JP2008164768A - 反射鏡 - Google Patents

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和矢 竹本
Hideaki Miyazawa
英明 宮澤
Naoko Okada
奈緒子 岡田
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Abstract

【課題】可視光領域での反射率が高く、かつ絶縁性に優れる反射鏡を提供することを目的とする。
【解決手段】基材の一方の表面に、銀またはアルミニウムを含む金属層と、ポリ尿素層とが基材側からこの順で積層されたことを特徴とする反射鏡である。本発明の反射鏡は前記ポリ尿素層を有するため、本発明の反射鏡が液晶ディスプレイ等のバックライトユニットに適用された場合、反射鏡と発光装置の電気回路がショートすることがないため、バックライトユニットは故障することがない。
【選択図】図1

Description

本発明は、可視光領域で高い反射率を有し、絶縁性を有する反射鏡に関する。
従来より、携帯電話、液晶ディスプレイ等に用いられる、ガラスやプラスチックフィルム等の基材上に、反射膜としてアルミニウム、銀等の金属層を積層した反射鏡が知られている(たとえば、特許文献1、2)。
また、プラスチックフィルムの片面に、アンカー層、金属反射層、プライマー層、耐侯性樹脂層が順次積層された反射フィルムにおいて耐侯性樹脂層の材料としてアクリル樹脂を用いることは知られている(特許文献3)。また、特許文献3には前記耐侯性樹脂層は、塗布法によって形成される旨が記載されている。
基材上に金属層を製膜した反射鏡は発光装置と組み合わせて、液晶ディスプレイ等のバックライトユニットとして用いられる。その場合、金属層が導電性であるために、反射鏡と発光装置の電気回路がショートし、バックライトユニットが故障する問題がある。電気回路のショートを防ぐ、すなわち絶縁性に優れ、かつ反射性能に優れる反射鏡は知られていなかった。
一方、蒸着重合法によりポリ尿素層を形成し、絶縁層とすることは知られている(特許文献4)。しかし、特許文献4には、ポリ尿素を反射鏡用途に適用する記載は無い。
実開平5−73809号公報 特開2005−227469号公報 特開2005−280131号公報 特開平9−249851号公報
前記の問題点を解決するために、本発明は、可視光領域での反射率が高く、かつ絶縁性に優れる反射鏡を提供することを目的とする。
本発明は、基材の一方の表面に、銀またはアルミニウムを含む金属層と、ポリ尿素を含む絶縁層とが基材側からこの順で積層されたことを特徴とする反射鏡を提供する。
本発明は、基材表面に、銀またはアルミニウムを含む金属層を形成する工程、大気圧より減圧の雰囲気下で、アミン化合物と、イソシアナート化合物とを別々の蒸発源から蒸発される工程、前記蒸発されたアミン化合物とイソシアナート化合物とが、前記基材における金属層が積層された側の面の最表面で反応し絶縁層が形成される工程を含む反射鏡の製造方法を提供する。
本発明の反射鏡は、可視光領域での反射率が高く、かつ絶縁性に優れる。
<反射鏡>
本発明の反射鏡は、基材と、銀またはアルミニウムを主成分として含む金属層と、絶縁層とがこの順で積層されたものである。基材と金属層の間には、酸化物からなる密着層をさらに有することが好ましい。金属層と絶縁層の間には、酸化物からなる保護層をさらに有することが好ましい。
図1は、本発明の反射鏡の好ましい一例を示す断面図である。反射鏡10は、基材11と、該基材11上に設けられた密着層12と、該密着層12上に設けられた金属層13と、該金属層13上に設けられた保護層14と、該保護層14上に設けられた絶縁層15とを有するものである。
(基材)
基材11の材質としては、たとえば、ガラス、石英、セラミックス等の無機物質;ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート等のプラスチック等が挙げられる。
基材の形状は、平面、拡散面、凹面、凸面、台形等、各種の反射鏡の基材として求められる形状であればよい。
基材11としては、軽量化できる点で、プラスチックのフィルムが特に好ましい。
基材11の厚さは、平面形状である場合、30〜500μmが好ましい。
基材11の表面には反射光を拡散させる目的で凹凸を有する層が設けられていても良い。凹凸を有する層の材質としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等が好ましく挙げられる。凹凸の高さは5〜45μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。凹凸の山から山までのピッチとしては10〜60μmが好ましく、15〜45μmがより好ましい。凹凸の形状としては、台形の矩形であることが好ましい。
基材11は、密着層12、銀層13等との密着性を向上させるために、プラズマ処理等が施されていてもよい。
(密着層)
密着層12は、酸化物からなる膜である。密着層12を設けることにより、これに接する基材11と金属層13との密着性を高めることができ、その結果、反射鏡10の耐湿性を向上できる。
酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化ニオブ等が挙げられる。これらのうち、密着性の点から、酸化チタンが好ましく、TiO(1.5≦x<2)で表される、酸素欠損を有する酸化チタンが特に好ましい。
密着層12は、単層であってもよく、複数の層から構成されていてもよい。
密着層12の膜厚は、1〜50nmが好ましく、3〜15nmが特に好ましい。密着層12の膜厚が1nm未満では、基材11と金属層13との密着性を向上させる効果が現れにくい。密着層12の膜厚が50nmを超えると、密着層12表面の凹凸が大きくなり、反射率が低くなったり、内部応力が高くなるため密着性が低下したりするおそれがある。膜厚は、物理膜厚であり、物理膜厚は、エリプソメーター、触針式段差計等により求めることができる。
(金属層)
金属層13は、銀またはアルミニウムを主成分として含む層であり、光を反射させる反射膜としての役割を果たす。ここで、銀またはアルミニウムを主成分として含むとは、金属層中に銀またはアルミニウムが90原子%以上含むことを意味する。
特に金属層13を、銀を主成分として含む層とすることにより、反射鏡10の可視光領域の反射率を高め、入射角による反射率の依存性を低減させることができる。可視光領域とは、400〜700nmの波長領域を意味する。また、入射角とは、膜面に対して垂直な線に対する角度を意味する。
銀を主成分として含む層には、銀と、金、パラジウム、スズ、ガリウム、インジウム、銅、チタンおよびビスマスからなる群から選ばれる1種以上のその他の金属を含んでも良い。銀に前記その他の金属を含ませることにより、金属層13の耐久性が向上するため好ましい。その他の金属としては、耐高温高湿性、反射率の点から、金が特に好ましい。
金属層13に、その他の金属が含まれる場合、銀は、金属層13における銀とその他の金属との合計(100原子%)中、90〜99.8原子%が好ましい。また、その他の金属は、耐久性の点から0.2〜10原子%が好ましい。
金属層13の膜厚は、60〜300nmが好ましく、80〜200nmが特に好ましい。
金属層13の膜厚が60nm未満では、可視光領域の反射率が低下するおそれがある。金属層13の膜厚が300nmを超えると、金属層13表面に凹凸が発生しやすくなり、これにより光の散乱が生じてしまい、可視光領域での反射率が低下するおそれがある。
(保護層)
保護層14は、酸化物からなり、保護層14を設けることにより、これに接する金属層13の変質を抑え、その結果、反射鏡10の耐湿性、耐硫黄性を向上させることができる。
酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化ニオブ等が挙げられる。耐久性の観点から、酸化亜鉛を主成分とする層がより好ましい。
酸化亜鉛には、その他の酸化物が含まれていてもよい。前記その他の酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ガリウム等が挙げられ、酸化チタンが特に好ましい。酸化チタンがドープされた酸化亜鉛は、その結晶構造が、金属層13の結晶構造と近いため、金属層13と保護層14の密着性を高めることができ、その結果、反射鏡10の耐湿性、耐硫黄性を向上させることができる。
保護層14に用いられる酸化亜鉛に酸化チタンがドープされる場合、チタンは、チタンと亜鉛との合計(100原子%)中、1〜50原子%が好ましく、5〜20原子%がより好ましい。チタンをこの範囲内とすることにより、耐湿性、耐硫黄性が良好な保護層14を得ることができる。
保護層14の膜厚は、2〜20nmが好ましい。保護層14の膜厚が2nm未満では、反射鏡10の耐湿性、耐硫黄性が不充分となるおそれがある。保護層14の膜厚が20nmを超えると、保護層14表面に凹凸が発生しやすくなり、これにより光の散乱が生じてしまい、可視光領域での反射率が低下するおそれがある。
(絶縁層)
絶縁層15は、アミン化合物とイソシアナート化合物とを反応させることにより得られるポリ尿素を含む層である。前記ポリ尿素は、アミノ基とイソシアナート基とが反応して得られる−NH−CO−NH−で表される2価の基を有する化合物である。絶縁層15を設けることにより、反射鏡10には、絶縁性が付加され得る。絶縁層15は、反射鏡10の最表面に設けられることが好ましい。
アミン化合物としては例えば、式(1)で表されるジアミン化合物が好ましく挙げられる。
NH−R−NH ・・・(1)
は、炭素数1〜25の2価の炭化水素基を表す。2価の炭化水素基であるRとしては、具体的には、炭素数1〜25のアルキレン基、Cy−CH−Cy、Cy−O−Cy、Cy−S−Cy、Ph−O−Ph、Ph−CH−Ph、Ph−S−Phなどが挙げられる(ただし、Cyは置換基を有していてもよいシクロヘキシレン基、Phは置換基を有していてもよいフェニレン基を表す。)。また、アミン化合物としては、フェニレン基等の芳香族基を含まず、単環式飽和炭化水素基および単環式不飽和炭化水素基から選ばれる1種以上の基を含むことが好ましい。シクロヘキシレン基を含むことがさらに好ましい。シクロヘキシレン基等の単環式飽和炭化水素基および単環式不飽和炭化水素基から選ばれる1種以上の基を含むアミン化合物を用いると、耐光性に優れた反射鏡を得ることができるため好ましい。式(1)の具体的な化合物としては、ジアミノドデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)サルファイド等が挙げられる。耐光性の観点から、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンを使うことがより好ましい。
イソシアナート化合物としては、例えば、式(2)で表されるジイソシアナート化合物が好ましく挙げられる。
O=C=N−R−N=C=O ・・・(2)
は、炭素数1〜25の2価の炭化水素基を表す。Rとして具体的には、CH−Cy−CH、CH−Cy−Cy−CH、CH−Ph−Ph−CH等が挙げられる(ただし、Cyは置換基を有していてもよいシクロヘキシレン基、Phは置換基を有していてもよいフェニレン基を表す。)。また、イソシアナート化合物としては、ベンゼン環等の芳香族基を含まず、単環式飽和炭化水素基および単環式不飽和炭化水素基から選ばれる1種以上の基を含むことが好ましい。シクロヘキシレン基を含むことがさらに好ましい。シクロヘキシレン基等の単環式飽和炭化水素基および単環式不飽和炭化水素基から選ばれる1種以上の基を含むイソシアナート化合物を用いると、耐光性に優れた反射鏡を得ることができるため好ましい。式(2)の具体的な化合物としては、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、4,4’−ビス(イソシアナートメチル)ビフェニル等が挙げられる。耐光性の観点から、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサンを使うことがより好ましい。
アミン化合物およびイソシアナート化合物ともに、芳香族基を含まず、単環式飽和炭化水素基および単環式不飽和炭化水素基から選ばれる1種以上の基を含む化合物を原料として用いた場合、得られるポリ尿素を含む絶縁層に紫外線を照射しても前記絶縁層の色が黄変することがないため好ましい。ポリ尿素を含む絶縁層に例えばフェニレン基が含まれる場合、紫外線が照射されることによりフェニレン基がキノイド構造をとり黄変する恐れがある。
絶縁層の厚さとしては10〜1000nmが好ましく、30〜200nmがより好ましい。ポリ尿素膜の厚さが10nm以上あれば絶縁層が島状にならず均一な膜とすることができ、十分な絶縁性を得られるため好ましい。絶縁層の厚さが1000nm以下であれば得られた反射鏡の反射率を十分高くできるため好ましい。
絶縁層の形成方法としては、塗布法やCVD法、蒸着重合法が挙げられ、被覆性の観点からは蒸着重合法が好ましい。蒸着重合法によりポリ尿素を含む絶縁層を形成することで、他の方法と比較して薄い膜厚で絶縁性が得られるため、可視光域で高反射でありながら絶縁性である反射鏡を得ることができる。絶縁層中には、アミン化合物とイソシアナート化合物とが反応して得られたポリ尿素だけでなく、未反応のアミン化合物や未反応のイソシアナート化合物がさらに含まれていてもよい。すなわち、本発明における絶縁層は、アミン化合物とイソシアナート化合物との反応生成物、未反応のアミン化合物および未反応のイソシアナート化合物からなる層であってもよい。
(反射鏡の製造方法)
反射鏡10は、基材11上に、各層を順次、スパッタ法、蒸着重合法等により製膜することにより得られる。本発明の金属層、保護層および密着層はスパッタ法により成膜されることが好ましい。また、本発明の絶縁層は蒸着重合法により成膜されることが好ましい。
密着層12は、スパッタ法により製膜されることが好ましい。雰囲気としては、酸化性ガスを実質的に含まないアルゴン等の希ガス雰囲気が好ましい。酸素等の酸化性ガスは、18体積%以下が好ましい。
密着層12用のターゲットとしては、酸化性ガスを実質的に含まない雰囲気下で酸化物膜を製膜できる点で、酸化物ターゲットが好ましい。酸化物ターゲットとしては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化クロムおよび酸化ニオブからなる群から選ばれる1種以上を含むターゲットが挙げられる。
DCスパッタ法で密着層12を製膜する場合、高速で製膜できる点で、酸素欠損ターゲットが好ましい。酸素欠損ターゲットとしては、たとえば、TiO(1.5≦x<2.0)として表されるものが挙げられる。
金属層13は、アルゴンガス雰囲気下で、銀またはアルミニウムを主成分とするターゲットを用いて、スパッタ法により製膜されることが好ましい。高反射率を得るという観点からは、特に銀または銀合金を主成分とするターゲットが特に好ましい。
銀ターゲットとしては、銀を95質量%以上含有するターゲットが好ましい。銀合金ターゲットとしては、銀を95〜99.7質量%含有し、その他の金属を0.3〜5.0質量%含有するターゲットが好ましい。
保護層14は、スパッタ法により製膜されることが好ましい。雰囲気としては、酸化性ガスを実質的に含まないアルゴン等の希ガス雰囲気が好ましい。保護層としては酸化亜鉛を主成分とするものが特に好ましい。
保護層が酸化亜鉛を主成分とする層である場合は、酸化チタンを5〜20質量%ドープした酸化亜鉛ターゲットを用いることが好ましい。
ポリ尿素膜15は、蒸着重合法により成膜されることが好ましい。まず、蒸着源用の金属筒22にアミン化合物を、金属筒23にイソシアナート化合物をそれぞれ導入する。また、絶縁層が未形成である反射鏡26をチャンバー20内にセットする。その後油回転ポンプ22とメカニカルブースターポンプ21によりチャンバー20内を減圧大気雰囲気下にする。減圧大気雰囲気下のチャンバー20内に、気化したアミン化合物とイソシアナート化合物とを導入し、絶縁層が未形成である反射鏡26表面にアミン化合物とイソシアナート化合物との反応により得られたポリ尿素を含む絶縁層15を形成し、反射鏡10が得られる。絶縁層15中には、未反応のアミン化合物および未反応のイソシアナート化合物がさらに含まれていてもよい。
チャンバー内の絶縁層が未形成である反射鏡26の温度は−20〜70℃であることが好ましい。基材温度が−20℃以上では、成膜レートが適度に制御され得る。基材温度が70℃以下では、モノマーの保護層14への付着確率が上昇し、成膜に適している。
モノマー温度は、原料にもよるが、40℃〜200℃程度が好ましい。モノマー温度を40℃以上とすることで、雰囲気中のモノマーの割合が増えるため、成膜に適している。モノマー温度が200℃以下では成膜レートが適度に制御され得る。
成膜圧力としては0.01〜100Paが好ましい。0.01Pa以上では雰囲気中のモノマーの割合が増えるため、成膜に適している。100Pa以下では成膜レートが適度に制御され得る。
反射鏡10は、JIS Z 8701の規定による視感反射率が90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、97%以上であることがさらに好ましい。これにより、反射鏡10の反射率が高くなり、プロジェクションテレビ、液晶ディスプレイ等の画像装置に用いた場合、輝度を下げることなく画像を映し出すことができる。
本発明の反射鏡10は、プロジェクションテレビや液晶ディスプレイのバックライトユニットに設置された反射鏡として用いることが好ましい。本発明の反射鏡10は、液晶ディスプレイ等のバックライトユニット用反射鏡として用いられた場合、金属層が導電性であっても、前記金属層は絶縁層で被覆されているため、反射鏡と発光装置の電気回路がショートすることがないためバックライトユニットが故障することがない。さらに、本発明における絶縁層は、可視光透過率を大きく下げることなく優れた電気絶縁性を有するため、本発明の反射鏡は、絶縁性に優れ、かつ反射性能に優れる。
例1は実施例、例2、3は比較例である。
[例1]
真空槽内に、基材として、アクリル樹脂に凹凸が形成されたフィルムが貼り合わされたポリエチレンテレフタレートフィルム(凹凸高さ:25μm、フィルム厚さ:50μm)を配置した。
ターゲットとして、TiO酸素欠損ターゲット(商品名「TXO」、旭硝子セラミックス社製)、金を添加した銀合金ターゲット(金含有率1原子%、銀の含有率99原子%)、および酸化チタンを10質量%ドープした酸化亜鉛ターゲットを、それぞれカソード上部の基材に対向するように設置した。真空槽内を2×10−5Paまで排気した。
真空槽内にアルゴンガスを200sccm導入し、100Wの電力を投入し、イオンビームソース(「LIS−150」、アドバンストエナジー社製)からイオン化されたアルゴンイオンを基材に照射し、基材の乾式洗浄を行った。
ついで、スパッタガスとしてアルゴンガスを真空槽内へ導入した。TiO酸素欠損ターゲットを用いて、DCスパッタリング法により、0.15Paの圧力で、周波数100kHz、電力密度0.79W/cm、反転パルス幅1μ秒のパルススパッタを行い、基材上に酸化チタン膜(密着層)を5nmの膜厚で製膜した。酸化チタン膜の成分はターゲットと同等であった。
ついで、残存ガスを排気後、スパッタガスとしてアルゴンガスを真空槽内へ導入した。
金を添加した銀合金ターゲットを用いて、DCスパッタリング法により、0.15Paの圧力で、周波数100kHz、電力密度2.46W/cm、反転パルス幅5μ秒のパルススパッタを行い、酸化チタン膜表面に金を含む銀合金膜を150nmの膜厚で製膜した。
銀合金膜の成分はターゲットと同等であった。
ついで、スパッタガスとしてアルゴンガスを真空槽内へ導入した。酸化チタンを10質量%ドープした酸化亜鉛ターゲットを用いて、DCスパッタリング法により、0.20Paの圧力で、周波数100kHz、電力密度0.25W/cm、反転パルス幅1μ秒のパルススパッタを行い、酸化亜鉛膜を3nmの膜厚で製膜した。
ついで、図2に示す装置を用いて蒸着重合によりポリ尿素を形成した。蒸着源用の金属筒22にアミン化合物としてビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンを、金属筒23にイソシアナート化合物として1.3ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサンそれぞれ導入した。また、絶縁層が未形成である反射鏡26をチャンバー20内にセットした。その後油回転ポンプ22とメカニカルブースターポンプ21によりチャンバー20内を0.1Paまで排気した。その間にビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンの温度をマントルヒーター(図示せず)によって76.0±1℃まで上昇させた。また、1.3ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサンの温度をマントルヒーター(図示せず)によって66.0±1℃まで上昇させた。その後チャンバー20内に、気化したアミン化合物とイソシアナート化合物とを導入し、絶縁層が未形成である反射鏡26上に絶縁層を100nm形成し、反射鏡10を得た。
得られた反射鏡について、以下の評価を行った。結果を表1〜3に示す。
(1)高温高湿試験:
反射鏡を50mm×100mmの大きさに切り出しサンプルとした。恒温恒湿槽(装置名:IG420、ヤマト科学社製)の中に前記サンプルを入れて、温度60℃、相対湿度90%の雰囲気中にサンプルを100時間放置し、放置後の膜剥離および腐食の有無を確認した。
○:膜の剥離もなく、腐食の検出も見られなかった。
×:膜に剥離および/または腐食の検出が見られた。
(2)高温試験:
反射鏡を50mm×100mmの大きさに切り出しサンプルとした。恒温恒湿槽(装置名:LC−223、エスペック社製)の中に前記サンプルを入れて、温度85℃、相対湿度30%以下の雰囲気中にサンプルを100時間放置し、放置後の膜剥離および腐食の有無を確認した。
○:膜の剥離もなく、腐食の検出も見られなかった。
×:膜に剥離および/または腐食の検出が見られた。
(3)テープ剥離試験:
反射鏡の膜面をカッターを用いて切断し、ます目を100個形成した。接着テープ(ニチバン社製)を手の力で強く膜面に貼り付け、勢い良く剥がした後の膜面のます目の剥離の有無を確認した。全く剥離がない場合を100/100、全て剥離の場合を0/100とした。剥離試験は成膜直後に行った。
(4)膜面反射率:
カラーアナライザー(装置名:TOPSCAN、東京電色社製)を用いて膜面側の反射率を測定し、JIS Z 8701(1982年)に規定する三刺激値の色度Yを計算により求め、視感反射率とした。測定は正反射光および拡散光の両方を測定することにより測定するSCI方式で行った。視感反射率は成膜直後、高温高湿試験後および高温試験後に測定した。
(5)絶縁性試験:
反射鏡を50×100mmに切り出しサンプルに供した。テスター(装置名:3244、日置電機社製)のプローブを3cm離して反射鏡の成膜面に設置し、プローブ間の抵抗値を測定した。
絶縁性については、以下の基準で評価した。
○:抵抗値が高く、テスターでは測定できなかった。
×:反射鏡本来の抵抗値である1.4Ωが計測された。
[例2]
例1からポリ尿素膜を除いた以外は、例1と同様にして反射鏡を得た。得られた反射鏡について、例1と同様の方法で評価した。結果を表1〜3に示す。
[例3]
例1のポリ尿素膜を、CVD法によるSiON膜に置き替えた以外は例1と同様にして反射鏡を得た。得られた反射鏡について、例1と同様の方法で評価した。結果を表1〜3に示す。
Figure 2008164768
Figure 2008164768
Figure 2008164768
得られた反射鏡を断面TEMにより観察し、絶縁層の被覆性について観察を行った。断面TEMの写真を図3に示す。基材に凹凸があるにも関わらず、基材上に均等な厚さで絶縁層15が形成されており、十分な被覆性が得られていることを確認した。
本発明の反射鏡は、フラットパネルディスプレイ、プロジェクションテレビ、携帯電話等の表示ディスプレイ等の光源用の反射部材、特に、絶縁性が要求されるモバイル用パーソナルコンピュータ、携帯電話、PDA、携帯型のゲーム機器等の電子機器の表示ディスプレイの光源用の反射部材として有用である。
本発明の反射鏡の一例を示す断面図である。 本発明の蒸着重合装置の一例である。 断面TEMによる例1で得られた反射鏡の断面写真
符号の説明
10:反射鏡
11:基材
12:密着層
13:金属層
14:保護層
15:絶縁層
16:断面TEM撮影用のカーボン膜
17:断面TEM撮影用のタングステン膜
20:チャンバー
21:メカニカルブースターポンプ
22:油回転ポンプ
23:蒸着源用の金属筒(アミン化合物)
24:蒸着源用の金属筒(イソシアナート化合物)
25:バルブ
26:絶縁層が未形成である反射鏡

Claims (5)

  1. 基材の一方の表面に、銀またはアルミニウムを含む金属層と、ポリ尿素を含む絶縁層とが基材側からこの順で積層されたことを特徴とする反射鏡。
  2. 基材と金属層の間に、さらに酸化物からなる密着層を有する、請求項1に記載の反射鏡。
  3. 金属層とポリ尿素層の間に、さらに酸化物からなる保護層を有する、請求項1または2に記載の反射鏡。
  4. 前記ポリ尿素層の厚さが10〜1000nmである、請求項1,2または3に記載の反射鏡。
  5. 基材表面に、銀またはアルミニウムを含む金属層を形成する工程、
    大気圧より減圧の雰囲気下で、アミン化合物と、イソシアナート化合物とを別々の蒸発源から蒸発される工程、
    前記蒸発されたアミン化合物とイソシアナート化合物とが、前記基材における金属層が積層された側の面の最表面で反応し絶縁層が形成される工程を含む反射鏡の製造方法。
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