JP2005181543A - 反射防止フィルム - Google Patents

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三博 西田
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Abstract

【課題】透明樹脂フィルムを劣化させることなく、短時間で透明樹脂フィルムに屈折率の低い低屈折率層を成膜することができ、連続生産が可能で、耐擦傷性、耐薬品性等にも優れた塗工型反射防止フィルムを提供する。
【解決手段】透明基材フィルム1上に、ハードコート層2、高屈折率層3及び低屈折率層4をこの順で積層してなる反射防止フィルム、或いは、透明基材フィルム上に、導電性高屈折率ハードコート層及び低屈折率層をこの順で積層してなる反射防止フィルム。該低屈折率層4は中空のシリカ微粒子と、多官能(メタ)アクリル系化合物と、光重合開始剤とを含む塗膜に、酸素濃度が0〜10000ppmの雰囲気下で紫外線を照射することにより硬化させてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワープロ、コンピュータ、CRT、プラズマテレビ、液晶ディスプレイ、有機ELなどの各種ディスプレイ、及び自動車、建築物、電車の窓ガラスや絵画の額ガラス等に好適な塗工型反射防止フィルムに関する。
ワープロ、コンピュータ、CRT、プラズマテレビ、液晶ディスプレイ、有機ELなどの各種ディスプレイ、及び自動車、建築物、電車の窓ガラスや絵画の額ガラス等には、光の反射を防止して高い光透過性を確保するために反射防止フィルムが適用されている。
従来、この種の用途に用いられる反射防止フィルムとして、透明な基材フィルムの表面に高屈折率層と低屈折率層とを設けてなるものが提供されている。この反射防止フィルムでは、高屈折率層と低屈折率層との屈折率差を利用して反射防止機能を得ている。
従来の反射防止フィルムには、SiO、MgF等の低屈折率層と、TiO、ITO等の高屈折率層を蒸着やスパッタにより積層させた乾式成膜法によるものが数多く提供されているが、乾式法では成膜に非常に時間がかかるためコストが非常に高くなる。
一方、マイクログラビア塗工法等の湿式法による成膜法であれば、反射防止フィルムを低コストで製造することができる。塗工型反射防止フィルムとしては、図1に示す如く、合成樹脂よりなる透明な基材フィルム1の表面上に、下層側からハードコート層2、高屈折率層3、及び低屈折率層4を順次積層したものが主として用いられている。また、高屈折率層とハードコート層とを兼ねた導電性高屈折率ハードコート層を基材フィルム上に形成し、その上に低屈折率層を形成したものもある。
しかし、湿式法では、低屈折率成分の低屈折率化及び、高屈折率成分の高屈折率化が難しく、良好な反射防止性能を得ることが困難である。特に、低屈折率層の低屈折率化が非常に難しく、従来より、低屈折率層の低屈折率化について種々検討がなされている。
通常、塗工型反射防止フィルムの低屈折率層材料としては、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたフッ素樹脂が多く使用されている(例えば、特開平9−203801号公報)。
フッ素樹脂を用いた低屈折率層の屈折率は低いが、屈折率を低くするためには、フッ素樹脂のフッ素置換されたアルキル鎖を長くしなければならず、一方でアルキル鎖を長くすると形成される低屈折率層の膜強度が低下するという問題がある。例えば、従来のフッ素樹脂よりなる低屈折率層をプラスチック消しゴムでこすると、非常に簡単に膜剥離を生じる。特開平9−203801号公報に開示されるフッ素樹脂を用いた低屈折率層でも、本発明者らの実験によれば、耐擦傷性規格(4.9×10N/m)の加圧でプラスチック消しゴムで擦ると、10回程度で膜が破壊された。
塗工型低屈折率層としては、粒子径1〜100nmの屈折率(n)の低い微粒子をバインダーで固める方法も提案されている。このうち、シリカ微粒子(n=1.47)をアクリル系バインダーで固めたものは、膜強度は高いものの、シリカ微粒子の屈折率が1.47程度と比較的高いため、通常のバインダーでは、形成される低屈折率層の屈折率を1.49以下にすることは不可能である。
また、MgF微粒子(n=1.38)をアクリル系バインダーで固めたものでは、低屈折率層の屈折率はある程度下がる(n=1.46)ものの、MgFとアクリル系バインダーとの相性が悪く、膜強度が非常に劣るものとなる。
そこで、バインダーとの相性が良く、低屈折率の微粒子として、中空のシリカ微粒子(ポーラスシリカ)を用いると共に、バインダーとしてフッ素置換アルキル基含有シリコーン成分を用いて膜強度の改良と低屈折率化を図ることが提案された(特開2003−202406号公報、特開2003−202960号公報)。
しかし、反射防止フィルムにおいて、通常用いられる基材フィルムはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム又はトリアセチルセルロースフィルムであり、PETフィルムでは耐熱性の点から、130℃以上の加熱を行うことはできない。湿式法による成膜法において、加熱による焼付け処理等が行えないシリコーン成分をバインダーとすると、後述の比較実験例で示すように、耐薬品性や、耐擦傷性が非常に劣るものとなる。特に、アルカリ水溶液(3重量%NaOH)に30分程度浸漬した場合、シリコーン成分がアルカリ加水分解を起こし、簡単に膜が溶解してしまう傾向が見られた。従って、シリコーン成分を含むバインダーを用いて、ポーラスシリカと混合した系では、反射防止フィルムの最表層となる低屈折率層をアルカリ洗剤等で強く拭いた場合、低屈折率層の溶解により、反射防止機能が無くなることとなる。
一方、バインダーとして2官能以上の多官能アクリル樹脂を用い、多孔質シリカ微粒子を配合した低屈折率層を湿式法で成膜することも提案されている(特開2003−261797号公報、特開2003−262703号公報、特開2003−266602号公報)。
しかし、本発明者らの研究によれば、2官能以上のアクリル樹脂を多孔質シリカ微粒子と混合して成膜した膜は膜強度が非常に劣り、単に2官能以上のアクリル樹脂を多孔質シリカ微粒子に混ぜても、耐擦傷性のある低屈折率層を形成することはできなかった。また、これらの公報では、基材表面に直接低屈折率層を形成しているが、このように基材に直接低屈折率層を形成したものでは、最小反射率等の反射防止フィルムに不可欠な反射防止性能に優れたものは得られない。しかもこれらの公報では、ポーラスシリカではなく多孔質シリカ微粒子を用いているが、多孔質シリカではシリカの屈折率を十分に下げることができず、このため、低屈折率層の屈折率も十分に低い値とはならない。
特開平9−203801号公報 特開2003−202406号公報 特開2003−202960号公報 特開2003−261797号公報 特開2003−262703号公報 特開2003−266602号公報
反射防止フィルムの最上層となる低屈折率層には、その低屈折率性のみならず、耐擦傷性及び耐薬品性等の耐久性が非常に重要であるが、上述の如く、従来においては、耐擦傷性、耐薬品性等の膜性能に優れ、しかも低屈折率の低屈折率層を備える塗工型反射防止フィルムは提供されていなかった。
本発明は上記従来の実状に鑑みてなされたものであって、透明基材フィルムを劣化させることなく、屈折率の低い低屈折率層を容易に成膜することができ、連続生産が可能で、耐擦傷性、耐薬品性等にも優れた塗工型反射防止フィルムを提供することを目的とする。
本発明の反射防止フィルムは、透明基材フィルム上に、ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層をこの順で積層してなる反射防止フィルム、或いは、透明基材フィルム上に、導電性高屈折率ハードコート層及び低屈折率層をこの順で積層してなる反射防止フィルムにおいて、該低屈折率層が、中空のシリカ微粒子(以下「ポーラスシリカ」と称す。)と、多官能(メタ)アクリル系化合物、即ち、(メタ)アクリロイル基を2以上有する(メタ)アクリル系化合物と、光重合開始剤とを含む塗膜に、酸素濃度が0〜10000ppmの雰囲気下で紫外線を照射することにより硬化させてなることを特徴とする。
本発明で用いるポーラスシリカは、屈折率が低く、低屈折率層の材料として有効である。また、バインダー成分としての多官能(メタ)アクリル系化合物を選択することにより、耐擦傷性、耐薬品性、防汚性を付与することができ、良好な低屈折率層を形成することができる。しかも、本発明に係る低屈折率層は、特定の低酸素条件下において、紫外線の照射により硬化させるため、熱を加えることなく、従って、透明樹脂フィルムを劣化させることなく、連続生産にて屈折率が非常に低く、耐擦傷性、耐薬品性に優れた低屈折率層を形成することができる。
即ち、本発明者らは、前述の従来技術について後述の比較実験例に示す如く、追跡実験を行い、2官能以上のアクリル樹脂を多孔質シリカ微粒子と混合して低屈折率層を形成した場合、膜強度が非常に低く、ただ単に2官能以上のアクリル樹脂を多孔質シリカ微粒子に混合しても耐擦傷性は全く良くならないことを知見した。また、基材表面に直接低屈折率層を形成しても、最小反射率等の反射防止フィルムに欠かせない反射防止性能が不十分であることを知見した。
また、多孔質シリカ微粒子では、シリカの屈折率は十分に低くすることはできず、より一層の低屈折率化のためには、ポーラスシリカを用いる必要があることを知見した。
それらの知見を踏まえて、本発明者らは、まず、膜構成については、透明基材フィルム/ハードコート層、高屈折率層/低屈折率層、或いは、透明基材フィルム/導電性高屈折率ハードコート層/低屈折率層とすることにより、反射防止性能を上げた。そして、酸素濃度の非常に低い条件で紫外線を当ててバインダーを硬化させることにより、低屈折率層の耐擦傷性が大幅に上がること、中でも特殊なアクリル樹脂をバインダーとして用いたときにのみ非常に強い耐擦傷性と耐薬品性を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明において、バインダー成分としての多官能(メタ)アクリル系化合物は、下記一般式(I)で表される6官能(メタ)アクリル系化合物及び/又は下記一般式(II)で表される4官能(メタ)アクリル系化合物を主成分とすることが好ましい。なお、ここで、主成分とするとは、全バインダー成分の50重量%以上を含むことを指す。
Figure 2005181543
(上記一般式(I)中、A〜Aは各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、α−フルオロアクリロイル基、又はトリフルオロメタクリロイル基を表し、
n,m,o,p,q,rは各々独立に、0〜2の整数を表し、
〜Rは各々独立に、炭素数1〜3のアルキレン基、或いは、水素原子の1個以上がフッ素原子に置換された炭素数1〜3のフルオロアルキレン基を表す。)
Figure 2005181543
(上記一般式(II)中、A11〜A14は各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、α−フルオロアクリロイル基、又はトリフルオロメタクリロイル基を表し、
s,t,u,vは各々独立に、0〜2の整数を表し、
11〜R14は各々独立に、炭素数1〜3のアルキレン基、或いは、水素原子の1個以上がフッ素原子に置換された炭素数1〜3のフルオロアルキレン基を表す。)
また、本発明に係るバインダー成分としての多官能(メタ)アクリル系化合物は、更に下記一般式(III)で表されるフッ素含有2官能(メタ)アクリル系化合物を含み、全多官能(メタ)アクリル系化合物中に5重量%以上含むことが好ましく、これにより低屈折率層の耐擦傷性及び防汚性が向上し、また、低屈折率化を図ることもできる。
−O−(CHxa−Rf−(CHxb−O−A ……(III)
(上記一般式(III)中、A,Aは各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、α−フルオロアクリロイル基、又はトリフルオロメタクリロイル基を表し、Rfはパーフルオロアルキレン基を表し、xa,xbは各々独立に、0〜3の整数を表す。)
また、本発明に係るバインダー成分としての多官能(メタ)アクリル系化合物は、更に、1分子中にフッ素原子を6個以上有し、分子量が1000以下の3〜6官能の(メタ)アクリル系化合物、及び、1分子量にフッ素原子を10個以上有し、分子量が1000〜5000の6〜15官能の(メタ)アクリル系化合物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上のフッ素含有多官能(メタ)アクリル系化合物を全多官能(メタ)アクリル系化合物中の5重量%以上含むことが好ましく、これにより、低屈折率層の低屈折率化及び防汚性の向上を図ることができる。
また、ポーラスシリカは下記一般式(IV)で表される末端(メタ)アクリルシランカップリング剤と、好ましくは100〜150℃の水熱反応により、或いはマイクロ波照射下での反応により、表面が末端(メタ)アクリル変性された(メタ)アクリル変性ポーラスシリカであることが好ましく、これにより低屈折率層の耐擦傷性を向上させることができる。
Figure 2005181543
(上記一般式(IV)中、R21は水素原子、フッ素原子又はメチル基を表し、
22は炭素数1〜8のアルキレン基、又は、水素原子の1個以上がフッ素原子に置換された炭素数1〜8のフルオロアルキレン基を表し、
23〜R25は各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
また、ポーラスシリカは下記一般式(V)で表される末端フルオロアルキルシランカップリング剤と、好ましくは100〜150℃の水熱反応により、或いはマイクロ波照射下での反応により、表面が末端フルオロアルキル変性されたフルオロアルキル変性ポーラスシリカであることが好ましく、これにより低屈折率層の防汚性を向上させることができる。
Figure 2005181543
(上記一般式(V)中、R31〜R33は各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、yaは1〜8の整数を表し、ybは1〜3の整数を表す。)
本発明によれば、透明樹脂フィルムを劣化させることなく、短時間で透明樹脂フィルムに屈折率の低い低屈折率層を成膜することができ、連続生産が可能で、耐擦傷性、耐薬品性等にも優れた塗工型反射防止フィルムが提供される。
以下に本発明の反射防止フィルムの実施の形態を説明する。
本発明の反射防止フィルムは、図1に示す如く、透明基材フィルム1上に、ハードコート層2、高屈折率層3及び低屈折率層4をこの順で積層してなるものである。或いは、図1において、ハードコート層と高屈折率層の代りに、導電性高屈折率ハードコート層を設けたものである。
本発明において、基材フィルム1としては、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、セルローストリアセテート(TAC)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、セロファン等、好ましくはPET、PC、PMMAの透明フィルムが挙げられる。
基材フィルム1の厚さは得られる反射防止フィルムの用途による要求特性(例えば、強度、薄膜性)等によって適宜決定されるが、通常の場合、1μm〜10mmの範囲とされる。
ハードコート層2としては、合成樹脂系のものが好ましく、特に、紫外線硬化型合成樹脂、とりわけ多官能アクリル樹脂と、シリカ微粒子との組み合わせが好適である。このハードコート層2の厚みは2〜20μmが好ましい。
高屈折率層3は、金属酸化物微粒子を含む合成樹脂系のものが好ましく、合成樹脂としては特に紫外線硬化型の合成樹脂、とりわけ、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、最も好ましくはアクリル系樹脂が挙げられる。また、金属酸化物微粒子としては、ITO、TiO、ZrO、CeO、Al、Y、La及びHoよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の高屈折率金属酸化物微粒子、特に好ましくは、TiO微粒子、ITO微粒子が好ましい。
高屈折率層3における、金属酸化物微粒子と合成樹脂との割合は、金属酸化物微粒子が過度に多く合成樹脂が不足すると高屈折率層の膜強度が低下し、逆に金属酸化物微粒子が少ないと屈折率を十分に高めることができないことから、金属酸化物微粒子と合成樹脂との合計に対する金属酸化物微粒子の割合が10〜60体積%、特に20〜50体積%とするのが好ましい。
このような高屈折率層3の厚みは80〜100nm程度が好ましい。また、この高屈折率層3は屈折率1.65以上、特に1.66〜1.85であることが好ましく、この場合において、低屈折率層4の屈折率を1.39〜1.47とすることで、表面反射率の最小反射率1%以下の反射防止性能に優れた反射防止フィルムとすることができる。特に、低屈折率層4の屈折率を1.45以下とした場合には、更に反射防止性能を高め、表面反射率の最小反射率0.5%以下の反射防止フィルムとすることも可能である。
本発明において、低屈折率層4は、ポーラスシリカと多官能(メタ)アクリル系化合物よりなるバインダー成分と光重合開始剤とを含む塗膜に、酸素濃度が0〜10000ppmの雰囲気下で紫外線を照射することにより硬化させてなるものである。
ポーラスシリカは、中空殻状のシリカ微粒子であり、その平均粒径は10〜200nm、特に10〜150nmであることが好ましい。このポーラスシリカの平均粒径が10nm未満では、ポーラスシリカの屈折率を下げることが困難であり、200nmを超えると光を乱反射し、また形成される低屈折率層の表面粗さが大きくなるなどの問題が出る。
ポーラスシリカは、中空内部に屈折率の低い空気(屈折率=1.0)を有しているため、その屈折率は、通常のシリカ(屈折率=1.46)と比較して著しく低い。ポーラスシリカの屈折率は、その中空部の体積割合により決定されるが、通常1.20〜1.40程度であることが好ましい。
なお、ポーラスシリカの屈折率:n(ポーラスシリカ)は、中空微粒子の殻部を構成するシリカの屈折率:n(シリカ)、内部の空気の屈折率:n(空気)から、次のようにして求められる。
n(ポーラスシリカ)=n(シリカ)×シリカの体積分率
前述の如く、n(シリカ)は約1.47であり、n(空気)は1.0と非常に低いため、このようなポーラスシリカの屈折率は非常に低いものとなる。
また、このようなポーラスシリカを用いた本発明に係る低屈折率層の屈折率:n(低屈折率層)は、ポーラスシリカの屈折率:n(ポーラスシリカ)とバインダー成分の屈折率:n(バインダー)とから、次のようにして求められる。
n(低屈折率層)=
n(ポーラスシリカ)×低屈折率層中のポーラスシリカの体積割合+n(バインダー)×低屈折率層中のバインダーの体積割合
ここで、バインダーの屈折率は特殊なフッ素含有アクリル系バインダー以外では、おおむね1.50〜1.55程度であるため、低屈折率層中のポーラスシリカの体積分率を増やすことが、低屈折率層の屈折率の低減に重要な要件となる。
本発明において、低屈折率層中のポーラスシリカの含有量は、多い程、低屈折率の低屈折率層を形成することができ、反射防止性能に優れた反射防止フィルムを得ることができるが、相対的にバインダー成分の含有量が減ることにより、低屈折率層の膜強度が低下し、耐擦傷性、耐久性が低下する。しかし、ポーラスシリカの配合量を増やすことによる膜強度の低下は、ポーラスシリカの表面処理で補うことが可能であり、また、配合するバインダー成分の種類を選択することによっても膜強度を補うことができる。
本発明においては、ポーラスシリカの表面処理やバインダー成分の選択により、低屈折率層中のポーラスシリカ含有量を20〜55重量%、特に30〜50重量%として、低屈折率層の低屈折率化を図り、屈折率1.39〜1.45程度とすると共に、耐擦傷性を確保することが好ましい。
次に、本発明の低屈折率層のバインダー成分である多官能(メタ)アクリル系化合物について説明する。
この多官能(メタ)アクリル系化合物は、下記一般式(I)で表される6官能(メタ)アクリル系化合物及び/又は下記一般式(II)で表される4官能(メタ)アクリル系化合物を主成分として、全バインダー成分中に50重量%以上、特に90重量%以上含むことが好ましい。
Figure 2005181543
(上記一般式(I)中、A〜Aは各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、α−フルオロアクリロイル基、又はトリフルオロメタクリロイル基を表し、
n,m,o,p,q,rは各々独立に、0〜2の整数を表し、
〜Rは各々独立に、炭素数1〜3のアルキレン基、或いは、水素原子の1個以上がフッ素原子に置換された炭素数1〜3のフルオロアルキレン基を表す。)
Figure 2005181543
(上記一般式(II)中、A11〜A14は各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、α−フルオロアクリロイル基、又はトリフルオロメタクリロイル基を表し、
s,t,u,vは各々独立に、0〜2の整数を表し、
11〜R14は各々独立に、炭素数1〜3のアルキレン基、或いは、水素原子の1個以上がフッ素原子に置換された炭素数1〜3のフルオロアルキレン基を表す。)
前記一般式(I)で表される6官能(メタ)アクリル系化合物としては、例えばジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリストールヘキサアクリレートのエチレンオキサイド付加物、もしくはエチレンオキサイドのHをフッ素置換したものが挙げられ、これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
また、前記一般式(II)で表される4官能(メタ)アクリル系化合物としては、例えばペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリストールテトラアクリレートのエチレンオキサイド付加物(1〜8)、もしくは、エチレンオキサイドのHをフッ素置換したもの等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
バインダー成分としては、前記一般式(I)で表される6官能(メタ)アクリル系化合物の1種又は2種以上と前記一般式(II)で表される4官能(メタ)アクリル系化合物の1種又は2種以上を併用しても良い。
前記一般式(I),(II)で表される多官能(メタ)アクリル系化合物、特に前記一般式(I)で表される6官能(メタ)アクリル系化合物は高硬度で耐擦傷性に優れ、耐擦傷性の高い低屈折率層の形成に有効である。
また、本発明においては、バインダー成分として、前記一般式(I)で表される6官能(メタ)アクリル系化合物及び/又は前記一般式(II)で表される4官能(メタ)アクリル系化合物と共に、下記一般式(III)で表されるフッ素含有2官能(メタ)アクリル系化合物、或いは、特定のフッ素含有多官能(メタ)アクリル系化合物を併用することが好ましく、これらのバインダー成分を用いることにより、低屈折率層に耐擦傷性や防汚性を付与することが可能となる。また、これらのバインダー成分は、前記一般式(I)で表される6官能(メタ)アクリル系化合物や前記一般式(II)で表される4官能(メタ)アクリル系化合物よりも屈折率が低いため、ポーラスシリカの配合量を低減しても屈折率の低い低屈折率層を形成することができる。
−O−(CHxa−Rf−(CHxb−O−A ……(III)
(上記一般式(III)中、A,Aは各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、α−フルオロアクリロイル基、又はトリフルオロメタクリロイル基を表し、Rfはパーフルオロアルキレン基を表し、xa,xbは各々独立に、0〜3の整数を表す。)
上記一般式(III)で表されるフッ素含有2官能(メタ)アクリル系化合物としては、例えば、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロペンタングリコール・ジアクリレート等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
また、上記特定の多官能(メタ)アクリル系化合物、即ち、1分子中にフッ素原子を6個以上有し、分子量が1000以下の3〜6官能の(メタ)アクリル系化合物、1分子量にフッ素原子を10個以上有し、分子量が1000〜5000の6〜15官能の(メタ)アクリル系化合物についても、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
上記フッ素含有2官能(メタ)アクリル系化合物の1種又は2種以上とフッ素含有多官能(メタ)アクリル系化合物の1種又は2種以上とを併用しても良い。
上記フッ素含有2官能(メタ)アクリル系化合物を用いることにより、低屈折率層の低屈折率化、防汚性の向上を図ることができるが、その配合量が過度に多いと耐擦傷性が低下する。従って、フッ素含有2官能(メタ)アクリル系化合物は全バインダー成分中に5重量%以上、特に5〜10重量%配合することが好ましい。
また、上記フッ素含有多官能(メタ)アクリル系化合物を用いることによっても低屈折率層の低屈折率化、防汚性の向上を図ることができるが、その配合量が過度に多いと耐擦傷性が低下する。従って、多官能(メタ)アクリル系化合物は全バインダー成分中に5重量%以上、特に5〜10重量%配合することが好ましい。
なお、フッ素含有2官能(メタ)アクリル系化合物とフッ素含有多官能(メタ)アクリル系化合物とを併用する場合、フッ素含有2官能(メタ)アクリル系化合物とフッ素含有多官能(メタ)アクリル系化合物との合計で全バインダー成分中に5重量%以上、特に5〜10重量%配合することが好ましい。
本発明で用いるポーラスシリカは、従来の低屈折率層に配合される一般的なシリカ微粒子(粒径5〜20nm程度)に比べて粒径が大きいため、同一のバインダー成分を用いた場合でも、シリカ微粒子を配合する場合に比べて、形成される低屈折率層の膜強度が弱くなる傾向があるが、このポーラスシリカに適当な表面処理を施すことにより、バインダー成分との結合力を高め、形成される低屈折率層の膜強度を高めて耐擦傷性を向上させることができる。
このポーラスシリカの表面処理としては、下記一般式(IV)で表される末端(メタ)アクリルシランカップリング剤を用いて、ポーラスシリカの表面を末端(メタ)アクリル変性することが好ましい。
Figure 2005181543
(上記一般式(IV)中、R21は水素原子、フッ素原子又はメチル基を表し、
22は炭素数1〜8のアルキレン基、又は、水素原子の1個以上がフッ素原子に置換された炭素数1〜8のフルオロアルキレン基を表し、
23〜R25は各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
このような末端(メタ)アクリルシランカップリング剤としては、例えばCH=CH−COO−(CH−Si−(OCH、CH=C(CH)−COO−(CH−Si−(OCH等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
このような末端(メタ)アクリルシランカップリング剤によりポーラスシリカの表面を末端(メタ)アクリル変性するには、ポーラスシリカと末端(メタ)アクリルシランカップリング剤との混合液を100〜150℃で水熱反応させるか、或いは、この混合液にマイクロ波を照射して反応させることが好ましい。即ち、末端(メタ)アクリルシランカップリング剤とポーラスシリカとを単に混合したのみでは、末端(メタ)アクリルシランカップリング剤による表面化学修飾を行うことはできず、目的とする表面改質効果を得ることができない。水熱反応による場合も、反応温度が低いと十分な末端(メタ)アクリル変性を行えない。ただし、この反応温度が高過ぎると逆に反応性が低下することから、水熱反応温度は100〜150℃であることが好ましい。なお、水熱反応時間は、反応温度にもよるが、通常0.1〜10時間程度である。一方、マイクロ波による場合にも設定温度が低過ぎると十分な末端(メタ)アクリル変性を行えないため、上記と同様の理由から、設定温度は90〜150℃とすることが好ましい。このマイクロ波としては振動数2.5GHzのものを好適に用いることができ、マイクロ波照射であれば、通常10〜60分程度の短時間で末端(メタ)アクリル変性を行うことができる。なお、この反応に供する混合液としては、例えばポーラスシリカ3.8重量%、アルコール溶媒(イソプロピルアルコールとイソブチルアルコールの1:4(重量比)混合溶媒)96重量%、酢酸3重量%、水1重量%、シランカップリング剤0.04重量%で調製した反応溶液が挙げられる。
このような末端(メタ)アクリルシランカップリング剤によりポーラスシリカの表面を化学修飾することにより、ポーラスシリカとバインダー成分とを強固に結合させて、ポーラスシリカの配合量が多い場合であっても、耐擦傷性に優れた低屈折率層を形成することができ、ポーラスシリカの配合量を高めて低屈折率層の低屈折率化を図ることができる。
また、ポーラスシリカは、下記一般式(V)で表される末端フルオロアルキルシランカップリング剤により、表面が末端フルオロアルキル変性されたものであっても良く、この場合において、末端フルオロアルキルシランカップリング剤による末端フルオロアルキル変性は、前述の末端(メタ)アクリルシランカップリング剤による末端(メタ)アクリル変性と同様な条件で水熱法又はマイクロ波照射により行うことが好ましい。
Figure 2005181543
(上記一般式(V)中、R31〜R33は各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、yaは1〜8の整数を表し、ybは1〜3の整数を表す。)
なお、上記末端フルオロアルキルシランカップリング剤としては例えばC17−(CH−Si−(OCH、C13−(CH−Si−(OCH等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
このような末端フルオロアルキルシランカップリング剤を用いてポーラスシリカの表面を化学修飾することにより、形成される低屈折率層の防汚性を高めることができる。
本発明の低屈折率層は、前述のバインダー成分を光重合開始剤の存在下に紫外線照射して硬化させて形成されるものであるが、この光重合開始剤としては、例えば、チバスぺシャリティ・ケミカルズ社製のイルガキュア184,819,651,1173,907等の1種又は2種以上を用いることができ、その配合量は、バインダー成分に対して3〜10phrとすることが好ましい。光重合開始剤の配合量がこの範囲よりも少ないと十分な架橋硬化を行えず、多いと低屈折率層の膜強度が低下する。
本発明に係る低屈折率層は、ポーラスシリカ、バインダー成分としての多官能(メタ)アクリル系化合物及び光重合開始剤を所定の割合で混合してなる組成物を高屈折率層又は導電性高屈折率ハードコート層上に塗工し、酸素濃度が0〜10000ppmの雰囲気下で紫外線を照射することにより硬化させることにより形成されるが、ここで、紫外線照射雰囲気中の酸素濃度が1000ppmを超えると耐擦傷性が大幅に低下することから、1000ppm以下、好ましくは200ppm以下とする。
このような低屈折率層の厚みは、85〜110nmであることが好ましい。
本発明において、基材フィルム1上にハードコート層2、高屈折率層3及び低屈折率層4、或いは、導電性高屈折率ハードコート層及び低屈折率層4を形成するには、未硬化の樹脂組成物(必要に応じ上記の微粒子を配合したもの)を塗工し、次いで紫外線を照射するのが好ましい。この場合、各層を1層ずつ塗工して硬化させても良く、また、3層又は2層を塗工した後、まとめて硬化させてもよい。
塗工の具体的な方法としては、バインダー成分等をトルエン等の溶媒で溶液化した塗布液をグラビアコータ等によりコーティングし、その後乾燥し、次いで紫外線によりキュアする方法が例示される。この湿式塗工法であれば、高速で均一に且つ安価に成膜できるという利点がある。この塗工後に紫外線を照射してキュアすることにより密着性の向上、膜の硬度の上昇という効果が奏され、加熱を必要とすることなく、反射防止フィルムの連続生産が可能となる。
このような本発明の反射防止フィルムは、OA機器のPDPや液晶板の前面フィルタ、或いは、車輌や特殊建築物の窓材に適用することで、良好な光透過性と耐久性を確保することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
なお、以下において、各種特性、物性の評価は次のようにして行った。
<屈折率の測定>
易接着層のついてないPETフィルム(「東レルミラー」、膜厚50μm)に低屈折率層成膜用組成物を550nmの光波長に対し約1/4λの厚さに塗工して硬化させた。硬化条件は紫外線積算照射量300mJ/cm、硬化時の酸素濃度150ppmとした。その後、塗工してない面に黒いビニールテープを張り、反射率を測定し、この反射スペクトルの最小反射率から、屈折率を計算により求めた。
<耐擦傷性(耐消しゴム性)の測定>
厚さ50μmのTACフィルム(富士フィルム社製「TACフィルム」)の上に、ハードコート(JSR製「Z7503」)を塗工した後、乾燥、硬化させて、厚さ5μm、鉛筆硬度3H以上のハードコート層を形成した。硬化条件は紫外線積算照射量300mJ/cm、硬化時の酸素濃度150ppmとした。次いで、ITO微粒子と多官能アクリル化合物と光重合開始剤とを含む高屈折率層成膜用組成物(大日本塗料(株)製「Ei−3」)を塗工し、乾燥、硬化させて、厚さ約90nmで、屈折率1.67〜1.68の高屈折率層を形成した。硬化条件は紫外線積算照射量300mJ/cm、硬化時の酸素濃度は150ppmとした。
次いで、低屈折率層成膜用組成物を高屈折率層上に塗工し、乾燥、硬化させて厚さ約95nmの低屈折率層を形成した。硬化条件は紫外線積算照射量800mJ/cm、硬化時の酸素濃度は150ppmとした。
このようにして製造された反射防止フィルム(反射色:紫色)について、その表面(低屈折率層表面)をプラスチック消しゴムで約4.9×10N/mの加重圧力で往復させて擦った。低屈折率層の膜が壊れると反射色が紫色→赤→黄色と徐々に色が変わっていくため、この色が最初に変わるまでの往復回数を耐消しゴム回数とし、この耐消しゴム回数が100回以上で耐擦傷性良好(○)とし、100回未満を不良(×)とした。
<最小反射率>
上記耐擦傷性の評価方法におけると同様にして製造した反射防止フィルムについて、裏面側(成膜面と反対側)に黒いテープを貼り5゜正反射で反射スペクトルを測定し、このときの最も低い反射率を最小反射率とした。この最小反射率は[実施例]においてはすべて0.5%以下であった。
<耐薬品性>
上記耐擦傷性の評価方法におけると同様にして製造した反射防止フィルムの成膜面側に、ガーゼを載せ、3重量%NaOH水溶液を数滴垂らし、NaOH水溶液の水の蒸発を防ぐため上からディスポカップを被せ、25℃で30分放置した。その後、ガーゼを取り、純水で洗浄し、反射防止フィルムの反射色が変わっているかどうか目視で判定し、反射色が変わらないものを耐薬品性良好(○)、反射色が変わっているものを耐薬品性不良(×)とした。
<バインダー硬度>
バインダー成分に光重合開始剤(チバスペシャリティケミカル社製「イルガキュア184(イルガキュア−184)」)5phrを加え、これを東洋紡社製両面易接着層付きPETフィルム「A4300」に塗工し、その後、酸素濃度100ppmの雰囲気下でメタルハライドランプで1000mJ/cmの積算光量で紫外線を照射して硬化させることにより厚さ8μmのバインダー層を形成し、このバインダー層について、FISHERSCOPE社製微小硬度計にて、針侵入深さ1μmでビッカース硬度を測定した。
<防汚性>
上記耐擦傷性の評価方法におけると同様にして製造した反射防止フィルムについて、その成膜面側をZEBRA社製マジックインキ マッキー極細(赤色)で線を引き、マジックペンをはじいたら防汚性良好(○)とし、はじかない場合は防汚性不良(×)とした。
また、ポーラスシリカとしては、平均粒子径60nmで、屈折率n=約1.30以下のものを用いた。
[実施例]
以下に本発明の反射防止フィルムにつき、各態様毎に性能向上効果を立証する実験例を挙げる。
実験例1
バインダー成分の評価を行うために、表1に示すバインダー成分について、前述の方法で硬度を測定した。
また、このバインダー成分に光重合開始剤「イルガキュア−184」を5phr加え、光重合開始剤及びバインダー成分の合計:ポーラスシリカ=62.5:37.5(重量%)となるようにポーラスシリカを加えた低屈折率層成膜用組成物にて、前述の方法で耐擦傷性と耐薬品性を調べ、結果を表1に示した。
Figure 2005181543
表1より次のことが明らかである。即ち、バインダー成分については、官能基数が多ければ良いというわけではなく、分子量が増えていくと、非常に官能基数が多く、硬度が上昇するにもかかわらず、耐擦傷性は落ちる。従って、官能基数は多い方が良いが、ある程度の分子量を超えると、ポーラスシリカのバインダーとしては性能が劣ってくることが分かる。
従って、前記一般式(I),(II)で表される6官能又は4官能(メタ)アクリル系化合物がポーラスシリカのバインダーとしては非常に好適であることが分かる。この場合、耐薬品性はいずれも良好であった。
実験例2
ポーラスシリカの前処理についての評価を行うために、下記の手法で、ポーラスシリカに表2に示す前処理を行った。なお、シランカップリング剤としては、信越化学社製アクリル変性シラン化合物「KBM−5103」(CH=CH−COO−(CH−Si−(OCH)を用いた。
前処理法(1):ポーラスシリカ3.8重量%、アルコール溶媒(イソプロピルアルコールとイソブチルアルコールの19:81(重量比)混合溶媒)96重量%、酢酸3重量%、水1重量%、シランカップリング剤0.04重量%で調製した反応溶液をPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)内張り耐圧ステンレス容器に入れて表2に示す温度で4時間水熱合成した。
前処理法(2):上記前処理法(1)と同様にして調製した反応溶液を東京電子社製マイクロ波発生器に入れて、表2に示す設定温度で振動数2.5GHzのマイクロ波を15分照射した。マイクロ波発生器は開放系で反応させたので、反応溶媒は沸騰した。
前処理法(3):上記前処理法(1)と同様にして反応溶液を調製し、その後、何らエネルギーを付与しなかった。
別に、空孔のないシリカ微粒子(日産化学社製「IPA−ST」(粒径10〜20nm))を用意し、このシリカ微粒子についても、上記前処理法(1)と同様にして前処理を行った。
前処理を行っていないポーラスシリカ、前処理を行ったポーラスシリカ、前処理を行っていないシリカ微粒子、前処理を行ったシリカ微粒子を用い、各々、実験例1において、最も耐擦傷性が良好であると評価されたジペンタエリスリトールヘキサアクリレートをバインダー成分として、このバインダー成分に光重合開始剤「イルガキュア−184」を5phr加え、光重合開始剤及びバインダー成分の合計:微粒子(ポーラスシリカ又はシリカ微粒子)=55:45(重量比)として低屈折率層成膜用組成物を調製し、前述の方法で屈折率と耐薬品性及び耐擦傷性を調べ、結果を表2に示した。
Figure 2005181543
表2より次のことが明らかである。
No.1,2は、空孔のないシリカ微粒子を用いたものであるが、前処理の有無にかかわらず、耐擦傷性は非常に良好であっても、屈折率が下がらず、空孔のないシリカ微粒子は低屈折率材料としては不適当であることが分かる。
ポーラスシリカを用いた場合は、No.3のように低屈折率層の屈折率は非常に低くなるが、ポーラスシリカの割合を多くすると膜強度が低下して耐擦傷性が悪くなる。
しかし、ポーラスシリカ成分中に単にシランカップリング剤を入れたのみでは、No.4のように膜強度は殆ど変化しない。
水熱法にてポーラスシリカとシランカップリング剤とを反応させても、反応温度70℃ではNo.5のように耐擦傷性が殆ど変わらないが、No.6,7のように反応温度120〜150℃では非常に耐擦傷性が良好になる。
また、マイクロ波の場合、設定温度を80℃にして反応させた場合にはNo.8のように耐擦傷性は殆ど変わらなかったが、反応温度を高めに設定して反応させた場合には、No.9のように非常に耐擦傷性が上がった。
従って、ポーラスシリカを用いた低屈折率層の耐擦傷性を上げる方法として、ポーラスシリカの末端アクリル変性法があり、水熱法又はマイクロ波照射法のいずれかを採用することにより耐擦傷性が大幅に改善することができることが分かった。
なお、耐薬品性はいずれも良好であった。
実験例3
フッ素系シランカップリング剤による防汚性向上効果を調べるために、シランカップリング剤として信越化学社製フッ素系シランカップリング剤「KBM−7803」(C17−(CH−Si−(OCH)を用い、実験例2の前処理法(1)と同様にして水熱法により反応温度120℃でポーラスシリカの前処理を行った。
また、別に、実験例2の前処理法(3)と同様にして単にフッ素シランカップリング剤を加え、反応を行わせなかったポーラスシリカも調製した。
前処理を行っていないポーラスシリカと、前処理を行ったポーラスシリカを用い、各々、実験例1において、最も耐擦傷性が良好であると評価されたジペンタエリスリトールヘキサアクリレートをバインダー成分として、このバインダー成分に光重合開始剤「イルガキュア−184」を5phr加え、光重合開始剤及びバインダー成分の合計:ポーラスシリカ=62.5:37.5(重量比)として低屈折率層成膜用組成物を調製し、前述の方法で屈折率と耐薬品性、耐擦傷性及び防汚性を調べ、結果を表3に示した。
Figure 2005181543
表3より明らかなように、ポーラスシリカ配合量を若干少なくしたために、No.1では、耐擦傷性は非常に良好であるが、防汚性がなく、No.2のようにフッ素系シランカップリング剤を加えて何も反応させないと、防汚性は良好になるが、膜強度が落ちる。No.3のように、フッ素系シランカップリング剤を、ポーラスシリカと反応させて変性したポーラスシリカであれば、防汚性が付与されると共に膜強度も増加する。また、屈折率も改善される。
なお、耐薬品性はいずれも良好であった。
実験例4
フッ素含有2官能(メタ)アクリル系化合物及びフッ素含有多官能(メタ)アクリル系化合物による効果を調べるために、表4に示す配合成分を、実験例1において最も耐擦傷性が良好であると評価されたジペンタエリスリトールヘキサアクリレートに対して、配合成分:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート=10:90(重量比)で混合したものをバインダー成分とし、このバインダー成分に光重合開始剤「イルガキュア−184」を5phr加え、光重合開始剤及びバインダー成分の合計:ポーラスシリカ=70:30(重量比)として(ただし、No.1ではジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのみとし、光重合開始剤及びバインダー成分の合計:ポーラスシリカ=62.5:37.5(重量比)とした。)低屈折率層成膜用組成物を調製し、前述の方法で屈折率と耐擦傷性と防汚性を調べ、結果を表4に示した。
Figure 2005181543
表4より、次のことが明らかである。
配合成分を入れていないNo.1では、耐擦傷性は十分であるものの防汚性がない。配合成分として、単官能フッ素系アクリルモノマーを配合したNo.2,3や2官能アクリルモノマーを混合したNo.5,6では耐擦傷性が非常に低くなる。これに対して、一般式(III)で表されるフッ素含有2官能(メタ)アクリル系化合物又は本発明に係るフッ素含有多官能(メタ)アクリル系化合物を配合したNo.4,7〜10では、耐擦傷性を高めると共に防汚性を得ることができることが分かる。
[比較例]
比較実験例1
前述の特開2003−202406号公報、特開2003−202960号公報のように、シリコーン系バインダー成分を用いて低屈折率層を作成したときの膜強度及び耐薬品性を調べる実験を行った。
バインダー成分の調製方法は次の通りである。
まず、メチルトリエトシキシラン、エチルトリエトシキシラン、又はテトラエトキシシラン208重量部に、メタノール356重量部を加え、更に水18重量部及び0.01Nの塩酸18重量部(〔HO〕:〔OR〕=0.5)を混合し、これを攪拌した。この混合溶液を25℃の恒温槽中で2時間攪拌した。次に、このシリコーン系バインダーとポーラスシリカとを混合し、バインダー:ポーラスシリカ=65:35(重量比)になるように調製した。更に、全固形分が8重量%になるようにイソプロピルアルコールで希釈し、これを低屈折率層成膜用組成物とした。
この低屈折率層成膜用組成物を高屈折率層の上に塗布し、120℃で30分熱処理したこと以外は前述の実験例と同様にして耐薬品性及び耐擦傷性(耐消しゴム回数)を調べ、結果を表5に示した。
Figure 2005181543
表5より明らかなように、シリコーン系バインダー成分を用いた場合には、耐薬品性、耐擦傷性が著しく劣る低屈折率層しか成膜することができない。
比較実験例2
次に前述の特開2003−261797号公報、特開2003−262703号公報、特開2003−266602号公報に提案された、基材上に直接低屈折率層を形成した場合の耐擦傷性、耐薬品性、反射防止性能を調べる実験を行った。
まず、これらの公報に記載されている方法により透明基材上に、種々の多官能アクリレートを、ポーラスシリカと、多官能アクリレート:ポーラスシリカ=65:35(重量比)で混合したものを低屈折率層成膜用組成物とした。この低屈折率層成膜用組成物を東洋紡社製易接着層付PETフィルム「A4100」上に塗工し、室内雰囲気下にて紫外線積算照射量800mJ/cmで硬化させることにより、膜厚約95nmの低屈折率層を形成した。硬化時の酸素濃度は約20%であった。
このようにしてPETフィルム上に直接低屈折率層を形成した反射防止フィルムについて、前述の方法で耐擦傷性(耐消しゴム回数)と耐薬品性を調べ、結果を表6に示した。
また、前述の方法で最小反射率を測定したところ、いずれも1.0%を超え、反射防止性能に劣ることが確認された。
Figure 2005181543
表6より明らかなように、基材表面上に直接低屈折率層を形成したものでは、反射防止性能が低い。しかも、基材表面と低屈折率層との密着性が劣るため、耐擦傷性はシリコーン系バインダーを用いたときよりも低下した。従って、ただ単に、多官能アクリル樹脂をポーラスシリカに混ぜただけでは全く耐擦傷性は確保できず、また耐薬品性も悪いことを確認した。
比較実験例3
比較実験例2の結果から、本発明者らは、基材表面に直接低屈折率層を形成する膜構成が性能不良の原因ではないかと考えて、次に膜構成を変更した実験を行った。
厚さ50μmのTACフィルム(富士フィルム社製「TACフィルム」)の上に、ハードコート(JSR製「Z7503」)を塗工した後、乾燥、硬化させて、厚さ5μm、鉛筆硬度3H以上のハードコート層を形成した。硬化条件は紫外線積算照射量300mJ/cm、硬化時の酸素濃度150ppmとした。次いで、ITO微粒子と多官能アクリル化合物と光重合開始剤とを含む高屈折率層成膜用組成物(大日本塗料(株)製「Ei−3」)を塗工し、乾燥、硬化させて、厚さ約90nmで、屈折率1.67〜1.68の高屈折率層を形成した。硬化条件は紫外線積算照射量300mJ/cm、硬化時の酸素濃度は150ppmとした。
次いで、比較実験例2で調製した低屈折率層成膜用組成物を各々高屈折率層上に塗工し、乾燥、硬化させて厚さ約95nmの低屈折率層を形成した。硬化条件は紫外線積算照射量800mJ/cm、硬化時の酸素濃度は室内雰囲気の約20%であった。
このようにして製造された反射防止フィルム(反射色:紫色)について、前述の方法で耐擦傷性(耐消しゴム回数)と耐薬品性を調べ、結果を表7に示した。
また、前述の方法で最小反射率を測定したところ、いずれも0.5%以下であり、反射防止性能は改善されたことが確認された。
Figure 2005181543
表7より明らかなように、基材に直接低屈折率層を形成した比較実験例3に比べて反射防止性能は改善され、また、低屈折率層の密着性の向上で、わずかに耐擦傷性も良くなったが、未だ耐擦傷性は反射防止フィルムとしての商品レベルにはほど遠く、また耐薬品性についても劣るものであった。
前述の実験例と比較実験例との対比から、微粒子としてポーラスシリカを用い、バインダー成分として2官能以上の(メタ)アクリル系化合物を用いるだけでなく、本発明に従って、層構成を透明基材フィルム/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層とすること、更には、低屈折率層を酸素濃度0〜10000ppmという低酸素濃度条件下での紫外線照射により硬化させることが、耐擦傷性、耐薬品性及び反射防止性能の向上に有効であることが確認された。
反射防止性能と耐擦傷性、耐薬品性等に優れ、耐久性に優れると共に、低コストで連続生産可能な本発明の反射防止フィルムは、ワープロ、コンピュータ、CRT、プラズマテレビ、液晶ディスプレイ、有機ELなどの各種ディスプレイ、及び自動車、建築物、電車の窓ガラスや絵画の額ガラス等に有用である。
一般的な塗工型反射防止フィルムの構成を示す模式的な断面図である。
符号の説明
1 基材フィルム
2 ハードコート層
3 高屈折率層
4 低屈折率層

Claims (9)

  1. 透明基材フィルム上に、ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層をこの順で積層してなる反射防止フィルムにおいて、
    該低屈折率層が、
    中空のシリカ微粒子(以下「ポーラスシリカ」と称す。)と、
    多官能(メタ)アクリル系化合物と、
    光重合開始剤と
    を含む塗膜に、酸素濃度が0〜10000ppmの雰囲気下で紫外線を照射することにより硬化させてなることを特徴とする反射防止フィルム。
  2. 透明基材フィルム上に、導電性高屈折率ハードコート層及び低屈折率層をこの順で積層してなる反射防止フィルムにおいて、
    該低屈折率層が、
    中空のシリカ微粒子(以下「ポーラスシリカ」と称す。)と、
    多官能(メタ)アクリル系化合物と、
    光重合開始剤と
    を含む塗膜に、酸素濃度が0〜10000ppmの雰囲気下で紫外線を照射することにより硬化させてなることを特徴とする反射防止フィルム。
  3. 請求項1又は2において、該多官能(メタ)アクリル系化合物が、下記一般式(I)で表される6官能(メタ)アクリル系化合物及び/又は下記一般式(II)で表される4官能(メタ)アクリル系化合物を主成分とすることを特徴とする反射防止フィルム。
    Figure 2005181543
    (上記一般式(I)中、A〜Aは各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、α−フルオロアクリロイル基、又はトリフルオロメタクリロイル基を表し、
    n,m,o,p,q,rは各々独立に、0〜2の整数を表し、
    〜Rは各々独立に、炭素数1〜3のアルキレン基、或いは、水素原子の1個以上がフッ素原子に置換された炭素数1〜3のフルオロアルキレン基を表す。)
    Figure 2005181543
    (上記一般式(II)中、A11〜A14は各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、α−フルオロアクリロイル基、又はトリフルオロメタクリロイル基を表し、
    s,t,u,vは各々独立に、0〜2の整数を表し、
    11〜R14は各々独立に、炭素数1〜3のアルキレン基、或いは、水素原子の1個以上がフッ素原子に置換された炭素数1〜3のフルオロアルキレン基を表す。)
  4. 請求項3において、該多官能(メタ)アクリル系化合物は、更に下記一般式(III)で表されるフッ素含有2官能(メタ)アクリル系化合物を含み、全多官能(メタ)アクリル系化合物中の該フッ素含有2官能(メタ)アクリル系化合物の割合が5重量%以上であることを特徴とする反射防止フィルム。
    −O−(CHxa−Rf−(CHxb−O−A ……(III)
    (上記一般式(III)中、A,Aは各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、α−フルオロアクリロイル基、又はトリフルオロメタクリロイル基を表し、Rfはパーフルオロアルキレン基を表し、xa,xbは各々独立に、0〜3の整数を表す。)
  5. 請求項3又は4において、該多官能(メタ)アクリル系化合物は、更に、1分子中にフッ素原子を6個以上有し、分子量が1000以下の3〜6官能の(メタ)アクリル系化合物、及び、1分子量にフッ素原子を10個以上有し、分子量が1000〜5000の6〜15官能の(メタ)アクリル系化合物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上のフッ素含有多官能(メタ)アクリル系化合物を含み、全多官能(メタ)アクリル系化合物中の該フッ素含有多官能(メタ)アクリル系化合物の割合が5重量%以上であることを特徴とする反射防止フィルム。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記ポーラスシリカが、下記一般式(IV)で表される末端(メタ)アクリルシランカップリング剤により、表面が末端(メタ)アクリル変性された(メタ)アクリル変性ポーラスシリカであることを特徴とする反射防止フィルム。
    Figure 2005181543
    (上記一般式(IV)中、R21は水素原子、フッ素原子又はメチル基を表し、
    22は炭素数1〜8のアルキレン基、又は、水素原子の1個以上がフッ素原子に置換された炭素数1〜8のフルオロアルキレン基を表し、
    23〜R25は各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  7. 請求項6において、前記ポーラスシリカは前記末端(メタ)アクリルシランカップリング剤と、100〜150℃における水熱反応により、或いはマイクロ波照射下での反応により、表面が末端(メタ)アクリル変性された(メタ)アクリル変性ポーラスシリカであることを特徴とする反射防止フィルム。
  8. 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記ポーラスシリカが下記一般式(V)で表される末端フルオロアルキルシランカップリング剤により、表面が末端フルオロアルキル変性されたフルオロアルキル変性ポーラスシリカであることを特徴とする反射防止フィルム。
    Figure 2005181543
    (上記一般式(V)中、R31〜R33は各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、yaは1〜8の整数を表し、ybは1〜3の整数を表す。)
  9. 請求項8において、前記ポーラスシリカは前記末端フルオロアルキルシランカップリング剤と、100〜150℃における水熱反応により、或いは、マイクロ波照射下での反応により表面が末端フルオロアルキル変性されたフルオロアルキル変性ポーラスシリカであることを特徴とする反射防止フィルム。
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