JP5895406B2 - 反射防止部材 - Google Patents
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Description
特許文献1には、「透光性基体上に、ハードコート層、低屈折率層が順次積層されてなり、該ハードコート層は導電性無機超微粒子と放射線硬化型樹脂を含むハードコート樹脂組成物の硬化物からなり、該低屈折率層が中空シリカ微粒子を含有する組成物からなり、該ハードコート樹脂組成物の少なくとも一つの樹脂の質量平均分子量が8000〜150000であることを特徴とする反射防止材料」、が記載されている。
1) 支持基材の少なくとも片面に、屈折率が1.59〜1.70の帯電防止層と、無機粒子およびバインダーから構成される高屈折率層と、該高屈折率層よりも小さな屈折率を有し、フッ素処理無機粒子を含む低屈折率層とを、この順に設けた反射防止部材であって、
前記無機粒子の体積抵抗率が1×1013(Ω・cm)以上1×1020(Ω・cm)以下であって、
反射防止部材の低屈折率層側の表面抵抗率が1×105(Ω/□)以上1×1013(Ω/□)以下であって、
以下の(1)から(3)で定義される単位長さAと長さBの比B/Aが、1.10<B/A≦1.35であることを特徴とする、反射防止部材。
2) 前記高屈折率層の厚みが、10nm以上200nm以下、又は、500nm以上4000nm以下であることを特徴とする、前記1)に記載の反射防止部材。
3) 前記無機粒子が、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、及び酸化アルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1つの無機粒子であることを特徴とする、前記1)または2)に記載の反射防止部材。
4) 前記帯電防止層が、共役電子伝導タイプの帯電防止剤を含むことを特徴とする、前記1)〜3)のいずれかに記載の反射防止部材。
5) 前記帯電防止剤が、ポリチオフェン系化合物であることを特徴とする、前記4)に記載の反射防止部材。
以下に本発明の各要件について説明する。
[反射防止部材の単位長さAと長さBの比B/A]
本発明の単位長さAと長さBの比B/Aは、1.10<B/A<1.45である。ここで、本発明において、単位長さAと単位長さBは低屈折率層と高屈折率層の間の界面の構造を特性付けるための指標であり、次の様に定義する。なお、図1に図示した。
[反射防止部材]
本発明の反射防止部材とは、支持基材の少なくとも片面に、屈折率が1.59〜1.70の帯電防止層と、無機粒子およびバインダーから構成される高屈折率層と、該高屈折率層よりも小さな屈折率を有し、フッ素処理無機粒子を含む低屈折率層とを、この順に設けた部材をさす。なお、IMフィルムとして用いる場合は、帯電防止層と高屈折率層との間に、ハードコート層を設けてもよい。
[帯電防止層]
本発明の帯電防止層は、屈折率が1.59〜1.70の層であり、さらに表面抵抗率が1×1012(Ω/□)以下の層を意味する。
[高屈折率層]
本発明における高屈折率層とは、無機粒子及びバインダーから構成される層を意味する。なお、高屈折率層が含有する前記無機粒子の体積抵抗率は、1×1013(Ω・cm)以上1×1020(Ω・cm)以下であることが重要である。ここで、本発明における無機粒子とは、特に断りのない限りフッ素化合物Aにより表面処理がされていない無機粒子をさし、フッ素化合物Aにより表面処理された無機粒子をフッ素処理無機粒子(無機粒子がシリカ粒子の場合は、フッ素処理シリカ粒子)と呼ぶ(フッ素処理無機粒子は後述。)。なおフッ素処理無機粒子の体積抵抗率は、1×1013(Ω・cm)以上1×1020(Ω・cm)以下が好ましく。より好ましくは1×1014(Ω・cm)以上1×1020(Ω・cm)以下であり、更に好ましくは1×1015(Ω・cm)以上1×1020(Ω・cm)以下である。
バインダー原料としては特に限定するものではないが、製造性の観点より、熱及び/または活性エネルギー線などにより、硬化可能なバインダー原料であることが好ましく、バインダー原料は一種類であっても良いし、二種類以上を混合して用いてもよい。また、前記無機粒子を膜中に保持する観点より、分子中に反応性二重結合を有しているバインダー原料であることが好ましい。また紫外線により硬化する場合は、酸素阻害を防ぐことができることから酸素濃度が出来るだけ低い方が好ましく、窒素雰囲気下で硬化する方がより好ましい。この様なバインダー原料として、成分中に多官能アクリレートを用いるのが好ましく、代表的なものを以下に例示する。1分子中に、3(より好ましくは4または5)個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能アクリレート及びその変性ポリマー、具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサンメチレンジイソシアネートウレタンポリマーなどを用いることができる。これらの単量体は、1種または2種以上を混合して使用することができる。また、市販されている多官能アクリル系組成物としては三菱レイヨン株式会社;(商品名”ダイヤビーム”シリーズなど)、長瀬産業株式会社;(商品名”デナコール”シリーズなど)、新中村化学株式会社;(商品名”NKエステル”シリーズなど)、DIC株式会社;(商品名”UNIDIC”など)、東亞合成化学工業株式会社;(”アロニックス”シリーズなど)、日本油脂株式会社;(”ブレンマー”シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名”KAYARAD”シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名”ライトエステル”シリーズなど)などを挙げることができ、これらの製品を利用することができる。
[低屈折率層]
本発明の低屈折率層は、前記高屈折率層よりも小さな屈折率を有し、フッ素処理無機粒子を含む層である。なお、本発明における低屈折率層とは、屈折率が1.30〜1.45の層であることが好ましい。
B−R1−SiR2 n(OR3)3−n 一般式(I)
C−R4−Rf 一般式(II)
(上記一般式中のB、Cは反応性部位を示し、R1、R4は炭素数1から3のアルキレン基及びそれらから導出されるエステル構造を示し、R2、R3は水素又は炭素数が1から4のアルキル基を示し、Rfはフルオロアルキル基を示し、nは0から2の整数を示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。)
本発明における反応性部位とは前述の通りである。
[塗料組成物]
本発明の反射防止部材の形成に好適に用いられる塗料組成物は、高屈折率層に含まれることとなる体積低効率が1×1013(Ω・cm)以上1×1020(Ω・cm)以下の無機粒子と低屈折率層に含まれることとなるフッ素処理無機粒子の計2種類以上の無機粒子を含む塗料組成物であることが好ましく、該塗料組成物の粘度変化(Δη)が、0.1〜10mPa・sであることが好ましい。
[塗料組成物の粘度]
塗料組成物は、その粘度変化(Δη)が0.1mPa・s以上10mPa・s以下であることが好ましい。粘度範囲を上記範囲とすることにより、支持基材の帯電防止層上に該塗料組成物を用いて1回のみ塗布・乾燥させる過程において、有機溶媒の揮発に伴い固形分濃度が上昇するが、フッ素処理無機粒子同士の粒子相互作用の抑制、該粒子同士の凝集体形成が抑制でき、フッ素処理無機粒子の空気側(最表面)への移動性が容易となり、高屈折率層と低屈折率層の2層が得られ良好な反射防止性を有する反射防止フィルム、導電性フィルムのパターニング形状を目立ちにくくして視認性に優れるIMフィルムなどの反射防止部材を得ることができる。
〔フッ素化合物B〕
前述のように本発明の反射防止部材の反射防止層は、フルオロアルキル基及び反応性部位を有し、数平均分子量が300以上4000以下であるフッ素化合物Bに由来する成分を含むことが好ましい。
H2C=C(R5)−COO−R6−Rf2 ・・・一般式(A)
A−R7−Rf2 ・・・一般式(B)
(式中、R5は水素原子またはメチル基、Rf1は炭素数4〜7の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基、R6は炭素数1〜10のアルキル基、R7は炭素数1〜10のアルキル基、Aは反応性部位である。)
なおフッ素化合物Bは、フルオロアルキル基および反応性部位を有するが、一般式(A)のモノマーや一般式(A)のモノマーに由来するオリゴマーについては、Rf2がフルオロアルキル基であり、H2C=C(R5)−が反応性部位である。また、一般式(B)のモノマーや一般式(B)のモノマーに由来するオリゴマーについては、Rf2がフルオロアルキル基であり、Aが反応性部位である。
[IMフィルム]
反射防止フィルムの好ましい様態については、前述の通りである。本発明の反射防止部材の一つであるIMフィルムについて好ましい様態を述べる。
下記材料を混合しハードコート層構成成分1を得た。
イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ社製) 1.5質量部
メチルイソブチルケトン 68.5質量部
[ハードコート層構成成分2の調整]
下記材料を混合しハードコート層構成成分2を得た。
コロイダルシリカ粒子分散物 5質量部
(ELCOM TO−1024SIV 日揮触媒化成株式会社)
イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ社製) 1.5質量部
メチルイソブチルケトン 63.5質量部
[高屈折率層層構成成分(A−8)の調整]
下記材料を混合し、高屈折率層構成成分(A−8)を得た。
(ELCOM 日揮触媒化成株式会社製: 固形分30質量%、数平均粒子径 8nm)
バインダー原料A 18質量部
(EBCRYL8210: ダイセルサイテック株式会社 固形分100質量%)
2−プロパノール 1質量部
エチレングリコールモノブチルエーテル 9質量部
[高屈折率層構成成分(A−15)の調整]
前記、高屈折率層構成成分(A−8)に対し、二酸化チタン粒子分散物を下記、二酸化ジルコニウム粒子分散物に変えた以外は同様にして、高屈折率層構成成分(A−15)を得た。
(ELCOM 日揮触媒化成株式会社製:固形分30質量%、数平均粒子径 15nm)
[高屈折率層構成成分(A−25)の調整]
前記、高屈折率層構成成分(A−8)に対し、二酸化チタン粒子分散物を下記、酸化アルミニウム粒子分散物に変えた以外は同様にして、高屈折率層構成成分(A−25)を得た。
(NaNoTek CIKナノテック株式会社製:固形分30質量%、数平均粒子径 5nm)
[高屈折率層構成成分(B−8)の調整]
前記、高屈折率層構成成分(A−8)に対し、バインダー原料Aを下記材料に変えた以外は同様にして、高屈折率層構成成分(B−8)を得た。
(EBCRYL4858: ダイセルサイテック株式会社 固形分100質量%)
[高屈折率層構成成分(B−15)の調整]
前記、高屈折率層構成成分(A−15)に対し、バインダー原料Aを下記材料に変えた以外は同様にして、高屈折率層構成成分(B−15)を得た。
(EBCRYL4858: ダイセルサイテック株式会社 固形分100質量%)
[高屈折率層構成成分(X)の調整]
下記材料を混合し、高屈折率層構成成分(X)を得た。
2−プロパノール 1.0質量部
エチレングリコールモノブチルエーテル 0.11質量部
[高屈折率層構成成分(1)の調整]
下記材料を混合し、第2層構成成分(1)を得た。
二酸化チタン粒子分散物 8.2質量部
(ELCOM 日揮触媒化成株式会社製: 固形分30質量%、数平均粒子径8nm)
バインダー原料 1.1質量部
(PET−30: 日本化薬株式会社製 固形分100質量%)
2−プロパノール 90.7質量部
[高屈折率層構成成分(2)の調整]
下記材料を混合し、第2層構成成分(2)を得た。
酸化ジルコニウム粒子分散物 8.2質量部
(株式会社ソーラー製 固形分30質量%、数平均粒子径15nm)
バインダー原料 1.1質量部
(PET−30: 日本化薬株式会社製 固形分100質量%)
2−プロパノール 90.7質量部
[低屈折率層構成成分の調整]
[低屈折率層構成成分(a)の調整]
中空シリカであるスルーリア(日揮触媒化成株式会社製中空シリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径 60nm)15gに、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.37gと10質量%蟻酸水溶液0.17gを混合し、70℃にて1時間撹拌した。ついで、H2C=CH−COO−CH2−(CF2)8F 1.38g及び2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.057gを加えた後、60分間90℃にて加熱撹拌した。その後、イソプロピルアルコールを加え希釈し、固形分14質量%の低屈折率層構成成分(a)とした。
前記、低屈折率層構成成分(a)に対し、中空シリカをスルーリア(日揮触媒化成株式会社製中空シリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径 40nm)に変えた以外は同様にして、低屈折率層構成成分(b)を得た
[低屈折率層構成成分(c)の調整]
前記、低屈折率層構成成分(a)に対し、中空シリカをオスカル(日揮触媒化成株式会社製コロイダルシリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径 120nm)に変えた以外は同様にして、低屈折率層構成成分(c)を得た。
中空シリカであるスルーリア(日揮触媒化成株式会社製中空シリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径 60nm)15gに、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.37gと10質量%蟻酸水溶液0.17gを混合し、70℃にて1時間撹拌した。その後、イソプロピルアルコールを加え希釈し、固形分14質量%の低屈折率層構成成分(d)とした。
IPA分散コロイダルシリカ(扶桑化学製コロイダルシリカゾル:固形分濃度30質量%、数平均粒子径18nm)15gに、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.37gと10質量%蟻酸水溶液0.17gを混合し、70℃にて1時間攪拌した。ついで、H2C=CH−COO−CH2−(CF2)8F1.38g及び2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.057gを加えた後、60分間90℃にて加熱攪拌した。その後、イソプロピルアルコールを加え希釈し、固形分3.5質量%の低屈折率層構成成分(1)とした。
前記低屈折率層構成成分(1)に対し、IPA分散コロイダルシリカを中空シリカ(日揮触媒化成株式会社製中空シリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径40nm)に変えた以外は同様にして、低屈折率層構成成分(2)を得た。
前記低屈折率層構成成分(1)に対し、IPA分散コロイダルシリカを中空シリカ(日揮触媒化成株式会社製中空シリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径60nm)に変えた以外は同様にして、低屈折率層構成成分(3)を得た。
前記低屈折率層構成成分(1)に対し、IPA分散コロイダルシリカの種類(日産化学工業株式会社製 コロイダルシリカIPA−ST:固形分濃度30質量%、数平均粒子径 15nm)に変えた以外は同様にして、低屈折率層構成成分(4)を得た。
前記低屈折率層構成成分(1)に対し、IPA分散コロイダルシリカをフッ化マグネシウム分散物(CIKナノテック株式会社製:固形分濃度20質量%、数平均粒子径20nm)に変えた以外は同様にして、低屈折率層構成成分(5)を得た。
IPA分散コロイダルシリカ(扶桑化学製コロイダルシリカゾル:固形分濃度30質量%、数平均粒子径18nm)15gに、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.37gと10質量%蟻酸水溶液0.17gを混合し、70℃にて1時間攪拌した。次いで90℃にて1時間加熱攪拌した。その後イソプロピルアルコールを加え希釈し、固形分3.5質量%の低屈折率層構成成分(6)とした。
下記材料を混合し塗料組成物1を得た。
低屈折率層構成成分(a) 7.1質量部
高屈折率層構成成分(A−8) 29質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 0.36質量部
フッ素化合物B−1 7.6質量部
(H2C=CH−COO−CH2−(CF2)8F 数平均分子量:518 )
2−プロパノール 57質量部
なお前述の通り、フッ素化合物Bの数平均分子量は、テトラヒドロフランを溶媒にし、分子量既知の単分散ポリスチレンを標準物質として用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GC−2010 株式会社島津製作所)により測定し求めた。
塗料組成物1に対し、高屈折率層構成成分(A−8)を高屈折率層構成成分(A−15)に置き換えた以外は同様にして、塗料組成物2を得た。
塗料組成物1に対し、低屈折率層構成成分(a)を低屈折率層構成成分(b)に、高屈折率層構成成分(A−8)を高屈折率層構成成分(B−15)に、置き換えた以外は同様にして、塗料組成物3を得た。
塗料組成物3に対し、高屈折率層構成成分(B−15)を 高屈折率層構成成分(B−8)に置き換えた以外は同様にして、塗料組成物4を得た。
下記材料を混合し、塗料組成物5を得た。
低屈折率層構成成分(a) 7.1質量部
高屈折率層構成成分(B−8) 18質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 0.22質量部
フッ素化合物B−1 4.8質量部
(H2C=CH−COO−CH2−(CF2)8F 数平均分子量:518 )
2−プロパノール 70.3質量部
[塗料組成物6]
下記材料を混合し、塗料組成物6を得た。
低屈折率層構成成分(a) 7.1質量部
高屈折率層構成成分(A−8) 14質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 0.18質量部
フッ素化合物B−1 3.8質量部
(H2C=CH−COO−CH2−(CF2)8F 数平均分子量:518 )
2−プロパノール 7.5質量部
[塗料組成物7]
下記材料を混合し、塗料組成物7を得た。
低屈折率層構成成分(a) 7.1質量部
高屈折率層構成成分(A−8) 49.8質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 0.63質量部
フッ素化合物B−1 13.1質量部
(H2C=CH−COO−CH2−(CF2)8F 数平均分子量:518 )
2−プロパノール 3.00質量部
[塗料組成物8]
下記材料を混合し、塗料組成物8を得た。
低屈折率層構成成分(a) 7.1質量部
高屈折率層構成成分(A−15) 75質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 0.95質量部
フッ素化合物B−1 13質量部
(H2C=CH−COO−CH2−(CF2)8F 数平均分子量:518 )
2−プロパノール 5質量部
[塗料組成物9]
塗料組成物1に対し、高屈折率層構成成分(A−8)を高屈折率層構成成分(A−25)に置き換えた以外は同様にして、塗料組成物9を得た。
低屈折率層構成成分(a) 7.1質量部
高屈折率層構成成分(B−8) 35質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 0.95質量部
フッ素化合物B−1 13質量部
(H2C=CH−COO−CH2−(CF2)8F 数平均分子量:518 )
2−プロパノール 5質量部
[塗料組成物11]
下記材料を混合し塗料組成物11(低屈折率層塗料組成物)を得た。
低屈折率層構成成分(a) 7.1質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 0.10質量部
バインダー原料A 18質量部
(EBCRYL8210: ダイセルサイテック株式会社 固形分100質量%)
2−プロパノール 65質量部
[塗料組成物12]
下記材料を混合し塗料組成物12(高屈折率層塗料組成物)を得た。
高屈折率層構成成分(A−25) 29質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 0.36質量部
2−プロパノール 65質量部
[塗料組成物13]
下記材料を混合し塗料組成物13(高屈折率層塗料組成物)を得た。
高屈折率層構成成分(A−8) 29質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 0.36質量部
2−プロパノール 65質量部
[塗料組成物14]
下記材料を混合し、塗料組成物14(ハードコート塗料組成物)を得た。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 30.0質量部
イルガキュア907(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 1.5質量部
メチルイソブチルケトン 73.5質量部
[塗料組成物15]
下記材料を混合し塗料組成物15を得た。
低屈折率層構成成分(a) 13質量部
高屈折率層構成成分(x) 9質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 0.90質量部
2−プロパノール 77.9質量部
[塗料組成物16]
塗料組成物3に対し、低屈折率層構成成分(b)を 低屈折率層構成成分(c)に置き換えた以外は同様にして、塗料組成物16を得た
[塗料組成物17]
塗料組成物1に対し、高屈折率層構成成分(a)を 高屈折率層構成成分(d)に置き換えた以外は同様にして、塗料組成物17を得た。
下記材料を混合し塗料組成物18を得た。
低屈折率層構成成分(1) 13質量部
高屈折率層構成成分(1) 30質量部
エチレングリコールモノブチルエーテル 10質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 0.7質量部
2−プロパノール 46.3質量部
[塗料組成物19]
塗料組成物18に対し、高屈折率層構成成分(1)を高屈折率層構成成分(2)に変えた以外は同様にして、塗料組成物19を得た。
下記材料を混合し塗料組成物20を得た。
低屈折率層構成成分(2) 20質量部
高屈折率層構成成分(1) 30質量部
エチレングリコールモノブチルエーテル 10質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 0.7質量部
2−プロパノール 39.3質量部
[塗料組成物21]
下記材料を混合し塗料組成物21を得た。
低屈折率層構成成分(3) 30質量部
高屈折率層構成成分(1) 30質量部
エチレングリコールモノブチルエーテル 10質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 0.7質量部
2−プロパノール 29.3質量部
[塗料組成物22]
塗料組成物18に対し、低屈折率層構成成分(1)を低屈折率層構成成分(4)に変えた以外は同様にして、塗料組成物22を得た。
下記材料を混合し塗料組成物23を得た。
低屈折率層構成成分(2) 20質量部
高屈折率層構成成分(2) 30質量部
エチレングリコールモノブチルエーテル 10質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 0.7質量部
2−プロパノール 37.3質量部
[塗料組成物24]
下記材料を混合し塗料組成物24を得た。
低屈折率層構成成分(5) 17質量部
高屈折率層構成成分(1) 30質量部
エチレングリコールモノブチルエーテル 10質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 0.7質量部
2−プロパノール 42.3質量部
[塗料組成物25]
下記材料を混合し塗料組成物25を得た。
低屈折率層構成成分(6) 13質量部
高屈折率層構成成分(1) 30質量部
エチレングリコールモノブチルエーテル 10質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 0.7質量部
2−プロパノール 46.3質量部
[帯電防止層の作製方法]
平均粒径0.4μmのコロイダルシリカを0.015質量%、平均粒径1.5μmのコロイダルシリカを0.005質量%含有するPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を十分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化させた。この未延伸フィルムを92℃に加熱して長手方向に3.3倍に延伸し、一軸延伸フィルムとした。
[帯電防止層1]
ポリチオフェン系化合物であるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)と、酸性ポリマーであるポリスチレンスルホン酸とからなる水性塗料(H.C.Starck製“Baytron”P)(塗剤A1)と、糖アルコールとして、D−ソルビトール水溶液(ナカライテスク(株)製)(塗剤B1)とを固形分質量比でA1/B1=20/80で混合した帯電防止塗料1を用い、帯電防止層の作製方法に基づき帯電防止層1を作製した。このとき、帯電防止性塗料の濃度は1.0%であった。
[帯電防止層2]
A1/B1の比率がA1/B1=15/85である帯電防止塗料2を用いた以外は帯電防止層1と同様にして帯電防止層2を作製した。
[帯電防止層3]
A1/B1の比率がA1/B1=22/78である帯電防止塗料3を用いた以外は帯電防止層1と同様にして帯電防止層3を作製した。
[帯電防止層4]
A1/B1の比率がA1/B1=23/77である帯電防止塗料4を用いた以外は帯電防止層1と同様にして帯電防止層4を作製した。
[帯電防止層5]
A1/B1の比率がA1/B1=25/75である帯電防止塗料5を用いた以外は帯電防止層1と同様にして帯電防止層5を作製した。
[帯電防止層6]
A1/B1の比率がA1/B1=22/78である帯電防止塗料6を用いた以外は帯電防止層1と同様にして帯電防止層6を作製した。
[帯電防止層7]
A1/B1の比率がA1/B1=13/87である帯電防止塗料7を用いた以外は帯電防止層1と同様にして帯電防止層7を作製した。
[帯電防止層8]
カルボン酸成分として、テレフタル酸(88モル%)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(12モル%)、グリコール成分として、エチレングリコール(90モル%)、ジエチレングリコール(10%)の共重合組成からなるポリエステル樹脂を重合して得た。
水性ポリエステル樹脂 100質量部
CNT 30質量部
アセチレンジオール系界面活性剤 液比 0.1質量%
(日信化学工業(株)製“オルフィン”EXP4051F)(上記水性塗剤組成及び水の合計100質量%に対して0.1質量%となるように調整した。)
[帯電防止層9]
CNTの添加量を35質量部にした帯電防止塗料9を用いた以外は、帯電防止層8と同様に帯電防止層9を作製した。
[帯電防止層10]
下記塗剤A2と、塗剤B2とを固形分質量比でA1/B1=70/30で混合した帯電防止塗料10を用い、帯電防止層の作製方法に基づき帯電防止層1を作製した。
B2塗剤:ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩(質量平均分子量7万)の水溶液
[反射防止部材の作成方法]
以下、反射防止部材の作成方法を示す。各サンプルの構成については、表1にまとめる。
[反射防止部材の作製1]
支持基材としてPET樹脂フィルム上に表1に記載の帯電防止層が塗工されている基材を用いた。この支持基材の帯電防止層が塗工されている面上に、塗料組成物1〜10、18をバーコーター(#10)を用いて塗工後、下記に示す第一段階の乾燥を行い、次いで第二段階の乾燥を行った。
熱風温度 35℃
熱風風速 1m/s
風向 塗工面に対して平行
乾燥時間 1.5分間
第二段階
熱風温度 130℃
熱風風速 5m/s
風向 塗工面に対して垂直
乾燥時間 2分間
なお、熱風の風速は動静圧管による測定値を使用した。
[反射防止部材の作製2]
支持基材としてPET樹脂フィルム上に表1に記載の帯電防止層が塗工されている基材を用いた。この支持基材の帯電防止層が形成されている面上に、塗料組成物12をバーコーター(#10)を用いて塗工後、下記に示す第一段階の乾燥を行い、次いで第二段階の乾燥を行った。
熱風温度 70℃
熱風風速 2m/s
風向 塗工面に対して平行
乾燥時間 1.5分間
第二段階
熱風温度 130℃
熱風風速 5m/s
風向 塗工面に対して垂直
乾燥時間 1.5分間
乾燥後、160W/cmの高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600W/cm2、積算光量800mJ/cm2の紫外線を、酸素濃度0.1体積%の下で照射して硬化させた。
第一段階
熱風温度 35℃
熱風風速 1m/s
風向 塗工面に対して平行
乾燥時間 1.5分間
第二段階
熱風温度 130℃
熱風風速 5m/s
風向 塗工面に対して垂直
乾燥時間 2分間
乾燥後、160W/cmの高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600W/cm2、積算光量800mJ/cm2の紫外線を、酸素濃度0.1体積%の下で照射して硬化させた。これにより比較例1の反射防止部材を作成した。
[反射防止部材の作製3]
反射防止部材の作製2に対して、1回目の塗工時に用いる塗料組成物を塗料組成物12から塗料組成物13に置き換えた以外は同様にして比較例2の反射防止部材を作成した。
[反射防止部材の作製4]
支持基材としてPET樹脂フィルム上に表1に記載の帯電防止層が塗工されている基材を用いた。この支持基材の帯電防止層が塗工されている面上に、前記塗料組成物14をバーコーター(#16)を用いて塗工後、下記に示す第一段階の乾燥を行い、次いで第二段階の乾燥を行った。
熱風温度 70℃
熱風風速 2m/s
風向 塗工面に対して平行
乾燥時間 1.5分間
第二段階
熱風温度 130℃
熱風風速 5m/s
風向 塗工面に対して垂直
乾燥時間 1.5分間
乾燥後、160W/cmの高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600W/cm2、積算光量500mJ/cm2の紫外線を、酸素濃度0.1体積%の下で照射して硬化させた。
熱風温度 35℃
熱風風速 1m/s
風向 塗工面に対して平行
乾燥時間 1.5分間
第二段階
熱風温度 130℃
熱風風速 5m/s
風向 塗工面に対して垂直
乾燥時間 2分間
乾燥後、160W/cmの高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600W/cm2、積算光量800mJ/cm2の紫外線を、酸素濃度0.1体積%の下で照射して硬化させた。これにより比較例3の反射防止部材を作成した。
[反射防止部材の作製5]
支持基材としてPET樹脂フィルム上に表1に記載の帯電防止層が塗工されている基材を用いた。この支持基材の帯電防止層が形成されている面上に、ハードコート層構成成分1をバーコーター(#6)を用いて塗工後、下記に示す乾燥を行った。
熱風風速 3m/s
風向 塗工面に対して平行
乾燥時間 1.5分間
次いで160W/cmの高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600W/cm2、積算光量800mJ/cm2の紫外線を、酸素濃度0.1体積%の下で照射して硬化させた。
第一段階
熱風温度 35℃
熱風風速 1m/s
風向 塗工面に対して平行
乾燥時間 1.5分間
第二段階
熱風温度 130℃
熱風風速 5m/s
風向 塗工面に対して垂直
乾燥時間 2分間
乾燥後、160W/cmの高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600W/cm2、積算光量800mJ/cm2の紫外線を、酸素濃度0.1体積%の下で照射して硬化させた。これにより実施例17〜20の反射防止部材を作成した。
[反射防止部材の作製6]
支持基材としてPET樹脂フィルム上に表1に記載の帯電防止層が塗工されている基材を用いた。この支持基材の帯電防止層が形成されている面上に、ハードコート層構成成分2をバーコーター(#6)を用いて塗工後、下記に示す乾燥を行った。
熱風風速 3m/s
風向 塗工面に対して平行
乾燥時間 1.5分間
次いで160W/cmの高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600W/cm2、積算光量800mJ/cm2の紫外線を、酸素濃度0.1体積%の下で照射して硬化させた。
第一段階
熱風温度 35℃
熱風風速 1m/s
風向 塗工面に対して平行
乾燥時間 1.5分間
第二段階
熱風温度 130℃
熱風風速 5m/s
風向 塗工面に対して垂直
乾燥時間 2分間
乾燥後、160W/cmの高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600W/cm2、積算光量800mJ/cm2の紫外線を、酸素濃度0.1体積%の下で照射して硬化させた。これにより実施例21〜23の反射防止部材を作成した。
[反射防止部材の評価]
作製した反射防止部材について次に示す性能評価を実施し、得られた結果を表1〜表3に示す。特に断りのない場合を除き、測定は各実施例・比較例において1つのサンプルについて場所を変えて3回測定を行い、その平均値を用いた。
[反射防止層の各層の厚み]
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面を観察することにより、支持基材上の各層の厚みを測定した。各層の厚みは、以下の方法に従い測定した。反射防止層の断面の超薄切片をTEMにより20万倍の倍率で撮影した画像から、ソフトウェア(画像処理ソフトEasyAccess)にて各層の厚みを読み取った。合計で30点の層厚みを測定して平均値とした。
[3層個々の屈折率]
本発明における低屈折率層、高屈折率層、帯電防止層の屈折率は、反射分光膜厚計(大塚電子製、商品名[FE−3000])により、300〜800nmの範囲での反射率を測定し、該装置付属のソフトウェア[FE−Analysis]を用い、大塚電子株式会社製[膜厚測定装置 総合カタログP6(非線形最小二乗法)]に記載の方法に従い、550nmにおける屈折率を求めた。
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面を観察することにより、高屈折率層と低屈折率層とで形成される界面の有無を判断した。界面の有無の判断は以下の方法に従い判断した。
明確な境界を引くことができない場合 「×」
[B/Aの算出]
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面を観察することにより、前述の方法で区別した界面に対し、画像処理ソフトにより単位長さA、界面長さBを求め、その比B/Aを求めた。
[耐擦傷性]
反射防止部材に250g/cm2荷重となるスチールウール(#0000)を垂直にあて、1cmの長さを10往復した際に目視される傷の概算本数を記載し、下記のクラス分けを行い3点以上を合格とした。
4点: 1本以上 5本未満
3点: 5本以上 10本未満
2点: 10本以上 20本未満
1点: 20本以上
[耐摩耗性]
本光製作所製消しゴム摩耗試験機の先端(先端部面積 1cm2)に、白ネル〔興和(株)製〕を取り付け、500gの荷重をかけて反射防止部材上を5cm、5000回往復摩擦し、下記のクラス分けを行い3点以上を合格とした。
4点: 1〜10本の傷
3点: 11〜20本の傷
2点: 21本以上の傷
1点: 試験部分の反射防止層が全面剥離
[透明性]
透明性はヘイズ値を測定することにより判定した。測定はJIS K 7136(2000)に基づき、日本電色工業(株)製 ヘイズメーターを用いて、反射防止部材サンプルの支持基材とは反対側(反射防止層側)から光を透過するように装置に置いて測定を行い、ヘイズ値が2%未満を合格とした。
[反射防止性能]
反射防止性能の評価は島津製作所製分光光度計UV−3100を用いて400nmから800nmの波長範囲にて行い、最低反射率(ボトム反射率)を測定し、0.8%未満を合格とした。本実施例については、反射防止フィルムに好適な実施例1〜16等の反射防止部材について測定した。
[干渉ムラ]
反射防止部材の反射防止層を形成していない面(支持基材面)を、つや消し黒のスプレー塗料にて均一に塗布し、この試料について、斜めより三波長蛍光灯(FL20SS・EX−N/18(松下電器産業製)の付いた電気スタンド)で試料面を照射し、その時に見える干渉縞を目視で評価した。下記のクラス分けを行い3点以上を合格とした。
3点:干渉ムラが確認出来るが、使用上問題ないレベル
1点:干渉ムラが確認出来、使用上問題となるレベル
[耐湿熱接着性]
恒温恒湿槽中に高温高湿下(70℃、相対湿度90%)で反射防止部材サンプルを250時間放置し、耐湿熱接着試験用サンプルを得た。反射防止部材サンプルの支持基材とは反対側(屈折率の異なる2層の側)から1mm2 のクロスカットを100個入れ、ニチバン株式会社製セロハンテープ(登録商標)をその上に貼り付け、ゴムローラーを用いて、荷重19.6Nで3往復させ、押し付けた後、90度方向に剥離し評価を行った。高屈折率層の残存した個数より、下記基準で評価を実施する。残存した格子の個数により5段階評価を行い、○以上を耐湿熱接着性良好、×以下を耐湿熱接着性が不良とした。
○ :80/100以上、100/100未満
× :80/100未満
[低屈折率層側の表面抵抗率]
反射防止部材の低屈折率層側の表面抵抗率を、JIS K 6911(1995)に準拠して測定した。
[無機粒子の体積抵抗率]
無機粒子の体積抵抗率は、三菱化学株式会社製粉体抵抗率測定システムを用い、無機粒子2.5gに20kNの荷重を与えた条件下で測定した。
IMフィルムの評価のうち、カラーb値、パターニングの視認性は、下記の要領で反射防止部材の低屈折率層上に透明導電層を形成し、次いでパターニング処理を行ったサンプル(透明導電層積層体)について行った。
[透明導電層の形成]
前記反射防止部材の低屈折率層上にインジウム−スズ複合酸化物からなる透明導電性薄膜を成膜した。このとき、スパッタリング前の圧力を0.0001Paとし、ターゲットとして酸化スズを36質量%含有した酸化インジウム(住友金属鉱山株式会社製、密度6.9g/cm3)に用いて、2W/cm2のDC電力を印加した。また、Arガスを130sccm、O2ガスを表面抵抗値が最小となる流速で流し、0.4Paの雰囲気下でDCマグネトロンスパッタリング法を用いて成膜した。ただし、通常のDCではなく、アーク放電を防止するために、日本イーエヌアイ製PRG−100を用いて5μs幅のパルスを50kHz周期で印加した。また、センターロール温度は10℃として、スパッタリングを行った。
[透明導電層積層体の透明導電層のパターニング]
前記透明導電性積層体に、ノボラック系樹脂からなるレジスト層をスクリーン印刷し、透明導電性積層体上にフォトマスクを重ね、メタルハライドランプによって露光し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドで現像した。次いで、1N塩酸中に浸漬後、アルカリ浸漬により、幅5mm(ピッチ1mm)のストライプ状のパターン部を形成した。
[透明導電層積層体のカラーb値]
パターニング処理を行った透明導電層積層体の透明導電層のある部分と透明導電層のない部分のカラーb値を、JIS−KL7105(1981)に準拠して、色差計(日本電色工業製、ZE−2000)を用いて、標準の光C/2にて、それぞれ測定し、透明導電層のある部分のカラーb値をb1、透明導電層の無い部分のカラーb値をb0とし、b0とb1の差が1.0以下を合格とした。
[パターニングの視認性]
透明導電層側に、屈折率1.52のアクリル系粘着層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを保護フィルムとして貼り合わせた。富士通社製FMV−BIBLOLOOX T70M/Tを用いて画面を白色表示にし、保護フィルムを貼り合わせたフィルムを保護フィルム面側が視認側となるように画面の前に置いて、様々な角度からパターニングの見え方を評価し、下記の判断基準で、○以上を合格とした。
2 帯電防止層
3 反射防止層
4 低屈折率層
5 高屈折率層
6 無機粒子
7 フッ素処理無機粒子
Claims (5)
- 支持基材の少なくとも片面に、屈折率が1.59〜1.70の帯電防止層と、無機粒子およびバインダーから構成される高屈折率層と、該高屈折率層よりも小さな屈折率を有し、フッ素処理無機粒子を含む低屈折率層とを、この順に設けた反射防止部材であって、
前記無機粒子の体積抵抗率が1×1013(Ω・cm)以上1×1020(Ω・cm)以下であって、
反射防止部材の低屈折率層側の表面抵抗率が1×105(Ω/□)以上1×1013(Ω/□)以下であって、
以下の(1)から(3)で定義される単位長さAと長さBの比B/Aが、1.10<B/A≦1.35であることを特徴とする、反射防止部材。
(1)低屈折率層と高屈折率層とで形成される界面において、直線長さが500nm以上離れた任意の界面上の2点をA1、A2とする。
(2)A1とA2を結ぶ直線の長さを単位長さAとする。
(3)A1とA2間の低屈折率層と高屈折率層とで形成される界面に沿った長さを、長さBとする。 - 前記高屈折率層の厚みが、10nm以上200nm以下、又は、500nm以上4000nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止部材。
- 前記無機粒子が、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、及び酸化アルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1つの無機粒子であることを特徴とする、請求項1または2に記載の反射防止部材。
- 前記帯電防止層が、共役電子伝導タイプの帯電防止剤を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止部材。
- 前記帯電防止剤が、ポリチオフェン系化合物であることを特徴とする、請求項4に記載の反射防止部材。
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