WO2013146980A1 - フィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置 - Google Patents

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Abstract

 樹脂基材1上に銀反射層3とアクリル層5とを備えたフィルムミラー20aにおいて、そのアクリル層5が、下記の一般式(1)で表される化合物を含有するようにした。(式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す。また置換基同士で結合して環を形成してもよい。)

Description

フィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置
 本発明は、フィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置に関する。
 従来、太陽熱発電に用いられる集光用ミラーがある。このようなミラーとしては、軽量で取り扱いの容易なフィルムミラーが好ましく用いられる。
 太陽熱発電用のフィルムミラーは、屋外暴露環境下で長期間に亘り用いられる。従って、フィルムミラーには、長期間の紫外線露光に対する高い耐久性が求められる。例えば、金属反射層の上面に、接着層を介して紫外線吸収剤を含有した樹脂層が設けられた構成のフィルムミラーが知られている。
 しかしながら、紫外線吸収剤を含有した樹脂層は、太陽光による変色・変質が抑制されて透明性を維持するものの、隣接する層との密着性が悪く、長期に亘って使用した際に、剥がれが生じることがあった。これにより、フィルムミラーの耐久性が損なわれていた。
 また、近年、紫外線吸収剤として、優れた紫外線遮蔽効果を有するトリアジン誘導体が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)が、フィルムミラーの材料としては未だ使用されていない。
特開2011-6517号公報 特開2011-88884号公報
 本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、耐久性に優れたフィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置を提供することを目的とする。
 本発明者は、樹脂層に含有させる紫外線吸収剤としてトリアジン誘導体を用いた場合に、トリアジン誘導体を含有した樹脂層と隣接層との密着性及び腐食耐性が向上し、フィルムミラーの耐久性を向上させることができることを見出した。
 すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
 請求項1に記載の発明は、
 樹脂基材上に金属反射層が設けられたフィルムミラーであって、
 前記金属反射層よりも光入射側に樹脂層を備え、
 前記樹脂層は、下記の一般式(1)で表される化合物を含んでいることを特徴とする。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
(式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す。また置換基同士で結合して環を形成してもよい。)
 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフィルムミラーにおいて、
 前記化合物におけるR1fが、OH基ではないことを特徴とする。
 請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のフィルムミラーにおいて、
 前記化合物におけるR1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R1jは、互いに独立して、水素原子又はOH基を除く1価の置換基を表し、R1k、R1m、R1n、R1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表し、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pのうち少なくとも1つは、ハメット則のσp値が正である置換基を表すことを特徴とする。
 請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載のフィルムミラーにおいて、
 前記化合物におけるR1a、R1b、R1c、R1d、R1eは、互いに独立して、水素原子又はOH基を除く1価の置換基を表し、R1a、R1b、R1c、R1d、R1eのうち少なくとも1つは、ハメット則のσp値が正である置換基を表し、R1f、R1g、R1h、R1i、R1jは、互いに独立して、水素原子又はOH基を除く1価の置換基を表し、R1k、R1m、R1n、R1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表すことを特徴とする。
 請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のフィルムミラーにおいて、
 前記化合物におけるR1fが、OH基であることを特徴とする。
 請求項6に記載の発明は、請求項1又は5に記載のフィルムミラーにおいて、
 前記化合物におけるR1fは、OH基を表し、R1a、R1c、R1eは、水素原子を表し、R1b及びR1dは、互いに独立して、水素原子又はハメット則のσp値が正である置換基を表し、そのR1bとR1dの少なくとも1つはハメット則のσp値が正である置換基を表し、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表すことを特徴とする。
 請求項7に記載の発明は、請求項1又は5に記載のフィルムミラーにおいて、
 前記化合物におけるR1fは、OH基を表し、R1a、R1c、R1eは、水素原子を表し、R1b及びR1dは、互いに独立して、水素原子又はハメット則のσp値が0.3以上である置換基を表し、そのR1bとR1dの少なくとも1つはハメット則のσp値が0.3以上である置換基を表し、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表すことを特徴とする。
 請求項8に記載の発明は、請求項1又は5に記載のフィルムミラーにおいて、
 前記化合物におけるR1fは、OH基を表し、R1a、R1c、R1eは、互いに独立して、水素原子又はOHを除く1価の置換基を表し、R1a、R1c、R1eのうち少なくとも1つは、ハメット則のσp値が0.3以上である置換基を表し、R1b及びR1dは、互いに独立して、水素原子又はOHを除く1価の置換基を表し、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表すことを特徴とする。
 請求項9に記載の発明は、請求項1~8の何れか一項に記載のフィルムミラーにおいて、
 前記樹脂層は、前記金属反射層よりも光入射側となる面上に、樹脂を含有する液体を塗布し乾燥してなる層であることを特徴とする。
 請求項10に記載の発明は、請求項1~9の何れか一項に記載のフィルムミラーにおいて、
 前記樹脂層は、当該樹脂層を貼着するための接着層を介さずに、前記金属反射層よりも光入射側の面上に設けられていることを特徴とする。
 請求項11に記載の発明は、請求項1~10の何れか一項に記載のフィルムミラーにおいて、
 前記樹脂層の樹脂は、アクリル樹脂であることを特徴とする。
 請求項12に記載の発明は、太陽熱発電用反射装置であって、
 請求項1~11の何れか一項に記載のフィルムミラーを、粘着層を介して支持基材に貼り付けて形成したことを特徴とする。
 本発明によれば、耐久性に優れたフィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置を提供することができる。
本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の太陽熱発電用反射装置の構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の太陽熱発電用反射装置の構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の太陽熱発電用反射装置の構成の一例を示す概略断面図である。
 以下、本発明に係る太陽熱発電用のフィルムミラーの詳細について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
 本発明者らが鋭意検討した結果、樹脂基材上に金属反射層(銀反射層)が設けられたフィルムミラーにおいて、金属反射層(銀反射層)よりも光入射側に樹脂層(好ましくはアクリル層)を設けるとともに、その樹脂層(好ましくはアクリル層)に下記の一般式(1)で表される化合物(トリアジン系化合物)を添加することによって、高い耐久性を有するフィルムミラーが得られることを見出した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
(式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す。また置換基同士で結合して環を形成してもよい。)
 金属反射層(銀反射層)よりも光入射側に設けられる樹脂層(好ましくはアクリル層)が、一般式(1)で表されるトリアジン系化合物を含有すると、そのトリアジン系化合物の紫外線遮蔽効果により、樹脂層(好ましくはアクリル層)が紫外線遮蔽層となって、樹脂基材などがUV劣化することを防ぐことが可能になる。特に、一般式(1)で表されるトリアジン系化合物を紫外線吸収剤として含有した樹脂層(好ましくはアクリル層)は、隣接する層との密着性が良好であり、長期に亘って使用しても剥がれ難いため、フィルムミラーの耐久性が向上する。
 つまり、紫外線遮蔽効果を有する樹脂層(好ましくはアクリル層)の密着性・耐久性が向上することで、耐候性に優れたフィルムミラーを実現することが可能になる。
(1)太陽熱発電用フィルムミラーの構成概要
 本発明のフィルムミラーは、図1A、図2A及び図3Aに示すように、フィルム状の樹脂基材1上に設けられた金属反射層である銀反射層3を備え、その銀反射層3よりも光入射側に、UV吸収剤入りのアクリル層(樹脂層)5を備えている。
 また、図1A、図2A及び図3Aに示すように、上記した各構成層の間や、構成層上に、更に別の構成層を設けてもよい。
 例えば、樹脂基材1と銀反射層3の間にアンカー層2を設けてもよい。
 例えば、銀反射層3の光入射側に隣接して腐食防止層8を設けてもよい。
 例えば、銀反射層3よりも光入射側に、ガスバリアー層9を設けてもよい。
 例えば、アクリル層5を配設するための接着層4を設けてもよい。
 例えば、フィルムミラーの光入射側の最表面に、ハードコート層10を設けてもよい。
 例えば、樹脂基材1の光入射側の反対面に粘着層6を設け、その粘着層6を覆う剥離層7を設けてもよい。
 そして、本発明に係るフィルムミラー全体の厚さは、撓み防止、正反射率、取り扱い性等の観点から80~300μmが好ましく、より好ましくは80~200μm、更に好ましくは80~170μmである。
 ここで、フィルムミラーの好ましい層構成の一例について、図1A、図2A及び図3Aを用いて説明する。また、太陽熱発電用反射装置の概要を、図1B、図2B及び図3Bを用いて説明する。
 フィルムミラー20aは、図1Aに示すように、樹脂基材1上にアンカー層2、金属反射層(好ましくは銀反射層)3、腐食防止層8、樹脂層(好ましくはアクリル層)5が順に積層されて設けられている。また、樹脂基材1における光入射側の反対面に粘着層6が設けられている。なお、フィルムミラー20aを支持基材11に貼り合わせるまで、粘着層6を覆うための剥離層7が設けられている。
 太陽熱発電用反射装置30aは、図1Bに示すように、フィルムミラー20aにおける粘着層6を支持基材11に接合し、フィルムミラー20aと支持基材11を貼り合わせてなる反射鏡である。
 フィルムミラー20bは、図2Aに示すように、樹脂基材1上にアンカー層2、金属反射層(好ましくは銀反射層)3、腐食防止層8、接着層4、樹脂層(好ましくはアクリル層)5が順に積層されて設けられている。また、樹脂基材1における光入射側の反対面に粘着層6が設けられている。なお、フィルムミラー20bを支持基材11に貼り合わせるまで、粘着層6を覆うための剥離層7が設けられている。
 太陽熱発電用反射装置30bは、図2Bに示すように、フィルムミラー20bにおける粘着層6を支持基材11に接合し、フィルムミラー20bと支持基材11を貼り合わせてなる反射鏡である。
 フィルムミラー20cは、図3Aに示すように、樹脂基材1上にアンカー層2、金属反射層(好ましくは銀反射層)3、腐食防止層8、ガスバリアー層9、接着層4、樹脂層(好ましくはアクリル層)5、ハードコート層10が順に積層されて設けられている。また、樹脂基材1における光入射側の反対面に粘着層6が設けられている。なお、フィルムミラー20cを支持基材11に貼り合わせるまで、粘着層6を覆うための剥離層7が設けられている。
 太陽熱発電用反射装置30cは、図3Bに示すように、フィルムミラー20cにおける粘着層6を支持基材11に接合し、フィルムミラー20cと支持基材11を貼り合わせてなる反射鏡である。
 以下、各層の構成の詳細を記載する。
(2)樹脂基材
 樹脂基材としては、従来公知の種々の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルム、アクリルフィルムが好ましい。特にポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム又はアクリルフィルムを用いることが好ましい。これら樹脂フィルムは、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
 樹脂基材は、金属反射層の下層側にあり、金属反射層よりも光入射側から遠い配置にあるので、樹脂基材には紫外線が到達しにくい。本発明では、樹脂基材よりも光入射側にある樹脂層に、一般式(1)で表される化合物を紫外線吸収剤として含有させているので、樹脂基材には紫外線がより一層到達しにくくなっている。従って、本発明では、樹脂基材の材料として、紫外線で劣化しやすい樹脂であっても用いることが可能であり、そのような樹脂基材として、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムを用いることが可能である。
 樹脂基材の厚さは、樹脂の種類及び目的等に応じて適切な厚さにすることが好ましい。例えば、一般的には、10~250μmの範囲内である。好ましくは20~200μmである。
(3)アンカー層
 アンカー層は、樹脂からなり、樹脂基材上に良好な金属反射層を形成するために設けられる層である。従って、アンカー層は、樹脂基材と金属反射層とを密着させる密着性、金属反射層を真空蒸着法等で形成する際の熱にも耐え得る耐熱性、金属反射層が本来有する高い反射性能を引き出すための平滑性を有することが好ましい。
 アンカー層に使用する樹脂は、上記の密着性、耐熱性、平滑性の条件を満足するものであれば特に制限はなく、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等を挙げることができ、これらを単独または混合して使用することができる。特に、耐候性の点からは、ポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂又はポリエステル系樹脂とアクリル系樹脂の混合樹脂が好ましく、さらにイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂とすればより好ましい。
 アンカー層は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法によって形成することができる。
 アンカー層の厚さは、0.01~3μmが好ましく、より好ましくは0.1~2μmである。この範囲を満たすことにより、樹脂基材表面の凹凸を覆い隠すことができ、良好な平滑性と密着性が得られ、アンカー層の硬化も十分に行えるため、結果としてフィルムミラーの反射率を高めることが可能となる。
 なお、アンカー層には、腐食防止層に用いる腐食防止剤を含有させることが好ましい。
(4)金属反射層
 金属反射層は、太陽光を反射する機能を有する金属等からなる層である。
 金属反射層の表面反射率は好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。この金属反射層は、Al、Ag、Cr、Cu、Ni、Ti、Mg、Rh、Pt及びAuからなる元素群の中から選ばれるいずれかの元素を含む材料により形成されることが好ましい。中でも、反射率の観点からAlまたはAgを主成分としていることが好ましく、このような金属の薄膜を二層以上形成するようにしてもよい。
 本発明においては金属反射層として、銀を主成分とする銀反射層が好ましく用いられる。
 銀反射層の厚さは、反射率等の観点から、10~200nmが好ましく、より好ましくは30~150nmである。
 銀反射層の形成法としては、湿式法及び乾式法のどちらも使用することができる。湿式法とは、めっき法の総称であり、溶液から金属を析出させ膜を形成する方法である。具体例をあげるとすれば、銀鏡反応などがある。一方、乾式法とは、真空製膜法の総称であり、具体的に例示するとすれば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などがある。とりわけ、本発明には連続的に製膜するロールツーロール方式が可能な蒸着法が好ましく用いられる。例えば、太陽熱発電用のフィルムミラーの製造方法において、銀反射層を銀蒸着によって形成する手法が好ましく用いられる。
(5)樹脂層
 樹脂層は、金属反射層よりも光入射側に設けられ、金属反射層に入射する紫外線を吸収するとともに、空気中に存在する化合物から金属反射層を保護するものである。
 樹脂層としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ノルボルネン、セルロースエステル、アクリル等、各種樹脂を用いることができる。特にポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム又はアクリルフィルムを用いることが好ましい。その中でも、紫外線に耐性の高いアクリルフィルムが特に好ましく用いられる。
 樹脂層は、紫外線吸収剤として、後述する一般式(1)で表される化合物を含有している。また、樹脂層は酸化防止剤を含有してもよい。また、樹脂層としてアクリル層を用いる場合、樹脂層の中でもアクリル層は固いため、柔らかく破損しにくいアクリル層を得るために可塑剤の微粒子を含有させてもよい。可塑剤の微粒子の好ましい例としては、例えば、ブチルゴムやブチルアクリレートの微粒子などが挙げられる。
 樹脂層の厚さは、20~150μmであることが好ましい。より好ましくは、40~100μmである。
 樹脂層としてアクリル樹脂フィルムを用いる場合、接着層を介して金属反射層の上面などにアクリル樹脂フィルムを貼付することで、樹脂層を設けることができる。
 また、樹脂層の形成方法としては、例えば樹脂を含有する液体を塗布することによる方法を挙げることができる。塗布方式で樹脂層となる塗膜を塗設する場合には、従来用いられる種々の塗布方法、例えば、スプレーコート、スピンコート、バーコート等の方法を用いることができる。なお、塗布方式の場合、接着層は不要となる。
 樹脂層がアクリル層である場合、アクリル層は、メタクリル樹脂を主成分として構成されていることが好ましい。メタクリル樹脂は、メタクリル酸エステルを主体とする重合体であり、メタクリル酸エステルの単独重合体であってもよいし、メタクリル酸エステル50重量%以上とこれ以外の単量体50重量%以下との共重合体であってもよい。ここで、メタクリル酸エステルとしては、通常、メタクリル酸のアルキルエステルが用いられる。特に好ましく用いられるメタクリル樹脂は、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)である。
 メタクリル樹脂の好ましい単量体組成は、全単量体を基準として、メタクリル酸エステルが50~100重量%、アクリル酸エステルが0~50重量%、これら以外の単量体が0~49重量%であり、より好ましくは、メタクリル酸エステルが50~99.9重量%、アクリル酸エステルが0.1~50重量%、これら以外の単量体が0~49重量%である。
 ここで、メタクリル酸アルキルの例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシルなどが挙げられ、そのアルキル基の炭素数は通常1~8、好ましくは1~4である。中でもメタクリル酸メチルが好ましく用いられる。
 また、アクリル酸アルキルの例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシルなどが挙げられ、そのアルキル基の炭素数は通常1~8、好ましくは1~4である。
 また、メタクリル酸アルキル及びアクリル酸アルキル以外の単量体は、単官能単量体、すなわち分子内に重合性の炭素-炭素二重結合を1個有する化合物であってもよいし、多官能単量体、すなわち分子内に重合性の炭素-炭素二重結合を少なくとも2個有する化合物であってもよいが、単官能単量体が好ましく用いられる。そして、この単官能単量体の例としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエンの如き芳香族アルケニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルの如きアルケニルシアン化合物などが挙げられる。また、多官能単量体の例としては、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートの如き多価アルコールのポリ不飽和カルボン酸エステル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ケイ皮酸アリルの如き不飽和カルボン酸のアルケニルエステル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートの如き多塩基酸のポリアルケニルエステル、ジビニルベンゼンの如き芳香族ポリアルケニル化合物などが挙げられる。
 なお、上記のメタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、及びこれら以外の単量体は、必要に応じてそれらを2種以上用いてもよい。
 メタクリル樹脂は、フィルムの耐熱性の点から、そのガラス転移温度が40℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。このガラス転移温度は、単量体の種類やその割合を調整することにより、適宜設定することができる。
 また、メタクリル樹脂は、その単量体成分を、懸濁重合、乳化重合、塊状重合などの方法により重合させることにより、調製することができる。その際、好適なガラス転移温度を得るため、又は好適なフィルムへの成形性を示す粘度を得るため、重合時に連鎖移動剤を使用することが好ましい。連鎖移動剤の量は、単量体の種類やその割合などに応じて、適宜決定すればよい。
(5-1)紫外線吸収剤
 樹脂層(好ましくはアクリル層)は、紫外線吸収剤として、下記の一般式(1)で表される化合物(トリアジン系化合物)を含んでいる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
(式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す。また置換基同士で結合して環を形成してもよい。)
 また、一般式(1)で表される化合物としては、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R1jが、互いに独立して、水素原子又はOH基を除く1価の置換基を表し、R1k、R1m、R1n、R1pが、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表し、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pのうち少なくとも1つが、ハメット則のσp値が正である置換基を表す化合物が好ましい。
 また、一般式(1)で表される化合物としては、R1a、R1b、R1c、R1d、R1eが、互いに独立して、水素原子又はOH基を除く1価の置換基を表し、R1a、R1b、R1c、R1d、R1eのうち少なくとも1つが、ハメット則のσp値が正である置換基を表し、R1f、R1g、R1h、R1i、R1jが、互いに独立して、水素原子又はOH基を除く1価の置換基を表し、R1k、R1m、R1n、R1pが、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す化合物が好ましい。
 上述のようなR1fがOH基ではない化合物を用いることにより、腐食耐性をより良好なものとできるため、腐食耐性を重視する際には、R1fがOH基ではない化合物を用いることが好ましい。
 また、一般式(1)で表される化合物としては、R1fが、OH基を表し、R1a、R1c、R1eが、水素原子を表し、R1b及びR1dが、互いに独立して、水素原子又はハメット則のσp値が正である置換基を表し、そのR1bとR1dの少なくとも1つがハメット則のσp値が正である置換基を表し、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pが、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す化合物が好ましい。
 また、一般式(1)で表される化合物としては、R1fが、OH基を表し、R1a、R1c、R1eが、水素原子を表し、R1b及びR1dが、互いに独立して、水素原子又はハメット則のσp値が0.3以上である置換基を表し、そのR1bとR1dの少なくとも1つがハメット則のσp値が0.3以上である置換基を表し、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pが、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す化合物が好ましい。
 また、一般式(1)で表される化合物としては、R1fが、OH基を表し、R1a、R1c、R1eが、互いに独立して、水素原子又はOHを除く1価の置換基を表し、R1a、R1c、R1eのうち少なくとも1つが、ハメット則のσp値が0.3以上である置換基を表し、R1b及びR1dが、互いに独立して、水素原子又はOHを除く1価の置換基を表し、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pが、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す化合物が好ましい。
 上述のようなR1fがOH基である化合物を用いることにより、樹脂層(好ましくはアクリル層)と隣接層の密着性をより良好なものとできるため、密着性を重視する際には、R1fがOH基である化合物を用いることが好ましい。
 上記した好ましい例を除いて、一般式(1)において、R1a~R1pで表される1価の置換基としては、本発明の効果を阻害しないものであればいずれの置換基であっても良い。例えば、合成スキーム上、R1a~R1pの位置にいずれの置換基が導入されていても、本発明の効果を奏するものであれば、本発明の技術範囲に含まれるものである。
 このように、一般式(1)においてR1a~R1pで表される1価の置換基としてはいずれの置換基であっても良いが、具体例を挙げるとすれば、以下の置換基が挙げられる。
 上記の一般式(1)における1価の置換基(以下Aとする)としては、例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数1~20のアルキル基(例えばメチル、エチル)、炭素数6~20のアリール基(例えばフェニル、ナフチル)、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、置換又は無置換のカルバモイル基(例えばカルバモイル、N-フェニルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル)、アルキルカルボニル基(例えばアセチル)、アリールカルボニル基(例えばベンゾイル)、ニトロ基、置換又は無置換のアミノ基(例えばアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、置換スルホアミノ基)、アシルアミノ基(例えばアセトアミド、エトキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド)、イミド基(例えばスクシンイミド、フタルイミド)、イミノ基(例えばベンジリデンアミノ)、ヒドロキシ基、炭素数1~20のアルコキシ基(例えばメトキシ)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ)、アルキルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ)、アリールスルホニルオキシ基(例えばベンゼンスルホニルオキシ)、スルホ基、置換又は無置換のスルファモイル基(例えばスルファモイル、N-フェニルスルファモイル)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ)、チオシアネート基、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル)、炭素数6~20のヘテロ環基(例えばピリジル、モルホリノ)などを挙げることができる。
 また、置換基は更に置換されていても良く、置換基が複数ある場合は、同じでも異なっても良い。その際、置換基の例としては、上述の1価の置換基Aを挙げることができる。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。
 置換基同士で結合して形成される環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ピリダジン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、シロール環、ゲルモール環、ホスホール環等が挙げられる。
 上記の一般式(1)において、ハメット則のσp値が正であり、好ましくはσp値が0.3以上である置換基として、σp値が0.3~1.2の電子求引性基が挙げられる。
 σp値が0.3以上の電子求引性基の具体例としては、COOR(Rは、水素原子又は1価の置換基を表し、水素原子、アルキル基が挙げられ、好ましくはアルキル基である。)、CONR (Rは、水素原子又は1価の置換基を表し、例えば、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数6~20のヘテロ環基が挙げられ、好ましくは水素原子である。)、シアノ基、ニトロ基、SOM(Mは、水素原子又はアルカリ金属を表す。)、アシル基、ホルミル基、アシルオキシ基、アシルチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアルキルホスフィニル基、ジアリールホスフィニル基、ホスホリル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、カルボキシ基(又はその塩)、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基(例えばCF)、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルコキシ基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアリールオキシ基、アシルアミノ基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキルアミノ基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキルチオ基、σp値が0.3以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、アゾ基、セレノシアネート基などが挙げられる。ハメットのσp値については、Hansch,C.;Leo,A.;Taft,R.W.Chem.Rev.1991,91,165-195に詳しく記載されている。
 なお、上記一般式(1)で表される化合物は、ハメット則のσp値が正である置換基としてヒドロキシ基を有している。
 上記一般式(1)で表される化合物は、分子内の特定の位置に、ハメット則のσp値が正である置換基を有するため、その電子吸引性によりLUMOが安定化されて励起寿命が短くなり、優れた耐光性を有する。このため、上記一般式(1)で表される化合物を含む樹脂層は、長期間使用されても、当該化合物が分解されず樹脂層が黄変しない。
 一般に、フィルムミラーは、長期間屋外に暴露されることにより、外部からの硫黄、酸素又は水等の侵入や温湿度の急激な変動等の影響を受け、フィルムミラーを構成する各構成層に経時的な剥離が発生する場合がある。しかしながら本発明は、上記した一般式(1)で表される化合物が樹脂層に含まれることで、当該樹脂層の外的要因に対する安定性が向上されているため、フィルムミラーの各構成層を長期間に亘って保護することができる。したがって、各構成層間の経時的な剥離を抑制し、結果として、金属反射層の腐食も抑制することができる。このように、樹脂層に一般式(1)で表される化合物を含有させることで、フィルムミラーの耐久性を向上させることができる。
 また、従来のフィルムミラーは、太陽光に長期間暴露されると、樹脂層に含まれる紫外線吸収剤が金属反射層に移動して金属の着色を起こす場合があるが、上記一般式(1)で表される化合物は、光の暴露によって励起しにくく、樹脂層内の移動が小さいため、本発明に係るフィルムミラーの樹脂層は、金属反射層の変色や変質等を起こしにくい。したがって、一般式(1)で表される化合物を含有する樹脂層は、内的要因に対しても高い安定性を有するものである。なお、この効果は、金属反射層が銀反射層である場合に、特に顕著である。
 ここで、一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示すが(化合物No.1~120,化合物m-1~m-73)、本発明はこれに限定されない。
 なお、下記の具体例中Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表し、-C13はn-ヘキシル基を表す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
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Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
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Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
 また、アクリル層には、上記の一般式(1)で表される化合物に加えて、以下に示すその他の紫外線吸収剤が更に含有されていてもよい。
 その他の紫外線吸収剤としては、有機系として、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、トリアジン系、ベンゾエート系等が挙げられ、また無機系として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄等が挙げられる。
 ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4-ジヒドロキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ドデシロキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシ-ベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシ-ベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ-ベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシ-ベンゾフェノン等が挙げられる。
 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2-(2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール](分子量659;市販品の例としては株式会社ADEKAのLA31)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール(分子量447.6;市販品の例としてはチバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社のチヌビン234)などが挙げられる。
 サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、フェニルサルチレート、2-4-ジ-t-ブチルフェニル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート等が挙げられる。
 トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-エトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-(2-ヒドロキシ-4-プロポキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ベンジルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、〔2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-(ヘキシル)オキシフェノール〕(チヌビン1577FF、商品名、チバ・スペシャルティーケミカルズ製)、〔2-[4,6-ビス(2,4ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-(オクチルオキシ)フェノール〕(CYASORBUV-1164、商品名、サイテックインダストリーズ製)等が挙げられる。
 ベンゾエート系紫外線吸収剤の例としては、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート(分子量438.7;市販品の例としては住友化学株式会社のSumisorb400)などが挙げられる。
 また、紫外線吸収剤としては上記以外に、紫外線の保有するエネルギーを分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物を用いることもできる。さらに、酸化防止剤あるいは着色剤等との併用により効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。但し、上記の紫外線吸収剤を使用する場合は、紫外線吸収剤の光吸収波長が、光重合開始剤の有効波長と重ならないものを選択する必要がある。通常の紫外線吸収剤を使用する場合は、可視光でラジカルを発生する光重合開始剤を使用することが有効である。
 なお、上記一般式(1)で表される化合物以外の紫外線吸収剤は、必要に応じて2種以上が用いられてもよい。また、必要により、上記紫外線吸収剤以外の紫外線吸収剤、例えば、サリチル酸誘導体、置換アクリロニトリル、ニッケル錯体などを含有させることもできる。
 紫外線吸収剤の樹脂層(好ましくはアクリル層)への含有量は、0.1~20質量%であることが好ましく、より好ましくは1~15質量%、さらに好ましくは3~10質量%である。また、紫外線吸収剤のアクリル層への含有量は、フィルム単位面積当たりの含有量が0.17~2.28g/mで、より好ましくは単位面積当たりの含有量が0.4~2.28g/m以上である。含有量を上記の範囲にすることによって、耐候性能を十分発揮しつつ、紫外線吸収剤のブリードアウトによるロールやフィルムの汚れを起こすことを防止できる。
(5-2)酸化防止剤
 樹脂層(好ましくはアクリル層)の溶融製膜時の劣化を防止したり、ラジカルを捕捉して樹脂層の劣化を防止したりするために、樹脂層に酸化防止剤を含有させてもよい。好ましい酸化防止剤の例を以下に挙げる。
 酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、チオール系酸化防止剤およびホスファイト系酸化防止剤など、有機系酸化防止剤を使用することが好ましい。
 フェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、テトラキス-〔メチレン-3-(3’、5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、4,4’-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、1,3,5-トリス(3’、5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシベンジル)-S-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)トリオン、ステアリル-β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコールビス〔3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネー〕、3,9-ビス[1,1-ジ-メチル-2-〔β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]-2,4,8,10-テトラオキオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げられる。特に、フェノール系酸化防止剤としては、分子量が550以上のものが好ましい。
 ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチルマロネート、1-メチル-8-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-セバケート、1-[2-〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]-4-〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ベンゾイルオキシ-2,2、6,6-テトラメチルピペリジン、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタン-テトラカルボキシレート、トリエチレンジアミン、8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4,5]デカン-2,4-ジオン等が挙げられる。
 特に、ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、3級のアミンのみを含有するものが好ましく、具体的には、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチルマロネート、または1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノール/トリデシルアルコールと1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸との縮合物が好ましい。
 チオール系酸化防止剤としては、例えば、ジステアリル-3,3’-チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールーテトラキスー(β-ラウリル-チオプロピオネート)等を挙げられる。
 ホスファイト系酸化防止剤としては、例えば、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,6-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス-(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)-ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)4,4’-ビフェニレン-ジホスホナイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
 なお、上記した酸化防止剤と下記の光安定剤を併用することもできる。光安定剤としては、例えば、ニッケル系紫外線安定剤が使用可能であり、〔2,2’-チオビス(4-t-オクチルフェノレート)〕-2-エチルヘキシルアミンニッケル(II)、ニッケルコンプレックス-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル・リン酸モノエチレート、ニッケル・ジブチル-ジチオカーバメート等が挙げられる。
(6)接着層
 接着層は、層同士の接着性を高める機能があるものであれば特に限定はない。図2Aに示す例においては、樹脂層と腐食防止層との接着性を高め、樹脂層を腐食防止層に接着するために接着層が設けられている。接着層は、層同士を密着する密着性及び金属反射層が本来有する高い反射性能を引き出すための平滑性を有することが好ましい。
 接着層は、1層のみからなっていてもよいし、複数層からなっていてもよい。接着層の厚さは、密着性、平滑性、反射層の反射率等の観点から、1~10μmが好ましく、より好ましくは3~8μmである。
 接着層が樹脂である場合、密着性、平滑性などの条件を満足するものであれば特に制限はなく、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等を挙げることができ、これらを単独または混合して使用することができる。特に、耐候性の点からポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂又はポリエステル系樹脂とウレタン系樹脂の混合樹脂が好ましい。接着層の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
 また、接着層が金属酸化物である場合、例えば、酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化ランタン、窒化ランタン等を各種真空製膜法により製膜することができる。真空製膜法としては、例えば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などがある。
(7)腐食防止層
 腐食防止層は、樹脂層と金属反射層の間に設けられており、金属反射層に隣接している。腐食防止層は、金属反射層の腐食を防止する腐食防止剤を含有しており、金属反射層の腐食、劣化を防止している。
 腐食防止層は、1層のみからなっていてもよいし、複数層からなっていてもよい。腐食防止層の厚さは、1~10μmが好ましく、より好ましくは2~8μmである。
 腐食防止層のバインダーとしては、以下の樹脂を好ましく用いることができる。例えば、セルロースエステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン系、ポリカーボネート、ノルボルネン系、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂等を挙げることができる。中でも、アクリル樹脂が好ましい。
(7-1)腐食防止剤
 腐食防止剤としては、銀に対する吸着性基を有することが好ましい。ここで、「腐食」とは、金属(銀)がそれをとり囲む環境物質によって、化学的または電気化学的に浸食されるか若しくは材質的に劣化する現象をいう(JIS Z0103-2004参照)。
 なお、腐食防止剤の含有量は、使用する化合物によって最適量は異なるが、一般的には0.1~1.0g/mの範囲内であることが好ましい。
 銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤としては、アミン類およびその誘導体、ピロール環を有する化合物、ベンゾトリアゾール等トリアゾール環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、チアゾール環を有する化合物、イミダゾール環を有する化合物、インダゾール環を有する化合物、銅キレート化合物類、チオ尿素類、メルカプト基を有する化合物、ナフタレン系の少なくとも一種またはこれらの混合物から選ばれることが望ましい。ベンゾトリアゾール等の化合物においては、紫外線吸収剤が腐食防止剤を兼ねる場合もある。また、シリコーン変性樹脂を用いることも可能である。シリコーン変性樹脂として特に限定されない。
 アミン類およびその誘導体としては、エチルアミン、ラウリルアミン、トリ-n-ブチルアミン、O-トルイジン、ジフェニルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2N-ジメチルエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、アセトアミド、アクリルアミド、ベンズアミド、p-エトキシクリソイジン、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジシクロヘキシルアンモニウムサリシレート、モノエタノールアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンカーバメイト、ニトロナフタレンアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムシクロヘキサンカルボキシレート、シクロヘキシルアミンシクロヘキサンカルボキシレート、ジシクロヘキシルアンモニウムアクリレート、シクロヘキシルアミンアクリレート等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 ピロール環を有する物としては、N-ブチル-2,5-ジメチルピロール,N-フェニル-2,5ジメチルピロール、N-フェニル-3-ホルミル-2,5-ジメチルピロール,N-フェニル-3,4-ジホルミル-2,5-ジメチルピロール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 トリアゾール環を有する化合物としては、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、3-ヒドロキシ-1,2,4-トリアゾール、3-メチル-1,2,4-トリアゾール、1-メチル-1,2,4-トリアゾール、1-メチル-3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、4-メチル-1,2,3-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、4,5,6,7-テトラハイドロトリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-5-メチル-1,2,4-トリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ3’5’-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール](分子量659;市販品の例としては株式会社ADEKAのLA31)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール(分子量447.6;市販品の例としてはチバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社のチヌビン234)などが挙げられる。あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 ピラゾール環を有する化合物としては、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾロン、ピラゾリジン、ピラゾリドン、3,5-ジメチルピラゾール、3-メチル-5-ヒドロキシピラゾール、4-アミノピラゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 チアゾール環を有する化合物としては、チアゾール、チアゾリン、チアゾロン、チアゾリジン、チアゾリドン、イソチアゾール、ベンゾチアゾール、2-N,N-ジエチルチオベンゾチアゾール、P-ジメチルアミノベンザルロダニン、2-メルカプトベンゾチアゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 イミダゾール環を有する化合物としては、イミダゾール、ヒスチジン、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロメチルイミダゾール、2-フェニル-4,5ジヒドロキシメチルイミダゾール、4-フォルミルイミダゾール、2-メチル-4-フォルミルイミダゾール、2-フェニル-4-フォルミルイミダゾール、4-メチル-5-フォルミルイミダゾール、2-エチル-4-メチル-5-フォルミルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-4-フォルミルイミダゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 インダゾール環を有する化合物としては、4-クロロインダゾール、4-ニトロインダゾール、5-ニトロインダゾール、4-クロロ-5-ニトロインダゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 銅キレート化合物類としては、アセチルアセトン銅、エチレンジアミン銅、フタロシアニン銅、エチレンジアミンテトラアセテート銅、ヒドロキシキノリン銅等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 チオ尿素類としては、チオ尿素、グアニルチオ尿素等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 メルカプト基を有する化合物としては、すでに上記に記載した材料も加えれば、メルカプト酢酸、チオフェノール、1,2‐エタンジオール、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、1-メチル-3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、グリコールジメルカプトアセテート、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 ナフタレン系としては、チオナリド等が挙げられる。
(8)ガスバリアー層
 ガスバリアー層は、銀反射層よりも光入射側に設けることが好ましい。
 ガスバリアー層は、湿度の変動、特に高湿度による樹脂基材及び樹脂基材に支持される各構成層等の劣化を防止するためのものであるが、特別の機能・用途を持たせたものであってもよく、劣化防止機能を有する限りにおいて、種々の態様のガスバリアー層を設けることができる。
 ガスバリアー層の防湿性としては、40℃、90%RHにおける水蒸気透過度が、1g/m・day以下であることが好ましく、より好ましくは0.5g/m・day以下、更に好ましくは0.2g/m・day以下である。
 また、ガスバリアー層の酸素透過度としては、測定温度23℃、湿度90%RHの条件下で、0.6ml/m/day/atm以下であることが好ましい。
 ガスバリアー層の形成方法は、真空蒸着法、スパッタリング、イオンビームアシスト、化学気相成長法等の方法により無機酸化物を形成する方法が挙げられるが、ゾル-ゲル法による無機酸化物の前駆体を塗布した後に、その塗布膜に加熱処理及び/又は紫外線照射処理を施して、無機酸化物膜を形成する方法も好ましく用いられる。
(9)ハードコート層
 ハードコート層は、フィルムミラー表面の傷つきや汚れの付着を防止する目的に設けられる。透明なハードコート層は、光入射側の最外層に設けられることが好ましい。
 ハードコート層の作製方法としては、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法を挙げることができる。また、所定の材料を塗布、塗工することに加え、各種表面処理等を組み合わせてもよい。
 なお、ハードコート層の厚みは、十分な耐傷性を得つつ、フィルムミラーにそりが発生することを防止するという観点から、0.05μm以上、10μm以下であることが好ましい。より好ましくは、1μm以上、10μm以下である。
 ハードコート層を形成する材料としては、透明性、耐候性、硬度、機械的強度等が得られるものであれば、特に限定されるものではない。ハードコート層は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂などで構成することができる。特に、硬度と耐久性などの点で、シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂が好ましい。さらに、硬化性、可撓性および生産性の点で、活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂、または熱硬化型のアクリル系樹脂からなるものが好ましい。
(10)粘着層
 粘着層は、フィルムミラーを支持基材に貼り付けることを可能にする粘着性を有している。粘着層は、その粘着性によってフィルムミラーを支持基材に接合して、太陽熱発電用反射装置を形成するための構成層である。
 粘着層としては、特に制限されず、例えば、ドライラミネート剤、ウエットラミネート剤、粘着剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤等のいずれもが用いられる。粘着剤としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ニトリルゴム等が用いられる。粘着層を形成するラミネート法は、特に制限されず、例えば、ロール式で連続的に行う手法が経済性及び生産性の点から好ましい。また、粘着層の厚さは、粘着効果、乾燥速度等の観点から、通常1~100μm程度の範囲であることが好ましい。
 なお、フィルムミラーは、粘着層における樹脂基材とは反対側の面を覆う剥離層(剥離シート)を備えていてもよい。フィルムミラーが剥離層を有する場合、剥離層を粘着層から剥離した後に、粘着層を介してフィルムミラーを支持基材に貼り付けることができる。
(11)剥離層
 剥離層(剥離シート)は、フィルムミラーにおける粘着層の光入射側とは反対側の面を覆う部材である。
 例えば、フィルムミラーの出荷時には剥離層が粘着層に張り付いた状態であり、その後、剥離層をフィルムミラーの粘着層から剥離し、そのフィルムミラーを支持基材に貼り合わせて太陽熱発電用反射装置を形成することができる。
 剥離層としては、粘着層の粘着性を保護することができるものであればよく、例えば、アクリルフィルム又はシート、ポリカーボネートフィルム又はシート、ポリアリレートフィルム又はシート、ポリエチレンナフタレートフィルム又はシート、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はシート、フッ素フィルムなどのプラスチックフィルム又はシート、又は酸化チタン、シリカ、アルミニウム粉、銅粉などを練り込んだ樹脂フィルム又はシート、これらを練り込んだ樹脂にコーティングを施したりアルミニウム等の金属を金属蒸着したりするなどの表面加工を施した樹脂フィルム又はシート材が用いられる。
 剥離層の厚さは、特に制限はないが通常12~250μmの範囲であることが好ましい。
(12)太陽熱発電用反射装置
 太陽熱発電用反射装置は、フィルムミラーと自己支持性の支持基材とを有しており、粘着層を介してフィルムミラーが支持基材に接合されてなる反射鏡である。
 なお、ここで言う「自己支持性」とは、太陽熱発電用反射装置の支持基材として用いられる大きさに断裁された状態で、支持基材がフィルムミラーの端縁部分を支持することで、フィルムミラーを担持することが可能な程度の剛性を有することを表す。太陽熱発電用反射装置の支持基材が自己支持性を有することで、太陽熱発電用反射装置を設置する際に取り扱い性に優れるとともに、太陽熱発電用反射装置を保持するための保持部材を簡素な構成とすることが可能となるため、反射装置自体を軽量化することが可能となり、太陽追尾の際の消費電力を抑制することが可能となる。
(12-1)支持基材
 自己支持性の支持基材としては、一対の金属平板とその金属平板間に介装された中間層を有するもの(タイプA)か、中空構造を有する樹脂材料からなるもの(タイプB)であることが好ましい。
(12-2)支持基材タイプA
 支持基材が、一対の金属平板とその金属平板間に介装された中間層を有するものであって、その中間層が中空構造を有する材料または樹脂材料から構成されることにより、支持基材は、金属平板による高い平面性を有するとともに、金属平板のみで支持基材を構成する場合に比べて、支持基材自体を大幅に軽量化することが可能となる。また、比較的軽量な中間層を用いつつ金属平板によって剛性を上げることができるため、軽量且つ自己支持性を有する支持基材として機能させることが可能になる。
 更に、中間層が樹脂材料からなる場合においても、中空構造を有する樹脂材料の層とすることでより一層の軽量化を図ることができる。
 また、中間層を中空構造とした場合には、中間層が断熱材としての機能を果たすため、粘着層とは反対側の金属平板の温度変化がフィルムミラーへ伝わることを抑制し、結露の防止や、熱による劣化を抑制することが可能となる。
 支持基材の両面の表面層となる金属平板としては、鋼板、銅板、アルミニウム板、アルミニウムめっき鋼板、アルミニウム系合金めっき鋼板、銅めっき鋼板、錫めっき鋼板、クロムめっき鋼板、ステンレス鋼板など熱伝導率の高い金属材料が好ましく用いることができる。本発明においては、特に、耐腐食性の良好なめっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板などを用いることが好ましい。
 支持基材の中間層としては、金属、無機材料(ガラス等)、樹脂材料等の素材を用いることができる。
 この中間層を中空構造とする場合、発泡樹脂からなる気泡構造や、金属、無機材料又は樹脂材料からなる壁面を有する立体構造(ハニカム構造等)や、中空微粒子を添加した樹脂材料等を適用することができる。
 発泡樹脂の気泡構造は、樹脂材料中にガスを細かく分散させ、発泡状又は多孔質形状に形成されたものを指す。その材料としては公知の発泡樹脂材料を使用可能であるが、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン等が好ましく用いられる。
 ハニカム構造とは、空間が側壁で囲まれた複数の小空間で構成される立体構造全般を表すものとする。
 中間層の中空構造を樹脂材料からなる壁面を有する立体構造とする場合、壁面を構成する樹脂材料としては、エチレン、プロピレン、ブテン、イソプレンペンテン、メチルペンテン等のオレフィン類の単独重合体あるいは共重合体であるポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン)、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、エチレン-エチルアクリレート共重合体等のアクリル誘導体、ポリカーボネート、エチレン-酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン-プロピレン-ジエン類等のターポリマー、ABS樹脂、ポリオレフィンオキサイド、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。なお、これらは一種類を単独で用いても、二種類以上を混合して用いてもよい。特に、熱可塑性樹脂のなかでもオレフィン系樹脂又はオレフィン系樹脂を主体にした樹脂、ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を主体にした樹脂が、機械的強度及び成形性のバランスに優れている点で好ましい。樹脂材料には、添加剤が含まれていてもよく、その添加剤としては、シリカ、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機フィラー、可塑剤、安定剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、発泡剤等が挙げられる。
 また、中間層を樹脂プレートからなる層とすることも可能であり、この場合に中間層を構成する樹脂材料としては、前述のフィルムミラーの樹脂基材を構成する材料と同様のものを好ましく用いることができる。
 なお、中間層は、支持基材の全ての領域に設けられる必要はなく、金属平板の平面性及び支持基材としての自己支持性を担保できる範囲であれば、一部の領域に設けられていてもよい。中間層を上述の立体構造とする場合、金属平板の面積に対して、90~95%程度の領域に立体構造を設けることが好ましく、発泡樹脂を用いる場合は、30~40%程度の領域に設けることが好ましい。
(12-3)支持基材タイプB
 支持基材が、中空構造を有する樹脂材料からなる層とすることも可能である。
 支持基材を樹脂材料のみからなる層とした場合、自己支持性を持たせる程度の剛性を得るために必要な厚さが大きくなり、結果として支持基材の質量が重くなるが、樹脂材料に中空構造を持たせることにより、自己支持性を持たせながら支持基材を軽量化することができる。
 支持基材が、中空構造を有する樹脂材料からなる場合、中空構造を有する樹脂材料を中間層として用い、その両面の表面層として平滑な面を有する樹脂シートを設けることが、フィルムミラーの正反射率を高める観点で好ましい。この樹脂シートの材料としては、前述のフィルムミラーの樹脂基材を構成する材料と同様のものを好ましく用いることができる。中空構造を有する樹脂材料としては、上述の発泡材料や立体構造(ハニカム構造)を有する樹脂材料を好ましく用いることができる。
(12-4)保持部材
 太陽熱発電用反射装置は、反射装置自体を保持する保持部材を有する。
 保持部材は、太陽熱発電用反射装置における反射面(フィルムミラー)が、太陽を追尾可能な状態で保持することが好ましい。保持部材の形態としては、特に制限はないが、太陽熱発電用反射装置が所望の形状や姿勢を保持できるように、例えば、太陽熱発電用反射装置の裏面側の支持基材における複数個所を棒状の柱状部材や梁状部材によって保持する形態が好ましい。
 保持部材は、太陽を追尾可能な状態で太陽熱発電用反射装置を保持する構成を有するが、太陽追尾に際しては、手動で駆動させてもよいし、別途駆動装置を設けて自動的に太陽を追尾する構成としてもよい。
 以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例や比較例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
 [実施例1]
 (実施例1のフィルムミラーの作製)
 実施例1のフィルムミラーの層構成概略を図2Aに示す。
 樹脂基材1として、二軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ25μm)を用いた。
 そのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、ポリエステル樹脂(ポリエスター
 SP-181 日本合成化学製)、メラミン樹脂(スーパーベッカミンJ-820 DIC製)、TDI系イソシアネート(2,4-トリレンジイソシアネート)、HDI系イソシアネート(1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート)を樹脂固形分比率20:1:1:2で、固形分濃度10%となるようにトルエン中に混合した樹脂液を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ0.1μmのアンカー層2を形成した。
 そのアンカー層2上に、真空蒸着法によって金属反射層3として厚さ100nmの銀反射層を形成した。
 更に、銀反射層3上に、ポリエステル系樹脂とTDI(トリレンジイソシアネート)系イソシアネート樹脂を樹脂固形分比率で10:2に混合した樹脂に、腐食防止剤として2-メルカプトベンゾチアゾールを樹脂に対して10質量%となるように添加したものを、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ3.0μmの腐食防止層8を形成した。
 次に、腐食防止層8の上に、ドライラミネーションプロセスにより、接着層4と、樹脂層5としての透明アクリルフィルム(三菱レイヨン製アクリプレンHBS010P 厚さ100μm)を、ラミネート温度60℃にて貼着した。この樹脂層5としての透明アクリルフィルムは、紫外線吸収剤として、一般式(1)で表される化合物を具体的に例示した、下記の化合物No.1を含有している。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
 更に重量平均分子量50万の付加反応型シリコーン系粘着剤100部に白金系触媒1部を加えて35質量%トルエン溶液としたものを、剥離層7である厚さ25μmのポリエステル製セパレートフィルムの片面に塗布し、130℃で5分間加熱して厚さ25μmのシリコーン系の粘着層6(Si系)を形成した後、上記ポリエチレンテレフタレートフィルムのアンカー層及び金属反射層と反対面側にラミネートし、実施例1のフィルムミラーを得た。
 [実施例2]
 (実施例2のフィルムミラーの作製)
 実施例2のフィルムミラーの層構成概略は、実施例1と同じく図2Aに示した層構成となっている。
 そして、実施例1における樹脂層5としての透明アクリルフィルムが、紫外線吸収剤として、一般式(1)で表される化合物を具体的に例示した下記の化合物m-1を含有している以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2のフィルムミラーを得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
 [実施例3]
 (実施例3のフィルムミラーの作製)
 上記した実施例1と同様の方法にて、樹脂基材1上にアンカー層2、金属反射層3として銀反射層、腐食防止層8を形成した。
 さらに、腐食防止層8上に、ポリメチルメタクリレート(分子量8000)とポリエステル系樹脂とTDI(トリレンジイソシアネート)系イソシアネートを樹脂固形分比率で10:2に混合した樹脂液を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ50μmの樹脂層5を形成した。この樹脂層5(アクリル層用樹脂液)は、紫外線吸収剤として、一般式(1)で表される化合物を具体的に例示した下記の化合物No.1を含有している。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
 更に重量平均分子量50万の付加反応型シリコーン系粘着剤100部に白金系触媒1部を加えて35質量%トルエン溶液としたものを、剥離層7である厚さ25μmのポリエステル製セパレートフィルムの片面に塗布し、130℃で5分間加熱して厚さ25μmのシリコーン系の粘着層6(Si系)を形成した後、上記ポリエチレンテレフタレートフィルムのアンカー層及び金属反射層と反対面側にラミネートし、実施例3のフィルムミラーを得た。
 [実施例4]
 (実施例4のフィルムミラーの作製)
 実施例3における樹脂層5(アクリル層用樹脂液)が、紫外線吸収剤として、一般式(1)で表される化合物を具体的に例示した下記の化合物m-1を含有している以外は、実施例3と同様の方法により、実施例2のフィルムミラーを得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021
 [実施例5]
 (実施例5のフィルムミラーの作製)
 実施例3における樹脂層5(アクリル層用樹脂液)が、紫外線吸収剤として、一般式(1)で表される化合物を具体的に例示した下記の化合物No.29と、ベンゾトリアゾール系化合物「Tinuvin234」を含有している以外は、実施例3と同様の方法により、実施例5のフィルムミラーを得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000022
 [比較例1]
 (比較例1のフィルムミラーの作製)
 比較例1のフィルムミラーの層構成概略は、実施例3と同じである。
 そして、実施例3における樹脂層5としての透明アクリルフィルムが、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物「Tinuvin234」を含有している以外は、実施例3と同様の方法により、比較例1のフィルムミラーを得た。
[評価]
 上記のように作成したフィルムミラーについて、下記の方法に従って、膜密着性、腐食耐性、変色性に関する評価を行った。
〈膜密着性の評価〉
 各フィルムミラー試料に対し、岩崎電気製アイスーパーUVテスターを用いて、65℃の環境下で150mW、96時間の紫外線照射を行った後、JIS K5400規格に基づき碁盤目100マスクロスカットした際のテープ剥離試験を行い、下記の基準で膜密着性を評価した。
 ◎ : 膜剥離が0マス
 ○ : 膜剥離が1マス以上5マス以下
 △ : 膜剥離が6マス以上10マス以下
 × : 膜剥離が11マス以上
〈腐食耐性の評価〉
 2cmにカットした各フィルムミラー試料に対し、岩崎電気製アイスーパーUVテスターを用いて、65℃の環境下で150mW、7日間の紫外線照射を行った後、10%硫化アンモニウム水溶液に100時間浸漬し、試料の周囲から徐々に黒色に変化する状況を目視で観察した。
 ◎ : 黒化していない面積が90%以上である
 ○ : 黒化していない面積が70%以上90%未満である
 △ : 黒化していない面積が50%以上70%未満である
 × : 黒化していない面積が50%未満である
〈高温・高湿環境下での変色の評価〉
 各フィルムミラー試料を、温度80℃、湿度90%の環境下に7日間放置した後、試料の表面を目視で観察した。
 ○ : フィルム表面は透明であり、高温・高湿環境での保存前後で変化は無い
 △ : フィルム表面に白色化した部分が極僅か認められた
 × : フィルム表面が白色に変色したことが認められた
 各項目についての評価結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000023
 表1に示した評価結果から明らかなように本発明に係る実施例の各種特性は、比較例に対して優れていることが分かる。
 比較例1のフィルムミラーにおける樹脂層は、紫外線吸収剤として、一般式(1)で表される化合物を含有していないため、樹脂層が剥離しやすく、膜密着性が悪いことが確認された。さらに、腐食耐性や変色性も劣ることが確認された。
 これに対し、実施例1~5のフィルムミラーに関しては、樹脂層が紫外線吸収剤として、一般式(1)で表される化合物を含有していることで、樹脂層が外的要因に対して高い安定性を有するため、樹脂層が剥離し難くなっており、膜密着性が良好であることが確認された。また、腐食耐性や変色性も良好であり、優れた耐久性、耐候性を有している。
 すなわち、本発明のように、樹脂層が紫外線吸収剤として一般式(1)で表される化合物を含有していれば、樹脂層が外的要因に対して安定であるため隣接層との膜密着性が向上し、樹脂層の剥離を低減することができるので、過酷な環境に長期間設置しても、太陽光に対して良好な正反射率を長期間保ち続けることができる耐久性・耐候性に優れた太陽熱発電用のフィルムミラーと太陽熱発電用反射装置を提供することができる。
 なお、本発明の適用は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
 以上のように、本発明は、耐久性に優れたフィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置を提供することに適している。
 1   樹脂基材
 2   アンカー層
 3   金属反射層
 4   接着層
 5   樹脂層
 6   粘着層
 7   剥離層
 8   腐食防止層
 9   ガスバリアー層
 10  ハードコート層
 11  支持基材
 20a、20b、20c フィルムミラー
 30a、30b、30c 太陽熱発電用反射装置

Claims (12)

  1.  樹脂基材上に金属反射層が設けられたフィルムミラーであって、
     前記金属反射層よりも光入射側に樹脂層を備え、
     前記樹脂層は、下記の一般式(1)で表される化合物を含んでいることを特徴とするフィルムミラー。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    (式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す。また置換基同士で結合して環を形成してもよい。)
  2.  前記化合物におけるR1fが、OH基ではないことを特徴とする請求項1に記載のフィルムミラー。
  3.  前記化合物におけるR1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R1jは、互いに独立して、水素原子又はOH基を除く1価の置換基を表し、R1k、R1m、R1n、R1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表し、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pのうち少なくとも1つは、ハメット則のσp値が正である置換基を表すことを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルムミラー。
  4.  前記化合物におけるR1a、R1b、R1c、R1d、R1eは、互いに独立して、水素原子又はOH基を除く1価の置換基を表し、R1a、R1b、R1c、R1d、R1eのうち少なくとも1つは、ハメット則のσp値が正である置換基を表し、R1f、R1g、R1h、R1i、R1jは、互いに独立して、水素原子又はOH基を除く1価の置換基を表し、R1k、R1m、R1n、R1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表すことを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルムミラー。
  5.  前記化合物におけるR1fが、OH基であることを特徴とする請求項1に記載のフィルムミラー。
  6.  前記化合物におけるR1fは、OH基を表し、R1a、R1c、R1eは、水素原子を表し、R1b及びR1dは、互いに独立して、水素原子又はハメット則のσp値が正である置換基を表し、そのR1bとR1dの少なくとも1つはハメット則のσp値が正である置換基を表し、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表すことを特徴とする請求項1又は5に記載のフィルムミラー。
  7.  前記化合物におけるR1fは、OH基を表し、R1a、R1c、R1eは、水素原子を表し、R1b及びR1dは、互いに独立して、水素原子又はハメット則のσp値が0.3以上である置換基を表し、そのR1bとR1dの少なくとも1つはハメット則のσp値が0.3以上である置換基を表し、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表すことを特徴とする請求項1又は5に記載のフィルムミラー。
  8.  前記化合物におけるR1fは、OH基を表し、R1a、R1c、R1eは、互いに独立して、水素原子又はOHを除く1価の置換基を表し、R1a、R1c、R1eのうち少なくとも1つは、ハメット則のσp値が0.3以上である置換基を表し、R1b及びR1dは、互いに独立して、水素原子又はOHを除く1価の置換基を表し、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表すことを特徴とする請求項1又は5に記載のフィルムミラー。
  9.  前記樹脂層は、前記金属反射層よりも光入射側となる面上に、樹脂を含有する液体を塗布し乾燥してなる層であることを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載のフィルムミラー。
  10.  前記樹脂層は、当該樹脂層を貼着するための接着層を介さずに、前記金属反射層よりも光入射側の面上に設けられていることを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載のフィルムミラー。
  11.  前記樹脂層の樹脂は、アクリル樹脂であることを特徴とする請求項1~10の何れか一項に記載のフィルムミラー。
  12.  請求項1~11の何れか一項に記載のフィルムミラーを、粘着層を介して支持基材に貼り付けて形成したことを特徴とする太陽熱発電用反射装置。
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