JP2011158751A - フィルムミラー、その製造方法、それを用いた太陽熱発電用反射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】銀反射層の劣化による正反射率の低下を防止するとともに、軽量で柔軟性があり、製造コストを抑え大面積化・大量生産することのできる耐光性及び耐候性に優れ、太陽光に対して良好な正反射率を有するフィルムミラー、その製造方法、及びそれを用いた太陽熱発電用反射装置を提供する。
【解決手段】樹脂基材上に構成層として少なくとも銀反射層及び該銀反射層の光入射側に設けられたC−H結合を有する樹脂層を有するフィルムミラーであって、該C−H結合を有する樹脂層の表面に、該C−H結合がC−F結合に置換(改質)されたフッ素含有樹脂層を有することを特徴とするフィルムミラー。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐光性及び耐候性に優れ、太陽光に対して良好な正反射率を有するフィルムミラー、その製造方法、それを用いた太陽熱発電用反射装置に関する。
近年、石油、天然ガス等の化石燃料エネルギーに代わる代替エネルギーとしては現在、石炭エネルギー、バイオマスエネルギー、核エネルギー、並びに風力エネルギー及び太陽エネルギー等の自然エネルギーが検討されているが、化石燃料の代替エネルギーとして最も安定しており、且つ量の多い自然エネルギーは、太陽エネルギーであると考えられる。
しかしながら、太陽エネルギーは非常に有力な代替エネルギーであるものの、これを活用する観点からは、(1)太陽エネルギーのエネルギー密度が低いこと、並びに(2)太陽エネルギーの貯蔵及び移送が困難であることが、問題となると考えられる。
これに対して、太陽エネルギーのエネルギー密度が低いという問題は、巨大な反射装置で太陽エネルギーを集めることによって解決することが提案されている。
反射装置は、太陽光による紫外線や熱、風雨、砂嵐などに晒されるため、従来、ガラス製ミラーが用いられてきた。ガラス製ミラーは環境に対する耐久性が高い反面、輸送時に破損したり、質量が重いために、ミラーを設置する架台の強度を持たせるために、プラントの建設費がかさむといった問題があった。
上記問題を解決するために、ガラス製ミラーを樹脂製反射シートに置き換えることが考えられてきたが(例えば特許文献1参照)、樹脂は外部環境に対して弱く、また反射層に銀などの金属を用いると、樹脂層を介して酸素や水蒸気、硫化水素などが透過し、銀を腐食してしまうといった問題もあり、樹脂製ミラーの適用は困難であった。
太陽光を集光する目的において、高い反射率を得るという観点では、金属層を可視光領域の反射率の高い銀で構成することが好ましい(例えば特許文献2参照)。しかしながら、銀は耐候性に劣り、酸素・水蒸気・硫黄などで劣化しやすいという問題がある。
この問題に対し、特許文献2においては、プラスチック基板が銀膜層の保護層として機能していると考えられる。しかしながら、プラスチックは空気中の水蒸気や酸素を透過しやすいため、酸化により銀が劣化することにより、ミラーの反射率が低下するという問題も招いてしまう。
さらに、太陽光を反射する目的でミラーを使用する場合、ミラーを屋外で使用することが多い。屋外で使用する場合には、ミラーが風雨に曝されることになり、そのような厳しい環境下では銀の酸化劣化が早まり、ミラーの反射率の低下の問題はより顕著な問題となる。
銀の腐食防止技術については、銀反射層の光入射面側の隣接層として樹脂層等腐食防止層を塗設する方法が既に知られている(例えば特許文献3参照)。しかしながら、このような技術でも太陽光反射用のミラーとして用いられた場合には、屋外の厳しい環境下におかれるため、腐食に対して十分な効果が得られず、反射率の低下を十分に解消することができなかった。
また、銀反射層の劣化を防止する一つの手段として、紫外線吸収剤と腐食防止剤を含有する層を銀反射層の上層として設ける方法も提案されている(例えば特許文献4参照)。しかしながら、太陽光反射用ミラーとして使用された場合においては、紫外線吸収剤自体が経年劣化することで紫外線吸収機能が弱まるにしたがって、銀反射層の光入射面から遠い側から劣化が進み、正反射率の低下を引き起こす問題が発生した。太陽熱発電用の反射ミラーにおいては、太陽光を所望の位置に集光させる必要があるため、高い反射率を維持するだけでなく、高い正反射率を維持する必要があり、銀反射層の裏側からの劣化が正反射率の低下を引き起こすことで問題となることが判明した。また、特許文献4では、銀よりもイオン化傾向の高い銅等の金属層を、光入射面から遠い側の銀の隣接層として設けて銀の犠牲防蝕層とすることで、銀の腐食を防止する方法も検討されている。しかしながら、このような方法を用いた場合には、犠牲防蝕層は銀よりも腐食しやすいため、犠牲防蝕層の劣化が進行し、犠牲防食層に変形が生じることで、やはり、銀面の正反射率が低下し、ミラーの高い正反射率を維持することが困難になるといった問題が生じることが分かってきた。
また、銀反射層の劣化を防止する一つの手段として、紫外線吸収剤と腐食防止剤を含有する層を銀反射層の上層として設ける方法も提案されている(例えば特許文献4参照)。
しかしながら、太陽熱発電用の反射ミラーにおいては、太陽光を所望の位置に集光させる必要があるため、高い反射率を維持するだけでなく、高い正反射率を維持する必要があり、上記の技術をもってしても、太陽熱発電用の反射ミラーとして求められる高い正反射率を維持することは困難であり、改善が求められていた。
特開2005−59382号公報 特開平6−38860号公報 特開2002−122717号公報 米国特許出願公開第2006/0181765号明細書
本発明は上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その目的は銀反射層の劣化による正反射率の低下を防止するとともに、軽量で柔軟性があり、製造コストを抑え大面積化・大量生産することのできる耐光性及び耐候性に優れ、太陽光に対して良好な正反射率を有するフィルムミラー、その製造方法、及びそれを用いた太陽熱発電用反射装置を提供することにある。
太陽熱発電用の反射ミラーとして、フィルムミラーが用いられる場合、太陽光を効率よく集光させる為、太陽熱発電用反射装置は平坦な場所に設置される場合が多く、また、天候が安定し雨天の少ない場所が好まれる。従って、砂埃や砂粒の堆積や付着による反射率の低下が問題となる。その為、フィルムミラーの表面は砂粒の衝突による傷等の発生や、堆積した砂埃や砂粒を除去するために、モップ等を利用して清掃する際に砂粒等によりこすられることにより、表面が傷つけられることとなる。本発明者の検討によれば、銀反射層の腐食は、このようにして発生した表面の凹凸や荒れ、クラックから侵入した酸素、水蒸気、硫黄等の成分により進行することが判明し、腐食を防止する添加剤を含有する層を銀層の表面に設けた場合であっても十分に抑制することが困難であることがわかってきた。また、このような傷や荒れから、設けられたUV吸収剤や腐食防止剤が流出することでその機能が弱まり、太陽光や上記の劣化要因となる成分による正反射率の低下を引き起こすことが明らかになった。
一方で、表面の傷を防止するためには、従来のように無機酸化物層等のバリア性を備えたハードコート層を設けることが考えられるが、そのような層は比較的柔軟性が低い為、フィルムミラーをロール状にして巻き取ったり、巻き出して貼り付けたりする際にクラックが発生し、バリア効果が低下するため、フィルムミラーに適用することは困難であった。
上記の課題を検討した結果、フィルムミラーの銀反射層の上に、C−H結合を有する樹脂層を設け、上記樹脂表面のC−H結合をC−F結合に置換(改質)したフッ素含有樹脂層を該C−H結合を有する樹脂層の表面に形成することで、表面劣化が起こり難く、且つ、酸素、水蒸気、硫黄等の劣化要因の透過を抑制することで、銀反射層の劣化を抑制するとともに、内部に劣化防止剤を含有した層を設けた場合には、これらの成分の溶出を抑制することが可能となり、結果としてフィルムミラーの正反射率の低下を抑制できることを見出し本発明を成すに至った。
即ち、本発明に係る上記課題は、下記の手段により解決される。
1.樹脂基材上に構成層として少なくとも銀反射層及び該銀反射層の光入射側に設けられたC−H結合を有する樹脂層を有するフィルムミラーであって、該C−H結合を有する樹脂層の表面に、該C−H結合がC−F結合に置換(改質)されたフッ素含有樹脂層を有することを特徴とするフィルムミラー。
2.樹脂基材上に構成層として少なくとも銀反射層及び該銀反射層の光入射側に設けられたC−H結合を有する樹脂層を有するフィルムミラーであって、該フィルムミラー全体が前記C−H結合を有する樹脂層で覆われ、該C−H結合を有する樹脂層表面に、該C−H結合がC−F結合に置換(改質)されたフッ素含有樹脂層を有することを特徴とするフィルムミラー。
3.前記1または2に記載のフィルムミラーの製造方法であって、樹脂基材上に設けられた銀反射層の光入射側にC−H結合を有する樹脂層を設け、フッ素ガス雰囲気下で、前記C−H結合を有する樹脂層の表面の該C−H結合をC−F結合に置換(改質)するフッ素化処理を行い、該C−H結合を有する樹脂層表面に該C−F結合を有するフッ素含有樹脂層を形成することを特徴とするフィルムミラーの製造方法。
4.前記1または2に記載のフィルムミラーを用いた太陽熱発電用反射装置であって、前記樹脂基材を挟んで前記銀反射層を有する側と反対側の樹脂基材面に塗設された粘着層を介して、金属基材上に当該フィルムミラーを貼り付けて形成されたことを特徴とする太陽熱発電用反射装置。
本発明の上記手段により、銀反射層の劣化による正反射率の低下を防止するとともに、軽量で柔軟性があり、製造コストを抑え大面積化・大量生産することのできる耐光性及び耐候性に優れ、太陽光に対して良好な正反射率を有するフィルムミラー、その製造方法、及びそれを用いた太陽熱発電用反射装置を提供することができる。
本発明のフィルムミラーの構成を示す模式図の一例である。
本発明のフィルムミラーは、樹脂基材上に構成層として少なくとも銀反射層及び該銀反射層の光入射側に設けられたC−H結合を有する樹脂層を有するフィルムミラーであって、該C−H結合を有する樹脂層の表面に該C−H結合がC−F結合に置換(改質)されたフッ素含有樹脂層を有することを特徴とするフィルムミラーである。
本発明の請求項1の態様によれば、前記C−H結合を有する樹脂層の表面に該C−H結合がC−F結合に置換(改質)されたフッ素含有樹脂層を形成することで、太陽光や酸素・水蒸気・硫黄等による樹脂層表面の凹凸の荒れやクラックの発生を抑制し、酸化劣化や腐食の促進を抑制、防止することができる。これにより、長期間高い正反射率を維持することができる。
本発明の請求項2の態様によれば、フィルムミラー全体がC−H結合を有する樹脂層で覆われ、該樹脂層の表面に該C−H結合がC−F結合に置換(改質)されたフッ素含有樹脂層を形成することで、フィルムミラーの表面のみならず、側面全周にも該フッ素含有樹脂層が形成されるで、フィルムミラーの側面からの酸化劣化や腐食の促進を抑制、防止することができ、本発明の効果を更に高めることができる。
請求項3に係る本発明のフィルムミラーの製造方法は、樹脂基材上に設けられた銀反射層の光入射側にC−H結合を有する樹脂層を設け、フッ素ガス雰囲気下で、該C−H結合をC−F結合に置換(改質)するフッ素化処理を行い、該C−H結合を有する樹脂層表面に該C−F結合を有するフッ素含有樹脂層を形成する方法である。上記フッ素化処理によって塗布や蒸着に比較して均一なフッ素含有樹脂層を形成することができ、太陽光や酸素・水蒸気・硫黄等に対する樹脂表面の劣化進行による凹凸の荒れやクラックの発生を防止し、内部樹脂層の酸化劣化や銀反射層の腐食を効果的に防ぐことができる。
請求項4に係る太陽熱発電用反射装置は、本発明のフィルムミラーを用いて、前記樹脂基材を挟んで前記銀反射層を有する側と反対側の樹脂基材面に塗設された粘着層を介して、金属基材上に当該フィルムミラーを貼り付けて形成されたことを特徴としている。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。
(フィルムミラーの構成概要)
本発明のフィルムミラーは、樹脂基材上に構成層として少なくとも銀反射層及び該銀反射層の光入射側に設けられたC−H結合を有する樹脂層を有するフィルムミラーであり、該C−H結合を有する樹脂層の表面に該C−H結合がC−F結合に置換(改質)されたフッ素含有樹脂層を有するものである。
他の構成層として特に限定されるものではなく、構成層として接着層、銅層、腐食防止層、紫外線吸収層等の特別な機能層を設けてもよい。
(樹脂基材)
本発明に係る樹脂基材としては、従来公知の種々の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルムが好ましい。
特にポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルムを用いることが好ましく、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
当該樹脂基材の厚さは、樹脂の種類及び目的等に応じて適切な厚さにすることが好ましい。例えば、一般的には、10〜300μmの範囲内である。好ましくは20〜200μm、更に好ましくは30〜100μmである。
(接着層)
本発明に用いられる接着層は銀反射層と、樹脂基材またはC−H結合を有する樹脂層との接着性を高める機能があるものであれば特に限定はないが、樹脂からなることが好ましい。従って、当該接着層は、樹脂基材(樹脂フィルム)と銀反射層とを密着する密着性、例えば銀反射層を真空蒸着法等で形成する時の熱にも耐え得る耐熱性、及び銀反射層が本来有する高い反射性能を引き出すための平滑性が必要である。
当該接着層に使用するバインダーとしての樹脂は、上記の密着性、耐熱性、及び平滑性の条件を満足するものであれば特に制限はなく、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等の単独またはこれらの混合樹脂が使用でき、耐候性の点からポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂が好ましく、さらにイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂とすればより好ましい。
当該接着層は、後述する腐食防止剤、酸化防止剤等を含有した腐食防止剤層として機能してもよい。
当該接着層の厚さは、密着性、平滑性、反射材の反射率等の観点から、0.01〜3μmが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。
接着層の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
(銀反射層)
本発明に係る銀反射層の形成法としては、湿式法及び乾式法のどちらも使用することができる。
湿式法とは、めっき法の総称であり、溶液から金属を析出させ膜を形成する方法である。具体例をあげるとすれば、銀鏡反応などがある。
一方、乾式法とは、真空成膜法の総称であり、具体的に例示するとすれば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などがある。とりわけ、本発明には連続的に成膜するロールツーロール方式が可能な蒸着法が好ましく用いられる。すなわち、本発明のフィルムミラーを製造するフィルムミラーの製造方法としては、当該銀反射層を銀蒸着によって形成する工程を有する態様の製造方法であることが好ましい。
当該銀反射層の厚さは、反射率等の観点から、10〜200nmが好ましく、より好ましくは30〜150nmである。
本発明において、銀反射層は支持体に対して光線入射側にあっても、その反対側にあっても良いが、支持体が樹脂であることから、光線による樹脂劣化を防止する目的から、光線入射側に位置する方が好ましい。
(C−H結合を有する樹脂層とC−F結合を有するフッ素含有樹脂層)
本発明に係るC−H結合を有する樹脂層は、銀反射層の少なくとも光入射側に配置されていることが必要であり、銀反射層の両側に配置されていてもよい。
該樹脂層は銀反射層に隣接していてもよく、また他の機能層を介して配置されていてもよい。
また、本発明のフィルムミラーにおいて、C−H結合を有する樹脂層が入射光側の最表面層として配置されることが本発明の効果を高める上で好ましく、更に本発明のフィルムミラー全体が該C−H結合を有する樹脂層で覆われていることも好ましい。
図1は本発明に係るフィルムミラーの模式図である。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
図1(a)は、樹脂基材5上に接着層1を塗設形成し、更にその上に銀反射層3を設け、それと隣接して本発明に係るC−H結合を有する樹脂層2を設ける。この試料に後述するフッ素化処理を行い、該C−H結合を有する樹脂層2の表面に、C−F結合を有するフッ素含有樹脂層4を形成する。
図1(b)は、請求項2に係るフィルムミラーの模式図である。上記樹脂層2を銀反射層の幅より広く形成した後、ロール加圧等の手段により、樹脂基材5と樹脂層2の端部で銀反射層を覆うようにラミネートした後、フィルムミラー全体に対して上記フッ素化処理を行い、外周側面部を含め全体にC−F結合を有するフッ素含有樹脂層4を形成する。このケースでは、樹脂基材はC−H結合を有する樹脂で構成されていることが好ましい。
従って図1(b)のケースでは、フィルムミラーの表面のみならず、外周側面すべてがフッ素含有樹脂層4に覆われる為、表面、裏面のみならず、外周側面からの酸素・水蒸気・硫黄等の侵入を防止することができ、内部樹脂層の酸化劣化や銀反射層の腐食を顕著に防ぐことができる。
本発明に係るC−H結合を有する樹脂層に含まれる樹脂は、特に限定されるものではないが、該C−H結合を有する樹脂は成形性の観点から、活性エネルギー線硬化型樹脂、または熱硬化型熱可塑性樹脂であることが好ましく、当該樹脂としては、アクリル系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂またはポリイミド系樹脂が例示され、中でもアクリル系樹脂が好ましい。
活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂または熱硬化型のアクリル系樹脂は、重合硬化成分として多官能アクリレート、アクリルオリゴマーあるいは反応性希釈剤を含む組成物である。その他に必要に応じて光開始剤、光増感剤、熱重合開始剤あるいは改質剤等を含有しているものを用いてもよい。
アクリルオリゴマーとは、アクリル系樹脂骨格に反応性のアクリル基が結合されたものを始めとして、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートなどであり、また、メラミンやイソシアヌール酸などの剛直な骨格にアクリル基を結合したものなども用いられ得る。
市販されている多官能アクリル系樹脂としては、三菱レイヨン株式会社;(商品名“ダイヤビーム(登録商標)”シリーズなど)、長瀬産業株式会社;(商品名“デナコール(登録商標)”シリーズなど)、新中村株式会社;(商品名“NKエステル”シリーズなど)、DIC株式会社;(商品名“UNIDIC(登録商標)”シリーズなど)、東亞合成化学工業株式会社;(商品名“アロニックス(登録商標)”シリーズなど)、日本油脂株式会社;(商品名“ブレンマー(登録商標)”シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名“KAYARAD(登録商標)”シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名“ライトエステル”シリーズ、“ライトアクリレート”シリーズなど)などの製品を利用することができる。
C−H結合を有する樹脂層は、密着性、耐候性等の観点から、膜厚は0.01〜3μmが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。前記樹脂層の形成方法は、樹脂を適当な溶剤に溶解し、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用して塗布できる。
次に。本発明に係るC−F結合を有するフッ素含有樹脂層について説明する。
本発明に係るフッ素含有樹脂層は、前記C−H結合を有する樹脂層の表面に本発明に係るフッ素化処理を施すことにより、該C−H結合がC−F結合に置換(改質)された樹脂が形成されフッ素含有樹脂層となるものである。該C−F結合による置換(改質)の結果C−H結合より樹脂の結合力が強化され、太陽光や酸素・水蒸気・硫黄等に対する樹脂表面の劣化進行による凹凸の荒れやクラックの発生を防止し、内部樹脂層の酸化劣化や銀反射層の腐食を防ぐことができる。
フッ素化処理は、上記C−H結合を有する樹脂層の表面部位や、或いはC−H結合を有する樹脂層に覆われたフィルムミラー全体をフッ素ガス雰囲気中に晒すことによって行われ、その表面にフッ素含有樹脂層を形成することができる。フッ素ガス雰囲気中のフッ素ガス濃度、フッ素ガス雰囲気中に曝露する温度や時間を適宜選択することにより、フッ素含有樹脂層の層厚およびフッ素化率を任意に制御できる。
フッ素化率とはC−H結合を有する樹脂層中のC−H結合がC−F結合に置換された効率をいい、樹脂層のIR分析等でC−H結合とC−F結合の分量から求められる。フッ素化率は10〜95%であることが好ましく、30〜90%であることがより好ましく、50〜90%であることが、樹脂の柔軟性と本発明の耐久性の効果を得る上で、特に好ましい。
ここで、フッ素ガス雰囲気とは、フッ素ガスを含む気体に覆われていることを意味し、フッ素ガスと窒素、アルゴン等の不活性ガスとの混合ガスに覆われていることも含まれる。
また、フッ素ガス雰囲気中のフッ素ガスの濃度は、C−H結合を有する樹脂層の厚みに応じて適宜選択することができる。
例えば、窒素ガス等で希釈した種々の濃度のフッ素ガス中に、所定温度、所定時間曝すことにより、C−H結合を有する樹脂層の表面から内部に向かって徐々に分子内でのフッ素の導入が起こり、材料のフッ素含有率が増加していくことになる。
材料表面からのフッ素の浸透深さ、フッ素処理後の材料中のフッ素含有率は、フッ素処理中のフッ素ガスの濃度、フッ素処理温度、フッ素処理時間に依存して変化する。
これらの条件については特に制限はないが、フッ素濃度が高い場合、処理時間が長い場合、処理温度が高い場合にフッ素の浸透深さが深くなり、またフッ素処理後のフッ素含有樹脂層のフッ素含有率が高くなる。
但し、極端にフッ素濃度を高くしたり、極端な高温長時間でのフッ素化処理を行うと樹脂分子が劣化するため、通常のフッ素化処理条件としてはフッ素濃度が1ppm〜25%、処理温度が10〜100℃、処理時間が0.1秒〜120分が好適である。
(その他の構成層)
本発明のフィルムミラーは、その他の構成層として銅層、腐食防止剤層、紫外線吸収層等を設けることが好ましい。
(銅層)
本発明に用いられる銅層の形成法としては、銀反射層同様に湿式法及び乾式法のどちらも使用することができる。とりわけ、本発明には連続的に成膜するロールツーロール方式が可能な蒸着法が好ましく用いられる。すなわち、本発明のフィルムミラーを製造するフィルムミラーの製造方法としては、当該銅層を蒸着によって形成する工程を有する態様の製造方法であることが好ましい。
(腐食防止剤層)
本発明に用いられる腐食防止剤層は、腐食防止剤のみから形成される層または腐食防止剤を含有した樹脂からなる層であるが、腐食防止剤を含有した樹脂層が好ましく用いられる。さらに好ましくは腐食防止剤が0.01質量%から10質量%含有した樹脂層を用いるのがよい。さらに、腐食防止剤層に用いる樹脂は、接着剤層としての機能を有するものがよく、銀反射層と樹脂基材(樹脂フィルム)との接着性を高める機能があるものであれば特に限定はない。従って、当該腐食防止剤層に用いる樹脂は、樹脂基材と銀反射層とを密着する密着性、銀反射層を真空蒸着法等で形成する時の熱にも耐え得る耐熱性、及び銀反射層が本来有する高い反射性能を引き出すための平滑性が必要である。
当該腐食防止剤層に使用する樹脂は、上記の密着性、耐熱性、及び平滑性の条件を満足するものであれば特に制限はなく、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等の単独またはこれらの混合樹脂が使用でき、耐候性の点からポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂が好ましく、さらにイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂とすればより好ましい。
当該腐食防止剤層の厚さは、密着性、平滑性、反射材の反射率等の観点から、0.01〜3μmが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。
腐食防止剤層の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
〈腐食防止剤〉
本発明に用いられる銀反射層の腐食防止剤は、大別して、銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤と酸化防止剤が好ましく用いられる。
ここで、「腐食」とは、金属(銀)がそれをとり囲む環境物質によって、化学的または電気化学的に浸食されるか若しくは材質的に劣化する現象をいう(JIS Z0103−2004参照)。
なお、腐食防止剤の含有量は、使用する化合物によって最適量は異なるが、一般的には、0.1〜1.0/mの範囲内であることが好ましい。
〈銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤〉
銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤としては、アミン類およびその誘導体、ピロール環を有する化合物、トリアゾール環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、チアゾール環を有する化合物、イミダゾール環を有する化合物、インダゾール環を有する化合物、銅キレート化合物類、チオ尿素類、メルカプト基を有する化合物、ナフタレン系の少なくとも一種またはこれらの混合物から選ばれることが望ましい。
アミン類およびその誘導体としては、エチルアミン、ラウリルアミン、トリ−n−ブチルアミン、O−トルイジン、ジフェニルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2N−ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、アセトアミド、アクリルアミド、ベンズアミド、p−エトキシクリソイジン、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジシクロヘキシルアンモニウムサリシレート、モノエタノールアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンカーバメイト、ニトロナフタレンアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムシクロヘキサンカルボキシレート、シクロヘキシルアミンシクロヘキサンカルボキシレート、ジシクロヘキシルアンモニウムアクリレート、シクロヘキシルアミンアクリレート等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ピロール環を有する物としては、N−ブチル−2,5−ジメチルピロール、N−フェニル−2,5−ジメチルピロール、N−フェニル−3−ホルミル−2,5−ジメチルピロール、N−フェニル−3,4−ジホルミル−2,5−ジメチルピロール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
トリアゾール環を有する化合物としては、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−ヒドロキシ−1,2,4−トリアゾール、3−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4−メチル−1,2,3−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4,5,6,7−テトラハイドロトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メチル−1,2,4−トリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ピラゾール環を有する化合物としては、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾロン、ピラゾリジン、ピラゾリドン、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ヒドロキシピラゾール、4−アミノピラゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
チアゾール環を有する化合物としては、チアゾール、チアゾリン、チアゾロン、チアゾリジン、チアゾリドン、イソチアゾール、ベンゾチアゾール、2−N,N−ジエチルチオベンゾチアゾール、P−ジメチルアミノベンザルロダニン、2−メルカプトベンゾチアゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
イミダゾール環を有する化合物としては、イミダゾール、ヒスチジン、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、4−フォルミルイミダゾール、2−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−フォルミルイミダゾール、4−メチル−5−フォルミルイミダゾール、2−エチル−4−メチル−5−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
インダゾール環を有する化合物としては、4−クロロインダゾール、4−ニトロインダゾール、5−ニトロインダゾール、4−クロロ−5−ニトロインダゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
銅キレート化合物類としては、アセチルアセトン銅、エチレンジアミン銅、フタロシアニン銅、エチレンジアミンテトラアセテート銅、ヒドロキシキノリン銅等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
チオ尿素類としては、チオ尿素、グアニルチオ尿素等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
メルカプト基を有する化合物としては、すでに上記に記載した材料も加えれば、メルカプト酢酸、チオフェノール、1,2−エタンジオール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、グリコールジメルカプトアセテート、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ナフタレン系としては、チオナリド等が挙げられる。
〈酸化防止剤〉
本発明に用いられる銀反射層の腐食防止剤としては酸化防止剤を用いることもできる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、チオール系酸化防止剤およびホスファイト系酸化防止剤を使用することが好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス−〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー〕、3,9−ビス[1,1−ジ−メチル−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−2,4,8,10−テトラオキオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げられる。特に、フェノール系酸化防止剤としては、分子量が550以上のものが好ましい。
チオール系酸化防止剤としては、例えば、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)等を挙げられる。
ホスファイト系酸化防止剤としては、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス−(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)−ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4′−ビフェニレン−ジホスホナイト、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
なお、本発明においては、上記酸化防止剤と下記の光安定剤を併用することもできる。
ヒンダードアミン系の光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、1−メチル−8−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2、6,6−テトラメチルピペリジン、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、トリエチレンジアミン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン等が挙げられる。
その他ニッケル系紫外線安定剤として、〔2,2′−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)〕−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、ニッケルコンプレックス−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル・リン酸モノエチレート、ニッケル・ジブチル−ジチオカーバメート等も使用することが可能である。
特にヒンダードアミン系の光安定剤としては、3級のアミンのみを含有するヒンダードアミン系の光安定剤が好ましく、具体的には、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、または1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノール/トリデシルアルコールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物が好ましい。
(紫外線吸収剤を含有する樹脂層)
本発明のフィルムミラーは、太陽光や紫外線による劣化防止の目的で、銀反射層の更に入射光側に紫外線吸収剤を含有する樹脂層を設けることも好ましい。また、本発明に係るC−H結合を有する樹脂層に該紫外線吸収剤を含有させてもよい。
紫外線吸収剤の使用量は、0.1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは3〜10質量%である。20質量%よりも多いと密着性が悪くなり、0.1質量%より少ないと耐候性改良効果が小さい。
紫外線吸収剤含有樹脂層としては、従来公知の種々の樹脂に紫外線吸収剤を分散させたフィルムを用いることができる。基材となる樹脂フィルムとしては例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルムが好ましい。
特にアクリル系フィルムを用いることが好ましい。また溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
〈紫外線吸収剤〉
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、トリアジン系等が挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、フェニルサルチレート、2−4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、上記以外に紫外線の保有するエネルギーを、分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを、熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物が含まれる。さらに、酸化防止剤あるいは着色剤等との併用で効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。但し、上記の紫外線吸収剤を使用する場合は、紫外線吸収剤の光吸収波長が、光重合開始剤の有効波長と重ならないものを選択する必要がある。
通常の紫外線防止剤を使用する場合は、可視光でラジカルを発生する光重合開始剤を使用することが有効である。
(フィルムミラー全体の厚さ)
本発明のフィルムミラー全体の厚さは、ミラーのたわみ防止、正反射率、取り扱い性等の観点から、75〜250μmが好ましく、更に好ましくは90〜230μm、更に好ましくは100〜220μmである。
(太陽熱発電用反射装置)
本発明の太陽熱発電用反射装置は、太陽光を集光する目的において、好ましく使用できる。本発明のフィルムミラー単体で太陽熱発電用反射装置として用いることもできるが、より好ましくは、樹脂基材を挟んで銀反射層を有する側と反対側の樹脂基材面に塗設された粘着層を介して、他基材上に、特に金属基材上に、当該フィルムミラーを貼り付けて太陽熱発電用反射装置として用いることである。
〈粘着層〉
金属基材と本発明の太陽熱発電用反射装置を貼り合わせる粘着層としては、特に制限されず、例えばドライラミネート剤、ウエットラミネート剤、粘着剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤などのいずれもが用いられる。
例えばポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ニトリルゴムなどが用いられる。
ラミネート方法は特に制限されず、例えばロール式で連続的に行うのが経済性及び生産性の点から好ましい。
厚さは、粘着効果、乾燥速度等の観点から、通常1〜50μm程度の範囲であることが好ましい。
〈金属基材〉
本発明の太陽熱発電用反射装置を貼り合わせる金属基材としては、鋼板、銅板、アルミニウム板、アルミニウムめっき鋼板、アルミニウム系合金めっき鋼板、銅めっき鋼板、錫めっき鋼板、クロムめっき鋼板、ステンレス鋼板など熱伝導率の高い金属材料を用いることができる。本発明においては、特に耐食性の良好なめっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板などを用いることが好ましい。
また、本発明の太陽熱発電用反射装置は金属基材以外の他基材を用いて太陽熱発電用反射装置とすることもでき、該他基材としては、銀反射層層の保護性を付与できるものであればよく、例えば、アクリルフィルム又はシート、ポリカーボネートフィルム又はシート、ポリアリレートフィルム又はシート、ポリエチレンナフタレートフィルム又はシート、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はシート、フッ素フィルムなどのプラスチックフィルム又はシート、又は酸化チタン、シリカ、アルミニウム粉、銅粉などを練り込んだ樹脂フィルム又はシート、これらを練り込んだ樹脂をコーティングしたり金属蒸着などの表面加工を施した樹脂フィルム又はシートが用いられる。
貼り合わせるフィルムまたはシートの厚さは、特に制限はないが通常12〜250μmの範囲であることが好ましい。
また、これらの他基材は本発明の太陽熱発電用反射装置と貼り合わせる前に凹部や凸部を設けてから貼り合せてもよく、貼り合せた後で凹部や凸部を有するように成形してもよく、貼り合わせと凹部や凸部を有するように成形することを同時にしてもよい。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
樹脂基材として、2軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ100μm)を用いた。上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、ポリエステル系樹脂とTDI系イソシアネートを樹脂固形分比率で10:2に混合した樹脂中に、酸化防止剤としてIRGANOX1010(チバ・ジャパン社製)および腐食防止剤としてTINUVIN234(チバ・ジャパン社製)をそれぞれ塗布後に0.3g/mとなるよう調整した量を添加し、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ0.1μmの酸化防止剤及び腐食防止剤を含有する接着層を兼ねる樹脂層1を形成した。続いて樹脂層1の上に前処理として、ランタンアルミネート(La2xAl2y3(x+y))からなる密着安定剤(M3 Patinal,メルク社製)を真空蒸着で50nm積層させ、密着安定剤の上に、銅層として、真空蒸着法により厚さ80nmの銅層を形成し、更に銅層上に、銀反射層として、真空蒸着法により厚さ80nmの銀反射層を形成した。
続いて、銀反射層上に、樹脂層1と同じ組成の組成物を樹脂層1の積層と同じ方法により積層させることで厚さ0.1μmの樹脂層2を形成した。次いで、樹脂層2の平面部に下記フッ素化処理を行ってフッ素含有樹脂層4を形成し、実施例1のフィルムミラーを作製した。
続いて、樹脂基材の銀反射層とは反対側の面に粘着層としてアクリル樹脂接着剤(昭和高分子社製)を厚さ10μmの厚さでコートし、厚さ0.1mmで、たて4cm×よこ5cmのアルミ板(住友軽金属社製)上に、上記実施例1のフィルムミラーを、粘着層を介して貼り付け、太陽熱発電用反射装置1を作製した。
〈フッ素化処理〉
フッ素化処理は、試料を1.1気圧、常温、フッ素ガス濃度5%の雰囲気下に処理時間2分間曝して行った。
[実施例2]
実施例1において、銀反射層上に樹脂層1と同じ組成物を銀反射層よりも幅広くグラビアコート法によりコーティングし樹脂層2を形成した後、ロール加圧装置により樹脂層2の端部と樹脂基材により銀反射層をラミネートした。(図1(b)参照。)次いで、試料全体にフッ素化処理を行い、フッ素含有樹脂層4を形成し、実施例2のフィルムミラーを作製した。実施例1と同様にして、樹脂基材の銀反射層とは反対側の面に粘着層としてアクリル樹脂接着剤(昭和高分子社製)を厚さ10μmの厚さでコートし、厚さ0.1mmで、たて4cm×よこ5cmのアルミ板(住友軽金属社製)上に、上記実施例2のフィルムミラーを、粘着層を介して貼り付け、太陽熱発電用反射装置2を作製した。
[実施例3]
実施例1の樹脂層2の代わりに、銀反射層に接着層としてアクリル樹脂接着剤(昭和高分子社製)を厚さ10μmの厚さでコートし、該接着層の上に紫外線吸収剤を含有する樹脂層として紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂フィルム(KORAD CLRAR05005、ポリマー・エクスクルーディドプロダクト社製)50μmを積層させ樹脂層2を形成した以外は実施例1と同様にフッ素化処理を行い、フッ素含有樹脂層4を形成し、実施例3のフィルムミラーと太陽熱発電用反射装置3を作製した。
[実施例4]
実施例2の樹脂層2の代わりに、銀反射層に接着層としてアクリル樹脂接着剤(昭和高分子社製)を厚さ10μmの厚さでコートし、該接着層の上に紫外線吸収剤を含有する樹脂層として紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂フィルム(KORAD CLRAR05005、ポリマー・エクスクルーディドプロダクト社製)50μmを積層させ樹脂層2を形成した以外は実施例2と同様にして上記紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂フィルムと樹脂基材により銀反射層をラミネートした後、試料全体にフッ素化処理を行い、フッ素含有樹脂層4を形成し、実施例4のフィルムミラーと太陽熱発電用反射装置4を作製した。
[比較例1]
実施例1においてフッ素化処理を行わなかった以外は同様にして、比較例1のフィルムミラーと比較例の太陽熱発電用反射装置1を作製した。
[比較例2]
実施例2においてフッ素化処理を行わなかった以外は同様にして、比較例2のフィルムミラーと比較例の太陽熱発電用反射装置2を作製した。
[比較例3]
実施例3においてフッ素化処理を行わなかった以外は同様にして、比較例3のフィルムミラーと比較例の太陽熱発電用反射装置3を作製した。
[比較例4]
実施例4においてフッ素化処理を行わなかった以外は同様にして、比較例4のフィルムミラーと比較例の太陽熱発電用反射装置4を作製した。
[評価]
上記作製したフィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置について、下記の方法により正反射率及び外観変色度の測定をそれぞれ行った。
<正反射率、外観変化の高温高湿UV照射試験>
表面に純水10mlを霧吹きを用いて噴霧した後に、#0000番のスチールウールを用いて、1000g/cmの摩擦荷重で10回往復摩擦した後、キセノンランプ照射100mW/cm(300〜400nm)、ブラックパネル温度65℃、湿度50%RH、80時間の強制劣化試験前後での正反射率の低下率を算出した。また、同時に外観変化も検査した。以下に耐候性試験方法と評価基準を記す。
〈正反射率の測定〉
島津製作所社製の分光光度計「UV265」に、積分球反射付属装置を取り付けたものを改造し、反射面の法線に対して、入射光の入射角を5°となるように調整し、反射角5°の正反射率を測定した。評価は、350nmから700nmまでの平均反射率として測定した。
〈外観の検査〉
オリンパス社製実体顕微鏡「DP70」にて、表面の荒れやクラックの発生、銀反射層の変色度合いを観察した。
<正反射率>
5:反射率の低下率が5%未満
4:反射率の低下率が5%以上10%未満
3:反射率の低下率が10%以上15%未満
2:反射率の低下率が15%以上20%未満
1:反射率の低下率が20%以上
<外観変化面積>
◎:フィルムミラー面積に対し5%未満
○:フィルムミラー面積に対し5%以上20%未満
△:フィルムミラー面積に対し20%以上40%未満
×:フィルムミラー面積に対し40%超
上記特性を評価した結果を下記表1に示す。
Figure 2011158751
表1に示した評価結果から明らかなように、本発明に係る実施例1〜4のフィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置の強制劣化試験による正反射率変化並びに外観変化は、比較例に1〜4対して優れていることが分かる。
すなわち、本発明のC−H結合を有する樹脂層の表面に、該C−H結合がC−F結合に置換(改質)されたフッ素含有樹脂層を形成することにより、銀反射層の劣化による正反射率の低下を防止するとともに、軽量で柔軟性があり、製造コストを抑え大面積化・大量生産することのできる太陽光に対して良好な正反射率を有するフィルムミラー、その製造方法、及びそれを用いた太陽熱発電用反射装置を提供することができることが分かる。
特に、請求項2に係る、フィルムミラー全体が前記C−H結合を有する樹脂層で覆われ、該C−H結合がC−F結合に置換(改質)されたフッ素含有樹脂層を有するフィルムミラー(実施例2、実施例4)は、本発明の効果が特に優れることが分かる。
1 接着層(樹脂層)
2 C−H結合を有する樹脂層
3 銀反射層
4 フッ素含有層
5 樹脂基材
10 フィルムミラー
L 入射光

Claims (4)

  1. 樹脂基材上に構成層として少なくとも銀反射層及び該銀反射層の光入射側に設けられたC−H結合を有する樹脂層を有するフィルムミラーであって、該C−H結合を有する樹脂層の表面に、該C−H結合がC−F結合に置換(改質)されたフッ素含有樹脂層を有することを特徴とするフィルムミラー。
  2. 樹脂基材上に構成層として少なくとも銀反射層及び該銀反射層の光入射側に設けられたC−H結合を有する樹脂層を有するフィルムミラーであって、該フィルムミラー全体が前記C−H結合を有する樹脂層で覆われ、該C−H結合を有する樹脂層表面に、該C−H結合がC−F結合に置換(改質)されたフッ素含有樹脂層を有することを特徴とするフィルムミラー。
  3. 請求項1または2に記載のフィルムミラーの製造方法であって、樹脂基材上に設けられた銀反射層の光入射側にC−H結合を有する樹脂層を設け、フッ素ガス雰囲気下で、前記C−H結合を有する樹脂層の表面の該C−H結合をC−F結合に置換(改質)するフッ素化処理を行い、該C−H結合を有する樹脂層表面に該C−F結合を有するフッ素含有樹脂層を形成することを特徴とするフィルムミラーの製造方法。
  4. 請求項1または2に記載のフィルムミラーを用いた太陽熱発電用反射装置であって、前記樹脂基材を挟んで前記銀反射層を有する側と反対側の樹脂基材面に塗設された粘着層を介して、金属基材上に当該フィルムミラーを貼り付けて形成されたことを特徴とする太陽熱発電用反射装置。
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