JP2003197937A - 太陽電池および太陽電池モジュールおよび太陽電池色彩制御方法 - Google Patents

太陽電池および太陽電池モジュールおよび太陽電池色彩制御方法

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JP2003197937A JP2001390302A JP2001390302A JP2003197937A JP 2003197937 A JP2003197937 A JP 2003197937A JP 2001390302 A JP2001390302 A JP 2001390302A JP 2001390302 A JP2001390302 A JP 2001390302A JP 2003197937 A JP2003197937 A JP 2003197937A
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Koji Funakoshi
康志 舩越
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    • Y02E10/547Monocrystalline silicon PV cells

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 太陽電池の見た目の色彩を調整可能にすると
ともに、その際に問題となる変換効率の低下を抑えるよ
うにした太陽電池および太陽電池モジュールを提供す
る。 【解決手段】 結晶系シリコン基板を母体とする太陽電
池本体と、前記太陽電池本体の受光面側に形成される第
1の屈折率(n1)で第1の膜厚(d1)を有する第1
反射防止膜と、前記第1層目の反射防止膜上に積層さ
れ、第1反射防止膜よりも小さい第2の屈折率(n2)
で第2の膜厚(d2)を有する第2反射防止膜とを備
え、第1反射防止膜と第2反射防止膜とのいずれか一方
の反射防止膜の屈折率と膜厚とを定めた上で他方の反射
防止膜を、反射防止膜全体として所望の色彩を呈するた
めの光学的膜厚となるように相補的に屈折率と膜厚とを
定めた太陽電池とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池およびこ
れを用いた太陽電池ジュールに関し、さらに詳細には太
陽電池の受光面側に設けられる反射防止膜の膜厚および
屈折率を制御することにより、太陽電池の呈する色彩を
制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光エネルギーを電気エネルギーに変
換する太陽電池は、従来から人口衛星や灯台用の電源、
腕時計、補助バッテリー等の電源として商品化されてお
り、近年においてはビルや住宅用電源としてめざましい
普及を遂げている。太陽電池をビルや住宅に設置するに
あたっては、通常屋根や壁面に取り付けることが多いの
で、太陽電池が住宅用建材の一種と考えられることも多
く、屋根や壁面に設置される場合には単に発電設備とし
ての機能のみが求められるのではなく、デザイン的見地
から他の建材と同様、様々な色彩を呈した太陽電池が提
供されることによって屋根や壁面等周囲の色彩とマッチ
させることが要求されている。
【0003】しかしながら、現在商品化されている結晶
系シリコン太陽電池は、ほとんどのものが濃紺色、黒色
となっている。その理由は、反射を減らすことによって
太陽電池受光面に照射される光の吸収率を高め、太陽電
池の光電変換効率を向上させるためであり、この目的の
ために受光面に反射防止膜を形成しているのであるが結
晶系シリコン太陽電池では、800〜1000nmの波
長領域、即ち赤色〜赤外領域の波長域での吸収感度が高
く、この波長域での光の反射を極力減らす目的で反射防
止膜の膜厚および屈折率を制御しているためである。
【0004】この太陽電池の色彩に関する問題を解決す
るために、反射防止膜の屈折率と膜厚を調整することに
より太陽電池の色彩を調整することが提案されている。
例えば特開平8−83290号では反射防止膜の成膜処
理工程後に行われる表面電極の焼成に際し、反射防止膜
の膜厚に基づいて焼成温度を上昇又は下降することによ
り光電変換効率を従来製品と遜色ない程度に維持しつ
つ、太陽電池の色彩を調整することができるようにした
技術が開示されている。
【0005】また、特開平10−107360号では、
特定範囲の屈折率を有する反射防止膜を形成することに
よって可視光領域での光の反射率の最小値がその最大値
に対して特定範囲内となるようにし、これによって中間
色を呈する太陽電池を提供する技術が開示されている。
【0006】図3はこのような太陽電池の従来例を示し
た素子構造断面図である。図中14は単結晶又は多結晶
シリコン基板であり、基板14の受光面側にはn型拡散
層15が形成され、さらにその上に屈折率1.8のSi
Nxからなる反射防止膜16が積層され、かつ、n型拡
散層15の上には焼成により形成された受光面電極17
が設けられている。一方、p型シリコン基板14の裏面
側には高ドープp型層18、さらに裏面電極19が積層
されている。
【0007】この素子にある反射防止膜16の膜厚を変
化させたときの反射率の変化を図4に示す。即ち、屈折
率(n)を1.8として、屈折率(n)と膜厚(d)と
の積nd(ndを光学的膜厚という)を150〜600
nmの範囲で変化させたものである。図3に見られるよ
うに反射防止膜16の光学的膜厚ndを制御することに
より反射率が最大となる波長を選択することができる。
太陽電池の色彩には、反射率最大となる波長が反映され
るので反射率が最大となる波長を制御することにより太
陽電池の呈する色彩を制御することができることにな
る。つまり図7に示した光の波長と色との関係図からn
d=150nmのときは青色、300nmのときは黄
色、450nmのときは赤紫色、600nmのときは緑
色というように太陽電池の呈する色彩を制御できること
になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】太陽電池の呈する色彩
は上述したように可視光領域の波長の光(約400nm
〜800nm)で反射率が最大となる波長領域の色を反
映するために、反射防止膜の屈折率や膜厚を調整して太
陽電池の見かけ上の色彩を調整するということは、赤色
ならば620nm〜770nm、緑色ならば500nm
〜530nmと、従来感度が高く反射率を押さえていた
長波長側の反射率を高めてしまうこととなり、太陽電池
の変換効率を大きく低減させてしまうこととなった。
【0009】そこで本発明は反射防止膜の構造を工夫
し、高い変換効率を維持しつつ、所望の色彩を呈する太
陽電池およびこのような太陽電池を用いた太陽電池モジ
ュールを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
になされた本発明の太陽電池は、結晶系シリコン基板を
母体とする太陽電池本体と、前記太陽電池本体の受光面
側に形成される第1の屈折率(n1)で第1の膜厚(d
1)を有する第1反射防止膜と、前記第1層目の反射防
止膜上に積層され、第1反射防止膜よりも小さい第2の
屈折率(n2)で第2の膜厚(d2)を有する第2反射
防止膜とを備え、第1反射防止膜と第2反射防止膜との
いずれか一方の反射防止膜の屈折率と膜厚とを定めた上
で他方の反射防止膜を、反射防止膜全体として所望の色
彩を呈するための光学的膜厚となるように相補的に屈折
率と膜厚とが定められるようにしている。
【0011】本発明によれば、結晶系シリコン基板を母
体とする太陽電池本体の上に第1の屈折率(n1)で第
1の膜厚(d1)を有する第1反射防止膜と、第1反射
防止膜よりも小さい第2の屈折率(n2)で第2の膜厚
(d2)を有する第2反射防止膜とが積層される。この
とき第1反射防止膜と第2反射防止膜とのいずれか一方
は自由に屈折率と膜厚とを定め、他方は反射防止膜全体
として所望の色彩を呈するための光学的膜厚となるよう
に相補的に屈折率と膜厚とが定められる。このようにし
て反射防止膜全体としての光学的膜厚が特定の値となる
ようにする。この特定の値を適当に定めることにより反
射防止膜が呈する色彩を所望の色彩に調整することがで
きる。そして、2層反射防止膜としたことにより反射率
は小さい値に抑えることができ、カラフルでかつ十分な
光電変換効率を有する太陽電池とすることができる。
【0012】第1反射防止膜の光学的膜厚(n1d1)
と第2反射防止膜の光学的膜厚(n2d2)との和(n
1d1+n2d2)が3000Å以下であるようにして
もよい。これにより、反射防止膜による光の吸収の影響
を抑えることができる。
【0013】また、第1反射防止膜の屈折率(n1)が
2.0〜2.4の範囲、あるいは第2反射防止膜の屈折
率(n2)が1.5〜2.0の範囲、にしてもよい。
【0014】また、第1反射防止膜又は/及び第2反射
防止膜がプラズマCVD法により形成されるSiNx膜
であってもよい。プラズマCVD法によれば成膜温度を
調整することにより簡単に屈折率を大きく変化させるこ
とができ、しかも、成膜時間により膜厚を制御すること
ができるので所望の屈折率および膜厚の反射防止膜を容
易に形成できる。
【0015】また、上述した太陽電池を複数個配線接続
するとともに、この複数個の太陽電池の受光面側を透光
性封止剤により封止し、かつ、封止剤の外側に透光性部
材を取り付けて太陽電池モジュールとしてもよい。
【0016】また、本発明の太陽電池の色彩制御方法
は、反射防止膜が所望の色彩を呈するために必要な全光
学的膜厚を定め、第1反射防止膜と第2反射防止膜との
いずれか一方が、反射防止膜全体として所望の色彩を呈
するための光学的膜厚となるように屈折率と膜厚とが定
められるようにしている。全光学的膜厚にするために必
要な第2反射防止膜の光学的膜厚(n2d2)を第1反
射防止膜の光学的膜厚(n1d1)に基づいて算出し、
算出した第2の反射防止膜の光学的膜厚となるように第
2反射防止膜の屈折率(n2)と膜厚(d1)とを定
め、第2反射防止膜が定めた屈折率(n2)と膜厚(d
2)となるように第2反射防止膜を形成するようにす
る。
【0017】本発明によれば、まず、太陽電池が呈する
色彩を定め、その色彩にするため必要な反射防止膜とし
ての全光学的膜厚を定める。これは光の波長と色との関
係を示す特性図(図7参照)により定められる。続いて
第1の屈折率(n1)で第1の膜厚(d1)を有する第
1反射防止膜を形成し、さらに、全光学的膜厚にするた
めに必要な第2反射防止膜の光学的膜厚(n2d2)を
第1反射防止膜の光学的膜厚(n1d1)に基づいて算
出し、算出した第2の反射防止膜の光学的膜厚となるよ
うに第2反射防止膜の屈折率(n2)と膜厚(d2)と
を定める。ここでは全光学的膜厚は第1反射防止膜の光
学的膜厚(n1d1)と第2反射防止膜の光学的膜厚
(n2d2)との和になる関係があるので、この関係か
ら第2反射防止膜の光学的膜厚(n2d2)を算出す
る。そして第2反射防止膜の光学的膜厚(n2d2)が
算出されるとこの値となるように屈折率(n2)と膜厚
(d2)を定める。そして定めた値となるように第2反
射防止膜を形成する。
【0018】また、本発明の太陽電池の反射防止膜の色
彩制御方法は、異なる屈折率を有する2層の反射防止膜
が所望の色彩を呈するために必要な全光学的膜厚を定
め、第1反射防止膜の上に積層する第2反射防止膜の屈
折率(n2)と膜厚(d2)とを定め、全光学的膜厚に
するために必要な第1反射防止膜の光学的膜厚(n1d
1)を第2反射防止膜の光学的膜厚(n2d2)に基づ
いて算出し、算出した第1反射防止膜の光学的膜厚(n
1d1)となるように第1反射防止膜の屈折率(n1)
と膜厚(d1)とを定め、第1反射防止膜を定めた屈折
率(n1)と膜厚(d1)となるように形成し、第2反
射防止膜を定めた屈折率(n2)と膜厚(d2)となる
ように形成する。
【0019】本発明によれば、まず、太陽電池が呈する
色彩を定め、その色彩にするため必要な反射防止膜とし
ての全光学的膜厚を定める。これは光の波長と色との関
係を示す特性図(図7参照)により定められる。続いて
第1反射防止膜の上に積層する第2反射防止膜の屈折率
(n2)と膜厚(d2)とを定め、全光学的膜厚にする
ために必要な第1反射防止膜の光学的膜厚(n1d1)
を第2反射防止膜の光学的膜厚(n2d2)に基づいて
算出し、算出した第1反射防止膜の光学的膜厚(n1d
1)となるように第1反射防止膜の屈折率(n1)と膜
厚(d1)とを定める。このときも、全光学的膜厚は第
1反射防止膜の光学的膜厚(n1d1)と第2反射防止
膜の光学的膜厚(n2d2)との和になる関係があるの
で、この関係から第1反射防止膜の屈折率や膜厚を算出
する。そして定めた値となるように第1反射防止膜と第
2反射防止膜を形成する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施例
を示した太陽電池の素子構造断面図である。図において
1は太陽電池本体を形成する基板であり、主としてp型
単結晶シリコン基板が用いられる。基板1の受光面側と
なる上面には、太陽電池として起電力を生じさせるのに
必要なpn接合を形成するためのn型拡散層2が形成さ
れている。なお、基板としては結晶系シリコン基板であ
れば単結晶シリコン基板に限らず、多結晶シリコン基板
といった結晶系シリコン基板であってもよい。
【0021】n型拡散層2の上には、第1反射防止膜
3、第2反射防止膜4が順次積層されている。例えば、
第1層反射防止膜3として屈折率が2.1であるSiN
x膜を形成し、さらにその上に第2層反射防止膜4とし
て屈折率1.8であるSiNx膜を積層している。これ
らの屈折率が異なる同種の反射防止膜3、4はプラズマ
CVD装置により形成することができる。プラズマCV
D装置では成膜条件パラメータを変化させることにより
膜の屈折率を変化させることができるが、本実施例では
主なパラメータのうちで原料ガス流量比、圧力、放電電
力を一定にして成膜温度を、第1層は450℃、第2層
は150℃とすることにより上述のような屈折率となる
ようにしている。
【0022】このように膜の屈折率は成膜条件により調
整できるので、予め成膜条件と屈折率との対応を実験的
に見出してテーブルとして記憶しておくことにより、任
意の屈折率の膜を形成することができる。
【0023】また、膜厚についても成膜条件により成膜
速度が変化するので、予め成膜条件と成膜速度との関係
を調べて記憶しておくことにより、成膜時間をモニタす
ることにより膜厚を制御することができる。
【0024】5はパターン形状の受光面電極であり、n
型拡散層2上に銀ペーストを焼成することにより形成さ
れる。6は隣接する太陽電池と配線接続を行うためのリ
ード線である。リード線6についてはさらに後述する。
7は基板1の裏面(受光面の反対側)側に設けられた高
ドープp型層であり、8は高ドープp型層7上に積層さ
れる裏面電極8である。
【0025】なお、上記第1層反射防止膜3にはSiN
x膜に代えてTiOx等で屈折率が2.0〜2.4のも
のが用いられてもよい。一方、第2反射防止膜としては
SiNx膜に代えてAl23、SiOx、ITO膜等で
屈折率が1.5から2.0のものが用いられてもよい。
TiOx、Al23、SiOx、ITO膜のような膜は
常圧CVDや蒸着法により形成することができる。
【0026】次に、太陽電池モジュールについて説明す
る。図2は、太陽用電池を複数個接続した太陽電池モジ
ュールの構造断面図である。図において9は1つ1つが
図1で示した太陽電池である。個々の太陽電池9は隣接
する太陽電池9との間で、一方の裏面電極と他方の受光
面電極とが接続リード線6より電気的に接続される。こ
れにより太陽電池間は互いに直列接続されることにな
る。
【0027】太陽電池9の受光面側は、EVA等の透光
性封止剤10により封止される。さらに封止剤の外側に
はガラス、プラスチック等からなる透光性部材が取り付
けられカバーされている。同様に、裏面側もEVA側な
どの透光性封止剤10により封止されるとともに樹脂製
の裏面部材が取り付けられている。そして受光面側の透
光性部材と裏面側の裏面部材とは、アルミ材でできた枠
部材13により一体化され、太陽電池モジュールが形成
される。なお、一般にEVA等の透光性部材およびガラ
スなどの透光性部材の屈折率は、約1.5である。した
がって、本発明の太陽電池を上述したモジュールに組み
込む際には、第2反射防止膜4の屈折率は反射防止の観
点から1.5以上である必要がある。
【0028】
【実施例】図5(a)(b)は、異なる屈折率の2層反
射防止膜構造の太陽電池において、第1層目の反射防止
膜に屈折率(n1)が2.1のSiNx膜、第2層目の
反射防止膜に屈折率(n2)が1.8のSiNを用い、
2層目の膜厚(d2)を変化させたときの反射率の波長
依存性を示した図である((a)は膜厚が薄いとき、
(b)は膜厚が厚いとき)。
【0029】2層目膜厚(d2)が300Åのときは青
緑色、360Åのときは緑色、480Åのときはオレン
ジ色、730Åのときは赤色、1100Åのときは緑
色、1400Åのときは赤色となった。ここで360Å
と1100Åのときはともに反射率がピークになる波長
が520Å付近であり、また、480Åと1400Åの
ときはともに反射率のピークの波長が620nm付近で
あり、ほぼ同色となった。
【0030】膜厚が増大すれば、当然に膜による吸収も
大きくなり透過率が低下することになる。これは本発明
の特性を落とさずに所望の色彩を呈する太陽電池を製造
するという目的から外れるため、第1反射防止膜の光学
的膜厚(n1d1)と第2反射防止膜の光学的膜厚(n
2d2)との和(n1d1+n2d2)を3000Å以
下として色の周期が二順しないように規定することにし
ている。
【0031】図6は比較例として屈折率2.1のSiN
xの膜厚を2900Åとすることにより緑色を呈した1
層反射防止膜の太陽電池と、屈折率2.1で膜厚が80
0ÅとしてSiNx膜上に屈折率1.8のSiNx膜を
1100Å積層したときの太陽電池における反射率の波
長依存性の比較を示したものである。
【0032】両者はともに緑色を呈しているが、反射防
止膜が1層の太陽電池に比較して2層反射防止膜とした
太陽電池は反射率が低く、特に結晶系シリコン太陽電池
の感度がよいとされている800〜1000nm範囲で
の反射率が低くなっている。したがって、太陽電池の見
た目の色彩を所望の色彩にするとともに、その際に太陽
電池の吸収感度の大きい波長域での反射率をできる限り
抑えることができる。以上から反射防止膜を2層とし、
どちらか一方もしくは両方の膜厚を増減させることによ
り、太陽電池の見た目上の色彩を制御するとともに反射
率を低く抑えた太陽電池の製造が可能となる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、反射防止膜を屈折率の
異なる2層構造とし、従来考えられていた濃紺や黒色と
なるように反射防止膜の膜厚を変換効率が最大となるよ
うにするための最適値に制御するのではなく、2層のう
ちのどちらか一方もしくは両方の膜厚を制御することに
より太陽電池の見た目の色彩を制御するとともに、しか
も、吸収感度の大きな波長領域での反射率を低く抑える
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である太陽電池の素子構造を
示す図。
【図2】本発明の一実施例である太陽電池のモジュール
の構造を示す図。
【図3】従来の太陽電池の素子構造を示す図。
【図4】図3の太陽電池における反射防止膜の膜厚と反
射率の波長依存性を示す図。
【図5】本発明の太陽電池における第2層反射防止膜の
膜厚と反射率の波長依存性を示す図。
【図6】本発明の太陽電池と従来の太陽電池との比較例
を示す図。
【図7】光の波長と色との関係を示す特性図。
【符号の説明】
1:基板(シリコン基板) 2:n型拡散層 3:第1反射防止膜 4:第2反射防止膜 5:受光面電極 6:接続リード線 9:太陽電池 10:透光性封止剤 11:透光性部材 12:裏面部材 13:枠部材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶系シリコン基板を母体とする太陽電
    池本体と、前記太陽電池本体の受光面側に形成される第
    1の屈折率(n1)で第1の膜厚(d1)を有する第1
    反射防止膜と、前記第1層目の反射防止膜上に積層さ
    れ、第1反射防止膜よりも小さい第2の屈折率(n2)
    で第2の膜厚(d2)を有する第2反射防止膜とを備
    え、第1反射防止膜と第2反射防止膜とのいずれか一方
    の反射防止膜の屈折率と膜厚とを定めた上で他方の反射
    防止膜を、反射防止膜全体として所望の色彩を呈するた
    めの光学的膜厚となるように相補的に屈折率と膜厚とが
    定められることを特徴とする太陽電池。
  2. 【請求項2】 第1反射防止膜の光学的膜厚(n1d
    1)と第2反射防止膜の光学的膜厚(n2d2)との和
    (n1d1+n2d2)が3000Å以下であることを
    特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
  3. 【請求項3】 第1反射防止膜の屈折率(n1)が2.
    0〜2.4の範囲である請求項1に記載の太陽電池。
  4. 【請求項4】 第2反射防止膜の屈折率(n2)が1.
    5〜2.0の範囲である請求項1に記載の太陽電池。
  5. 【請求項5】 第1反射防止膜又は/及び第2反射防止
    膜がプラズマCVD法により形成されるSiNx膜であ
    る請求項1に記載の太陽電池。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の太陽電池を複数個配線
    接続するとともに、この複数個の太陽電池の受光面側を
    透光性封止剤により封止し、かつ、封止剤の外側に透光
    性部材を取り付けたことを特徴とする太陽電池モジュー
    ル。
  7. 【請求項7】 異なる屈折率を有する2層の反射防止膜
    により所望の色彩を呈するために必要な全光学的膜厚を
    定め、第1の屈折率(n1)で第1の膜厚(d1)を有
    する第1反射防止膜を形成し、全光学的膜厚にするため
    に必要な第2反射防止膜の光学的膜厚(n2d2)を第
    1反射防止膜の光学的膜厚(n1d1)に基づいて算出
    し、算出した第2の反射防止膜の光学的膜厚となるよう
    に第2反射防止膜の屈折率(n2)と膜厚(d1)とを
    定め、第2反射防止膜が定めた屈折率(n2)と膜厚
    (d2)となるように第2反射防止膜を形成することを
    特徴とする太陽電池の反射防止膜の色彩制御方法。
  8. 【請求項8】 異なる屈折率を有する2層の反射防止膜
    が所望の色彩を呈するために必要な全光学的膜厚を定
    め、第1反射防止膜の上に積層する第2反射防止膜の屈
    折率(n2)と膜厚(d2)とを定め、全光学的膜厚に
    するために必要な第1反射防止膜の光学的膜厚(n1d
    1)を第2反射防止膜の光学的膜厚(n2d2)に基づ
    いて算出し、算出した第1反射防止膜の光学的膜厚(n
    1d1)となるように第1反射防止膜の屈折率(n1)
    と膜厚(d1)とを定め、第1反射防止膜を定めた屈折
    率(n1)と膜厚(d1)となるように形成し、第2反
    射防止膜を定めた屈折率(n2)と膜厚(d2)となる
    ように形成することを特徴とする太陽電池の反射防止膜
    の色彩制御方法。
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