JP2006111914A - 銀鏡用活性化処理液および銀鏡皮膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材の表面に銀鏡皮膜を形成する方法において、活性化処理液を用いて得られた基材の銀鏡皮膜の腐食ムラ(斑点状ムラ)を防止する。また第2に活性化処理液の保存安定性が良好であり且つ、活性化処理液の作成直後から長期間にわたり安定した銀鏡皮膜被形成表面に対する親水性を得ることが出来る活性化処理液を提供する。
【解決手段】基材の表面に銀鏡皮膜を形成する方法にあたり、前記基材の銀鏡皮膜被形成表面を活性化する活性化処理液が、塩酸以外の酸を含有し、かつ第1スズ化合物と第2スズ化合物を含有することを特徴とする活性化処理液。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、陶磁器、木材、竹、皮革、発泡スチロール等の基材の表面に銀鏡皮膜を形成する方法に関する。
自動車部品、屋内装飾品、釣具製品、家電製品、通信機器製品、仏具品、建築材等のプラスチック、金属、ガラス、ゴム、陶磁器、木材、竹、皮革、発泡スチロール等に使用される基材には、主として装飾を目的として、その表面に銀鏡皮膜を形成することがある。また銀鏡皮膜は電磁波を遮断する目的で、電磁波シールド品においても利用される場合がある。
このような基材から成る製品の銀鏡皮膜の形成は通常、以下の方法を用いることが知られている。最初に各種基材の製品の表面を銀鏡皮膜が形成されるに適した表面(以下、「銀鏡皮膜被形成表面」という)とするための前処理を実施する。これによって得られた清浄な銀鏡皮膜被形成表面に銀鏡反応により銀を析出させるために塩化第1スズ等を含有する活性化処理液を接触させ、第1スズイオンを触媒として担持させる。その後、活性化処理された該基材表面に銀鏡めっきを施すことによって銀鏡皮膜を形成する。銀鏡用めっき液は一般に硝酸銀及びアンモニアを含有する銀溶液とホルマリン、ブドウ糖、グリオキザール、ヒドラジン等の還元剤を含有する液の混合物から成る無電解めっき液を用いる。そして洗浄を繰り返した後、乾燥し前記銀めっき層の表面に保護層を形成する。
上記方法は、銀鏡皮膜と銀鏡皮膜被形成表面との間の接着性および耐久性に優れ、また作業性が良好な簡易な方法により優れた性能の銀鏡皮膜を有する製品を得ることが出来る方法として知られている。
しかしながら上記方法によって得られた銀鏡皮膜を有する製品は、銀鏡皮膜の変色および腐食等のいわゆる「シケ」と呼ばれる腐食が生じることが知られている。特に美麗な外観が要求される商品においては、「シケ」は意匠性の著しい低下を招き、商品価値を損なうことがある。本発明者等の検討の結果、活性化処理液中に添加される塩酸が、「シケ」と呼ばれる銀鏡皮膜の腐食に影響を及ぼしていることが判った。
活性化処理液に用いられる塩酸は、例えば塩化第1スズが水溶液中で水酸基(OH-)と反応して塩基性塩(Sn(Cl)OH)の白色沈殿の析出を防止する目的で用いられることは周知である。このことは例えば金属表面技術便覧(金属表面技術協会編集、昭和52年 日刊工業新聞社発行)にも記載されている(非特許文献1)。従って、「シケ」の防止を目的に活性化処理液中から塩酸を無添加とすることは、従来の技術では前述したように塩基性塩の白色沈殿の析出が顕著となり、活性化処理液の保存安定性を著しく低下させるため困難であった。
また工業的に大量の活性化処理液を作成する場合、ステンレス等の材質を用いた製造設備と塩酸を用いた活性化処理液が長期間接触することにより、塩酸が原因で前記製造設備表面が腐食され、老朽化することがある。前記製造設備としては、例えば活性化処理液を作成する溶解釜、作成した活性化処理液を送液するため送液ポンプおよび送液管等が挙げられる。更には活性化処理液を銀鏡皮膜被形成表面に接触させる為に好適に実施するスプレー塗布に用いるスプレーガン等も腐食し老朽化させることがあった。
一方、活性化処理液の保存安定性に関しては、従来より活性化処理液の解決が望まれる課題として知られている。例えば、特開2003−13240号公報(特許文献1)には第1スズ化合物および塩酸を含有する液に酸素を吹き込む活性化処理液が、また特開2003−129249号公報(特許文献2)には第1スズ化合物を含有する液に一定量の第2スズ化合物を添加した活性化処理液が開示されている。しかしながらこれら公報記載の活性化処理液の保存安定性は十分満足できるものではなかった。また同公報の何れの活性化処理液においても大量の塩酸を含有している。その添加量はきわめて多く、活性化処理液に用いる第1塩化スズ等のおおよそ等モル量〜4倍モル量である。多量に添加された塩酸を除去するためには、活性化処理液を用いた触媒担持工程と銀鏡反応によるめっき工程の間に実施される水洗処理は有効ではある。しかし水洗処理によっても塩酸は十分に除去されずに残留し、銀鏡皮膜の変色または腐食をもたらすことがあった。
上記公報の手段により得られた活性化処理液は、新たな問題として直後活性が十分でないことも判明した。即ち、液作成直後にこの活性化処理液を用いると、銀鏡皮膜被形成表面に対する親水性(直後活性)が十分でなく、得られた銀鏡皮膜にハジキ、スジ、シミ、クスミのように見えるムラが発生する。従って従来の活性化処理液は液作成直後、いわゆる新液の状態では直後活性が不十分なため、満足できうる銀鏡皮膜を得るために、銀鏡皮膜被形成表面に対して活性化処理を繰り返し行う必要があった。あるいは活性化処理液を作成した後、ある一定期間保存することで銀鏡皮膜被形成表面に対する親水性が向上するのを待ち、活性化処理を行う必要があった。しかし保存期間が長すぎると第1スズ化合物の塩基性塩の生成、沈殿に伴い、活性化処理に対する有効成分が少なくなり銀鏡皮膜被形成表面に対する親水性が低下し、新液状態の時と同様に満足できうる銀鏡皮膜被形成表面に対する親水性が得られるまで活性化処理を繰り返し行う必要があった。また最終的には第1スズ化合物の殆どが沈殿してしまい、全く不活性になる。
金属表面技術便覧 金属表面技術協会編集、 日刊工業新聞社発行(昭和52年)p476−477 特開2003−013240号公報(第1頁〜第2頁) 特開2003−129249号公報(第1頁〜第2頁)
本発明が解決しようとする課題は、基材の表面に銀鏡皮膜を形成する方法において、活性化処理液を用いて得られた基材の銀鏡皮膜の腐食ムラ(斑点状ムラ)を防止することである。また第2に活性化処理液の保存安定性が良好であり且つ、活性化処理液の作成直後から長期間にわたり安定して銀鏡皮膜被形成表面に対する親水性を得ることが出来る活性化処理液を提供することにある。
1.基材の表面に銀鏡皮膜を形成する方法にあたり、前記基材の銀鏡皮膜被形成表面を活性化する活性化処理液が、塩酸以外の酸を含有し、かつ第1スズ化合物と第2スズ化合物を含有することを特徴とする活性化処理液。
2.第1スズ化合物と第2スズ化合物を合わせたスズ化合物の総モル量に対して、第2スズ化合物が20乃至85モル%の範囲にあることを特徴とする前記1記載の活性化処理液。
3.第1スズ化合物と第2スズ化合物を合わせたスズ化合物の総モル量に対して、第2スズ化合物が30乃至75モル%の範囲にあることを特徴とする前記1記載の活性化処理液。
本発明によれば、塩化第1スズ等の第1スズ化合物を含有する活性化処理液を用いて得られた基材の銀鏡皮膜の腐食ムラ(斑点状ムラ)を防止することができる。また活性化処理液の保存安定性が良好であり且つ、活性化処理液の作成直後から長期間にわたり安定した銀鏡皮膜被形成表面に対する親水性を得ることが出来る。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に用いる活性化処理液は、塩酸以外の酸を含有し、かつ第1スズ化合物と第2スズ化合物を含有することを特徴とする活性化処理液である。
本発明の活性化処理液には、第1スズ化合物の塩基性塩の沈殿を抑制する目的で塩酸以外の酸を利用する。塩酸以外の酸としては、例えば臭化水素等の非塩素系の水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等のオキソ酸を用いることができる。これらの中でも特に硝酸を用いると白色沈殿の析出を長期間に渡って抑制することができる。塩酸以外の酸の使用量としては、活性化処理液の使用液1リットルあたり0.01モル〜0.4モル、より好ましくは0.02モル〜0.3モルの範囲で用いることができる。このようにして調整される活性化処理液のpHは2.0以下に調整することが好ましく、更に1.5以下がより好ましい。
本発明に用いる活性化処理液は第1スズ化合物と第2スズ化合物を含有する。活性化処理液に第1スズ化合物と第2スズ化合物を用いることは、前記特許文献2にも記載されているが、本発明者は、第1スズ化合物と第2スズ化合物を活性化処理液に用いることにより活性化処理液の保存安定性を改善する効果の他に、従来からの活性化処理液の問題点であった活性化処理液の直後活性を改善できることを見いだした。活性化処理液の直後活性とは、従来から知られる活性化処理液の液作成直後に活性化処理液を用いて活性化処理を実施すると、銀鏡皮膜被形成表面に対する親水性が十分でなく、得られた銀鏡皮膜にシミ、クスミのように見えるムラが発生することがあったが、この液作成直後の銀鏡皮膜被形成表面に対して親水性を付与する活性度のことを意味する。また液作成直後とは活性化処理液を作成後、おおよそ5時間以内に活性化処理液を用いた処理を実施するまでの時間である。
従来の活性化処理液は前述したように銀鏡皮膜の腐食ムラの原因となる大量の塩酸を含有する。しかし塩酸を実質的に無添加とすることは、活性化処理液中に第1スズ化合物が水酸基と反応して白色沈殿を生成するので容易に実施できない。しかし活性化処理液中に塩酸以外の酸および第1スズ化合物と第2スズ化合物を用いることにより、従来の活性化処理液よりも良好な保存安定性を付与でき、かつ活性化処理液の直後活性を同時に改善できることを見いだした。
上記効果を得るための第1スズ化合物と第2スズ化合物の使用比率には好ましい範囲があり、第1スズ化合物と第2スズ化合物を合わせたスズ化合物の総モル量に対して、第2スズ化合物が20乃至85モル%の範囲で用いられる。活性化処理液中の第2スズ化合物の使用量が、スズ化合物の総モル量に対して20モル%を超えると、活性化処理液の経時安定性と直後活性が著しく改善され、また活性化処理液中の第2スズ化合物の使用量が、スズ化合物の総モル量に対して85モル%を超えると、保存後の活性化処理液の活性度と活性化処理液の直後活性が次第に低下する。第1スズ化合物と第2スズ化合物の使用比率は前記範囲が好ましいが、更に30乃至75モル%の範囲がより好ましい。
本発明の活性化処理液に用いる第1スズ化合物と第2スズ化合物を合わせたスズ化合物の総モル量としては、活性化処理液の使用液1リットルあたり0.01モル〜0.4モル、より好ましくは0.02モル〜0.3モルである。また長期保存を目的として例えば2倍希釈して用いるに相当するスズ化合物を有する、いわゆる濃縮液として作成することもできる。
本発明に用いる第1スズ化合物としては、塩化第1スズ、酸化第1スズ、硫酸第1スズ、およびこれらの混合物を用いることができる。また第2スズ化合物としては塩化第2スズ、酸化第2スズ、およびこれらの混合物を用いることができる。
第1スズ化合物の溶解方法は、第1スズ化合物の水への溶解性をさらに高める等の目的で、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール、エーテル、アセトン、および少量の塩酸等を加えた水溶液中で溶解することもできる。塩酸の使用は本来「シケ」と呼ばれる銀鏡皮膜の腐食に影響を及ぼすため好ましくないが、本発明の目的を損なわない範囲の少量であれば活性化処理液を用いた触媒担持工程と銀鏡反応によるめっき工程の間に実施される水洗処理によって「シケ」が認められないレベルまで除去することは可能である。したがって塩酸の使用量としては活性化処理液の使用液1リットルあたり0.06モル以下、好ましくは更に0.02モル以下とする。
次に、本発明の活性化処理液を使用する銀鏡皮膜方法の具体例について説明する。
本発明において、銀鏡皮膜が形成される基材としては、金属、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂等のプラスチック樹脂、ゴム、木材、皮革、ガラス板、陶磁器など、様々なものが使用できる。
これらの基材は以下に述べる各処理工程に先立ち、前処理としてその表面を清浄化して銀鏡皮膜被形成表面を形成することが好ましい。すなわち、基材が、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂等のプラスチック樹脂、ゴム、木材、皮革の場合には、表面の油、その他の汚れをイソプロピルアルコール、洗剤等の素材を傷めない前処理剤を用いて脱脂し、充分に乾燥させる。基材がガラスである場合には、エチルアルコールで脱脂する。基材が陶磁器である場合には、ガラスと同様の前処理でよいが、多孔質の場合には、上記のプラスチックと同様の前処理を行うことが好ましい。基材が金属である場合には、表面が油、錆び等で汚染されていることが多いので、十分に脱脂、脱錆した後、必要に応じてプラスチックと同様の前処理を行うことが好ましい。
更に、清浄化した後の基材の表面には、予め、アンダーコート層を設けておくことが好ましい。アンダーコート層としては、例えば特開2002−256454号公報や特開平10−309774号公報に記載されている如き、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、2液硬化型ポリウレタン樹脂等からなるアンダーコート層、あるいはアルコキシチタニウムエステル並びにエポキシ基を有するシランカップリング剤及びエポキシ樹脂のうちの少なくとも一方を含有する塗料からなるアンダーコート層が挙げられる。このようにして、各基材表面に清浄な銀鏡皮膜被形成表面を形成することができる。
続いて、この清浄な銀鏡皮膜被形成表面に対して、本発明の活性化処理液を用いて活性化処理を行う。前記活性化処理液を用いて処理する方法としては、前記活性化処理液中に銀鏡皮膜被形成表面を形成した基材を浸漬するか、または銀鏡皮膜被形成表面に本発明の活性化処理液をスプレー塗布することにより実施する。特にスプレー塗布は好適である。
次いで、本発明の活性化処理液による活性化処理工程で基材表面に余分に付着した活性化処理液を脱イオン水又は精製蒸留水で洗浄することが好ましい。この洗浄液には例えば特開平6−38860号公報に記載されたような界面活性剤を含んでいてもよい。
上記の洗浄の後、塩化物を形成し得る金属塩化合物による処理を行う。前記金属として好ましいものは銀であり、特に硝酸銀が好適である。
この処理工程は、上記金属塩化合物の水溶液に基材を浸漬するか、あるいは金属塩化合物の水溶液を基材表面にスプレー塗布することにより実施される。特に、スプレー塗布は好適である。
続いて、銀鏡用めっき液を使用する銀鏡反応処理の工程に進む。この工程では、例えば以下の銀鏡用めっき液を使用することにより、均一な光沢を有し、しかも、特に、ラッカーもしくは二液反応型塗料を塗布したアンダーコート層を有する銀鏡皮膜被形成表面に対する強固な密着性を発現することができる。
銀鏡用めっき液は、例えば以下のようにして調製される。すなわち、まず、水、好適には脱イオン水1リットルに対して、硝酸銀1〜20g、好ましくは3〜15gと、28%アンモニア水溶液2〜150g、好ましくは5〜75gと、例えば、モノエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアミノアルコール化合物、及び、例えば、グリシン、アラニン、グリシンナトリウム等のアミノ酸又はその塩よりなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物0〜50g、好ましくは0〜10gとを含有する銀溶液(A)を調製する。
別に、脱イオン水1リットルに対して、例えば、硫酸ヒドラジン又はヒドラジン水和物等のヒドラジン化合物1〜50g、好ましくは2〜15gと、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム0〜20g、好ましくは0〜10gと、上記銀溶液(A)と同様のアミノアルコール化合物及びアミノ酸又はその塩よりなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物0〜50g、好ましくは0〜10gとを含有する還元溶液(B)を調製する。
また、銀溶液(A)及び/又は還元溶液(B)へのアミノアルコール化合物及びアミノ酸又はその塩よりなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物の配合量は、これらの液を混合して得られるめっき液において、めっき液1リットル当たり、合計量が1〜50g、好ましくは3〜10gとなるように調整することが好ましい。
上記により得られた銀溶液(A)と還元溶液(B)とを別々の圧送タンクに収納しておき、各溶液用のスプレーガンによって、両溶液を同時に銀鏡皮膜被形成表面に吹き付けて銀鏡反応処理を行い、銀鏡皮膜を形成する。処理後、脱イオン水又は精製蒸留水で洗浄し、十分に乾燥させる。
本発明においては、更に、この銀鏡皮膜上にトップコート層として、公知のクリヤーコーティングを施すことによって、耐密着性、耐食性、耐摩耗性、耐変色性等を一段と向上することができる。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。尚、部及び%は質量部、質量%を示す。
ABS樹脂製品の脱脂、水洗、乾燥した表面に、銀鏡用のアンダーコート塗料(大橋化学工業株式会社製;アンダーブラックNo.0128)を、硬化剤及びシンナーと10:2:4〜5の重量割合で混合して塗布し、次いで、溶剤を揮発させた後、80℃で30分乾燥し、銀鏡皮膜被形成表面を得た。
この銀鏡皮膜被形成表面を処理する活性化処理液として、表1に記載した組成の活性化処理液1〜13及び下記記載の活性化処理液14、15を作成した。
Figure 2006111914
活性化処理液14は次のようにして作成した。0.39モルの濃硫酸中に0.08モルの硫酸第1スズを添加し攪拌した。この液を水500mlへ少しずつ攪拌しながら添加した。この後硝酸を0.07モル、塩化第2スズを0.053モル添加、攪拌し水を加えて1リットルとした。
活性化処理液15は、表1中に記載の活性化処理液6の各成分を2倍量とした活性化処理液の濃縮液を作成した。
活性化処理液の保存安定性は以下に記す方法で評価した。前記活性化処理液1〜12それぞれを500ml準備し、内容量が約1リットルとして市販されているポリエチレン試薬瓶中へ入れ密閉した。これを設定温度50℃での強制加温を実施し、その後の活性化処理液の沈殿発生状況および活性化処理液の活性度を調べ、表2に記載した。活性化処理液の沈殿発生状況は加温後の活性化処理液を観察し、4段階で評価した。○は沈殿がない黄色の活性化処理液、○△は沈殿はないがやや濁った黄色の活性化処理液、△は白濁した活性化処理液、×は沈殿が発生した無色透明の活性化処理液である。
前記方法で得られた基材の清純な銀鏡皮膜被形成表面に活性化処理液1〜15をスプレーガンで吹き付けて活性化処理を行い、精製水にて洗浄した。
活性化処理液の活性度は以下に記す方法で評価した。銀鏡皮膜被形成表面(縦横それぞれ10cm角)に対しハンドスプレーを用いて(一回の吐出量が約1ml)上記活性化処理液を噴霧する。銀鏡皮膜は以下に記載の処理を施された後に形成されるが、ハジキ、スジ、シミ、クスミのように見えるムラの発生がない良好な鏡面の銀鏡皮膜を得るために必要な活性化処理液の噴霧回数によって評価し表2中に記載した。また表2中の直後活性とは、活性化処理液の液作成直後の活性度を表し、前記活性度と同様の方法で評価した。ただし活性化処理液12は濃縮液状態で強制加温を実施し、活性化処理を実施するときに希釈し、この時の活性度を評価した。
続いて、脱イオン水1リットルに塩化物を形成し得る金属塩化合物としての硝酸銀10gを1リットルの水に溶解した水溶液(a)をスプレーガンで吹き付けて処理した。
銀鏡用めっき液は、次のようにして調製した。先ず、脱イオン水1リットルに硝酸銀20gを溶解して(1)液とし、別に、脱イオン水1リットルに28%アンモニア水溶液100g、モノエタノールアミン5gを溶解して(2)液とし、使用前に、これら(1)液及び(2)液を1対1で混合してアンモニア性銀溶液(A)とした。次に、脱イオン水1リットルに硫酸ヒドラジン10g、モノエタノールアミン5g及び水酸化ナトリウム10gを溶解して還元溶液(B)とした。
このように調製した銀溶液(A)と還元溶液(B)とを、上記の銀鏡皮膜被形成表面に、2頭スプレーガンを使用して同時に吹き付けて銀鏡を形成させ、精製水にて洗浄した。このスプレーガンは、銀溶液と還元溶液とを同時に被処理面に到達させ、瞬時に銀イオンが還元されて銀鏡皮膜を形成することを可能にする。
最後に銀鏡皮膜表面にトップコート剤として藤倉化成株式会社製の「PTC−02」をスプレー塗布し、約70℃の乾燥炉内で70分乾燥させることによりトップコート層を形成させた。
活性化処理液1〜15を用いて得られたそれぞれのめっき製品について耐食性加速試験を実施した。詳細には各めっき製品が静置された試験装置内を50℃80%RHの環境に調整して加温し、その後めっき製品の各サンプルを24、48、72、120、240時間経過した時点で試験装置から取り出し、各めっき製品を流水にて洗浄する。こうして塩水噴霧が行われた各めっき製品に対して、その外観を腐食の進行状況の尺度として、鏡面の変色及び白濁等のシケの発生状況を観察し目視判定した。表2中にはシケが認められなかった最長時間を記載した。
Figure 2006111914
表2の結果より、本発明の活性化処理液を用いることにより、得られた基材の銀鏡皮膜の腐食ムラ(斑点状ムラ)を防止することができる。また活性化処理液の保存安定性が良好であり且つ、活性化処理液の作成直後から長期間にわたり安定した銀鏡皮膜被形成表面に対する親水性を得ることができる。また表2中、活性化処理液No.13を用いた場合には銀鏡皮膜の形成ができなかったので、表中の活性度欄および耐食加速試験結果欄には(−−−)と記載した。

Claims (3)

  1. 基材の表面に銀鏡皮膜を形成する方法にあたり、前記基材の銀鏡皮膜被形成表面を活性化する活性化処理液が、塩酸以外の酸を含有し、かつ第1スズ化合物と第2スズ化合物を含有することを特徴とする活性化処理液。
  2. 第1スズ化合物と第2スズ化合物を合わせたスズ化合物の総モル量に対して第2スズ化合物が20乃至85モル%の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の活性化処理液。
  3. 第1スズ化合物と第2スズ化合物を合わせたスズ化合物の総モル量に対して第2スズ化合物が30乃至75モル%の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の活性化処理液。
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