JP2014022428A - 太陽電池および太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】高い初期出力を維持したまま、高温多湿などの過酷環境下で使用されても、出力劣化の極めて少ない太陽電池および太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】半導体基板の受光面に反射防止膜を備えており、該反射防止膜の膜厚をXとし、屈折率をYとしたとき、下記式(1)を満たすことを特徴とする太陽電池。
Y>−0.00833X+2.8064・・・(1)
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池および太陽電池モジュールに関する。特に、長期信頼性に優れた太陽電池および太陽電池モジュールに関する。
近年、エネルギ資源の枯渇の問題や大気中のCO2の増加のような地球環境問題などからクリーンなエネルギの開発が望まれており、特に太陽電池を用いた太陽光発電が新しいエネルギ源として開発、実用化され、発展の道を歩んでいる。
単体の太陽電池を、直列、並列に複数接続して必要な電圧と電流が得られるようにした製品は、太陽電池モジュールと呼ばれ、一般家庭への普及が進んでいる。また、昨今では、大量の太陽電池モジュールを用いたメガソーラーと呼ばれる大規模発電施設の建設が行なわれるなど、加速的にその需要が拡大している。そして、このような太陽電池モジュールは、たとえば、国際公開第2009/122977号(特許文献1)に記載の方法によって製造されている。
国際公開第2009/122977号
上記のような太陽電池モジュールは、屋外にて長期間使用されるため、高温多湿などのあらゆる屋外環境において、長期信頼性が要求される。従来、太陽電池自体には比較的長寿命が期待できると考えられていたことから、モジュールを構成する周辺機器および周辺部品の耐候性の向上を中心に、長期信頼性の改善が行なわれてきた。しかし、昨今、太陽電池モジュールの普及と使用態様の多様化が進む中で、比較的使用期間が短いにも関わらず、太陽電池の出力が大幅に低下する現象が観測され、原因の究明と改善策の早期確立が、強く望まれている。
上記のような出力低下現象は、Potential Induced Degradation現象(以下、PID現象とも記す)とも呼ばれており、現時点では詳細な原因は不明であるが、高温多湿条件によって、その発生頻度が高まり、かつ出力劣化の進行が加速されることが確認されている。
本発明は、このような現状に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、高い初期出力を維持したまま、高温多湿などの過酷環境下においても、出力劣化の極めて少ない太陽電池および太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく、太陽電池および太陽電池モジュールの構成、構成部材の物性などについて鋭意研究を重ねたところ、本来、光の反射を防止し、より多くの光を半導体基板に導くために設けられる反射防止膜が、上記したPID現象と密接に関連していることを新たに見出した。そして、さらには、反射防止膜の膜厚および屈折率が、特定の条件を満たすとき、PID現象の発生を極めて有効に防止できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の太陽電池は、半導体基板の受光面に反射防止膜を備えており、該反射防止膜の膜厚をXとし、屈折率をYとしたとき、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
Y>−0.00833X+2.8064・・・(1)
上記の構成を備えることにより、本発明の太陽電池は高い初期出力を有し、かつ高温多湿環境においても出力低下の極めて少ない太陽電池モジュールを実現可能である。
ここで、上記反射防止膜は、単層の窒化シリコン膜であることが好ましい。
また、上記反射防止膜は、窒化シリコン膜および/または酸化シリコン膜の積層膜であっても良い。
また、上記反射防止膜は、膜厚が60nm以上90nm以下であることが好ましい。
また、上記反射防止膜は、屈折率が2.00以上2.30以下であることが好ましい。
また、本発明の太陽電池モジュールは、本発明の太陽電池が複数接続されてなる、太陽電池モジュールであって、該太陽電池モジュール内において、該太陽電池は、周囲に充填された封止材によって固定されている。すなわち、本発明の太陽電池モジュールは、本発明の太陽電池と、封止材と、を有する、太陽電池モジュールである。
ここで、上記封止材は、体積抵抗率が1×1014Ω・cm以上であることが好ましい。
本発明の太陽電池は、高い初期出力を有し、高温多湿環境で使用されても出力劣化が極めて少ないという優れた性能を示す。したがって、本発明の太陽電池を用いた太陽電池モジュールは、優れた長期信頼性を示す。
本発明の太陽電池の模式的な断面図の一例を示す図である。 本発明の太陽電池モジュールの模式的な断面図の一例を示す図である。 本発明の太陽電池における反射防止膜の膜厚を横軸に、屈折率を縦軸としてプロットした散布図である。
以下、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一の部分または相当部分を示すものとする。また、本発明においては、太陽電池として用いた場合に、太陽光が入射する側の半導体基板の表面を受光面とし、受光面の反対側の半導体基板の表面を裏面とする。
<太陽電池>
図1に本発明の太陽電池1の模式的断面図の一例を示す。図1に示すように、本発明の太陽電池は、p型のシリコン基板2の受光面に、n+層3が形成されており、n+層3上には反射防止膜4と銀電極7とが形成されている。また、シリコン基板2の裏面の一部にはp+層8が形成されており、p+層8上にはアルミニウム電極6が形成されている。また、シリコン基板2の裏面のp+層8以外の領域には銀電極5が形成されている。そして、本発明の太陽電池1は、反射防止膜4の膜厚をXとし、屈折率をYとしたとき、上記式(1)の関係を満たすことを特徴としている。
なお、ここでは、受光面に電極を有する太陽電池の構成を例示しているが、受光面に電極を有さない裏面電極型の太陽電池であっても、受光面に反射防止膜を有し、上記式(1)を満たす限り、本発明の効果は示される。また、n+層3と反射防止膜4との間に、窒化シリコンや酸化シリコンなどからなるパッシベーション膜が設けられていても良い。
<反射防止膜>
本発明の反射防止膜は、上記式(1)の関係を満たしている。ここで、反射防止膜を構成する膜としては、従来公知のいかなる膜も採用可能であるが、屈折率が調整し易いという観点から、窒化シリコン膜であることが好ましい。窒化シリコン膜の他に、反射防止膜として採用可能な膜としては、たとえば、酸化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、酸化アルミニウム膜、酸化チタニウム膜、またはこれらの併用などを挙げることができる。
また、上記反射防止膜は、単層膜であっても積層膜であっても良い。単層膜である場合には、単層の窒化シリコン膜であることが好ましく、積層膜である場合には、窒化シリコン膜および酸化シリコン膜の積層膜であることが好ましい。さらに、積層膜としては、単一の膜質であっても、屈折率の異なる膜を複数積層した態様なども採用可能である。たとえば、屈折率の異なる窒化シリコン膜を複数積層して、反射防止膜とする態様などを挙げることができる。
また、上記反射防止膜の膜厚は、好ましくは、60nm以上90nm以下であり、より好ましくは65nm以上85nm以下であることが好適である。反射防止膜の膜厚が60nm未満であると、均一な膜質を得ることが難しくなり、90nmを超過すると、生産性や原料コストの観点から好ましくない。
また、上記反射防止膜の屈折率は、好ましくは、2.00以上2.30以下であり、より好ましくは2.05以上2.25以下であることが好適である。反射防止膜の屈折率が2.00未満であると、反射による太陽光の損失が大きくなる傾向があり、屈折率が2.30を超過すると、吸収による太陽光の損失が大きくなる傾向があるため、好ましくない。なお、本明細書において、反射防止膜の屈折率は、偏光解析法を用いた光源He−Neレーザ(波長632.8nm)のエプリソメータによって測定された値を採用する。
さらに、上記反射防止膜の膜厚をXとし、屈折率をYとしたとき、下記式(2)を満たすことが好ましい。
Y<−0.00970X+3.0629・・・(2)
また、より好ましくは、上記反射防止膜の膜厚をXとし、屈折率をYとしたとき、下記式(3)の関係を満たしていることが好適である。
Y<−0.00973X+2.9933・・・(3)
上記式(1)の関係を満たすことに加えて、上記式(2)および(3)の関係を満たすことによって、初期出力がさらに高くなる傾向があり好適である。
<太陽電池モジュール>
図2に本発明の太陽電池モジュール10の模式的断面図の一例を示す。図2に示すように、本発明の太陽電池モジュール10は、複数の太陽電池1がインターコネクタ11によって、直列、並列に接続されてなり、太陽電池の周囲は、透明な封止材13が充填されている。さらに、太陽電池モジュールの受光面側には、支持板として強化ガラスなどの透明基板12が設けられ、受光面の反対側には、裏面保護のための裏面フィルム14が設けられている。そして、周囲をアルミニウム枠体15によって、枠組みされている。
上記のように、本発明の太陽電池モジュール10は、複数の本発明の太陽電池1同士がインターコネクタ11によって相互に接続された構成を有し、該太陽電池の周囲に充填された封止材13を有することによって、優れた長期信頼性を有する。
ここで、上記の封止材としては、エチレンビニルアセテート(以下、EVAとも記す)、ポリビニルブチラール(PVB)、シリコーン樹脂などを用いることができる。これらのうち、EVAが、耐湿性、耐候性などの観点から好ましい。また、漏れ電流を防止して発電効率を上げるという観点から、封止材の体積抵抗率は高い方が好ましく、1×1014Ω・cm以上であることが好適であり、1×1015Ω・cm以上であればさらに好適である。
以下、本発明の太陽電池および太陽電池モジュールの製造方法について詳しく説明する。
<太陽電池の製造方法>
以下、本発明の太陽電池の製造方法について説明する。まず、p型のシリコン基板2を用意する。シリコン基板2の表面をエッチングすることによって、ダメージ層の除去などを行なう。
次に、シリコン基板2の一方の表面である受光面にn型ドーパントを拡散させることによって、n+層3を形成し、n+層3上に反射防止膜4を形成する。
ここで、反射防止膜4を形成する方法は、特に制限されないが、プラズマCVD法(プラズマ化学気相成長法)によって形成することが好ましい。プラズマCVD法によって、反射防止膜4を形成する場合、屈折率は、原料ガスの組成や流量比などを制御することによって、適宜調整可能である。たとえば、プラズマCVD法によって、窒化シリコン膜を形成する場合、原料ガスとしてシラン(SiH4)ガスとアンモニア(NH3)ガスの混合ガスなどを用いて、それらの流量比を制御することによって、所望の屈折率とすることができる。また、反射防止膜4の膜厚の制御は、製膜時間や製膜圧力などの調整によって行なうことができる。また、プラズマCVD法の他に、反射防止膜4を形成する方法としては、蒸着法なども採用可能である。また、反射防止膜4として、酸化シリコン膜を形成する場合には、たとえば、熱酸化法や常圧CVD法などを用いることができる。
次に、シリコン基板2の受光面とは反対側の裏面に銀ペーストをスクリーン印刷法によって印刷し、150℃〜200℃程度の温度で乾燥させる。
次に、シリコン基板2の裏面の銀ペーストの印刷箇所以外の箇所のほぼすべてにアルミニウムペーストをスクリーン印刷法によって印刷し、150℃〜200℃程度の温度で乾燥させる。このとき、アルミニウムペーストは、銀ペーストの一部と重なり合うようにして印刷される。
次に、シリコン基板2の受光面の反射防止膜4上に銀ペーストをパターン状にスクリーン印刷法によって印刷した後に、150℃〜200℃程度の温度で乾燥させる。
次に、シリコン基板2の受光面側の銀ペーストならびに裏側の銀ペーストおよびアルミニウムペーストを700℃〜750℃程度の温度で焼成することによって、シリコン基板2の受光面側に銀電極7が形成され、シリコン基板2の裏面に銀電極5およびアルミニウム電極6が形成される。
なお、上記の焼成時において、アルミニウムペーストがp型ドーパントとして働くことにより、シリコン基板2の裏側にp+層8が併せて形成され、太陽電池の電気特性の向上に大きく寄与している。以上のようにして、図1に示す太陽電池1が製造できる。
<太陽電池モジュールの製造方法>
以下、本発明の太陽電池モジュール10の製造方法について説明する。まず、本発明の太陽電池1を用意する。次に、複数の太陽電池1同士をインターコネクタ11によって、相互に直列、並列に接続する。
次に、インターコネクタ11によって接続された太陽電池を、EVAなどの封止材13の間に設置するとともに、その封止材13をガラスなどの透明基板12と樹脂フィルムなどの裏面フィルム14との間に設置して、封止材のセッティングを行なう。
次に、上記のセッティング後の封止材13を、その上下方向に加圧しながら加熱することによって封止材13を硬化させて太陽電池モジュール10を作製する。
次に、上記の封止材を硬化させた太陽電池モジュールに端子ボックス16を取り付ける。そして、アルミニウム枠体15を太陽電池モジュールの外周を取り囲むようにして取り付ける。以上のようにして、太陽電池モジュール10が製造できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
<太陽電池の作製>
まず、アルカリでエッチングされた厚さ180μmで、縦156mm×横156mmの略正方形状のp型シリコン基板の片側の表面に、約800℃〜900℃でリン(P)をn型ドーパントとした熱拡散により約50Ω/□のシート抵抗値を有するn+層を形成した。
<反射防止膜の形成>
次に、シラン(SiH4)ガスとアンモニア(NH3)ガスを使用し、高周波電圧を印加して、プラズマCVD法によって、n+層上に、膜厚65nm、屈折率2.35の単層の窒化シリコン膜からなる反射防止膜を形成した。
次に、銀ペーストをp型シリコン基板の裏面となる片側の表面の一部にスクリーン印刷して150℃程度に加熱することによって、銀ペーストを乾燥させた。
次に、市販のアルミニウムペーストを、その一部のみが銀ペーストと重なり合うようにしてp型シリコン基板の裏側となる表面のほぼ全面にスクリーン印刷法によって印刷し、150℃で乾燥させた。
そして、p型シリコン基板の裏面の銀ペーストおよびアルミニウムペーストならびにp型シリコン基板の受光面の銀ペーストを空気中において740℃程度で焼成することによって、p型シリコン基板の受光面に銀電極を形成し、p型シリコン基板の裏面にp+層を形成するとともに銀電極およびアルミニウム電極を形成した。以上のようにして、実施例1の太陽電池を作製した。
<実施例2〜14および比較例1〜5>
実施例1の反射防止膜の形成において、原料ガスの流量比、RFパワー密度、製膜時間、温度、圧力を適宜調整して、表1に示す膜厚および屈折率を有する反射防止膜を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜14および比較例1〜5の太陽電池を作製した。なお、表1中、式(1)〜(3)の欄に示す数値は、各式の右辺の計算結果を示している。
<初期出力の評価>
実施例および比較例の太陽電池の電気特性(初期出力)を、ソーラーシミュレータを用いて、標準照射条件(A.M.1.5G、100mW/cm2、25℃)の下、JIS C 8914に準拠して、測定した。結果を表1に示す。
表1中、初期出力の欄に示す数値は、比較例2によって構成された太陽電池(基準セル)の出力を100として、基準セルに対する相対値を示している。
<高温多湿保持による出力劣化評価>
次に、実施例および比較例の太陽電池の高温多湿保持後における出力劣化を以下のようにして評価した。
<太陽電池モジュールの作製>
実施例1の太陽電池を、インターコネクタによって、配線し、白板強化ガラスの上に、EVAシート、太陽電池、EVAシート、裏面フィルムの順に重ね合わせて積層体としたのち、該積層体を市販のラミネート装置を用いて、ラミネート加工を行ない、EVAシートを硬化させた。次に端子ボックスを取り付け、外周部にアルミニウム枠体を取り付けて評価用太陽電池モジュールを作製した。
なお、封止材であるEVAの硬化後における体積抵抗率を、抵抗率計を用いて測定したところ、1014Ω・cm台(1×1014Ω・cm以上1×1015Ω・cm未満)であった。
同様にして、実施例2〜14および比較例1〜5の太陽電池を用いて、それぞれ太陽電池モジュールを作製した。
上記のようにして作製された実施例および比較例の太陽電池を含む太陽電池モジュールを、正極接地方式で1000Vの電圧を連続印加しながら、温度60℃、湿度85%に設定した恒温恒湿槽で、96時間保持した。そして、96時間保持後、太陽電池モジュールを恒温恒湿槽から取り出し、上記のソーラーシミュレータを用いて実施例および比較例の太陽電池の電気特性(試験後出力)を測定した。結果を表1に示す。
表1中、試験後出力の欄に示す数値は、上記と同様に、基準セルの出力を100としたときに対する相対値を示し、出力増減の欄に示す数値は、初期出力と試験後出力の差を示す。すなわち、出力増減の欄に示された値の絶対値が小さいほど、高温多湿保持における出力低下が小さいことを示す。
Figure 2014022428
表1から明らかなように、実施例の太陽電池は、反射防止膜の膜厚(X)と屈折率(Y)が、上記式(1)の関係を満たし、以って、高い初期出力を維持したまま、高温多湿環境下で使用された場合でも、出力低下が極めて少ない太陽電池であることが確認できた。
また、図3に、実施例および比較例の太陽電池において、反射防止膜の膜厚(X)を横軸に、屈折率(Y)を縦軸として、プロットした散布図を示す。ここで、図3中の実線は、Y=−0.00833X+2.8064の関係を満たす直線を示している(以下、該直線を直線(1)とも記す)。
図3から明らかなように、直線(1):Y=−0.00833X+2.8064を境界として、該直線より上の領域(すなわち、上記式(1)の関係を満たす領域)には、高温多湿保持において出力低下が見られなかった実施例の太陽電池のみが分布し、該直線より下の領域(すなわち、上記式(1)を満たさない領域)には、高温多湿保持において大幅な出力低下が確認された比較例の太陽電池のみが分布している。
上記のように、直線(1):Y=−0.00833X+2.8064を境界として、高温多湿保持における出力低下が、顕著に異なる原因の詳細は不明であるが、本発明者は、太陽電池モジュールが電圧を印加された状態で、高温多湿保持された際に、太陽電池の半導体基板の周辺部材に生じる分極が、太陽電池の出力低下に影響を及ぼしていると予想しており、反射防止膜の膜厚(X)と屈折率(Y)が上記式(1)の範囲を占める場合にのみ、有効に分極が解消されるものと推測している。
また、反射防止膜の膜厚が65nm以上85nm以下であり、かつ屈折率が2.05以上2.25以下である実施例3および7〜12は、初期出力と出力増減のバランスに優れている。
また、実施例1〜5および実施例7〜14は、上記式(2)の関係をも満たしている。これらの実施例は、初期出力が特に優れている。なお、直線(2):Y=−0.00970X+3.0629は、図3中、破線で示されている。
また、実施例1、実施例7〜9および実施例11〜14は、上記式(3)の関係をも満たしている。これらの実施例は、初期出力が特に高く、かつ出力増減が小さいという優れた性能を示している。なお、直線(3):Y=−0.00973X+2.9933は、図3中、一点鎖線で示されている。
次に、実施例9および比較例3の太陽電池を、体積抵抗率が、1015Ω・cm台(1×1015Ω・cm以上1×1016Ω・cm未満)であるEVAを封止材として用いる以外は、上記と同様にして、評価用太陽電池モジュールを作製し、上記と同様にして、温度60℃、湿度85%、96時間保持後の出力低下を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2014022428
表2から明らかなように、太陽電池モジュールを構成する封止材であるEVAの体積抵抗率が、1015Ω・cm台(1×1015Ω・cm以上1×1016Ω・cm未満)であるときも、実施例の太陽電池は、反射防止膜の膜厚(X)と屈折率(Y)が、上記式(1)を満たし、以って、高い初期出力を維持したまま、高温多湿環境下で使用された場合でも、出力低下が極めて少ない太陽電池であることが確認できた。すなわち、この場合でも、直線(1):Y=−0.00833X+2.8064が、高温多湿保持における出力低下の有無を決定する境界をなしていることが確かめられた。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 太陽電池、2 シリコン基板、3 n+層、4 反射防止膜、5,7 銀電極、6 アルミニウム電極、8 p+層、 10 太陽電池モジュール、11 インターコネクタ、12 透明基板、13 封止材、14 裏面フィルム、15 アルミニウム枠体、16 端子ボックス、17 端子ケーブル。

Claims (7)

  1. 半導体基板の受光面に反射防止膜を備えた太陽電池であって、
    前記反射防止膜の膜厚をXとし、屈折率をYとしたとき、下記式(1)を満たすことを特徴とする、太陽電池。
    Y>−0.00833X+2.8064・・・(1)
  2. 前記反射防止膜は、単層の窒化シリコン膜である、請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記反射防止膜は、窒化シリコン膜および/または酸化シリコン膜の積層膜である、請求項1に記載の太陽電池。
  4. 前記反射防止膜は、膜厚が60nm以上90nm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池。
  5. 前記反射防止膜は、屈折率が2.00以上2.30以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池と、封止材と、を有する、太陽電池モジュール。
  7. 前記封止材は、体積抵抗率が1×1014Ω・cm以上である、請求項6に記載の太陽電池モジュール。
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