JP5081502B2 - 光反射板 - Google Patents
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第3の発明は、第1の発明の光反射板に係り、前記保護層の有機樹脂材料は、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリエステル樹脂及びウレタン樹脂のいずれか一であることを特徴とし、
第4の発明は、第1の発明の光反射板に係り、前記反射層の厚さは、50〜350nmであることを特徴とし、
第5の発明は、第1の発明の光反射板に係り、前記保護層は、顔料として青色系の顔料のみを含むことを特徴とし、
第6の発明は、第5の発明の光反射板に係り、前記青色系の顔料は、コバルト青、コバルト紫、群青、紺青、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー、セルリアンブルー及びプロシア青のいずれか1種であることを特徴としている。
(本発明の第1の実施の形態の光反射板)
(i)光反射板の構造
(a)基体の構造
(b)反射層の構造
(c)顔料を含む保護層の構造
(ii)光反射板の製造方法
(iii)光反射板の性能比較
(本発明の第2の実施の形態に係る光反射装置)
(i)光ダクト
(ii)エッジライト型バックライト及び液晶表示装置
(iii)照明器具その他
(本発明の第1の実施の形態の光反射板)
(i)光反射板の構造
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る光反射板の全体の構造について示す断面図である。図1(b)、(c)は基体1の構成を示す断面図である。
基体51は、図1(b)に示す、基板1の上にバインダ層2が形成されたもの、または、図1(c)に示す、ガラス又はステンレスからなる基板1aだけのものを用いることができる。
反射層3は、銀、又は銀を主成分とする銀合金からなる膜で構成される。銀合金は、銀に、錫、インジウム、亜鉛、ニッケル、銅あるいはパラジウムを添加したものが好適である。添加する金属の添加量としては3質量%以下が好ましい。その理由は、3質量%を越えると、光反射率が急激に低下するためである。
保護層4は、有機樹脂材料若しくは無機材料、或いはそれらの混合物に青色系の顔料を含有した単層の膜が好適である。または、下層として有機樹脂の膜を用い、上層として無機材料の膜を用いた2層とし、上層又は下層のうち少なくともいずれか一層に青色系の顔料を含有したものを用いることができる。或いは、これと逆に、下層として無機材料の膜を用い、上層として有機樹脂の膜を用いた2層とし、上層又は下層のうち少なくともいずれか一層に青色系の顔料を含有したものを用いることができる。
次に、上記光反射板101の製造方法について説明する。
次に、本発明の実施例の光反射板の性能を、比較例の光反射板の性能と比較して調査した結果について説明する。それらは図4(a)、(b)の表にまとめて記載されている。
板厚0.5mmのアルミニウム基板の表面にシリカゾルを含んだ水溶液を塗布し、乾燥した。乾燥後のシリカ膜の厚さは0.1μmであった。引き続き、銀鏡反応により銀膜を70nmの厚さで被覆した。次いで、銀膜の表面に0.1質量%のコバルト青を含んだアクリル樹脂を塗布し、乾燥した。乾燥後のアクリル樹脂膜の厚さは6μmであった。
板厚0.5mmのアルミニウム基板に陽極酸化処理を施し、厚さ150nmの陽極酸化膜を形成した。次いで、アルミナゾルを含んだ水溶液に陽極酸化処理を施したアルミニウム基板を浸漬し、そのアルミニウム基板を陰極とし、ステンレス鋼板を陽極として、アルミナゾルを含んだ水溶液で電解処理を行い、乾燥した。これにより、陽極酸化膜の表面に膜厚が5μmであるアルミナ膜が成膜される。引き続き、銀鏡反応により銀膜を150nm被覆した。次いで、銀膜の表面に、シリカゾルを含んだ水溶液に基板を浸漬し、シリカ膜を0.1μmの厚さで形成した。さらに、シリカ膜の表面に0.2質量%の紺青を含んだアクリル樹脂を塗布し、乾燥した。乾燥後のアクリル樹脂膜の厚さは6μmであった。
板厚0.5mmの溶融亜鉛−55質量%アルミニウム合金めっき鋼板の表面に酸化チタンゾルを含んだ水溶液を塗布し、乾燥した。乾燥後の酸化チタンの厚さは3μmであった。引き続き、銀鏡反応により銀膜を100nmの厚さで被覆した。次いで、銀膜の表面に、0.05質量%のフタロシアニンブルーを含んだアクリル樹脂を塗布し、乾燥した。乾燥後のアクリル樹脂膜の厚さは25μmであった。
板厚0.5mmのステンレス鋼板(SUS304)を用意した。酸化ジルコニウムゾルを含んだ水溶液にステンレス鋼板を浸漬し、そのステンレス鋼板をカソードとし、別のステンレス鋼板をアノードとして陰極処理し、乾燥した。乾燥後、基板表面に堆積された酸化ジルコニウムの膜厚は2μmであった。引き続き、銀鏡反応により銀膜を83nmの厚さで成膜した。次いで、銀膜の表面に0.3質量%のプロシア青及び3質量%のシリカを含んだアクリル樹脂を塗布し、乾燥した。乾燥後のアクリル樹脂膜の厚さは10μmであった。
板厚0.5mmの電気亜鉛−コバルト−モリブデン複合めっき鋼板(両面めっき、片面のZnめっき量:20g/m2)を用意した。その表面にクロメート処理(両面処理、片面あたりCrとして40mg/m2付着)を施した。さらに、その上に酸化ハフニウムゾルを含んだ水溶液を塗布し、乾燥した。乾燥後の酸化ハフニウム膜の厚さは2μmであった。引き続き、銀鏡反応により銀膜を130nmの厚さで成膜した。次いで、銀膜の表面に0.05質量%のコバルト青を含んだアクリル樹脂を塗布し、乾燥した。乾燥後のアクリル樹脂膜の厚さは6μmであった。さらに、上記処理した電気亜鉛めっき鋼板を、シリカゾルを含んだ含んだ水溶液中に浸漬し、シリカを乾燥後の厚さが0.1μmとなるように塗布し、乾燥した。
板厚0.5mmのアルミニウム基板を用意した。次いで、シリカゾルとアルミナゾルを含んだ水溶液に基板を浸漬し、基板をカソードとし、ステンレス鋼板をアノードとして陰極処理し、乾燥した。乾燥後、基板上に堆積されたシリカとアルミナの混合物からなる膜の膜厚は3μmであった。引き続き、銀鏡反応により銀膜を70nmの厚さで成膜した。次いで、アルミナゾルを含んだ水溶液に基板を浸漬し、基板をカソードとし、ステンレス鋼板をアノードとして陰極処理し、乾燥した。乾燥後、基板上の銀膜表面に堆積されたアルミナ膜の膜厚は0.1μmであった。さらに、アルミナ膜の表面に0.1質量%のコバルト青を含んだアクリル樹脂を塗布し、乾燥した。乾燥後のアクリル樹脂膜の厚さは6μmであった。
板厚0.5mmのアルミニウム基板の表面にシリカゾルを含んだ水溶液を塗布し、乾燥した。乾燥後のシリカ膜の厚さは0.1μmであった。引き続き、銀鏡反応により銀膜を70nmの厚さで成膜した。次いで、銀膜の表面にアクリル樹脂を塗布し、乾燥した。乾燥後の厚さは6μmであった。
板厚0.5mmのアルミニウム基板の表面にシリカゾルを含んだ水溶液を塗布し、乾燥した。乾燥後のシリカ膜の厚さは0.1μmであった。引き続き、銀鏡反応により銀膜を70nmの厚さで成膜した。次いで、銀膜の表面にアクリル樹脂を塗布し、乾燥した。乾燥後の厚さは2.8μmであった。
板厚0.5mmのアルミニウム基板の表面にシリカゾルを含んだ水溶液を塗布し、乾燥した。乾燥後のシリカ膜の厚さは0.1μmであった。引き続き、銀鏡反応により銀膜を70nmの厚さで成膜した。次いで、銀膜の表面に保護層を設けず、銀膜の表面を露出させた。
板厚0.5mmのアルミニウム板の表面にシリカゾルを含んだ水溶液を塗布し、乾燥した。乾燥後のシリカ膜の厚さは0.1μmであった。引き続き、銀鏡反応により銀膜を50nmの厚さで被覆した。次いで、銀膜の表面に0.01質量%のコバルト青を含んだアクリル樹脂を塗布し、乾燥した。乾燥後の厚さは6μmであった。
板厚0.5mmの電気亜鉛めっき鋼板(両面めっき、片面のZnめっき量:20g/m2)の表面に、銀鏡反応により銀膜を100nmの厚さで被覆した。次いで、銀膜の表面にアクリル樹脂を塗布し、乾燥した。乾燥後の厚さは40μmであった。さらに、シリカゾルを含んだ水溶液を塗布し、乾燥した。乾燥後のシリカ膜の厚さは0.05μmであった。
上記のように作製した実施例に係る光反射板及び比較例に係る光反射板について下記に示すような評価方法及び条件で特性評価を行った。その評価結果を図5の表に示す。
測定装置としてミノルタ製CM−3500d(光源:D65、口径:8mm)を用いて、JIS Z8722に準じて、波長450nmと550nmにおける光反射率を測定した。波長450nmの場合は、青色系の光の反射率を評価を示す。なお、硫酸バリウム標準白色板による反射率を基準とする校正を行った。
H2Sを1.5ppmとNO2を3ppm含んだ大気中(温度:30℃、湿度:70%RH)に、サンプルを24時間放置し、正反射率の低下率を測定した。正反射率は波長550nmで測定し、(初期の光正反射率−24時間経過後の光正反射率)×100/初期の光正反射率を正反射率の低下率と定義した。
光反射板に粘着テープを貼り付けて引き剥がすことにより試験を行った。膜剥がれが起こったものを×印で示し、起こらなかったものを○印で示した。
図5の表によれば、実施例1〜6は、保護層4の厚さが5〜30μmなので、正反射率は経時的な劣化が少なくて良好である。また、保護層4は、青色系の顔料を0.05質量%以上含んでいるので、青色系の光反射率(波長450nmでの反射率で評価)が良好である。さらに、図5の表には表示していないが、実施例1〜6ともに、膜剥がれは起こらず、密着性は良好であった。
(i)光ダクト
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る光ダクト102の構成を示す斜視図である。
図3(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示装置のエッジライト型バックライト103の構成を示す斜視図である。同図(b)は、図3(a)のI−I線に沿う断面図である。
第1の実施形態の光反射板を、照明器具の光反射板、例えば蛍光灯や水銀灯から出射される光の反射板として用いることができる。
2 バインダ層
3 反射層
4 保護層
5 採光部
6 放光部
7 導光部
8 仕切り壁
9 導光板
10a、10b、12 反射板
11 光源
13 拡散シート
14 液晶パネル
51 基体
101 光反射板
102 光ダクト
103 液晶表示装置のエッジライト型バックライト
Claims (6)
- 金属基板と、
前記金属基板上に形成された、有機樹脂材料からなるバインダ層と、
前記バインダ層上に形成された、銀又は銀を主成分とする銀合金からなる反射層と、
前記反射層上に該反射層に接して形成され、有機樹脂材料に青色系の顔料を0.05〜0.5質量%含有した、厚さ5〜30μmの保護層とを有し、
前記保護層は、該保護層の周囲の環境によって前記反射層が劣化し、変質するのを防止するとともに、前記反射層による青色系の光の吸収を補償して反射光が特定の色に着色されるのを防止することを特徴とする光反射板。 - 前記バインダ層の有機樹脂材料は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂及びアセタール樹脂のいずれか一であることを特徴とする請求項1記載の光反射板。
- 前記保護層の有機樹脂材料は、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリエステル樹脂及びウレタン樹脂のいずれか一であることを特徴とする請求項1記載の光反射板。
- 前記反射層の厚さは、50〜350nmであることを特徴とする請求項1記載の光反射板。
- 前記保護層は、顔料として青色系の顔料のみを含むことを特徴とする請求項1記載の光反射板。
- 前記青色系の顔料は、コバルト青、コバルト紫、群青、紺青、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー、セルリアンブルー及びプロシア青のいずれか1種であることを特徴とする請求項5記載の光反射板。
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