JP5604899B2 - 積層フィルムおよびそれを用いた透明導電性積層フィルム、透明導電性積層シート並びにタッチパネル - Google Patents

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本発明は、透明プラスチック基材フィルム、中間層、硬化物層を有する積層フィルム、およびそれを用いた透明導電性積層フィルム、及び透明導電性積層シート並びにタッチパネルに関する。特に干渉縞を抑制することができ、かつ透過鮮明度に優れ、タッチパネル部材として好適な積層フィルムに関するものである。
透明プラスチック基材フィルム上に、透明でかつ抵抗が小さい薄膜を積層した透明導電性フィルムは、その導電性を利用した用途、例えば、液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどのようなフラットパネルディスプレイや、タッチパネルの透明電極など、電気、電子分野の用途に広く使用されている。
特にタッチパネルはキースイッチに代わる入力デバイスとして近年、急速に普及している。タッチパネルは、スペーサーを介して固定電極(フィルム、シートまたはガラス電極)と可動電極(フィルム電極)を有する2つのパネル板からなり、液晶ディスプレイなどの表示媒体の前面に配置される。このためタッチパネルの可動電極に用いられるフィルム電極の最外層には傷つき防止のためにハードコート層が積層された透明導電性積層フィルムや、補強のための透明樹脂シートが設けられた透明導電性積層シートが用いられる場合がある。
また、透明導電性薄膜と透明プラスチック基材フィルムとの密着性向上、ペン入力に対する透明導電性薄膜の耐久性向上の観点から、透明導電性薄膜層と透明プラスチック基材フィルムの間に硬化物層を設けることが好ましい(特許文献1)。特に、透明導電性薄膜面では銀ペースト処理やエッジング処理などの後加工処理を行なう場合があり、基材フィルムの耐溶剤性・耐薬品性を向上させる点からも硬化物層を設けることが好ましい。
一方、ディスプレイは、近年、さらなる大画面化(大面積化)及び高級性が求められており、それにともなって特に蛍光灯下での干渉縞の抑制に対する要求レベルが高くなってきている。また、蛍光灯は昼光色の再現性のため3波長形が主流となってきており、より干渉縞を視認しやすい環境下に置かれるようになっている。そのため、ディスプレイの前面に配置されるタッチパネル用の透明導電性積層フィルムにも干渉縞を抑制することが求められてきた。
このような干渉縞は、基材となる透明プラスチックフィルムと硬化物層との屈折率差や基材などの厚み変動に起因すると考えられる。例えば、透明プラスチックとしてポリエステルを用い、硬化物層としてアクリル樹脂を用いる場合は、基材フィルムは1.62程度になり、硬化物層の屈折率は1.49程度になる。このような干渉縞を抑制するために、これまで以下のような提案がなされている。
特許文献2では、屈折率差を小さくして干渉縞の発生を防止するために、硬化物層に高屈折率の金属酸化物微粒子を添加することにより、硬化物層の屈折率を高くする方法が開示されている。また、特許文献3では、フィルムの局所的な厚みのバラツキに着目し、易接着フィルムを製造した後、該フィルムにカレンダー処理を行ってフィルムの局所的な厚みのバラツキを小さくする方法が開示されている。さらに、特許文献4では、硬化物層の厚さ斑に着目し、干渉縞の面積比を規定した発明が開示されている。特許文献5では、基材フィルム自体の裏面反射率に着目して、裏面反射率を抑えて、特定の硬度のハードコート層を積層する方法も開示されている。
特許文献6では、基材フィルムと硬化物層との間の中間層の屈折率に着目し、基材フィルムと中間層との屈折率差、中間層とハードコート層の屈折率差をそれぞれ小さくなるように、中間層を構成する樹脂と添加剤の種類と含有量を設定することで中間層の屈折率を制御することにより、蛍光灯下での干渉縞を抑制する方法も開示されている。
また、蛍光灯下での干渉縞は、硬化物層にサブミクロンm〜数ミクロンmの粒子を添加することにより、表面を凹凸化する防眩性付与により抑制可能である。特許文献7では、ギラツキ防止を達成するために、フィルム表面の平均山間隔(Sm)、中心線平均表面粗さ(Ra)および十点平均表面粗さ(Rz)を細かく規定することを提案している。また、特許文献8、9では、表面ヘイズと内部ヘイズの範囲を細かく規定することを提案している。さらに、特許文献10では、表面ヘイズと内部ヘイズの差を規定することによるギラツキを抑制することを提案している。
他方、タッチパネルにおいて、指やペンによって所定位置を押圧する際、透明導電性フィルムの透明導電性薄膜と、それに対向する透明導電性薄膜間での接触、非接触が繰り返されることによって、ニュートンリングが発生し、視認性が劣化する場合がある。そのため、特許文献11〜13において、透明導電性薄膜と基材フィルム間に設けられた樹脂層に、可視光と比較して非常に大きな粒子を添加することで、ニュートンリングを防止する方法が開示されている。
特開平11−291383号公報 特開平7−151902号公報 特開2001−71439号公報 特開2002−241527号公報 特開2002−210906号公報 特開2007−253512号公報 特開2002−196117号公報 特開平11−305010号公報 特開2002−267818号公報 特開2009−69820号公報 特開2007−103348号公報 特公表2005/52956号公報 特許3688136号公報
上記の技術により干渉縞の抑制に一定の効果が得られている。しかしながら、タッチパネルの操作性が向上するにしたがい、ますます高精細化・高画質化への対応を図る必要が生じつつある。例えば、携帯機器、電子ブックやパソコン画面へもタッチパネルの用途が添加されており、このような分野では文字認識や映像処理などでより高度な精細化が求められている。そのため、タッチパネル部材に用いられる積層フィルム部材にはより高い透明性・視認性を実現する必要がある。このような課題に対し、上記従来技術は以下のような問題があると考えられた。
特許文献2の方法では、硬化物層に高屈折率の金属酸化物微粒子の添加するため、透明性、耐薬品性等が低下する。また、特許文献3、4の方法では、加工工程が増加したり、各層の厚みを厳密に制御することが必要となるため、生産性または歩留まりの点から問題がある。さらに、特許文献5の方法では、裏面までを含めたフィルムの設計が必要であるだけでなく、フィルム製造時に裏面反射率が常に0.1%以下となるように、裏面反射率を測定しながら、裏面反射率が範囲外となる場合には条件変更を行うなど工程上の制御が煩雑である。
また、特許文献6の方法では、硬化物層に採用する樹脂組成が異なった場合、つまり硬化物層の屈折率が変化した場合は、その度に中間層の屈折率を最適化する必要があり、汎用性が低い問題がある。
さらに、特許文献7〜10の方法では、積層フィルムの透明性が劣るうえに、タッチパネルとした際に、光の表面散乱に起因した、ギラツキの発生および透過鮮明度の著しい低下をもたらすなど、視認性に問題がある。同じく、特許文献11〜13の方法では、大きな粒子に起因する表面凹凸が存在のために、ギラツキ発生の抑制が不十分であった。
本発明の目的は、上記の従来の問題点に鑑み、タッチパネルに用いた際の、干渉縞の抑制に優れるうえに視認性が高く、さらには汎用性の高い、積層フィルム及びそれを用いた透明導電性積層フィルム、透明導電性積層シート並びにタッチパネルを提供することにある。
従来技術のように、干渉縞を抑制するために各層の屈折率や厚み変動を制御することは汎用性や透明性・耐薬品性の点から問題があった。一方、表面凹凸を付与する方法では透明性やギラツキの点から問題があった。そこで、本発明では、従来の技術に反して積層フィルム表面を平滑にし、かつ積層フィルムの内部ヘイズに制御することで、高い視認性を維持したまま、干渉縞を抑制するという新たな解決手段を採用することで、干渉縞の抑制と視認性の向上の相反する特性の両立を図ることに成功した。
すなわち、前記の課題を解決することができる本発明の積層フィルム及びそれを用いた透明導電性積層フィルム、透明導電性積層シート並びにタッチパネルは以下の構成を有する。
本発明の第一の発明は、透明プラスチック基材フィルムの少なくとも片面に、中間層を介して多官能の紫外線硬化型のアクリル系樹脂を主たる構成成分とする硬化物層を有する積層フィルムであって、中間層を構成する樹脂が、ポリエステル系樹脂又はポリエステルウレタン系樹脂であり、前記硬化物層中に、平均粒径が0.15以上5μm以下の粒子Aを、硬化物層を形成する紫外線硬化型のアクリル系樹脂に対して0.05〜15質量%含み、前記硬化物層の厚みが0.3μm以上10μm以下であり、前記粒子Aよりも大きく、前記粒子Aの材料が、アモルファスシリカ、結晶性シリカ、シリカ−アルミナ複合酸化物、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム(カルサイト型、バテライト型)、酸化チタン、硫酸バリウム、ゼオライト、アルミナ、ヒドロキシアパタイトから選ばれる無機粒子、架橋アクリル粒子、架橋PMMA粒子、架橋ポリスチレン粒子、ナイロン粒子、ポリエステル粒子、ベンゾグアナミン・ホルマリン縮合物粒子、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物粒子メラミン・ホルムアルデヒド縮合物粒子、シリコーン粒子から選ばれる有機粒子、または、TiO (屈折率2.7)、ZnO(屈折率2.0)、Sb (屈折率1.9)、SnO (屈折率2.1)、ZrO (屈折率2.4)、Nb (屈折率2.3)、CeO (屈折率2.2)、Ta (屈折率2.1)、Y (屈折率1.8)、La (屈折率1.9)、In (屈折率2.0)、Cr (屈折率2.5)から選ばれる金属酸化物であり、実質的に表面ヘイズがなく、内部ヘイズが0.5以上5%以下であり、硬化物層側で観察される波長420〜650nmでの反射スペクトルにおける最大値と最小値の差が2%以下であり、JIS K7105(1999年版)によって規定されるくし幅0.125mmの光学くしを使った透過法での像鮮明度が80%以上であることを特徴とする積層フィルムである。
また、第の発明は、前記硬化物層中に平均粒径が10〜150nmの微粒子Bを、硬化物層を形成する硬化型樹脂に対して10〜70質量%含み、微粒子Bが、アモルファスシリカ、結晶性シリカ、シリカ−アルミナ複合酸化物、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム(カルサイト型、バテライト型)、酸化チタン、硫酸バリウム、ゼオライト、アルミナ、ヒドロキシアパタイト、架橋アクリル粒子、架橋PMMA粒子、架橋ポリスチレン粒子、ナイロン粒子、ポリエステル粒子、ベンゾグアナミン・ホルマリン縮合物粒子、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物粒子メラミン・ホルムアルデヒド縮合物粒子、シリコーン粒子から選ばれる材料であることを特徴とする前記積層フィルムである。
また、第の発明は、前記硬化物層表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.05μm以下であることを特徴とする前記積層フィルムである。
また、第の発明は、透明プラスチック基材フィルムがポリエステルフィルムであることを特徴とする前記積層フィルムである。
また、第の発明は、中間層の屈折率が1.4〜1.75であることを特徴とする前記積層フィルムである。
また、第の発明は、前記積層フィルムの硬化物層面に、酸化スズの含有率が0.5〜60質量%であるインジウム−スズ複合酸化物の薄膜からなる透明導電性薄膜層を有する透明導電性積層フィルムである。
また、第の発明は、前記透明導電性薄膜層面の反対面に、ハードコート層を有する前記透明導電性積層フィルムである。
また、第の発明は、前記ハードコート層が低反射処理を施されていることを特徴とする前記透明導電性積層フィルムである。
また、第の発明は、前記透明導電性薄膜層面の反対面に、硬化物層を有する前記透明導電性積層フィルムである。
また、第の発明は、前記透明導電性積層フィルムの透明導電性薄膜層面の反対面に、粘着層を介して透明樹脂シートを有する透明導電性積層シートである。
また、第十一の発明は、透明導電性薄膜層を有する一対のパネル板を透明導電性薄膜層が対向するようにスペーサーを介して配置してなるタッチパネルであって、少なくとも一方のパネル板が前記透明導電性積層フィルムもしくは前記透明導電性積層シートを含むことを特徴とするタッチパネルである。
本発明の積層フィルムは、硬化物層の光の内部散乱と表面形状の両方を高度に制御することによって、干渉縞の抑制と視認性の向上の相反する特性を両立することができる。さらには、汎用性が高い方法であることから、本発明の積層フィルムは、タッチパネルの生産性向上に大きく寄与するものである。
本発明の積層フィルムの一実施形態である層構成の説明図である。 本発明の透明導電性積層フィルムの一実施形態の層構成を示す説明図である。 本発明の透明導電性積層フィルムの一実施形態の層構成を示す説明図である。 本発明の透明導電性積層フィルムの一実施形態の層構成を示す説明図である。 本発明の透明導電性積層シートの一実施形態の層構成を示す説明図である。 本発明の透明導電性積層シートの一実施形態の層構成を示す説明図である。 本発明のタッチパネルの一実施形態の層構成を示す説明図である。 本発明のタッチパネルの一実施形態の層構成を示す説明図である。
本発明の積層フィルムは、透明プラスチック基材フィルムの少なくとも片面上に、中間層を介して硬化型樹脂を主たる構成成分とする硬化物層を積層した構成を有する。
本発明の積層フィルムは、実質的に表面ヘイズがなく、内部ヘイズが0.5以上5%以下であり、硬化物層側で観察される波長420〜650nmの反射スペクトルにおける最大値と最小値の差が2%以下であり、JIS K7105(1999年版)によって規定されるくし幅0.125mmの光学くしを使った透過法での像鮮明度が80%以上である。
本発明では、積層フィルム表面を平滑にし、かつ積層フィルムの内部ヘイズに制御することで、高い視認性を維持したまま、干渉縞を抑制することが可能である。ここで、視認性の評価は、JIS K7105(1999年版)によって規定されるくし幅0.125mmの光学くしを使った透過法での像鮮明度で表すことができる。すなわち、前記像鮮明度が80%以上であれば、高精細のタッチパネルに適用しうる高い視認性を奏することができる。前記像鮮明度が高いほど、ギラツキが抑制され、クリアで高い視認性が得られる。なお、像鮮明度の評価において採用する、くし幅0.125mmはJIS規格で最も精細なくし幅であり、本発明における上記規定はこのように精細なくし幅においても高い鮮明度が得られることを意味する。本発明の積層フィルムの前記像鮮明度は、好ましくは83%以上であり、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。前記像鮮明度が高いほど好ましいが、干渉縞抑制との両立を図る点から99%程度が上限と考える。
また干渉縞抑制の評価は、可視光領域である波長420〜650nmの反射スペクトルにおける最大値と最小値の差で表すことができる。すなわち、前記反射スペクトル差が2%以下であれば、硬化物層の裏面を黒色処理した際に、硬化物層側の観察で視認される干渉縞の発生を抑制することができ、高精細のタッチパネルに適用しうる高い視認性を奏することができる。前記反射スペクトル差は小さいほど、界面屈折に起因する干渉縞の発生を抑制することができる。なお、干渉縞抑制の評価において採用する波長(420〜650nm)は、3波長形蛍光灯の波長領域に相当するものであり、このような光源下においても優れた干渉縞抑制効果を示すことを意味する。本発明の積層フィルムの前記反射スペクトル差は、好ましくは1.5%以下であり、より好ましくは1.3%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。前記反射スペクトル差は小さいほど好ましいが、測定限界を考慮すると0.001%程度が下限と考える。
積層フィルムに表面ヘイズが存在すると、前記記載の透過法の像鮮明度が80%以下となり、ディスプレイ前面に配置した際、ギラツキが発生し、視認性が低下する。そこで、本発明の積層フィルムは実質的に表面ヘイズがないことが重要である。ここで、「実質的に表面ヘイズがない」とは、具体的には積層フィルムの表面ヘイズの値が0.5%以下であることを意味し、より好ましくは0.2%以下、さらに好ましくは0%である。これは、表面ヘイズがない場合であっても、ヘイズ測定機器による誤差変動があるためである。
また、本発明の積層フィルムの内部ヘイズは、0.5%以上5%以下であり、好ましくは、1%以上4%以下である。本発明では内部ヘイズを上記範囲で設定することで光散乱効果により、干渉縞の発生を高度に抑制することが可能となる。内部ヘイズが0.5%未満の場合には、反射スペクトルにおける最大値と最小値の差が2%を越え、著しい干渉縞が観測される。逆に内部ヘイズが5%を越えると、激しく白濁したり、散乱が強く過ぎるため、干渉縞を抑制することができるが、前記記載の透過法の像鮮明度が80%以下となる。
上記特性を達成するための手段としては特に限定しないが、好ましくは硬化物層に特定の粒子を添加することが好ましい。また、それに加えて、中間層の屈折率を制御することより好適に干渉縞を抑制することができる。これら達成手段、並びに本発明の積層フィルムを構成する各層の材料、好適な実施形態などについて、以下に詳細に説明する。
(透明プラスチック基材フィルム)
本発明において、透明プラスチック基材フィルムは特に限定されるものではないが、タッチパネル部材として好適な透明性を有することが好ましく、具体的には全光線透過率が80%以上で、かつヘイズが5%以下であることが好ましい。プラスチック基材フィルムの透明性が劣る場合には、ディスプレイ等の画像表示装置上に設置した際の輝度を低下させるだけでなく、画像のシャープさが不良となる。
透明プラスチック基材フィルムとしては、例えば、ポリエステル系、アクリル系、セルロ−ス系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリカーボネ−ト、フェノ−ル系、ウレタン系等のプラスチックフィルム又はシート、ガラス及びこれらの任意の2種類以上を貼り合わせたものが挙げられる。好ましくは、耐熱性、柔軟性、耐薬品性のバランスが良好なポリエステルフィルムであり、より好ましくはポリエチレンテレフタレートフィルムである。
本発明で用いることができるポリエステルは、例えば、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸又はそのエステルと、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1、4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどをエステル化反応又はエステル交換反応を行い、次いで重縮合反応させて得ることができる。また、本発明で用いることができるポリエステルフィルムは、上記により得られたポリエステルチップを乾燥後、押出機で溶融し、Tダイからシート状に押し出して得た未延伸シートを少なくとも1軸方向に延伸し、次いで熱固定処理、緩和処理を行うことにより製造することができる。前記のフィルムは、強度等の点から、二軸延伸フィルムが特に好ましい。
延伸方法としては、チューブラ延伸法、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法等が挙げられるが、平面性、寸法安定性、厚みムラ等から逐次二軸延伸法が好ましい。逐次二軸延伸フィルムは、例えば、長手方向にポリエステルのガラス転移温度(Tg)〜(Tg+30℃)で、2.0〜5.0倍に長手方向にロール延伸し、引き続き、テンターで予熱後120〜150℃で1.2〜5.0倍に幅方向に延伸する。さらに、二軸延伸後に220℃以上(融点−10℃)以下の温度で熱固定処理を行い、次いで幅方向に3〜8%緩和させることによって製造することができる。
本発明の透明プラスチック基材フィルムの厚みの下限は好ましくは10μm以上、より好ましくは75μm以上、さらに好ましくは100μm以上であり、上限は好ましくは300μm以下、より好ましくは250μm以下である。透明プラスチック基材フィルムの厚みが10μm未満では機械的強度が不足し、ハンドリング性が不良となりやすくい。一方、透明プラスチック基材フィルムの厚みが300μmを越えると、コスト面で問題があるだけでなく、ロール状に巻き取って保存した場合に巻き癖による平面性不良が発生し、コーティングの外観不良が発生し易くなる、タッチパネルの厚みが厚くなりすぎるため、モバイル機器などには適さないなどの問題が生じる。
高度な透明性が要求される場合は、透明プラスチック基材フィルム中には、透明性を低下させる原因となる粒子を実質的に含有させないことが好ましい。ここで「粒子を実質的に含有させない」とは、例えば無機粒子の場合、ケイ光X線分析で無機元素を定量した場合に検出限界以下となる含有量を意味する。
また、透明プラスチック基材フィルムにハンドリング性(例えば、積層後の巻取り性)を付与するために、フィルム中に粒子を含有させて、フィルムの表面に突起を形成させることが好ましい。フィルム中に含有させる粒子としては、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、等の無機粒子、架橋アクリル、架橋PMMA、ナイロン、架橋ポリスチレン、ポリエステル、ベンゾグアナミン・ホルマリン縮合物、等の耐熱性高分子粒子が挙げられる。透明性の点から、フィルム中の粒子の含有量は少ないほど好ましく、例えば1ppm以上1000ppm以下であることが好ましい。さらに、透明性の点から、屈折率が基材フィルムを構成する樹脂に近い粒子を選択することが好ましい。例えば、ポリエステルの場合には、シリカ粒子、シリカ−アルミナ複合酸化物粒子などが挙げられる。また、透明プラスチック基材フィルム中に、必要に応じて各種機能を付与するために、耐光剤(紫外線防止剤)、色素、帯電防止剤などを含有させてもよい。
透明プラスチック基材フィルムの層構成は単層でもよいし、単層では得られない機能を付与した積層構造とすることもできる。積層構造とする場合には、共押出法が好適である。また、透明性とハンドリング性を両立するために最外層にのみ粒子を添加することもできる。
透明プラスチック基材フィルムには、本発明の目的を損なわない範囲で、コロナ放電処理、グロー放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、オゾン処理、酸またはアルカリを用いた化学薬品処理などの表面活性化処理を施してもよい。
(中間層)
本発明の積層フィルムは、透明プラスチック基材フィルムと硬化物層の密着性の向上を目的に中間層を設けることが好ましい。なお、透明プラスチック基材フィルム中に粒子を含有させない場合、粒子を含有する中間層を透明プラスチック基材フィルムの製造時に同時に設けることにより、ハンドリング性を維持しながら高度な透明性を得ることができる。
前記中間層を構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹脂、メラミン樹脂などが挙げられるが、透明プラスチック基材フィルムおよび硬化物層との密着性が良好となるように樹脂を選択することが好ましい。具体的には、透明プラスチック基材フィルム及び硬化物層を構成する樹脂がエステル系であれば、類似した構造を有するポリエステル系、ポリエステルウレタン系を選定することが好ましい。
本発明において、前記中間層の屈折率にほとんど影響されることなく硬化物層の干渉縞を抑制することができるが、より好適に干渉縞を抑制するためには中間層の屈折率を所定の範囲にすることも好ましい。具体的には、中間層の屈折率は、下限が好ましくは1.4以上、より好ましくは1.45以上、上限が好ましくは1.75以下、より好ましくは1.7以下である。中間層の屈折率が上記範囲内である場合は、より好適に干渉縞の抑制がしやすくなる。本発明の硬化物層を採用することで中間層の屈折率の管理幅をより広くすることができ、汎用性の点から好適である。
中間層の屈折率は、上記樹脂以外にフルオレン化合物、フッ素化合物、遷移金属キレート化合物、無機酸化物粒子などを添加することにより調節することができる。例えば、無機酸化物粒子としては、TiO、ZnO、Sb、SnO、ZrO、In、Cr等、及びこれらの金属原子を含む複合酸化物等が挙げられる。金属酸化物粒子の中間層中の含有量としては、所望の屈折率により適宜調整することができるが、例えば中間層の全固形成分中、5質量%以上70質量%以下が好ましい。また、遷移金属キレート化合物としてはチタンキレート化合物、チタンアシレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアシレート化合物などが挙げられ、具体的にはヒドロキシビス(ラクタト)チタンやヒドロキシビス(ラクタト)チタンなどが好適である。遷移金属キレート化合物の中間層中の含有量としては、所望の屈折率により適宜調整することができるが、例えば中間層の全固形成分中20質量%〜70質量%が好ましい。
前記中間層には、密着性の向上、耐水性の向上を目的に架橋剤を含有させて、樹脂に架橋構造を形成させても構わない。架橋剤としては、尿素系、エポキシ系、メラミン系、イソシアネート系が挙げられる。特に、樹脂が高温・高湿度下での白化や強度が低下する場合には、架橋剤による効果が顕著である。なお、架橋剤を用いずに、樹脂として自己架橋性を有するグラフト共重合樹脂を用いてもよい。
中間層には、表面に凹凸を形成させて滑り性を改善する目的で、各種の粒子を含有させてもよい。中間層中に含有させる粒子としては、例えば、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、等の無機粒子、アクリル、PMMA、ナイロン、スチレン、ポリエステル、ベンゾグアナミン・ホルマリン縮合物、等の有機粒子が挙げられる。
さらに、中間層に各種機能を付与するために、界面活性剤、帯電防止剤、色素、紫外線吸収剤等を含有させてもよい。中間層は目的とする機能を有する場合は単層でも構わないが、必要に応じて2層以上に積層しても構わない。中間層の厚みは、目的とする機能を有すれば特に限定されるものではないが、0.01μm以上5μm以下が好ましい。厚みが薄い場合には中間層としての機能が発現しにくくなり、逆に、厚い場合には透明性が不良となりやすい。
中間層を設ける方法としては、塗布法が好ましい。塗布法としては、グラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式などの公知の塗布方法を用いて、フィルムの製造工程で塗布層を設けるインラインコート方式、フィルム製造後に塗布層を設けるオフラインコート方式により設けることができる。これらの方式のうち、インラインコート方式がコスト面で優れるだけでなく、塗布層に粒子を含有させることで、透明プラスチック基材フィルムに粒子を含有させる必要がなくなるため、透明性を高度に改善することができるため好ましい。
(硬化物層)
本発明において透明導電性薄膜層の耐久性を向上するため、透明プラスチック基材フィルムの少なくとも片面に中間層を介して硬化物層を設ける。係る硬化物層面に透明導電性薄膜層を設けることで、表面強度が向上し、長期間のペン入力にも耐えうる高い耐久性を奏することができる。
前記の硬化型樹脂は、加熱、紫外線照射、電子線照射などのエネルギー印加により硬化する樹脂であれば特に限定されなく、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。生産性の観点からは、紫外線硬化型樹脂を主成分とする硬化型樹脂が好ましい。
透明導電性薄膜層面には、銀ペースト処理やエッジングなど後加工処理が施される場合がある。そのため、耐薬品性・耐溶剤性の点から本発明の硬化性樹脂の架橋密度は高いことが好ましい。そのため本発明に用いる硬化型物質としては3官能基以上を有することが好ましく、4官能基以上を有することがさらに好ましく、5官能基以上を有することがよりさらに好ましい。硬化型物質として高い官能基数を有するものを用いることで、後処理にも好適な耐薬品性・耐溶剤性を奏することができる。
紫外線硬化型物質は、ラジカル重合系、カチオン重合系、カチオン重合とラジカル重合の混合系であってもよいが、反応速度が大きく生産性に優れるため、ラジカル重合系が特に好ましい。ラジカル重合系紫外線硬化型物質としては、不飽和モノマー、オリゴマー、樹脂又はそれらを含む組成物などが挙げられる。その具体例としては、アクリレート、ウレタンアクリレートやポリエステルアクリレート等の2官能基以上を有する多官能の紫外線線硬化型のアクリル系化合物が挙げられるが、硬度や得られる積層フィルムの柔軟性を両立できることから、ウレタンアクリレートがとくに好ましい。また、所望の性能におじてこれらを併用しても良い。
紫外線重合開始剤は、ラジカル重合系、カチオン重合系、カチオン重合とラジカル重合の混合系であってもよいが、反応速度が大きく生産性に優れるため、ラジカル重合系が特に好ましい。紫外線ラジカル重合開始剤の例として、アルキルフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類、チタノセン類、オキシ酢酸フェニル類が挙げられ、単独または2種以上混合して使用しても良い。
紫外線重合開始剤は、紫外線硬化型物質100質量部に対して、下限が0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上、上限が30質量部以下、より好ましくは20質量部以下の範囲で使用することができる。添加量が少なすぎると硬化物層の硬化が不十分となり、透明導電性薄膜との密着が不良となる。また、逆に多すぎると、硬化物層が黄変する場合がある。
硬化物層の厚みは、下限が好ましくは0.3μm以上、より好ましくは0.5μm以上、上限が好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下である。0.3μm未満では硬化が不十分なため、透明導電性薄膜との密着が不良となる場合がある。20μm以上ではフィルム全体としての柔軟性がなくなり、硬化物層にクラックが発生しやすくなる問題が生じる。
また、硬化物層の厚みは、表面ヘイズを実質的になくすために、後記に記載の粒子Aの平均粒子径よりも大きく設定することが好ましい。具体的には、粒子Aの平均粒子径に対して、1.1倍以上、より好ましくは1.2倍以上である。1.1倍未満であると、粒子が表面に突出しやすくなり、その結果表面ヘイズが現れ、ディスプレイの前面に設置した場合にギラツキが発生し、視認性が低下しやすくなる。
積層フィルムをタッチパネル部材として用いる場合、銀ペースト処理など後加工において高温での熱処理が施されることがある。その際、特に透明プラスチック基材フィルムとしてポリエステルフィルムを用いる場合、基材フィルムから低分子オリゴマーが析出することにより白化が生じやすくなる。このような、低分子オリゴマーの表面への析出を抑制するために、硬化物層の厚みは厚くすることが好ましい。この場合、硬化物層の厚みは、0.6μm以上が好ましく、0.8μm以上がより好ましく、1.0μm以上がさらに好ましい。硬化物層の厚みが上記範囲の場合、高温処理においても積層フィルム表面へのオリゴマーの析出が抑制されやすく、より好適に視認性の優れた積層フィルムを得やすくなる。
本発明では、前述のように高い視認性と干渉縞の抑制とを両立させるために、所定の内部ヘイズを持たせることが重要である。係る内部ヘイズを好適に制御するために、本発明では硬化物層に粒子Aを添加することが好ましい。これは積層フィルムでの干渉縞は硬化物層表面と硬化物層/透明プラスチック基材フィルム界面との反射光により生じるため、硬化物層の内部ヘイズを所定の範囲にすることとで光拡散効果により干渉縞を抑制することを目的とする。干渉縞を好適に抑制するために、硬化物層に添加する粒子Aの平均粒子径は、下限が好ましくは0.15μm以上、より好ましくは0.2μm以上、上限が好ましくは5μm以下、より好ましくは、4μm以下である。粒子Aの平均粒子径が上記範囲である場合、可視光領域の波長の光が好適に散乱しやすくなり、係る散乱効果により干渉縞を好適に抑制することができる。一方、上記平均粒子径が0.15μm未満の場合は、著しい干渉縞が観測されやすく、5μmを越えると、干渉縞を抑制できるものの、透過法の像鮮明度が80%以下となり、視認性が低下する場合がある。
散乱効果による干渉縞の抑制の点からは、粒子Aの平均粒子径は大きい方が好ましい。一方、粒子Aの平均粒子径が大きくなると視認性・透明性が低下する場合がある。そのため、より高い視認性が求められる場合は、粒子Aの平均粒子径として0.15μm以上、1μm以下の範囲で制御することが好ましい。この場合は、前述のように中間層の屈折率の制御と併用することでより高度の干渉縞の抑制と高い視認性との両立を図ることができる。
粒子Aの添加量は、硬化型樹脂に対して、好ましくは0.05〜15質量%、より好ましくは、0.1〜12質量%である。上記添加量は、粒子種や平均粒径で異なるが、総じて、0.05%未満であると、内部散乱効果が得られにくく、著しい干渉縞が観測される。15%を越えると、内部散乱効果が強すぎ、透過法の像鮮明度が80%以下となり、視認性が低下したり、また白濁する場合がある。
粒子Aの材料としては、特に限定されないが、無機粒子や有機粒子を用いることができる。本発明に用いることができる無機粒子としては、アモルファスシリカ、結晶性シリカ、シリカ−アルミナ複合酸化物、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム(カルサイト型、バテライト型)、酸化チタン、硫酸バリウム、ゼオライト、アルミナ、ヒドロキシアパタイト等が挙げられる。また、有機粒子としては、架橋アクリル粒子、架橋PMMA粒子、架橋ポリスチレン粒子、ナイロン粒子、ポリエステル粒子、ベンゾグアナミン・ホルマリン縮合物粒子、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物粒子メラミン・ホルムアルデヒド縮合物粒子、シリコーン粒子、等が挙げられる。
粒子Aによる光拡散効果は、粒子Aと硬化物樹脂との屈折率差が大きいほど強い。そのため、粒子Aと硬化物樹脂との屈折率差は好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上あることが望ましい。硬化物樹脂としてアクリル系樹脂(屈折率1.49付近)を用いる場合は、粒子Aの材料として高い屈折率差が得られる、TiO(屈折率2.7)、ZnO(屈折率2.0)、Sb(屈折率1.9)、SnO(屈折率2.1)、ZrO(屈折率2.4)、Nb(屈折率2.3)、CeO(屈折率2.2)、Ta(屈折率2.1)、Y(屈折率1.8)、La(屈折率1.9)、In(屈折率2.0)、Cr(屈折率2.5)等の金属酸化物も好適である。
また、本発明の積層フィルムは、硬化物層面に透明導電性薄膜層を設けて、タッチパネル部材として用いる場合、指やペンによる押圧に対する耐久性向上を目的に、硬化物層表面に微細な凹凸を形成しても良い。その際の、硬化物層表面の中心線平均粗さ(Ra)は、好ましくは0.05μm以下であり、好ましくは、0.04μm以下である。0.05μmを越えると、表面凹凸による表面散乱のため、前記記載の透過法の像鮮明度が80%以下となり、ディスプレイ前面に設置した際、ギラツキが発生し、視認性が低下しやすくなる。
上記のように、指やペンによる押圧に対する耐久性向上のための、表面に微細な凹凸を形成することを目的に、硬化物層に粒子Aの他に微小な微粒子Bを添加することも好ましい態様である。このような微粒子Bの平均粒子径としては、下限が好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上、上限が好ましくは200nm以下、より好ましくは、150nm以下である。前記微粒子Bの平均粒子径が10nm未満であると、微細な凹凸が形成されにくく、200nm以上であると、表面凹凸が大きすぎ、導電性積層表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.05μmを越え、表面凹凸による表面散乱のため、前記記載の透過法の像鮮明度が80%以下となり、ディスプレイ前面に設置した際、ギラツキが発生し、視認性が低下する場合がある。また、微粒子Bの添加量は、硬化型樹脂に対して5〜70質量%、より好ましくは、10〜65質量%である。10%未満であると、表面に微細な凹凸を形成しにくくなる。また70質量%を越えると、微粒子の凝集物が生成するために、ギラツキが発生し、視認性が低下しやすくなる。
粒子A、微粒子Bの平均粒子径は、後述のように硬化物層の断面を電子顕微鏡観察することにより測定することができる。なお、硬化物層に2種類以上の粒子が含有する場合は、粒子の材質種類が異なる場合は、エネルギー分散X線分光法や顕微赤外分光を併用して材質種類毎に粒子・微粒子の平均粒子径を求めることができる。また、同種の場合は、粒子径と粒子数の分布曲線を描き、正規分布に従うと仮定して得られた分布曲線をフーリエ変換することで平均粒子径を求めることができる。
微粒子Bの材料としては、特に限定されないが、無機粒子や有機粒子を用いることができる。本発明に用いることができる無機微粒子としては、アモルファスシリカ、結晶性シリカ、シリカ−アルミナ複合酸化物、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム(カルサイト型、バテライト型)、酸化チタン、硫酸バリウム、ゼオライト、アルミナ、ヒドロキシアパタイト等が挙げられる。また、有機微粒子としては、架橋アクリル粒子、架橋PMMA粒子、架橋ポリスチレン粒子、ナイロン粒子、ポリエステル粒子、ベンゾグアナミン・ホルマリン縮合物粒子、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物粒子メラミン・ホルムアルデヒド縮合物粒子、シリコーン粒子、等が挙げられる。微粒子の形状は特に限定されず、不定形、球状、等が好適に使用することができる。
硬化物層を形成する塗布液には、得られる硬化物層の外観が良好となるように、所定量の有機溶剤を含有させることが好ましい。有機溶剤には、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどの脂肪族炭化水素類、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、トリデシルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−メチルシクロヘキシルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
硬化物層を形成する塗布液の透明プラスチック基材フィルムへの塗布方法は、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法、カーテンコート法など従来公知の方法が挙げられる。
塗布液を透明プラスチック基材フィルムに塗布した後の乾燥方法としては、公知の熱風乾燥、赤外線ヒーター等が挙げられるが、乾燥効率の高い熱風乾燥が好ましい。このような効率の高い乾燥を行なうことにより、残留溶媒を低減できるので、硬化物層の硬化を促進することができる。
硬化型樹脂として紫外線硬化型樹脂を用いる場合は、紫外線の照射は、高圧水銀ランプ、ヒュ−ジョンHランプ、キセノンランプなどによって行うことができる。その照射量は下限が好ましくは50mJ/cm以上、より好ましくは100mJ/cm以上、上限が好ましくは1000mJ/cm以下、より好ましくは800mJ/cm以下である。照射量が小さすぎると、硬化物層の硬化が不十分となりやすい。逆に大きすぎると、走行速度が遅く生産が劣る、また紫外線照射源からの熱により透明プラスチック基材フィルムが収縮しやすくなる。
また、硬化物層を形成する塗布液に、本発明を阻害しない範囲内で、光増感剤、光安定剤、紫外線吸収剤、触媒、着色剤、帯電防止剤、滑剤、レベリング剤、消泡剤、重合促進剤、酸化防止剤、難燃剤、赤外線吸収剤、界面活性剤、表面改質剤等の添加成分を含ませることは任意である。
(透明導電性薄膜層)
本発明の好ましい実施態様としては、積層フィルムの硬化物層面に透明導電性薄膜層を設けた透明導電性積層フィルムである。本発明における透明導電性薄膜の構成成分としては、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、インジウム−スズ複合酸化物、スズ−アンチモン複合酸化物、亜鉛−アルミニウム複合酸化物、インジウム−亜鉛複合酸化物などが挙げられる。これらのうち、環境安定性や回路加工性の観点から、インジウム−スズ複合酸化物が好適である。
インジウムに対するスズの含有量としては、0.5〜60質量%が好ましい。0.5質量%未満であると透明導電性薄膜層の環境安定性が低下しやすくなる。一方、スズの含有量が60質量%を超えると透明導電性薄膜層の導電性が悪くなり、好ましくない。
本発明において透明導電性薄膜層を積層して、透明導電性積層フィルムの表面抵抗値を好ましくは50〜2000Ω/□、更に好ましくは100〜1500Ω/□とすることによって、透明導電性積層フィルムとしてタッチパネルなどに使用できる。表面抵抗値が50Ω/□未満であったり、2000Ω/□を超える場合、タッチパネルの位置認識精度が悪くなり、好ましくない。
透明導電性薄膜層の膜厚は、4〜800nmの範囲が好ましく、更に好ましくは10〜125nmである。透明導電性薄膜層の膜厚が4nm未満の場合、連続した薄膜になりにくく、良好な導電性が得られにくくなる。一方、透明導電性薄膜層の膜厚が800nmよりも厚い場合、透明性が低下しやすくなる。
透明導電性薄膜層の層構造は、単層構造でもよいし、2層以上の積層構造でもよい。2層以上の積層構造を有する透明導電性薄膜層の場合、各層を構成する前記の金属酸化物は同一でもよいし、異なっていてもよい。
本発明における透明導電性薄膜層の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、スプレー法などが知られており、必要とする膜厚に応じて、前記の方法を適宜用いることができる。
例えば、スパッタリング法の場合、酸化物ターゲットを用いた通常のスパッタリング法、あるいは、金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法等が用いられる。この時、反応性ガスとして、酸素、窒素、等を導入したり、オゾン添加、プラズマ照射、イオンアシスト等の手段を併用したりしてもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、基板に直流、交流、高周波などのバイアスを印加してもよい。
また、透明導電性積層フィルムの透過率、カラー、反射率を変える目的で、透明導電性薄膜層と硬化物層の間に屈折率の異なる層を少なくとも2層以上設けることが好ましい。屈折率の異なる層として、例えば2層を設ける場合には、透明プラスチックフィルム側から屈折率が1.60以上2.50以下の層、屈折率が1.30以上1.60以下の層を積層することが好ましい。
屈折率が1.60以上2.50以下の層は、無機物、有機物と無機物の混合物からなる層である。無機物としては、In、TiO、Nbなどの透明金属酸化物が一般的に用いられる。
有機物と無機物の混合物からなる層としては、電離放射線による硬化樹脂と金属酸化物を含み、屈折率が1.60〜1.80の範囲にある(以下、この層を高屈折層と称する)。前記の層の屈折率が1.60未満の場合、反射防止性能に優れる透明導電性積層フィルムが得られにくくなる。また、前記の層の屈折率が1.80を超える場合には、層を形成することが難しくなる。好ましい屈折率は、下限が1.70であり、上限が1.80である。
前記金属酸化物としては、屈折率が1.60〜1.80の範囲にある層が得られるものであればよく、特に限定されないが、透明導電性積層フィルムの透過率をさらに、向上させるために、その上に設けられる層との密着性に優れることが好ましい。このような点から、前記金属酸化物としては、上記条件を満たすものであればよく、特に限定はないが、例えば低屈折層がシロキサン系ポリマーの場合、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化錫などを好ましく挙げることができる。これらの金属酸化物は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
屈折率が1.30以上1.60以下の層も、有機物、無機物、又は有機物と無機物の混合物からなる。無機物としては一般にSiO、Alなどの透明金属酸化物が用いられる。
有機物としては、透明導電性薄膜層との密着性という観点から、シロキサン系ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、アクリルのうち少なくとも1種類を含むものであって、屈折率が1.30〜1.55の範囲にあるものが好ましい。前記の屈折率が範囲外となる場合には、色表示性に優れる透明導電性積層フィルムが得られにくくなる。
(ハードコート層)
本発明において、タッチパネルとした際の最外層(ペン入力面)の耐擦傷性を、さらに改善させるために、透明プラスチックフィルムの透明導電性薄膜層を形成させた表面の反対面(タッチパネルとした際の最外層のペン入力面)に、紫外線硬化型物質を硬化することで形成されるハードコート層を設けることも好ましい。前記ハードコート層の硬度は、鉛筆硬度で2H以上であることが好ましい。2H未満の硬度では、透明導電性積層フィルムのハードコート層としては耐擦傷性の点で不十分である。
前記のハードコート層の厚みは0.5〜10μmであることが好ましい。厚みが0.5μm未満では、耐擦傷性が不十分となりやすく、10μmよりも厚い場合には生産性の観点から好ましくない。
紫外線硬化型物質は、ラジカル重合系、カチオン重合系、カチオン重合とラジカル重合の混合系であってもよいが、反応速度が大きく生産性に優れるため、ラジカル重合系が特に好ましい。ラジカル重合系紫外線硬化型物質としては、不飽和モノマー、オリゴマー、樹脂又はそれらを含む組成物などが挙げられる。その具体例としては、アクリレート、ウレタンアクリレートやポリエステルアクリレート等の2官能基以上を有する多官能の紫外線線硬化型のアクリル系化合物が挙げられ硬度や得られる透明導電性積層フィルムの柔軟性を両立できることから、ウレタンアクリレートがとくに好ましい。また、所望の性能に応じて、これらを併用しても良い。
紫外線重合開始剤は、ラジカル重合系、カチオン重合系、カチオン重合とラジカル重合の混合系であってもよいが、反応速度が大きく生産性に優れるため、ラジカル重合系が特に好ましい。紫外線ラジカル重合開始剤の例として、アルキルフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類、チタノセン類、オキシ酢酸フェニル類が挙げられ、単独または2種以上混合して使用しても良い。
紫外線重合開始剤は、紫外線硬化型物質100質量部に対して、下限が0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上、上限が30質量部以下、より好ましくは20質量部以下の範囲で使用することができる。添加量が少なすぎると硬化物層の硬化が不十分となり、透明導電性薄膜との密着が不良となる。また、逆に多すぎると、硬化物層が黄変する場合がある。
また、ハードコート層と積層フィルムとの密着性を向上させるために、前記に例示されるような中間層を設けてもよい。
ハードコート層を形成する塗布液には、得られるハードコート層の外観が良好となるように、所定量の有機溶剤を含有させる。有機溶剤には、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどの脂肪族炭化水素類、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、トリデシルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−メチルシクロヘキシルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
ハードコート層を形成する塗布液の透明プラスチック基材フィルムへの塗布方法は、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法、カーテンコート法など従来公知の方法が挙げられる。
塗布液を透明プラスチック基材フィルムに塗布した後の乾燥方法としては、公知の熱風乾燥、赤外線ヒーター等が挙げられるが、乾燥効率の高い熱風乾燥が好ましい。このような効率の高い乾燥を行なうことにより、残留溶媒を低減できるので、ハードコート層の硬化を促進することができる。
紫外線の照射は、高圧水銀ランプ、ヒュ−ジョンHランプ、キセノンランプなどによって行われる。その照射量は下限が50mJ/cm以上、より好ましくは100mJ/cm以上、上限が1000mJ/cm以下、より好ましくは800mJ/cm以下である。照射量が小さすぎると、ハードコート層の硬化が不十分となりやすい問題がある。逆に大きすぎると、走行速度が遅く生産が劣る、また紫外線照射源からの熱により透明プラスチック基材フィルムが収縮する問題がある。
ハードコート層を形成する塗布液に、本発明を阻害しない範囲内で、光増感剤、光安定剤、紫外線吸収剤、触媒、着色剤、帯電防止剤、滑剤、レベリング剤、消泡剤、重合促進剤、酸化防止剤、難燃剤、赤外線吸収剤、界面活性剤、表面改質剤等の添加成分を含ませることは任意である。
また、タッチパネルに用いた際に可視光線の透過率をさらに向上させるために、ハードコート層上に低反射処理を施してもよい。この低反射処理は、ハードコート層の屈折率とは異なる屈折率を有する材料を単層もしくは2層以上に積層することが好ましい。
単層構造の場合、ハードコート層よりも小さな屈折率を有する材料を用いるのが好ましい。また、2層以上の多層構造とする場合は、ハードコート層と隣接する層は、ハードコート層よりも大きな屈折率を有する材料を用い、この上の層にはこれよりも小さな屈折率を有する材料を選ぶのがよい。このような低反射処理を構成する材料としては、有機材料でも無機材料でも上記の屈折率の関係を満足すれば特に限定されない。例えば、CaF、MgF、NaAlF、SiO、ThF、ZrO、Nd、SnO、TiO、CeO、ZnS、In、などの誘電体を用いるのが好ましい。
この低反射処理は、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法などのドライコーティングプロセスでも、グラビア方式、リバース方式、ダイ方式などのウェットコーティングプロセスでもよい。
さらに、この低反射処理層の積層に先立って、前処理として、コロナ放電処理、プラズマ処理、スパッタエッチング処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、プライマ処理、易接着処理などの公知の表面処理をハードコート層に施してもよい。
また、本発明ではハードコート層にかえて、前述の硬化物層を用いてもよい。すなわち、前述の硬化物層を両面に設けた積層フィルムの片面に透明導電性薄膜層を設けることも、本発明の好ましい実施態様のひとつである。これにより、透明導電性積層フィルムの両面での干渉縞の抑制を好適に行うことができる。
(タッチパネル)
本発明の透明導電性積層フィルムを用い、透明導電性薄膜層を形成していない面と粘着剤を介して透明樹脂シートと積層することで、タッチパネルの固定電極に用いる透明導電性積層シートが得ることもできる。すなわち、タッチパネルの固定電極の基板をガラスから透明樹脂シートに変更することで、軽量かつ割れにくいタッチパネルを作製することができる。
前記の粘着剤は、透明性を有するものであれば特に限定はないが、例えばアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤などが好適である。この粘着剤の厚さは特に限定はないが、通常1〜100μmの範囲に設定するのが望ましい。粘着剤の厚みが1μm未満の厚さの場合、実用上問題のない接着性を得るのが難しく、100μmを越える厚さでは生産性の観点から好ましくない。
この粘着剤を介して貼合わせる透明樹脂シートは、ガラスと同等の機械的強度を付与するために使用するものであり、厚さは0.05〜5mmの範囲が好ましい。前記透明樹脂シートの厚みが0.05mm未満では、機械的強度がガラスに比べ不足する。一方、厚さが5mmを越える場合には、厚すぎてタッチパネルに用いるには不適当である。また、この透明樹脂シートの材質は、前記の透明プラスチックフィルムと同様のものを使用することができる。
図7、8に、本発明の積層フィルムを用いた、タッチパネルの例を示す。これは、透明導電性薄膜層を有する一対のパネル板を、透明導電性薄膜層が対向するようにスペーサーを介して配置してなるタッチパネルにおいて、一方のパネル板に本発明の透明導電性積層フィルムを用いたものである。この場合、他方のパネル板としては透明導電性薄膜層が設けられているものであれば、その基材の材質は問わないが、例えばガラス板などを用いることができる。
このタッチパネルは、ペンにより文字を入力した時に、ペンからの押圧により、対向した透明導電性薄膜層同士が接触し、電気的にONの状態になり、タッチパネル上でのペンの位置を検出することができる。このペン位置を連続的かつ正確に検出することで、ペンの軌跡から文字を認識することができる。この際、ペン接触側の可動電極が本発明の透明導電性積層フィルムを用いると、透明導電性薄膜層の直下に硬化物層が介在するため、ペン摺動耐久性に優れ、長期にわたって安定なタッチパネルとすることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお、透明導電性積層フィルムの性能は、下記の方法により測定した。
(1)内部ヘイズ、表面ヘイズの測定方法
得られた積層フィルムについてJIS−K7136に準拠し、日本電色工業(株)製、NDH−1001DPを用いて、トータルヘイズを測定した。硬化物層表面に両面粘着シートを介して透明なポリエチレンテレフタレートフィルムと貼り合わせヘイズを測定し、得られたヘイズから両面粘着シートと透明なポリエチレンテレフタレートフィルムのヘイズを差し引いた値を内部ヘイズとした。上述したトータルヘイズから内部ヘイズを差し引いた値を表面ヘイズとした。
(2)表面抵抗値
JIS−K7194に準拠し、4端子法にて表面抵抗値を測定した。測定器は、三菱油化(株)製、Lotest AMCP−T400を用いた。
(3)ギラツキ評価
得られた積層フィルムについて富士通社製FMV−BIBLOLOOX T70M/Tを用いて画面を緑色表示にして、硬化物層面がディスプレイと対向するように、フィルムをその前において、ギラツキを目視によって評価した。
○: ギラツキが全く気にならない
△: ギラツキが少し気になる
×: ギラツキが気になる
(4)像鮮明度
得られた積層フィルムについてJIS−K7105(1999年版)に準拠し、スガ試験機社製ICM−1Tを用いて、硬化物層面を受光面として、光学くしが0.125mmでの像鮮明度を測定した。
(5)ペン摺動耐久性試験
ポリアセタール製のペン(先端の形状:0.8mmR)に5Nの荷重をかけ、10万回(往復5万回)の直線摺動試験をタッチパネルに行った。この時の摺動距離は30mm、摺動速度は60mm/秒とした。この摺動耐久性試験後に、摺動部が白化しているかを目視によって観察した。
○: 摺動部位が全く白化していない
△: 摺動部位が少し白化
×: 摺動部位が白化
(6)粒子・微粒子の平均粒子径
粒子・微粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S2500)で観察し、粒子の大きさに応じて適宜倍率を変え、写真撮影したものを拡大コピーした。次いで、ランダムに選んだ少なくとも200個以上の粒子について、各粒子の外周を黒色のペンでトレースし塗り潰した。画像解析装置にてこれらのトレース像から粒子の円相当径を測定し、それらの平均値を平均粒子径とした。
(7)表面粗さ
ガラス板上に積層フィルムを密着させ、硬化物層表面についてJIS B0601に準拠し、二次元表面粗さ測定機(東京精密株式会社製、サーフコム300B)を用いて、カットオフ0.08mm、測定長0.4mm、触針の荷重4mN、触針速度0.3mm/分、触針径2μm、縦倍率:5万倍の条件で中心線平均粗さ(Ra)を測定した。
(8)干渉縞
積層フィルムの硬化物層面の反対面に黒色テープを貼り付け、三波長の蛍光灯下で干渉縞を目視によって評価した。
○: 干渉縞が全く気にならない
△: 干渉縞が少し気になる
×: 干渉縞が気になる
(9)反射スペクトル測定
積層フィルムの硬化物層面の反対面に黒色テープを貼り付け、サンプルを調整した。島津製作所製分光光度計「UV−1240mini」を用いて前述で調整したサンプルの反射スペクトルを測定し、420〜650nmにおける反射率の最大値と最小値を求めた。
(10)加熱白化
積層フィルムを170℃に加熱したオーブン内にセットし、20分間経過後フィルムを取り出す。加熱処理後のトータルヘイズを測定し、加熱前に比べて、トータルヘイズの増加値が0.5未満の場合に○、0.5以上の場合に×とした。
(11)屈折率の測定
中間層などの屈折率は、中間層層に用いる各樹脂を塗布、乾燥、硬化させた膜について、JIS K 7142に基づき、アッベ屈折率計を用いて測定を行った。
〔実施例1〕
<積層フィルム>
両面に中間層として、ポリエステル系樹脂と平均粒子径50nmシリカ粒子からなる易接着層を有する二軸配向透明PETフィルム(基材は粒子不含有、厚み188μm、中間層の屈折率1.54)に、硬化物層の厚みが5μmになるように、下記の塗布液(A)を斜線グラビアを用いてリバースで塗工し、200N/mの張力下、40℃で5m/秒の熱風で20秒間、80℃で20m/秒の熱風で40秒間、炉内を通過させて乾燥した。次いで、硬化型樹脂組成物層側より高圧水銀紫外線ランプ(160W/cm)の紫外線を積算光量約300mJ/cmの条件で照射することで硬化させた。
(塗布液A)
塗布液の材料を下記の質量比で混合し、30分以上攪拌し、塗布液Aを調整した。
・トルエン 30質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
・紫外線硬化型樹脂 40質量部
(荒川化学社製ビームセット577、ウレタンアクリレート)
・紫外線重合開始剤 3質量部
(チバ・ジャパン社製イルガキュア184)
・アクリル粒子 0.8質量部
(粒子A:平均粒径2.5μm)
<透明導電性積層フィルム>
また、この硬化物層を積層した積層フィルムを真空暴露するために、真空チェンバー中で巻き返し処理を行った。このときの圧力は0.002Paであり、暴露時間は20分とした。また、センターロールの温度は40℃とした。
次に、この硬化物層上に透明導電性薄膜層としてインジウム−スズ複合酸化物からなる透明導電性薄膜層を成膜した。このとき、スパッタリング前の圧力を0.0001Paとし、ターゲットとして酸化スズを36質量%含有した酸化インジウム(住友金属鉱山社製、密度6.9g/cm)に用いて、2W/cmのDC電力を印加した。また、Arガスを130sccm、Oガスを表面抵抗値が最小となるO流速を流し、0.4Paの雰囲気下でDCマグネトロンスパッタリング法を用いて成膜した。また、センターロール温度は0℃として、スパッタリングを行った。
また、雰囲気の酸素分圧をスパッタプロセスモニター(LEYBOLD INFICON社製、XPR2)にて常時観測しながら、インジウム−スズ複合酸化物薄膜層中の酸化度が一定になるように酸素ガスの流量計及びDC電源にフィートバックした。以上のようにして、厚さ22nmのインジウム−スズ複合酸化物からなる透明導電性薄膜層を堆積させた。表面抵抗値は500Ω/□であった。
<タッチパネルの作製>
この透明導電性積層フィルムを一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上にプラズマCVD法で厚みが20nmのインジウム−スズ複合酸化物薄膜(酸化スズ含有量:10質量%)からなる透明導電性薄膜基板(日本曹達社製、S500)を用いた。この2枚のパネル板を透明導電性薄膜層が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して、配置しタッチパネルを作製した。
〔実施例2〕
粒子Aとして平均粒径が2.5μのアクリル粒子を1.6質量部とし、微粒子Bとして平均粒径80nmのシリカ微粒子を10質量部添加し、溶媒(トルエン・メチルエチルケトン=1:1混合溶媒)量を調整したこと以外は実施例1と同様にして積層フィルム、透明導電性積層フィルム、タッチパネルを作製した。
〔実施例3〕
粒子Aとして平均粒径が1.5μmのアクリル粒子を1.6質量部とし、溶媒(トルエン・メチルエチルケトン=1:1混合溶媒)量を調整したこと以外は実施例1と同様にして積層フィルム、透明導電性積層フィルム、タッチパネルを作製した。
〔実施例4〕
粒子Aとして平均粒径が3.5μmのアクリル粒子を1.6質量部とし、溶媒(トルエン・メチルエチルケトン=1:1混合溶媒)量を調整したこと以外は実施例1と同様にして積層フィルム、透明導電性積層フィルム、タッチパネルを作製した。
〔実施例5〕
粒子Aとして平均粒径が2μmのシリコーン粒子を0.2質量部とし、溶媒(トルエン・メチルエチルケトン=1:1混合溶媒)量を調整したこと以外は実施例1と同様にして積層フィルム、透明導電性積層フィルム、タッチパネルを作製した。
〔実施例6〕
粒子Aとして平均粒径が0.5μmのシリカ粒子を4質量部とし、溶媒(トルエン・メチルエチルケトン=1:1混合溶媒)量を調整したこと以外は実施例1と同様にして積層フィルム、透明導電性積層フィルム、タッチパネルを作製した。
〔実施例7〕
粒子Aとして平均粒径が1.4μmのメラミンアルデヒド縮合粒子を0.06質量部とし、平均粒径100nmのシリカ微粒子を12質量部添加し、溶媒(トルエン・メチルエチルケトン=1:1混合溶媒)量を調整したこと以外は実施例1と同様にして積層フィルム、透明導電性積層フィルム、タッチパネルを作製した。
〔実施例8〕
両面に中間層として、ポリエステル系樹脂と平均粒径が20nmの酸化ジルコン(ポリエステル樹脂に対して50質量%)からなる易接着層を有する二軸配向透明PETフィルム(基材は粒子不含有、厚み188μm、中間層の屈折率1.58)を用い、粒子Aとして平均粒径が0.2μmの酸化チタン粒子を0.2質量部とし、微粒子Bとして平均粒径100nmのシリカ微粒子を25質量部添加して溶媒(トルエン・メチルエチルケトン=1:1混合溶媒)量を調整し、硬化物層の膜厚を1.5μmとしたこと以外は実施例1と同様にして積層フィルム、透明導電性積層フィルム、タッチパネルを作製した。
〔実施例9〕
両面に中間層として、ポリエステル系樹脂と平均粒径が20nmの酸化ジルコン(ポリエステル樹脂に対して30質量%)からなる易接着層を有する二軸配向透明PETフィルム(基材は粒子不含有、厚み188μm、中間層の屈折率1.56)を用い、粒子Aとして平均粒径が0.4μmの酸化亜鉛粒子を0.4質量部とし、微粒子Bとして平均粒径100nmのシリカ微粒子を25質量部添加して溶媒(トルエン・メチルエチルケトン=1:1混合溶媒)量を調整し、硬化物層の膜厚を1.5μmしたこと以外は実施例1と同様にして積層フィルム、透明導電性積層フィルム、タッチパネルを作製した。
〔実施例10〕
両面に中間層として、ポリエステル系樹脂と平均粒径が20nmの酸化ジルコン(ポリエステル樹脂に対して50質量%)からなる易接着層を有する二軸配向透明PETフィルム(基材は粒子不含有、厚み188μm、中間層の屈折率1.58)を用い、粒子Aとして平均粒径が0.2μmの酸化チタン粒子を0.6質量部とし、微粒子Bとして平均粒径100nmのシリカ微粒子を25質量部添加して溶媒(トルエン・メチルエチルケトン=1:1混合溶媒)量を調整し、硬化物層の膜厚を0.4μmとしたこと以外は実施例1と同様にして積層フィルム、透明導電性積層フィルム、タッチパネルを作製した。
〔実施例11〕
実施例1において、二軸配向透明PETフィルムからなる基材/硬化物層からなる積層フィルムの、硬化物層面の反対面にハードコート層樹脂としてポリエステルアクリレートとポリウレタンアクリレートとの混合物からなる紫外線硬化型樹脂(大日精化工業社製、EXG)を乾燥後の膜厚が5μmになるようにグラビアリバース法により塗布し、溶剤を乾燥させた。この後、160Wの紫外線照射装置の下を10m/分の速度で通過させ、紫外線硬化型樹脂を硬化させ、ハードコート層を形成させた。
このハードコート層/二軸配向透明PETフィルムからなる基材/硬化物層からなる積層体の硬化物層上に、実施例1と同様にしてインジウム−スズ複合酸化物薄膜層を成膜した。さらに、この透明導電性積層フィルムを用いて、実施例1と同様にしてタッチパネルを作製した。
〔実施例12〕
実施例1で作製した透明導電性積層フィルムを、アクリル系粘着剤を介して、厚みが1.0mmのポリカーボネート製のシートに貼り付けて、透明導電性積層シートを作製した。この透明導電性積層シートを固定電極として用い、さらに実施例11の透明導電性積層フィルムを用いて、タッチパネルを作製した。
〔実施例13〕
TiO含有アクリル系ハードコート剤[JSR(株)製、商品名「デソライトZ7252D」、固形分濃度45質量%、TiO:アクリル樹脂=75:25(質量比)]を、固形分濃度が3質量%になるように、メチルイソブチルケトンとイソプロピルアルコールとの質量比1:1の混合溶媒で希釈して、コート剤を調製した。
実施例11と同様な方法で作製した硬化物層/二軸延伸PETフィルム/硬化物層の硬化物層上に、このコート剤を、完全硬化後の厚さが70nmになるように塗布し、80℃で1分間乾燥したのち、これに紫外線を光量80mJ/cmで照射して、ハーフキュア状態に硬化させ、高屈折層を形成した。
さらに、フッ素含有シロキサン系コーティング剤(信越化学工業(株)製、商品名「X−12−2138H」、固形分濃度:3質量%)に光重合開始剤含有アクリル系樹脂(大日精化工業社製、セイカビームEXF−01J)を全固形分濃度が6質量%になるように添加した。この低屈折率層形成用塗布液を、加熱処理後の厚さが20nmになるように、上記の高屈折率層上に塗布し、80℃で1分間乾燥を行った。次いで、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、UB042−5AM−W型)を用いて紫外線を照射(光量:300mJ/cm)し、さらに、150℃で1分間加熱処理して、屈折率1.48の低屈折率層を形成した。次いで、実施例1と同様の方法で透明導電性薄膜層を形成し、透明導電性積層フィルムを得た。さらに、この透明導電性積層フィルムを用いて、実施例1と同様にしてタッチパネルを製作した。
〔実施例14〕
透明導電性薄膜層を形成するためのターゲットを酸化スズを3質量%含有した酸化インジウム(住友金属鉱山社製、密度7.1g/cm)に変更し、透明導電性薄膜層の表面抵抗値を300Ω/□としたこと以外は実施例1と同様にして積層フィルム、透明導電性積層フィルム、タッチパネルを作製した。
〔比較例1〕
粒子Aを添加せず溶媒(トルエン・メチルエチルケトン=1:1混合溶媒)量を調整したこと以外は実施例1と同様にして積層フィルム、透明導電性積層フィルム、タッチパネルを作製した。
〔比較例2〕
粒子として平均粒径が100nmのシリカ粒子を15質量部添加し、溶媒(トルエン・メチルエチルケトン=1:1混合溶媒)量を調整したこと以外は実施例1と同様にして積層フィルム、透明導電性積層フィルム、タッチパネルを作製した。
〔比較例3〕
粒子Aとして平均粒径が1.5μmのアクリル粒子を0.01質量部添加し、溶媒(トルエン・メチルエチルケトン=1:1混合溶媒)量を調整し、硬化物層の膜厚を1μmとしたこと以外は実施例1と同様にして積層フィルム、透明導電性積層フィルム、タッチパネルを作製した。
本発明の積層フィルムは高い視認性と干渉縞抑制効果を有しており、携帯機器、パソコン、電子ブックなど高精細が要求されるタッチパネル用部材に好適である。
1:硬化物層
2:中間層
3:透明プラスチック基材フィルム
4:透明導電性薄膜層
5:ハードコート層
6:粘着層
7:透明樹脂シート
8:スペーサー
9:ガラス板
10、11:パネル板

Claims (11)

  1. 透明プラスチック基材フィルムの少なくとも片面に、中間層を介して多官能の紫外線硬化型のアクリル系樹脂を主たる構成成分とする硬化物層を有する積層フィルムであって、
    中間層を構成する樹脂が、ポリエステル系樹脂又はポリエステルウレタン系樹脂であり、
    前記硬化物層中に、平均粒径が0.15以上5μm以下の粒子Aを、硬化物層を形成する紫外線硬化型のアクリル系樹脂に対して0.05〜15質量%含み、
    前記硬化物層の厚みが0.3μm以上10μm以下であり、前記粒子Aよりも大きく、
    前記粒子Aの材料が、アモルファスシリカ、結晶性シリカ、シリカ−アルミナ複合酸化物、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム(カルサイト型、バテライト型)、酸化チタン、硫酸バリウム、ゼオライト、アルミナ、ヒドロキシアパタイトから選ばれる無機粒子、架橋アクリル粒子、架橋PMMA粒子、架橋ポリスチレン粒子、ナイロン粒子、ポリエステル粒子、ベンゾグアナミン・ホルマリン縮合物粒子、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物粒子メラミン・ホルムアルデヒド縮合物粒子、シリコーン粒子から選ばれる有機粒子、または、TiO (屈折率2.7)、ZnO(屈折率2.0)、Sb (屈折率1.9)、SnO (屈折率2.1)、ZrO (屈折率2.4)、Nb (屈折率2.3)、CeO (屈折率2.2)、Ta (屈折率2.1)、Y (屈折率1.8)、La (屈折率1.9)、In (屈折率2.0)、Cr (屈折率2.5)から選ばれる金属酸化物であり、
    実質的に表面ヘイズがなく、
    内部ヘイズが0.5以上5%以下であり、
    硬化物層側で観察される波長420〜650nmでの反射スペクトルにおける最大値と最小値の差が2%以下であり、
    JIS K7105(1999年版)によって規定されるくし幅0.125mmの光学くしを使った透過法での像鮮明度が80%以上であることを特徴とする積層フィルム。
  2. 前記硬化物層中に平均粒径が10〜150nmの微粒子Bを、硬化物層を形成する硬化型樹脂に対して10〜70質量%含み、微粒子Bが、アモルファスシリカ、結晶性シリカ、シリカ−アルミナ複合酸化物、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム(カルサイト型、バテライト型)、酸化チタン、硫酸バリウム、ゼオライト、アルミナ、ヒドロキシアパタイト、架橋アクリル粒子、架橋PMMA粒子、架橋ポリスチレン粒子、ナイロン粒子、ポリエステル粒子、ベンゾグアナミン・ホルマリン縮合物粒子、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物粒子メラミン・ホルムアルデヒド縮合物粒子、シリコーン粒子から選ばれる材料であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記硬化物層表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.05μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 透明プラスチック基材フィルムがポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 中間層の屈折率が1.4〜1.75であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の積層フィルム。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の積層フィルムの硬化物層面に、酸化スズの含有率が0.5〜60質量%であるインジウム−スズ複合酸化物の薄膜からなる透明導電性薄膜層を有する透明導電性積層フィルム。
  7. 前記透明導電性薄膜層面の反対面に、ハードコート層を有する請求項に記載の透明導電性積層フィルム。
  8. 前記ハードコート層が低反射処理を施されていることを特徴とする請求項記載の透明導電性積層フィルム。
  9. 前記透明導電性薄膜層面の反対面に、硬化物層を有する請求項に記載の透明導電性積層フィルム。
  10. 請求項7〜のいずれかに記載の透明導電性積層フィルムの透明導電性薄膜層面の反対面に、粘着層を介して透明樹脂シートを有する透明導電性積層シート。
  11. 透明導電性薄膜層を有する一対のパネル板を透明導電性薄膜層が対向するようにスペーサーを介して配置してなるタッチパネルであって、
    少なくとも一方のパネル板が請求項7〜のいずれかに記載の透明導電性積層フィルムもしくは請求項10に記載の透明導電性積層シートを含むことを特徴とするタッチパネル。
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