JP2014199319A - 太陽光集光用フィルムミラーの製造方法および太陽光集光用フィルムミラー - Google Patents

太陽光集光用フィルムミラーの製造方法および太陽光集光用フィルムミラー Download PDF

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Abstract

【課題】正反射性に優れ、樹脂基材に対する金属反射層の密着性が良好な太陽光集光用フィルムミラーの製造方法およびその製造方法により作製されるフィルムミラーの提供。
【解決手段】樹脂基材10と金属反射層12と表面被覆層30とを有する太陽光集光用フィルムミラー100の製造方法であって、樹脂基材と金属反射層とを有する金属反射層付き樹脂基材を作製する積層工程と、金属反射層付き樹脂基材における金属反射層上または樹脂基材上に、溶融状態の熱可塑性樹脂をラミネートして、表面被覆層を形成するラミネート工程とを有し、樹脂基材の融点が、熱可塑性樹脂の融点より高い、太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光集光用フィルムミラーの製造方法およびその製造方法により作製されるフィルムミラーに関する。
太陽光の反射装置には、太陽光による紫外線や熱、風雨、砂塵等に晒されるため、従来、ガラス製ミラーが用いられてきた。
しかしながら、ガラス製ミラーを用いる場合、輸送時に破損する問題や、ミラーを設置する架台に高い強度が要求されるため建設費がかさむといった問題があった。
このような問題を解決するために、近年では、ガラス製ミラーを樹脂製反射シート(フィルムミラー)に置き換えることが提案されている。
例えば、特許文献1には、「曲げ剛性が400N・cm以上である硬質透明樹脂基板と、フィルム基材上に設けられた銀反射層を片面に有する反射フィルムとが積層された太陽熱発電用反射板であって、前記反射フィルムが銀反射層面側で接着層を介して硬質透明樹脂基板と積層された太陽熱発電用反射板であることを特徴とする太陽熱発電用反射板。
」が開示されており([請求項1])、硬質透明樹脂基板と銀反射層を片面に有する反射フィルムとを接着層を介して積層する方法として、ドライラミネーション(無溶剤型、ワックスホットメルト型等も含む)、ウェットラミネーション、押し出しラミネーション、インフレーションラミネート法等の方法が例示されている([0083])。
特開2012−108221号公報
しかしながら、特許文献1に記載された太陽熱発電用反射板では、接着剤等で硬質透明樹脂板を貼り合せると、銀反射層上に屈折率の異なる数μm以上の接着剤層および硬質透明樹脂板層が存在することになり、また、それぞれに対して塗布バラツキや膜厚バラツキも存在するため、各層間での微妙な屈折や散乱が発生し、正反射性が劣るという問題があった。
また、この問題に対して、接着剤を用いず、銀反射層上に直接、溶融押出法やホットメルト法によりラミネートすることが考えられるが、ラミネーションを利用した積層では、ラミネートする際の熱等の影響により、フィルム(樹脂)基材上に設けられた銀反射層が剥離したり、浮きが生じたりすることにより、樹脂基材に対する銀反射層の密着性が劣るという問題があった。
そこで、本発明は、正反射性に優れ、樹脂基材に対する金属反射層の密着性が良好な太陽光集光用フィルムミラーの製造方法およびその製造方法により作製されるフィルムミラーを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、表面被覆層を形成する熱可塑性樹脂との関係で所定の融点を満たす樹脂基材と金属反射層とを有する積層体に対して、溶融状態の熱可塑性樹脂をラミネートして、表面被覆層を形成することにより、正反射性に優れ、樹脂基材に対する金属反射層の密着性が良好な太陽光集光用フィルムミラーを作製できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 樹脂基材と金属反射層と表面被覆層とを有する太陽光集光用フィルムミラーの製造方法であって、
樹脂基材と金属反射層とを有する金属反射層付き樹脂基材を作製する積層工程と、
金属反射層付き樹脂基材における金属反射層上または樹脂基材上に、溶融状態の熱可塑性樹脂をラミネートして、表面被覆層を形成するラミネート工程とを有し、
樹脂基材の融点が、熱可塑性樹脂の融点より高い、太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
(2) 金属反射層付き樹脂基材が、樹脂基材と金属反射層との間に、ヤング率が2.5GPa以下であるプライマー層を有する、(1)に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
(3) 樹脂基材の厚みが25μm以上であり、金属反射層の厚みが75nm以上である、(1)または(2)に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
(4) 積層工程の後であってラミネート工程の前に、金属反射層付き樹脂基材における金属反射層の表面を腐食防止剤で表面処理する表面処理工程を有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
(5) ラミネート工程において、金属反射層の表面における温度を100℃以下になるように調整しながら、熱可塑性樹脂のラミネートを行う、(1)〜(4)のいずれかに記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
(6) ラミネート工程において、窒素雰囲気下で熱可塑性樹脂のラミネートを行う、(1)〜(5)のいずれかに記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
(7) ラミネート工程が、ラミネートした熱可塑性樹脂の表面を鏡面状のロールに接触させ、表面被覆層の表面の算術平均粗さRaを0.2μm以下にする鏡面処理を含む、(1)〜(6)のいずれかに記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
(8) ラミネート工程において、熱可塑性樹脂とともに紫外線吸収剤を用いる、(1)〜(7)のいずれかに記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
(9) 熱可塑性樹脂の重量平均分子量が、100万以下であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
(10) (1)〜(9)のいずれかに記載の製造方法により作製される太陽光集光用フィルムミラー。
以下に説明するように、本発明によれば、正反射性に優れ、樹脂基材に対する金属反射層の密着性が良好な太陽光集光用フィルムミラーの製造方法およびその製造方法により作製されるフィルムミラーを提供することができる。
本発明の太陽光集光用フィルムミラーの実施態様の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の太陽光集光用フィルムミラーの他の実施態様の一例を模式的に示す断面図である。
本発明の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」とも略す。)は、樹脂基材と金属反射層と表面被覆層とを有する太陽光集光用フィルムミラーの製造方法であって、樹脂基材と金属反射層とを有する金属反射層付き樹脂基材を作製する積層工程と、金属反射層付き樹脂基材における金属反射層上または樹脂基材上に、溶融状態の熱可塑性樹脂をラミネートして、表面被覆層を形成するラミネート工程とを有し、樹脂基材の融点が熱可塑性樹脂の融点より高い、太陽光集光用フィルムミラーの製造方法である。
ここで、ラミネート工程において熱可塑性樹脂をラミネートする際に、溶融状態の熱可塑性樹脂の温度が高すぎると、樹脂基材の熱変形が起こりやすく、その結果、上述したように、樹脂基材から金属反射層が剥離したり、浮きが生じたりする。一方、溶融状態の熱可塑性樹脂の温度が低すぎると、形成される表面被覆層の厚みの制御が難しく、濡れ性や密着性も悪くなる。
そこで、本発明の製造方法では、樹脂基材の融点(Tm)を熱可塑性樹脂の融点(Tm)よりも高くすることにより、正反射性に優れ、樹脂基材に対する金属反射層の密着性が良好な太陽光集光用フィルムミラーを作製することを可能としている。
以下に、本発明の製造方法で作製される本発明の太陽光集光用フィルムミラー(以下、単に「本発明のフィルムミラー」とも略す。)の全体の構成について図面を用いて説明した後に、本発明の製造方法における各工程および任意の工程を説明する。
〔フィルムミラーの構成〕
図1および図2は、本発明のフィルムミラーの実施態様の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示すフィルムミラー100は、樹脂基材10と金属反射層12とを有する金属反射層付き樹脂基材20と、表面被覆層30とを有する。なお、通常、太陽光などの光は、表面被覆層30側から入射されて、金属反射層12表面上で反射する。
ここで、図1では、金属反射層付き樹脂基材20の金属反射層12上に表面被覆層30を有するが、図2に示すように、金属反射層付き樹脂基材20の樹脂基材10上に表面被覆層30を有してもよい。なお、図2に示すように、金属反射層付き樹脂基材20の樹脂基材10上に表面被覆層30を有する場合、金属反射層12上(金属反射層12の樹脂基材10を有する主面とは反対の主面上)に別の樹脂基材を有するのが好ましい。
〔積層工程〕
本発明の製造方法における積層工程は、樹脂基材と金属反射層とを有する金属反射層付き樹脂基材を作製する工程である。
以下に、積層工程で用いる樹脂基材および金属反射層ならびにこれらを用いた金属反射層付き樹脂基材の製造方法について詳述する。
<樹脂基材>
樹脂基材は特に限定されず、その構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド系樹脂;ポリエーテルサルフォン系樹脂;ポリエチレンサルファイド系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂;スチレン系樹脂;セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂;等が挙げられる。
本発明の製造方法においては、これらの構成材料のうち、樹脂基材の融点が、後述するラミネート工程で用いる熱可塑性樹脂の融点より高い材料を選択して用いる。なお、この融点の関係は、樹脂基材の融点が、後述する熱可塑性樹脂として例示する全ての具体例の融点よりも高いことを規定するものではなく、1つのフィルムミラーの作製に用いる樹脂基材と熱可塑性樹脂との融点の関係を規定するものである。
また、これらの構成材料のうち、本発明のフィルムミラーの耐候性の観点から、ポリエステル系樹脂またはアクリル系樹脂が好ましい。
樹脂基材の厚みは特に限定されないが、皺の発生を抑制し、後述するラミネート工程で形成する表面被覆層の厚みを制御しやすくなる等の理由から、25μm以上であるのが好ましく、25〜300μmであるのがより好ましい。
<金属反射層>
金属反射層は特に限定されず、その構成材料(金属)としては、例えば、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、In、Ga、Sn、Ge、Sb、Pb、Zn、Bi、Fe、Ni、Co、Mn、Tl、Cr、V、Ru、Rh、Ir、Al等が挙げられる。
これらのうち、本発明のフィルムミラーの正反射性がより良好となる観点から、Ag、NiまたはCuであることが好ましく、Agであることがより好ましい。
また、金属反射層を構成する金属がAgである場合、金属反射層中のAgの含有量は、金属反射層を構成する全金属に対して、30mol%以上であることが好ましく、50mol%以上であることがより好ましく、80mol%以上であることがさらに好ましく、95mol%以上であることが特に好ましく、100mol%であることが最も好ましい。
金属反射層の厚みは特に限定されないが、本発明のフィルムミラーの正反射性がより良好となる理由から、75nm以上が好ましく、80〜500nmがより好ましく、80〜300nmが更に好ましい。
<金属反射層付き樹脂基材の製造方法>
金属反射層付き樹脂基材の製造方法は特に制限されないが、例えば、樹脂基材に対して公知の方法により金属反射層を形成する方法が挙げられる。
金属反射層を形成する方法としては、例えば、めっき法(無電解めっき、電気めっき)、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などが挙げられる。なかでも、樹脂基材と金属反射層との密着性の観点から、めっき法が好ましい。
金属反射層付き樹脂基材の製造方法の好適な態様としては、例えば、(i)樹脂基材にプライマー層を形成し、(ii)形成したプライマー層にめっき触媒またはその前駆体を付与し、(iii)めっき触媒またはその前駆体が付与されたプライマー層に対してめっきする方法、などが挙げられる。
上記方法により、樹脂基材と金属反射層との間に、ヤング率が2.5GPa以下となるプライマー層を有する金属反射層付き樹脂基材が得られる。
以下、上記(i)〜(iii)の各工程について詳述する。
(工程(i):プライマー層形成工程)
工程(i)は、樹脂基材にプライマー層を形成する工程である。
ここでプライマー層は、樹脂基材と金属反射層との間に配置される層であり、両者の密着性を高める層である。
プライマー層は、めっき触媒またはその前駆体と相互作用する官能基および重合性基を有するポリマーを含む層に、加熱処理と光照射処理の少なくとも一方(以下、エネルギー付与ともいう)を施して得られる。
以下では、まず、使用されるポリマーについて詳述し、その後工程(i)の手順について詳述する。
プライマー層に使用されるポリマーには、めっき触媒またはその前駆体と相互作用する官能基(以後、相互作用性基とも称する)および重合性基が含まれる。相互作用性基は、めっき触媒またはその前駆体と相互作用する基であり、金属反射層とプライマー層との密着性を高める役割を果たす。重合性基は、後述する加熱処理と光照射処理の少なくとも一方を施すことにより、架橋反応が進行し、プライマー層の強度を高めると共に、その一部が樹脂基材と反応して樹脂基材とプライマー層との密着性を高める役割を果たす。
重合性基は、エネルギー付与により、ポリマー同士、または、ポリマーと樹脂基材との間で化学結合を形成しうる官能基であればよい。重合性基としては、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基などが挙げられる。なかでも、反応性の観点から、ラジカル重合性基が好ましい。
ラジカル重合性基としては、例えば、メタクリロイル基、アクリロイル基、イタコン酸エステル基、クロトン酸エステル基、イソクロトン酸エステル基、マレイン酸エステル基、スチリル基、ビニル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基などが挙げられる。なかでも、メタクリロイル基、アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基が好ましく、なかでも、ラジカル重合反応性、合成汎用性の観点から、メタクリロイル基、アクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基がより好ましく、耐アルカリ性の観点から、アクリルアミド基、メタクリルアミド基が更に好ましい。
相互作用性基は、めっき触媒またはその前駆体と相互作用を形成する基であればその種類は特に制限されず、例えば、アミノ基、アミド基、イミド基、ウレア基、3級のアミノ基、アンモニウム基、アミジノ基、トリアジン環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール基、イミダゾール基、ベンズイミダゾール基、キノリン基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、キナゾリン基、キノキサリン基、プリン基、トリアジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、ピロリジン基、ピラゾール基、アニリン基、アルキルアミン構造を含む基、イソシアヌル構造を含む基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、ジアゾ基、アジド基、シアノ基、シアネート基(R−O−CN)などの含窒素官能基;エーテル基、水酸基、フェノール性水酸基、カルボキシル基、カーボネート基、カルボニル基、エステル基、N−オキシド構造を含む基、S−オキシド構造を含む基、N−ヒドロキシ構造を含む基などの含酸素官能基;チオフェン基、チオール基、チオウレア基、チオシアヌール酸基、ベンズチアゾール基、メルカプトトリアジン基、チオエーテル基、チオキシ基、スルホキシド基、スルホン基、サルファイト基、スルホキシイミン構造を含む基、スルホン酸塩構造を含む基、スルホン酸基、スルホン酸エステル構造を含む基などの含硫黄官能基;ホスフェート基、ホスフォロアミド基、ホスフィン基、リン酸エステル構造を含む基などの含リン官能基;塩素、臭素などのハロゲン原子を含む基などが挙げられ、塩構造をとりうる官能基においてはそれらの塩も使用することができる。
なかでも、極性が高く、金属への吸着能が高いことから、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、およびボロン酸基などのイオン性極性基や、エーテル基またはシアノ基などの非解離性官能基がより好ましい。
ポリマー合成の容易性、および、樹脂基材と金属反射層との密着性の観点から、ポリマー中には下記式(1)で表されるユニット(繰り返し単位)、および、下記式(2)で表されるユニットが含まれることが好ましい。
式(1)中、R10は、水素原子またはアルキル基(例えば、メチル基、エチル基など)を表す。
式(1)中、L2は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、置換若しくは無置換の2価の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜8。例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などのアルキレン基)、置換若しくは無置換の2価の芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6〜12。例えば、フェニレン基)、−O−、−S−、−SO2−、−N(R)−(R:アルキル基)、−CO−、−NH−、−COO−、−CONH−、またはこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。
式(1)中、R11は、相互作用性基を表す。相互作用性基の定義、具体例および好適な態様は、上述のとおりである。
なお、ポリマー中においては、R11で表される相互作用性基の種類が異なる2種以上の式(1)で表されるユニットが含まれていてもよい。例えば、R11がイオン性極性基である式(1)で表されるユニットと、R11が非解離性官能基である式(1)で表されるユニットとが、ポリマー中に含まれていてもよい。
式(2)中、R12〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、または置換若しくは無置換のアルキル基を表す。
12〜R15が、置換または無置換のアルキル基である場合、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。より具体的には、無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、また、置換アルキル基としては、メトキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)などで置換された、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
なお、R12としては、水素原子、メチル基、または、ヒドロキシ基若しくは臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。R13としては、水素原子、メチル基、または、ヒドロキシ基若しくは臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。R14としては、水素原子が好ましい。R15としては、水素原子が好ましい。
式(2)中、L3は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の具体例および好適な態様は、上記式(1)中のL2と同じである。
ポリマーの最好適範囲としては、下記式(A)で表されるユニットと、下記式(B)で表されるユニットと、下記式(C)で表されるユニットとを含む共重合体、下記式(A)で表されるユニットと下記式(B)で表されるユニットとを含む共重合体、下記式(A)で表されるユニットと下記式(C)で表されるユニットとを含む共重合体、などが挙げられる。
上記式(A)〜(C)中、R21〜R26は、それぞれ独立して、水素原子、または、炭素数1〜4の置換若しくは無置換のアルキル基を表す。X、Y、Z、およびUは、それぞれ独立して、単結合または2価の連結基を表す。L4、L5、およびL6は、それぞれ独立して、単結合または2価の連結基を表す。Wは、非解離性官能基からなる相互作用性基を表す。Vは、イオン性極性基からなる相互作用性基を表す。2価の連結基の具体例および好適な態様は、上記式(1)中のL2と同じである。
式(A)で表されるユニットにおいて、YおよびZは、それぞれ独立に、エステル基、アミド基、フェニレン基(−C64−)が好ましい。L4は、炭素数1〜10の置換または無置換の2価の有機基(特に、炭化水素基)であることが好ましい。
式(B)で表されるユニットにおいて、Wは、シアノ基またはエーテル基であることが好ましい。また、XおよびL5は、いずれも単結合であることが好ましい。
式(C)で表されるユニットにおいて、Vはカルボン酸基であることが好ましく、また、Vがカルボン酸基であり、且つ、L6がVと連結する部分において4員〜8員の環構造を含む態様が好ましく、更に、Vがカルボン酸基であり、且つ、L6の鎖長が6原子〜18原子である態様も好ましい。さらに、式(C)で表されるユニットにおいて、Vがカルボン酸基であり、且つ、UおよびL6が単結合であることも好ましい態様の1つである。なかでも、Vがカルボン酸基であり、且つ、UおよびL6のいずれも単結合である態様が最も好ましい。
式(A)〜式(C)で表されるユニットの含有量は、以下の範囲が好ましい。
すなわち、式(A)で表されるユニットと式(B)で表されるユニットと式(C)で表されるユニットとを含む共重合体の場合には、式(A)で表されるユニット:式(B)で表されるユニット:式(C)で表されるユニット=5〜50mol%:5〜40mol%:20〜70mol%であることが好ましく、10〜40mol%:10〜35mol%:20〜60mol%であることがより好ましい。
また、式(A)で表されるユニットと式(B)で表されるユニットとを含む共重合体の場合には、式(A)で表されるユニット:式(B)で表されるユニット=5〜50mol%:50〜95mol%であることが好ましく、10〜40mol%:60〜90mol%であることがより好ましい。
さらに、式(A)で表されるユニットと式(C)で表されるユニットとを含む共重合体の場合は、式(A)で表されるユニット:式(C)で表されるユニット=5〜50mol%:50〜95mol%であることが好ましく、10〜40mol%:60〜90mol%であることがより好ましい。
この範囲にて、加熱処理または光照射処理によるポリマーの重合性の向上、プライマー層の抵抗値の低下、また耐湿密着力の向上などが達成される。
上記ポリマーを含む層の形成方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、上記ポリマーを含む層形成用組成物を樹脂基材上に塗布して、必要に応じて乾燥処理を施して層を形成する方法が挙げられる。
上記ポリマーを含む層には、加熱処理と光照射処理の少なくとも一方が施される。上記ポリマーを含む層に実施される処理は、加熱処理および光照射処理の一方のみが実施されても、両者が実施されてもよい。また、両者の処理を実施する場合、別々の工程で実施してもよいし、同時に実施してもよい。
これらの処理を実施することにより、重合性基が活性化され、重合性基間および重合性基と樹脂基材との間で反応が進行し、樹脂基材上に密着したプライマー層が形成される。
加熱処理の条件は使用されるポリマーの種類に応じて最適な条件が選択されるが、なかでもプライマー層の架橋密度が高まり、本発明のフィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性が高まる点で、60〜150℃(好ましくは、80〜120℃)で0.1〜3時間(好ましくは、0.5〜2時間)処理することが好ましい。
光照射処理の条件は使用されるポリマーの種類に応じて最適な条件が選択されるが、なかでもプライマー層の架橋密度が高まり、本発明のフィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性がより高まる点で、露光量は10〜8000mJ/cm2が好ましく、100〜3000mJ/cm2がより好ましい。露光波長は200〜300nmが好ましい。
なお、露光に使用される光源は特に制限されず、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。
なお、加熱処理または光照射処理後に、適宜、加熱処理または光照射処理後の組成物から未反応のポリマーを除去してもよい。除去方法としては、溶媒を使用する方法が挙げられ、例えば、ポリマーを溶解する溶剤や、アルカリ可溶性のポリマーの場合はアルカリ系現像液(炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液)などで除去することができる。
プライマー層の厚みは特に制限されないが、本発明のフィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性が優れる点で、0.05〜3μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましく、0.3〜1.5μmが更に好ましい。
(工程(ii):触媒付与工程)
触媒付与工程は、プライマー層にめっき触媒またはその前駆体を付与する工程である。本工程においては、めっき触媒またはその前駆体が、プライマー層中の相互作用性基に吸着する。例えば、めっき触媒前駆体として金属イオンを使用した場合は、金属イオンがプライマー層に吸着する。
めっき触媒またはその前駆体としては、後述する「工程(iii):めっき工程」における、めっきの触媒や電極として機能するものが挙げられる。そのため、めっき触媒またはその前駆体は、めっき工程におけるめっきの種類により決定される。
以下に、使用されるめっき触媒(例えば、無電解めっき触媒)またはその前駆体について詳述する。
無電解めっき触媒としては、無電解めっき時の活性核となり得るものが好ましい。例えば、自己触媒還元反応の触媒能を有する金属(Niよりイオン化傾向の低い無電解めっきできる金属として知られるもの)などが挙げられ、具体的には、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。なかでも、触媒能の高さから、PdまたはAgが好ましい。
無電解めっき触媒前駆体としては、化学反応により無電解めっき触媒となり得るものが好ましい。例えば、上記無電解めっき触媒として挙げた金属の金属イオンが用いられる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、還元反応により無電解めっき触媒である0価金属になる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンをプライマー層へ付与した後、無電解めっき浴への浸漬前に、別途還元反応により0価金属に変化させて無電解めっき触媒としてもよいし、無電解めっき触媒前駆体のまま無電解めっき浴に浸漬し、無電解めっき浴中の還元剤により金属(無電解めっき触媒)に変化させてもよい。
無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、金属塩を用いてプライマー層に付与されることが好ましい。使用される金属塩としては、適切な溶媒に溶解して金属イオンと塩基(陰イオン)とに解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO3)n、MCln、M2/n(SO4)、M3/n(PO4)Pd(OAc)n(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。具体例としては、Agイオン、Cuイオン、Alイオン、Niイオン、Coイオン、Feイオン、Pdイオンが挙げられる。なかでも、多座配位可能なものが好ましく、特に、配位可能な官能基の種類数および触媒能の点で、Agイオン、Cuイオン、Pdイオンが好ましい。
なお、無電解めっき触媒前駆体をめっき工程の前に還元させる場合、触媒活性化液(還元液)を準備し、無電解めっき前の別工程として行うことも可能である。触媒活性化液は、無電解めっき触媒前駆体(主に金属イオン)を0価金属に還元できる還元剤と還元剤を活性化するためのpH調整剤が含有される場合が多い。
液全体に対する還元剤の濃度は、0.1〜10質量%が好ましい。
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボランのようなホウ素系還元剤、ホルムアルデヒド、次亜リン酸などの還元剤を使用することが可能である。
特に、ホルムアルデヒドを含有するアルカリ水溶液で還元することが好ましい。
なお、めっき触媒として、無電解めっきを行わず直接電気めっきを行うために用いられる触媒を使用してもよい。このような触媒としては、例えば、0価金属が挙げられ、より具体的には、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。なかでも、多座配位可能なものが好ましく、特に、相互作用性基に対する吸着(付着)性、触媒能の高さから、Pd、Ag、Cuが好ましい。
めっき触媒またはその前駆体をプライマー層に付与する方法としては、これらを含む溶液(例えば、金属を適当な分散媒に分散した分散液、または、金属塩を適切な溶媒で溶解し、解離した金属イオンを含む溶液)を調製し、その分散液若しくは溶液をプライマー層上に塗布するか、または、その分散液若しくは溶液中にプライマー層が形成された樹脂基材を浸漬すればよい。
(工程(iii):めっき工程)
めっき工程は、めっき触媒またはその前駆体が付与されたプライマー層に対し、めっき処理を施すことで、金属反射層を形成する工程である。
本工程において行われるめっきの種類は、無電解めっき、電気めっきが挙げられ、上記触媒付与工程でプライマー層に付与されためっき触媒またはその前駆体の機能によって、適宜選択することができる。つまり、本工程では、めっき触媒またはその前駆体が付与されたプライマー層に対し、電気めっきを行ってもよいし、無電解めっきを行ってもよい。
以下、本工程において好適に行われるめっき処理について説明する。
無電解めっきとは、めっきとして析出させたい金属イオンを溶かした溶液を用いて、化学反応によって金属を析出させる操作のことをいう。
無電解めっきは、例えば、無電解めっき触媒が付与されたプライマー層を備える樹脂基材を、水洗して余分な無電解めっき触媒(金属)を除去した後、無電解めっき浴に浸漬して行う。使用される無電解めっき浴としては、公知の無電解めっき浴を使用することができる。
また、無電解めっき触媒前駆体が付与されたプライマー層を備える樹脂基材を、無電解めっき触媒前駆体がプライマー層に吸着または含浸した状態で無電解めっき浴に浸漬する場合には、基板を洗浄して余分な前駆体(金属塩など)を除去した後、無電解めっき浴中へ浸漬することが好ましい。この場合には、無電解めっき浴中において、めっき触媒前駆体の還元とこれに引き続き無電解めっきが行われる。ここで使用される無電解めっき浴としても、上記同様、公知の無電解めっき浴を使用することができる。
本工程おいては、付与されためっき触媒またはその前駆体が電極としての機能を有する場合、めっき触媒またはその前駆体が付与されたプライマー層に対して、電気めっきを行うことができる。
本発明における電気めっきの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。なお、本工程の電気めっきに用いられる金属としては、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、亜鉛などが挙げられ、本発明のフィルムミラーの正反射性がより良好となる理由から、銀が好ましい。
また、上述の無電解めっきの後、形成されためっき膜を電極とし、さらに、電気めっきを行ってもよい。
なお、めっきに用いる銀化合物としては、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、炭酸銀、メタンスルホン酸銀、アンモニア銀、シアン化銀、チオシアン酸銀、塩化銀、臭化銀、クロム酸銀、クロラニル酸銀、サリチル酸銀、ジエチルジチオカルバミン酸銀、ジエチルジチオカルバミド酸銀、p−トルエンスルホン酸銀が挙げられる。なかでも、本発明のフィルムミラーの正反射性がより良好となる理由から、メタンスルホン酸銀が好ましい。
〔ラミネート工程〕
本発明の製造方法にけるラミネート工程は、金属反射層付き樹脂基材における金属反射層上または樹脂基材上に、溶融状態の熱可塑性樹脂をラミネートして、表面被覆層を形成する工程である。
以下に、ラミネート工程で用いる熱可塑性樹脂および任意成分ならびにラミネートの条件について詳述する。
<熱可塑性樹脂>
熱可塑性樹脂は特に限定されず、その具体例としては、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、シリコーン(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン等が挙げられる。
本発明においては、熱可塑性樹脂は、ラミネートする際の作業性や不溶部の発生を抑制できる理由から、その重量平均分子量が100万以下であるのが好ましく、30万以下であるのがより好ましく、1万〜10万であるのが更に好ましい。
ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算することにより表される分子量である。
<任意成分>
本発明においては、ラミネート工程において、熱可塑性樹脂とともに、例えば、紫外線(UV)吸収剤、帯電防止剤、レベリング剤、光安定剤、酸化防止剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、顔料、分散剤、シランカップリング等の添加剤を任意成分として用いてもよい。
これらのうち、本発明のフィルムミラーを屋外で使用した際の紫外線に対する耐候性が良好となる理由から、紫外線吸収剤を用いるのが好ましい。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤の種類は特に制限されないが、有機系として、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、トリアジン系、ベンゾエート系などが挙げられ、また無機系として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄などが挙げられる。なお、紫外線吸収剤を多量に含有させた際にブリードアウトしてしまうという問題を低減するためには、分子量の1000以上の高分子の紫外線吸収剤を用いることが好ましい。好ましくは、分子量1000以上、3000以下である。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノンなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール](分子量659;市販品の例としては株式会社ADEKAのLA31)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(分子量447.6;市販品の例としてはチバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社のチヌビン234)などが挙げられる。
サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、フェニルサルチレート、2−4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートなどが挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、〔2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシフェノール〕(チヌビン1577FF、商品名、チバ・スペシャルティーケミカルズ製)、〔2−[4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール〕(CYASORB UV−1164、商品名、サイテックインダストリーズ製)等が挙げられる。
また、上記ベンゾエート系紫外線吸収剤の例としては、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(分子量438.7;市販品の例としては住友化学株式会社のSumisorb400)などが挙げられる。
また、紫外線吸収剤としては上記以外に、紫外線の保有するエネルギーを分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物を用いることもできる。さらに、酸化防止剤または着色剤等との併用により効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。
なお、上記紫外線吸収剤はそれぞれ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。また、必要により、上記紫外線吸収剤以外の紫外線吸収剤、例えば、サリチル酸誘導体、置換アクリロニトリル、ニッケル錯体、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤などを含有させることもできる。
紫外線吸収剤の含有量は特に限定されないが、形成される表面被覆層の全質量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
<ラミネート条件>
上述した熱可塑性樹脂および任意の添加剤を用いたラミネートは特に限定されず、Tダイを用いた押し出しラミネートであるのが好ましい。
ここで、押出しラミネートにおいて、熱可塑性樹脂の溶融温度、積層速度などの操業条件は、用いる熱可塑性樹脂の種類や装置によって適宜設定することができるため特に制限されないが、例えば、溶融温度は60〜300℃程度、積層速度は1〜30m/分程度であるのが好ましい。
本発明においては、金属反射層の成分劣化を抑制する理由から、ラミネートの際に、金属反射層の表面における温度を100℃以下になるように調整するのが好ましく、30〜80℃になるように調整するのがより好ましい。
また、同様の理由から、窒素雰囲気下で押出しラミネートを行うのが好ましい。
<鏡面処理>
本発明においては、本発明のフィルムミラーの正反射性がより良好となる理由から、ラミネート工程において、ラミネートした熱可塑性樹脂の表面を鏡面状のロール(以下、「鏡面ロール」ともいう。)に接触させ、形成される表面被覆層の表面の算術平均粗さRa(以下、単に「Ra」とも略す。)を0.2μm以下にする鏡面処理を含むのが好ましい。
ここで、Raは、触針式の表面粗さ計(例えば、ミツトヨ社製の表面粗さ測定機SJ−401など)を用いて測定した、JIS B0601:2001に準拠する算術平均粗さである。
このような鏡面処理に用いる鏡面ロールは、その表面のRaが0.2μm以下であれば特に限定されず、0.1μm以下であるのが好ましく、0.001〜0.02μmであるのがより好ましい。
また、上記鏡面ロールの材質は特に限定されず、例えば、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として硬質クロムメッキ(HCrメッキ)、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。
鏡面処理における鏡面ローラの温度は、挟圧部での熱可塑性樹脂の温度がガラス転移温度以上となるように設定することが好ましい。
具体的には、熱可塑性樹脂の材料にポリエチレンテレフタレート(PET)基材を採用した場合、鏡面ローラの表面温度は30〜90℃であるのが好ましく、40〜80℃であるのがより好ましい。なお、鏡面ローラの温度を制御するために、鏡面ローラ内部を熱媒体(温水、油)で満たし循環させる等の公知の手段が採用できる。
このようなラミネート工程により形成される表面被覆層の厚みは特に限定されないが、本発明のフィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性がより優れる点で、10〜200μmが好ましく、25〜100μmがより好ましい。
〔表面処理工程(任意工程)〕
本発明の製造方法は、上述したラミネート工程において金属反射層の成分劣化を抑制する理由から、上述した積層工程の後であってラミネート工程の前に、金属反射層付き樹脂基材における金属反射層の表面を腐食防止剤で表面処理する表面処理工程を有するのが好ましい。
以下に、表面処理工程で用いる腐食防止剤およびそれを用いた表面処理について詳述する。
<腐食防止剤>
腐食防止剤は特に制限されず、金属反射層を構成する金属の腐食を抑制できる化合物であればよく、なかでも、銀に対する吸着性基を有することが好ましい。
銀に対する吸着性基(例えば、アミノ基、複素環基などの窒素含有基、メルカプト基、S=C<などの硫黄含有基)を有する腐食防止剤としては、例えば、アミン類およびその誘導体、ピロール環を有する化合物、ベンゾトリアゾール等のトリアゾール環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、チアゾール環を有する化合物、イミダゾール環を有する化合物、インダゾール環を有する化合物、銅キレート化合物類、チオ尿素類、メルカプト基を有する化合物、チオエーテル類(スフフィド結合を有する物)、ナフタレン系の少なくとも一種またはこれらの混合物から選ばれることが望ましい。ベンゾトリアゾール等の化合物においては、紫外線吸収剤が腐食防止剤を兼ねる場合もある。また、シリコーン変性樹脂を用いることも可能である。シリコーン変性樹脂として特に限定されない。
アミン類およびその誘導体としては、エチルアミン、ラウリルアミン、トリ−n−ブチルアミン、o−トルイジン、ジフェニルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、アセトアミド、アクリルアミド、ベンズアミド、p−エトキシクリソイジン、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジシクロヘキシルアンモニウムサリシレート、モノエタノールアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンカーバメイト、ニトロナフタレンアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムシクロヘキサンカルボキシレート、シクロヘキシルアミンシクロヘキサンカルボキシレート、ジシクロヘキシルアンモニウムアクリレート、シクロヘキシルアミンアクリレート等、またはこれらの混合物が挙げられる。
ピロール環を有する物としては、N−ブチル−2,5−ジメチルピロール,N−フェニル−2,5−ジメチルピロール、N−フェニル−3−ホルミル−2,5−ジメチルピロール,N−フェニル−3,4−ジホルミル−2,5−ジメチルピロール等、またはこれらの混合物が挙げられる。
トリアゾール環を有する化合物としては、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−ヒドロキシ−1,2,4−トリアゾール、3−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4−メチル−1,2,3−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4,5,6,7−テトラハイドロトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メチル−1,2,4−トリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ3’5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール](分子量659;市販品の例としては株式会社ADEKAのLA31)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(分子量447.6;市販品の例としてはチバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社のチヌビン234)などが挙げられる。または、これらの混合物が挙げられる。
ピラゾール環を有する化合物としては、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾロン、ピラゾリジン、ピラゾリドン、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ヒドロキシピラゾール、4−アミノピラゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
チアゾール環を有する化合物としては、チアゾール、チアゾリン、チアゾロン、チアゾリジン、チアゾリドン、イソチアゾール、ベンゾチアゾール、2−N,N−ジエチルチオベンゾチアゾール、P−ジメチルアミノベンザルロダニン、2−メルカプトベンゾチアゾール等、またはこれらの混合物が挙げられる。
イミダゾール環を有する化合物としては、イミダゾール、ヒスチジン、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、4−フォルミルイミダゾール、2−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−フォルミルイミダゾール、4−メチル−5−フォルミルイミダゾール、2−エチル−4−メチル−5−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等、またはこれらの混合物が挙げられる。
インダゾール環を有する化合物としては、4−クロロインダゾール、4−ニトロインダゾール、5−ニトロインダゾール、4−クロロ−5−ニトロインダゾール等、またはこれらの混合物が挙げられる。
銅キレート化合物類としては、アセチルアセトン銅、エチレンジアミン銅、フタロシアニン銅、エチレンジアミンテトラアセテート銅、ヒドロキシキノリン銅等、またはこれらの混合物が挙げられる。
チオ尿素類としては、チオ尿素、グアニルチオ尿素等、またはこれらの混合物が挙げられる。
メルカプト基を有する化合物としては、すでに上記に記載した材料も加えれば、メルカプト酢酸、チオフェノール、1,2‐エタンジオール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、グリコールジメルカプトアセテート、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等、またはこれらの混合物が挙げられる。
チオエーテル類としては、3,3’−チオジプロピオン酸ジドデシル、3,3’−チオジプロピオン酸ジステアリル、3,3’−チオビスプロピオン酸ジトリデシル、ビス[3−(ドデシルチオ)プロピオン酸]2,2−ビス[[3−(ドデシルチオ)−1−オキソプロピルオキシ]メチル]−1,3−プロパンジイル、テトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン、4,4’−ジアミノジフェニルジスルフィド 、ジフェニルジスルフィド等、またはこれらの混合物が挙げられる。
ナフタレン系としては、チオナリド等が挙げられる。
なお、腐食防止剤のより具体的な例としては、例えば、以下の式(D)〜式(J)で表される化合物が挙げられる。
式(D)中、R41〜R45は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。
置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、t−ブチル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基等)、スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、ウレイド基(例えば、3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基、1,3−ジメチルウレイド基等)、スルファモイルアミノ基(例えば、ジメチルスルファモイルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えば、エチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、フェニルスルホニル基等)、アシル基(例えばアセチル基、プロパノイル基、ブチロイル基等)、アミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等)、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトロソ基、アミンオキシド基(例えば、ピリジン−オキシド基)、イミド基(例えば、フタルイミド基等)、ジスルフィド基(例えば、ベンゼンジスルフィド基、ベンゾチアゾリル−2−ジスルフィド基等)、カルボキシル基、シアノ基、メルカプト基、スルホ基、ヘテロ環基(例えば、ピロール基、ピロリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、ベンズオキサゾリル基等)、またはこれらを組み合わせた基が挙げられる。これらの置換基はさらに置換されてもよい。
なかでも、耐光性がより優れる点で、R41〜R45は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アミノ基、およびメルカプト基からなる群から選ばれることが好ましい。
式(D)中、Qは、窒素原子またはCR46を表す。R46は、水素原子または置換基を表す。置換基としては、式(D)のR41〜R45で表される置換基と同義である。
なかでも、R46は、水素原子が好ましい。
式(E)中、R51〜R53は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、式(D)のR41〜R45で表される置換基と同義である。
なかでも、耐光性がより優れる点、R51〜R53は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アミノ基、およびメルカプト基からなる群から選ばれることが好ましい。
式(F)中、R61〜R63は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、式(D)のR41〜R45で表される置換基と同義である。
なかでも、耐光性がより優れる点で、R61〜R63は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アミノ基、およびメルカプト基からなる群から選ばれることが好ましい。
式(G)中、R71〜R72は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、式(D)のR41〜R45で表される置換基と同義である。
なかでも、耐光性がより優れる点で、R71〜R72は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アミノ基、メルカプト基、およびアルキルスルフィド基からなる群から選ばれることが好ましい。
式(H)中、R81〜R84は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、式(D)のR41〜R45で表される置換基と同義である。
なかでも、耐光性がより優れる点で、R81〜R84は、それぞれ独立に、水素原子およびアルキル基からなる群から選ばれることが好ましい。
式(I)中、Aは、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基を表す。
aは、アルキレン基、−S−、−CO−、−O−、または、これらを組み合わせた基(例えば、−アルキレン基−S−アルキレン基−、−COO−アルキレン基)を表す。
nは、2〜4の整数を表す。
式(J)中、R101およびR102は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、式(D)のR41〜R45で表される置換基と同義である。
なかでも、耐光性がより優れる点で、R101は、水素原子およびアルキル基からなる群から選ばれることが好ましい。R102は、水素原子、メルカプト基、アミノ基、およびアルキル基からなる群から選ばれることが好ましい。
bは、アルキレン基を表す。
mは1〜5の整数を表し、lは0〜4の整数を表し、mとlはm+l=5の関係を満たす。
<表面処理方法>
このような腐食防止剤を用いた表面処理は、金属反射層付き樹脂基材の金属反射層の表面に腐食防止剤を付与することで施される。
腐食防止剤を金属反射層上に付与すると、腐食防止剤が金属反射層の表面と相互作用を形成して付着(吸着)する。特に、腐食防止剤が上述した銀に対する吸着性基を有する場合、吸着性基を介して金属反射層の表面上に強固に付着(吸着)する。また、金属反射層の表層中に間隙がある場合は、その間隙に腐食防止剤が含まれることになる。
金属反射層への腐食防止剤の付与の方法は特に制限されず、例えば、腐食防止剤を直接金属反射層と接触させる方法や、腐食防止剤と溶媒とを含む組成物を金属反射層と接触させる方法が挙げられる。接触方法としては、金属反射層上に腐食防止剤(または組成物)を塗布する方法や、腐食防止剤(または組成物)中に金属反射層付き樹脂基材を浸漬する方法が挙げられる。
接触条件は、上述した腐食防止剤の含有量(付着量)となれば特に制限されない。なかでも、生産性の点から、10〜50℃の条件下で、0.2〜60分間接触させることが好ましい。
なお、組成物中に使用される溶媒の種類は特に制限されず、腐食防止剤を溶解させる溶媒であることが好ましい。例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶媒、酢酸などの酸、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、この他にも、エーテル系溶媒、グリコール系溶媒、アミン系溶媒、チオール系溶媒、ハロゲン系溶媒などが挙げられる。
また、腐食防止剤と溶媒とを含む組成物中における腐食防止剤の含有量は特に制限されない。なかでも、効率よく腐食防止剤を金属反射層表面上に付与できる点で、溶媒100質量部に対して、腐食防止剤の含有量が0.0001〜5質量部であることが好ましく、0.01〜1質量部であることがより好ましい。
<洗浄処理>
また、必要に応じて、腐食防止剤を有する金属反射層付き樹脂基材を溶媒で洗浄する洗浄処理を実施してもよい。
使用される溶媒の種類は特に制限されず、腐食防止剤の種類に応じて選択される。例えば、上述した組成物中で使用される溶媒が挙げられる。なかでも、水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、ケトン類(MEK、アセトンなど)、シクロヘキサノンまたはその混合溶媒がより好ましい。
溶媒で洗浄する方法は特に制限されず、腐食防止剤を有する金属反射層付き樹脂基材上に溶媒を塗布する方法や、腐食防止剤を有する金属反射層付き樹脂基材を溶媒中に浸漬する方法が挙げられる。
洗浄条件は特に制限されないが、より効率よく余分な腐食防止剤を除去できる点で、10〜50℃の溶媒と0.1〜5分間接触させることが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
<積層工程>
(プライマー層の形成)
樹脂基材としてPET基材(A4300、厚み:25μm、東洋紡社製)を用い、その表面上に、下記式(3)で表されるアクリルポリマーを含む溶液を、乾燥時膜厚が厚さ500nmになるようにスピンコート法により塗布し、80℃にて5分乾燥して塗膜を得た。
ここで、式(3)中の数値は各ユニットの割合(mol%)を表す。
式(3)で表されるアクリルポリマーの合成方法は以下のとおりである。
2Lの三口フラスコに酢酸エチル1L、2−アミノエタノール159gを入れ、氷浴にて冷却をした。そこへ、2−ブロモイソ酪酸ブロミド150gを内温20℃以下になるように調節して滴下した。その後、内温を室温(25℃)まで上昇させて2時間反応させた。反応終了後、蒸留水300mLを追加して反応を停止させた。その後、酢酸エチル層を蒸留水300mLで4回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、さらに酢酸エチルを留去することで原料Aを80g得た。
次に、500mLの三口フラスコに、原料A47.4g、ピリジン22g、酢酸エチル150mLを入れて氷浴にて冷却した。そこへ、アクリル酸クロライド25gを内温20℃以下になるように調節して滴下した。その後、室温に上げて3時間反応させた。反応終了後、蒸留水300mLを追加し、反応を停止させた。その後、酢酸エチル層を蒸留水300mLで4回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、さらに酢酸エチルを留去した。その後、カラムクロマトグラフィーにて、以下のモノマーM1を精製し20g得た。
500mLの三口フラスコに、N,N−ジメチルアセトアミド8gを入れ、窒素気流下65℃まで加熱した。そこへ、上記で得たモノマーM1:14.3g、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)3.0g、アクリル酸(東京化成製)6.5g、V−65(和光純薬製)0.4gのN,N−ジメチルアセトアミド8g溶液を、4時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間撹拌した。その後、N,N−ジメチルアセトアミド41gを足し、室温まで反応溶液を冷却した。上記の反応溶液に、4−ヒドロキシTEMPO(東京化成製)0.09g、DBU54.8gを加え、室温で12時間反応を行った。その後、反応溶液に70質量%メタンスルホン酸水溶液54gを加えた。反応終了後、水で再沈を行い、固形物を取り出し、式(3)で表されるアクリルポリマー(重量平均分子量5.3万)を12g得た。
また、式(3)で表されるアクリルポリマーを含む溶液の調製法は以下のとおりである。
式(3)で表されるアクリルポリマー(7質量部)、1−メトキシ−2−プロパノール(74質量部)、水(19質量部)の割合で混合し、さらにこの混合溶液に対して、光重合開始剤(エサキュアKTO−46、ランベルディー社製)(0.35質量部)を添加して、攪拌混合し、式(3)で表されるアクリルポリマーを含む溶液を得た。
上記塗膜に対して、三永電機製のUV露光機(型番:UVF−502S、ランプ:UXM−501MD)を用いて、254nmの波長で1000mJ/cm2の積算露光量にて照射を行い、プライマー層(ヤング率:1.9GPa、厚み:500nm)を形成した。
なお、プライマー層から未反応のポリマーを除去するために現像を行った。具体的には、上記プライマー層付きPET基材を1wt%炭酸水素ナトリウム水溶液中に5分間浸漬した。その後純水で洗浄した。
(金属反射層の形成)
次に、プライマー層付きPET基材を1wt%硝酸銀水溶液中に5分間浸漬し、その後純水で洗浄して、無電解めっき触媒前駆体(銀イオン)が付与されたプライマー層付きPET基材を得た。
さらに、得られたプライマー層付きPET基材を、0.14wt%のNaOHと0.25wt%のホルマリンとを含むアルカリ水溶液(pH12.5)(還元剤に該当)に1分間浸漬し、その後純水で洗浄して、還元金属(銀)が付与されたプライマー層付きPET基材を得た。
次に、還元金属(銀)が付与されたプライマー層に対して、以下の電気めっき処理を行い、プライマー層上に厚み100nmの金属(銀)反射層を形成した。
電気めっき液として、ダインシルバーブライトPL50(大和化成社製)を用い、8M水酸化カリウムによりpH9.0に調整した。還元金属を表面にもつプライマー層付きPET基材を、電気めっき液に浸漬し、0.5A/dm2にて15秒間めっきし、その後、純水で1分間掛け流しにより洗浄した。
<表面処理工程>
次に、腐食防止剤である3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールが溶解した溶液(溶媒:水)中に、室温環境下、金属反射層付き樹脂基材を1分間浸漬した。なお、溶液中における3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの含有量は、溶液全量に対して、0.1質量%であった。
浸漬後、水を用いて、金属反射層付き樹脂基材の金属反射層の表面を洗浄した。
なお、洗浄後の腐食防止剤の付着量を、25%HClを用いた方法により算出したところ、金属反射層の表面に腐食防止剤が付着していることが確認できた。
<ラミネート工程>
次に、窒素雰囲気下で、金属反射層付き樹脂基材の金属反射層上に、230℃で溶融させたポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)(重量平均分子量:6万)およびUV吸収剤(チヌビン360、BASF社製)をTダイから押し出し、ラミネートさせた。なお、押出しラミネートの際に、金属反射層の表面温度が100℃以下となるように、冷却ロールを用いて金属反射層付き樹脂基材の裏面(樹脂基材側)の冷却を施した。
次いで、ラミネートされたPMMAの表面を鏡面ロール(材質:ステンレス鋼、Ra:0.005μm)に接触させる鏡面処理を施し、厚さ7μmの表面被覆層を形成し、フィルムミラーを作製した。
〔実施例2〕
下記第1表に示す通り、樹脂基材、金属反射層および表面被覆層の厚みを変更した以外は、実施例1と同様の方法により、フィルムミラーを作製した。
〔実施例3〕
プライマー層を以下に示す方法で形成した以外は、実施例1と同様の方法により、フィルムミラーを作製した。
(プライマー層の形成)
プライマー層として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828、エポキシ等量:185、油化シェルエポキシ(株)製)と、フェノールノボラック樹脂(フェノライト、フェノール性水酸基当量:105、大日本インキ化学工業(株)製)とを、エポキシ基とOH基との当量比が1となるように混合し、この混合物をエチレングリコールアセテートおよびソルベントナフサに撹拌させながら固形分で30質量%になるように加熱溶解させ、室温まで冷却した後、乾燥後の固形分の厚みが1μmとなるようにPET基材上に塗布した。
その後、アルミニウム電極を用い、電極密度250W・min/m2でコロナ放電処理を行った。このプライマー層の弾性率は3.8GPaであった。
なお、上記方法でプライマー層を形成した場合、プライマー層上に銀反射層を蒸着により形成することができる。
〔実施例4〕
腐食防止剤を用いた表面処理工程を施さなかった以外は、実施例2と同様の方法により、フィルムミラーを作製した。
〔実施例5〕
ラミネート工程において、金属反射層の表面温度を110℃に調整した以外は、実施例2と同様の方法により、フィルムミラーを作製した。
〔実施例6〕
ラミネート工程を窒素雰囲気で行わなかった以外は、実施例2と同様の方法により、フィルムミラーを作製した。
〔実施例7〕
ラミネート工程において、鏡面処理を施さなかった以外は、実施例2と同様の方法により、フィルムミラーを作製した。
〔実施例8〕
ラミネート工程において、UV吸収剤を用いなかった以外は、実施例2と同様の方法により、フィルムミラーを作製した。
〔実施例9〕
ラミネート工程において、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)(重量平均分子量:6万)に代えてポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)(重量平均分子量:12万)を用いた以外は、実施例2と同様の方法により、フィルムミラーを作製した。
〔実施例10〕
ラミネート工程において、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)(重量平均分子量:6万)に代えてポリプロピレン樹脂(PP)(重量平均分子量:6万)を用いた以外は、実施例2と同様の方法により、フィルムミラーを作製した。
〔実施例11〕
プライマー層を形成せず、金属反射層を以下に示す方法で形成した以外は、実施例2と同様の方法により、フィルムミラーを作製した。
(金属反射層の形成)
PET基材に対して、真空蒸着法により厚さ150nmの銀反射層を形成した。
〔実施例12〕
下記第1表に示す通り、樹脂基材の厚みを変更した以外は、実施例2と同様の方法により、フィルムミラーを作製した。
〔実施例13〕
下記第1表に示す通り、金属反射層の厚みを変更した以外は、実施例2と同様の方法により、フィルムミラーを作製した。
〔比較例1〕
樹脂基材としてPMMA基材(三菱レイヨン社製、HBS002、厚み:75μm)を用い、また、腐食防止剤を用いた表面処理工程を施さず、更に、ラミネート工程において、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)(重量平均分子量:6万)に代えてポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)(重量平均分子量:8万)を用い、UV吸収剤を用いず、窒素雰囲気下で行わず、金属反射層の表面温度を110℃に調整し、鏡面処理を施さなかった以外は、実施例1と同様の方法により、フィルムミラーを作製した。
〔比較例2〕
樹脂基材をPP基材(東レ社製、トレファン、厚み:60μm)に変更し、また、ラミネート工程において、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)(重量平均分子量:6万)に代えてポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)(重量平均分子量:6万)を用いた以外は、実施例2と同様の方法により、フィルムミラーを作製した。
〔比較例3〕
(接着剤による貼り合わせ)
接着剤として、LIS−825(東洋インキ社製):41.8質量%、LCR−901(東洋インキ社製):3質量%を、酢酸エチル:55.2質量%に溶解させ、接着剤溶液を調製した。
得られた接着剤溶液を、実施例1と同様の方法で作製した金属反射層付き樹脂基材(表面処理工程なし)に、厚さ約10μmとなるように、バーコート法により塗布し、室温で2分および80℃で10分間乾燥して接着層を形成した。
これに表面被覆層として、UV吸収剤含有PMMAフィルム(住友化学社製、テクノロイS001G)を貼り合わせた。その後、60℃で12時間後加熱することで、接着剤を硬化させ、接着剤を介して表面被覆層と金属反射層付き樹脂基材とを貼り合わせたミラーフィルムを作製した。
作製した各フィルムミラーについて、反射率、耐光性、正反射性(拡散成分比率)、および、金属反射層の密着性を以下に示す方法に評価し、それらの結果を下記第1表に示す。
<反射率>
作製した各フィルムミラーの反射率は、分光光度計(UV−3100PC、島津製作所製)を用いて反射率(450nm)を測定した。
<耐光性>
作製した各フィルムミラーをキセノンランプ耐光性試験機(ATLAS社製、Ci5000、パワー:180W、Black Panel Temperature:83℃)内に配置して、温度55度、湿度40%RHの条件下で500時間放置し、その際のフィルムミラーの450nmにおける反射率の低下率(放置前の反射率(%)−放置後の反射率(%))を測定した。反射率の測定には、紫外可視近赤外分光光度計UV−3100(島津製作所製)を用いて、評価を行った。以下の基準に従って評価した。
A:反射率低下量が5%未満
B:反射率低下量が5%以上20%未満
<正反射性(拡散成分比率)>
作製した各フィルムミラーの正反射性の評価は、全反射光に対する拡散成分のエネルギー比率を算出して行った。
具体的には、光源用LEDから反射鏡上に光を照射させ、その反射光をレンズを通して、CCDイメージセンサに画像として受光させ、得られた画像における正反射成分と拡散成分との合計面積中の拡散成分の占める割合から算出した。
<金属反射層の密着性>
フィルムミラーの表面(表面被覆層側)について、カッターで2mm×2mm角の碁盤目を100個作成し、日東セロテープ(登録商標)を貼りつけ、その後剥離し、剥離しないでフィルム上に残った個数を調べた。
ここで、剥離した部分の碁盤目を観察すると、いずれも金属反射層と樹脂基材との界面で剥離していることが分かった。
その結果、残った碁盤目の個数が90個以上のものを樹脂基材に対する金属反射層の密着性に優れるものとして「A」と評価し、80〜89個のものを密着性にやや優れるものとして「B」と評価し、80個未満のものを密着性に劣るものとして「C」と評価した。
第1表に示す結果から、樹脂基材の融点(熱可塑性樹脂の融点より高い融点)を満たさない条件で作製した比較例1および2のフィルムミラーは、反射率が低く、また、拡散成分比率も高いため正反射性に劣り、更に、金属反射層の密着性も劣ることが分かった。
また、金属反射層付き樹脂基材と表面被覆層とを接着剤を用いて貼り合わせした比較例3のフィルムミラーは、反射率が低く、また、拡散成分比率も高いため正反射性に劣ることが分かった。
これに対し、樹脂基材の融点(熱可塑性樹脂の融点より高い融点)を満たす条件で作製した実施例1〜13のフィルムミラーは、いずれも反射率が高く、また、正反射性にも優れ、金属反射層の密着性も良好となることが分かった。
特に、実施例2と実施例3および11との対比から、樹脂基材と金属反射層との間に所定のヤング率を有するプライマー層を設けることにより、意外にも、金属反射層の密着性が向上することが分かった。
また、実施例1および2と実施例12および13との対比から、樹脂基材の厚みが25μm以上であり、金属反射層の厚みが75nm以上であると、反射率および正反射性がより良好となり、金属反射層の密着性も向上することが分かった。
また、実施例2と実施例4〜7との対比から、腐食防止剤を用いた金属反射層の表面処理工程やラミネート工程における鏡面処理を施し、金属反射層の表面温度を100℃以下とすることにより、反射率がより高くなり、正反射性がより良好となることが分かった。
また、実施例2と実施例8との対比から、熱可塑性樹脂とともにUV吸収剤を用いることにより、耐光性が良好となることが分かった。
また、実施例2と実施例9との対比から、熱可塑性樹脂の平均分子量が10万以下であることにより、反射率がより高くなり、正反射性がより良好となることが分かった。
100、200 フィルムミラー
10 樹脂基材
12 金属反射層
20 金属反射層付き樹脂基材
30 表面被覆層

Claims (10)

  1. 樹脂基材と金属反射層と表面被覆層とを有する太陽光集光用フィルムミラーの製造方法であって、
    前記樹脂基材と前記金属反射層とを有する金属反射層付き樹脂基材を作製する積層工程と、
    前記金属反射層付き樹脂基材における前記金属反射層上または前記樹脂基材上に、溶融状態の熱可塑性樹脂をラミネートして、前記表面被覆層を形成するラミネート工程とを有し、
    前記樹脂基材の融点が、前記熱可塑性樹脂の融点より高い、太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
  2. 前記金属反射層付き樹脂基材が、前記樹脂基材と前記金属反射層との間に、ヤング率が2.5GPa以下であるプライマー層を有する、請求項1に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
  3. 前記樹脂基材の厚みが25μm以上であり、前記金属反射層の厚みが75nm以上である、請求項1または2に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
  4. 前記積層工程の後であって前記ラミネート工程の前に、前記金属反射層付き樹脂基材における前記金属反射層の表面を腐食防止剤で表面処理する表面処理工程を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
  5. 前記ラミネート工程において、前記金属反射層の表面における温度を100℃以下になるように調整しながら、前記熱可塑性樹脂のラミネートを行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
  6. 前記ラミネート工程において、窒素雰囲気下で前記熱可塑性樹脂のラミネートを行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
  7. 前記ラミネート工程が、ラミネートした前記熱可塑性樹脂の表面を鏡面状のロールに接触させ、前記表面被覆層の表面の算術平均粗さRaを0.2μm以下にする鏡面処理を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
  8. 前記ラミネート工程において、前記熱可塑性樹脂とともに紫外線吸収剤を用いる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
  9. 前記熱可塑性樹脂の重量平均分子量が、100万以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法により作製される太陽光集光用フィルムミラー。
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