JP2006245075A - 太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電極層の基板への付着力をさらに向上させて、電極層の剥離に起因する特性劣化を確実に防止することができる太陽電池とその製造方法を提供する。
【解決手段】 絶縁性の可撓性基板上に形成された電極層は、銀(Ag)を含んでなる複数の層から構成されており、この複数の層のうち基板に隣接する層は、窒化アルミニウムを含んでおり、電極層中のAgの含有量(Ag/(Ag+窒化アルミニウム))は、基板に隣接する層からその膜厚方向に向かって段階的あるいは連続的に変化している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、絶縁性の可撓性基板に少なくとも電極層と光電変換層とが積層されてなる太陽電池およびその製造方法に関する。
太陽電池は、一般に、絶縁性の可撓性基板上に電極層と光電変換層とが積層されている。電極層としては、AgやAlなどの単体金属やこれらの合金が用いられている。また、光電変換層としては、アモルファスシリコンを主成分とするpn接合が代表的である。電極層を形成する場合は、単体金属または均一組成の合金のターゲットを用い、直流スパッタにより、均一な組成を有する薄膜を形成するのが一般的である。
しかしながら、このように形成した電極層は、基板に直接付着しているものの、基板との付着力が十分ではない。そのため、太陽電池を曲面に取り付ける場合には、基板から電極層が剥離することがあり、導通不良や発電不良となることがある。特に、基板の両面に電極層を形成する場合、一方の面に電極層を形成した後、その反対側の面に電極層を形成するので、反対側の面に電極層を成膜する際は、最初に形成した電極層の存在により基板の温度制御が不安定となるため、後に形成する電極層の付着力がより劣っていた。
そこで、特開平9−326496号公報では、電極層としてCu、AlおよびZnの少なくとも1種とAgとの合金を用いるとともに、この電極層を複数の層とし、これら複数の層のうち、基板に隣接する層は、基板との付着力が大きいCu、AlおよびZnを多く含有させ、光電変換層に隣接する層は、光電変換層とのオーミック性の良いAgを多く含有させることで、電極層全体として低抵抗を維持しながら、電極層と基板との付着力の向上を図っている。
また、特開平5−102503号公報では、インジウム・スズ酸化物等からなる透明電極層中にAgを含有させることで、透明電極層と隣接する光電変換層との密着性の向上を図っている。また、透明電極層中のAgの含有量を、その反対側に隣接するAgからなる集電電極層側に向かって指数関数的に増加させることで、透明電極層と集電電極層との密着性を図っている。
特開平9−326496号公報 特開平5−102503号公報
上記の特許文献1に開示されているように、基板に隣接する層をCu、AlおよびZnが多く含有するAg系合金から形成することで、基板との付着力は確かに向上する。しかしながら、このような合金で形成しても剥離に起因する特性劣化が少なからず発生していることから、電極層の基板への付着力をさらに向上させる必要がある。
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、電極層の基板への付着力をさらに向上させて、電極層の剥離に起因する特性劣化を確実に防止することができる太陽電池とその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る太陽電池は、絶縁性の可撓性基板上に電極層と光電変換層が積層されてなる太陽電池において、前記電極層は、Agを含んでなる複数の層から構成されており、この複数の層のうち前記基板に隣接する層は、窒化アルミニウムを含んでおり、前記電極層中のAgの含有量は、前記基板に隣接する層からその膜厚方向に向かって段階的あるいは連続的に変化していることを特徴とする。
なお、本明細書中において、電極層を構成する複数の層とは、電極層の組成が段階的に変化しており明確に各層を区分できる複数の層を含むほか、電極層の組成が連続的に変化しており明確に各層を区分できない状態のものも含む。
このように、電極層を複数の層とし、そのうち、基板に隣接する層には、導電性に優れたAgに窒化アルミニウムを含有させることで、基板との付着力を飛躍的に向上させることができる。また、電極層中のAgの含有量を前記基板に隣接する層からその膜厚方向に向かって段階的あるいは連続的に変化させることで、電極層全体として導電性を損ねない程度に窒化アルミニウムを導入することができる。したがって、基板への付着力が顕著に向上するので、曲げに対しても剥離を確実に防止できるとともに、全体として低抵抗が維持されるので、電力損失の少ない太陽電池を得ることができる。
前記基板は、ポリアミド、ポリイミド、液晶ポリマー、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリスチレンおよびポリカーボネートからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
前記電極層の複数の層のうち、前記基板に隣接する層についてはAgの含有量を2〜99.95at%とし、その他の少なくとも1層についてはAgの含有量を95at%以上とすることが好ましい。
また、前記電極層中のAgの含有量の変化は、前記基板に隣接する層から膜厚方向に向かって段階的あるいは連続的に増加するものであっても、減少するものであっても、減少してから増加するものであってもよい。
本発明は、別の態様として、太陽電池の製造方法であって、絶縁性の可撓性基板上に、銀と窒化アルミニウムからなる層を形成する工程と、前記層上に、銀含有量が前記層の銀含有量から段階的あるいは連続的に変化するように、銀または銀と窒化アルミニウムからなる少なくとも1つの層をさらに形成し、前記層とあわせて電極層とする工程とを含んでなることを特徴とする。スパッタリングにより前記各層を形成して前記電極層とすることが好ましく、そのときのガス圧力は0.1〜5Paとすることが好ましい。
上記したように、本発明によれば、電極層の基板への付着力がさらに向上するので、電極層の剥離に起因する特性劣化が確実に防止される太陽電池とその製造方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る太陽電池およびその製造方法の一実施の形態を説明する。図1は、本発明に係る太陽電池の一実施の形態を示す模式図であり、(a)はその平面図、(b)は(a)に示すX−X’折れ線に沿った断面図、(c)はその底面図である。
図1に示すように、基板51の両面に金属電極を有する太陽電池50は、基板面積当たりの光電変換効率を向上させるために、基板51の光電変換層53(基板の表側とする)とは反対面(裏側とする)に、発電電力の取り出し用の電極層52b、55を形成し、基板51に開けた孔56、57を通じて表側の電極層52a、54との接続を図るものである。
すなわち、基板51の表側に形成されている第1の電極層52aは、第1の孔56を通して基板51の反対面に形成されている第2の電極層52bに接続されている。また、透明電極である第3の電極層54は、第2の孔57を通して基板51の反対面に形成されている第4の電極層55に接続されている。
基板51としては、絶縁性かつ可撓性であれば特に限定されないが、ポリアミド、ポリイミド、液晶ポリマー、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリスチレンおよびポリカーボネートからなる群から選択される少なくとも1種から形成されることが好ましい。これら材料から基板51を形成することで、フィルム太陽電池を形成することができる。特に、ポリイミドを用いることがより好ましい。
第1および第2の電極層52は、それぞれ複数の層から構成されており、これら各層は銀(Ag)、または銀(Ag)と窒化アルミニウムとから形成されている。これら複数の層のうち、基板51と隣接する層は、Agと窒化アルミニウムとから形成されている。このように、基板51と隣接する層において、Agに窒化アルミニウムを導入することで、基板との付着力を顕著に向上させることができる。また、窒化アルミニウムを導入することで、電極層のテクスチャー構造(表面モフォロジー)を制御することができる。特に、基板51に隣接する層のAg含有量を2〜99.95at%とすることが好ましい。特に好ましいAg含有量は96〜99.9at%である。
また、第1および第2の電極層52a、52b中のAgの含有量を、膜厚方向に向かって(基板51と隣接する層から光電変換層53または第4の電極層56と隣接する層にわたって)変化させることで、すなわち、窒化アルミニウムの含有量を膜厚方向に向かって変化させることで、第1および第2の電極層52a、52b全体として抵抗率が高くならないようにすることができる。特に、基板51に直接付着する層以外の少なくとも1層のAg含有量を95at%以上とすることが好ましい。これにより、太陽電池の直列抵抗成分による抵抗ロスを低減することができる。
図2は、第1の電極層52aの膜厚方向における組成の変化を示すグラフであって、(a)は組成が段階的に変化している場合、(b)〜(d)は組成が連続的に変化している場合である。なお、縦軸は、第1の電極層52a中のAgの含有量(at%)を示す。横軸は、第1の電極層52aの膜厚を示し、縦軸との交点が基板51との接触点である。
図2(a)および(b)に示すように、複数の層からなる第1の電極層52aにおいて、基板51に直接付着する層では窒化アルミニウムを多く含む組成とし、膜厚方向に向かって窒化アルミニウムが減少するように組成を変化させた層を積層することで、第1の電極層52a全体として抵抗率が高くならないようにすることができる。なお、第2の電極層52bも同様に組成を変化させることで、同じ効果を得ることができる。
一方、図2(c)に示すように、基板51に直接付着する層では窒化アルミニウムを少なく含む組成とし、膜厚方向に向かって窒化アルミニウムが増加するように組成を変化させた層を積層させることで、第1の電極層52aと基板51との付着力を確保しつつ、第1の電極層52a上に形成されるa−Siを主成分とする光電変換層53や、必要により第1の電極層52aと光電変換層53との間に積層される導電性酸化物の層との付着力を強固にすることができる。
さらに、図2(d)に示すように、基板51に直接付着する層では窒化アルミニウムを少なく含む組成とし、膜厚方向に向かって窒化アルミニウムを増加させた後、再び減少するように組成の層を積層させることで、第1の電極層52aと基板51との付着力を確保しつつ、第1の電極層52a上に形成されるa−Siを主成分とする光電変換層53や、必要により第1の電極層52aと光電変換層53との間に積層される導電性酸化物の層との付着力を強固にすることができる。
光電変換層53としては、光電導性を有する有機半導体であれば特に限定されないが、アモルファスシリコン(a−Si)や、アモルファスシリコンゲルマニウム(a−SiGe)を主成分とするものが好ましく、その接合構造はpn接合や、pin接合が好ましい。特に、光電変換層53がa−Siやa−SiGeの場合、第1の電極層52aの組成の変化を図2(b)および(d)とすることで、付着力を強固にすることができる。
必要により、第1の電極層52aと光電変換層53との間に、または第2の電極層52bと第4の電極層55との間に導電性酸化物の層(図示省略)を設けることもできる。これにより、拡散バリヤー、付着力向上、光学反射増加機能を増強することができる。このような導電性酸化物としては、酸化亜鉛やITO(インジウム・スズ酸化物)などを用いることが好ましい。特に、この導電性酸化物が酸化亜鉛の場合、第1および第2の電極層52a、52bの組成の変化を図2(b)および(d)とすることで、付着力を強固にすることができる。
第3の電極層54としては、透明導電材料であれば特に限定されないが、例えば、酸化亜鉛やITOなどが好ましい。また、第4の電極層55としては、Agやニッケルなどの単体金属を用いることが好ましい。
次に、上記の構成を備えた太陽電池50の製造方法を説明する。先ず、基板51に第1の孔56を開けた後、基板51の表側に第1の電極層52aを成膜し、さらに、基板51の裏側に第2の電極層52bを成膜する。電極層52の成膜には、膜厚方向に向かってAg含有量を変化させることができる成膜法であれば特に限定されないが、スパッタリング法や反応性蒸着法などを用いることができ、特にスパッタリング法を用いることが好ましい。
スパッタリング法で用いるターゲットとしては、最初から窒化アルミニウムを含有するAgターゲットを準備しても良いが、Ag−Al合金ターゲットを用いることが好ましい。この場合、N2混合のスパッタリングガスを導入しながら成膜することで、合金ターゲット中のAgは窒化せずにAlのみが窒化して窒化アルミニウムとなり、窒化アルミニウムを含有したAg膜を形成することができる。
さらに、以下に説明するロールツーロール成膜装置を用いることで、電極層52の組成を膜厚方向に向かって変化させることができる。ロールツーロール成膜には、ステッピング方式と連続方式とがある。ステッピング方式では、基板が複数の成膜部毎に一定時間停止しながら成膜され、連続方式では、基板は一定速度で成膜部を連続的に通過する。
図3は、ステッピング方式の成膜装置を模式的に示す断面図である。基板51は、送り出しロール12から送りだされ、巻き取りロール13に巻き取られる。各成膜部20には、陽極上のまたは陽極を兼ねているターゲット21と、ヒータを内蔵する陰極27と、電源28とが3点1組でそれぞれ備えられており、基板51は各陰極27と接触している。そして、ターゲット21a、21b、21cはそれぞれ異なる組成を有することから、ターゲット21a、21b、21cの各組成に対応した組成の電極層が、基板51上に順次成膜され積層される。したがって、ステッピング方式の成膜装置により、電極層の膜厚方向の組成を図2(a)のように階段状に変化させることができる。
なお、ステッピング方式の成膜装置では、図4に示すように、各成膜部20の間に間仕切り30を設けることができる。間仕切り30は、成膜中は閉じて各成膜部20のスパッタ条件を制御し、開けた状態で基板51の移動が行われる。これにより、各成膜部20のスパッタ条件を独立に制御することが可能となる。特に、基板51に直接付着する層の成膜時に、ガス圧力を0.1〜5Paの範囲に制御することで、電極層の基板への密着力をより向上させることができる。
図5(a)は、連続方式の成膜装置を模式的に示す断面図である。なお、図3と同様な構成については同一の符号を付す。図5(a)に示すように、連続方式では、成膜部40は1部でよく、この成膜部40は、ターゲット41と陰極47と電源48とから構成されている。基板51上に成膜する電極層の組成を連続的に変化させるために、ターゲット41は、異なる組成を有する複数の部分ターゲットを組み合わせて用いることが簡便である。図5(b)にターゲット41の平面図を示す。
図5(b)に示すように、異なる組成を有する2種類の部分ターゲット43、44は、基板移動方向に細長く延びる直角三角形の同一形状を有しており、これらを交互に敷きつめることで、組成を連続的に変化させることができる。また、電極層52の成膜の初期部と終了部の組成変化を無くして隣接する層との馴染みを確保するために、ターゲット41の両端にそれぞれ長方形の部分ターゲット42、45を設けることが好ましい。なお、部分ターゲットの42と43が同一の組成であり、44と45が同一の組成である。このようなターゲット41を用いた連続式の成膜装置により、電極層の膜厚方向の組成を図2(b)または(c)のように連続的に変化させることができる。
なお、図5(b)に示すターゲット41は、組成の異なる2種類の部分ターゲット43、44を交互に敷きつめる箇所が、基板移動方向に対して1回のみ設けられているが、方向を逆にしてもう1回設けることで、電極層の膜厚方向の組成を図2(d)のようにV字型に変化させることができる。
このように基板51の両面に第1および第2の電極層52a、52bを成膜した後、必要により、第1または第2の電極層52a、52b上に、導電性酸化物の層を成膜してもよい。この導電性酸化物は、電極層52と同様にスパッタリングにより成膜することが好ましい。
次に、図1に示すように基板51に第2の孔57を開けてから、第1の電極層52a上に光電変換層53を成膜する。光電変換層53の成膜は、プラズマCVD装置を用いることが好ましい。そして、第1の孔56の周辺を除いて、光電変換層53上にさらに透明導電材の第3の電極層54を成膜する。一方、裏側の第2の電極層52b上には、金属の第4の電極層55を成膜する。第3の電極層54および第4の電極層55は、電極層52と同様にスパッタリングにより成膜することが好ましい。
このように膜を形成した後、基板51の表面および裏面の積層をそれぞれ等しい形状となるように切断部58aおよび58bで切断分割する。これにより、第4の電極層55−第2の電極層52b−第1の孔56−第1の電極層52a−光電変換層53−第3の電極層54−第2の孔57−隣の第4の電極層55を1周期とする直列接続が完成する。
(実施例1)
図5に示す連続方式の成膜装置を用いて、膜厚方向に向かって組成が連続的に変化する電極層を成膜した。基板は、厚さ50μmのポリイミド樹脂のシートを用いた。また、ターゲットは、組成がAl2at%含有AgとAg100at%の2種類の部分ターゲットを用い、それぞれ直角三角形と長方形の2種類の形状のものを用意した。
スパッタ条件は、スパッタリングガスとしてArとN2(N2:6%)の混合ガス、ガス圧2Pa、直流電圧300V、基板の移動速度0.5m/minとした。第1の孔を開けた基板の表側に第1の電極層を成膜した後、反転させて裏側に第2の電極層を成膜した。両電極層ともAgは窒化されずに、Alのみが窒化され、窒化アルミニウムの混合したAg膜が形成された。膜厚はともに、基板側から、Ag98at%の層が約80nm、組成変化層が40nm、Ag100at%の層が80nmであり、合計で約200nmであった。
得られた電極層の付着力を引っ張り試験法により評価した。引っ張り試験法では、上記のように両面に電極層を形成した基板を50mm×50mmの試験片に切断し、第1および第2の電極層上にそれぞれ面積1.0cm2の円柱状試験ピースを接着して、ピースを中心軸方向に引っ張って電極層が基板から剥離する時の力を測定した。その結果、従来付着力の低かった(30ないし500N)裏側でも、付着力は1050N以上あり、実用的な付着力の範囲である850N以上を十分に満足するものであった。
さらに、光電変換層、第3の電極層、第4の電極層を成膜し、基板上の積層を切断分割して太陽電池を作製した。この太陽電池の光電変換効率を測定したところ、第1および第2の電極層をAgのみで形成したこと以外は同じ構成である太陽電池の光電変換効率と同等であった。
(実施例2)
図3に示すステッピングロール方式の成膜装置を用いて、膜厚方向に向かって組成が段階的に変化する電極層を成膜した。基板は、実施例1と同様に、厚さ50μmのポリイミド樹脂のシートを使用した。Agの含有量が90、95および99at%のAg−Al合金ならびに100at%のAgの4種類のターゲットを用い、ArとN2(N2:6%)の混合ガスを導入しながら、上記の順に基板側から4段階の組成の電極層を形成した。膜厚は、基板側から40nm、40nm、40nmおよび80nmの合計200nmであった。
実施例1と同様に、電極層の付着力を調べたところ、実施例1と同等の優れた付着力を得ることができた。また、太陽電池を作製してその光電変換効率を調べたところ、実施例1と同様に、Ag100%と同等の光電変換効率であった。
(実施例3)
図4に示す間仕切りを設けたステッピングロール方式の成膜装置を用い、各成膜室のスパッタ時のガス圧力を変えたこと以外は、実施例2と同様の手順にて電極層を成膜した。得られた電極層の付着力の変化を調べたところ、基板に直接接触する層を成膜する際のガス圧力のみが付着力に効果があることが判った。また、圧力範囲0.1ないし5Paでは、付着力が実用的な付着力である850Nを越えた。
本発明に係る太陽電池の一実施の形態を示し、(a)は平面図、(b)はX−X’折れ線における断面図、(c)は底面図である。 図1に示す第1の電極層の膜厚方向に対する組成の変化を示すグラフであって、(a)は組成が段階的に変化している場合、(b)〜(d)は組成が連続的に変化している場合である。 ステッピング方式の成膜装置を模式的に示す断面図である。 図3の成膜装置の各成膜室間に間仕切りを設けた場合を示す断面図である。 (a)は連続方式の成膜装置を模式的に示す断面図であり、(b)はそのターゲットの平面図である。
符号の説明
12 送り出しロール
13 巻き取りロール
20 成膜部
21 ターゲット
27 陰極
28 電源
30 間仕切り
40 成膜部
41 ターゲット
42〜45 部分ターゲット
47 陰極
48 電極
50 太陽電池
51 可撓性基板
52a 第1の電極層
52b 第2の電極層
53 光電変換層
54 第3の電極層
55 第4の電極層
56 第1の孔
57 第2の孔
58 切断部

Claims (8)

  1. 絶縁性の可撓性基板上に電極層が形成されている太陽電池であって、前記電極層は、Agを含んでなる複数の層から構成されており、この複数の層のうち前記基板に隣接する層は、窒化アルミニウムを含んでおり、前記電極層中のAgの含有量は、前記基板に隣接する層からその膜厚方向に向かって段階的あるいは連続的に変化している太陽電池。
  2. 前記基板が、ポリアミド、ポリイミド、液晶ポリマー、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリスチレンおよびポリカーボネートからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記電極層の複数の層のうち、前記基板に隣接する層はAgの含有量が2〜99.95at%であり、その他の少なくとも1層はAgの含有量が95at%以上である請求項1または2に記載の太陽電池。
  4. 前記電極層中のAgの含有量の変化は、前記基板に隣接する層から膜厚方向に向かって段階的あるいは連続的に増加するものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽電池。
  5. 前記電極層中のAgの含有量の変化は、前記基板に隣接する層から膜厚方向に向かって段階的あるいは連続的に減少するものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽電池。
  6. 前記電極層中のAgの含有量の変化は、前記基板に隣接する層から膜厚方向に向かって段階的あるいは連続的に減少してから増加するものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽電池。
  7. 絶縁性の可撓性基板上に、銀と窒化アルミニウムとからなる層を形成する工程と、
    前記層上に、銀含有量が前記層の銀含有量から段階的あるいは連続的に変化するように、銀または銀と窒化アルミニウムとからなる少なくとも1つの層をさらに形成し、前記層とあわせて電極層とする工程と
    を含んでなる太陽電池の製造方法。
  8. スパッタリングにより前記各層を形成して前記電極層とするとともに、そのときのガス圧力を0.1〜5Paとする請求項7に記載の太陽電池の製造方法。
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