JP6321766B1 - 銀鏡膜層が形成されたゴム弾性体及びその製造方法 - Google Patents
銀鏡膜層が形成されたゴム弾性体及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6321766B1 JP6321766B1 JP2016240927A JP2016240927A JP6321766B1 JP 6321766 B1 JP6321766 B1 JP 6321766B1 JP 2016240927 A JP2016240927 A JP 2016240927A JP 2016240927 A JP2016240927 A JP 2016240927A JP 6321766 B1 JP6321766 B1 JP 6321766B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film layer
- silver mirror
- mirror film
- elastic body
- rubber elastic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Abstract
Description
ゴム弾性体の表面に下塗り塗料を塗布して下塗り塗膜を形成する工程と、
前記下塗り塗膜の表面に銀鏡膜層形成用液を塗布して銀鏡膜層を形成する工程と、
前記銀鏡膜層の表面に上塗り塗料を塗布して上塗り塗膜を形成する工程と、
を備える、ゴム弾性体の表面に銀鏡膜層を形成する方法であって、
前記銀鏡膜層形成用液中に弾性型ポリイソシアネートで表面がウレタン化されたコロイダルシリカが含有されているものを用い、
前記下塗り塗料及び前記上塗り塗料として、それぞれポリオール成分を含む主材とポリイソシアネート成分を含む硬化剤とを含み、前記下塗り塗膜及び前記上塗り塗膜がそれぞれ伸び率80%以上600%以下の弾性ポリウレタン樹脂塗膜となるものを用いることを特徴とする。
(下塗り塗膜)
アクリルポリオール樹脂(コータックスLH601、固形分50%、OH価20、東レ・ファインケミカル(株))80質量部に酢酸ブチル20質量部を撹拌しながら均一に混合した。さらに、反応性軟化剤としてのポリカプロラクトントリオール(プラクセル308、(株)ダイセル有機合成カンパニー)を10質量部、硬化触媒としてジラウリル酸−ジ−n−ブチルスズを0.01質量部、レベラー(BYK300、ビックケミー・ジャパン)を0.2質量部添加混合して、下塗り塗料の主剤を調製した。次いで、アダクトタイプのポリイソシアネート硬化剤(コロネートHL、固形分75%、NCO12.3〜13.3%、日本ポリウレタン工業(株))を、主剤:硬化剤=100:10(質量比)の割合で混合し、シンナーで希釈し、黒色の天然ゴムシートにスプレー塗装した。次いで、90〜100℃で40分間強制乾燥し、下塗り塗膜が形成された天然ゴムシートを得た。
銀鏡膜層形成液を、上記特許文献3(特許第5950427号公報)の[実験例1]に記載の方法により調製した。すなわち、高分子分散剤としてDisperbyk2015(不揮発分40%、酸価10、BYK社)4gを2−プロパノール(イソプロピルアルコール)100g中に溶解し、酸化銀粉末25gを懸濁させた。この高分子分散剤の不揮発分の酸価は25であり、高分子分散剤の含有割合は酸化銀に対して質量比で(4×0.4/25)×100=6.4%となる。なお、Disperbyk2015は、スチレン−無水マレイン酸樹脂構造を有し、この無水マレイン酸の一部が末端水酸基のポリアルキレングリコールによって変性されたものからなる。
上記の実験例1の下塗り塗料をそのまま上塗り塗料として使用してスプレー塗装し、90〜100℃で40分間乾燥し、天然ゴムシートの表面に下塗り塗膜、銀鏡膜層及び上塗り塗膜が形成された実験例1の銀鏡膜層形成試料を得た。
(下塗り塗膜)
アクリルポリオール樹脂(コータックスLH601)を80質量部に酢酸ブチル20質量部を撹拌しながら均一に混合した。次に、触媒としてジラウリル酸−ジ−n−ブチルスズ0.01質量部、レベラー(BYK300)を0.2質量部添加混合して、下塗り塗料の主剤を調製した。次に、弾性型ポリイソシアネート硬化剤(デュラネートE405−70B、固形分70%、NCO6.2%、旭化成(株))を、主剤:硬化剤=100:15(質量比)となるように混合し、シンナーで希釈して黒色の天然ゴムシートにスプレー塗装した。次いで、90〜100℃で40分間強制乾燥して下塗り塗膜が形成された天然ゴムシートを得た。
銀鏡膜層は、実験例1の場合と同様にして形成した。
実験例2の下塗り塗料をそのまま上塗り塗料として使用してスプレー塗装後、90〜100℃で40分間乾燥し、天然ゴムシートの表面に下塗り塗膜、銀鏡膜層及び上塗り塗膜が形成された実験例2の銀鏡膜層形成試料を得た。
(下塗り塗膜)
実験例1と同様の下塗り塗料の主剤に対し、弾性型ポリイソシアネート硬化剤(デュラネートE405−70B)を、主剤:硬化剤=100:20(質量比)となるように混合し、シンナーで希釈して黒色の天然ゴムシートにスプレー塗装した。次いで、90〜100℃で40分間強制乾燥して下塗り塗膜が形成された天然ゴムシートを得た。
銀鏡膜層は、実験例1の場合と同様にして形成した。
実験例3の下塗り塗料をそのまま上塗り塗料として使用してスプレー塗装後、90〜100℃で40分間乾燥し、天然ゴムシートの表面に下塗り塗膜、銀鏡膜層及び上塗り塗膜が形成された実験例3の銀鏡膜層形成試料を得た。
(下塗り塗膜)
ポリカーボネートポリオール樹脂(デュラノールT5652、固形分100%、OH価51〜61、旭化成ケミカルズ(株))60質量部に酢酸ブチル40質量部を撹拌しながら均一に混合した。さらに、反応性軟化剤としてのポリカプロラクトントリオール(プラクセル308)を6質量部、触媒としてジラウリル酸−ジ−n−ブチルスズ0.02質量部、レベラー(BYK300)を0.2質量部添加混合して、下塗り塗料の主剤を調製した。次に、硬化剤として、ビウレット型ポリイソシアネート(デュラネート24A−100、固形分100%、NCO23.5%、旭化成(株))を、主剤:硬化剤=100:10(質量比)となる割合で混合し、シンナーで希釈して、黒色のブチルゴムシートにスプレー塗装した。次いで、90〜100℃で40分間強制乾燥して下塗り塗膜が形成されたブチルゴムシートを得た。
銀鏡膜層形成液を、上記特許文献1(特許第5610359号公報)の[実験例1]に記載の方法により調製した。すなわち、2−エチルヘキシルアンモニウム 2−エチルヘキシルカルバメート4.16gに、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)(大伸化学(株))10.0gを混合した溶液に、酸化銀(Ag2O)(石福金属工業(株))2.1gを添加し、常温で2時間撹拌した。この溶液は、最初は黒色の懸濁液であったが、やがて灰白色に濁った2−エチルヘキシルアンモニウム 2−エチルヘキシルカルバメート酸化銀錯体を含む2−プロパノール溶液になった。灰白色に濁った成分は未反応の酸化銀粒子であり、2−エチルヘキシルアンモニウム 2−エチルヘキシルカルバメート酸化銀錯体は2−プロパノールに溶解した状態となっている。その後、2−エチルヘキシルアンモニウム 2−エチルヘキシルカルバメート酸化銀錯体を含む2−プロパノール溶液中に沈降している酸化銀を濾過して除去した。
実験例4の下塗り塗料をそのまま上塗り塗料として使用してスプレー塗装後、90〜100℃で40分間乾燥し、ブチルゴムシートの表面に下塗り塗膜、銀鏡膜層及び上塗り塗膜が形成された実験例4の銀鏡膜層形成試料を得た。
(上塗り塗膜)
エチレンプロピレンゴム(EPDM)などのオレフィン系ゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)などの熱可塑性エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、軟質ポリプロピレン樹脂(PP)などの軟質プラスチックは、難接着性であり、ワンコートが困難である。対策として、各種プライマーが市販されているが、変性ポリオレフィン系の接着用プライマーを用いることが好ましい。実験例5では、EPDM素材表面へ変性ポリオレフィン系の接着用プライマーを塗布し、この表面に下塗り塗膜、銀鏡膜層及び上塗り塗膜が形成された実験例5の銀鏡膜層形成試料を作成した。
銀鏡膜層は、実験例4の場合と同様にして形成した。
実験例3の下塗り塗料をそのまま上塗り塗料として使用してスプレー塗装後、90〜100℃で40分間乾燥し、EPDMシートの表面に接着用プライマー層、下塗り塗膜、銀鏡膜層及び上塗り塗膜が形成された実験例5の銀鏡膜層形成試料を得た。
(下塗り塗膜)
実験例3と同様にして、下塗り塗膜が形成された天然ゴムシートを得た。
有機溶媒分散コロイダルシリカ(平均粒子径10〜15nm、分散媒メチルイソブチルケトン(MIBK)、固形分30%、日産化学工業(株))100質量部に対して、弾性ポリイソシアネート(デュラネートE405−70B)を3質量部添加し、窒素ガス気流中で撹拌しながら60〜70℃で5時間加熱した。反応終了後、25℃〜30℃で24時間熟成して表面がウレタン化されたコロイダルシリカを得た。この反応は、以下の反応式に示すように、ナノシリカ表面のSiOH基とポリイソシアネートのウレタン化反応と考えられる。
−SiO2−OH + OCN…R…NCO →
−SiO2−COONH…R…HNOOC−SiO2−
実験例3の下塗り塗料をそのまま上塗り塗料として使用してスプレー塗装後、90〜100℃で40分間乾燥し、天然ゴムシートの表面に下塗り塗膜、銀鏡膜層及び上塗り塗膜が形成された実験例6の銀鏡膜層形成試料を得た。
(下塗り塗膜)
実験例3と同様にして、下塗り塗膜が形成された天然ゴムシートを得た。
銀鏡膜層は、実験例4の場合と同様にして調製した酸化銀錯体溶液に、実験例6で調製した表面がウレタン化されたコロイダルシリカを銀の固形分に対して、不揮発分質量比で6%添加混合し、透明な銀錯体/表面がウレタン化されたコロイダルシリカ複合液を得た。この銀錯体/表面がウレタン化されたコロイダルシリカ複合液を2−プロパノールで3倍に希釈して、下塗り塗膜が形成された天然ゴムシートの表面にスプレー塗装し、80〜90℃で30分間乾燥して銀鏡膜層を形成させた。
実験例3の下塗り塗料をそのまま上塗り塗料として使用してスプレー塗装後、90〜100℃で40分間乾燥し、天然ゴムシートの表面に下塗り塗膜、銀鏡膜層及び上塗り塗膜が形成された実験例7の銀鏡膜層形成試料を得た。
(下塗り塗膜)
アクリルポリオール樹脂(コータックスLH601)80質量部に酢酸ブチル20質量部を加えて撹拌しながら均一に混合した。さらに、触媒としてジラウリル酸−ジ−n−ブチルスズを0.01質量部、レベラー(BYK300)を0.2質量部添加混合して、下塗り塗料の主剤を調製した。次いで、アダクトタイプのポリイソシアネート硬化剤(コロネートHL)を、主剤:硬化剤=100:10(質量比)の割合で混合し、シンナーで希釈し、黒色の天然ゴムシートにスプレー塗装した。次いで、90〜100℃で40分間強制乾燥して下塗り塗料が形成された天然ゴムシートを得た。この比較例の下塗り塗膜は、実験例1の下塗り塗膜と比すると反応性軟化剤が配合されていないため、硬質膜となっている。
銀鏡膜層は、実験例1の場合と同様にして形成した。
比較例の下塗り塗料をそのまま上塗り塗料として使用してスプレー塗装後、90〜100℃で40分間乾燥し、天然ゴムシートの表面に下塗り塗膜、銀鏡膜層及び上塗り塗膜が形成された比較例の銀鏡膜層形成試料を得た。
上述のようにして作成された実験例1〜7及び比較例の銀鏡膜層形成試料について、以下に示したとおりの各種物性の測定に供した。
(1)外観表価、
(2)付着性評価試験、
(3)伸び率測定、
(4)耐屈曲性試験、
(5)耐寒屈曲性試験、
(6)冷熱繰り返し付着性試験、
(7)耐湿付着性試験、
(8)耐熱性試験
(9)耐溶剤性試験、
(10)耐酸性試験、及び、耐人工汗試験を行なった。
(11)耐アルカリ性試験。
なお、それぞれの試験の具体的な測定方法及び判断基準は以下に示したとおりであり、結果は纏めて表1に示した。
上塗り塗面が形成された銀鏡膜層に、発色不良、クレーター、クラック膨れ、白亜化が目視できた場合は、×とし、目視できない場合は○とした。
JIS5600−5−6(2007)に準じて評価した。塗膜にカッターナイフを垂直に当てて、2mm×2mm角の碁盤目(100マス)に切り込みを入れた後、接着強度0.44±0.05kgf/mmの接着テープを貼り付け、これを45度の角度で引き剥がす付着試験を行った。結果は、塗膜の剥離が認められなかったものを○、剥離がみとめられたものを×とした。
JISK7311に準拠。精密万能試験機(オートグラフAG−100KNG、(株)島津製作所製)を用いて、約100μmの下塗り塗膜に対して焦点間距離20mm、引張速度50mm/minの条件で行った。
23℃、10mmφの丸棒で下記(i)及び(ii)に示した回数、折り曲げる試験を行い、その後に付着性試験を行った。
(i)繰り返し曲げ10回
(ii)繰り返し曲げ50回
−30℃で5時間放置後、10mmφの丸棒で下記(i)及び(ii)に示した回数、折り曲げる試験を行い、その後に付着性試験を行った。
(i)繰り返し曲げ10回
(ii)繰り返し曲げ50回
−30℃で2時間放置し、その後60℃に2時間放置するというサイクルを3回行った後、付着性評価試験を行った。
40℃±1℃、相対湿度95%以上の恒温槽内に収容して100時間放置した後、付着性試験を行った。
80℃±2℃の恒温槽内に24時間放置した後、付着性評価試験を行った。
石油ベンジンを含んだ綿布に荷重100g/cm2を印加して10往復させて塗膜の表面をこすり、塗膜の表面状態を評価した。異常がないものを○、傷つきがあるものを×とした。
0.1N硫酸水溶液0.2mlを塗装表面に滴下し、23℃、2時間放置後に外観を評価(スポットテスト法)した。
目視により観察し、塗膜の外観に異常やふくれが認められなかったものを○、認められたものを×とした。
0.1N苛性ソーダ水溶液0.2mlを塗装表面に滴下し、23℃、2時間放置後に外観を評価(スポットテスト法)した。
表1に示した結果から、以下のことが分かる。
まず、実験例1と比較例の結果を検討する。
実験例1及び比較例で使用した下塗り塗料及び上塗り塗料(以下、両者を纏めて「塗料」ということがある)は、それぞれ主材としてアクリルポリオールを含み、硬化剤としてアダクトタイプのポリイソシアネートを含むものを用いてポリウレタン樹脂塗膜を形成している点では共通する。しかし、実験例1の塗料は主材としてさらに反応性軟化剤であるポリカプロラクトントリオールが添加されているのに対し、比較例の塗料ではこのような反応性軟化剤が添加されていない点で相違している。なお、アダプトタイプのポリイソシアネートは、ポリウレタン形成用の標準型硬化剤として汎用的に使用されているものである。なお、銀鏡膜層は両者ともに銀ナノ粒子分散液をスプレー塗装することにより形成しており、銀鏡膜層の形成方法に差異はない。
実験例1〜実験例3で使用した塗料は、それぞれ主材としてアクリルポリオールを含むものを用いている点では共通している。しかし、実験例1及び実験例3の塗料は主材中にさらに反応性軟化剤としてのポリカプロラクトントリオールが添加されており、また、実験例2の塗料の主材にはこのような反応性軟化剤が添加されておらず、さらに実験例1の塗料では硬化剤として標準型硬化剤であるアダプトタイプのポリイソシアネートを使用しているのに対し、実験例2及び実験例3の塗料では硬化剤として弾性型ポリイソシアネートを使用している点で相違している。なお、弾性ポリイソシアネートとは、ポリイソシアネートとポリアルキレングリコールエーテルとのウレタン化反応により得られたポリイソシアネート組成物である。
実験例4は、素材としてブチルゴムシートを使用し、塗料の主材としてポリカーボネートポリオールと反応性軟化剤としてのポリカプロラクトントリオールを含むものを用い、硬化剤としてビウレット型ポリイソシアネートを含むものを用いてポリウレタン樹脂塗膜を形成しているものである。ブチルゴムは天然ゴムよりも硬質のゴム弾性体として知られているものであり、ポリカーボネートポリオールを含むポリウレタン塗料は、良好な特性を備えた高耐久の塗膜が得られることが知られているものである。また、ビウレット型ポリイソシアネートは、ポリカーボネートポリオールを用いたポリウレタン形成用の標準型硬化剤として汎用的に使用されているものである。なお、ここでは銀鏡膜形成方法として酸化銀錯体溶液をスプレー塗装することにより形成している。
実験例5は、素材としてエチレンプロピレンゴム(EPDM)シートを使用し、塗料の主材としてポリカーボネートポリオールと反応性軟化剤としてのポリカプロラクトントリオールを含むものを用い、硬化剤として弾性型ポリイソシアネートを含むものを用いてポリウレタン樹脂塗膜を形成しているものである。EPDMゴムは、難接着性であるため、表面に変性ポリオレフィン系の接着用プライマーを塗装し、その表面に下塗り塗料を形成している。ここで用いている塗料は実験例3の塗料と同一のものであり、得られたポリウレタン樹脂塗膜の伸び率も実験例3の場合と同じ463%と非常に大きくなっている。また、ここでは銀鏡膜形成方法として酸化銀錯体溶液をスプレー塗装することにより形成している。
実験例1〜5で得られた銀鏡膜層形成試料では耐寒屈曲性(ii)の測定結果が劣ることが分かったが、この原因として銀鏡膜層と下塗り塗膜ないし上塗り塗膜との間の密着性が良好でないことに起因するものと考えられる。そこで、実験例6及び実験例7では、銀鏡膜層形成用溶液中に有機溶媒分散コロイダルシリカを用いて調製したウレタン化コロイダルシリカを添加したものを用いた。この銀鏡膜層形成用溶液としては、実験例6では上記特許文献3に記載の方法に基づく銀ナノ粒子分散液が、実験例7では上記特許文献1に記載の方法に基づく酸化銀錯体溶液が、それぞれ用いられている。その他の塗膜の形成方法は実験例3のものと同様である。
塗膜の伸び率は、実験例4及び比較例の結果から、80%以上であれば、耐屈曲性(ii)及び耐寒屈曲性(ii)の測定結果を除いて、良好な結果が得られると考えられる。ただ、実験例4の塗膜の伸び率よりも大きい実験例1では、耐寒屈曲性(ii)の測定結果は実験例4の場合と変わらないが、耐屈曲性(i)の測定結果が良好なものとなっていることから、塗膜の伸び率が100%以上であれば耐屈曲性(ii)も良好な結果が得られると考えられる。なお、塗膜の伸び率が600%を越える場合は、塗膜の傷つき性や鏡面外観が低下するため、80%以上600%以下が好ましく、100%以上500%以下がより好ましいことが分かる。
11:ゴム弾性体
12:下塗り塗膜
13:銀鏡膜層
14:上塗り塗膜
Claims (10)
- ゴム弾性体の表面に形成された下塗り塗膜、
前記下塗り塗膜の表面に形成された銀鏡膜層、及び、
前記銀鏡膜層の表面に形成された上塗り塗膜、
を有する銀鏡膜層が形成されたゴム弾性体であって、
前記銀鏡膜層中には弾性型ポリイソシアネートで表面がウレタン化されたコロイダルシリカが含有されており、
前記下塗り塗膜及び前記上塗り塗膜は、ポリオール成分を含む主材とポリイソシアネート成分を含む硬化剤とで形成された、それぞれの伸び率が80%以上600%以下である弾性ポリウレタン樹脂塗膜からなることを特徴とする、銀鏡膜層が形成されたゴム弾性体。 - 前記主材中にポリカプロラクトンポリオールからなる反応性軟化剤が含有されていることを特徴とする、請求項1に記載の銀鏡膜層が形成されたゴム弾性体。
- 前記反応性軟化剤の含有割合は前記主材100質量部に対して5〜10質量部であることを特徴とする、請求項2に記載の銀鏡膜層が形成されたゴム弾性体。
- 前記硬化剤は弾性型ポリイソシアネートを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の銀鏡膜層が形成されたゴム弾性体。
- 前記ゴム弾性体と前記下塗り塗膜の間には接着用プライマー層が形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の銀鏡膜層が形成されたゴム弾性体。
- ゴム弾性体の表面に下塗り塗料を塗布して下塗り塗膜を形成する工程と、
前記下塗り塗膜の表面に銀鏡膜層形成用液を塗布して銀鏡膜層を形成する工程と、
前記銀鏡膜層の表面に上塗り塗料を塗布して上塗り塗膜を形成する工程と、
を備える、ゴム弾性体の表面に銀鏡膜層を形成する方法であって、
前記銀鏡膜層形成用液中に弾性型ポリイソシアネートで表面がウレタン化されたコロイダルシリカが含有されているものを用い、
前記下塗り塗料及び前記上塗り塗料として、それぞれポリオール成分を含む主材とポリイソシアネート成分を含む硬化剤とを含み、前記下塗り塗膜及び前記上塗り塗膜がそれぞれ伸び率80%以上600%以下の弾性ポリウレタン樹脂塗膜となるものを用いることを特徴とする、ゴム弾性体の表面に銀鏡膜層を形成する方法。 - 前記下塗り塗料及び上塗り塗料として、前記主材中にポリカプロラクトンポリオールからなる反応性軟化剤を含むものを用いることを特徴とする、請求項6に記載のゴム弾性体の表面に銀鏡膜層を形成する方法。
- 前記反応性軟化剤の含有割合が前記主材100質量部に対して5〜10質量部のものを用いることを特徴とする、請求項7に記載のゴム弾性体の表面に銀鏡膜層を形成する方法。
- 前記硬化剤として弾性型ポリイソシアネートを含むものを用いることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載のゴム弾性体の表面に銀鏡膜層を形成する方法。
- 前記ゴム弾性体の表面に接着用プライマー層を形成し、前記接着用プライマー層の表面に前記下塗り塗料を塗布して前記下塗り塗層を形成することを特徴とする、請求項6〜9のいずれかに記載のゴム弾性体の表面に銀鏡膜層を形成する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016240927A JP6321766B1 (ja) | 2016-12-13 | 2016-12-13 | 銀鏡膜層が形成されたゴム弾性体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016240927A JP6321766B1 (ja) | 2016-12-13 | 2016-12-13 | 銀鏡膜層が形成されたゴム弾性体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP6321766B1 true JP6321766B1 (ja) | 2018-05-09 |
JP2018094787A JP2018094787A (ja) | 2018-06-21 |
Family
ID=62105906
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016240927A Active JP6321766B1 (ja) | 2016-12-13 | 2016-12-13 | 銀鏡膜層が形成されたゴム弾性体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6321766B1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7206601B2 (ja) | 2018-03-08 | 2023-01-18 | 株式会社デンソー | 燃料噴射弁および燃料噴射システム |
Family Cites Families (25)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3262748B2 (ja) * | 1997-03-11 | 2002-03-04 | 株式会社イノアックコーポレーション | 銀メッキ層を備える積層品及びその製造方法 |
JPH11286531A (ja) * | 1998-04-03 | 1999-10-19 | Daicel Ucb Kk | 非結晶性ウレタン(メタ)アクリレート及びその組成物 |
JP2001164380A (ja) * | 1999-12-06 | 2001-06-19 | Ikuyo Co Ltd | 銀メッキ積層体及びその製造方法 |
JP2002256454A (ja) * | 2001-03-06 | 2002-09-11 | Toyoda Gosei Co Ltd | めっき製品の製造方法 |
JP3800972B2 (ja) * | 2001-03-06 | 2006-07-26 | 豊田合成株式会社 | めっき製品の製造方法 |
JP3945290B2 (ja) * | 2002-04-02 | 2007-07-18 | 豊田合成株式会社 | めっき製品の製造方法 |
JP3896825B2 (ja) * | 2001-11-16 | 2007-03-22 | 豊田合成株式会社 | めっき製品 |
JP2003293163A (ja) * | 2002-04-02 | 2003-10-15 | Toyoda Gosei Co Ltd | めっき製品の製造方法 |
JP2004149909A (ja) * | 2002-11-01 | 2004-05-27 | Advance:Kk | 銀鏡薄膜の形成方法、及び該銀鏡薄膜を含む塗膜の形成方法 |
JP4140368B2 (ja) * | 2002-12-09 | 2008-08-27 | 広行 五十嵐 | 銀鏡皮膜の製造方法 |
JP2006111914A (ja) * | 2004-10-14 | 2006-04-27 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 銀鏡用活性化処理液および銀鏡皮膜の形成方法 |
JP2006274400A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 銀鏡皮膜の形成方法 |
JP2007197743A (ja) * | 2006-01-24 | 2007-08-09 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 銀鏡用活性化処理液 |
JP2008019485A (ja) * | 2006-07-14 | 2008-01-31 | Taki Chem Co Ltd | 銀メッキ製品の製造方法 |
JP2008063592A (ja) * | 2006-09-04 | 2008-03-21 | Taki Chem Co Ltd | 銀メッキ製品用変色抑制剤 |
JP2008110101A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-15 | Katsumi Kakumoto | 銀めっきボタン |
JP4904216B2 (ja) * | 2007-07-05 | 2012-03-28 | 丸一ゴム工業株式会社 | 金属光沢塗装品 |
JP5399769B2 (ja) * | 2009-05-01 | 2014-01-29 | 株式会社トウペ | クリヤーコーティング組成物およびそれからなる塗装品 |
JP2011052187A (ja) * | 2009-09-04 | 2011-03-17 | Asahi Glass Co Ltd | 二液型ポリウレタン系塗膜形成材 |
JP2012188710A (ja) * | 2011-03-11 | 2012-10-04 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 銀鏡用第二活性処理液およびこれを用いた銀薄膜形成方法 |
JP2012201858A (ja) * | 2011-03-28 | 2012-10-22 | Dic Corp | 水性硬化性樹脂組成物 |
JP2014065268A (ja) * | 2012-09-27 | 2014-04-17 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 銀メッキ塗装体 |
JP2014108531A (ja) * | 2012-11-30 | 2014-06-12 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 銀めっき塗装体 |
JP6045527B2 (ja) * | 2014-03-28 | 2016-12-14 | 富士フイルム株式会社 | 積層体及びその製造方法、並びに反射板、ミラーフィルム、抗菌コート、導電膜、熱伝導体 |
JP5800968B1 (ja) * | 2014-08-08 | 2015-10-28 | 株式会社Dnpファインケミカル | 活性エネルギー線硬化型インク組成物、このインク組成物を用いた積層体、及び基材上に像を形成する像形成方法 |
-
2016
- 2016-12-13 JP JP2016240927A patent/JP6321766B1/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7206601B2 (ja) | 2018-03-08 | 2023-01-18 | 株式会社デンソー | 燃料噴射弁および燃料噴射システム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018094787A (ja) | 2018-06-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11203701B2 (en) | Hydroxy functional alkyl polyurea crosslinkers | |
JP5108820B2 (ja) | プレコート金属材料用水系表面処理剤、表面処理金属材料及びプレコート金属材料 | |
JP4635275B2 (ja) | クリヤー塗料組成物、複層塗膜の形成方法及び加飾成形品 | |
JP5610359B2 (ja) | 銀鏡膜層形成組成液、銀鏡膜層形成組成液の製造方法及び銀鏡膜塗面の形成方法 | |
KR101419630B1 (ko) | 흑색 금속판 | |
JP4451080B2 (ja) | 加飾成型品用ベース塗料組成物、加飾成型品用トップクリヤー塗料組成物及び加飾成型品 | |
JP6392801B2 (ja) | 複層塗膜形成方法 | |
RU2684081C2 (ru) | Новая система для электроосаждения покрытий | |
CN107614616B (zh) | 水性聚氨酯树脂组合物和物品 | |
EP3246371A1 (en) | Anti-fouling composition, and anti-fouling sheet | |
CN111699224A (zh) | 具有改善的耐腐蚀性的涂料组合物 | |
JP5053760B2 (ja) | 複層塗膜形成方法 | |
TW201704389A (zh) | 防污性組成物、防污性薄片、及防污性薄片之製造方法 | |
JP2019031086A (ja) | 銀鏡膜層を備えた表面装飾構造 | |
JP6321766B1 (ja) | 銀鏡膜層が形成されたゴム弾性体及びその製造方法 | |
JP5362308B2 (ja) | 複層塗膜形成方法 | |
KR101744008B1 (ko) | 비철금속 코팅용 도료 조성물 및 도장 물품 | |
EP3299491B1 (en) | Corrosion resistant surface treatment and primer system for aluminum aircraft using chromium-free inhibitors | |
KR20200059364A (ko) | 컬러강판 제조용 피씨엠 하도도료 조성물 및 질감형 컬러강판 | |
JP2012061850A (ja) | 金属めっき用塗膜 | |
CN1912030A (zh) | 高温涂敷的丙烯酸树脂涂料及制造方法 | |
KR101401068B1 (ko) | 무광 분체도료 조성물 | |
KR20130026150A (ko) | 무독성 칼라강판 제조 방법 | |
KR102115306B1 (ko) | 2코팅-2베이킹 방식에 의한 후도막 불소 pcm 강판 제조용 pcm 도료 조성물 및 이에 의해 제조된 pcm 도장강판 | |
JP5539264B2 (ja) | 金属皮膜を積層した樹脂製品の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180213 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180326 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180403 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180405 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6321766 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |