JP2014113753A - 積層フィルムおよびタッチパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の解決しようとする課題は、干渉ムラの発生が抑制され、かつ、良好な色味の積層フィルムを提供することである。
【解決手段】ポリマー層と、ポリエステルフィルムとを有し、前記ポリマー層はナフタレン骨格を有するポリエステルと、粒子とを有し、 前記ポリマー層の厚さは200nm以下であり、前記粒子の平均粒子径は前記ポリマー層の厚さの0.65倍以下であり、下記式(I)を満たす積層フィルム。
式(I) |n−np|≦0.02
(式(I)中nは前記ポリマー層の屈折率を表し、npは前記ポリエステルフィルムの屈折率を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、タッチパネル等に好適に用いられる積層フィルムおよび積層フィルムを用いたタッチパネルに関する。
従来、表示装置を搭載する電子デバイスには、タッチパネルが多用されている。タッチパネルは、電子デバイスの表層に設けられるため、耐スクラッチ性や耐衝撃性等を有することが要求される。このため、タッチパネルには、表層にハードコート層が用いられている。ここで、ハードコート層を平滑に設ける等の目的のために、ハードコート層はポリエステルフィルム等の支持体に積層されることが多い。
一般的に、ポリエステルフィルムとハードコート層などの機能層は、異なる成分から構成されるため、両者を直接接着することは難しい。このため、ポリエステルフィルム上に易接着層を設け、その上にハードコート層を積層し積層フィルムとする方法が知られている。
しかしながら、ハードコート層を設けた場合に、界面での反射等により干渉ムラが観察されてしまう問題があることが知られている。
この問題に対し、例えば特許文献1では、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリエステル樹脂と粒子Aと粒子Bを含有する塗布層を有する光学用易接着性ポリエステルフィルムであって、前記ポリエステル樹脂が、酸成分としてナフタレンジカルボン酸と、特定の構造のジカルボン酸成分および/または特定の構造のジオール成分とを含み、前記粒子Aが、屈折率1.7以上3.0以下の金属酸化物粒子であり、前記粒子Bが、平均粒径200nm以上700nm以下の粒子である、光学用易接着性ポリエステルフィルムを利用し、外光の写り込み、ぎらつき、虹彩状色彩等を抑制する反射防止性を付与し、ハードコート層との密着性及び高温高湿処理後の密着性を改善することが提案されている。
また、特許文献2では、ナフタレン骨格を含有するポリエステル樹脂、金属酸化物、およびウレタン樹脂を含有する塗布層をポリエステルフィルムの少なくとも片面に有することを特徴とする積層ポリエステルフィルムを利用し、外光反射による干渉ムラを軽減し、ハードコート等の各種の表面機能層との密着性を改善することが提案されている。
一方、光学用途のポリエステルフィルムにおいて、色味が良好なものが求められており、例えば、特許文献3ではポリエステルからなるフィルムであって、フィルムヘーズが1.0〜3.0%の範囲で、単枚透過色調において、b値が0.1〜2.0の範囲であり、かつ、a値/b値が−1.0〜−0.1の範囲であることを特徴とする光学用二軸配向ポリエステルフィルムが開示されている。
特開2011−5854号公報 特開2011−246663号公報 特開2008−195803号公報
一方、近年利用されることの多いタッチパネルに関して、タッチパネルに用いられるITO(Indium Tin Oxide)電極とハードコート層との屈折率の違いから、電極構造が目立って観察されてしまうITOの骨見えという問題があり、この問題を解決するためにハードコート層の屈折率を高めるという手段が用いられる場合がある。
本発明者らが検討したところ、ハードコート層の屈折率が従来程度に低い特許文献2の実施例では、干渉ムラの問題はなかったが、ハードコート層の屈折率が従来よりも高い場合には、特許文献2の技術を用いても、干渉ムラの発生を十分に抑制できないことがわかった。
また、特許文献1の技術では干渉ムラの発生を抑制することはできるが、その一方で、塗布層とハードコート層の界面に凹凸を作ってしまい、光が散乱するのでフィルムの色味が悪くなってしまうことがわかった。
さらに特許文献3の技術ではフィルムの色味は良好なものの、ハードコート層を積層した際の干渉ムラについては考慮されておらず、特許文献3の実施例の発明も塗布層の屈折率が調整されていないため、干渉ムラの発生を抑制することができないことがわかった。
すなわち、ハードコート層の屈折率が高い場合には、光学用途として重要な性能である干渉ムラと色味について、従来技術では両立して改善することができないという問題があった。
本発明の解決しようとする課題は、干渉ムラの発生が抑制され、かつ、良好な色味の積層フィルムを提供することである。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、積層フィルムの構成を特定条件とすることにより、干渉ムラ発生の抑制と良好な色味とを両立できることを見出した。
具体的には、ポリマー層と、ポリエステルフィルムとを有し、ポリマー層はナフタレン骨格を有するポリエステルと、粒子とを有し、ポリマー層の厚みは200nm以下であり、粒子の平均粒子径はポリマー層の厚みの0.65倍以下であり、下記式(I)を満たす積層フィルムを用いており、ポリマー層とポリエステルフィルムの屈折率をほぼ同等とすることで干渉ムラの発生を抑制しつつも、ポリマー層の厚みを200nm以下とし、ポリマー層が有する粒子の平均粒子径をポリマー層の厚みの0.65倍以下とすることで、ポリマー層の表面の凹凸が低減され、光が散乱しにくくなることから色味の良好な積層フィルムを得ることに成功し、本発明を完成させるに至った。
式(I) |n−np|≦0.02
(式(I)中nはポリマー層の屈折率を表し、npはポリエステルフィルムの屈折率を表す。)
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] ポリマー層と、ポリエステルフィルムとを有し、
前記ポリマー層はナフタレン骨格を有するポリエステルと、粒子とを有し、
前記ポリマー層の厚さは200nm以下であり、
前記粒子の平均粒子径は前記ポリマー層の厚さの0.65倍以下であり、
下記式(I)を満たす積層フィルム。
式(I) |n−np|≦0.02
(式(I)中nは前記ポリマー層の屈折率を表し、npは前記ポリエステルフィルムの屈折率を表す。)
[2] [1]に記載の積層フィルムは、前記粒子の屈折率が1.60以上3.00以下である。
[3] [1]または[2]に記載の積層フィルムは、前記粒子が金属酸化物粒子であることが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか1項に記載の積層フィルムは、前記ポリマー層の屈折率が1.63以上1.69以下であることが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれか1項に記載の積層フィルムは、前記ポリエステルフィルムの屈折率が1.62以上1.71以下であることが好ましい。
[6] [1]〜[5]のいずれか1項に記載の積層フィルムは、前記ナフタレン骨格を有するポリエステルの屈折率が1.60以上1.75以下であることが好ましい。
[7] [1]〜[6]のいずれか1項に記載の積層フィルムは、前記積層フィルムが、屈折率1.64以上2.10以下であるハードコート層積層用の積層フィルムであることが好ましい。
[8] [1]〜[7]のいずれか1項に記載の積層フィルムは、屈折率が1.64以上2.10以下であるハードコート層を有することが好ましい。
[9] [8]に記載の積層フィルムは、前記ハードコート層、前記ポリマー層、前記ポリエステルフィルムをこの順で有することが好ましい。
[10] [8]または[9]に記載の積層フィルムは、前記積層フィルムのb*値が0.1以上1.0以下であることが好ましい。
(ここでb*値はL*a*b*表色系におけるb*値を表す。)
[11] [1]〜[10]のいずれか1項に記載の積層フィルムは、前記ポリマー層の厚さが50nm以上であることが好ましい。
[12] [1]〜[11]のいずれか1項に記載の積層フィルムは、前記粒子の平均粒子径が5nm以上130nm以下であることが好ましい。
[13] [1]〜[12]のいずれか1項に記載の積層フィルムは、前記粒子が、酸化錫または酸化ジルコニウムであることが好ましい。
[14] [1]〜[13]のいずれか1項に記載の積層フィルムは、前記粒子が、前記ポリマー層に含まれる固形分に対し、40質量%以上80質量%以下含まれることが好ましい。
[15] [1]〜[14]のいずれか1項に記載の積層フィルムは、前記ナフタレン骨格を有するポリエステルの数平均分子量が15000以上40000以下であることが好ましい。
[16] [1]〜[15]のいずれか1項に記載の積層フィルムは、前記ナフタレン骨格を有するポリエステルのガラス転移温度が80〜130℃であり、
前記ポリマー層は、ガラス転移温度が0〜80℃であるポリエステルをさらに有することが好ましい。
[17] [1]〜[16]のいずれか1項に記載の積層フィルムは、前記ポリマー層がさらに界面活性剤を有することが好ましい。
[18] [1]〜[17]のいずれか1項に記載の積層フィルムは、前記ポリマー層がさらに架橋剤を有することが好ましい。
[19] [1]〜[18]のいずれか1項に記載の積層フィルムと透明導電層とを有するタッチパネル。
本発明によれば、干渉ムラの発生が抑制され、かつ、良好な色味の積層フィルムを提供することができる。
図1は、本発明の積層フィルムの一例を示す断面図である。 図2は、本発明のハードコート層を有する積層フィルムの一例を示す断面図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートの両方を含む意味で使われる。
また、本発明において屈折率とは波長660nmでの値を表す。
[積層フィルム]
図1に示されるように、本発明の積層フィルム4は、ポリエステルフィルム1と、ポリマー層2とを含む。ポリマー層2はポリエステルフィルム1の少なくとも一方の面上に隣接して積層されていることが好ましい。ポリマー層2は、ナフタレン骨格を有するポリエステル(図示せず)と、粒子3とを含む。ここで、ポリマー層2の厚みは200nm以下であり、粒子3の平均粒子径はポリマー層2の厚みの0.65倍以下である。
また、本発明の積層フィルム4は下記式(I)を満たす。
式(I)|n−np|≦0.02
式(I)中nはポリマー層2の屈折率を表し、npはポリエステルフィルム1の屈折率を表す。
また、図2に示されるように、本発明の積層フィルム4がハードコート層5を有する場合には、積層フィルム4が、ハードコート層5、ポリマー層2、ポリエステルフィルム1をこの順で有することが好ましい。
ポリマー層とポリエステルフィルムの屈折率をほぼ同等とすることで干渉ムラの発生を抑制しつつも、ポリマー層の厚みを200nm以下とし、ポリマー層が有する粒子の平均粒子径をポリマー層の厚みの0.65倍以下とすることで、ポリマー層の表面の凹凸が低減され、光が散乱しにくくすることができ、色味の良好な積層フィルムとすることができる。
本発明における干渉ムラとは、フィルムを観察した際に斑状に見える虹色のムラを表す。干渉ムラは近年用いられることの多い、三波長蛍光灯下で特に見えやすい。干渉ムラが発生していると、積層フィルムをタッチパネル等に利用し、表示装置に組み込んだ際に視認性が落ちるため、干渉ムラの発生をできる限り抑制することが好ましい。
本発明における色味とは、フィルムを観察した際に黄色く色づいて見えてしまうことを表す。本発明では色味をL*a*b*表色系におけるb*値で表す。b*値は0.1以上1.0以下であることが好ましい。上記範囲とすることで、本発明の積層フィルムをタッチパネル等に利用し、表示装置に組み込んだ際に観察される画像の色づきが少なく、視認性を良好なものとすることができる。
b*値は0.1以上0.9以下であることが好ましく、0.1以上0.8以下であることが更に好ましい。
本発明におけるb*値はL*a*b*表色系において、コニカミノルタセンシング(株)製 分光測色計 CM−3600dを用いて透過モードで測定したb*値を表す。
以下、本発明の積層フィルムに用いられる部材について詳細に説明する。
(ポリエステルフィルム)
本発明の積層フィルムは、ポリエステルフィルムを含む。本発明に用いられるポリエステルフィルムは、後述するポリマー層を支持する支持体として機能することが好ましい。
本発明に用いられるポリエステルフィルムの屈折率npは、1.62以上1.71以下であることが好ましく、1.63以上1.68以下であることがより好ましい。
上記範囲とすることで、ポリエステルフィルムの透明性をより高くすることができる。また、他の層に対して屈折率を調整しやすくすることができる。
本発明に用いられるポリエステルフィルムの厚さは、30〜400μmであることが好ましく、50〜250μmであることがより好ましい。本発明に用いられるポリエステルフィルムは、1層のみのポリエステルフィルムであってもよいし、2層以上のポリエステルフィルムの積層体(例えば、共押出しフィルムなど)であってもよい。本発明に用いられるポリエステルフィルムが2層以上からなる場合、その合計厚さを上記範囲内とすることが好ましい。
本発明に用いられるポリエステルフィルムは、ポリエステルを主成分として含む。本発明におけるポリエステルを主成分として含むとは、樹脂成分の90質量%以上がポリエステルであることを意味する。樹脂成分の95質量%以上がポリエステルであることが好ましく、98質量%以上がポリエステルであることがより好ましい。ポリエステルの種類は特に制限されず、ポリエステルとして公知のものを使用することができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。中でも、コストや機械的強度の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることが好ましい。
本発明に用いられるポリエステルフィルムは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の添加剤を含んでいてもよい。例えば、酸化防止剤や紫外線防止剤を必要に応じて添加することができる。
本発明に用いられるポリエステルフィルムは2軸延伸されていることが好ましい。2軸延伸とは、フィルムの幅方向および長手方向をそれぞれ1軸とみなして両方向に延伸させることである。このように2軸延伸されたポリエステルフィルムは、フィルムの幅方向および長手方向それぞれでの分子配向が十分に制御されているため非常に優れた機械強度を有する。延伸倍率は特に制限されないが、一方向の延伸倍率が、未延伸の状態を1倍として、1.5〜7倍であることが好ましく、より好ましくは2〜5倍である。延伸倍率を1.5倍以上とすることで、機械的強度を高めることができ、7倍以下とすることでフィルムの厚さのばらつきを抑えやすくなる。特に、一方向あたりの延伸倍率を2〜5倍として2軸延伸させたポリエステルフィルムは、分子配向がより効率良くかつ効果的に制御されているので、非常に優れた機械強度を備え、本発明に用いられるポリエステルフィルムとして好適である。また、上記の範囲の倍率で2軸延伸することにより、ポリエステルフィルムの屈折率を上述の好ましい範囲に制御することができる。
本発明に用いられるポリエステルフィルムには、表面処理が施されていてもよい。この場合の表面処理としては、コロナ処理、火炎処理、真空プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、グロー放電処理などが挙げられる。ポリエステルフィルムの表面処理を行うことによって、後述するポリマー層との密着性を高めることができる。
(ポリマー層)
本発明の積層フィルムはポリマー層を含む。本発明に用いられるポリマー層は、ポリエステルフィルムと、後述するハードコート層等の機能層とを接着し易くする易接着層として機能することが好ましい。また、本発明に用いられるポリマー層は、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面上に形成されることが好ましい。
本発明に用いられるポリマー層の屈折率nは、前述したポリエステルフィルムの屈折率npに対し、|n−np|≦0.02である。本発明に用いられるポリマー層の屈折率を上記の範囲とすることで、干渉ムラの発生を低減することができる。
本発明に用いられるポリマー層の屈折率nは、具体的には1.63以上1.69以下であることが好ましく、1.63以上1.66以下であることがより好ましい。上記範囲とすることで、他の層に対して屈折率を調整しやすくすることができる。
本発明に用いられるポリマー層の厚さは200nm以下である。本発明に用いられるポリマー層の厚さは、求められる光学性能や易接着性等により決定される。本発明に用いられるポリマー層の厚さは50nm以上であることが好ましく、80nm以上であることがより好ましい。本発明に用いられるポリマー層の厚さを上記範囲とすることで、ポリマー層が易接着層として機能する際に易接着性を高めることができる。また、本発明に用いられるポリマー層の厚さは180nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましい。本発明に用いられるポリマー層の厚さを上記範囲とすることで、ポリマー層の面状をより良好な状態とすることができ、また、干渉ムラを抑制できる。
<ナフタレン骨格を有するポリエステル>
本発明に用いられるポリマー層は、ナフタレン骨格を有するポリエステルを含む。
本発明においてナフタレン骨格を有するポリエステルとは、ポリエステルを構成するモノマーとしてナフタレン骨格を有するモノマーが含まれることを表す。ナフタレン骨格を有するモノマーはジカルボン酸性分として含まれることが好ましく、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
本発明に用いられるナフタレン骨格を有するポリエステルを構成するモノマーとしては、ナフタレン骨格を有さないモノマーも、屈折率の調整等必要に応じて含むことができる。本発明に用いられるナフタレン骨格を有さないモノマーは、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられ、ジオール成分としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられる。
本発明に用いられるナフタレン骨格を有するモノマーがジカルボン酸成分の場合には、ナフタレン骨格を有するモノマー由来の構造単位がジカルボン酸成分中50モル%以上100モル%以下が好ましく、60モル%以上80モル%以下がより好ましい。
本発明に用いられるナフタレン骨格を有するポリエステルの数平均分子量は15000〜40000であることが好ましく、17000〜30000であることがより好ましく、18000〜25000であることがさらに好ましい。本発明に用いられるナフタレン骨格を有するポリエステルの数平均分子量を上記範囲内とすることにより、ポリマー層とポリエステルフィルムとの密着性、特に湿熱経時後の密着性を高めることができる。
本発明において、数平均分子量はGPC(Gel Permeation Chromatography)にて標準物質をポリスチレンとして測定した数平均分子量を表す。
本発明に用いられるナフタレン骨格を有するポリエステルの屈折率は1.60以上1.75以下であることが好ましく、1.60以上1.70以下であることがより好ましい。上記範囲とすることで、ポリマー層の屈折率を調整する際に、後述の粒子の添加量を少なくすることができ、ポリマー層が易接着層として機能する際の密着性を高めることができる。
本発明に用いられるナフタレン骨格を有するポリエステルの、ポリマー層中の含有量は、ポリマー層に含まれる全固形分量に対して、5質量%以上80質量%以下が好ましく、10質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<粒子>
本発明に用いられるポリマー層は粒子を含む。本発明に用いられる粒子によって、ポリマー層の屈折率を調整しやすくすることができる。本発明に用いられる粒子は1種類のみでもよく、2種類以上であってもよい。
本発明に用いられる粒子の屈折率は1.60以上3.00以下であることが好ましく、1.80以上2.80以下がより好ましく、1.90以上2.60以下であることがさらに好ましい。上記範囲とすることで、ポリマー層の屈折率を調整しやすくすることができる。
本発明に用いられる粒子の平均粒子径は、ポリマー層の厚みに対して0.65倍以下である。0.50倍以下であることがより好ましく、0.40倍以下であることがさらに好ましい。上記範囲とすることで、ポリマー層の表面に凹凸が形成されにくくなり、光の散乱を低減することができ、積層フィルムの色味を良好なものとすることができる。下限については特に限定されないが、0.05倍以上であることが好ましい。
本発明に用いられる粒子の平均粒子径は、具体的には5nm以上130nm以下が好ましい。5nm以上100nm以下がより好ましく、5nm以上80nm以下がさらに好ましい。130nm以下とすることで、光が粒子で散乱される影響が小さくなり、5nm以上とすることで、粒子同士が凝集せず巨大化しにくくできる。
本発明における粒子の平均粒子径は、粒子の水分散物を用いて、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置 LA910(株式会社 堀場製作所製)を用いて測定し、メジアン径で表記した。
また、本発明の積層フィルムを製造した後に、本発明の積層フィルムのポリマー層に含まれる粒子の平均粒子径は、ポリマー層のみを溶媒に溶解させたのち、ポリマー層に含まれていた粒子の水分散物を調製してから、上記装置を用いて測定することができる。
本発明における粒子は、ポリマー層の固形分に対して、40質量%から80質量%含まれることが好ましい。45〜75質量%であることが好ましく、50〜70質量%であることがより好ましい。上記範囲とすることで、ポリマー層の屈折率を調整しやすくするとともに、ポリマー層から粒子があふれ出さず、ポリマー層の表面の凹凸を形成しにくくできる。
本発明に用いられる粒子としては、例えば、導電性の金属粒子や金属酸化物粒子等が挙げられ、金属酸化物粒子が好ましい。
導電性の金属粒子としては、アンチモン、セレン、チタン、タングステン、スズ、亜鉛、インジウム等の粒子が挙げられる。
金属酸化物粒子としては、酸化錫、酸化ジルコニウムおよび酸化チタンのいずれかを主成分として含む粒子を挙げることができる。ここで本発明における酸化錫、酸化ジルコニウムおよび酸化チタンのいずれかを主成分として含む粒子とは、粒子に含まれる、酸化錫、酸化ジルコニウムおよび酸化チタンのいずれかの配合量が80質量%以上である粒子をいう。
この中でも、酸化錫または酸化ジルコニウムを用いることが好ましい。
酸化錫としては、SnO2の組成を持つ酸化錫(IV)が好ましく用いられる。酸化錫を用いる場合には、酸化錫にアンチモン等をドープしたものを使用すると、導電性を有するために積層フィルムの表面抵抗率を低下させてゴミ等の不純物が付着するのを防止する効果が得られるので好ましい。このようなアンチモンをドープした酸化錫は市販されているものも用いることができ、FS−10D、SN−38F、SN−88F、SN−100F、TDL−S、TDL−1(いずれも、石原産業(株)製)等が挙げられる。
一方、タッチパネルの誤動作を防ぐために、導電性を有さない無機酸化物微粒子が好ましく用いられる場合がある。たとえば、酸化錫にアンチモン等をドープせず、表面抵抗を低下させないように作製した酸化錫は好適に用いることができる
また、リンをドープした酸化錫(例えば、三菱マテリアル電子化成株式会社製、EP SPDL−2、粒径130nmのPドープSnOの水分散液)等が挙げられる。
これらの中でも、本発明では酸化錫として、アンチモンをドープしていない酸化錫を用いることが特に好ましい。
酸化ジルコニウムは、ZrO2の組成を持ち、例えば、NZS−20A、NZS−30A、OZ−S30K(いずれも、日産化学工業(株)製)やSZR−CW(堺化学工業(株)製)が挙げられ、これらも本発明に好適に用いることができる。
酸化チタンとしては、TiO2の組成を持つ酸化チタン(IV)が好ましく用いられる。酸化チタンは、結晶構造の違いによりルチル型(正方晶高温型)やアナターゼ型(正方晶低温型)等が存在するが、特に限定されるものではない。また、表面処理が施された酸化チタンであっても良い。本発明に用いられる酸化チタンとしては、例えば、IT−S、IT−O、IT−W(いずれも、出光興産(株)製)、TTO−W−5(石原産業(株)製)等が挙げられ、本発明でも好適に用いることができる。
本発明に用いられる粒子の形状は、針状でも球状でもよいが、球状が好ましい。なお、本発明に用いられる粒子の形状が完全な球状ではない場合にも上述の方法で粒子の平均粒子径を測定することができるが、粒子の形状が完全な球状ではない場合であって上記測定方法で測定することが難しい場合は、本発明ではそのような形状の粒子に外接する円の直径をもって粒子径と判断することができる。
<その他の部材>
本発明に用いられるポリマー層は、必要に応じて上述した部材以外の部材を含んでいてもよい。以下に例示して説明する。
<<第2のポリエステル>>
本発明に用いられるポリマー層は、前述したナフタレン骨格を有するポリエステル以外に、第2のポリエステルをさらに含んでいてもよい。
また、ポリマー層が第2のポリエステルを含む際には、ナフタレン骨格を有するポリエステルのガラス転移温度Tgを80〜130℃とし、第2のポリエステルのガラス転移温度Tgを0〜80℃とすることも好ましい。
TgとTgを上記範囲とすることで、ポリマー層と他の層、特に後述するハードコート層との密着性を高めることができる。
Tg1は、90〜120℃であることが好ましく、100〜115℃であることがより好ましい。また、Tg2は、20〜70℃であることが好ましく、30〜60℃であることがより好ましい。
Tg1−Tg2は、20℃以上であることが好ましく、40℃以上であることがより好ましい。Tg1−Tg2を上記下限値以上とすることにより、より効果的に密着性を高めることができる。
本発明において、ガラス転移温度は、DSC(Differential Scanning Calorimetry)にて以下のように測定したガラス転移温度を表す。
ポリエステルを10mg秤量し、アルミパンにセットする。昇温速度10℃/minで、室温から300℃まで昇温し急冷、再び10℃/minで昇温しDSC曲線を得る。得られたDSC曲線が屈曲する温度をガラス転移温度とする。
第2のポリエステルは、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸およびスルホイソフタル酸ナトリウムのいずれか、またはその複数を含んでいてもよい。
第2のポリエステル樹脂は、ジオール成分としてトリエチレングリコールを含んでもよい。トリエチレングリコールは、第2のポリエステルを用いて形成したポリマー層の接着性を高めることができる。
トリエチレングリコールの含有率は、第2のポリエステル樹脂の全ジオール成分に対して10〜50モル%である。トリエチレングリコールの含有率は、10〜50モル%であれば良く、15〜45モル%であることが好ましく、20〜40モル%であることがより好ましい。
第2のポリエステルの数平均分子量は、15000〜40000であることが好ましい。第2のポリエステルの数平均分子量は、17000〜30000であることが好ましく、18000〜25000であることがさらに好ましい。第2のポリエステルの数平均分子量を上記範囲内とすることにより、ポリマー層とポリエステルフィルムとの密着性、特に湿熱経時後の密着性を高めることができる。
ポリマー層中に含まれるナフタレン骨格を有するポリエステルの含有率をPとし、第2のポリエステルの含有率をQとした場合、P:Q=20:80〜80:20であることが好ましく、 30:70〜70:30であることがより好ましく、40:60〜60:40であることがさらに好ましい。P:Qを上記範囲内とすることにより、良好な接着性を得ることができる。
<<バインダー>>
本発明に用いられるポリマー層は、ポリエステルフィルムに対する接着性をさらに良好なものにするために、バインダーとしてポリオレフィン、アクリル、ポリウレタンまたはゴム系樹脂等を含有しても良い。
本発明に用いられるバインダーのポリマー層中の含有量としては、ポリマー層の全固形分に対し、0.5質量%以上40質量%以下が好ましく、1.5質量%以上30質量%以下がより好ましい。
ポリオレフィンは、極性基を有するポリオレフィンのアイオノマーとして、カルボキシル基等の極性基を有するものが好ましい。有機溶剤に溶解して用いても良いし、水分散物を用いてもよい。ただし、環境負荷が小さいことから、水分散物を用いて水系と付することが好ましい。水分散物としては市販のものを用いればよく、特に限定されるものではないが、本発明に好ましく用いることができるものとしては、例えば、ケミパールS75N(三井化学(株)製)、アローベースSE1200、アローベースSB1200(以上、ユニチカ(株)製)、ハイテックS3111、S3121(以上、東邦化学(株)製)等が挙げられる。ポリオレフィンは1種類のみ含まれていてもよいし、2種類以上含まれていてもよい。
アクリルとしては、メタクリレートおよびエチルアクリレートおよびその他の共重合成分を含むアクリルが好ましく、特開2012−101449号公報の段落[0145]〜[0146]に記載のものなどを利用することができる。また、市販品を用いてもよく、具体的には、ダイセルファインケム(株)製AS−563A、(会社名)製(製品名)等が挙げられる。
アクリルは、ガラス転移温度が−50〜120℃であることが好ましく、−30〜100℃であることがより好ましい。アクリルの重量平均分子量は3000〜1000000のものが好ましい。
ポリウレタンとしては、ポリオール、ポリイソシアネート、鎖長延長剤、架橋剤等で構成されるものが好ましく、特開2012−056220号公報の段落[0035]に記載のものなどを利用することができる。
<<架橋剤>>
本発明に用いられるポリマー層は、架橋剤を含有していてもよい。架橋剤の例としては、エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等の架橋剤を挙げることができる。これらの中でも、カルボジイミド系架橋剤およびオキサゾリン系架橋剤が好ましい。
カルボジイミド系架橋剤としては、分子内にカルボジイミド構造を複数個有する化合物が好ましい。このような化合物を含むことにより、ハードコート層を設けたときの、ハードコート層とポリマー層の密着性が向上する傾向にある。分子内に複数のカルボジイミド基を有する化合物は、特に制限なく使用することができる。ポリカルボジイミドは、通常、有機ジイソシアネートの縮合反応により合成されるが、この合成に用いられる有機ジイソシアネートの有機基は特に限定されず、芳香族系、脂肪族系のいずれか、あるいはそれらの混合系も使用可能である。反応性の観点からは脂肪族系が特に好ましい。合成原料としては、有機イソシアネート、有機ジイソシアネート、有機トリイソシアネート等が使用される。有機イソシアネートの例としては、特開2009−220316号公報の段落[0024]に記載のものなどを利用することができる。
また、本発明に用いられるカルボジイミド系架橋剤は市販品を用いてもよく、具体的には、日清紡(株)製、カルボジライトV−02−L2等があげられる。
オキサゾリン系架橋剤としては、特開2012−231029号公報の段落[0078]等に記載のものを用いることができる。また、市販品を用いてもよく、日本触媒化学工業(株)製エポクロスK2010E、同K2020E、同K2030E、同WS500、同WS700等が挙げられる。
本発明に用いられる架橋剤は、ポリマー層の固形分の合計量に対して0.5〜50質量%の範囲で添加することが好ましく、より好ましくは1〜30質量%の範囲で添加することである。添加量を1質量%以上とすることにより、ポリマー層に含まれる粒子の剥落を効果的に防止ができる。一方で、添加量を50質量%以下とすると、面状がより向上する傾向にある。架橋剤は2種類以上を含んでいてもよく、2種類以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<マット剤>>
本発明に用いられるポリマー層は、積層フィルムのすべり性改良のためにマット剤を含んでいてもよい。
マット剤としては、有機または無機微粒子のいずれも使用することができる。例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のポリマー微粒子や、シリカ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等の無機微粒子を用いることができる。これらの中で、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリカは、すべり性改良効果やコストの観点から好ましい。
これらの粒子は、粒子単体で用いてもよく、コロイダルシリカのように、水等の分散媒に分散したコロイドとして用いてもよい。市販品としては、例えばスノーテックスXL(日産化学工業(株)製)などが挙げられる。
また、マット剤は2種類以上含んでいてもよい。
マット剤の平均粒子径は、0.03〜1μmが好ましく、0.05〜0.5μmがより好ましい。マット剤の平均粒子径を0.03μm以上とすることにより、すべり性改良効果が効果的に発揮され、平均粒子径を1μm以下とすることにより、積層フィルムをタッチパネル等表示装置に組み込んだ際の表示品位の低下を抑制できる傾向にある。
また、マット剤の平均粒子径は、前述のポリマー層が有する粒子の平均粒子径と同様に、ポリマー層の厚さの0.65倍以下とすることも好ましい。
0.50倍以下であることがより好ましく、0.40倍以下であることがさらに好ましい。上記範囲とすることで、ポリマー層の表面に凹凸が形成されにくくなり、より光の散乱を低減することができ、積層フィルムの色味をさらに良好なものとすることができる。
なお、本発明におけるマット剤の平均粒子径は、前述のポリマー層が有する粒子の平均粒子径と同様の方法により測定される値である。
<<界面活性剤>>
本発明に用いられるポリマー層は、ポリマー層の表面にハードコート層等の機能層を塗布等した際の、ハジキ等を軽減するために界面活性剤を有していてもよい。
界面活性剤としては、公知のアニオン系、ノニオン系、カチオン系のものが挙げられ、アニオン系、ノニオン系が好ましく用いられる。界面活性剤については、例えば、「界面活性剤便覧」(西 一郎、今井 怡知一郎、笠井 正蔵編 産業図書(株)1960年発行)に記載されている。
市販のアニオン系界面活性剤としては、例えば、ラピゾールA−90、ラピゾールA−80、ラピゾールBW−30、ラピゾールB−90、ラピゾールC−70(日本油脂(株)製)、NIKKOL OTP−100(日光ケミカル(株)製)、コハクールON、コハクールL−40、フォスファノール702(東邦化学工業(株)製)、ビューライトA−5000、ビューライトSSS(三洋化成工業(株)製)等を挙げることができる。
市販のノニオン系界面活性剤としては、例えば、ナロアクティーCL−95(三洋化成工業(株)製)、リソレックス BW400(高級アルコール工業(株)製)、EMALEX ET−2020(日本エマルジョン(株)製)、ユニルーブ 50MB−26、ノニオン IS−4(日油(株)製)等を挙げることができる。
<<帯電防止剤>>
本発明に用いられるポリマー層は、ポリマー層が静電気等により帯電すること防ぐために帯電防止剤を有していてもよい。
帯電防止剤の種類等は特に限定されるものではないが、例えば、ポリアニリン、ポリピロール等の電子伝導系のポリマー、分子鎖中にカルボキシル基やスルホン酸基を有するイオン伝導系ポリマー、導電性微粒子等が挙げられる。これらのうち、特に特開昭61−20033号公報に記載されている導電性酸化錫微粒子は、導電性と透明性の観点から好ましく用いることができる。
帯電防止剤の添加量は、25℃、相対湿度30%雰囲気で測定したポリマー層の表面抵抗率が、1×10Ω以上1×1013Ω以下となるように添加することが好ましい。表面抵抗率を1×10Ω以上とすると帯電防止剤の添加量を低く抑えることができ、積層フィルムの透明性が向上する傾向にあり、1×1013Ω以下とすることにより、ゴミがより付着しにくくなる傾向にある。
<<すべり剤>>
本発明に用いられるポリマー層は、層表面の滑性を得るために、すべり剤として脂肪族ワックスを含有させることが好ましい。
脂肪族ワックスの具体例としては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、パームワックス、ロジン変性ワックス、オウリキュリーワックス、サトウキビワックス、エスパルトワックス、バークワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウ、セラックワックス等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックス等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス、フィッシャートロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックスを挙げることができる。この中でも、ハードコート層や粘着剤等に対する易接着性と滑性が良好なことから、カルナバワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスが特に好ましい。これらは環境負荷の低減が可能であることおよび取扱のし易さから水分散体として用いることも好ましい。市販品としては例えばセロゾール524(中京油脂(株)製)などが挙げられる。
<製造方法>
本発明に用いられるポリマー層は、塗布により形成されることが好ましい。また、ポリエステルフィルムの表面上に形成されることが好ましい。塗布方法としては、特に制限はなく、バーコーター塗布、スライドコーター塗布等の公知の方法を用いることができる。
本発明に用いられるポリマー層を塗布する際には溶媒(塗布溶媒)を用いることができる。塗布溶媒としては、水、トルエン、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン等、およびこれらの混合系等の水系、有機溶剤系の塗布溶剤を用いることができる。これらのうちで水を塗布溶媒として用いる方法はコスト、製造の簡便さを考えると好ましい。
本発明に用いられるポリマー層を塗布により作製した場合は、乾燥させることによって硬化させることが好ましい。また、本発明のポリマー層は2層以上積層してもよく、その場合は、第2層目以降を塗布した後に乾燥させて硬化させることが好ましい。
(その他の層)
本発明の積層フィルムは、上述した部材の他に必要に応じて剥離層、ハードコート層、光学調整層、ガスバリア層、ITO電極等の透明電極層、プリズム層、反射防止層等他の層を設けてもよい。以下に例示して説明する。
<剥離層>
本発明の積層フィルムのポリマー層の表面には、さらに剥離層が形成されていてもよい。ポリマー層は粘着性を有しているため、露出していると意図しない物品と粘着してしまったり、ポリマー層自体が劣化してしまったりするおそれがある。このため、ポリマー層を物理的および化学的に保護するために、ポリマー層の表面に剥離層を設けておき、ポリマー層上に他の部材を積層する際に剥離層を剥離してポリマー層を露出させたうえで、他の部材を積層させることができる。
剥離層としては、例えば、各種プラスチックフィルムにシリコーン等の剥離剤を塗布して剥離剤層を形成したもの、ポリプロピレンフィルム単体などが挙げられ、通常の粘着シート用の剥離シートとして用いられているものを利用することができる。
<ハードコート層>
本発明の積層フィルムは、ハードコート層を有していてもよく、その場合、前述したポリエステルフィルムと前述したポリマー層はハードコート層を支持する支持体として機能することも好ましい。本発明の積層フィルムがハードコート層を有する場合、ハードコート層、ポリマー層、ポリエステルフィルムの順に積層されていることが好ましい。
また、前述したポリマー層はポリエステルフィルムの表面上に配置され、ハードコート層はポリマー層のポリエステルフィルムとは反対の表面上に配置されている構成も好ましい。また、ハードコート層は前述したポリマー層と隣接していることが、干渉ムラの発生を低減する観点から好ましい。
本発明に用いられるハードコート層の屈折率は、1.64以上2.10以下が好ましく、1.65以上2.00以下がより好ましく、1.66以上1.80以下がさらに好ましい。ハードコート層の屈折率nHCは、ポリマー層の屈折率をnとしたとき、|nHC―n|≦0.05を満たすことが好ましい。
ハードコート層の屈折率を上記範囲とすることで、本発明の積層フィルムタッチパネル等に用いた場合に、干渉ムラを低減できる。
本発明に用いられるハードコート層の厚さは特に限定されない。必要な鉛筆硬度等各種物性に応じて適宜調整することができる。
本発明に用いられるハードコート層としては、耐薬品性、耐傷性に強い硬化性樹脂から主として構成されるものであることが好ましい。このような硬化性樹脂としては、電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂などある。この中でも、積層フィルムに対して、層形成作業が容易で且つ鉛筆硬度を所望の値に容易に高めやすい電離放射線硬化型樹脂であることが好ましい。
上述した本発明に用いられるハードコート層の形成に用いる電離放射線硬化型樹脂としては、特開2004−98324号公報の段落[0041]〜[0048]に記載のものを好ましく用いることができる。
また、市販の紫外線硬化樹脂を用いることもでき、具体的にはJSR(株)製Z7410B等が挙げられる。
本発明に用いられるハードコート層には、紫外線吸収剤を含有させてもよい。これによって、積層フィルムの紫外線劣化を防止し、長期間視認性を保持することができる。紫外線吸収剤の種類は特に限定されず各種公知のものを利用できる。紫外線吸収剤の添加量は、ハードコート層を形成する樹脂に対し、0.1〜10質量%が好ましい。0.1質量%以上とすることにより、紫外線劣化防止効果が十分に発揮され、10質量%以下とすることにより、耐摩耗性や耐擦傷性の低下をより効果的に抑制できる。紫外線吸収剤の添加方法は、溶剤に分散して添加する方法が好ましい。
本発明に用いられるハードコート層は、ハードコート層の屈折率を上述の好ましい範囲に調整する目的で粒子を有していてもよい。粒子の例としては、前述のポリマー層が有する粒子と同様である。その中でも、上記の好ましい範囲に屈折率を調整する観点からは、酸化ジルコニウム粒子を用いることが好ましい。
本発明に用いられるハードコート層は、塗布により形成されることが好ましい。また、上述した本発明に用いられるポリマー層の表面上に形成されることが好ましい。塗布方法としては、特に制限はなく、バーコーター塗布、スライドコーター塗布等の公知の方法を用いることができる。この場合、塗布液の固形分濃度は30〜70質量%、さらには40〜60質量%が好ましい。
本発明に用いられるハードコート層は、層状に積層した後硬化させることが好ましい。硬化方法としては、ハードコート層の材料に応じた硬化方法を採用でき、例えば、電離放射線硬化型樹脂であれば、電離放射線照射によって硬化させることができる。
<光学調整層>
本発明の積層フィルムは、タッチパネル等に利用した際に、透明電極層との屈折率の差を調整するための光学調整層を有していてもよい。
本発明の積層フィルムがハードコート層を有している場合には、光学調整層はハードコート層の表面上に隣接して積層することが好ましい。
光学調整層を設けることにより、透明電極層との屈折率の差を調整し、前述のITO骨見えを低減することができる。
光学調整層の製造方法としては、膜厚の制御が可能であればいかなる製膜方法でもよく、例えば特開2012−206307号公報に記載の方法を用いることができる。
[タッチパネル]
本発明のタッチパネルは、上述した本発明の積層フィルムと透明電極層とを含む。
本発明のタッチパネルに用いることができる透明電極層としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズのいずれか、または、それらの2種類もしくは3種類の混合酸化物、さらには、その他添加物が加えられた物などが挙げられるが、目的・用途により種々の材料が使用でき、特に限定されるものではない。現在のところ、最も信頼性が高く、多くの実績のある材料は酸化インジウムスズ(ITO)である。
透明電極層の製造方法としては、膜厚の制御が可能であればいかなる成膜方法でもよく、例えば特開2012−206307号公報に記載の方法を用いることができる。
本発明のタッチパネルは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRTディスプレイ、電子ペーパー等の表示装置等に組み込むことで、入力デバイスとして利用することができる。本発明のタッチパネルを利用することで、干渉ムラの発生が抑制され、かつ、良好な色味のタッチパネルとすることができる。
タッチパネルの構成については、抵抗膜型、静電容量型などがあり、静電容量型の入力装置は、単に一枚の基板に透光性導電膜を形成すればよいという利点があるため、静電容量型であることが好ましい。かかる静電容量型の入力装置では、例えば、前記透明電極層として互いに交差する方向に電極パターンを延在させて、指などが接触した際、電極間の静電容量が変化することを検知して入力位置を検出するタイプのものを好ましく用いることができる。このようなタッチパネルの構成については、例えば、特開2010−86684号公報、特開2010−152809号公報、特開2010−257492号公報等の記載を参酌できる。
タッチパネルを構成要素として備えた画像表示装置の構成については、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日発行(株)テクノタイムズ)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004,12)、FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に開示されている構成を適用することができる。
また、タッチパネルを組み込むことができる液晶ディスプレイの構成については、特開2002−48913号公報等の記載も参酌できる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(ポリエステルの合成)
<ポリエステルX−1の合成>
酸性分として、2,6−ナフタレンジカルボン酸64モル%、テレフタル酸14モル%、5−スルホイソフタル酸ナトリウム22モル%、ジオール成分として、エチレングリコール73モル%、ジエチレングリコール27モル%、触媒として、酢酸亜鉛、三酸化アンチモンを反応容器に仕込み、220℃で3時間エステル化反応を行った。続いて250℃、0.1mHgの減圧化で重縮合反応を3時間行い、ポリエステルX−1を合成した。X−1のガラス転移温度は110℃、数平均分子量は24000、屈折率は1.63であった。
<ポリエステルX−2の合成>
酸性分として、テレフタル酸が70モル%、イソフタル酸が17モル%、5−スルホイソフタル酸ナトリウムが13モル%、ジオール成分として、エチレングリコール84モル%、ジエチレングリコール16モル%に変更した他は、X−1と同様の方法でポリエステルX−2を合成した。X−2のガラス転移温度は、69℃、数平均分子量は23000、屈折率は1.57であった。
<ポリエステルY−1の合成>
酸性分として、テレフタル酸が70モル%、イソフタル酸が25モル%、5−スルホイソフタル酸ナトリウムが5モル%、ジオール成分として、エチレングリコール40モル%、ジエチレングリコール30モル%、トリエチレングリコール30%に変更した他はX−1と同様の方法でポリエステルY−1を合成した。Y−1のガラス転移温度は、45℃、数平均分子量は20000、屈折率は1.56であった。
上記合成した各ポリエステルの組成、ガラス転移温度、数平均分子量、屈折率を表1に示した。
Figure 2014113753
(実施例1)
<ポリエステルフィルムの作製>
三酸化アンチモンを触媒として重縮合した固有粘度0.66のポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す)を含水率50ppm以下に乾燥させた後、ヒーター温度が280〜300℃に設定された押し出し機内で溶融させた。次に、この溶融させたPET樹脂をダイ部より静電印加されたチルロール上に吐出させて、非結晶フィルムを得た。続けて、この非結晶フィルムを、フィルムの長手方向に対して2.9倍に延伸後、フィルムの幅方向に対して4.0倍に延伸することで2軸延伸を施した厚さ125μmのポリエステルフィルムを作製した。なお、作製したポリエステルフィルムの屈折率npは1.66であった。
<積層フィルム1の作製>
上記作製したポリエステルフィルムの一方の面に、グロー放電処理を施した。表2の乾膜塗布量になるように、バーコーターでポリマー層用塗布液をポリエステルフィルムのグロー放電処理面の上に塗布、165℃で2分間乾燥を行い、ポリマー層を得た。
ポリマー層の厚さは130nm、屈折率は1.65、粒子の平均粒子径/ポリマー層の厚さの値は0.46であった。
(実施例2〜4および比較例1〜3)
上記積層フィルム1の作製において、ポリマー層を下記表2に示した組成に変更した以外は、積層フィルム1の作製と同様にして、実施例2〜4、比較例1〜3の積層フィルム2〜7を作製した。
上記実施例および比較例の積層フィルム1〜7のポリマー層の組成、厚さ、屈折率、粒子の平均粒子径/ポリマー層の厚さの値を下記表2に示した。
なお、下記表2中、平均粒子径130nmの酸化錫粒子は三菱マテリアル電子化成(株)製、EP SPDL−2を表す。
Figure 2014113753
<ハードコート層を有する積層フィルムの作製>
上記実施例および比較例の積層フィルム1〜7のポリマー層の表面に隣接してハードコート層が形成されるように、下記組成のハードコート層用塗布液をバーコート法によりwet厚さが約2μmとなるように塗布した。90℃で1分乾燥した後に、高圧水銀灯を用いて照射量1600mJ/cm2で紫外線を照射することにより樹脂を硬化させた。これによりポリマー層の表面上にハードコート層を作製し、ハードコート層を有する積層フィルム101〜107を作製した。ハードコート層の厚さは1μm、屈折率は1.64であった。
・紫外線硬化樹脂 100質量部
(JSR(株)製、Z7410B)
・無機微粒子 20質量部
(酸化ジルコニウム、日産化学工業(株)製、OZ−S30K)
上記実施例および比較例の積層フィルムの干渉ムラの程度、色味、初期密着性、湿熱経時後の密着性を評価した結果を下記表3に示した。
また、各評価項目の評価条件を以下に示した。
(積層フィルムの干渉ムラの評価)
ハードコート層を有する積層フィルム101〜107を、黒色ドスキン布を張り合わせた机上においてから、乳白色のアクリル板を通した三波長蛍光灯の拡散光を積層フィルムのハードコート層側に照射し、発生する反射光を目視により観察した。そして、このとき観察される虹色の干渉ムラを目視で観察することにより、下記の評価基準でランク付けを行い、積層フィルムの干渉ムラを評価した。また、目視観察にあたり、強制条件評価として各フィルムに対して黒化処理を行い、500nm光の透過率を1%以下となるように調整したものも別途評価した。なお、黒化処理としては、試料のうち観察する面とは反対面(積層フィルムのハードコート層とは反対の面)に、マジックインキ(artline 油性マーカー補充インキ KR−20クロ、shachihata(株)製)を塗工した後、これを乾燥させた。
A:黒化処理後の試料および未処理の試料の双方において、虹色干渉ムラが目視で確認されない。
C:黒化処理後の試料および未処理の試料の双方において、虹色干渉ムラが目視で確認される。
(積層フィルムの色味の評価)
ハードコート層を有する積層フィルム101〜107において、分光測色計(コニカミノルタセンシング(株)製 CM−3600d)を用いて、透過モードでb*値の測定を行った。b*値はL*a*b*表色系におけるb*の値を表し、値が大きいほどフィルムの透過光が黄色味を帯びていることを表す。
(積層フィルムの初期密着性の評価)
ハードコート層を有する積層フィルム101〜107の表面に片刃カミソリを用いて縦、横それぞれ1mm間隔でキズを11本ずつつけて100個の桝目を形成した。次いで、この上にセロハンテープ(商標:ニチバン(株)製405番、24mm幅)を貼り付けて、その上からケシゴムでこすって完全に付着させた後、テープをハードコート層に対して90℃方向に瞬間的に引っ張ることにより剥離させて、剥離した桝目の数を求めることにより、積層フィルムのポリマー層と、ハードコート層との間での密着性を評価した。
(積層フィルムの湿熱経時後の密着性の評価)
ハードコート層を有する積層フィルム101〜107を80℃相対湿度10%、65℃相対湿度95%の環境条件下で500時間保持した後、25℃相対湿度60%の環境下において1時間調湿した後、前述した積層フィルムの初期密着性の評価と同様の方法で、積層フィルムのポリマー層と、ハードコート層との間での湿熱経時後の密着性を評価した。評価方法も前述した積層フィルムの初期密着性と同様とした。
Figure 2014113753
実施例1の積層フィルム1を用いた積層フィルム101と、比較例1の積層フィルム4を用いた積層フィルム104を比較すると、ポリマー層の厚みに対するポリマー層が有する粒子の平均粒子径が、積層フィルム101では0.65倍以下の0.46であるのに対し、積層フィルム104では0.65倍を超える0.99であり、積層フィルム101の方が色味がよいことがわかる。
一方、積層フィルム101と、比較例3の積層フィルム6を用いた積層フィルム106を比較すると、ポリマー層が有する粒子の平均粒子径は変わらないものの、ポリマー層の厚さが異なっており、ポリマー層の厚みに対するポリマー層が有する粒子の平均粒子径が変わることで、積層フィルム101の方が色味がよいことがわかる。
このことから、色味に対してはポリマー層が有する粒子の平均粒子径自体よりも、ポリマー層が有する粒子の平均粒子径/ポリマー層の厚さの値の方が重要であることがわかった。
実施例1の積層フィルム1を用いた積層フィルム101と、比較例2の積層フィルム5を用いた積層フィルム105を比較すると、ポリマー層が有するポリエステルが、積層フィルム101ではナフタレン骨格を有しているのに対し、積層フィルム105ではナフタレン骨格を有さず、|n−np|≦0.02について、積層フィルム101では満たし、積層フィルム105では満たさず、積層フィルム101の方が干渉ムラの発生が低減されていることが分かる。
[実施例11〜14:タッチパネルの作製]
実施例1〜4で得られたハードコート層付きの積層フィルム上に、ITOを20nmの厚みになるようスパッタリング法により形成した。フォトリソグラフィーによりストライプ電極を作製しタッチパネルを作製した。本実施例で作製したタッチパネルは、干渉ムラ、色味に優れるものであった。
本発明によれば、干渉ムラの発生が抑制され、かつ、良好な色味の積層フィルムを提供することができる。このため、本発明の積層フィルムは、タッチパネルに特に好適に用いられ、産業上の利用可能性が高い。
1 ポリエステルフィルム
2 ポリマー層
3 粒子
4 積層フィルム
5 ハードコート層

Claims (19)

  1. ポリマー層と、ポリエステルフィルムとを有し、
    前記ポリマー層はナフタレン骨格を有するポリエステルと、粒子とを有し、
    前記ポリマー層の厚さは200nm以下であり、
    前記粒子の平均粒子径は前記ポリマー層の厚さの0.65倍以下であり、
    下記式(I)を満たす積層フィルム。
    式(I) |n−np|≦0.02
    (式(I)中nは前記ポリマー層の屈折率を表し、npは前記ポリエステルフィルムの屈折率を表す。)
  2. 前記粒子の屈折率が1.60以上3.00以下である請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記粒子が金属酸化物粒子である請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 前記ポリマー層の屈折率が1.63以上1.69以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  5. 前記ポリエステルフィルムの屈折率が1.62以上1.71以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  6. 前記ナフタレン骨格を有するポリエステルの屈折率が1.60以上1.75以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  7. 前記積層フィルムが、屈折率1.64以上2.10以下であるハードコート層積層用の積層フィルムである請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  8. 屈折率が1.64以上2.10以下であるハードコート層を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  9. 前記ハードコート層、前記ポリマー層、前記ポリエステルフィルムをこの順で有する請求項8に記載の積層フィルム。
  10. 前記積層フィルムのb*値が0.1以上1.0以下である請求項8または9に記載の積層フィルム。
    (ここでb*値はL*a*b*表色系におけるb*値を表す。)
  11. 前記ポリマー層の厚さが50nm以上である請求項1〜10のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  12. 前記粒子の平均粒子径が5nm以上130nm以下である請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  13. 前記粒子が、酸化錫または酸化ジルコニウムである請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  14. 前記粒子が、前記ポリマー層に含まれる固形分に対し、40質量%以上80質量%以下含まれる請求項1〜13のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  15. 前記ナフタレン骨格を有するポリエステルの数平均分子量が15000以上40000以下である請求項1〜14のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  16. 前記ナフタレン骨格を有するポリエステルのガラス転移温度が80〜130℃であり、
    前記ポリマー層は、ガラス転移温度が0〜80℃であるポリエステルをさらに有する請求項1〜15のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  17. 前記ポリマー層がさらに界面活性剤を有する請求項1〜16のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  18. 前記ポリマー層がさらに架橋剤を有する請求項1〜17のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の積層フィルムと透明導電層とを有するタッチパネル。
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