JP5747547B2 - フィルムミラーおよび太陽熱発電用反射装置 - Google Patents

フィルムミラーおよび太陽熱発電用反射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5747547B2
JP5747547B2 JP2011032945A JP2011032945A JP5747547B2 JP 5747547 B2 JP5747547 B2 JP 5747547B2 JP 2011032945 A JP2011032945 A JP 2011032945A JP 2011032945 A JP2011032945 A JP 2011032945A JP 5747547 B2 JP5747547 B2 JP 5747547B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
absorber
silver
layer
film mirror
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011032945A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012173379A (ja
Inventor
有由見 米▲崎▼
有由見 米▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2011032945A priority Critical patent/JP5747547B2/ja
Publication of JP2012173379A publication Critical patent/JP2012173379A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5747547B2 publication Critical patent/JP5747547B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/40Solar thermal energy, e.g. solar towers

Description

本発明は、フィルムミラーと、それを金属支持体に貼合して作製される太陽熱発電用反射装置に関する。
光反射装置は、太陽光による紫外線や熱、風雨、砂嵐などに晒されるため、従来、板状のガラス製ミラーが用いられてきた。板状のガラス製ミラーは紫外線や温度、湿度に対する耐久性が高い反面、輸送時や設置後の外圧によって破損したり、質量が重いため、ミラーを設置する架台の強度を持たせるために、プラントの建設費がかさむといった問題があった。
一方、樹脂製反射シートは液晶ディスプレイのバックライトユニットの反射シートとして実用化されており、太陽光反射ミラーに適用すれば、板状ガラス製ミラーの欠点である外圧による破損や質量の重さといった問題が解消できる。
このような樹脂製ミラーは、板状のガラスミラーに対して連続生産適性が高く、生産性を高めることができる。特に、特許文献1に記載のように、銀の有機錯塩の溶液を塗布し、加熱処理することにより銀を析出させて銀反射層を設けることにより、銀を蒸着して銀反射層を設ける方法より、一層生産性を高めることが出来る。
しかし、銀の錯塩から銀を析出させる方法で銀反射層を形成する場合、加熱処理により有機銀錯体の分解と銀の析出を進行させるが、基材の樹脂の耐熱性がガラスより低いため、加熱処理の温度を高くすることができず、有機化合物が銀反射層に残留する。太陽熱発電用反射装置は屋外で長期間紫外線の照射を受けると、残留した有機化合物が分解し、着色するため、反射率が低下するという問題があった。また、銀反射層の有機化合物が分解するために銀反射層と隣接層の間の接着が劣化し、銀反射層の劣化が進むといった問題があった。
一方、太陽光が入射する側から順に、紫外線反射膜、プラスチックフィルム層、金属反射層、保護層を設けたフィルムミラーが特許文献2に記載されており、紫外線反射膜が紫外線暴露によるプラスチックフィルム層の着色や劣化を防止することにより、反射率の低下を防止しているが、このような紫外線反射膜の形成は工程数が多く生産性が低いことと紫外線の遮断が充分でないことが欠点である。また、特許文献2には、銀反射層の形成方法として、銀の無機錯塩の溶液を塗布して銀反射層を設ける例が記載されているが、銀の無機錯塩としてアンモニア性硝酸銀を用い還元剤としてブドウ糖を用いており、このような無機錯塩を用いると、反応の速度が速いため、銀反射層に微小な凹凸が生じやすく、正反射率の高い銀反射層が形成されないという問題があった。
特表2009−535661号公報 特開2010−237415号公報
本発明者は、正反射率の高いフィルムミラーを作製するために、有機銀錯体化合物から銀を析出させることを検討したが、焼成した後に残存する有機銀錯体や分解した有機化合物が太陽光の照射により着色したり分解して、正反射率が低下したり銀反射層と隣接層との密着性が低下することが分かり、屋外暴露における正反射率の低下および密着性の低下を防止することが課題となった。
本発明の目的は、高い生産性で製造できるフィルムミラーおよび太陽熱発電用装置を提供することであり、更に、初期の正反射率が高く、屋外で長期間紫外線の照射を受けても正反射率の低下がなく、銀反射層と隣接層の接着性の低下の無いフィルムミラーおよび太陽熱発電用装置を提供することである。
上記目的は以下の手段によって達成された。
1.樹脂基材上に有機銀錯体化合物を含む塗布液を塗布し、焼成することにより形成され少なくとも一層の銀反射層を有するフィルムミラーにおいて、該樹脂基材に対して該銀反射層よりも離れた位置にUV吸収剤含有ハードコート層を有することを特徴とするフィルムミラー。
2.前記樹脂基材、前記銀反射層、腐蝕防止剤含有層、UV吸収剤含有層および前記UV吸収剤含有ハードコート層を順に有することを特徴とする前記1に記載のフィルムミラー。
3.前記腐蝕防止剤含有層に含有される腐蝕防止剤の分子量が800以下であることを特徴とする前記1または2に記載のフィルムミラー。
4.前記UV吸収剤含有ハードコート層がトリアジン系UV吸収剤または無機UV吸収剤を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のフィルムミラー。
5.前記UV吸収剤含有ハードコート層が酸化防止剤と樹脂を含有し、該酸化防止剤を該樹脂固形分に対して0.1〜5質量%含有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載のフィルムミラー。
6.前記UV吸収剤含有ハードコート層がトリアジン系UV吸収剤を前記樹脂固形分に対して0.1〜10質量%含有することを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載のフィルムミラー。
7.前記UV吸収剤含有ハードコート層が無機UV吸収剤を前記樹脂固形分に対して1〜50質量%含有し、該無機UV吸収剤が酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムまたは酸化鉄であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載のフィルムミラー。
8.前記無機UV吸収剤が数平均粒径10nm〜100nmの微粒子であることを特徴とする前記4〜7のいずれか1項に記載のフィルムミラー。
9.前記無機UV吸収剤の微粒子が該UV吸収剤以外の物質で表面被覆されていることを特徴とする前記4〜8のいずれか1項に記載のフィルムミラー。
10.前記UV吸収剤含有ハードコート層がアクリル系UV硬化性樹脂を硬化した樹脂を含有することを特徴とする前記1〜9のいずれか1項に記載のフィルムミラー。
11.前記酸化防止剤がヒンダードアミン系化合物であることを特徴とする前記5〜10のいずれか1項に記載のフィルムミラー。
12.前記銀反射層は銀と有機銀錯体化合物を含有することを特徴とする前記1〜11のいずれか1項に記載のフィルムミラー。
13.前記1〜12のいずれか1項に記載のフィルムミラーと金属支持体が粘着剤層を介して貼合されてなる太陽熱発電用反射装置。
本発明によれば、生産性が高く、初期の正反射率が高く、屋外で長期間紫外線の照射を受けても正反射率の低下がなく、銀反射層と隣接層の接着性の低下の無いフィルムミラーおよび太陽熱発電用装置を提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明のフィルムミラーは、樹脂基材上に銀反射層を有するフィルムミラーであって、当該銀反射層が、有機銀錯体化合物を含有する塗布膜を加熱焼成することにより形成され、さらにUV吸収剤含有ハードコート層を有することを特徴とする。
(太陽熱発電反射装置)
本発明のフィルムミラーは、太陽光を集光する目的において、好ましく使用できる。フィルムミラー単体で太陽光反射用ミラーとして用いることもできるが、耐久性の点から、前記樹脂基材の銀反射層を有する側と反対側の面に塗設された粘着層を介して、他基材上に、特に金属基材上に、当該フィルムミラーを貼り付けて太陽熱発電用反射装置として用いることが好ましい。
太陽熱発電用反射装置として用いる場合、反射装置の形状を樋状(半円筒状)として、半円の中心部分に内部に流体を有する筒状部材を設け、筒状部材に太陽光を集光させることで内部の流体を加熱し、その熱エネルギーを変換して発電する形態が一形態として挙げられる。また、平板状の反射装置を複数個所に設置し、それぞれの反射装置で反射された太陽光を一枚の反射鏡(中央反射鏡)に集光させて、反射鏡により反射して得られた熱エネルギーを発電部で変換することで発電する形態も一形態として挙げられる。特に後者の形態においては、用いられる反射装置に高い正反射率が求められるため、本発明のフィルムミラーが特に好適に用いられる。
〈粘着層〉
粘着層としては、特に制限されず、例えばドライラミネート剤、ウエットラミネート剤、粘着剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤などのいずれもが用いられる。
例えばポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ニトリルゴムなどが用いられる。
ラミネート方法は特に制限されず、例えばロール式で連続的に行うのが経済性及び生産性の点から好ましい。
粘着層の厚さは、粘着効果、乾燥速度等の観点から、通常1〜50μm程度の範囲であることが好ましい。
(銀反射層)
前記銀反射層は、有機銀錯体化合物を含む溶液を塗布し、焼成することにより形成されたものであることを特徴とする。
前記有機銀錯体化合物を形成する配位子は、該有機銀錯体化合物を焼成することにより、分解、脱離、気化しうることが好ましく、焼成の結果、金属銀が析出する。
前記銀反射層の厚さは、反射率等の観点から、10〜200nmが好ましく、より好ましくは30〜150nmである。
(有機銀錯体化合物)
このような有機銀錯体化合物の例は、公知である特表2009−535661号、特表2010−500475号各公報等に記載されており、下記一般式(1)で表される銀化合物と、一般式(2)〜(4)で表されるアンモニウムカルバメート系化合物又はアンモニウムカーボネート系化合物とを反応して得られる有機銀錯体化合物であることが好ましい。
また、本発明に係る有機銀錯体化合物は塗布液(銀コーティング液組成物ともいう)に含有され、これを塗布することにより支持体上に本発明に係る錯体を含有する塗布膜が形成される。すなわち、有機銀錯体化合物を用いて樹脂基材上に塗布膜を形成した後に、塗布膜を80〜250℃の範囲内の温度において加熱焼成することにより銀反射層を形成することが好ましい。更に好ましくは100〜220の範囲内、特に好ましくは120〜200℃の範囲内である。焼成温度が100℃以上であれば、有機銀錯体の銀以外の分解物の残留が少ないため、熱湿環境下UV照射後の耐擦傷性が強く、熱湿環境下UV照射後の正反射率が高い。また、220度以下であれば、低コストの樹脂基材を用いることができる。焼成のための加熱焼成手段としては、特に制限は無く、一般的に用いられる加熱手段はどんなものでも適用できる。ただし、樹脂基材の耐熱性により焼成温度上限が決定され、樹脂基材としてPETを使用する場合は、100℃以下が好ましいが、ポリイミドのような耐熱性の高い樹脂を用いれば250℃も可能である。
(塗布液)
本発明の高反射、高光沢の反射面の形成のために使用される銀コーティング液組成物は、前記の有機銀錯体化合物を含有し、必要に応じて、溶媒、安定剤、レベリング剤(Leveling agent)、薄膜補助剤、還元剤、熱分解反応促進剤の添加剤を、本発明の銀コーティング組成物に含有することができる。
(有機銀錯体化合物)
前記有機銀錯体化合物としては、銀と、アンモニウムカルバメート系化合物又はアンモニウムカーボネート系化合物との錯体が、単に焼成することによって銀を析出することが出来ることから好ましく用いられる。
前記錯体の製造方法としては、下記一般式(1)で表される銀化合物と、一般式(2)〜(4)で表されるアンモニウムカルバメート系化合物又はアンモニウムカーボネート系化合物を混合して反応させる方法が挙げられる。
以下、下記一般式(1)で表される銀化合物と、一般式(2)〜(4)で表されるアンモニウムカルバメート系化合物又はアンモニウムカーボネート系化合物等について説明をする。
一般式(1): Ag
(一般式(1)〜(4)において、Xは、酸素、硫黄、ハロゲン、シアノ、シアネート、カーボネート、ニトレート、ニトライト、サルフェート、ホスフェート、チオシアネート、クロレート、パークロレート、テトラフルオロボレート、アセチルアセトネート、カルボキシレート、及びこれらの誘導体から選択される置換基であり、nは、1〜4の整数であって、R〜Rは、互いに独立して、水素、C1〜C30の脂肪族や脂環族アルキル基、アリール基又はアラルキル(aralkyl)基、官能基が置換されたアルキル及びアリール基、ヘテロ環化合物基と高分子化合物及びその誘導体から選択される置換基である。)
一般式(1)の具体例としては、例えば、酸化銀、チオシアネート化銀、硫化銀、塩化銀、シアン化銀、シアネート化銀、炭酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、硫酸銀、燐酸銀、過塩素酸銀、四フッ素ボレート化銀、アセチルアセトネート化銀、酢酸銀、乳酸銀、シュウ酸銀及びその誘導体などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
また、一般式(2)〜(4)において、R〜Rは、具体的に例えば、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドコデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アリール、ヒドロキシ、メトキシ、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、メトキシプロピル、シアノエチル、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、ヘキサメチレンイミン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ピロール、イミダゾール、ピリジン、カルボキシメチル、トリメトキシシリルプロピル、トリエトキシシリルプロピル、フェニル、メトキシフェニル、シアノフェニル、フェノキシ、トリル、ベンジル及びその誘導体、そしてポリアリールアミンやポリエチレンアミンのような高分子化合物及びこれらの誘導体などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
一般式(2)〜(4)の化合物例としては、例えば、アンモニウムカルバメート(ammonium carbamate)、アンモニウムカーボネート(ammoniumcarbonate)、アンモニウムバイカーボネート(ammonium bicarbonate)、エチルアンモニウム エチルカルバメート、イソプロピルアンモニウムイソプロピルカルバメート、n−ブチルアンモニウム n−ブチルカルバメート、イソブチルアンモニウム イソブチルカルバメート、t−ブチルアンモニウム t−ブチルカルバメート、2−エチルヘキシルアンモニウム 2−エチルヘキシルカルバメート、オクタデシルアンモニウム オクタデシルカルバメート、2−メトキシエチルアンモニウム 2−メトキシエチルカルバメート、2−シアノエチルアンモニウム 2−シアノエチルカルバメート、ジブチルアンモニウム ジブチルカルバメート、ジオクタデシルアンモニウムジオクタデシルカルバメート、メチルデシルアンモニウム メチルデシルカルバメート、ヘキサメチレンイミンアンモニウム ヘキサメチレンイミンカルバメート、モルホリニウム モルホリンカルバメート、ピリジウムエチルヘキシルカルバメート、トリエチレンジアミニウム イソプロピルバイカルバメート、ベンジルアンモニウム ベンジルカルバメート、トリエトキシシリルプロピルアンモニウム トリエトキシシリルプロピルカルバメート、エチルアンモニウム エチルカーボネート、イソプロピルアンモニウム イソプロピルカーボネート、イソプロピルアンモニウム バイカーボネート、n−ブチルアンモニウム n−ブチルカーボネート、イソブチルアンモニウム イソブチルカーボネート、t−ブチルアンモニウム t−ブチルカーボネート、t−ブチルアンモニウム バイカーボネート、2−エチルヘキシルアンモニウム 2−エチルヘキシルカーボネート、2−エチルヘキシルアンモニウム バイカーボネート、2−メトキシエチルアンモニウム 2−メトキシエチルカーボネート、2−メトキシエチルアンモニウム バイカーボネート、2−シアノエチルアンモニウム 2−シアノエチルカーボネート、2−シアノエチルアンモニウム バイカーボネート、オクタデシルアンモニウム オクタデシルカーボネート、ジブチルアンモニウム ジブチルカーボネート、ジオクタデシルアンモニウム ジオクタデシルカーボネート、ジオクタデシルアンモニウム バイカーボネート、メチルデシルアンモニウム メチルデシルカーボネート、ヘキサメチレンイミンアンモニウム ヘキサメチレンイミンカーボネート、モルホリンアンモニウム モルホリンカーボネート、ベンジルアンモニウム ベンジルカーボネート、トリエトキシシリルプロピルアンモニウム トリエトキシシリルプロピルカーボネート、ピリジウム バイカーボネート、トリエチレンジアミニウム イソプロピルカーボネート、トリエチレンジアミニウム バイカーボネート、及びその誘導体から選択される一種又は二種以上の混合物などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
一方、上記のアンモニウムカルバメート又はアンモニウムカーボネート系化合物の種類及び製造方法は、特に制限する必要はない。例えば、米国特許第4,542,214号では、第1アミン、第2アミン、第3アミン、又は少なくとも1つ以上のこれらの混合物と二酸化炭素からアンモニウムカルバメート系化合物が製造できると記述しており、前記アミン1モル当り水0.5モルをさらに添加すると、アンモニウムカーボネート系化合物が得られて、水1モル以上を添加する場合は、アンモニウムバイカーボネート系化合物を得ることができる。この際、常圧又は加圧状態で特別な溶媒を使用せずに直接製造するか、溶媒を使用する場合、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール類、エチレングリコール、グリセリンのようなグリコール類、エチルアセテート、ブチルアセテート、カルビトールアセテートのようなアセテート類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、メチルエチルケトン、アセトンのようなケトン類、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素系、ベンゼン、トルエンのような芳香族、そしてクロロホルムやメチレンクロライド、カーボンテトラクロライドのようなハロゲン置換溶媒又はこれらの混合溶媒などが挙げられて、二酸化炭素は、気相状態でバブリング(bubbling)するか、固体相ドライアイスを使用することができて、超臨界(supercritical)状態でも反応することができる。本発明で使用されるアンモニウムカルバメート又はアンモニウムカーボネート誘導体の製造には、上記の方法の他にも、最終物質の構造が同一であれば、公知のいかなる方法を使用してもよい。即ち、製造のための溶媒、反応温度、濃度又は触媒などを特に限定する必要はなく、製造収率にも影響しない。
このように製造されたアンモニウムカルバメート又はアンモニウムカーボネート系化合物と銀化合物とを反応して、有機銀錯体化合物を製造することができる。例えば、一般式(1)に示したような少なくとも一つ以上の銀化合物と、一般式(2)〜(4)に示したような少なくとも一つ以上のアンモニウムカルバメート又はアンモニウムカーボネート誘導体及びこれらの混合物を、窒素雰囲気の常圧又は加圧状態で、溶媒を使用せずに直接反応するか、溶媒を使用する場合、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール類、エチレングリコール、グリセリンのようなグリコール類、エチルアセテート、ブチルアセテート、カルビトールアセテートのようなアセテート類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、メチルエチルケトン、アセトンのようなケトン類、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素系、ベンゼン、トルエンのような芳香族、そしてクロロホルムやメチレンクロライド、カーボンテトラクロライドのようなハロゲン置換溶媒又はこれらの混合溶媒などを使用することができる。
本発明で使用される有機銀錯体化合物の製造には、上記の方法の他に、一般式(1)の銀化合物と一つ以上のアミン化合物とが混合された溶液を製造した後、二酸化炭素を反応して、有機銀錯体化合物を製造することもできる。上記のように、窒素雰囲気の常圧又は加圧状態で、溶媒を使用せずに直接反応するか、溶媒を使用して反応することができる。しかしながら、最終物質の構造が同一であれば、公知の如何なる方法を使用してもよい。
本発明で使用される有機銀錯体化合物は、特表2008−530001号公報にその製造方法が記載されており、下記一般式(5)の構造で認識される。
一般式(5): Ag[A]
(一般式(5)において、Aは、一般式(2)〜(4)の化合物であり、mは、0.5〜1.5である。)
(安定剤)
一方、前記安定剤としては例えば、第1アミン、第2アミン又は第3アミンのようなアミン化合物や、前記アンモニウムカルバメート、アンモニウムカーボネート、アンモニウムバイカーボネート系化合物、又はホスフィン(phosphine)、ホスファイ(phosphite)、ホスフェート(phosphate)のようなリン化合物、チオール(thiol)やスルフィド(sulfide)のような硫黄化合物と、少なくとも一つ以上のこれらの混合物が挙げられ、アミン化合物としては、具体的に例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、イソアミルアミン、n−ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、イソオクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ドコデシルアミン、シクロプロピルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、アリールアミン、ヒドロキシアミン、アンモニウムヒドロキシド、メトキシアミン、2−エタノールアミン、メトキシエチルアミン、2−ヒドロキシプロピルアミン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミン、メトキシプロピルアミン、シアノエチルアミン、エトキシアミン、n−ブトキシアミン、2−ヘキシルオキシアミン、メトキシエトキシエチルアミン、メトキシエトキシエトキシエチルアミン、ジメチルアミン、ジプロピルアミン、ジエタノールアミン、ヘキサメチレンイミン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、2,2−(エチレンジオキシ)ビスエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ピロール、イミダゾール、ピリジン、アミノアセトアルデヒドジメチルアセタル、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アニリン、アニシジン、アミノベンゾニトリル、ベンジルアミン及びその誘導体、そしてポリアリールアミンやポリエチレンイミンのような高分子化合物及びその誘導体などのようなアミン化合物が挙げられる。
前記安定剤としてのアンモニウムカルバメート、カーボネート、バイカーボネート系化合物として具体的に例えば、アンモニウムカルバメート(ammonium carbamate)、アンモニウムカーボネート(ammonium carbonate)、アンモニウムバイカーボネート(ammonium bicarbonate)、エチルアンモニウム エチルカルバメート、イソプロピルアンモニウム イソプロピルカルバメート、n−ブチルアンモニウム n−ブチルカルバメート、イソブチルアンモニウム イソブチルカルバメート、t−ブチルアンモニウム t−ブチルカルバメート、2−エチルヘキシルアンモニウム 2−エチルヘキシルカルバメート、オクタデシルアンモニウム オクタデシルカルバメート、2−メトキシエチルアンモニウム 2−メトキシエチルカルバメート、2−シアノエチルアンモニウム 2−シアノエチルカルバメート、ジブチルアンモニウム ジブチルカルバメート、ジオクタデシルアンモニウム ジオクタデシルカルバメート、メチルデシルアンモニウム メチルデシルカルバメート、ヘキサメチレンイミンアンモニウム ヘキサメチレンイミンカルバメート、モルホリニウム モルホリンカルバメート、ピリジウムエチルヘキシルカルバメート、トリエチレンジアミニウム イソプロピルバイカルバメート、ベンジルアンモニウム ベンジルカルバメート、トリエトキシシリルプロピルアンモニウム トリエトキシシリルプロピルカルバメート、エチルアンモニウム エチルカーボネート、イソプロピルアンモニウム イソプロピルカーボネート、イソプロピルアンモニウム バイカーボネート、n−ブチルアンモニウム n−ブチルカーボネート、イソブチルアンモニウム イソブチルカーボネート、t−ブチルアンモニウム t−ブチルカーボネート、t−ブチルアンモニウム バイカーボネート、2−エチルヘキシルアンモニウム 2−エチルヘキシルカーボネート、2−エチルヘキシルアンモニウム バイカーボネート、2−メトキシエチルアンモニウム 2−メトキシエチルカーボネート、2−メトキシエチルアンモニウム バイカーボネート、2−シアノエチルアンモニウム 2−シアノエチルカーボネート、2−シアノエチルアンモニウム バイカーボネート、オクタデシルアンモニウム オクタデシルカーボネート、ジブチルアンモニウム ジブチルカーボネート、ジオクタデシルアンモニウム ジオクタデシルカーボネート、ジオクタデシルアンモニウム バイカーボネート、メチルデシルアンモニウム メチルデシルカーボネート、ヘキサメチレンイミンアンモニウム ヘキサメチレンイミンカーボネート、モルホリンアンモニウム モルホリンカーボネート、ベンジルアンモニウム ベンジルカーボネート、トリエトキシシリルプロピルアンモニウム トリエトキシシリルプロピルカーボネート、ピリジウム バイカーボネート、トリエチレンジアミニウム イソプロピルカーボネート、トリエチレンジアミニウム バイカーボネート、及びその誘導体などが挙げられる。
また、リン化合物としては、一般式RP、(RO)P又は(RO)POで表されるリン化合物で挙げられる。ここでRは、炭素数1〜20のアルキル又はアリール基を示し、具体的に例えば、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、ジベンジルホスフェート、トリエチルホスフェートなどが挙げられる。
そして、硫黄化合物として、具体的に例えば、ブタンチオール、n−ヘキサンチオール、ジエチルスルフィド、テトラヒドロチオフェン、アリールジスルフィド、2−メルカプトベンゾアゾール、テトラヒドロチオフェン、オクチルチオグリコレートなどが挙げられる。
このような安定剤の使用量は、本発明のインク特性に符合する限り、特に制限する必要はない。しかしながら、その含量は、銀化合物に対し、モル比で0.1%〜90%が好ましい。
(薄膜補助剤)
また、薄膜補助剤としては、有機酸及び有機酸誘導体、又は少なくとも一つ以上のこれらの混合物が挙げられる。具体的に例えば、酢酸、酪酸(Butyric acid)、吉草酸(Valeric acid)、ピバル酸(Pivalic acid)、ヘキサン酸、オクタン酸、2−エチル−ヘキサン酸、ネオデカン酸(Neodecanoic acid)、ラウリン酸(Lauric acid)、ステアリン酸、ナフタル酸などの有機酸が挙げられ、有機酸誘導体としては、具体的に例えば、酢酸アンモニウム塩、クエン酸アンモニウム塩、ラウリン酸アンモニウム塩、乳酸アンモニウム塩、マレイン酸アンモニウム塩、シュウ酸アンモニウム塩、モリブデン酸アンモニウム塩などの有機酸アンモニウム塩と、Au、Cu、Zn、Ni、Co、Pd、Pt、Ti、V、Mn、Fe、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Ru、Cd、Ta、Re、Os、Ir、Al、Ga、Ge、In、Sn、Sb、Pb、Bi、Sm、Eu、Ac、Thなどのような金属を含有するシュウ酸マンガン、酢酸金、シュウ酸パラジウム、2−エチルヘキサン酸銀、オクタン酸銀、ネオデカン酸銀、ステアリン酸コバルト、ナフタル酸ニッケル、ナフタル酸コバルトなどの有機酸金属塩が挙げられる。前記薄膜補助剤の使用量は、特に限定されないが、有機銀錯体化合物に対して、モル比で0.1〜25%が好ましい。
(還元剤)
前記還元剤としては、ルイス酸又は弱いブレンステッド酸(bronsted acid)が挙げられ、具体的に例えば、ヒドラジン、ヒドラジンモノハイドレート、アセトヒドラジド、水酸化ホウ素ナトリウム又は水酸化ホウ素カリウム、ジメチルアミンボラン、ブチルアミンボランのようなアミン化合物、第1塩化鉄、乳酸鉄のような金属塩、水素、ヨウ化水素、一酸化炭素、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキサールのようなアルデヒド化合物、ギ酸メチル、ギ酸ブチル、トリエチル−o−ギ酸のようなギ酸化合物、グルコース、アスコルビン酸、ヒドロキノンのような還元性有機化合物を少なくとも一つ以上含有するこれらの混合物を挙げることができる。
前記熱分解反応促進剤としては、具体的に例えば、エタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ヘキサノールアミン、ジメチルエタノールアミンのようなヒドロキシアルキルアミン類、ピペリジン、N−メチルピペリジン、ピペラジン、N,N′−ジメチルピペラジン、1−アミノ−4メチルピペラジン、ピロリジン、N−メチルピロリジン、モルホリンのようなアミン化合物、アセトンオキシム、ジメチルグリオキシム、2−ブタノンオキシム、2,3−ブタジオンモノオキシムのようなアルキルオキシム類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールのようなグリコール類、メトキシエチルアミン、エトキシエチルアミン、メトキシプロピルアミンのようなアルコキシアルキルアミン類、メトキシエタノール、メトキシプロパノール、エトキシエタノールのようなアルコキシアルカノール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、アセトール、ジアセトンアルコールのようなケトンアルコール類、多価フェノール化合物、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ピロール、エチレンジオキシチオフェン(EDOT)のような酸化重合性樹脂などが挙げられる。
なお、銀コーティング液組成物の粘度調節や円滑な薄膜形成のために溶媒が必要な場合があるが、この際使用できる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−メトキシプロパノール、ブタノール、エチルヘキシルアルコール、テルピネオールのようなアルコール類、エチレングリコール、グリセリンのようなグリコール類、エチルアセテート、ブチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテートのようなアセテート類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドンのようなケトン類、ヘキサン、ヘプタン、ドデカン、パラフィンオイル、ミネラルスピリットのような炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族、そしてクロロホルムやメチレンクロライド、カーボンテトラクロライドのようなハロゲン置換溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、又はこれらの混合溶媒などを使用することができる。
(UV吸収剤含有ハードコート層)
本発明の太陽熱発電用フィルムミラーにおいては、最外層として、UV吸収剤含有ハードコート層を設ける。本発明に係るUV吸収剤含有ハードコート層は、UV吸収剤を含有し、傷防止と紫外線を遮蔽する性能が高く、容易に形成することが可能である。
UV吸収剤含有ハードコート層のUV吸収剤が、紫外線を遮断することにより、銀反射層に紫外線が到達するのを防止する。それにより、銀反射層に残留していた有機化合物が分解して、着色したり、銀反射層と隣接層の間の接着性が低下するのを防止する。
前記UV吸収剤含有ハードコート層の厚さは、紫外線吸収等の観点から、0.5〜20μmが好ましく、より好ましくは1〜10μmである。
前記UV吸収剤含有ハードコート層は、長時間紫外線を照射しても紫外線を吸収する能力が低下しない点から、また、該UV吸収剤含有ハードコート層のバインダーの樹脂が紫外線により酸化的開裂するのを防止する能力が高い点から、トリアジン系UV吸収剤または無機UV吸収剤を含有することが好ましい。さらに、前記UV吸収剤含有ハードコート層は、トリアジン系UV吸収剤および無機UV吸収剤の両方を含有することが、前記樹脂の酸化的開裂防止と銀反射層の着色防止および腐食防止機能が長期間維持できることから好ましい。
前記UV吸収剤含有ハードコート層は、バインダーとして、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂等を用い、UV硬化または熱硬化で作製することができる。特に、本発明においては樹脂基材の熱による平面性劣化を避けるために、UV硬化で作製するのが好ましい。また、特に本発明においては硬度と耐久性等の点で、アクリル系UV硬化性樹脂を用いるのが好ましい。
前記UV吸収剤含有ハードコート層は、UV硬化または熱硬化で作製される樹脂のほかに、熱可塑性樹脂を含有しても良い。
前記UV吸収剤含有ハードコート層において、樹脂固形分とは、UV吸収剤含有ハードコート層に含まれる固体の樹脂および、UV硬化または熱硬化により固体の樹脂になる重合性成分である。重合性成分は重合性のモノマー、オリゴマーを意味する。
(アクリル系UV硬化性樹脂)
UV吸収剤含有ハードコート層のバインダーとして好ましく用いられる前記アクリル系樹脂は、アクリル系UV硬化性樹脂を紫外線で硬化して形成することが好ましい。
アクリル系UV硬化性樹脂とは、重合硬化成分として多官能アクリレート、アクリルオリゴマーあるいは反応性希釈剤を含む組成物である。その他に必要に応じて光開始剤、光増感剤、熱重合開始剤あるいは改質剤等を含有しているものを用いてもよい。
前記多官能アクリレートとしては、たとえば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリス(ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、多官能ウレタン化(メタ)アクリレート等を主成分とする(メタ)アクリレート系樹脂などが例示される。
ここで、多官能ウレタン化(メタ)アクリレートとは、たとえば、イソホロンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネートのような、分子内に少なくとも2個のイソシアナト基(−NCO)を有するポリイソシアネートに、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートやペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのような、分子内に1個の水酸基および少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加反応させて得られる、ウレタン結合と少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。
前記多官能アクリレートは単独または2種以上混合して使用することができる。また、多官能ウレタン化(メタ)アクリレートに、上述したようなウレタン結合を有しない多官能(メタ)アクリレートを組み合わせて用いることも可能である。
前記多官能アクリレートとしては市販されているものを好適に用いることができる。多官能アクリレートの市販品としては、具体的には、カヤラッド DPHA(日本化薬(株)製)、カヤラッド DPCA−20(日本化薬(株)製)、カヤラッド DPCA−30(日本化薬(株)製)、カヤラッド DPCA−60(日本化薬(株)製)、カヤラッド DPCA−120(日本化薬(株)製)、カヤラッド D−310(日本化薬(株)製)、カヤラッド D−330(日本化薬(株)製)、カヤラッド PET−30(日本化薬(株)製)、カヤラッド GPO−303(日本化薬(株)製)、カヤラッド TMPTA(日本化薬(株)製)、カヤラッド THE−330(日本化薬(株)製)、カヤラッド TPA−330(日本化薬(株)製)、アロニックスM−315(東亞合成(株)製)、アロニックスM−325(東亞合成(株)製)などが挙げられる。
上述したようなUV硬化性樹脂は、通常、光重合開始剤と混合して使用される。光重合開始剤としては、たとえば、イルガキュアー 907(BASFジャパン(株)製)、イルガキュアー 184(BASFジャパン(株)製)、ルシリン TPO(BASFジャパン(株)製)などの市販品を好適に用いることができる。
また、充分な高硬度を有し、硬化収縮によるカールを充分に抑制し得るUV吸収剤含有ハードコート層を得る観点から、UV硬化樹脂中にシリカ微粒子を添加するようにしてもよい。この場合、シリカ微粒子としては、粉体状シリカまたはコロイダルシリカが挙げられ、平均粒子径が0.01〜20μmの範囲内のものが好適に用いられる。また、シリカ微粒子は、ハードコートフィルムの光透過性に影響を与えないものであることが好ましく、そのためには、一次粒子径が10〜350nmの範囲内にあることが好ましく、10〜50nmの範囲内にあることがより好ましい。なお、上述したシリカ微粒子の平均粒子径は、たとえば透過型電子顕微鏡で観察することにより測定することができ、また、シリカ微粒子の一次粒子径は、たとえばイソプロピルアルコールなどの溶媒に微粒子を分散させ、その分散液から、コールター粒度分布測定法、レーザー回折散乱法、動的光散乱法などにより測定することができ、これらの中でもコールター粒度分布測定法が一般的である。
シリカ微粒子の形状は、球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、もしくは不定形状であってよいが、紫外線硬化性樹脂中で凝集することなく粒子を好適に分散させるためには、好ましくは球状である。また、UV吸収剤含有ハードコート層3の硬度や平面性を維持する観点から、シリカ微粒子の比表面積は0.1〜3000m/gの範囲内であることが好ましく、さらには1m/g以上、とりわけ10m/g以上、また1500m/g以下であることがより好ましい。
このようなシリカ微粒子も市販されているものを好適に用いることができる。シリカ微粒子の市販品を例示すると、コロイダルシリカとしては、メタノールシリカゾル(日産化学工業(株)製)、IPA−ST(日産化学工業(株)製)、MEK−ST(日産化学工業(株)製)、NBA−ST(日産化学工業(株)製)、XBA−ST(日産化学工業(株)製)、DMAC−ST(日産化学工業(株)製)、ST−UP(日産化学工業(株)製)、ST−OUP(日産化学工業(株)製)、ST−20(日産化学工業(株)製)、ST−40(日産化学工業(株)製)、ST−C(日産化学工業(株)製)、ST−N(日産化学工業(株)製)、ST−O(日産化学工業(株)製)、ST−50(日産化学工業(株)製)、ST−OL(日産化学工業(株)製)などを挙げることができる。
また粉体状シリカとしては、アエロジル130(日本アエロジル(株)製)、アエロジル300(日本アエロジル(株)製)、アエロジル380(日本アエロジル(株)製)、アエロジルTT600(日本アエロジル(株)製)、アエロジルOX50(日本アエロジル(株)製)、シルデックスH31(旭硝子(株)製)、シルデックスH32(旭硝子(株)製)、シルデックスH51(旭硝子(株)製)、シルデックスH52(旭硝子(株)製)、シルデックスH121(旭硝子(株)製)、シルデックスH122(旭硝子(株)製)、E220A(日本シリカ工業(株)製)、E220(日本シリカ工業(株)製)、サイリシア470(富士シリシア(株)製)、SGフレーク(日本板硝子(株)製)などを挙げることができる。
(トリアジン系UV吸収剤)
前記トリアジン系UV吸収剤は下記一般式(I)で表わされる。
一般式(I) Q−Q−OH
式中、Qは1,3,5−トリアジン環を表す。Qは芳香族環を表し、好ましくはベンゼン環を表わす。
一般式(I)としてさらに好ましくは下記一般式(I−A)で表される化合物である。
式中、Rは炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;炭素原子数3〜18のアルケニル基;フェニル基;フェニル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基、炭素原子数5〜12のシクロアルコキシ基、炭素原子数3〜18のアルケニルオキシ基、ハロゲン原子、−COOH、−COOR、−O−CO−R、−O−CO−O−R、−CO−NH、−CO−NHR、−CO−N(R)(R)、CN、NH、NHR、−N(R)(R)、−NH−CO−R、フェノキシ基、炭素原子数1〜18のアルキル基で置換されたフェノキシ基、フェニル−炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数6〜15のビシクロアルコキシ基、炭素原子数6〜15のビシクロアルキルアルコキシ基、炭素原子数6〜15のビシクロアルケニルアルコキシ基、または炭素原子数6〜15のトリシクロアルコキシ基で置換された炭素原子数1〜18のアルキル基;ヒドロキシ基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基または−O−CO−Rで置換された炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;グリシジル基;−CO−Rまたは−SO−R10を表すか;あるいはRは1以上の酸素原子で中断された及び/またはヒドロキシ基、フェノキシ基もしくは炭素原子数7〜18のアルキルフェノキシ基で置換された炭素原子数3〜50のアルキル基を表すか;あるいはRは−A;−CH−CH(XA)−CH−O−R12;−CR13R′13−(CH−X−A;−CH−CH(OA)−R14;−CH−CH(OH)−CH−XA;
−CR15R′15−C(=CH)−R″15;−CR13R′13−(CH−CO−X−A;−CR13R′13−(CH−CO−O−CR15R′15−C(=CH)−R″15または−CO−O−CR15R′15−C(=CH)−R″15(式中、Aは−CO−CR16=CH−R17を表す。)で表される定義の一つを表す。
は、互いに独立して、炭素原子数6〜18のアルキル基;炭素原子数2〜6のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;COOR;CN;−NH−CO−R;ハロゲン原子;トリフルオロメチル基;−O−Rを表す。
はRに対して与えられた定義を表す。
は炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基を表すか;あるいはRは1以上の−O−、−NH−、−NR−、−S−で中断された及びOH、フェノキシ基もしくは炭素原子数7〜18のアルキルフェノキシ基で置換されていてもよい、炭素原子数3〜50のアルキル基を表す。
はH;炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数2〜18のアルケニル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルケニル基;炭素原子数6〜15のトリシクロアルキル基を表す。
はH;炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基を表す。
及びRは互いに独立して炭素原子数1〜12のアルキル基;炭素原子数3〜12のアルコキシアルキル基;炭素原子数4〜16のジアルキルアミノアルキル基を表すか;または炭素原子数5〜12のシクロアルキル基を表し;あるいはR及びRは一緒になって炭素原子数3〜9のアルキレン基、炭素原子数3〜9のオキサアルキレン基または炭素原子数3〜9のアザアルキレン基を表す。
は炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数2〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキルアルキル基、炭素原子数6〜15のビシクロアルケニル基;または炭素原子数6〜15のトリシクロアルキル基を表す。
10は炭素原子数1〜12のアルキル基;フェニル基;ナフチル基;または炭素原子数7〜14のアルキルフェニル基を表す。
11は互いに独立してH;炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜6のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;ハロゲン原子;炭素原子数1〜18のアルコキシ基を表す。
12は炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数3〜8のアルケノキシ基、ハロゲン原子またはトリフルオロメチル基で1〜3回置換されたフェニル基を表すか;または炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のトリシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキルアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルケニルアルキル基;−CO−Rを表し;またはR12は1以上の−O−、−NH−、−NR−、−S−で中断された及びOH、フェノキシ基もしくは炭素原子数7〜18のアルキルフェノキシ基で置換されていてもよい、炭素原子数3〜50のアルキル基を表す。
13及びR′13は互いに独立してH;炭素原子数1〜18のアルキル基;フェニル基を表す。
14は炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜12のアルコキシアルキル基;フェニル基;フェニル−炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。
15、R′15及びR″15は互いに独立してHまたはCHを表す。
16はH;−CH−COO−R;炭素原子数1〜4のアルキル基;またはCNを表す。
17はH;−COOR;炭素原子数1〜17のアルキル基;またはフェニル基を表す。
Xは−NH−;−NR−;−O−;−NH−(CH−NH−;または−O−(CH−NH−を表す。
指数mは数0〜19を表し;nは数1〜8を表し;pは数0〜4を表し;qは数2〜4を表す。
ただし一般式一般式(I−A)中、R、R及びR11の少なくとも1つが2個以上の炭素原子を含む。
前記トリアジン系UV吸収剤の使用量は、前記UV吸収剤含有ハードコート層の樹脂固形分に対し0.1〜10質量%であることが好ましい。10質量%以下であれば密着性が良好であり、1質量%以上であれば太陽光による劣化を強く抑制できる。
(無機UV吸収剤)
前記無機UV吸収剤は、好ましくは金属酸化物顔料であり、アクリル樹脂に20質量%以上の濃度で分散させて、6μm厚のフィルムを形成したときに、UV−B域(290−320nm)域における光線透過率を10%以下にする機能を備えた化合物である。本発明に適用可能な無機UV吸収剤としては、特に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウムまたはこれらの混合物から選択されることが好ましい。
また、無機UV吸収剤含有層の透明性を向上させる点から、数平均粒径が5nmと150nmとの間の平均基本粒子径であるものが好ましく、特に好ましくは10nmと100nmとの間の平均基本粒子径であって、粒径分布の最大粒径が150nm以下の金属酸化物粒子である。この種の被覆または非被覆金属酸化物顔料は、より詳細に、特許出願EP−A−0 518 773に記載されている。
前記無機UV吸収剤としては、Sicotrans Red L2815(酸化鉄;BASFジャパン(株)製)、CeO−X01(酸化セリウム;株式会社イオックス製)、NANOFINE−50(酸化亜鉛;堺化学工業株式会社製)、STR−60(酸化チタン;堺化学工業株式会社製)、CM−1000(酸化鉄 ケミライト工業株式会社製)、CERIGUARD S−3018−02(酸化セリウム 大東化成工業株式会社製)、MZ−300(酸化亜鉛 テイカ株式会社製)、MT−700B(酸化チタン テイカ株式会社製)などが市販されている。
前記無機UV吸収剤の粒子径は、動的光散乱式粒径分布測定装置であるLB−550(株式会社堀場製作所製)により測定することができ、測定結果の出力より、数平均粒径を求めることができる。
前記無機UV吸収剤の使用量は、UV吸収剤含有ハードコート層の樹脂固形分に対し1〜50質量%が好ましく、更に好ましくは5〜25質量%、最も好ましくは10〜20質量%である。50質量%以下であれば密着性が良好であり、1質量%以上であれば太陽光による劣化を強く抑制できる。
また、無機UV吸収剤を有機UV吸収剤と併用して用いる場合、UV吸収剤含有ハードコート層の樹脂固形分に対し、無機UV吸収剤の使用量は3〜20質量%、好ましくは5〜15質量%であり、有機UV吸収剤の使用量は0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%である。前記の使用量の範囲で無機UV吸収剤と有機UV吸収剤とを併用すると、UV吸収層の透明度は高く、耐侯性も良好となる。
(表面被覆)
また、本発明においては、無機酸化物の光触媒能による隣接樹脂の酸化劣化作用を抑える観点から、無機UV吸収剤が、被覆層により表面被覆され、数平均粒径(被覆層を含む)が、10nm以上、100nm以下の無機UV吸収剤微粒子であることが好ましい。また、被覆層には無機UV吸収剤粒子の分散性を向上させる効果もあるため、被覆層を有することはなお好ましい。ここでいう被覆層とは、アミノ酸、蜜蝋、脂肪酸、脂肪アルコール、陰イオン界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはアルミニウム塩、金属アルコキシド(チタンまたはアルミニウムの)、ポリエチレン、シリコーン、タンパク質(コラーゲン、エラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物あるいはヘキサメタリン酸ナトリウムのような化合物を含有し、化学的、電子工学的、メカノケミストリー的または機械的な1つまたは複数の手段により、無機UV吸収剤の表面に設けることが出来る。
(酸化防止剤)
また、UV吸収剤含有ハードコート層と隣接する樹脂層との界面の密着性が太陽光照射により劣化するのを防止するために、UV吸収剤含有ハードコート層は酸化防止剤を含有することが好ましい。
本発明に適用可能な酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、リン系化合物の酸化防止剤群の中から選ぶことができるが、中でもヒンダードアミン系化合物が好ましい。
前記酸化防止剤は、前記UV吸収剤含有ハードコート層の全質量に対し0.1〜5質量%含有されることが好ましい。0.1質量%以上であれば樹脂鎖の酸化的開裂やUV吸収剤の分解を抑制することができ、5質量%以下であれば密着性が良好である。
(ヒンダードフェノール系化合物)
ヒンダードフェノール系化合物の具体例としては、n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−アセテート、n−オクタデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、n−ヘキシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルベンゾエート、n−ドデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルベンゾエート、ネオ−ドデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ドデシルβ(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、エチルα−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシルα−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシルα−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(n−オクチルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンゾエート、2−(n−オクチルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンゾエート、2−(2−ヒドロキシエチルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ジエチルグリコールビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ステアルアミドN,N−ビス−[エチレン3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n−ブチルイミノN,N−ビス−[エチレン3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ)エチル7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、1,2−プロピレングリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレングリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ネオペンチルグリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレングリコールビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート)、グリセリン−l−n−オクタデカノエート−2,3−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス−[3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス−{2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,1,1−トリメチロールエタン−トリス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ソルビトールヘキサ−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−ヒドロキシエチル7−(3−メチル−5−tブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−ステアロイルオキシエチル7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、1,6−n−ヘキサンジオール−ビス[(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)が含まれる。上記タイプのフェノール化合物は、例えば、BASFジャパン(株)から、“IRGANOX1076”及び“IRGANOX1010”という商品名で市販されている。
(ヒンダードアミン系化合物)
ヒンダードアミン系化合物の具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1−アクロイル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)デカンジオエート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−1−[2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられる。
また、高分子タイプの化合物でもよく、具体例としては、N,N′,N″,N″′−テトラキス−[4,6−ビス−〔ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ〕−トリアジン−2−イル]−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジン−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、1,6−ヘキサンジアミン−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)とモルフォリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重縮合物、ポリ[(6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕−ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕]等の、ピペリジン環がトリアジン骨格を介して複数結合した高分子量HALS;コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンとの混合エステル化物等の、ピペリジン環がエステル結合を介して結合した化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中でも、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物等で、数平均分子量(Mn)が2,000〜5,000のものが好ましい。
上記タイプのヒンダードアミン化合物は、例えば、BASFジャパン(株)から、“TUNUVIN144”及び“TUNUVIN770”、株式会社ADEKAから“ADK STAB LA−52”という商品名で市販されている。
上記ヒンダードアミン系化合物は、前記UV吸収剤含有ハードコート層の全質量に対し0.1〜5質量%含有されることが好ましい。0.1質量%以上であれば樹脂鎖の酸化的開裂やUV吸収剤の分解を抑制することができ、5質量%以下であれば密着性が良好である。
(リン系化合物)
リン系化合物の具体例としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、トリデシルホスファイト等のモノホスファイト系化合物;4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4′−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)等のジホスファイト系化合物;トリフェニルホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4′−ジイルビスホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4′−ジイルビスホスホナイト等のホスホナイト系化合物;トリフェニルホスフィナイト、2,6−ジメチルフェニルジフェニルホスフィナイト等のホスフィナイト系化合物;トリフェニルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン等のホスフィン系化合物;等が挙げられる。
上記タイプのリン系化合物は、例えば、住友化学株式会社から、“SumilizerGP”、株式会社ADEKAから“ADK STAB PEP−24G”、“ADK STAB PEP−36”及び“ADK STAB 3010”、BASFジャパン(株)から“IRGAFOS P−EPQ”、堺化学工業株式会社から“GSY−P101”という商品名で市販されている。
(UV吸収剤含有層)
前記UV吸収剤含有ハードコート層と前記銀反射層の間に、UV吸収剤含有層を設けることにより、該銀反射層に届く紫外線を低減し紫外線遮断能力の耐久性を向上することができ、熱湿環境下UV照射後の耐擦傷性を高め、熱湿環境下UV照射後の正反射率を高めることができる。
前記UV吸収剤含有層は、前記UV吸収剤含有ハードコート層と同様に、前記トリアジン系UV吸収剤または前記無機UV吸収剤を含有することが好ましい。
(腐食防止剤含有層)
前記腐食防止剤含有層は前記銀反射層に隣接して設けられることが好ましい。腐食防止剤には、腐食防止剤が含有される。該腐食防止剤の分子量は800以下であることが好ましい。このような低分子の腐食防止剤を添加することによって、銀反射層との界面に腐食防止剤が移動しやすくなり、腐食防止機能が向上すると考えられ、これにより劣化が抑制されると考えられる。
ここで、「腐食」とは、金属(銀)がそれをとり囲む環境物質によって、化学的又は電気化学的に浸食されるか若しくは材質的に劣化する現象をいう(JIS Z0103−2004参照)。
なお、腐食防止剤の含有量は、使用する化合物によって最適量は異なるが、0.01〜1.0g/mの範囲内であることが好ましい。
〈腐食防止剤〉
前記腐食防止剤は銀に対する吸着性基を有することが好ましい。
銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤としては、アミン類及びその誘導体、ピロール環を有する化合物、トリアゾール環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、チアゾール環を有する化合物、イミダゾール環を有する化合物、インダゾール環を有する化合物、銅キレート化合物類、チオ尿素類、メルカプト基を有する化合物、ナフタレン系の少なくとも一種又はこれらの混合物から選ばれることが望ましい。
アミン類及びその誘導体としては、エチルアミン、ラウリルアミン、トリ−n−ブチルアミン、O−トルイジン、ジフェニルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2N−ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、アセトアミド、アクリルアミド、ベンズアミド、p−エトキシクリソイジン、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジシクロヘキシルアンモニウムサリシレート、モノエタノールアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンカーバメイト、ニトロナフタレンアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムシクロヘキサンカルボキシレート、シクロヘキシルアミンシクロヘキサンカルボキシレート、ジシクロヘキシルアンモニウムアクリレート、シクロヘキシルアミンアクリレート等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ピロール環を有する物としては、N−ブチル−2,5−ジメチルピロール、N−フェニル−2,5−ジメチルピロール、N−フェニル−3−ホルミル−2,5−ジメチルピロール、N−フェニル−3,4−ジホルミル−2,5−ジメチルピロール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
トリアゾール環を有する化合物としては、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−ヒドロキシ−1,2,4−トリアゾール、3−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4−メチル−1,2,3−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4,5,6,7−テトラハイドロトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メチル−1,2,4−トリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ピラゾール環を有する化合物としては、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾロン、ピラゾリジン、ピラゾリドン、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ヒドロキシピラゾール、4−アミノピラゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
チアゾール環を有する化合物としては、チアゾール、チアゾリン、チアゾロン、チアゾリジン、チアゾリドン、イソチアゾール、ベンゾチアゾール、2−N,N−ジエチルチオベンゾチアゾール、P−ジメチルアミノベンザルロダニン、2−メルカプトベンゾチアゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
イミダゾール環を有する化合物としては、イミダゾール、ヒスチジン、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、4−フォルミルイミダゾール、2−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−フォルミルイミダゾール、4−メチル−5−フォルミルイミダゾール、2−エチル−4−メチル−5−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
インダゾール環を有する化合物としては、4−クロロインダゾール、4−ニトロインダゾール、5−ニトロインダゾール、4−クロロ−5−ニトロインダゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
銅キレート化合物類としては、アセチルアセトン銅、エチレンジアミン銅、フタロシアニン銅、エチレンジアミンテトラアセテート銅、ヒドロキシキノリン銅等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
チオ尿素類としては、チオ尿素、グアニルチオ尿素等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
メルカプト基を有する化合物としては、すでに上記に記載した材料も加えれば、メルカプト酢酸、チオフェノール、1,2−エタンジオール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、グリコールジメルカプトアセテート、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ナフタレン系としては、チオナリド等が挙げられる。
(樹脂基材)
本発明の基材は樹脂性であり、該基材としては従来公知の樹脂フィルムを用いることができる。
例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム、ポリイミドフィルム等を挙げることができる。
中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルムが好ましい。特に、ポリエステル系フィルム、セルロースエステル系フィルムを用いることが好ましく、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
また、銀を析出させるための焼成温度が高い場合、樹脂基材はポリイミドフィルムであることが好ましい。
前記樹脂基材は、コストが低いことも重要であり、コストと耐熱性の点からは、PETフィルムが好ましい。
樹脂基材の厚さは、樹脂の種類及び目的等に応じて適切な厚さにすることが好ましい。例えば、一般的には10〜300μmの範囲内である。好ましくは20〜200μm、さらに好ましくは30〜100μmである。
以下、本発明について実施例及び比較例を用いて具体的に説明する。
(銀コーティング液組成物の調製)
攪拌器付き500mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルカルバメート65.0g(215ミリモル)を150.0gのイソプロパノールに溶解させた後、酸化銀20.0g(86.2ミリモル)を添加して、常温で反応した。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて段々色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間反応した結果、無色透明な溶液が得られた。この溶液に、安定剤として2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミン2.5gに、溶媒としてn−ブタノール85.0gとアミルアルコール50.0gを添加して攪拌した後、0.45ミクロンのメンブレンフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタし、熱分析(TGA)した結果、銀含量4.87質量%の銀コーティング液組成物を製造した。
《太陽熱発電用反射装置の作製》
〔試料1の作製:参考例1〕
樹脂基材として、2軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ100μm)を用いた。上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、エスペル9940A(日立化成工業株式会社製、ポリエステル系樹脂)、MM−A(パナソニック電工株式会社製、メラミン樹脂)、トリレンジイソシアネート(三井化学ファイン株式会社製、ジイソシアネート架橋剤)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)(三井化学ファイン株式会社製)を樹脂固形分比率で20:1:1:2:に混合した樹脂を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ0.1μmのアンカー層を形成した。アンカー層上に、前記銀コーティング液組成物を、加熱乾燥後の銀の膜厚が80nmとなるように塗布した後、ドライオーブンにて100℃、3分間加熱乾燥し、銀反射層を形成した。
続いて、銀反射層上に接着層としてアクリル樹脂接着剤であるビニロール92T(昭和高分子社製)を厚さ10μmの厚さでコートし、接着層の上にUV吸収剤を含有するアクリル樹脂フィルム(KORAD CLRAR05005,ポリマー・エクスクルーディドプロダクト社製)50μmを積層させた。続いて該アクリル樹脂フィルムの上にUV吸収剤含有ハードコート層として、リオデュラスLCH(UV硬化性アクリル樹脂;東洋インキ社製)にトリアジン系UV吸収剤としてTinuvin477(BASFジャパン社製)を樹脂固形分に対して0.05質量%、無機系UV吸収剤として酸化亜鉛 NANOFINE−50(堺化学工業株式会社製、数平均粒径20nm)を10質量%となる量添加し、グラビアコートによりウエット膜厚20μmで塗布し、UVコンベア(光源;高圧水銀ランプ、照度;100mW/cm)を用いてUV照射することによりUV吸収剤含有ハードコート層を設けることで太陽熱発電用フィルムミラーを作製した。
さらに、樹脂基材に粘着層としてアクリル樹脂粘着剤であるSE−6010(昭和高分子社製)を厚さ10μmの厚さでコートし、厚さ0.1mmで、たて4cm×よこ5cmのアルミ板(住友軽金属社製)上に、上記サンプルを、粘着層を介して貼り付け、太陽熱発電用反射装置である試料1を作製した。
〔試料2の作製:参考例2〕
前記試料1の作製において、UV吸収剤含有ハードコート層に添加するTinuvin477を樹脂固形分に対して0.1質量%に変えたほかは同様に、太陽熱発電用反射装置である試料2を作製した。
〔試料3の作製:参考例3〕
前記試料1の作製において、UV吸収剤含有ハードコート層に添加するTinuvin477を樹脂固形分に対して1.5質量%に変えたほかは同様に、太陽熱発電用反射装置である試料3を作製した。
〔試料4の作製:参考例4〕
前記試料1の作製において、UV吸収剤含有ハードコート層に添加するTinuvin477を樹脂固形分に対して6.5質量%に変えたほかは同様に、太陽熱発電用反射装置である試料4を作製した。
〔試料5の作製:参考例5〕
前記試料1の作製において、UV吸収剤含有ハードコート層に添加するTinuvin477を樹脂固形分に対して10質量%に変えたほかは同様に、太陽熱発電用反射装置である試料5を作製した。
〔試料6の作製:参考例6〕
前記試料1の作製において、UV吸収剤含有ハードコート層に添加するTinuvin477を樹脂固形分に対して11質量%に変えたほかは同様に、太陽熱発電用反射装置である試料6を作製した。
〔試料7の作製:参考例7〕
前記試料1の作製において、UV吸収剤含有ハードコート層に酸化亜鉛 NANOFINE−50は添加せず、Tinuvin477の添加量を樹脂固形分に対して1.5質量%に変えたほかは同様に、太陽熱発電用反射装置である試料7を作製した。
〔試料8の作製:参考例8〕
前記試料1の作製において、UV吸収剤含有ハードコート層にTinuvin477は添加せず、ほかは同様に太陽熱発電用反射装置である試料8を作製した。
〔試料9の作製:比較例1〕
前記試料1の作製において、UV吸収剤含有ハードコート層にTinuvin477及びNANOFINE−50は添加せず、ほかは同様に太陽熱発電用反射装置である試料9を作製した。
〔試料10の作製:参考例2−1
前記試料1の作製において、UV吸収剤含有ハードコート層にTinuvin477及びNANOFINE−50は添加せず、ベンゾトリアゾール系UV吸収剤としてTinuvin234を樹脂固形分に対して1.5質量%添加したほかは同様に太陽熱発電用反射装置である試料10を作製した。
〔試料11の作製:参考例2−2
前記試料10の作製において、ベンゾトリアゾール系UV吸収剤としてTinuvin234(BASFジャパン(株)製)を樹脂固形分に対して5質量%添加したほかは同様に太陽熱発電用反射装置である試料11を作製した。
〔試料12の作製:参考例2−3
前記試料1の作製において、UV吸収剤含有ハードコート層にTinuvin477及びNANOFINE−50は添加せず、ベンゾフェノン系UV吸収剤としてCHIMASSORB 81(BASFジャパン(株)製)を樹脂固形分に対して1.5質量%添加したほかは同様に太陽熱発電用反射装置である試料12を作製した。
〔試料13の作製:参考例2−4
前記試料12の作製において、ベンゾフェノン系UV吸収剤としてCHIMASSORB 81(BASFジャパン(株)製)を樹脂固形分に対して5質量%添加したほかは同様に太陽熱発電用反射装置である試料13を作製した。
〔試料14の作製:参考例9〕
前記試料3の作製において、UV吸収剤含有ハードコート層に添加するNANOFINE−50を樹脂固形分に対して25質量%に変えたほかは同様に、太陽熱発電用反射装置である試料14を作製した。
〔試料15の作製:参考例10〕
前記試料3の作製において、UV吸収剤含有ハードコート層に添加するNANOFINE−50を樹脂固形分に対して40質量%に変えたほかは同様に、太陽熱発電用反射装置である試料15を作製した。
〔試料16の作製:参考例11〕
樹脂基材/アンカー層/銀反射層までは前記試料1と同様に作製した後、この銀反射層上に、エスペル9940A(日立化成工業株式会社製、ポリエステル系樹脂)とトリレンジイソシアネート(三井化学ファイン株式会社製、ジイソシアネート架橋剤)とを樹脂固形分比率(質量比)で10:2に混合した樹脂中に、腐食防止剤としてMM−A(パナソニック電工株式会社製、メラミン樹脂、分子量50,000)を樹脂固形分に対して10質量%となる量を添加し、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ0.1μmの腐食防止層(トップコート下層)を形成した。
続いてこの腐食防止層上に、エスペル9940A(日立化成工業株式会社製、ポリエステル系樹脂)とトリレンジイソシアネート(三井化学ファイン株式会社製、ジイソシアネート架橋剤)とを、樹脂固形分比率(質量比)で10:2に混合した樹脂中に、UV吸収剤としてTinuvin477(BASFジャパン社製)を樹脂固形分に対して1.5質量%となる量を添加し、グラビアコート法によりコーティングして厚さ3μmのUV吸収層(トップコート上層)を形成した。
続いて、トップコート層上に接着層としてアクリル樹脂接着剤であるビニロール92T(昭和高分子社製)を厚さ10μmの厚さでコートし、接着層の上にUV吸収剤を含有するアクリル樹脂フィルム(KORAD CLRAR05005,ポリマー・エクスクルーディドプロダクト社製)50μmを積層させた。続いてアクリル樹脂フィルムの上にUV吸収剤含有ハードコート層として、リオデュラスLCH(UV硬化性アクリル樹脂;東洋インキ社製)にトリアジン系UV吸収剤としてTinuvin477(BASFジャパン(株)製)を樹脂固形分に対して1.5質量%、無機系UV吸収剤として酸化亜鉛 NANOFINE−50(堺化学工業株式会社製)を10質量%となる量添加し、グラビアコートによりウエット膜厚40μmで塗布し、UVコンベア(光源;高圧水銀ランプ、照度;100mW/cm)を用いてUV照射することによりUV吸収剤含有ハードコート層を設けることで太陽熱発電用フィルムミラーを作製した。
さらに、基材樹脂に粘着層としてアクリル樹脂粘着剤であるSE−6010(昭和高分子社製)を厚さ10μmの厚さでコートし、厚さ0.1mmで、たて4cm×よこ5cmのアルミ板(住友軽金属社製)上に、上記サンプルを、粘着層を介して貼り付け、太陽熱発電用反射装置である試料16を作製した。
〔試料17の作製:参考例12〕
前記試料16の作製において、トップコート上層にUV吸収剤としてTinuvin477(BASFジャパン(株)製)を添加せず、ほかは同様に太陽熱発電用反射装置である試料17を作製した。
〔試料18の作製:参考例13〕
前記試料16の作製において、トップコート下層に腐食防止剤としてTinuvin234(BASFジャパン(株)製、分子量447.6)を樹脂固形分に対して10質量%、トップコート上層にUV吸収剤としてTinuvin477(BASFジャパン(株)製)を樹脂固形分に対して1.5質量%となる量を添加し、ほかは同様に太陽熱発電用反射装置である試料18を作製した。
〔試料19の作製:参考例14〕
前記試料16の作製において、トップコート下層に腐食防止剤としてTinuvin234(BASFジャパン(株)製)を樹脂固形分に対して10質量%となる量を添加し、トップコート上層にはTinuvin477(BASFジャパン(株)製)を添加せず、ほかは同様に太陽熱発電用反射装置である試料19を作製した。
〔試料20の作製:参考例15〕
前記試料18の作製において、UV吸収剤含有ハードコート層に酸化防止剤としてヒンダードアミン系化合物のTinuvin152を樹脂固形分に対して1質量%添加したほかは同様に、太陽熱発電用反射装置である試料20を作製した。
〔試料21〜24の作製:参考例16〜19〕
前記試料20の作製において、UV吸収剤含有ハードコート層に添加したNANOFINE−50を、数平均粒径20nmの無機UV吸収剤である、Sicotrans Red L2815(酸化鉄;BASFジャパン(株)製)、CeO−X01(酸化セリウム;株式会社イオックス製)、NANOFINE−50(酸化亜鉛;堺化学工業株式会社製)、STR−60(酸化チタン;堺化学工業株式会社製)に変え、その添加量を表2に記載のように樹脂固形分に対して15質量%に変えた他は同様に、太陽熱発電用反射装置である試料21〜24を作製した。
〔試料25〜28の作製:参考例20〜23〕
前記試料20の作製において、UV吸収剤含有ハードコート層に添加したNANOFINE−50を、数平均粒径150nmの無機UV吸収剤である、CM−1000(酸化鉄;ケミライト工業株式会社製)、CERIGUARD S−3018−02(酸化セリウム;大東化成工業株式会社製)、MZ−300(酸化亜鉛;テイカ株式会社製)、MT−700B(酸化チタン;テイカ株式会社製)に変え、その添加量を表2に記載のように樹脂固形分に対して15質量%に変えた他は同様に、太陽熱発電用反射装置である試料25〜28を作製した。
〔試料29〜32の作製:実施例24〜27〕
前記試料20の作製において、UV吸収剤含有ハードコート層に添加したNANOFINE−50を、数平均粒径20nm(被覆厚さ5nmを含む)のシリカ被覆無機UV吸収剤である、Concelight BP−10S(酸化鉄;日揮触媒化成株式会社製)、CERIGUARDSC−6832(酸化セリウム;大東化成工業株式会社製)、FINEX−50W−LP2(酸化亜鉛;堺化学工業株式会社製)、STR−100A−LP(酸化チタン;堺化学工業株式会社製)に変え、その添加量を表2に記載のように添加量を樹脂固形分に対して15質量%に変えた他は同様に、太陽熱発電用反射装置である試料29〜32を作製した。
〔試料33の作製:比較例〕
前記試料20の作製において銀反射層の形成方法を特開2010−237415号公報の実施例1に記載のように、アンモニア性硝酸銀水溶液を含む銀メッキ液をブドウ糖で還元する無電解の銀鏡反応によりアンカー層表面に銀を析出させて形成するものに変え、そのほかは同様に、太陽熱発電用反射装置である試料33を作製した。
作製した試料33の正反射率を下記の方法で測定した結果、表3に示したように初期の正反射率が低かったので、それ以上の耐久性試験は行わなかった。
《太陽熱発電用反射装置の評価》
上記作製した太陽熱発電用反射装置について、下記の方法に従って湿熱処理後の耐擦傷性およびUV劣化処理後の耐擦傷性の評価を行った。
〔湿熱環境下UV照射後の耐擦傷性試験(スチールウールJIS試験)〕
各試料を、岩崎電気製アイスーパーUVテスターを用いて、65℃相対湿度60%の環境下で1000W96時間の紫外線照射を行った後、フィルムミラーの最表層面を#0000のスチールウールに500g/cmの荷重をかけて、ストローク50mm、速度500mm/minで10回往復摩擦した後に下記の基準に従って、湿熱処理後及びUV劣化処理後の耐擦傷性を評価した。
◎:傷本数が0本
○:傷本数が1本〜5本
△:傷本数が6本〜10本
×:傷本数が10本より多い
〔湿熱環境下UV照射後の正反射率の測定〕
各試料を、岩崎電気製アイスーパーUVテスターを用いて、65℃相対湿度60%の環境下で96時間紫外線照射を行ったのち、以下の測定を行った。
島津製作所社製の分光光度計U−4100を、積分球反射付属装置を取り付けたものに改造し、反射面の法線に対して、入射光の入射角を5°となるように調整し、各試料の反射角5°での正反射率を測定した。400nmから700nmまでの平均反射率として測定し、下記の基準に従ってUV劣化処理後の正反射率を評価した。
7 : 正反射率の平均値が、90%以上である
6 : 正反射率の平均値が、85%以上90%未満である
5 : 正反射率の平均値が、80%以上85%未満である
4 : 正反射率の平均値が、75%以上80%未満である
3 : 正反射率の平均値が、70%以上75%未満である
2 : 正反射率の平均値が、65%以上70%未満である
1 : 正反射率の平均値が、65%未満である
上記評価結果を表1、2に示す。
表1、2より、本発明のフィルムミラーを用いた太陽熱発電用反射装置は、アンモニア性硝酸銀から銀を析出させた試料33に比べて、初期の正反射率が高いことが分かる。試料33は初期の性能が不十分だったので、湿熱環境下UV照射による評価は行わなかった。また、本発明のフィルムミラーを用いた太陽熱発電用反射装置は、UV吸収剤含有ハードコート層にUV吸収剤を含有しない比較例に対し湿熱環境下UV照射後の正反射率も高く、湿熱環境下UV照射後の耐擦傷性試験においても優れた性能を有することが分かる。

Claims (11)

  1. 樹脂基材上に有機銀錯体化合物を含む塗布液を塗布し、焼成することにより形成され少なくとも一層の銀反射層を有するフィルムミラーにおいて、該樹脂基材に対して該銀反射層よりも離れた位置にUV吸収剤含有ハードコート層を有し、
    前記UV吸収剤含有ハードコート層が無機UV吸収剤、トリアジン系UV吸収剤、およびアクリル系UV硬化性樹脂を硬化した樹脂を含有し、
    前記無機UV吸収剤がシリコーンまたは酸化ケイ素を含有する被覆層により表面被覆されていることを特徴とするフィルムミラー。
  2. 前記無機UV吸収剤が酸化ケイ素被覆酸化鉄、酸化ケイ素被覆酸化セリウム、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛またはこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載のフィルムミラー。
  3. 前記樹脂基材、前記銀反射層、腐蝕防止剤含有層、UV吸収剤含有層および前記UV吸収剤含有ハードコート層を順に有することを特徴とする請求項1または2に記載のフィルムミラー。
  4. 前記腐蝕防止剤含有層に含有される腐蝕防止剤の分子量が800以下であることを特徴とする請求項に記載のフィルムミラー。
  5. 前記UV吸収剤含有ハードコート層が酸化防止剤を含有し、該酸化防止剤を前記UV吸収剤含有ハードコート層の全質量に対し0.1〜5質量%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルムミラー。
  6. 前記酸化防止剤がヒンダードアミン系化合物であることを特徴とする請求項5に記載のフィルムミラー。
  7. 前記UV吸収剤含有ハードコート層が、前記トリアジン系UV吸収剤を前記UV吸収剤含有ハードコート層の樹脂固形分に対して0.1〜10質量%含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のフィルムミラー。
  8. 前記UV吸収剤含有ハードコート層が、前記無機UV吸収剤を前記UV吸収剤含有ハードコート層の樹脂固形分に対して1〜50質量%含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のフィルムミラー。
  9. 前記無機UV吸収剤が数平均粒径10nm〜100nmの微粒子であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のフィルムミラー。
  10. 前記銀反射層は銀と有機銀錯体化合物を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のフィルムミラー。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のフィルムミラーと金属支持体が粘着剤層を介して貼合されてなる太陽熱発電用反射装置。
JP2011032945A 2011-02-18 2011-02-18 フィルムミラーおよび太陽熱発電用反射装置 Active JP5747547B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011032945A JP5747547B2 (ja) 2011-02-18 2011-02-18 フィルムミラーおよび太陽熱発電用反射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011032945A JP5747547B2 (ja) 2011-02-18 2011-02-18 フィルムミラーおよび太陽熱発電用反射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012173379A JP2012173379A (ja) 2012-09-10
JP5747547B2 true JP5747547B2 (ja) 2015-07-15

Family

ID=46976363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011032945A Active JP5747547B2 (ja) 2011-02-18 2011-02-18 フィルムミラーおよび太陽熱発電用反射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5747547B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014154589A (ja) * 2013-02-05 2014-08-25 Fujifilm Corp 太陽光集光用反射鏡
JP2015084068A (ja) * 2013-02-20 2015-04-30 富士フイルム株式会社 太陽光集光用フィルムミラーおよびその製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11116240A (ja) * 1997-10-15 1999-04-27 Nippon Shokubai Co Ltd 紫外線吸収性微粒子およびその用途
KR100727483B1 (ko) * 2006-04-29 2007-06-13 주식회사 잉크테크 유기 은 착체 화합물을 포함하는 반사막 코팅액 조성물 및이를 이용한 반사막 제조방법
JPWO2009119749A1 (ja) * 2008-03-26 2011-07-28 旭化成株式会社 反射シート
US20090283133A1 (en) * 2008-05-14 2009-11-19 3M Innovative Properties Company Solar concentrating mirror
JP2010271516A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Oji Paper Co Ltd 輝度均斉化シートおよび面光源装置
DE102009028168A1 (de) * 2009-07-31 2011-02-10 Evonik Degussa Gmbh Solarspiegelfolienverbund mit besonders hoher Witterungs- und UV-Beständigkeit

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012173379A (ja) 2012-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6176116B2 (ja) フィルムミラーの製造方法
JP5691811B2 (ja) フィルムミラー、太陽光反射用ミラー及び太陽熱発電用反射装置
WO2011158677A1 (ja) 太陽光反射用フィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置
WO2012165460A1 (ja) 太陽熱発電用反射装置、フィルムミラー及びフィルムミラーの製造方法
WO2013094633A1 (ja) 太陽光反射用フィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置
WO2012090987A1 (ja) 機能性フィルム、フィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置
WO2012133517A1 (ja) ミラー及び太陽熱発電用反射装置
WO2011122241A1 (ja) 太陽熱発電用フィルムミラー、太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法及び太陽熱発電用反射装置
JP5672071B2 (ja) フィルムミラーの製造方法、フィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置
JP5747547B2 (ja) フィルムミラーおよび太陽熱発電用反射装置
JP5794232B2 (ja) 太陽熱発電用フィルムミラー、その製造方法及び太陽熱発電用反射装置
WO2012057003A1 (ja) 太陽熱発電用フィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置
JPWO2012043606A1 (ja) 太陽熱発電用フィルムミラー、太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法及び太陽熱発電用反射装置
WO2014061497A1 (ja) フィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置
JPWO2014061497A6 (ja) フィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置
WO2011096284A1 (ja) 太陽熱発電用フィルムミラー、太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法及び太陽熱発電用反射装置
JP2015161826A (ja) フィルムミラーおよび太陽熱発電用反射装置
WO2011158665A1 (ja) フィルムミラー、及び太陽熱発電用反射装置
WO2011096248A1 (ja) 太陽熱発電用光反射フィルム、その製造方法、及びそれを用いた太陽熱発電用反射装置
WO2013054869A1 (ja) 太陽光反射用ミラー及び太陽熱発電用反射装置
WO2012056953A1 (ja) 太陽光反射用ミラー及び太陽熱発電用反射装置
JP2017040669A (ja) フィルムミラーおよびこれを用いた太陽熱発電用反射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20130415

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130813

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20140130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150123

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150414

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150427

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5747547

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150