JP2016170279A - 光反射フィルムならびにこれを有する光反射体および太陽光反射装置 - Google Patents

光反射フィルムならびにこれを有する光反射体および太陽光反射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明によれば、経時での反射率低下が抑制され、かつ耐傷性に優れる光反射フィルムを提供する。
【解決手段】ハードコート層と、紫外線吸収層と、樹脂基材と、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層と、反射層とが、この順に配置され、かつ前記樹脂層および前記反射層が隣接して配置される、光反射フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、光反射フィルムならびにこれを有する光反射体および太陽光反射装置に関する。より詳細には、本発明は、光反射フィルムの経時での反射率低下を抑制し、かつ耐傷性を向上させるための技術に関する。
近年、化石燃料の代替エネルギーとして、太陽光、風力、地熱などの自然エネルギーを利用した発電技術の開発が行われている。なかでも、太陽光は、安定性およびエネルギー量の豊富さから特に注目されている。
一方で、太陽光は、エネルギー密度が低く、エネルギーとしての貯蔵および移送が困難であるという性質を有する。そこで、現在、太陽光を電気エネルギーへと変換する技術(太陽熱発電、太陽電池)の研究・開発が盛んに行われている。
太陽熱発電は、太陽光を集光して熱源として利用する発電方式である。太陽熱発電は、太陽電池と比較して、蓄熱により昼夜を問わず発電が可能であることや、製造・保守のコストが低いという長所を有し、長期的視野で見れば、太陽電池よりも発電効率が高いと考えられている。そこで、年間を通して日照条件の良好な砂漠地帯に太陽熱発電施設を建設する計画が進められている。
太陽熱発電では、太陽光を光反射体(鏡)により反射させて一か所に集光する集光装置(太陽光反射装置)が用いられる。当該光反射体は、太陽光による紫外線や熱、風雨、砂嵐などに晒されるため、耐久性の観点から、従来はガラス製光反射体が用いられてきた。しかしながら、ガラス製光反射体は、重い、体積が大きい、輸送時コストがかかる、設置が困難、破損しやすいなどの問題点を有していた。
上記問題を解決するために、銀などの金属反射層を含む樹脂製光反射フィルムを、支持基材に貼付した光反射体が提案されている。たとえば、特許文献1には、銀反射層と、銀反射層の上に置かれるポリマフィルムと、ポリマフィルムの上に配置される接着剤層と、接着剤層の上に置かれるUV遮蔽アクリルフィルムと、銀反射層の下に配置される感圧接着剤層と、を備える太陽光反射鏡に用いられる銀鏡構造が開示されている。そして、かような銀鏡構造によると、ポリマフィルムの紫外線による劣化を抑制するとともに、銀層の光入射側の面を、紫外線による銀層の劣化の原因となる粘着剤層と離れて配置させて銀層の劣化を抑制することで、光学的耐久性および屋外耐候性が改善できる、としている。
特表2009−520174号公報
しかしながら、特許文献1に記載の銀鏡構造等の従来の光反射フィルムは、紫外線による反射層の劣化に対する抑制効果が十分でないことによる経時での反射率低下、および最外層の耐傷性が十分でないことによる表面の傷に起因する反射率の低下が課題となっていた。
そこで、本発明は、経時での反射率低下が抑制され、かつ耐傷性に優れる光反射フィルムを提供することを目的とする。
本発明の課題は、以下の構成により解決される。
すなわち、本発明によれば、ハードコート層と、紫外線吸収層と、樹脂基材と、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層と、反射層とが、この順に積層され、かつ前記樹脂層および前記反射層が隣接して配置される、光反射フィルムが提供される。
本発明によれば、経時での反射率低下が抑制され、かつ耐傷性に優れる光反射フィルムが提供される。
本発明の光反射フィルムの構成の実施形態の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
さらに、本明細書において、化合物の具体名における表記「(メタ)アクリル」は「アクリル」および「メタクリル」を、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」および「メタクリレート」を表す。また、「アクリル樹脂」とは、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの(共)重合体を意味する。
<光反射フィルム>
本発明の一形態は、ハードコート層と、紫外線吸収層と、樹脂基材と、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層と、反射層とが、この順に配置され、かつ前記樹脂層および前記反射層が隣接して配置される、光反射フィルムに関するものである。かような構成を有する本発明の一形態に係る光反射フィルムによれば、経時での反射率低下を抑制することができ、かつ光反射フィルムの耐傷性を向上させることができる。
本発明者らは、従来の光反射フィルムにおける経時での反射率低下は、紫外線によって、反射層に隣接して配置される層や樹脂基材が劣化することに起因して劣化するものと考えた。本発明者らは、反射層に隣接して配置される層や樹脂基材が劣化は、以下のように生じると推定している。すなわち、反射層形成成分には酸化されやすいものも存在するため、反射層上に保護層を設ける場合もありうるが、この場合は、紫外線によって保護層が劣化することで発生した成分は、保護層と反射層との界面に移動する。また、反射層と他の層との密着性改良のため、反射層上に接着層を設ける場合もありうるが、この場合は、紫外線によって接着層が劣化することで発生した成分は、接着層と反射層との界面に移動する。さらに、反射層の紫外線劣化を抑止するため、反射層上に紫外線吸収層を設ける場合もありうるが、この場合は、紫外線によって紫外線吸収層が劣化することで発生した成分や、層に含まれる紫外線吸収剤は、紫外線吸収層と反射層との界面に移動する。そして、上記のように反射層上に配置された保護層、接着層または紫外線吸収層等の層の劣化により発生した成分や、層に含まれる紫外線吸収剤が、反射層形成成分と反応することで反射層表面が酸化等され、反射層の反射率が低下する。なお、かような保護層、接着層または紫外線吸収層等の層の劣化および反射層表面における反応は、高温環境下において特に顕著に発生すると考えられる。そこで、かような層劣化に起因する反応抑制のために、上記のような保護層、接着層または紫外線吸収層等の層と反射層とを隣接して配置せず、これらの層の間に樹脂基材を配置する構成とすることが考えられる。しかしながら、かような構成は反射率低下の抑制効果は確認できるものの、その効果は十分ではないことがわかった。この理由としては、保護層、接着層または紫外線吸収層等の層の劣化により発生および/または移動する成分は、樹脂基材の存在によって、反射層へ移動することは阻まれるが、紫外線によって樹脂基材自体が劣化し、樹脂基材が劣化することで発生した成分や、樹脂基材に含まれる紫外線吸収剤は、樹脂基材と反射層との界面に移動する。そして、樹脂基材が劣化することで発生した成分や、樹脂基材に含まれる紫外線吸収剤が反射層形成成分と反応することで、反射層が酸化等され、反射層の反射率が低下するものと考えられる。
そこで、本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討を進めた。その結果、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層と、反射層とが隣接して配置された構成によって、驚くべきことに、反射層の反射率が低下を抑制できることを見出した。本発明者らは、かような構成により、反射層の反射率低下抑制効果が得られるメカニズムを以下のように推定している。すなわち、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂は反射層表面に化学的に吸着して反射層表面を保護するため、樹脂基材が劣化することで発生した成分や、樹脂基材に含まれる紫外線吸収剤は、反射層形成成分と反応することが妨げられる。これより、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層と、反射層が隣接して配置された構成は、反射層の反射率が低下を抑制する。
本発明者らは、さらなる検討の結果、紫外線吸収層、および樹脂基材をこの順に、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層および反射層が隣接して配置された構成よりもフィルムの表面側に設けることで、さらなる反射率低下の抑制効果が得られることを見出した。本発明者らは、かような構成により、反射層の反射率低下抑制効果が得られるメカニズムを以下のように推定している。すなわち、かような構成により、紫外線吸収層、樹脂基材、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層がそれぞれ有する反射率低下抑制効果が両立して得られるともに、従来、紫外線吸収層、樹脂基材がそれぞれ有していた課題の解決をも両立できるからである。また、反射層よりも樹脂基材を表面側に配置することにより、紫外線劣化に起因する樹脂基材に隣接する層の変形を抑止することで、反射層の変形による反射率低下を抑止する効果も得られると考えている。
さらに、本発明者らは、風雨、砂嵐などの影響による、または清掃時の表面の傷によって生じる反射率低下も抑制するため、表面にハードコート層を配置することで、過酷な使用環境における耐久性に極めて優れ、メンテナンス性も良好な手段を提供しうることを見出し、本発明を完成させた。
なお、上記メカニズムは推測に基づくものであり、その正誤が本発明の技術的範囲に影響を及ぼすものではない。
以下、本形態の光反射フィルム全体の構成について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本発明の一実施形態に係る光反射フィルムを表す概略断面図である。図1の光反射フィルム10は、ハードコート層11、紫外線吸収層12、樹脂基材13、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層14、および反射層15がこの順で積層されてなる。ここで、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層14および反射層15は隣接して配置される。また、本発明の他の実施形態として、隣接して配置される含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層14および反射層15の層間以外の任意の位置に、上記以外の機能層や基材が配置されたものであってもよい。
本発明の光反射フィルム全体の厚さは、特に制限されないが、撓み防止、正反射率、取り扱い性等の観点から20〜300μmが好ましく、より好ましくは30〜200μm、更に好ましくは50〜170μmである。また、光反射フィルムの最表面にハードコート層が配置され、そのハードコート層の中心線平均粗さ(Ra)が、3nm以上20nm以下であることが、反射光の散乱を防止でき集光効率を高めるという観点から好ましい。
以下、本形態の光反射フィルムの各構成要素について、詳細に説明する。
[含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層]
本発明の光反射フィルムは、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層を、樹脂基材および反射層の間に必須に含む。また、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層は、反射層と隣接して配置されることを必須とする。
含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層は、樹脂基材および反射層の間に、反射層と隣接して配置されることにより、光反射フィルムの経時での反射率の低下を抑制できる。この効果は、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂が反射層表面に化学的に吸着して反射層表面を保護するため、樹脂基材が劣化することで発生した成分や、樹脂基材に含まれる紫外線吸収剤が、反射層形成成分と反応することを妨げることから得られると推測している。
なお、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂は、含窒素複素環構造を主鎖に有している構造を有していればよく、含窒素複素環構造の由来は特に制限されない。たとえば、含窒素複素環式化合物が重合されることにより樹脂の主鎖に導入されてもよいし、含窒素複素環式化合物以外の化合物が重合されることにより、含窒素複素環構造を形成して樹脂の主鎖に導入されてもよい。また、含窒素複素環式化合物が重合されることにより樹脂の主鎖に導入される場合、元の含窒素複素環式化合物が有する構造とは異なる含窒素複素環構造となっていてもよい。
含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂における含窒素複素環構造は、特に制限されないが、たとえば、トリアジン環を有する構造、ピロール環を有する構造、トリアゾール環を有する構造、ピラゾール環を有する構造、チアゾール環を有する構造、イミダゾール環を有する構造、およびインダゾール環を有する構造、ポリイミド構造等を主鎖に有する樹脂が挙げられる。
従来の光反射フィルムでは、前述のように、紫外線吸収層に含まれる紫外線吸収剤が、反射層形成成分と反応することで反射層表面が酸化等され、反射層の反射率が低下すると推測される。ここで、紫外線吸収層に含まれうる紫外線吸収剤としては、トリアジン環を有する構造であるトリアジン系紫外線吸収剤、トリアゾール環を有する構造であるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等の含窒素複素環式化合物も含まれる。しかしながら、本発明者らは、驚くべきことに、トリアジン環を有する構造、およびトリアゾール環を有する構造等の含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含む樹脂層と反射層とを隣接して配置した場合は、経時での反射率低下を抑制しうることを見出した。ここで、含窒素複素環構造は反射層に対する吸着性を有し、窒素複素環構造が単量体として存在する場合は、窒素複素環構造は、反射層形成成分に対する反応性を有するため、反射層表面に吸着した後に、反射層形成成分と反応すると考えられる。一方、含窒素複素環構造が樹脂の主鎖として含まれる場合は、反射層形成成分に対する反応性を有さず、窒素複素環構造の吸着による反射層表面の保護効果のみが得られることで、反射層表面が安定化されると推測している。
含窒素複素環式化合物が重合されることにより樹脂の主鎖に導入される形態において、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂における含窒素複素環構造は、特に制限されないが、たとえば、トリアジン環を有する構造、ピロール環を有する構造、トリアゾール環を有する構造、ピラゾール環を有する構造、チアゾール環を有する構造、イミダゾール環を有する構造、およびインダゾール環を有する構造を主鎖に有する樹脂が挙げられる。
トリアジン環を有する構造としては、特に制限されないが、たとえば、メラミン、メチロールメラミン、または他のメラミン誘導体からなる残基が挙げられる。
ピロール環を有する構造としては、特に制限されないが、たとえば、N−ブチル−2,5−ジメチルピロール、N−フェニル−2,5−ジメチルピロール、N−フェニル−3−ホルミル−2,5−ジメチルピロール、N−フェニル−3,4−ジホルミル−2,5−ジメチルピロール等、またはこれらの誘導体からなる残基が挙げられる。
トリアゾール環を有する化合物としては、特に制限されないが、たとえば、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−ヒドロキシ−1,2,4−トリアゾール、3−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4−メチル−1,2,3−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4,5,6,7−テトラハイドロトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メチル−1,2,4−トリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等、またはこれらの誘導体からなる残基が挙げられる。
ピラゾール環を有する化合物としては、特に制限されないが、たとえば、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾロン、ピラゾリジン、ピラゾリドン、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ヒドロキシピラゾール、4−アミノピラゾール等、またはこれらの誘導体からなる残基が挙げられる。
チアゾール環を有する化合物としては、特に制限されないが、たとえば、チアゾール、チアゾリン、チアゾロン、チアゾリジン、チアゾリドン、イソチアゾール、ベンゾチアゾール、2−N,N−ジエチルチオベンゾチアゾール、P−ジメチルアミノベンザルロダニン、2−メルカプトベンゾチアゾール等、またはこれらの誘導体からなる残基が挙げられる。
イミダゾール環を有する化合物としては、特に制限されないが、たとえば、イミダゾール、ヒスチジン、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、4−フォルミルイミダゾール、2−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−フォルミルイミダゾール、4−メチル−5−フォルミルイミダゾール、2−エチル−4−メチル−5−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等、またはこれらの誘導体からなる残基が挙げられる。
インダゾール環を有する化合物としては、特に制限されないが、たとえば、4−クロロインダゾール、4−ニトロインダゾール、5−ニトロインダゾール、4−クロロ−5−ニトロインダゾール等、またはこれらの誘導体からなる残基が挙げられる。
これらの中でも、高反射率、経時での反射率低下抑制、および反射層との密着性の観点から、好ましくはトリアジン環を有する構造である。
また、トリアジン環を有する構造としては、高反射率、経時での反射率低下抑制、および反射層との密着性の観点から、好ましくはメラミン、メチロールメラミンおよび他のメラミン誘導体からなる残基であり、より好ましくはメラミン、メチロールメラミンからなる残基からなる残基であり、さらに好ましくはメチロールメラミンからなる残基である。
ここで、メラミン、メチロールメラミン、および他のメラミン誘導体からなる残基を有する樹脂としては、メラミン樹脂が好ましい。
なお、高反射率は、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂の透明性が良好であるために得られると考えらえる。また、さらなる経時での反射率低下抑制効果は、反射層への吸着性がさらに良好となるために得られると考えらえる。さらに、反射層との密着性のさらなる向上効果は、反射層との相互作用がより強く生じるために得られると考えられる。
含窒素複素環構造を有する残基を構成しうる含窒素複素環式化合物の構造としては、含窒素複素環式化合物が重合されることにより樹脂の主鎖に導入されるものであれば特に制限されないが、重合反応を容易に生じさせることができる官能基を有することが好ましい。かような官能基としては、特に制限されないが、たとえばヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、プロペニル基、オキセタニル基、エポキシ基等の公知の官能基から適宜選択することができる。
含窒素複素環式化合物が重合されることにより樹脂の主鎖に導入される場合において、樹脂である重合体の繰り返し単位中における含窒素複素環式化合物からなる残基の比率としては、全構造単位を100モル%としたときに、好ましくは50モル%以上100モル%以下である。50モル%以上とすることで、経時での反射率低下抑制、および反射層との密着性がさらに良好となる。さらなる経時での反射率低下抑制効果は、反射層への吸着性が良好な構造単位がより多く存在するなるために得られると考えらえる。また、反射層との密着性の向上効果は、反射層との相互作用が強く生じる構成単位がより多く存在するために得られると考えらえる。同様の理由から、含窒素複素環式化合物からなる残基の比率は、より好ましくは70モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは90モル%以上100モル%以下、特に好ましくは100モル%含有することが好ましい。
含窒素複素環式化合物が重合されることにより樹脂の主鎖に導入される場合において、樹脂である重合体の繰り返し単位中における含窒素複素環式化合物からなる残基以外の残基を有しうる。含窒素複素環式化合物からなる残基以外の残基を構成しうる化合物としては、含窒素複素環式化合物と共に重合体を形成することが可能であり、かつ本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、公知の化合物を用いることができる。
含窒素複素環式化合物以外の化合物が重合されることにより、含窒素複素環構造を形成して樹脂の主鎖に導入される形態において、含窒素複素環構造は、特に制限されないが、たとえばポリイミド構造等が挙げられる。すなわち、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂としては、ポリイミド構造を有するポリイミド樹脂等が挙げられる。
ポリイミド樹脂のイミド化率は、好ましくは50%以上100%以下である。50%以上とすることで、経時での反射率低下抑制、および反射層との密着性がさらに良好となる。さらなる経時での反射率低下抑制効果は、反射層への吸着性が良好な構造単位がより多く存在するなるために得られると考えらえる。また、反射層との密着性の向上効果は、反射層との相互作用が強く生じる構成単位がより多く存在するために得られると考えらえる。同様の理由から、ポリイミド樹脂のイミド化率は、より好ましくは80%以上100%以下、さらに好ましくは90%以上100モル%以下、特に好ましくは100%であることが好ましい。
ここでイミド化率は、日本分光株式会社製のFT/IR−670Plusを用いて赤外吸収分析(IR)測定を行い、その結果から、(IRイミド基(1375cm-1)の吸光度)/(IRベンゼン環(1500cm-1)の吸光度)×100の式に従い算出することができる。
これより、透明性、経時での反射率低下の抑制、および反射層との密着性の観点から、窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂としては、好ましくはメラミン樹脂、ポリイミド樹脂であり、より好ましくはメラミン樹脂である。
これより、本発明の好ましい他の実施形態は、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂がメラミン樹脂である、光反射フィルムである。
窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂としては、メラミン樹脂であるDIC株式会社製スーパーベッカミン(登録商標)J−820、ポリイミド樹脂であるソマール株式会社製スピクセリア(登録商標)HR001、京セラ株式会社製CT4112等の市販品を用いてもよい。
これらの含窒素複素環構造を主鎖に含有する樹脂は単独でもまたは2種以上組み合わせても使用することができる。
含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1000以上200000以下である。1000以上であると、分子の凝集力の観点からさらに好ましい。200000以下であると、塗布しやすさの観点からさらに好ましい。同様の理由から、重量平均分子量は、より好ましくは5000以上100000以下、さらに好ましくは10000以上50000以下であることが好ましい。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて下記測定条件下で測定し、標準ポリスチレンにより換算した値を採用することにより求めることができる。
・GPC装置:株式会社島津製作所製 LC−10A
・カラム 東ソー株式会社製GMHXL 4本及び東ソー株式会社製HXL−1 1本を連結
・流量 1.0m/min
・カラム温度40℃
・溶離液 テトラヒドロフラン
・試料濃度 1.0mg/cm
含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層中における、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂の含有量は、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層の総質量に対して、好ましくは50質量%以上100質量%以下である。50質量%以上とすることで、経時での反射率低下をさらに抑制でき、反射層との密着性がさらに良好となる。さらなる経時での反射率低下抑制は、反射層への吸着性が良好な構造単位がより多く存在するなるために得られると考えられる。また、さらなる反射層との密着性の向上は、反射層との相互作用が強く生じる構成単位がより多く存在するために得られると考えられる。同様の理由から、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂の含有量は、より好ましくは70質量%以上100質量%以下であり、さらに好ましくは90質量%以上100質量%以下であり、特に好ましくは100質量%である。
含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層は、本発明の効果を損なわない限り、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂以外の材料を含有していてもよい。含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層に含まれうる、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂以外の材料としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、たとえば、反射層の劣化の原因となり難いシリコーン樹脂等が挙げられる。
含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層の厚みは、特に制限されないが、高反射率、経時での反射率低下の抑制、および反射層との密着性の観点から、好ましくは0.5nm以上10μm以下である。含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層の厚みが0.5nm以上であると、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂と反射層とのアンカー効果が十分に得られるため、密着性がさらに良好となる。また、反射層への吸着する樹脂成分が増加することにより、より反射層の保護効果が高まり、さらなる経時での反射率低下の抑制が可能となる。含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層の厚みが10μm以下であると、透明性に優れるためさらなる高反射率が得られる。また、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層が厚くなるために生じる、層間が脆くなり剥離するとの現象を抑制することができるため、密着性がさらに良好となる。さらに、膜厚が薄いと樹脂の温度による膨張収縮も相対的に小さくなるため、さらなる経時での反射率低下の抑制が可能となる。同様の理由から、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層の厚みは、より好ましくは5nm〜1μm、さらに好ましくは10nm〜100nmである。
これより、本発明の好ましい他の実施形態は、樹脂層の厚みが、1nm〜5μmである、光反射フィルムである。
含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層の形成方法としては、特に制限されないが、たとえば塗布による方法等を挙げることができる。塗布による方法の一例としては、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層を構成する材料を適当な有機溶媒に溶解または懸濁させ、塗布液を調製する。次いで、塗布液を所定の塗布方式で塗布し、塗膜を形成する。塗膜を塗設する場合には、従来用いられる種々の塗布方法、たとえば、スプレーコート法、スピンコート法、バーコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
有機溶媒としては、従来公知の有機溶媒が使用でき、特に制限されないが、たとえばメタノール、エタノール、1−ブタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族または脂肪族炭化水素;酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物等を適宜用いることができる。また、前記化合物以外にも、N−メチルピロリドン等の極性溶媒となりうる化合物を適宜用いることもできる。なお、上記溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層を構成する材料の固形分濃度は、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層溶液の総質量に対して、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜10質量%、さらに好ましくは3〜7質量%である。
塗布後の乾燥温度としては、特に制限されないが、好ましくは60〜120℃、より好ましくは70〜110℃、さらに好ましくは80〜105℃であり、乾燥時間としては、好ましくは0.5〜3分、より好ましくは1〜3分、さらに好ましくは1〜2分である。
[ハードコート層]
本形態の光反射フィルムは、紫外線吸収層に対して、樹脂基材が存在する側の面とは反対側の面に、ハードコート層を必須に含む。なお、ハードコート層は、光入射側の最表層に有することが好ましい。
本明細書において「ハードコート層」とは、JIS K 5600−5−4:1999(ISO/DIS 15184:1996)に準じた鉛筆硬度が2H以上の層を意味する。ハードコート層は、光学反射フィルムの耐擦過性を高めるための表面保護層として機能する。
ハードコート層を形成する材料は、透明性、耐候性、硬度、機械的強度などが得られるものであれば、特に限定されない。たとえば、電子線や紫外線の照射により硬化する樹脂や熱硬化性の樹脂などを使用でき、特にアルコキシシラン系化合物の部分加水分解オリゴマーからなる熱硬化型シリコーン系ハードコート、熱硬化型のポリシロキサン樹脂からなるハードコート、不飽和基を有するアクリル系化合物からなる紫外線硬化型アクリル系ハードコート、熱硬化型無機材料であることが好ましい。
ハードコート層に用いることができる具体的な材料としては、水性コロイダルシリカ含有アクリル樹脂(特開2005−66824号公報)、ポリウレタン系樹脂組成物(特開2005−110918号公報)、水性シリコーン化合物をバインダーとして用いた樹脂膜(特開2004−142161号公報)、酸化チタンなどの光触媒性酸化物含有シリカ膜もしくはアルミナ、アスペクト比の高い酸化チタンもしくは酸化ニオブなどの光触媒膜(特開2009−62216号公報)、光触媒含有フッ素樹脂コーティング(株式会社ピアレックス・テクノロジーズ製)、有機/無機ポリシラザン膜、有機/無機ポリシラザンに親水化促進剤(AZエレクトロニクス社製)を用いた膜などが使用できる。なかでも、本形態のハードコート層は、無機物から構成されることが好ましい。
熱硬化型シリコーン系ハードコートとしては、公知の方法によって合成したアルコキシシラン化合物の部分加水分解オリゴマーを使用できる。その合成方法の一例は以下のとおりである。まず、アルコキシシラン化合物としてテトラメトキシシランまたはテトラエトキシシランを用い、これを塩酸、硝酸などの酸触媒の存在下、所定量の水を加えて、副生するアルコールを除去しながら室温から80℃の範囲で反応させる。この反応によりアルコキシシランが加水分解し、さらに縮合反応することにより、一分子中にシラノール基またはアルコキシ基を2個以上有し、平均重合度4〜8のアルコキシシラン化合物の部分加水分解オリゴマーが得られる。次に、これに酢酸、マレイン酸などの硬化触媒を添加し、アルコール、グリコールエーテル系の有機溶媒に溶解させて熱硬化型シリコーン系ハードコート液が得られる。ここで、アルコールとしては、特に制限されないが、たとえばメタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。また、グリコールエーテルとしては、特に制限されないが、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。ハードコート層を構成する材料の固形分濃度は、ハードコート層溶液の総質量に対して、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは15〜45質量%、さらに好ましくは20〜40質量%である。そしてこれを通常の塗布法(たとえば、スプレーコート法、スピンコート法、バーコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法)を用いて塗布し、乾燥後、加熱硬化することによってハードコート層が形成させることが好ましい。乾燥温度は、好ましくは70〜140℃であり、より好ましくは70〜110℃であり、さらに好ましくは80〜100℃である。また、乾燥時間は好ましくは0.5〜3分であり、より好ましくは0.5〜2.5分であり、さらに好ましくは0.5〜1.5分である。加熱硬化の温度は、好ましくは70〜140℃であり、より好ましくは70〜110℃であり、さらに好ましくは80〜100℃である。また、加熱硬化の時間は、好ましくは90〜180分であり、より好ましくは100〜150分であり、さらに好ましくは100〜140分である。ただし、この場合、光反射フィルムを形成する樹脂基材や他の層の熱変形温度以下での乾燥温度および硬化温度の設定が前提となる。なお、テトラアルコキシシランの代わりにジ(アルキルまたはアリール)ジアルコキシシランならびに/あるいはモノ(アルキルまたはアリール)トリアルコキシシランを使用することにより、同様にポリシロキサン系のハードコート層を製造することが可能である。
紫外線硬化型アクリル系ハードコートとしては、不飽和基を有するアクリル系化合物として、たとえば、ウレタンアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールテトラ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート混合物などを使用することができ、これにベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾフェノンなどの光重合開始剤を配合して用いる。そしてこれを上記と同様の通常の塗布法を用いて塗布し、紫外線硬化することによってハードコート層が形成される。
ハードコート層が乾式法で形成した無機物からなる場合、たとえば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化ランタン、窒化ランタンなどを、真空製膜法により製膜することで形成できる。真空製膜法としては、たとえば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などがある。
また、ハードコート層が湿式法で形成した無機物からなる場合、ポリシラザンを塗布製膜し、加熱硬化した膜からなることが好ましい。なお、ポリシラザンのハードコート層は、酸素・水蒸気バリア層としても用いることができる。
ハードコート層を構成するハードコート剤としては、シリコーン系ハードコート剤である株式会社動研製 サーコート(商標)B16N等の市販品を用いてもよい。
ハードコート層は、屈曲性があり、反りが生じないことが好ましい。ハードコート層の表面では、密な架橋構造を形成する場合があり、その際、フィルムが反り曲がることや、屈曲性がなくクラックが入りやすいようなことがあり、取り扱いが困難になる。このような場合、組成中の無機物の量を調整するなどで、柔軟性があり、平面性が得られるようにハードコート層を設計することが好ましい。
また、ハードコート層は、紫外線吸収剤や酸化防止剤を含有してもよい。
ただし、ハードコート層が紫外線吸収剤を含有する場合であっても、ハードコート層は柔軟性、平面性を付与するためには薄膜であることが好ましい。また、ハードコート性を付与するためには、ハードコート層成分以外の成分の添加量は少ない方が好ましい。これより、十分なハードコート性を有しつつ、薄膜でも十分な紫外線吸収性を有する程度に紫外線吸収剤を添加することは困難である。これより、本形態においても、紫外線吸収層が別途必要である。
ハードコート層が紫外線吸収剤や酸化防止剤を含有してもよい紫外線吸収剤や酸化防止剤としては、後述の紫外線吸収層で用いられる紫外線吸収剤や酸化防止剤を用いることができる。有機系酸化防止剤をハードコート層に含有させることでも、転落角を低下させうる。酸化防止剤と光安定剤を併用してもよい。ここで、光反射層の酸化防止剤および併用する場合には光安定剤は、特に制限されないが、後述の紫外線吸収層の項で記載されたものと同様のものが使用できるため、ここでは説明を省略する。
ハードコート層の厚みは、10nm〜10μmの範囲内にすることが好ましい。ハードコート層の厚みが10nm以上であると、十分な硬度を有するため好ましい。ハードコート層の厚みが10μm以下であると、砂漠などでの小石の飛散などによる傷付きの防止の観点から好ましい。同様の観点より、ハードコート層の厚みは、100nm〜7μmがより好ましく、500nm〜5μmであることがさらに好ましい。
[紫外線吸収層]
本形態の光反射フィルムは、ハードコート層および樹脂基材の間に、紫外線吸収層を必須に含む。
紫外線吸収層は、紫外線を吸収する効果を有する層である。紫外線吸収層は、380nmにおける光の透過率が、好ましくは0〜10%であり、より好ましくは0〜5%であり、さらに好ましくは0〜1%である。380nmにおける透過率は、日立ハイテクサイエンス製 分光光度計U−4100等を用いて、測定波長380〜780nm、スキャンスピード600nm/min、サンプリング間隔1nm、スリット5nmの条件にて求めることができる。なお、詳細な測定方法は実施例に記載する。
紫外線吸収層は、ハードコート層および樹脂基材の間に配置されることにより、光反射フィルムの経時での反射率の低下を抑制できる。この効果は、紫外線吸収層が、太陽光に含まれる紫外線が紫外線吸収層よりも下の層へと、透過することを抑制するため、紫外線によって樹脂基材が劣化することで発生する成分や、樹脂基材に含まれる紫外線吸収剤の中で、反射層表面に向かって移動する量が低減されることにより得られると推測している。さらに、この効果は、紫外線によって直接反射層が劣化することが抑制されることからも得られると推測している。
紫外線吸収層は、光透過性を有する材料からなる層である。太陽光の反射は反射層で行うため、その上に位置する透光性樹脂層は、太陽光を透過する成分であることが必要であるためである。
紫外線吸収層は、光透過性を有する樹脂材料からなる層であることが好ましい。さらに、紫外線吸収層上にはハードコート層等の他の層が設けられる場合があるため、光透過性を有する樹脂材料が、その際に密着性を向上させる役割も有していることが好ましい。
紫外線吸収層に用いる樹脂材料には特に制限はないが、薄膜を形成した際に透明性を維持しうる、従来公知の種々の合成樹脂を用いることができる。たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、及びセルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン類、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリアリレート類、アートン(登録商標)(商品名JSR株式会社製)或いはアペル(登録商標)(商品名三井化学株式会社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
透光性樹脂として、上記例示した樹脂材料の中では、アクリル樹脂を好適に用いることができる。また、アクリル樹脂は、メタクリル樹脂を主成分としていることが好ましい。メタクリル樹脂は、メタクリル酸エステルを主体とする重合体であり、メタクリル酸エステルの単独重合体であってもよいし、メタクリル酸エステル50質量%以上とこれ以外の単量体50質量%以下との共重合体であってもよい。ここで、メタクリル酸エステルとしては、通常、メタクリル酸のアルキルエステルが用いられる。特に好ましく用いられるメタクリル樹脂は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)である。
メタクリル樹脂の好ましい単量体組成は、全単量体を基準として、メタクリル酸エステルが50〜100質量%、アクリル酸エステルが0〜50質量%、これら以外の単量体が0〜49質量%であり、より好ましくは、メタクリル酸エステルが50〜99.9質量%、アクリル酸エステルが0〜50質量%である。本発明に特に好ましい組み合わせとしては、メタクリル酸エステルが75〜98質量%、アクリル酸エステルが0〜10質量%である。
メタクリル酸アルキルの例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどが挙げられ、そのアルキル基の炭素数は通常1〜8、好ましくは1〜4である。中でもメチルメタクリレートが好ましく用いられる。市販品として、EMB457等のEMBシリーズ(三菱レイヨン株式会社製 アクリル樹脂)、SRB215(旭化成ケミカルズ株式会社製 アクリルゴム)、デルペット(登録商標)(旭化成ケミカルズ株式会社製 アクリル樹脂)等を使用してもよい。
また、アクリル酸アルキルの例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどが挙げられ、そのアルキル基の炭素数は通常1〜8、好ましくは1〜4である。
また、メタクリル酸アルキル及びアクリル酸アルキル以外の単量体を有してもよい。メタクリル酸アルキル及びアクリル酸アルキル以外の単量体は、単官能単量体、すなわち分子内に重合性の官能基を1個有する化合物であってもよいし、多官能単量体、すなわち分子内に重合性の官能基を少なくとも2個有する化合物であってもよい。単官能単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの如き芳香族アルケニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルの如きアルケニルシアン化合物などが挙げられる。また、多官能単量体の例としては、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートの如き多価アルコールのポリ不飽和カルボン酸エステル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ケイ皮酸アリルの如き不飽和カルボン酸のアルケニルエステル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレートの如き多塩基酸のポリアルケニルエステル、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート類、ジビニルベンゼンの如き芳香族ポリアルケニル化合物などが挙げられる。上記のメタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、及びこれら以外の単量体は、それぞれ、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよい。上記のうち、好ましくは、ジイソシアネート類であり、より好ましくは1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートである。
メタクリル樹脂は、フィルムの耐熱性の点から、そのガラス転移温度が40℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。このガラス転移温度は、単量体の種類やその割合を調整することにより、適宜設定することができる。
メタクリル樹脂は、その単量体成分を、懸濁重合、乳化重合、塊状重合などの方法により重合させることにより調製することができる。その際、好適なガラス転移温度を得るため、又は好適なフィルムへの成形性を示す粘度を得るため、重合時に連鎖移動剤を使用することが好ましい。連鎖移動剤の量は、単量体の種類やその割合などに応じて、適宜決定すればよい。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収層は、紫外線吸収性を付与するため、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。
紫外線吸収剤に用いることができる紫外線吸収剤には、特に制限はないが、たとえばチアゾリドン系、ベンゾトリアゾール系、アクリロニトリル系、ベンゾフェノン系、アミノブタジエン系、トリアジン系、サリチル酸フェニル系、ベンゾエート系などの有機系の紫外線吸収剤、あるいは酸化セリウム、酸化マグネシウムなどの微粉末系の紫外線遮断剤や酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等などが挙げられる。
これらの中でも、初期の反射率、および経時での反射率低下の抑制の観点から、特に有機系の紫外線吸収剤が好ましい。なお、より高い初期の反射率は紫外線以外の光の透過性が良好であるために得られると推測している。また、経時での反射率の低下抑制効果がより高いことは、紫外線吸収効果がより高いこと、および紫外線吸収層自体の劣化による着色が生じ難いことから得られると推測している。
有機系紫外線吸収剤として、たとえば特開昭46−3335号、同55−152776号、特開平5−197074号、同5−232630号、同5−307232号、同6−211813号、同8−53427号、同8−234364号、同8−239368号、同9−31067号、同10−115898号、同10−147577号、同10−182621号各公報、独国特許第19739797A号、欧州特許第711804A号各公報及び特表平8−501291号公報、米国特許第1,023,859号、同第2,685,512号、同第2,739,888号、同第2,784,087号、同第2,748,021号、同第3,004,896号、同第3,052,636号、同第3,215,530号、同第3,253,921号、同第3,533,794号、同第3,692,525号、同第3,705,805号、同第3,707,375号、同第3,738,837号、同第3,754,919号、英国特許第1,321,355号明細書等に記載されている化合物を用いることができる。
また、これら紫外線吸収剤のなかでも、高沸点で揮発しにくく、高温成形時にも飛散しにくいため、比較的少量の添加で効果的に耐候性を改良することができるとの観点から、分子量が400以上の紫外線吸収剤が好ましい。また、分子量が400以上の紫外線吸収剤は、薄い透光性樹脂層から他の構成層への移行性も小さく、積層体の表面にも析出しにくいため、含有された紫外線吸収剤量が長時間維持され、耐候性改良効果の持続性に優れるなどの点から好ましい。
分子量が400以上の紫外線吸収剤としては、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール等のベンゾトリアゾール系、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系、さらには2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の分子内にヒンダードフェノールとヒンダードアミンの構造を共に有するハイブリッド系のものが挙げられる。
有機系の紫外線吸収剤のなかでも、初期の反射率、および経時での反射率低下の抑制の観点から、含窒素複素環式化合物であることが好ましい。なお、より高い初期の反射率は紫外線以外の光の透過性が良好であるために得られると推測している。また、経時での反射率の低下抑制効果がより高いことは、紫外線吸収効果がより高いこと、および紫外線吸収層自体の劣化による着色が生じ難いことから得られると推測している。
これより、本発明の好ましい他の態様は、紫外線吸収層が、紫外線吸収剤として含窒素複素環式化合物を含む、光反射フィルムである。
含窒素複素環式化合物である紫外線吸収剤のなかでも、耐光性の観点からベンゾトリアゾール系、トリアジン系の紫外線吸収剤が好ましく、トリアジン系の紫外線吸収剤がさらに好ましい。
ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤としては、特に制限されないが、たとえば、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−6−tert−ブチル−p−クレゾール2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール等が挙げられる。
これらの中でも、前述の分子量の観点、および耐光性の観点から、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノールがより好ましく、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、がさらに好ましく、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールが特に好ましい。
ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤としては、BASFジャパン株式会社製Tinuvin(登録商標) P、P FL、234、326、326 FL、329、329FL、213、571、PS、99−2、384−2、900、928、1130等の市販品を適宜用いることもできる。
トリアジン系の紫外線吸収剤としては、特に制限されないが、ヒドロキシフェニルトリアジン(HPT)系紫外線吸収剤等を好ましく用いることができる。
トリアジン系の紫外線吸収剤としては、BASFジャパン株式会社製Tinuvin(登録商標) 1577 ED、400、405、460、477、479等が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤は単独でもまたは2種以上組み合わせても使用することができる。
紫外線吸収層への紫外線吸収剤の含有量は、紫外線吸収層の総質量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは3〜10質量%である。また、紫外線吸収剤の紫外線吸収層への含有量は、フィルム単位面積当たりの含有量が0.17〜2.28g/mで、より好ましくは単位面積当たりの含有量が0.4〜2.28g/m以上である。含有量を上記の範囲にすることによって、耐候性能を十分発揮しつつ、紫外線吸収剤のブリードアウトによるロールやフィルムの汚れを起こすことを防止できる。
(酸化防止剤)
紫外線吸収剤層の劣化を防止するために、紫外線吸収層に酸化防止剤を含有させてもよい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、チオール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤を使用することが好ましい。
なお、本形態においては、上記した酸化防止剤と公知の光安定剤を併用することもできる。光安定剤としてはたとえばヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。
紫外線吸収層の厚みは、10〜150μmであることが好ましい。より好ましくは、15〜100μmであり、更に好ましくは、20〜80μmである。膜厚が10μm以上とすることは、反射層の保護や紫外線カット等の機能性をもたらす際に添加する材料を十分に添加することができるとともに、隣接層との密着性を十分にもたらす観点で好ましい。150μm以下とすることは、光反射フィルム全体の厚みを適度に保つことができ、製造の巻き取り時に支障を低減する観点で好ましい。
紫外線吸収層の形成方法としては、特に制限されないが、たとえば塗布による方法等を挙げることができる。塗布による方法の一例としては、紫外線吸収層を構成する材料を適当な有機溶媒に溶解または懸濁させ、塗布液を調製する。次いで、塗布液を所定の塗布方式で塗布し、塗膜を形成する。塗膜を塗設する場合には、従来用いられる種々の塗布方法、たとえば、スプレーコート法、スピンコート法、バーコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
有機溶媒としては、従来公知の有機溶媒が使用でき、特に制限されないが、たとえばメタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族または脂肪族炭化水素;酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物等を適宜用いることができる。なお、上記溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
紫外線吸収層を構成する材料の固形分濃度は、紫外線吸収層用溶液の総質量に対して、好ましくは10〜40質量%、より好ましくは15〜35質量%、さらに好ましくは20〜30質量%である。
塗布後の乾燥温度としては、特に制限されないが、好ましくは65〜100℃、より好ましくは70〜90℃、さらに好ましくは75〜85℃であり、乾燥時間としては、好ましくは0.5〜5分、より好ましくは1〜3分、さらに好ましくは1.5〜2.5分である。
[樹脂基材]
本形態の光反射フィルムは、紫外線吸収層および含窒素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層の間に、樹脂基材を必須に有する。樹脂基材は、反射層を支持し、光反射フィルム全体の機械的強度を保持する役割を有する。また、樹脂基材は、光反射フィルムを製造する際には、他の層を形成するための基板となる。
樹脂基材は、紫外線吸収層および含窒素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層の間に配置されることにより、光反射フィルムの経時での反射率の低下を抑制できる。
さらに、樹脂基材は、紫外線によってハードコート層や紫外線吸収層等、樹脂基材に対して光反射層とは反対側に配置された層が劣化することで発生した成分や、層に含まれる紫外線吸収剤は、反射層表面に移動することを阻害するからであると推測される。そして、樹脂基材に対して光反射層とは反対側に配置された層の劣化により発生した成分や、紫外線吸収層に含まれる紫外線吸収剤のなかで、反射層表面まで達して反射層形成成分と反応する量が減少することで、反射層の反射率低下が抑制されると推測される。
樹脂基材を構成する樹脂としては、たとえば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステルなどのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどのセルロースエステル、ポリ塩化ビニル(軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル)、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、ポリアセタール、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シクロオレフィンポリマー、ポリノルボルネン、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレートなどのアクリル樹脂などを挙げることができる。なかでも、耐熱性と寸法安定性の観点から、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリノルボルネン、セルロースエステル、アクリル樹脂が好ましく、ポリエステル、アクリル樹脂がより好ましく、ポリエステルがさらに好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。なお、本明細書において、「アクリル樹脂」とは、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの(共)重合体を意味する。これらの樹脂は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用しても構わない。
また、樹脂基材は、紫外線吸収剤や酸化防止剤を含有してもよい。
ただし、樹脂基材が紫外線吸収剤を含有する場合は、紫外線によって樹脂基材が劣化することで、層に含まれる紫外線吸収剤がブリードアウトする等、樹脂基材に起因する光反射フィルムの劣化が発生する可能性が高まる。よって、樹脂基材単独でも十分な紫外線吸収性を有する程度に紫外線吸収剤を添加することは困難である。これより、本形態においても、紫外線吸収層が別途必要である。
樹脂基材が紫外線吸収剤や酸化防止剤を含有してもよい紫外線吸収剤や酸化防止剤としては、前述の紫外線吸収層で用いられる紫外線吸収剤や酸化防止剤を用いることができる。酸化防止剤と光安定剤を併用してもよい。ここで、光反射層の酸化防止剤および併用する場合には光安定剤は、特に制限されないが、前述の紫外線吸収層の項で記載されたものと同様のものが使用できるため、ここでは説明を省略する。
樹脂基材の厚さは、特に制限されず、樹脂の種類および目的などに応じて適宜設定できるが、光反射フィルムの機械的強度およびフレキシブル性を両立させる観点から、好ましくは10〜250μmであり、より好ましくは20〜200μmである。
本形態の樹脂基材の製造方法は特に制限されず、たとえば、溶融流延製膜法、溶液流延製膜法などの方法で製造されたフィルムを適宜使用できる。また、樹脂基材は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルム(たとえば、1軸延伸フィルム、2軸延伸フィルム等)でもよい。
また、樹脂基材としては、帝人デュポンフィルム株式会社製 テトロン(登録商標)フィルムHB等の市販品を用いてもよい。
[反射層]
本形態の光反射フィルムは、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層に対して、
樹脂基材が存在する側の面とは反対側面に、反射層を必須に含む。また、反射層は、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層と隣接して配置されることを必須とする。
反射層は、太陽光を反射する機能を有する金属等から構成される。当該反射層の表面反射率は、好ましくは90%以上であり、より好ましくは93%以上である。
反射層を構成する材料としては、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、クロム(Cr)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)、ロジウム(Rh)、白金(Pt)および金(Au)からなる元素群の中から選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属が挙げられる。なかでも、反射率、耐食性などの観点からアルミニウム(Al)または銀(Ag)を主成分としていることが好ましく、銀(Ag)を主成分としていることがより好ましく、銀(Ag)からなることがより好ましい。なお、上記「主成分」とは、反射層の構成成分のうち、50質量%超であることを意味し、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは98質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
反射層は、上記の金属からなる層(金属反射層)が1層または2層以上積層された構成であってもよい。また、金属反射層上にSiO、TiOなどの金属酸化物からなる層を設けてさらに反射率を向上させてもよい。
反射層の厚さは、反射率などの観点から、10〜200nmが好ましく、30〜150nmがより好ましい。
金属反射層の形成方法は、特に制限されず、湿式法および乾式法のいずれの方法も用いることができる。湿式法とは、めっき法の総称であり、溶液から金属を析出させ膜を形成する方法である。具体例を挙げると銀鏡反応などがある。一方、乾式法とは、真空成膜法の総称であり、具体的には、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法などの真空蒸着法、スパッタ法などがある。なかでも、ロール・ツー・ロール方式による製膜が可能な乾式法(特に真空蒸着法)を用いることが好ましい。
[腐食防止層]
本形態の光反射フィルムは、反射層を金属から構成する場合、当該金属反射層の腐食を防止する目的で、金属反射層の、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層が隣接して配置された面とは反対側の面に隣接するよう、腐食防止層を有していてもよい。
腐食防止層は、腐食防止剤およびバインダーを含みうる。
腐食防止層は、腐食防止層の厚さは、好ましくは30〜200nm、より好ましくは20nm〜100nmである。
[ガスバリア層]
本形態の光反射フィルムは、反射層よりも光入射側にガスバリア層を有していてもよい。ガスバリア層は、湿度の変動、特に高湿度による樹脂基材および樹脂基材に支持される各構成層などの劣化を防止するためのものであるが、特別の機能・用途を持たせたものであってもよく、上記劣化防止機能を有する限りにおいて、種々の態様のガスバリア層を設けることができる。好ましい態様の一つでは、上述のハードコート層がガスバリア層として機能してもよい。
ガスバリア層の防湿性としては、40℃、90%RHにおける水蒸気透過度が、1g/m・day以下であることが好ましく、0.5g/m・day以下であることがより好ましく、0.2g/m・day以下であることがさらに好ましい。また、ガスバリア層の酸素透過度としては、測定温度23℃、90%RHの条件下で、0.6ml/m/day/atm以下であることが好ましい。
ガスバリア層の形成方法は、真空蒸着法、スパッタリング、イオンビームアシスト、化学気相成長法などの方法により無機酸化物を形成する方法が挙げられるが、ゾル−ゲル法による無機酸化物の前駆体を塗布した後に、その塗布膜に加熱処理および/または紫外線照射処理を施して、無機酸化物膜を形成する方法も好ましく用いられる。
無機酸化物は、有機金属化合物を原料とするゾルから局所的加熱により形成されたものである。たとえば、有機金属化合物に含有されているケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ニオブ(Nb)などの元素の酸化物であり、たとえば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどである。これらのうち、好ましくは酸化ケイ素である。
無機酸化物を形成する方法としては、いわゆるゾル−ゲル法またはポリシラザン法を用いることが好ましい。ゾル−ゲル法は無機酸化物の前駆体である有機金属化合物から無機酸化物を形成する方法であり、ポリシラザン法は無機酸化物の前駆体であるポリシラザンから無機酸化物を形成する方法である。ゾル−ゲル法に用いられる化合物や詳細については、特開2012−232538号公報の段落「0174」〜「0191」に記載の化合物や方法を適宜採用することができる。
[接着層]
本形態の光反射フィルムは、接着層を有していてもよい。接着層は、各種層間を密着させるために設けられる層である。したがって、接着層は、各種層間を密着させる密着性、他の層を形成する時の熱にも耐え得る耐熱性、および光反射フィルムの高い反射性能を引き出すための平滑性を有することが好ましい。
接着層に使用する樹脂は、上記の密着性、耐熱性、および平滑性の条件を満足するものであれば特に制限はなく、たとえば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂などの単独またはこれらの混合樹脂などが使用できる。耐候性の点からポリエステル樹脂とメラミン樹脂との混合樹脂またはポリエステル樹脂とウレタン樹脂との混合樹脂が好ましく、さらにイソシアネート、エポキシなどの硬化剤を混合した熱硬化型樹脂とすればより好ましい。
また、接着層に、上述の「腐食防止層」の項に記載の腐食防止剤を含有させ腐食防止層としての機能も兼ね備えた層とすることができる。
接着層の厚さは、好ましくは0.01〜3μm、より好ましくは0.1〜2μmである。この範囲を満たすことにより、密着性を保ちつつ、他の層の凹凸を覆い隠すことができ、平滑性を良好にできるため、好ましい。
接着層の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法など、従来公知のコーティング方法が使用できる。
[粘着層]
本形態の光反射フィルムは、後述の支持基材に接合するための粘着層を有することが好ましい。粘着層を構成する粘着剤としては、特に制限されず、たとえば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリビニルブチラール系粘着剤、エチレン−酢酸ビニル系粘着剤等を例示することができる。
アクリル系粘着剤としては、溶剤系およびエマルジョン系どちらでも良いが、粘着力等を高め易いことから、溶剤系粘着剤が好ましく、その中でも溶液重合で得られたものが好ましい。このような溶剤系アクリル系粘着剤を溶液重合で製造する場合の原料としては、たとえば、骨格となる主モノマーとして、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクリルアクリレート等のアクリル酸エステル、凝集力を向上させるためのコモノマーとして、酢酸ビニル、アクリルニトリル、スチレン、メチルメタクリレート等、さらに架橋を促進し、安定した粘着力を付与させ、また水の存在下でもある程度の粘着力を保持するために官能基含有モノマーとして、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。該積層フィルムの粘着剤層には、主ポリマーとして、特に高タック性を要するため、ブチルアクリレート等のような低いガラス転移温度(Tg)を有するものが特に有用である。
この粘着層には、添加剤として、たとえば安定剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、抗酸化剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を含有させることもできる。
粘着層の厚さは1μm〜100μmが好ましく、より好ましくは3〜50μmである。1μm以上であれば粘着性が向上する傾向にあり、十分な粘着力が得られる。逆に100μm以下であれば光学フィルムの透明性が向上しうる。
[剥離層]
本形態の光反射フィルムは、光入射側とは反対側の最表層に剥離層を有していてもよい。たとえば、光反射フィルムの出荷時には剥離層が粘着層に張り付いた状態で出荷し、剥離層から粘着層を有する光反射フィルムを剥離し、支持基材に貼り合わせて太陽光反射装置などの光反射体として用いられる。
剥離層としては、反射層の保護性を付与できるものであればよく、たとえば、アクリルフィルムもしくはシート、ポリカーボネートフィルムもしくはシート、ポリアリレートフィルムもしくはシート、ポリエチレンナフタレートフィルムもしくはシート、ポリエチレンテレフタレートフィルムもしくはシート、フッ素樹脂フィルムなどのプラスチックフィルムもしくはシート、または酸化チタン、シリカ、アルミニウム粉、銅粉などを練り込んだ樹脂フィルムもしくはシート、これらを練り込んだ樹脂をコーティングしたりアルミニウムなどの金属を金属蒸着などの表面加工を施したりした樹脂フィルムもしくはシートが用いられる。
剥離層の厚さは、特に制限はないが通常12〜250μmの範囲であることが好ましい。
さらに、本形態の光反射フィルムは、使用される環境や用途に応じて、導電性層、帯電防止層、易接着層、防汚層、消臭層、流滴層、易滑層、耐摩耗性層、反射防止層、電磁波シールド層、赤外線吸収層、印刷層、蛍光発光層、ホログラム層、剥離層、特定波長光カット層(金属層、液晶層等)、着色層(可視光線吸収層)、合わせガラスに利用される中間膜層などの機能層の1つ以上を有していてもよい。
<光反射体>
本発明の好ましい他の形態は、光反射フィルムが支持基材に接合されてなる、光反射体である。
光反射体は、光反射フィルムが粘着層を介して自己支持性の基材(支持基材)に接合されてなる構造を有する。ここで、「自己支持性の基材」という場合の、「自己支持性」とは、光反射体の基材として用いられる大きさに断裁された場合において、その対向する端縁部分を支持することで、基材を担持することが可能な程度の剛性を有することを表す。光反射体の基材が自己支持性を有することで、後述の太陽光反射装置に設置する際に取り扱い性に優れるとともに、光反射体を保持するための保持部材を簡素な構成とすることが可能となるため、太陽光反射装置を軽量化することが可能となり、たとえば、太陽熱発電の太陽光反射装置として用いた際、太陽追尾の際の消費電力を抑制することが可能となる。
支持基材は、単層であってもよく、複数の層を積層させた形状であってもよい。また、単一構造であってもよく、複数に分割されていてもよい。基材の形状としては、凹面状の形状を有するまたは凹面状の形状になり得ることが好ましい。そのために、平板状から凹面状の形状に可変である基材を用いてもよいし、凹面状の形状に固定されている基材を用いてもよい。凹面状の形状に可変である基材は、基材の曲率を調整することで、接合されている光反射フィルムの曲率も任意に調整することが可能となるため、反射効率を調整し高い正反射率を得ることができるため好ましい。凹面状の形状が固定されている基材は曲率を調整する必要がなくなるため、調整費用の観点から好ましい。
支持基材の素材としては、鋼板、銅板、アルミニウム板、アルミニウムめっき鋼板、アルミニウム系合金めっき鋼板、銅めっき鋼板、錫めっき鋼板、クロムめっき鋼板、ステンレス鋼板などの金属板、ベニヤ板(好ましくは防水処理がされたもの)などの木板、繊維強化プラスチック(FRP)板、樹脂板(樹脂フィルム)などが挙げられる。前記材料の中でも樹脂板(樹脂フィルム)を用いることが、経時での反射率の低下が生じ難いことから好ましい。これは、光反射フィルムとの間で、熱による膨張率の差が少ないことが理由であるからと考えられる。また、樹脂と金属板を組み合わせた鋼板を用いることも可能である。
支持基材として樹脂フィルムを用いる場合、樹脂フィルムの材料としては、従来公知の種々の樹脂フィルムを用いることができる。たとえば、ポリカーボネート系フィルム、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、およびセルロースエステル系フィルム、アクリルフィルムが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルムまたはアクリルフィルムを用いることが好ましい。この樹脂フィルムの厚さは、樹脂の種類および目的などに応じて適切な厚さにすることが好ましい。たとえば、一般的には、10〜250μmであり、好ましくは20〜200μmである。
<太陽光反射装置>
本発明の好ましい他の形態は、光反射体を有する、太陽光反射装置である。
本形態の太陽光反射装置は、太陽熱発電において太陽光を集光に好適に用いられる。本形態の太陽光反射装置は、光反射体および光反射体を保持する保持部材を有する。
好ましい形態としては、当該太陽光反射装置を太陽熱発電用として場合、内部に流体を有する筒状部材を集熱部として光反射フィルムの近傍に設け、筒状部材に太陽光を反射させることで内部の流体を加熱し、その熱エネルギーを変換して発電する、一般的にトラフ型と呼ばれる形態が挙げられる。また、その他の形態として、タワー型と呼ばれる形態も挙げられる。タワー型の形態は、少なくとも一つの集熱部と、太陽光を反射して集熱部に照射するための少なくとも一つの太陽熱発電用太陽光反射装置を有しており、集熱部に集められた熱を用いて液体を加熱しタービンを回して発電するものがある。なお、集熱部の周囲に、太陽熱発電用太陽光反射装置が複数配置されていることが好ましい。また、それぞれの太陽熱発電用太陽光反射装置が同心円状や、同心の扇状に複数配置されていることが好ましい。また、支持タワーの周囲に設置された太陽光反射用ミラーにより、太陽光が集光鏡へと反射され、その後、集光鏡によりさらに反射し、集熱部へと送られ熱交換施設
へ送られる。本形態の太陽光反射装置はトラフ型、タワー型のどちらにも用いることができる。もちろん、それ以外の種々の太陽熱発電に用いることができる。
太陽光反射装置は、光反射体を保持する保持部材を有する。保持部材は、光反射体が太陽を追尾可能な状態で保持する事が好ましい。保持部材の形態としては、特に制限はないが、たとえば、光反射体が所望の形状を保持できるように、複数個所を棒状の保持部材により、保持する形態が好ましい。保持部材は太陽を追尾可能な状態で光反射体を保持する構成を有することが好ましいが、太陽追尾に際しては、手動で駆動させてもよいし、別途駆動装置を設けて自動的に太陽を追尾する構成としてもよい。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、下記実施例において、また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で行われた。さらに、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「質量%」および「質量部」を意味する。
(光反射フィルムの作製)
(実施例1)
(樹脂基材)
樹脂基材として、2軸延伸ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、ポリエチレンテレフタレートフィルム、テトロン(登録商標)フィルムHB、厚み25μm)を用いた。
(樹脂層溶液の調製)
スーパーベッカミン(登録商標)J−820(DIC株式会社製、メラミン樹脂)を固形分濃度が5質量%となるように、1−ブタノール中に混合して、樹脂層用溶液を調製した。
(紫外線吸収層用溶液の調製)
ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂(三菱レイヨン株式会社製、EMB457)、アクリルゴム(旭化成ケミカルズ株式会社製、SRB215)、および酸化亜鉛紫外線吸収剤(住友大阪セメント株式会社製、ZnO−350)を、混合比が17:3:1.5(固形分質量比率)で、固形分濃度が25質量%となるように、メチルエチルケトン(MEK)中に混合して、紫外線吸収層用溶液を調製した。
(ハードコート層用溶液の調製)
シリコーン系ハードコート剤(株式会社動研製、サーコート(商標)B16N、固形分濃度45質量%)を、1−プロパノールで希釈して固形分濃度30質量%として、ハードコート層用溶液を調整した。
(光反射フィルムの作製)
上記ポリエステルフィルムの片面に、前記樹脂層用溶液を、バーコーターで塗布して、100℃で1分間乾燥することによって、厚み(乾燥膜厚)0.05μm(50nm)厚のメラミン樹脂層を形成した。さらに、前記メラミン樹脂層の上に、真空蒸着法にて厚み100nmの銀反射層を形成した。次いで、前記ポリエステルフィルムのメラミン樹脂層を形成した面とは逆面に、前記紫外線吸収層用溶液を、バーコーターで塗布して、80℃で2分間乾燥することによって、厚み(乾燥膜厚)25μmの紫外線吸収層を形成した。その後、前記紫外線吸収層の上に、前記ハードコート層用溶液を、マイヤーバーにてコーティングして、90℃で1分間乾燥し、80℃で120分間加熱して硬化させることにより、厚み3μmのハードコート層を形成して、実施例1の光反射フィルムを作製した。
(実施例2)
実施例1の紫外線吸収層用溶液の紫外線吸収剤を、Tinuvin(登録商標)477(BASFジャパン株式会社製、トリアジン系紫外線吸収剤)とした以外は同様にして、実施例2の光反射フィルムを作製した。
(実施例3)
実施例2のメラミン樹脂層の厚みを1nmとした以外は同様にして、実施例3の光反射フィルムを作製した。
(実施例4)
実施例2のメラミン樹脂層の厚みを0.5nmとした以外は同様にして、実施例4の光反射フィルムを作製した。
(実施例5)
実施例2の樹脂層用溶液に替えて、CT4112(京セラ株式会社製、ポリイミド樹脂、イミド化率100%、)を固形分濃度が5質量%となるように、N−メチルピロリドン中に混合した樹脂層用溶液を用いた以外は同様にして、実施例5の光反射フィルムを作製した。
(実施例6)
実施例2のメラミン樹脂層の厚みを5nmとした以外は同様にして、実施例6の光反射フィルムを作製した。
(実施例7)
実施例2の紫外線吸収層の紫外線吸収剤を、Tinuvin(登録商標)234(BASFジャパン株式会社製、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)とした以外は同様にして、実施例7の光反射フィルムを作製した。
(実施例8)
実施例2のメラミン樹脂層の厚みを1μmとした以外は同様にして、実施例8の光反射フィルムを作製した。
(実施例9)
実施例2のメラミン樹脂層の厚みを10μmとした以外は同様にして、実施例9の光反射フィルムを作製した。
(実施例10)
実施例2のメラミン樹脂層の厚みを100nmとした以外は同様にして、実施例10の光反射フィルムを作製した。
(実施例11)
実施例2のメラミン樹脂層の厚みを10nmとした以外は同様にして、実施例11の光反射フィルムを作製した。
(実施例12)
実施例2のメラミン樹脂層の厚みを5μmとした以外は同様にして、実施例12の光反射フィルムを作製した。
(比較例1)
実施例2の樹脂層用溶液に替えて、ダイヤナール(登録商標)EMB457(三菱レイヨン株式会社製、アクリル樹脂)をメチルエチルケトン(MEK)で希釈して、固形分濃度10質量%とした樹脂層用溶液を用いた以外は同様にして、比較例1の光反射フィルムを作製した。
(比較例2)
実施例2において、ハードコート層を形成しないこと以外は同様にして、比較例2の光反射フィルムを作製した。
(比較例3)
実施例2のハードコート層溶液に替えて、ユニディック(登録商標)EKC−821(DIC株式会社製、ウレタンアクリレート)を、メチルエチルケトン(MEK)で希釈して樹脂固形分10質量%としたウレタンアクリレート溶液を用いた以外は同様にして、比較例3の光反射フィルムを作製した。
(比較例4)
(樹脂基材)
樹脂基材として、2軸延伸ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、ポリエチレンテレフタレートフィルム、テトロン(登録商標)フィルムHB、厚み25μm)を用いた。
(接着層用溶液の調製)
ポリエスター(登録商標)SP181(日本合成化学工業株式会社製、ポリエステル系樹脂)、スーパーベッカミン(登録商標)J−820(DIC株式会社製、メラミン樹脂)、TDI(トルエンジイソシアネート)系イソシアネートである2,4−トリレンジイソシアネート、およびHMDI系イソシアネートである1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを、混合比が20:1:1:2(固形分質量比率)で、固形分濃度10質量%となるように、トルエン中に混合して、接着層用溶液を調整した。
(ハードコート層用溶液の調製)
実施例1と同様にして、ハードコート層用溶液を調製した。
(光反射フィルムの作製)
上記ポリエステルフィルムの片面に、真空蒸着法にて厚み100nmの銀反射層を形成した。
さらに、上記ポリエステルフィルムの銀反射層を形成した面とは逆面に、前記接着層用溶液を、グラビアコート法にてコーティングして、90℃で1分間乾燥することにより、厚み0.1μm(100nm)の接着層を形成した。
次いで、前記粘着層を介して、ドライラミネーションプロセスにより、紫外線吸収剤(BASFジャパン株式会社製、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、Tinuvin(登録商標)928)を含有したアクリルフィルム(三菱レイヨン株式会社製、アクリプレン(登録商標)HBS010P、厚み75μm)を、紫外線吸収層として積層した。
その後、前記紫外線吸収層の上に、前記ハードコート層用溶液を、マイヤーバーにてコーティングして、90℃で1分間乾燥し、80℃で120分間加熱して硬化させることにより、厚み3μmのハードコート層を形成して、比較例4の光反射フィルムを作製した。
(比較例5)
実施例2の樹脂層用溶液に替えて、KR96−100S(信越化学株式会社製、シリカ含有液)を用いてシリカ層を形成した以外は同様にして、比較例5の光反射フィルムを作製した。
(比較例6)
(樹脂基材)
樹脂基材として、2軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム 厚み100μm)を用いた。
(接着層用溶液の調製)
比較例4と同様にして、接着層用溶液を調製した。
(腐食防止層用溶液の調製)
ポリエスター(登録商標)LP050(日本合成化学工業株式会社製、ポリエステル系樹脂、固形分濃度50質量%)、およびTDI(トルエンジイソシアネート)系イソシアネートであるコロネート(登録商標)L(日本ポリウレタン工業株式会社製、トリレンジイソシアネートアダクト体、固形分濃度100質量%)を、混合比が10:2で、固形分濃度20質量%となるように、メチルエチルケトン(MEK)中に混合して、腐食防止層用溶液を調製した。
(ハードコート層用溶液の調製)
実施例1と同様にして、ハードコート層用溶液を調整した。
(光反射フィルムの作製)
上記ポリエステルフィルムの片面に、前記接着層溶液を、グラビアコート法にてコーティングして、90℃で1分間乾燥することにより、厚み0.1μm(100nm)の接着層を形成した。さらに、前記接着層の上に、真空蒸着法にて厚み100nmの銀反射層を形成した。次いで、前記銀反射層の上に、前記腐食防止層用溶液を、グラビアコート法にてコーティングして、90℃で1分間乾燥することにより、厚み0.1μm(100nm)の腐食防止層を形成した。その後、前記腐食防止層の上に、前記ハードコート層用溶液を、マイヤーバーにてコーティングして、90℃で1分間乾燥し、80℃で120分間加熱して硬化させることにより、厚み3μmのハードコート層を形成して、比較例6の光反射フィルムを作製した。
(比較例7)
実施例2の樹脂層溶液に替えて、KR96−100S(信越化学株式会社製、シリカ含有液)を用いて、シリカ層の厚み(乾燥膜厚)を0.0005μm(0.5nm)厚とした以外は同様にして、比較例7の光反射フィルムを作製した。
(比較例8)
(樹脂基材)
樹脂基材として、2軸延伸ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、ポリエチレンテレフタレートフィルム、テトロン(登録商標)フィルムHB、厚み25μm)を用いた。
(接着層溶液の調製)
比較例4と同様にして、接着層用溶液を調整した。
(紫外線吸収層溶液の調製)
実施例2と同様にして、紫外線吸収層用溶液を調整した。
(ハードコート層溶液の調製)
実施例1と同様にして、ハードコート層用溶液を調整した。
(光反射フィルムの作製)
上記ポリエステルフィルムの片面に、真空蒸着法にて厚み100nmの銀反射層を形成した。
さらに、上記ポリエステルフィルムの銀反射層を形成した面とは逆面に、前記接着層用溶液を、グラビアコート法にてコーティングして、90℃で1分間乾燥し、80℃で120分間加熱して硬化させることにより、厚み0.1μm(100nm)の接着層を形成した。次いで、前記粘着層上に、前記紫外線吸収層用溶液を、バーコーターで塗布して、80℃で2分間乾燥することによって、厚み(乾燥膜厚)25μmの紫外線吸収層を形成した。その後、前記紫外線吸収層の上に、実施例1と同様にして、厚み3μmのハードコート層を形成して、比較例8の光反射フィルムを作製した。
(比較例9)
実施例2において、樹脂層を形成せず、上記ポリエステルフィルムの片面に直接銀反射層を形成したこと以外は同様にして、比較例9の光反射フィルムを作製した。
上記作製した光反射フィルムの特徴を、下記表1に示す。なお、使用時に遮熱フィルムの光入射側の最表面に配置されることを想定する層を第1層として規定し、以降、積層順に各層を第2層以降の層として規定した。
(紫外線吸収層の380nmにおける光の透過率の測定)
2軸延伸ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、ポリエチレンテレフタレートフィルム、テトロン(登録商標)フィルムHB、厚み25μm)上に、実施例1〜12、並びに比較例1〜3、5および7〜9の光反射フィルムの作製において紫外線吸収層を形成した方法と同様に紫外線吸収層を形成して、各測定用試料を作製した。また、比較例4については、紫外線吸収層として用いたアクリルフィルムをそのまま測定用試料とした。その後、各測定用試料を、日立ハイテクサイエンス製 分光光度計U−4100を用いて、測定波長380〜780nm、スキャンスピード600nm/min、サンプリング間隔1nm、スリット5nmの条件にて測定したところ、全ての測定用試料の380nmにおける光の透過率は10%以下であった。
(初期の正反射率の測定)
上記作製した各光反射フィルムを、分光光度計UV265(株式会社島津製作所製)にて、入射光の入射角を5°となるよう調整し、反射角5°の正反射率を測定した。評価は、250nm〜2500nmの平均反射率として測定を行った。なお、評価は4以上が実用的な特性であると判断した。評価結果を表2に示す;
5:正反射率 93%以上
4:正反射率 90%以上93%未満
3:正反射率 85%以上90%未満
2:正反射率 80%以上85%未満
1:正反射率 80%未満。
(耐光試験後の正反射率低下量の測定)
上記作製した各光反射フィルムを、メタリングウェザーメーターM6T(スガ試験機株式会社製)にて、70℃の環境で、1.5kWで1000時間の照射を行った後、初期の正反射率の測定と同様にして、正反射率の測定を行った。その後、初期の正反射率の値と耐久試験後の正反射率の値から、耐久試験後の正反射率の低下量を算出した。ここで、耐久試験後の正反射率の低下量は、初期の正反射率を100%としたときの割合で示す。なお、評価は4以上が実用的な特性であると判断した。評価結果を表2に示す;
5:正反射率低下量 5%未満
4:正反射率低下量 5%以上10%未満
3:正反射率低下量 10%以上15%未満
2:正反射率低下量 15%以上20%未満
1:正反射率低下量 20%以上。
(密着性の測定)
上記作製した各光反射フィルムを、JIS K 5600−5−6:1999(ISO2409:1992)に準拠して測定した。具体的には、光反射フィルムの第1層側にカッターでクロス状に傷をつけ、100マスの切り目を入れた。そして、セロハンテープを切れ目部分に貼り付けた後、60°方向に引っ張り、銀反射層に隣接する層が剥がれていないマス目の数を計測した。なお、評価は3以上が実用的な特性であると判断した。評価結果を表2に示す;
5:カットの縁が完全に滑らかで、どのマス目にもはがれがない
4:カットの交差点における塗膜の小さなはがれが生じた。クロスカット部分ではがれが確認できたマス目の数は明確に5%未満である
3:塗膜がカットの縁に沿って、及び/又は交差点においてはがれている。クロスカット部分ではがれが確認できたマス目の数は、明確に5%以上15%未満である
2:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大きなはがれを生じており、及び/又はマス目が部分的又は全面的にはがれが生じた。クロスカット部分ではがれが確認できたマス目の数は、明確に15%以上35%未満である
1:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大きなはがれを生じており、及び/又は数か所のマス目が部分的又は全面的にはがれている。クロスカット部分ではがれが確認できたマス目の数は明確に35%以上50%未満である
0:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大きなはがれを生じており、及び/又は数か所のマス目が部分的又は全面的にはがれている。クロスカット部分ではがれが確認できたマス目の数は明確に50%以上である。
(第1層の表面鉛筆硬度(鉛筆硬度)の測定)
上記作製した各光反射フィルムを、JIS K5600−5−4:1999(ISO/DIS 15184:1996)の規格に従って測定した。鉛筆を45度の角度にして、500gの荷重をかけて、光反射フィルムの第1層の最表面の引っ掻き試験を行なった。5回のうち4回以上傷の付かなかった鉛筆の硬さ記号で、ランク付けを行なった。測定には、鉛筆硬度測定計(型番:553−M1 安田精機製作所社製)を用いて測定した。なお、評価は2H以上が実用的な特性であると判断した。評価結果を表2に示す。
表2の結果より、本発明に係る実施例1〜12の光反射フィルムは、本発明とは異なる構成を有する比較例1〜9のフィルムと比較して、経時での反射率低下が抑制され、かつ耐傷性に優れることが確認された。
また、実施例2および実施例5の比較において、含窒素複素環構造を主鎖に含有する樹脂がメラミン樹脂である実施例2の光反射フィルムは、含窒素複素環構造を主鎖に含有する樹脂がポリイミド樹脂である実施例5の光反射フィルムと比較して、初期の正反射率が高く、経時での反射率低下が抑制され、かつ密着性に優れることが確認された。
さらに、実施例2〜4、6、8〜12の比較において、樹脂層の厚みが、1nm〜5μmである実施例2、3、6、8、10〜12の光反射フィルムは、樹脂層の厚みが0.5nmである実施例4と比較して、密着性がさらに優れることが確認された。また、実施例2、3、6、8、10〜12の光反射フィルムは、樹脂層の厚みが10μmである実施例9と比較して、初期の正反射率がさらに高く、密着性がさらに優れることが確認された。
さらに、実施例2、3、6、8、10〜12の比較において、樹脂層の厚みが、5nm〜1μmである実施例2、6、8、10、11の光反射フィルムは、樹脂層の厚みが1nmである実施例3、および樹脂層の厚みが5μmである実施例12と比較して、経時での反射率低下がさらに抑制されることが確認された。
また、実施例1、2、7の比較において、紫外線吸収層が、紫外線吸収剤として含窒素複素環式化合物を含む実施例2および7の光反射フィルムは、紫外線吸収層が、紫外線吸収剤として酸化亜鉛を含む実施例1の光反射フィルムと比較して、初期の正反射率が高く、経時での反射率低下が抑制されること確認された。
(光反射体・太陽光反射装置)
さらに、実施例2の光反射フィルムを、支持基材であるポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ0.1mm)、およびアルミ板に貼合し、それぞれ光反射体2−1(支持基材ポリエステルフィルム)、および2−2(支持基材アルミ板)を作製した。これらの光反射体2−1および2−2について、光反射フィルムと同様にして、初期の正反射率の測定、耐久性試験後の正反射率の低下量の測定、密着性の測定、第1層の表面鉛筆硬度(鉛筆硬度)の測定を行った。その結果、2−1の耐光試験後の正反射率低下量は3%であり、2−2の耐光試験後の正反射率低下量は4%であり、かつ初期の正反射率の測定、密着性の測定、第1層の表面鉛筆硬度(鉛筆硬度)は光反射フィルム単体と同様の結果が得られた。これより、本発明の光反射フィルムを用いた光反射体は経時での反射率低下が抑制され、かつ耐傷性に優れることが確認された。また、本願の光反射体は、その耐久性の高さより、高温環境下で使用される太陽光反射装置として適する。
10 光反射フィルム
11 ハードコート層
12 紫外線吸収層
13 樹脂基材
14 含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層
15 反射層

Claims (6)

  1. ハードコート層と、紫外線吸収層と、樹脂基材と、含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂を含有する樹脂層と、反射層とが、この順に配置され、かつ前記樹脂層および前記反射層が隣接して配置される、光反射フィルム。
  2. 前記含窒素複素環構造を主鎖に有する樹脂がメラミン樹脂である、請求項1に記載の光反射フィルム。
  3. 前記樹脂層の厚みが、1nm〜5μmである、請求項1または2に記載の光反射フィルム。
  4. 前記紫外線吸収層が、紫外線吸収剤として含窒素複素環式化合物を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光反射フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光反射フィルムが支持基材に接合されてなる、光反射体。
  6. 請求項5に記載の光反射体を有する、太陽光反射装置。
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