JP6045527B2 - 積層体及びその製造方法、並びに反射板、ミラーフィルム、抗菌コート、導電膜、熱伝導体 - Google Patents

積層体及びその製造方法、並びに反射板、ミラーフィルム、抗菌コート、導電膜、熱伝導体 Download PDF

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Description

本発明は、積層体及びその製造方法、並びに反射板、ミラーフィルム、抗菌コート、導電膜、熱伝導体に関する。
近年、石油、石炭、天然ガスに代表される化石燃料に代わる代替エネルギーの研究が盛んに行なわれている。特に、太陽光、風力、地熱等の自然エネルギーは、資源の枯渇、地球温暖化等の懸念がなく、クリーンなエネルギーとして注目されている。これらの中でも、太陽光を利用する太陽エネルギーは、安定供給が可能なエネルギーとして更なる開発が期待されている。
ところが、太陽エネルギーには、エネルギー密度が低いという問題がある。この問題を解決するため、近年では、巨大な反射鏡を用いて太陽光を集光しようという試みがなされている。そして、反射鏡の製造技術として、例えば、電気めっき法等のめっき法や銀鏡反応を用いる銀引き法などの湿式法や、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等の乾式法が知られている。
また、反射鏡の製造技術としては、上記のほか、銀化合物と、カルバメート系もしくはカーボネート系化合物と、を反応して得られる銀錯体化合物を用いる方法が開示されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
国際特許第2011/158665号パンフレット 特許第5001860号公報
しかしながら、特許文献1〜2に記載の方法では、銀錯体化合物を得るに際し、あらかじめ錯化剤であるカルバメート系もしくはカーボネート系化合物を合成した後、銀錯体含有溶液を調製する過程を経なければならない。そのため、錯化剤自体の構造が複雑であるばかりか、工程も複雑で工数が多くなってしまう課題がある。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、構造の複雑な錯化剤の合成工程を経ずに簡易な工程で得られ、光反射性に優れた積層体及びその製造方法、並びに従来に比べて高品質な反射板、ミラーフィルム、抗菌コート、導電膜、及び熱伝導体を提供することを目的とし、この目的を達成することを課題とする。
上記した課題を達成するための具体的手段は、以下の通りである。
<1> 基材と、基材上に設けられ、少なくとも、下記式(A)で表される銀化合物と、下記式(B)で表されるアミン化合物と、水と、を含む溶液の塗布により形成された銀層と、を有する積層体である。
AgX ・・・(A)
11−CHR12−CH−NH ・・・(B)
式(A)中、Xは、酸素、硫黄、ハロゲン、シアノ、シアネート、カーボネート、ニトレート、ニトライト、サルフェート、ホスフェート、チオシアネート、クロレート、パークロレート、テトラフルオロボレート、アセテート、アセチルアセトネート、カルボキシレート、及びこれらの誘導体から選択される置換基を表すである。nは、1〜4の整数を表すである。
式(B)中、R11及びR12は、それぞれ独立に炭素数1〜12の炭化水素基を表すである。
<2> 溶液は、更に、極性溶媒を含む<1>に記載の積層体である。
<3> 極性溶媒が、アルコール系溶媒又はアミン系溶媒である<2>に記載の積層体である。
<4> 溶液は、式(A)で表される銀化合物1モルに対して、式(B)で表されるアミン化合物を2モル〜30モルと、水を3モル〜100モルと、極性溶媒を3モル〜100モルと、を含む<2>又は<3>に記載の積層体である。
<5> 銀化合物は、酸化銀、炭酸銀、硝酸銀、及び酢酸銀から選択される少なくとも1種である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の積層体である。
<6> 溶液は、更に、還元剤を含む<1>〜<5>のいずれか1つに記載の積層体である。
<7> 還元剤が、下記式(1)で表される化合物である<6>に記載の積層体である。
R−COOH ・・・式(1)
式(1)中、Rは、水素原子、又は1つ以上のアルデヒド基を有する1価の官能基を表すである。
<8> 基材は、少なくとも一方面に易接着層を有し、易接着層の表面に銀層を有する<1>〜<7>のいずれか1つに記載の積層体である。
<9> <1>〜<8>のいずれか1つに記載の積層体を備えた反射板である。
<10> <1>〜<8>のいずれか1つに記載の積層体を備えた抗菌コートである。
<11> <1>〜<8>のいずれか1つに記載の積層体を備えた導電体である。
<12> <1>〜<8>のいずれか1つに記載の積層体を備えた熱伝導体である。
<13> 基材上に、少なくとも、下記式(A)で表される銀化合物と、下記式(B)で表されるアミン化合物と、水と、を含む溶液を塗布し、乾燥させて銀層を形成する工程を有する積層体の製造方法である。
AgX ・・・(A)
11−CHR12−CH−NH ・・・(B)
式(A)中、Xは、酸素、硫黄、ハロゲン、シアノ、シアネート、カーボネート、ニトレート、ニトライト、サルフェート、ホスフェート、チオシアネート、クロレート、パークロレート、テトラフルオロボレート、アセテート、アセチルアセトネート、カルボキシレート、及びこれらの誘導体から選択される置換基を表すである。nは、1〜4の整数を表すである。
式(B)中、R11及びR12は、それぞれ独立に炭素数1〜12の炭化水素基を表すである。
<14> 溶液は、更に、極性溶媒を含む<13>に記載の積層体の製造方法である。
<15> 極性溶媒が、アルコール系溶媒又はアミン系溶媒である<14>に記載の積層体の製造方法である。
<16> 溶液は、式(A)で表される銀化合物1モルに対して、式(B)で表されるアミン化合物を2モル〜30モルと、水を3モル〜100モルと、極性溶媒を3モル〜100モルと、を含む<14>又は<15>に記載の積層体の製造方法である。
<17> 銀化合物は、酸化銀、炭酸銀、硝酸銀、及び酢酸銀から選択される少なくとも1種である<13>〜<16>のいずれか1つに記載の積層体の製造方法である。
本発明によれば、構造の複雑な錯化剤の合成工程を経ずに簡易な工程で得られ、光反射性に優れた積層体及びその製造方法が提供される。
また、本発明によれば、従来に比べて高品質な反射板、ミラーフィルム、抗菌コート、導電膜、及び熱伝導体が提供される。
以下、本発明の積層体及びその製造方法について詳細に説明すると共に、本発明の積層体及びその製造方法を適用した反射板、ミラーフィルム、抗菌コート、導電膜、及び熱伝導体についても詳述することとする。
<積層体及びその製造方法>
本発明の積層体は、基材と、基材上に設けられ、少なくとも、下記式(A)で表される銀化合物と、下記式(B)で表されるアミン化合物と、水と、を含む溶液の塗布により形成された銀層と、を設けて構成されている。
AgX ・・・(A)
式(A)において、Xは、酸素、硫黄、ハロゲン、シアノ、シアネート、カーボネート、ニトレート、ニトライト、サルフェート、ホスフェート、チオシアネート、クロレート、パークロレート、テトラフルオロボレート、アセテート、アセチルアセトネート、カルボキシレート、及びこれらの誘導体から選択される置換基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
11−CHR12−CH−NH ・・・(B)
式(B)において、R11及びR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
従来、カルバメート系もしくはカーボネート系化合物を用いた銀錯体は、例えばカルバメート系の化合物は、それ自体が分解性の物質であるため、事前にカルバメートを合成する工程と、カルバメートが分解するために2−エチルヘキシルアンモニウム−2−エチルヘキシルカルバメートになるよう2−エチルヘキシルアミンを適宜添加して調整する工程とが必要になり、工程が煩雑であることから簡易化が求められていた。
本発明においては、銀化合物と共に特定の一級アミン化合物を水に溶かした溶液を銀層の形成に用いる。これにより、構造の複雑な錯化剤であるカルバメート系もしくはカーボネート系化合物を合成し、調整する煩雑な工程を経ることなく、簡易な工程としながら、従来と同等以上の高い光反射率の銀層を形成することが可能になる。
以下、本発明の積層体を構成する銀層及び基材について、詳細に説明する。
−銀層−
本発明の積層体は、式(A)で表される銀化合物と、式(B)で表されるアミン化合物と、水と、を含む溶液の塗布により形成された銀層を設けて構成されている。本発明における銀層は、銀化合物と特定のアミン化合物を含む溶液を塗布し加熱することで、還元されて形成された金属銀により光反射層として機能する。
塗布に用いる溶液は、銀化合物と、特定のアミン化合物と、水と、必要に応じて銀還元剤や各種添加剤などと、を混合して調製することができる。本発明における溶液は、式(A)で表される銀化合物と、式(B)で表されるアミン化合物と、を反応させて得られる銀錯体化合物を含有している。
(銀化合物)
銀層の塗布形成に用いる溶液又は銀層は、式(A)で表される銀化合物の少なくとも一種を含有する。銀化合物は、銀錯体として含まれてもよい。
AgX ・・・(A)
式(A)において、Xは、酸素、硫黄、ハロゲン、シアノ、シアネート、カーボネート、ニトレート、ニトライト、サルフェート、ホスフェート、チオシアネート、クロレート、パークロレート、テトラフルオロボレート、アセテート、アセチルアセトネート、カルボキシレート、及びこれらの誘導体から選択される置換基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
式(A)で表される銀化合物の具体例としては、酸化銀、チオシアネート化銀、硫化銀、塩化銀、シアン化銀、シアネート化銀、炭酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、硫酸銀、燐酸銀、過塩素酸銀、四フッ素ボレート化銀、アセチルアセトネート化銀、酢酸銀、乳酸銀、シュウ酸銀及びその誘導体などが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
中でも、反射率がより優れたものとなる点で、酸化銀、炭酸銀、硝酸銀、及び酢酸銀が好ましく、更には炭酸銀、酸化銀が好ましい。
溶液中における式(A)で表される銀化合物の含有量としては、溶液の全質量に対して、3質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜30質量%がより好ましい。式(A)で表される銀化合物の含有量が3質量%以上であると、光反射率により優れたものとなる。また、式(A)で表される銀化合物の含有量が50質量%以下であると、塗膜乾燥時の割れの点で有利である。
(アミン化合物)
銀層の塗布形成に用いる溶液又は銀層は、下記式(B)で表されるアミン化合物の少なくとも一種を含有する。このアミン化合物は、β位が分岐した一級アミン化合物である。アミン化合物は、銀錯体として含まれてもよい。
11−CHR12−CH−NH ・・・(B)
式(B)において、R11及びR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
11及びR12で表される炭素数1〜12の炭化水素基としては、無置換アルキル基、置換アルキル基のいずれでもよい。
無置換アルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
置換アルキル基の置換基としては、アリール基(例:フェニル基、ナフチル基)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等、好ましくは炭素数1〜4)、ハロゲン原子(例:塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、アミノ基、ヘテロ環基(例:ピロリジン環、ピロール環、イミダゾール環等の含窒素ヘテロ環基や、フラン環、テトラヒドロフラン環等の含酸素ヘテロ環基などの環状基)などが挙げられる。
置換アルキル基の例としては、アリールアルキル基(アルキル部位の炭素数1〜4)、シアノアルキル基(アルキル部位の炭素数1〜4)、ハロゲン化アルキル基(アルキル部位の炭素数1〜4)、シクロオレフィン結合アルキルが好適である。
上記のうち、R及びRの少なくとも一方は、エチル基であることが好ましい。この点の理由については必ずしも明確でなく推測であるが、エチル基の2つの炭素原子とアミノ基の窒素原子及び水素原子とが6員環を形成することで、HOMOが窒素原子からエチル基まで広がるために錯体形成が安定化されると考えられる。
更には、R11が、ブチル基であり、R12がエチル基である場合がより好ましい。
式(B)で表されるアミン化合物の例としては、下記の化合物が挙げられる。
中でも、イソブチルアミン、2−エチルブチルアミン、2−エチルヘキシルアミンが好ましく、2−エチルブチルアミン、2−エチルヘキシルアミンがより好ましい。

式(B)で表されるアミン化合物の分子量としては、70〜400の範囲が好ましく、80〜300の範囲がより好ましく、90〜200の範囲が特に好ましい。分子量が70以上であると、塗布時の濡れ性の点で有利であり、分子量が400以下であると、極性溶媒への溶解性の点で有利である。
溶液中における式(B)で表されるアミン化合物の含有量としては、溶液中の銀化合物1モルに対して、2モル〜30モルが好ましく、3モル〜25モルがより好ましく、3モル〜20モルが更に好ましい。式(B)で表されるアミン化合物の含有量が3モル以上であると、銀化合物の溶解がより良好になる。また、式(B)で表されるアミン化合物の含有量が30モル以下であると、光反射性により優れたものとなる。
(水)
銀層の塗布形成に用いる溶液は、水を含有する。水を含むので、溶液は水性塗布液として用いられる。
溶液中における水の含有量としては、溶液中の銀化合物1モルに対して、3モル〜100モルが好ましく、5モル〜50モルがより好ましく、5モル〜30モルが更に好ましい。水の含有量が3モル以上であると、銀化合物の溶解がより良好になる。また、水の含有量が30モル以下であると、光反射率により優れたものとなる。
(溶媒)
銀層の塗布形成に用いる溶液又は銀層は、溶媒を含有することができ、極性溶媒を含有していることが好ましい。
溶媒としては、例えば特開2012−181301号公報の段落番号[0040]に記載の溶媒を本発明の効果を損なわない範囲で用いることができる。その中でも、極性溶媒を選択して用いることが本発明の効果をより向上させる点で好ましく、極性溶媒は銀化合物などに応じて適宜選択することができる。
極性溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶媒、ギ酸、酢酸などの酸、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート系溶媒、グリコール系溶媒、アンモニア、プ口ピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミン、2−メチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、ブトキシプロピルアミン、ジエチルメチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミンなどのアミン系溶媒、チオール系溶媒、スルホキシド系溶媒、ハロゲン系溶媒などが挙げられる。
中でも、アルコール系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、スルホキシド系溶媒、アミン系溶媒が好ましく、アルコール系溶媒、アミン系溶媒がより好ましい。
具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、アセトン、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アンモニア、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミン、2−メチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、ブトキシプロピルアミン、ジエチルメチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミンがより好ましい。更には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、アセトン、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アンモニア、イソプロピルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミンが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、イソプロピルアミンがさらに好ましい。
具体的には、銀化合物として炭酸銀、硝酸銀、酢酸銀を用いる場合、極性溶媒としては、アルコール系溶媒(好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール)、酸(好ましくはギ酸、酢酸)、又はこれらの混合溶媒が好ましい。
また、銀化合物として酸化銀を用いる場合、極性溶媒としては、アミン系溶媒(好ましくはイソプロピルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミン)が好ましい。
溶液中における極性溶媒の含有量としては、溶液中の銀化合物1モルに対して、3モル〜100モルが好ましく、5モル〜60モルがより好ましく、10モル〜40モルが更に好ましい。極性溶媒の含有量が3モル以上(特に10モル以上)であると、光反射率により優れたものとなり、溶解速度も向上する。また、極性溶媒の含有量が100モル以下であると、液安定性の点で有利である。
(還元剤)
溶液は、銀還元のための還元剤を含有することが好ましい。還元剤を含有することで、銀還元反応が促進し、光反射率をより向上させることができる。
還元剤としては、ヒドラジン、アセティックヒドラジド、クエン酸三ナトリウム、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミンボラン等のアミン化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド化合物、グルコース、アスコルビン酸、サリチル酸、タンニン酸、ピロガロール、ヒドロキノンなどの有機化合物、ナトリウム、水酸化ホウ素カリウム、塩化第一鉄、硫酸鉄等の金属塩、ヨウ化水素、一酸化炭素などの無機化合物が挙げられる。
本発明においては、還元剤として、下記式(1)で表される化合物を含有することが好ましい。式(1)で表される化合物は、ギ酸であるか、あるいは分子中にカルボキシル基とアルデヒド基との両方を有していることで、銀成分の還元作用、及び保存時及び製造時の隣接層界面における銀成分自体の安定化作用が発現する。
R−COOH ・・・式(1)
式(1)中、Rは、水素原子、又は1つ以上のアルデヒド基を有する1価の官能基を表す。Rで表される「1つ以上のアルデヒド基を有する1価の官能基」としては、例えば、アルデヒド基、1つ以上のアルデヒド基を有する炭素数1〜20のアルキル基、1つ以上のアルデヒド基を有する炭素数5〜20のアリール基、1つ以上のアルデヒド基を有するアミノ基、1つ以上のアルデヒド基を有する炭素数5〜20のヘテロ環基等が挙げられる。好ましくは、アルデヒド基、1つ以上のアルデヒド基を有するメチル基、1つ以上のアルデヒド基を有するエチル基、1つ以上のアルデヒド基を有するベンゼン環、等である。
式(1)で表される化合物の例としては、ギ酸、2−メチル−3−オキソプロパン酸、3−オキソプロパン酸、フタルアルデヒド酸、イソフタルアルデヒド酸、テレフタルアルデヒド酸等が挙げられる。
中でも、光反射率がより優れたものとなる点で、ギ酸が好ましい。
なお、式(1)で表される化合物は、一種単独で用いるほか、二種以上を併用してもよい。
溶液中における式(1)で表される化合物の含有量は、下記の範囲が好ましい。
溶液が式(1)で表される化合物を含有する場合、溶液中における式(1)で表される化合物の含有量としては、溶液の全質量に対して、0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。式(1)で表される化合物の含有量が0.01質量%以上であると、還元性を示し、光反射率の向上効果が高い。式(1)で表される化合物の含有量が20質量%以下であると、塗布液保存時の液安定性の点で有利である。
溶液は、既述の銀化合物、アミン化合物、及び溶媒のほか、必要に応じて、安定剤、レベリング剤(Leveling agent)、薄膜補助剤、熱分解反応促進剤等の添加剤を含んでもよい。
添加剤の詳細については、特開2012−181301号公報の段落番号[0037]〜[0040]の記載を参照することができる。
−基材−
本発明の積層体は、基材を設けて構成されている。
基材としては、フレキシブル性や軽量化の観点で、ガラスエポキシ、ポリエステル、ポリイミド、熱硬化型ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリアラミド、液晶ポリマー等の樹脂をフィルム状に成形した樹脂フィルム、ガラスフィルム、紙などを用いることができる。
樹脂としては、フィルム状に成形可能な樹脂であれば特に制限はなく、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン(BT)樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、液晶樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アラミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルスルホン、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリアセチレン等が好適である。
特に好適な基材としては、ポリエステルフィルム又はポリイミドフィルムである。
基材の形状としては、平面、拡散面、凹面、凸面、等各種の、用途によってフィルム基材として求められる形状であれば、いずれの形状であってもよい。
基材の厚みとしては、10μm〜5mm程度が好ましい。厚みが10μm未満であると、生産時のハンドリングが難しくなり、厚みが5mmを超えると、成型し難くなる。より好ましい厚みは、20μm〜1mmであり、更に好ましくは25μm〜500μmの範囲である。
基材は、少なくとも一方面に易接着層を有していることが好ましい。易接着層としては、水分散ラテックスをバインダー成分として含む組成物を用い、例えば塗布及び乾燥することにより形成されたものでもよい。
そして、基材の易接着層の表面に、銀層を設けられていることが好ましい。易接着層の表面に銀層が接していることで、銀層の密着性をより向上させることができる。
易接着層の厚みとしては、密着性の点で、0.05μm〜10μmが好ましい。
このような易接着層を有する基材として、例えば、東洋紡社製のコスモシャインA−4100(ポリエチレンテレフタレートフィルム)、コスモシャインA−4300(ポリエチレンテレフタレートフィルム)などを挙げることができる。
また、基材には、基材の上に後述の下塗層を形成しやすくするために、あらかじめ表面処理を施してもよい。
表面処理としては、UV照射、オゾン処理、プラズマ処理、コロナ処理、火炎処理などの表面を分解活性化させる処理、ヒドラジン、N−メチルピロリドン、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液のようなアルカリ性溶液での処理、硫酸、塩酸、硝酸のような酸性溶液での処理などが挙げられる。また、基材表面の汚れを落として清浄にする処理としては、メタノール、エタノール、トルエン、酢酸エチル、アセトン等の有機溶剤による処理、付着したゴミを落とすための水洗等が挙げられる。これらの表面処理は複数種を組み合わせて行ってもよい。
基材は、紫外線吸収剤を含んでもよい。また、柔軟性を維持するための可塑剤、フィルム自体の劣化を防ぐ酸化防止剤、ラジカル捕捉剤等を含んでもよい。
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、チオール系酸化防止剤、及びホスファイト系酸化防止剤が好適に挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(3’ ,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス[1,1−ジ−メチル−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げられる。
特に、フェノール系酸化防止剤としては、分子量が550以上のものが好ましい。
チオール系酸化防止剤としては、例えば、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)等が挙げられる。
ホスファイト系酸化防止剤としては、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス−(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)−ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
基材に酸化防止剤を用いる場合の含有量としては、基材中の基材を構成する樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部の範囲であることが好ましい。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、及び酸化チタン等の無機粒子型の紫外線吸収剤などが好適に挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、フェニルサルチレート、2−4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート等が挙げられる。
紫外線吸収剤には、上記以外に、紫外線の保有するエネルギーを、分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物が含まれる。また、酸化防止剤あるいは着色剤等との併用で効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。
基材に紫外線吸収剤を用いる場合の含有量としては、基材中の基材を構成する樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部の範囲であることが好ましい。
−第1の隣接層−
本発明の積層体は、基材と銀層との間に、塗布により形成された第1の隣接層を設けて構成することができる。この第1の隣接層を設けることで、基材と銀層との間の密着性がより向上する。また、第1の隣接層に既述の式(1)で表される化合物を含めて光反射率をより向上させることができる。
第1の隣接層は、例えば、基材の下塗層として設けられてもよい。第1の隣接層は、単層構成であっても2層以上の複数層から構成されるものであってもよい。
下塗層として設ける場合、隣接する基材との密着性の観点から、基材を構成する樹脂と同じ樹脂、あるいは基材を構成する樹脂と親和性を有する樹脂を含むことが好ましい。
下塗層に含まれる樹脂は、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられ、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂はそれぞれを単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビスマレイミド樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート系樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等が挙げられる。
第1の隣接層には、層内での架橋を進めるため、重合性二重結合を有する化合物(例えば、アクリレート化合物、メタクリレート化合物)を用いてもよい。特に、多官能の化合物を用いることが好ましい。また、重合性二重結合を有する化合物の例として、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂も挙げられ、具体的な例として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等に対し、その一部をメタクリル酸やアクリル酸等を用いて(メタ)アクリル化させた樹脂を用いてもよい。
また、第1の隣接層には、銀層の形成速度を上げ、低温かつ短時間での加熱処理でも高反射率が得られるように、還元剤を有させることができる。
第1の隣接層には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、接着性付与剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、界面活性剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤を1種又は2種以上添加してもよい。
第1の隣接層の厚みは、一般に0.05μm〜10μmの範囲が好ましく、密着性の点で、0.1μm〜5μmの範囲がより好ましい。
−第2の隣接層−
本発明の積層体は、銀層の第1の隣接層が設けられる側(基材と対向する側)と反対側に、塗布により形成される第2の隣接層を設けて構成することができる。この第2の隣接層を、銀層の光入射側に設けることで、太陽光、雨水、砂塵等による銀層、樹脂製支持体、あるいは所望により設けられる下塗層の劣化や破損を防止し、鏡面性の安定化を図ることができる。また、第1の隣接層に既述の式(1)で表される化合物を含めて光反射率をより向上させることができる。
第2の隣接層は、例えば、基材上の銀層の表面保護を目的とする層として設けられてもよい。第2の隣接層は、単層構成であっても2層以上の複数層から構成されるものであってもよい。
第2の隣接層は、樹脂材料を用いて構成することができる。樹脂材料としては、フィルム又は層を形成しうる樹脂が好ましく、強度、耐久性、空気や水分の遮断性、隣接する層(例えば銀層)との密着性、透明性を有する樹脂が好ましい。特に、積層体の用途に応じて必要とされる波長光に対する光透過性を有している樹脂が好ましい。
樹脂の例としては、光硬化性樹脂(例えば、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、シリコーン(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂など)、熱硬化性樹脂(例えば、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂(尿素樹脂)、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂など)、等が挙げられる。
樹脂は、一種単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
なお、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの双方を含むことを表す。
中でも、第2の隣接層に用いる樹脂としては、光硬化性樹脂が好ましく、ウレタン結合を有する樹脂がより好ましい。更には、積層体の硬度を調整しやすい点で、第2の隣接層の樹脂は、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂が好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを反応させてイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成した後、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(C)を反応させて得られる生成物等が好適である。
ここで、ポリエステルポリオール(A)は、多塩基酸と多価アルコールとを反応させて得られるものであり、具体例として、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリオキシプロピレンジオール(PPG)、ポリオキシエチレンジオール等が挙げられる。また、ポリイソシアネート(B)は、分子中にイソシアネート基を2個以上有するものであれば特に制限はなく、具体例として、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等が挙げられる。また、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(C)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシドールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上述したポリエステルポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(C)を用いて合成されるウレタン(メタ)アクリレート樹脂としては、市販品を用いてもよい。市販品の例としては、日本合成社製の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(例えば、UV1700B、UV6300B、UV7600B等)や、DIC社製のポリマー型アクリレート(例えば、ユニディックV−6840、ユニディックV−6841、ユニディックWHV−649、ユニディックEKS−675等)が挙げられる。
上記のほか、第2の隣接層に使用可能な樹脂としては、例えば、セルロースエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルフォン(ポリエーテルスルフォンも含む)系樹脂、ポリエステル樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、オレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等)、セルロースジアセテート樹脂、セルローストリアセテート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エチレンビニルアルコール樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、及びエチレンアクリル酸エステル共重合体、ポリカーボネート、ノルボルネン系樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド、フッ素系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。
中でも、第2の隣接層と銀層との密着性の観点から、第2の隣接層に含有される樹脂は、アクリル樹脂、ビニルブチラール樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、及びエチレンアクリル酸エステル共重合体から選ばれる1種以上の樹脂が好ましい。
第2の隣接層には、更に架橋剤を含有されてもよい。架橋剤を含むことで、第2の隣接層中に架橋構造が形成されることにより、強度がより向上し、隣接する銀層との密着性がより向上するなどの利点を有する。
架橋剤としては、第2の隣接層を構成する樹脂との相関により選択すればよく、例えば、カルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキセタン化合物、メラミン化合物、ビスビニルスルオン化合物などが挙げられ、効果の点で、カルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、及びエポキシ化合物からなる群より選ばれ少なくとも1種の架橋剤が好ましい。
また、第2の隣接層には、上記した成分に加え、例えば、紫外線吸収剤、光重合開始剤、帯電防止剤、塗布助剤(レベリング剤)、酸化防止剤、消泡剤等の添加剤が含有されていてもよい。第2の隣接層には、更に、還元が不十分な銀層を上層から還元することにより還元銀が生成されて、高い光反射率が得られる観点から、還元剤を含有していてもよい。
第2の隣接層の厚みは、特に制限されないが、積層体の耐砂塵性及び耐付着性により優れる点で、0.1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、5μm以上がさらに好ましく、10μm以上が特に好ましい。厚みの上限に特に制限はないが、通常は100μm以下であり、50μm以下であることが好ましい。
第2の隣接層を形成するための塗布液は、溶媒を含んでもよい。溶媒は、特に制限されるものではなく、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶媒、酢酸などの酸、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、グリコール系溶媒、アミン系溶媒、チオール系溶媒、ハロゲン系溶媒などが挙げられる。
中でも、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、カーボネート系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒が好ましく、具体的には、アセトン、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、N−メチルピロリドン、ジメチルカーボネート、トルエンが好ましい。
第2の隣接層は、さらに添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、光重合開始剤、帯電防止剤、表面調整剤(例えばレベリング剤、フッ素系防汚添加剤など)、界面活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、顔料、分散剤、シランカップリング剤などが挙げられる。
−表面被覆層−
本発明の積層体は、銀層の表面、あるいは銀層上の第2の隣接層の上に、さらに表面被覆層を有していてもよい。表面被覆層は、最外層として設けることができる。表面被覆層を有することで、積層体の耐候性、耐傷性がより向上する。
表面被覆層は、第2の隣接層上に(好ましくは最外層として)設けられることで積層体表面の物理的もしくは化学的な損傷を防止し得るものであれば制限はない。表面被覆層は、公知の樹脂層などを任意に使用して形成することができる。すなわち、表面被覆層は、硬さが100N/mm以下であり、かつ弾性回復率が60%以上である軟質な層であってもよく、あるいは表面が硬質ないわゆるハードコート層として設けられてもよい。
表面被覆層が軟質な層である場合、表面被覆層の厚みは特に限定されないが、積層体の耐傷性がより良好となり、ヘイズ値及び反射率の維持率もより高くなる観点から、1μm〜50μmが好ましく、3μm〜30μmがより好ましい。
また、表面被覆層が硬質な層である場合、表面被覆層の厚みは、防汚性、耐傷性の観点から、0.1μm〜50μmが好ましく、より好ましくは0.1μm〜15μmである。
本発明の積層体の総厚としては、実用上の点から、0.1mm以上であればよいが、強度、耐久性、及び作業性が良好になる点で、0.2mm〜5.0mmが好ましい。
本発明の積層体は、下記の積層構造を有する態様に構成することができ、中でも、層間密着性と光反射率とに優れたものとなる点で、(イ)、(ウ)、(オ)又は(カ)の積層構造を有する態様が好ましい。
(ア)基材/銀層
(イ)基材/基材の易接着層/銀層
(ウ)基材/第1の隣接層/銀層
(エ)基材/銀層/第2の隣接層
(オ)基材/基材の易接着層/銀層/第2の隣接層
(カ)基材/第1の隣接層/銀層/第2の隣接層
<積層体の製造方法>
次に、本発明の積層体の製造方法について説明する。
本発明の積層体の製造方法は、基材上に、少なくとも、式(A)で表される銀化合物と、式(B)で表されるアミン化合物と、水と、を含む溶液を塗布し、乾燥させて銀層を形成する工程(以下、「銀層形成工程」ともいう。)を設けて構成されている。
AgX ・・・(A)
11−CHR12−CH−NH ・・・(B)
式(A)中、Xは、酸素、硫黄、ハロゲン、シアノ、シアネート、カーボネート、ニトレート、ニトライト、サルフェート、ホスフェート、チオシアネート、クロレート、パークロレート、テトラフルオロボレート、アセテート、アセチルアセトネート、カルボキシレート、及びこれらの誘導体から選択される置換基を表す。nは、1〜4の整数を表す。
式(B)中、R11及びR12は、それぞれ独立に炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
なお、式(A)で表される銀化合物及び式(B)で表されるアミン化合物、並びに溶液の詳細については、既述の通りである。
〜銀層形成工程〜
第1の態様では、少なくとも、式(A)で表される銀化合物と、式(B)で表されるアミン化合物と、水と、を含む溶液を塗布し、乾燥させて銀層を形成する銀層形成工程を有する。
なお、式(A)で表される銀化合物、式(B)で表されるアミン化合物、及びこれらを含有する溶液に関する詳細については、既述の通りである。
塗布は、グラビアコーター、リバースコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、スクリーンコーター、バーコーター、カーテンコーター等の従来公知の塗布装置を用いた塗布法により行うことができる。
本発明において、塗膜の乾燥と還元のための加熱は同時でもよく、塗膜の乾燥後還元のために加熱をしてもよい。加熱方法は、加熱が行える方法であればいずれの方法でもよく、例えば、温風や熱風を膜に吹きつけて加熱させる方法、輻射熱を膜にあてて膜温度を上昇させて加熱させる方法、基材を加熱して膜を加熱させる方法、又はこれらを組み合わせた方法、等を適宜選択して行うことができる。
また、銀錯体化合物を含む溶液の塗布、乾燥により形成された銀層は、第2隣接層形成工程が終了した後に、加熱処理が施されてもよい。
乾燥条件は、特に制限はなく、溶剤が乾燥すればいずれの条件でもよい。
加熱処理の条件は、80℃〜120℃の温度域で15分以上、または121℃〜150℃の温度域で5分以上、または151℃〜200℃の温度域で1分以上が好ましく、165℃〜200℃の温度域で1分30秒以上がさらに好ましい。
銀層形成工程後には、基材の表面に、第1の塗液を塗布し、乾燥させて第1の隣接層を形成する第1隣接層形成工程、又は銀層の基材を有する側と反対側に、第2の塗液を塗布し、乾燥させて第2の隣接層を形成する第2隣接層形成工程、あるいは第1隣接層形成工程及び第2隣接層形成工程を設けることができる。
〜第1隣接層形成工程〜
第1隣接層形成工程を有する場合、本工程では、銀錯体化合物を含む溶液が塗布される前の基材の表面に、第1の塗液を塗布し、乾燥させて第1の隣接層を形成する。これにより、例えば基材に下塗層を設けることができる。
第1の塗液は、既述の光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂と、必要に応じて、溶媒、還元剤、重合性二重結合を有する化合物、各種添加剤と、を混合して調製することができる。
塗布液の固形分濃度は、密着性に優れた第1の隣接層を均一性をもって形成する観点から、1質量%〜30質量%が好ましい。
第1の隣接層の形成方法は、特に限定されないが、第1の塗液を基材表面に塗布、乾燥し、さらに紫外線照射や加熱して硬化させる方法などが挙げられる。
塗布及び乾燥は、銀層形成工程における場合と同様の方法を適用して行うことができる。
紫外線照射は、紫外線ランプや水銀灯などの光源を用いて行うことができる。
加熱は、例えば、輻射熱を塗膜にあてる方法、基材を加熱する方法等により行うことができる。
〜第2隣接層形成工程〜
第2隣接層形成工程を有する場合、基材表面、又は基材上の第1の隣接層の表面に、銀層を形成した後、本工程では、銀層の基材を有する側と反対側に、第2の塗液を塗布し、乾燥させて第2の隣接層を形成する。これにより、例えば第2の隣接層が最外層となる場合には、銀層の表面保護を目的とした層とすることができる。
第2の塗液は、既述の光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂と、必要に応じて、溶媒、還元剤、重合性二重結合を有する化合物、各種添加剤と、を混合して調製することができる。
塗布液の固形分濃度は、密着性に優れた第1の隣接層を均一性をもって形成する観点から、1質量%〜30質量%が好ましい。
第2の隣接層の形成方法は、特に限定されないが、第2の塗液を銀層の表面に塗布、乾燥し、さらに紫外線照射や加熱して硬化させる方法などが挙げられる。
塗布及び乾燥は、銀層形成工程における場合と同様の方法を適用して行うことができる。
紫外線照射は、紫外線ランプや水銀灯などの光源を用いて行うことができる。
加熱は、例えば、輻射熱を塗膜にあてる方法、基材を加熱する方法等により行うことができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
−銀層の形成−
基材として用意したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製、コスモシャインA−4100、厚さ:100μm)の易接着処理されてない側の表面(S1面)に、下記の方法により調製した銀層形成用塗布液を、バーコート法により塗布し、165℃で2分間乾燥して、本発明の積層体である光反射フィルムを作製した。塗布は、乾燥後の厚みが約0.1μmとなるようにバー番手を調整して行った。
(銀層形成用塗布液の調製)
銀の錯化剤として2−エチルヘキシルアミン(2EHA)12.9部、炭酸銀2.7部、及び水18部を混合し、攪拌することにより、銀層形成用塗布液を調製した。
(実施例2)
実施例1において、銀層形成用塗布液の塗布を、S1面からPETフィルムの易接着処理された側の面(S2面)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(実施例3)
実施例2において、銀層形成用塗布液の水量を18部から1.8部に変更し、さらにメタノールを9.6部加えたこと以外は、実施例2と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(実施例4)
実施例3において、2EHAの量を表1に示すように変更したこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(実施例5)
実施例3において、2EHAの量を表1に示すように変更したこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(実施例6)
実施例3において、水の量を表1に示すように変更したこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(実施例7)
実施例3において、水の量を変更したこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(実施例8)
実施例3において、メタノールの量を表1に示すように変更したこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(実施例9)
実施例3において、メタノールの量を表1に示すように変更したこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(実施例10)
実施例3において、メタノールをエタノールに変更したこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(実施例11)
実施例3において、メタノールをイソプロパノールに変更したこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(実施例12)
実施例3において、メタノールを1−メトキシ−2−プロパノールに変更したこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(実施例13)
実施例3において、メタノールをアセトンに変更したこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(実施例14)
実施例3において、メタノールをエチルメチルケトンに変更したこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(実施例15)
実施例3において、2EHAを2−エチルブチルアミン(2EBA)に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(実施例16)
−下塗層の形成−
PETフィルム(東洋紡社製、コスモシャインA−4100)のS1面に、以下の組成を有する下塗層用水性組成物を、バーコート法により塗布し、150℃で2分間乾燥して、下塗層を形成した。塗布は、乾燥後の厚みが約0.1μmとなるようにバー番手を調整して行った。この下塗層を有するPETフィルムの下塗層形成面を「S3面」とする。
そして、実施例3において、銀層形成用塗布液の塗布を、S1面から下塗層を有するPETフィルムのS3面に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
<下塗層用水性組成物の組成>
・酸化スズ微粒子分散液(微粒子固形分:20質量%) ・・・8部
(石原産業社製、FS−10D)
・ポリウレタン ・・・2.8部
(三井化学社製、タケラックWS−5100)
・架橋剤 ・・・4.2部
(日清紡ケミカル社製、カルボジライトV−02−L2の10質量%希釈液)
・界面活性剤A ・・・0.2部
(三洋化成工業社製、サンデッドBLの10質量%水溶液、アニオン性)
・界面活性剤B ・・・0.2部
(三洋化成工業社製、ナロアクティーCL−95の10質量%希釈液、ノニオン性)
・水 ・・・84.6部
(実施例17)
実施例16において、メタノールをイソプロピルアミンに代えたこと以外は、実施例16と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(実施例18)
実施例17において、炭酸銀を酸化銀に代えたこと以外は、実施例17と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(実施例19)
実施例16において、炭酸銀を硝酸銀に代えたこと以外は、実施例16と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(実施例20)
実施例16において、炭酸銀を酢酸銀に代えたこと以外は、実施例16と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(実施例21)
実施例19において、ギ酸0.1部をさらに加えたこと以外は、実施例19と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(実施例22)
実施例20において、ギ酸0.1部をさらに加えたこと以外は、実施例20と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(比較例1)
実施例3において、銀層形成用塗布液を、下記の銀層形成用塗布液に代えたこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(銀層形成用塗布液の調製)
銀の錯化剤としてn−ブチルアミン1.64部、硝酸銀0.34部、及びメタノール6.88部を混合し、攪拌した後、攪拌することにより、銀層形成用塗布液を調製した。
(比較例2)
実施例3において、銀層形成用塗布液を、下記の銀層形成用塗布液に代えたこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(銀層形成用塗布液の調製)
銀の錯化剤としてn−ブチルアミン7.3部、硝酸銀0.34部、水1.8部、及びメタノール9.6部を混合し、攪拌した後、攪拌することにより、銀層形成用塗布液を調製した。
(比較例3)
実施例2において、水及び極性溶媒(メタノール)を加えなかったこと以外は、実施例2と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(比較例4)
実施例3において、水を加えなかったこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(比較例5)
実施例3において、2EHAをジエチルアミンに代えたこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(比較例6)
実施例3において、2EHAをn−ブチルアミンに代えたこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(比較例7)
実施例3において、2EHAをトリエチルアミンに代えたこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(比較例8)
実施例3において、2EHAをイソプロピルアミンに代えたこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(比較例9)
実施例3において、2EHAをヘキシルアミンに代えたこと以外は、実施例3と同様にして、光反射フィルムを作製した。
(評価)
−1.反射性(特定波長における反射率)−
PETフィルム上に光反射層として銀層が形成された光反射フィルムについて、銀層の反射率(光反射フィルムの反射率)を測定した。具体的には、紫外可視近赤外分光光度計UV−3100(島津製作所社製)を用いて、アルミニウム(Al)基板をリファレンスとして測定し、Alの文献値を基準として、銀層の波長400nmの光の反射率(%)を算出した。
反射率は、20%以上であれば光反射機能が得られるが、85%を超える範囲が好ましく、90%を超える範囲がより好ましい。
−2.密着性−
PETフィルム上に光反射層として銀層が形成された光反射フィルムについて、高湿環境下における密着性について評価した。具体的には、光反射フィルムを85℃、85%RHの恒温恒湿槽に240時間保管し、基材であるPETフィルムからの銀層の剥離の有無を下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A:剥離は全く認められなかった。
B:端部のみに剥離が発生した。
C:全面に剥離が認められた。

表1に示すように、実施例では、高い光反射率が得られ、基材との密着性にも優れていた。炭酸銀を酸化銀に代えた実施例18では、極性溶媒としてイソプロピルアミンを用いており、良好な光反射率が得られた。また、炭酸銀を硝酸銀又は酢酸銀に代えた実施例19,20では、光反射率が20%程度であったが、ギ酸を添加することで、他の実施例とほぼ同等の光反射率が得られた。
これに対し、比較例では、10%未満の光反射率しか得られなかった。
本発明の積層体及びその製造方法は、太陽光などの光を反射する反射板(例えば反射鏡)、ミラーフィルム、抗菌コート、導電膜、熱伝導体などの各種分野において好適に利用することができる。本発明の積層体及びその製造方法の好適な具体的な例として、太陽光を集光するための反射鏡(いわゆる太陽光集光用フィルムミラー)としての利用が挙げられる。

Claims (5)

  1. 基材上に、少なくとも、下記式(A)で表される銀化合物と、下記式(B)で表されるアミン化合物と、水と、を含む溶液を塗布し、乾燥させて銀層を形成する工程を有する積層体の製造方法。
    AgX ・・・(A)
    11−CHR12−CH−NH ・・・(B)
    式(A)中、Xは、酸素、硫黄、ハロゲン、シアノ、シアネート、カーボネート、ニトレート、ニトライト、サルフェート、ホスフェート、チオシアネート、クロレート、パークロレート、テトラフルオロボレート、アセテート、アセチルアセトネート、カルボキシレート、及びこれらの誘導体から選択される置換基を表す。nは、1〜4の整数を表す。
    式(B)中、R11及びR12は、それぞれ独立に炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
  2. 前記溶液は、更に、極性溶媒を含む請求項に記載の積層体の製造方法。
  3. 前記極性溶媒が、アルコール系溶媒又はアミン系溶媒である請求項に記載の積層体の製造方法。
  4. 前記溶液は、前記式(A)で表される銀化合物1モルに対して、前記式(B)で表されるアミン化合物を3モル〜30モルと、水を3モル〜30モルと、前記極性溶媒を10モル〜100モルと、を含む請求項又は請求項に記載の積層体の製造方法。
  5. 前記銀化合物は、酸化銀、炭酸銀、硝酸銀、及び酢酸銀から選択される少なくとも1種である請求項〜請求項のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
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