JP4742825B2 - 積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、以上のような状況を背景としてなされたものであって、その目的は、組成物を塗布して得られる1の塗膜から2以上の層を形成できる積層体の製造方法及びそれにより得られる積層体を提供することにある。また、本発明の他の目的は、良好な反射防止効果を有する積層体の製造方法及びそれにより得られる積層体を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、基材に対する密着性に優れ、耐擦傷性が高い積層体の製造方法及びそれにより得られる積層体を提供することにある。
1.基材と、その上に多層構造を有する積層体の製造方法であって、
前記基材上又は基材上に形成された層の上に、下記成分(A)〜(D)を含む紫外線硬化性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、
この1の塗膜から溶媒を蒸発させることにより、2以上の層を形成することを特徴とする積層体の製造方法。
[紫外線硬化性樹脂組成物]
(A)重合性不飽和基を有する有機化合物(Ab)を結合させてなる金属酸化物粒子
(B)エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体
(C)(B)エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体の溶解性が高い、1種又は2種以上の溶剤(以下、「(C)速揮発溶剤」という)
(D)(A)重合性不飽和基を有する有機化合物(Ab)を結合させてなる金属酸化物粒子の分散安定性が高く、かつ、(C)速揮発溶剤と相溶性である、1種又は2種以上の溶剤(以下、「(D)遅揮発溶剤」という)
かつ、(C)速揮発溶剤の相対蒸発速度が、(D)遅揮発溶剤の相対蒸発速度よりも大きい
2.前記2以上の層の各層が、金属酸化物粒子が高密度に存在する層又は金属酸化物粒子が実質的に存在しない層であって、少なくとも1層は金属酸化物粒子が高密度に存在する層であることを特徴とする1に記載の積層体の製造方法。
3.前記2以上の層が、2層であることを特徴とする2に記載の積層体の製造方法。
4.さらに、前記2以上の層を放射線照射することにより硬化させることを特徴とする1〜3のいずれかに記載の積層体の製造方法。
5.積層体が光学用部品であることを特徴とする1〜4のいずれかに記載の積層体の製造方法。
6.積層体が反射防止膜であることを特徴とする1〜4のいずれかに記載の積層体の製造方法。
7.前記積層体が、基材上に、少なくとも、高屈折率層及び低屈折率層が、基材に近い側からこの順に積層されている反射防止膜であり、3に記載の2層が、
高屈折率層及び
低屈折率層からなる
ことを特徴とする3に記載の積層体の製造方法。
8.低屈折率層の589nmにおける屈折率が1.20〜1.55であり、
高屈折率層の589nmにおける屈折率が1.50〜2.20であって、低屈折率層の屈折率より高いことを特徴とする7に記載の積層体の製造方法。
9.前記積層体が、基材上に、少なくとも、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層が、基材に近い側からこの順に積層されている反射防止膜であり、3に記載の2層が
高屈折率層及び
低屈折率層からなる
ことを特徴とする3に記載の積層体の製造方法。
10.低屈折率層の589nmにおける屈折率が1.20〜1.55であり、
中屈折率層の589nmにおける屈折率が1.50〜1.90であって、低屈折率層の屈折率より高く、
高屈折率層の589nmにおける屈折率が1.51〜2.20であって、中屈折率層の屈折率より高いことを特徴とする9に記載の積層体の製造方法。
11.さらに、基材上に、ハードコート層及び/又は帯電防止層を形成することを特徴とする7〜10のいずれかに記載の積層体の製造方法。
12.紫外線硬化性樹脂組成物において、前記(Ab)重合性不飽和基を有する有機化合物が、重合性不飽和基に加えて、下記式(A−1)に示す基を有することを特徴とする1〜11のいずれかに記載の積層体の製造方法。
13.紫外線硬化性樹脂組成物において、前記(Ab)重合性不飽和基を有する有機化合物が、分子内にシラノール基を有する化合物又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物であることを特徴とする1〜12のいずれかに記載の積層体の製造方法。
14.前記(B)エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体が、1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基とを含有する化合物(B−1)と、水酸基含有含フッ素重合体(B−2)と、を反応させて得られることを特徴とする1〜13のいずれかに記載の積層体の製造方法。
15.前記水酸基含有含フッ素重合体(B−2)が、下記構造単位(a)20〜70モル%、(b)10〜70モル%及び(c)5〜70モル%を含んでなり、かつ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算数平均分子量が5,000〜500,000である14に記載の積層体の製造方法。
(a)下記一般式(1)で表される構造単位。
(b)下記一般式(2)で表される構造単位。
(c)下記一般式(3)で表される構造単位。
16.さらに、前記水酸基含有含フッ素重合体(B−2)が、アゾ基含有ポリシロキサン化合物に由来する下記構造単位(d)0.1〜10モル%を含む14又は15に記載の積層体の製造方法。
(d)下記一般式(4)で表される構造単位。
17.前記水酸基含有含フッ素重合体(B−2)が、前記構造単位(d)を下記構造単位(e)の一部として含むことを特徴とする16に記載の積層体の製造方法。
(e)下記一般式(5)で表される構造単位。
18.さらに、前記水酸基含有含フッ素重合体(B−2)が、下記構造単位(f)0.1〜5モル%を含む14〜17のいずれかに記載の積層体の製造方法。
(f)下記一般式(6)で表される構造単位。
19.前記化合物(B−1)が、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートである14〜18のいずれかに記載の積層体の製造方法。
20.紫外線硬化性樹脂組成物の(C)速揮発溶剤は、(A)重合性不飽和基を有する有機化合物(Ab)を結合させてなる金属酸化物粒子の分散安定性が低い、1種又は2種以上の溶剤であり、(D)遅揮発溶剤は、(B)エチレン性不飽和基含有フッ素重合体の溶解性が低い、1種又は2種以上の溶剤であることを特徴とする1〜19のいずれかに記載の積層体の製造方法。
21.紫外線硬化性樹脂組成物が、さらに、成分(E)少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物及び/又は少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する含フッ素(メタ)アクリレート化合物を含有することを特徴とする1〜20のいずれかに記載の積層体の製造方法。
22.紫外線硬化性樹脂組成物が、さらに、成分(F)光ラジカル重合開始剤を含むことを特徴とする1〜21のいずれかに記載の積層体の製造方法。
23.1〜22のいずれか一項に記載された積層体の製造方法により、製造された積層体。
以下、図面を用いて「2以上の層の各層が、金属酸化物粒子が高密度に存在する層又は金属酸化物粒子が実質的に存在しない層であって、少なくとも1層は金属酸化物粒子が高密度に存在する層」について説明する。図1Aは、2以上の層が、「金属酸化物粒子が高密度に存在する層1」と、「金属酸化物粒子が実質的に存在しない層3」の2層である場合を示す。図1Bは、2以上の層が、「金属酸化物粒子が高密度に存在する層1,1a」の2層である場合を示す。図1Cは、2以上の層が、「金属酸化物粒子が高密度に存在する層1,1a」と、「金属酸化物粒子が実質的に存在しない層3」の3層である場合を示す。図1Dは、2以上の層が、「金属酸化物粒子が高密度に存在する層1,1a」と、「金属酸化物粒子が実質的に存在しない層3」の3層である場合を示す。図1Eは、2以上の層が、「金属酸化物粒子が高密度に存在する層1b」と、「金属酸化物粒子が実質的に存在しない層3」の2層である場合を示す。
紫外線硬化性樹脂組成物が2種以上の金属酸化物粒子を含むときは、図1B,1C,1Dに示すように、「金属酸化物粒子が高密度に存在する層」が2種類以上形成され得る。
乾燥は、通常、室温から100℃程度の加熱で、1〜60分程度実施される。
具体的な硬化条件は後述する。
反射防止膜の具体的構造は、通常、基材及び低屈折率膜、又は基材、高屈折率膜及び低屈折率膜をこの順に積層したものである。この他、基材、高屈折率膜及び低屈折率膜の間に、他の層を介在させてもよく、例えば、ハードコート層、帯電防止層、中屈折率層、低屈折率層、高屈折率層の組み合わせ等の層を設けることができる。
この反射防止膜において、高屈折率層40が、金属酸化物粒子が高密度に存在する層に、低屈折率層50が金属酸化物粒子が実質的に存在しない層に相当する。
本発明によれば、高屈折率層40と低屈折率層50を、1の塗膜から、形成できる。
この反射防止膜において、高屈折率層40が、金属酸化物粒子が高密度に存在する層に、低屈折率層50が金属酸化物粒子が実質的に存在しない層に相当する。
本発明によれば、高屈折率層40と低屈折率層50を、1の塗膜から、形成できる。
この反射防止膜において、高屈折率層40が、金属酸化物粒子が高密度に存在する層に、低屈折率層50が金属酸化物粒子が実質的に存在しない層に相当する。
本発明によれば、高屈折率層40と低屈折率層50を、1の塗膜から、形成できる。
この反射防止膜において、高屈折率層40が、金属酸化物粒子が高密度に存在する層に、低屈折率層50が金属酸化物粒子が実質的に存在しない層に相当する。或いは、中屈折率層60、及び高屈折率層40が何れも金属酸化物粒子が高密度に存在する層に相当するか、または、中屈折率層60が、金属酸化物粒子が高密度に存在する層に、高屈折率層40が金属酸化物粒子が実質的に存在しない層に相当する。
本発明によれば、中屈折率層60と高屈折率層40、又は、高屈折率層40と低屈折率層50を、1の塗膜から、形成できる。好ましくは、高屈折率層40と低屈折率層50を1の塗膜から形成する。
この反射防止膜において、高屈折率層40が、金属酸化物粒子が高密度に存在する層に、低屈折率層50が金属酸化物粒子が実質的に存在しない層に相当する。或いは、中屈折率層60、及び高屈折率層40が何れも金属酸化物粒子が高密度に存在する層に相当するか、または、中屈折率層60が、金属酸化物粒子が高密度に存在する層に、高屈折率層40が金属酸化物粒子が実質的に存在しない層に相当する。
本発明によれば、中屈折率層60と高屈折率層40、又は、高屈折率層40と低屈折率層50を、1の塗膜から、形成できる。好ましくは、高屈折率層40と低屈折率層50を1の塗膜から形成する。
この反射防止膜において、高屈折率層40が、金属酸化物粒子が高密度に存在する層に、低屈折率層50が金属酸化物粒子が実質的に存在しない層に相当する。
本発明によれば、高屈折率層40と低屈折率層50を、1の塗膜から、形成できる。
この反射防止膜において、高屈折率層40が、金属酸化物粒子が高密度に存在する層に、低屈折率層50が金属酸化物粒子が実質的に存在しない層に相当する。或いは、中屈折率層60、及び高屈折率層40が何れも金属酸化物粒子が高密度に存在する層に相当するか、または、中屈折率層60が、金属酸化物粒子が高密度に存在する層に、高屈折率層40が金属酸化物粒子が実質的に存在しない層に相当する。
本発明によれば、中屈折率層60と高屈折率層40、又は、高屈折率層40と低屈折率層50を、1の塗膜から、形成できる。好ましくは、高屈折率層40と低屈折率層50を1の塗膜から形成する。
この反射防止膜において、高屈折率層40が、金属酸化物粒子が高密度に存在する層に、低屈折率層50が金属酸化物粒子が実質的に存在しない層に相当する。
本発明によれば、高屈折率層40と低屈折率層50を、1の塗膜から、形成できる。
この反射防止膜において、高屈折率層40が、金属酸化物粒子が高密度に存在する層に、低屈折率層50が金属酸化物粒子が実質的に存在しない層に相当する。或いは、中屈折率層60、及び高屈折率層40が何れも金属酸化物粒子が高密度に存在する層に相当するか、または、中屈折率層60が、金属酸化物粒子が高密度に存在する層に、高屈折率層40が金属酸化物粒子が実質的に存在しない層に相当する。
本発明によれば、中屈折率層60と高屈折率層40、又は、高屈折率層40と低屈折率層50を、1の塗膜から、形成できる。好ましくは、高屈折率層40と低屈折率層50を1の塗膜から形成する。
(1)基材
本発明の反射防止膜に用いる基材の種類は特に制限されるものではないが、基材の具体例としては、例えば、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート樹脂(東レ(株)製ルミラー等)、ガラス、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、スチリル樹脂、アリレート樹脂、ノルボルネン系樹脂(JSR(株)製アートン、日本ゼオン(株)製ゼオネックス等)、メチルメタクリレート/スチレン共重合体樹脂、ポリオレフィン樹脂等の各種透明プラスチック板、フィルム等を挙げることができる。好ましくは、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート樹脂(東レ(株)製ルミラー等)、ノルボルネン系樹脂(JSR(株)製アートン等)等が挙げられる。
低屈折率層とは、波長589nmの光の屈折率が1.20〜1.55である層を表す。
低屈折率層に使用される材料としては、目的とする特性が得られれば特に限定されるものではないが、例えば、含フッ素重合体を含有する硬化性組成物、アクリルモノマー、含フッ素アクリルモノマー、エポキシ基含有化合物、含フッ素エポキシ基含有化合物等の硬化物を挙げることがでる。また、低屈折率層の強度を上げるために、シリカ微粒子等を配合することもできる。
高屈折率層とは、波長589nmの光の屈折率が1.50〜2.20であって、低屈折率層より高い屈折率を有する層を表す。
高屈折率層を形成するために、高屈折率の無機粒子、例えば金属酸化物粒子を配合することができる。
金属酸化物粒子の具体例としては、アンチモンドープ酸化錫(ATO)粒子、錫ドープ酸化インジウム(ITO)粒子、ZnO粒子、アンチモンドープZnO、AlドープZnO粒子、ZrO2粒子、TiO2粒子、シリカ被覆TiO2粒子、Al2O3/ZrO2被覆TiO2粒子、CeO2粒子等を挙げることができる。好ましくは、アンチモンドープ酸化錫(ATO)粒子、錫ドープ酸化インジウム(ITO)粒子、AlドープZnO粒子、Al2O3/ZrO2被覆TiO2粒子である。これらの金属酸化物粒子は、一種単独又は二種以上の組み合わせで使用することができる。
また、高屈折率層にハードコート層や帯電防止層の機能を持たせることもできる。
3種以上の屈折率を有する層を組み合わせる場合に、波長589nmの光の屈折率が1.50〜1.90であって、低屈折率層より高く、高屈折率層より低い屈折率を有する層を中屈折率層と表す。中屈折率層の屈折率は、好ましくは、1.50〜1.80、より好ましくは、1.50〜1.75である。
中屈折率層を形成するために、高屈折率の無機粒子、例えば金属酸化物粒子を配合することができる。
金属酸化物粒子の具体例としては、アンチモンドープ酸化錫(ATO)粒子、錫ドープ酸化インジウム(ITO)粒子、ZnO粒子、アンチモンドープZnO、AlドープZnO粒子、ZrO2粒子、TiO2粒子、シリカ被覆TiO2粒子、Al2O3/ZrO2被覆TiO2粒子、CeO2粒子等を挙げることができる。好ましくは、アンチモンドープ酸化錫(ATO)粒子、錫ドープ酸化インジウム(ITO)粒子、AlドープZnO粒子、ZrO2粒子である。これらの金属酸化物粒子は、一種単独又は二種以上の組み合わせで使用することができる。
また、中屈折率層にハードコート層や帯電防止層の機能を持たせることもできる。
ハードコート層の具体例としては、SiO2、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂等の材料から構成するのが好ましい。また、これらの樹脂にシリカ粒子を配合しても良い。
ハードコート層は積層体の機械的強度を高める効果がある。
帯電防止層の具体例としては、アンチモンドープ酸化錫(ATO)粒子、錫ドープ酸化インジウム(ITO)粒子、AlドープZnO粒子等の導電性を有する金属酸化物粒子、あるいは有機、又は無機の導電性化合物を添加した硬化性膜、前記金属酸化物を蒸着あるいはスパッタリングすることで得られる金属酸化物膜、導電性有機高分子からなる膜を挙げることができる。導電性有機高分子としては、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリアニリン系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリピロール系導電性高分子、ポリフェニレンビニレン系導電性高分子等を例示することができる。尚、上述したように、本発明で使用する紫外線硬化性樹脂組成物に含まれる金属酸化物として、ATO粒子、ITO粒子、アンチモンドープZnO、AlドープZnO粒子等の導電性粒子を添加すれば、得られる金属酸化物を高密度に含む層が帯電防止性を有する膜となる。この場合、別途帯電防止膜の形成を省略できる。
帯電防止層は、積層体に導電性を付与し、静電気が生じて埃等が付着するのを防止する。
また、低、中、高屈折率層の膜厚は、それぞれ通常60〜150nm、帯電防止層の膜厚は通常0.05〜3μm、ハードコート層の膜厚は通常1〜20μmである。
また、金属酸化物粒子を偏在化させることによって、積層体の耐擦傷性を向上することができる。
本発明の積層体は、反射防止膜の他にも、例えば、レンズ、選択透過膜フィルタ等の光学用部品に使用できる。
紫外線硬化性樹脂組成物は、(A)重合性不飽和基を有する有機化合物(Ab)を結合させてなる金属酸化物粒子、(B)エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体と、(C)速揮発溶剤と、(D)遅揮発溶剤とを含有することを特徴とする。
(A)重合性不飽和基を有する有機化合物(Ab)を結合させてなる金属酸化物粒子
本発明に用いられる(A)成分は、金属酸化物粒子(Aa)と、重合性不飽和基を含む有機化合物(Ab)とを結合させてなる粒子である(以下、「反応性粒子」、「(A)成分」又は「(A)成分の粒子」ということがある)。ここで、結合とは、共有結合であってもよいし、物理吸着等の非共有結合であってもよい。
本発明に用いられる有機化合物(Ab)は、重合性不飽和基を有する化合物であり、さらに、下記式(A−1)に示す基を含む有機化合物であることが好ましい。また、[−O−C(=O)−NH−]基を含み、さらに、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1を含むものであることが好ましい。また、この有機化合物(Ab)は、分子内にシラノール基を有する化合物又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物であることが好ましい。
有機化合物(Ab)に含まれる重合性不飽和基としては特に制限はないが、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエート基、アクリルアミド基を好適例として挙げることができる。
この重合性不飽和基は、活性ラジカル種により付加重合をする構成単位である。
有機化合物に含まれる前記式(A−1)に示す基[−U−C(=V)−NH−]は、具体的には、[−O−C(=O)−NH−]、[−O−C(=S)−NH−]、[−S−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=S)−NH−]、及び[−S−C(=S)−NH−]の6種である。これらの基は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。中でも、熱安定性の観点から、[−O−C(=O)−NH−]基と、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1つとを併用することが好ましい。
前記式(A−1)に示す基[−U−C(=V)−NH−]は、分子間において水素結合による適度の凝集力を発生させ、硬化物にした場合、優れた機械的強度、基材や高屈折率層等の隣接層との密着性及び耐熱性等の特性を付与せしめるものと考えられる。
有機化合物(Ab)は、分子内にシラノール基を有する化合物又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物であることが好ましい。このようなシラノール基を生成する化合物としては、ケイ素原子にアルコキシ基、アリールオキシ基、アセトキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等が結合した化合物を挙げることができるが、ケイ素原子にアルコキシ基又はアリールオキシ基が結合した化合物、即ち、アルコキシシリル基含有化合物又はアリールオキシシリル基含有化合物が好ましい。
シラノール基又はシラノール基を生成する化合物のシラノール基生成部位は、縮合反応又は加水分解に続いて生じる縮合反応によって、金属酸化物粒子(Aa)と結合する構成単位である。
有機化合物(Ab)の好ましい具体例としては、例えば、下記式(A−2)に示す化合物を挙げることができる。
R26は、炭素数1〜12の脂肪族又は芳香族構造を有する2価の有機基であり、鎖状、分岐状又は環状の構造を含んでいてもよい。具体例として、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキサメチレン、シクロヘキシレン、フェニレン、キシリレン、ドデカメチレン等を挙げることができる。
R27は、2価の有機基であり、通常、分子量14から1万、好ましくは、分子量76から500の2価の有機基の中から選ばれる。具体例として、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ドデカメチレン等の鎖状ポリアルキレン基;シクロヘキシレン、ノルボルニレン等の脂環式又は多環式の2価の有機基;フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ポリフェニレン等の2価の芳香族基;及びこれらのアルキル基置換体、アリール基置換体を挙げることができる。また、これら2価の有機基は炭素及び水素原子以外の元素を含む原子団を含んでいてもよく、ポリエーテル結合、ポリエステル結合、ポリアミド結合、ポリカーボネート結合を含むこともできる。
R28は、(k+1)価の有機基であり、好ましくは、鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基の中から選ばれる。
Zは、活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応をする重合性不飽和基を分子中に有する1価の有機基を示す。また、kは、好ましくは、1〜20の整数であり、さらに好ましくは、1〜10の整数、特に好ましくは、1〜5の整数である。
シラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基を有する有機化合物(Ab)を金属酸化物粒子(Aa)と混合し、加水分解させ、両者を結合させる。得られる反応性粒子((A)成分)中の有機重合体成分即ち加水分解性シランの加水分解物及び縮合物の割合は、通常、乾燥粉体を空気中で完全に燃焼させた場合の質量減少%の恒量値として、例えば空気中で室温から通常800℃までの熱質量分析により求めることができる。
本発明で用いるエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体は、1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基とを含有する化合物(B−1)と、水酸基含有含フッ素重合体(B−2)とを反応させて得られ、イソシアネート基/水酸基のモル比が1.1〜1.9の割合で反応させて得られるものが好ましい。
化合物(B−1)としては、分子内に、1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を含有している化合物であれば特に制限されるものではない。尚、イソシアネート基を2個以上含有すると、水酸基含有含フッ素重合体と反応させる際にゲル化を起こす可能性がある。また、上記エチレン性不飽和基としては、紫外線硬化性樹脂組成物をより容易に硬化させることができることから、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。このような化合物としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネートの一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
水酸基含有含フッ素重合体(B−2)は、下記構造単位(a)、(b)、(c)から構成されていることが好ましく、さらに構造単位(d)、(e)、(f)を含むことがより好ましい。
構造単位(a)は、下記一般式(1)で表される。
構造単位(b)は、下記一般式(2)で表される。
構造単位(c)は、下記一般式(3)で表される。
また、水酸基含有含フッ素重合体(B−2)は、さらに下記構造単位(d)を含んで構成することも好ましい。以下、構造単位(d)について説明する。
構造単位(d)は、下記一般式(4)で表される。
構造単位(e)は、下記一般式(5)で表される。
また、水酸基含有含フッ素重合体(B−2)は、さらに上記構造単位(f)を含んで構成することも好ましい。以下、構造単位(f)について説明する。
水酸基含有含フッ素重合体(B−2)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」という。)で、テトラヒドロフラン(以下「THF」という。)を溶剤として測定したポリスチレン換算数平均分子量が5,000〜500,000であることが好ましい。この理由は、数平均分子量が5,000未満になると、水酸基含有含フッ素重合体(B−2)の機械的強度が低下する場合があるためであり、一方、数平均分子量が500,000を超えると、紫外線硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり、薄膜コーティングが困難となる場合がるためである。また、このような理由により、水酸基含有含フッ素重合体(B−2)のポリスチレン換算数平均分子量を10,000〜300,000とするのがより好ましく、10,000〜100,000とするのがさらに好ましい。
本発明で用いるエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(B)は、上述した、1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基とを含有する化合物(B−1)と、水酸基含有含フッ素重合体(B−2)とを、イソシアネート基/水酸基のモル比が1.1〜1.9の割合で反応させて得られることが好ましい。この理由は、モル比が1.1未満になると耐擦傷性及び耐久性が低下する場合があるためであり、一方、モル比が1.9を超えると、紫外線硬化性樹脂組成物の塗膜のアルカリ水溶液浸漬後の耐擦傷性が低下する場合があるためである。また、このような理由により、イソシアネート基/水酸基のモル比を、1.1〜1.5とするのがより好ましく、1.2〜1.5とするのがさらに好
ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物に含まれる(C)速揮発溶剤は、上記(B)エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体の溶解性が高い1種又は2種以上の溶剤である。ここで、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体の溶解性が高いとは、(B)エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体を50質量%となるよう各溶剤に添加して、室温8時間攪拌したときに、目視で均一な溶液となることをいう。そして、(C)速揮発溶剤の相対蒸発速度は、後述の(D)遅揮発溶剤の相対蒸発速度よりも大きいことが必要である。ここで、「相対蒸発速度」とは、酢酸ブチルが90重量%蒸発するのに要する時間を基準とする蒸発速度の相対値をいい、詳細は、TECHNIQUES OF CHEMISTRY VOL.2 ORGANIC SOLVENTS Physical Properties and methods of purification 4th ed. (Interscience Publishers, Inc. 1986 page62)に記載されているとおりである。また、(C)速揮発溶剤は、上記(A)重合性不飽和基を有する有機化合物(Ab)を結合させてなる金属酸化物粒子((A)成分の粒子)の分散安定性が低いことが好ましい。(C)速揮発溶剤は、相対蒸発速度が(D)よりも大きく、(B)エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体の溶解性が高く、かつ、(A)成分の粒子の分散安定性が低いことにより、紫外線硬化性樹脂組成物を、基材に塗布し、溶剤(C)及び(D)を蒸発させる過程で、(A)成分の粒子を偏在化させることができる。
紫外線硬化性樹脂組成物に含まれる(D)遅揮発溶剤は、上記(A)重合性不飽和基を有する有機化合物(Ab)を結合させてなる金属酸化物粒子((A)成分の粒子)の分散安定性が高い、1種又は2種以上の溶剤である。ここで、(A)成分の粒子の分散安定性が高いとは、(A)成分の粒子のイソプロパノール分散液にガラス板を浸漬して(A)成分の粒子をガラス壁に付着させ、その(A)成分の粒子が付着したガラス板を各溶剤に浸漬した場合に、(A)成分の粒子が該溶剤中に目視で均一に分散することをいう。また、(D)遅揮発溶剤は、上記(B)エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体の溶解性が低いことが好ましい。
本発明で用いる(C)速揮発溶剤と(D)遅揮発溶剤は、相溶性であることが必要である。相溶性は、組成物の具体的構成において、(C)速揮発溶剤と(D)遅揮発溶剤が分離しない程度の相溶性があれば足りる。
ここで、選択された溶剤が、本発明で用いる(C)速揮発溶剤又は(D)遅揮発溶剤のいずれに該当するかは、選択された複数の溶剤種の間で相対的に決まるものであり、それ故、相対蒸発速度が1.7のイソプロパノールは、(C)速揮発溶剤として用いられることもあれば、(D)遅揮発溶剤として用いられることもある。
少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物(E−1)は、紫外線硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物及びそれを用いた反射防止膜の耐擦傷性を高めるために用いられる。
少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する含フッ素(メタ)アクリレート化合物(E−2)は、紫外線硬化性樹脂組成物の屈折率を低下させるために用いられる。
紫外線硬化性樹脂組成物においては、必要に応じて、放射線(光)照射により活性ラジカル種を発生させる(F)光ラジカル重合開始剤(放射線(光)重合開始剤)を配合することができる。
硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて、光増感剤、重合禁止剤、重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、無機充填剤、顔料、染料、溶剤(C)及び(D)以外の溶剤等を適宜配合できる。
組成物は、次のようにして製造する。
反応性粒子分散液((A)成分)及びエチレン性不飽和基含有フッ素重合体((B)成分)、必要に応じて、多官能(メタ)アクリレート((E)成分)、放射線(光)重合開始剤((F)成分)等を攪拌機付きの反応容器に入れ35℃〜45℃で2時間攪拌し紫外線硬化性樹脂組成物とする。
溶剤を最初の反応性粒子分散液に使用した溶剤(α)と異なる種類の溶剤(β)に置換する場合は、反応性粒子分散液の溶剤(α)の質量に対して1.0倍の溶剤(β)も加え同様の条件で攪拌する。次にこの組成液を、ロータリーエバポレーターを用いて固形分濃度50%となる質量まで減圧濃縮し組成物とする。
紫外線硬化性樹脂組成物は反射防止膜や被覆材の用途に好適であり、反射防止や被覆の対象となる基材としては、例えば、プラスチック(ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ、メラミン、トリアセチルセルロース、ABS、AS、ノルボルネン系樹脂等)、金属、木材、紙、ガラス、スレート等を挙げることができる。これら基材の形状は板状、フィルム状又は3次元成形体でもよく、コーティング方法は、通常のコーティング方法、例えばディッピングコート、スプレーコート、フローコート、シャワーコート、ロールコート、スピンコート、刷毛塗り等を挙げることができる。これらのコーティングによる塗膜の厚さは、乾燥、硬化後、通常0.1〜400μmであり、好ましくは、1〜200μmである。
紫外線硬化性樹脂組成物は、放射線(光)によって硬化させることができる。その線源としては、組成物をコーティング後短時間で硬化させることができるものである限り特に制限はないが、例えば、赤外線の線源として、ランプ、抵抗加熱板、レーザー等を、また可視光線の線源として、日光、ランプ、蛍光灯、レーザー等を、また紫外線の線源として、水銀ランプ、ハライドランプ、レーザー等を、また電子線の線源として、市販されているタングステンフィラメントから発生する熱電子を利用する方式、金属に高電圧パルスを通じて発生させる冷陰極方式及びイオン化したガス状分子と金属電極との衝突により発生する2次電子を利用する2次電子方式を挙げることができる。また、アルファ線、ベータ線及びガンマ線の線源として、例えば、60Co等の核分裂物質を挙げることができ、ガンマ線については加速電子を陽極へ衝突させる真空管等を利用することができる。これら放射線は1種単独で又は2種以上を同時に又は一定期間をおいて照射することができる。
また、硬化膜の低屈折率部分における屈折率は、例えば、1.20〜1.55であり、高屈折率部分における屈折率は、1.50〜2.20である。
製造例1
(1)重合性不飽和基を有する有機化合物(Ab)の合成
攪拌機付きの容器内のメルカプトプロピルトリメトキシシラン221部及びジブチルスズジラウレート1部の混合溶液に、イソホロンジイソシアネート222部を、乾燥空気中、50℃で1時間かけて滴下した後、さらに70℃で3時間攪拌した。
続いて、この反応溶液中に新中村化学製NKエステルA−TMM−3LM−N(ペンタエリスリトールトリアクリレート60質量%とペンタエリスリトールテトラアクリレート40質量%からなる。このうち、反応に関与するのは、水酸基を有するペンタエリスリトールトリアクリレートのみである。)549部を30℃で1時間かけて滴下した後、さらに60℃で10時間攪拌して反応液を得た。
この反応液中の生成物、すなわち、重合性不飽和基を有する有機化合物における残存イソシアネート量をFT−IRで測定したところ、0.1質量%以下であり、各反応がほぼ定量的に行われたことを確認した。生成物の赤外吸収スペクトルは原料中のメルカプト基に特徴的な2550カイザ−の吸収ピ−ク及び原料イソシアネ−ト化合物に特徴的な2260カイザ−の吸収ピ−クが消失し、新たにウレタン結合及びS(C=O)NH−基に特徴的な1660カイザ−のピ−ク及びアクリロキシ基に特徴的な1720カイザ−のピ−クが観察され、重合性不飽和基としてのアクリロキシ基と−S(C=O)NH−、ウレタン結合を共に有するアクリロキシ基修飾アルコキシシランが生成していることを示した。以上により、チオウレタン結合と、ウレタン結合と、アルコキシシリル基と、重合性不飽和基とを有する化合物(前記式(A−4)及び(A−5)で示される化合物(Ab))773部と反応に関与しなかったペンタエリスリトールテトラアクリレート220部の組成物(A#1)(以下、この組成物を、「アルコキシシラン(1)」ということがある。)を得た。
(2)ウレタンアクリレート(式(11)で示される化合物)の合成
攪拌機付きの容器内のイソホロンジイソシアネート18.8部と、ジブチル錫ジラウレート0.2部とからなる溶液に対し、新中村化学製NKエステルA−TMM−3LM−N(反応に関与するのは、水酸基を有するペンタエリスリトールトリアクリレートのみである。)93部を、10℃、1時間の条件で滴下した後、60℃、6時間の条件で攪拌し、反応液とした。
この反応液中の生成物、即ち、製造例1と同様にして残存イソシアネート量をFT−IRで測定したところ、0.1質量%以下であり、反応がほぼ定量的に行われたことを確認した。また、分子内に、ウレタン結合、及びアクリロイル基(重合性不飽和基)とを含むことを確認した。
以上により、ウレタンヘキサアクリレート化合物(前記式(11)で示される化合物)が75部得られたほか、反応に関与しなかったペンタエリスリトールテトラアクリレート37部が混在している組成物(A#2)を得た。
[シリカ粒子含有ハードコート層用組成物の調製]
製造例1で製造した重合性不飽和基を含む組成物(A#1)2.32部、シリカ粒子ゾル(メチルエチルケトンシリカゾル、日産化学工業(株)製MEK−ST、数平均粒子径0.022μm、シリカ濃度30%)91.3部(シリカ粒子として27部)、イオン交換水0.12部、及びp−ヒドロキシフェニルモノメチルエーテル0.01部の混合液を、60℃、4時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.36部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで反応性粒子(分散液(A#3))を得た。この分散液(A#3)をアルミ皿に2g秤量後、175℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、30.7%であった。また、分散液(A#3)を磁性るつぼに2g秤量後、80℃のホットプレート上で30分予備乾燥し、750℃のマッフル炉中で1時間焼成した後の無機残渣より、固形分中の無機含量を求めたところ、90%であった。
[ジルコニア粒子含有組成物の調製]
第一稀元素化学工業(株)製、UEP−100(一次粒径10〜30nm)300部をメチルエチルケトン(MEK)700部に添加し、ガラスビーズにて168時間分散を行い、ガラスビーズを除去してジルコニア分散ゾル950部を得た。ジルコニア分散ゾルをアルミ皿に2g秤量後、120℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ30%であった。このジルコニア分散ゾル100gに、製造例1で合成した組成物(A#1)0.86g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)13.4g、p−メトキシフェノール0.016g、イオン交換水0.033gの混合液を60℃、3時間撹拌後、オルト蟻酸メチルエステル0.332gを添加してさらに1時間同一温度で加熱撹拌することで、表面変性ジルコニア粒子の分散液116gを得た。この分散液116g、組成物(A#2)1.34g、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.26g、IRGACURE907(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)0.76g、MEK2846gを混合攪拌し、ジルコニア粒子含有組成物(固形分濃度4%)を2964g得た。
[錫ドープ酸化インジウム(ITO)粒子含有組成物の調製]
富士化学株式会社製ITOゾル(10wt% IPAゾル)700g、DPHA29.5g、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン1g、イソプロピルアルコール(IPA)1769.5gを混合し固形分濃度4%のITO粒子含有組成物を得た。
[アンチモンドープ酸化錫(ATO)粒子含有組成物の調製]
ATO粒子(石原テクノ(株)製、SN−100P、一次粒径10〜30nm)、分散剤(旭電化工業(株)製、アデカプルロニックTR−701)、及びメタノールを、90/2.78/211(重量比)の配合量で混合した(全固形分含量31%、全無機含量29.6%)。ペイントシェーカの50mlポリ瓶に、ガラスビーズ40g(TOSHINRIKO製、BZ−01)(ビーズ径0.1mm)(体積約16ml)と上記混合液(30g)を入れて、3時間分散しメジアン径80nmの分散ゾルを得た。このゾル304gに組成物(A#1)5.7g、p−メトキシフェノール0.01g、イオン交換水0.12gの混合液を60℃、3時間撹拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.3gを添加してさらに1時間同一温度で加熱撹拌することで、表面変性ATO粒子の分散液を311g得た。この分散液278.3g、組成物(A#2)1.7g、ペンタエリスリトールトリアクリレート8.59g、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン0.88g、メタノール33g、プロピレングリコールモノメチルエーテル1675を混合攪拌し、ATO粒子含有組成物(固形分濃度5%)を2000g得た。
[AlドープZnO粒子含有組成物の調製]
酸化亜鉛粒子(堺化学製AlドープZnO粒子、一次粒径10〜20nm)、分散剤(楠本化成(株)製、ハイプラッドED151)及びプロピレングリコールモノメチルエーテルを、27.6/4.8/67.6(重量比)の配合量で混合した(全固形分含量30%、全無機含量27.6%)。ペイントシェーカの50mlポリ瓶に、ジルコニアビーズ40g(ビーズ径0.1mm)と上記混合液(30g)を入れて、8時間分散しメジアン径40nmの分散ゾルを得た。このゾル290gにペンタエリスリトールトリアクリレート10g、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン0.5g、プロピレングリコールモノメチルエーテル2138gを加え混合攪拌し、酸化亜鉛粒子含有組成物(固形分濃度4%)を2438g得た。
[重合性不飽和基を有する有機化合物(Ab)が結合した反応性アルミナ、ジルコニア被覆TiO2粒子ゾル(A)の製造]
アルミナ、ジルコニア被覆TiO2粒子分散液(テイカ株式会社製 全固形分濃度28%、粒子濃度24%)333.7部、製造例1で製造したアルコキシシラン(1)の溶液5.4部、蒸留水0.20部、p−ヒドロキノンモノメチルエーテル0.03部を混合し、65℃で加熱攪拌した。4時間後、オルト蟻酸メチルエステル2.2部添加し、さらに1時間加熱することで、固形分32%の反応性アルミナ、ジルコニア被覆TiO2粒子ゾル(A)を得た。
[水酸基含有含フッ素重合体(B−2)の製造]
内容積1.5Lの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル500g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)43.2g、エチルビニルエーテル41.2g、ヒドロキシエチルビニルエーテル21.5g、ノニオン性反応性乳化剤として「アデカリアソープNE−30」(旭電化工業株式会社製)40.5g、アゾ基含有ポリジメチルシロキサンとして「VPS−1001」(和光純薬工業株式会社製)6.0g及び過酸化ラウロイル1.25gを加え、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。
次いでヘキサフルオロプロピレン97.4gを加え、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が60℃に達した時点での圧力は5.3×105Paを示した。その後、70℃で20時間攪拌下に反応を継続し、圧力が1.7×105Paに低下した時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。室温に達した後、未反応モノマーを放出しオートクレーブを開放し、固形分濃度26.4%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液をメタノールに投入しポリマーを析出させた後、メタノールにて洗浄し、50℃にて真空乾燥を行い220gの含フッ素重合体(B−2)を得た。
[エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(B1)の製造]
電磁攪拌機、ガラス製冷却管及び温度計を備えた容量1リットルのセパラブルフラスコに、製造例9で得られた水酸基含有含フッ素重合体(B−2)を50.0g、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチルメチルフェノール0.01g及びMIBK374gを仕込み、20℃で水酸基含有含フッ素重合体(B−2)がMIBKに溶解して、溶液が透明、均一になるまで攪拌を行った。次いで、この系に、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート16.0gを添加し、溶液が均一になるまで攪拌した後、ジブチルチンジラウレート0.1gを添加して反応を開始し、系の温度を55〜65℃に保持し5時間攪拌を継続することにより、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(B1)のMIBK溶液を得た。この溶液をアルミ皿に2g秤量後、150℃のホットプレート上で5分間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、15.0%であった。
[紫外線硬化性樹脂組成物1の調製]
製造例8で得られたアルミナ、ジルコニア被覆TiO2粒子ゾル(A)110g(反応性粒子として34.8g)、製造例10で得られたエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(B1)285g(エチレン性不飽和基含有フッ素重合体として42.7g)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)15.4g、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン(イルガキュア369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製光ラジカル重合開始剤)3.9g、製造例2で得られた式(11)で示される化合物3.2g、メチルエチルケトン530g、メチルイソブチルケトン150g、ノルマルブタノール100gを加え攪拌した。得られた紫外線硬化性樹脂組成物の固形分濃度は8.4%であった。
[紫外線硬化性樹脂組成物2〜6の調製]
各成分を表1に示す割合で配合した以外は製造例11と同様にして紫外線硬化性樹脂組成物2〜6を得た。
[積層体の作製]
(1)ハードコート層の作製
製造例3で調製したシリカ粒子含有ハードコート層用組成物(固形分濃度50%)を、ワイヤーバーコータ(#12)を用いて、トリアセチルセルロースフィルム(LOFO製、膜厚80μm)に塗工した後、オーブン中80℃で1分間乾燥した。続いて、空気下、高圧水銀ランプを用いて、0.6J/cm2の光照射条件で紫外線を照射することにより、硬化膜層を形成した。硬化膜層の膜厚を触針式膜厚計にて測定したところ5μmであった。
製造例4で調製したジルコニア粒子含有組成物(固形分濃度4%)を、ワイヤーバーコーター(#3)を用いて、(1)で作製したハードコート層上に塗工した後、オーブン中80℃で1分間乾燥した。続いて、窒素雰囲気下、高圧水銀ランプを用いて、0.6J/cm2の光照射条件で紫外線を照射することにより、硬化膜層を形成した。硬化膜層の膜厚を反射分光計にて算出したところ65nmであった。
製造例11〜16で得られた紫外線硬化性樹脂組成物1〜6を、それぞれ、ワイヤーバーコータ(#3)を用いて、(2)で作製した中屈折率層上に塗工した後、オーブン中80℃で1分間乾燥し、窒素雰囲気下、オーク製作所製コンベア式水銀ランプを用い、0.9J/cm2の紫外線を照射することにより、膜厚が0.2μmの硬化膜層を形成した。
[積層体の作製]
(1)ハードコート層の作製
実施例1(1)と同様にして作製した。
(2)帯電防止層の作製
製造例5で調製したITO粒子含有組成物(固形分濃度4%)を、ワイヤーバーコーター(#3)を用いて、(1)で作製したハードコート層上に塗工した後、オーブン中80℃で1分間乾燥した。続いて、窒素雰囲気下、高圧水銀ランプを用いて、0.6J/cm2の光照射条件で紫外線を照射することにより、硬化膜層を形成した。硬化膜層の膜厚を反射分光計にて算出したところ65nmであった。
(3)中屈折率層の作製
実施例1(2)と同様にして作製した。
(4)高屈折率層と低屈折率層の作製
製造例11〜16で得られた紫外線硬化性樹脂組成物1〜6を、それぞれ、ワイヤーバーコータ(#3)を用いて、(3)で作製した中屈折率層上に塗工した後、オーブン中80℃で1分間乾燥し、窒素雰囲気下、オーク製作所製コンベア式水銀ランプを用い、0.9J/cm2の紫外線を照射することにより、膜厚が0.2μmの硬化膜層を形成した。
[積層体の作製]
(1)帯電防止層の作製
製造例5で調製したITO粒子の代わりに、製造例6又は7で調製したATO粒子含有組成物(固形分濃度5%)又はAlドープZnO粒子含有組成物(固形分濃度4%)を、ワイヤーバーコーター(#3)を用いて、トリアセチルセルロースフィルム(LOFO製、膜厚80μm)上に塗工した後、オーブン中80℃で1分間乾燥した。続いて、窒素雰囲気下、高圧水銀ランプを用いて、0.6J/cm2の光照射条件で紫外線を照射することにより、硬化膜層を形成した。硬化膜層の膜厚を反射分光計にて算出したところ65nmであった。
(2)ハードコート層の作製
製造例3で調製したシリカ粒子含有ハードコート層用組成物(固形分濃度50%)を、ワイヤーバーコータ(#12)を用いて、塗工した後、オーブン中80℃で1分間乾燥した。続いて、空気下、高圧水銀ランプを用いて、0.6J/cm2の光照射条件で紫外線を照射することにより、硬化膜層を形成した。
(3)中屈折率層の作製
実施例1(2)と同様にして作製した。
(4)高屈折率層と低屈折率層の作製
製造例11〜16で得られた紫外線硬化性樹脂組成物1〜6を、それぞれ、ワイヤーバーコータ(#3)を用いて、(3)で作製した中屈折率層上に塗工した後、オーブン中80℃で1分間乾燥し、窒素雰囲気下、オーク製作所製コンベア式水銀ランプを用い、0.9J/cm2の紫外線を照射することにより、膜厚が0.2μmの硬化膜層を形成した。
[積層体の作製]
(1)ハードコート層の作製
実施例1(1)と同様にして作製した。
(2)高屈折率層と低屈折率層の作製
製造例11〜16で得られた紫外線硬化性樹脂組成物1〜6を、それぞれ、ワイヤーバーコータ(#3)を用いて、(1)で作製したハードコート層上に塗工した後、オーブン中80℃で1分間乾燥し、窒素雰囲気下、オーク製作所製コンベア式水銀ランプを用い、0.9J/cm2の紫外線を照射することにより、膜厚が0.2μmの硬化膜層を形成した。
[積層体の評価]
実施例1〜5で得られた積層体の断面を、透過型電子顕微鏡で観察したところ、何れの積層体においても、低屈折率層と高屈折率層が2層に層分離していることが確認された。このとき、低屈折率層が金属酸化物粒子が実質的に存在しない層であり、高屈折率層が金属酸化物粒子が高密度に存在する層であった。
図11は、二層分離、分離せず(一部凝集)及び均一構造の各状態の概念を示す。
得られた反射防止用積層体の反射防止性を、分光反射率測定装置(大型試料室積分球付属装置150−09090を組み込んだ自記分光光度計U−3410、日立製作所(株)製)により、波長550nmの反射率を測定して評価した。具体的には、アルミの蒸着膜における反射率を基準(100%)として、反射防止用積層体(反射防止膜)の反射率を測定した。その結果、何れの積層体も波長550nmにおける反射率が1%以下であった。
DPPA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート;UV硬化性架橋剤(5官能)
イルガキュア369:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製光重合開始剤
20 ハードコート層
30 帯電防止層
40 高屈折率層
50 低屈折率層
60 中屈折率層
Claims (23)
- 基材と、その上に多層構造を有する積層体の製造方法であって、
前記基材上又は基材上に形成された層の上に、下記成分(A)〜(D)を含む紫外線硬化性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、
この1の塗膜から溶媒を蒸発させることにより、2以上の層を形成することを特徴とする積層体の製造方法。
[紫外線硬化性樹脂組成物]
(A)重合性不飽和基を有する有機化合物(Ab)を結合させてなる金属酸化物粒子
(B)エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体
(C)(B)エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体の溶解性が高い、1種又は2種以上の溶剤(以下、「(C)速揮発溶剤」という)
(D)(A)重合性不飽和基を有する有機化合物(Ab)を結合させてなる金属酸化物粒子の分散安定性が高く、かつ、(C)速揮発溶剤と相溶性である、1種又は2種以上の溶剤(以下、「(D)遅揮発溶剤」という)
かつ、(C)速揮発溶剤の相対蒸発速度が、(D)遅揮発溶剤の相対蒸発速度よりも大きい - 前記2以上の層の各層が、金属酸化物粒子が高密度に存在する層又は金属酸化物粒子が実質的に存在しない層であって、少なくとも1層は金属酸化物粒子が高密度に存在する層であることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
- 前記2以上の層が、2層であることを特徴とする請求項2に記載の積層体の製造方法。
- さらに、前記2以上の層を放射線照射することにより硬化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
- 積層体が光学用部品であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
- 積層体が反射防止膜であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
- 前記積層体が、基材上に、少なくとも、高屈折率層及び低屈折率層が、基材に近い側からこの順に積層されている反射防止膜であり、請求項3に記載の2層が、
高屈折率層及び
低屈折率層からなる
ことを特徴とする請求項3に記載の積層体の製造方法。 - 低屈折率層の589nmにおける屈折率が1.20〜1.55であり、
高屈折率層の589nmにおける屈折率が1.50〜2.20であって、低屈折率層の屈折率より高いことを特徴とする請求項7に記載の積層体の製造方法。 - 前記積層体が、基材上に、少なくとも、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層が、基材に近い側からこの順に積層されている反射防止膜であり、請求項3に記載の2層が
高屈折率層及び
低屈折率層からなる
ことを特徴とする請求項3に記載の積層体の製造方法。 - 低屈折率層の589nmにおける屈折率が1.20〜1.55であり、
中屈折率層の589nmにおける屈折率が1.50〜1.90であって、低屈折率層の屈折率より高く、
高屈折率層の589nmにおける屈折率が1.51〜2.20であって、中屈折率層の屈折率より高いことを特徴とする請求項9に記載の積層体の製造方法。 - さらに、基材上に、ハードコート層及び/又は帯電防止層を形成することを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
- 紫外線硬化性樹脂組成物において、前記(Ab)重合性不飽和基を有する有機化合物が、重合性不飽和基に加えて、下記式(A−1)に示す基を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
- 紫外線硬化性樹脂組成物において、前記(Ab)重合性不飽和基を有する有機化合物が、分子内にシラノール基を有する化合物又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
- 前記(B)エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体が、1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基とを含有する化合物(B−1)と、水酸基含有含フッ素重合体(B−2)と、を反応させて得られることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
- 前記水酸基含有含フッ素重合体(B−2)が、下記構造単位(a)20〜70モル%、(b)10〜70モル%及び(c)5〜70モル%を含んでなり、かつ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算数平均分子量が5,000〜500,000である請求項14に記載の積層体の製造方法。
(a)下記一般式(1)で表される構造単位。
(b)下記一般式(2)で表される構造単位。
(c)下記一般式(3)で表される構造単位。
- さらに、前記水酸基含有含フッ素重合体(B−2)が、アゾ基含有ポリシロキサン化合物に由来する下記構造単位(d)0.1〜10モル%を含む請求項14又は15に記載の積層体の製造方法。
(d)下記一般式(4)で表される構造単位。
- 前記水酸基含有含フッ素重合体(B−2)が、前記構造単位(d)を下記構造単位(e)の一部として含むことを特徴とする請求項16に記載の積層体の製造方法。
(e)下記一般式(5)で表される構造単位。
- さらに、前記水酸基含有含フッ素重合体(B−2)が、下記構造単位(f)0.1〜5モル%を含む請求項14〜17のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
(f)下記一般式(6)で表される構造単位。
- 前記化合物(B−1)が、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートである請求項14〜18のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
- 紫外線硬化性樹脂組成物の(C)速揮発溶剤は、(A)重合性不飽和基を有する有機化合物(Ab)を結合させてなる金属酸化物粒子の分散安定性が低い、1種又は2種以上の溶剤であり、(D)遅揮発溶剤は、(B)エチレン性不飽和基含有フッ素重合体の溶解性が低い、1種又は2種以上の溶剤であることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
- 紫外線硬化性樹脂組成物が、さらに、成分(E)少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物及び/又は少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する含フッ素(メタ)アクリレート化合物を含有することを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
- 紫外線硬化性樹脂組成物が、さらに、成分(F)光ラジカル重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1〜21のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
- 請求項1〜22のいずれか一項に記載された積層体の製造方法により、製造された積層体。
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