WO2011122241A1 - 太陽熱発電用フィルムミラー、太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法及び太陽熱発電用反射装置 - Google Patents

太陽熱発電用フィルムミラー、太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法及び太陽熱発電用反射装置 Download PDF

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Abstract

 本発明は、反射層の光入射側とは反対側に設けられた粘着層の劣化による正反射率の低下を防止し、軽量で柔軟、耐光性及び耐候性に優れ、太陽光に対し良好な正反射率を有する太陽熱発電用フィルムミラーとその製造方法及びそれを用いた太陽熱発電用反射装置を提供する。本発明の太陽熱発電用フィルムミラーは、波長320nmの光の反射率が39%以上の典型金属元素もしくは遷移金属元素を0.1質量%以上10質量%以下含む銀合金反射層、又は銀層と該銀層の反入射光側に、波長320nmの光の反射率が39%以上の典型金属元素もしくは遷移金属元素からなる層を5nm以上50μm以下積層させた反射層を有し、前記銀合金反射層又は反射層の反入射光側に支持体に貼り合わせるための粘着層を有することを特徴とする。

Description

太陽熱発電用フィルムミラー、太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法及び太陽熱発電用反射装置
 本発明は、新規の太陽熱発電用フィルムミラーとその製造方法及びそれを用いた太陽熱発電用反射装置に関するものである。
 近年、石油、天然ガス等の化石燃料エネルギーに代わるエネルギーとしては現在、石炭エネルギー、バイオマスエネルギー、核エネルギー、風力エネルギー、太陽エネルギー等の自然エネルギーの検討がなされているが、化石燃料の代替エネルギーとして最も安定しており、且つ量の多い自然エネルギーは、太陽エネルギーであると考えられている。しかしながら、太陽エネルギーは非常に有力な代替エネルギーであるものの、これを活用する観点からは、(1)太陽エネルギーのエネルギー密度が低いこと、(2)太陽エネルギーの貯蔵及び移送が困難であること等が問題となると考えられる。
 太陽エネルギーの上記課題に対し、太陽エネルギーのエネルギー密度が低いという問題に対しては、巨大な反射装置で太陽エネルギーを集めることによって解決する方法が提案されている。反射装置は、太陽光による紫外線や熱、風雨、砂嵐などに晒されるため、従来、ガラス製ミラーが用いられてきた。ガラス製ミラーは、環境に対する耐久性が高い反面、輸送時に破損すること、あるいは重いため、ミラーを設置する架台に強度を持たせる必要があり、その結果、プラントの建設費がかさむといった問題があった。
 上記問題を解決する手段としては、ガラス製ミラーを樹脂製反射シートに置き換える方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、ガラス製ミラーを単に樹脂製反射シート(以下、フィルムミラーともいう)に置き換えただけでは、太陽光反射用ミラーとして採用することは困難である。太陽光反射用ミラーとしては、高い反射率だけではなく、高い耐久性や高い正反射率が求められる為である。
 まず、高反射率を達成する目的で、可視光領域に高い反射特性を有する銀を反射層として用いることが考えられる。しかしながら、銀反射層を用いたフィルムミラーにおいては、フィルムミラーを支持体に貼り付けるために設けられる粘着層が劣化を起こし、粘着層の剥離や歪みが生じてしまうことが判明した。フィルムミラーは樹脂基材を用いる為、ガラス製ミラーと比較して剛性が低く、粘着層の剥離や歪みにより正反射率が顕著に低下する為、問題となった。
 一方、太陽光を集光する目的において、高い反射率と耐光性を得るという観点から、銀反射層よりも入射光側に位置している樹脂層に、ベンズトリアゾール系の紫外線吸収剤(以下、UV吸収剤ともいう)を多量に添加することで、樹脂のUV光による光劣化で生じる変色による樹脂層の光透過率低下の抑制を行う方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、太陽光を集光する目的に上記のミラーを用いた場合には、その耐光性は十分ではなく、上述の正反射率の低下を抑制することが困難であった。
 また、特許文献3においては、銀層の下層に銀層防食層として銅層を積層して、銀腐食による反射率低下の抑制を行う方法が開示されている。
 しかしながら、やはり特許文献3に記載の技術を用いても粘着層の剥離や歪みによるフィルムミラーの正反射率の低下は十分に抑制できず、しいては発電効率の低下につながるため、早急な改良が求められていた。
特開2005-59382号公報 米国特許出願公開第7,507,776B2明細書 特表2009-520174号公報
 本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、反射層の下、即ち光入射側とは反対側に設けられた粘着層の劣化による正反射率の低下を防止すると共に、軽量で柔軟性があり、耐光性及び耐候性に優れ、太陽光に対して良好な正反射率を有する太陽熱発電用フィルムミラー、とその製造方法及びそれを用いた太陽熱発電用反射装置を提供することにある。
 本発明者らは上記課題に関し鋭意検討を行った結果、太陽熱発電用フィルムミラーを構成する粘着層の劣化は、粘着層に含まれる樹脂の低分子量成分、残留重合開始剤また残留モノマーの紫外線による分解が起因であることが判明した。更には、上記各成分を分解させる紫外光としては、とりわけ290~330nmの領域の光線であることが分かった。
 このような課題は特に、反射層として銀を用いた場合に顕在化する。銀は、可視光における反射率がアルミニウム等の金属に対して優れているものの、とりわけ波長290~330nmの領域の光を反射できず、透過してしまう性質がある。従って、従来は紫外線による劣化を考慮する際には、反射層の光入射側の層の劣化を考慮すればよかったが、銀反射層を用いた場合は、それでは十分ではなく、銀反射層を透過した290~330nmの波長領域の光線による反射層の反対側の層の劣化抑制も必要になることがわかった。
 そして、更なる検討を進めた結果、波長290~330nmの領域の光線をカットするには、有機UV吸収剤や銀の下に銅層を設ける方法では不十分であることが判明した。また、有機UV吸収剤に波長290~330nmの領域の光線に対して吸収性を持たせた場合、有機UV吸収剤自体が劣化することで、次第にUV吸収機能が低下して、上記の粘着層の分解を引き起こして正反射率を低下させる問題を引き起こすだけではなく、有機UV吸収剤自体の変質による着色やUV吸収剤の添加された層の変形等により反射率の低下を引き起こすことが明らかになった。
 そこで、更なる検討を行った結果、銀を主成分とし、波長320nmの反射率が39%以上の、典型金属元素もしくは遷移金属元素を0.1質量%以上含む銀合金反射層、または、銀層、および銀層の反入射光側に、波長320nmの光の反射率が39%以上の、典型金属元素もしくは遷移金属元素からなる層を5nm以上積層させてなる反射層を設けた場合には、波長290~330nmの領域の紫外線に対して、十分な反射性を持たせることが可能となり、粘着層の劣化を抑えることができ、結果として正反射率の低下を抑制するとともに、発電効率の向上に寄与することができるということを見出し、本発明に至った次第である。
 本発明の上記目的は以下の手段により達成される。
 1.銀を主成分とし、波長320nmにおける光の反射率が39%以上の典型金属元素もしくは遷移金属元素を0.1質量%以上10質量%以下含む銀合金反射層、または、銀層、および該銀層の反入射光側に、波長320nmにおける光の反射率が39%以上の典型金属元素もしくは遷移金属元素からなる層を5nm以上50μm以下積層させてなる反射層を有し、前記銀合金反射層または反射層の反入射光側に支持体に貼り合わせるための粘着層を有する構造であることを特徴とする太陽熱発電用フィルムミラー。
 2.前記典型金属元素がAlであることを特徴とする前記1に記載の太陽熱発電用フィルムミラー。
 3.前記遷移金属元素がNi,Rh,Pt,CrまたはZnであることを特徴とする前記1に記載の太陽熱発電用フィルムミラー。
 4.前記銀合金反射層がAlと銀との合金であることを特徴とする前記2に記載の太陽熱発電用フィルムミラー。
 5.前記反射層が銀層の反入射光側にAl層を積層させた積層体からなることを特徴とする前記2に記載の太陽熱発電用フィルムミラー。
 6.前記銀合金反射層がNi,Rh,Pt,CrまたはZnと銀との合金であることを特徴とする前記3に記載の太陽熱発電用フィルムミラー。
 7.前記反射層が銀層の反入射光側にNi,Rh,Pt,CrまたはZn層を積層させた積層体からなることを特徴とする前記3に記載の太陽熱発電用フィルムミラー。
 8.前記1~7のいずれか一項に記載の太陽熱発電用フィルムミラーを製造する方法であって、銀合金反射層もしくは反射層を、蒸着により形成することを特徴とする太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法。
 9.前記1~7のいずれか一項に記載の太陽熱発電用フィルムミラーを、金属支持体上に粘着層を介して貼り合せてなることを特徴とする太陽熱発電用反射装置。
 本発明により、非常に過酷な環境下で太陽熱発電用フィルムミラーとして用いられた場合であっても、粘着層が劣化することなく、高い正反射率を長期間にわたり維持することが可能な太陽熱発電用フィルムミラーとなる。これは、銀を主成分とし、波長320nmの反射率が39%以上の典型金属元素もしくは遷移金属元素を0.1質量%以上、10.0質量%以下含む銀合金反射層、または、銀層の反入射光側に波長320nmの光の反射率が39%以上の典型金属元素もしくは遷移金属元素からなる層を5nm以上、50μm以下積層させてなる反射層を設けたことで得られた効果であると考えられる。
本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの構成の他の一例を示す概略断面図である。 金属膜の反射率-波長の関係を示すグラフである。
 以下本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
 本発明者らは鋭意検討の結果、銀を主成分とし、波長320nmの反射率が39%以上の典型金属元素、もしくは遷移金属元素を0.1質量%以上、10.0質量%以下含む銀合金反射層、または、銀層、および該銀層の反入射光側に波長320nmの光の反射率が39%以上の典型金属元素もしくは遷移金属元素からなる層を5nm以上、50μm以下積層させてなる反射層、を有し、該銀合金反射層または積層金属反射層に対し反入射光側に、支持体に貼り合わせるための粘着層を有することを特徴とする太陽熱発電用フィルムミラーにより、粘着層の剥離やゆがみに起因するフィルムミラーの正反射率の低下という課題は解決されることが判明した。
 これは、銀に混合させた金属または銀(反射)層に積層した金属(反射)層が、波長290~330nmの領域の紫外線を反射し、粘着層樹脂の低分子量成分、残留重合開始剤また残留モノマーの分解を抑制したことに起因するものと考えられる。
 銀層(銀膜)はこの領域における反射率が高くないので、金属層の光反射率をみたとき波長320nmにおける光の反射率が少なくとも39%以上ある金属層を選択して銀と混合して合金層とする、またこの金属層を銀層と積層することで、波長290~330nmの領域の紫外線をよく反射できるため、銀合金反射層、または、銀層に金属(反射)層を積層した反射層により、粘着層樹脂の低分子量成分、残留重合開始剤また残留モノマーの分解を抑制することができる。
 なお、典型金属あるいは遷移金属の反射率とは、目的の典型金属または遷移金属を真空蒸着により平板ガラス(BK7)上に100nmの膜厚で成膜した試料の5度正反射率である。
 図3にこの方法で測定した金属膜の反射率-波長の関係を示すグラフを示す。銀の反射率はこの波長領域において高くない。
 この方法により測定した、320nmにおける光の反射率が少なくとも39%以上ある金属層を構成する典型金属元素としては、後述するものを挙げることができ、Alが好ましい。また、遷移金属元素として、やはり後述するものを挙げることができ、Ni、Rh、Pt、Cr,Zn等が好ましい。
 これらの金属(反射)層を銀層に積層させて反射層を構成するか、または、銀にこれらの典型金属元素または遷移金属元素を含有させて(0.1質量%以上)、銀合金反射層とすればよい。
 混合して銀合金反射層とする場合、用いる金属元素によって好ましい混合量は変化するが、最低でも0.1質量%以上10質量%以下の量、混合して波長320nmの光に対する反射率を向上させればよい。本発明において、「銀を主成分として」とは、銀の含有率が少なくとも90質量%以上99.9質量%以下であることをいう。銀を主成分とすることで、銀本来の特性である高い可視光反射率を保ちながら混合される金属により、320nm前後の光の反射率を高めることが可能となる。
 以下、本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの具体的な構成例について、図を用いて説明する。
 図1には、本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの代表的な構成の一例を断面図で示す。
 図1に記載の太陽熱発電用フィルムミラーは、銀合金反射層を有する銀合金反射層タイプの太陽熱発電用フィルムミラーであり、入射光側からハードコート層1、UV吸収層2、接着層3、腐食防止層4、銀合金反射層5、樹脂支持体層6、粘着層7がこの順で積層された構成を有している。
 図2には、本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの他の代表的な構成の一例である金属積層反射層タイプの断面構成を示しており、入射光側からハードコート層1、UV吸収層2、接着層3、腐食防止層4、銀反射層9、金属反射層10、樹脂支持体層6、粘着層7がこの順で積層されている。
 なお、図1、2において8はもう一つの基材であり、太陽熱発電用反射装置として用いる場合、例えば、金属支持体等の基材上に本発明の太陽熱発電用フィルムミラーを粘着層によって貼り付けて用いる。
 以下、本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの各構成要素の詳細について説明する。
 〔ハードコート層〕
 本発明の太陽熱発電用フィルムミラーにおいては、最外層として、ハードコート層を設けることができる。本発明に係るハードコート層は、傷防止のために設けられる。
 本発明に係るハードコート層は、バインダーとして、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂などで構成することができる。特に、硬度と耐久性などの点で、シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂が好ましい。更に、硬化性、可撓性及び生産性の点で、活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂、または熱硬化型のアクリル系樹脂を適用することが好ましい。
 活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂または熱硬化型のアクリル系樹脂とは、重合硬化成分として多官能アクリレート、アクリルオリゴマーあるいは反応性希釈剤を含む組成物である。その他に必要に応じて光開始剤、光増感剤、熱重合開始剤あるいは改質剤等を含有しているものを用いてもよい。
 アクリルオリゴマーとは、アクリル系樹脂骨格に反応性のアクリル基が結合されたものを始めとして、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートなどであり、また、メラミンやイソシアヌール酸などの剛直な骨格にアクリル基を結合したものなども用いられ得る。
 また、反応性希釈剤とは、塗工剤の媒体として塗工工程での溶剤の機能を担うと共に、それ自体が一官能性あるいは多官能性のアクリルオリゴマーと反応する基を有し、塗膜の共重合成分となるものである。
 市販されている多官能アクリル系硬化塗料としては、例えば、三菱レイヨン株式会社製の「ダイヤビームシリーズ」、長瀬産業株式会社製の「デナコールシリーズ」、新中村株式会社製の「NKエステルシリーズ」、DIC株式会社製の「UNIDICシリーズ」、東亞合成株式会社製の「アロニックスシリーズ」、日本油脂株式会社製の「ブレンマーシリーズ」、日本化薬株式会社製の「KAYARADシリーズ」、共栄社化学株式会社製の「ライトエステルシリーズ」、「ライトアクリレートシリーズ」等を挙げることができる。
 本発明に係るハードコート層中には、本発明の効果が損なわれない範囲で、さらに各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、酸化防止剤、光安定剤、UV吸収剤などの安定剤、界面活性剤、レベリング剤及び帯電防止剤などを用いることができる。
 レベリング剤は、特に、ハードコート層を塗工する際、表面凹凸低減に効果的である。レベリング剤としては、例えば、シリコーン系レベリング剤として、ジメチルポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体(例えば、東レダウコーニング(株)製SH190)が好適である。
 〔UV吸収層〕
 本発明に係るUV吸収層は、樹脂中または無機酸化物中にUV吸収剤を含有させた構成のものである。
 また、本発明に係るUV吸収層は、有機UV吸収剤を含有した層であってもよいし、無期UV吸収剤を含有した層であってもよいし、無機UV吸収剤と有機UV吸収剤の両者を含有した層であってもよいし、無機UV吸収剤を含む無機UV吸収剤含有層と有機UV吸収剤を含有する有機UV吸収剤含有層とが、それぞれ個別に独立して存在する構成であってもよい。
 〈UV吸収剤含有のバインダー樹脂〉
 本発明に係るUV吸収層の他の形態としては、従来公知の種々の樹脂中にUV吸収剤粒子を分散させたフィルムを挙げることができる。基材となる樹脂フィルムとしては、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルムが好ましい。
 特に、アクリルフィルムを用いることが好ましい。また溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
 〈無機酸化物〉
 本発明に係るUV吸収層の1つの形態としては、UV吸収剤粒子が無機酸化物中に分散された構成である。無機酸化物としては、有機金属化合物を原料とするゾルから局所的加熱により形成されたものを用いることが好ましい。したがって、有機金属化合物に含有されているケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ニオブ(Nb)等の元素の酸化物であることが好ましい。
 例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等であり、好ましくは、酸化ケイ素である。
 本発明において、有機金属化合物から無機酸化物を形成する方法としては、いわゆるゾル-ゲル法及びポリシラザンを塗布する方法を用いることが好ましい。
 〈有機UV吸収剤〉
 有機UV吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、トリアジン系UV吸収剤等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
 ベンゾフェノン系UV吸収剤としては、2,4-ジヒドロキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ドデシロキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシ-ベンゾフェノン、2,2′-ジヒドロキシ-4-メトキシ-ベンゾフェノン、2,2′-ジヒドロキシ-4,4′-ジメトキシ-ベンゾフェノン、2,2′,4,4′-テトラヒドロキシ-ベンゾフェノン等が挙げられる。
 ベンゾトリアゾール系UV吸収剤としては、2-(2′-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-3′-t-ブチル-5′-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
 サリチル酸フェニル系UV吸収剤としては、フェニルサルチレート、2-4-ジ-t-ブチルフェニル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。ヒンダードアミン系UV吸収剤としては、ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート等が挙げられる。
 トリアジン系UV吸収剤としては、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-エトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-(2-ヒドロキシ-4-プロポキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ベンジルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
 〈無機UV吸収剤〉
 本発明に係る無機UV吸収剤とは、主には金属酸化物顔料であり、アクリル樹脂に20質量%以上の濃度で分散させて、6μm厚のフィルムを形成し、UV-B域(290~320nm)域における光線透過率を10%以下にする機能を備えた化合物である。本発明に適用可能な無機UV吸収剤としては、特に、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウムまたはこれらの混合物から選択されることが好ましい。
 また、無機UV吸収剤含有層の透明性を向上させる点から、平均粒径が5nmと500nmとの間の平均基本粒子径であるものが好ましく、特に好ましくは10nmと100nmとの間の平均基本粒子径であって、粒径分布の最大粒径が150nm以下の金属酸化物粒子である。この種の被覆または非被覆金属酸化物顔料は、より詳細に、欧州特許出願公開第0518773号明細書に記載されている。
 また、本発明においては、無機酸化物の光触媒能による隣接樹脂の酸化劣化作用を抑える観点から、無機UV吸収剤が、表面被覆した平均粒径が、10nm以上、100nm以下の無機UV吸収剤微粒子であることが好ましい。また、表面被覆には無機UV吸収剤粒子の分散性を向上させる効果もあるため、なお好ましい。ここでいう表面被覆された無機UV吸収剤とは、アミノ酸、蜜蝋、脂肪酸、脂肪アルコール、陰イオン界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはアルミニウム塩、金属アルコキシド(チタンまたはアルミニウムの)、ポリエチレン、シリコーン、タンパク質(コラーゲン、エラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物あるいはヘキサメタリン酸ナトリウムのような化合物により、化学的、電子工学的、メカノケミストリー的または機械的な特質の1つまたは複数の手段により表面処理を受けた無機UV吸収剤である。
 UV吸収剤としては、上記以外に紫外線の保有するエネルギーを、分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを、熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物が含まれる。さらに、酸化防止剤あるいは着色剤等との併用で効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。但し、上記のUV吸収剤を使用する場合は、UV吸収剤の光吸収波長が、光重合開始剤の有効波長と重ならないものを選択する必要がある。
 通常のUV吸収剤を使用する場合は、可視光でラジカルを発生する光重合開始剤を使用することが有効である。
 UV吸収剤の使用量は、0.1~20質量%、好ましくは1~15質量%、さらに好ましくは3~10質量%である。20質量%よりも多いと密着性が悪くなり、0.1質量%より少ないと耐候性改良効果が小さい。
 (接着層)
 本発明に用いられる接着層は銀合金反射層または金属積層反射層と樹脂基材(樹脂フィルム)、または樹脂層との接着性を高める機能があるものであれば特に限定はないが、樹脂からなることが好ましい。従って、当該接着層は、樹脂基材(樹脂フィルム)と金属反射層とを密着する密着性、金属反射層を真空蒸着法等で形成する時の熱にも耐え得る耐熱性、及び金属反射層が本来有する高い反射性能を引き出すための平滑性が必要である。
 当該接着層に使用する樹脂は、上記の密着性、耐熱性、及び平滑性の条件を満足するものであれば特に制限はなく、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等の単独またはこれらの混合樹脂が使用でき、耐候性の点からポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂が好ましく、さらにイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂とすればより好ましい。
 当該接着層の厚さは、密着性、平滑性、反射材の反射率等の観点から、0.01~3μmが好ましく、より好ましくは0.1~1μmである。
 接着層の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
 〔腐食防止層(防食層)〕
 本発明に係る腐食防止層の構成としては、腐食防止剤のみから形成される層または腐食防止剤を含有した樹脂からなる層を挙げることができるが、腐食防止剤を含有した樹脂層であることが好ましい。さらに好ましくは、腐食防止剤が0.01質量%から10質量%含有した樹脂層を用いるのがよい。
 さらに、腐食防止層に用いる樹脂は、接着剤層としても機能を有するものがよく、銀合金反射層または金属積層反射層と樹脂基材層(樹脂フィルム)との接着性を高める機能があるものであれば特に限定はない。従って、腐食防止層に用いる樹脂は、樹脂基材(樹脂フィルム)と反射層とを密着する密着性、反射層を真空蒸着法等で形成する時の熱にも耐え得る耐熱性、及び反射層が本来有する高い反射性能を引き出すための平滑性が必要である。
 本発明に係る腐食防止層に使用する樹脂は、上記の密着性、耐熱性及び平滑性の条件を満足するものであれば、特に制限はなく、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等の単独またはこれらの混合樹脂が使用でき、耐候性の点からポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂が好ましく、さらにイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂とすればより好ましい。
 本発明に係る腐食防止層の厚さは、密着性、平滑性、反射材の反射率等の観点から、0.01~3μmが好ましく、より好ましくは0.1~1μmである。
 腐食防止層の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
 (腐食防止剤)
 銀反射層の腐食防止を目的とする本発明に係る腐食防止層に用いられる腐食防止剤としては、大別して、銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤と酸化防止剤が好ましく用いられる。
 ここで、「腐食」とは、金属(銀)がそれをとり囲む環境物質によって、化学的または電気化学的に浸食されるか、若しくは材質的に劣化する現象をいう(JIS Z0103-2004参照)。
 本発明の太陽熱発電用フィルムミラーでは、接着層が酸化防止剤を含有し、かつ銀反射層の上部隣接層として、銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤を含有している腐食防止層(防食層)を設ける態様であることが好ましい。
 なお、腐食防止剤の含有量は、使用する化合物によって最適量は異なるが、一般的には、0.1~1.0/mの範囲内であることが好ましい。
 〈銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤〉
 本発明に適用可能な銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤としては、例えば、アミン類及びその誘導体、ピロール環を有する化合物、トリアゾール環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、チアゾール環を有する化合物、イミダゾール環を有する化合物、インダゾール環を有する化合物、銅キレート化合物類、チオ尿素類、メルカプト基を有する化合物、ナフタレン系の少なくとも一種またはこれらの混合物から選ばれることが望ましい。
 アミン類及びその誘導体としては、例えば、エチルアミン、ラウリルアミン、トリ-n-ブチルアミン、o-トルイジン、ジフェニルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2N-ジメチルエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、アセトアミド、アクリルアミド、ベンズアミド、p-エトキシクリソイジン、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジシクロヘキシルアンモニウムサリシレート、モノエタノールアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンカーバメイト、ニトロナフタレンアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムシクロヘキサンカルボキシレート、シクロヘキシルアミンシクロヘキサンカルボキシレート、ジシクロヘキシルアンモニウムアクリレート、シクロヘキシルアミンアクリレート等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 ピロール環を有する物としては、N-ブチル-2,5-ジメチルピロール、N-フェニル-2,5-ジメチルピロール、N-フェニル-3-ホルミル-2,5-ジメチルピロール、N-フェニル-3,4-ジホルミル-2,5-ジメチルピロール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 トリアゾール環を有する化合物としては、例えば、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、3-ヒドロキシ-1,2,4-トリアゾール、3-メチル-1,2,4-トリアゾール、1-メチル-1,2,4-トリアゾール、1-メチル-3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、4-メチル-1,2,3-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、4,5,6,7-テトラハイドロトリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-5-メチル-1,2,4-トリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-5′-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-5′-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-4-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 ピラゾール環を有する化合物としては、例えば、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾロン、ピラゾリジン、ピラゾリドン、3,5-ジメチルピラゾール、3-メチル-5-ヒドロキシピラゾール、4-アミノピラゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 チアゾール環を有する化合物としては、例えば、チアゾール、チアゾリン、チアゾロン、チアゾリジン、チアゾリドン、イソチアゾール、ベンゾチアゾール、2-N,N-ジエチルチオベンゾチアゾール、p-ジメチルアミノベンザルロダニン、2-メルカプトベンゾチアゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 イミダゾール環を有する化合物としては、例えば、イミダゾール、ヒスチジン、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロメチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、4-フォルミルイミダゾール、2-メチル-4-フォルミルイミダゾール、2-フェニル-4-フォルミルイミダゾール、4-メチル-5-フォルミルイミダゾール、2-エチル-4-メチル-5-フォルミルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-4-フォルミルイミダゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 インダゾール環を有する化合物としては、例えば、4-クロロインダゾール、4-ニトロインダゾール、5-ニトロインダゾール、4-クロロ-5-ニトロインダゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 銅キレート化合物類としては、例えば、アセチルアセトン銅、エチレンジアミン銅、フタロシアニン銅、エチレンジアミンテトラアセテート銅、ヒドロキシキノリン銅等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 チオ尿素類としては、例えば、チオ尿素、グアニルチオ尿素等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 メルカプト基を有する化合物としては、すでに上記に記載した材料も加えれば、例えば、メルカプト酢酸、チオフェノール、1,2-エタンジオール、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、1-メチル-3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、グリコールジメルカプトアセテート、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 ナフタレン系としては、チオナリド等が挙げられる。
 〔反射層〕
 (銀合金反射層の作製)
 本発明に係る金属反射層の形成方法としては、乾式法を好ましく適用することができる。
 乾式法とは、真空成膜法の総称であり、具体的な方法を例示するとすれば、例えば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などが挙げられる。前記蒸着法により銀合金反射層を積層させるには、銀と、銀と合金を形成させたい金属との共蒸着を行うか、あらかじめ準備しておいた銀合金を蒸着させることで積層させることができる。また、スパッタ法により銀合金反射層を積層させるには、銀と、銀合金を形成させたい金属とをスパッタ・ターゲットとした共スパッタを行うか、あらかじめ準備しておいた銀合金スパッタ・ターゲットを用いてスパッタを行うことで積層させることができる。とりわけ、本発明においては、連続的に成膜するロールツーロール方式を適用することが可能な共蒸着法が好ましく用いられる。さらに、本発明においては、銀合金の組成均一性の観点からあらかじめ準備しておいた銀合金を蒸着させる方法が好ましく用いられる。
 本発明の薄膜製造用銀合金であるスパッタ・ターゲットや蒸着源は、薄膜製造原料から形成することができる。この原料の成分組成は、形成したい銀合金薄膜の成分組成と同様にすればよい。本発明の薄膜製造用銀合金は、粉末冶金法や溶解鋳造法などの公知の合金製造方法により、適当な塑性加工条件、加熱条件などで製造することができる。
 本発明に係る銀合金反射層の厚さは、反射率等の観点から、10~200nmが好ましく、より好ましくは30~150nmである。
 〔銀と典型金属または遷移金属積層反射層の作製〕
 本発明に係る金属積層反射層の形成方法としては、乾式法を好ましく適用することができる。
 乾式法とは、真空成膜法の総称であり、具体的な方法を例示するとすれば、例えば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などが挙げられる。前記蒸着法により金属積層反射層を積層させるには、銀層と、銀層に積層させる典型金属または遷移金属を順に蒸着させることで金属積層反射層を得ることができる。
 本発明において銀層の厚さは、反射率等の観点から、10~200nmが好ましく、より好ましくは30~150nmである。また、銀層に積層させる典型金属層または遷移金属層の厚さは、反射率の観点から5nm以上であり、また、厚さの上限はロール巻き性の観点から50μm以下である。
 (銀と合金反射層または銀層と積層して反射層を形成する金属)
 本発明において、銀と合金反射層を形成させるための金属および銀と積層して反射層を形成させるための金属としては、波長320nmの反射率が39%以上の典型金属元素、または遷移金属元素があてはまる。ここで、典型金属とは、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Al(アルミニウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、In(インジウム)又はBa(バリウム)、Sn(錫)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)である。
 また、遷移金属とは、Ti(チタン)、V(バナジウム)、Cr(クロム)、Mn(マンガン)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)、Y(イットリウム)、Zr(ジルコニウム)、Nb(ニオブ)、Mo(モリブデン)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)、Hf(ハフニウム)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Re(レニウム)、Ir(イリジウム)、Pt(白金)、Au(金)、La(ランタン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジウム)、Nd(ネオジウム)、Pm(プロメチウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロピウム)、Gd(ガドリニウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)又はLu(ルテチウム)である。
 前記、波長320nmの反射率が39%以上の典型金属元素または遷移金属元素を、0.1質量%以上含む銀合金反射層は、また、波長320nmの反射率が39%以上の、典型金属元素または遷移金属元素からなる金属反射層は、波長290~330nmの領域の紫外線を反射し、粘着層樹脂の低分子量成分、残留重合開始剤また残留モノマーの分解を抑制し、反射率の低下を抑制する。さらに、銀よりもイオン化傾向の高い金属元素で銀合金層を作製した場合、犠牲防食効果が発現し、銀の腐食による反射率の低下を抑制する。ここで、波長320nmの反射率が39%以上の典型金属元素または遷移金属元素とは、前述の如く、当該金属単独で構成される薄膜において波長320nmでの反射率が39%以上である金属のことをいう。
 〔樹脂支持体(層)〕
 本発明に係る樹脂支持体層に用いる基材としては、従来公知の種々の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。
 中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルムが好ましい。特に、ポリエステル系フィルム、セルロースエステル系フィルムを用いることが好ましく、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
 樹脂支持体の厚さは、樹脂の種類及び目的等に応じて適切な厚さにすることが好ましい。
 例えば、一般的には、10~300μmの範囲内である。好ましくは20~200μm、更に好ましくは30~100μmである。
 〔粘着層〕
 本発明に係る粘着層の構成としては、特に制限されず、例えば、ドライラミネート剤、ウエットラミネート剤、粘着剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤などのいずれもが用いられる。
 例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ニトリルゴムなどが用いられる。
 ラミネート法は、特に制限されず、例えば、ロール式で連続的に行うのが経済性及び生産性の点から好ましい。
 粘着層の厚さは、粘着効果、乾燥速度等の観点から、通常1~50μm程度の範囲であることが好ましい。
 本発明の太陽熱発電用フィルムミラーと貼り合せられる他の基材としては、銀反射層の保護性を付与できるものであればよく、例えば、アクリルフィルム又はシート、ポリカーボネートフィルム又はシート、ポリアリレートフィルム又はシート、ポリエチレンナフタレートフィルム又はシート、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はシート、フッ素フィルムなどのプラスチックフィルム又はシート、又は酸化チタン、シリカ、アルミニウム粉、銅粉などを練り込んだ樹脂フィルム又はシート、これらを練り込んだ樹脂をコーティングして金属蒸着などの表面加工を施した樹脂フィルム又はシートが用いられる。
 貼り合わせフィルム又はシートの厚さは、特に制限はないが通常12~250μmの範囲であることが好ましい。
 また、これらの他基材は本発明の太陽熱発電用フィルムミラーと貼り合わせる前に凹部や凸部を設けてから貼り合せてもよく、貼り合せた後で凹部や凸部を有するように成形してもよく、貼り合わせと凹部や凸部を有するように成形することを同時にしてもよいものである。
 〔太陽熱発電用フィルムミラーの厚さ〕
 本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの全体の厚さは、ミラーのたわみ防止、正反射率、取り扱い性等の観点から、75~250μmが好ましく、更に好ましくは90~230μm、特に好ましくは100~220μmである。
 〔太陽熱発電用反射装置〕
 本発明の太陽熱発電用フィルムミラーは、太陽光を集光する目的において、好ましく使用できる。太陽熱発電用フィルムミラー単体で太陽光集光ミラーとして用いることもできるが、より好ましくは、樹脂基材を挟んで銀反射層を有する側と反対側の樹脂基材面に塗設された粘着層を介して、他の基材、特に金属支持体上に、本発明の太陽熱発電用フィルムミラーを貼り付けて、本発明の太陽熱発電用反射装置として用いることである。
 太陽熱発電用反射装置として用いる場合、反射装置の形状を樋状(半円筒状)として、半円の中心部分に内部に流体を有する筒状部材を設け、筒状部材に太陽光を集光させることで内部の流体を加熱し、その熱エネルギーを変換して発電する形態が一形態として挙げられる。また、平板状の反射装置を複数個所に設置し、それぞれの反射装置で反射された太陽光を一枚の反射鏡(中央反射鏡)に集光させて、反射鏡により反射して得られた熱エネルギーを発電部で変換することで発電する形態も一形態として挙げられる。特に後者の形態においては、用いられる反射装置に高い正反射率が求められる為、本発明の太陽熱発電用フィルムミラーが特に好適に用いられる。
 〈金属支持体〉
 本発明の太陽熱発電用反射装置に用いられる金属支持体としては、鋼板、銅板、アルミニウム板、アルミニウムめっき鋼板、アルミニウム系合金めっき鋼板、銅めっき鋼板、錫めっき鋼板、クロムめっき鋼板、ステンレス鋼板など熱伝導率の高い金属材料を用いることができる。
 本発明においては、特に耐食性の良好なめっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板などにすることが好ましい。
 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
 《太陽熱発電用反射装置の作製》
 〔試料1の作製:実施例1〕
 99.99原子%の純度を有する塊状のAg(銀)と、99.99原子%の純度を有する塊状のAl(アルミニウム)を99.9:0.1の質量比で配合し、真空溶解炉で鋳塊を溶製した。この鋳塊について熱間圧延した後に冷間圧延と焼純を繰り返すことにより、アルミニウムを0.1質量%含有する銀・アルミニウム合金からなる蒸着源を得た。
 樹脂基材として、2軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ100μm)を用いた。上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、前記銀・アルミニウム合金蒸着源を用いて真空蒸着法により銀・アルミニウム合金反射層を80nmの膜厚で形成し、この反射層上に、ポリエステル系樹脂とトルエンジイソシアナート系樹脂とを、樹脂固形分比率(質量比)で10:2に混合した樹脂中に、腐食防止剤としてグリコールジメルカプトアセテートを塗設量が0.3g/mとなる量を添加し、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ0.1μmの防食層を形成した。
 続いて、接着層としてアクリル樹脂接着剤(昭和高分子社製)を厚さ10μmの厚さでコートし、接着層の上にUV吸収層としてUV吸収剤を含有するアクリル樹脂フィルム(KORAD CLRAR05005,ポリマー・エクスクルーディドプロダクト社製)50μmを積層させた。続いてUV吸収層の上にハードコート層として、オプスターZ7530(JSR製)をグラビアコートによりウエット膜厚50μmで塗布し、UVコンベア(光源;高圧水銀ランプ、照度;100mW/cm)を用いてUV照射することによりハードコート層を設けることで太陽熱発電用フィルムミラーを作製した。
 さらに、基材樹脂に粘着層としてアクリル樹脂接着剤(昭和高分子社製)を厚さ10μmの厚さでコートし、厚さ0.1mmで、たて4cm×よこ5cmのアルミ板(住友軽金属社製)上に、上記サンプルを、粘着層を介して貼り付け、太陽熱発電用反射装置である試料1を作製した。
 なお、別途、添加する金属について、真空蒸着法により、ガラス基板(BK7)上に100nmの膜厚で、各金属の真空蒸着膜を作成し、測定サイズの2.5cm角に切り出し、320nmにおける反射率について、島津製作所社製の分光光度計UV265に、積分球反射付属装置を取り付けたものを用いて測定した。反射面の法線に対して、入射光の入射角を5°となるように調整し、入射した光の反射光を積分球に導き5度正反射率を測定し、当該金属の波長320nmにおける反射率とした(表1、2記載)。
 〔試料2の作製:実施例2〕
 上記試料1の作製において、蒸着源作製時、Al(アルミニウム)塊の代わりにRh(ロジウム)塊を用いることにより同様に太陽熱発電用反射装置である試料2を作製した。
 〔試料3の作製:実施例3〕
 上記試料1の作製において、蒸着源作製時Al(アルミニウム)塊の代わりにPt(プラチナ)塊を用いることにより太陽熱発電用反射装置である試料3を作製した。
 〔試料4の作製:実施例4〕
 上記試料1の作製において、蒸着源作製時Al(アルミニウム)塊の代わりにCr(クロム)塊を用いることにより太陽熱発電用反射装置である試料4を作製した。
 〔試料5の作製:実施例5〕
 上記試料1の作製において、蒸着源作製時Al(アルミニウム)塊の代わりにNi(ニッケル)塊を用いることにより太陽熱発電用反射装置である試料5を作製した。
 〔試料6の作製:実施例6〕
 上記試料1の作製において、蒸着源作製時Al(アルミニウム)塊の代わりにZn(亜鉛)塊を用いることにより太陽熱発電用反射装置である試料6を作製した。
 〔試料7の作製:実施例7〕
 上記試料1の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Al(アルミニウム)塊を98:2の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料7を作製した。
 〔試料8の作製:実施例8〕
 上記試料2の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Rh(ロジウム)塊を98:2の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料8を作製した。
 〔試料9の作製:実施例9〕
 上記試料3の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Pt(プラチナ)塊を98:2の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料9を作製した。
 〔試料10の作製:実施例10〕
 上記試料4の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Cr(クロム)塊を98:2の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料10を作製した。
 〔試料11の作製:実施例11〕
 上記試料5の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Ni(ニッケル)塊を98:2の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料11を作製した。
 〔試料12の作製:実施例12〕
 上記試料6の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Zn(亜鉛)塊を98:2の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料12を作製した。
 〔試料13の作製:実施例13〕
 上記試料1の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Al(アルミニウム)塊を90:10の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料13を作製した。
 〔試料14の作製:実施例14〕
 上記試料2の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Rh(ロジウム)塊を90:10の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料14を作製した。
 〔試料15の作製:実施例15〕
 上記試料3の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Pt(プラチナ)塊を90:10の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料15を作製した。
 〔試料16の作製:実施例16〕
 上記試料4の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Cr(クロム)塊を90:10の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料16を作製した。
 〔試料17の作製:実施例17〕
 上記試料5の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Ni(ニッケル)塊を90:10の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料17を作製した。
 〔試料18の作製:実施例18〕
 上記試料6の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Zn(亜鉛)塊を90:10の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料18を作製した。
 〔試料29の作製:実施例19〕
 樹脂基材として、2軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ100μm)を用いた。上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、Al(アルミニウム)を蒸着源として真空蒸着法によりAl(アルミニウム)層を50μmの膜厚で形成し、続いてAg(銀)を蒸着源として真空蒸着法によりAg(銀)層を80nmの膜厚で形成することにより反射層を設けた。
 この反射層上に、ポリエステル系樹脂とトルエンジイソシアナート系樹脂とを、樹脂固形分比率(質量比)で10:2に混合した樹脂中に、腐食防止剤としてグリコールジメルカプトアセテートを塗設量が0.3g/mとなる量を添加し、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ0.1μmの防食層を形成した。続いて、接着層としてアクリル樹脂接着剤(昭和高分子社製)を厚さ10μmの厚さでコートし、接着層の上にUV吸収層としてUV吸収剤を含有するアクリル樹脂フィルム(KORAD CLRAR05005,ポリマー・エクスクルーディドプロダクト社製)50μmを積層させた。
 続いてUV吸収層の上にハードコート層として、オプスターZ7530(JSR製)をグラビアコートによりウエット膜厚50μmで塗布し、UVコンベア(光源;高圧水銀ランプ、照度;100mW/cm)を用いてUV照射することによりハードコート層を設けることで太陽熱発電用フィルムミラーを作製した。さらに、基材樹脂に粘着層としてアクリル樹脂接着剤(昭和高分子社製)を厚さ10μmの厚さでコートし、厚さ0.1mmで、たて4cm×よこ5cmのアルミ板(住友軽金属社製)上に、上記サンプルを、粘着層を介して貼り付け、太陽熱発電用反射装置である試料29を作製した。
 〔試料30の作製:実施例20〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにRh(ロジウム)を蒸着源として、Rh(ロジウム)層を50μmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料30を作製した。
 〔試料31の作製:実施例21〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにPt(プラチナ)を蒸着源として、Pt(プラチナ)層を50μmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料31を作製した。
 〔試料32の作製:実施例22〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにCr(クロム)を蒸着源として、Cr(クロム)層を50μmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料32を作製した。
 〔試料33の作製:実施例23〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにNi(ニッケル)を蒸着源として、Ni(ニッケル)層を50μmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料33を作製した。
 〔試料34の作製:実施例24〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにZn(亜鉛)を蒸着源として、Zn(亜鉛)層を50μmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料34を作製した。
 〔試料35の作製:実施例25〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)層を5nmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料35を作製した。
 〔試料36の作製:実施例26〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにRh(ロジウム)を蒸着源として、Rh(ロジウム)層を5nmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料36を作製した。
 〔試料37の作製:実施例27〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにPt(プラチナ)を蒸着源として、Pt(プラチナ)層を5nmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料37を作製した。
 〔試料38の作製:実施例28〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにCr(クロム)を蒸着源として、Cr(クロム)層を5nmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料38を作製した。
 〔試料39の作製:実施例29〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにNi(ニッケル)を蒸着源として、Ni(ニッケル)層を5nmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料39を作製した。
 〔試料40の作製:実施例30〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにZn(亜鉛)を蒸着源として、Zn(亜鉛)層を5nmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料40を作製した。
 〔試料19の作製:比較例1〕
 上記試料1の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Al(アルミニウム)塊を88:12の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料19を作製した。
 〔試料20の作製:比較例2〕
 上記試料2の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Rh(ロジウム)塊を88:12の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料20を作製した。
 〔試料21の作製:比較例3〕
 上記試料3の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Pt(プラチナ)塊を88:12の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料21を作製した。
 〔試料22の作製:比較例4〕
 上記試料4の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Cr(クロム)塊を88:12の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料22を作製した。
 〔試料23の作製:比較例5〕
 上記試料5の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Ni(ニッケル)塊を88:12の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料23を作製した。
 〔試料24の作製:比較例6〕
 上記試料6の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Zn(亜鉛)塊を88:12の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料24を作製した。
 〔試料25の作製:比較例7〕
 上記試料1の作製において、蒸着源作製時Al(アルミニウム)塊の代わりにCu(銅)塊を用いることにより太陽熱発電用反射装置である試料25を作製した。
 〔試料26の作製:比較例8〕
 上記試料25の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Cu(銅)塊を98:2の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料26を作製した。
 〔試料27の作製:比較例9〕
 上記試料25の作製において、蒸着源作製時にAg(銀)塊:Cu(銅)塊を90:10の質量比で配合することにより太陽熱発電用反射装置である試料27を作製した。
 〔試料28の作製:比較例10〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)層の積層過程を省くことにより太陽熱発電用反射装置である試料28を作製した。
 〔試料41の作製:比較例11〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)層を1nmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料41を作製した。
 〔試料42の作製:比較例12〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにRh(ロジウム)を蒸着源として、Rh(ロジウム)層を1nmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料42を作製した。
 〔試料43の作製:比較例13〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにPt(プラチナ)を蒸着源として、Pt(プラチナ)層を1nmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料43を作製した。
 〔試料44の作製:比較例14〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにCr(クロム)を蒸着源として、Cr(クロム)層を1nmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料44を作製した。
 〔試料45の作製:比較例15〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにNi(ニッケル)を蒸着源として、Ni(ニッケル)層を1nmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料45を作製した。
 〔試料46の作製:比較例16〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにZn(亜鉛)を蒸着源として、Zn(亜鉛)層を1nmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料46を作製した。
 〔試料47の作製:比較例17〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)層を55μmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料47を作製した。
 〔試料48の作製:比較例18〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにRh(ロジウム)を蒸着源として、Rh(ロジウム)層を55μmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料48を作製した。
 〔試料49の作製:比較例19〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにPt(プラチナ)を蒸着源として、Pt(プラチナ)層を55μmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料49を作製した。
 〔試料50の作製:比較例20〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにCr(クロム)を蒸着源として、Cr(クロム)層を55μmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料50を作製した。
 〔試料51の作製:比較例21〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにNi(ニッケル)を蒸着源として、Ni(ニッケル)層を55μmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料51を作製した。
 〔試料52の作製:比較例22〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにZn(亜鉛)を蒸着源として、Zn(亜鉛)層を55μmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料52を作製した。
 〔試料53の作製:比較例23〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにCu(銅)を蒸着源として、Cu(銅)層を50μmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料53を作製した。
 〔試料54の作製:比較例24〕
 上記試料29の作製において、Al(アルミニウム)の代わりにCu(銅)を蒸着源として、Cu(銅)層を5nmの膜厚で積層することにより、太陽熱発電用反射装置である試料54を作製した。
 〔試料55の作製:比較例25〕
 上記試料29の作製において、Cu(銅)層の膜厚を1nmとすることにより太陽熱発電用反射装置である試料55を作製した。
 《各試料の評価》
 上記作製した各太陽熱発電用反射装置について、下記の方法に従って耐光性の評価(正反射率安定性)及び粘着層(膜剥がれ)の耐候性の評価を行った。
 〔耐光性の評価:正反射率安定性〕
 各試料を、岩崎電気製アイスーパーUVテスターを用いて、65℃の環境下で7日間紫外線照射を行ったのち、正反射率を測定し、紫外線照射後の正反射率の平均値を算出し、下記の基準に従って、耐光性を評価した。
 正反射率測定は島津製作所社製の分光光度計UV265に、積分球反射付属装置を取り付けたものに改造し、反射面の法線に対して、入射光の入射角を5°となるように調整し、各試料について劣化処理後の反射角5°での正反射率を測定した。評価は、350nmから700nmまでの平均反射率として測定した。
 ◎:正反射率の平均値が、85%以上である
 ○:正反射率の平均値が、80%以上85%未満である
 △:正反射率の平均値が、75%以上、80%未満である
 ×:正反射率の平均値が、75%未満である
 〔耐硫化性の評価:正反射率安定性〕
 各試料を、10%硫化アンモニウム水溶液中に48時間浸漬を行ったのち、正反射率を測定し、硫化処理後の正反射率の平均値を算出し、下記の基準に従って、耐光性を評価した。
 正反射率測定は島津製作所社製の分光光度計UV265に、積分球反射付属装置を取り付けたものに改造し、反射面の法線に対して、入射光の入射角を5°となるように調整し、各試料について劣化処理後の反射角5°での正反射率を測定した。評価は、350nmから700nmまでの平均反射率として測定した。
 ◎:正反射率の平均値が、85%以上である
 ○:正反射率の平均値が、80%以上85%未満である
 △:正反射率の平均値が、75%以上、80%未満である
 ×:正反射率の平均値が、75%未満である
 〔粘着層の耐候性(膜剥がれ)の評価〕
 岩崎電気製アイスーパーUVテスターを用いて、65℃の環境下で7日間紫外線照射を行ったのち、粘着層の密着性の評価を、JIS K5400の碁盤目セロハンテープ剥離試験に従って評価した。即ち、強制劣化後のサンプル表面にカッターナイフで1mm間隔の碁盤目状に切り込みを入れ、セロハンテープ(ニチバン社製)を貼り付けた後に剥離し、剥離部の割合を測定し、下記の基準に従って、接着層の耐候性を評価した。
 ○:劣化試験後に膜剥離部の割合が2.0%未満
 △:劣化試験後に膜剥離部の割合が2.0%以上、3.0%未満
 ×:劣化試験後に膜剥離部の割合が3.0%以上
 〔ロール巻き性の評価〕
 各試料について、粘着層を介してアルミ基材に張り付ける前の太陽熱発電用フィルムミラーの状態でのロール巻き性を評価した。ロール外径150mm、幅50cmのABS樹脂コアに太陽熱発電用フィルムミラー5mを巻き取り、1週間放置した際に金属層に割れまたはヒビが出るかを目視評価した。
 ○:1週間放置後に金属層膜割れまたはヒビなし
 ×:1週間放置後に金属層膜割れまたはヒビ有り
 〔技術的特徴の実証結果〕
 上記方法に従って、各試料について評価した結果を、各太陽熱発電用反射装置(太陽熱発電用フィルムミラー)の構成技術の効果が判定できる組み合わせにて、以下順次説明する。
 銀を主成分とし、波長320nmの反射率が39%以上の典型金属元素、または遷移金属元素を0.1質量%以上含む銀合金反射層を設けることによる効果の実証結果について、銀合金反射層を有するフィルムミラーを用いて耐候性評価を行った結果を表1に示す。
 また、銀層の下に波長320nmの反射率が39%以上の典型金属層または遷移金属層を積層させた反射層を有するフィルムミラーを用いて耐候性評価を行った結果を表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1に記載の結果より明らかな様に、本発明で規定する波長320nmの反射率が39%以上の典型金属元素、または遷移金属元素を0.1質量%以上10質量%以下含む銀合金反射層を有する試料1~18(本発明 実施例1~18)は、比較例である試料19~28に対し、耐光性(正反射率安定性)および粘着層の耐候性(密着性)に優れていることが明かである。
 これは、本発明の試料が、波長320nmの反射率が39%以上の典型金属元素、または遷移金属元素を0.1質量%以上10質量%以下含む銀合金反射層を用いることで粘着層劣化の原因である波長290~330nmの光線を効果的に反射し、同波長領域の光の粘着層への露光を効果的に抑制できていることを示す結果である。一方で、比較例である試料19~20の場合、波長320nmのCu(銅)の反射率が十分でないため、粘着層を劣化させる290~330nmの光線を透過させてしまい、耐光性(正反射率安定性)および粘着層の耐候性(密着性)が劣ったと考えられる。また、比較例である試料19~24の場合、銀合金における銀含有量が十分でなく、初期状態も劣化処理後も反射率が劣る結果となった。また、耐硫化性試験においてはAg(銀)/Al(アルミニウム)合金およびAg(銀)/Zn(亜鉛)合金を反射層に用いた場合に高い硫化耐性を有していることがわかる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表2に記載の結果より明らかな様に、本発明で規定する銀層の反入射光側に波長320nmの光の反射率が39%以上の典型金属元素、または遷移金属元素からなる5nm以上50μm以下の層を有する試料29~40(本発明 実施例19~30)は、比較例である試料41~46に対し、耐光性(正反射率安定性)および粘着層の耐候性(密着性)に優れていることが明かである。
 これは、本発明の試料が、波長320nmの反射率が39%以上の典型金属元素、または遷移金属元素を銀層の反入射光側に膜厚5nm以上50μm以下積層させた反射層を用いることで、銀層を透過した波長290~330nmの光線を、前記典型金属または遷移金属層が効果的に反射し、同波長領域の光の粘着層への露光を効果的に抑制できていることを示す結果である。
 一方で、比較例である試料41~46の場合、銀下の金属層の膜厚が十分に厚くないため、粘着層を劣化させる290~330nmの光線を透過させてしまったため、耐光性(正反射率安定性)および粘着層の耐候性(密着性)が劣ったと考えられる。
 また、耐硫化性試験においてはAl(アルミニウム)またはZn(亜鉛)を銀層の反入射光側に積層させた場合に高い硫化耐性を有していることがわかる。
 また、比較例である試料47~52の場合、銀下の金属層の膜厚が厚く、剛性が強くなりすぎたため太陽熱発電用フィルムミラーの状態でのロール巻き性が悪い結果になったと考えられる。
 1 ハードコート層
 2 UV吸収層
 3 接着層
 4 腐食防止層
 5 銀合金反射層
 6 樹脂支持体層
 7 粘着層
 8 基材
 9 銀反射層
 10 金属反射層

Claims (9)

  1.  銀を主成分とし、波長320nmにおける光の反射率が39%以上の典型金属元素もしくは遷移金属元素を0.1質量%以上10質量%以下含む銀合金反射層、または、銀層、および該銀層の反入射光側に、波長320nmにおける光の反射率が39%以上の典型金属元素もしくは遷移金属元素からなる層を5nm以上50μm以下積層させてなる反射層を有し、前記銀合金反射層または反射層の反入射光側に支持体に貼り合わせるための粘着層を有する構造であることを特徴とする太陽熱発電用フィルムミラー。
  2.  前記典型金属元素がAlであることを特徴とする請求項1に記載の太陽熱発電用フィルムミラー。
  3.  前記遷移金属元素がNi,Rh,Pt,CrまたはZnであることを特徴とする請求項1に記載の太陽熱発電用フィルムミラー。
  4.  前記銀合金反射層がAlと銀との合金であることを特徴とする請求項2に記載の太陽熱発電用フィルムミラー。
  5.  前記反射層が銀層の反入射光側にAl層を積層させた積層体からなることを特徴とする請求項2に記載の太陽熱発電用フィルムミラー。
  6.  前記銀合金反射層がNi,Rh,Pt,CrまたはZnと銀との合金であることを特徴とする請求項3に記載の太陽熱発電用フィルムミラー。
  7.  前記反射層が銀層の反入射光側にNi,Rh,Pt,CrまたはZn層を積層させた積層体からなることを特徴とする請求項3に記載の太陽熱発電用フィルムミラー。
  8.  請求項1~7のいずれか一項に記載の太陽熱発電用フィルムミラーを製造する方法であって、銀合金反射層もしくは反射層を、蒸着により形成することを特徴とする太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法。
  9.  請求項1~7のいずれか一項に記載の太陽熱発電用フィルムミラーを、金属支持体上に粘着層を介して貼り合せてなることを特徴とする太陽熱発電用反射装置。
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