JP2009058954A - 反射防止フィルムの製造方法及び画像表示装置 - Google Patents

反射防止フィルムの製造方法及び画像表示装置 Download PDF

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悠 阿部
Takashi Mimura
尚 三村
Rinko Kindaichi
倫子 金田一
Yasushi Higuchi
泰 樋口
Takashi Takada
崇志 高田
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Abstract

【課題】生産性に優れた反射防止フィルムの製造方法であり、煩雑な工程を行わずに優れた反射防止性を有する反射防止フィルムの製造方法および画像表示装置を提供することにあり、優れた表面耐擦傷性、更には反射防止性を有する画像表示装置を提供することにある。
【解決手段】2種類以上の無機粒子を含む塗料組成物を塗布乾燥硬化する工程により、屈折率の異なる2層を構成する反射防止フィルムの製造方法であって、少なくとも1種類の無機粒子はフッ素化合物による表面処理がされており、前記塗料組成物は金属キレートを含むことを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、反射防止フィルムの製造方法及び当該製造方法を用いて製造した層を含む画像表示装置に関する。
反射防止膜は一般に、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)や液晶表示装置(LCD)のような画像表示装置において、外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、光学干渉の原理を用いて反射率を低減するようにディスプレイの最表面に配置される。
反射防止フィルムとしては、通常、屈折率が基材の屈折率よりも小さい低屈折率の物質からなる被膜が使用されている。かかる反射防止被膜としては、例えば低屈折率物質層を蒸着、スパッタ法等により基材の表面に形成する方法が知られているが、真空中や不活性ガス雰囲気で形成する必要があるため、操作が煩雑であるという問題があった(特許文献1参照)。
前述した問題を解決するものとして、低屈折率の硬化被膜を与え得る化合物が硬化されてなる被膜が知られている。これは低屈折率の硬化被膜を与え得る化合物を含有する反射防止被膜形成組成物を基材の表面に塗布後、硬化することにより形成されるものであるため、反射防止被膜を形成するための操作が簡便であることから、広く用いられている。(特許文献2参照)。
一方、反射防止被膜として、より広い波長領域の反射率を低減するために、屈折率の高い物質からなる層と屈折率の低い物質からなる層との多層の反射防止被膜を作製する、いわゆるマルチコーティングが知られている(特許文献3参照)。
しかし、かかる多層の反射防止被膜を形成するには、基材の表面に、屈折率が高い硬化被膜を与え得る化合物を含有する反射防止被膜形成組成物を塗布硬化させた後、更に、屈折率が低い硬化被膜を与え得る化合物を含有する反射防止被膜形成組成物を塗布後、硬化させる必要があり、2回の塗布、硬化を必要とすることから製造工程が煩雑となっている。またこれらの反射防止膜は、表示面の最表面に位置するため、表示面に指紋や埃等が付着しやすく、アルカリ性の家庭用洗剤等を使用して拭き取られた場合には、反射防止膜に傷がついたり(耐擦傷性)、アルカリによって膜にダメージを与えるなどの問題があった。
このように、製造工程の簡略化と耐擦傷性の両立、さらには耐アルカリ性の向上が望まれている。
特開平6−067019号公報 特開平6−136062号公報 特開平7−005452号公報
本発明の目的は、生産性に優れた反射防止フィルムの製造方法であり、煩雑な工程を行わずに優れた反射防止性を有する画像表示装置を提供する。本発明の更なる目的は、優れた表面耐擦傷性、反射防止性、更には耐アルカリ性を有する画像表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、以下の発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1) 支持基材の少なくとも片面に、屈折率の異なる2層を有する反射防止フィルムの製造方法であって、
塗料組成物を支持基材の少なくとも片面上に1回塗布乾燥硬化する工程を含み、
該塗料組成物が2種類以上の無機粒子を含み、
該2種類以上の無機粒子における少なくとも一種類の無機粒子が、フッ素化合物により表面処理がされた無機粒子であり、
さらに金属キレート化合物を含むことを特徴とする、反射防止フィルムの製造方法。
(2) 前記金属キレート化合物が含アルミニウムキレート化合物である事を特徴とする、前記(1)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
(3) 前記フッ素化合物により表面処理された無機粒子が、シリカ粒子をフッ素化合物により表面処理した粒子(以後、フッ素化合物により表面処理されたシリカ粒子を、フッ素処理シリカ粒子とよぶ)であり、
フッ素処理シリカ粒子を除いた他の無機粒子が、該シリカ粒子よりも屈折率が高い無機粒子であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
(4) 前記フッ素処理シリカ粒子を得るための表面処理が、シリカ粒子を下記一般式(I)で示される化合物で処理し、更に一般式(II)で示される化合物で処理することを特徴とする、前記(3)に記載の反射防止フイルムの製造方法。
A−R−SiR (OR3−n 一般式(I)
B−R−Rf 一般式(II
(上記一般式中のA、Bは反応性二重結合基を示し、R、Rは炭素数1から3のアルキレン基及びそれらから導出されるエステル構造を示し、R、Rは水素又は炭素数が1から4のアルキル基を示し、Rfはフルオロアルキル基を示し、nは0又は1又は2のいずれかを示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。)
(5) 前記シリカ粒子が、粒子の内部に空洞を有するシリカ粒子、並びに/または、細孔を有するシリカ粒子であって、
該シリカ粒子の数平均粒子径が1から200nmである、前記(3)又は(4)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
(6) 前記シリカ粒子よりも屈折率が高い無機粒子が、数平均粒子径が1nmから150nm、屈折率が1.60〜2.80である金属酸化物からなることを特徴とする、前記(3)〜(5)のいずれかに記載の反射防止フィルムの製造方法。
(7) 前記金属酸化物が、ITO及び/またはATOであることを特徴とする、前記(6)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
(8) 前記(1)〜(7)のいずれかに記載の製造方法にて得られうる反射防止フィルム。
(9) 前記(8)の反射防止フィルムを設けたことを特徴とする画像表示装置。
(10) 2種類以上の無機粒子、及び含アルミニウムキレート化合物を含む塗料組成物であって、
該2種類以上の無機粒子が、フッ素化合物により表面処理されたシリカ粒子(フッ素処理シリカ粒子)、及び金属酸化物を含むことを特徴とする、塗料組成物。
(11) 前記フッ素処理シリカ粒子を得るための表面処理が、前記シリカ粒子を下記一般式(I)で示される化合物で処理し、更に一般式(II)で示される化合物で処理することを特徴とする、前記(10)に記載の塗料組成物。
A−R−SiR (OR3−n 一般式(I)
B−R−Rf 一般式(II)
(上記一般式中のA、Bは反応性二重結合基を示し、R、Rは炭素数1から3のアルキレン基及びそれらから導出されるエステル構造を示し、R、Rは水素又は炭素数が1から4のアルキル基を示し、Rfはフルオロアルキル基を示し、nは0又は1又は2のいずれかを示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。)
本発明によれば、特定の1液の塗料組成物を支持基材の少なくとも片面に1回塗布乾燥硬化するのみで屈折率の異なる2層構造を構成することが可能なため、良好な反射防止性能を示す反射防止フィルムを成形可能であり、反射防止フィルムの製造工程を簡略化可能となるため、生産性を向上することができる。また本発明の製造方法によると、耐擦傷性が良好な反射防止フィルムを提供できる。更には、ハードコート層などの機能性多層構造を有する支持基材に積層させることにより、生産性に優れた画像表示装置を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明は、支持基材の少なくとも片面に屈折率の異なる2層を有する反射防止フィルムの製造方法であって、1液の塗料組成物を支持基材の少なくとも片面上に1回塗布乾燥硬化する工程により成形することで得られることを特徴とし、さらに該塗料組成物が2種類以上の無機粒子を含み、該2種類以上の無機粒子における少なくとも1種類の無機粒子がフッ素化合物により表面処理がされた無機粒子であり、更に金属キレート化合物を含む。このような本発明の製造方法により得られる反射防止フィルムは、1回の塗布乾燥硬化によって支持基材上に異なる屈折率の2層を形成可能であり、さらに好ましい態様では、支持基材/高屈折率層/低屈折率層の積層構成が得られる。高屈折率層の塗布乾燥硬化及び低屈折率層の塗布乾燥硬化といったプロセスが必要な通常の反射防止フィルムの製造方法と比べて、本発明の製造方法はコストを大幅に低減することができる。
また、本発明は上記製造方法により得られうる反射防止フィルム、及び該反射防止フィルムを設けた画像表示装置、及び上記製造方法に好適な塗料組成物を含む。
[反射防止フィルム]
反射防止フィルムは反射防止膜と同意であり、その必要性や要求される性能などは特開昭59−50401号公報に記載されている様に、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上の屈折率差を有する2層を支持基材上に積層させることで構成された様態である。また支持基材上の2層の屈折率差は5.0以下であることが好ましい。また反射防止フィルムにおいては、支持基材から計測し最も離れた層が低屈折率層であることが更に好ましい。つまり支持基材、高屈折率層、低屈折率層がこの順に積層された様態が好ましい。なお、支持基材については後述するが、支持基材としてハードコート層とフィルムの積層体を適用すれば、支持基材の一部であるフィルムと高屈折率層の間には、ハードコート層を設けることが可能であり、同様に支持基材として他の機能を有する層とフィルムの積層体を用いる事で、フィルムと高屈折率層の間に他の層を設けることも可能である。屈折率差とは隣接する層間の屈折率を相対的に比較した値であり、相対的に屈折率が低い層を低屈折率層と呼び、相対的に屈折率が高い層を高屈折率層と呼ぶ。また、反射防止性能を補うために積層フィルム中に中屈折率層を設ける手法も特開昭59−50401号公報に記載されている。
本発明の反射防止フィルムの製造方法によれば、特定の2種類以上の無機粒子及び金属キレートを含む1液の塗料組成物を、支持基材の少なくとも片面に、1回塗布乾燥硬化する工程によって、屈折率の異なる2層を有する反射防止フィルムを製造することができる。
より詳細には、2種類以上の無機粒子を含み、該2種類以上の無機粒子における少なくとも1種類の無機粒子が、フッ素化合物により表面処理がされた無機粒子であり、さらに金属キレートを含む1液の塗料組成物を1回塗布乾燥硬化する工程によって、支持基材上に高屈折率層と、該高屈折率層上に低屈折率層が構成された反射防止フィルムを製造することができる。
本発明において上記塗料組成物から2層を構成する原理としては、2種類以上の無機粒子の表面自由エネルギー差をドライビングフォースとして、相分離構造を形成するものと考えられる。フッ素化合物により表面処理された無機粒子は表面自由エネルギーが低いため、空気側(つまり最表面層)へ移動しやすいと考えられ、また比重が小さいほど上層側(空気側、つまり最表面層)へ移動しやすいと考えられる。
本発明における屈折率の異なる2層とは、反射分光膜厚計によって、300〜800nmの範囲での反射率を測定し、該装置付属のソフトウェア[FE−Analysis]を用いて得られる屈折率が異なる2つの層をさす。
具体的には、反射分光膜厚計(FE−3000、大塚電子株式会社製)を用いて300〜800nmの範囲で反射率を測定し、大塚電子株式会社製[膜厚測定装置 総合カタログP6(非線形最小二乗法)]に記載の方法に従い、屈折率の波長分散の近似式としてCauchyの分散式(式1)を用い最小二乗法(カーブフィッティング法)により、光学定数(C,C、C)を計算することで屈折率を測定することができる。なお、屈折率は、550nmにおける値を用いた。
Figure 2009058954
ここで、λは波長、C,C,Cは光学定数を表す。
各層の屈折率が測定可能な測定装置として、反射分光膜厚計(FE−3000 大塚電子株式会社製)、高精度屈折率測定装置(Film Teck Scientific Computing International社製)などが挙げられるが、この限りではない。
なおこのような本発明の製造方法によって得られる反射防止フィルムには、屈折率の異なる2層である高屈折率層と低屈折率層との間には明確な界面があることが好ましい。本発明における明確な界面とは、1つの層と他の層とが区別可能な状態をいう。区別可能な界面とは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面を観察することにより判断することができる界面を表し、以下の方法に従い判断することができる。
TEMにより20万倍の倍率で撮影した画像を、スキャナーを用いてプレゼンテーションソフトウェア(Microsoft Power Point2003)に貼り付ける。次いで貼り付けた写真のイメージコントロール処理(コントラストを90%とする)を行い、コントラストを強調する。この際に、1つの層と他の層との界面に明確な境界を引くことができる場合を、明確な界面があるとみなす。
反射防止フィルムとして良好な性能を示すには、分光測定に置いて最低反射率が好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.7%以下、さらに好ましくは0.6%以下であり、特に好ましくは0.5%以下であることが望ましい。最低反射率とは、光線反射スペクトルを測定した際に400nmから800nmの波長領域にて反射率が最低になった値を指す。フィルムの反射防止性能を比較する場合、最低反射率は一つの指標となり、最低反射率の値が小さいほど反射防止性能が良好であると言える。
また、反射防止フィルムとして良好な性能を示すには、分光測定においてデルタ反射率が、好ましくは2.5%以下、より好ましくは2.0%以下であり、更に好ましくは1.8%以下であることが望ましい。デルタ反射率とは、光線反射スペクトルを測定した際に400nmから800nmの波長領域における最高反射率から最低反射率を引いた値をしめす。フィルムの反射防止性能を比較する場合、デルタ反射率は一つの指標となり、デルタ反射率の値が小さいほど良好であると言える。デルタ反射率が大きくなると反射光線中の特定領域波長の反射が相対的に大きくなり、結果として反射光線に色目が付くため好ましくない。
また、反射防止フィルムとして良好な性質を示すには更に、透明性が高いことが望ましい。透明性が低いと画像表示装置として用いた場合、画像彩度の低下などによる画質低下が生じるために好ましくない。本発明の製造方法により得られる反射防止フィルムの透明性の評価にはヘイズ値を用いることができる。ヘイズはJIS K 7136(2000)に規定された透明性材料の濁りの指標である。ヘイズは小さいほど透明性が高いことを示す。反射防止フィルムのヘイズ値としては好ましくは3.0%以下であり、より好ましくは2.0%未満、更に好ましくは1.0%未満であり、値が小さいほど透明性の点で良好であるものの、0%とすることは困難であり、現実的な下限値は0.01%程度と思われる。ヘイズ値が3.0%以上であると、画像劣化が生じる可能性が高くなるため好ましくない。
〔無機粒子〕
本発明の製造方法で用いる塗料組成物には2種類以上の無機粒子を含むが、無機粒子の種類数としては2種以上20種以下が好ましく、より好ましくは2種以上10種以下、さらに好ましくは2種以上3種以下である。ここで種類とは、無機粒子を構成する金属元素の種類によって決まる。つまり、同一の金属元素、例えばZnからなる無機粒子であれば、その粒径が異なるZn粒子が複数存在しても、これらは同一の無機粒子である。
無機粒子の種類としては、前記無機粒子を含む塗料組成物を支持基材の少なくとも片面上に1回塗布乾燥した際に屈折率の異なる2層を構成すれば特に限定されないが、例えば、金属原子Na,K,Mg,Ca,Ba,Al,Zn,Fe,Cu,Ti,Sn,In,W,Y,Zr,Sb,Mn,Ga,V,Nb,Ta、Ag,Si,B,Bi,Mo,Ce,Cd,Be,Pb,Euなどから選ばれる少なくとも1つの金属原子を含む無機粒子が挙げられる。また、無機粒子に含まれる金属は複数でもよく、好ましくは1種類以上5種類以下の金属を含む無機粒子を用いてもよい。
なお、2種類以上の無機粒子における少なくとも1つは、フッ素化合物により表面処理された無機粒子(支持基材上に屈折率の異なる2層を有する反射防止フィルムの、低屈折率層構成成分として好ましく用いられる無機粒子)であるが、このフッ素化合物により表面処理された無機粒子としては、Si,Na,K,Ca,およびMgから選択される元素を含む無機粒子が好ましく挙げられ、さらに好ましくは、シリカ粒子(SiO)、アルカリ金属フッ化物(NaF,KFなど)、およびアルカリ土類金属フッ化物(CaF、MgFなど)から選ばれる化合物を含む無機粒子であり、耐久性、屈折率などの点からシリカ粒子が特に好ましい。なお、フッ素化合物により表面処理された無機粒子は、以後フッ素処理無機粒子とよび、フッ素化合物により表面処理されたシリカ粒子は、以後フッ素処理シリカ粒子とよぶ。
フッ素処理無機粒子の構成材料の無機粒子(低屈折率層構成成分の無機粒子)として好ましく用いられるシリカ粒子とはケイ素化合物又は有機珪素化合物の重合(縮合)体のいずれかからなる組成物を含み成る粒子を指し、一般例として、SiOなどのケイ素化合物から導出される粒子の総称である。
フッ素処理無機粒子の構成材料である無機粒子(低屈折率層を構成するシリカ粒子などの無機粒子)の形状(表面処理される前の形状)は特に限定されるものではないが、積層後に形成される層の屈折率の観点から球状が好ましく、より好ましくはシリカ粒子に中空及び/又は多孔質が形成されていることが好ましい(粒子の内部に空洞を有するシリカ粒子、並びに/又は、粒子の表面及び内部に細孔を有するシリカ粒子、が好ましい)。シリカ粒子などの無機粒子が多面体構造であると、層中で隙間無く積層する可能性があり、画像表示装置に必要な透明性が得られないことが考えられる。また、中空及び/又は多孔質を有する(粒子の内部に空洞を有する、並びに/または、粒子の表面及び内部に細孔を有する)シリカ粒子などの無機粒子を用いることにより層の密度を下げる効果が得られる。特にフッ素化合物により表面処理された無機粒子として、内部に空洞を有するシリカ粒子、並びに/または、表面および内部に細孔を有するシリカ粒子を用いることが、フッ素処理シリカ粒子が本発明の製造方法により得られる反射防止フィルムの低屈折率層に含有されやすく、低屈折率層を好適に形成することとなるために好ましい。なお、中空及び/又は多孔質を有する(内部に空洞を有する、並びに/または、表面及び内部に細孔を有する)シリカ粒子のことを、以下中空粒子と記載する。
続いて、低屈折率層に好適な、フッ素処理無機粒子の構成材料である無機粒子の数平均粒子径について説明する。低屈折率層を構成する、フッ素化合物により表面処理された中空シリカなどの無機粒子の数平均粒子径(表面処理される前の数平均粒子径)が1nmよりも小さくなると層中の空隙密度が低下することによる屈折率の上昇や透明度の低下が起こることがあるため好ましくなく、中空シリカなどの無機粒子の数平均粒子径(表面処理される前の数平均粒子径)が200nmよりも大きくなると低屈折率層の厚さが厚くなり良好な反射防止性能が得られなくなり好ましくないため、本発明の製造方法で用いる塗料組成物中の、フッ素化合物により表面処理される中空シリカ粒子などの無機粒子は、数平均粒子径(表面処理される前の数平均粒子径)が、好ましくは1nmから200nm、より好ましくは5nmから180nm、更に好ましくは5nmから100nmである。
本発明における数平均粒子径とは、透過型電子顕微鏡により求めた粒子径をいう。倍率は50万倍とし、その画面に存在する10個の粒子の外径を測定し、その平均値とした。
ここで外径とは、粒子の最大の径(つまり粒子の長径であり、粒子中の最も長い径を示す)を表し、内部に空洞を有する粒子の場合も同様に、粒子の最大の径を表す。
フッ素処理無機粒子は、好適に空気側(最表面層)へ移動して、好適に低屈折率層を形成することができるため、塗料組成物に用いられる2種類以上の無機粒子の少なくとも1種類の無機粒子には、フッ素化合物による表面処理がされていることが重要である。なお、2種類以上の無機粒子の全ての無機粒子がフッ素化合物による表面処理を施された場合よりも、フッ素化合物による表面処理を施された無機粒子と該表面処理をされていない無機粒子の両方を含む塗料組成物を用いる方が、屈折率差の大きい2層を得ることができるために反射防止性の点で好ましい。
また、フッ素化合物による表面処理を施した無機粒子としては、中空シリカ粒子などのシリカ粒子であることが、つまりフッ素処理無機粒子としては、フッ素処理シリカ粒子であることが特に好ましい。
中空シリカなどの無機粒子に対するフッ素化合物による表面処理工程は、一段階で行われても良いし、多段階で行われても良い。また、複数の段階でフッ素を含む化合物を用いても良いし、一つの段階のみでフッ素を含む化合物を用いても良い。
また中空シリカ粒子などの無機粒子の表面処理工程にて好ましく用いられるフッ素化合物は、単一化合物でも良いし複数の異なる化合物を用いても良い。
フッ素化合物による表面処理とは、中空シリカ粒子などの無機粒子を化学的に修飾し、中空シリカ粒子などの無機粒子に含フッ素化合物を導入する工程を指す。
中空シリカ粒子などの無機粒子に直接フッ素化合物を導入する方法としては、1分子中にフッ素セグメントとシリルエーテル基(シリルエーテル基が加水分解されたシラノール基を含む)との両方を持つフルオロアルコキシシラン化合物を少なくとも1種類以上と開始剤とを共に撹拌することにより成される方法がある。しかし中空シリカ粒子などの無機粒子に直接フッ素化合物を導入する場合、反応性の制御が困難になったり、塗料化後塗布時に塗布斑等が発生しやすくなったりする場合がある。
また中空シリカ粒子などの無機粒子を化学的に修飾して、中空シリカ粒子などの無機粒子に含フッ素化合物を導入する更なる方法としては、中空シリカ粒子などの無機粒子を架橋成分にて処理し、官能基を有したフッ素化合物とつなぎ合わせる方法がある。
架橋成分としては、分子内にフッ素は無いが、1分子中にフッ素化合物と反応可能な部位と、中空シリカ粒子などの無機粒子と反応可能な部位を少なくとも一カ所ずつ持っている化合物を指し、中空シリカ粒子などの無機粒子との反応可能な部位としては反応性の観点からシリルエーテル及びシリルエーテルの加水分解物であることが好ましい。これら化合物は一般的にシランカップリング剤と呼ばれ、例としては、グリシドキシアルコキシシラン類、アミノアルコキシシラン類、アクリロイルシラン類、メタクリロイルシラン類、ビニルシラン類、メルカプトシラン類、などを用いることができる。
官能基を有したフッ素化合物とは、フルオロアルキルアルコール、フルオロアルキルエポキシド、フルオロアルキルハライド、フルオロアルキルアクリレート、フルオロアルキルメタクリレート、フルオロアルキルカルボキシレート(酸無水物及びエステル類を含む)、などを用いることができる。
本発明における無機粒子のフッ素化合物による表面処理のより好ましい形態は、シリカ粒子(特に中空シリカ粒子)を下記一般式(I)で示される化合物で処理し、更に下記一般式(II)で示される化合物で処理することが好ましい。
A−R−SiR (OR3−n 一般式(I)
B−R−Rf 一般式(II)
(上記一般式中のA、Bは反応性二重結合基を示し、R、Rは炭素数1から3のアルキレン基及びそれらから導出されるエステル構造を示し、R、Rは水素又は炭素数が1から4のアルキル基を示し、Rfはフルオロアルキル基を示し、nは0又は1又は2のいずれかを示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。)
本発明における反応性二重結合基とは、光または熱などのエネルギーをうけて発生したラジカルなどにより化学反応する官能基であり、具体例としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。
一般式(I)の具体例としては、アクリロキシエチルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシブチルトリメトキシシラン、アクリロキシペンチルトリメトキシシラン、アクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、アクリロキシヘプチルトリメトキシシラン、メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシブチルトリメトキシシラン、メタクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、メタクリロキシヘプチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン及びこれら化合物中のメトキシ基が他のアルコキシル基及び水酸基に置換された化合物を含むものなどが挙げられる。
一般式(II)の具体例としては、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフロオロプロピルアクリレート、2−パーフルオロブチルエチルアクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロデシルエチルアクリレート、2−パーフルオロ−3−メチルブチルエチルアクリレート、3−パーフルオロ−3−メトキシブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロ−5−メチルヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロ−7−メチルオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ドデカフルオロヘプチルアクリレート、ヘキサデカフルオロノニルアクリレート、ヘキサフルオロブチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2−パーフルオロブチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロデシルエチルメタクリレート、2−パーフルオロ−3−メチルブチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−3−メチルブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロ−5−メチルヘキシルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロ−7−メチルオクチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−7−メチルオクチルエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ドデカフルオロヘプチルメタクリレート、ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート、1−トリフルオロメチルトリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサフルオロブチルメタクリレートなどが挙げられる。
分子中にフッ素セグメントを有さない一般式(I)で示される化合物を用いることにより、簡便な反応条件で中空シリカなどのシリカ粒子表面を修飾することが可能となるばかりではなく、シリカ粒子表面に反応性を制御しやすい官能基を導入することが可能となり、その結果、反応性二重結合を有するフッ素セグメントをシリカ粒子表面で反応させることが可能になる。
なお、低屈折率層とは支持基材上に積層される屈折率の異なる2層中のうちの1層であり、隣接する1層(反射防止フィルム構成層であり空気層を除く)よりも相対的な屈折率が低い層である。なお上述のように本発明の製造方法により得られる反射防止フィルムは、支持基材、高屈折率層、低屈折率層がこの順に形成されることが好ましい。屈折率を低下させる方法としてフッ素系高分子を用いる方法(特開2002−36457号公報)や密度を低下させる方法(特開平8−83581号公報)が知られている。そのため塗料組成物にはフッ素化合物による表面処理がされた無機粒子を含むことが重要である。塗料組成物中にフッ素化合物により表面処理された無機粒子を含むことで、これらの粒子が低屈折率層を好適に形成可能であるためである。ここで、前述したシリカ粒子及び一般式(I)、一般式(II)に示される化合物は、本発明で用いられる塗料組成物中では、未反応のままでシリカ粒子と一般式(I)化合物と一般式(II)化合物が存在しても良いし、シリカ粒子を一般式(I)化合物と一般式(II)化合物により表面処理して縮合体および/または重合体として存在していても良い。
続いて高屈折率層に関して説明する。
高屈折率層とは支持基材上に積層される層中のうちの1層であり、隣接する層よりも屈折率が高い層をさし、金属酸化物などの少なくとも一種類以上の無機粒子を含むことが好ましい。
塗料組成物中の高屈折率層構成成分として用いられる無機粒子は特に限定されないが、フッ素化合物により表面処理されていない無機粒子が好ましく、低屈折率層構成成分として用いられる無機粒子とは異なる無機粒子であることが好ましく、Zr,Ti,Al,In,Zn,Sb,Sn,およびCeよりなる群から選ばれる少なくとも一つの金属の酸化物粒子であることがさらに好ましい。また高屈折率層構成成分として用いられる無機粒子としては、シリカ粒子よりも屈折率が高い無機粒子が好ましく、具体的には酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化インジウム(In)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、酸化アンチモン(Sb)、およびインジウムスズ酸化物(In)から選ばれる少なくとも一つの金属酸化物であり、特に好ましくはSbやSnなどから導出されるインジウム含有酸化スズ(ITO)やアンチモン含有酸化スズ(ATO)である。
塗料組成物中の高屈折率層構成成分として好適な無機粒子の数平均粒子径、特に低屈折率層構成成分として好適なシリカ粒子よりも屈折率が高い金属酸化物からなる無機粒子の平均粒子径としては、好ましくは、1nmから150nm、より好ましくは5nmから100nmである。無機粒子の数平均粒子径が1nmよりも小さくなると層中の空隙密度が低下することによる透明度の低下が起こるため好ましくなく、無機粒子の数平均粒子径が150nmよりも大きくなると高屈折率層の厚さが大きくなり良好な反射防止性能が得られにくくなり好ましくない。
塗料組成物中の高屈折率層構成成分として好適な無機粒子の屈折率、特に低屈折率層構成成分として好適なシリカ粒子よりも屈折率が高い金属酸化物からなる無機粒子の屈折率としては、好ましくは1.60〜2.80、より好ましくは1.60〜2.50である。無機粒子の屈折率が1.60よりも小さくなると高屈折率層の屈折率が低下することがあり、無機粒子の屈折率が2.80よりも大きくなると高屈折率層の屈折率が上昇し、良好な反射防止性能が得られなくなることがある。
塗料組成物中の高屈折率層構成成分として用いられる無機粒子については前述した通りだが、フッ素化合物による表面処理がされた無機粒子がシリカ粒子の場合は、該シリカ粒子よりも屈折率が高い無機粒子であることが特に好ましく、このような該シリカ粒子よりも屈折率が高い無機粒子としては、数平均粒子径が1から150nmであり、かつ屈折率が1.60から2.80の金属酸化物が好ましく用いられる。そのような金属酸化物の具体例としては、インジウム含有酸化スズ(ITO)及び/またはアンチモン含有酸化スズ(ATO)が挙げられる。
本発明の製法に用いられる塗料組成物において、フッ素化合物による表面処理がされた無機粒子がシリカ粒子であり、他の無機粒子が該シリカ粒子よりも屈折率が高い無機粒子である場合、支持基材の少なくとも片面上に塗料組成物を塗布乾燥硬化することで、該シリカ粒子を含有した低屈折率層と、該シリカ粒子よりも屈折率が高い無機粒子を含有する高屈折率層を、支持基材、高屈折率層、低屈折率層をこの順に好適に形成できるため好ましい態様である。
本発明で用いる塗料組成物は更に、バインダー成分を含むことが出来る。つまり、本発明の反射防止フィルムの低屈折率層および高屈折率層には、前記した物質以外に別途バインダー成分を含んでも良い。バインダー成分としては、特に限定するものではないが、製造性の観点より、熱及び/または活性エネルギー線などにより、硬化可能なバインダー(樹脂)であることが好ましく、バインダー(樹脂)は一種類であっても良いし、二種類以上を混合して用いても良い。また、本発明における前記した低屈折率層構成成分であるフッ素化合物により表面処理された無機粒子や、前記した高屈折率層構成成分であるその他無機粒子を膜中に保持する観点より、分子中にアルコキシシランやアルコキシシランの加水分解物や反応性二重結合を有しているバインダー成分であることが好ましい。またUV線により硬化する場合は、酸素雰囲気下よりも酸素阻害を防ぐことができることから酸素濃度ができるだけ低い方が好ましく、窒素雰囲気下(窒素パージ)で硬化する方がより好ましい。酸素濃度が高い場合には、最表面の硬化が阻害され、硬化が不十分となり、耐擦傷性、耐アルカリ性が不十分となる場合がある。
[金属キレート]
本発明で用いる塗料組成物としては、前記した低屈折率層構成成分であるフッ素化合物により表面処理された無機粒子と、前記した高屈折率層構成成分である他の無機粒子と、さらに金属キレートを含む。
本発明の製造方法で用いる金属キレートとは、多座配位子を分子中に有する化合物が金属イオンを挟むようにして錯体を形成している化合物の総称である。金属キレート化合物は、シラノールなどを含む樹脂の硬化を助成する効果を有し、その効果は加熱することにより促進される。製膜において加熱硬化に適している温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上であり、更に好ましくは130℃以上である。加熱温度を100℃以上とすることで、非常に短時間でシラノールなどを含む樹脂の硬化が進むために好ましい。金属キレート中の金属イオン種は、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び金属元素などであれば特に限定されない。
金属キレート化合物の具体例としては、例えば、トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタンなどのチタンキレート化合物、トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートなどのアルミニウムキレート化合物;などを挙げることができ、好ましくは含チタンまたは含アルミニウムキレート化合物、特に好ましくは含アルミニウムキレート化合物を挙げることができる。これらの金属キレート化合物は、1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。これらキレート化合物において、塗料の安定性や膜硬化性寄与等の観点からアルミニウム化合物が特に好ましい。
本発明で用いる塗料組成物としては、前記した低屈折率層構成成分として好適なフッ素化合物により表面処理された無機粒子と、前記した高屈折率層構成成分である他の無機粒子と、前記した金属キレート化合物と、さらに溶剤を含むことが望ましい。溶剤は塗料組成物が塗布可能な状態にあれば、必要量及び性状に制限は無いため、特に記載しないが、一般的に塗料溶剤として用いられている溶剤を用いることが出来る。
本発明で用いる塗料組成物としては、更に開始剤や硬化剤や触媒を含むことが好ましい。開始剤及び触媒は、フッ素化合物により表面処理された中空シリカとバインダー(樹脂)との反応を促進したり、バインダー(樹脂)間の反応を促進するために用いられる。該開始剤としては、塗料組成物をアニオン、カチオン、ラジカル反応等による重合および/または縮合および/または架橋反応を開始あるいは促進できるものが好ましい。
該開始剤及び該硬化剤及び触媒は、公知又は周知のものを使用できる。また、複数の開始剤を同時に用いても良いし、単独で用いても良い。さらに、酸性触媒や、熱重合開始剤や光重合開始剤を併用しても良い。酸性触媒の例としては、塩酸水溶液、蟻酸、酢酸などが挙げられる。熱重合開始剤の例としては、過酸化物、アゾ化合物が挙げられる。また、光重合開始剤の例としては、アリールケトン系化合物、含硫黄系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、アミン系化合物などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。なお、該開始剤及び該硬化剤の添加割合は塗料組成物中の樹脂成分量100重量部に対して0.001重量部から30重量部が好ましく、より好ましくは0.05重量部から20重量部であり更に好ましくは0.1重量部から10重量部である。
その他として、本発明で使用する塗料組成物には更に、各種シランカップリング剤、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を必要に応じて適宜添加しても良い。
[その他の層]
反射防止フィルムには、さらに、ハードコート層、防湿層、帯電防止層、下塗り層や保護層を設けてもよい。ハードコート層は、支持基材としてハードコート層とフィルムの積層体を用いた場合に、支持基材の一部であるフィルムに耐傷性を付与するために設けることができる。ハードコート層は、フィルム及び支持基材上に形成される層(多くの場合は高屈折率層)との接着を強化する機能も有する。ハードコート層は、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコン系ポリマーやシリカ系化合物を用いて形成することができる。顔料をハードコート層に添加してよい。アクリル系ポリマーは、多官能アクリレートモノマー(例、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート)の重合反応により合成することが好ましい。ウレタン系ポリマーの例には、メラミンポリウレタンが含まれる。シリコン系ポリマーとしては、シラン化合物(例、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン)と反応性基(例、エポキシ、メタクリル)を有するシランカップリング剤との共加水分解物が好ましく用いられる。更には2種類以上のポリマーを組み合わせて用いてもよい。シリカ系化合物としては、コロイダルシリカが好ましく用いられる。ハードコート層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。支持基材には、ハードコート層に加えて、接着層、シールド層、滑り層を有するフィルムを用いてもよい。シールド層は、電磁波や赤外線を遮蔽するために設けられる。
[支持基材]
反射防止皮膜をCRT画像表示面やレンズ表面に直接設ける場合を除き、反射防止膜は支持基材を有することが重要である。支持基材としては、ガラス板よりもプラスチックフィルムの方が好ましい。プラスチックフィルムの材料の例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート及びポリエーテルケトンなどが含まれるが、これらの中でも得にトリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが好ましい。また上述のように、支持基材はハードコート層、接着層、シールド層、滑り層などの各種機能層を有するフィルムとすることもできる。
支持基材の光透過率は、80%以上100%以下であることが好ましく、86%以上100%以下であることがさらに好ましい。ここで光透過率とは、光を照射した際に試料を透過する光の割合のことであり、JIS K 7361−1(1997)に従い測定することができる透明材料の透明性の指標である。反射防止フィルムの光透過率としては値が大きいほど良好であり、値が小さいとヘイズ値が上昇、画像劣化が生じる可能性が高くなるため好ましくない。ヘイズはJIS K 7136(2000)に規定された透明材料の濁りの指標である。ヘイズは小さいほど透明性が高いことを示す。
支持基材のヘイズは、0.01%以上2.0%以下であることが好ましく、0.05%以上1.0%以下であることがさらに好ましい。
支持基材の屈折率は、1.4〜1.7であることが好ましい。なお、本発明でいう屈折率とは、光が空気中からある物質中に進む時、その界面で進行方向の角度を変える割合のことであり、JIS K 7142(1996)に規定されている方法により測定することができる。
支持基材には、赤外線吸収剤あるいは紫外線吸収剤を添加してもよい。赤外線吸収剤の添加量は、支持基材の全成分100重量%において0.01〜20重量%であることが好ましく、0.05〜10重量%であることがさらに好ましい。滑り剤として、不活性無機化合物の粒子を透明支持体に添加してもよい。無機化合物の例には、SiO、TiO、BaSO、CaCO、タルクおよびカオリンが含まれる。更に、支持基材に、表面処理を実施してもよい。
支持基材の表面には、各種の表面処理を施すことも可能である。表面処理の例には、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理およびオゾン酸化処理が含まれる。これらの中でもグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理および火焔処理が好ましく、グロー放電処理と紫外線処理がさらに好ましい。
〔塗布乾燥硬化〕
本発明の製造方法では、1液の特定の塗料組成物を支持基材の少なくとも片面に、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法などの塗布方法によって一度塗布(塗布工程)し、続いて加熱などにより乾燥を行い塗料組成物を硬化させる(乾燥工程・硬化工程)ことで、反射防止フィルムを得ることができる。
本発明の製造方法によれば、前記1液の塗料組成物を1回塗布乾燥硬化することにより、屈折率の異なる二層を同時に形成することができる。屈折率の異なる二層の形成は、少なくとも本発明の高屈折率層を誘導する組成物と低屈折率層を誘導する組成物と溶媒とが混合された塗料組成物の塗布後、乾燥過程において成される。
得られる反射防止フィルム中から完全に溶媒を除去する事に加え、欠陥なく二層に分離させるという観点からも、乾燥工程では加熱することが好ましい。乾燥工程は、(A)材料余熱期間、(B)恒率乾燥期間、(C)減率乾燥期間に分けられるが、材料予熱期間(材料全体が乾燥する温度まで昇温する期間)から、恒率乾燥期間(塗液が動かなくなるまでの期間)にかけて、溶媒の蒸発に伴い屈折率の異なる二層を形成するが、二層を形成する無機粒子の移動に十分な時間を確保するため、風速が低く、できるだけ低温で乾燥することが好ましい。
この乾燥初期である(A)材料余熱期間や(B)恒率乾燥期間における風速としては、1m/s以上10m/s以下であることが好ましく、より好ましくは1m/s以上5m/s以下である。乾燥後期における減率乾燥期間においては、残存溶媒を減らせる点から、風速は10m/s以上70m/s以下であるのが好ましく、また温度は100℃以上200℃以下であるのが好ましい。加熱温度としては、用いる溶媒の沸点及びポリマーのガラス転移温度などから決定できるが特に限定される値ではない。乾燥工程における、加熱方式としては、カウンターフロー方式、熱風噴射、赤外線、マイクロ波、誘導加熱などが挙げられる。この中でも、乾燥初期である(A)材料余熱期間や(B)恒率乾燥期間においては、風速、温度の点からカウンターフロー方式が好ましいが、特に限定されるものではない。また乾燥後期である(C)減率乾燥期間においては、汎用性の点からトンネル式であるのが好ましい。
さらに、乾燥後の形成層に対して熱またはエネルギー線を照射する事によるさらなる硬化操作(硬化工程)を行ってもよい。硬化工程において、熱で硬化する場合には、室温から200℃であることが好ましく、溶媒の蒸発および、金属キレートによるシラノールなどを含む樹脂の硬化助剤の観点から、より好ましくは100℃以上200℃以下、さらに好ましくは130℃以上200℃以下である。100℃以上とすることにより、残存する溶媒量が減少し、さらに金属キレートにより非常に短時間でシラノールなどを含む樹脂の硬化が進むために好ましい。
また、エネルギー線により硬化する場合には汎用性の点から電子線(EB線)及び/又は紫外線(UV線)であることが好ましい。また紫外線により硬化する場合は、酸素雰囲気下よりも酸素阻害を防ぐことができることから酸素濃度ができるだけ低い方が好ましく、窒素雰囲気下(窒素パージ)で硬化する方がより好ましい。酸素濃度が高い場合には、最表面の硬化が阻害され、硬化が不十分となり、耐擦傷性、耐アルカリ性が不十分となる場合がある。また、紫外線を照射する際に用いる紫外線ランプの種類としては、例えば、放電ランプ方式、フラッシュ方式、レーザー方式、無電極ランプ方式等が挙げられる。放電ランプ方式である高圧水銀灯を用いて紫外線硬化させる場合、紫外線の照度が100〜3000mW/cm、好ましくは200〜2000mW/cm、さらに好ましくは300〜1500mW/cmとなる条件で紫外線照射を行うことが好ましく、紫外線の積算光量が100〜3000m/cm、好ましく200〜2000mJ/cm、さらに好ましくは300〜1500mJ/cmとなる条件で紫外線照射を行うことがより好ましい。ここで、紫外線照度とは、単位面積当たりに受ける照射強度で、ランプ出力、発光スペクトル効率、発光バルブの直径、反射鏡の設計及び被照射物との光源距離によって変化する。しかし、搬送スピードによって照度は変化しない。また、紫外線積算光量とは単位面積当たりに受ける照射エネルギーで、その表面に到達するフォトンの総量である。積算光量は、光源下を通過する照射速度に反比例し、照射回数とランプ灯数に比例する。
硬化を熱により行う場合、乾燥工程と硬化工程とを同時におこなってもよい。また本発明の製法により得られた反射防止フイルムは、PDPなどの各種画像表示装置の視認側表面に設けることで、反射防止性に優れた画像表示装置を提供することができる。
〔塗料組成物〕
上述のように本発明の製造方法に用いる塗料組成物は、2種類以上の無機粒子を含み、そのうちの少なくとも一種類の無機粒子がフッ素処理無機粒子であり、さらに金属キレートを含むことを特徴とする。そして、塗料組成物中の好ましく用いられる金属キレート、フッ素化合物による表面処理の方法、無機粒子については上述の通りである。そして塗料組成物のさらに好ましい態様は、2種類以上の無機粒子、及び含アルミニウムキレートを含み、該2種類以上の無機粒子が、フッ素処理シリカ粒子、及び金属酸化物を含む塗料組成物である。
さらに、前記フッ素処理シリカ粒子を得るための表面処理の方法が、前記シリカ粒子を下記一般式(I)で示される化合物で処理し、更に一般式(II)で示される化合物で処理するものであることが特に好ましい態様である。
A−R−SiR (OR3−n 一般式(I)
B−R−Rf 一般式(II)
(上記一般式中のA、Bは反応性二重結合基を示し、R、Rは炭素数1から3のアルキレン基及びそれらから導出されるエステル構造を示し、R、Rは水素又は炭素数が1から4のアルキル基を示し、Rfはフルオロアルキル基を示し、nは0又は1又は2のいずれかを示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。)
本発明の塗料組成物は、少なくとも一種類がフッ素処理無機粒子である2種類以上の無機粒子を含み、さらに金属キレートを含めば、その含有量は特に限定されない。しかし好ましくは、本発明の塗料組成物100重量%において、フッ素処理無機粒子を含む2種類以上の無機粒子の合計が0.2重量%〜40重量部%以下、金属キレート化合物が0.01〜20重量%、溶媒やバインダー樹脂、該開始剤及び該硬化剤及び触媒などのその他の成分を40〜99重量%含む態様であり、より好ましくは、フッ素処理無機粒子を含む2種類以上の無機粒子の合計が1〜35重量%、金属キレート化合物が0.05〜15重量%、溶媒やバインダー樹脂、該開始剤及び該硬化剤及び触媒などのその他の成分を50〜98重量%含む態様である。
さらに好ましい態様としては、2種類以上の無機粒子が金属酸化物粒子とフッ素処理シリカ粒子であり、これらの合計が2〜30重量%、含アルミニウムキレートが0.1〜10重量%、その他の成分が60〜97重量%の態様である。
また、無機粒子の合計100重量%においては、フッ素処理無機粒子が5〜95重量%、その他の無機粒子が5〜95重量%であることが好ましく、フッ素処理無機粒子が10〜90重量%、その他の無機粒子が10〜90重量%であることがより好ましい。
さらに好ましくは、無機粒子の合計100重量%において、フッ素処理シリカ粒子が15〜85重量%、金属酸化物粒子が15〜85重量%の態様である。また、フッ素処理シリカ粒子と金属酸化物粒子の割合としては、形成される低屈折率層と高屈折率層の膜厚の観点から、無機粒子の合計100重量%において、フッ素処理シリカ粒子が50〜85重量%、金属酸化物粒子が15〜50重量%の態様である。
塗料組成物の全構成成分100重量%において、フッ素処理無機粒子を含む2種類以上の無機粒子の合計が0.2重量%未満であると、得られる反射防止層である低屈折率層、高屈折率層の厚み、屈折率が不十分となるため、良好な反射防止性能が得られないことがあり、また塗料組成物の全構成成分100重量%における、フッ素処理無機粒子を含む2種類以上の無機粒子の合計が40重量%を超えると、製膜性や高屈折率層との密着性が低下したり、高屈折率層と低屈折率層との区別可能な界面が失われるなどの不具合が生じることがある。
フッ素処理シリカ粒子は、前述のように中空シリカ粒子をフッ素化合物により処理して用いることが、低屈折率層を好適に形成することとなるために好ましい。
このようなフッ素処理シリカ粒子の構成材料であるシリカ粒子の数平均粒子径(処理前の数平均粒子径)は、前記のように、透明性、反射防止性の観点から、好ましくは1nmから200nm、より好ましくは5nmから180nm、更に好ましくは5nmから100nmである。
フッ素処理無機粒子は、好適に空気側(最表面層)へ移動して、好適に低屈折率層を形成することができるため、塗料組成物に用いられる2種類以上の無機粒子の少なくとも1種類の無機粒子(特にシリカ粒子)には、フッ素化合物による表面処理がされていることが重要である。なお、2種類以上の無機粒子の全ての無機粒子がフッ素化合物による表面処理を施された場合よりも、フッ素化合物による表面処理を施された無機粒子(特にシリカ粒子)と該表面処理をされていない無機粒子(特に金属酸化物)の両方を含む塗料組成物を用いる方が、屈折率差の大きい2層を得ることができるために反射防止性の点で好ましい。
本発明における無機粒子のフッ素化合物による表面処理の好ましい形態は、シリカ粒子(特に中空シリカ粒子)を下記一般式(I)で示される化合物で処理し、更に下記一般式(II)で示される化合物で処理することである、これについては前述の通りである。
A−R−SiR (OR3−n 一般式(I)
B−R−Rf 一般式(II)
(上記一般式中のA、Bは反応性二重結合基を示し、R、Rは炭素数1から3のアルキレン基及びそれらから導出されるエステル構造を示し、R、Rは水素又は炭素数が1から4のアルキル基を示し、Rfはフルオロアルキル基を示し、nは0又は1又は2のいずれかを示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。)
一般式(I)の具体例としては前述の通り、アクリロキシエチルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン及びこれら化合物中のメトキシ基が他のアルコキシル基及び水酸基に置換された化合物を含むものなどが挙げられる。
一般式(II)の具体例としては前述の通り、前記のように2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフロオロプロピルアクリレート、などが挙げられる。
分子中にフッ素セグメントを有さない一般式(I)で示される化合物を用いることにより、簡便な反応条件でシリカ粒子表面を修飾することが可能となるばかりではなく、シリカ粒子表面に反応性を制御しやすい官能基を導入することが可能となり、その結果、反応性二重結合を有するフッ素セグメントをシリカ粒子表面で反応させることが可能になる。
続いて無機粒子の一つである金属酸化物は、前記のように酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化インジウム(In)、などから選ばれる少なくとも一つの金属酸化物が好ましく、特に好ましくはSbやSnなどから導出されるインジウム含有酸化スズ(ITO)やアンチモン含有酸化スズ(ATO)である。
金属酸化物の数平均粒子径、特にフッ素化合物により表面処理されたシリカ粒子よりも屈折率が高い金属酸化物の平均粒子径は、前記のように、透明性、反射防止性能の観点から、好ましくは、1nmから150nm、より好ましくは5nmから100nmである。
金属酸化物の屈折率、特にフッ素化合物により表面処理されたシリカ粒子よりも屈折率が高い金属酸化物の屈折率としては、前記のように反射防止性能の観点から、好ましくは1.60〜2.80、より好ましくは1.60〜2.50である。
本発明の製法に用いられる塗料組成物において、フッ素化合物による表面処理がされた無機粒子がシリカ粒子であり、他の無機粒子が該シリカ粒子よりも屈折率が高い金属酸化物である場合、支持基材上に1液の塗料組成物を1回塗布乾燥硬化することで、該シリカ粒子を含有した低屈折率層と、金属酸化物粒子を含有する高屈折率層を好適に形成できるため好ましい態様である。
本発明の製造方法で用いるアルミニウムキレートとは、多座配位子を分子中に有する化合物がアルミニウムイオンを挟むようにして錯体を形成している化合物の総称である。アルミニウムキレート化合物は、シラノールなどを含む樹脂の硬化を助成する効果を有し、その効果は加熱することにより促進される。製膜において加熱硬化に適している温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上であり、更に好ましくは130℃以上である。加熱温度を100℃以上とすることで、非常に短時間でシラノールなどを含む樹脂の硬化が進むために好ましい。
含アルミニウムキレート化合物の具体例としては、前記のように例えば、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナートアルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートなどのアルミニウムキレート化合物;などを挙げることができる。これらのアルミニウムキレート化合物は、1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。塗料の安定性や膜硬化性寄与等の観点からアルミニウム化合物が特に好ましい。
本発明で用いる塗料組成物は、前述のようにバインダー成分、溶剤、開始剤、硬化剤、触媒、各種シランカップリング剤、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を必要に応じて適宜添加しても良い。なお塗料組成物中のバインダー樹脂成分としては、複数のバインダーを用いることも可能であるが、相溶性の観点から1種のバインダーのみを含有する塗料組成物がより好ましい。
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
[製造例]
[高屈折率成分の調整]
高屈折率成分としてアンチモン含有酸化スズであるオプスターTU4005(JSR社製)を固形分濃度6重量%となるようにイソプロピルアルコールを加え希釈した。
[低屈折率成分の調整]
[低屈折率成分(a)の調整]
中空シリカであるスルーリアTR−113(触媒化成工業株式会社製:固形分20重量%)20gにメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン4.4gと5重量%蟻酸水溶液1.8gを混合し70℃にて1時間撹拌した。ついで、2−ペルフルオロオクチルエチルアクリレート4.6g及び2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.2gを加えた後、30分間70℃にて加熱撹拌した。その後、イソプロピルアルコールを333g加え希釈し、固形分3.8重量%の低屈折率成分(a)とした。
[低屈折率成分(b)の調整]
中空シリカであるスルーリアTR−113(触媒化成工業株式会社製:固形分20重量%)20gにメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン4.4gと5重量%蟻酸水溶液1.8gを混合し70℃にて1時間撹拌した。その後、イソプロピルアルコール221gを加え希釈し、固形分3.6重量%の低屈折率成分(b)とした。
[低屈折率成分(c)の調整]
中空シリカであるスルーリアTR−113(触媒化成工業株式会社製:固形分20重量%)20gにイソプロピルアルコールを113g加え希釈し、固形分3.1重量%低屈折率成分(c)とした。
[塗剤1]
低屈折率成分(a)と高屈折率成分をそれぞれ重量比にて4:6となるように混合した溶液(固形分濃度5.1重量%)100重量部に、アルミニウムトリスアセチルアセトネートを0.2重量部添加した。
〔塗剤2〕
低屈折率成分(a)と高屈折率成分をそれぞれ重量比にて4:6となるように混合した溶液(固形分濃度5.1重量%)100重量部に、アルミニウムトリスアセチルアセトネートを0.4重量部添加した。
〔塗剤3〕
低屈折率成分(a)と高屈折率成分をそれぞれ重量比にて4:6となるように混合した溶液(固形分濃度5.1重量%)100重量部に、アルミニウムトリスアセチルアセトネートを1.0重量部添加した。
〔塗剤4〕
低屈折率成分(a)と高屈折率成分をそれぞれ重量比にて4:6となるように混合した溶液(固形分濃度5.1重量%)100重量部に、アルミニウムトリスアセチルアセトネートを5.0重量部添加した。
〔塗剤5〕
低屈折率成分(a)と高屈折率成分をそれぞれ重量比にて4:6となるように混合した溶液(固形分濃度5.1重量%)100重量部に、アルミニウムトリスアセチルアセトネートを10.0重量部添加した。
[塗剤6]
低屈折率成分(a)と高屈折率成分をそれぞれ重量比にて4:6となるように混合した溶液100重量部(固形分濃度5.1重量%)に、ジルコニウムテトラエチルアセチルアセトネートを0.2重量部添加した。
[塗剤7]
低屈折率成分(a)と高屈折率成分をそれぞれ重量比にて4:6となるように混合した溶液(固形分濃度5.1重量%)100重量部に、チタニウムテトラアセチルアセトネートを0.2重量部添加した。
[塗剤8]
低屈折率成分(a)と高屈折率成分をそれぞれ重量比にて4:6となるように混合した溶液(固形分濃度5.1重量%)を用いた。
[塗剤9]
低屈折率成分(b)と高屈折率成分をそれぞれ重量比にて4:6となるように混合した溶液(固形分濃度5.0重量%)100重量部に、アルミニウムトリスエチルアセチルアセトネートを0.2重量部添加した。
[塗剤10]
低屈折率成分(c)と高屈折率成分をそれぞれ重量比にて4:6となるように混合した溶液(固形分濃度4.8重量%)100重量部に、アルミニウムトリスエチルアセチルアセトネートを0.2重量部添加した。
[塗剤11]
低屈折率成分(固形部濃度3.8重量%)(a)のみ100重量部に、アルミニウムトリスエチルアセチルアセトネートを0.3重量部添加した。
[反射防止フイルムの作製]
支持基材として、PET樹脂フィルム上にハードコート塗料が塗布硬化されているルミクリアSR−HC(東レフィルム加工株式会社製)をもちいた。この支持基材のハードコート塗料が塗布硬化されている側上に、バーコーター(#10)を用いて各実施例および比較例ごとに表1に記載した塗料を塗布後140℃にて2分間乾燥し、160W/cmの高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600W/cm、積算光量800mJ/cmの紫外線を照射し反射防止フィルムを作製した。
[反射防止フィルムの評価]
作製した反射防止フィルムについて次に示す性能評価を実施し、得られた結果を表1に示した。特に断りのない場合を除き、測定は各実施例・比較例において、1つのサンプルについて場所を変えて3回測定を行い、その平均値を用いた。
[反射防止性能]
反射防止性能の評価は島津製作所製分光光度計UV−3100を用いて400nmから800nmの波長範囲にて行い、光線反射率の最小値(ボトム反射率)とデルタ反射率を測定した。
[耐擦傷性]
反射防止フイルムに250g/cm荷重となるスチールウール(#0000)を垂直にあて、1cmの長さを10往復した際に目視される傷の概算本数を記載した。
傷の本数 0本以上〜5本未満 ◎
5本以上〜15本未満 ○
15本以上 ×
傷の本数が15本未満を合格とした。
[透明性]
透明性はヘイズ値を測定することにより判定した。測定はJIS K 7136(2000)に基づき、日本電色工業(株)製 ヘイズメーターを用いて測定を行い、1.0%未満は評価○、1.0%以上を評価×とした。
〔耐アルカリ性〕
1重量%のNaOH溶液を反射防止フィルムサンプルの支持基材と反対側の面(低屈折率層側)に滴下させ、15分経過後にガーゼを用いて拭取り作業を行った。拭取り後の表面状態を観察することにより、表面が侵されているかどうか目視で判定した。液滴の跡がなければ評価○、跡が確認できれば評価×とした。なお、一つのサンプルについて場所を変えた3ヶ所について評価したうち、最も多い評価結果を採用する。
〔無機粒子の屈折率〕
無機粒子の分散液をエバポレーターに採り、分散媒を蒸発させる。これを120℃で乾燥し、粉末とする。屈折率が既知である標準屈折液を2,3滴ガラス板上に滴下し、これに上記粉末を混合する。上記の操作を種々の標準屈折液で行い、混合液(多くの場合はペースト状が透明になったとき)の標準屈折液を無機粒子の屈折率として測定した。
[2層の界面の有無]
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面を観察することにより、2層の界面の有無を判断した。界面の有無の判断は以下の方法に従い判断した。TEMにより20万倍の倍率で撮影した画像を、スキャナーを用いてプレゼンテーションソフトウェア(Microsoft Power Point2003)に貼付した。次いで貼付した写真のイメージコントロール処理(コントラストを90%とする)を行い、コントラストを強調した。この際に、1つの層と他の層との界面に明確な境界を引くことができる場合を、明確な界面があるとみなした。
[2層個々の屈折率]
本発明における2層個々の屈折率は、反射分光膜厚計(大塚電子製、商品名[FE−3000])により、300〜800nmの範囲での反射率を測定し、該装置付属のソフトウェア[FE−Analysis]を用い、大塚電子株式会社製[膜厚測定装置 総合カタログP6(非線形最小二乗法)]に記載の方法に従い、550nmにおける屈折率を求めた。
屈折率の波長分散の近似式としてCauchyの分散式(式1)を用い最小二乗法(カーブフィッティング法)により、光学定数(C,C、C)を計算し、550nmにおける屈折率を測定した。
[粒子の数平均粒子径]
粒子の数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡により求めた。倍率を50万倍とし、その画面内に存在する10個の粒子の外径を測定し、その平均値とした。画面内に10個の粒子が存在しない場合は、同じ条件で別の箇所を観察し、その画面内に存在する粒子の外径を測定して、合計で10個の粒子の外径を測定して平均値とした。
ここで外径とは、粒子の最大の径(つまり粒子の長径であり、粒子中の最も長い径を示す)を表し、内部に空洞を有する粒子の場合も同様に、粒子の最大の径を表す。
Figure 2009058954
表1から明らかなように、金属キレートを含む場合(実施例1〜7)では、反射防止性、耐擦傷性、耐アルカリ性、透明性に優れたバランスのよいフィルムであった。また金属キレートを含まない場合(比較例1)では、反射防止性、透明性、耐アルカリ性が良好なものの、耐擦傷性に欠けるものであった。
低屈折率成分において、フッ素化合物による表面処理がなされていない場合、(比較例2、比較例3)では、耐アルカリ性が良好なものの、耐擦傷性、反射防止性に欠けるものであった。また、高屈折率成分を含まない場合(比較例4)でも、耐アルカリ性が良好なものの、耐擦傷性、反射防止性に欠けるものであった。

Claims (11)

  1. 支持基材の少なくとも片面に、屈折率の異なる2層を有する反射防止フィルムの製造方法であって、
    塗料組成物を支持基材の少なくとも片面上に1回塗布乾燥硬化する工程を含み、
    該塗料組成物が2種類以上の無機粒子を含み、
    該2種類以上の無機粒子における少なくとも一種類の無機粒子が、フッ素化合物により表面処理された無機粒子であり、
    さらに金属キレート化合物を含むことを特徴とする、反射防止フィルムの製造方法。
  2. 前記金属キレート化合物が含アルミニウムキレート化合物である事を特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  3. 前記フッ素化合物により表面処理された無機粒子が、シリカ粒子をフッ素化合物により表面処理した粒子(以後、フッ素化合物により表面処理されたシリカ粒子を、フッ素処理シリカ粒子とよぶ)であり、
    フッ素処理シリカ粒子を除いた他の無機粒子が、シリカ粒子よりも屈折率が高い無機粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  4. 前記フッ素処理シリカ粒子を得るための表面処理が、シリカ粒子を下記一般式(I)で示される化合物で処理し、更に一般式(II)で示される化合物で処理することを特徴とする、請求項3に記載の反射防止フイルムの製造方法。
    A−R−SiR (OR3−n 一般式(I)
    B−R−Rf 一般式(II
    (上記一般式中のA、Bは反応性二重結合基を示し、R、Rは炭素数1から3のアルキレン基及びそれらから導出されるエステル構造を示し、R、Rは水素又は炭素数が1から4のアルキル基を示し、Rfはフルオロアルキル基を示し、nは0又は1又は2のいずれかを示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。)
  5. 前記シリカ粒子が、内部に空洞を有するシリカ粒子、及び/または、細孔を有するシリカ粒子であって、
    該シリカ粒子の数平均粒子径が1nmから200nmである、請求項3または4に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  6. 前記シリカ粒子よりも屈折率が高い無機粒子が、数平均粒子径が1nmから150nm、屈折率が1.60〜2.80である金属酸化物からなることを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載の反射防止フィルムの製造方法。
  7. 前記金属酸化物が、インジウム含有酸化スズ(ITO)及び/またはアンチモン含有酸化スズ(ATO)であることを特徴とする、請求項6に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法にて得られうる反射防止フィルム。
  9. 請求項8の反射防止フィルムを設けたことを特徴とする画像表示装置。
  10. 2種類以上の無機粒子、及び含アルミニウムキレート化合物を含む塗料組成物であって、
    該2種類以上の無機粒子が、フッ素化合物により表面処理されたシリカ粒子(フッ素処理シリカ粒子)、及び金属酸化物を含むことを特徴とする、塗料組成物。
  11. 前記フッ素処理シリカ粒子を得るための表面処理が、シリカ粒子を下記一般式(I)で示される化合物で処理し、更に一般式(II)で示される化合物で処理することを特徴とする、請求項10に記載の塗料組成物。
    A−R−SiR (OR3−n 一般式(I)
    B−R−Rf 一般式(II
    (上記一般式中のA、Bは反応性二重結合基を示し、R、Rは炭素数1から3のアルキレン基及びそれらから導出されるエステル構造を示し、R、Rは水素又は炭素数が1から4のアルキル基を示し、Rfはフルオロアルキル基を示し、nは0又は1又は2のいずれかを示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。)
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