JP2002082205A - 反射防止フィルムおよびそれを用いた光学機能フィルムおよび表示装置 - Google Patents

反射防止フィルムおよびそれを用いた光学機能フィルムおよび表示装置

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JP2002082205A
JP2002082205A JP2000269981A JP2000269981A JP2002082205A JP 2002082205 A JP2002082205 A JP 2002082205A JP 2000269981 A JP2000269981 A JP 2000269981A JP 2000269981 A JP2000269981 A JP 2000269981A JP 2002082205 A JP2002082205 A JP 2002082205A
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antireflection
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antireflection film
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JP2000269981A
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Masaru Ito
大 伊藤
Yutaka Kobayashi
裕 小林
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、反射光の色味を容易にコントロール
できる反射防止機能、防汚性および耐擦傷性に優れ、さ
らに電磁場シールド機能を併せ持つ反射防止フィルムお
よび表面にそのフィルムを適用し、高コントラスト表示
性能を有する光学機能フィルムおよびディスプレイ等の
表示装置を提供することを目的とする。 【解決手段】プラスチック基材からなる支持体上に、反
射防止層を設けた反射防止フィルムにおいて、前記反射
防止層に少なくとも光吸収層を含み、かつ最外面が防汚
性低屈折率層からなことを特徴とする反射防止フィルム
およびそれを用いた光学機能フィルムおよび表示装置で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイの表
示装置等の表面に適用される反射防止フィルムに関す
る。具体的には、表面に傷が付き難く、防汚性を有し、
更に電磁波シールド機能を持つ反射防止フィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ディスプレイの多くは、室内
外を問わず外光等が入射するような環境下で使用され
る。ディスプレイに入射した外光は、ディスプレイ表面
等において正反射され、その反射像がディスプレイ本来
の表示光と混合して表示画像の品質を低下させ、表示画
像を見にくくする。
【0003】特に、最近のコンピュータの急速な普及に
伴い、CRTやLCD(液晶ディスプレイ)の表示画像
を観視する時間が長くなっている。そのため、外光の反
射像等による表示画像の品質の低下は、目の疲労等の健
康障害を引き起こす要因とも考えられ、不要な外光反射
を低減させることが要求されている。
【0004】更に、近年ではアウトドアライフの普及に
伴い、CRTやLCD等のディスプレイを室外で使用す
る機会が益々増える傾向にあり、表示画像の品質をより
向上させて表示画像を明確に認識できるようにするとい
う要求も出てきている。
【0005】これらの要求を満たすための一例として、
可視光の広範囲にわたり反射防止効果を有する反射防止
フィルムをディスプレイの表面等に貼り合わせることが
知られている。このような反射防止フィルムとしては、
透明プラスチックからなるフィルム基材の表面に、ハー
ドコート層を介して金属酸化物等からなる高屈折率層と
低屈折率層との積層構造を有する反射防止層を形成した
もの、あるいは反射防止層として、珪素酸化物や有機フ
ッ素化合物等の低屈折率層を単層で形成したものが使用
されている。
【0006】また、これとは別に、透明プラスチックか
らなるフィルム基材の表面に透明な微粒子を含むコーテ
ィング層を形成し、凸凹状の表面で外光を乱反射させる
ことにより、上記の反射防止フィルムと同様の効果を得
られることが知られている。
【0007】一方、近年、ディスプレイの表面に貼り付
けるフィルムに電磁波シールド機能を求める傾向があ
る。電磁波シールド機能を有するフィルムをディスプレ
イの前面に貼り付けることにより、静電気による帯電を
防止するとともに、埃などの付着を防止し、表示画像を
見やすくすることができる。更に最近では、携帯電話を
代表とする移動体通信網が拡大を続ける中、放出される
電磁波のディスプレイに及ぼす影響が問題視されてい
る。例えば、CRT、LCD、PDP(プラズマディス
プレイパネル)などにおいては、ディスプレイ自身が放
出する電磁波以外の外部からの電磁波は、ディスプレイ
に対してノイズとなる。そこで、反射防止フィルムに電
磁波シールド機能をもたせることが要求されている。
【0008】反射防止フィルムに電磁波シールド機能を
付与する場合、薄い金属又は透明導電性セラミックスを
用いて反射防止フィルムに導電性層を形成し、その導電
性層を接地することが最も一般的である。この場合、導
電性層は、反射防止フィルムの反射防止層に含むか、あ
るいは反射防止層が形成されているフィルム基材の反射
面に単独で形成さている。
【0009】反射防止層の表面の傷のために表示画像が
認識しにくくなったり、外観が著しく劣化したり、さら
には、傷をきっかけとして反射防止層が剥離するなどの
問題が生じている。また、電磁波シールド機能を有する
反射防止フィルムにおいては、その電磁波シールド機能
も劣化するなどの問題が生じている。これらの問題に対
し、特開平11−258405号公報で提案されている
ように、反射防止層の最上層に撥水性や撥油性の性能、
すなわち防汚性を有する防汚層を設けるか、あるいは反
射防止フィルム表面に耐擦傷性及び防汚性を付与するこ
とがなされている。
【0010】反射防止フィルムに付加できる上記の機能
に加え、反射防止フィルムをディスプレイ等の表示装置
の表面に適用した際、ディスプレイのコントラストを向
上させることのできる反射防止フィルムが要求されてい
る。従来、反射防止フィルムをディスプレイに接着する
際に用いる接着剤に色素を混入する手法が取られてい
る。
【0011】また、反射光を希望の色味にするためには
反射防止フィルムに設けられた反射防止層の各層の膜厚
をコントロールすることによって可能であるが、これら
の各層の膜厚の設定が困難で、膜設計に多くの時間を費
やしていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、可視光の広
い範囲で反射を低く抑えることが可能で、反射光の色味
を容易にコントロールできる反射防止機能、防汚性およ
び耐擦傷性に優れ、さらに電磁場シールド機能を併せ持
つ反射防止フィルムおよび表面にそのフィルムを適用
し、高コントラスト表示性能を有する光学機能フィルム
およびディスプレイ等の表示装置を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、請求項1記載の発明は、プラスチック基材からなる
支持体上に、反射防止層を設けた反射防止フィルムにお
いて、前記反射防止層に少なくとも光吸収層を含み、か
つ最外面が防汚性低屈折率層からなることを特徴とする
反射防止フィルムである。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載の反
射防止フィルムにおいて、前記光吸収層が、導電性を有
することを特徴とする。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項1または2
に記載の反射防止フィルムにおいて、前記光吸収層の主
成分が、チタン、ジルコニウム、あるいはハフニウムの
窒化物または酸窒化物から選ばれる少なくとも1種類か
らなることを特徴とする。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれか1項に記載の反射防止フィルムにおいて、前記反
射防止層に、少なくとも屈折率が2.0以下の低屈折率
層を含むことを特徴とする。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項4記載の低
屈折率層が、酸化珪素からなることを特徴とする。
【0018】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれか1項に記載の反射防止フィルムにおいて、前記防
汚性低屈折率層が、高分子有機化合物またはシリコーン
化合物からなることを特徴とする。
【0019】請求項7記載の発明は、前記防汚性低屈折
率層が、請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射防止
フィルムにおいて、フッ素含有有機化合物からなること
を特徴とする。
【0020】請求項8記載の発明は、請求項1〜7のい
ずれか1項に記載の反射防止フィルムにおいて、前記防
汚性低屈折率層の膜厚を制御することによって、反射光
の色味をコントロールすることを特徴とする。
【0021】請求項9記載の発明は、請求項1〜8のい
ずれか1項に記載の反射防止フィルムにおいて、前記プ
ラスチック基材からなる支持体と反射防止層との間に、
ハードコート層が形成されていることを特徴とする。
【0022】請求項10記載の発明は、請求項9記載の
ハードコート層が、平均粒子径0.01〜3mmの透明
微粒子を含有することを特徴とする。
【0023】請求項11記載の発明は、請求項1〜10
記載の反射防止フィルムにおいて、前記プラスチック基
材からなる支持体の表面を酸素プラズマ処理を施すか、
あるいはプライマー層を形成することを特徴とする。
【0024】請求項12記載の発明は、請求項10記載
のハードコート層の表面を酸素プラズマ処理を施すか、
あるいはプライマー層を形成することを特徴とする。
【0025】請求項13記載の発明は、請求項1〜12
のいずれか1項に記載の反射防止フィルムを表面に有す
ることを特徴とする光学機能性フィルムである。
【0026】請求項14記載の発明は、請求項1〜12
のいずれか1項に記載の反射防止フィルムを表面に有す
ることを特徴とする表示装置である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一例としての実施
の形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、
各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表してい
る。
【0028】図1は、本発明の反射防止フィルムの一例
の構成を示した断面図である。本発明の反射防止フィル
ム10は、プラスチック基材からなる支持体1の片面
に、光吸収層4、低反射率層5、撥水性及び/又は撥油
性を持つ防汚性低屈折率層6が順次積層されており、防
汚性低屈折率層6が最外面に形成されてなる反射防止層
7を設けた層構の反射防止フィルムである。
【0029】本発明において用いられるプラスチック基
材からなる支持体1としては、平滑で透明性のあるプラ
スチックフィルムを用いることができる。例えば、ポリ
メチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、ポリエチレンサルファイド、ポリエーテルスルホ
ン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース等が
使用でき、目的、用途によって適宜選択される。支持体
の厚さは、それを構成するプラスティックフィルムの種
類、目的、用途により選択、設定されるが、通常、70
〜200μmの厚さが好ましい。また、上記支持体の表
面を酸素プラズマ処理を施すか、あるいはプライマー層
を形成することもできる。
【0030】本発明における光吸収層4の形成材料とし
ては、導電性を有するものであって、窒化チタン、ある
いは酸窒化チタンが使用できるが、ジルコニウム及びハ
フニウムの窒化物、あるいは酸窒化物、または金、銀、
銅などの金属を用いることもできる。
【0031】上記光吸収性材料を使用することによっ
て、本発明の反射防止フィルムをディスプレイ等の表示
装置の表面に適用した際、反射防止機能に加えて高コン
トラスト表示性能を付加し、画像表示装置の表示品質を
向上せしめる。
【0032】光吸収層の形成方法としては、真空蒸着
法、反応性蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法、スパ
ッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレー
ティング法、プラズマCVD法等の真空成膜プロセスに
よることができるが、成膜方法は特に限定されるもので
はない。
【0033】本発明における低屈折率層5は、屈折率が
2.0以下の低屈折率を有するものであって、形成材料
としては、酸化珪素を使用することができる。また、フ
ッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム
等の無機化合物や、有機珪素系樹脂、多官能基を含むア
クリル系、ウレタン系、ポリエステル系、メラミン系等
の有機樹脂も使用することができる。
【0034】低屈折率層の形成方法としては、無機化合
物層を形成する場合、光吸収層と同様に真空成膜プロセ
スによることができる。また、有機樹脂層を形成する場
合には、グラビアコートやスクリーンコート等のウェッ
トコートと、熱乾燥法、熱硬化法、紫外線照射硬化法、
電子線照射硬化法等を組み合わせた成膜プロセスによる
ことができ、各々の有機樹脂の塗布性や硬化性等の特性
に最適な方法が適宜選択される。この他のいかなる成膜
方法であっても構わない。また、紫外線硬化法、電子線
照射硬化法等による場合、真空中に有機樹脂を加熱気化
により、或いは超音波によりミスト化して導入し、基材
近傍で照射することにより低屈折率層を形成することも
可能である。
【0035】本発明における防汚性低屈折率層6の形成
材料としては、付与する撥水性あるいは撥油性の程度等
に応じて種々の高分子有機化合物またはシリコーン化合
物を使用することができるが、特に、高い撥水性と撥油
性とを示す好ましい形成材料として、フッ素含有有機化
合物をあげることができる。このうち、撥水性を示すも
のとしては、例えば、フルオロカーボンやパーフルオロ
シラン、またはこれらの高分子化合物等をあげることが
できる。また、指紋拭き取り性等の向上のためには、メ
チル基等の撥油性基を有する高分子化合物が好適であ
る。
【0036】上記防汚性低屈折率層の膜厚のみをコント
ロールすることによって、他の層の膜厚を新たに設定し
直すことなく反射光の色味をコントロールすることがで
きる。
【0037】防汚性低屈折率層の形成方法としては、そ
の形成材料に応じて真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法、プラズマCVD法、プラズマ重
合法等の真空成膜プロセスや、マイクログラビア法、ス
クリーンコート法、ディップコート法等のウェットプロ
セスの各種コーティング法を用いることができる。
【0038】図2は、本発明の反射防止フィルムの他の
例の構成を示した断面図である。本発明の反射防止フィ
ルム20は、プラスチック基材からなる支持体1の片面
に、光吸収層4、低反射率層5、撥水性及び/又は撥油
性を持つ防汚性低屈折率層6からなる反射防止層7を設
けた層構成に、さらに支持体1と光吸収層4の間にハー
ドコート層2およびプライマー層3を設けた例を示した
ものである。本発明の反射防止フィルムは場合により、
ハードコート層2、プライマー層3のいずれか、または
上記構成のようにそれら2層を設けてもよい。
【0039】本発明におけるハードコート層2の形成材
料としては、透明性と適度な硬度と機械的強度とがあれ
ば、特に限定されるものではない。例えば、電子線や紫
外線の照射により硬化する樹脂や熱硬化性の樹脂等を使
用でき、特に紫外線照射硬化型のアクリル系樹脂や有機
珪素系樹脂、熱硬化型のポリシロキサン樹脂が好適であ
る。これらの樹脂としては、支持体と屈折率が同等もし
くは近似していることがより好ましい。
【0040】ハードコート層の膜厚は、形成樹脂等にも
よるが、通常3μm以上あれば十分な強度となる。透明
性、塗工精度、取扱い性の点からは5〜20μmとする
ことが好ましい。
【0041】また、ハードコート層には、平均粒子径
0.01〜3μmの透明な無機あるいは有機の超微粒子
を混合分散させてもよく、この超微粒子として表面に凹
凸形状を有するものを使用してもよい。このような超微
粒子を使用することにより、一般にアンチグレアと呼ば
れる光拡散性の処理を施すことができる。これらの超微
粒子の形成材料としては、透明であれば特に限定はない
が、低屈折率材料が好ましく、特に、無機の酸化珪素や
弗化マグネシウム等が安定性、耐熱性等の点から好まし
い。また、ハードコート層2の形成方法としては、均一
に塗工される限り、任意の塗布方法によることができ
る。
【0042】プライマー層3は、支持体1あるいはハー
ドコート層2と反射防止層7との密着性を高めるもので
あり、密着性の仕様を満たすものであればいかなる材料
であっても制限されるものではない。代表的な例として
はクロムやシリコン、チタン、アルミ等の金属の亜酸化
物からなるものが挙げられる。膜厚は透明度を阻害しな
いように設定しなければならず、5〜15nmの範囲が
好ましい。プライマー層3を設けないで、ハードコート
層の表面を酸素プラズマ処理を施すこともできる。
【0043】本発明の反射防止フィルムと他のプラスチ
ックフィルムや偏光フィルム等と貼り合わせることによ
り得られる光学機能フィルムとしても同様の機能を付与
できる。さらには、本発明の反射防止フィルムをディス
プレイ等の表示装置の前面板等に貼り合わせることによ
り、広い反射範囲で低反射を得られるばかりでなく、防
汚性、電磁波シールド機能、更には高コントラスト表示
性能を兼ね備えた、キズが付きにくく、画面認識のしや
すい表示装置を提供できる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例について図に
基づいて詳細に説明する。
【0045】<実施例1>支持層1としてPETフィル
ム(100μm厚、屈折率n=1.65)を使用し、こ
の上に、光吸収層4として窒化チタン膜を窒素ガスを導
入してチタンターゲットをスパッタする反応性スパッタ
リング法で成膜した後、低屈折率層5として酸化珪素膜
を真空蒸着法により成膜し、更にその上に防汚性層6と
してテトラフルオロエチレン樹脂をスパッタリング法に
より成膜した。反射防止層7の各層の屈折率n、吸収係
数k、幾何学的膜厚d及び光学膜厚ndを下記に示し
た。 1層目:TiN (n=1.75、 k=0.86 [45
0nm]、 n=1.26、 k=1.26 [550n
m]、 n=1.15、 k=1.65 [650nm]、
d=14nm) 2層目:SiO2 (n=1.46、 nd=125n
m) 3層目:テトラフルオロエチレン樹脂 (n=1.3
8、 nd=7nm)
【0046】各層の光学膜厚は、光学式の膜厚モニター
により監視し、目的光量値に達した時に成膜を止め所定
の光学膜厚を得た。
【0047】得られた反射防止フィルムの平均反射率は
波長450nm〜650nmの範囲で0.33%、平均
透過率は同範囲で68.2%であった。また、色度はD
65光源で(x、y)=(0.269、0.217)を
示した。
【0048】スチールウール(ボンスターNo.000
0、日本スチールウール株式会社製)で得られた反射防
止フィルムの表面を250g/cm2の荷重で30回擦
過することにより耐擦傷性試験を行った。その結果、傷
は認められず良好な耐擦傷性を有していた。また、表面
に指紋を付着させたところ、ティッシュペーパーで容易
に拭き取れた。更にA4サイズの対角で内部抵抗を測定
したところ、1.54kΩであった。
【0049】<実施例2>支持層1としてPETフィル
ム(100μm厚、屈折率n=1.65)を使用し、そ
の上にハードコート層2として紫外線硬化性の多官能性
アクリル樹脂(屈折率n=1.55)を5μmの膜厚で
塗布した。続いてこの上にプライマー層3としてシリコ
ンをスパッタリング法により5nm成膜した。更にこの
上に光吸収層4として窒化チタン膜を窒素ガスを導入し
てチタンターゲットをスパッタリングする反応性スパッ
タリング法で成膜した後、低屈折率層5として酸化珪素
膜を真空蒸着法により成膜し、その上に防汚性低屈折率
層6としてパーフルオロエーテルシランカップリング剤
を真空蒸着法により成膜した。反射防止層7の各層の屈
折率n、吸収係数k、幾何学的膜厚d及び光学膜厚nd
を下記に示した。 1層目:TiN(n=1.75、 k=0.86 [45
0nm]、 n=1.26、 k=1.26 [550n
m]、 n=1.15、 k=1.65 [650nm]、
d=15nm) 2層目:SiO2(n=1.46、 nd=120nm) 3層目:パーフルオロエーテルシランカップリング剤
(n=1.40、 nd=7nm)
【0050】各層の光学膜厚は、光学式の膜厚モニター
により監視し、目的光量値に達した時に成膜を止め所定
の光学膜厚を得た。
【0051】得られた反射防止フィルムの平均反射率は
波長450nm〜650nmの範囲で0.26%、平均
透過率は同範囲で69.0%であった。また、色度はD
65光源で(x、y)=(0.220、0.199)を
示した。
【0052】スチールウール(ボンスターNo.000
0、日本スチールウール株式会社製)で得られた反射防
止フィルムの表面を250g/cm2の荷重で30回擦
過することにより耐擦傷性試験を行った。その結果、傷
は認められず良好な耐擦傷性を有していた。また、表面
に指紋を付着させたところ、ティッシュペーパーで容易
に拭き取れた。更にA4サイズの対角で内部抵抗を測定
したところ、1.89kΩであった。
【0053】<実施例3>実施例1の3層目の防汚性低
屈折率層の膜厚を変化させて反射光の色度を測定した。
テトラフルオロエチレン樹脂 (n=1.38、nd=
2nm)の時、D65光源で測定した色度は(x、y)
=(0.331、0.299)であった。
【0054】テトラフルオロエチレン樹脂 (n=1.
38、nd=5nm)の時、D65光源で測定した色度
は(x、y)=(0.294、0.255)であった。
【0055】テトラフルオロエチレン樹脂 (n=1.
38、nd=10nm)の時、 D65光源で測定した
色度は(x、y)=(0.245、0.200)であっ
た。
【0056】いずれの場合も、スチールウール(ボンス
ターNo.0000、日本スチールウール株式会社製)
で表面を250g/cm2の荷重で30回擦過すること
により耐擦傷性試験を行った。その結果、傷は認められ
ず良好な耐擦傷性を有していた。また、表面に指紋を付
着させたところ、ティッシュペーパーで容易に拭き取れ
た。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、可視光の広い範囲で反
射を低く抑えることが可能な反射防止機能、防汚性およ
び耐擦傷性に優れ、さらに電磁場シールド機能を併せ持
つ反射防止フィルムおよび表面にそのフィルムを適用
し、高コントラスト表示性能を有する光学機能フィルム
およびディスプレイ等の表示装置を提供することが可能
となった。反射光の色味をコントロールする際には、反
射防止層の防汚性低屈折率層の膜厚をコントロールする
ことにより、大幅な膜設計の変更をすることなくコント
ロールできるので、膜設計に費やしていた時間を短縮で
きる。光吸収層には導電性を有する材料を用いることに
より、電磁場シールド機能を併せ持つ反射防止フィルム
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止フィルムの一例の構成を示す
断面図である。
【図2】本発明の反射防止フィルムの他の例の構成を示
す断面図である。
【符号の説明】
1・・・支持層 2・・・ハードコート層 3・・・プライマー層 4・・・光吸収層 5・・・低屈折率層 6・・・防汚性低屈折率層 7・・・反射防止層 10、20・・・反射防止フィルム
フロントページの続き Fターム(参考) 2K009 AA05 AA15 BB13 BB14 BB24 BB28 CC02 CC03 CC09 CC24 CC26 CC34 CC35 CC42 DD02 DD03 DD04 DD07 DD17 EE00 EE01 EE03 EE05 4F100 AA12B AD04B AD05C AH05D AH06D AK42A AR00B AR00C AR00D AR00E AT00A BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C BA10D CA23E DE01E DE01H EH66B EJ61E EJ65E GB41 JD08 JG01B JK12 JK12E JL06 JL06D JN01E JN01H JN06 JN08 JN18C JN18D JN30B YY00C YY00D YY00E 5G307 FA02 FB02 FB04 FC01 FC08 GA06 GA08 GC01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック基材からなる支持体上に、反
    射防止層を設けた反射防止フィルムにおいて、前記反射
    防止層に少なくとも光吸収層を含み、かつ最外面が防汚
    性低屈折率層からなることを特徴とする反射防止フィル
    ム。
  2. 【請求項2】前記光吸収層が、導電性を有することを特
    徴とする請求項1記載の反射防止フィルム。
  3. 【請求項3】前記光吸収層の主成分が、チタン、ジルコ
    ニウム、あるいはハフニウムの窒化物または酸窒化物か
    ら選ばれる少なくとも1種類からなることを特徴とする
    請求項1または2に記載の反射防止フィルム。
  4. 【請求項4】前記反射防止層に、少なくとも屈折率が
    2.0以下の低屈折率層を含むことを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  5. 【請求項5】請求項4記載の低屈折率層が、酸化珪素か
    らなることを特徴とする反射防止フィルム。
  6. 【請求項6】前記防汚性低屈折率層が、高分子有機化合
    物またはシリコーン化合物からなることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  7. 【請求項7】前記防汚性低屈折率層が、フッ素含有有機
    化合物からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載の反射防止フィルム。
  8. 【請求項8】前記防汚性低屈折率層の膜厚を制御するこ
    とによって、反射光の色味をコントロールすることを特
    徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の反射防止
    フィルム。
  9. 【請求項9】前記プラスチック基材からなる支持体と反
    射防止層との間に、ハードコート層が形成されているこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の反
    射防止フィルム。
  10. 【請求項10】請求項9記載のハードコート層が、平均
    粒子径0.01〜3mmの透明微粒子を含有することを
    特徴とする反射防止フィルム。
  11. 【請求項11】前記プラスチック基材からなる支持体の
    表面を酸素プラズマ処理を施すか、あるいはプライマー
    層を形成することを特徴とする請求項1〜10記載の反
    射防止フィルム。
  12. 【請求項12】請求項10記載のハードコート層の表面
    を酸素プラズマ処理を施すか、あるいはプライマー層を
    形成することを特徴とする反射防止フィルム。
  13. 【請求項13】請求項1〜12のいずれか1項に記載の
    反射防止フィルムを表面に有することを特徴とする光学
    機能性フィルム。
  14. 【請求項14】請求項1〜12のいずれか1項に記載の
    反射防止フィルムを表面に有することを特徴とする表示
    装置。
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