JP5960073B2 - ミラーフィルム、その製造方法、および太陽熱発電装置用または太陽光発電装置用ミラーフィルム - Google Patents
ミラーフィルム、その製造方法、および太陽熱発電装置用または太陽光発電装置用ミラーフィルム Download PDFInfo
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Description
近年、これらの問題を解決するために、集光型の太陽光発電や集光型の太陽熱発電が提案されている。これら方式では太陽エネルギーのエネルギー密度が低い問題に対して、反射鏡で太陽光を集めることによって解決をはかろうとしている。
しかしながら、無電解めっきによる成膜は、無電解めっきで使用する処理液中において金属の自己析出反応が起こりやすく、処理液の寿命が著しく低くなるため、生産効率やコストの面で問題があった。また、無電解めっき処理にて表面凹凸が増加し、反射率が低くなるという問題も生じていた。
しかしながら、これら手法による成膜では、下塗りポリマー層の表面凹凸や還元された金属の粒子径に依存した表面平滑性となるため、ある程度の平滑な表面にはなるが、太陽光集光用の反射ミラーとしては十分な表面平滑性を得ることができず、反射性能が低いという問題が生じていた。
特許文献2:特開2009−164575号公報
特許文献3:特開2006−228478号公報
また、上記の性能を有するミラーフィルムの簡易な製造方法を提供することを課題とし、それを用いた太陽熱発電装置、太陽光発電装置を提供することを課題とする。
<1> 支持体と、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層と、銀を含有する反射層と、樹脂保護層と、をこの順に有し、前記還元された金属粒子の平均一次粒子径が、1nm以上60nm以下であり、前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層における前記銀を含有する反射層側の表面粗さRaが10nm以下であり、前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層の表面抵抗値が、0.001Ω/□以上100Ω/□以下であり、該銀を含有する反射層における該樹脂保護層側の表面粗さRaが10nm以下であり、前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層が下記式(A)で表される重合性基含有ユニットと下記式(B)で表される非解離性官能基からなる相互作用性基含有ユニットと下記式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体、又は下記式(A)で表される重合性基含有ユニットと下記式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体であるめっき下塗りポリマーを用いて形成されたミラーフィルム。
上記式(A)〜(C)中、R1〜R6は、夫々独立して、水素原子、又は炭素数1〜4の置換若しくは無置換のアルキル基を表し、X、Y、Z、及びUは、夫々独立して、単結合、置換若しく無置換の二価の有機基、エステル基、アミド基、又はエーテル基を表し、L1、L2、及びL3は、夫々独立して、単結合、又は置換若しくは無置換の二価の有機基を表し、Wはめっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する非解離性官能基を表し、Vはカルボン酸基を表す。
<3> 前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層の表面抵抗値が、0.03Ω/□以上50Ω/□以下である<1>又は<2>に記載のミラーフィルム。
<5> 波長600nmの光の反射率が、90%以上である<1>〜<4>のいずれか1項に記載のミラーフィルム。
<6> 支持体上に、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を形成する工程、電気めっきにより、銀を含有する反射層を形成する工程、及び樹脂保護層を形成する工程を含み、前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を形成する工程が、前記式(A)で表される重合性基含有ユニットと前記式(B)で表される非解離性官能基からなる相互作用性基含有ユニットと前記式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体、又は前記式(A)で表される重合性基含有ユニットと前記式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体であるめっき下塗りポリマーを用いてポリマー層を形成する工程を含む<1>〜<5>のいずれか1項に記載のミラーフィルムの製造方法。
<7> 前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を形成する工程が、支持体上に金属前駆体を含むめっき下塗りポリマー層を形成する工程、及び前記金属前駆体を還元する工程を含む<6>に記載のミラーフィルムの製造方法。
<10> 前記支持体上に金属前駆体を含むめっき下塗りポリマー層を形成する工程が、前記めっき下塗りポリマーを用いて形成したポリマー層を有する支持体に対してエネルギーを付与した後に、未反応のめっき下塗りポリマーを除去する工程を含む<7>〜<9>のいずれか1項に記載のミラーフィルムの製造方法。
<11> 前記金属前駆体を還元する工程が、金属前駆体を、還元剤を含有する水溶液に接触させることにより還元する工程を含む<7>〜<10>のいずれか1項に記載のミラーフィルムの製造方法。
<12> 前記電気めっきにより、銀を含有する反射層を形成する工程が、電気めっき後処理として、前記電気めっき後のめっき下塗りポリマー層を有する支持体を洗浄する工程を含む<6>〜<11>のいずれか1項に記載のミラーフィルムの製造方法。
<13> 太陽熱発電装置用または太陽光発電装置用である<1>〜<5>のいずれか1項に記載のミラーフィルム。
高い密着力を示すのは、めっき下塗りポリマー層に含まれる還元された金属粒子と反射層に含まれる銀との相互作用によるもの、およびめっき下塗りポリマー層に含まれるポリマーと還元された金属粒子との親和力によるものと推定される。
また、銀を含有する反射層は無電解めっきを経ずに形成できるので、無電解めっきによって、めっき下塗りポリマー層の表面が粗面になることもないので、高い反射率を示すものと推測される。
また、本発明によれば、上記の性能を有するミラーフィルムの簡易な製造方法を提供することができ、それを用いた太陽熱発電装置、太陽光発電装置を提供することができる。
本発明に係るミラーフィルムは、(A)支持体と、(B)還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層と、(C)表面粗さRaが20nm以下であり、銀を含有する反射層(以下、適宜、「銀含有金属層」と称する。)と、(D)樹脂保護層と、をこの順に有し、前記還元された金属粒子の平均一次粒子径が、1nm以上60nm以下であり、前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層における前記銀を含有する反射層側の表面粗さRaが10nm以下であり、前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層の表面抵抗値が、0.001Ω/□以上100Ω/□以下であり、該銀を含有する反射層における該樹脂保護層側の表面粗さRaが10nm以下であり、前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層が後述の式(A)で表される重合性基含有ユニットと後述の式(B)で表される非解離性官能基からなる相互作用性基含有ユニットと後述の式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体、又は後述の式(A)で表される重合性基含有ユニットと後述の式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体であるめっき下塗りポリマーを用いて形成され、前記銀含有金属層が反射面を構成することを特徴とする。
先ず、各層について各層を構成する成分と共に説明し、次いで製造方法について説明する。なお、各層の説明において一部の製造方法についても説明する。
本発明において、(A)支持体として用いるフィルム基材の材料としては、フレキシブル性や軽量化の観点で、ガラスエポキシ、ポリエステル、ポリイミド、熱硬化型ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリアラミド、紙、液晶ポリマー等をフィルム状に成形した樹脂フィルムなどを用いることができる。
樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BT樹脂、PPE樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、液晶樹脂、ポリエステル樹脂、PEN、アラミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルスルホン、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリアセチレン等が好適であり、フィルム状に成形できる樹脂であればすべて使用することができる。
特に好適な支持体としては、ポリエステル樹脂のフィルム又はポリイミド樹脂のフィルムが挙げられる。
支持体の厚みとしては、10μm〜5mm程度が好ましい。これより薄いと生産時のハンドリングが難しくなり、これより厚いと成形しにくくなる。より好ましくは、20μm〜1mmであり、更に好ましくは25μm〜500μmである。
また、柔軟性を維持するための可塑剤、フィルム自体の劣化を防ぐ酸化防止剤、ラジカル捕捉剤等を含んでもよい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、チオール系酸化防止剤、及びホスファイト系酸化防止剤を使用することが好ましい。
特に、フェノール系酸化防止剤としては、分子量が550以上のものが好ましい。
ホスファイト系酸化防止剤としては、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス−(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)−ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレン−ジホスホナイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
支持体に酸化防止剤を用いる場合の含有量としては、支持体の基材となる樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲であることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、トリアジン系等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
支持体に紫外線吸収剤を用いる場合の含有量としては、支持体の基材となる樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲であることが好ましい。
本発明における(B)還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層は、還元された金属粒子と、後述のめっき下塗りポリマーとを少なくとも有する。
本発明においては、金属前駆体と後述のめっき下塗りポリマーとを含む組成物を用いて、支持体上に塗布等の方法により金属前駆体を含むめっき下塗りポリマー層を形成し、あるいは、後述のめっき下塗りポリマーを含む組成物を用いて支持体上に層を形成し、その後、金属前駆体を含む組成物を支持体上に設けた前記層に浸漬等の方法によって接触させることにより金属前駆体を含むポリマー層を形成し、然る後、金属前駆体を含むめっき下塗りポリマー層が有する該金属前駆体を還元して、本発明の(B)還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を形成することが好ましい。
先ず、めっき下塗りポリマー層形成用組成物に用いるめっき下塗りポリマーについて説明する。
本発明におけるめっき下塗りポリマー層形成用組成物に用いるめっき下塗りポリマーは、重合性基、及び、金属前駆体と相互作用する官能基(以後、適宜「相互作用性基」と称する。)を少なくとも有する。相互作用性基は、以下に詳述するように、酸性基などのイオン性極性基と、シアノ基などの非解離性官能基を含む。
めっき下塗りポリマーは、目的に応じて、重合性基を含む構成単位、および相互作用性基を含む構成単位以外の構成単位を含んでいてもよい。重合性基を含む構成単位、および相互作用性基を含む構成単位以外の構成単位(以下、適宜、「他の構成単位」と称する。)を含むことによって、めっき下塗りポリマー層形成用組成物としたときに、水または有機溶剤への溶解性に優れ、均一なめっき下塗りポリマー層を形成することができる。
(めっき下塗りポリマーの主骨格)
めっき下塗りポリマーの主骨格としては、アクリルポリマー、ポリエーテル、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル等が好ましいが、アクリルポリマーであることがより好ましい。
アクリルポリマーに導入される酸性基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられるが、原料入手の点からカルボキシル基が好ましい。
また、重合性基としては、(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリルアミド基、カルボン酸のビニルエステル基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、アリルエステル基、スチリル基等の各種重合性基が好ましい。
これらの例としては、特許2763775号公報、特開平3−172301号公報、特開2000−232264号公報等に記載されているものが挙げられる。
めっき下塗りポリマーが有する重合性基は、エネルギー付与により、ポリマー同士、または、ポリマーと下地層(支持体若しくは支持体上に設けられた下塗り層)との間で化学結合を形成しうる官能基であればよい。重合性基としては、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基などが挙げられる。カチオン重合性基としては、オキセタン環、オキシラン環(エポキシ環)、ビニルエーテル基を含む官能基が挙げられる。
なかでも、反応性の観点から、ラジカル重合性基が好ましい。
前記R2及びR3としては、それぞれ独立に、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基等が挙げられ、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が、ラジカル反応性が高いことからより好ましい。
これらの基に導入しうる置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。
これらの基に導入しうる置換基としては、前記一般式(A−5)においてR1、R2及びR12に導入しうる置換基として挙げたものが同様に例示される。
前記Yが表す−N(−R12)−におけるR12としては、前記一般式(A−5)におけるR12において挙げたものと同様である。
また、前記R10、R11としては、それぞれに、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基等が好ましく、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がラジカル反応性が高いことからより好ましい。
ここで、導入しうる置換基としては、前記一般式(A−5)においてR1、R2及びR12に導入しうる置換基として挙げたものが同様に例示される。
前記Zとしては、酸素原子、硫黄原子、−NR13−、又は置換基を有してもよいフェニレン基を表す。R13は、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基を表し、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
ここで、含有量(meq/g)は、例えば、ヨウ素価滴定により測定することができる。
側鎖にカルボキシル基を含有する高分子化合物は、例えば、カルボキシル基を含有するラジカル重合性化合物1種以上と、必要に応じて共重合成分として他のラジカル重合性化合物1種以上とを通常のラジカル重合法によって製造することができ、ラジカル重合法としては、例えば、懸濁重合法、溶液重合法等が挙げられる。
めっき下塗りポリマーが有する相互作用性基は、金属前駆体と相互作用する官能基(例えば、配位性基、金属イオン吸着性基など)であり、金属前駆体と静電相互作用を形成可能な官能基、あるいは、金属前駆体と配位形成可能な、含窒素官能基、含硫黄官能基、含酸素官能基などを使用することができる。
相互作用性基としては、非解離性官能基であっても、イオン性極性基であってもよく、これらが同時に含まれていてもよい。
非解離性官能基からなる相互作用性基としては、上記相互作用性基の中でも、極性が高く、めっき触媒等への吸着能が高いことから、エーテル基、又はシアノ基が特に好ましく、シアノ基が最も好ましいものとして挙げられる。
一般的に、高極性になるほど吸水率が高くなる傾向であるが、シアノ基はめっき下塗りポリマー層中にて互いに極性を打ち消しあうように相互作用しあうため、膜が緻密になり、且つ、めっき下塗りポリマー層全体としての極性が下がるため、高極性にもかかわらず吸水性が低くなる。また、めっき下塗りポリマー層の良溶剤にてめっき触媒を吸着させることで、シアノ基が溶媒和されてシアノ基間の相互作用がなくなり、めっき触媒と相互作用できるようになる。以上のことから、シアノ基を有するめっき下塗りポリマー層は低吸湿でありながら、めっき触媒とはよく相互作用をする、相反する性能を発揮する点で、好ましい。
また、本発明における相互作用性基としては、既述の置換基のなかでも、シアノ基、又は、アルキルシアノ基であることが更に好ましい。これは、芳香族シアノ基は芳香環に電子を吸引されており、めっき触媒等への吸着性として重要な不対電子の供与性が低めになるが、アルキルシアノ基はこの芳香環が結合していないため、めっき触媒等への吸着性の点で好ましい。
また、イオン性極性基からなる相互作用性基としては、上記相互作用性基の中でも、めっき下塗りポリマーの基材との密着性の観点から、酸性基が好ましく、より具体的には、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ボロン酸基が挙げられ、中でも適度な酸性(他の官能基を分解しない)という点、及びめっき層との親和力向上などの諸性能を向上させるという点から、カルボン酸基が特に好ましい。
カルボン酸基を有するラジカル重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、インクロトン酸、マレイン酸、p−カルボキシルスチレン等が挙げられ、これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、p−カルボキシルスチレンが好ましい。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
以下、本発明の使用されるめっき下塗りポリマーの好適な構成について詳細に説明する。
本発明におけるめっき下塗りポリマーとしては、既述のように重合性基と、めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する相互作用性基とを有するが、相互作用性基は、非解離性官能基であっても、イオン性極性基であってもよく、これらの少なくともいずれかを有するポリマーである。
上記めっき下塗りポリマーの好適な態様として、下記式(A)で表される重合性基含有ユニットと下記式(B)で表される非解離性官能基からなる相互作用性基含有ユニットと下記式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体、下記式(A)で表されるユニットと下記式(B)で表されるユニットとを含む共重合体、下記式(A)で表されるユニットと下記式(C)で表されるユニットとを含む共重合体、が挙げられる。
本発明においては、めっき下塗りポリマーは、下記式(A)で表される重合性基含有ユニットと下記式(B)で表される非解離性官能基からなる相互作用性基含有ユニットと下記式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体、又は下記式(A)で表される重合性基含有ユニットと下記式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体である。
なお、本発明において有機基とは、炭素原子を含む置換基を指す。
式(B)で表されるユニットにおいて、Wはシアノ基又はエーテル基であることが好ましい。また、XおよびL2はいずれも単結合であることが好ましい。
また、式(C)で表されるユニットにおいて、Vはカルボン酸基であることが好ましく、また、Vがカルボン酸基であり、且つ、L3がVと連結する部分において4員〜8員の環構造を含む態様が好ましく、更に、Vがカルボン酸基であり、且つ、L3の鎖長が6原子〜18原子である態様も好ましい。この態様のポリマーの具体例としては、特開2010−248464号の[化10]および[化14]に記載されたポリマーが挙げられる。
更に、式(C)で表されるユニットにおいて、Vがカルボン酸基であり、且つ、U及びL3が単結合であることも好ましい態様の1つである。なかでも、Vがカルボン酸基であり、且つ、U及びL3のいずれも単結合である態様が最も好ましい。
即ち、式(A)で表されるユニットと式(B)で表されるユニットと式(C)で表されるユニットとを含む共重合体の場合には、式(A)で表されるユニット:式(B)で表されるユニット:式(C)で表されるユニット=5〜50mol%:5〜40mol%:20〜70mol%であることが好ましく、10〜40mol%:10〜35mol%:20〜60mol%であることがより好ましい。
また、式(A)で表されるユニットと式(B)で表されるユニットとを含む共重合体の場合には、式(A)で表されるユニット:式(B)で表されるユニット=5〜50mol%:50〜95mol%が好ましく、10〜40mol%:60〜90mol%であるこがより好ましい。
さらに、式(A)で表されるユニットと式(C)で表されるユニットとを含む共重合体の場合は、式(A)で表されるユニット:式(C)で表されるユニット=5〜50mol%:50〜95mol%が好ましく、10〜40mol%:60〜90mol%であるこがより好ましい。
この範囲にて、UV露光に対するめっき下塗りポリマーの重合性の向上、金属前駆体還元後の還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマーの抵抗値の低下、また耐湿密着力の向上、を行うことができる。
他のラジカル重合性化合物としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、アルキルスチレン、アルコキシスチレン、ハロゲンスチレン等のスチレン類、アルキル(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、N−置換マレイミド類、ビニルシアノ類等などから選ばれるラジカル重合性化合物などが挙げられる。
ビニルシアノ類としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、シアノプロペン、ジシアノエチレン、等が挙げられる。
なお、ここで記載の重量平均分子量とは、GPC(使用溶媒:N−メチルピロリドン)を用いてポリスチレン換算により測定される値であり、例えば、次の条件で測定することができる。
・カラム:ガードカラム TOSOH TSKguardcolum Super AW-H
分離カラム TOSOH TSKgel Super AWM-H(サイズ6.0mm×15cmを3本連結)
・溶離液:N−メチルピロリドン(LiBr10mM含有)
・流速:0.35mL/min
・検出方法:RI
・温度:カラム40℃、インレット40℃、RI40℃
・サンプル濃度:0.1wt%
・注入量:60μL
また、本発明におけるめっき下塗りポリマーの重合度としては、10量体以上のものを使用することが好ましく、更に好ましくは20量体以上のものである。また、1500量体以下が好ましく、1000量体以下がより好ましい。
めっき下塗りポリマー層形成用組成物はめっき下塗りポリマーを含有する。
めっき下塗りポリマー層形成用組成物中のめっき下塗りポリマーの含有量は特に制限されないが、組成物の全量に対して、2〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。上記範囲内であれば、組成物の取扱い性に優れ、ポリマー層の層厚の制御がしやすい。
また、めっき下塗りポリマーの含有量を、この範囲とすることにより、塗布膜の面状がより良好となり、塗布液が高粘化することもなく、所望の塗布膜厚を得ることがさらに容易である。
本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物は、前述のめっき下塗りポリマーの他に、このめっき下塗りポリマーを溶解しうる溶剤を含有することが好ましい。
めっき下塗りポリマー層形成用組成物に使用できる溶剤は特に限定されず、通常の塗布等で使用される溶剤などが挙げられる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、1−メトキシ−2−プロパノールの如きアルコール系溶剤、酢酸の如き酸、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンの如きケトン系溶剤、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンの如きアミド系溶剤、アセトニトリル、プロピロニトリルの如きニトリル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチルの如きエステル系溶剤、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートの如きカーボネート系溶剤、この他にも、エーテル系溶剤、グリコール系溶剤、アミン系溶剤、チオール系溶剤、ハロゲン系溶剤などが挙げられる。なお、これらの溶剤は単一で使用してもよいし、混合して使用してもよい。
めっき下塗りポリマー層形成用組成物中の溶剤の含有量は特に制限されないが、組成物全量に対して、50〜95質量%が好ましく、70〜90質量%がより好ましい。上記範囲内であれば、組成物の取扱い性に優れ、めっき下塗りポリマー層の膜厚の制御などがしやすい。
以下、本発明において用いるのに好適な有機溶剤の具体例を列挙する。
アミン系溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
チオール系溶媒としては、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノールなどが挙げられる。
ハロゲン系溶媒としては、3−ブロモベンジルアルコール、2−クロロエタノール、3−クロロ−1,2−プロパンジオールなどが挙げられる。
また、上述のように、水と水溶性有機溶剤の混合液を用いる場合、作業のし易さの観点から、その引火点としては30℃以上のものが好ましく、40℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましい。
なお、本発明における引火点は、JIS−K2265に準拠するタグ密閉式によって得られた測定値を意味する。
本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物に使用される水は、不純物を含まないことが好ましく、RO水や脱イオン水、蒸留水、精製水などが好ましく、脱イオン水や蒸留水がより好ましい。
本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物に水と水溶性有機溶剤との混合液を使用する場合は、めっき下塗りポリマーの溶解性を高めるために添加剤を使用することができる。
例えば、溶質であるめっき下塗りポリマーがカルボン酸基などの酸性基を有する場合は、この酸性基をカルボン酸ナトリウムなどの塩とすることで、このめっき下塗りポリマーは、水と水溶性有機溶剤との混合液に溶解し易くなる。カルボン酸基をカルボン酸ナトリウムに変換するために使用する添加剤としては、塩基性の化合物が使用することができ、具体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、アンモニア、DBU、DBNなどが使用できる。特に好ましくは水溶性化の度合い、最適な塩基性度の観点から、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。
本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物は、エネルギー付与に対する感度を高めるために、活性種を発生しうる材料を含有することが好ましい。活性種を発生しうる材料としては、各種のラジカル開始剤が好適である。
低分子の光重合開始剤としては、例えば、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンの如きアセトフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドの如きホスフィンオキサイド類;ベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノンの如きベンゾフェノン類;ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの如きベンジルケタール類;ミヒラーのケトン;ベンゾイルベンゾエート;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルの如きベンゾイン類;2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンの如きチオキサントン類;およびその他の化合物(α−アシロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、トリクロロメチルトリアジンなど)等の公知の光重合開始剤を使用できる。また通常、光酸発生剤として用いられるスルホニウム塩やヨードニウム塩なども光照射によりラジカル発生剤として作用するため、本発明ではこれらを用いてもよい。
また、これらの活性種を発生しうる材料を支持体を形成する樹脂フィルムや支持体上の下塗り層に含有させてもよく、そのような場合には、めっき下塗りポリマー同士のみならず、めっき下塗りポリマーと支持体との相互作用がより良好に形成されることになり、銀を含む反射層と支持体の結合がより強固になる。なお、既述のように、支持体を形成する樹脂が、ポリマー骨格中に重合開始部位を有する樹脂である場合には、活性種を発生しうる材料の添加は必ずしも必要ではない。
また、支持体を構成する樹脂フィルム基材中に重合開始剤を含有させる場合の含有量は、樹脂フィルム基材の固形分に対して0.05〜30質量%程度であることが好ましく、0.1〜10.0質量%程度であることがより好ましい。
本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物には、エネルギー付与が露光で行われる場合、その露光に対する感度をより高める目的で、ラジカル発生剤に加え、増感剤を含有させることもできる。
増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、ラジカル発生剤と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動等)することにより、ラジカルの発生を促進することが可能である。
具体的には、例えば、公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、インドカルボシアニン、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリドン類(例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン等が挙げられ、他に、特開平5−19475号、特開平7−271028号、特開2002−363206号、特開2002−363207号、特開2002−363208号、特開2002−363209号等の各公報に記載のクマリン化合物など)が挙げられる。またその他にも、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、およびチオキサントン誘導体等が含まれる。
本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物は、界面活性剤を含有していてもよい。
本発明に用いられる界面活性剤は、前述の溶剤に溶解するものであればよく、そのような界面活性剤としては、例えば、n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの如きアニオン性界面活性剤や、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライドの如きカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(市販品としては、例えば、エマルゲン910、花王(株)製など)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(市販品としては、例えば、商品名「ツイーン20」など)、ポリオキシエチレンラウリルエーテルの如き非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
また、本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物には、必要に応じて可塑剤を添加することもできる。使用できる可塑剤としては、一般的な可塑剤が使用でき、フタル酸エステル類(ジメチルエステル、ジエチルエステル、ジブチルエステル、ジ−2−エチルヘキシルエステル、ジノルマルオクチルエステル、ジイソノニルエステル、ジノニルエステル、ジイソデシルエステル、ブチルベンジルエステル)、アジピン酸エステル類(ジオクチルエステル、ジイソノニルエステル)、アゼラインサンジオクチル、セバシンサンエステル類(ジブチルエステル、ジオクチルエステル)リン酸トリクレシル、アセチルクエン酸トリブチル、エポキシ化大豆油、トリメリット酸トリオクチル、塩素化パラフィンやジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような高沸点溶媒も使用することができる。
本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物には、必要に応じて、重合禁止剤を添加することもできる。使用できる重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ジターシャリーブチルハイドロキノン、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ハイドロキノンなどのハイドロキノン類;p−メトキシフェノール、フェノールなどのフェノール類;ベンゾキノン類;TEMPO(2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニル−1−オキシル)フリーラジカル、4−ヒドロキシTEMPOフリーラジカルなどのフリーラジカル類;フェノチアジン類;N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン、そのアルミニウム塩などのニトロソアミン類;カテコール類などを使用することができる。
また、後述のように、本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物を用いて密着補助層上にめっき下塗りポリマー層を形成する場合、密着補助層の硬化を進めるために、めっき下塗りポリマー層形成用組成物に硬化剤及び/又は硬化促進剤を添加することができる。例えば、密着補助層にエポキシ化合物が含まれる場合の硬化剤及び/又は硬化促進剤として、重付加型では、脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド、酸無水物、フェノール、フェノールノボラック、ポリメルカプタン、活性水素を2個以上持つ化合物等、触媒型としては、脂肪族第三アミン、芳香族第三アミン、イミダゾール化合物、ルイス酸錯体などが挙げられる。
また、熱、光、湿気、圧力、酸、塩基などにより硬化開始するものとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ポリアミドアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキシスピロ(5,5)ウンデカンアダクト、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド、アジピン酸ジヒラジド、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ドデシル無水コハク酸、無水クロレンディック酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメート)、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、ポリアゼライン酸無水物、フェノールノボラック、キシリレンノボラック、ビスフェノールAノボラック、トリフェニルメタンノボラック、ビフェニルノボラック、ジシクロペンタジエンフェノールノボラック、テルペンフェノールノボラック、ポリメルカプタン、ポリサルファイド、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール−トリ−2−エチルヘキシル酸塩、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−(2−メチルイミダゾリル−(1))−エチルS−トリアジン、BF3モノエチルアミン錯体、ルイス酸錯体、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル、メラミン誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアミン塩、アミンイミド化合物、芳香族ジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールセレニウム塩、ケチミン化合物などが挙げられる。
なお、硬化剤及び/又は硬化促進剤は密着補助層に添加してもよく、その場合は、密着補助層に添加した量とめっき下塗りポリマー層形成用組成物中に添加した総和量で上記範囲を満たすことが好ましい。
本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物には、更に、ゴム成分(例えば、CTBN)、難燃化剤(例えば、りん系難燃化剤)、希釈剤やチキソトロピー化剤、顔料、消泡剤、レベリング剤、カップリング剤、水溶性物質(例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等のミネラル成分)、溶解性低分子物質(例えば、εカプロラクタム、ポリエチレングリコール等のポリアルキルグリコール)などを添加してもよい。また、支持体の項で例示したような酸化防止剤を添加してもよい。
以下、ミラーフィルムの材料とそれを用いためっき下塗りポリマー層の作製方法を簡易に説明するが、ミラーフィルムの製造方法については後で詳述する。
(めっき下塗りポリマー層形成用組成物の支持体への接触)
得られためっき下塗りポリマー層形成用組成物を、支持体を形成するフィルム基材に接触させる方法は特に限定されず、めっき下塗りポリマー層形成用組成物中にフィルム基材を浸漬する方法(ディップコータ)や、めっき下塗りポリマー層形成用組成物を支持体上に塗布する方法などが挙げられる。得られるめっき下塗りポリマー層の厚みを制御しやすい点から、組成物を支持体上に塗布する方法が好ましい。
塗布の方法は特に制限されず、具体的な方法としては、ダブルロールコータ、スリットコータ、エアナイフコータ、ワイヤーバーコータ、スライドホッパー、スプレーコーチィング、ブレードコータ、ドクターコータ、スクイズコータ、リバースロールコータ、トランスファーロールコータ、エクストロージョンコータ、カーテンコータ、ダイコータ、グラビアロールによる塗工法、押し出し塗布法、ロール塗布法等の公知の方法を用いることができる。
また蒸着によりポリマー層を形成してもよく、更にインクジェットによりポリマー層を形成してもよい。インクジェットの場合、ポリマー層形成領域を制御することができ、露光におけるマスキングが不要になる。
なお、本工程においてめっき下塗りポリマー層を形成するに際しては、乾燥条件として、ポリマー層を20〜60℃で0〜2時間乾燥した後に60℃以上で0〜2時間乾燥することが好ましく、20〜60℃で1秒〜20分乾燥した後に60℃以上で0〜2時間乾燥することがより好ましい。
めっき下塗りポリマー層形成用組成物を支持体へ接触させた後、エネルギーを付与することで、エネルギー付与領域においてポリマーが有する重合性基同士、或いは、ポリマーが有する重合性基と支持体との間に相互作用が形成され、支持体上に固定化されためっき下塗りポリマー層が形成される。
本工程におけるエネルギー付与方法としては、例えば、露光等の輻射線照射を用いることができる。例えば、UVランプ、可視光線などによる光照射が可能である。
露光で使用する光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、などがある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。また、g線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。
またアーク放電やグロー放電などによるプラズマ照射もエネルギー付与の手法として用いることができる。
露光パワーは、重合を容易に進行させるため、また、ポリマーの分解を抑制するため、或いは、ポリマーが良好な相互作用を形成するため、といった観点から10〜8000mJ/cm2の範囲であることが好ましく、100〜3000mJ/cm2の範囲であることがより好ましい。
また、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスによる置換を行い、酸素濃度を600ppm以下、好ましくは400ppm以下に抑制した雰囲気中で照射してもよい。
本工程において、めっき形成領域が後述するミラーフィルムの反射層形成領域となるため、パターン状に露光を行うことで、露光領域のみに反射層が形成される。パターン状の露光としては、走査露光或いは、未露光にフォトマスクによるマスキングを施す手段などが挙げられる。
さらに、エネルギー付与後に、適宜、未反応のポリマーを除去する工程を行ってもよい。除去方法としては、溶媒を使用する方法が挙げられ、例えば、ポリマーを溶解する溶剤や、アルカリ可溶性のポリマーの場合はアルカリ系現像液(炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液)などをめっき下塗りポリマー層が形成された支持体に接触させることで未反応のポリマーを除去することができる。
このようにして形成されためっき下塗りポリマー層の厚みは特に制限されないが、後に形成される反射層となる金属膜との密着性の点から、0.05〜10μmが好ましく、0.3〜5μmがより好ましい。
また、乾燥重量で0.05〜10g/m2が好ましく、特に0.3〜5g/m2が好ましい。
表面粗さの測定方法としては、原子間力顕微鏡(AFM)(セイコーインスツルメンツ製、SPA−400)にて測定した。
本発明のめっき下塗りポリマー層は、還元された金属粒子を含む。めっき下塗りポリマー層に含まれる還元された金属粒子は、支持体上に形成された、前述のめっき下塗りポリマー層に、金属前駆体を付与し、該金属前駆体を還元することによって金属前駆体を、還元された金属粒子とすることによって得られる。金属前駆体をめっき下塗りポリマー層に付与すると、相互作用性基に金属前駆体が相互作用により付着する。
以下にめっき下塗りポリマー層に含まれる金属前駆体について説明する。
本発明において用いられる金属前駆体とは、還元反応により金属に変化させることで電極として機能するものであれば、特に制限なく使用することができる。また、金属前駆体としては、銀含有金属層の形成工程において、めっきの電極として機能するものが好ましく挙げられる。そのため、金属前駆体は、金属に還元させることで電極として機能するものが好ましい。
具体的には、Au、Pt、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどの金属イオンが用いられる。金属前駆体である金属イオンは、めっき下塗りポリマーを含む組成物(めっき下塗りポリマー層形成用組成物)に含まれており、支持体上に層を形成した後、還元反応によって0価の金属粒子となる。
金属前駆体である金属イオンは、金属塩としてめっき下塗りポリマー層形成用組成物に含まれることが好ましい。
使用される金属塩としては、適切な溶剤に溶解して金属イオンと塩基(陰イオン)とに解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO3)n、MCln、M2/n(SO4)、M3/n(PO4)(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。例えば、Agイオン、Cuイオン、Alイオン、Niイオン、Coイオン、Feイオン、Pdイオンが挙げられ、中でも、多座配位可能なものが好ましく、特に、配位可能な官能基の種類、数、および触媒能の点で、Agイオン、Cuイオン、Pdイオンが好ましい。
銀イオンを用いる場合、以下に示すような銀化合物が解離したものを好適に用いることができる。銀化合物の具体例としては、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、炭酸銀、シアン化銀、チオシアン酸銀、塩化銀、臭化銀、クロム酸銀、クロラニル酸銀、サリチル酸銀、ジエチルジチオカルバミン酸銀、ジエチルジチオカルバミド酸銀、p−トルエンスルホン酸銀が挙げられる。この中でも、水溶性の観点から硝酸銀が好ましい。
また、金属前駆体としては、銅イオンが好ましい別の例として挙げられる。銅イオンを用いる場合、以下に示すような銅化合物が解離したものを好適に用いることができる。銅化合物の具体例としては、硝酸銅、酢酸銅、硫酸銅、シアン化銅、チオシアン酸銅、塩化銅、臭化銅、クロム酸銅、クロラニル酸銅、サリチル酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミド酸銅、p−トルエンスルホン酸銅が挙げられる。この中でも、水溶性の観点から硫酸銅が好ましい。
付与の方法としては、めっき下塗りポリマーを含む組成物を用いて支持体上に層を形成し、その後金属前駆体を含む組成物(分散液または金属前駆体液)を前記層に浸漬等の方法により接触させることによって、金属前駆体を含むめっき下塗りポリマー層を形成する方法が挙げられる。
金属前駆体の分散液に用いる溶媒、および金属前駆体の溶液に用いる溶媒としては、水や有機溶媒が用いられる。水や有機溶剤を含有することで、ポリマー層に対する金属前駆体の浸透性が向上し、相互作用性基に効率よく金属前駆体を吸着させることができる。
なお、ここで粒子径とは、平均1次粒子径(体積換算)のことであり、測定の方法については、金属粒子の項で述べる方法と同じである。
更に、分散液や溶液には、目的に応じて他の添加剤を含有することができる。他の添加剤としては、例えば、膨潤剤や、界面活性剤などが挙げられる。
なお、ここで粒子径とは、平均1次粒子径(体積換算)のことであり、SEM(日立ハイテクマニファクチャ&サービス社製 S−5200)画像から読み取ったものである。
表面抵抗の測定方法としては、表面抵抗計(三菱化学製、ロレスターGP MCP−T600)にて測定した。
本発明における銀を含有する反射層(以下、適宜、銀含有金属層と称する)は、銀を含有する金属膜で構成される反射層であり、最表面、即ち、後述する(D)樹脂保護層を設ける側の表面粗さRaが20nm以下であることを要する。反射層は単層の金属層であっても、異なる金属組成物を有する複数の金属層の積層構造を有していてもよいが、銀は反射性に優れるため、最表面層は銀を含有する金属層であることが好ましい。
本発明における銀含有金属層は、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層の上に、電気めっき法等により、銀含有金属膜を形成することで得られる。
電気めっき以外の方法としては、蒸着やスパッタリングなどの方法でもよい。
銀の含有量としては、反射率と耐久性の観点から、銀含有金属層における銀と他の金属との合計(100原子%)中、90〜100原子%が好ましい。また、他の金属の含有量は、0〜10原子%が好ましい。
電気めっきの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
本発明においては、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層が、電極としての機能を有する場合、めっき下塗りポリマー層に対して電気めっきを行うことにより、銀含有金属層を形成できる。
なお、めっき下塗りポリマー層と銀含有金属層との間に、例えば、銅、ニッケル、クロム、鉄などの他の金属を含有する金属層を下地金属層として有していてもよい。
また、電気めっきにより得られる銀含有金属層の膜厚は、めっき浴中に含まれる金属濃度、または、電流密度などを調整することで制御することができる。適切な厚みの下地金属層を入れることで、表面平滑化による反射率向上やピンホール低減が可能となる。
銀含有金属層の膜厚は、ピンホールなく反射膜を形成する観点、および銀含有金属層の表面に光を散乱させるような凹凸を作らないという観点から、0.05μm以上2.0μm以下であることが好ましく、0.08〜0.5μmがより好ましい。
銀との吸着基を有する変色防止剤としては、アミン類およびその誘導体、ピロール環を有する化合物、トリアゾール環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、チアゾール環を有する化合物、イミダゾール環を有する化合物、インダゾール環を有する化合物、銅キレート化合物類、チオ尿素類、メルカプト基を有する化合物、ナフタレン系化合物の少なくとも一種またはこれらの混合物から選ばれることが望ましい。
チアゾール環を有する物としては、チアゾール、チアゾリン、チアゾロン、チアゾリジン、チアゾリドン、イソチアゾール、ベンゾチアゾール、2−N,N−ジエチルチオベンゾチアゾール、P−ジメチルアミノベンザルロダニン、2−メルカプトベンゾチアゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
銅キレート化合物類としては、アセチルアセトン銅、エチレンジアミン銅、フタロシアニン銅、エチレンジアミンテトラアセテート銅、ヒドロキシキノリン銅等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
チオ尿素類としては、チオ尿素、グアニルチオ尿素等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ナフタレン系としては、チオナリド等が挙げられる。
本発明のミラーフィルムは、太陽光や紫外線による耐光性劣化防止の目的で、入射光側に(D)樹脂保護層を設ける。
樹脂保護層としては、従来公知の種々の樹脂に紫外線吸収剤を分散させたフィルムや、紫外線吸収剤を分散させたUV硬化性樹脂や紫外線吸収剤を分散させた熱硬化性樹脂を用いることができる。
樹脂保護層における紫外線吸収剤の含有量は、樹脂保護層の全質量に対して、0.1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは3〜10質量%である。20質量%よりも多いと密着性が悪くなり、0.1質量%より少ないと耐候性改良効果が小さい。
接着層には樹脂が使用されるが、用いる樹脂としては、上記の密着性、耐候性、耐熱性、及び平滑性等の条件を満足するものであれば特に制限はなく、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等の単独またはこれらの混合樹脂が使用でき、耐候性の点からポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂またはポリウレタン系樹脂が好ましく、さらにイソシアネート等の硬化剤を混合して熱硬化型とすればより好ましい。また、接着層には前述の紫外線吸収剤、柔軟性を維持するための可塑剤やフィルム自体の劣化を防ぐ酸化防止剤、ラジカル捕捉剤等を含んでもよい。
接着層の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
反射率は、分光光度計(島津製作所製、UV−3100PC)にて測定し、波長600nmにおける値を用いた。
また、上述の接着層で記載した樹脂を粘着層に用いてもよい。
本発明に係るミラーフィルム全体の厚さは75〜250μmが好ましく、更に好ましくは90〜230μm、更に好ましくは100〜220μmである。厚さが75μm以下では、ミラーフィルムを金属等の筐体等に貼り付けた時に、ミラーフィルムが撓んでしまって、十分な反射率を得ることができず、また250μmより厚いと取り扱い性が悪くなるため、好ましくない。
次に、本発明のミラーフィルムの製造方法について、各工程を順次説明する。以下に記載の方法は本発明の一つの態様であって、本発明はこれに制限されるものではない。
本発明のミラーフィルムの製造方法は、支持体上に、還元された金属粒子を含み、表面抵抗値が0.001Ω/□以上100Ω/□以下であるめっき下塗りポリマー層を形成する工程(「工程1」と称する。)、無電解めっきを経ずに、続いて、電気めっきにより、銀を含有する金属層を形成する工程(「工程2」と称する。)、及び樹脂保護層を形成する工程(「工程3」と称する。)を含み、前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を形成する工程が、前述の式(A)で表される重合性基含有ユニットと前述の式(B)で表される非解離性官能基からなる相互作用性基含有ユニットと前述の式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体、又は前述の式(A)で表される重合性基含有ユニットと前述の式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体であるめっき下塗りポリマーを用いてポリマー層を形成する工程を含むことを特徴とする。
支持体上に、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を形成する工程は、金属前駆体を含むポリマー層を形成する工程(「工程1−1」と称する。)と、前記金属前駆体を還元する工程(「工程1−2」と称する。)とからなることが好ましい。
また、「工程1−1」は、めっき下塗りポリマーを含むポリマー層形成用組成物を塗布等の方法により、支持体上に層を設け、エネルギーを付与してポリマー層を形成する工程(「工程1−1−1」と、該ポリマー層に金属前駆体を付与する工程(「工程1−1−2」)とを含むことが好ましい。
なお、「めっき下塗りポリマーを含むポリマー層形成用組成物」は、金属前駆体を含有しないで、めっき下塗りポリマーと、溶剤等のその他の成分を含む組成物であることを意味する。また、「ポリマー層」は、金属前駆体を含まず、めっき下塗りポリマーとその他の成分を含んで支持体上に形成された層を意味する。
工程1−1−1では、ポリマー層を有する基板に対して、エネルギーを付与することにより、めっき下塗りポリマー中に含まれる重合性基、および支持体表面の官能基が活性化され、ポリマー間の架橋や、支持体とポリマー層との間で化学的な結合などが形成される。その結果として、ポリマー層と支持体とが強固に密着する。
なお、工程1−1−1において、ポリマー層を形成するに際しては、塗布後の溶媒が残存した状態で露光しても、乾燥させて残存溶媒を除去してから露光してもよいが、ポリマー層の表面平滑性の観点から乾燥させてから露光するほうが好ましい。乾燥条件としては、「めっき下塗りポリマー層を形成するに際の乾燥条件」として先に記載した乾燥条件をそのまま適用することができる。
露光を行う場合の光源としては、「エネルギーの付与」において使用する光源として先に記載した光源をそのまま適用することができる。また、エネルギー付与方法についても、先に記載したエネルギーの付与方法をそのまま適用することができる。
エネルギー付与に要する時間としては、光源により異なるが、通常、0.5秒〜5時間の間である。
また、これらのエネルギー付与方法を組み合わせてもよい。例えば、露光と加熱を組み合わせてもよい。
なお、エネルギーの付与を露光にて行う場合、その露光パワーは、重合を容易に進行させるため、またポリマーの分解を抑制するため、更には後述の未反応ポリマー除去後の表面をより平滑にするため、10〜8000mJ/cm2の範囲であることが好ましく、100〜3000mJ/cm2の範囲であることがより好ましい。
また加熱にてエネルギー付与を行う場合、その温度は、重合を容易に進行させるため、また支持体の熱変性を抑制するため、20℃〜200℃の範囲であることが好ましく、40℃〜120℃の範囲であることがより好ましい。
さらに、エネルギー付与後に、適宜、エネルギー付与後のポリマー層から未反応のめっき下塗りポリマーを除去してもよい。除去方法としては、溶媒を使用する方法が挙げられ、例えば、「未反応のめっき下塗りポリマーを除去」に関して先に記載した方法をそのまま適用することができる。
また、乾燥重量で0.05〜10g/m2が好ましく、特に0.3〜5g/m2が好ましい。
さらに、ポリマー層の表面粗さ(Ra)は、反射性能の点から、20nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましい。
なお、ポリマー層中におけるポリマーの含有量は、ポリマー層全量に対して、2質量%〜100質量%であることが好ましく、更に好ましくは10質量%〜100質量%の範囲である。
金属前駆体を、工程1−1−1で得られたポリマー層に付与する方法は、特に制限されない。
例えば、金属前駆体を適当な分散媒に分散した分散液、または、金属塩を適切な溶媒で溶解し、解離した金属イオンを含む溶液を調製し、その分散液若しくは溶液(金属前駆体液)をポリマー層上に塗布する方法、または、その分散液若しくは溶液中にポリマー層が形成された基板を浸漬する方法などが挙げられる。
ポリマー層と金属前駆体含有液(分散液、溶液)との接触時間としては、30秒〜24時間程度であることが好ましく、1分〜1時間程度であることがより好ましい。
接触時の金属前駆体含有液の温度は、5〜80℃程度であることが好ましく、15〜60℃程度であることがより好ましい。
このような吸着を充分に行なわせるという観点からは、金属前駆体含有液中の金属前駆体濃度または金属イオン濃度は、0.001〜50質量%の範囲であることが好ましく、0.005〜30質量%の範囲であることがより好ましい。
ポリマー層に付与した金属前駆体である金属イオンを金属活性化液(還元液)により還元する。金属活性化液は、金属前駆体(主に金属イオン)を0価金属に還元できる還元剤と該還元剤を活性化するためのpH調整剤からなる。
金属活性化液全体に対する還元剤の濃度が0.05〜50質量%であることが好ましく、0.1〜30質量%であることがより好ましい。
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボランのようなホウ素系還元剤、ホルムアルデヒド、次亜リン酸などの還元剤を使用することが可能である。
特に、ホルムアルデヒドを含有するアルカリ水溶液で還元することが好ましい。
pH調整剤としては、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸水素ナトリウム、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを使用することが可能である。
また、還元時の温度としては10℃〜100℃が好ましく、20℃〜70℃が更に好ましい。
これら濃度や温度範囲は、還元の際の、金属前駆体の粒子径、ポリマー層の表面粗さ、導電性(表面抵抗値)、還元液の劣化の観点からこの範囲であることが好ましい。
銀を含有する金属層は、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層の上に、電気めっき法などで形成される。電気めっきの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
本発明においては、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層が、電極としての機能を有する場合、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層に対して電気めっきを行うことにより、銀含有金属層を形成できる。
めっきに用いる銀化合物としては、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、炭酸銀、メタンスルホン酸銀、アンモニア銀、シアン化銀、チオシアン酸銀、塩化銀、臭化銀、クロム酸銀、クロラニル酸銀、サリチル酸銀、ジエチルジチオカルバミン酸銀、ジエチルジチオカルバミド酸銀、p−トルエンスルホン酸銀が挙げられる。中でも環境影響や平滑性の観点から、メタンスルホン酸銀が好ましい。
銀含有金属層は、その樹脂保護層を形成する保護フィルムと貼り合せられる。
貼り合せの方法としては、前述の接着剤を保護フィルム又は銀含有金属面に塗布して貼り合せる方法がある。
また、保護フィルムを熱ラミネートなどの方法で融着させる方法、保護フィルム形成材料を溶融して銀含有金属層上にキャストにより形成する方法、保護フィルム形成材料を銀含有金属層上に塗布した後、何らかの反応をさせて樹脂保護膜を形成する方法、真空蒸着などの方法を用いて形成する方法などにより樹脂保護層を形成してもよい。これらの方法を用いた場合、接着層を介すことなく、銀含有金属層上に直接、保護層を形成することができる。
本発明のミラーフィルムは前記構成としたため、簡易な方法で作製され、金属製の反射層と支持体との密着性が良好で、軽量で且つ光反射効率に優れる。
(めっき下塗りポリマー層形成工程)
アクリルポリマー1(下記構造、各繰り返し単位の数字は質量換算の組成比を表す。):7質量%、1−メトキシ−2プロパノール:74質量%、水:19質量%の溶液に、光重合開始剤エサキュアKTO−46(商品名、ランベルディー社製):0.35質量%を添加し、攪拌することにより、めっき下塗りポリマー(アクリルポリマー1)の溶液を調製した。
得られためっき下塗りポリマーが塗布されたPETフィルムは、1質量%の炭酸水素ナトリウム水溶液に5分間浸漬後に純水で1分間掛け流しにより洗浄を行い、未反応のポリマーを除去した。
金属前駆体を含む溶液として、硝酸銀の1質量%水溶液を調製した。上記工程で得られためっき下塗りポリマーが塗布されたPETフィルム基板を、調製した金属前駆体溶液に5分間25℃で浸漬後、純水で1分間掛け流しにより洗浄を行い、金属前駆体の付与を行った。
還元液として、ホルムアルデヒド0.25質量%、水酸化ナトリウム0.14質量%の水溶液を調製した。上記工程で得られた金属前駆体が付与されたPETフィルム基板を、調製した還元液に1分間25℃で浸漬後、純水で1分間掛け流しにより洗浄を行い、金属前駆体の還元を行った。
還元後の表面抵抗値を、表面抵抗計を用いて測定したところ、約10Ω/□であった。また、Raを、AFMを用いて測定したところ約7nmであった。還元後の金属の平均一次粒子径は、SEMを用いて測定したところ約50nmであった。
電気めっきの前処理として、上記工程で得られた還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を表面に有するPETフィルム基板を、ダインクリーナーAC100(商品名、大和化成社製)の10質量%水溶液に30秒間25℃で浸漬後、数回洗浄した。続けて同じく電気めっき前処理として、ダインシルバーACC(商品名、大和化成社製)の10質量%水溶液に10秒浸漬後、数回洗浄した。
電気めっき液として、ダインシルバーブライトPL50(商品名、大和化成社製、主成分:メタンスルホン酸銀)を用い、8M水酸化カリウムによりpH9.0に調整した。上記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を表面に有するPETフィルム基板を、電気めっき液に浸漬し、0.5A/dm2にて20秒間めっきした。
電気めっき後処理として、めっき後のPETフィルム基板を、ダインシルバーACC(商品名、大和化成社製、主成分:メタンスルホン酸)の10質量%水溶液に90秒間浸漬後、数回洗浄した。
めっき後処理後のRaを、AFMを用いて測定したところ約4nmであった。
接着剤として、LIS―825(商品名、東洋インキ社製)41.8質量%、LCR−901(商品名、東洋インキ社製)3質量%を、酢酸エチル55.2質量%に溶解させ、接着剤溶液を調製した。
得られた接着剤溶液を、上記工程で得られた銀めっき面に、乾燥後の膜厚が約10μmとなるように、バーコート法により塗布し、室温で2分および80℃で10分間乾燥した。
これに保護層としてUV吸収剤含有PMMAフィルムS001G(商品名、住友化学社製)をラミネーターにより貼り合わせた(ラミネート速度0.1m/min、ラミネート圧力0.5MPa)。その後60℃で12時間、後加熱することで、接着剤を硬化させた。
貼り合わせた後の銀面の600nmにおける反射率を測定したところ、約94%であった。
上記のようにして得られたミラーフィルムを用いて、下記の評価を行った。結果は他の実施例、比較例の結果とともに表3に示した。
<1.表面粗さ(Ra)>
原子間力顕微鏡(AFM)SPA−400(商品名、セイコーインスツルメンツ製)にて測定した。
還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層における反射層側の表面粗さは、金属前駆体還元後のサンプルを用いて測定し、めっき金属層(銀を含有する反射層における樹脂保護層側)の表面粗さは、電気めっき後のサンプルを用いて測定した。
<2.表面抵抗値>
表面抵抗計ロレスターGP MCP−T600(商品名、三菱化学製)にて測定した。
還元された金属粒子の平均一次粒子径は、SEM(S−5200、商品名、日立ハイテクマニファクチャ&サービス社製)画像から読み取った。
<4.反射率>
反射率は、分光光度計(島津製作所製、UV−3100PC)にて測定した。
密着性試験は、ミラーフィルムを、JIS H8504テープ試験方法に準じて、カッターで2mm角のマス目状の切れ目を入れ、100個のマス目を形成した後、テープによる引き剥がし試験を行い、以下の基準で評価した。
A:剥離なし
B:剥離があり、マス目の25%未満が剥離
C:マス目の25%以上50%未満が剥離
D:マス目の50%以上が剥離
耐候性試験は、恒温恒湿槽PR−3ST(商品名、エスペック社製)にて、ミラーフィルムを温度65℃、湿度80%RHの環境下で1000時間放置し、以下の基準で評価した。
A:600nmにおける反射率が、試験前に比べて0%以上3%未満低下した。
B:600nmにおける反射率が、試験前に比べて3%以上10%未満低下した。
C:600nmにおける反射率が、試験前に比べて10%以上50%未満低下した。
実施例1における電気銀めっきを行う前の還元銀上に、下記組成の銅めっき浴で、3A/dm2、45秒間の条件で電気めっきを行い、更にその後、下記組成のニッケルめっき浴で、4A/dm2、72秒間の電気めっきを行った。その後、実施例1と同様に電気銀めっきおよび保護層形成を行った。600nmにおける反射率は、約95%であり、銀含有金属層の表面粗さ(Ra)は3.5nmであった。
得られたミラーフィルムは実施例1と同様に評価した。
・硫酸銅 38g
・硫酸 95g
・塩酸 1mL
・カッパーグリームPCM(商品名、メルテックス(株)製) 3mL
・水 500g
・硫酸ニッケル 100g
・塩化ニッケル 15g
・ホウ酸 45g
・BR220 メイクアップ(ロームアンドハースエレクトリックマテリアルズ(株)製) 10mL
・BR220 キャリア(ロームアンドハースエレクトリックマテリアルズ(株)製) 35mL
・BR220 リプレニッシャー(ロームアンドハースエレクトリックマテリアルズ(株)製) 2mL
・NAW-A(商品名、ロームアンドハースエレクトリックマテリアルズ(株)製) 3mL
・水 残分
めっき下塗りポリマー層の露光量を90mJ/cm2にした以外は、実施例1と同様にミラーフィルムを成膜した。得られたミラーフィルムは実施例1と同様に評価した。
還元後の表面抵抗値は、30Ω/□。表面粗さ(Ra)は15nm、還元金属粒子径は約70nm、600nmにおける反射率は約90%であり、銀含有金属層の表面粗さ(Ra)は10nmであった。
実施例1における硝酸銀をポリマー層に吸着後、吸着した銀を触媒として下記組成の無電解銅めっき浴で20分間無電解めっきを行い、その後、下記組成の電気銅めっき浴で10分間電気めっきを行った。その後、実施例1と同様にして、電気銀めっきおよび保護層形成を行った。
得られたミラーフィルムは実施例1と同様に評価した。貼り合わせた後の銀面の600nmにおける反射率を測定したところ、約85%であり、銀含有金属層の表面粗さRaは25nmであった。
・蒸留水 774g
・ATSアドカッパーIW−A(商品名、奥野製薬工業製) 45mL
・ATSアドカッパーIW−M(商品名、奥野製薬工業製) 72mL
・ATSアドカッパーIW−C(商品名、奥野製薬工業製) 9mL
・NaOH 1.98g
・2,2’−ビピリジル 1.8mg
・硫酸銅 38g
・硫酸 95g
・塩酸 1mL
・カッパーグリームPCM(商品名、メルテックス(株)製) 3mL
・水 500g
金属前駆体を吸着後に還元しなかったこと以外は、実施例1と同様にして行った。吸着後の表面抵抗値は、107Ω/□以上となり、その後のめっきができなかった。
金属前駆体を吸着しなかったこと以外は、実施例1と同様にして行った。還元後の表面抵抗値は、107Ω/□以上となり、その後のめっきができなかった。
めっき下塗りポリマー層を塗布しなかったこと以外は、実施例1と同様にして行った。還元後の表面抵抗値は、107Ω/□以上となり、その後のめっきができなかった。
<7.耐候性(2)>
また、実施例1〜3のミラーフィルムを、恒温恒湿槽(エスペック社製、PR−3ST)にて、温度70℃、湿度85%RHの環境下で1000時間放置したが、600nmにおける反射率の変化率は、試験前に比べて0%以上3%未満であった。
実施例1の耐候性(2)試験の結果を図1に示す。
<8.耐光性>
また、実施例1〜3のミラーフィルムを、Xenon Wether−Ometer(Ci5000、商品名、Atlas社製)にて、180W/m2のXe光照射環境下で1000時間放置したが、600nmにおける反射率の変化率は、試験前に比べて0%以上3%未満であった。
実施例1の耐光性試験の結果を図2に示す。
実施例1におけるアクリルポリマー1を、下記構造のアクリルポリマー2〜9にそれぞれ変更し、実施例4〜11のめっき下塗りポリマーの溶液を作製し、実施例1と同様の方法によりミラーフィルムを作製した。得られた各ミラーフィルムを実施例1と同様の方法で評価した。評価結果を表5に示す。
なお、下記アクリルポリマー2〜9における組成比は質量基準で示した。
2000mL三口フラスコに、1−メトキシ−2−プロパノール309gを入れ、窒素気流下、70℃に加熱した後、アクリル酸277g、アクリル酸シクロヘキシル111g、アクリル酸ブチル127g及びV-601(和光純薬製)15gの1−メトキシ−2−プロパノール 471g溶液を4時間かけて滴下した後、更に4時間反応させた。次いで、2,6−ジターシャリブチル−4−トルオール1.8g、及びテトラブチルアンモニウムブロミド(触媒)1.8g、グリシジルメタクリレート105gを加え、100℃で反応させた。反応終了後、1−メトキシ−2−プロパノール47gを加え希釈し、アクリルポリマー2の固形分質量40%の1−メトキシ−2−プロパノール溶液を調製した。得られたアクリルポリマー2の重量平均分子量は2.0万、酸価は5.2meq/gであった。
2000mL三口フラスコに、1−メトキシ−2−プロパノール143gを入れ、窒素気流下、70℃に加熱した後、アクリル酸149g、アクリロニトリル7.2g、スチレン14.2g、アクリル酸エチル68.2g及びV-501(和光純薬製)7.2gの1−メトキシ−2−プロパノール 219g溶液を4時間かけて滴下した後、更に4時間反応させた。次いで、2,6−ジターシャリブチル−4−トルオール1g、及びテトラブチルアンモニウムブロミド(触媒)1g、グリシジルメタクリレート49gを加え、100℃で反応させた。反応終了後、1−メトキシ−2−プロパノール22gを加え希釈し、アクリルポリマー3の固形分質量40%の1−メトキシ−2−プロパノール溶液を調製した。得られたアクリルポリマー3の重量平均分子量は1.4万、酸価は6.1meq/gであった。
2000mL三口フラスコに、1−メトキシ−2−プロパノール216gを入れ、窒素気流下、90℃に加熱した後、アクリル酸319g、アクリルアミド11g、及びV-601(和光純薬製)11gの1−メトキシ−2−プロパノール 366g溶液を4時間かけて滴下した。2時間反応させた後、V-601 5gの1−メトキシ−2−プロパノール 36g溶液を1時間かけて滴下し、更に2時間反応させた。次いで、2,6−ジターシャリブチル−4−トルオール1.3g、及びテトラブチルアンモニウムブロミド(触媒)1.3g、グリシジルメタクリレート74gを加え、100℃で反応させた。反応終了後、1−メトキシ−2−プロパノール33gを加え希釈し、アクリルポリマー4の固形分質量40%の1−メトキシ−2−プロパノール溶液を調製した。得られたアクリルポリマー4の重量平均分子量は3.8万、酸価は9.0meq/gであった。
2000mL三口フラスコに、1−メトキシ−2−プロパノール309gを入れ、窒素気流下、100℃に加熱した後、アクリル酸514g及びV-601(和光純薬製)15gの1−メトキシ−2−プロパノール 501g溶液を8時間かけて滴下した。2時間反応させた後、V-601 7gの1−メトキシ−2−プロパノール80g溶液を1時間かけて滴下し、更に2時間反応させた。次いで、2,6−ジターシャリブチル−4−トルオール2g、及びテトラブチルアンモニウムヒドロキシド(触媒)2g、サイクロマーA200(ダイセル化学工業(株)製)199gを加え、100℃で反応させた。反応終了後、1−メトキシ−2−プロパノール61gを加え希釈し、アクリルポリマー5の固形分質量40%の1−メトキシ−2−プロパノール溶液を調製した。得られたアクリルポリマー5の重量平均分子量は1.9万、酸価は9.1meq/gであった。
1000mL三口フラスコに、1−メトキシ−2−プロパノール126gを入れ、窒素気流下、100℃に加熱した後、メタクリル酸136g、メタクリル酸ベンジル73g及びV-601(和光純薬製)4.2gの1−メトキシ−2−プロパノール 201g溶液を3時間かけて滴下した。2時間反応させた後、V-601 3gの1−メトキシ−2−プロパノール 42g溶液を1時間かけて滴下し、更に2時間反応させた。次いで、2,6−ジターシャリブチル−4−トルオール0.8g、及びテトラブチルアンモニウムヨージド(触媒)0.8g、グリシジルメタクリレート52.2gを加え、100℃で反応させた。反応終了後、1−メトキシ−2−プロパノール24gを加え希釈し、アクリルポリマー6の固形分質量40%の1−メトキシ−2−プロパノール溶液を調製した。得られたアクリルポリマー6の重量平均分子量は3.7万、酸価は6.1meq/gであった。
2000mL三口フラスコに、1−メトキシ−2−プロパノール256gを入れ、窒素気流下、100℃に加熱した後、アクリル酸296g、アクリル酸ブチル160g及びV−601(和光純薬製)10gの1−メトキシ−2−プロパノール 151g溶液を7時間かけて滴下した。2時間反応させた後、V−601 3gの1−メトキシ−2−プロパノール49g溶液を1時間かけて滴下し、更に2時間反応させた。
次いで、2,6−ジターシャリブチル−4−トルオール1g、及びテトラブチルアンモニウムブロミド(触媒)2g、アリルグリシジルエーテル114gを加え、100℃で反応させた。反応終了後、1−メトキシ−2−プロパノール271gを加え希釈し、アクリルポリマー7の固形分質量40%の1−メトキシ−2−プロパノール溶液を調製した。得られたアクリルポリマー7は、重量平均分子量が2.9万、酸価が5.0meq/gであった。
2000mL三口フラスコに、1−メトキシ−2−プロパノール350gを入れ、窒素気流下、70℃に加熱した後、アクリル酸252g、アクリル酸エチル75g、アクリロニトリル40g及びV−501(和光純薬製)12gの1−メトキシ−2−プロパノール 156g溶液を7時間かけて滴下した。2時間反応させた後、V−501 3gの1−メトキシ−2−プロパノール45g溶液を1時間かけて滴下し、更に2時間反応させた。
次いで、2,6−ジターシャリブチル−4−トルオール1g、及びテトラブチルアンモニウムブロミド(触媒)2g、ビニルベンジルグリシジルエーテル190gを加え、100℃で反応させた。反応終了後、1−メトキシ−2−プロパノール285gを加え希釈し、アクリルポリマー8の固形分質量40%の1−メトキシ−2−プロパノール溶液を調製した。得られたアクリルポリマー8は、重量平均分子量が2.1万、酸価が4.6meq/gであった。
2000mL三口フラスコに、1−メトキシ−2−プロパノール400gを入れ、窒素気流下、100℃に加熱した後、アクリル酸198g、アクリル酸ヘキシル117g、3−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート255g及びV−601(和光純薬製)13gの1−メトキシ−2−プロパノール306g溶液を7時間かけて滴下した。2時間反応させた後、V−501 3gの1−メトキシ−2−プロパノール 50g溶液を1時間かけて滴下し、更に2時間反応させた。反応後、1−メトキシ−2−プロパノール100gを添加し、アクリルポリマー9の固形分質量40%の1−メトキシ−2−プロパノール溶液を調製した。得られたアクリルポリマー9は、重量平均分子量が1.8万、酸価が4.9meq/gであった。
ガスクロマトグラフィーにより、グリシジルメタクリレートの残存量が1%以下になった時間を求め、反応時間とした。
ガスクロマトグラフィーの測定条件
カラム:DB-5(l:30m、Φ:0.53mm、d:1.5μm)
インジェクション温度:250℃
ディテクション温度:250℃
カラム温度:100℃、5分保持後、10℃/minの昇温速度で280℃まで昇温後、10分保持
試料注入量:4μL
水酸化ナトリウム水溶液を用いた滴定により測定し、各アクリルポリマーの固形分量に対する値を求めた。
ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した。
各アクリルポリマーの酸価、重量平均分子量を表4に示す。
V−501:(商品名、和光純薬工業(株)製) ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオナート)
V−601:(商品名、和光純薬工業(株)製) 4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)
また、実施例4〜11のミラーフィルムを耐光性試験機(Xenon Wether−Ometer Atlas社製 Ci5000)にて、180W/m2のXe光照射環境下で1000時間放置した後の600nmにおける反射率の変化率は、試験前に比べて0%以上3%未満であった。
Claims (13)
- 支持体と、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層と、銀を含有する反射層と、樹脂保護層と、をこの順に有し、前記還元された金属粒子の平均一次粒子径が、1nm以上60nm以下であり、前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層における前記銀を含有する反射層側の表面粗さRaが10nm以下であり、前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層の表面抵抗値が、0.001Ω/□以上100Ω/□以下であり、該銀を含有する反射層における該樹脂保護層側の表面粗さRaが10nm以下であり、前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層が下記式(A)で表される重合性基含有ユニットと下記式(B)で表される非解離性官能基からなる相互作用性基含有ユニットと下記式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体、又は下記式(A)で表される重合性基含有ユニットと下記式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体であるめっき下塗りポリマーを用いて形成されたミラーフィルム。
上記式(A)〜(C)中、R1〜R6は、夫々独立して、水素原子、又は炭素数1〜4の置換若しくは無置換のアルキル基を表し、X、Y、Z、及びUは、夫々独立して、単結合、置換若しく無置換の二価の有機基、エステル基、アミド基、又はエーテル基を表し、L1、L2、及びL3は、夫々独立して、単結合、又は置換若しくは無置換の二価の有機基を表し、Wはめっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する非解離性官能基を表し、Vはカルボン酸基を表す。 - 前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層における前記反射層側の表面粗さRaが7nm以下である請求項1に記載のミラーフィルム。
- 前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層の表面抵抗値が、0.03Ω/□以上50Ω/□以下である請求項1又は請求項2に記載のミラーフィルム。
- 前記式(A)で表される重合性基含有ユニットと前記式(B)で表される非解離性官能基からなる相互作用性基含有ユニットと前記式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体、又は前記式(A)で表される重合性基含有ユニットと前記式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体であるめっき下塗りポリマーが、前記めっき下塗りポリマー層内においてエネルギー付与されて前記重合性基同士、または前記重合性基と前記支持体との間で架橋構造または化学結合を形成している請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のミラーフィルム。
- 波長600nmの光の反射率が、90%以上である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のミラーフィルム。
- 支持体上に、還元された金属粒子を含み、表面抵抗値が0.001Ω/□以上100Ω/□以下であるめっき下塗りポリマー層を形成する工程、無電解めっきを経ずに、続いて、電気めっきにより、銀を含有する反射層を形成する工程、及び樹脂保護層を形成する工程を含み、前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を形成する工程が、下記式(A)で表される重合性基含有ユニットと下記式(B)で表される非解離性官能基からなる相互作用性基含有ユニットと下記式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体、又は下記式(A)で表される重合性基含有ユニットと下記式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体であるめっき下塗りポリマーを用いてポリマー層を形成する工程を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のミラーフィルムの製造方法。
上記式(A)〜(C)中、R1〜R6は、夫々独立して、水素原子、又は炭素数1〜4の置換若しくは無置換のアルキル基を表し、X、Y、Z、及びUは、夫々独立して、単結合、置換若しく無置換の二価の有機基、エステル基、アミド基、又はエーテル基を表し、L1、L2、及びL3は、夫々独立して、単結合、又は置換若しくは無置換の二価の有機基を表し、Wはめっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する非解離性官能基を表し、Vはカルボン酸基を表す。 - 前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を形成する工程が、支持体上に金属前駆体を含むめっき下塗りポリマー層を形成する工程、及び前記金属前駆体を還元する工程を含む請求項6に記載のミラーフィルムの製造方法。
- 前記支持体上に金属前駆体を含むめっき下塗りポリマー層を形成する工程が、前記めっき下塗りポリマーを用いて形成したポリマー層を有する支持体に対してエネルギーを付与した後に前記金属前駆体を付与する工程を含む請求項7に記載のミラーフィルムの製造方法。
- 前記支持体上に金属前駆体を含むめっき下塗りポリマー層を形成する工程が、前記めっき下塗りポリマーと活性種を発生する材料とを含有するめっき下塗りポリマー層形成用組成物を支持体に付与する工程を含む請求項7又は請求項8に記載のミラーフィルムの製造方法。
- 前記支持体上に金属前駆体を含むめっき下塗りポリマー層を形成する工程が、前記めっき下塗りポリマーを用いて形成したポリマー層を有する支持体に対してエネルギーを付与した後に、未反応のめっき下塗りポリマーを除去する工程を含む請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載のミラーフィルムの製造方法。
- 前記金属前駆体を還元する工程が、金属前駆体を、還元剤を含有する水溶液に接触させることにより還元する工程を含む請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載のミラーフィルムの製造方法。
- 前記電気めっきにより、銀を含有する反射層を形成する工程が、電気めっき後処理として、前記電気めっき後のめっき下塗りポリマー層を有する支持体を洗浄する工程を含む請求項6〜請求項11のいずれか1項に記載のミラーフィルムの製造方法。
- 太陽熱発電装置用または太陽光発電装置用である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のミラーフィルム。
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