JP2017040669A - フィルムミラーおよびこれを用いた太陽熱発電用反射装置 - Google Patents

フィルムミラーおよびこれを用いた太陽熱発電用反射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】金属反射層に対して光入射側とは反対側に接着剤層や粘着剤層が配置されてなるフィルムミラーにおいて、その耐候性および耐光性をよりいっそう向上させ、正反射率を長期間にわたって維持させうる手段を提供する。
【解決手段】光入射側から順に、透光性樹脂層、樹脂基材、光反射層、接着剤層または粘着剤層、およびセルロース系樹脂層を少なくとも有するか、または、光入射側から順に、透光性樹脂層、光反射層、樹脂基材、接着剤層または粘着剤層、およびセルロース系樹脂層を少なくとも有することを特徴とするフィルムミラー。
【選択図】なし

Description

本発明は、フィルムミラーおよびこれを用いた太陽熱発電用反射装置に関する。
近年の地球温暖化は一層深刻な事態に発展している。その主原因は、20世紀に入りエネルギー源として多量に使用されてきた化石燃料から放出された大気中の二酸化炭素(CO)であると考えられている。したがって近い将来、化石燃料をこのまま使い続けることは許されなくなると考えられる。また、他方で、中国、インド、ブラジル等のいわゆる発展途上国の急激な経済成長に伴うエネルギー需用の増大により、かつては無尽蔵と考えられていた石油、天然ガスの枯渇が現実味を帯びてきている。
化石燃料の代替エネルギーとして最も安定しており、かつ量の多い自然エネルギーは、太陽エネルギーであると考えられる。特に世界のサンベルト地帯と呼ばれている赤道近くには、広大な砂漠が広がっており、そこに降りそそぐ太陽エネルギーは正に無尽蔵と言える。太陽エネルギーの利用に関して、米国南西部に拡がる砂漠のわずか数%を使えば、実に7,000GWものエネルギーを得ることが可能であると考えられている。また、アラビア半島、北アフリカの砂漠のわずか数%を使えば、全人類の使うエネルギーを全て賄うことができるとも考えられている。
このように、太陽エネルギーは非常に有力な代替エネルギーであるものの、これを社会活動の中で活用するためには、(1)太陽エネルギーのエネルギー密度が低いこと、並びに(2)太陽エネルギーの貯蔵及び移送が困難であることが、問題となると考えられる。これに対して、太陽エネルギーのエネルギー密度が低いという問題は、巨大な集光装置で太陽エネルギーを集めることによって解決することが提案されている。
集光装置は太陽光による紫外線や熱、風雨、砂嵐などに晒されるため、従来は耐候性のよいガラス製ミラーが用いられてきた。但し、そのガラス製ミラーは環境に対する耐久性が高い反面、輸送時に破損してしまうことや、質量が重いためにミラーを設置する架台の強度を持たせる必要が生じてプラントの建設費がかさむことといった問題があった。
上記問題を解決するために、ガラス製ミラーを樹脂製反射ミラー(フィルムミラー)に置き換えることが従来提案されており、金属反射層を形成する際の熱に耐えうる耐熱性を有するという観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる樹脂基材が多く用いられてきた。
ここで、フィルムミラーに対しても、当然のことながら従来のガラス製ミラーと同様に高い耐久性が求められている。また、太陽熱発電に用いられるフィルムミラーは放物面形状を有しているのが通常であることから、フィルムミラーには適度な柔軟性も要求される。
フィルムミラーは通常、自己支持性を有しないことから、フィルムミラーを太陽熱発電用反射装置に搭載する場合には、接着剤層や粘着剤層を介して自己支持性を有する支持基材に貼り付けることが行われている(例えば、特許文献1)。そして、かような接着剤層や粘着剤層の組成や厚みを制御することで、フィルムミラーに適度な柔軟性を付与することも可能である。
米国特許出願公開第2012/0107609号明細書
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1に記載されているような粘着剤層を用いてフィルムミラーを支持基材に貼り付ける技術によると、フィルムミラーの十分な耐候性や耐光性が得られず、長期間使用後には正反射率が低下してしまう場合があることが判明した。
そこで本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、金属反射層に対して光入射側とは反対側に接着剤層や粘着剤層が配置されてなるフィルムミラーにおいて、その耐候性および耐光性をよりいっそう向上させ、正反射率を長期間にわたって維持させうる手段を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、セルロース系樹脂を含む層(セルロース系樹脂層)を接着剤層や粘着剤層の下層(光入射側とは反対側)に配置することで上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、上記課題は、光入射側から順に、透光性樹脂層、樹脂基材、光反射層、接着剤層または粘着剤層、およびセルロース系樹脂層を少なくとも有するか、または、光入射側から順に、透光性樹脂層、光反射層、樹脂基材、接着剤層または粘着剤層、およびセルロース系樹脂層を少なくとも有することを特徴とするフィルムミラーによって解決されうる。
本発明によれば、金属反射層に対して光入射側とは反対側に接着剤層や粘着剤層が配置されてなるフィルムミラーにおいて、その耐候性および耐光性をよりいっそう向上させ、正反射率を長期間にわたって維持させることができる。
本発明のフィルムミラーの構成の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明のフィルムミラーの構成の他の実施形態を示す概略断面図である。
本発明は、光入射側から順に、(i)透光性樹脂層、樹脂基材、光反射層、接着剤層または粘着剤層、およびセルロース系樹脂層を少なくとも有するか、または、光入射側から順に、(ii)透光性樹脂層、光反射層、樹脂基材、接着剤層または粘着剤層、およびセルロース系樹脂層を少なくとも有するフィルムミラーに関する。このように構成された本発明の特徴の1つは、接着剤層または粘着剤層の下層(光入射側とは反対側)にセルロース系樹脂が配置されていることにある。当該構成によって、フィルムミラーが接着剤層/粘着剤層を有するにもかかわらず、その耐候性および耐光性をよりいっそう向上させ、正反射率を長期間にわたって維持させることができる。ここで、本発明の構成による上記作用効果の発揮のメカニズムは以下のように推測される。
すなわち、上述した特許文献1に記載されているような技術における耐久性の低下は、接着剤層や粘着剤層に含まれている残留溶剤が屋外曝露環境下で発泡することで、フィルムミラーの平面性の低下や、接着剤層/粘着剤層に隣接する界面での層間剥がれを生じさせていることによるものと考えられる。
これに対し、本発明では、セルロース系樹脂が溶剤の透過性に優れていることにより、フィルムミラーが砂漠等の過酷な屋外環境に曝露された場合であっても、接着剤層/粘着剤層に含まれる残留溶剤が発泡することなくセルロース系樹脂層から外部へと放出される。その結果、残留溶剤が外部へと抜けられずに発泡することに起因する平面性の低下や層間剥がれといった問題の発生が抑制され、耐久性の向上と正反射率の維持という本発明の効果が奏されるものと推測されるのである。なお、本発明はかようなメカニズムに限定されるものではない。
したがって、本発明に係るフィルムミラーによって奏される上記効果は、特に長期間(例えば、40日以上、好ましくは20年程度)、過酷な屋外環境下に曝露されたときに顕著に発現する。このため、本発明に係るフィルムミラーは、太陽熱発電用反射装置に好適に使用されうる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味し、「重量」と「質量」、「重量%」と「質量%」及び「重量部」と「質量部」は同義語として扱う。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
[フィルムミラー]
図1は、本発明に係るフィルムミラーの構成の一実施形態を示す概略断面図である。図1に示されるように、フィルムミラー10は、光入射側から順に、ハードコート層4、透光性樹脂層3、樹脂基材(例えば、樹脂フィルム)2、光反射層(例えば、銀反射層)1、粘着剤層6およびセルロース系樹脂層7が積層されてなる。なお、上記各層間に他の層を介していてもよいし、それぞれの層が隣接していてもよい。
図1に示すフィルムミラー10では、樹脂基材2が光反射層1に対して光入射側に配置されていたが、本発明は当該形態に限定されず、光反射層1が樹脂基材2に対して光入射側に配置されていてもよい。
図2は、本発明のフィルムミラーの構成の他の実施形態を示す概略断面図である。図2に示されるように、フィルムミラー10は、光入射側から順に、ハードコート層4、透光性樹脂層3、光反射層(例えば、銀反射層)1、樹脂基材(例えば、樹脂フィルム)2、粘着剤層6およびセルロース系樹脂層7が積層されてなる。なお、上記各層間に他の層を介していてもよいし、それぞれの層が隣接していてもよい。当該形態によると、光反射層1が粘着層6と接しないため、粘着層6と光反射層1との界面から汚染物質が侵入し、光反射層1が腐食して反射率が低下することを抑制・防止できる。また、粘着層6と光反射層1との間に樹脂基材2を設けているため、粘着層6の凹凸が光反射層1に反映されることがなくなり、平面性の高い光反射層1を得ることができ、より高い反射率を達成できる。
ここで、図1および図2に示される構成部材のうち、ハードコート層4は任意に設けられる層であり、その他の層は本発明に係るフィルムミラーには必須の層である。ただし、フィルムミラーは、図1および図2に示すように、透光性樹脂層の光入射側の面に、ハードコート層をさらに有することが好ましい。当該構成により、フィルムミラー表面の傷つきや汚れの付着を効果的に抑制・防止できる。また、透光性樹脂層には紫外線吸収剤が含まれることが一般的であるが、この紫外線吸収剤が表面にブリードアウトすることによるヘイズの上昇を防止することもできる。このため、フィルムミラーが太陽熱発電用反射装置に使用され、太陽光による紫外線や熱、風雨、砂嵐などに長持間晒されたとしても、フィルムミラーの高い反射率をより有効に発揮・維持できる。また、上記構成以外にも、光反射層1と粘着剤層6との間に腐食防止層を配置する;光反射層1と樹脂基材2との間にアンカー層を配置する;上記いずれかの組み合わせなどの構成が適用できる。
本発明に係るフィルムミラーにおいて、後述する接着剤層/粘着剤層およびセルロース系樹脂層を除いた部分の厚さは、特に制限されないが、撓み防止、正反射率、取り扱い性等の観点から10〜500μmが好ましく、より好ましくは25〜300μm、更に好ましくは50〜150μmである。また、フィルムミラーの光入射側の最表面層の中心線平均粗さ(Ra)が、3nm以上20nm以下であることが、反射光の散乱を防止でき集光効率を高めるという観点から好ましい。
以下、各構成層の詳細について説明する。
(透光性樹脂層)
透光性樹脂層は、光透過性を有する樹脂材料からなる樹脂層であり、紫外線吸収剤を含有していることが好ましい。
透光性樹脂層に用いられる樹脂材料は、特に制限されないが、薄膜を形成した際に透明性を維持しうる、従来公知の種々の合成樹脂を用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、及びセルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン類、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル或いはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)或いはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。
この透光性樹脂層の形成方法は特に制限されないが、例えば、塗布による方法を挙げることができる。塗布方式で透光性樹脂層となる塗膜を塗設する場合には、従来用いられる種々の塗布方法、例えば、スプレーコート、スピンコート、バーコート等の方法を用いることができる。すなわち、ウレタン変性アクリル樹脂層の光入射側の面上に、透光性樹脂層を構成する材料を直接塗布することによって、透光性樹脂層を形成することができる。
こうした塗布方式で透光性樹脂層を形成することによって、透光性樹脂層の平滑性を高めることができる。具体的には、塗布方式で形成した透光性樹脂層の中心線平均粗さ(Ra)は、3nm以上20nm以下にすることができる。換言すれば、中心線平均粗さがこの値を満たせば、溶融製膜によって製造された透光性樹脂フィルムを接着剤層で貼り合わせて設けられた透光性樹脂層ではなく、その透光性樹脂層が塗布によって設けられたものとみなすことができる。なお、透光性樹脂層の平滑性の指標となる中心線平均粗さ(Ra)は、JIS B0601−1982に基づく測定方法により求めることができる。
なお、塗布方式によらず、フィルム形状の透光性樹脂層を接着剤層や粘着剤層を介して貼り合わせることによって透光性樹脂層を形成してももちろんよい。
透光性樹脂層の厚さ(乾燥膜厚)は、特に制限されないが、5〜150μmであることが好ましく、より好ましくは10〜100μmであり、特に好ましくは20〜80μmである。このような厚みであれば、十分な透光性を確保し、また、製膜時に乾燥により溶剤を十分に蒸発でき、生産性上好ましい。
透光性樹脂層を形成する材料として、上記例示した樹脂材料の中では、(メタ)アクリル系材料が好適に用いられる。透光性樹脂層を(メタ)アクリル系材料で形成する場合、(メタ)アクリル系材料は固いので、柔らかくて破損しにくいアクリル製の透光性樹脂層を得る目的で、可塑剤の微粒子を含有させてもよい。可塑剤の好ましい一例としては、例えば、アクリルゴム、ブチルゴムやブチルアクリレートなどが挙げられる。ここで、可塑剤の添加量は、特に制限されないが、所望の柔軟性などを考慮すると、樹脂(透光性樹脂)に対して、10〜25重量%程度であることが好ましい。
より好ましくは、透光性樹脂層は、メタクリル樹脂を主成分として形成される。メタクリル樹脂は、メタクリル酸エステルを主体とする重合体であり、メタクリル酸エステルの単独重合体であってもよいし、メタクリル酸エステル50質量%以上とこれ以外の単量体50質量%以下との共重合体であってもよい。ここで、メタクリル酸エステルとしては、通常、メタクリル酸のアルキルエステルが用いられる。特に好ましく用いられるメタクリル樹脂は、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)である。
メタクリル樹脂の好ましい単量体組成は、全単量体を基準として、メタクリル酸エステルが50〜100質量%、アクリル酸エステルが0〜50質量%、これら以外の単量体が0〜49質量%であり、より好ましくは、メタクリル酸エステルが50〜99.9質量%、アクリル酸エステルが0.1〜50質量%、これら以外の単量体が0〜49質量%である。
ここで、メタクリル酸アルキルの例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ、そのアルキル基の炭素数は通常1〜8、好ましくは1〜4である。中でもメタクリル酸メチルが好ましく用いられる。
また、アクリル酸アルキルの例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ、そのアルキル基の炭素数は通常1〜8、好ましくは1〜4である。
また、メタクリル酸アルキル及びアクリル酸アルキル以外の単量体は、単官能単量体、すなわち分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を1個有する化合物であってもよいし、多官能単量体、すなわち分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有する化合物であってもよいが、単官能単量体が好ましく用いられる。そして、この単官能単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの如き芳香族アルケニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルの如きアルケニルシアン化合物などが挙げられる。また、多官能単量体の例としては、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートの如き多価アルコールのポリ不飽和カルボン酸エステル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ケイ皮酸アリルの如き不飽和カルボン酸のアルケニルエステル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートの如き多塩基酸のポリアルケニルエステル、ジビニルベンゼンの如き芳香族ポリアルケニル化合物などが挙げられる。
なお、上記のメタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、及びこれら以外の単量体は、それぞれ、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよい。
メタクリル樹脂は、フィルムの耐熱性の点から、そのガラス転移温度が40℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。このガラス転移温度は、単量体の種類やその割合を調整することにより、適宜設定することができる。
メタクリル樹脂は、その単量体成分を、懸濁重合、乳化重合、塊状重合などの方法により重合させることにより調製することができる。その際、好適なガラス転移温度を得るため、又は好適なフィルムへの成形性を示す粘度を得るため、重合時に連鎖移動剤を使用することが好ましい。連鎖移動剤の量は、単量体の種類やその割合などに応じて、適宜決定すればよい。
または、メタクリル樹脂などの透光性樹脂層に用いる樹脂材料は、市販品を使用してもよい。
上述したように、透光性樹脂層は紫外線吸収剤を含むことが好ましいが、かような紫外線吸収剤には特に制限はなく、例えばチアゾリドン系、ベンゾトリアゾール系、アクリロニトリル系、ベンゾフェノン系、アミノブタジエン系、トリアジン系、サリチル酸フェニル系、ベンゾエート系などの有機系の紫外線吸収剤、あるいは酸化セリウム、酸化マグネシウムなどの微粉末系の紫外線遮断剤や酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等などがあり、特に有機系の紫外線吸収剤が好ましい。
有機系の紫外線吸収剤として、例えば特開昭46−3335号、同55−152776号、特開平5−197074号、同5−232630号、同5−307232号、同6−211813号、同8−53427号、同8−234364号、同8−239368号、同9−31067号、同10−115898号、同10−147577号、同10−182621号各公報、独国特許第19739797A号、欧州特許第711804A号各公報及び特表平8−501291号公報、米国特許第1,023,859号、同第2,685,512号、同第2,739,888号、同第2,784,087号、同第2,748,021号、同第3,004,896号、同第3,052,636号、同第3,215,530号、同第3,253,921号、同第3,533,794号、同第3,692,525号、同第3,705,805号、同第3,707,375号、同第3,738,837号、同第3,754,919号、英国特許第1,321,355号明細書等に記載されている化合物を用いることができる。
これら紫外線吸収剤のなかでも、分子量が400以上の紫外線吸収剤は、高沸点で揮発しにくく、高温成形時にも飛散しにくいため、比較的少量の添加で効果的に耐候性を改良することができる。
また、分子量が400以上の紫外線吸収剤は、薄い透光性樹脂層4から他の構成層への移行性も小さく、積層体の表面にも析出しにくいため、含有された紫外線吸収剤量が長時間維持され、耐候性改良効果の持続性に優れるなどの点から好ましい。
分子量が400以上の紫外線吸収剤としては、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2−ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール等のベンゾトリアゾール系、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系、さらには2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の分子内にヒンダードフェノールとヒンダードアミンの構造を共に有するハイブリッド系のものが挙げられ、これらは単独で、あるいは2種以上を併用して使用することができる。これらのうちでも、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が特に好ましい。
また、紫外線吸収剤としては上記した以外に、紫外線の保有するエネルギーを分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物を用いることもできる。さらに、酸化防止剤あるいは着色剤等との併用により効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。但し、上記の紫外線吸収剤を使用する場合は、紫外線吸収剤の光吸収波長が、光重合開始剤の有効波長と重ならないものを選択する必要がある。通常の紫外線吸収剤を使用する場合は、可視光でラジカルを発生する光重合開始剤を使用することが有効である。
なお、上記紫外線吸収剤はそれぞれ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。また、必要により、上記紫外線吸収剤以外の紫外線吸収剤、例えば、サリチル酸誘導体、置換アクリロニトリル、ニッケル錯体などを含有させることもできる。
透光性樹脂層への紫外線吸収剤の含有量(固形分換算)は、特に制限されないが、透光性樹脂層に対して、0.1〜25質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜15質量%である。また、紫外線吸収剤の透光性樹脂層への含有量(フィルム単位面積当たりの含有量)もまた特に制限されないが、好ましくは0.17〜2.28g/m、より好ましくは0.4〜2.28g/mである。紫外線吸収剤の含有量を上記の範囲にすることによって、耐候性能をより十分発揮しつつ、紫外線吸収剤のブリードアウトによるロールやフィルムの汚れを起こすこと(ひいては、ヘイズの上昇)をより有効に抑制・防止できる。
透光性樹脂層には、劣化を防止するために、酸化防止剤をさらに含有させてもよい。酸化防止剤としては、特に制限されないが、フェノール系酸化防止剤、チオール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤を使用することが好ましい。ここで、フェノール系酸化防止剤、チオール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤としては、それぞれ、国際公開第2012/165460号などに記載される公知の酸化防止剤が使用できる。
(樹脂基材)
樹脂基材としては、従来公知の種々の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム等のセルロースエステル系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系フィルム、セロファン、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルム、アクリルフィルムが好ましい。これらのうち、ポリエステル系フィルム又はアクリルフィルムを用いることが好ましく、ポリエステル系フィルムが特に好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムが最も好ましい。ここで、樹脂基材は、いずれの方法によって製造されてもよく、例えば、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
樹脂基材の厚さは、特に制限されないが、樹脂の種類及び目的等に応じて適切な厚さにすることが好ましい。樹脂基材の厚さは、例えば、10〜250μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは20〜200μmである。
(光反射層)
光反射層は、太陽光を反射する機能を有する金属等からなる層である。
光反射層の表面反射率は好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。この光反射層は、Al、Ag、Cr、Cu、Ni、Ti、Mg、Rh、Pt及びAuからなる元素群の中から選ばれるいずれかの元素を含む材料により形成されることが好ましい。中でも、反射率、耐食性の観点からAlまたはAgを主成分としていることが好ましく、このような金属の薄膜を2層以上形成するようにしてもよい。本発明においては、特に銀を主成分とする光反射層としている。
光反射層の厚さは、反射率等の観点から、10〜200nmが好ましく、より好ましくは30〜150nmである。
また、光反射層にSiO、TiO等の金属酸化物からなる層を設けてさらに反射率を向上させてもよい。
この光反射層の形成法としては、湿式法及び乾式法のどちらも使用することができる。湿式法とは、めっき法の総称であり、溶液から金属を析出させ膜を形成する方法である。具体例をあげるとすれば、銀鏡反応などがある。一方、乾式法とは、真空製膜法の総称であり、具体的に例示するとすれば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などがある。とりわけ、本発明には連続的に製膜するロールツーロール方式が可能な蒸着法が好ましく用いられる。例えば、太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法において、光反射層を銀蒸着(特に真空蒸着)によって形成する製造方法であることが好ましい。
(接着剤層/粘着剤層)
接着剤層/粘着剤層は、接着性/粘着性を有することで、上述した透光性樹脂層、樹脂基材および光反射層を含む積層体を、後述するセルロース系樹脂層と貼り付けることを可能とする構成層である。
接着剤層/粘着剤層としては、粘着剤層がより好ましい。粘着剤層に含まれる粘着剤は特に制限されず、例えば、ドライラミネート剤、ウエットラミネート剤、粘着剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤等のいずれもが用いられる。粘着剤としては、例えば、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ニトリルゴム等が用いられる。ラミネート法は、特に制限されず、例えば、ロール式で連続的に行うのが経済性及び生産性の点から好ましい。また、粘着層の厚さは、粘着効果、乾燥速度等の観点から、通常1〜100μm程度の範囲であることが好ましい。
(セルロース系樹脂層)
セルロース系樹脂層は、セルロース系樹脂を含む層である。セルロース系樹脂としては、従来公知のセルロース系樹脂が用いられうる。セルロース系樹脂としては、例えば、セルロースエステル樹脂やセルロースエーテル樹脂などが挙げられる。また、ナノオーダーの平均繊維径を有し、セルロースの構成単位を有する繊維(ファイバー)である「セルロースナノファイバー」が、本発明におけるセルロース系樹脂として用いられてもよい。以下、セルロースエステル樹脂およびセルロースエーテル樹脂について、特に詳細に説明する。
セルロースエステル樹脂としては、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースジアセテート(DAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートベンゾエート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレートなどが挙げられる。これらのなかで特に好ましいセルロースエステル樹脂は、セルローストリアセテート(TAC)やセルロースジアセテート(DAC)である。本発明では2種以上のセルロースエステル樹脂を混合して用いることもできる。なお、セルロースエステル樹脂を構成するセルロース骨格のアシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在しているものである。これらは公知の方法で合成することができる。
セルロースエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は特に制限はないが、特に脆性の改善の観点から好ましくは75000以上であり、75000〜300000の範囲であることがより好ましく、100000〜240000の範囲内であることがさらに好ましく、160000〜240000のものが特に好ましい。
セルロースエーテル樹脂の具体的な形態についても特に制限はないが、セルロース分子中の2,3,6位の少なくとも1つの置換基に、エーテル結合を有する。ここで「エーテル結合」とは、炭素−酸素−炭素結合のことである。セルロースエーテル樹脂としては、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、フィルムミラーとしての透明性、耐久性を確保するためには、エチルセルロースが最適である。エトキシル置換度は、1.9〜2.9の範囲であることが好ましく、溶融時の粘度の関係と耐湿熱環境の安定性のバランスから、2.2〜2.9の範囲であることが特に好ましい。また、エーテル置換度はASTM D4794−94に記載の方法にて定量することができる。セルロースエーテルの分子量としては、単独でフィルム化することができればよく、具体的には、数平均分子量Mnが、30000〜300000の範囲であればよく、好ましくは50000〜200000のものが使用される。分子量が30000以上であればフィルムの脆性が改善され、300000以下であれば粘度の上昇が抑えられ、成形加工時の成形安定性が向上しうる。
セルロース系樹脂層は、上述したセルロース系樹脂を主成分とする限り、添加剤をさらに含んでいてもよい。セルロース系樹脂層におけるセルロース系樹脂の含有量は、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上である。また、セルロース系樹脂層に含まれうる添加剤の例としては、従来公知の可塑剤、酸化防止剤、マット剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
(ハードコート層)
ハードコート層は、フィルムミラー表面の傷つきや汚れの付着を防止する目的で設けられる。透明なハードコート層は、光入射側の最外層、または光入射側から2層目又は3層目のいずれかに設けられることが好ましい。ハードコート層の上に更に薄い(1μm以下が好ましい)別の層を設けてもよい。より好ましくは、ハードコート層は、図1および図2に示すように透光性樹脂層の光入射側の面に設けられることが特に好ましい。
ハードコート層の作製方法としては、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法を挙げることができる。また、所定の材料を塗布、塗工することに加え、各種表面処理等を組み合わせてもよい。
なお、ハードコート層の厚みは、十分な耐傷性を得つつ、フィルムミラーにそりが発生することを防止するという観点から、0.05μm以上、10μm以下であることが好ましい。より好ましくは、1μm以上、10μm以下である。
ハードコート層を形成する材料としては、透明性、耐候性、硬度、機械的強度等が得られるものであれば、特に限定されるものではない。ハードコート層は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン樹脂などで構成することができる。特に、硬度と耐久性などの点で、シリコーン樹脂やアクリル樹脂が好ましい。さらに、硬化性、可撓性および生産性の点で、活性エネルギー線硬化型のアクリル樹脂、または熱硬化型のアクリル樹脂からなるものが好ましいが、耐侯性面での不安があり、ハードコート層としての変色が経時で発生し、ヘイズが上昇することで、反射率が低下する懸念がある。そのため、表面保護性、耐侯性が高いという点で、メタロキサン(有機シリケート化合物、シリコーン樹脂)が好ましく使用される。すなわち、ハードコート層は、メタロキサン系のハードコート層であることが好ましい。
活性エネルギー線硬化型のアクリル樹脂または熱硬化型のアクリル樹脂とは、重合硬化成分として多官能アクリレート、アクリルオリゴマーあるいは反応性希釈剤を含む組成物である。その他に必要に応じて光開始剤、光増感剤、熱重合開始剤あるいは改質剤等を含有しているものを用いてもよい。
アクリルオリゴマーとは、アクリル樹脂骨格に反応性のアクリル基が結合されたものを始めとして、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートなどであり、また、メラミンやイソシアヌール酸などの剛直な骨格にアクリル基を結合したものなども用いられ得る。
また、反応性希釈剤とは、塗工剤の媒体として塗工工程での溶剤の機能を担うと共に、それ自体が一官能性あるいは多官能性のアクリルオリゴマーと反応する基を有し、塗膜の共重合成分となるものである。
市販されている多官能アクリル系硬化塗料としては、三菱レイヨン株式会社;(商品名“ダイヤビーム(登録商標)”シリーズなど)、長瀬産業株式会社;(商品名“デナコール(登録商標)”シリーズなど)、新中村株式会社;(商品名“NKエステル”シリーズなど)、大日本インキ化学工業株式会社;(商品名“UNIDIC(登録商標)”シリーズなど)、東亞合成化学工業株式会社;(商品名“アロニックス(登録商標)”シリーズなど)、日油株式会社;(商品名“ブレンマー(登録商標)”シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名“KAYARAD(登録商標)”シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名“ライトエステル”シリーズ、“ライトアクリレート”シリーズなど)などの製品を利用することができる。
更に具体的には、例えば、電子線や紫外線の照射により硬化する樹脂や熱硬化性の樹脂等を使用でき、特にアルコキシシラン系化合物の部分加水分解オリゴマーからなる熱硬化型シリコーン系ハードコート、熱硬化型のポリシロキサン樹脂からなるハードコート、不飽和基を有するアクリル系化合物からなる紫外線硬化型アクリル系ハードコート、熱硬化型無機材料であることが好ましい。また、ハードコート層に用いることができる材料として、水性コロイダルシリカ含有アクリル樹脂(特開2005−66824号公報)、ポリウレタン系樹脂組成物(特開2005−110918号公報)、水性シリコーン化合物をバインダーとして用いた樹脂膜(特開2004−142161号公報)、酸化チタン等の光触媒性酸化物含有シリカ膜もしくはアルミナ、アスペクト比の高い酸化チタンもしくは酸化ニオブなどの光触媒膜(特開2009−62216)、光触媒含有フッ素樹脂コーティング(ピアレックス・テクノロジーズ社)、有機/無機ポリシラザン膜、有機/無機ポリシラザンに親水化促進剤(AZエレクトロニクス社)を用いた膜、等も挙げることができる。
熱硬化型シリコーン系のハードコート層には公知の方法によって合成したアルコキシシラン化合物の部分加水分解オリゴマーを使用できる。その合成方法の一例は以下の通りである。まず、アルコキシシラン化合物としてテトラメトキシシラン、又はテトラエトキシシランを用い、これを塩酸、硝酸等の酸触媒の存在下に所定量の水を加えて、副生するアルコールを除去しながら室温から80℃で反応させる。この反応によりアルコキシシランは加水分解し、更に縮合反応により一分子中にシラノール基又はアルコキシ基を2個以上有し、平均重合度4〜8のアルコキシシラン化合物の部分加水分解オリゴマーが得られる。次にこれに酢酸、マレイン酸等の硬化触媒を添加し、アルコール、グリコールエーテル系の有機溶剤に溶解させて熱硬化型シリコーン系ハードコート液が得られる。そしてこれを通常の塗料における塗装方法によりフィルムミラー等の外面に塗布し、80〜140℃の温度で加熱硬化することによって透明ハードコート層を形成させる。但しこの場合、フィルムミラーの熱変形温度以下での硬化温度の設定が前提となる。なお、テトラアルコキシシランの代わりにジ(アルキルまたはアリール)ジアルコキシシラン、並びに/或いはモノ(アルキルまたはアリール)トリアルコキシシランを使用することにより、同様にポリシロキサン系の透明ハードコート層を製造することが可能である。
紫外線硬化型アクリル系のハードコート層には、不飽和基を有するアクリル系化合物として、例えばペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート混合物等を使用することができ、これにベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾフェノン等の光重合開始剤を配合して用いる。そしてこれを反射フィルム基材の外面に塗布し、紫外線硬化することによって透明なハードコート層が形成される。
また、ハードコート層に表面処理を施して、親水性を付与することが好ましい。親水性を付与する処理としては、例えば、コロナ処理(特開平11−172028公報)、プラズマ表面処理、紫外線・オゾン処理、表面突起物形成(特開2009−226613公報)、表面微細加工処理などを挙げることができる。
ハードコート層が無機物からなる場合、例えば酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化ランタン、窒化ランタン等を、真空製膜法により製膜することで形成できる。真空製膜法としては、例えば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などがある。
また、ハードコート層が無機物からなる場合、ポリシラザンを塗布製膜し、加熱硬化した膜からなることが好ましい。ハードコート層の前駆体が、ポリシラザンを含有する場合、例えば下記一般式(1)で表されるポリシラザンを含む有機溶剤中に必要に応じて触媒を加えた溶液を塗布した後、溶剤を蒸発させて除去し、それによってフィルムミラー上に0.05〜3.0μmの層厚を有するポリシラザン層を残す。そして、水蒸気を含む雰囲気中で酸素、活性酸素、場合によっては窒素の存在下で、上記のポリシラザン層を局所的加熱することによって、フィルムミラー上にガラス様の透明なハードコートの被膜を形成する方法を採用することが好ましい。
上記一般式(1)において、R、R及びRは、同一か又は異なり、互いに独立して、水素、あるいは場合によっては置換されたアルキル基、アリール基、ビニル基又は(トリアルコキシシリル)アルキル基、好ましくは水素、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、フェニル、ビニル又は3−(トリエトキシシリル)プロピル、3−(トリメトキシシリルプロピル)からなる群から選択される基を表す。この際、nは整数であり、nは、ポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められる。
触媒としては、好ましくは、塩基性触媒、特にN,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、3−モルホリノプロピルアミン又はN−複素環式化合物が使用される。触媒濃度は、ポリシラザンを基準にして通常0.1〜10モル%、好ましくは0.5〜7モル%の範囲である。
なお、好ましい態様の一つでは、一般式(1)中のR、R及びRのすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザンを含む溶液が使用される。
また、別の好ましい態様の一つでは、ハードコート層が、下記の一般式(2)で表される少なくとも一種のポリシラザンを含むことである。
一般式(2)中、R、R、R、R、R及びRは、互いに独立して、水素、あるいは場合によっては置換されたアルキル基、アリール基、ビニル基又は(トリアルコキシシリル)アルキル基を表す。この際、n及びpは整数であり、特にnは、ポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められる。
特に好ましいものは、R、R及びRが水素を表し、そしてR、R及びRがメチルを表す化合物。またR、R及びRが水素を表し、そしてR、Rがメチルを表し、そしてRがビニルを表す化合物。また、R、R、R及びRが水素を表し、そしてR及びRがメチルを表す化合物である。
さらに、別の好ましい態様の一つでは、透明ハードコート層が、下記の一般式(3)で表される少なくとも一種のポリシラザンを含むことである。
一般式(3)中、R、R、R、R、R、R、R、R及びRは、互いに独立して、水素、あるいは場合によっては置換されたアルキル基、アリール基、ビニル基又は(トリアルコキシシリル)アルキル基を表す。この際、n、p及びqは整数であり、特にnは、ポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められる。
特に好ましいものは、R、R及びRが水素を表し、そしてR、R、R及びRがメチルを表し、Rが(トリエトキシシリル)プロピルを表し、そしてRがアルキル又は水素を表す化合物である。
溶剤中のポリシラザンの割合は、一般的には、ポリシラザン1〜80質量%、好ましくは5〜50質量%、特に好ましくは10〜40質量%である。
溶剤としては、特に、水及び反応性基(例えばヒドロキシ基又はアミン基)を含まず、ポリシラザンに対して不活性の有機系で好ましくは非プロトン性の溶剤が好適である。これは、例えば、脂肪族又は芳香族炭化水素、ハロゲン炭化水素、エステル、例えば酢酸エチル又は酢酸ブチル、ケトン、例えばアセトン又はメチルエチルケトン、エーテル、例えばテトラヒドロフラン又はジブチルエーテル、並びにモノ−及びポリアルキレングリコールジアルキルエーテル(ジグライム類)又はこれらの溶剤からなる混合物である。
このポリシラザン溶液の追加の成分に、塗料の製造に慣用されているもののような、更に別のバインダーを用いることができる。これは、例えば、セルロースエーテル及びセルロースエステル、例えばエチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテート又はセルロースアセトブチレート、天然樹脂、例えばゴムもしくはロジン樹脂、又は合成樹脂、例えば重合樹脂もしくは縮合樹脂、例えばアミノプラスト、特に尿素樹脂及びメラミンホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステルもしくは変性ポリエステル、エポキシド、ポリイソシアネートもしくはブロック化ポリイソシアネート、又はポリシロキサンである。
また、このポリシラザン調合物に更に追加する別の成分として、例えば、調合物の粘度、下地の濡れ、成膜性、潤滑作用又は排気性に影響を与える添加剤、あるいは無機ナノ粒子、例えばSiO、TiO、ZnO、ZrO又はAlを用いることができる。
このようにして形成したポリシラザンの透明なハードコート層は、酸素・水蒸気バリアー膜としても用いることができる。
また、透明なハードコート層の特に好ましい例の一つとして、多官能アクリルモノマーとシリコーン樹脂を含有するハードコート層が挙げられる。ここで、当該ハードコート層の一形態として、例えば、メタロキサン系のハードコート層がある。多官能アクリルモノマーを以下「A」成分とし、シリコーン樹脂を以下「B」成分とする。
多官能アクリルモノマー「A」成分は、不飽和基、特に、活性エネルギー線反応性不飽和基を有することが好ましい。尚、本明細書で言う活性エネルギー線とは、好ましくは電子線か紫外線をいう。活性エネルギー線反応性不飽和基を有する多官能アクリルモノマーとしては、ラジカル重合系モノマーが用いられ、好ましくは、分子中にα,β−不飽和二重結合を有する2官能以上の多官能モノマーである多官能アクリレート型もしくは多官能メタクリレート型モノマー等が挙げられる。他に、ビニル型モノマー、アリル型モノマーや単官能のモノマーを有していてもよい。また、ラジカル重合系モノマーは、単独でも、または架橋密度を調整すべく2種類以上のモノマーを併用することも可能である。「A」成分としては、これら比較的低分子量化合物、例えば分子量が1000未満のいわゆる狭義のモノマーの他、ある程度分子量の大きい、例えば重量平均分子量が1000以上10000未満のオリゴマー、プレポリマーも用いることが可能である。
単官能(メタ)アクリレートモノマーとして、具体的には、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、クレゾール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、コハク酸(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート、およびこれらの誘導体、変性品等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートモノマーとして、具体的には、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエートトリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、およびこれらの誘導体、変性品等が挙げられる。
このような重合性有機化合物である「A」成分の市販品としては、例えば、東亞合成(株)製アロニックスM−400、M−408、M−450、M−305、M−309、M−310、M−315、M−320、M−350、M−360、M−208、M−210、M−215、M−220、M−225、M−233、M−240、M−245、M−260、M−270、M−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600、M−221、M−203、TO−924、TO−1270、TO−1231、TO−595、TO−756、TO−1343、TO−902、TO−904、TO−905、TO−1330、日本化薬(株)製KAYARAD D−310、D−330、DPHA、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、DN−0075、DN−2475、SR−295、SR−355、SR−399E、SR−494、SR−9041、SR−368、SR−415、SR−444、SR−454、SR−492、SR−499、SR−502、SR−9020、SR−9035、SR−111、SR−212、SR−213、SR−230、SR−259、SR−268、SR−272、SR−344、SR−349、SR−601、SR−602、SR−610、SR−9003、PET−30、T−1420、GPO−303、TC−120S、HDDA、NPGDA、TPGDA、PEG400DA、MANDA、HX−220、HX−620、R−551、R−712、R−167、R−526、R−551、R−712、R−604、R−684、TMPTA、THE−330、TPA−320、TPA−330、KS−HDDA、KS−TPGDA、KS−TMPTA、共栄社化学(株)製ライトアクリレート PE−4A、DPE−6A、DTMP−4A等を挙げることができる。
多官能アクリルモノマー「A」成分の含有量は、防汚性や耐光性を良好にする観点から、「A」+「B」の組成物全体を100質量%として、10〜90質量%であることが好ましく、15〜80質量%がさらに好ましい。
シリコーン樹脂「B」成分としては、活性エネルギー線反応性不飽和基を有するシリコーン樹脂であることが好ましい。シリコーン樹脂は、ポリオルガノシロキサンを含有し、好ましくは、活性エネルギー線硬化性不飽和結合を分子内に有したポリオルガノシロキサン鎖を有する化合物である。特に、シリコーン樹脂は、ラジカル重合性二重結合およびポリオルガノシロキサン鎖を有する単量体(a)1〜50質量%と、ラジカル重合性二重結合および反応性官能基を有する(a)以外の単量体(b)10〜95質量%と、(a)および(b)以外のラジカル重合性二重結合を有する単量体(c)0〜89質量%とを含む単量体を重合してなる重合体(α)に、前記した反応性官能基と反応可能な官能基、およびラジカル重合性二重結合を有する化合物(β)を反応させてなる数平均分子量5000〜100000のビニル共重合体である活性エネルギー線硬化性樹脂であることが好ましい。
ラジカル重合性二重結合およびポリオルガノシロキサン鎖を有する単量体(a)として、具体的には、例えばチッソ(株)製のサイラプレーンFM−0711、FM−0721、FM−0725などの片末端(メタ)アクリロキシ基含有ポリオルガノシロキサン化合物、東亞合成(株)製のAC−SQ SI−20、Hybrid Plastics社製POSS(Polyhedral Oligomeric Silsesquioxane)シリーズのアクリレート、メタクリレート含有化合物等が挙げられる。
「B」成分は、要求性能に応じて1種、または2種以上を混合して用いることができる。また、重合比率は、上記単量体(a)が、重合体を構成する単量体の総質量を基準として1〜50質量%となる比率であることが好ましく、さらに好ましくは10〜35質量%である。「B」成分の共重合比率が1質量%未満の場合には、硬化物の上部表面に防汚性、耐候性を付与することが困難となり、50質量%を超える場合には、耐擦傷性が低下する上、活性エネルギー線硬化型組成物に含まれる他の成分との相溶性、基材との密着性、強靭性等の塗膜性能、および重合体の溶媒への溶解性を得ることが困難となる。上記成分中に、ポリシロキサンを適当量含有することもでき、「B」成分の化学構造や量比によっては、ポリシロキサンを添加することによって、耐久性が向上する。
このハードコート層は、屈曲性があり、反りが生じないことが好ましい。フィルムミラーの最表面層における透明なハードコート層は密な架橋構造を形成する場合があり、そのためフィルムが反り曲がることや、屈曲性がないためにクラックが入りやすいようなことがあり、取り扱いが困難になる。このような場合、ハードコート層組成中の無機物の量を調整するなどして、柔軟性があり、平面性が得られるように設計することが好ましい。
また、ハードコート層は、紫外線吸収剤や酸化防止剤を含有してもよい。紫外線吸収剤や酸化防止剤としては、上述の透光性樹脂層で用いた紫外線吸収剤や酸化防止剤を用いることができる。ハードコート層に用いられる酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、チオール系酸化防止剤およびホスファイト系酸化防止剤など、有機系酸化防止剤を使用することが好ましい。有機系酸化防止剤をハードコート層に含有させることでも、転落角を低下させうる。酸化防止剤と光安定剤を併用してもよい。ここで、光反射層の酸化防止剤および併用する場合には光安定剤は、特に制限されないが、上記透光性樹脂層の項で記載されたものと同様のものが使用できるため、ここでは説明を省略する。
特に、多官能アクリルモノマーとシリコーン樹脂を含有するハードコート層において好ましい紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である。ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤をハードコート層に含有させることにより、耐候性を更に良好にするだけでなく、転落角も更に低下できるという優れた効果を得ることができる。特に、下記の一般式(4)で表される化合物をハードコート層に含有させた場合、転落角の低下という効果が著しい。尚、転落角とは、水平なミラー上に水滴を滴下し、その後、当該ミラーの傾斜角を徐々に上げていき、静止していた所定質量の水滴が転落する最小の角度を計測したものをいう。転落角が小さければ小さい程、水滴が表面から転がり落ちやすく、水滴が付着しにくい表面であると言える。
なお、ハードコート層における紫外線吸収剤の使用量は、密着性を良好に保ちつつ、耐候性を良好にするために、0.1〜20質量%であることが好ましい。さらに好ましくは0.25〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%である。
ハードコート層、特に、多官能アクリルモノマーとシリコーン樹脂を含有するハードコート層は、重合を開始するための開始剤を含有することが好ましい。紫外線などの活性エネルギー線硬化性樹脂の光重合開始剤が好ましく用いられる。例えば、ベンゾイン及びその誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができる。また、開始剤を光増感剤と共に使用してもよい。上記開始剤も光増感剤として使用できる。また、エポキシアクリレート系の開始剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることができる。開始剤また光増感剤は該組成物100質量部に対して0.1〜15質量部であり、好ましくは1〜10質量部、より好ましくは、2〜5質量部である。2種類の開始剤を併用することもでき、特にラジカル系開始剤の場合、少なくとも2種類の開始剤、好ましくは互いに異なる波長を吸収するラジカル系開始剤を用いることである。より好ましくは、互いに紫外線吸収波長の異なる2種類の開始剤を使用することである。例えば、より短波長の波長を吸収する開始剤のみでは、開始剤によってモノマー全ての重合反応を行えない場合がある。一方、より長波長の波長を吸収する開始剤のみでは、反応性はよくなるが、長期使用時に開始剤が着色してしまう可能性がある。そこで、長期使用時においても着色することなく、耐候性を良好にし、更に、重合反応性も良好にするために、互いに異なる波長を吸収するラジカル系開始剤を用いることが好ましい。
ハードコート層中には、さらに各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、界面活性剤、レベリング剤および帯電防止剤などを用いることができる。
レベリング剤は、表面凹凸低減に効果的である。レベリング剤としては、例えば、シリコーン系レベリング剤として、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体(例えば東レダウコーニング(株)製SH190)が好適である。
(アンカー層)
アンカー層は、樹脂基材と光反射層との間に配置されうる。アンカー層は、樹脂からなり、樹脂基材と光反射層とを密着させるものである。したがって、アンカー層は、樹脂基材と光反射層とを密着する密着性、光反射層を真空蒸着法等で形成する際の熱にも耐え得る耐熱性、及び光反射層が本来有する高い反射性能を引き出すための平滑性が必要である。
アンカー層に使用される材料(樹脂材料)、アンカー層の形成方法は、特に制限されないが、例えば、国際公開第2012/165460号(特に、段落「0209」〜「0212」)等の公知の文献に記載されるのと同様の材料や方法が使用できる。
(腐食防止層)
腐食防止層は、腐食防止剤を含有している樹脂層であり、光反射層に隣接していることが好ましい。例えば、光反射層と接着剤層/粘着剤層との間に設けられうる。
腐食防止層は、1層のみからなっていてもよいし、複数層からなっていてもよい。腐食防止層の厚さは、1〜10μmが好ましく、より好ましくは2〜8μmである。
腐食防止層に用いる樹脂、腐食防止剤は、特に制限されないが、例えば、国際公開第2012/165460号(特に、段落「0079」〜「0095」)等の公知の文献に記載されるのと同様の材料が使用できる。
これら樹脂材料(バインダー)を光反射層上などに塗布、塗工するなどして、腐食防止層を形成することができる。
腐食防止剤としては、銀に対する吸着性基を有することが好ましい。ここで、「腐食」とは、金属(銀)がそれをとり囲む環境物質によって、化学的または電気化学的に浸食されるか若しくは材質的に劣化する現象をいう(JIS Z0103−2004参照)。
なお、腐食防止剤の含有量は、使用する化合物によって最適量は異なるが、一般的には0.1〜1.0g/mの範囲内であることが好ましい。
(ガスバリアー層)
ガスバリアー層は、光反射層よりも光入射側に設けることが好ましい。特に、樹脂基材と光反射層の間にガスバリアー層を設けることが好ましい。
ガスバリアー層は、湿度の変動、特に高湿度による樹脂基材及び樹脂基材に支持される各構成層等の劣化を防止するためのものであるが、特別の機能・用途を持たせたものであってもよく、劣化防止機能を有する限りにおいて、種々の態様のガスバリアー層を設けることができる。ガスバリアー層の防湿性としては、40℃、90%RHにおける水蒸気透過度が、1g/m・day以下であることが好ましく、より好ましくは0.5g/m・day以下、更に好ましくは0.2g/m・day以下である。また、ガスバリアー層の酸素透過度としては、測定温度23℃、湿度90%RHの条件下で、0.6ml/m/day/atm以下であることが好ましい。
ガスバリアー層に使用される材料、ガスバリアー層の形成方法は、特に制限されないが、例えば、国際公開第2012/165460号(特に、段落「0188」〜「0209」)等の公知の文献に記載されるのと同様の材料や方法が使用できる。
(フィルムミラーの製造方法)
上述した各構成層を適宜積層することによって、太陽熱発電用のフィルムミラーを製造することができる。以下、図1に示されるフィルムミラーの製造方法の好ましい実施形態を説明するが、本発明は下記形態に限定されるものではない。
まず、樹脂基材(例えば、溶融製膜などで作製されたポリエチレンテレフタレートフィルム)を用意する。なお、必要であれば、樹脂基材上に、所定の樹脂材料を塗布する(塗布後、必要であれば乾燥する)ことによってアンカー層を形成する。次いで、樹脂基材(または、アンカー層を樹脂基材上に設ける場合には、アンカー層)上に、真空蒸着等の方法によって光反射層(例えば、銀反射層)を形成する。
続いて、樹脂基材の光反射層が形成された面とは反対側の面に、透光性樹脂層を形成する。透光性樹脂層の形成は、当該層を構成する樹脂フィルムを接着剤層/粘着剤層を介して貼り付ける方法や、樹脂材料を含有する透光性樹脂層形成液を塗布する(塗布後、必要であれば乾燥する)方法によって行うことができる。
次いで、このようにして形成された透光性樹脂層上に、ハードコート材料を含むハードコート層用塗布液を塗布する(塗布後、必要であれば乾燥し、さらに必要に応じて硬化する)ことによってハードコート層を形成することができる。
一方、光反射層または樹脂基材の裏面側(それぞれ、樹脂基材および光反射層が形成されない側)に、接着材料/粘着材料を塗工して接着剤層/粘着剤層を形成し、その接着剤層/粘着剤層にセルロース系樹脂層を貼り付けることによって、フィルムミラーが製造される。なお、セルロース系樹脂層の表面に接着剤層/粘着剤層が形成されたものを用意し、この接着剤層/粘着剤層を光反射層または樹脂基材の裏面側に貼り付けることによってフィルムミラーを得てもよい。
なお、上記構成以外の層を有するフィルムミラーを製造する際には、各フィルムミラーに必要な構成層を樹脂基材または光反射層に所定順に積層することで、所望のフィルムミラーを製造することができる。例えば、アンカーコート層を樹脂基材と光反射層との間に形成する場合には、樹脂基材上に、所定の樹脂材料(必要であれば、所定の樹脂材料を含むアンカーコート層形成液)を塗布する(塗布後、必要であれば乾燥する)ことによって、アンカーコート層を形成することが可能である。同様にして、腐食防止層を光反射層と粘着層との間に形成する場合には、光反射層上に、腐食防止剤を含有した樹脂材料(必要であれば、所定の樹脂材料及び腐食防止剤を含む腐食防止層形成液)を塗布する(塗布後、必要であれば乾燥する)ことによって、腐食防止層を形成することが可能である。また、フィルムミラーがガスバリアー層を有する場合には、ガスバリアー層は、所定の層上にゾル−ゲル法および加熱/UV処理を施すことによって形成されうる。
(太陽熱発電用反射装置)
上記説明したフィルムミラーは、太陽熱発電用反射装置の構成部材として用いられうる。本発明によれば、フィルムミラーが太陽熱発電用反射装置に用いられる形態として、以下の2つが想定される。
(i)フィルムミラーとは別の構成部材である自己支持性の支持基材に、本発明に係るフィルムミラーが貼合される形態;
(ii)本発明に係るフィルムミラーを構成するセルロース系樹脂層が自己支持性の支持基材として用いられる形態。
上記(i)の形態では、本発明に係るフィルムミラーは通常、接着剤層/粘着剤層をさらに介して上記自己支持性の支持基材に貼合される。なお、ここでいう支持基材の「自己支持性」とは、太陽熱発電用反射装置の支持基材として用いられる大きさに断裁された状態で、支持基材がフィルムミラーの端縁部分を支持することで、フィルムミラーを保持することが可能な程度の剛性を有することを表す。太陽熱発電用反射装置の支持基材が自己支持性を有することで、太陽熱発電用反射装置を設置する際に取り扱い性に優れるとともに、太陽熱発電用反射装置を保持するための保持部材を簡素な構成とすることが可能となるため、反射装置自体を軽量化することが可能となり、太陽追尾の際の消費電力を抑制することが可能となる。
上記(i)の形態において、フィルムミラーとは別の構成部材として用意される自己支持性の支持基材としては、一対の金属平板とその金属平板間に介装された中間層を有するもの(タイプA)か、中空構造を有する樹脂材料からなるもの(タイプB)であることが好ましい。これらの具体的な構成については、国際公開第2011/162154号または米国特許出願公開第2013/0114155号明細書などに記載される自己支持性基材Aや自己支持性基材Bを採用することができる。
なお、上記(i)の形態では、セルロース系樹脂層が支持基材として機能するわけではないため、セルロース系樹脂層が自己支持性を有する必要はない。かような観点から、上記(i)の形態におけるセルロース系樹脂層の厚みは、好ましくは20〜500μmであり、より好ましくは50〜300μmである。
一方、上記(ii)の形態では、セルロース系樹脂層が自己支持性を有することで、太陽熱発電用反射装置の支持基材として機能する。かような観点から、上記(ii)の形態におけるセルロース系樹脂層の厚みは、上記(i)の形態よりも厚く、好ましくは150〜1000μmであり、より好ましくは200〜300μmである。
(保持部材)
太陽熱発電用反射装置は、反射装置自体を保持する保持部材を有する。
保持部材は、太陽熱発電用反射装置における反射面(フィルムミラー)が、太陽を追尾可能な状態で保持することが好ましい。保持部材の形態としては、特に制限はないが、太陽熱発電用反射装置が所望の形状や姿勢を保持できるように、例えば、太陽熱発電用反射装置の裏面側の支持基材における複数個所を棒状の柱状部材や梁状部材によって保持する形態が好ましい。
保持部材は、太陽を追尾可能な状態で太陽熱発電用反射装置を保持する構成を有するが、太陽追尾に際しては、手動で駆動させてもよいし、別途駆動装置を設けて自動的に太陽を追尾する構成としてもよい。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。また、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「重量%」および「重量部」を意味する。
《太陽熱発電用反射装置1の作製》
(銀蒸着フィルムの作製)
樹脂基材として、2軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、厚さ50μm)を用いた。このフィルムの片面に、銀反射層として、真空蒸着法により厚さ80nmの銀反射層を蒸着スピード100m/secで真空蒸着した。銀反射層上に、ポリエステル系樹脂(ポリエスター SP−181、日本合成化学社製)と、TDI系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)を樹脂固形分比率で10:2に混合した樹脂中に、さらに腐食防止剤としてグリコールジメルカプトアセテートを塗布後に0.3g/mとなるよう調整した量を添加し、グラビアコート法により0.1μmになるようコーティングして腐食防止層1とした。さらにその上に水分散エマルジョンタイプのベンゾトリアゾール系高分子型紫外線吸収コーティング液UVA−1383MG(BASF社製)をグラビアコート法によりコーティングして、55℃で4分間乾燥し厚さ3μmの腐食防止層2を形成した。腐食防止層1と2を合わせて腐食防止層とした。
次に、上記腐食防止層上に、ドライラミネーションプロセスにより、粘着剤層を有する透明アクリルフィルム(三菱レイヨン製、アクリプレンHBS010P、厚さ100μm;「透光性樹脂層」に相当)の粘着剤層側を、ラミネート温度60℃にて貼合した。
一方、支持基材として、厚さ30μmのジアセチルセルロース(DAC)フィルムを用いた。そして、重量平均分子量50万の付加反応型シリコーン系粘着剤100部に白金系触媒1部を加えて35質量%トルエン溶液としたものを、上記ジアセチルセルロースフィルムの片面に塗布し、110℃で5分間加熱して厚さ25μmのシリコーン系粘着剤層(Si系)を形成して積層体を得た。その後、上記PETフィルムの腐食防止層および銀反射層とは反対面側に、上記積層体のシリコーン系粘着層側をラミネートして、太陽熱発電用反射装置1を作製した。
《太陽熱発電用反射装置2の作製》
支持基材として、厚さ400μmのジアセチルセルロース(DAC)フィルムを用いたこと以外は、上記太陽熱発電用反射装置1の作製と同様にして、太陽熱発電用反射装置2を作製した。
《太陽熱発電用反射装置3の作製》
支持基材として、厚さ30μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを用いたこと以外は、上記太陽熱発電用反射装置1の作製と同様にして、太陽熱発電用反射装置3を作製した。
《太陽熱発電用反射装置4の作製》
支持基材として、厚さ400μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを用いたこと以外は、上記太陽熱発電用反射装置1の作製と同様にして、太陽熱発電用反射装置4を作製した。
《太陽熱発電用反射装置5の作製》
支持基材として、厚さ50μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを用いたこと以外は、上記太陽熱発電用反射装置1の作製と同様にして、太陽熱発電用反射装置5を作製した。
《太陽熱発電用反射装置6の作製》
支持基材として、厚さ200μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを用いたこと以外は、上記太陽熱発電用反射装置1の作製と同様にして、太陽熱発電用反射装置6を作製した。
《太陽熱発電用反射装置7の作製》
支持基材として、厚さ300μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを用いたこと以外は、上記太陽熱発電用反射装置1の作製と同様にして、太陽熱発電用反射装置7を作製した。
《太陽熱発電用反射装置8の作製》
PETフィルムと支持基材との貼合前に、下記組成のハードコート層用塗布液を調製し、当該塗布液を、上記透光性樹脂層上に硬化後の層厚が3μmとなるようにマイクログラビアコーターを用いて塗布し、溶剤を蒸発乾燥後、高圧水銀灯を用いて0.2J/cmの紫外線照射により硬化させて、ハードコート層を形成した。これにより、ハードコート層は、太陽熱発電用反射装置の最外層となる位置に積層される。
〈ハードコート層用塗布液〉
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 70質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 30質量部
光反応開始剤(イルガキュア184(BASFジャパン社製)) 4質量部
酢酸エチル 150質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 150質量部
メタロキサン系シリコン化合物(BYK−307(ビックケミージャパン社製))
0.4質量部
上記のようにして透光性樹脂層上にハードコート層が形成されたものを支持基材と貼合したこと以外は、上記太陽熱発電用反射装置6の作製と同様にして、太陽熱発電用反射装置8を作製した。
《太陽熱発電用反射装置9の作製》
支持基材として、厚さ300μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを用いたこと以外は、上記太陽熱発電用反射装置8の作製と同様にして、太陽熱発電用反射装置9を作製した。
《太陽熱発電用反射装置10の作製》
樹脂基材として、二軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、厚さ25μm)を用いたこと以外は、上記太陽熱発電用反射装置8の作製と同様にして、太陽熱発電用反射装置10を作製した。
《太陽熱発電用反射装置11の作製》
支持基材として、厚さ200μmのポリ塩化ビニル(PVC)フィルムを用いたこと以外は、上記太陽熱発電用反射装置8の作製と同様にして、太陽熱発電用反射装置11を作製した。
《太陽熱発電用反射装置12の作製》
支持基材として、厚さ200μmのポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルムを用いたこと以外は、上記太陽熱発電用反射装置8の作製と同様にして、太陽熱発電用反射装置12を作製した。
《太陽熱発電用反射装置13の作製》
支持基材として、厚さ200μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いたこと以外は、上記太陽熱発電用反射装置8の作製と同様にして、太陽熱発電用反射装置13を作製した。
《太陽熱発電用反射装置14の作製》
支持基材として、厚さ1.5mmのアルミニウム板を用いたこと以外は、上記太陽熱発電用反射装置8の作製と同様にして、太陽熱発電用反射装置14を作製した。
《評価》
<耐候性試験[(25℃×1時間及び70℃×1時間/サイクル)×10サイクル]後の各種物性の測定>
上記作製した太陽熱発電用反射装置に対する耐候性試験として、25℃×1時間及び70℃×1時間を1サイクルとしてこれを10サイクル繰り返した。そして、以下の手法により各種物性の評価を行った。
(正反射率の評価)
サイクル試験前後において各太陽熱発電用反射装置の正反射率を測定し、サイクル試験前後における正反射率の低下量を算出した。結果を下記の表1に示す。なお、太陽熱発電用反射装置の正反射率の測定は、分光光度計U−4100(固体試料測定システム、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、入射角5度の基準サンプルに対する相対反射率測定として行った。波長範囲は250〜2500nmで測定し、各波長の反射率の平均値を正反射率とした。
(層間剥がれの評価)
上記サイクル試験後の各太陽熱発電用反射装置について、JIS K5400規格に基づき碁盤目100マスクロスカットした際のテープ剥離試験を行い、下記の基準に従って密着性の評価を行った。結果を下記の表1に示す。
5:膜剥離が0マス
4:膜剥離が1マス以上5マス以下
3:膜剥離が6マス以上10マス以下
2:膜剥離が11マス以上14マス以下
1:膜剥離が15マス以上
(ハードコート層の外観の評価)
上記サイクル試験後の各太陽熱発電用反射装置について、最表面(ハードコート層)におけるクラックの発生を目視で確認し、下記の基準に従って外観の評価を行った。結果を下記の表1に示す。
5:顕微鏡で観察しても傷が発生していない
4:肉眼では見えないが顕微鏡で観察すると傷が発生している
3:ルーペで観察するとクラックがわずかに発生している
2:肉眼で観察するとクラックが発生している
1:ハードコート層の全面に亀裂が生じている
<耐光性試験[メタルハライドランプ照射後の各種物性の測定>
上記作製した太陽熱発電用反射装置に対する耐光性試験として、メタルハライドランプ方式の耐候性試験機(ダイプラ・ウィンテス社製)を使用し、試料面放射強度:2.16MJ/m以下、ブラックパネル温度63℃、相対湿度:50%、照射時間500時間の条件で紫外線を照射した。そして、上記と同様の手法により各種物性の評価を行った。結果を下記の表1に示す。
表1に示す結果から、最下層(光入射側から最も遠い層)に粘着剤層を介してセルロース系樹脂層が配置されてなる本発明のフィルムミラー1〜10においては、そのような構成を有していないフィルムミラー11〜14と比較して、優れた耐候性および耐光性を示し、層間剥がれもほとんどなく、正反射率の低下が防止されていることがわかる。
また、ハードコート層を有している本発明のフィルムミラー8〜10においては、耐候性試験/耐光性試験後の外観も良好に維持されることも示された。
1…光反射層、
2…樹脂基材、
3…透光性樹脂層、
4…ハードコート層、
6…粘着剤層、
7…セルロース系樹脂層、
10…フィルムミラー。

Claims (7)

  1. 光入射側から順に、透光性樹脂層、樹脂基材、光反射層、接着剤層または粘着剤層、およびセルロース系樹脂層を少なくとも有するか、または、
    光入射側から順に、透光性樹脂層、光反射層、樹脂基材、接着剤層または粘着剤層、およびセルロース系樹脂層を少なくとも有する、
    ことを特徴とする、フィルムミラー。
  2. 前記セルロース系樹脂層がトリアセチルセルロースを含む、請求項1に記載のフィルムミラー。
  3. 前記セルロース系樹脂層の厚みが50〜300μmである、請求項1または2に記載のフィルムミラー。
  4. 前記透光性樹脂層の光入射側の面にハードコート層をさらに有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルムミラー。
  5. 前記ハードコート層は、メタロキサン系のハードコート層である、請求項4に記載のフィルムミラー。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィルムミラーを含み、前記フィルムミラーが支持基材に貼合されてなる、太陽熱発電用反射装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィルムミラーを含み、前記セルロース系樹脂層が支持基材として用いられてなる、太陽熱発電用反射装置。
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