JP2015087625A - 反射体及びその製造方法 - Google Patents

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英之 石原
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Abstract

【課題】多層反射フィルムに層間剥離が発生し難い反射体を提供する。
【解決手段】反射体1は、基板2と、前記基板2に固着させる粘着層39及び光を反射する反射層36を備え、前記基板2よりも大きな面積を有する多層反射フィルム3と、を有し、前記多層反射フィルム3を前記基板2に固着した際に前記基板2から延出する延出部3aの一部を前記粘着層39側に1回以上屈曲させ、前記粘着層39同士を固着させていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射体及びその製造方法に関する。
近年、地球温暖化や地球環境保護の観点から太陽熱発電に対する関心が高くなっている。太陽熱発電は、ほぼ常時照りつける強烈な太陽光があれば安定的且つ安価に発電することができる。そのため、太陽熱発電は、砂漠地帯や乾燥地帯を有する国々で導入が進められている。しかしながら、赤道近くの地域であっても、降りそそぐ太陽光をそのまま用いたのでは太陽エネルギーの密度が低く、十分な発電量を得ることができない。そのため、太陽熱発電を行う場合、多数の反射板を使って太陽光を集め、太陽エネルギーの密度を高くしてその熱で蒸気を発生させ、タービンを回して発電している。
従来、前記した反射板としてガラス製ミラーが使用されていたが、ガラス製ミラーは環境に対する耐久性が高い反面、輸送時に破損したり、重量が重いためミラーを設置する架台の強度を高くしたりする必要があった。そのため、プラントの建設費用が嵩むという問題があった。
このような状況下、最近では、ガラス製ミラーに替えてフィルムミラー(反射体)の適用が検討されはじめた。なお、フィルムミラーとは、基板上に光を反射する反射層を備えた多層反射フィルムを設けた反射体をいう。多層反射フィルムは、アクリル層、接着層、反射層、樹脂フィルム層、粘着層などを有しており、文字通り多層構造となっている。当然、各層の材質が異なることから、熱膨張率も各層で異なる。そのため、熱が加わると、熱膨張率差により粘着層に応力が集中し、多層反射フィルムの端面から剥離(層間剥離)が発生する。
このような問題を解決すべく、例えば、特許文献1に記載の反射体が提案されている。
この特許文献1には、表の主要面及び反対側の裏の主要面を有する基板と、多層反射フィルムが前記表の主要面上に配置され、前記多層反射フィルムの一部が前記基板のエッジ面を覆うとともに前記裏の主要面で固定され、前記多層反射フィルムはフィルムのエッジ面を含み、シーリング材(シーラント、封止材)が前記フィルムのエッジ面上に配置されている反射体が記載されている。
国際公開第2012/125283号パンフレット
前記したように、特許文献1に記載の反射体は、多層反射フィルムのエッジ面(端面)上にシーリング材を配置して固定することで層間剥離の防止を図っている。
しかしながら、シーリング材を用いた場合、多層反射フィルムに対する接着力と、基板に対する接着力と、の間に差が生じてしまう。そのため、多層反射フィルムとシーリング材との間、及びシーリング材と基板との間に応力が集中し、シーリング材が剥離し易いという問題がある。多層反射フィルムとシーリング材との間に剥離が生じると、前記したように多層反射フィルムに層間剥離が発生するおそれがある。
本発明は前記した問題点に鑑みてなされたものであり、多層反射フィルムに層間剥離が発生し難い反射体及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明の課題は以下の手段によって達成される。
〔1〕基板と、前記基板に固着させる粘着層及び光を反射する反射層を備え、前記基板よりも大きな面積を有する多層反射フィルムと、を有し、前記多層反射フィルムを前記基板に固着した際に前記基板から延出する延出部の一部を前記粘着層側に1回以上屈曲させ、前記粘着層同士を固着させていることを特徴とする反射体。
〔2〕前記粘着層同士の固着が面にて行われていることを特徴とする前記〔1〕に記載の反射体。
〔3〕前記延出部の一部を前記粘着層側に2回以上屈曲させ、屈曲させた前記反射層を前記粘着層に固着させたことを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の反射体。
〔4〕屈曲させた前記多層反射フィルムの端面を前記基板の側面に当接させたことを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の反射体。
〔5〕前記多層反射フィルムが、少なくとも、アクリル層、接着層、前記反射層、樹脂フィルム層、前記粘着層を有していることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の反射体。
〔6〕前記反射層が金属反射層又は誘電体多層膜であることを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の反射体。
〔7〕前記多層反射フィルムの光入射側にクリアハードコート層を設けたことを特徴とする前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の反射体。
〔8〕前記クリアハードコート層がシリコン系クリアハードコート層であることを特徴とする前記〔7〕に記載の反射体。
〔9〕基板に固着させる粘着層及び光を反射する反射層を備え、前記基板よりも大きな面積を有する多層反射フィルムを、当該粘着層を介して基板に固着する固着工程と、前記多層反射フィルムを前記基板に固着した際に前記基板から延出した延出部の一部を前記粘着層側に1回以上屈曲させ、前記粘着層同士を固着させる屈曲工程と、を含むことを特徴とする反射体の製造方法。
〔10〕前記粘着層同士の固着を面にて行うことを特徴とする前記〔9〕に記載の反射体の製造方法。
〔11〕前記屈曲工程にて前記延出部の一部を前記粘着層側に2回以上屈曲させ、屈曲させた前記反射層を前記粘着層に固着させることを特徴とする前記〔9〕又は〔10〕に記載の反射体の製造方法。
〔12〕前記屈曲工程にて屈曲させた前記多層反射フィルムの端面を前記基板の側面に当接させることを特徴とする前記〔9〕又は〔10〕に記載の反射体の製造方法。
〔13〕前記多層反射フィルムが、少なくとも、アクリル層、接着層、前記反射層、樹脂フィルム層、前記粘着層を有していることを特徴とする前記〔9〕〜〔12〕のいずれか1つに記載の反射体の製造方法。
〔14〕前記反射層が金属反射層又は誘電体多層膜であることを特徴とする前記〔9〕〜〔13〕のいずれか1つに記載の反射体。
〔15〕前記多層反射フィルムの光入射側にクリアハードコート層を設けることを特徴とする前記〔9〕〜〔14〕のいずれか1つに記載の反射体の製造方法。
〔16〕前記クリアハードコート層がシリコン系クリアハードコート層であることを特徴とする前記〔15〕に記載の反射体。
本発明によれば、多層反射フィルムに層間剥離が発生し難い反射体及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る反射体の構成を説明する概略断面図である。 本発明の他の実施形態に係る反射体の構成を説明する概略断面図である。 図1及び図2に示す反射体の多層反射フィルムの一実施形態を説明する概略断面図である。 図1及び図2に示す反射体の多層反射フィルムの他の実施形態を説明する概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る反射体の製造方法を説明するフローチャートである。 比較例1に係る反射体の構成を説明する概略断面図である。 比較例2に係る反射体の構成を説明する概略断面図である。 比較例3に係る反射体の構成を説明する概略断面図である。 比較例4に係る反射体の構成を説明する概略断面図である。
以下、適宜図面を参照して本発明の一実施形態に係る反射体及びその製造方法について詳細に説明する。
〔反射体〕
はじめに、本発明の実施形態に係る反射体について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る反射体の構成を説明する概略断面図である。図2は、本発明の他の実施形態に係る反射体の構成を説明する概略断面図である。図3は、図1及び図2に示す反射体の多層反射フィルムの一実施形態を説明する概略断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る反射体1は、基板2と、多層反射フィルム3と、を有している。この多層反射フィルム3は、基板2に固着させる粘着層39(図3及び図4参照)及び光を反射する反射層36(図3及び図4参照)を備えている。また、多層反射フィルム3は、基板2よりも大きな面積を有している。
反射体1は、図1及び図2に示すように、この多層反射フィルム3を基板2に固着した際に基板2から延出する延出部3aの一部を粘着層39側に1回以上屈曲させ、粘着層39同士を固着させている。このようにすると、多層反射フィルム3中の反射層36と基板2との間に熱膨張率差が生じたとしても、同一の材料でなる粘着層39同士が固着しているのでその接着力は高く、また、粘着層39同士を固着させた部分で熱膨張率差を緩衝することができる。さらに、粘着層39として用いられる粘着剤は流動性があるので、同じ素材面同士を接合させると境界面で混合し、界面が一体化することで最大限の密着性を維持することができる。従って、多層反射フィルム3の端面3bに応力が集中するのを防ぐことができる。そのため、多層反射フィルム3の端面3bに層間剥離が発生するのを防止することができる。つまり、本実施形態に係る反射体1は、多層反射フィルム3に層間剥離が発生し難い。かかる効果は、粘着層39同士の固着を面にて行うことにより確実に奏することができる。そのため、粘着層39同士の固着は面にて行うのが好ましい。また、シーリング材を必要としないので低コスト化を図ることができるだけでなく、多層反射フィルム3とシーリング材との間、及びシーリング材と基板2との間に応力が集中し、シーリング材が剥離し易いという問題も生じない。さらに、封止している部分が反射体1の表面に位置していないことから、高圧噴射洗浄を行った場合でも多層反射フィルム3が基板2から剥離するおそれがなく、反射面積のロスもない。なお、高圧噴射洗浄とは、水を高速で吹き付けて汚れを落とす洗浄法をいう。
多層反射フィルム3の延出部3aは、具体的には、図1に示すように、延出部3aの一部を粘着層39側に2回以上屈曲させ、屈曲させた反射層36を粘着層39に固着させるのが好ましい。このようにすると、粘着層39同士が固着しつつ、さらに、多層反射フィルム3の端面3bは粘着層39に覆われるため、外気に触れることもなくなる。従って、多層反射フィルム3中の反射層36と基板2との間に熱膨張率差による層間剥離を防止することができるだけでなく、空気中の水分や酸素による影響を受け難くすることができる。従って、多層反射フィルム3の端面3bに層間剥離が発生するのをより確実に防止することができる。
また、多層反射フィルム3の延出部3aは、図2に示すように、屈曲させた多層反射フィルム3の端面3bを基板2の側面に当接させるのも好ましい。このようにしても、粘着層39同士が固着しつつ、さらに、多層反射フィルム3の端面3bが基板2の側面で覆われるため、外気に触れ難くなる。従って、多層反射フィルム3中の反射層36と基板2との間に熱膨張率差による層間剥離を防止することができるだけでなく、空気中の水分や酸素による影響を受け難くすることができる。従って、多層反射フィルム3の端面3bに層間剥離が発生するのを防止することができる。
(基板)
基板2は、金属材料や樹脂材料で形成した板材、つまり、金属板や樹脂板を用いることができる。基板2は平板であってもよいし、所定の曲率をもって曲面が形成されたものであってもよい。
基板2を形成する金属材料としては、例えば、鉄、アルミニウム、銅など又はこれらの合金が挙げられる。なお、鉄や鉄合金を用いる場合は、アルミニウムやアルミニウム合金、銅、錫、クロムなどでめっきを施したものを用いるのが好ましい。これらのめっきを施すと、熱伝導率や耐腐食性などを高くすることができる。
基板2を形成する樹脂材料としては、例えば、セルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ノルボルネン系樹脂、フッ素樹脂などを挙げることができる。
基板2は、前記した金属材料で形成した板材(金属板)又は樹脂材料で形成した板材(樹脂板)とすることができる。また、基板2は、必要に応じて中空構造を採用することもできる。中空構造の採用は、例えば、中空構造を有する中間材を前記した金属板又は樹脂板と貼り合せたり、板材そのものに中空構造を取り入れたりすることなどが挙げられる。なお、中空構造を採用する場合、多層反射フィルム3の正反射率(反射体1の正反射率)を高くするため、中空体構造と多層反射フィルム3との間に表面が平滑な樹脂製又は金属製のシート材を設けるのが好ましい。
中空構造を有する中間材としては、例えば、発泡樹脂からなる板材、発泡金属からなる板材又はハニカム構造の板材を挙げることができる。なお、発泡樹脂は合成樹脂中に気泡を含ませて多孔質状にした樹脂である。また、発泡金属は母材中に気泡を含ませて多孔質状にした金属である。
発泡樹脂に用いる樹脂としては、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン、アクリル、ポリイミドなどが挙げられる。
発泡金属に用いられる金属としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金などが挙げられる。
ハニカム構造とは、空間が側壁で囲まれた複数の小空間で構成される立体構造全般を表すものとする。ハニカム構造の板材を樹脂材料で形成する場合、側壁は、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、イソプレンペンテン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、アイオノマー、エチレン−プロピレン−ジエン類などのターポリマー、ABS樹脂、ポリオレフィンオキサイド、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂などで構成することができる。なお、これらは一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を混合して用いてもよい。
ハニカム構造の板材を金属材料で形成する場合、側壁は、例えば、鉄、アルミニウム、銅など又はこれらの合金で構成することができる。
なお、板材そのものに中空構造を取り入れるとは、中間材で説明した発泡樹脂や発泡金属にて形成した板材を基板2として用いることをいう。
(多層反射フィルム)
多層反射フィルム3は、図3に示すように、光入射側から順に少なくとも、アクリル層32、接着層33、反射層36、樹脂フィルム層38及び粘着層39を有している。多層反射フィルム3の厚さは、撓み防止、正反射率、取り扱い性などの観点から80〜300μmとするのが好ましい。以下、多層反射フィルム3の各層の構成について説明する。
(アクリル層)
アクリル層32は、紫外線を吸収したり、遮断したりすることにより、下層の樹脂層(接着層33、樹脂フィルム層38など)の劣化や変色、層間剥離を防止し、優れた耐光性、耐候性を付与する役割を担う。そのため、アクリル層32は紫外線吸収剤を含有するのが好ましい。また、アクリル層32は酸化防止剤や光安定剤を含有してもよい。一般的なアクリル層32は固いので、柔らかく破損し難いアクリル層32とするのが好ましい。そのため、アクリル層32に可塑剤の微粒子を含有させてもよい。可塑剤の微粒子の好ましい例としては、例えば、ブチルゴムやブチルアクリレートの微粒子などが挙げられる。なお、アクリル層32の厚さは20〜150μmとするのが好ましい。アクリル層32の厚さが20μm以上であれば、紫外線吸収剤を適量含有しているため、下層の樹脂層への紫外線遮断機能を十分に発現することができる。アクリル層32の厚さが150μm以下であれば、フレキシブル性を十分に維持することができるため、クラックや割れを効果的に防止することができる。
アクリル層32は、メタクリル樹脂を基材樹脂として構成されていることが好ましい。メタクリル樹脂は、メタクリル酸エステルを主体とする重合体であり、メタクリル酸エステルの単独重合体であってもよいし、メタクリル酸エステル50質量%以上とこれ以外の単量体50質量%以下との共重合体であってもよい。ここで、メタクリル酸エステルとしては、通常、メタクリル酸のアルキルエステルが用いられる。特に好ましく用いられるメタクリル樹脂は、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)である。メタクリル樹脂の好ましい単量体組成は、全単量体を基準として、メタクリル酸エステルが50〜100重量%、アクリル酸エステルが0〜50重量%、これら以外の単量体が0〜49重量%である。
メタクリル酸エステルの例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。なお、メタクリル酸エステルのアルキル基の炭素数は1〜8が好ましい。
アクリル酸エステルの例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。なお、アクリル酸エステルのアルキル基の炭素数は1〜8が好ましい。
メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステル以外の単量体は、単官能単量体、すなわち分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を1個有する化合物であってもよいし、多官能単量体、すなわち分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有する化合物であってもよい。
単官能単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族アルケニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのアルケニルシアン化合物などが挙げられる。
また、多官能単量体の例としては、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどの多価アルコールのポリ不飽和カルボン酸エステル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ケイ皮酸アリルなどの不飽和カルボン酸のアルケニルエステル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどの多塩基酸のポリアルケニルエステル、ジビニルベンゼンなどの芳香族ポリアルケニル化合物が挙げられる。
なお、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びこれら以外の単量体は、それぞれ、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよい。
メタクリル樹脂は、フィルムの耐熱性の点から、そのガラス転移温度が40℃以上であるのが好ましく、60℃以上であるのがより好ましい。このガラス転移温度は、単量体の種類やその割合を調整することにより、適宜設定することができる。
メタクリル樹脂は、その単量体成分を、懸濁重合、乳化重合、塊状重合などの方法により重合させることにより、調製することができる。その際、好適なガラス転移温度を得るため、又は好適なフィルムへの成形性を示す粘度を得るため、重合時に連鎖移動剤を使用することが好ましい。連鎖移動剤の量は、単量体の種類やその割合などに応じて、適宜決定すればよい。
アクリル層32に含有される紫外線吸収剤は、アクリル層32に紫外線を吸収、遮断する機能を付与する役割を担う。紫外線吸収剤は有機系のものも、無機系のものも用いることができる。
有機系紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤などを用いることができる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノンなどを挙げることができる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどを挙げることができる。
サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサルチレート、2−4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどを挙げることができる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジンなどを挙げることができる。
ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートなどを挙げることができる。
ベンゾエート系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどを挙げることができる。
無機系紫外線吸収剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄などを用いることができる。
アクリル層32への紫外線吸収剤の含有量は0.1〜20質量%程度とするか、又は、アクリル層32への紫外線吸収剤の含有量をフィルム単位面積当たりの含有量が0.17〜2.28g/m2程度となるようにするとよい。アクリル層32への紫外線吸収剤の含有量をこのような範囲とすれば、耐候性能を十分発揮しつつ、紫外線吸収剤がブリードアウトすることによるロールやフィルムへの汚れの付着を防止することができる。
アクリル層32に含有される酸化防止剤は、アクリル層32の溶融製膜時の劣化を防止したり、ラジカルを捕捉してアクリル層32の劣化を防止したりする役割を担う。酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、チオール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤などを挙げることができる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス−〔メチレン−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンなどを挙げることができる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネートなどを挙げることができる。
チオール系酸化防止剤としては、例えば、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)などを挙げることができる。
ホスファイト系酸化防止剤としては、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどを挙げることができる。
酸化防止剤のアクリル層32への含有量は、0.1〜10質量%程度とすればよい。酸化防止剤のアクリル層32への含有量が前記した範囲内にあれば、アクリル層32に求められる機能(役割)を損なうことなく、優れた酸化防止機能を発現することができる。
光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネートなどのヒンダードアミン系の光安定剤や、〔2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)〕−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、ニッケルコンプレックス−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル・リン酸モノエチレート、ニッケル・ジブチル−ジチオカーバメートなどのニッケル系紫外線安定剤などを挙げることができる。
光安定剤のアクリル層32への含有量は0.001〜5質量%とするのが好ましい。光安定剤のアクリル層32への含有量がこの範囲にあると、光安定化機能を有効に発現することができるだけでなく、隣接する層の脆化防止機能を有効に発現することもできる。
(接着層)
接着層33は、これを挟んで両面に配置される層を接着する役割を担う。本実施形態においては、例えば、アクリル層32と反射層36とを接着する。
接着層33は、層同士を密着する密着性、反射層36を真空蒸着法などで形成する際の熱にも耐え得る耐熱性、及び反射層36が本来有する高い反射性能を引き出すための平滑性を有することが好ましい。
接着層33は、樹脂、金属酸化物及び金属窒化物のうちの少なくとも一つを用いて形成することができる。接着層33は1層のみからなっていてもよいし、複数層からなっていてもよい。
樹脂で接着層33を形成する場合、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等の単独又はこれらの混合樹脂を用いることができる。耐候性の点からポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂又はポリエステル系樹脂とウレタン系樹脂の混合樹脂が好ましい。なお、樹脂で接着層33を形成する場合、接着層33として前記した密着性、耐熱性及び平滑性の条件を満足するものであれば前記したものに限定されることなくどのような樹脂も用いることができる。樹脂を用いた接着層33の形成方法としては、例えば、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法などを挙げることができる。
また、金属酸化物又は金属窒化物で接着層33を形成する場合、例えば、酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化ランタン、窒化ランタンなどを用いることができる。なお、金属酸化物又は金属窒化物で接着層33を形成する場合、接着層33として前記した密着性、耐熱性及び平滑性の条件を満足するものであれば前記したものに限定されることなくどのような金属酸化物や金属窒化物も用いることができる。接着層33は、これら金属酸化物又は金属窒化物の単層(膜)でもよいし、2層以上の積層(膜)であってもよい。金属酸化物又は金属窒化物を用いた接着層33の形成方法としては、例えば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などを挙げることができる。接着層33の厚さは、密着性、平滑性、反射材の反射率等の観点から、1〜10μmとするのが好ましい。
(反射層)
反射層36は、太陽光を反射する役割を担う。反射層36としては、例えば、金属反射層及び/又は誘電体多層膜を用いることができる。反射層36の表面反射率は80%以上であるのが好ましく、90%以上であるのがより好ましい。金属反射層とは、Al、Ag、Cr、Cu、Ni、Ti、Mg、Rh、Pt及びAuからなる元素群の中から選ばれるいずれかの元素を含む材料により形成された反射層をいう。誘電体多層膜とは、基本的に誘電体材料の低屈折率の材質から高屈折率に入射する際に発生する光の干渉を利用し、何十層と層数を重ねる事によって任意の光学特性を得た光学薄膜をいう。
反射層36として金属反射層を適用する場合、前記した金属元素の中でも、反射率、耐食性の観点からAl又はAgを主成分としていることが好ましく、このような金属の薄膜を二層以上形成するのが好ましい。本実施形態においては、特に銀を主成分とする銀反射層とするのが好ましい。反射層36の厚さは、反射率等の観点から、10〜200nmとするのが好ましく、30〜150nmとするのがより好ましい。また、反射層36上にSiO2、TiO2などの金属酸化物からなる層を設けてさらに反射率を向上させてもよい。
金属反射層の形成法としては、例えば、湿式法及び乾式法のどちらも使用することができる。
湿式法とは、めっき法又は金属錯体溶液塗布法の総称であり、溶液から金属を析出させて膜を形成する方法である。具体例を挙げると銀鏡反応や、銀錯体インクの焼成(詳しくは銀錯体化合物を含有する銀コーティング液組成物を塗布して形成した塗布膜の焼成)による銀層形成等がある。
一方、乾式法とは、真空成膜法の総称であり、具体的には、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などがある。なお、連続的に成膜するロールツーロール方式にて適用可能であるため蒸着法が好ましい。
他方、反射層36として誘電体多層膜を適用すると、金属反射層と比較して吸収が少なく、非常に反射率の高い反射層を具現することができるので好適である。
誘電体多層膜は、例えば、屈折率が1.60〜2.50の高屈折率層と、屈折率が1.10〜1.60の低屈折率層と、を交互に、例えば、20〜100層ほど積層した多層構造を有する。そのため、金属反射層よりもさらに層間剥離の生じる可能性が高くなる。しかしながら、図1及び図2を参照して説明したように、多層反射フィルム3を基板2に固着した際に基板2から延出する延出部3aの一部を粘着層39側に1回以上屈曲させ、粘着層39同士を固着させることにより、多層反射フィルム3の端面3bに層間剥離が発生するのを防止することができる。
なお、高屈折率層は、例えば、有機バインダーで構成されたものを用いるか、有機バインダーに金属酸化物粒子を混合したものを用いることができる。なお、有機バインダーには必要に応じて適宜添加剤を添加することもできる。
高屈折率層に用いられる有機バインダーは、低屈折率層に用いられる有機バインダーに比べて高屈折率であれば特に制限されることなく用いることができるが、以下に例示される高分子化合物を用いるのが好ましい。高屈折率層に用いられる有機バインダーとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂などのポリアルキレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂などが挙げられる。
また、高屈折率層に用いる金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカなどの二酸化ケイ素、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第二鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズなどで形成した粒子を挙げることができる。
低屈折率層は、例えば、有機バインダーで構成されたものを用いるか、有機バインダーに金属酸化物粒子を混合したものを用いることができる。なお、有機バインダーには必要に応じて適宜添加剤を添加することもできる。
低屈折率層に用いられる有機バインダーとしては、高屈折率層に用いられる有機バインダーと同様のものを用いることができるが、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル系樹脂や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、セルロース系樹脂、ゼラチン類、増粘多糖類などの水溶性樹脂を用いるのが好ましい。
また、高屈折率層に用いる金属酸化物粒子としては、例えば、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカなどの二酸化ケイ素、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第二鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズなどで形成した粒子を挙げることができる。
誘電体多層膜については、例えば、特開2013−142089号公報に記載されている事項を参照することができる。
(樹脂フィルム層)
樹脂フィルム層38は、多層反射フィルム3を支持する支持体である。樹脂フィルム層38としては、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルムなどを挙げることができる。中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルム、アクリルフィルムが好ましい。特にポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム又はアクリルフィルムを用いることが好ましい。樹脂フィルム層38は、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
樹脂フィルム層38は、反射層36よりも光入射側から遠い位置にあるため、紫外線が樹脂フィルム層38に到達し難い。特に、樹脂フィルム層38よりも光入射側にあるアクリル層32に紫外線吸収剤を含有させる場合は、紫外線が、より樹脂フィルム層38に到達し難い。従って、樹脂フィルム層38は、紫外線に対して劣化し易い樹脂であっても用いることができる。つまり、樹脂フィルム層38として、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルムを用いることが可能である。樹脂フィルム層38の厚さは、樹脂の種類及び目的等に応じて適切な厚さにすることが好ましい。樹脂フィルム層38の厚さは、例えば、10〜250μmとすることができる。
(粘着層)
粘着層39は、当該粘着層39によって多層反射フィルム3を基板2に貼り付けて、本実施形態に係る反射体1を形成する役割を担う。粘着層39の構成としては、例えば、ドライラミネート剤、ウエットラミネート剤、粘着剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤などとすることができるが、これらに限定されるものではない。粘着剤としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂(例えば、付加反応型シリコーン系粘着剤など)、ニトリルゴム、シリコーン系ゴムなどが用いられる。また、粘着層39には、白金系触媒等の硬化促進剤が含まれていてもよい。粘着層39の作製方法としては、例えば、ラミネート法(例えば、樹脂フィルム層38上及び剥離層4に用いるフィルム上に粘着剤組成物を塗布し、加熱して粘着層39を形成し、粘着層39を介して樹脂フィルム層38と剥離層4をラミネートして貼り合せることで、粘着層39を作製する方法)など従来公知の方法を適用することができる。ラミネート法は、例えば、ロール式で連続的に行うのが経済性及び生産性の点から好ましいがこれに限定されるものではない。また、粘着層39の厚さは、粘着効果、乾燥速度等の観点から、通常1〜100μm程度の範囲であるのが好ましい。
多層反射フィルム3の基本的な構成は以上のとおりである。以上に説明した各層は互いに隣接していてもよいし、各層の間に他の層を設けていてもよい。多層反射フィルム3の構成は、図4に示すようにすることもできる。
図4に示すように、多層反射フィルム3は、光入射側から、例えば、クリアハードコート層31、アクリル層32、接着層33、ガスバリア層34、樹脂コート層35、反射層36、アンカー層37、樹脂フィルム層38、粘着層39及び剥離層4を有している。なお、これらの層のうち、アクリル層32、接着層33、反射層36、樹脂フィルム層38及び粘着層39については前述したとおりであるので詳細な説明を省略する。以下ではクリアハードコート層31、ガスバリア層34、樹脂コート層35、アンカー層37、及び剥離層4について説明する。
(クリアハードコート層)
クリアハードコート層31は、多層反射フィルム3の表層に設けられ、多層反射フィルム3の表面に傷が付いたり、汚れが付着したりするのを防止する役割を担う。クリアハードコート層31は光入射側から最外層(最表層)、2層目、又は3層目のいずれかであるのが好ましい。クリアハードコート層31の厚みは、十分な耐傷性を得つつ、多層反射フィルム3に反りが発生するのを防止する観点から、0.05〜10μmとするのが好ましい。
クリアハードコート層31を形成する材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂などが挙げられる。なお、クリアハードコート層31は、透明性、耐候性、硬度、機械的強度等が得られるものであればどのようなものも用いることができ、これらに限定されるものではない。クリアハードコート層31は、特に、硬度と耐久性などの点でシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂で形成するのが好ましい。クリアハードコート層31の作製方法としては、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法などが挙げられる。
クリアハードコート層31は無機物で形成することもできる。無機物のクリアハードコート層31を形成する材料としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化ランタン、窒化ランタンなどが挙げられる。なお、一般的に、酸化ケイ素や窒化ケイ素などを用いたシリコン系クリアハードコート層は耐候性等に優れている反面、封止材との密着性が低く、長期利用に耐えることができないという問題がある。また、本発明との関係でいえば、封止材が剥がれた後、多層反射フィルム3の端面3bに層間剥離が発生し易いという問題がある。しかしながら、本実施形態においては封止材を用いず、粘着層39同士を固着させているので、クリアハードコート層31としてシリコン系クリアハードコート層を用いた場合であっても、多層反射フィルム3の端面3bに層間剥離が発生し難くすることができる。無機物のクリアハードコート層31は、例えば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などで形成することができる。
多層反射フィルム3の最表面層に設けられるクリアハードコート層31は密な架橋構造を形成する場合がある。そのため、多層反射フィルム3が反り曲がることや、屈曲性がないためにクラックが入り易いことがあり、取り扱いが困難になる。従って、前記した材料で形成したクリアハードコート層31は、屈曲性があり、反りが生じないことが好ましい。これは例えば、クリアハードコート層31の組成中における無機物の量を調整するなどして、柔軟性と平面性とを得られるように設計することで具現できる。
さらに、このクリアハードコート層31には、紫外線吸収剤や酸化防止剤、光安定剤を含有させることもできる。紫外線吸収剤や酸化防止剤、光安定剤は、アクリル層32に添加可能なものと同じものを用いることができる。また、これらの添加量もこれと同様とすることができる。
(ガスバリア層)
ガスバリア層34は、湿度の変動、特に高湿度による樹脂フィルム層38及び樹脂フィルム層38に支持される各構成層等の劣化を防止する役割を担うが、これ以外の特別の機能・用途を持たせたものであってもよい。ガスバリア層34は、前記したとおり、各層の劣化防止機能を有すればよく、種々の態様のガスバリア層34を設けることができる。そのようなガスバリア層34の詳細については、例えば、国際公開第2011/096151号パンフレットの段落[0044]〜[0096]を適用することができる。
なお、ガスバリア層34は、反射層36よりも光入射側に設けるのが好ましい。例えば、アクリル層32と反射層36の間にガスバリア層34を設けるのが好ましい。具体的には、図4に示すように、接着層33と樹脂コート層35の間にガスバリア層34を設けるのがより好ましい。
(樹脂コート層)
樹脂コート層35は、空気中の水分や化学物質などの反射層36への侵入を防止する役割を担う。特に、反射層36として金属反射層を用いている場合、金属反射層の金属材料(例えば、銀)の腐食を防止する役割を担う。また、樹脂コート層35は、外部からの機械的な圧力、例えば衝撃や引っ掻き等から保護する役割も担う。そのため、樹脂コート層35は、アクリル層32と反射層36の間に設けるのが好ましい。樹脂コート層35が反射層36に隣接しており、反射層36として金属反射層を用いている場合、樹脂コート層35が金属の腐食を防止するよう、樹脂コート層35が金属反射層の金属と同種の金属の腐食防止剤を含有していることが好ましい。但し、前記目的を達成し得る範囲内であれば、金属反射層から離して(隣接することなく)設けてもよく、そうした場合にも金属の腐食防止剤を含有していることが好ましい。
樹脂コート層35は、1層のみからなっていてもよいし、複数層からなっていてもよい。樹脂コート層35の厚さは1〜10μmとするのが好ましい。樹脂コート層35の厚さが1μm以上であれば、空気中の水分や化学物質などの反射層36への侵入を防止することができ、更には外部からの機械的な圧力などから保護することができる。樹脂コート層35の厚さが10μm以下であれば、フレキシブル性を十分に維持することができるため、クラックや割れを効果的に防止することができる。
樹脂コート層35は、屋外環境下で長期にわたって設置しても反射層36との高い膜密着性を保つことができ、前記した役割を果たすことができるように、主にバインダー(樹脂)で構成するのが好ましい。
樹脂コート層35のバインダーとしては、例えば、セルロースエステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン系、ポリカーボネート、ノルボルネン系、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂などを挙げることができる。中でも、アクリル樹脂が好ましい。
(アンカー層)
アンカー層37は、樹脂フィルム層38と、反射層36と、を密着させる役割を担う。従って、アンカー層37は、樹脂フィルム層38と、反射層36と、を密着させる密着性、及び反射層36(特に金属反射層)を真空蒸着法等で形成するときの熱にも耐え得る耐熱性、及び反射層36が本来有する高い反射性能を引き出すための平滑性が必要である。
アンカー層37は樹脂からなる。アンカー層37を形成する樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等を単独又はこれらを混合したものを挙げることができる。アンカー層37は、耐候性の点からポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂又はポリエステル系樹脂とアクリル系樹脂の混合樹脂が好ましく、さらにイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂がより好ましい。なお、アンカー層37を形成する樹脂は、前記した密着性、耐熱性及び平滑性の条件を満足するものであればこれらに限定されることなく、どのようなものも用いることができる。
アンカー層37の厚さは0.01〜3μmとするのが好ましい。アンカー層37の厚さをこの範囲とすれば、密着性を保ちつつ、樹脂フィルム層38表面の凹凸を覆い隠すことができ、平滑性を良好にでき、さらに、アンカー層37の硬化も十分に行える。その結果、多層反射フィルム3の反射率を高めることが可能となる。なお、アンカー層37は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法などにより形成することができる。
なお、反射層36として金属反射層を用いる場合、アンカー層37には金属反射層の金属の腐食を防止する腐食防止剤を含有させるのが好ましい。腐食防止剤としては、例えば、シリコーン変性樹脂、シランカップリング剤、チオール基を複数含有する化合物などを挙げることができる。金属反射層の金属として銀を用いる場合は特に、例えば、アミン類及びその誘導体、ピロール環を有する化合物、トリアゾール環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、チアゾール環を有する化合物、イミダゾール環を有する化合物、インダゾール環を有する化合物、銅キレート化合物類、チオ尿素類、メルカプト基を有する化合物、ナフタレン系の少なくとも一種又はこれらの混合物を用いることができる。
アミン類及びその誘導体としては、例えば、エチルアミン、ラウリルアミン、トリ−n−ブチルアミンなどを挙げることができる。
ピロール環を有する化合物としては、例えば、N−ブチル−2,5−ジメチルピロール、N−フェニル−2,5ジメチルピロール、N−フェニル−3−ホルミル−2,5−ジメチルピロールなどを挙げることができる。
トリアゾール環を有する化合物としては、例えば、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールなどを挙げることができる。
ピラゾール環を有する化合物としては、例えば、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾロンなどを挙げることができる。
チアゾール環を有する化合物としては、例えば、チアゾール、チアゾリン、チアゾロンなどを挙げることができる。
イミダゾール環を有する化合物としては、例えば、イミダゾール、ヒスチジン、2−ヘプタデシルイミダゾールなどを挙げることができる。
インダゾール環を有する化合物としては、例えば、4−クロロインダゾール、4−ニトロインダゾール、5−ニトロインダゾールなどを挙げることができる。
銅キレート化合物類としては、例えば、アセチルアセトン銅、エチレンジアミン銅、フタロシアニン銅などを挙げることができる。
チオ尿素類としては、例えば、チオ尿素、グアニルチオ尿素などを挙げることができる。
メルカプト基を有する化合物としては、例えば、メルカプト酢酸、チオフェノール、1,2−エタンジオールなどを挙げることができる。
ナフタレン系としては、例えば、チオナリドなどを挙げることができる。
(剥離層)
剥離層4は、多層反射フィルム3の粘着層39を基板2に固着させるまで当該粘着層39に貼り付けておくことで当該粘着層39を保護する役割を担う。つまり、粘着層39が基板2以外のものに貼り付かないようにする役割を担っている。剥離層4は、多層反射フィルム3を基板2に貼り付ける直前に粘着層39から剥離するとよい。
剥離層4としては、例えば、アクリルフィルム又はシート、ポリカーボネートフィルム又はシート、ポリアリレートフィルム又はシート、ポリエチレンナフタレートフィルム又はシート、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はシート、フッ素フィルムなどのプラスチックフィルム又はシートを用いることができる。また、剥離層4として、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミニウム粉、銅粉などを練り込んだ樹脂フィルム又はシート、これらを練り込んだ樹脂をコーティングした樹脂フィルム又はシート、アルミニウムなどの金属を金属蒸着などで表面加工した樹脂フィルム又はシートを用いることができる。なお、剥離層4は粘着層39を保護できるものであればよく、これら以外のものを用いることも可能である。剥離層4の厚さは、特に制限はないが、12〜250μmの範囲であることが好ましい。
〔反射体の製造方法〕
次に、図5を参照して反射体の製造方法について説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る反射体の製造方法を説明するフローチャートである。
図5に示すように、本実施形態に係る反射体1の製造方法は、固着工程S1と、屈曲工程S2と、を含み、これらの工程をこの順で行う。
(固着工程)
固着工程S1は、基板2に固着させる粘着層39及び光を反射する反射層36を備え、基板2よりも大きな面積を有する多層反射フィルム3を、当該粘着層39を介して基板2に固着する工程である。
なお、多層反射フィルム3は、少なくとも、アクリル層32、接着層33、前記した反射層36、樹脂フィルム層38、粘着層39を有しているのが好ましいが、その理由等については既に説明しているので、ここでの説明は省略する。また、アクリル層32の上にクリアハードコート層31を設けるのが好ましいが、その理由等についても既に説明しているので、ここでの説明は省略する。
また、多層反射フィルム3の粘着層39に剥離層4を設けている場合は、固着工程S1を行う際又は直前に剥離層4を粘着層39から剥離するのが好ましい。
剥離層4の剥離及び基板2と多層反射フィルム3の固着は、手作業で行うこともできるが、例えば、ロールラミネーターなどを用いると、迅速且つ正確に固着作業を行うことができるので好ましい。
(屈曲工程)
屈曲工程S2は、多層反射フィルム3を基板2に固着した際に基板2から延出した延出部3aの一部を粘着層39側に1回以上屈曲させ、粘着層39同士を固着させる工程である。
屈曲工程S2では、図1及び図2を参照して説明したように、粘着層39同士の固着を面にて行うのが好ましい。また、図1及び図2を参照して説明したように、延出部3aの一部を粘着層39側に2回以上屈曲させ、屈曲させた反射層36を粘着層39に固着させるのが好ましく、屈曲させた多層反射フィルム3の端面3bを基板2の側面に当接させるのが好ましい。さらに、多層反射フィルム3は、少なくとも、アクリル層32、接着層33、反射層36、樹脂フィルム層38、粘着層39を有しているのが好ましく、アクリル層32の上にクリアハードコート層31を設けるのがより好ましい。これらの好ましい態様については図1から図4を参照して既に説明しているので、ここでの詳細な説明は省略する。
多層粘着フィルムの延出部3aを屈曲させる作業は手作業で行うこともできるが、例えば、ベンドローラーなどを用いると、迅速且つ正確に延出部3aの一部を屈曲させ、粘着層39同士を固着させることができるので好ましい。
以下、本発明所望の効果を奏する実施例とそうでない比較例を示して、本発明の内容についてより具体的に説明する。
(多層反射フィルムの作製)
比較検討を行うため、以下のようにして多層反射フィルムを作製した(図3及び図4参照)。
まず、ポリエステル樹脂(ポリエスター SP−181 日本合成化学工業株式会社製)、メラミン樹脂(スーパーベッカミンJ−820 DIC株式会社製)、TDI系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)、HDMI系イソシアネート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート)を樹脂固形分比率20:1:1:2(質量比)で、固形分濃度10質量%となるようにトルエン中に混合した樹脂を作製した。そして、この樹脂を樹脂フィルム層38の片面に、グラビアコート法によりコーティングし、厚さ0.1μmのアンカー層37を形成した。なお、樹脂フィルム層38として、二軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ25μm)を用いた。
次いで、このアンカー層37上に、反射層36として、真空蒸着法により厚さ100nmの銀からなる銀反射層を形成した。さらに、この銀反射層上にポリエステル系樹脂とTDI(トリレンジイソシアネート)系イソシアネートを樹脂固形分比率で10:2(質量比)に混合した樹脂をグラビアコート法によりコーティングし、厚さ3.0μmの樹脂コート層35を形成した。
次に、この樹脂コート層35上に、ドライラミネーションプロセスにより、接着層33と、アクリル層32として透明アクリルフィルム(三菱レイヨン株式会社製アクリプレンHBS010P 厚さ100μm)をラミネート温度60℃にて貼合し、重層フィルム(図4において図示せず。以下同じ。)を作製した。
また、アクリル系粘着剤(東洋インキ社製、商品名「NCK101」、酸価;0mgKOH/g、Tg:−20℃)を70質量部と、架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートHL」)を0.81質量部と、を添加し、ミキサーで10分攪拌して溶解させ、溶液とした。そして、シリコーンをPETフィルムに積層して形成した剥離層4上に、アプリケーターを用いてこの溶液をドライで25μmとなるように塗布し、100℃のオーブンで5分間乾燥させて粘着層39付き剥離層4を作製した。
次いで、前記した重層フィルムと、粘着層39付き剥離層4と、をラミネーターで貼り合せ、多層反射フィルム3を作製した。
なお、前記した接着層33の形成方法は以下のとおりである。まず、ポリエステル樹脂(ポリエスターSP−181、日本合成化学工業株式会社製)、メラミン樹脂(スーパーベッカミンJ−820、DIC株式会社製)、TDI系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)、HDMI系イソシアネート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート)を樹脂固形分比率20:1:1:2(質量比)で、固形分濃度10質量%となるようにトルエン中に混合した樹脂を作製した。そして、この樹脂を樹脂コート層35上にグラビアコート法によりコーティングして厚さ8μmの接着層34を形成した。
(反射体の作製)
クリーン環境下、ロールラミネーターを用いて多層反射フィルム3から剥離層4を剥がして粘着層39を露出させつつ、0.5mm厚のアルミニウム製の基板2(図1及び図2参照)に貼付し、固着させた。フィルム幅は基板2より5mm以上広いものを用いた。多層反射フィルム3の延出部3a(端面3bを含む)又は端部(端面を含む)を下記封止No.1〜6のようにして封止し、実施例1〜3及び比較例1〜4に係る反射体を作製した。なお、これらの反射体の多層反射フィルム3の厚みはいずれも80〜300μmであった。
(a)封止No.1は、図1に示すように、粘着層39を備えた多層反射フィルム3を基板2に固着した際に基板2から延出した延出部3aをベンドローラーで2回屈曲させた。
(b)封止No.2は、図2に示すように、粘着層39を備えた多層反射フィルム3を基板2に固着した際に基板2から延出した延出部3aをベンドローラーで1回屈曲させた。なお、多層反射フィルム3の端面3bを基板2の側面に当接させた。
(c)封止No.3は、図6に示すように、粘着層39を備えた多層反射フィルム3を基板2に固着した際に基板2から延出した延出部3aを赤外ヒーターで60℃に加熱し、ベンドローラーで曲率2cm以上になるよう屈曲させ、基板2の裏面に圧着した。ハンドガンを用いて基板2の裏面のフィルム3の端部3cにシーリング材5である3M社製SCOTCH WELD DP−810NSを塗布し、封止した。
(d)封止No.4は、図7に示すように、粘着層39を備えた多層反射フィルム3を基板2に固着し、NTカッターにて基板2表面の内側1cmの部分で当該フィルム3を切断し、外側となる部分を剥がした。そして、ハンドガンを用いて、基板2の表面に形成された多層反射フィルム3の端部3cにシーリング材5である3M社製SCOTCH WELD DP−810NSを塗布し、封止した。
(e)封止No.5は、図8に示すように、粘着層39を備えた多層反射フィルム3を基板2に固着し、当該多層反射フィルム3を基板2から0.3mm延出するようにNTカッターで切断し、切断した多層反射フィルム3の延出部3aをベンドローラーで曲げて基板2の側面に圧着した。
(f)封止No.6は、図9に示すように、粘着層39を備えた多層反射フィルム3を基板2に固着し、基板2の端部3cに沿うようにNTカッターにて当該フィルム3を切断し、外側となる部分を剥がした。そして、多層反射フィルム3の端部3cから1cmの部分をヒートガンで60℃に加熱しながらプレス機でプレスし、粘着層39を変形させ、多層反射フィルム3の端面を覆った。
(1)実施例1に係る反射体1は、粘着層39を備えた多層反射フィルム3の延出部3aを前記封止No.1にて封止した(図1参照)。
(2)実施例2に係る反射体1は、粘着層39を備えた多層反射フィルム3のアクリル層32の上にクリアハードコート層31を形成し、多層反射フィルム3の延出部3aを前記封止No.1にて封止した(図1参照)。なお、クリアハードコート層31は下記のようにして形成した。
(3)実施例3に係る反射体1は、粘着層39を備えた多層反射フィルム3の延出部3aを前記封止No.2にて封止した(図2参照)。
(クリアハードコート層の形成)
ジブチルエーテル中の3%パーヒドロポリシラザン液(AZエレクトリックマテリアル社製 NL120)を用いて、アクリル層32の上に乾燥後の厚さが500nmとなるようにバーコーティングした。そして、3分間自然乾燥した後、90℃のオーブンで30分間アニールし、シリコン系のクリアハードコート層31を形成した。
(4)比較例1に係る反射体11は、粘着層39を備えた多層反射フィルム3の延出部3aを前記封止No.3にて封止した(図6参照)。
(5)比較例2に係る反射体12は、粘着層39を備えた多層反射フィルム3の端部3cを前記封止No.4にて封止した(図7参照)。
(6)比較例3に係る反射体13は、粘着層39を備えた多層反射フィルム3の延出部3aを前記封止No.5にて封止した(図8参照)。
(7)比較例4に係る反射体14は、粘着層39を備えた多層反射フィルム3の端部3cを前記封止No.6にて封止した(図9参照)。
そして、作製した実施例1〜3及び比較例1〜4に係る反射体について、封止した部分の剥離、層間剥離、及び反射面積への影響を評価した。これらの評価は以下のようにして行った。評価結果を後記する表1に示す。
(封止した部分の剥離)
封止した部分の剥離は、実施例1〜3及び比較例1〜4に係る反射体をそれぞれサーマルショック装置に入れ、−30℃30分間、100℃30分間を1サイクルとし、これを100サイクル行った後、多層反射フィルムの延出部又は端部を観察し、下記5〜1に示した基準に基づいて評価した。
(封止した部分の剥離の評価基準)
5・・・多層反射フィルムの外周100%の部分に剥離部分なし。
4・・・多層反射フィルムの外周80〜99%の部分に剥離部分なし。
3・・・多層反射フィルムの外周40〜79%の部分に剥離部分なし。
2・・・多層反射フィルムの外周0〜39%の部分に剥離部分なし。
1・・・完全に剥離して脱落している。
(層間剥離)
層間剥離は、実施例1〜3及び比較例1〜4に係る反射体をそれぞれヒートサイクル装置に入れ、−30℃30分間、100℃30分間を1サイクルとし、これを1000サイクル実施した後における多糖反射フィルムの端面を観察し、下記5〜1に示した基準に基づいて評価した。
(層間剥離の評価基準)
5・・・多層反射フィルムの外周100%の部分に層間剥離なし。
4・・・多層反射フィルムの外周80〜99%の部分に層間剥離なし。
3・・・多層反射フィルムの外周40〜79%の部分に層間剥離なし。
2・・・多層反射フィルムの外周0〜39%の部分に層間剥離なし。
1・・・完全に剥離して脱落している。
(反射面積への影響)
反射面積への影響は、封止加工後の反射面全面の反射率をコニカミノルタ製グロスメーターGM−268で測定して、正反射率が90%以上となっている面積の割合を求め、下記5〜1に示した基準に基づいて評価した。
(反射面積への影響の評価基準)
5・・・100%
4・・・95〜99%
3・・・90〜94%
2・・・80〜89%
1・・・80%未満
Figure 2015087625
表1に示すように、実施例1〜3に係る反射体は、本発明の要件を満たすため、封止した部分の剥離、層間剥離、及び反射面積への影響の各評価が優れていた。
これに対し、比較例1〜4に係る反射体は、本発明の要件を満たしていなかったので、封止した部分の剥離、層間剥離、及び反射面積への影響のうちの少なくとも一つの評価が劣っていた。
具体的には、比較例1に係る反射体11は、シーリング材5を用いて基板2の裏面で多層反射フィルム3の延出部3aを封止していた。そのため、多層反射フィルム3とシーリング材5との間、及びシーリング材5と基板2との間に応力が集中し、シーリング材5が剥離した。
比較例2に係る反射体12は、シーリング材5を用いて基板2の表面で多層反射フィルム3の端部3cを封止していた。そのため、比較例1と同様、多層反射フィルム3とシーリング材5との間、及びシーリング材5と基板2との間に応力が集中し、シーリング材5が剥離した。また、シーリング材5が剥離した部分に層間剥離も生じた。さらに、基板2の表面でシーリング材5にて封止していたため、反射面積への影響が大きかった。
比較例3に係る反射体13は、延出部3aを屈曲させたものの、粘着層同士が固着しておらず、その端面が露出していたので、多層反射フィルム3の端面の保護が十分とは言えず、層間剥離が生じていた。
比較例4に係る反射体14は、多層反射フィルム3の端部3cから1cmの部分をヒートガンで60℃に加熱しながらプレス機でプレスしただけであったため、多層反射フィルム3の端面の保護が十分とは言えず、層間剥離の生じている箇所があった。また、基板2の表面で多層反射フィルム3をプレスしているため、反射面積への影響もあった。
1 反射体
2 基板
3 多層反射フィルム
36 反射層
39 粘着層
3a 延出部

Claims (16)

  1. 基板と、
    前記基板に固着させる粘着層及び光を反射する反射層を備え、前記基板よりも大きな面積を有する多層反射フィルムと、を有し、
    前記多層反射フィルムを前記基板に固着した際に前記基板から延出する延出部の一部を前記粘着層側に1回以上屈曲させ、前記粘着層同士を固着させている
    ことを特徴とする反射体。
  2. 前記粘着層同士の固着が面にて行われていることを特徴とする請求項1に記載の反射体。
  3. 前記延出部の一部を前記粘着層側に2回以上屈曲させ、屈曲させた前記反射層を前記粘着層に固着させたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の反射体。
  4. 屈曲させた前記多層反射フィルムの端面を前記基板の側面に当接させたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の反射体。
  5. 前記多層反射フィルムが、少なくとも、アクリル層、接着層、前記反射層、樹脂フィルム層、前記粘着層を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射体。
  6. 前記反射層が金属反射層又は誘電体多層膜であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射体。
  7. 前記多層反射フィルムの光入射側にクリアハードコート層を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の反射体。
  8. 前記クリアハードコート層がシリコン系クリアハードコート層であることを特徴とする請求項7に記載の反射体。
  9. 基板に固着させる粘着層及び光を反射する反射層を備え、前記基板よりも大きな面積を有する多層反射フィルムを、当該粘着層を介して基板に固着する固着工程と、
    前記多層反射フィルムを前記基板に固着した際に前記基板から延出した延出部の一部を前記粘着層側に1回以上屈曲させ、前記粘着層同士を固着させる屈曲工程と、
    を含むことを特徴とする反射体の製造方法。
  10. 前記粘着層同士の固着を面にて行うことを特徴とする請求項9に記載の反射体の製造方法。
  11. 前記屈曲工程にて前記延出部の一部を前記粘着層側に2回以上屈曲させ、屈曲させた前記反射層を前記粘着層に固着させることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の反射体の製造方法。
  12. 前記屈曲工程にて屈曲させた前記多層反射フィルムの端面を前記基板の側面に当接させることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の反射体の製造方法。
  13. 前記多層反射フィルムが、少なくとも、アクリル層、接着層、前記反射層、樹脂フィルム層、前記粘着層を有していることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の反射体の製造方法。
  14. 前記反射層が金属反射層又は誘電体多層膜であることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の反射体。
  15. 前記多層反射フィルムの光入射側にクリアハードコート層を設けることを特徴とする請求項9〜14のいずれか1項に記載の反射体の製造方法。
  16. 前記クリアハードコート層がシリコン系クリアハードコート層であることを特徴とする請求項15に記載の反射体。
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