JP4325310B2 - 導電性光反射膜の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薄膜太陽電池、特にその裏面電極である導電性光反射膜の形成方法に関する。
現在、環境保護の立場から、クリーンなエネルギーの研究開発が進められている。中でも太陽電池は、その資源である太陽光が無限であること、無公害であることなどから注目を集めている。
従来、太陽電池による太陽光発電には、単結晶又は多結晶シリコンが多く用いられてきた。しかし太陽電池に使用するこれらのシリコンでは、結晶の成長に多くのエネルギーと時間を要し、かつ、続く製造工程においても複雑な工程が必要となるため量産効率が上がりにくく、低価格の太陽電池を提供することが困難であった。一方、アモルファスシリコン(以下a−Siと記載)などの半導体を用いた、いわゆる薄膜半導体太陽電池(以下薄膜太陽電池と記載)は、ガラスまたはステンレススチールなどの安価な基板上に、光電変換層である半導体層を必要なだけ形成すればよい。したがって、この薄膜太陽電池は、薄型で軽量、製造コストの安さ、大面積化が容易であることなどから、今後の太陽電池の主流になると考えられている。しかし薄膜太陽電池は、その変換効率が結晶シリコン太陽電池に比べて低く、しかも長期の使用に対する信頼性に不安があるために、これまで本格的に使用されてこなかった。そこで薄膜太陽電池の性能を改善するため、様々な工夫が現在なされている。
その一つが、光電変換層の裏面側からの光の反射特性を高めることである。これによって、光電変換層で吸収されなかった太陽光を、再び光電変換層に戻し太陽光を有効に利用することが可能となる。すなわち、光電変換層の表面から太陽光を入射させるサブストレート型太陽電池の場合には、Ag、Alなど反射率の高い金属の金属層を基板上に形成させた後に、光電変換層を形成する。また透明な基板の基板側から太陽光を入射させるスーパーストレート型太陽電池の場合には、基板と光電変換層との間に透明導電層を設け、その光電変換層の反対面に金属層を形成する。なおここで使用される金属層は、裏面電極としての機能も兼ねている。
a−Siなどの光電変換層を用いた薄膜太陽電池の裏面電極には、以下の特性が要求される。
1.電気的性能・・・低抵抗であること
2.光学的性能・・・高反射率かつ高テクスチャー(高散乱度)であること
3.熱的安定性・・・電極材料の熱拡散がないこと
4.機械的性能・・・界面の接着力が大きいこと
上記特性の中で、1および2の条件を満たす裏面電極としては、Agが考えられるが、Agはa−Siと直接接触させるとAgの反射率から予想される良好な高反射特性は得られない。しかし、透明で、Agに比べて低屈折率の酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、ITO(インジウムスズ酸化物)などの透明導電性金属酸化物層(以下透明導電層と記載)を光電変換層と金属層との間に挿入すると、多重干渉効果によって反射率をさらに高めることができ、裏面電極の反射特性が改善される。したがって裏面電極の構成として、ZnOなどの透明導電層とAgなどの反射率の高い金属の金属層との積層構造がよく用いられる。
さらに、透明導電層および/または金属層の表面に凹凸形状の表面テクスチャー構造を形成させることによって、光電変換層に吸収されずに金属層まで到達した太陽光を散乱反射させ光電変換層へ戻すといった工夫もなされている(例えば、特許文献1、2参照)。具体的には、裏面電極に用いる金属層に、SiとAlやAgとの合金を用いる方法や(例えば、特許文献3参照)、このAg−Al合金層のAl添加量を最適化したものなどがある(例えば、特許文献4参照)。また、半連続膜と連続膜との金属二層構造を用いる方法などもある(例えば、特許文献5参照)。
また透明導電層は、光電変換層と金属層との間に挿入されることによって、金属層の主成分であるAgが、光電変換層に熱拡散することをブロックし、耐熱性などのデバイス特性を大幅に向上させることが知られている。つまり裏面電極に透明導電層を用いることは薄膜太陽電池の信頼性を高める上でも効果がある。この記載に関し、特許文献6には透明導電層を用いることにより光電変換層と金属層とが合金化することを防止できるとの記述がある。また特許文献7および特許文献8には、適度な抵抗を持った透明導電層を用いることにより万が一光電変換層に短絡箇所が発生しても電極間に過剰な電流が流れるのを防止できるとの記述がある。
一方で、Agからなる金属層と透明導電層との接着力は弱く、界面で剥離が発生するなど耐久性の面で問題があった。しかしこの問題を解決するために、金属層に易酸化金属元素を添加する方法が提案されている。これは、易酸化金属元素を添加したAg合金からなる金属層(以下Ag合金層と記載)は、Ag単独の金属層に比べて酸化され易く、酸化されたAg合金層と透明導電層との結合力が、Ag単独の金属層と透明導電層との結合力よりも優れるために、接着力が向上すると考えられる。これによって、反射率や導電率を損なうこと無く界面の接着力を強化することが可能となった(例えば、特許文献9参照)。
次に、この薄膜太陽電池のさらなる軽量化、施工性および量産性の改善についても、様々な工夫がなされている。従来、薄膜太陽電池に使用される主な基板は、ガラス基板であった。しかし現在、軽量化、施工性および量産性を改善するため、基板にプラスチックフィルムまたは金属箔等の可撓性基板を使用したフレキシブル型太陽電池の研究開発がすすめられている。これらはガラス基板には無いフレキシブル性を有するため、大量生産が可能なロールツーロール方式またはステッピングロール方式の成膜装置を使用することができる(例えば、特許文献10参照)。両方式共に、複数のロールによる基板搬送手段を備え、前者は各成膜室内を連続的に移動する基板上に連続的に成膜する方式であり、後者は各成膜室内で基板を同時に停止させて成膜し、成膜の終わった基板部分を次の成膜室へ送り出す方式を採用している。なお成膜方法としては、スパッタリングまたはプラズマ化学的気相成長法などが使用されている。
特開2000−58892号公報 特開平8−288529号公報 特開平4−334069号公報 特開2003−101052号公報 特開平4−218977号公報 特公昭60−41878号公報 米国特許第4,532,372号明細書 米国特許第4,598,306号明細書 特開2002−151720号公報 特開2000−307139号公報
ところで、上述したようなロールツーロール方式またはステッピングロール方式のような成膜装置で薄膜太陽電池、特に裏面電極である導電性光反射膜を作製した場合、品質および量産効率の面で下記のような問題があった。
基板となる長尺フィルムへ、例えば、Ag合金層およびZnO層を成膜して導電性光反射膜を形成した場合、Ag合金層/ZnO層の界面の接着力は大幅に向上し、これまで問題となっていた界面剥離の現象は改善された。しかし、導電性光反射膜を成膜する工程において、成膜初期から後期にかけて、導電性光反射膜の全反射率および表面テクスチャー構造が、徐々に変化するという問題が新たに生じた。
具体的には、ロールに巻かれた帯状の基板を、ロールツーロール方式の真空スパッタリング装置に装着し、真空引きの後に合金層、透明導電層の順に成膜して導電性光反射膜を作製した場合、導電性光反射膜の反射率は、成膜初期では理想値に対して10〜50%程度低い値を示すが、成膜が進むに連れて徐々に改善される。一方、導電性光反射膜の表面テクスチャー構造は、成膜初期では光散乱性に効果のある良好な凹凸形状を有するものの、成膜が進むに連れて徐々に平坦化してくる。
したがって、ロールツーロール方式の真空スパッタリング装置によって、連続的に導電性光反射膜を作製でき量産性の向上が図れたとしても、反射率やモフォロジーが異なる箇所が生じるため、品質性および製品良品率の低下を招き、結果的に一般消費者に対して、品質および価格面などで良好な太陽電池を提供できないという問題があった。
そこで本発明は、高反射率および高テクスチャーの導電性光反射膜を、終始安定して製造できる成膜条件を見出し、品質性および量産効率等に優れた薄膜太陽電池を提供することにある。
本発明者たちが見出した上述の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、上述の問題の原因は真空装置の内壁または基板からの脱ガスにあるという結論に達した。脱ガスの主成分は水蒸気であり、これが反射率および表面テクスチャー構造に影響を与える。例えば、Ag合金層とZnO層とを連続成膜する場合、水蒸気は水素および酸素原子からなるため、成膜された層に対して酸化性ガスおよび還元性ガスの双方の役割を果たす。つまり、Ag合金層に対しては、酸化剤として働き、易酸化金属元素を選択的に酸化させてAgの結晶成長を制御するため、結果として良好なテクスチャー構造が得られる。一方で、ZnO層に対しては、還元剤として働き、ZnO層の透過率を低下させ、結果として導電性光反射膜の反射率を低下させる。水蒸気はZnO層に対して、本来、酸化性および還元性作用の双方の役割を果たすが、易酸化金属元素を微量添加したAgターゲットのゲッタリング効果により、雰囲気中の酸素が減少して還元性作用の方が強くなる。これに関しては、四重極質量分析計による測定によっても確認されている。
したがって、本発明は上記の課題を解決するものとして、以下の発明を提供する。
本発明の太陽電池の裏面電極である導電性光反射膜の形成方法は、支持基板上にAgを主成分とし、1種以上の易酸化性金属元素が添加された合金層、または前記合金層とAg層との積層形態からなる層、および透明導電膜層を、酸素を構成元素の1つとする1種以上の分子ガスを含む混合ガス雰囲気中で、順次成膜する工程を含み、全工程をとおして、前記混合ガス中の分子ガス含有量を制御することを特徴とする。
上記分子ガスは、合金層中の易酸化金属元素を安定的に酸化させ、かつ、透明導電層に対しても水蒸気の水素原子による還元性作用の影響を抑えて常に酸化性雰囲気に保つ。さらに、合金層中の易酸化金属元素は、分子ガスによって優先的に酸化され、合金層と酸化物である透明導電層との界面における化学結合をより強固にし、その界面接着力を向上させる。その結果、合金層と透明導電層との界面接着力が良好な、高反射率かつ高テクスチャーの導電性光反射膜を有する薄膜太陽電池の製造が可能となる。
さらに本発明による導電性光反射膜の形成方法において、合金層に添加される易酸化金属元素が、Al、Si、Zn、Sn、Ni、Cr、Mo、またはこれらの混合物であることを特徴としている。
本発明による導電性光反射膜の形成方法において、合金層中の易酸化金属元素の添加量が、0.01〜5.0at%の範囲であることを特徴としている。
本発明による導電性光反射膜の形成方法において、前記分子ガスが、 、CO、CO、NO、NO、またはこれらの混合物であることを特徴としている。
本発明による導電性光反射膜の形成方法において、成膜で使用する混合ガス中、分子ガスが0.1〜20体積%含まれることを特徴としている。
本発明による導電性光反射膜の形成方法において、合金層の膜厚が、10〜1000nmであることを特徴としている。
本発明による導電性光反射膜の形成方法において、合金層およびAg層を基板上に積層する場合、(1)基板上にAg層、合金層の順に、(2)基板上に合金層、Ag層の順に、または(3)基板上に合金層、Ag層を複数回組み合わせて積層することを特徴としている。
本発明による導電性光反射膜の形成方法において、基板が絶縁性基板であることを特徴としている。
本発明による導電性光反射膜の形成方法において、基板が可撓性基板であることを特徴としている。
本発明による導電性光反射膜の形成方法において、基板がプラスチック基板であることを特徴としている。
本発明による導電性光反射膜の形成方法において、基板が可撓性である場合、ロールツーロール方式またはステッピングロール方式の成膜装置によって、基板上に各層を成膜する工程を含むことを特徴としている。
本発明による導電性光反射膜の形成方法において、各層の成膜方法がスパッタリング、真空蒸着またはこれらの組み合わせ法のいずれかの方法であることを特徴としている。
本発明による導電性光反射膜の形成方法において、各層の成膜時の基板温度が、0℃〜350℃で制御されていることを特徴としている。
本発明による導電性光反射膜の形成方法において、支持基板上に形成された導電性光反射膜は、合金層、Ag層および透明導電層のうち、少なくとも合金層の表面が、平均的な高さ20〜60nmの凹凸形状(表面ラフネス)を有し、かつ全工程をとおして、凹凸形状の平均的な高さの変化率が30%以上にはならないことを特徴としている。
本発明による導電性光反射膜の形成方法において、支持基板上に形成された導電性光反射膜は、波長530nmまたは700nmの光に対する全反射率の変化率が、全工程をとおして10%以上にはならないことを特徴としている。
上述の形成方法によって作製された導電性光反射膜は、導電性光反射膜と基板とからなる薄膜太陽電池用基板に適用することができる
また、上述の形成方法によって作製された導電性光反射膜は、導電性光反射膜、光電変換層および透明導電層基板上に順次積層されてなる薄膜太陽電池の裏面電極に適用することができる
さらに、前記薄膜太陽電池は、サブストレート型太陽電池またはスーパーストレート型太陽電池に適用することができる
易酸化金属元素を添加した合金層、または金属層および合金層を、酸素を構成元素の1つとする分子ガスを含む混合ガス雰囲気中で成膜することによって、合金層の上にさらに積層した透明導電層との界面接着力が良好で、かつ、高反射率および高テクスチャーの特性を有する導電性光反射膜を再現性良く終始安定して提供することできる。
また、本発明の導電性光反射膜の形成方法は、従来の方法に比べて、生産性および製品良品率が大幅に向上するため、量産コストの低減を図ることが可能となる。
したがって、本発明の導電性光反射膜を、サブストレート型またはスーパーストレート型の太陽電池に適用することによって、各種耐久性にも優れ、かつ、高変換効率の太陽電池を従来品よりも安価に提供することが可能となる。
図面に基づき、本発明の実施の最良の形態について以下に述べる。
図1は、本発明の導電性光反射膜を適用した、薄膜太陽電池の一構成例である。図1において2は基板、4は金属層、6は合金層、8aは透明導電層、10は光電変換層、8bは透明導電層、および12は入射光である。本発明における「導電性光反射膜」とは、金属層4と合金層6との積層部分を指す場合もあれば、金属層4が無く合金層6のみを指す場合もある。さらに、光電変換層10と合金層6との間に挿入された透明導電層8aを含めたものを指す場合もある。つまり、光電変換層10の入射光側の面と反対側の面の下層に位置する層であって、光電変換層で吸収しきれなかった光を反射させる機能を有し、かつ、裏面電極としての機能も有する層を指す。また、本発明における「薄膜太陽電池用基板」とは、前記導電性光反射膜と基板とから構成される基板を指す。
基板2は、薄膜太陽電池の各構成層の支持体としての役割を果たすものであり、剛性基板、または軽量性および量産性などに優れた可撓性基板を使用することが可能である。剛性基板は、一般的に厚さ1mm以上のものが使用されるが、液晶基板またはタッチパネル等で使用されているような厚さ0.1〜1mm程度の極めて薄い基板を使用してもよい。可撓性基板は、厚さ5〜350μmのものが使用されるが、中でも厚さ20〜200μmの基板を使用するのが好ましい。また、基板の材質としては、Al、Cu、Ni、Co、Cr、Fe、Zn、Pb、またはTiなどの金属材料およびこれらの合金材料(ステンレスなど)や、絶縁材料である、ガラス材料;Si、Ge、Al、トリア(ThO)、マグネシア(MgO)、ベリリア(BeO)、窒化珪素(Si)、窒化ボロン(BN)、および炭化珪素(SiC)などからなるセラミック材料;または、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、もしくは耐熱性などに優れるポリイミド系、アラミド系、フッ素系の高分子といったプラスチック材料などから選択されることが好ましい。中でも、短絡等の問題を考慮すると、絶縁材料であるガラス材料およびプラスチック材料を使用することが好ましい。さらに、絶縁性を有しない金属材料などは、絶縁被覆をすることによって絶縁性基板として適用することも可能である。なお、これら基板材料の内、ガラス材料およびセラミック材料は剛性基板のみに使用されるが、その他の材料は、板状の剛性基板としても、フィルムや金属箔状の可撓性基板としても使用することが可能である。
これらの基板は、本発明の適用に当たって便宜、その表面を研磨もしくは粗面化してもよい。
金属層4を成膜する場合、金属層4は、反射特性の高いAg、Au、Al、CuもしくはPtから選択された1種またはこれらの合金で形成されてもよいが、高い反射率を得ることを考慮すると、中でもAgを使用することが好ましい。
合金層6は、前記金属層4を主成分とする層の中にAl、Si、Zn、Sn、Ni、Cr、Moまたはこれらの混合物などの易酸化金属元素が添加された層である。ただし、金属層がAlであるならば、易酸化金属元素はAl以外の元素、またはAl以外の元素からなる混合物を適用すればよい。また、前記合金層の中でも、Agを主成分とする金属層中に前記易酸化金属元素を添加した合金層を使用することが好ましい。また、前記易酸化金属元素の内、中でもAl、Zn、Sn、Ni、Cr、Moが好ましく、Al、Zn、Snがより好ましく、Alが最も好ましい。この易酸化金属元素の添加は、合金層表面のテクスチャー構造を促進させる効果があるが、何故そのようになるかは、まだ明らかにできていない。現状では、易酸化金属元素を添加することで合金層の融点が下がり、原子の拡散が促進されるためだと考えている。特に易酸化金属元素を0.01〜5.0at%、好ましくは0.05〜5.0at%、より好ましくは0.1〜1.0at%、最も好ましくは0.1〜0.5at%の範囲で金属層中に添加した方がよい。なお、易酸化金属元素の適用範囲の決定に関しては、下記の実施例において詳細に説明する。
金属層4を適用しない場合、合金層6の膜厚は、好ましくは50〜1000nm、より好ましくは50〜500nm、最も好ましくは200〜400nmである。また、金属層4を適用する場合、合金層6の膜厚は、好ましくは10〜1000nm、より好ましくは50〜500nm、最も好ましくは200〜400nmであり、金属層4の膜厚は、40〜300nm、より好ましくは100〜300nmである。合金層単独または金属層/合金層のトータル膜厚が、少なくとも50nm以上ないと、成膜後に基板へのHOの吸着が生じ、その後の光電変換層の形成に悪影響を及ぼす。しかし、上記のような膜厚範囲内であれば、生産性を低下させることなく、テクスチャー構造の良好な導電性光反射膜を作製することが可能である。
次に、金属層4および合金層6との積層形態について説明する。この金属層および/または合金層は、薄膜太陽電池において裏面電極としての役割を有する。つまり、より低抵抗の裏面電極が求められているが、合金層には易酸化金属元素が微量添加されているので、純粋なAg層に比べると抵抗は高くなってしまう。本発明の合金層は、薄膜太陽電池の裏面電極として十分実用レベルであるが、より低抵抗の裏面電極を求める場合には、合金層の他に、純粋なAgなどからなる金属層を積層した形態のものを使用すればよい。
基板上に金属層と易酸化金属元素を含む合金層とを積層する場合は、金属層上に合金層を積層しても、合金層上に金属層を積層してもよい。さらに、基板上に金属層と合金層とを、複数回組み合わせて積層してもよい。この場合、合金層のテクスチャー構造を損なわない程度の厚みに金属層の厚みを制御すればよい。
透明導電層8aおよび8bとしては、ZnO、SnO、酸化インジウム(In)、ITO、酸化カドミウム(CdO)、もしくはスズ酸カドミウム(CdSnO)などの金属酸化物または硫化カドミウム(CdS)などを使用できる。またこれらにIII族またはV族の元素を添加することによって、抵抗値を所望の値に制御してもよい。III族またはV族の元素を添加する方法としては、例えば、III族であるAlを酸化アルミニウム(Al)の形でZnOターゲットに加えることによって容易に行える。また透明導電層8aの膜厚は、20〜500nm、透明導電層8bの膜厚は50〜100nmであることが好ましい。この膜厚範囲内であれば、透明導電層と光電変換層との屈折率に起因する干渉を大幅に低減することができ、太陽光を最もロスなく取り込むことができる。なお、透明導電膜8aは、無くてもよいが、合金層や金属層からのAgの拡散等による欠陥を防ぐことを考慮すると、透明導電層8aを形成したほうがよい。
光電変換層10としては、a−Si系半導体による1つのp−i−n接合を有するものでも、複数積層したタンデムタイプのものでもよい。またこの他に、薄膜多結晶シリコン、微結晶シリコン、ガリウム砒素(GaAs)、インジウムりん(InP)、CdS/カドミウムテルライド(CdTe)、セレン化銅インジウム(CuInSe)、CdS/CuInSe、およびこれらの複合層を使用することができる。また光電変換層10の膜厚は、0.2〜5μmであることが好ましい。この膜厚範囲内ならば、入射光を効果的に吸収でき、かつ、内部電界も十分に確保できる。
上記構成の薄膜太陽電池の各層を成膜する方法としては、真空蒸着、分子線エピタキシー、レーザーアブレーション、スパッタリング、イオンプレーティング、イオン化クラスタービーム蒸着、およびイオンビーム蒸着などの物理的気相成長法、並びに熱化学的気相成長法、光化学的気相成長法、およびプラズマ化学的気相成長法などの化学的気相成長法を使用することができるが、中でも、スパッタリングまたは真空蒸着を使用することが好ましく、最も好ましいのはスパッタリングである。なお、各層の成膜において、例えば、Ag層を真空蒸着で成膜し、次にAg−Al合金層をスパッタリングで成膜してもよいが、生産効率を考慮すると、真空蒸着またはスパッタリングのどちらか一方に工程を集約して、成膜した方がよい。ここで成膜時の基板温度は、0℃〜350℃が好ましく、100℃〜320℃がより好ましく、200℃〜300℃が最も好ましい。本発明によれば、幅広い温度範囲で成膜できる上に、従来の導電性光反射膜と同等以上の高反射率かつ高テクスチャーの導電性薄膜を形成することが可能である。特に、基板温度が200℃〜300℃においては、本発明の合金層を含む導電性光反射膜は、従来のAgのみからなる導電性光反射膜に比べ、入射光波長700nmに対する反射率が、10%〜30%も向上する。また、成膜時の基板の温度範囲が広がり、各層毎に基板温度を設定する必要がなく同一温度で成膜ができるようになったため、工程を従来よりも簡単にすることも可能となった。
可撓性基板を使用する場合、各成膜室内を移動する基板上に連続的に成膜するロールツーロール方式の成膜装置、または各成膜室内で基板を同時に停止させて成膜し、成膜の終わった基板部分を次の成膜室へ送り出すステッピングロール方式の成膜装置を使用することが可能である。ロールツーロール方式の成膜装置の中には、磁気記録媒体等の製造によく利用されている、キャンロール方式の成膜装置も含まれる。また、剛性基板を使用する場合には、バッチ式またはインライン式等の成膜装置を使用することが可能である。
上記方法で成膜を行う場合、成膜時に使用するガスとして、He、Ne、Ar、Kr、またはXeなどの希ガスからばれた1種または複数種と、合金層に添加された易酸化性金属元素の酸化を促進するための、酸素を構成元素の1つとする、 、CO、CO、NO、NO、またはこれらの混合物からなる分子ガスとの混合ガスを使用する。特に、ArにOを添加した混合ガスを使用することが最も好ましい。また、混合ガス中、酸素を構成元素の1つとする分子ガスが0.1体積%以上含まれていればよいが、各層の成膜スピードは、混合ガスの希ガスに依存するため、分子ガスの割合が増えるに従い、成膜スピードは低下してしまう。つまり、現実的な使用に適する分子ガスの範囲としては、0.1〜50体積%であることが好ましく、0.1〜20体積%であることがより好ましく、1.0〜10体積%であることが最も好ましい。なお、分子ガスの適用範囲の決定に関しては、下記の実施例において説明する。
本発明の方法で形成された導電性光反射膜は、裏面電極として、サブストレート型またはスーパーストレート型太陽電池に適用できる。入射光が基板の反対側から入射するサブストレート型太陽電池においては、図1に示すように、基板2に合金層6または金属層4と合金層6、必要に応じて透明導電層8a、光電変換層10、および透明導電層8bの順で各層を積層すればよく、また基板に透明なガラスまたはプラスチック基板を使用し、入射光を基板側から入射するスーパーストレート型太陽電池においては、図11に示すように、基板40に透明導電層42a、光電変換層44、必要に応じて透明導電層42b、および合金層46または合金層46と金属層48との順で各層を積層すればよい。なお、図11における各層の材質または膜厚等の諸物性は、図1の各層に対応している。つまり、基板40は基板2に、透明導電層42aは透明導電層8bに、合金層46は合金層6、光電変換層44は光電変換層10に、透明導電層42bは透明導電層8aに、金属層48は金属層4に対応している。したがって、図1の各層の材料、膜厚、並びに成膜において使用された成膜方法および成膜装置等は、図11の各層に関してもそのまま使用することができる。
以下に、具体的な実施例をあげて本発明をより詳細に説明する。
まず、図1に示す内の、2、6および8aの構成からなる、金属層4を含まない場合の導電性光反射膜を作製し、その反射率の測定および表面モフォロジーの観察を行った。
(実施例1)
導電性光反射膜の作製を、図2に示すロールツーロール方式のスパッタリング装置を用いて行った。なお、このスパッタリング装置は直流(DC)高周波スパッタリング装置の一例であって、この構成の装置に限定する意図ではない。本実施例では、基板20として膜厚50μmのポリイミドフィルムを用いた。この基板20は、送りロール32から、ヒーター24と各ターゲット28、30との間を搬送用ロール36の上を介して巻き取りロール34に向けて搬送される。
ターゲットとしては、基板20が送り出される側から順に、Ag−Al合金ターゲット28、ZnOターゲット30が配置されている。本実施例において、Ag−Al合金ターゲット28は、易酸化金属元素であるAlを0.3at%含んだターゲットである。
基板20をスパッタリング装置に成膜できる状態に装着し終えた後、0.5〜10時間程度、クライオポンプおよび/またはターボ分子ポンプなどの真空ポンプ22により10−4〜10−2Paまで真空引きを行った。次いで、ヒーター24の温度を200〜350℃とし、スパッタガスをガス導入口26から導入し、圧力を0.1〜10Paに保持した。なおスパッタガスは、ArとOの混合ガスであり、混合ガス中にOが6体積%含まれたものを使用した。
次いで、Ag−Al合金ターゲット28およびZnOターゲット30にDCまたは高周波電力を印加し、かつ、基板20を搬送し、基板にAg−Al合金層を6.4nm/秒で100〜300nm、およびZnO層を1.9nm/秒で30〜200nm、順次積層して導電性光反射膜を形成した。
(比較例1)
スパッタガスをArのみとしたこと以外は、実施例1と同じ方法で導電性光反射膜を作製した。
実施例1および比較例1の導電性光反射膜を使用して、反射率および表面テクスチャー構造の比較試験を行い、その結果を図3〜図5に示す。
図3は、導電性光反射膜の長さ方向に対する反射率を示すものである。ここで、反射率は波長530nmおよび700nmの光に対する全反射率であり、成膜長さ0mが成膜の開始位置である。実施例1の場合、成膜初期から反射率は高いレベルで安定していたが、比較例1の場合には、成膜初期の反射率は実施例1に比べ、530nmの光に対して約50%、700nmの光に対して約10%も低いことが分かった。さらに、比較例1の導電性光反射膜の反射率は、実施例1の反射率に徐々に漸近するが、実施例1の反射率値に達するまで、成膜初期から約150mもの長さを要することが分かった。なお、この150m程度の遷移領域を時間に換算すると約6時間に相当する。
図4の(a)および(b)は、実施例1の成膜初期および後期の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察結果を示すものであり、かつ図5の(a)および(b)は、比較例1の成膜初期および後期のSEMによる観察結果を示すものである。これらの観察結果から、実施例1の導電性光反射膜は、成膜初期および後期のいずれも平均的な高さ40〜50nmの凹凸形状を有する良好なテクスチャー構造になっているが、比較例1の導電性光反射膜は、成膜初期では平均的な高さ40〜50nmの凹凸形状を有しているが、後期では凹凸形状の平均的な高さは15〜20nmしかなく、極度に平坦化していることが観察された。
以上の結果から明らかなように、成膜時に通常使用する希ガスなどに、酸素を構成元素の1つとする分子ガスを混合することで、高反射率かつ高テクスチャーの薄膜太陽電池の導電性光反射膜を終始安定して成膜できることが分かった。
次に、易酸化金属元素および分子ガスの適用範囲に関する検討実験を行った。
(実施例2)
ターゲット中のAl添加量を、0、0.05、0.1、0.3、0.5、1、2、5at%の8段階として導電性光反射膜を作製したこと、および、成膜中の基板や装置内の脱ガスによる影響を無くすために、真空引き開始から100時間以上脱ガスを行った後に導電性光反射膜を作製したこと以外は、実施例1と同条件で各導電性光反射膜を作製した。
図6および図7にそれぞれAg−Al合金層中のAl添加量と表面ラフネス(Ra)、全反射率との関係を示す。図6に着目するとAl添加量の増加に伴って表面ラフネスは増加し、本実験で適用した最小Al添加量0.05at%においても、すでに表面テクスチャー構造の向上効果が現れていることが明らかである。さらに、平均的な高さ20nm以上の凹凸形状を得るには、易酸化金属元素を0.01at%以上添加すればよいということが、図6より推定できる。次に、図7に着目するとAl添加量の増加に伴って全反射率が減少していることが分かる。この反射率の減少は、(1)Ag−Al合金層自身の反射率の低下、(2)導電性光反射膜のラフネス増加による透明導電層内の光閉じ込め効果の向上で、透明導電層による光吸収ロスが増加すること、という二つの影響が考えられる。
以上、図6および7の結果から、Al添加量が0.01〜5at%の範囲であれば、比較的高い反射率を維持し、かつ高いラフネスを有する表面テクスチャー構造が得られることが分かった。したがって、添加する易酸化金属元素の最適添加量は、種類により若干変化するが、0.01〜5at%の範囲、好ましくは0.05〜5at%の範囲、より好ましくは0.1〜1at%の範囲、最も好ましくは0.1〜0.5at%の範囲であれば有効に働くと考えられる。
次に、酸素を構成元素の1つとする分子ガスの適用範囲に関する検討実験を行った。
(実施例3)
ArとOの混合ガス中のO添加量を、0、0.1、0.5、1、3、6、9、12、20体積%の9段階としたこと以外は、実施例1と同条件で導電性光反射膜を作製した。
図8、9および10にそれぞれ、成膜初期(真空引き開始から約10時間)および後期(真空引き開始から約100時間)における、混合ガスに含まれる分子ガス(O)の添加量とシート抵抗、表面ラフネス(Ra)、波長700nmにおける全反射率との関係を示す。まず図8に着目すると、シート抵抗はOの増加とともに増加する傾向を示すが、本実験で適用した最大O添加量20体積%においても、抵抗増加率は初期値の50%程度であり、当該導電性光反射膜を太陽電池に適用しても許容できる範囲にある。図9および10における、表面ラフネスおよび全反射率の値は、それぞれ1体積%未満の低いO添加領域では成膜の初期と後期とで値が異なるのだが、1体積%以上のO添加領域では成膜初期および後期でほぼ値が一致している。これらの表面テクスチャー構造および全反射率に関する挙動は、前述したOの酸化効果によるものである。また、本実験で適用した最小酸素添加量0.1体積%においても、すでに表面テクスチャー構造および全反射率の向上効果を発揮し始めているため、酸素添加量は0.1体積%以上であればよいと考えられる。しかし、各層の成膜スピードを踏まえた現実的な使用を考慮すると、O添加量は0.1〜50体積%程度の範囲から使用できると思われるが、前述のシート抵抗等の結果を総合して考えると、0.1〜20体積%の範囲であれば有効に働き、より好ましくは1〜20体積%の範囲、最も好ましくは1〜10体積%の範囲で効果的に働くことが分かった。また分子ガスの種類により分解効率が変わるため、分子ガス添加量の依存性はファクターで変化するが、0.1〜20体積%の範囲内であれば有効に働くと考えられる。
応用実施例4)
実施例1による導電性薄膜の上に、a−Siのn層を12nm、a−Siの香典変換層を300nm、a−Siのp層を12nm形成し、さらにその上にITO層を70nm積層して、シングル接合のサブストレート型太陽電池のサンプルを作製した。
応用比較例2)
比較例1と同じ成膜条件で、成膜初期から約6時間以内に作製した比較例1による導電性薄膜の上に、a−Siのn層を12nm、a−Siの光電変換層を300nm、a−Siのp層を12nm形成し、さらにその上にITO層を70nm積層して、シングル接合のサブストレート型太陽電池のサンプルを作製した。
応用実施例4および応用比較例2の太陽電池を比較した結果、応用実施例4の太陽電池は、応用比較例2の太陽電池に対して5〜10%程度短絡電流密度が増加し、太陽電池の変換効率を向上できることが分かった。これは、応用実施例4に適用した導電性光反射膜が、高い反射率と良好なテクスチャー構造とを両方有することが起因していると考えられる。
次いで、図11に示すような構成のスーパーストレート型の太陽電池について述べる。
応用実施例5)
基板40に透光性のガラス基板を使用したこと、および可撓性の無いガラス基板を使用するため、スパッタ装置をロールツーロール型からインライン型に変更してスパッタリングを行ったこと以外は、実施例1と同一条件で成膜を行った。なお、各層の成膜は、基板にITO層を70nm、その上にa−Siのp層を12nm、a−Siの光電変換層を300nm、a−Siのn層を12nm形成し、さらにその上に、ZnO層を30〜200nm、Ag−Al合金層を100〜300nm積層して、スーパーストレート型太陽電池のサンプルを作製した。
応用比較例3)
比較例1と同条件で成膜初期から6時間以内に各層を成膜したこと以外は、応用実施例5と同じ構成でスーパーストレート型太陽電池のサンプルを作製した。
スーパーストレート型の太陽電池は通常、透明導電層42aにテクスチャー化が施されない。しかしながら、スーパーストレート型の太陽電池においても、応用実施例4に適用した高テクスチャーの導電性反射膜を用いれば、応用比較例3の太陽電池に比べて高効率かつ特性の安定した太陽電池が得られる。つまり、スーパーストレート型太陽電池においても、高テクスチャーの導電性光反射膜を適用することは有効であると言える。
次に、図1に示す内の、2、4、6および8aの構成からなる、金属層4および合金層6を積層した場合の導電性光反射膜を作製し、その反射率の測定および表面モフォロジーの観察を行った。
(実施例6)
基板上に、99.99%(4N)のAg層、Ag−Al合金層、ZnO層の順に成膜を行うため、スパッタリングのターゲットに99.99%のAgターゲットをさらに追加したこと、並びに、Ag層およびAg−Al合金層を6.4nm/秒で100nmまで、ZnO層を1.9nm/秒で60nmまで形成したこと以外は、実施例1と同条件で導電性光反射膜を形成した。
(比較例4)
成膜雰囲気を従来のArガス100%としたこと以外は、実施例6と同条件で導電性光反射膜を形成した。
(比較例5)
Ag−Al合金層を適用しないで、Arガス100%の雰囲気中、基板上にAg層、ZnO層の順に成膜したこと以外は、実施例6と同条件で導電性光反射膜を形成した。このとき、Ag層を続けて2回成膜し、実施例6および比較例4の膜厚と同じにした。
図12に、実施例6、比較例4、比較例5の導電性光反射膜における、散乱反射率(=(Rt−Rv)/Rt×100)の波長依存性の測定結果を示す。ここで式中のRtとは、全反射率であり、Rvとは垂直反射率である。なお、散乱反射率が高いほど、光を効果的に太陽電池内に閉じ込められるといった光閉じ込め効果が大きいと判断できる。また図13は、波長700nmの入射光に対する、導電性光反射膜の長さ方向に対する全反射率を示すものである。
図12より、実施例6および比較例4は、比較例5に比べて散乱反射率が向上していることが分かる。中でも、実施例6は比較例5に比べて、600〜800nmの入射光の波長範囲において、散乱反射率が最大50%も向上していることが確認できる。しかしながら図13を見ると、比較例4では、波長700nmの入射光に対する全反射率が、基板の長さ方向において安定していないことが分かる。これに対して実施例6は、成膜初期から後期において、全反射率が終始安定していることが確認できた。
つまり、Ag層とAg−Al合金層を積層した導電性光反射膜においても、成膜中に酸素を構成元素の1つとする分子ガスを用いることは有効であるということが示唆された。
(実施例7)
ArとOの混合ガス中のO添加量を、1、3、6、9、12体積%の5段階としたこと、および基板温度を350℃としたこと以外は、実施例6と同様の方法で、導電性光反射膜を作製した。
(実施例8)
実施例7の導電性光反射膜を適用したこと以外は、実施例4と同じ方法でシングル接合のサブストレート型太陽電池のサンプルを作製した。
図14に、実施例7の導電性光反射膜における、入射光700nmに対する散乱反射率のO添加量の依存性を示す。なお、図14には、比較のために、従来の導電性光反射膜である比較例5のデータ、および実施例7の導電性光反射膜において、O添加量を6体積%、基板温度を200℃または300℃としたときのデータも同時に示した。さらに、図15に、実施例8の太陽電池の変換効率におけるO添加量の依存性を示す。
図14より、実施例7のようなAg層とAg−Al合金層を積層した導電性光反射膜においても、成膜中にOの添加、特に3体積%以上のOの添加によって散乱反射率が向上していることから、導電性光反射膜表面のテクスチャー化が促進されていると考えられる。これは、図9の分子ガスと表面ラフネスとの相関関係に類似している。つまり、Ag層を積層した導電性光反射膜についても、成膜中の混合ガス中のOの添加量が0.1〜20体積%の範囲内であれば、前述のAg層を含まない導電性光反射膜と同様の効果が得られると考えられる。
また図15より、太陽電池の変換効率が、成膜中にOを導入することによって4〜8%程度も改善されている。これは、前述において指摘したように、テクスチャー構造の促進による散乱反射率の上昇が影響したためだと考えられる。
酸素を構成元素の1つとする分子ガスを、OからHO、CO、CO、NO、NOに変更した以外は、実施例6と同条件で導電性光反射膜を作製した。なお、 Oは比較である。
その結果、各々のガス添加量が、表1に示すような範囲内であれば、O添加時と同様のテクスチャー形成効果が得られることが確認できた。一方、 O添加により形成された導電性光反射膜においては、全反射率が他に比較して小さかった。
Figure 0004325310
表1の結果を踏まえると、成膜時の混合ガス中における、酸素を構成元素の1つとする分子ガスの添加量が、0.1〜20体積%の範囲内であれば、どの分子ガスを用いたとしても高反射率かつ高テクスチャーの導電性光反射膜を終始安定して作製できると言える。
(実施例10)
Ag−Al合金ターゲット中のAlドープ量を0.1at%または5.0at%にしたこと以外は、実施例6と同条件で導電性光反射膜を作製した。
その結果、Alドープ量が多いほど、テクスチャー化が進み、散乱反射率が向上することが確認できた。
(実施例11)
易酸化金属元素としてAlの他に、Zn、Snを適用したこと以外は、実施例6と同条件で導電性光反射膜を作製した。
図16に、各易酸化金属元素を添加した導電性光反射膜の、入射光に対する散乱反射率の測定結果を示す。その結果、ZnやSnを添加した場合には、Al同様に、Agのみの場合に比べて散乱反射率を向上できることが分かった。
(実施例12)
成膜時の基板温度を50℃、150℃、250℃と変化させたこと以外は、実施例6と同条件で導電性光反射膜を作製した。
その結果、成膜時の雰囲気ガス中に酸素を構成元素の1つとする分子ガスが存在していれば、基板温度に関わらず、従来品と同等以上の高反射率かつ高テクスチャーの導電性光反射膜を終始安定して形成できることが確認できた。
ところで、図3および図13の結果から、導電性光反射膜にAg層を含む場合も、含まない場合も、本発明によれば、ほぼ同程度の高い反射率を有する導電性光反射膜を終始安定して作製できている。このことを踏まえると、各構成のみでしか測定しなかった試験結果は、それぞれの構成においても同様に適用できると考えられる。
本発明は、太陽光発電の分野に利用可能である。
本発明の導電性光反射膜を適用したサブストレート型太陽電池の断面図の一例である。 本発明の薄膜太陽電池の製造工程で使用するロールツーロール方式のスパッタ装置の概略図の一例である。 実施例1および比較例1における導電性光反射膜の全反射率の推移である。 (a)は、実施例1における導電性光反射膜表面の成膜初期のSEM写真であり、(b)は、実施例1における導電性光反射膜表面の成膜後期のSEM写真である。 (a)は、比較例1における導電性光反射膜表面の成膜初期のSEM写真であり、(b)は、比較例1における導電性光反射膜表面の成膜後期のSEM写真である。 実施例2における導電性光反射膜の、易酸化金属元素(Al)の添加量と表面ラフネスとの相関関係を示すグラフである。 実施例2における導電性光反射膜の、易酸化金属元素(Al)の添加量と全反射率との相関関係を示すグラフである。 実施例3における導電性光反射膜の、混合ガスに含まれる分子ガス(O)の添加量とシート抵抗との相関関係を示すグラフである。 実施例3における導電性光反射膜の、混合ガスに含まれる分子ガス(O)の添加量と表面ラフネスとの相関関係を示すグラフである。 実施例3における導電性光反射膜の、混合ガスに含まれる分子ガス(O)の添加量と波長700nmに対する全反射率との相関関係を示すグラフである。 本発明の導電性光反射膜を適用したスーパーストレート型太陽電池の断面図の一例である。 実施例6および比較例4、5における導電性光反射膜の、入射光に対する散乱反射率の波長依存性を示すグラフである。 実施例6および比較例4、5における導電性光反射膜の全反射率の推移である。 実施例7における導電性光反射膜の、混合ガスに含まれる分子ガス(O)の添加量と波長700nmに対する散乱反射率との相関関係を示すグラフである。 導電性光反射膜成膜時の混合ガスに含まれる分子ガス(O)の添加量と、実施例7の導電性光反射膜を適用した太陽電池の変換効率との相関関係を示すグラフである。 種々の易酸化金属元素を適用した実施例11における導電性光反射膜の、散乱反射率の波長依存性を示すグラフである。
符号の説明
2 基板
4 金属層
6 合金層
8a 透明導電層
8b 透明導電層
10 光電変換層
12 入射光
20 基板
22 真空ポンプ
24 ヒーター
26 ガス導入口
28 Ag−Al合金ターゲット
30 ZnOターゲット
32 送りロール
34 巻き取りロール
36 搬送用ロール
40 基板
42a 透明導電層
42b 透明導電層
44 光電変換層
46 合金層
48 金属層
50 入射光

Claims (10)

  1. 薄膜太陽電池の裏面電極である導電性光反射膜の形成方法であって、
    支持基板上にAgを主成分とし1種以上の易酸化性金属元素が0.01〜5.0at%添加された合金層、または前記合金層とAg層との積層形態からなる層、および透明導電膜層を、酸素を構成元素の1つとする 、CO、CO 、N OおよびNO よりなる群から選択される1種以上の分子ガスを含む混合ガス雰囲気中で、順次成膜する工程を含み、全工程をとおして、前記混合ガス中の分子ガス含有量を0.1〜20体積%の範囲に制御することを特徴とする導電性光反射膜の形成方法。
  2. 前記合金層およびAg層を、支持基板上に(1)Ag層、合金層の順に、(2)合金層、Ag層の順に、または、(3)合金層、Ag層を複数回組み合わせて積層することを特徴とする請求項1に記載の導電性光反射膜の形成方法。
  3. 前記合金層に添加される易酸化性金属元素が、Al、Si、Zn、Sn、Ni、Cr、Mo、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性光反射膜の形成方法。
  4. 前記合金層の膜厚が、10〜1000nmであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の導電性光反射膜の形成方法。
  5. 前記支持基板が、絶縁性基板であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の導電性光反射膜の形成方法。
  6. 前記支持基板が、可撓性基板であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の導電性光反射膜の形成方法。
  7. 前記支持基板が、プラスチック基板であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の導電性光反射膜の形成方法。
  8. 前記各層の可撓性基板からなる支持基板上への成膜工程が、ロールツーロール方式またはステッピングロール方式の成膜装置内の工程であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の導電性光反射膜の形成方法。
  9. 前記各層の成膜方法が、スパッタリング、真空蒸着またはこれらの組み合わせ法のいずれかの方法であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の導電性光反射膜の形成方法。
  10. 前記各層の成膜時の支持基板温度が、0℃〜350℃に制御されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の導電性光反射膜の形成方法。
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