JP2014235233A - 防眩性反射防止フィルム - Google Patents

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圭祐 内田
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Abstract

【課題】画像鮮明性に優れ、面ぎらを低下させ、且つ偏光素子上に配置して表示画面を斜めから観察してもニジムラが生じない、防眩性反射防止フィルムを提供する。
【解決手段】透明基材フィルム上に防眩性ハードコート層、高屈折率層、及び低屈折率層が積層される。防眩性ハードコート層は、活性エネルギー線硬化型樹脂及び光重合開始剤を含むバインダーと、該バインダーとの屈折率差が0〜0.02で、平均粒子径が1〜6μmの透光性有機微粒子とを含む。透光性有機微粒子を、活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対して35〜55質量部含有する。透明基材フィルムは、該フィルムの面内において最も屈折率が大きい方向(遅相軸方向)の屈折率(nx)と、遅相軸方向と直交する方向(進相軸方向)の屈折率(ny)との差(nx−y)が0.07〜0.20の、配向ポリエステルフィルムである。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば各種ディスプレイの観察者側の表面に、直接的に又は間接的に貼付して用いられる防眩性反射防止フィルム、特に反射防止性能が良好であると共に、液晶表示装置に色の異なるムラ(以下、「ニジムラ」ともいう)が観察されず、画像鮮明性に優れ、さらにシンチレーション(面ぎら)を低下させた防眩性反射防止フィルムに関する。
現在、ディスプレイに直接触れることにより、情報を入力できるデバイスとしてタッチパネルが用いられている。これは光を透過する入力装置を液晶表示装置等の各種ディスプレイ上に配置したものであり、ディスプレイの表示に対し直接入力できる。これらタッチパネルの代表的な形式のひとつとして、透明電極基板2枚を透明電極層が向かい合うように配置した抵抗膜式タッチパネルがある。
抵抗膜式タッチパネル用の透明電極基板として、ガラスやフィルム等の基板上に、ITOや酸化亜鉛等の金属酸化物による透明電極層を積層したものが一般的に用いられている。このようにして得られた透明電極基板は、界面が多く存在しそれぞれの界面での反射が生じるため、結果として透過率の著しい減少や、視認性の低下という欠点がある。
この問題を解決するために、防眩性ハードコート層上に減反射層を積層した防眩性反射防止フィルムが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この防眩性反射防止フィルムによれば、耐ペン摺動性、耐擦傷性及び耐摩耗性を向上させた減反射層を用いることにより、減反射層に生じる傷を抑制し、ディスプレイの視認性を向上させることができる。
一方、透明基材フィルム上に、防眩性ハードコート層、高屈折率層、低屈折率層をこの順に積層した防眩性反射防止フィルムも提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2004−86196号公報 特開2010−186020号公報
特許文献1に記載の防眩性反射防止フィルムにおいては、フィルム表面に、いわゆるシンチレーション(面ぎら)とよばれるキラキラ光る輝きが発生し、ディスプレイの視認性が低下するという問題があった。
一方、特許文献2に記載の防眩性反射防止フィルムは、画像鮮明性およびシンチレーションに優れるが、透明基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂に代表される一般的なポリエステルフィルムを使用している。その結果、無配向のポリエステルフィルムを用いた防眩性反射防止フィルムを偏光素子上に配置した場合、液晶表示装置に色の異なるムラ(以下、「ニジムラ」ともいう)が、特に表示画面を斜めから観察したときに生じ、液晶表示装置の表示品質が損なわれてしまうという課題があることが判明した。
当該ニジムラを抑制するには、COPフィルム、PCフィルム、TACフィルムでもある程度効果が期待できる。しかしながら、これらのフィルムは耐湿熱性に劣るため、高温多湿の環境下においては長時間の保管や使用が難しい。
そこで、本発明の目的とするところは、画像鮮明性に優れ、シンチレーションを低下させ、且つ偏光素子上に配置して表示画面を斜めから観察してもニジムラが生じない、防眩性反射防止フィルムを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明の防眩性反射防止フィルムは、透明基材フィルム上に、該透明基材フィルムから順に防眩性ハードコート層、屈折率1.6〜2.4である高屈折率層、及び屈折率1.3〜1.5である低屈折率層が積層されて構成されている。そして、防眩性ハードコート層は、活性エネルギー線硬化型樹脂及び光重合開始剤を含むバインダーと、バインダーの硬化物との屈折率差が0〜0.02で、かつ平均粒子径が1〜6μmの透光性有機微粒子とを含み、該透光性有機微粒子を前記活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対して35〜55質量部含有する。そのうえで、前記透明基材フィルムとして、該フィルムの面内において最も屈折率が大きい方向(遅相軸方向)の屈折率(nx)と、遅相軸方向と直交する方向(進相軸方向)の屈折率(ny)との差(nx−y)が0.07〜0.20の、配向ポリエステルフィルムを使用していることを特徴とする。
第2の発明の防眩性反射防止フィルムは、第1の発明において、前記透光性有機微粒子がスチレン−アクリル共重合体である。
なお、本発明において数値範囲を示す「○○〜××」とは、特に明示しない限り上限(○○)と下限(××)とを含む意味であり、正確に表せば「○○以上××以下」となる。
第1の発明の防眩性反射防止フィルムでは、防眩性ハードコート層上の凹凸を均一かつ十分に形成することができ、シンチレーション(面ぎら)を低下させることができると共に、画像鮮明性に優れ、さらに反射防止性能が良好である。また、透明基材フィルムには所定の配向ポリエステルフィルムを使用しているため、本発明の防眩性反射防止フィルムを偏光素子上に配置した場合に、表示画面を斜めから観察してもニジムラが生じることがない。また、COPフィルムやPCフィルム等と比べて耐湿熱性に優れるため、高温多湿の環境下においても品質が劣化することなく、長時間の保管や使用に適している。
第2の発明の防眩性反射防止フィルムでは、第1の発明の効果に加えて、シンチレーション(面ぎら)をより低下させることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
<防眩性反射防止フィルム>
本実施形態の防眩性反射防止フィルムは、透明基材フィルム上に、該透明基材フィルムから順に防眩性ハードコート層、屈折率1.6〜2.4である高屈折率層、及び屈折率1.3〜1.5である低屈折率層が積層されて構成されている。上記防眩性ハードコート層は、活性エネルギー線硬化型樹脂及び光重合開始剤を含むバインダーと、バインダーの硬化物との屈折率差が0〜0.02でかつ平均粒子径が1〜6μmの透光性有機微粒子とを含み、透光性有機微粒子を活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対して35〜55質量部含有する防眩性ハードコート層用塗液の硬化物である。
次に、防眩性反射防止フィルムの構成要素について順に説明する。
〔透明基材フィルム〕
防眩性反射防止フィルムに用いられる透明基材フィルムには、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルからなる配向ポリエステルフィルム(高複屈折フィルムとも称される)を使用する。特に、遅相軸方向の屈折率(nx)と進相軸方向の屈折率(ny)との差(nx−ny:△n)が0.07〜0.20、好ましくは0.10〜0.15のものを使用する。この屈折率差(△n)が0.07未満では、充分なニジムラの抑制効果が得られず、また、後述のリタデーション値を得るために必要な膜厚が厚くなる。一方、屈折率差(△n)が0.20を超えると、フィルムに裂け、破れ等を生じやすくなり、工業材料としての実用性が著しく低下する。(nx)としては、1.67〜1.78が好ましく、より好ましくは1.69〜1.73である。(ny)としては、1.55〜1.65が好ましく、より好ましいくは1.57〜1.62である。(nx)、(ny)、及び(△n)が上記の関係を満たすことで、好適なニジムラの抑制効果を得ることができる。
また、配向ポリエステルフィルムのリタデーションは、3000〜30000nmが好ましい。リタデーションが3000nm未満では、反射防止フィルムを偏光素子上に配置した場合、斜め方向から観察した時に強い干渉色(ニジムラ)を呈し、包絡線形状が光源の発光スペクトルと相違して良好な視認性を確保することができない場合がある。一方、リタデーションが30000nmを超えても更なる視認性の改善効果は実質的に得られないばかりか、フィルムの厚みも相当に厚くなり、取り扱い性が低下する。より好ましいリタデーションの下限値は5000nm以上であり、さらに好ましくは10000nm以上である。
なお、リタデーションとは、ポリエステルフィルムの面内において最も屈折率が大きい方向(遅相軸方向)の屈折率(nx)と、遅相軸方向と直交する方向(進相軸方向)の屈折率(ny)と、ポリエステルフィルムの厚み(d)とにより、以下の式によって表わされるものである。
リタデーション(Re)=(nx−ny)×d
リタデーションは、例えば王子計測機器製KOBRA−WRによって測定(測定角0°、測定波長548.2nm)することもできる。
配向ポリエステルフィルムは、未延伸のポリエステルフィルムを、縦・横方向の何れか一方又は双方に延伸することで結晶配向して得られる。リタデーションの制御方法としては、延伸倍率、延伸温度、及び作製するポリエステルフィルムの膜厚により適宜設定することができる。具体的には、延伸倍率が高いほど、延伸温度が低いほど、また、膜厚が厚いほど、高いリタデーションを得やすくなり、延伸倍率が低いほど、延伸温度が高いほど、また、膜厚が薄いほど、低いリタデーションを得やすくなる。
配向ポリエステルフィルムの厚みは25〜400μmが好ましく、より好ましくは50〜200μmである。配向ポリエステルフィルムの厚みが25μmより薄い場合や400μmより厚い場合には、反射防止フィルムの製造時及び使用時における取り扱い性が低下してしまうと共に、リタデーションを上記範囲に設定し難くなる。なお、配向ポリエステルフィルムには、リタゼーションが上記範囲にある限りにおいて、各種の添加剤が含有されていてもよい。そのような添加剤としては、例えば紫外線吸収剤、帯電防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤などが挙げられる。
〔防眩性ハードコート層〕
続いて、防眩性ハードコート層について説明する。防眩性ハードコート層はその表面に凹凸を有し、その凹凸に光が反射して拡散され(表面拡散性)、防眩性を発現することができる機能を備えている。該防眩性ハードコート層は、前述のようにバインダーと、透光性有機微粒子とを含有する防眩性ハードコート層用塗液を硬化させた硬化物により形成される。
(バインダー)
この防眩性ハードコート層用塗液のバインダー中には、活性エネルギー線硬化型樹脂と光重合開始剤とが含まれる。また、バインダー又は防眩性ハードコート層用塗液中には、通常希釈溶剤、或いはその他の成分が配合される。前記バインダーは、バインダー硬化物と透光性有機微粒子との屈折率差を小さくするため、バインダー硬化物の屈折率を好ましくは1.40〜1.60、より好ましくは1.45〜1.55に設定する。
活性エネルギー線硬化型樹脂は、前記バインダー硬化物の屈折率の範囲において、任意に用いることができる。そのような活性エネルギー線硬化型樹脂としては、単官能単量体、多官能単量体、ビニル基や(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマー及びビニル基や(メタ)アクリロイル基を有する重合体の中から1種又は2種以上が選択して用いられる。その他の成分としては、金属酸化物、光増感剤、安定化剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤等が用いられる。
単官能単量体として具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸(ポリ)エチレングリコール基含有(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、フマル酸アルキルエステル、N−ビニル−2−ピロリドン等が好ましい。
多官能単量体としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物、ウレタン変性アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を2個以上含む多官能重合性化合物等が挙げられる。多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,2'−チオジエタノール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3価以上のアルコール等が挙げられる。
(透光性有機微粒子)
前記透光性有機微粒子は、防眩性ハードコート層における光拡散機能、表面の凹凸形成による防眩機能等を発現するためのものである。該透光性有機微粒子は、バインダー硬化物と透光性有機微粒子との屈折率差を小さくするため、透光性有機微粒子の屈折率を好ましくは1.40〜1.60、より好ましくは1.45〜1.55に設定する。バインダーの硬化物の屈折率と透光性有機微粒子との屈折率差を0〜0.02の範囲に設定することにより、防眩性ハードコート層の内部における光の散乱を抑制することができ、光の透過性を向上させることができる。この屈折率差が0.02より大きい場合、防眩性ハードコート層の内部における光の散乱が大きくなり、光の透過が阻害されて像鮮明度が悪化する。
この透光性有機微粒子は、前記バインダー硬化物との屈折率差が0〜0.02となる範囲において、任意に用いることができる。そのような透光性有機微粒子としては、例えば塩化ビニル、(メタ)アクリル単量体、スチレン及びエチレンから選択される少なくとも1種の単量体を重合して得られる重合体などから形成される。その中でも、屈折率の調整が容易な点から(メタ)アクリル重合体(屈折率1.49)、ポリスチレン重合体(屈折率1.54)、さらに、両単量体の共重合組成を変化させることにより、両重合体の屈折率の間で屈折率を任意に調整することができる点でスチレン−アクリル共重合体であることが好ましい。
透光性有機微粒子の平均粒子径は、その機能を十分に発揮させるために1〜6μm、好ましくは2〜5μmである。この平均粒子径が1μm未満の場合、防眩性ハードコート層表面における防眩性が不十分となる。その一方、6μmを超える場合、防眩性ハードコート層の膜厚が厚くなり、生産性が損なわれる。ここで、前記平均粒子径はコールターカウンター法により測定し、測定された分布を粒子数分布に換算し、得られた粒子数分布から算出される値である。なお、コールターカウンター法は、電気抵抗を利用した粒子径測定法であり、粒子が細孔を通過する際に生じる2電極間の電気抵抗の変化を測定して平均粒子径を測定する方法である。
透光性有機微粒子の含有量は、活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対して35〜55質量部、好ましくは40〜50質量部である。透光性有機微粒子の含有量が35質量部より少ない場合には、透光性有機微粒子の機能を十分に発揮することができず、満足できる防眩性が得られなくなる。その一方、55質量部より多い場合には、防眩性ハードコート層のヘイズ値が高くなり過ぎ、防眩性反射防止フィルムをディスプレイ表面に設置した際、白化等が生じると共に、シンチレーション(面ぎら)が生じて画像鮮明性が低下する。
(希釈溶剤)
防眩性ハードコート層用塗液の調製に用いられる希釈溶剤は、主に防眩性ハードコート層用塗液を透明基材フィルム上に塗布するにあたり、防眩性ハードコート層用塗液の粘度を調整するために用いられ、非重合性のものであれば特に制限されない。希釈溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
〔高屈折率層〕
続いて、高屈折率層について説明する。該高屈折率層は、透明基材フィルム上に防眩性ハードコート層を含む1層以上の層を介して形成される。高屈折率層は、防眩性反射防止フィルムの反射防止性能を良好とするため、屈折率を1.6〜2.4に設定する。この屈折率が1.6より小さい場合、防眩性反射防止フィルムの反射防止性能が損なわれる。一方、屈折率が2.4を超える高屈折率層を形成することは現状では困難である。
この高屈折率層を構成する材料としては、前記高屈折率層の屈折率の範囲において、無機材料及び有機材料を任意に用いることができる。無機材料としては、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化シラン、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化錫、ITO等の微粒子が挙げられる。特に、導電性や帯電防止能の観点より、酸化錫、酸化アンチモン及びITOが好ましく、高屈折率の観点より、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛及び酸化ジルコニウムが好ましい。
有機材料としては、例えば重合硬化したものの屈折率が1.6〜1.8の重合性単量体を含む組成物等を用いることができる。そのような重合性単量体としては、2−ビニルナフタレン、4−ブロモスチレン、9−ビニルアントラセン等が挙げられる。
また、高屈折率層を構成する材料としては、無機材料の微粒子と有機材料とを併用することができるが、この場合には、前述した重合硬化物の屈折率が1.6〜1.8であるような重合性単量体のみならず、それ以外の重合性単量体及びこれらの重合体を含む組成物をウェットコーティング時の活性エネルギー線硬化型樹脂として用いることができる。無機材料の微粒子の平均粒子径は高屈折率層の厚みを大きく超えないことが好ましく、特に0.1μm以下であることが好ましい。無機材料の微粒子の平均粒子径が高屈折率層の厚みより大きくなると、光の散乱が生じる等、高屈折率層の光学性能が低下する傾向にある。
〔低屈折率層〕
前記低屈折率層は、その屈折率が1.3〜1.5の範囲となるように、公知の低屈折率層用塗液を用いることにより形成される。また、低屈折率層用塗液には、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分を含んでいても差し支えない。その他の成分は特に制限されるものではなく、例えば無機又は有機顔料、重合体、重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤、レベリング剤等が挙げられる。そして、低屈折率層用塗液を高屈折率層上に塗布した後、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、高屈折率層上に低屈折率層が積層される。
〔防眩性ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層の形成〕
まず、防眩性ハードコート層用塗液を透明基材フィルム上に塗布した後、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、透明基材フィルム上に防眩性ハードコート層が積層される。続いて、高屈折率層用塗液を防眩性ハードコート層上に塗布した後、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、防眩性ハードコート層上に高屈折率層が積層される。さらに、低屈折率層用塗液を高屈折率層上に塗布した後、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、高屈折率層上に低屈折率層が積層される。
上記の各塗液の塗布方法は特に制限されず、通常行なわれている塗布方法、例えばロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、グラビアコート法等公知のいかなる方法も採用される。塗布に際しては、密着性を向上させるために、予め透明基材フィルム表面にコロナ放電処理等の前処理を施すことができる。
活性エネルギー線の照射に用いられる活性エネルギー線源としては、例えば高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、窒素レーザ、電子線加速装置、放射性元素等の線源等が使用される。この場合、活性エネルギー線の照射量は、紫外線の波長365nmでの積算光量として50〜5000mJ/cmであることが好ましい。照射量が50mJ/cm未満のときには、塗液の硬化が不十分となるため好ましくない。一方、5000mJ/cmを超えるときには、活性エネルギー線硬化型樹脂が着色する傾向を示すため好ましくない。
〔プライマー層〕
なお、配向ポリエステルフィルムの一方面又は表裏両面には、プライマー層を積層することが好ましい。少なくとも、配向ポリエステルフィルムと防眩性ハードコート層との間には、両層の密着性を向上させるため、プライマー層を介在させることが好ましい。この場合、プライマー層の屈折率(np)と、配向ポリエステルフィルムの遅相軸方向の屈折率(nx)及び進相軸方向の屈折率(ny)とが、ny<np<nxとなる関係に設定することが好ましい。各屈折率をこのような関係に設定することで、プライマー層と配向ポリエステルフィルムとの屈折率差が低減され、ニジムラの発生を確実に抑制することができる。具体的には、プライマー層の屈折率(np)は、ポリエステルフィルムの進相軸方向の屈折率(ny)の最小屈折率1.55より高く、遅相軸方向の屈折率(nx)の最大屈折率1.78より低い範囲に設定する。好ましくは1.56〜1.65である。
また、プライマー層を介在させる場合は、防眩性ハードコート層の屈折率(nh)と、配向ポリエステルフィルムの遅相軸方向の屈折率(nx)及び進相軸方向の屈折率(ny)との関係も、ny<nh<nxとなる関係に設定することが好ましい。当該関係に設定することで、プライマー層の屈折率がニジムラ防止効果に与える影響がさらに少なくなる。この場合の防眩性ハードコート層の屈折率(nh)は、上記プライマー層の屈折率と同様である。
プライマー層の材料としては、上記屈折率の条件を満たすものであれば特に限定されず、例えば熱硬化性又は熱可塑性のポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、及び、これらの変性体等が挙げられる。また、プライマー層の屈折率を調整するために、高屈折率微粒子、キレート化合物等を添加することができる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、多塩基酸成分とジオール成分とから得られるポリエステルを用いることができる。多価塩基成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を例示することができる。
ジオール成分としては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパン等や、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを例示することができる。
アクリル樹脂としては、以下に例示されるモノマーを共重合することで得られるものが挙げられる。モノマーとしては、例えばアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等);2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等のカルボキシ基又はその塩を有するモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、N−アルコキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリルアミド、N,N−ジアルコキシアクリルアミド、N,N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモノマー;2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有モノマー;メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アルキルイタコン酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエンである。
ウレタン樹脂としては、例えばポリオール、ポリイソシアネート、鎖長延長剤、架橋剤等で構成されものが挙げられる。ポリオールとしては、例えばポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールのようなポリエーテル、ポリエチレンアジペート、ポリエチレン−ブチレンアジペート、ポリカプロラクトン等を含むグリコールとジカルボン酸との脱水反応により製造されるポリエステル、カーボネート結合を有するポリカーボネート、アクリル系ポリオール、ひまし油等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
鎖延長剤あるいは架橋剤としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、水等が挙げられる。
屈折率を調整するための高屈折率微粒子としては、上記高屈折率層で使用するものと同種のものを使用することができる。高屈折率微粒子の含有量としては特に限定されず、例えばプライマー層に添加する樹脂成分の硬化物の、予め測定した屈折率の値との加重平均で、形成する防眩性ハードコート層の屈折率が上記関係を満たすよう、その他の成分との関係で適宜調整すればよい。
また、キレート化合物としては、例えば水溶性のチタンキレート化合物、水溶性のチタンアシレート化合物及び水溶性のジルコニウム化合物等が挙げられる。水溶性のチタンキレート化合物としては、例えばジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、イソプロポキシ(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジイソプロポキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、ヒドロキシビス(ラクタト)チタン、ヒドロキシビス(ラクタト)チタンのアンモニウム塩、チタンベロキソクエン酸アンモニウム塩等が挙げられる。
水溶性のチタンアシレート化合物としては、例えばオキソチタンビス(モノアンモニウムオキサレート)等が挙げられる。水溶性のジルコニウム化合物としては、例えばジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムアセテート等が挙げられる。
プライマー層の厚さとしては、要求される性能に応じて適宜調節すればよく特に限定されないが、例えば3〜1000nmとすることができる。特に、プライマー層の厚さが500nm以下であると、鉛筆硬度が向上するので好ましい。一方、プライマー層の厚みが3nm未満であると、配向ポリエステルフィルムと防眩性ハードコート層との密着性が不充分となる。
プライマー層は、上記成分と必要に応じて他の成分とを溶媒中に混合分散させて調製したプライマー層用塗布液を用いて、他の層と同様に形成することができる。その他の成分としては、例えばレベリング剤、有機又は無機微粒子、光重合開始剤、熱重合開始剤、架橋剤、硬化剤、重合促進剤、粘度調整剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防汚剤、スリップ剤、屈折率調整剤、分散剤等が挙げられる。
プライマー層用塗布液を配向ポリエステルフィルムへ塗布するタイミングは、任意の段階で実施することができるが、配向ポリエステルフィルムの製造過程で塗布することが好ましく、特に配向結晶化が完了する前のポリエステルフィルムに塗布することが好ましい。
<ディスプレイ>
前述の防眩性反射防止フィルムがディスプレイの画像を表示する側の表面に直接的に又は間接的に備えることにより、ディスプレイが構成される。このディスプレイでは、像の写り込みが抑えられ、視認性を向上させることができる。さらに、防眩性ハードコート層中の透光性有機微粒子が前記のように構成されているため、レンズ的な作用がなく、シンチレーション(面ぎら)が抑制される。さらに、防眩性反射防止フィルムの透明基材フィルムとして配向ポリエステルフィルムを使用しているため、表示画面を斜めから観察してもニジムラが生じることがない。
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。ここで、実施例1〜5の防眩性反射防止フィルムは、透明基材フィルムの一方の面に、防眩性ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層が順に積層された構成のものである。また、本発明における物性は、下記に示す方法により測定した。
<屈折率(配向ポリエステルフィルム)>
二枚の偏光板を用いて、配向ポリエステルフィルムの配向軸方向(主軸の方向) を求め、配向軸方向に対して直交する二つの軸の屈折率(nx、ny)を、アッベ屈折率計(アタゴ社製NAR−4T)によって求めた。
<配向ポリエステルフィルムの膜厚>
厚みd(nm)は、電気マイクロメータ(アンリツ社製) を用いて任意の10点を測定し、単位をnmに換算して平均値を求めた。
<配向ポリエステルフィルムのリタデーション>
リタデーションは、配向ポリエステルフィルムの面内において最も屈折率が大きい方向(遅相軸方向)の屈折率(nx)と、遅相軸方向と直交する方向(進相軸方向)の屈折率(ny)と、配向ポリエステルフィルムの厚み(d)とにより、以下の式によって計算した。
リタデーション(Re)=(nx−ny)×d
<ニジムラ評価>
実施例、比較例にて作製した透明導電性フィルムを、液晶モニター(FLATORONIPS226V(LGElectronicsJapan社製))の観察者側の偏光素子上に配置した。なお、配向ポリエステルフィルムの遅相軸と液晶モニターの観察者側の偏光素子の吸収軸とのなす角度が0°となるように配置した。そして、暗所及び明所(液晶モニター周辺照度400ルクス)にて、正面及び斜め方向(約50度)から目視及び偏光サングラス越しに表示画像の観察を行い、ニジムラの有無を以下の基準に従い評価した。偏光サングラス越しの観察は、目視よりも非常に厳しい評価法である。観察は10人で行い、最多数の評価を観察結果としている。
◎:偏光サングラス越しでニジムラが観察されない。
○:偏光サングラス越しでニジムラが観察されるが、薄く、目視ではニジムラが観察されない、実使用上問題ないレベル。
△:偏光サングラス越しでニジムラが観察され、目視ではニジムラがごく薄く観察される。
×:偏光サングラス越しでニジムラが強く観察され、目視でもニジムラが観察される。
(1)反射率
測定面の裏面反射を除くため、裏面をサンドペーパーで粗し、5°正反射測定装置を備えた分光光度計〔日本分光(株)製、商品名:U-best50〕を用いて反射率を測定した。
(2)最小反射率波長
測定面の裏面反射を除くため、裏面をサンドペーパーで粗し、5°正反射測定装置を備えた分光光度計〔日本分光(株)製、商品名:U-best50〕を用いて反射率を測定し、反射スペクトルを得た。その反射スペクトルの可視光線領域における反射率が最小値となる波長を読み取った。
(3)表面粗さ
(株)小坂研究所製、表面粗さ測定機、サーフコーダSE500を使用し、走査範囲4mm、走査速度0.2mm/sの条件で、JIS B 0601−1944の規定に準拠して算術平均粗さRa(μm)を測定した。
(4)ヘイズ値
ヘイズメーター〔日本電色工業(株)製、NDH2000〕を使用し、光学特性としてのヘイズ値(%)を測定した。
(5)シンチレーション(面ぎら)
100dpiのカラーフィルター上に防眩性反射防止フィルムを設置し、そのシンチレーション(面ぎら)を評価した。シンチレーション(面ぎら)が大を×、シンチレーション(面ぎら)が中を△、シンチレーション(面ぎら)が小を○と判定した。
〔製造例1、防眩性ハードコート層用塗液(HC−1)の調製〕
活性エネルギー線硬化型樹脂としてウレタンアクリレート〔1分子中にアクリロイル基を6個有するウレタンアクリレート(6官能ウレタンアクリレート)、分子量1400、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B〕100質量部、光重合開始剤として1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア(Irg.)2959〕5質量部、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)145質量部を混合してバインダーを調製した。バインダーの硬化物の屈折率は1.50であった。
そのバインダーに透光性有機微粒子としてスチレン−アクリル共重合体の微粒子〔積水化成品(株)製、SSX−105TND、平均粒子径は5.0μm、屈折率は1.50〕46質量部、及び表面調整剤としてポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン〔ビック・ケミー(株)製、BYK-306〕0.6質量部を混合して防眩性ハードコート層用塗液(HC−1)を調製した。
〔製造例2、修飾コロイダルシリカ1の調製〕
フラスコにコロイダルシリカ〔屈折率:1.46、日産化学(株)製、商品名;XBA-ST、キシレン/ブタノール混合溶媒によるコロイダルシリカの30質量部分散液、平均粒子径:10〜15nm〕500質量部、γ-アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン〔信越化学工業(株)製、商品名;KBM5103〕94質量部、及び蒸留水35質量部を混合した後、5時間加熱還流(反応温度80℃)を行い、加水分解反応及び縮合反応を行った。このような操作により、修飾コロイダルシリカ1を調製した。
〔製造例3、高屈折率層用塗液(H−1)の調製〕
ITO微粒子(平均粒子径:0.06μm)50質量部、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート20質量部、テトラメチロールメタントリアクリレート30質量部、ブチルアルコール900質量部、及び光重合開始剤〔チバスペシャルティケミカルズ(株)製、商品名;イルガキュア907〕2質量部を混合して高屈折率用塗液(H−1)を調製した。溶媒乾燥後の屈折率は1.64であった。
〔製造例4、低屈折率層形成用塗液(L−1)の調製〕
パーフルオロ−〔1,1,9,9−テトラハイドロ−5,8−ビスフルオロメチル−4,7−ジオキサ−1−ノネン〕−9−オール〔CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CHOH〕を104質量部とビス〔2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプタノイル〕パーオキサイドの8質量%パーフルオロヘキサン溶液11質量部との重合反応によりヒドロキシル基含有含フッ素アリルエーテル重合体(数平均分子量72,000、質量平均分子量118,000)を得た。
次に、ヒドロキシル基含有含フッ素アリルエーテル重合体5質量部、メチルエチルケトン(MEK)43質量部、ピリジン1質量部及びα−フルオロアクリル酸フルオライド1質量部より、重合性二重結合を有する含フッ素反応性重合体溶液(固形分13質量%、α−フルオロアクリロイル基の水酸基への導入率40モル%)を調製した。
また、中空シリカゾル〔触媒化成工業(株)製、商品名;ELCOM NY-1001SIV、イソプロピルアルコールによる中空シリカゾルの25質量%分散液、平均粒子径:60nm〕2000質量部、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン〔信越化学工業(株)製、商品名;KBM5103〕70質量部及び蒸留水80質量部を混合して変性中空シリカ微粒子(ゾル)(平均粒子径:60nm)を調製した。そして、前記含フッ素反応性重合体溶液50質量部と、変性中空シリカ微粒子50質量部と、光重合開始剤〔チバスペシャルティケミカルズ(株)製、商品名;イルガキュア907〕2質量部と、イソプロピルアルコール2000質量部とを混合して、低屈折率層用塗液(L−1)を得た。溶媒乾燥後の屈折率は1.35であった。
〔製造例5、低屈折率層形成用塗液(L−2)の調製〕
修飾コロイダルシリカ1を90質量部及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを10質量部からなる主成分100重量部に対して、光重合開始剤〔チバスペシャルティケミカルズ(株)製、商品名;イルガキュア907〕5質量部及びポリシロキサン樹脂(商品名:VXL4930、ビアノバレジン社製)2質量部を混合して低屈折率層用塗液(L−2)を調製した。溶媒乾燥後の屈折率は1.49であった。
(配向ポリエステルフィルム(PET−N)の作製)
溶融ポリエチレンテレフタレートを、290℃で溶融して、フィルム形成ダイを通して、シート状に押出し、水冷冷却した回転急冷ドラム上に密着させて冷却し、未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムを二軸延伸試験装置(東洋精機社製)にて、120℃ にて1分間予熱した後、120℃ にて、延伸倍率4.5倍に延伸した後、その両面にプライマー層用組成物1 をロールコーターにて均一に塗布した。次いで、この塗布フィルムを引続き95℃で乾燥し、その延伸方向とは90度の方向に延伸倍率1.5倍にて延伸を行い、リタデーション=10000nm、膜厚=100μm、nx=1.70、ny=1.60、Δn=0.10のポリエステル基材を得た。なお、プライマー層の屈折率は1.59、膜厚は80nmであった。
(防眩性反射防止フィルムの作製)
(実施例1)
防眩性ハードコート層用塗液(HC−1)を、前記配向ポリエステルフィルム(PET−N)上にロールコーターにて塗布し、80℃で2分間乾燥した。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて防眩性ハードコート層を作製した(バインダーの硬化物の屈折率:1.50)。透光性有機微粒子とバインダーの硬化物との屈折率差は0.00であり、防眩性ハードコート層の厚みは8.5μmであった。
続いて、その上に、バーコーターにより、高屈折率層用塗液(H−1)を乾燥膜厚が100nm程度になるように層の厚みを調整して塗布した。これを、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)硬化した。
高屈折率層の上に同様にして、低屈折率層用塗液(L−1)を乾燥膜厚が、光の波長550nmで最小反射率を示すように調整して塗布後、硬化して低屈折率層を形成した。
(実施例2)
防眩性ハードコート層用塗液(HC−1)の透光性有機微粒子を、スチレン−アクリル共重合体の微粒子〔積水化成品(株)製、XX−27V、平均粒子径は3.0μm、屈折率は1.50〕に代え、含有量を55質量部として防眩性ハードコート層用塗液(HC−2)とした。さらに低屈折率層用塗液(L−1)を低屈折率層用塗液(L−2)に変更した以外は、全て実施例1と同様の条件で防眩性反射防止フィルムを作製した。透光性有機微粒子とバインダーの硬化物との屈折率差は0.00であり、防眩性ハードコート層の厚みは8.4μmであった。
(実施例3)
防眩性ハードコート層用塗液(HC−1)中の透光性有機微粒子の含有量を35質量部に代え、防眩性ハードコート層用塗液(HC−3)に変更した以外は、全て実施例1と同様の条件で防眩性反射防止フィルムを作製した。透光性有機微粒子とバインダーの硬化物との屈折率差は0.00であり、防眩性ハードコート層の厚みは8.5μmであった。
(実施例4)
防眩性ハードコート層用塗液(HC−1)中の透光性有機微粒子を、架橋アクリル樹脂の微粒子〔綜研化学(株)製、MX−500、平均粒子径5.0μm、屈折率1.49〕に変更して防眩性ハードコート層用塗液(HC−4)を調製した以外は、全て実施例1と同様の条件で防眩性反射防止フィルムを作製した。透光性有機微粒子とバインダーの硬化物との屈折率差は0.01であり、防眩性ハードコート層の厚みは8.7μmであった。
(実施例5)
防眩性ハードコート層用塗液(HC−1)中の透光性有機微粒子を、スチレン−アクリル共重合体の微粒子〔積水化成品(株)製、XX−13V、平均粒子径は5.0μm、屈折率は1.54〕に変更し、さらに活性エネルギー線硬化型樹脂を2官能モノマー〔日本合成化学工業(株)製、KAYARAD R−712〕に変更して防眩性ハードコート層形成用塗液(HC−5)を調製した以外は、全て実施例1と同様の条件で防眩性反射防止フィルムを作製した。バインダー硬化物の屈折率は、1.54であった。透光性有機微粒子とバインダーの硬化物との屈折率差は0.00であり、防眩性ハードコート層の厚みは8.7μmであった。
(比較例1)
防眩性ハードコート層用塗液(HC−1)中の透光性有機微粒子をシリカ粒子〔富士シリシア化学(株)製、サイロスフェアC−1504、平均粒子径4.0μm、屈折率1.45〕に変更して防眩性ハードコート層用塗液(HC−6)を調製した以外は、全て実施例1と同様の条件で防眩性反射防止フィルムを作製した。シリカ粒子とバインダーの硬化物との屈折率差は0.05であり、防眩性ハードコート層の厚みは8.5μmであった。
(比較例2)
防眩性ハードコート層用塗液(HC−1)中の透光性有機微粒子の含有量を23質量部に変更して防眩性ハードコート層用塗液(HC−7)を調製した以外は、全て実施例1と同様の条件で防眩性反射防止フィルムを作製した。
(比較例3)
防眩性ハードコート層用塗液(HC−1)中の透光性有機微粒子の含有量を69質量部に変更して防眩性ハードコート層用塗液(HC−8)を調製した以外は、全て実施例1と同様の条件で防眩性反射防止フィルムを作製した。
(比較例4〜11)
配向ポリエステルフィルム(PET-N)の変わりに、東洋紡社製PETフィルム「A4100」(リタデーション=6200nm、膜厚=188μm、Δn=0.033)を用いた以外は、各々実施例1〜4、比較例1〜3と同様にして、防眩性反射防止フィルムを作製した。
以上のようにして得られた防眩性反射防止フィルムについて、最小反射率、最小反射率波長、算術平均粗さ、ヘイズ値及びシンチレーションを前述の方法により測定し、それらの結果を表1,2に示した。なお、表1,2における屈折率差は、下記に示す式で算出した。
屈折率差=|(バインダーの硬化物の屈折率)−(透光性有機微粒子の屈折率)|
Figure 2014235233

Figure 2014235233
表1に示したように、実施例1〜5においては、透明基材フィルムとして配向ポリエステルフィルムを使用しているためニジムラが観察されず、かつ、算術平均粗さが十分に調整されており、さらにはヘイズ値が小さいことから、シンチレーション(面ぎら)が抑制されると共に、画像鮮明性に優れていた。さらに、防眩性ハードコート層上には屈折率1.6〜2.4である高屈折率層、及び屈折率1.3〜1.5である低屈折率層の順に減反射層が積層されていることから、優れた反射防止性能を発揮することができた。また、実施例1〜3及び5においては、透光性有機微粒子にスチレン−アクリル共重合体を用いたことから、算術平均粗さがさらに均一かつ十分に形成されており、シンチレーション(面ぎら)がより良好であった。
その一方、比較例1においてはニジムラが観察されないものの、透光性有機微粒子とバインダーの硬化物との屈折率差が0.02以上であることから、ヘイズ値が大きく、視認性が悪い結果であった。比較例2においてはニジムラが観察されないものの、透光性有機微粒子の含有量が活性エネルギー線硬化樹脂100質量部に対して35質量部未満であることから、算術平均粗さRaが小さくなり過ぎる結果、光拡散性及び防眩性が不足する結果となった。比較例3においてはニジムラが観察されないものの、透光性有機微粒子の含有量が活性エネルギー線硬化樹脂100質量部に対して55質量部を超えていることから、算術平均粗さRaが必要以上に大きい結果、シンチレーション(面ぎら)が強く、さらに視認性が悪い結果であった。また、表2に示したように、比較例4〜11ではリタデーションの低いPETを使用しているためいずれの場合もニジムラが観察された。

Claims (2)

  1. 透明基材フィルム上に、該透明基材フィルムから順に防眩性ハードコート層、屈折率1.6〜2.4である高屈折率層、及び屈折率1.3〜1.5である低屈折率層が積層されている防眩性反射防止フィルムであって、
    前記防眩性ハードコート層は、活性エネルギー線硬化型樹脂及び光重合開始剤を含むバインダーと、該バインダーの硬化物との屈折率差が0〜0.02で、かつ平均粒子径が1〜6μmの透光性有機微粒子とを含み、該透光性有機微粒子を前記活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対して35〜55質量部含有する防眩性ハードコート層用塗液の硬化物であり、
    前記透明基材フィルムは、該フィルムの面内において最も屈折率が大きい方向(遅相軸方向)の屈折率(nx)と、遅相軸方向と直交する方向(進相軸方向)の屈折率(ny)との差(nx−y)が0.07〜0.20の、配向ポリエステルフィルムである防眩性反射防止フィルム。
  2. 前記透光性有機微粒子がスチレン−アクリル共重合体である、請求項1に記載の防眩性反射防止フィルム。

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