JP2015077786A - 複合フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、砂塵等が付着し難く、砂塵等による耐傷性に優れ、ブリードアウトの発生を抑制することができる複合フィルムを提供することである。
【解決手段】支持体と、表面被覆層とを有する複合フィルムであって、
表面被覆層が、表面被覆層中の全固形分に対してイオン液体を0.05質量%〜10質量%含有している、複合フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルムミラー、特に太陽光反射用フィルムミラーに好適に用いることができる複合フィルムに関する。
太陽光の反射装置には、太陽光による紫外線や熱、風雨、砂塵等に晒されるため、従来、ガラス製ミラーが用いられてきた。
しかしながら、ガラス製ミラーを用いる場合、輸送時に破損する問題や、ミラーを設置する架台に高い強度が要求されるため建設費がかさむといった問題があった。
このような問題を解決するために、近年では、ガラス製ミラーを樹脂製反射シート(フィルムミラー)に置き換えることが提案されている。
例えば、特許文献1には、「樹脂基材と、前記樹脂基材の少なくとも一方の面に銀反射層が設けられたフィルムミラーであって、前記フィルムミラーは、光入射側に最表層を有し、該最表層の表面の電気抵抗値は、1.0×10−3〜1.0×10Ω・□であり、かつ、鉛筆硬度がH以上6H未満、加重500g/cmのスチールウール試験における傷が30本以下であることを特徴とするフィルムミラー。」が記載されており([請求項1])、最表層がアクリレートまたはウレタン系樹脂を含有する態様が記載されており([請求項2])、また、最表層が帯電防止性を示すため汚れが付着しにくくなる旨が記載されており([0027])、最表層に帯電防止剤を添加したハードコート帯電防止層が好適態様として記載されている([0038])。
国際公開第2011/096320号
本発明者らは、特許文献1に記載されたフィルムミラーについて検討したところ、最表層の樹脂材料や最表層に添加する帯電防止剤の種類によっては、砂塵等が付着し易く、また、砂塵等による耐傷性が劣り、更に、ブリードアウトにより最表層が白濁する場合があることを明らかとした。
そこで、本発明は、砂塵等が付着し難く、砂塵等による耐傷性に優れ、ブリードアウトを抑制することができる複合フィルムを提供することを課題とする。
なお、以下の説明において、砂塵等が付着し難い特性を「砂塵難付着性」ともいい、砂塵等による耐傷性を「砂塵耐傷性」ともい、ブリードアウトを抑制することができる特性を「耐ブリードアウト性」ともいう。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、イオン液体を特定量含有する表面被覆層を有する複合フィルムが、砂塵難付着性および砂塵耐傷性に優れ、耐ブリードアウト性も良好となることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 支持体と、表面被覆層とを有する複合フィルムであって、
表面被覆層が、表面被覆層中の全固形分に対してイオン液体を0.05質量%〜10質量%含有している、複合フィルム。
[2] 表面被覆層の弾性回復率が60%以上であり、かつ、マルテンス硬度が100N/mm2以下である、[1]に記載の複合フィルム。
[3] 表面被覆層を構成する樹脂の50質量%以上が、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂である、[1]または[2]に記載の複合フィルム。
[4] イオン液体が、下記式(A)または下記式(B)で表されるカチオンからなる群から選択される少なくとも1種のカチオンを含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の複合フィルム。
ここで、式(A)中、Rは、炭素数4〜20の炭化水素基を表し、炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜16の炭化水素基を表し、炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。ただし、窒素原子が2重結合を含む場合、Rcはない。
また、式(B)中、Zは、窒素原子、硫黄原子またはリン原子を表し、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。ただし、Zが硫黄原子の場合、Rはない。
[5] イオン液体が、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、ピロリジニウム塩、および、ホスホニウム塩からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]〜[3]のいずれかに記載の複合フィルム。
[6] 更に金属反射層を有し、表面被覆層を最表層とし、フィルムミラーに用いる、[1]〜[5]のいずれかに記載の複合フィルム。
[7] 太陽光反射用フィルムミラーに用いる[6]に記載の複合フィルム。
以下に説明するように、本発明によれば、砂塵難付着性および砂塵耐傷性に優れ、耐ブリードアウト性も良好となる複合フィルムを提供することができる。
本発明の複合フィルム(第1態様)の実施態様の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の複合フィルム(第2態様)の実施態様の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の複合フィルム(第2態様)の実施態様の他の一例を模式的に示す断面図である。
〔第1態様〕
本発明の第1の態様に係る複合フィルムは、支持体と表面被覆層とを有し、表面被覆層が表面被覆層中の全固形分に対してイオン液体を0.05質量%〜10質量%含有している複合フィルムである。
次に、本発明の第1の態様に係る複合フィルムの概要について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の複合フィルム(第1態様)の実施態様の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示す複合フィルム10は、支持体1と、表面被覆層2とを有するものである。
なお、第1の態様に係る複合フィルムの層構成はこの図面に特に限定されるものではなく、例えば、必要に応じて、層間にプライマー層や接着層を設けていてもよく、被着体側にバックコート層を設けていてもよい。
〔第2態様〕
本発明の第2の態様に係る複合フィルムは、第1の態様に係る複合フィルムに、更に金属反射層を設け、上記表面被覆層を最表層とするフィルムミラー用の複合フィルムである。
ここで、「最表層」とは、最も光入射側に設けられ層のことをいう。
次に、本発明の第2の態様に係る複合フィルムの概要について、図2および図3を用いて説明する。
図2および図3は、本発明の複合フィルム(第2態様)の実施態様の一例を模式的に示す断面図である。
図2に示す複合フィルム20は、支持体1、金属反射層3および表面被覆層2をこの順で有する複合フィルムである。
また、図3に示す複合フィルム20は、金属反射層3、支持体1および表面被覆層2をこの順で有する複合フィルムである。
なお、第2の態様に複合フィルムの層構成はこれらの図面に特に限定されるものではなく、例えば、必要に応じて、各層間にプライマー層や接着層を設けていてもよく、被着体側にバックコート層を設けていてもよい。特に、図3に示す態様においては、金属反射層3の支持体1と反対側の表面に金属反射層3を保護する被覆層(図示せず)を有していてもよい。
次に、本発明の第1態様および第2態様に係る複合フィルム(以下、これらをまとめて「本発明の複合フィルム」ともいう。)の各構成について、材料、寸法等を説明する。
<支持体>
本発明の複合フィルムが有する支持体は特に限定されず、その構成材料としては、例えば、フレキシブル性や軽量化の観点から、ガラスエポキシ、ポリエステル、ポリイミド、熱硬化型ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリアラミド、液晶ポリマー等をフィルム状に成形した樹脂フィルム;ガラスフィルム;紙;等が挙げられる。なかでも、取扱い性に優れる点で、樹脂フィルム(樹脂支持体)が好ましい。
樹脂フィルム中の樹脂材料としては、フィルム状に成型できる樹脂であればすべて使用することができるが、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン(BT)樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、液晶樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アラミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルスルホン、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリアセチレン等が好適に挙げられる。中でも、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂であるのが好ましい。
本発明においては、支持体の形状としては、平面、拡散面、凹面、凸面等の各種のフィルム基材として求められる形状であれば、いずれの形状であってもよい。
また、支持体の厚みとしては、生産時の作業性や成型の観点から、10μm〜5mm程度が好ましく、20μm〜1mmであるのがより好ましく、25μm〜500μmであるのが更に好ましい。
また、本発明においては、支持体は、支持体の上に後述する任意の樹脂層を形成しやすくするために、あらかじめ表面処理を施してもよい。
表面処理としては、UV照射、オゾン処理、プラズマ処理、コロナ処理、火炎処理などの表面を分解活性化させる処理;ヒドラジン、N−メチルピロリドン、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液のようなアルカリ性溶液での処理;硫酸、塩酸、硝酸のような酸性溶液での処理;などが挙げられる。
また、支持体表面の汚れを落として清浄にする処理としては、メタノール、エタノール、トルエン、酢酸エチル、アセトン等の有機溶剤による処理;付着したゴミを落とすための水洗処理;等が挙げられる。
これらの表面処理は複数種を組み合わせて行ってもよい。
更に、本発明においては、後述する金属反射層を設けてフィルムミラーとして用いる場合、反射能を向上させる観点から、支持体の表面粗さ(Ra)が50nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましく、5nm以下であることがさらに好ましい。
<表面被覆層>
本発明の複合フィルムが有する表面被覆層は、表面被覆層中の全固形分に対してイオン液体を0.05質量%〜10質量%含有する層である。
本発明の複合フィルムは、このような表面被覆層を有するため、砂塵難付着性および砂塵耐傷性に優れ、耐ブリードアウト性も良好となる。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
すなわち、イオン液体を特定量含有させることにより、表面被覆層の内部でイオン液体が強く保持され、ブリードアウトを抑制しつつシート抵抗を適度に下げることができたため、砂塵難付着性が良好となり、その結果、付着した砂塵等に起因した微小領域における傷の発生も抑制されたためと考えられる。
また、本発明の複合フィルムは、砂塵難付着性および砂塵耐傷性に優れ、耐ブリードアウト性も良好となるという特性を有しているため、フィルムミラー、特に、熱、風雨、砂塵等に長期間晒される太陽光反射用フィルムミラーとして好適に用いることができる。
本発明においては、複合フィルムの砂塵耐傷性がより良好となり、更に耐久性が良好となる理由から、上記表面被覆層の弾性回復率が60%以上であり、かつ、マルテンス硬度が100N/mm2以下であることが好ましい。
砂塵耐傷性がより良好となる理由は詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
すなわち、表面被覆層の硬さが100N/mm2以下であることにより、砂塵等に対する耐衝撃性が良好となり、かつ、表面被覆層の弾性回復率が60%以上であることにより、砂塵等に対する微小領域における傷が自己修復しているためと考えられる。
(回復弾性率)
ここで、表面被覆層の弾性回復率は、ISO 14577−1(計装化押し込み硬さ)に準拠したナノインデンテーション法により、最大荷重1mN(荷重は10秒間かけて最大荷重とする)で測定したものである。具体的には、「最大押し込み深さ(hmax)」と「荷重除荷後の押し込み深さ(hf)」とを測定し、(hmax−hf)/(hmax)から算出されるものである。
最大押し込み深さ(hmax)は最大荷重保持時の押し込み深さである。
荷重除去後の押し込み深さ(hf)は完全に荷重を除去してから10秒後の押し込み深さ(圧痕深さ)である。
例えば、超微小硬度計(DUH−201S、島津製作所社製)を用いて測定することができる。
(マルテンス硬度)
また、表面被覆層のマルテンス硬度は、ISO 14577−1(計装化押し込み硬さ)に準拠したナノインデンテーション法により最大荷重1mN(荷重は10秒間かけて最大荷重とする)で測定した硬度をいう。
例えば、超微小硬度計(DUH−201S、島津製作所社製)を用いて測定することができる。
また、本発明においては、複合フィルムの砂塵耐傷性が更に良好となる理由から、上記表面被覆層のマルテンス硬度は、1〜70N/mm2であるのが好ましく、1〜50N/mm2であるのがより好ましく、1〜30N/mm2であるのが更に好ましい。
また、同様の理由から、上記表面被覆層の弾性回復率は、70〜100%であるのが好ましく、80〜100%であるのがより好ましい。
また、本発明においては、上記表面被覆層の厚さは特に限定されないが、複合フィルムの砂塵耐傷性がより良好となり、また耐久性が良好となり、更に耐ブリードアウト性がより良好となる理由から、1〜50μmであるのが好ましく、3〜30μmであるのがより好ましい。
(樹脂材料)
上記表面被覆層は、弾性回復率が60%以上であり、かつ、マルテンス硬度が100N/mm2以下であり、後述するイオン液体を特定量含む層であれば、その形成(樹脂)材料は特に限定されない。
上記樹脂材料としては、具体的には、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、シリコーン(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ポリロタキサンなどの光硬化性樹脂;ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂(尿素樹脂)、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂などの熱硬化性樹脂;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記光硬化性樹脂における「(メタ)アクリレート」との表現は、アクリレートまたはメタクリレートを表す表現である。
これらのうち、光硬化性樹脂を用いるのが好ましく、複合フィルムの硬度を調整しやすい理由から、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂であるのがより好ましい。
上記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、例えば、ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを反応させてイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成した後に、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(C)を反応させて得られる生成物;ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂とイソシアネートとの重合体;等が好適に挙げられる。
ここで、上記ポリエステルポリオール(A)は、多塩基酸と多価アルコールとを反応させて得られるものであり、その具体例としては、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリオキシプロピレンジオール(PPG)、ポリオキシエチレンジオール等が挙げられる。
また、上記ポリイソシアネート(B)は、分子中にイソシアネート基を2個以上有するものであれば特に限定されず、その具体例としては、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等が挙げられる。
また、上記水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(C)としては、具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシドールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。
一方、ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂とイソシアネートとの重合体としては、特開2012−25821号公報の[請求項2]および[請求項3]ならびに[0142]〜[0148]に記載された方法により調製することができる。
本発明においては、表面の防汚性、耐摩擦係数の低減(滑りやすさ)等の理由から、上記表面被覆層がフッ素原子を含有しているのが好ましい。
フッ素原子を含有させる方法としては、例えば、上述した水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(C)とともに、含フッ素アクリレートモノマーを併用する方法や、特開2011−158751号公報の[0124]段落等に記載されたフッ素化処理により、含有させることができる。
(イオン液体)
上記表面被覆層は、表面被覆層中の全固形分に対してイオン液体を0.05質量%〜10質量%含有する層である。
ここで、表面被覆層中の全固形分とは、上述した樹脂材料の固形分だけでなく、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤などの任意の添加剤の固形分も含む全固形分(不揮発成分)をいう。
また、イオン液体とは、室温以下(通常、150℃以下、好ましくは100℃以下、更に好ましくは50℃以下)の融点を有し、イオン液体を構成するカチオンおよびアニオンのうち少なくとも1つが有機物イオンである常温溶融塩を意味する。
イオン液体を構成するカチオンとしては、例えば、アンモニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、モルホリンカチオン、ピロールカチオン、スルホニウムカチオン等が挙げられる。
これらのうち、砂塵難付着性、砂塵耐傷性および耐ブリードアウト性のバランスが良好となる理由から、下記式(A)または下記式(B)で表されるカチオンからなる群から選択される少なくとも1種のカチオンであるのが好ましい。
また、同様の理由から、アンモニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ホスホニウムカチオンであるのが好ましく、同様の理由が少ない添加量でも達成できる理由から、アンモニウムカチオン、ピリジニウムカチオンであるのがより好ましい。
ここで、式(A)中、Rは、炭素数4〜20の炭化水素基を表し、炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜16の炭化水素基を表し、炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。ただし、窒素原子が2重結合を含む場合、Rcはない。
また、式(B)中、Zは、窒素原子、硫黄原子またはリン原子を表し、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。ただし、Zが硫黄原子の場合、Rはない。
上記式(A)で表されるカチオンとしては、具体的には、例えば、1−エチルピリジニウムカチオン、1−ブチルピリジニウムカチオン、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−へキシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムカチオン、1−エチル−3−ヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘプチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジプロピルピロリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジブチルピロリジニウムカチオン、1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−エチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジプロピルピペリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジブチルピペリジニウムカチオン、2−メチル−1−ピロリンカチオン、1−エチル−2−フェニルインドールカチオン、1,2−ジメチルインドールカチオン、1−エチルカルバゾールカチオン、N−エチル−N−メチルモルフォリニウムカチオ等が挙げられる。
上記式(B)で表されるカチオンとしては、具体的には、例えば、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウムカチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、テトラヘプチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラヘキシルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオン等が挙げられる。
一方、イオン液体を構成するアニオンとしては、例えば、ハロゲン化物イオン(I-、Cl-、Br-等)、SCN-、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、SbF6 -、(CF3SO22-、(CF3CF2SO22-、Ph4-、(C2422-、(CF3SO23-、CF3COO-、CF3SO3 -、C65SO3 -等が挙げられる。
イオン液体としては、例えば、上記で例示されるカチオンおよびアニオンの組み合わせからなる有機塩化合物等が挙げられる。
また、イオン液体の合成方法は特に限定されず、従来公知の方法により、上記で例示されるカチオンおよびアニオンの組み合わせからなる各種の有機塩化合物を合成することができる。
本発明においては、イオン液体の含有量は、表面被覆層中の全固形分に対して0.05質量%〜10質量%であり、砂塵難付着性および砂塵耐傷性がより良好となる理由から、0.1質量%〜10質量%であるのが好ましく、0.5質量%〜5質量%であるのがより好ましい。
本発明の複合フィルムは、このようなイオン液体を表面被覆層に特定量含有しているため、上述した通り、シート抵抗が小さくなる。
具体的には、砂塵難付着性および砂塵耐傷性の観点から、1013Ω/□以下とするのが好ましく、1012Ω/□以下とするのがより好ましく、1011Ω/□以下とするのが更に好ましい。
(表面被覆層の形成方法)
本発明においては、上記表面被覆層の形成方法は特に限定されないが、例えば、上述した光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂とともにイオン液体を含有する硬化性組成物を上記支持体または後述する金属反射層の表面に塗布した後、紫外線照射による光硬化や加熱による加熱硬化する方法等が挙げられる。
上記硬化性組成物の塗布方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法、ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、スクリーンコーター、バーコーター、カーテンコーター等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
<金属反射層>
本発明の第2態様に係る複合フィルムが有する金属反射層は、最表層である表面被覆層側から入射する光を反射する機能を有する層である。
金属反射層の形成材料は、可視光および赤外光を反射する金属材料であれば、特に限定されず、例えば、銀、アルミニウム等が挙げられる。光の反射性能の観点からは、銀、または、銀を含む合金が好ましい。銀または銀を含む合金は、複合フィルムの可視光領域での反射率を高め、入射角による反射率の依存性を低減できる。可視光領域とは、400〜700nmの波長領域を意味する。ここで、入射角とは層面に対して垂直な線に対する角度を意味する。
銀合金としては、金属反射層の耐久性が向上する点から、金属反射層の反射特性に影響がない程度において、他の金属、例えば、金、パラジウム、銅、ニッケル、鉄、ガリウム、インジウム、チタン、およびビスマスからなる群の金属から選ばれる1種以上の金属を含んでいてもよい。銀合金としては、銀と、金、銅、ニッケル、鉄、パラジウムから選ばれる1種以上の金属との合金が、耐湿熱性、反射率等の観点から特に好ましい。
例えば、金属反射層が銀合金からなる層である場合、銀の含有量は、金属反射層における銀と他の金属との合計(100原子%)中、90〜99.8原子%が好ましい。また、他の金属の含有量は、耐久性の点から0.2〜10原子%が好ましい。
金属反射層の表面粗さ(Ra)は、20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましく、5nm以下であることが更に好ましい。この範囲内とすることで、複合フィルムの反射率が向上し、太陽光を効率良く反射することが可能となる。また、フィルムミラーを太陽光集光用途に用いる場合、金属反射層の表面の算術平均粗さRaが低い方が、反射光の広がりを抑制できるので好ましい。反射光の広がりを抑制することは、離れた位置にあるターゲットに反射光を集光する用途において特に重要である。
金属反射層の形成方法は、特に限定されず、湿式法または乾式法のいずれを採用してもよい。湿式法としては、例えば、電気めっき法が挙げられる。乾式法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等が挙げられる。
以下、金属反射層を電気めっき法により形成する場合について、説明する。電気めっき法としては、従来公知の方法を用いることができる。後述するめっき下塗りポリマー層を支持体上に形成する場合、めっき下塗りポリマー層に含まれる金属粒子が電極としての機能を有するため、めっき下塗りポリマー層に対して電気めっきを行なうことにより、支持体との密着性に優れた金属反射層を形成することができる。めっきに用いられる金属化合物としては、例えば、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、炭酸銀、メタンスルホン酸銀、アンモニア銀、シアン化銀、チオシアン酸銀、塩化銀、臭化銀、クロム酸銀、クロラニル酸銀、サリチル酸銀、ジエチルジチオカルバミン酸銀、ジエチルジチオカルバミド酸銀、p−トルエンスルホン酸銀等の銀化合物が挙げられる。これらの中でも、環境影響や平滑性の観点から、メタンスルホン酸銀が好ましい。
なお、めっき下塗りポリマー層と金属反射層との間には、例えば、銅、ニッケル、クロム、鉄等の他の金属を含有する金属層を下地金属層として有していてもよい。
また、電気めっき法により得られる金属反射層の膜厚は、めっき浴中に含まれる金属濃度、または、電流密度を調整することで制御することができる。適切な厚みの下地金属層を入れることで、表面平滑化による反射率向上やピンホール低減が可能となる。
金属反射層の膜厚は、ピンホールなく反射膜を形成する観点、および、金属反射層の表面に光を散乱させるような凹凸を作らないという観点から、0.05〜2.0μmが好ましく、0.08〜0.5μmがより好ましい。
また、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を利用して真空蒸着等の乾式めっきを行なうことにより、金属反射層を形成してもよい。この方法によれば、めっき下塗りポリマー層の表面が金属で覆われているため、通常の蒸着等よりも密着性がよく、かつ、熱に対しても強い金属反射層を形成することができる。
電気めっきの後、金属反射層の反射性能や耐久性を向上させるために、金属反射層を強酸や強アルカリ等で処理してもよい。また、金属反射層表面に、無機皮膜や金属酸化皮膜を形成してもよい。また、金属反射層表面に、変色防止剤を含有する変色防止剤層を設けてもよい。変色防止剤層は、金属反射層の変色防止に機能する。変色防止剤としては、チオエーテル系、チオール系、Ni系有機化合物系、ベンゾトリアゾール系、イミダゾール系、オキサゾール系、テトラザインデン系、ピリミジン系、チアジアゾール系等の変色防止剤が挙げられる。変色防止剤層は、大別して、金属を吸着する吸着基を有するものや、酸化防止剤が好ましく用いられる。
このような金属反射層を有する本発明の第2の態様に係る複合フィルムは、フィルムミラー(反射鏡)として好適に用いることができる。なかでも、太陽光の反射用として好適に用いることができる。
その応用態様としては、例えば、太陽光反射板への適用が挙げられる。具体的には、樹脂、金属、およびセラミックのいずれかからなる基板や枠体に、複合フィルムを固定化することで、金属反射層による鏡面を作製し、太陽光反射板を作製することができる。このようにして作製された複数のミラーユニットを配置して太陽光を効率的に集光することが好ましい。特に、上記ミラーユニットを太陽の日周運動に追尾させる太陽光追尾システムと、を備えることで、より効率的な太陽光の集光を実現できる。
<保護層>
本発明の第2態様に係る複合フィルムは、表面被覆層と金属反射層との密着性を高めると共に、金属反射層の鏡面性の安定化を図る観点から、金属反射層の入射光側の表面上に任意の保護層を設けていてもよい。
保護層の形成に用いられる樹脂材料としては、フィルムまたは層を形成しうる樹脂であって、形成されたフィルムまたは層の強度、耐久性、空気や水分の遮断性、さらには、表面保護フィルムとの密着性に加え、透明性、特にフィルムミラーが必要とする波長の光に対する高い透過性を有する樹脂が好ましい。
保護層を形成する材料としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、シリコーン(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂などの光硬化性樹脂;ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂(尿素樹脂)、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂などの熱硬化性樹脂;ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリロタキサン樹脂、メラミン樹脂;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
保護層の厚みは特に制限されないが、砂塵耐傷性および耐砂付着性がより良好となる理由から、0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましく、5μm以上であることがさらに好ましく、8μm以上であることが特に好ましい。上限は特に制限されないが、通常、透過性の観点から、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。
保護層の形成方法は特に限定されないが、例えば、上述したポリビニルアセタール樹脂や後述する溶媒、添加剤等を含有する保護層形成用組成物を上述した金属反射層の表面に塗布した後、加熱による乾燥や、紫外線照射による硬化させる方法などが挙げられる。
上記保護層形成用組成物の塗布方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法、ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、スクリーンコーター、バーコーター、カーテンコーター等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
保護層形成用組成物は、溶媒や各種添加剤を含有していてもよい。
保護層形成用組成物に使用される溶媒は特に限定されず、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶媒;酢酸などの酸;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル系溶媒;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒;エーテル系溶媒;グリコール系溶媒;アミン系溶媒;チオール系溶媒;ハロゲン系溶媒;等が挙げられる。
この中でも、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、カーボネート系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒が好ましく、具体的には、アセトン、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、N−メチルピロリドン、ジメチルカーボネート、トルエンが好ましい。
密着性に優れた保護層を均一に形成するという観点からは、保護層形成用組成物の固形分濃度は、1〜50質量%の範囲であることが好ましい。
保護層形成用組成物は、更に架橋剤を含有してもよい。架橋剤を含有することで、保護層中に架橋構造が形成されることにより、強度がより向上し、さらに、隣接する金属反射層との密着性がより向上するなどの利点を有することになる。架橋剤としては、保護層を構成する樹脂との相関により選択することができ、例えば、カルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、アミン化合物、エポキシ化合物、オキセタン化合物、メラミン化合物、ビスビニルスルオン化合物などが挙げられ、効果の観点からは、カルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、およびアミン化合物からなる群より選ばれ少なくとも1種の架橋剤が好ましい。
<樹脂層>
本発明の第2態様に係る複合フィルムは、支持体と金属反射層との間に、主に両者の密着性を向上させる機能を有する任意の樹脂層を設けていてもよい。
樹脂層としては、金属を接着しやすくするための接着層や、金属反射層をめっき法により形成する場合に有用なめっき下塗りポリマー層などが挙げられ、これらは単層構成であっても2層以上の複数層から構成されるものであってもよい。
(接着層)
接着層は、支持体と金属反射層との接着性を向上させる層である。また、接着層上に後述するめっき下塗りポリマー層を設ける場合には、接着層が支持体とめっき下塗りポリマー層との接着性を向上させることで、結果として、支持体と金属反射層との接着性がより向上する。
接着層は、隣接する支持体との接着性の観点から、支持体を構成する樹脂と同じ樹脂、または、支持体を構成する樹脂と親和性を有する樹脂を含んでいることが好ましい。接着層に含まれる樹脂は、例えば、熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂でもまたそれらの混合物でもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート系樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等が挙げられる。熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。2種以上の樹脂の併用は、それぞれの欠点が補うことでより優れた効果を発現させる目的で行われる。
接着層を、めっき下塗りポリマー層と支持体との間に設ける場合には、後述するめっき下塗りポリマー層に含まれる、金属前駆体と相互作用する官能基および重合性基を有する高分子化合物との間で、相互作用し得る活性点を発生する活性種を含有することが好ましい。このような接着層は、例えば、ラジカル重合開始剤を含有する重合開始層や、重合開始可能な官能基を有する樹脂からなる重合開始層が好ましい。より具体的には、接着層は、高分子化合物とラジカル重合開始剤とを含む層や、重合性化合物とラジカル重合開始剤とを含む層、または、重合開始可能な官能基を有する樹脂からなる層が好ましい。重合開始可能な官能基を有する樹脂からなる層としては、例えば、特開2005−307140号公報の段落[0018]〜[0078]に記載の重合開始部位を骨格中に有するポリイミドが挙げられる。
さらに、接着層を形成する際に、層内での架橋を進めるために重合性の二重結合を有する化合物、具体的には、アクリレート化合物、メタクリレート化合物を用いてもよく、特に、多官能のものを用いることが好ましい。その他、重合性の二重結合を有する化合物として、熱硬化性樹脂、または、熱可塑性樹脂、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等に対し、その一部を、メタクリル酸やアクリル酸等を用いて、(メタ)アクリル化させた樹脂を用いてもよい。
接着層には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、接着性付与剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤を1種または2種以上添加してもよい。
接着層の厚みは、一般に、0.1〜10μmの範囲であることが好ましく、0.2〜5μmの範囲であることがより好ましい。
(めっき下塗りポリマー層)
金属反射層を金属めっきにより作製する場合、金属反射層と支持体との間にめっき下塗りポリマー層を設けることが好ましい。めっき下塗りポリマー層は、上述しためっき(電気めっきなど)を行う際に、電極として作用する成分(例えば、金属粒子)を含む層である。
めっき下塗りポリマー層を形成するために用いられるめっき下塗りポリマーは、重合性基、および、金属前駆体と相互作用する官能基(以後、適宜「相互作用性基」と称する。)を少なくとも有する。めっき下塗りポリマーの主骨格としては、アクリルポリマー、ポリエーテル、アクリルアミド、ポリアミド、ポリイミド、アクリルポリマー、ポリエステル等が好ましいが、アクリルポリマーがより好ましい。
めっき下塗りポリマーは、目的に応じて、重合性基を含む構成単位、および、相互作用性基を含む構成単位以外の構成単位を含んでいてもよい。重合性基を含む構成単位、および、相互作用性基を含む構成単位以外の構成単位(以下、適宜、他の構成単位と称する。)を含むことによって、めっき下塗りポリマー形成用組成物としたときに、水または有機溶剤への溶解性に優れ、均一なめっき下塗りポリマー層を形成することができる。
めっき下塗りポリマーの好ましい態様として、相互作用性基として酸性基と、重合性基とを側鎖に有するアクリルポリマーが挙げられる。以下、めっき下塗りポリマーに含まれる重合性基、相互作用性基、およびその特性等について詳述する。
−重合性基−
めっき下塗りポリマーが有する重合性基は、エネルギー付与により、ポリマー同士、または、ポリマーと支持体(支持体上に上記接着層が形成されている場合には、接着層)との間で化学結合を形成し得る官能基であればよい。重合性基としては、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基等が挙げられる。なかでも、反応性の観点から、ラジカル重合性基が好ましい。
ラジカル重合性基としては、例えば、メタクリロイル基、アクリロイル基、イタコン酸エステル基、クロトン酸エステル基、イソクロトン酸エステル基、マレイン酸エステル基、スチリル基、ビニル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基等が挙げられる。なかでも、メタクリロイル基、アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アクリルアミド基、または、メタクリルアミド基が好ましく、中でも、ラジカル重合反応性および合成汎用性の点から、メタクリロイル基、アクリロイル基、アクリルアミド基またはメタクリルアミド基が好ましく、耐アルカリ性の観点からアクリルアミド基またはメタクリルアミド基が更に好ましい。なかでも、アクリルポリマーに導入される重合性基としては、(メタ)アクリレート基または(メタ)アクリルアミド基等の(メタ)アクリル基、カルボン酸のビニルエステル基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基等の各種重合性基が好ましい。
−相互作用性基−
めっき下塗りポリマーが有する相互作用性基は、金属前駆体と相互作用する官能基(例えば、配位性基、金属イオン吸着性基等)であり、金属前駆体と静電相互作用を形成可能な官能基、または、金属前駆体と配位形成可能な含窒素官能基、含硫黄官能基、含酸素官能基等を使用することができる。
相互作用性基としてより具体的には、アミノ基、アミド基、イミド基、ウレア基、トリアゾール環、イミダゾール基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、トリアジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、ピロリジン基、ピラゾール基、アルキルアミン構造を含む基、シアノ基、シアネート基(R−O−CN)等の含窒素官能基;エーテル基、水酸基、フェノール性水酸基、カルボキシル基、カーボネート基、カルボニル基、エステル基、N−オキシド構造を含む基、S−オキシド構造を含む基、N−ヒドロキシ構造を含む基等の含酸素官能基;チオフェン基、チオール基、チオウレア基、スルホキシド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル構造を含む基等の含硫黄官能基;ホスフォート基、ホスフォロアミド基、ホスフィン基、リン酸エステル構造を含む基等の含リン官能基;塩素、臭素等のハロゲン原子を含む基等が挙げられ、塩構造をとり得る官能基においては、それらの塩も使用することができる。
相互作用性基としては、非解離性官能基であっても、イオン性極性基であってもよく、これらが同時に含まれていてもよいが、イオン性極性基が好ましい。
イオン性極性基からなる相互作用性基としては、上記相互作用性基の中でも、めっき下塗りポリマーの支持体(支持体上に上記接着層が形成されている場合には、接着層)に対する密着性の観点から、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、または、ボロン酸基が挙げられ、なかでも、適度な酸性(他の官能基を分解しない)を有する点、他の官能基に影響を与える懸念が少ない点、金属反射層との親和性に優れる点、および、原料が入手容易であるという点から、カルボン酸基が特に好ましい。
カルボン酸基等のイオン性極性基は、酸性基を有するラジカル重合性化合物を共重合させることにより、めっき下塗りポリマーに導入することができる。めっき下塗りポリマーの好適な構成については、ラジカル重合性基と非解離性官能基からなる相互作用性基を有するポリマーとして、特開2009−007540号公報の段落[0106]〜[0112]に記載のポリマー等が使用できる。また、ラジカル重合性基とイオン性極性基からなる相互作用性基とを有するポリマーとしては、特開2006−135271号公報の段落[0065]〜[0070]に記載のポリマー等が使用できる。ラジカル重合性基と、非解離性官能基からなる相互作用性基と、イオン性極性基からなる相互作用性基とを有するポリマーとしては、特開2010−248464号公報の段落[0010]〜[0128]、特開2010−84196号公報、及び米国特許出願公開2010−080964号明細書の段落[0030]〜[0108]に記載のポリマー等が使用できる。
なお、後述する金属前駆体は、めっき下塗りポリマー層形成後に付与してもよく、また、めっき下塗りポリマー層形成用組成物に当初から含有させてもよい。
めっき下塗りポリマー層は、エネルギー付与に対する感度を高めるために、光重合開始剤、熱重合開始剤等のラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。ラジカル重合開始剤としては、特に限定されず、一般に公知のものが使用される。但し、エネルギー付与により、めっき下塗りポリマーが支持体や接着層と相互作用する活性点を生成し得る場合、即ち、上述したポリマー骨格中に重合開始部位を有するポリマーを用いるような場合には、これらのラジカル重合開始剤を添加しなくてもよい。
めっき下塗りポリマー層形成用組成物に含有させるラジカル重合開始剤の量は、めっき下塗りポリマー層形成用組成物の構成に応じて選択されるが、一般的には、めっき下塗りポリマー層形成用組成物中に、0.05〜10質量%程度であることが好ましく、0.1〜5.0質量%程度であることがより好ましい。
めっき下塗りポリマー層は、めっき下塗りポリマーを含むポリマー層形成用組成物を支持体上(支持体上に上記接着層が形成されている場合には、接着層上)に塗布し、エネルギーを付与することにより形成することができる。支持体上にめっき下塗りポリマー層を直接設ける場合には、予め支持体の表面にエネルギーを付与する等の易接着処理を施しておくことが好ましい。支持体上にめっき下塗りポリマー層を設ける方法は特に限定されず、めっき下塗りポリマーを含むめっき下塗りポリマー層形成用組成物中に支持体を浸漬する方法や、めっき下塗りポリマーを含むめっき下塗りポリマー層形成用組成物を支持体上に塗布する方法などが挙げられる。得られるめっき下塗りポリマー層の厚みを制御しやすい点から、めっき下塗りポリマーを含むめっき下塗りポリマー層形成用組成物を支持体上に塗布する方法が好ましい。
めっき下塗りポリマーを含むポリマー層形成用組成物の塗布量は、後述する金属前駆体との充分な相互作用形成性の観点から、固形分換算で0.05〜10g/m2が好ましく、特に0.3〜5g/m2がより好ましい。支持体等へ塗布しためっき下塗りポリマーを含むめっき下塗りポリマー層形成用組成物の塗布液は、20〜60℃で1秒から2時間乾燥した後、60℃を超える温度で1秒〜2時間乾燥することが好ましく、20〜60℃で1秒〜20分乾燥した後、60℃を超える温度で1秒〜20分乾燥することがより好ましい。
エネルギー付与方法としては、例えば、加熱や露光が挙げられる。露光によるエネルギー付与方法としては、具体的には、UVランプ、可視光線等による光照射が可能である。露光で使用する光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線等がある。また、g線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。露光パワーは、重合を容易に進行させるため、また、ポリマーの分解を抑制するため、あるいは、ポリマーが良好な相互作用を形成するため、といった観点から10〜8000mJ/cm2の範囲であることが好ましく、100〜3000mJ/cm2の範囲であることがより好ましい。なお、露光は、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスによる置換を行ない、酸素濃度を600ppm以下、好ましくは400ppm以下に抑制した雰囲気中で行なってもよい。
加熱によるエネルギー付与は、例えば、一般の熱ヒートローラー、ラミネーター、ホットスタンプ、電熱板、サーマルヘッド、レーザー、送風乾燥機、オーブン、ホットプレート、赤外線乾燥機、加熱ドラム等により行なうことができる。また、加熱によりエネルギー付与を行なう場合、その温度は、重合を容易に進行させるため、また、支持体の熱変性を抑制するため、20〜200℃の範囲であることが好ましく、40〜120℃の範囲であることがより好ましい。
エネルギー付与後は、更に適宜、未反応のポリマーを除去する工程を設けてもよい。めっき下塗りポリマー層の膜厚は、特に限定されないが、支持体等との密着性の観点から、0.05〜10μmであることが好ましく、0.3〜5μmであることがより好ましい。また、上記方法により得られるめっき下塗りポリマー層の表面粗さ(Ra)は、反射性能の観点から、20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。
めっき下塗りポリマー層は、還元された金属粒子を含む。めっき下塗りポリマー層に含まれる還元された金属粒子は、めっき下塗りポリマー層に金属前駆体を付与し、この金属前駆体を還元して、金属前駆体を還元された金属粒子とすることによって得られる。金属前駆体をめっき下塗りポリマー層に付与すると、上記相互作用性基に、金属前駆体が相互作用により付着する。
本発明において用いられる金属前駆体は、還元反応により金属に変化させることで電極として機能するものであれば、特に限定されない。また、金属前駆体としては、金属反射層の形成において、めっきの電極として機能するものが好ましく挙げられる。そのため、金属前駆体は、金属に還元させることで電極として機能するものが好ましい。具体的には、Au、Pt、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどの金属イオンが用いられる。金属前駆体である金属イオンは、めっき下塗りポリマーを含む組成物(めっき下塗りポリマー層形成用組成物)に含まれており、支持体上に層を形成した後、還元反応によって0価の金属粒子となる。金属前駆体である金属イオンは、金属塩としてめっき下塗りポリマー層形成用組成物に含まれることが好ましい。
金属イオンとしては、配位可能な官能基の種類、数、および、触媒能の点で、Agイオン、Cuイオン、Pdイオンが好ましい。Agイオンとしては、以下に示す銀化合物が解離したものを好適に用いることができる。銀化合物の具体例としては、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、炭酸銀、シアン化銀、チオシアン酸銀、塩化銀、臭化銀、クロム酸銀、クロラニル酸銀、サリチル酸銀、ジエチルジチオカルバミン酸銀、ジエチルジチオカルバミド酸銀、p−トルエンスルホン酸銀が挙げられる。この中でも、水溶性の観点から硝酸銀が好ましい。Cuイオンを用いる場合、以下に示すような銅化合物が解離したものを好適に用いることができる。銅化合物の具体例としては、硝酸銅、酢酸銅、硫酸銅、シアン化銅、チオシアン酸銅、塩化銅、臭化銅、クロム酸銅、クロラニル酸銅、サリチル酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミド酸銅、p−トルエンスルホン酸銅が挙げられる。この中でも、水溶性の観点から硫酸銅が好ましい。
金属前駆体は、分散液または溶液(金属前駆体液)として、めっき下塗りポリマー層に付与されることが好ましい。付与の方法としては、例えば、めっき下塗りポリマー層を備える支持体上に金属前駆体液を塗布する方法、めっき下塗りポリマー層を備える支持体を金属前駆体液に浸漬する方法などが挙げられる。
金属前駆体のめっき下塗りポリマー層への付与に金属前駆体液を用いる場合、金属前駆体の粒子径は、1〜200nmが好ましく、1〜100nmがより好ましく、1〜60nmであることが更に好ましい。この粒子径とすることで、還元された金属粒子の粒子径を所望の大きさに制御することができる。
めっき下塗りポリマー層に付与した金属前駆体である金属イオンは、金属活性化液(還元液)により還元する。金属活性化液は、金属前駆体(主に金属イオン)を0価金属に還元できる還元剤と、還元剤を活性化するためのpH調製剤からなる。金属活性化液全体に対する還元剤の濃度は、0.05〜50質量%であることが好ましく、0.1〜30質量%であることがより好ましい。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボランのようなホウ素系還元剤、ホルムアルデヒド、次亜リン酸等の還元剤を用いることが可能である。特に、ホルムアルデヒドを含有するアルカリ水溶液で還元することが好ましい。
金属活性化液全体に対するpH調整剤の濃度は、0.05〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。
pH調整剤としては、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸水素ナトリウム、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を使用することが可能である。還元時の温度は、10〜100℃が好ましく、20〜70℃がより好ましい。これら濃度や温度範囲は、還元の際の、金属前駆体の粒子径、ポリマー層の表面粗さ、導電性(表面抵抗値)、還元液の劣化の観点からこの範囲であることが好ましい。
還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層の表面抵抗値は、0.001〜100Ω/□であることが好ましく、0.03〜50Ω/□であることがより好ましい。この範囲内であると、均一および平滑にめっき面が形成され反射率が良好となる。
また、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層の表面粗さ(Ra)は、反射性能の観点から、20nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましい。
このようにして得られた金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層は、上述した金属反射層を湿式法であるめっき法により形成する際に好適に用いられ、めっき下塗りポリマー層を用いてめっき法により形成された金属反射層は、支持体との密着性と表面平滑性に優れる。
<他の機能層>
本発明のフィルムミラーは、上述した層構成に加えて、所望の用途に合わせて、紫外線吸収層、紫外線反射層、ガスバリア層、粘着剤層、支持体裏面保護層、白色層等の他の機能層を設置してもよい。
<添加剤>
本発明においては、上述した保護層、支持体(特に樹脂支持体)、表面被覆層、樹脂層(接着層、めっき下塗りポリマー層)、および、他の機能層(以下、これらの層および支持体をまとめて「機能層」とも略す。)、または、機能層の形成に使用する組成物に、必要に応じて、例えば、光重合開始剤、熱重合開始剤、カチオン重合開始剤、アニオン重合開始剤、帯電防止剤、表面調整剤(例えばレベリング剤、フッ素系防汚添加剤など)、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、ラジカル補足剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、顔料、分散剤、シランカップリング剤などの添加剤を含有していてもよい。
(表面調整剤)
表面調整剤は、上述した機能層において、表面平滑性や防汚性を付与する観点から、機能層を形成する組成物に任意に添加することができる成分である。
表面調整剤として一般的に使用される物質としては、例えば、ポリアルキルアクリレートなどのポリアクリレート系ポリマー;ポリアルキルビニルエーテルなどのポリビニルエーテル系ポリマー;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル、ポリエステル、アラルキルなどが導入された有機変性ポリシロキサンなどのシリコーン系ポリマー;これらのポリマーにフッ素原子を含有するもの;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フッ素原子を有する表面調整剤としては、例えば、フッ素含有基を有するモノマーを共重合させることにより得ることができる。特に、フッ素系表面調整剤を含んでなる膜(層)においては、膜表面の表面エネルギーが下がることで撥水・撥油性の表面を成し、膜表面に防汚性を付与することができる。
具体的な商品としては、例えば、サーフロン「S−381」、「S−382」、「SC−101」、「SC−102」、「SC−103」、「SC−104」(いずれも旭硝子株式会社製)、フロラード「FC−430」、「FC−431」、「FC−173」(いずれもフロロケミカル−住友スリーエム製)、エフトップ「EF352」、「EF301」、「EF303」(いずれも新秋田化成株式会社製)、シュベゴーフルアー「8035」、「8036」(いずれもシュベグマン社製)、「BM1000」、「BM1100」(いずれもビーエム・ヒミー社製)、メガファック「F−171」、「F−470」、「F−780−F」、「RS−75」、「RS−72−K」(いずれもDIC社製)、BYK340(ビックケミー・ジャパン社製)、「ZX−049」、「ZX−001」、「ZX−017」(何れも富士化成工業社製)等を挙げることができる。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、サリチル酸フェニル系、ヒンダードアミン系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤や、酸化チタン等の無機粒子型の紫外線吸収剤等が挙げられ、こられを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、フェニルサルチレート、2−4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、上記以外に紫外線の保有するエネルギーを、分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを、熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物が含まれる。
(光安定剤)
光安定剤は、光(主に紫外線)による酸化劣化を防止する観点から、機能層を形成する組成物に任意に添加することができる成分である。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾエート系光安定剤などが好ましく、中でも、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)が好ましい。光安定剤は1種または2種以上を併用することができる。
商業的に入手可能なヒンダードアミン光安定剤としては、例えば、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物である光安定剤として、「TINUVIN 622」(チバ・ジャパン社製);コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物とN,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミンとの1対1の反応生成物である光安定剤として「TINUVIN 119」(チバ・ジャパン社製);ジブチルアミン・1,3−トリアジン・N, N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−へキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物である光安定剤として「TINUVIN 2020」(チバ・ジャパン社製);ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}へキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]である光安定剤として「TINUVIN 944」(チバ・ジャパン社製);ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートとの混合物である光安定剤として「TINUVIN 765」(チバ・ジャパン社製);ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートである光安定剤として「TINUVIN 770」(チバ・ジャパン社製);デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1 −(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル(1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシド)とオクタンとの反応生成物である光安定剤として「TINUVIN 123 」(チバ・ジャパン社製);ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートである光安定剤として「TINUVIN 144」(チバ・ジャパン社製);シクロへキサンと過酸化N−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの反応生成物と2−アミノエタノールとの反応生成物である光安定剤として「TINUVIN 152」(チバ・ジャパン社製);ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとメチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートとの混合物である光安定剤として「TINUVIN 292」(チバ・ジャパン社製);等が挙げられる。
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、チオール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、具体的には、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(3’ ,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス[1,1−ジ−メチル−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げられる。特に、フェノール系酸化防止剤としては、分子量が550以上のものが好ましい。
チオール系酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)等が挙げられる。ホスファイト系酸化防止剤としては、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス−(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)−ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡製、コスモシャインA−4300、厚さ:250μm)上に、下記工程により電気めっきにて銀含有金属反射層を設けた。
(銀反射層が形成されたPETフィルムの作製)
下記構造のアクリルポリマー1(22.02質量部)、1−メトキシ−2−プロパノール(72.73質量部)、および、シクロヘキサノン(4.74質量部)の混合溶液に、界面活性剤(F−780−F、固形分30%、DIC社製)(0.16質量部)、および、光重合開始剤(エサキュアKTO−46、ランベルディー社製)(0.35質量部)を添加し、撹拌することにより、めっき下塗りポリマー層形成用塗布液を調製した。
次いで、PETフィルム(A4300、東洋紡社製)上に、調製した上記めっき下塗りポリマー層形成用塗布液を、バーコート法により塗布し、25℃にて5分間乾燥し、次いで80℃にて5分間乾燥して塗膜を得た。
上記塗膜に対して、三永電機製のUV露光機(型番:UVF−502S、ランプ:UXM−501MD)を用いて、254nmの波長で600mJ/cm2の積算露光量にて照射を行い、めっき下塗りポリマー層(厚み:0.55μm)を形成した。
その後、上記めっき下塗りポリマー層付きPETフィルムを1wt%炭酸水素ナトリウム水溶液中に5分間浸漬し、めっき下塗りポリマー層から未反応のポリマーを除去した。
次いで、めっき下塗りポリマー層付きPETフィルムを純水で洗浄し、さらに風乾した。
(金属反射層の形成)
次に、上記めっき下塗りポリマー層付きPETフィルムを1wt%硝酸銀水溶液中に5分間浸漬し、次いで純水で洗浄、風乾することで、銀イオンを付与しためっき下塗りポリマー層付きPETフィルムを得た。
上記銀イオンを付与しためっき下塗りポリマー層付きPETフィルムを、0.14wt%のNaOHと0.25wt%のホルマリンとを含むアルカリ水溶液に1分間浸漬し、その後純水で洗浄し、風乾することで、めっき下塗りポリマー層表面近傍に還元銀層(膜厚約20nm)が形成された、還元銀層付きPETフィルムを得た。
次に、上記還元銀層付きPETフィルムに対して、以下の電気めっき処理を行い、還元銀層上に厚み50nmの銀層を有する銀層付きPETフィルムを得た。
電気めっき液として、ダインシルバーブライトPL50(大和化成社製)を用い、8M水酸化カリウムによりpH7.8に調整した。還元銀層付きPETフィルムを電気めっき液に浸漬し、0.33A/dm2にて15秒間めっきし、その後、純水で1分間掛け流しにより洗浄し、風乾した。
得られた銀層付きPETフィルムを、チオ尿素水溶液(チオ尿素:100質量ppm)に60秒間浸漬することにより、銀層の表面を処理した。表面処理後に純水で洗浄し、風乾した。
次に、表面処理後の銀層に対して、以下の電気めっき処理を行い、表面処理後の銀層上に厚み75nmの銀層をさらに形成し、銀反射層を得た。
電気めっき液として、ダインシルバーブライトPL50(大和化成社製)を用い、8M水酸化カリウムによりpH7.8に調整した。表面処理後の銀層付きPETフィルムを、電気銀めっき液に浸漬し、0.5A/dm2にて15秒間めっきし、その後、純水で1分間掛け流しにより洗浄し、風乾した。
さらに、酸化皮膜を除去するために、電気めっき後処理として、ダインシルバーACC(大和化成社製)の10質量%水溶液(メタンスルホン酸:6質量%)に90秒間浸漬した。その後、純水で1分間掛け流しにより洗浄し、風乾した。
このようにして、銀反射層が形成されたPETフィルムを得た。形成された銀層の表面の算術平均粗さRaを原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定したところ、3.4nmであった。
(保護層の形成)
ワイヤーバーを用いて、後述する保護層形成用組成物1を、乾燥膜厚が8μmとなるように銀反射層の表面上に塗布した。その後130℃で乾燥し、硬化させた保護層を形成した。
−保護層形成用組成物1の組成−
・ブチラール樹脂:エスレックBL−1(積水化学工業(株)製、粉末)
14.48質量部
・界面活性剤:メガファックF−780−F
(DIC(株)製、固形分3質量%、MEK希釈) 0.29質量部
・UV吸収剤:チヌビン405(BASFジャパン(株)製) 1.45質量部
・酸化防止剤:Irganox1076(BASFジャパン(株)製)
0.14質量部
・溶媒1:メチルイソブチルケトン 58.63質量部
・溶媒2:1−メトキシ−2−プロパノール 20.00質量部
・溶媒3:シクロヘキサノン 5.00質量部
(表面被覆層の形成)
ワイヤーバーを用いて、後述する表面被覆層形成用組成物1を、乾燥膜厚が15μmとなるように保護層上に塗布した。その後、130℃で乾燥して硬化させ、表面被覆層を形成し、金属反射層および表面被覆層を有する複合フィルムを作製した。
なお、形成された表面被覆層の全固形分に対するイオン液体の含有量(質量%)は下記第1表に示す通りである。
−表面被覆層形成用組成物1の組成−
・ウレタン樹脂構成物:パンデックスGW−3250
(DIC(株)製、固形分70%) 57.69質量部
・開始剤:IRGACURE127(BASFジャパン(株)製)
0.85質量部
・界面活性剤:F−780(DIC(株)製、固形分3%、MEK希釈)
0.42質量部
・酸化防止剤:IRGANOX1076 0.42質量部
・光安定剤:TINUVIN292 0.42質量部
・イオン液体:PR−IL1
(化研産業(株)製、固形分10%、MEK希釈) 0.42質量部
・溶媒1:メチルイソブチルケトン 34.78質量部
・溶媒2:シクロヘキサノン 5.00質量部
<実施例2>
表面被覆層におけるイオン液体の含有量を2.11質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、実施例1と同様にして、複合フィルムを作製した。
<実施例3>
表面被覆層におけるイオン液体の含有量を4.23質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、実施例1と同様にして、複合フィルムを作製した。
<実施例4>
表面被覆層におけるイオン液体の含有量を21.17質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、実施例1と同様にして、複合フィルムを作製した。
<実施例5>
イオン液体として「1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(和光純薬工業(株)、IPA10%希釈)」を用い、添加量を2.11質量部とした以外は、実施例1と同様にして、複合フィルムを作製した。
<実施例6>
表面被覆層におけるイオン液体の含有量を4.23質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、実施例5と同様にして、複合フィルムを作製した。
<実施例7>
イオン液体として「1−ブチル−3−メチルピリジニウムテトラフルオロほう酸塩(和光純薬工業(株)、MEK10%希釈)」を用い、添加量を2.11質量部とした以外は、実施例1と同様にして、複合フィルムを作製した。
<実施例8>
表面被覆層におけるイオン液体の含有量を4.23質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、実施例7と同様にして、複合フィルムを作製した。
<実施例9>
表面被覆層におけるイオン液体の含有量を12.69質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、実施例7と同様にして、複合フィルムを作製した。
<実施例10>
表面被覆層におけるイオン液体の含有量を21.17質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、実施例7と同様にして、複合フィルムを作製した。
<実施例11>
イオン液体として「1−ブチル−3−メチルピロリジニウム=ビス(トリフルオロスルホニル)イミド(和光純薬工業(株)、MEK10%希釈)」を用い、添加量を2.11質量部とした以外は、実施例1と同様にして、複合フィルムを作製した。
<実施例12>
表面被覆層におけるイオン液体の含有量を4.23質量部に変更した以外は、実施例11と同様にして、複合フィルムを作製した。
<実施例13>
表面被覆層におけるイオン液体の含有量を21.17質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、実施例11と同様にして、複合フィルムを作製した。
<実施例14>
イオン液体として「テトラブチルアンモニウムブロミド(和光純薬工業(株)、MEK10%希釈)」を用い、添加量を2.11質量部とした以外は、実施例1と同様にして、複合フィルムを作製した。
<実施例15>
表面被覆層におけるイオン液体の含有量を4.23質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、実施例14と同様にして、複合フィルムを作製した。
<実施例16>
表面被覆層におけるイオン液体の含有量を21.17質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、実施例14と同様にして、複合フィルムを作製した。
<実施例17>
表面被覆層におけるイオン液体の含有量を41.90質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、実施例14と同様にして、複合フィルムを作製した。
<実施例18>
イオン液体として「テトラブチルホスホニウムブロミド(和光純薬工業(株)、MEK10%希釈)」を用い、添加量を2.11質量部とした以外は、実施例1と同様にして、複合フィルムを作製した。
<実施例19>
表面被覆層におけるイオン液体の含有量を4.23質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、実施例18と同様にして、複合フィルムを作製した。
<実施例20>
表面被覆層におけるイオン液体の含有量を21.17質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、実施例18と同様にして、複合フィルムを作製した。
<実施例21>
表面被覆層におけるイオン液体の含有量を41.90質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、実施例18と同様にして、複合フィルムを作製した。
<比較例1>
表面被覆層形成用組成物1に代えて、後述する表面被覆層形成用組成物2を用いた以外は、実施例1と同様にして、複合フィルムを作製した。
−表面被覆層形成用組成物2の組成−
・ウレタン樹脂構成物:パンデックスGW−3250
(DIC(株)製、固形分70%) 57.93質量部
・開始剤:IRGACURE127
(BASFジャパン(株)製) 0.85質量部
・界面活性剤:F−780(DIC(株)製、固形分3%、MEK希釈)
0.42質量部
・酸化防止剤:IRGANOX1076 0.42質量部
・光安定剤:TINUVIN292 0.42質量部
・溶媒1:メチルイソブチルケトン 34.7質量部
・溶媒2:シクロヘキサノン 5.00質量部
<比較例2>
表面被覆層形成用組成物1に代えて、後述する表面被覆層形成用組成物3を用いた以外は、実施例1と同様にして、複合フィルムを作製した。
−表面被覆層形成用組成物3の組成−
・ウレタン樹脂構成物:パンデックスGW−3250
(DIC(株)製、固形分70%) 57.69質量部
・開始剤:IRGACURE127(BASFジャパン(株)製)
0.85質量部
・界面活性剤:F−780(DIC(株)製、固形分3%、MEK希釈)
0.42質量部
・酸化防止剤:IRGANOX1076 0.42質量部
・光安定剤:TINUVIN292 0.42質量部
・帯電防止剤:ポリアニリン
(化研産業(株)製、固形分10%、MEK希釈) 2.11質量部
・溶媒1:メチルイソブチルケトン 34.78質量部
・溶媒2:シクロヘキサノン 5.00質量部
<比較例3>
表面被覆層における帯電防止剤の含有量を4.23質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、比較例2と同様にして、複合フィルムを作製した。
<比較例4>
表面被覆層における帯電防止剤の含有量を12.69質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、比較例2と同様にして、複合フィルムを作製した。
<比較例5>
表面被覆層形成用組成物1に代えて、後述する表面被覆層形成用組成物4を用いた以外は、実施例1と同様にして、複合フィルムを作製した。
−表面被覆層形成用組成物4の組成−
・ウレタン樹脂構成物:パンデックスGW−3250
(DIC(株)製、固形分70%) 57.69質量部
・開始剤:IRGACURE127(BASFジャパン(株)製)
0.85質量部
・界面活性剤:F−780(DIC(株)製、固形分3%、MEK希釈)
0.42質量部
・酸化防止剤:IRGANOX1076 0.42質量部
・光安定剤:TINUVIN292 0.42質量部
・帯電防止剤:エレクトロストリッパーME−2
(花王(株)製、固形分10%、MEK希釈) 2.11質量部
・溶媒1:メチルイソブチルケトン 34.78質量部
・溶媒2:シクロヘキサノン 5.00質量部
<比較例6>
表面被覆層における帯電防止剤の含有量を4.23質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、比較例5と同様にして、複合フィルムを作製した。
<比較例7>
表面被覆層における帯電防止剤の含有量を12.69質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、比較例5と同様にして、複合フィルムを作製した。
<比較例8>
表面被覆層形成用組成物1に代えて、後述する表面被覆層形成用組成物5を用いた以外は、実施例1と同様にして、複合フィルムを作製した。
−表面被覆層形成用組成物5の組成−
・ウレタン樹脂構成物:パンデックスGW−3250
(DIC(株)製、固形分70%) 57.69質量部
・開始剤:IRGACURE127(BASFジャパン(株)製)
0.85質量部
・界面活性剤:F−780(DIC(株)製、固形分3%、MEK希釈)
0.42質量部
・酸化防止剤:IRGANOX1076 0.42質量部
・光安定剤:TINUVIN292 0.42質量部
・帯電防止剤:アーカードT−50
(ライオン(株)製、固形分10%、MEK希釈) 2.11質量部
・溶媒1:メチルイソブチルケトン 34.78質量部
・溶媒2:シクロヘキサノン 5.00質量部
<比較例9>
表面被覆層における帯電防止剤の含有量を4.23質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、比較例8と同様にして、複合フィルムを作製した。
<比較例10>
表面被覆層における帯電防止剤の含有量を12.69質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、比較例8と同様にして、複合フィルムを作製した。
<比較例11>
表面被覆層形成用組成物1に代えて、後述する表面被覆層形成用組成物6を用いた以外は、実施例1と同様にして、複合フィルムを作製した。
−表面被覆層形成用組成物6の組成−
・ウレタン樹脂構成物:パンデックスGW−3250
(DIC(株)製、固形分70%) 57.69質量部
・開始剤:IRGACURE127(BASFジャパン(株)製)
0.85質量部
・界面活性剤:F−780(DIC(株)製、固形分3%、MEK希釈)
0.42質量部
・酸化防止剤:IRGANOX1076 0.42質量部
・光安定剤:TINUVIN292 0.42質量部
・帯電防止剤:セルナックスCX−S204IP
(日産化学工業(株)製、固形分20%) 10.58質量部
・溶媒1:メチルイソブチルケトン 34.78質量部
・溶媒2:シクロヘキサノン 5.00質量部
<比較例12>
表面被覆層における帯電防止剤の含有量を21.14質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、比較例11と同様にして、複合フィルムを作製した。
<比較例13>
表面被覆層における帯電防止剤の含有量を42.26質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、比較例11と同様にして、複合フィルムを作製した。
<比較例14>
表面被覆層形成用組成物1に代えて、後述する表面被覆層形成用組成物7を用いた以外は、実施例1と同様にして、複合フィルムを作製した。
−表面被覆層形成用組成物7の組成−
・ウレタン樹脂構成物:パンデックスGW−3250
(DIC(株)製、固形分70%) 57.69質量部
・開始剤:IRGACURE127(BASFジャパン(株)製)
0.85質量部
・界面活性剤:F−780(DIC(株)製、固形分3%、MEK希釈)
0.42質量部
・酸化防止剤:IRGANOX1076 0.42質量部
・光安定剤:TINUVIN292 0.42質量部
・帯電防止剤:ハイボロンASA501(ボロンインターナショナル(株)製、
固形分10%、MEK希釈) 2.11質量部
・溶媒1:メチルイソブチルケトン 34.78質量部
・溶媒2:シクロヘキサノン 5.00質量部
<比較例15>
表面被覆層における帯電防止剤の含有量を12.69質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、比較例14と同様にして、複合フィルムを作製した。
<比較例16>
表面被覆層における帯電防止剤の含有量を21.17質量部に変更し、メチルエチルケトンの量を調整して全固形分の濃度を合わせた以外は、比較例14と同様にして、複合フィルムを作製した。
<評価>
作製した各複合フィルムについて、表面被覆層の弾性回復率およびマルテンス硬度ならびにシート抵抗を測定し、砂塵難付着性、砂塵耐傷性および耐ブリードアウト性ならびに耐久性を評価した。以下、各々の評価に関して記載する。結果を下記第1表にまとめて示す。
(弾性回復率,マルテンス硬度)
複合フィルムの表面(表面被覆層)の表面硬度(マルテンス硬度)は、超微小硬度計(DUH−201S、島津製作所社製)を用いて測定した。
また、室温下、荷重1mN、10秒間の条件で試料片に押し込まれた圧子の最大押し込み深さ(hmax)および除荷重後(10秒後)の押し込み深さ(hf)を測定し、これらの値の差として弾性回復量(hmax−hf)を算出し、(hmax−hf)/hmaxから弾性回復率を算出した。
なお、表面硬度、弾性回復率における表面とは、測定深度(約10nm)までの部分をいう。
(シート抵抗)
複合フィルムの表面(表面被覆層)のシート抵抗値は、ハイレスタMCP−HT450型((株)三菱化学アナリテック製)URSプローブを用いて測定した。
(砂塵難付着性,砂塵耐傷性)
複合フィルムの表面(表面被覆層)の砂塵耐傷性試験はIEC 60068−2−68に記載の方法で行った。
具体的には、予め、60℃、2時間乾燥させたフラタリーサンドを、粉じん濃度1g/m3、風速20m/secで表面被覆層表面に2時間吹きつけた。
砂塵難付着性および砂塵耐傷性の評価は、分光測色計CM−700D(コニカミノルタ(株)製)を用いて複合フィルムの拡散度(正反射光SCIと拡散反射光SCEの比)を測定することにより行った。
試験前の複合フィルムの拡散度をDF、砂塵試験後の複合フィルムの拡散度をDS、洗浄後の複合フィルムの拡散度をDWとして、砂付着度合いをDS−DWと定義し、砂塵による表面被覆層表面の傷付き度合いをDW−DFと定義した。DS−DWが小さいほど表面被覆層に付着した砂に起因した複合フィルムの散乱光が少なく(砂塵難付着性に優れ)、DW−DFが小さいほど表面被覆層が砂塵試験で受けた傷に起因した複合フィルムの散乱光が少ない(砂塵耐傷性に優れる)ことを意味する。なお、以下の基準に従って、砂塵難付着性および砂塵耐傷性を評価した。
−砂塵難付着性の評価基準−
「A」:DS−DWが10未満
「B」:DS−DWが10以上20未満
「C」:DS−DWが20以上30未満
「D」:DS−DWが30以上
−砂塵耐傷性の評価基準−
「A」:DW−DFが3以下
「B」:DW−DFが3超5以下
「C」:DW−DFが5超10以下
「D」:DW−DFが10超
(耐ブリードアウト性)
複合フィルムの表面被覆層の耐ブリードアウト性は、分光測色計CM−700Dを用いて、複合フィルムの拡散度を測定することにより行った。
保護層まで形成した状態の複合フィルムの拡散度をDo、表面被覆層まで形成した複合フィルムの拡散度をDFとして、表面被覆層のヘイズに起因する拡散度をDF−Doと定義した。
−耐ブリードアウト性の評価基準−
「A」:DF−Doが3以下
「B」:DF−Doが3超5以下
「C」:DF−Doが5超10以下
「D」:DF−Doが10超
(耐久性)
作製した各複合フィルムを65℃・85%、85℃・85%の湿熱環境下に1週間放置した後に、上述した耐ブリードアウト性、砂塵耐傷性およびシート抵抗を評価した。
第1表に示す結果から、イオン液体に該当しない帯電防止剤を用いた場合には、砂塵難付着性、砂塵耐傷性および耐ブリードアウト性のいずれか1つ以上が劣ることが分かった(比較例1〜13)。特に、帯電防止剤として無機フィラーや有機ホウ素ポリマーを用いた場合には、砂塵難付着性および砂塵耐傷性が著しく劣ることが明らかとなった(比較例11〜16)。
これに対し、イオン液体を特定量含有する表面被覆層を有する複合フィルムは、いずれも砂塵難付着性、砂塵耐傷性および耐ブリードアウト性ならびに耐久性が良好となることが分かった(実施例1〜21)。
また、実施例同士の対比から、イオン液体として、ピリジニウム塩(実施例7〜10)、ピロリジニウム塩(実施例11〜13)、アンモニウム塩(実施例14〜17)、および、ホスホニウム塩(実施例18〜21)を用いた場合には、砂塵難付着性、砂塵耐傷性および耐ブリードアウト性の効果のバランスが良好となることが分かった。
1 支持体
2 表面被覆層
3 金属反射層
10,20 複合フィルム

Claims (7)

  1. 支持体と、表面被覆層とを有する複合フィルムであって、
    前記表面被覆層が、前記表面被覆層中の全固形分に対してイオン液体を0.05質量%〜10質量%含有している、複合フィルム。
  2. 前記表面被覆層の弾性回復率が60%以上であり、かつ、マルテンス硬度が100N/mm2以下である、請求項1に記載の複合フィルム。
  3. 前記表面被覆層を構成する樹脂の50質量%以上が、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂である、請求項1または2に記載の複合フィルム。
  4. 前記イオン液体が、下記式(A)または下記式(B)で表されるカチオンからなる群から選択される少なくとも1種のカチオンを含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合フィルム。
    ここで、式(A)中、Rは、炭素数4〜20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜16の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。ただし、窒素原子が2重結合を含む場合、Rcはない。
    また、式(B)中、Zは、窒素原子、硫黄原子またはリン原子を表し、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。ただし、Zが硫黄原子の場合、Rはない。
  5. 前記イオン液体が、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、ピロリジニウム塩、および、ホスホニウム塩からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合フィルム。
  6. 更に金属反射層を有し、前記表面被覆層を最表層とし、フィルムミラーに用いる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合フィルム。
  7. 太陽光反射用フィルムミラーに用いる請求項6に記載の複合フィルム。
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