JP2014194469A - 太陽光集光用フィルムミラー及びその製造方法、並びに太陽光反射板 - Google Patents

太陽光集光用フィルムミラー及びその製造方法、並びに太陽光反射板 Download PDF

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Abstract

【課題】高い反射率を有するとともに、耐光性をはじめとする耐候性に優れた太陽光集光用フィルムミラー及びその製造方法を提供する。
【解決手段】太陽光集光用フィルムミラーは、樹脂基材10と、金属を含む金属反射層20と、酸化、窒化、又は炭化された場合にバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下の化合物となる元素を有する中間層30と、保護層40と、をこの順で有する。金属反射層20の光入射側表面に、可視光及び赤外光の透過率が高く、紫外光の透過率が低い材料を用いて、中間層30を設けることによって、フィルムミラーが高い反射率を有するとともに、紫外光に起因する劣化が抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光集光用フィルムミラー及びその製造方法、並びに太陽光反射板に関する。
近年、石油、石炭、天然ガスに代表される化石燃料に代わる代替エネルギーの研究が盛んに行なわれている。特に、太陽光、風力、地熱等の自然エネルギーは、資源の枯渇、地球温暖化等の懸念がなく、クリーンなエネルギーとして注目されている。これらの中でも、太陽光を利用する太陽エネルギーは、安定供給が可能なエネルギーとして更なる開発が期待されている。
しかしながら一方で、太陽エネルギーにはエネルギー密度が低いという問題がある。この問題を解決するため、近年では、巨大な反射鏡を用いて太陽光を集光しようという試みがなされている。
これまで、太陽光を集光するための反射鏡は、屋外に設置され、太陽光に含まれる紫外光、太陽光に起因する熱、風雨、砂塵等に晒されるため、ガラス製のものが用いられてきた。しかしながら、ガラス製の反射鏡は、耐候性に優れるものの、重量があり、破損しやすく、かつ、柔軟性に欠けるため、取り扱い性に改良の余地があるという問題があった。
上記問題に対しては、ガラス製の反射鏡を、軽量で柔軟性のある樹脂製の反射鏡(フィルムミラー)に置き換えることが考えられている。フィルムミラーはガラス製の反射鏡に比べて耐候性の付与が難しいが、樹脂基材と金属反射層の表面に金属酸化物を有するガスバリア層を設けるなど、高い耐候性を実現するための技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、太陽光集光用フィルムミラー以外の用途ではあるが、銀反射鏡の劣化を防ぐために、銀反射層の上に金属酸化物や窒化物を有する保護層を設ける技術も提案されている(例えば、特許文献2〜6参照)。
国際公開第2011/096151号パンフレット 特開2007−65261号公報 特開2011−208176号公報 特開2008−129153号公報 特開2011−228104号公報 特開2006−98856号公報
特許文献1〜6においては、大気中のガスの影響による金属反射層の劣化を防ぐことが主たる目的とされており、大気中のガスが金属反射層に到達しないような技術が提案されている。しかしながら、屋外に設置されるフィルムミラーにおいては、太陽光に含まれる紫外光に晒されることによる劣化も大きな問題となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、高い反射率を有するとともに、耐光性をはじめとする耐候性に優れた太陽光集光用フィルムミラー及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の課題は、この太陽光集光用フィルムミラーを用いて作製された、軽量で、高い反射率を有し、耐候性に優れた太陽光反射板を提供することにある。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、金属反射層の光入射側表面に、可視光及び赤外光の透過率が高く、紫外光の透過率が低い材料を用いて、中間層を設けることによって、フィルムミラーが高い反射率を有するとともに、紫外光に起因する劣化が抑制されることを見出した。本発明は、上記知見に基づいて検討を進めた結果、以下の構成によって上記課題を解決するものである。
<1>樹脂基材と、金属を含む金属反射層と、酸化、窒化、又は炭化された場合にバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下の化合物となる元素を有する中間層と、保護層と、をこの順で有する太陽光集光用フィルムミラー。
<2>中間層は、金属反射層の表面に有する<1>に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
<3>中間層が、酸化された場合にバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下の金属酸化物となる上述の元素を有する<1>又は<2>に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
<4>中間層が、上述の元素をバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下である酸化物として有する<1>〜<3>の何れか1つに記載の太陽光集光用フィルムミラー。
<5>中間層の表面に、有機素材を含む前記保護層を有する<1>〜<4>の何れか1つに記載の太陽光集光用フィルムミラー。
<6>中間層の膜厚が、0.5nm以上30nm以下である<1>〜<5>の何れか1つに記載の太陽光集光用フィルムミラー。
<7>金属反射層の中間層と対向する側の算術表面粗さ(Ra)が、20nm以下である<1>〜<6>の何れか1つに記載の太陽光集光用フィルムミラー。
<8>上述の元素が、Ti、Zn、Nb、Sn、及びInからなる群から選択される少なくとも1つである<1>〜<7>の何れか1つに記載の太陽光集光用フィルムミラー。
<9>中間層がめっき法により形成されている<1>〜<8>の何れか1つに記載の太陽光集光用フィルムミラー。
<10>金属反射層の樹脂基材と対向する側の表面に、めっき下塗りポリマー層を有する<1>〜<9>の何れか1つに記載の太陽光集光用フィルムミラー。
<11><1>〜<10>の何れか1つに記載の太陽光集光用フィルムミラーと支持材とを備えた、太陽光反射板。
<12>樹脂基材を準備する工程と、金属反射層を形成する工程と、酸化、窒化、又は炭化された場合にバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下の化合物となる元素を有する中間層を形成する工程と、保護層を形成する工程と、を有し、樹脂基材と、金属反射層と、金属反射層の光入射側の表面に設けられた中間層と、保護層と、をこの順で有する太陽光集光用フィルムミラーを製造する、太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
<13>金属反射層を形成する工程は、樹脂基材上に金属反射層を形成し、中間層を形成する工程は、金属反射層の表面に中間層を形成し、保護層を形成する工程は、中間層上に保護層を形成する<12>に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
<14>中間層を形成する工程は、酸化された場合にバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下の金属酸化物となる上述の元素を有する中間層を形成する<12>又は<13>に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
<15>中間層を形成する工程は、上述の元素をバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下である酸化物として有する中間層を形成する<12>〜<14>の何れか1つに記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
<16>中間層を形成する工程は、めっき法で中間層を形成する<12>〜<15>の何れか1つに記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
<17>金属反射層を形成する工程は、めっき法で金属反射層を形成する<12>〜<16>の何れか1つに記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
<18>金属反射層を形成する工程前に、樹脂基材上にめっき下塗りポリマー層を形成する工程を有する<12>〜<17>の何れか1つに記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
本発明によれば、高い反射率を有するとともに、耐光性をはじめとする耐候性に優れた太陽光集光用フィルムミラー及びその製造方法が提供される。
また、本発明によれば、本発明の太陽光集光用フィルムミラーを用いて作製された、軽量で、高い反射率を有し、耐候性に優れた太陽光反射板が提供される。
本発明のフィルムミラーの層構成の一例を表す断面図である。 本発明のフィルムミラーの層構成の他の一例を表す断面図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<太陽光集光用フィルムミラー>
本発明の太陽光集光用フィルムミラーは、樹脂基材と、金属を含む金属反射層と、酸化、窒化、又は炭化された場合にバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下の化合物となる元素を有する中間層と、保護層と、をこの順で有する。
太陽光集光用フィルムミラーは屋外に設置されるため、大気中のガスの影響による金属反射層の劣化が生じやすい。このような劣化を防ぐためには、金属反射層の樹脂基材と対向する側と反対側にガスバリア性を有する材料によって中間層を設けて、大気中のガスが金属反射層に到達しないようにすることが考えられる。しかしながら、屋外に設置される太陽光集光用フィルムミラーにおいては、大気中のガスによる劣化に加えて、太陽光に含まれる紫外光に晒されることによる劣化が大きな問題となる。劣化のモードとしては、金属反射層に到達した紫外光による金属反射層の劣化、金属反射層を透過した紫外光による、樹脂基材あるいは金属反射層と樹脂基材の間に存在してもよい中間層の劣化などが考えられる。
本発明の特徴点の1つは、中間層の光透過率にある。中間層が有する元素が、酸化、窒化、又は炭化された場合にバンドギャップが2.8eV以上の化合物となる元素であることから、可視光及び赤外光の透過率が高く、本発明のフィルムミラーは高い反射率を有することが可能となる。また、中間層が有する元素が、酸化、窒化、又は炭化された場合にバンドギャップが5.5eV以下の化合物となる元素であることから、紫外光の透過率が低く、中間層の光入射側の逆側に位置する金属反射層や樹脂基材などの部材に照射される紫外光が低減される。従って、部材の劣化を抑制できることから、本発明の太陽光集光用フィルムミラーは良好な耐候性を有する。
本明細書中において、紫外光とは波長が10nm〜380±20nm程度の領域の電磁波のことを意味し、可視光とは波長が380±20nm〜780±20nm程度の領域の電磁波のことを意味し、赤外光とは波長が780±20nm〜1mm程度の領域の電磁波のことを意味する。
以下、本発明の太陽光集光用フィルムミラーを構成する各材料について、詳細に説明する。
[樹脂基材]
本発明の太陽光集光用フィルムミラーは樹脂基材を有する。基材を構成する樹脂は特に限定されず、目的に応じて適宜選択される。
樹脂基材を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド系樹脂;ポリエーテルサルフォン系樹脂;ポリエチレンサルファイド系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂;スチレン系樹脂;セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂;等が挙げられる。
これらのうち、太陽光集光用フィルムミラーの透明性や耐候性が良好であるという観点からポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂などが好ましい。
本発明においては、樹脂基材の形状は特に限定されず、目的とする使用態様により適宜選択される。形状としては、例えば、シート状(平面状)、拡散面、凹面、凸面等の表面形状を有するもののいずれであってもよい。
樹脂基材の厚さは、樹脂基材の形状や太陽光集光用フィルムミラーの設置箇所により、適宜選択されるが、樹脂基材が平面状である場合は、25μm〜1000μmが好ましく、50μm〜800μmがより好ましく、100μm〜600μmが更に好ましい。本発明における樹脂基材は、その厚みを25μm以上とすることで力学強度が向上する傾向があり、1000μm以下とすることで可撓性が良好となる。
[金属反射層]
本発明の太陽光集光用フィルムミラーは、金属反射層を有する。金属反射層の形成材料は、太陽光を反射する金属材料であれば、特に限定されず、例えば、銀、アルミニウム等が挙げられる。光の反射性能の観点からは、銀、又は銀を含む合金が好ましい。銀、又は銀を含む合金は、太陽光集光用フィルムミラーの可視光及び赤外光領域での反射率を高め、入射角による反射率の依存性を低減できる。ここで、入射角とは膜面に対して垂直な線に対する角度を意味する。銀合金としては、銀含有金属層の耐久性が向上する点から、銀と、金、パラジウム、スズ、ガリウム、インジウム、銅、チタン、及びビスマスからなる群の金属から選ばれる1種以上の金属とからなる合金が好ましい。銀合金としては、銀と金との合金が、耐湿熱性、反射率等の観点から特に好ましい。
例えば、金属反射層が銀合金からなる膜である場合、銀の含有量は、金属反射層における銀と他の金属との合計(100原子%)中、90原子%〜99.8原子%が好ましい。また、他の金属の含有量は、耐久性の点から0.2原子%〜10原子%が好ましい。
金属反射層の厚みとしては、50nm以上300nm以下が好ましく、80nm以上200nm以下がより好ましい。
本発明における金属反射層の算術表面粗さ(Ra)は、20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましく、5nm以下であることが更に好ましい。この範囲内とすることで、得られた太陽光集光用ミラーフィルムの反射率が向上して太陽光を効率良く集光することが可能となるとともに、中間層がより均一な膜厚で金属反射層を被覆することが可能となり、耐候性が良好となる。
なお、本発明において、算術表面粗さ(Ra)とは、JIS B 0601−2001に規定されたものである。
[中間層]
本発明の太陽光集光用フィルムミラーは、中間層を有する。本発明の太陽光集光用フィルムミラーの中間層は、酸化、窒化、又は炭化された場合にバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下の化合物となる元素を有する。
中間層が有する元素が、酸化、窒化、又は炭化された場合にバンドギャップが2.8eV以上の化合物となる元素であることから、可視光及び赤外光の透過率が高く、本発明の太陽光集光用フィルムミラーは高い反射率を有することが可能となる。バンドギャップが2.8eVより小さくなると、中間層における可視光の吸収が大きくなり、太陽光集光用フィルムミラーの反射率が低下する。また、中間層が有する元素が、酸化、窒化、又は炭化された場合にバンドギャップが5.5eV以下の化合物となる元素であることから、紫外光の透過率が小さくなり、中間層の光入射側の逆側に位置する金属反射層や樹脂基材などの部材に照射される紫外光が低減される。従って、部材の劣化を抑制できることから、本発明の太陽光集光用フィルムミラーは良好な耐候性を有する。バンドギャップが5.5eVより大きくなると、中間層を透過する紫外光の透過率が高くなるため、太陽光集光用フィルムミラーの耐候性が悪化する。
酸化、窒化、又は炭化された場合にバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下の化合物となる元素としては、例えば、Pb、Mo、Ti、Si、Zn、Ga、Nb、Sn、In、C、Zr、及びSrなどが挙げられる。対応する酸化物とそのバンドギャップ(B.G.)としては、PbO(B.G.:2.8)、MoO(B.G.:3.0)、TiO(B.G.:3.1)、ZnO(B.G.:3.2−3.4)、Nb(B.G.:3.4)、SnO(B.G.:3.6)、In(B.G.:3.8)、ZrO(B.G.:5.0)、及びSrO(B.G.:5.2)などが挙げられる。対応する窒化物とそのバンドギャップ(B.G.)としては、GaN(B.G.:3.4)などが挙げられる。対応する炭化物とそのバンドギャップ(B.G.)としては、SiC(6H)(B.G.:2.9)、SiC(4H)(B.G.:3.3)、及びC(ダイヤモンド)(B.G.:5.0)などが挙げられる。SiCにおける4H、6Hはその多形を表すものである。
本発明におけるバンドギャップは、「化学便覧 応用化学編 第六版 第II編(丸善出版株式会社)」に記載されている値を採用することができ、記載のない化合物については、分光学的バンドギャップ測定により算出される。分光光学的バンドギャップ測定とは、試料の透過スペクトルを測定し、横軸の波長をエネルギー(eV)に、縦軸の透過率を(αhν)1/2(α:吸収係数、h:プランク定数、ν:波数)に変換したあと、吸収スペクトルが立ち上がる部分に直線をフィッティングし、それがベースラインと交わるところのエネルギー(eV)を算出してバンドギャップの値とする測定方法のことである。
本発明の中間層は、2.8eV以上5.5eV以下のバンドギャップに起因する透過性能を有する、酸化物、窒化物、又は炭化物で形成された層に限定されるものではなく、酸化、窒化、炭化された場合にバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下の化合物となる元素を有していればよい。その限りにおいては、中間層は金属単体であってもよいし、酸化物、窒化物、炭化物などの化合物であってもよいし、金属単体と化合物の双方を含んでいてもよい。金属単体と化合物の双方を含む中間層が形成される場合としては、例えば、完全には酸化、窒化、炭化されていない化合物として中間層を形成する場合や、中間層の最表面などその一部が、中間層の形成時あるいは形成後の雰囲気ガスによって、酸化、窒化、炭化されている場合などが考えられる。
本発明の中間層は、金属反射層の樹脂基材と対向する側と反対側の表面に設けられていることが、耐候性が向上するためにより好ましい。
本発明の中間層は、酸化された場合にバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下の金属酸化物となる元素を有することが、膜形成が容易であることからが好ましい。
本発明の中間層は、上述の元素をバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下である酸化物として有することが好ましい。酸化物は経時による化学状態の変化がより小さく、また、上述の元素を酸化物として有することで紫外光の透過率がより小さくなることから、より良好な耐候性が得られる。
本発明の中間層は、膜厚が0.5nm以上30nm以下であることが好ましい。膜厚が0.5nm以上であることで、耐候性がより向上する。膜厚が30nm以下であることで、反射率がより高くなる。
本発明の太陽光集光用フィルムミラーの中間層は、紫外光の透過率をより小さくできることから、酸化された場合にバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下の金属酸化物となる上述の元素が、Ti、Zn、Nb、Sn、及びInからなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。これらの金属元素が酸化された場合に対応する酸化物とそのバンドギャップ(B.G.)としては、TiO(B.G.:3.1)、ZnO(B.G.:3.2−3.4)、Nb(B.G.:3.4)、SnO(B.G.:3.6)、In(B.G.:3.8)、などが挙げられる。これらの酸化物は、バンドギャップが3.0eV以上であり、可視光及び赤外光の透過率がより高くなることから、本発明の太陽光集光用フィルムミラーがより高い反射率を有することが可能となる。また、これらの酸化物は、バンドギャップが4.0eV以下であり、紫外光の透過率が小さくなることから、本発明の太陽光集光用フィルムミラーがより良好な耐候性を有することが可能となる。
本発明の中間層は、湿式法又は乾式法のいずれで形成されていてもよい。
湿式法としては、例えば、電気めっき法などのめっき法、塗布法、ゾルゲル法等が挙げられる。乾式法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等が挙げられる。中でも、電気めっき法などのめっき法により形成されていることがより好ましい。めっき法で形成する場合には、真空蒸着法やスパッタ法などの気相成膜法やゾルゲル法や溶剤塗布法などで形成した場合に比べて、成膜対象である金属反射層の表面形状に対応した成膜が可能であることから、中間層がより均一な膜厚で金属反射層を被覆することが可能となり、耐候性が良好なものとなる。
[保護層]
本発明の太陽光集光用フィルムミラーは、保護層を有する。保護層は、太陽光、雨水、砂塵等によるフィルムミラーの劣化や破損を防止し、鏡面性の安定化を図る機能を有する。
本発明における保護層を構成する材料は、上記の機能を有していれば、特に制限されない。例えば、樹脂、ガラス、セラミックスなどが挙げられ、中でも、フレキシブル性に優れる点で樹脂が好ましい。
保護層の形成に用いられる樹脂材料としては、フィルム又は層を形成しうる樹脂であって、形成されたフィルム又は層の強度、耐久性、空気や水分の遮断性、さらには、保護層と隣接する層、例えば、中間層等との密着性に加え、透明性、特にフィルムミラーが必要とする波長の光に対する高い透過性を達成しうる樹脂を選択することが好ましい。
具体的には、例えば、セルロースエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルフォン(ポリエーテルスルフォンも含む)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロースジアセテート樹脂、セルローストリアセテート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エチレンビニルアルコール樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、及びエチレンアクリル酸エステル共重合体、エチレンアクリル酸共重合体、ポリカーボネート、ノルボルネン系樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド、フッ素系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂、オレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等を挙げることができる。
これらの中でも、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、アクリル樹脂、フッ素系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が好ましく、より具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、及びポリメチルメタクリレート(PMMA)が好ましく、光透過性の観点からPMMAが更に好ましい。
保護層の膜厚は特に制限されるものではないが、フィルムミラーの劣化や破損を防止する観点からは0.1μm以上であることが好ましく、フィルムミラーの透過率と可撓性の観点からは、200μm以下であることが好ましい。中でも、1μm以上100μm以下がより好ましい。
保護層には、例えば、紫外線吸収剤、光重合開始剤、帯電防止剤、塗布助剤(レベリング剤)、酸化防止剤、消泡剤等の添加剤が含有されていてもよい。
[樹脂中間層]
本発明の太陽光集光用フィルムミラーは、樹脂基材上に樹脂中間層を有していてもよい。樹脂中間層は、樹脂基材と金属反射層との密着性の観点から設けられる。樹脂中間層は、易接着層及びめっき下塗りポリマー層から選択される1層又は2層から構成されてよい。なお、樹脂中間層が、易接着層及びめっき下塗りポリマー層の2層から構成される場合には、樹脂基材上に、易接着層、めっき下塗りポリマー層の順で形成される。
〔易接着層〕
本発明において、樹脂基材と金属反射層との接着性を向上させるために、樹脂基材と金属反射層との間に易接着層が設けられてもよい。
易接着層は、隣接する樹脂基材との密着性の観点から、樹脂基材を構成する樹脂と同じ樹脂、あるいは、樹脂基材を構成する樹脂と親和性を有する樹脂を含んでいることが好ましい。樹脂基材を構成する樹脂と親和性を有する樹脂としては、ガラス転移点や弾性率、線膨張係数といった熱的物性が互いに近い樹脂が挙げられる。また、易接着層上に直接金属反射層を設ける場合には、形成される金属反射層に含まれる金属と親和性のある官能基を有する樹脂、あるいは、表面の接着性により金属を受容しやすい樹脂を用いることが好ましい。
易接着層に含まれる樹脂は、例えば、熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂でもまたそれらの混合物でもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、イソシアネート系樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等が挙げられる。
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。2種以上の樹脂の併用は、それぞれの欠点が補うことでより優れた効果を発現させる目的で行われる。
熱可塑性樹脂を使用する場合には、必要に応じて、架橋剤を用いることが好ましい。架橋剤の種類としては、熱可塑性樹脂が有するカルボン酸基、水酸基、アミノ基、メルカプタン基などの官能基と反応する反応性基を複数有する架橋剤が好ましい。好ましい反応性基の種類としては、カルボジイミド基、オキサゾリン基、イソシアネート基、エポキシ基、メラミンなどが挙げられる。これらの反応性基を複数有する化合物としては、上市されている市販品として、例えば、カルボジライト(日清紡社製)、エポクロス(日本触媒社製)、デナコール(ナガセケムテックス社製)、ベッカミン(北日本DIC社製)などの架橋剤を挙げることができる。
架橋剤の添加量は、熱可塑性樹脂が有する官能基と架橋剤の反応性基とが等量となるように調合することが好ましいが、適切な膜物性を得るために、架橋剤の添加量を適宜増減してもよい。
易接着層の厚みは、一般に0.05μm以上5μm以下であり、0.1μm以上3μm以下が好ましい。
また、本発明においては、易接着層上にめっき下塗りポリマー層を設けてもよく、その場合には、易接着層が樹脂基材とめっき下塗りポリマー層との接着性を向上させるため、結果として、樹脂基材と金属反射層との接着性がより向上する。
易接着層上にめっき下塗りポリマー層を設ける場合には、易接着層は、以下に詳述するめっき下塗りポリマー層に含まれる、金属粒子又はその前駆体と相互作用する官能基及び重合性基を有する高分子化合物との間で、相互作用し得る活性点を発生する活性種を含有することが好ましい。易接着層は、例えば、ラジカル重合開始剤を含有する重合開始層や、重合開始可能な官能基を有する樹脂からなる重合開始層であることが好ましい。より具体的には、易接着層は、高分子化合物とラジカル重合開始剤とを含む層や、重合性化合物とラジカル重合開始剤とを含む層、又は重合開始可能な官能基を有する樹脂からなる層が好ましい。
〔めっき下塗りポリマー層〕
本発明におけるめっき下塗りポリマー層は、めっき下塗りポリマーと、還元された金属粒子とを少なくとも有する。
本発明におけるめっき下塗りポリマー層は、金属反射層を湿式法であるめっき法により形成する際に好適に用いられる。めっき下塗りポリマー層を用いてめっき法により形成された金属反射層は、樹脂基板との密着性と表面平滑性に優れる。
また、本発明におけるめっき下塗りポリマー層は、金属反射層を真空蒸着等の乾式法で形成する際にも好適に用いられる。めっき下塗りポリマー層の表面が金属で覆われているため、めっき下塗りポリマー層を用いて真空蒸着等の乾式法で形成された金属反射層は、通常の蒸着等よりも密着性がよく、かつ、熱に対しても強い金属反射層とすることができる。
還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層の表面抵抗値は、0.001Ω/□以上100Ω/□以下であることが好ましく、0.03Ω/□以上50Ω/□以下であることがより好ましい。この範囲内であると、めっき法にて金属反射層を形成した場合、均一及び平滑にめっき面が形成され反射率が良好となる。
また、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層の算術表面粗さ(Ra)は、反射性能の観点から、20nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましい。
(めっき下塗りポリマー)
まず、めっき下塗りポリマー層を形成するために用いられるめっき下塗りポリマーについて説明する。
本発明におけるめっき下塗りポリマー層を形成するために用いられるめっき下塗りポリマーは、金属前駆体と相互作用する官能基(以後、適宜「相互作用性基」と称する。)を少なくとも有するとともに、耐水性、耐薬品性の観点から、必要に応じて、重合性基を有することが好ましい。
めっき下塗りポリマーの主骨格としては、アクリルポリマー、ポリエーテル、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリイミド、メタクリルポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、エチレンアクリル酸共重合体等が好ましいが、アクリルポリマーであることがより好ましい。
以下、めっき下塗りポリマーに含まれる重合性基、相互作用性基、及びその特性等について詳述する。
−重合性基−
めっき下塗りポリマーが有する重合性基は、コロナ処理、プラズマ処理などのエネルギー付与により、ポリマー同士、又は、ポリマーと下地層(樹脂基材若しくは樹脂基材上に設けられた下塗り層)との間で化学結合を形成し得る官能基であればよい。重合性基としては、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基等が挙げられる。なかでも、反応性の観点から、ラジカル重合性基が好ましい。
ラジカル重合性基としては、例えば、メタクリロイル基、アクリロイル基、イタコン酸エステル基、クロトン酸エステル基、イソクロトン酸エステル基、マレイン酸エステル基、スチリル基、ビニル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基等が挙げられる。なかでも、メタクリロイル基、アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アクリルアミド基、及びメタクリルアミド基が好ましく、中でも、ラジカル重合反応性、及び合成汎用性の点から、メタクリロイル基、アクリロイル基、アクリルアミド基、及びメタクリルアミド基が好ましく、耐アルカリ性の観点からアクリルアミド基、及びメタクリルアミド基が更に好ましい。
なかでも、アクリルポリマーに導入される重合性基としては、(メタ)アクリレート基又は(メタ)アクリルアミド基等の(メタ)アクリル基、カルボン酸のビニルエステル基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基等の各種重合性基が好ましい。
−相互作用性基−
めっき下塗りポリマーが有する相互作用性基は、金属前駆体と相互作用する官能基(例えば、配位性基、金属イオン吸着性基等)であり、金属前駆体と静電相互作用を形成可能な官能基、あるいは、金属前駆体と配位形成可能な含窒素官能基、含硫黄官能基、含酸素官能基等を使用することができる。
相互作用性基としてより具体的には、アミノ基、アミド基、イミド基、ウレア基、3級のアミノ基、アンモニウム基、アミジノ基、トリアジン環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール基、イミダゾール基、ベンズイミダゾール基、キノリン基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ナゾリン基、キノキサリン基、プリン基、トリアジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、ピロリジン基、ピラゾール基、アニリン基、アルキルアミン構造を含む基、イソシアヌル構造を含む基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、ジアゾ基、アジド基、シアノ基、シアネート基(R−O−CN)等の含窒素官能基;エーテル基、水酸基、フェノール性水酸基、カルボキシル基、カーボネート基、カルボニル基、エステル基、N−オキシド構造を含む基、S−オキシド構造を含む基、N−ヒドロキシ構造を含む基等の含酸素官能基;チオフェン基、チオール基、チオウレア基、チオシアヌール酸基、ベンズチアゾール基、メルカプトトリアジン基、チオエーテル基、チオキシ基、スルホキシド基、スルホン基、サルファイト基、スルホキシイミン構造を含む基、スルホキシニウム塩構造を含む基、スルホン酸基、スルホン酸エステル構造を含む基等の含硫黄官能基;ホスフォート基、ホスフォロアミド基、ホスフィン基、リン酸基、リン酸エステル構造を含む基等の含リン官能基;ボロン酸基などの含ホウ素官能基;塩素、臭素等のハロゲン原子を含む基等が挙げられ、塩構造をとり得る官能基においては、それらの塩も使用することができる。
相互作用性基としては、非解離性官能基であっても、イオン性極性基であってもよく、これらが同時に含まれていてもよいが、イオン性極性基が好ましい。
イオン性極性基からなる相互作用性基としては、上記相互作用性基の中でも、めっき下塗りポリマーの樹脂基材(樹脂基材上に上記易接着層が形成されている場合には、易接着層)に対する密着性の観点から、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、及びボロン酸基が挙げられ、中でも適度な酸性(他の官能基を分解しない)を有する点、他の官能基に影響を与える懸念が少ない点、めっき層との親和性に優れる点、及び原料が入手容易であるという点から、カルボン酸基が特に好ましい。
(還元された金属粒子)
本発明におけるめっき下塗りポリマー層は、金属前駆体が還元された金属粒子を含む。
−金属前駆体−
本発明において用いられる金属前駆体は、還元反応により金属に変化させることで電極として機能させ得るものであれば、特に限定されない。また、金属前駆体としては、金属反射層の形成において、めっきの電極として機能するものが好ましく挙げられる。そのため、金属前駆体は、金属に還元することで電極として機能するものが好ましい。
具体的には、Au、Pt、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどの金属イオンが用いられる。金属前駆体である金属イオンは、めっき下塗りポリマーを含む組成物(めっき下塗りポリマー層形成用組成物)に含まれており、樹脂基材上に層を形成した後、還元反応によって0価の金属粒子となる。
配位可能な官能基の種類、数、及び触媒能の点で、Agイオン、Cuイオン、Pdイオンが好ましい。Agイオンの中では、水溶性の観点から硝酸銀が好ましい。Cuイオンの中では、水溶性の観点から硫酸銅が好ましい。
−金属粒子−
めっき下塗りポリマー層に含まれる還元された金属粒子の粒子径は、反射性能の観点から、1nm〜200nmが好ましく、1nm〜100nmがより好ましく、1nm〜60nmであることが更に好ましい。この範囲内にあることで、めっき後の反射率が良好となる。
なお、ここで粒子径とは、SEM(日立ハイテクマニファクチャ&サービス社製 S−5200)画像から読み取ったものである。
<フィルムミラーの製造方法>
本発明の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法は、樹脂基材を準備する工程と、金属反射層を形成する工程と、酸化、窒化、又は炭化された場合にバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下の化合物となる元素を有する中間層を形成する工程と、保護層を形成する工程と、を有し、樹脂基材と、金属反射層と、中間層と、保護層と、をこの順で有する太陽光集光用フィルムミラーを製造するものである。
樹脂基材と、金属反射層と、中間層と、保護層と、をこの順で有する太陽光集光用フィルムミラーを製造できれば、工程の順序はどの様なものであってもよい。
例えば、樹脂基材に対して、金属反射層、中間層、保護層を順次形成してもよいし、保護層を有する部材に対して、中間層、金属反射層を順次形成した後に、樹脂基材を貼り合せてもよい。
本発明の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法においては、金属反射層を形成する工程は、樹脂基材上に金属反射層を形成し、中間層を形成する工程は、金属反射層の表面に中間層を形成し、保護層を形成する工程は、中間層上に保護層を形成する、ことが好ましい。すなわち、樹脂基材に対して、金属反射層、中間層、保護層を順次形成ことが好ましい。金属反射層を形成した後に中間層を形成することで、耐候性がより良好なものとなる。
以下、本発明の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法の各工程について、詳細に説明する。
[金属反射層の形成工程]
本発明における金属反射層の形成工程は、特に限定されず、湿式法又は乾式法のいずれを採用してもよい。
湿式法としては、例えば、電気めっき法などのめっき法が挙げられる。乾式法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等が挙げられる。
以下、金属反射層をめっき法により形成する場合について説明する。
めっき法は、真空蒸着法やスパッタ法などの気相成膜法やゾルゲル法や溶剤塗布法などに比べて、成膜対象の表面形状に対応した成膜が可能であることから、均一な膜厚で金属反射層を形成できるので好ましい。
めっき法としては、従来公知の方法を用いることができる。なお、本工程のめっきに用いられる金属としては、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、亜鉛などが挙げられ、フィルムミラーの初期反射性の観点から、銀が好ましい。
めっきに用いられる金属化合物としては、例えば、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、炭酸銀、メタンスルホン酸銀、アンモニア銀、シアン化銀、チオシアン酸銀、塩化銀、臭化銀、クロム酸銀、クロラニル酸銀、サリチル酸銀、ジエチルジチオカルバミン酸銀、ジエチルジチオカルバミド酸銀、p−トルエンスルホン酸銀等の銀化合物が挙げられる。これらの中でも、環境影響や平滑性の観点から、硝酸銀又はメタンスルホン酸銀が好ましい。
本工程のめっきに用いられる金属としては、銀と、金、パラジウム、スズ、ガリウム、インジウム、銅、チタン、及びビスマスからなる群の金属から選ばれる1種以上の金属とを同時に用いる方が、耐久性が向上する点から好ましい。その中でも、銀と金とを同時に用いる方が、耐湿熱性、反射率等の観点から特に好ましい。
その場合、金属反射層における銀と他の金属との合計(100原子%)中、銀の含有量を90原子%〜99.8原子%に、また、他の金属の含有量を0.2原子%〜10原子%がとなるようにめっきする事が、耐久性の点から好ましい。
本発明においては、樹脂基材と金属反射層との密着性の観点から、樹脂基材上に樹脂中間層を有していてもよく、樹脂中間層は、易接着層及びめっき下塗りポリマー層から選択される1層又は2層から構成されてよい。また、めっき下塗りポリマー層は還元された金属粒子を含んでいてもよい
めっき下塗りポリマー層が電極としての機能を有する場合、めっき下塗りポリマー層に対して電気めっきを行なうことにより、金属反射層を形成することができる。
なお、めっき下塗りポリマー層と金属反射層との間には、例えば、銅、ニッケル、クロム、鉄等の他の金属を含有する金属層を下地金属層として有していてもよい。
また、電気めっき法により得られる金属反射層の膜厚は、めっき浴中に含まれる金属濃度、又は、電流密度を調整することで制御することができる。適切な厚みの下地金属層を入れることで、表面平滑化による反射率向上やピンホール低減が可能となる。
金属反射層の膜厚は、ピンホールなく反射膜を形成する観点、及び金属反射層の表面に光を散乱させるような凹凸を作らないという観点から、0.05μm〜2.0μmであることが好ましく、0.08μm〜0.5μmであることがより好ましい。
めっきの後、金属反射層の反射性能や耐久性を向上させるために、金属反射層を強酸や強アルカリ等で処理してもよい。また、金属表面に、無機皮膜や金属酸化皮膜を形成してもよい。また、変色防止剤を含有する変色防止剤層を更に設けてもよい。
変色防止剤層は、金属反射層の変色防止に機能する。変色防止剤としては、チオエーテル系、チオール系、Ni系有機化合物系、ベンゾトリアゾール系、イミダゾール系、オキサゾール系、テトラザインデン系、ピリミジン系、チアジアゾール系等の変色防止剤が挙げられる。
変色防止剤層は、大別して、金属を吸着する吸着基を有するものや、酸化防止剤が好ましく用いられる。
また、本発明においては、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を利用して、真空蒸着等の乾式法で金属反射層を形成してもよい。この方法によれば、めっき下塗りポリマー層の表面が金属で覆われているため、通常の蒸着等よりも密着性がよく、かつ、熱に対しても強い金属反射層を形成することができる。
[中間層の形成工程]
本発明の中間層の形成工程は、特に限定されず、湿式法又は乾式法のいずれを採用してもよい。
湿式法としては、例えば、電気めっき法などのめっき法、塗布法、ゾルゲル法等が挙げられる。乾式法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等が挙げられる。
本発明の中間層の形成工程は、めっき法であることが好ましい。めっき法は、真空蒸着法やスパッタ法などの気相成膜法やゾルゲル法や溶剤塗布法などに比べて、成膜対象である金属反射層の表面形状に対応した成膜が可能であることから、中間層がより均一な膜厚で金属反射層を被覆することが可能となり、耐候性が良好なものとなる。
以下、中間層をめっき法により形成する場合について説明する。
めっき法としては、従来公知の方法を用いることができる。
本発明においては、金属を有する金属反射層が電極としての機能を有するため、めっき法により中間層を形成することができる。
めっきに用いられる金属化合物としては、例えば、硝酸鉛、硝酸モリブデン、硫酸チタン、硝酸亜鉛、硝酸ニオブ、硝酸スズ、硝酸インジウム、硝酸ジルコニウム、硝酸ストロンチウムなどの化合物が挙げられる。
また、めっき法により得られる中間層の膜厚は、めっき浴中に含まれる金属濃度、又は、電流密度を調整することで制御することができる。
中間層の膜厚は、0.5nm以上30nm以下であることが好ましく、3nm以上10nm以下であることがより好ましい。膜厚が0.5nm以上であることで、耐候性がより向上する。膜厚が30nm以下であることで、反射率がより高くなる。
めっきの後、耐候性を向上させるために、中間層を強酸や強アルカリ等で処理してもよい。
[保護層の形成工程]
本発明における保護層の形成方法は、特に限定されず、保護層を構成する材料に適した形成方法であれば、塗布法、キャスト法、貼り合せなど、熱ラミネート法など、任意の形成方法を採用してよい。
以下に、樹脂を有する保護層を形成する場合について説明する。
本発明における保護層の形成方法としては、例えば、樹脂及び所望により併用される各成分を含む保護層形成用組成物を溶剤に溶解させ、中間層の上に塗布した後、溶剤を減じて保護層を形成する方法、保護層形成用組成物に含まれる樹脂が溶融する温度まで加熱した後、中間層の上にキャストして保護層を形成する方法、保護層形成用組成物を用いて予めフィルム状に成形し、得られたフィルムを、粘着剤を介して中間層の上に貼り合わせるか、あるいは、熱ラミネート等の方法で中間層の上に融着させる等の方法により保護層を形成する方法、等が挙げられる。
以下に、本発明における保護層を形成する方法の一例として、樹脂を含む保護層形成用組成物を溶剤に溶解させ、中間層の上に塗布した後、何らかの反応をさせて保護層を形成する方法について、説明する。
この方法では、上記樹脂を含む保護層形成用組成物を溶剤に溶解させた後、中間層の上に塗布し、乾燥させて、中間層の上に樹脂の膜を形成する。その後、この樹脂の膜を硬化させることにより、保護層を形成する。
樹脂を含む保護層形成用組成物の溶解に用いられる溶剤は、樹脂に適するものであれば、特に限定されず、例えば、例えば、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン(MEK)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、エチルベンゼン等が挙げられる。溶剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
密着性に優れた保護層を均一に形成するという観点からは、樹脂を含む保護層形成用組成物の塗布液の固形分濃度は、1質量%〜30質量%の範囲であることが好ましい。
溶剤に溶解させた樹脂の塗布方法には、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法、ブレードコーター法、ロールコーター法、エアナイフコーター法、スクリーンコーター法、バーコーター法、カーテンコーター法等の従来公知の塗布法が使用できる。
中間層の上に塗布した樹脂の膜を硬化させる方法は、特に限定されず、加熱やUV照射等、保護層を形成するために用いた樹脂材料に応じた方法を適宜選択すればよい。
保護層の厚みは、必要な保護機能と耐久性とを達成し得る範囲で、樹脂材料の特性に応じて選択されるが、一般的には、100μm〜200μmの範囲であることが好ましい。
[樹脂中間層の形成方法]
〔易接着層の形成方法〕
本発明における易接着層は、易接着層を構成する各成分を溶解可能な溶媒に溶解させた後、塗布等の方法で樹脂基材に付与し、加熱又は光照射により硬膜化させることにより形成することができる。
易接着層は、加熱及び/又は光照射による硬膜化により形成することが好ましい。特に、加熱により乾燥した後、光照射を行なって予備硬膜化しておくと、重合性化合物を含んでいる場合にはある程度の硬化が予め行なわれる。そのため、易接着層の面上にめっき下塗りポリマー層を固定した後に、易接着層ごと脱落するといった事態が効果的に抑制され得る。
加熱の温度及び時間は、塗布溶剤が充分乾燥し得る条件を選択すればよいが、製造適性の点からは、乾燥温度が190℃以下であり、かつ、乾燥時間が10分以内であることが好ましく、乾燥温度が40℃〜180℃であり、かつ、乾燥時間が5分以内であることがより好ましい。
易接着層は、樹脂基材上に、塗布法、転写法、印刷法等の公知の層形成方法を適用して形成される。
易接着層を塗布にて形成する際に用いる溶媒は、上述のような各成分を溶解し得るものであれば特に制限されない。乾燥の容易性、作業性の観点からは、沸点が高すぎない溶媒が好ましく、具体的には、沸点40℃〜150℃程度のものを選択すればよい。
具体的には、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等を使用することができる。上記の例示溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。塗布溶液中の固形分の濃度は、2質量%〜50質量%が適当である。
本発明における易接着層の厚みは、一般に、0.1μm〜10μmの範囲であり、0.2μm〜5μmの範囲であることが好ましい。
〔めっき下塗りポリマー層の形成方法〕
還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層は、金属前駆体と前述のめっき下塗りポリマーとを含む組成物を用いて、樹脂基材上に塗布等の方法により金属前駆体を含むめっき下塗りポリマー層を形成するか、あるいは、前述のめっき下塗りポリマーを含む組成物を用いて支持体の面上に層を形成し、その後、金属前駆体を含む組成物を樹脂基材上に設けた前記層に浸漬等の方法によって接触させることにより金属前駆体を含むポリマー層を形成し、然る後、金属前駆体を含むめっき下塗りポリマー層が有する該金属前駆体を還元して形成することが好ましい。
(めっき下塗りポリマーを含むポリマー層の形成)
めっき下塗りポリマーを含むポリマー層は、例えば、上記樹脂基材、あるいは、上記樹脂基材上に設けられた易接着層の表面上に、めっき下塗りポリマーを含むポリマー層形成用組成物の塗布液を塗布等した後、エネルギーを付与することにより形成することができる。
上記樹脂基材上に、めっき下塗りポリマーを含むポリマー層を直接設ける場合には、予め樹脂基材の表面にエネルギーを付与する等の易接着処理を施しておくことが好ましい。
上記方法により得られるめっき下塗りポリマーを含むポリマー層の膜厚は、特に限定されないが、上記樹脂基材等との密着性の観点から、0.05μm〜10μmであることが好ましく、0.3μm〜5μmであることがより好ましい。
また、上記方法により得られるめっき下塗りポリマーを含むポリマー層の算術表面粗さ(Ra)は、反射性能の観点から、20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。
−めっき下塗りポリマーを含むポリマー層形成用組成物の塗布−
めっき下塗りポリマーを含むポリマー層形成用組成物の塗布量は、後述する金属前駆体との充分な相互作用形成性の観点から、固形分換算で0.05g/m〜10g/mが好ましく、特に0.3g/m〜5g/mが好ましい。
樹脂基材等へ塗布しためっき下塗りポリマーを含むポリマー層形成用組成物の塗布液は、20℃〜60℃で1秒から2時間乾燥した後、60℃を超える温度で1秒〜2時間乾燥することが好ましく、20℃〜60℃で1秒〜20分乾燥した後、60℃を超える温度で1秒〜20分乾燥することがより好ましい。
−エネルギーの付与−
エネルギー付与方法としては、例えば、加熱や露光が挙げられる。
露光によるエネルギー付与方法としては、具体的には、UVランプ、可視光線等による光照射が可能である。
加熱によるエネルギー付与は、例えば、一般の熱ヒートローラー、ラミネーター、ホットスタンプ、電熱板、サーマルヘッド、レーザー、送風乾燥機、オーブン、ホットプレート、赤外線乾燥機、加熱ドラム等により行なうことができる。
−未反応のめっき下塗りポリマーの除去−
エネルギー付与後は、更に適宜、未反応のポリマーを除去する工程を設けてもよい。除去方法としては、溶媒を使用する方法が挙げられ、例えば、ポリマーを溶解する溶剤や、アルカリ可溶性のポリマーの場合はアルカリ系現像液(炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液)等を、ポリマー層が形成された樹脂基材に接触させることで未反応のポリマーを除去することができる。
(還元された金属粒子)
本発明におけるめっき下塗りポリマー層は、金属前駆体が還元された金属粒子を含む。めっき下塗りポリマー層に含まれる還元された金属粒子は、上記樹脂基材、あるいは、上記樹脂基材上に設けられた易接着層の上に形成されためっき下塗りポリマー層に、金属前駆体を付与し、この金属前駆体を還元することによって、金属前駆体を還元された金属粒子とすることによって得られる。金属前駆体をめっき下塗りポリマー層に付与すると、上記相互作用性基に、金属前駆体が相互作用により付着する。
金属前駆体は、分散液又は溶液(金属前駆体液)として、めっき下塗りポリマー層に付与されることが好ましい。
付与の方法としては、例えば、めっき下塗りポリマーを含む組成物を用いて樹脂基材上にめっき下塗りポリマーを含むポリマー層を形成した後、このめっき下塗りポリマーを含むポリマー層上に金属前駆体を含む組成物(分散液又は溶液)を塗布する方法、あるいは、上めっき下塗りポリマーを含む記ポリマー層が形成された樹脂基材を、金属前駆体を含む組成物(分散液又は溶液)に浸漬する方法が挙げられる。
上記のように、金属前駆体を含む分散液又は溶液を上記ポリマー層に接触させることで、めっき下塗りポリマー中の相互作用基に、ファンデルワールス力のような分子間力による相互作用、又は、孤立電子対による配位結合による相互作用を利用して、金属前駆体を吸着させることができる。
金属前駆体の吸着を充分に行なわせるという観点から、金属前駆体を含む分散液又は溶液中の金属前駆体の濃度は、0.001質量%〜50質量%であることが好ましく、0.005質量%〜30質量%であることがより好ましい。
金属前駆体の分散液及び溶液に用いる溶媒には、水や有機溶媒が用いられる。水や有機溶剤を含有することで、ポリマー層に対する金属前駆体の浸透性が向上し、相互作用性基に効率よく金属前駆体を吸着させることができる。
金属前駆体のめっき下塗りポリマー層への付与に分散液を用いる場合、金属前駆体の粒子径は、1nm〜200nmが好ましく、1nm〜100nmがより好ましく、1nm〜60nmであることが更に好ましい。この粒子径とすることで、還元された金属粒子の粒子径を所望の大きさに制御することができる。
なお、ここで粒子径とは、平均1次粒子径(体積換算)のことであり、SEM(S−5200、(株)日立ハイテクマニファクチャ&サービス製)の画像から読み取ったものである。
さらに、分散液や溶液には、目的に応じて他の添加剤を含有させてもよい。他の添加剤としては、例えば、膨潤剤や、界面活性剤等が挙げられる。
めっき下塗りポリマー層に付与した金属前駆体である金属イオンは、金属活性化液(還元液)により還元する。金属活性化液は、金属前駆体(主に金属イオン)を0価金属に還元できる還元剤と、該還元剤を活性化するためのpH調製剤からなる。
金属活性化液全体に対する還元剤の濃度は、0.05質量%〜50質量%であることが好ましく、0.1質量%〜30質量%であることがより好ましい。
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボランのようなホウ素系還元剤、ホルムアルデヒド、次亜リン酸等の還元剤を用いることが可能である。特に、ホルムアルデヒドを含有するアルカリ水溶液で還元することが好ましい。
金属活性化液全体に対するpH調整剤の濃度は、0.05質量%〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。
pH調整剤としては、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸水素ナトリウム、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を使用することが可能である。
還元時の温度は、10℃〜100℃が好ましく、20℃〜70℃が更に好ましい。
これら濃度や温度範囲は、還元の際の、金属前駆体の粒子径、ポリマー層の算術表面粗さ、導電性(表面抵抗値)、還元液の劣化の観点からこの範囲であることが好ましい。
このようにして得られた金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層は、金属反射層を湿式法であるめっき法により形成する際に好適に用いられ、めっき下塗りポリマー層を用いてめっき法により形成された金属反射層は、樹脂基板との密着性と表面平滑性に優れる。
本発明の太陽光集光用フィルムミラーは、図1〜図2に示す層構造に構成されたものであってもよい。例えば、図1に示すように、樹脂基材10の上に、金属反射層20、中間層30、保護層40が順次積層された態様でもよい。また、図2に示すように、樹脂基材10の上に、易接着層51及びめっき下塗りポリマー層52からなる樹脂中間層50を設け、この中間層上に 金属反射層20、中間層30、及び保護層40が順次積層された態様でもよい。
[太陽光反射板]
本発明の太陽光反射板は、本発明のフィルムミラーを用いて作製されたものであり、具体的には、本発明の太陽光反射板は、本発明のフィルムミラーと支持材とを備えたものである。支持材としては、樹脂、金属、又はセラミックなどの基板や、枠上の部材などがあげられる。
本発明のフィルムミラー単体でも、太陽光の集光に用いることができるが、好ましくは、樹脂等の基板上に貼り付けにより保持させて、太陽光反射板として用いる。
本発明のフィルムミラーは、軽量かつ柔軟であるというフィルムミラーの特性を維持しつつ、高い反射率を有するとともに、耐光性をはじめとする耐候性に優れているので、これを用いて作製された太陽光反射板は、特に、太陽光発電用として好適である。
本発明のフィルムミラーを保持させる基板としては、樹脂、金属、又はセラミックのいずれかであり、好ましくは金属である。金属基板としては、例えば、鋼板、銅板、アルミニウム板、銅めっき鋼板、錫めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ステンレス鋼板、クロムめっき鋼板等の熱伝導率が高いものが挙げられ、これらの中でも、耐食性の観点から、めっき鋼板、ステンレス鋼板、又はアルミニウム板が好ましい。
本発明のフィルムミラーと上記基板とを貼り合わせる接着層の形成材料は、特に限定されず、例えば、接着剤、ラミネート剤、ヒートシール剤等が挙げられ、鏡面性の観点から、接着剤が好ましい。
接着剤としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ニトリルゴム等を主成分とするものが好ましく、耐光性及び接着性の観点から、アクリル系樹脂又はウレタン系樹脂を主成分とする接着剤が特に好ましい。
アクリル系樹脂を主成分とするアクリル系接着剤は、特に、耐候性及び耐光性に優れている。また、ウレタン系樹脂を主成分とするウレタン系接着剤は、ポリイソシアネートとポリオールとからなる2液混合型の接着剤を用いることで、強固な接着強度を得ることが可能となる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[フィルムミラーの作製]
<実施例1>
以下の工程にて、樹脂基材、易接着層とめっき下塗りポリマー層を有する樹脂中間層、金属反射層、中間層、及び保護層を有する、図2の層構成で表される、本発明のフィルムミラーを作製した。
〔樹脂中間層の作製〕
(易接着層の形成)
樹脂基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(コスモシャインA−4300、厚さ:100μm、東洋紡社製)を準備し、その一方の面に、730J/mの条件でコロナ放電処理を施した後、下記の易接着層形成用塗布液を乾燥重量が124mg/mとなるようにバーコート法により塗布した。そして、これを180℃で1分間乾燥することにより、易接着層を形成した。
−易接着層形成用塗布液の組成−
・ポリエステル樹脂水分散物 ・・・ 48質量部
(バイロナール1245、固形分:30質量%、東洋紡(株)製;バインダー)
・PMMA樹脂微粒子 ・・・ 0.5質量部
(MP−1000、固形分:100質量%、綜研化学(株)製;マット材)
・オキサゾリン化合物 ・・・ 3質量部
(エポクロスWS−700、固形分:25質量%、日本触媒(株)製;架橋剤)
・カルボジイミド化合物 ・・・ 17質量部
(カルボジライトV−02−L2、固形分:40質量%、日清紡(株)製;架橋剤)
・ポリオキシアルキレンアルキルエーテル ・・・0.15質量部
(ナロアクティーCL−95、固形分:100質量%、三洋化成工業(株)製)
(めっき下塗りポリマー層の形成)
易接着層を形成したPETフィルムの易接着面に、下記の方法により調製しためっき下塗りポリマー層形成用塗布液を、乾燥後の膜厚が約0.55μmとなるように、バーコート法により塗布し、25℃で10分間、及び80℃で5分間乾燥した後、UV照射装置(UVランプ:メタルハライドランプ、GSユアサ社製)を用いて、UV露光(波長:254nm、UV露光量:1000mJ/cm)した。次いで、このUV露光後のPETフィルムを、1質量%の炭酸水素ナトリウム水溶液に5分間浸漬させた後、純水で1分間掛け流しにより洗浄し、未反応のポリマーを除去した。
−めっき下塗りポリマー層形成用塗布液の調製−
下記のアクリルポリマー1(重量平均分子量:5.3万)7質量部、1−メトキシ−2プロパノール(74質量部)、及び水(19質量部)の混合溶液に、光重合開始剤(エサキュアKTO−46、ランベルディー社製)(0.35質量部)を添加し、攪拌することにより、アクリルポリマー1を含むめっき下塗りポリマー層形成用塗布液を調製した。
(金属前駆体の付与)
金属前駆体を含む溶液として、硝酸銀の1質量%水溶液を調製した。上記にて得られためっき下塗りポリマーが塗布されたPETフィルムを、25℃に温調した1質量%の硝酸銀水溶液に5分間浸漬させた後、純水で1分間掛け流しにより洗浄し、金属前駆体の付与を行なった。
(金属前駆体の還元)
還元液として、0.14質量%の水酸化ナトリウムを含有する0.25質量%のホルムアルデヒド水溶液を調製した。上記にて得られた金属前駆体が付与されたPETフィルムを、25℃に温調した上記還元液に1分間浸漬させた後、純水で1分間掛け流しにより洗浄し、金属前駆体を還元した。
還元後の表面抵抗値を、表面抵抗計を用いて測定したところ、約10Ω/□であった。また、算術表面粗さ(Ra)を、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定したところ、約7nmであった。さらに、還元後の金属の粒子径を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したところ、約50nmであった。
〔金属反射層の作製〕
(電気めっき)
電気めっきの前処理として、上記にて得られた還元された金属の粒子を含むめっき下塗りポリマー層を表面に有するPETフィルムを、25℃に温調したダインクリーナーAC100(大和化成(株)製)の10質量%水溶液に30秒間浸漬させた後、数回洗浄した。続けて、同じく電気めっき前処理として、ダインシルバーACC(主成分:メタンスルホン酸、大和化成(株)製)の10質量%水溶液に10秒間浸漬させた後、数回洗浄した。
次に、電気めっき液として、ダインシルバーブライトPL50(主成分:メタンスルホン酸銀、大和化成(株)製)を、8M水酸化カリウムによりpH9.0に調整したものを調製した。そして、この電気めっき液に、上記還元された金属の粒子を含むめっき下塗りポリマー層を表面に有するPETフィルムを浸漬させ、0.5A/dmにて20秒間めっきし、銀反射層を形成した。
電気めっきの後処理として、めっき後のPETフィルムを、ダインシルバーACC(商品名:大和化成(株)製)の10質量%水溶液に90秒間浸漬させた後、数回洗浄した。
めっき処理後の銀反射層の厚みは、150nmであった。また、その算術表面粗さ(Ra)を、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定したところ、約3nmであった。
〔中間層の作製〕
上記にて得られた樹脂中間層及び銀反射層を有するPETフィルムを、pH4.6、40℃に調整した亜鉛電気めっき液(トップMRS−ZN、奥野製薬工業(株)製)に浸漬し、電流密度0.05A/dmにて15秒間めっきし、純水で1分間掛け流し洗浄することにより、酸化亜鉛からなる中間層(厚み:5nm)を作製した。
〔保護層の作製〕
上記にて得られた中間層上に、下記の保護層形成用塗布液1を、乾燥重量が10g/mとなるようにバーコート法により塗布した。そして、これを130℃で1分間乾燥することにより、保護層1を形成した。
−保護層形成用塗布液1の組成−
・アクリル樹脂 ・・・ 21質量部
(ダイヤナールBR−102、三菱レーヨン(株)製・・・バインダー)
・ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 ・・・ 4質量部
(Sumisorb250、住友化学(株)製・・・紫外線吸収剤)
・シクロヘキサノン(溶剤) ・・・ 5質量部
・メチルエチルケトン(溶剤) ・・・ 70質量部
・フッ素系界面活性剤 ・・・0.04質量部
(メガファックF−780F、固形分:30質量%、DIC(株)製・・・塗布助剤)
次に、保護層1の上に、下記の保護層形成用塗布液2を、乾燥重量が8g/mとなるようにバーコート法により塗布した。そして、これを130℃で1分間乾燥した後、窒素雰囲気下で、照射量が500mJ/cmになるように高圧水銀灯を照射することにより、保護層2を形成した。
−保護層形成用塗布液2の組成−
・フッ素系UV硬化樹脂 ・・・ 22質量部
(ディフェンサFH−700、固形分:91質量%、DIC(株)製・・・ハードコート剤)
・シクロヘキサノン(溶剤) ・・・ 5質量部
・メチルエチルケトン(溶剤) ・・・ 72質量部
・フッ素系界面活性剤 ・・・0.04質量部
(メガファックF−780F、固形分:30質量%、DIC(株)製・・・塗布助剤)
このようにして、樹脂基材であるPETフィルム上に、易接着層とめっき下塗りポリマー層とからなる樹脂中間層、金属反射層、中間層、及び保護層がこの順に形成された実施例1のフィルムミラーを作製した。
<実施例2〜6>
実施例1の中間層を作製する工程において、膜厚を調整するために電流密度、めっき時間を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2〜6のフィルムミラーを作製した。
<実施例7>
実施例1における酸化亜鉛からなる中間層の代わりに、インジウム元素を有する中間層(厚み:5nm)を作製した以外は、実施例1と同様にして実施例7のフィルムミラーを作製した。
インジウム元素を有する中間層は、樹脂中間層及び金属反射層を有するPETフィルムを、pH2.0、25℃に調整したインジウム電気めっき液(DAIN IN−FL、大和化成(株)製)に浸漬し、電流密度0.012A/dm2にて90秒間めっきし、純水で1分間掛け流し洗浄することにより作製した。
<実施例8>
実施例1の中間層を作製する工程において、めっき法に変えてRFスパッタリング法で、酸化亜鉛ターゲットを用いて、アルゴンをスパッタガスとして用い、酸化亜鉛からなる中間層(厚み:5nm)を形成した以外は、実施例1と同様にして実施例8のフィルムミラーを作製した。
<実施例9>
実施例8の中間層を作製する工程において、RFスパッタリング法で、酸化亜鉛からなる中間層(厚み:50nm)を形成した以外は、実施例8と同様にして実施例9のフィルムミラーを作製した。
<実施例10>
実施例1における酸化亜鉛からなる中間層の代わりに、Pb元素を有する中間層(厚み:5nm)を作製した以外は、実施例1と同様にして実施例10のフィルムミラーを作製した。
Pb元素を有する中間層は、樹脂中間層及び金属反射層を有するPETフィルムに対して、RFスパッタリング法で、酸化鉛ターゲットを用いて、アルゴンをスパッタガスとして用い、酸化鉛膜を形成することにより作製した。
<実施例11>
実施例1における酸化亜鉛からなる中間層の代わりに、Mo元素を有する中間層(厚み:5nm)を作製した以外は、実施例1と同様にして実施例11のフィルムミラーを作製した。
Mo元素を有する中間層は、樹脂中間層及び金属反射層を有するPETフィルムに対して、RFスパッタリング法で、モリブデンターゲットを用いて、アルゴンガスをスパッタガスとして用い、モリブデン薄膜を形成した後、プラズマCVD装置のチャンバー内に設置し、NOガスを充填してプラズマを発生させ、モリブデン膜表面を酸化して酸化モリブデン膜を形成することにより作製した。
<実施例12>
実施例1における酸化亜鉛からなる中間層の代わりに、Sr元素を有する中間層(厚み:5nm)を作製した以外は、実施例1と同様にして実施例12のフィルムミラーを作製した。
Sr元素を有する中間層は、樹脂中間層及び金属反射層を有するPETフィルムに対して、反応性イオン化蒸着法で、蒸着材としてストロンチウムを用い、酸素雰囲気下で、酸化ストロンチウム膜を形成することにより作製した。
<比較例1>
実施例1において、中間層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして比較例のフィルムミラーを作製した。
<比較例2>
実施例1における酸化亜鉛からなる中間層の代わりに、酸化ケイ素からなる中間層(厚み:5nm)を作製した以外は、実施例1と同様にして比較例2のフィルムミラーを作製した。
酸化ケイ素からなる中間層は、樹脂中間層及び金属反射層を有するPETフィルムに対して、RFスパッタリング法で、酸化ケイ素ターゲットを用いて、アルゴンをスパッタガスとして用い、酸化ケイ素膜を形成することにより作製した。
<比較例3>
実施例1における酸化亜鉛からなる中間層の代わりに、酸化アルミニウムからなる中間層(厚み:5nm)を作製した以外は、実施例1と同様にして比較例3のフィルムミラーを作製した。
酸化アルミニウムからなる中間層は、樹脂中間層及び金属反射層を有するPETフィルムをに対して、RFスパッタリング法で、酸化アルミニウムターゲットを用いて、アルゴンをスパッタガスとして用い、酸化アルミニウム膜を形成することにより作製した。
<比較例4>
実施例1における酸化亜鉛からなる中間層の代わりに、Co元素を有する中間層(厚み:5nm)を作製した以外は、実施例1と同様にして比較例4のフィルムミラーを作製した。
Co元素を有する中間層は、樹脂中間層及び金属反射層を有するPETフィルムに対して、反応性スパッタリング法で、コバルトターゲットを用いて、アルゴンと酸素をスパッタガスとして用い、酸化コバルト膜を形成することにより作製した。
[フィルムミラーの性能評価]
上記にて作製した実施例1〜実施例12、及び比較例1〜4のフィルムミラーについて、反射率、耐光性、密着性の評価を行なった。これらの結果を表2に示す。
(1)反射率
得られたフィルムミラーについて、中間層形成前後の反射率を紫外可視近赤外分光光度計UV−3100(島津製作所社製)を用いて測定した。反射率は、フィルムミラーの450nmにおける反射率の変化(中間層形成前の反射率(%)−中間層形成後の反射率(%))から以下の評価基準に従って耐光性を評価した。なお、実用上許容される程度を考慮すると、A、BおよびCであることが好ましい。
<評価基準>
A:反射率の低下が3%未満
B:反射率の低下が3%以上5%未満
C:反射率の低下が5%以上10%未満
D:反射率の低下が10%以上
(2)耐光性
得られたフィルムミラーについて、キセノンランプ耐光性試験機(ATLAS社製、Ci5000、パワー:180W、Black Panel Temperature:83℃)内に配置して、温度55℃、湿度50%RHの条件下で6000時間放置した。
(2−1)樹脂基材耐光性試験
樹脂基材耐光性については、裏面の樹脂基材を目視にて観察し、以下の基準で評価した。なお、実用上許容できるのは、A、BおよびCである。
<評価基準>
A:目視で変化が認められない。
B:目視で黄変が認められるが、指での引っ張りで容易には破断しない。
C:目視で黄変、表面の荒れ等が認められるが、指での引っ張りで容易には破断しない。
D:目視で黄変、表面の荒れ等が認められ、指での引っ張りで破断する。
(2−2)銀反射層耐光性試験
フィルムミラーの波長450nmにおける反射率の低下(放置前の反射率(%)−放置後の反射率(%))を評価した。なお、反射率は、紫外可視近赤外分光光度計UV−3100(島津製作所社製)を用いて測定した。なお、実用上許容できるのは、A、BおよびCである。
<評価基準>
A:反射率の低下が3%未満
B:反射率の低下が3%以上5%未満
C:反射率の低下が5%以上10%未満
D:反射率の低下が10%以上
(3)密着性
得られたフィルムミラーについて、クロスカット試験(JIS K5400)を行った。剥離したマス目の数から、以下の基準にしたがって評価した。なお、実用上許容できるのは、AおよびBである。
<評価基準>
A:剥離したマス目の数が0マスである。
B:剥離したマス目の数が1〜5マスである。
C:剥離したマス目の数が6マス以上である。
表2に示すように、実施例1〜実施例12のフィルムミラーは、いずれも反射率、耐光性、密着性ともが良好であった。
表2において、実施例及び比較例を中間層の材料の観点から比較すると、中間層が、酸化、窒化、又は炭化された場合にバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下の化合物となる元素を有する実施例1〜実施例12においては、いずれも反射率、耐光性、密着性とも良好であった。その中でも、亜鉛、インジウムなどの様に、酸化された場合のバンドギャップが3.0eV以上4.0eV以下であることが、反射率がより良好となるために好ましいことがわかる。
表2における実施例1〜実施例6、実施例8〜実施例9の比較で分かるように、中間層の厚みが一定の膜厚以上であると耐光性がより良好なものとなり、一定の膜厚以下であると、反射性能がより良好なものとなることがわかる。
表2における実施例1と実施例8の比較で分かるように、中間層の形成方法がめっき法であると、耐光性がより良好なものとなることがわかる。
[太陽光反射板の作製]
実施例1〜実施例12のフィルムミラーの各々について、PETフィルムの金属反射層が設けられた面とは反対側の面上に、厚さ0.6mmのアルミ板を接着剤(SK−2057、綜研化学(株)製)を用いて貼り合わせ、実施例13〜実施例24の太陽光反射板を作製した。
作製した実施例13〜実施例24の太陽光反射板は、いずれもガラスミラーと同等の優れた反射率を示した。また、作製した実施例13〜実施例24の太陽光反射板を、キセノンランプ耐光性試験機(ATLAS社製、Ci5000、パワー:180W、Black Panel Temperature:83℃)内に配置して、温度55℃、湿度50%RHの条件下で6000時間放置したところ良好な耐光性を示した。
10 樹脂基材
20 金属反射層
30 中間層
40 保護層
50 樹脂中間層
51 易接着層
52 めっき下塗りポリマー層

Claims (18)

  1. 樹脂基材と、
    金属を含む金属反射層と、
    酸化、窒化、又は炭化された場合に、バンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下の化合物となる金属元素を有する中間層と、
    保護層と、
    をこの順で有する、太陽光集光用フィルムミラー。
  2. 中間層は、金属反射層の表面に有する請求項1に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
  3. 中間層が、酸化された場合にバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下の金属酸化物となる前記元素を有する請求項1又は請求項2に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
  4. 中間層が、前記元素をバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下である酸化物として有する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
  5. 中間層の表面に、有機素材を含む前記保護層を有する請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
  6. 中間層の膜厚が、0.5nm以上30nm以下である請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
  7. 金属反射層の中間層と対向する側の算術表面粗さ(Ra)が、20nm以下である請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
  8. 前記元素が、Ti、Zn、Nb、Sn、及びInからなる群から選択される少なくとも1つである請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
  9. 中間層がめっき法により形成されている請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
  10. 金属反射層の樹脂基材と対向する側の表面に、めっき下塗りポリマー層を有する請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
  11. 請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラーと支持材とを備えた太陽光反射板。
  12. 樹脂基材を準備する工程と、
    金属反射層を形成する工程と、
    酸化、窒化、又は炭化された場合にバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下の化合物となる元素を有する中間層を形成する工程と、
    保護層を形成する工程と、
    を有し、樹脂基材と、金属反射層と、中間層と、保護層と、をこの順で有する太陽光集光用フィルムミラーを製造する、太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
  13. 金属反射層を形成する工程は、樹脂基材上に金属反射層を形成し、
    中間層を形成する工程は、金属反射層の表面に中間層を形成し、
    保護層を形成する工程は、中間層上に保護層を形成する、
    請求項12に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
  14. 中間層を形成する工程は、酸化された場合にバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下の金属酸化物となる前記元素を有する中間層を形成する請求項12又は請求項13に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
  15. 中間層を形成する工程は、前記元素をバンドギャップが2.8eV以上5.5eV以下である酸化物として有する中間層を形成する請求項12〜請求項14の何れか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
  16. 中間層を形成する工程は、めっき法で中間層を形成する請求項12〜請求項15の何れか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
  17. 金属反射層を形成する工程は、めっき法で金属反射層を形成する請求項12〜請求項16の何れか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
  18. 金属反射層を形成する工程前に、樹脂基材上にめっき下塗りポリマー層を形成する工程を有する請求項12〜請求項17の何れか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
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