えば、炭素数2〜6程度)を(メタ)アクリル酸に付加させたものが挙げられる。
ジイソシアネート類は、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、(オルト、メタ、パラ)キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレンイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
アルコール化合物は、例えば、炭素数2〜10程度の2〜4価のアルコール類、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト−ルが挙げられる。
アミン化合物は、例えば、ジアミノエタン、ジアミノプロパン、テトラメチレンジアミンが挙げられる。
アルコール化合物又はアミン化合物が付加していると、イソシアネート化合物の1分子あたりの官能基数を増大させることができる。また、これらアルコール化合物やアミン化合物は、硬化重合体の耐擦傷性を増大させるという観点から、官能基あたりの分子量が小さいものを用いることが好ましい。
なお、親水性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の親水性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、式(1)において、特に、(1)ポリエーテルポリオールを主鎖とする化合物として、ポリアルキレングリコール類、アルコキシポリアルキレングリコール類及び(メタ)アクリロイル基含有ポリエーテルポリオール類、(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加化合物と、(2)イソシアネート化合物として、ポリイソシアネート類、イソシアネート基にアルコール化合物が付加したウレタン構造を有するものと、(3)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物として、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ポリオール(メタ)アクリレート類との組み合わせが好ましい。
なお、(A)親水性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂において、(1)ポリエーテルポリオールを主鎖とする化合物、例えば、片末端水酸基含有ポリアルキレングリコール化合物のモル比は、(3)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物のモル比以下であることが好ましい。ポリエーテルポリオール鎖の分子量が大きいほど、架橋重合させた時に帯電防止効果は増大するが硬度は低下する。水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の官能基の数が多いほど、架橋重合させた時に硬度が増大し、逆に少ないほど硬度は低下する。従って、これらを調整することにより、適切な硬度の硬化重合体を得ることができる。
リチウム塩系導電剤としては、例えば、LiN(CF3SO2)2、LiN(SO2C2F5)2、Li(CF3SO2)3C、LiCF3SO3、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCF3CO2、Li(CF3SO2)2、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、四フェニルホウ酸リチウム等が挙げられる。
例えば、陽イオンとして、イミダゾリウム類、ピリジニウム類、ピラゾリウム類、4級アンモニウム類等が挙げられる。
陰イオンとして、パーフルオロアルキルスルホン酸、ビスパーフルオロアルキルスルホンイミド、トリスパーフルオロアルキルスルホンメチド、PF6 −、BF4 −等が挙げられる。
1,3−エチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,3−エチルメチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフェート、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムビスペンタフルオロエタンスルホンイミド、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート;
1−エチルピリジニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、1−ブチルピリジニウムビストリフルオロエタンスルホンイミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビスペンタフルオロエタンスルホンイミド、N,N,N,N−テトラヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド;
1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムテトラフルオロボレート、;
1−エチルピリジニウムヘキサフルオロフォスフェート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムヘキサフルオロフォスフェート;
1−メチルピラゾリウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、1−メチルピラゾリウムビスペンタフルオロエタンスルホンイミド、3−メチルピラゾリウムヘキサフルオロフォスフェート等が挙げられる。
これら以外にも、例えば、特開2006−70120号、特開2007−70420号公報に記載されている当該分野で公知のイオン性液体を例示することができる。
なお、導電剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
オルガノシリカとしては、例えば、下記式(2)で表されるケイ素化合物またはその部分加水分解物が挙げられる。
R5 aR6 bSi(OR7)4−a−b (2)
(式中、R5はエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、ウレイド基又はメルカプト基を含有していてもよい炭素原子数1〜12の有機基、R6は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数1〜8のアルケニル基又は炭素数1〜8のアシル基、R7は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のアシル基であり、aは0又は1、bは0、1又は2である。)
特に、R5がメタクリル基、アクリル基であるケイ素化合物が、膜の硬度をさらに大きくするため、好ましい。このようなケイ素化合物としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどがある。
なお、オルガノシリカゾルは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、オルガノシリカを含有することにより良好なハードコート性を確保することができる。このオルガノシリカは、従来から用いられているイオン性の高い導電剤を併用すると、凝集し、樹脂組成物として均一な組成を得ることができないことが一般に知られているが、本発明の他成分である親水性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂及び多官能(メタ)アクリレート樹脂と、リチウム塩系又はイオン性液体の導電剤とを併用することにより、それらの相互作用によって、これら樹脂に含有されるポリエーテル結合に起因するこれら導電剤の保持によって、特に、オルガノシリカの凝集を有効に防止することができ、均一な組成物を得ることができるとともに、耐久性をも向上させることが可能となる。
ビニル基含有化合物は、例えば、酢酸ビニル、N−ビニルアセトアミド、ビニルピロリドン、ビニルアルキルエーテル類、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸の塩類等が挙げられる。
重合開始剤は、特に限定されないが、活性エネルギー線によりラジカルを発生する光重合開始剤が好ましい。例えば、ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノールが挙げられる。
グリコール類としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。
脂肪族環状ケトン類としては、例えば、シクロヘキサノン、オルト、メタ、パラ−メチルシクロヘキサノン等が挙げられる。
酢酸エステル類としては、例えば、酢酸エチル酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチルが挙げられる。
さらに、ソルベントナフサ、メチルエチルケトン等を用いてもよい。
ここでの成形品は、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹脂等の汎用樹脂からなるプラスチック成形品に限られず、木材、ガラス、金属、セラミック、紙、セメント、これらの複合品等の種々の材料で成形されたものを包含し、好ましくはその表面に、本発明の帯電防止ハードコート用組成物が帯電防止ハードコート層として形成されたものを意味する。また、この成形品としては、本発明の帯電防止ハードコート用組成物が帯電防止ハードコート層を構成するフィルム、転写箔等の形態であってもよい。従って、例えば、透明基材の上に本発明の帯電防止ハードコート用組成物を適用してフィルム形状とし、帯電防止ハードコート用転写箔及び帯電防止ハードコート用フィルムとして、成形品の表面に適用したものでもよい。さらに、成形品がプラスチックからなる場合は、そのプラスチック成形品の意図する特性に影響を及ぼさない限り、成形品を構成するプラスチックに、本発明の帯電防止ハードコート用組成物を混合して、帯電防止ハードコート層としてもよい。
透明基材としては、ポリウレタン樹脂、ポリエピスルフィド樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のような(メタ)アクリル系重合体、アリル系重合体、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、ポリカーボネート、MS樹脂、環状ポリオレフィン等各種合成樹脂からなる基材が挙げられる。基材は、平板状、曲板状、フィルム状等のいずれの形状であってもよい。
塗布は、例えばディップコート法、フローコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、スピンコート法、ロールコート法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、はけ塗り法等により行うことができる。
塗布の厚みは、硬化後に0.01〜100μm程度とすることが適している。
光照射は、紫外線等により約100〜1,500mJ/cm2程度が挙げられる。
プライマー層としては、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。プライマー層の厚みは2〜50nm程度が適している。プライマー層は、これらの樹脂溶液を、ディッピング法、スプレー法、フローコート法、ロールコート法、スピンコート法などいずれかの方法で塗布することにより形成することができる。
以下に、本発明の帯電防止ハードコート用組成物の実施例を詳細に説明する。
4つ口フラスコに攪拌装置、温度計及び冷却装置を取り付け、親水性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を構成するイソシアネート化合物として、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート化物(旭化成工業(株)社製の商品名:デュラネートTPA−100、180.3g/eq)73.4重量部、ポリエーテルポリオールを主鎖とする化合物として、2−ヒドロキシエチルアクリレートのエチレンオキサイド付加体(エチレンオキサイド8モル付加体、575.5g/eq)78.0重量部、メトキノン0.15重量部を仕込み、78〜82℃で3時間反応後、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学(株)社製の商品名:ライトアクリレートPE−3A、498.3g/eq)148.7重量部とジブチル錫ジラウレート1滴とを添加し、さらに、78〜82℃にて6時間反応させて、親水性ウレタンアクリレート樹脂を合成した。
得られた親水性ウレタンアクリレートの赤外吸収スペクトルを測定したところ、2250cm−1のイソシアネート基のピークが消失しており、反応が終了して親水性ウレタンアクリレート樹脂が生成していることを確認した。
4つ口フラスコに攪拌装置、温度計及び冷却装置を取り付け、親水性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を構成するイソシアネート化合物として、へキサメチレンジイソシアネートのヌレート化物(旭化成工業(株)社製の商品名:デュラネートTPA−100)546.0g、ポリエーテルポリオールを主鎖とする化合物として、分子量550のメトキシポリエチレングリコール(日本油脂(株)社製の商品名:ユニオックスM−550[水酸基価100.3])559.0gおよびジブチル錫マレート(三共有機合成(株)社製の商品名:stannSB−65)0.435gを加え、50℃に加熱した。反応が開始すると激しく発熱するため随時冷却した。発熱がほぼなくなったところで80℃に加熱し、1時間反応させた後、冷却した。次いで、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学(株)社製の商品名:ライトアクリレートPE−3A[水酸基価115.4])1069gを加え60℃から80℃で加熱し、2時間反応させて、親水性ウレタンアクリレート樹脂を合成した。
合成例1と同様にIRを測定することにより、親水性ウレタンアクリレート樹脂の生成を確認した。
ペンタエリスリトールトリアクリレートに代えてジペンタエリスリトールペンタアクリレート(共栄社化学(株)社製の商品名:ライトアクリレートDPE−6A[水酸基価49.2])2508gとし、ジブチル錫マレートの量を0.723gにしたこと以外、実施例2と同様にして親水性ウレタンアクリレート樹脂を合成し、その生成を確認した。
4つ口フラスコに攪拌装置、温度計及び冷却装置を取り付け、親水性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を構成するイソシアネート化合物として、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート化物(旭化成工業(株)社製の商品名:デュラネートTPA−100)546.0g、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学(株)社製の商品名:ライトアクリレートPE−3A[水酸基価115.4])486g、ジブチル錫マレート(三共有機合成(株)社製の商品名:stannSB−65)0.445gを加え、50℃に加熱した。反応が開始すると激しく発熱するため随時冷却した。発熱がほぼなくなったところで80℃に加熱し、1時間反応させた後冷却した。次いで、ポリエーテルポリオールを主鎖とする化合物として、アクリル酸エチレンオキサイド9モル付加物(日本油脂(株)社製の商品名:ブレンマーAE−350[水酸基価103.5])1192gを加え60℃に加熱した。反応が開始すると激しく発熱するため随時冷却した。発熱がほぼなくなったところで80℃に加熱し、2時間反応させて、親水性ウレタンアクリレート樹脂を合成し、その生成を確認した。
4つ口フラスコに攪拌装置、温度計及び冷却装置を取り付け、親水性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を構成するイソシアネート化合物として、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート化物(旭化成工業(株)社製の商品名:デュラネートTPA−100)546.0g、ポリエーテルポリオールを主鎖とする化合物として、モノエチレングリコール31.0g、およびジブチル錫マレート(三共有機合成(株)社製の商品名:stannSB−65)0.333gを加え、50℃に加熱した。反応が開始すると激しく発熱するため随時冷却した。発熱がほぼなくなったところで80℃に加熱し、1時間反応させた後冷却した。次いで、ポリエーテルポリオールを主鎖とする化合物として、メトキシポリエチレングリコール(分子量550:日本油脂(株)社製の商品名:ユニオックスM−550[水酸基価100.3])372.7gを加え、再び50℃まで加熱した。反応が開始すると激しく発熱するため随時冷却した。発熱がほぼなくなったところで80℃に加熱し、1時間反応させた後冷却した。次いで、親水性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を構成する水酸基含有(メタ)アクリレート化合物として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学(株)社製の商品名:ライトアクリレートPE−3A[水酸基価115.4])712.8gを加え60℃まで加熱した。反応が開始すると激しく発熱するため随時冷却した。発熱がほぼなくなったところで80℃に加熱し、2時間反応させて、親水性ウレタンアクリレート樹脂を合成し、その生成を確認した。
合成例1で合成した樹脂5重量部、N,N,N,N−テトラへキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド9重量部、オルガノシリカゾル溶液(日産化学社製の商品名:IPA−ST、イソプロピルアルコール約117重量部含む)167重量部に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学(株)社製の商品名:ライトアクリレートDPE−6A)19重量部、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート(共栄社化学(株)社製の商品名:ライトアクリレートDCP−A)17重量部、ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン(チバスペッシャリティケミカルズ(株)社製の商品名:イルガキュア184)3重量部、メチルエチルケトン37.5重量部を混練し、重量比で約40%の樹脂分を含む帯電防止ハードコート用組成物を得た。
各成分の組成を表1に示したものとした以外、実施例1と同様に帯電防止ハードコート用組成物を得た。
合成例2〜5で合成した樹脂を用いる以外、実施例1と同様に帯電防止ハードコート用組成物を得た。
多官能(メタ)アクリレートA(ライトアクリレートDPE−6A):ジペンタエリストールヘキサアクリレート
多官能(メタ)アクリレートB(ライトアクリレートDCP−A):ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート
親水性ウレタンアクリレート樹脂:ポリエーテル系ウレタンアクリレート(合成例1)
導電剤(イオン性液体):1,3−エチルメチルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルホンイミド
導電剤(Li塩系):リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
ポリオキシエチレングリコール:HO−(C2H4O)14−H
オルガノシリカゾル溶液:IPA−ST(固形分30%)
塗布基材:100μmPET(未処理)
得られたコート層について、塗膜状態、表面抵抗率、鉛筆硬度、密着性、さらに耐久性の評価として、温度60℃、湿度90%で1000時間保存後の表面状態及び表面低効率を測定した。
表面抵抗率は、絶縁抵抗測定器(DSM−8103:東亜ディケーケー(株)製)を用い、得られた表面抵抗率を示した。
鉛筆硬度は、鉛筆硬度計500g荷重にて試験を行い、傷の付かなかった鉛筆の硬度を示した。
密着性は、碁盤目試験を行い、100/100のものを◎、90/100以上のものを○、50/100以上のものを△、50/100未満のものを×とする4段階で評価した。
なお、耐久性の評価としての表面状態は、ブリードアウトが全くないものを◎、ほとんどないものを○、部分的にあるものを△、全面にあるものを×とする4段階で評価した。
一方、比較例1〜3においては、導電剤のブリードアウトが発生し、表面抵抗率が著しく上昇し、導電剤の機能を有効に発揮させることができず、耐久性の低いものとなった。
なお、実施例4〜7においても、実施例1等と同様に表面抵抗率を測定するとともに、耐久性の評価を行ったところ、実施例1等と同様の結果が得られることを確認している。
離型処理が施された厚さ40μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、実施例1の帯電防止ハードコート用組成物を塗布、硬化させ、膜厚5μm程度の帯電防止ハードコート層を形成し、帯電防止ハードコートフィルムを作製した。
得られたフィルムを、射出成形金型に挟みこみ、成形同時射出成型法にてアクリル樹脂を射出した。冷却後、帯電防止ハードコート層を有する成型品を得た。
Claims (10)
- (A)イソシアネート化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物と、ポリエーテルポリオールを主鎖とする化合物との反応によって得られる樹脂であり、ただし、前記水酸基含有(メタ)アクリレート化合物は、前記ポリエーテルポリオールを主鎖とする化合物とは異なる、親水性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂1〜20重量部と、
(B)イオン性液体を含む導電剤5〜30重量部と、
(C)多官能(メタ)アクリレートモノマー又はオリゴマー35〜50重量部と、
(D)オルガノシリカゾル10〜100重量部とを含み、
ただし、ポリエーテルポリオールを含まないことを特徴とする帯電防止ハードコート用組成物。 - (A)親水性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂が、下記式(1)
(R1O−CONH−)m−R2−(−NHCO−OR3)n (1)
(式中、R1O−はポリエーテルポリオールを主鎖とする化合物の脱水素残基、−R2−はイソシアネート化合物の脱イソシアネート基残基、R3O−は水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の脱水素残基、m、n=1〜50の整数)
で表されるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む請求項1に記載の帯電防止ハードコート用組成物。 - イソシアネート化合物が、ジイソシアネート類又はジイソシアネート単量体の重縮合したポリイソシアネート類である請求項1に記載の帯電防止ハードコート用組成物。
- イソシアネート化合物が、イソシアネート基にアルコール化合物を付加したウレタン構造及び/又はアミン化合物を付加したウレア構造を有している請求項1に記載の帯電防止ハードコート用組成物。
- ポリエーテルポリオールを主鎖とする化合物が、片末端水酸基含有ポリアルキレングリコール化合物又は(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加化合物である請求項2に記載の帯電防止ハードコート用組成物。
- 片末端水酸基含有ポリアルキレングリコール化合物が、アルコキシポリアルキレングリコール類である請求項5に記載の帯電防止ハードコート用組成物。
- (メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加化合物が、(メタ)アクリル酸をアルキレンオキサイド付加又はポリアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリレート化されたものである請求項5に記載の帯電防止ハードコート用組成物。
- 水酸基含有(メタ)アクリレート化合物が、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ポリオール(メタ)アクリレート類又はアルキレンオキサイド付加ポリオール(メタ)アクリレート類である請求項1に記載の帯電防止ハードコート用組成物。
- 多官能(メタ)アクリレート樹脂が、1分子中に(メタ)アクリロイル基を少なくとも2個有する化合物である請求項1に記載の帯電防止ハードコート用組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1つに記載の帯電防止ハードコート用組成物の硬化重合体が帯電防止ハードコート層として形成されてなることを特徴とする成形品。
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